Method of tooth surface modification

申请号 JP51192696 申请日 1995-09-15 公开(公告)号 JP3437847B2 公开(公告)日 2003-08-18
申请人 ザ グリーソン ワークス; 发明人 ジェイ. スタドトフェルド,ヘルマン;
摘要
权利要求
  • (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】工作物歯車からその素材を工具により制御されただけ除去することにより、歯車フランク表面に修整を施す方法であって、該方法は歯車製造装置にして、該装置は工作物軸線のまわりを回転可能な工作物並びに工具軸線のまわりを回転可能な工具を有し、該工具および該工作物歯車は互いに複数個の軸線に沿っておよび/またはそのまわりを移動可能なる歯車製造装置を提供する段階と、 1つのクレードルを有し、前記工具および工作物歯車を互いに対して位置決めおよび移動させるための複数個の機械装置軸線を含んだ、前記歯車製造装置とは異なる仮定上の基礎歯車製造装置を提供する段階と、 機械装置軸線の各々に関する設定項をフランク表面を作成するための能動的設定項として定義し、該能動的設定項の各々が、全ての機械装置軸線をリード運動へ関係付ける運動学的関数によりあらわされるようにしてやる定義段階と、 前記能動的設定項の各々に対して一連の係数を所望のフランク表面に応じて規定してやることにより、所望のフランク表面の修整を定義する段階と、 前記各能動的設定項に対する前記係数に基づいて、各能動的設定項のための前記関数を決定する段階と、 前記仮定上の歯車製造装置上において規定された能動的設定項の移動量が前記歯車製造装置の1つまたはそれ以上の軸線上において実施されるように前記仮定上の基礎歯車製造装置上で定義された各能動的設定項関数を前記歯車製造装置の軸配列へと転換する転換段階と、 前記能動的設定項関数に従って前記工具により、前記工作物歯車からその素材を除去してやる段階とを有する方法。 【請求項2】請求項1に記載の方法において、前記係数を決定する段階において修正される前記フランク表面上において複数個の計算地点を選択し、前記計算地点の各々において前記装置設定項の各々の値が計算地点の各々における所望の歯表面に応じて割当てられ前記割り当てられた値に基づいて前記係数を決定することを特徴とする方法。 【請求項3】請求項1に記載の方法において、前記素材の制御された除去段階が創成プロセスであることを特徴とする方法。 【請求項4】請求項3に記載の方法において、前記仮定上の基礎装置上には少なくとも9個の能動的設定項が含まれていることを特徴とする方法。 【請求項5】請求項4に記載の方法において、前記能動的設定項が修整された転動比率(Ra)、らせん運動(X
    b)、垂直運動(Em)、修整された偏心量(S)、修整されたコーン距離(Xp)、修整されたチルト角(Pi)、
    修整されたスイベル角(Pj)、修整されたカッタヘッドの軸線方向調節量(Xc)および修整された根元角(Σ)
    を有していることを特徴とする方法。 【請求項6】請求項1に記載の方法において、素材の前記制御された除去段階が非創成プロセスであることを特徴とする方法。 【請求項7】請求項6に記載の方法において、少なくとも4個の能動的な仮定上の基礎機械装置設定項が含まれていることを特徴とする方法。 【請求項8】請求項7に記載の方法において、前記能動的設定項が修整された工作物歯車回転位置(W G )、らせん運動(Xb)、修整されたハイポイドオフセット量(E
