Drill thread milling cutter

申请号 JP2006080373 申请日 2006-03-23 公开(公告)号 JP2006263912A 公开(公告)日 2006-10-05
申请人 Emuge-Werk Richard Glimpel Gmbh & Co Kg; ゲーエムベーハー ウント カンパニー ケージー、エミューゲ ヴェルク リチャード グリンペル; 发明人 GLIMPEL HELMUT DIPL-ING; SPERBER MATTHIAS;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a drill thread milling cutter capable of more efficiently processing a long material of a chip, and/or stabilizing a cutting edge, which is advantageous particularly to a material with high strength and hardness such as steel. SOLUTION: This drill thread milling cutter forms bores, and sequentially cuts threads inside the bores. The drill thread milling cutter (1) has an action area, and a plurality of drilling and milling cutting edges are arranged on an perimeter (3). A plurality of milling cutting edges (7, 8, 9, 10) more than the number of drill cutting edges by a coefficient more than 2 are arranged in a rotary direction, which leads to an effect of the invention. COPYRIGHT: (C)2007,JPO&INPIT
权利要求
  • a)少なくとも一つの回転方向(15)に軸(4)の周りを回転可能であり、
    b)被加工物に穿孔を形成するための少なくとも一つのドリル刃(17、18、27、28)を持つドリル領域(40)と、
    c)これに続いて被加工物の穿孔にねじ山をフライスするための少なくとも一つのフライス刃(7、8、9、10)を持つねじフライス領域(30)と、を備え、
    d)二より大きい係数分だけドリル刃(17)の数よりも多い複数のフライス刃(7、8、9、10)が回転方向に配置されるか効力を有することを特徴とするドリルねじ切りフライス(1)。
  • 六つのフライス刃と二つのドリル刃(27、28)が回転方向に配置されるか効力を有し、好適には二つのドリル刃の間にそれぞれ三つのフライス刃が回転方向に配置されることを特徴とする請求項1に記載のドリルねじ切りフライス。
  • a)半径方向の最も外側に突出するドリル刃(17、18)の軸(4)からの径方向距離が、半径方向の最も外側に突出するフライス刃(7、8、9、10)の径方向距離よりも、所定の正の径方向距離の差(t)だけ大きく、
    b)前記所定の径方向距離の差(t)は、鋼のようなチップの長い材料であっても、ドリル動作中に生じるチップが、本質的にフライス刃と前記ドリル領域によって形成された穿孔の壁との間に挟まらず、同時にドリル動作中にフライス刃が被加工物と係合しないように選択され、および/または、前記所定の径方向距離の差(t)が、5μmから30μmの範囲、または10μmから25μmの範囲で選択されることを特徴とする請求項1または2に記載のドリルねじ切りフライス(1)。
  • 軸(4)に対して軸方向に隣接するフライス刃(7、8、9、10)のすくい面が本質的に連続的な表面を形成し、および/または本質的に平坦または曲面であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のドリルねじ切りフライス。
  • 少なくとも一つのドリル刃(27、28)の少なくとも一つの領域が負のすくい角を有しており、このすくい角が被加工物の材料の関数として選択され、および/またはすくい角が−0.1度から−25度の間、または−1度から−15度の間にあり、
    前記ドリル領域(40)は、好適にはその端面に少なくとも一つのドリル主刃(27、28)を持ち、また(円周に配置された)少なくとも一つのドリル側面刃(17、18)を持ち、各ドリル主刃(27、28)の少なくとも一つの領域が負のすくい角を有し、各ドリル主刃(27、28)は好適には軸(4)に対して外側から半径方向に減少するすくい角と、軸(4)に隣接する少なくとも一つの内部領域で負のすくい角とを有し、
    および/または、ドリル側面刃のすくい角と、軸方向に隣接するフライス刃のすくい角とが好適には本質的に同一であり、
    および/または、好適にはドリル側面刃(17、18)とドリル主刃(27、28)との間に斜面(19)を有する移行領域が形成され、前記斜面(19)は30度から60度の角度(β)で配置され、好適にはドリルねじ切りフライス(1)の軸(4)に対して45度であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のドリルねじ切りフライス。
  • 前記フライス刃(7、8、9、10)は、被加工物の材料の関数として選択される正のすくい角または負のすくい角を持ち、被加工物の材料として鋼を用いる場合、前記負のすくい角が、好適には−0.1度から−25度の間であり、または−1度から−15度の間であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のドリルねじ切りフライス。
  • 軸(4)に対して軸方向に、前記ドリル領域(40)の少なくとも一つのドリル刃(17、18、27、28)に後続して、前記ねじフライス領域(30)の少なくとも一つの関連するフライス刃(8、10)が、関連する共通のドリル用チップ空間(11、12)に配置され、このドリル用チップ空間は、前記ドリル主刃によって生成されたドリルチップを取り除くとともに、好適には前記フライス刃によって生成されたフライスチップを取り除くためのものであり、
    および/または、前記ねじフライス領域(30)の少なくとも一つの別のフライス刃(7、9)が、この少なくとも一つの別のフライス刃によって生成されたフライスチップを取り除くために少なくとも一つのフライス用チップ空間(13、14)に配置され、このフライス刃(7、9)は、前記ドリル刃に後続するように配置されたドリル用チップ空間(11、12)にあるフライス刃に対して回転方向にオフセットされており、