    m)、修整された偏心量(S)、修整されたコーン距離(Xp)、修整されたチルト角(Pi)、修整されたスイベル角(Pj)、修整されたカッタヘッドの軸線方向調節量(Xc)および修整された根元角(Σ)の内の少なくとも1つを含んでいることを特徴とする方法。 【請求項9】請求項1に記載の方法において、前記工作物歯車がサイクロイド状に延びる歯フランク表面を有するフェースホブ切りされた歯車であり、前記工具が研削ホイールであり、前記関数が前記サイクロイド状に延びる歯フランク表面に沿っての研削路であることを特徴とする方法。 【請求項10】工作物歯車からその素材を工具により制御されただけ除去することにより、歯車フランク表面に修整を施す方法であって、該方法は歯車製造装置にして、該装置は工作物軸線のまわりを回転可能な工作物並びに工具軸線のまわりを回転可能な工具を有し、該工具および該工作物歯車は互いに複数個の軸線に沿っておよび/またはそのまわりを移動可能なる歯車製造装置を提供する段階と、 1つのクレードルを有し、前記工具および工作物歯車を互いに対して位置決めおよび移動させるための複数個の機械装置軸線を含んだ、前記歯車製造装置とは異なる仮定上の基礎歯車製造装置を提供する段階と、 機械装置軸線の各々に関する設定項をフランク表面を形成するための能動的設定項として定義し、該能動的設定項の各々が、全ての機械装置軸線をリード運動へ関係付ける運動学的関数によりあらわされるようにしてやる定義段階と、 複数個の長手方向に延びる表面セクションを有する歯フランク表面を提供する段階と、 各セクションにおける前記修整を表示する、前記能動的設定項の各々に対しての一連の係数を、所望のフランク表面に応じて決定してやることにより、各セクションにおける所望の歯フランク表面の修整量を規定してやる段階と、 各セクションにおける前記各能動的設定項のための前記係数に基づいて、各能動的設定項のための前記関数を決定してやる段階と、 前記仮定上の基礎歯車製造装置上において規定される能動的設定項の移動量が前記歯車製造装置の1つまたはそれ以上の軸線上において実施されるように前記仮定上の基礎歯車製造装置上で定義された各セクションのための各能動的設定項を、前記歯車製造装置の軸配列へと転換せしめる転換段階と、 前記能動的設定項にしたがって、前記工作物歯車の前記セクションの各々から前記工具によって素材を除去する段階とを有している方法。 【請求項11】請求項10に記載の方法において、各セクションにおける係数を決定する前記段階において、前記各セクションにおいて修正される前記フランク表面上に複数個の計算地点を選択し、前記計算地点の各々において前記装置設定項の各々の値が計算地点の各々における所望の歯表面に応じて割り当てられ、前記位置割り当てられた値に基づいて前記係数を決定してやることを特徴とする方法。 【請求項12】請求項11に記載の方法において、前記計算地点が前記歯フランク表面上における接触路に沿って位置していることを特徴とする方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は歯車およびその類いの製造に関するものであり、特に歯車製造中に機械の設定条件が実行される仮定上の基礎歯切り機械装置に基づいて歯車の側表面を生成することに向けられている。 【0002】 【従来の技術】 歯車の製造、特にベベルおよびハイポイド歯車の製造においては、通常2つのタイプの工程が採用される。 それは創成法と非創成法である。 創成法は2つの範ちゅうへと分類される。 すなわち、
    正面フライス切りすなわちフェイス・ミリング(間欠割出し)および正面ホブ切りすなわちフェイス・ホビング(連続割出し)である。 創成フェイス・ミリング法においては、回転工具が工作物に対して所定の深さだけ送り込まれる。 この切込み深さに到達すると、工具および工作物(ワーク)は、創成転動として知られるように互いに所定の相対的転動をなすよう移動し、工作物はあたかも仮定上の創成歯車と噛合って転動するかのような挙動を示す。 なおこの場合前記仮定上の創成歯車の歯は工具の材料除去表面によって表わされる。 歯の輪郭形状は創成転動中における工具と工作物の相対的運動によって形成される。 【0003】 創成フェイス・ホビング法においては、工具および工作物の歯車(ワーク歯車)は同期関係をなして回転し、
    工具は切込み深さ方向へと送り込まれ、全ての歯溝が工具の単一切込みによって形成される。 全切込み深さが達成されると、前述の創成転動が開始される。 非創成法においては、それが間欠割出しで行なわれるか連続割出しで行なわれるかを問わず、工作物上での歯形輪郭は直接工具上の輪郭形状によって形成される。 すなわち工具が工作物内へと送り込まれ、工具上の輪郭形状が工作物へと付与される。 創成転動作用は使われていないが、非創成法においても「クラウン歯車」の形態へと仮定上の創成歯車の考え方を適用することは可能である。 クラウン歯車とはその歯面が非創成法における工作物の歯面と補合するような仮定上の歯車のことである。