    チップの除去に利用可能である各ドリル用チップ空間(11、12)の容積は、フライス用チップ空間(13、14)の容積よりも大きく、
    および/または、各フライス用チップ空間は、軸(4)に最も近い点において、ねじフライス領域(30)の外径(d )の42%から75%の間、好ましくは60%の直径(d min2 )であり、
    および/または、各ドリル用チップ空間(11、12)は、軸(4)に最も近い点において、ねじフライス領域(30)の外径(d )の27%から50%の間、好ましくは43%の直径(d min1 )であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のドリルねじ切りフライス。
  • a)軸(4)に対して軸方向に、前記ドリル領域(40)の少なくとも一つのドリル刃(17、18、27、28)に後続して、前記ねじフライス領域(30)の少なくとも一つの関連するフライス刃(8、10)が、関連する共通のドリル用チップ空間(11、12)に配置され、このドリル用チップ空間は、前記ドリル刃によって生成されたドリルチップを取り除くとともに、好適には前記フライス刃によって生成されたフライスチップを取り除くためのものであり、
    b)各ドリル用チップ空間(11、12)の直径(d min1 )が、軸(4)に最も近い点において、前記ねじフライス領域(30)にわたって前記ドリル領域(40)からの軸方向範囲で減少し、
    または、各ドリル用チップ空間(11、12)の容積が、前記ねじフライス領域(30)にわたって、前記ドリル領域(40)からの軸方向範囲で増加することを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のドリルねじ切りフライス。
  • a)軸(4)に最も近い点における各フライス用チップ空間(13、14)の直径(d min2 )は、前記ねじフライス領域(30)にわたって、前記ドリル領域(40)からの軸方向範囲で本質的に一定であり、または、各ドリル用チップ空間(11、12)の容積は、前記ねじフライス領域(30)にわたって、前記ドリル領域(40)からの軸方向範囲で本質的に一定であり、および/または、
    b)軸(4)に最も近い点における各フライス用チップ空間(13、14)の直径(d min2 )は、前記ねじフライス領域(30)にわたって、前記ドリル領域(40)からの軸方向長さが減少し、または、各ドリル用チップ空間(11、12)の容積は、前記ねじフライス領域(30)にわたって、前記ドリル領域(40)からの軸方向範囲で増加し、
    ドリル用チップ空間またはフライス用チップ空間の直径の減少は、好適には軸長に対して0.1%から3%の間で選択され、および/または、被加工物の材料が高強度のときに低強度の材料よりも大きくなるように被加工物の材料に応じて選択され、および/または、
    c)少なくとも一つのチップ空間(11、12、13、14)の境界表面の断面は少なくとも、円形、楕円、放物線、双曲線の形状であり、および/または、軸(4)に対して半径方向に走る線に対して対称または非対称になるように設計され、および/または、
    d)前記チップ空間(11、12、13、14)は、右回りまたは左回りのらせん溝または直線溝を形成することを特徴とする請求項7または8に記載のドリルねじ切りフライス。
  • a)ドリル用チップ空間(11、12)に配置されるフライス刃(8、10)は、フライス用チップ空間で回転方向に後続する一つのフライス刃(7、9)からの角度距離よりも大きい、フライス用チップ空間で回転方向に先行する一つのフライス刃(9、7)からの角度距離にあり、および/またはb)ドリル用チップ空間(11、12)に配置されるフライス刃(8、10)は、フライス用チップ空間で回転方向に後続するフライス刃(9、7)からの角度距離(α)が、最大88度であり、特に62度から88度の間であり、好ましくは82度から85度、または72度から78度の間であることを特徴とする請求項7ないし9のいずれかに記載のドリルねじ切りフライス。
  • 軸(4)に対して軸方向に連続して配列されたフライス刃(7、8、9、10)の複数の列が設けられ、各列のフライス刃が、好適には軸(4)と平行に直線状に配置されており、または、各列のフライス刃および/または関連するチップ空間が、軸(4)の回りを通るらせん状に配置されており、
    および/または、各列のフライス刃が、好適にはねじ山ピッチに対応する軸方向距離を持って相互に配置されており、
    および/または、各列のフライス刃の径方向距離、すなわち軸(4)からのねじフライス領域(30)の外径が、ドリル領域(40)から離れる方向で減少し、径方向距離すなわち外径の減少が、軸長に対して0.15%から1%の範囲内、特に0.15%から0.5%の範囲内、好適には約0.2%から選択されることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載のドリルねじ切りフライス。
  • 工具の回転方向(15)における一つのフライス刃(7、9)に後続する他のフライス刃(8、10)は、端面(16)において所定の量だけ軸方向(a)に後退させられており、
    および/または、軸方向(a)に部分的に延びる少なくとも一つの冷却液通路(23)が、フライス刃(7、8、9、10)の間に形成されるチップ受け入れ空間(11、12、13、14)で直接または間接的に開口し、好適には、少なくとも一つの横断穴または分岐が前記冷却液通路(23)から前記チップ受け入れ空間(11、12、13、14)に延び、
    および/または、冷却液および/または潤滑油の出口開口部が、端面(16)の領域および/または前記ドリル領域(40)に配置されることを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載のドリルねじ切りフライス。
  • 安定性を高めるために、少なくとも一つのフライス刃が明確な丸みを持ち、および/または、チップ破壊挙動を改善しおよび/または刃を安定化するために、少なくとも一つのドリル刃、好適には各ドリル刃が明確な丸みを持ち、刃の丸みは、好適にはブラッシングおよび/またはサンドブラストにより生成され、必要に応じて前もって斜面を切断しておき、および/または、ドリル刃および/またはフライス刃(7、8、9、10)の少なくとも一部が機械耐久性のある材料でコーティングされていることを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載のドリルねじ切りフライス。
  • 前記ねじフライス領域(30)とシャンク(21)との間に座ぐり部(20)が配置され、該座ぐり部(20)は、ドリルねじ切りフライス(1)の軸(4)に対して45度に配置された刃を有することを特徴とする請求項1ないし13のいずれかに記載のドリルねじ切りフライス。
  • 说明书全文