    したがって、工具上の切刃は非創成工作物上で歯面を形成する時のクラウン歯車の歯を表わしている。 【0004】 工作物と創成歯車間の関係は仮定上の基礎装置の設定項として知られる一群のパラメータによって規定することが出来る。 これらの設定項は創成歯車および工作物に関して寸法および比率の感覚を伝達するものであり、歯車設計のための共通開始点を提供し、以って多くの工作機械モデルにおける設計手続きを統合せしめるものである。 設定項は任意の瞬間における工具および工作物間の相対的位置関係を完全に記述する。 歯車を形成するための仮定上の基礎装置の設定項のことは当業界において周知であり、それらを説明した文献の1つは1990年ニューヨーク州ロチェスタ(Rocheste
    r)にあるグリーソン社(The Gleason Works)から出版された「スパイラルベベルおよびハイポイド歯車−その理論と実際」(ゴルドリッチ氏著)において見出される。 この出版物においては、設定項は次のものとして定義されている。 (1)クレードル軸と工具軸の間の距離である偏心量S、(2)前記クレードル軸と工具軸の間の度を画成するチルト角Pi、(3)クレードル上の固定された基準点に対する工具軸線の配向を画成するスイベル角Pj、(4)クレードル軸のまわりにおける工具の角度位置を画成するクレードル角γ、(5)クレードル軸に対する工作物支持部材の配向を記述する根元(ルート)角Σ、(6)工作物とクレードル軸の見掛け上の交差点から装置中心迄の距離である滑動ベース位置Xb、
    (7)工作物の軸に沿って測った、前記工作物とクレードル軸の見掛け上の交差点から工作物より固定距離離れた位置にある点迄の距離であるヘッド位置Xp、(8)工作物軸とクレードル軸との間の距離を画成するハイポイド工作物オフセット量Em、(9)工作物の回転方向位置
    W G 、(10)フェース・ホビングの場合に用いられる工具の回転方向位置Wt。 加えるに、創成法においては、クレードルの回転に対する工作物の回転の割合である転動比率Raを知る必要がある。 【0005】 通常の歯車形成機械においては、クレードル角度、工作物回転および工具回転は創成作業中変化するが、他の設定項は一定にたもたれる。 これの顕著な例外はらせん運動であり、該運動には滑動ベースの位置Xbの運動および工作物のオフセット方向における位置Emの運動が含まれる。 ベベルおよびハイポイド歯車を製作するための従来の機械的歯切り装置は工作物支持機構およびクレードル機構を有しており、該クレードル機構は創成工程中において、円形工具をクレードル軸として知られている軸線のまわりの円形路に沿って担持している。 このクレードルは仮定上の創成歯車のボディを表わしており、クレードル軸は仮定上の創成歯車の軸線に対応している。 工具は創成歯車上の1つ以上の歯を代表している。 【0006】 慣用の機械式歯切り装置は仮定上の基礎装置の概念を満足する。 というのも、全ての設定項が仮定上の基礎装置の設定項に対応しているからでる。 そのような機械装置が前述のゴールドリッチ氏の出版物に図示され、説明されている。 機械式工作機械(歯切り装置)においては、偏心量Sのための設定項は、通常「β」であらわされる偏角として知られている角度方向装置の設定項によってコントロールされている。 最近、工具を工作物に対して配向せしめるのに必要な装置の設定項の数を減少させる歯車製造装置が開発されている。 これらの機械は慣用の歯切り機械の設定項および動きをして直線状や、回転および枢動軸の系へと変換しており、結果的により汎用性が増す一方、簡単化された機械が得られている。 多重軸機械装置の一例が米国特許第5257882号(Stadt