    本発明は、請求項1のプリアンブルにしたがったドリルねじ切りフライス(drill thread milling cutter)に関する。

    このタイプのドリルねじ切りフライスは、例えば、国際公開第2004/022274号、米国特許第4,651,374号、米国特許第4,761,844号から知ることができ、または、Handbuch der Gewindetechnik und Frastechnik(ねじ切りおよびフライス実施マニュアル)、出版者EMUGE-FRANKEN、出版社Publicis Corporate Publishing、刊行年2004年、ISBN 3-89578−232−7、354ページからも知ることができる。 この種の工具を用いると、第1に、被加工物に一般的な円筒状の穿孔を開けることができる。 このため、公知のドリルねじ切りフライスは、穿孔を形成可能なドリル刃を備えている。 穿孔が開けられると、切刃が半径方向に送られる。 すなわち、穿孔の中心から穿孔軸と平行な位置へと移動される。 工具のシャンクには、フライス刃すなわちフライス歯が配置されており、これを用いて、円形のねじ切りフライス動作によって穿孔にねじ山を形成することができる。 この過程において、ドリルねじ切りフライスの切刃すなわちフライス歯は、穿孔の壁に共同して係合する。 そして、工具の回転と、同時に実行される工具全体のらせん運動とによって、ねじ山が形成される。

    国際公開第2004/022274号によると、ドリルねじ切りフライスは鋼に適しているといわれており、この目的のため、ドリル領域にコア−穴−形成刃を備え、さらに、軸方向に隣接するねじフライス領域にねじ山形成刃を備えている。 ねじ山形成刃は、径方向の寸法がコア−穴−形成刃よりも3%小さい。 したがって、コア−穴形成刃とねじ山形成刃の間の径方向の距離差の絶対値は、ドリルねじ切りフライスの直径によって決まる。 ドリルねじ切りフライスの典型的な直径である約8mmでは、コア−穴形成刃とねじ山形成刃の間の径方向の距離差は約0.24mm、すなわち240μmである。 互いに180度オフセットされて配置された二つのドリル溝が配置される。 ドリル溝の端面には、コア−穴−形成刃すなわちドリル刃が位置し、軸方向に隣接して、ねじ山形成歯すなわち切刃の第1の軸方向列が位置する。 さらに、二つのドリル用溝の間に、約90度オフセットして、二つの小さめのフライス用溝が設けられる。 フライス用溝には、追加のねじ山形成刃として、フライス刃すなわちフライス歯の別の軸方向列が配置される。 ドリル用溝にあるねじ山形成刃の第1の列は、ドリル用溝に対して半径方向に後退している。 すなわちドリル用溝に対して低くされている。 これは、いずれの場合も、ドリル用溝にあるねじ山形成刃に対するドリルにより生じるチップ(チップはドリル用溝により取り除かれる)の影響を軽減するためである。 溝は、工具の先端からドリルのシャンクに向かって小さくなっていく。 この結果、ドリルねじ切りフライスの側面の剛性が強化される。 このため、溝でのコアの直径は、先端からシャンクに向かって増加する。

    米国特許第4,651,374号、および米国特許第4,761,844号は、図1〜4において、互いに90度だけオフセットした、横断面と容積が同一である4つの溝を有するドリルねじ切りフライスを開示する。 溝の横断面と容積は、工具軸に対して全長にわたり軸方向で同一である。 互いに180度オフセットされた二つの溝において、工具の先端にエンドドリル刃が設けられる。 エンドドリル刃は、ドリル先端に向けて先細りになっている。 また、エンドドリル刃に軸方向で隣接して、ドリル用溝に歯の列のかたちでねじフライス刃が配置される。 他の二つの溝にはドリル刃は設けられないが、ねじフライス刃のみが軸方向の歯の列として設計される。 したがって、これらの溝は、単にフライス用溝として機能する。 フライス歯は、工具軸に垂直に配置された環状の部分に形成される。 工具シャンクとねじフライス領域を通して中央に冷却液通路が通る。 この通路は、ドリル領域で分岐して4つの部分通路になる。 部分通路は、ねじフライス歯が位置する歯のウェブ(tooth web)内のドリル先端で開口する。 ねじフライス刃すなわちねじフライス歯を持つねじフライス領域は、最大直径が一様であり、ドリル領域の最大直径に等しい。 したがって、ねじフライス領域は、ドリル領域が形成した穿孔の中に干渉することなく移動することができる。

    米国特許第4,651,374号に加えて、米国特許第4,761,844号は、二つの溝のみが設けられたドリルねじ切りフライスの別の実施形態を開示する(図5〜図12)。 溝には、ドリル刃とそれに続くねじフライス歯の両方が、歯の列として配置される。 この場合、穿孔を形成するためのドリル領域のほかに、エンドミリング領域と、中央に凹みにあるドリル領域とが開示されている。 ねじフライス領域のねじフライス刃は、ドリル領域の最大直径以下の最大直径を有するので、穿孔形成領域で形成された穿孔の中に、ねじフライス領域を干渉することなく挿入することができる。 加えて、ねじフライス領域とシャンクとの間に座ぐり用の斜面が設けられる。 このさらなる実施形態における二つの溝も、作用領域の全長にわたって同一の横断面と同一の体積を有する。

    国際公開第2004/022274号によるドリルねじ切りフライスでは、回転方向で相互に連続する複数のフライス刃の間の度ピッチは、ドリル溝にあるフライス刃と、回転方向に先行するフライス刃との間で、90度より大きい角度になる。 この角度は、図面によると約103度であり、それに対応して、回転方向で後続するフライス刃における余角は77度である。 米国特許第4,651,374号および米国特許第4,761,844号によるドリルねじ切りフライスでは、角度ピッチは一定であり90度または180度に等しく、したがって同一のピッチが実現される。

    従来から知られているタイプのドリルねじ切りフライスは、例えば、ねずみ鋳鉄や真鍮などのチップの短い(short-chipping)材料を容易に加工することができる一方で、例えば鋼などのチップの長い(long-chipping)材料を加工すると問題が生じる。 ドリル加工中、工具のねじフライス領域の内部に長いチップが進入し、そのためねじフライス領域が損傷したり破壊されたりすることがあるからである。

    さらに、出願人により実施された試験において、従来から知られている最初に述べたタイプのドリルねじ切りフライスは、鋼などのチップが長くおよび/または高強度の材料を加工するとき、比較的破壊しやすいことが分かった。

    加えて、既知のドリルねじ切りフライスは、それらが動作準備ができている限り、切削能が比較的低い。

    本発明の目的は、最初に述べたタイプのドリルねじ切りフライスを改善することである。

    この目的は、請求項1の特徴により本発明によって達成される。 有利な構成および展開は、請求項1の従属項から明らかになる。

    ドリルねじ切りフライスは、軸の周りを少なくとも一つの回転方向(切削方向)に回転可能であり、第1に、被加工物に穿孔を形成するための少なくとも一つのドリル刃を持つドリル領域を有し、第2に、その後に被加工物の穿孔にねじ山を形成するための少なくとも一つのフライス刃を持つねじフライス領域を有する。 本発明によれば、回転方向すなわち工具の円周上に、ドリル刃の二倍以上の数のフライス刃が設けられる。 ねじフライス動作中のストック(材料)除去能力は、原理的にドリル動作中の能力よりも低いので、結果として、従来技術よりも高いフライス切削能力が実現できる。

    六つのフライス刃と二つのドリル刃があることが好ましい。 この場合、関連するフライス刃を持つ少なくとも二つのフライス用チップ空間がそれぞれ、二つのドリル用チップ空間の間に配置されることが好ましい。

    別の解決策と組み合わせることもできるが、独立項とされている別の解決策は、ドリル刃の少なくとも一部分が負のすくい角を持つドリルねじ切りフライスを提案する。 すくい角は、被加工物の材料の関数として選択される。 通常は、−0.1度から−25度の間で選択され、好ましくは−1度から−15度の間で選択される。 すくい角が負であると、従来技術とは対照的に、鋼などの高強度材料もドリルねじ切りフライスで加工することができる。

    請求項1から独立して請求できる有利な発展形態では、所定の正(0に等しい)の径方向距離の差だけ、フライス刃よりもさらに外方に延びて軸から半径方向にドリル刃が突出する。 ドリル刃とフライス刃の間の所定の径方向距離の差は、たとえ鋼などのチップの長い材料であっても、ドリル中に生成されるチップが本質的にフライス刃とドリル領域によって形成された穿孔の壁との間に挟まらないように、かつ同時に、ドリル中にフライス刃が被加工物に係合しないように設定される。 および/または、所定の径方向距離の差が0.005mmから0.03mmの範囲、好ましくは、0.01mmから0.025mmの範囲の値をとるように設定される。

    これとは対照的に、国際公開第2004/022274号では、ドリル刃に対してフライス刃を径方向に後退させるために、指定された3%をもつ、実質的により大きな距離の差(工具径の増加とともに増加する)が提案されている。 しかしながら、出願人により実施された詳細なテストによってのみ示されたことだが、距離をこのように大きくすると、特に鋼などのチップの長い材料の場合には、フライス刃とドリル刃によって作成された穿孔との間にドリル動作により生じるチップが挟まってしまい、そのため工具の滅失が早くなる。