    feld氏)に示されている。 この機械においては、前述の偏角、スイベル角、チルト角およびハイポイド・オフセットの諸設定項は削除されているが、偏角スライドを担持するクレードルはいまだ装置上に存在している。 【0007】 多重軸または自由形態の機械装置の別の例が米国特許第4981402号(Krenzer氏他)に示されている。 この機械は6つの運動軸すなわち3個のリニア軸および3個の回転軸を備え、工具および工作物を互いに対して配向せしめている。 ただし工具を配向させるためのクレードル、
    偏角、ハイポイド・オフセットおよび角度の設定項は除去されている。 6個の軸は慣用の機械式歯車創成装置の設定および操作パラメータに対応してコンピュータによってコントロールされている。 機械装置からの設定項は多重軸機械の6個の軸間の運動学的関係へと転換されている。 【0008】 しかしながら、多重軸機械装置は慣用の機械的歯切り装置を簡単化することは出来るが、全ての設計上の計算並びに歯車の仮定上の考察はいまだに複数個の固定された装置の設定項を有する仮定上の基礎装置モデルに基づいて行われている。 そのため、近代的な多重軸歯切り機械装置において可能とされる種々の歯切り工程が比較的古い機械装置においてのみ得られる運動の複製に限定されるという結果が生じていた。 【0009】 歯車形成および歯車創成運動を修正して、製造される歯車の歯面幾何学をより精確にコントロールする種々の方法が提案されている。 1つのそのような方法が米国特許第5088243号(Krenzer氏)において記載されており、
    該方法においてはフレア状カップ研削ホイールによる研削プロセスを更にコントロールするべく付加的運動が導入されている。 別の方法が米国特許第5116173号(Goldr
    ich氏)において開示されており、該方法においては創成している歯車軸の位置変動のみならず創成歯車の歯面の配向における変動が創成プロセスにおいて組込まれている。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】 前述のいづれの方法においても、しかしながら、開示されている修整方法は慣用の機械式歯切り装置上において得られるタイプの複数個の固定された設定項に基づいて基礎的側歯面設計が実行される。 固定された設定項は仮定上の基礎装置の軸を考慮に入れることなく直接多重軸機械の軸に関連して画成される運動量が重畳されることになる。 このように組合わされた装置モデルは近似的な歯面を生ずる。 何故ならば、仮定上の基礎装置の運動を他の機械装置からの実際の運動と重畳させることは1
    つの2−モデル表面を提供するが、この表面は歯面接触分析または歯側表面データのいづれによっても正確にはあらわし得ないからである。 いづれにしても、現在の所、歯車の計算はこれらの計算を行なうのに用いられる仮定上の基礎装置の固定された設定項の故に限定されており、自由または能動状態である仮定上の歯切り機械装置の全ての設定項に基づいて歯車の仮定上の考察を行なうことはこれ迄実現していない。 かくして、多重軸機械装置は工具および工作物をして互いに殆んど任意の位置に配向せしめることが出来るものの、付加的な運動の種類または自由度を発見することは仮定上の基礎装置の固定された設定項によって拘束されてきた。 【0011】 【課題を解決するための手段とその作用】 本発明の方法は工作物軸線のまわりを回転可能な工作物歯車および工具軸線のまわりを回転可能な工具を有する歯車製造装置であって、前記工具および工作物歯車が互いに対して複数個の軸に沿っておよび/またはそのまわりにおいて移動可能となる歯車製造装置を提供することからなっている。 本発明はまた仮定上の基礎装置をも提供しており、該装置は前記工具および工作物歯車を互いに対して相対的に位置決めし、移動させるための複数個の機械装置設定項を有している。 機械設定項の各々は1つの能動的設定項として定義されており、各能動的設定項は1つの関数によってあらわされている。 所望の歯側表面修整値は各能動的設定項に対して一連の係数を規定してやることによって決定され、各能動的設定項のための関数が次に各能動的設定項のためのそれぞれの係数に基づいて決定される。 これらの関数は一般的に次のようにあらわされる。 【数1】