    米国特許第4,651,374号または米国特許第4,761,844号において提案されたドリルねじ切りフライスでは、注意の焦点は、ドリル中の損傷からねじフライス刃を守ることのみにある。 したがって、ねじフライス刃はドリル刃と全く同じ径寸法に設計されている。 チップの長い材料の場合にドリルにより生じるチップが挟まることに関連する問題は、これらの刊行物では言及されていない。 ねじフライス刃と、同じ径寸法のドリル刃とを有するこのような設計では、フライス刃と穿孔の壁との間にドリルにより生じるチップが挟まれることはないが、それにもかかわらず、これら既知の工具は鋼などのチップの長い材料には向いていない。

    請求項1とは独立して請求できる上述の目的の別の解決策は、ドリルねじ切りフライスの軸に対して軸方向に、ドリル領域の少なくとも一つのドリル刃に後続するように、ねじフライス領域の少なくとも一つの関連するフライス刃を、関連する共通のドリル用チップ空間(ドリル用溝)に配置することである。 これは、ドリル刃によって生成されたドリルチップを取り除くために配置される。 好適には、ドリル用チップ空間は、フライス刃によって生成されたフライスチップを取り除くためにも設けられる。 ねじフライス領域にわたって、ドリル領域から送り方向すなわち軸方向に、ドリル用チップ空間が拡大される。 これは、軸に最も近い点、すなわち最も内側の点における各ドリル用チップ空間の直径を軸の範囲で減少させることによって、すなわち、各ドリル用チップ空間の容積を軸の範囲で増加させることによってなされる。 溝の中でのチップの広がりや変形の一部を容積の拡大によって打ち消すことができるので、鋼などのチップが長いと同時にかなりの弾性がある材料の長いチップを改善された態様で取り除くことができる。

    請求項1とは独立して請求できる上述の目的の別の解決策は、少なくとも一つのドリル刃、好ましくはドリル刃のそれぞれが、明確な丸みをもつことである。 その結果、チップ破壊挙動の改善を実現できる。 このため、チップの長い材料をより効率的に加工することができ、および/または切刃が安定するが、これは特に鋼などの高強度で硬い材料で有利である。

    一構成では、軸方向に隣接するフライス刃すなわちフライス歯のすくい面が、本質的に連続面を形成し、好ましくは平坦かまたは湾曲している。 すくい面を側面から、つまり表面の法線に対して垂直に観察したとき、従来から知られたドリルねじ切りフライスは階段状の側面を持つ。 これは、フライス動作中には不利であることが分かった。 本提案は、この不利な点を取り除く。 フライス歯は連続的なすくい面を持ち、溝まで直接到達する。

    フライス歯の間隔は等しくなくてもよい。 例えば、前の歯がドリル用チップ空間にある二つのフライス歯が、最大で88度、とりわけ62度から88度の間、特に好ましくは82度から85度の間、または72度から78度の間、特に75度の角度で相互に連続してもよい。

    さらに、各軸方向の列におけるフライス刃の径方向距離、つまり軸からのフライス領域の外径がドリル領域から離れる方向に減少することによって、フライス刃を持つねじ山のウェブ(thread web)が、後方に向けて例えば円錐状に狭まってもよい。 この減少は、軸長に対して0.15%から1%、好ましくは0.15%から0.5%、好ましくは約0.2%である。 この狭まりによって、特に鋼の場合に大きくなる工具の径方向のふらつきが補償される。

    軸方向で観察したとき、少なくとも一つのチップ受け入れ空間の境界面の断面は少なくとも、円形または楕円形であることが好ましい。 放物線または双曲線の形も可能である。 軸方向で観察したとき、少なくとも一つのチップ受け入れ空間の境界面は、軸を通り径方向に走る線に対して対称または非対称となるように設計される。 例えばねずみ鋳鉄などのチップの短い材料には、対称形が好ましく、例えば鋼などのより長くカールしたチップを生成するチップの長い材料には、非対称形が通常選択される。

    全てのフライス刃を、直線状またはらせん状に走る歯のウェブとして設計してもよい。 工具の回転方向で一つのフライス刃の後に続く他のフライス刃は、シャンクの端面で軸方向に所定の量だけ後退させることができる。 したがって、後に続く歯のウェブが軸方向に後退するが、これは、例えば、ドリルねじ切りフライスの端面を円錐状に面取り研磨(point grinding)することによって成し遂げることができる。 後退された後続の歯のウェブにより、フライス用溝の端領域で吐出する冷却液が、ドリル動作中にドリル用溝の内部を十分に通過することが保証される。

    冷却潤滑油用の出口開口部は、工具の作用領域の端面に配置されてもよい。

    チップ受け入れ空間は、右回りまたは左回りのらせん状溝を形成してもよい。 その結果、工具は左回りの切削または右回りの切削に適したものとなる。 直線の溝とする設計も可能である。

    耐用年数を伸ばすために、フライス刃の少なくとも一部に、機械耐久性のある材料でコーティングを施してもよい。 機械耐久性のある好適な材料は、チタンアルミニウム窒化物(TiAlN)である。

    穿孔の座ぐりを可能にするため、端面から遠い側のドリルねじ切りフライスのシャンクの端に座ぐり部を設ける発展形態が提供される。 この場合、座ぐり部は、ドリルねじ切りフライスの軸に対して45度で配置される切刃を有することが好ましい。

    上述の提案は、それぞれのケースにおいてドリルねじ切りフライス工具の改善につながり、これを用いた鋼などのチップの長い材料の切削が初めて可能になる。 特に、改善されたチップ破壊挙動により特徴づけられるドリルねじ切りフライスが提供され、チップの短い材料とチップの長い材料の両方を容易に加工することができる。 工具の耐用年数は比較的長く、そのため工具を経済的に用いることができる。

    本発明の典型的な実施形態は、それぞれ模式的な例で図面に示される。

    互いに対応する部分および量には、図1ないし図3で同じ呼称が与えられている。

    図1ないし図3には、ドリルねじ切りフライス(ドリルスレッドミリングカッタ(drill thread milling cutter))1が示されている。 ドリルねじ切りフライスは、工作機械に工具を取り付けるための円筒形のシャンク(軸柄)21を有する。 直径が小さくなった作用領域(切削部)2がシャンク21の他端に形成されている。 シャンクは、一つの部品で形成されるか、または少なくとも一つの既製の部品を取り付けることで形成される。 使用中、工具すなわちドリルねじ切りフライス1は、自身の軸4の回りを回転方向15(本例では時計回りすなわち右回り(右回りの切削))に回転する。 軸4は、シャンク21と作用領域2とを貫通し、通常は長軸でありおよび/または慣性主軸である。

    作用領域2は、その端部に、被加工物に穿孔(貫通穴(hole)または貫通しない孔(recess))を作成するドリル領域40を有し、また本質的に円筒の周囲(すなわち、包絡線の先端)3に、ねじフライス領域(ねじミリング領域)30を有する。 ねじフライス(thread milling)領域30は、軸4に対してドリル領域40から軸方向にオフセットして配置されており、ドリル領域40により形成された穿孔に、ねじフライスによってねじ山を生成するためのものである。

    ドリル領域40の端面16には、二つのドリル主刃(main cutting edge)27、28が設けられる。 これらの刃先は約180度オフセットされ、軸4に対してある角度をもってドリル先端25に向けて前方に延びる。 さらに、二つのドリル側面刃(lateral cutting edge)17、18が設けられる。 側面刃は、いずれも45度の角度βで延びる斜面19を介してドリル主刃27、28に隣接している。 斜面19は、ねずみ鋳鉄材料の加工には有利であるが、他の材料の場合には省いてもよい。

    図2を参照すると最もよく分かるように、ドリルねじ切りフライス1は、ねじフライス領域30に二つのフライス刃(milling cutting edge)のペア5、6を有する。 フライス刃のペアは、それぞれ二つのフライス刃7、8および9、10からなる。 二つのフライス刃7、8および9、10は、90度より小さい、好ましくはせいぜい88度の角距離だけ離れている。 つまり、工具回転方向(切削方向)15で後続するフライス刃8または10が、それぞれ最大で88度の角度αだけ遅れて、先行するフライス刃7または9の後を追いかける。 角度αの好ましい値は62度から88度の間にあり、特に75度の値が好ましい。

    これにより、ねじフライス運動中にチップ厚さが分布する。 フライス刃の不均等な角度配分のおかげで、滑らかな運転、少ないチャタリング性向、仕上げ後のねじ山の表面品質の改善が実現される。

    異なるフライス刃のペア5、6のフライス刃7、10の間と、フライス刃8、9の間には、それぞれチップ受け入れ空間11または12が配置される。 さらに、同じフライス刃のペア5、6のフライス刃7、8または9、10の間に、それぞれ追加のチップ空間13または14が同様に配置される。

    チップ空間12は、ドリル側面刃17とドリル主刃27に至るまで前方に延び、また、チップ空間11は、ドリル側面刃18とドリル主刃28に至るまで前方に延び、そこで、ドリル動作中に形成された被加工物材料のチップ(切り屑)のすくい面(rake face)を形成する。 二つのチップ空間11と12は、ドリル動作中に堆積する比較的大きいチップを取り除くために、比較的大きく設計されるか、または比較的容積が大きくなるように設計される。

    チップ空間11、12とともにチップ受け入れ空間13、14は、ねじフライス動作中にチップを取り除く。 チップ受け入れ空間13、14は、ねじフライス動作中のみチップを搬送するよう機能するが、ドリル動作中でないとき、それらはより小さなフライスにより生じるチップのみを受け入れればよいので、より小さく設計されてもよい。

    チップ空間11、12のサイズは、実質的に直径d min1で決まる。 直径d min1は、軸4に最も近いチップ空間11、12の先端を定義し、また、コアの直径としても指定され、軸4の半径すなわち径方向距離の二倍に相当する。 直径d min1は、フライス領域30の外径d の27%から50%の間であり、特に好ましくは43%である。