    ここにf(θ)=リード運動に関して定義される関数 θ=リード運動 a

    0 、a

    1 、a

    2 、a

    3 、a

    4 =特定の軸線およびリード運動間の関係をコントロールするための係数【0012】 前記関数は仮定上の基礎装置から歯車製造機械装置の軸配列へと変換される。 この変換プロセスにより、仮定上の基礎装置上で定義された能動的設定項による運動は歯車製造機械装置の1つ以上の軸上において実施されることにより、工作物歯車からは基礎的機械装置の能動的設定項に従って工具により材料が除去される。 本発明の方法は創成プロセスおよび非創成プロセスのいづれに対しても適用することが出来る。 【0013】 仮定上の基礎装置の能動的設定項の等式は歯表面の全長を記述するべく歯面の全長に沿って適用された単一の関数によって表わすことが可能である。 しかしながら、


    本発明は歯表面上において2つまたはそれ以上の長手方向セクションを考え、各セクションに対して別個の関数を適用することを考えている。 本発明は、以前は静的設定項であった全ての基礎機械軸を能動的とみなし、工具と工作物歯車の間の相対的運動を記述するのに用いることによって仮定上の基礎装置の運動を提供しているので付加的自由度をも得ている。 【0014】 加えるに、本発明によれば、これ迄実際のモデルおよび(または)数学的モデルを組合せて用いることにより歯面修整量を記述するというやり方が改善されている。


    すなわち本発明においては、1つのモデルが全ての歯表面変更を記述するので、正確な歯接触分析および歯側表面データの入手が可能となり、実際の製造プロセスに先立って所望の歯表面の明確なる記述が可能となる。 【0015】 【発明の実施の形態】 次に付図を参照して本発明を詳細に説明する。 本発明は、工作物(被加工材またはワーク)の歯車の歯表面を修整または修正する方法を提供しており、仮定上の基礎装置内における設定項が固定されているという拘束を除去することによって、仮定上の創成歯車の歯面のみならず工作物歯車および創成歯車間の関係は前記固定された設定項をしてこれが変化することを許容する関数によって置換え、以って工作物歯車歯の表面幾何学に影響を与えることで、修整可能になるという発見に基づいてなされたものである。 【0016】 第1図は1つの仮定上の基礎装置を例示しており、該装置は機械ベース2と、該ベースに取付けられた移動路6上で直線状に移動可能な工具ヘッド4とを有している。 仮定上の基礎装置はまた工作物テーブル12に取付けられた移動路10上を直線状に移動可能な工作物ヘッド8


    をも含んでおり、該テーブルは枢動軸線W

    Pのまわりにおいて可動路14上を弧路に沿って移動可能である。 工具ヘッド4上にはクレードル16が設けられており、


    該クレードルはクレードル軸線W

    Cのまわりを回転可能であり、更にはそれぞれ偏心量S、スイベル角Pjおよびチルト角Piをコントロールする一連の調節可能なドラム1


    8、20および22を取付けている。 これらのドラムは工具軸線W

    Tのまわりを回転可能な工具24をして適当な態様で工作物歯車26に関して位置決めするように設定されている。 工作物ヘッド8はスライド28を含んでおり、該スライドは工作物軸線W