    さらに小さなチップ空間13、14のサイズは、実質的に直径d min2で決まる。 直径d min2は、軸4に最も近いチップ空間13、14の先端(コアの直径)を定義する。 シャンク2の外径d の42%から75%の間の値が直径d min2に与えられ、60%の値が好ましい。

    チップ空間11〜14は、例えば、チップを受け入れるための研磨された(ground-in)溝として提供される。 チップ空間11〜14は、例示的な実施形態ではらせん状の設計となる。 つまり、軸4の周りに回転すなわち渦巻き状に形成される。 しかし、直線すなわち軸4と平行に延びてもよい。 いずれの場合も、関連するドリル刃またはフライス刃においてチップ空間11〜14の壁に形成されたすくい面は、平坦でも湾曲していてもよい。

    少なくともドリル刃に割り当てられたチップ空間11、12に、ドリル領域40に面取り(pointing)31、32が設けられてもよい。 つまり、ドリル先端25に対して溝の残りの部分よりも小さい角度で延びる追加の斜面である。 ドリルエンド刃すなわちドリル主刃27、28の対応する面取りは、ドリルにより生じるチップを妨げられずに確実に除去できるように、容量の大きい設計となっている。

    ドリル動作中のドリルねじ切りフライス1の動きは、「a」で示す矢印と反対向きの、被加工物内部への軸4に対する軸方向の線形送りと、回転方向15への軸4周りの同時回転とから構成される。 ドリル領域40のドリル刃17、18、27、28は、連続して被加工物に切削係合する。

    図1ないし図3によると、ドリルは二つの溝を使って遂行され、ドリルによるチップは二つのチップ受け入れ空間11、12を通って取り除かれる。

    続いて行われるねじフライス動作の間、設計およびこれから形成されるねじ山の向き(左ねじか右ねじか)に応じて、ドリルねじ切りフライス1は、合成されたらせん状動作をする。 この動作は、軸4に対する軸方向の線形送り(好ましくは、被加工物から外に出る方向「a」の方向(戻り運動))と、形成されたねじ山の中心軸周りの軸4の回転(円運動)と、この回転と同時で円運動よりも速い回転速度での軸4周りの回転と、から構成される。

    図1ないし図3によると、ねじフライス動作の間、ねじフライス領域30の4つの刃7、8、9、10の全てが被加工物と不連続に係合しつつ使用される。 フライスは、4つの溝を用いて実行される。

    図1および図3から分かるように、ねじ山の複数の巻き(ターン)を平行に作成するためのねじ山切削面39のフライス歯として、軸4に対して直線的にまたはらせん状にオフセットされた複数のフライス刃(例えばフライス刃7)が、ねじフライス領域30の全体に配置される。 この場合、フライス歯すなわちフライス刃7〜10は、それぞれ、一つの高さすなわち一つの平面に4つを組として軸回りに配置され、歯の組同士の間の軸方向距離がねじ山のピッチに対応する。 歯の組の数は、形成されるねじ山の巻き(ターン)の数に対応しており、そのため、完全なねじ山を形成するには、円運動の間に工具を1回転から1回転半させれば十分である。 しかしながら、原理的には、歯の組の軸方向におけるフライス刃の数をより少なくしたものを用いてもよい。 少数のフライス刃でも、ねじフライス動作中のドリルねじ切りフライス1の回転数を増加させることで補うことができる。

    図2を参照すると最も良く理解できるように、軸方向aに相互に連続する個々の切削歯すなわち個々のフライス刃7、8、9、10の歯は、チップ空間に向かって共通の表面(すくい面)を形成する。 この面は通常、段差のない連続面に設計されるか、および/または、少なくとも大部分が平坦または湾曲して形成される。

    換言すれば、第1の歯のウェブ(tooth web)と第2の歯のウェブが形成される。 いずれの場合も、第1の歯のウェブの前面(すくい面)と第2の歯のウェブの背面とがドリル用の溝であり、第1の歯のウェブの背面と、第2の歯のウェブの前面(すくい面)とがフライス用の溝である。 第2の歯のウェブは、第1の歯のウェブに対してその前方で、軸回り後方にそれぞれ後退している。 これは、例えば、ドリルエンド刃先の円錐形の先端の研削(point grinding)によって実現されてもよい。

    後退した第2の歯のウェブによって、フライス用の溝の端に吐出する冷却液および/または潤滑油が、ドリル動作中にドリル用の溝の中を通過することを確実にする。

    図には詳細には示していないが、フライス刃7、8、9、10は、軸方向aで(わずかに)細くなる(細くなってもよい)という事実がある。 同じことは、チップ空間11、12のコアの直径d min1にも当てはまり、チップ空間13、14の直径d min2にも当てはまる可能性がある。 同様に、軸4の全体にわたって細くなるように設計されてもよい。

    ねじ長さ、すなわちねじフライス領域30の軸方向長さに対して、例えばねずみ鋳鉄材料(GG)のような強度の低い材料におけるフライス刃の狭まり(narrowing)、すなわちねじフライス領域30の外径の狭まりは、0.15%の範囲内で選択される。 つまり、ねじ長さが15mmのとき、端面を向いて位置するねじフライス領域30の一端での外径と、シャンク21の方を向いたねじフライス領域30の他端での外径との差は、0.0225mm(22.5μm)となる。 対照的に、特に鋼などの高強度材料の場合には、狭まりの程度がさらに大きくなるように選択され、0.15%から1%の範囲内であり、とりわけ0.15%から0.5%の範囲内であり、好ましくは約0.2%である。 この狭まりは、強度の弱い材料よりも高強度の材料でより大きくなる、工具の径方向のふらつきを打ち消す。

    コア直径の狭まりにより、チップ空間11、12の容積が増加するが、これによりドリル動作中に効果を生じ、プロセスにおけるチップの長い材料のチップ除去が改善される。 このことは、特に鋼の場合に当てはまる。 端領域でのストック(原料)の除去、成形、カール(curling)の後、ドリルによる生じたチップは、その弾性のために、溝11、12に沿った除去の間拡大したり、または巻かれた状態から部分的に広がったりする。 したがって、溝の容積の増加によってチップの拡大の一部が打ち消され、ドリルにより生じたチップに対してより多くの空間を与える。 ドリル用のチップ空間11、12のコア直径d min1の狭まりすなわち減少は、軸長10mmに対して0.01mmから0.3mmの範囲内で選択される。 つまり、ドリル溝の軸長にわたり、内径(ドリル溝の底すなわち最深の点)に対して0.1%から3%の差、減少、または狭まりの割合である。

    フライス用チップ空間13、14は、軸長にわたり、横断面およびコアの直径d min2が一定であることが好ましい。

    端面16から遠い側の作用領域2の端、つまりシャンク21への移行部には、座ぐり(countersinking)部20が配置される。 座ぐり部20は、例えば45度に構成されており、仕上げされた穿孔を座ぐることができる。

    図示されていないが、ドリルねじ切りフライス1は、不完全なねじ山の巻きを取り除くために、フライス刃の端に下側のえぐられた(undercut)円筒部を有していてもよい。

    とりわけ図3に見られるように、フライス用の個々のフライス刃7、8、9、10、およびドリル用のドリル側面刃17、18は、本質的に同一の直径、すなわち作用領域2の円周3まで延びる。 しかし、軸4から所定の径方向距離の差tだけ、外方に延びないことが好ましい。 この差tは、0.01m(10μm)から0.03mm(30μm)の間で選択される。 フライス刃7、8、9、10の軸4からの最大径方向距離、つまりねじフライス領域30全体の軸4からの最大径方向距離は、ドリル側面刃17、18の最大径方向距離、つまりドリル領域40全体の最大径方向距離よりも、所定の径方向距離の差tだけ小さい。 所定の径方向距離の差tをこのように選択することで、フライス刃7、8、9、10と、ドリル側面刃17、18によって形成された穿孔の内壁との間にチップが挟まることが防止される。 この挟まりは、工具を破壊しうる要因となる。

    さらに、少なくともドリル主刃および/またはフライス刃に丸みを付けることも有利である。 この場合、切削する材料に応じて、ドリル刃の丸みをより大きくまたはより小さく選択してもよい。 丸み付けは、ブラッシングまたはサンドブラストで形成でき、必要なら前もって面取り(prior pointing)してもよい。 丸み付けは、第1にドリル主刃を安定させ、第2にチップの破壊を手助けすることを狙っている。 この構成によって、ドリルねじ切りフライスのチップ破壊挙動が非常に良い影響を受け、したがって、長いチップの好適な破壊が生じ、さらにチップが溝に収集される。 結果として、工具の損傷が防止されるか、少なくとも工具が損傷しにくくなる。

    さらに、切刃は、外径の外側にマージンを持ってもよい。 つまり、切刃がわずかにカーブしたりまたは丸みを付けられてもよい。 これにより、チップの除去が改善される。

    図1と図2を比較すると、冷却液および/または潤滑剤の供給がいかにして実現されるかが分かる。 中央の冷却液および/または潤滑油通路(冷却液および/または潤滑油穿孔)23は、シャンク21と作用領域2において軸4と同軸に組み込まれる。 この冷却液および/または潤滑油通路23は、その端で分岐して二つの部分通路になる。 二つの部分通路の前端は、いずれも、より小さいチップ空間13、14の一つにおいてそれぞれ出口開口部26で開口する。 当然であるが、チップ受け入れ空間11、12のそれぞれに冷却液および/または潤滑油を吐出させることも可能である。

    ドリルねじ切りフライスの底部の斜視側面図である。

    図1のドリルねじ切りフライスの端面を示す図である。

    図1および図2に示したドリルねじ切りフライスの一部分の長手方向断面図である。

    符号の説明

    1 ドリルねじ切りフライス2 作用領域3 円周4 軸5 フライス刃のペア6 フライス刃のペア7 フライス刃8 フライス刃9 フライス刃10 フライス刃11、12 ドリル用チップ空間13、14 フライス用チップ空間15 工具の回転方向16 端面17、18 ドリル側面刃19 斜面20 座ぐり部21 シャンク22 表面23 冷却液通路25 ドリル先端26 出口開口部27、28 ドリル主刃30 ねじフライス領域31、32 面取り39 ねじ山切削面40 ドリル領域α 角度β 角度d min1直径d min2直径d 外径a 軸方向t 距離の差

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