    Gのまわりを回転可能なるよう工作物歯車26を担持している。 スライド28は所望のハイポイドオフセット距離へと配置、位置設定される。 【0017】 前記仮定上の基礎装置の諸軸線の全ては歯車に関する意味を有している。 前記仮定上の歯切り装置は好ましくは8個の軸を有しているが、それより多いかまたは少ない数も本発明の範囲内に含まれている。 移動路6上における工具ヘッド4の運動は切込みの深さをコントロールする滑動ベース位置Xbを規定している。 スライド28の位置決めは垂直運動すなわちハイポイド工作物オフセット


    Emをコントロールする。 移動路10に沿っての工作物ヘッド8の運動はヘッド位置すなわちピッチコーン位置Xpをコントロールする。 軸線W

    pのまわりにおける工作物テーブル12の運動は根元角Σを設定する。 ドラム18の回転方向の調節(偏角)は工作物歯車のスパイラル角を調節する。 ドラム20および22を回転方向に調節することにより、カッタ軸の位置すなわちそれぞれスイベル角(角P


    j)およびチルト角(角Pi)が設定され、歯側面輪郭が調節され、長手方向のクラウニングおよび噛合い方向のクラウニングに影響が及ぶ。 クレードル16の回転は軸線


    W

    Cのまわりにおける創成歯車の回転(角度γ)を与える。 軸線W

    TおよびW

    Gはそれぞれ工具および工作物歯車の回転作用を与える。 もしも歯車を創成法によって製作しようとするならば、工作物歯車の回転とクレードルの回転の比率をあらわす転動比率Raをも設定してやる必要がある。 【0018】 第2図は前述の米国特許第4981402号に開示されたタイプの自由形態(フリーフォーム)歯車製造装置を図式的に示している。 この装置は機械ベース30、工具ヘッド


    32および工作物ヘッド34を有している。 工具スライド36


    は工具ヘッド32に対して移動路38を介して直線運動(A

    Y )するよう装着されており、工具ヘッド32は機械ベース30に対して移動路40を介して直線運動(A

    X )するように装着されている。 工具42は工具スライド36に装着されており、工具軸線W

    Tのまわりを回転可能である。 工作物ヘッド34は工作物テーブル44に対して移動路46


    を介して円弧状の(枢動)運動(A

    P )を行なうよう装着されており、工作物テーブル44は機械ベース30に対して移動路48を介して直線運動(A

    Z )するよう装着されている。 工作物歯車50は工作物ヘッド34に装着されており、


    工作物歯車軸線W

    Gのまわりを回転可能である。 【0019】 第3図、第4図および第5図は仮定上の基礎装置の1


    つの数学的モデルの3つの異なる図を示している。 第3


    図は第1図のクレードル16と垂直をなす正面図を示している。 軸Z

    3は第3図の紙面と垂直な方向を向いている。


    Emはハイポイド・オフセット量をあらわしており、Sは偏心量であり、RCPはカッタの半径、Pjはカッタのチルト配向量、γ

    は平均的クレードル転動位置を示している。 第4図は第3図の座標系Y

    5 −X

    5と垂直をなす図である。 軸Y

    5とY

    6の間の角度は工具軸線のチルト角をあらわしている。 第5図は基礎的理論装置の上面図を示している。 滑動ベース位置Xbは工作物歯車とカッタヘッド・コラムの間の長さを調節し、ヘッド位置Xpはコーン距離を調節するものであり、根元角Σは工作物コーン角(機械の根元角)を調節するものであり、位置Xcはカッタヘッドを軸線方向に調節するものである。 【0020】 第6図は創成システムの3次元的図を示している。 これは基礎的機械システムをベクトルの形態に転換して表わしたものであり、(以下に定義する)歯車噛合い則に対するベクトル解を与えることが可能になるものである。 創成歯車は軸Z

    3上に接続されており、γ

    を以って回転している。 創成歯車のピッチ頂点は座標原点から−


    TZ

    3の位置にある。 工作物歯車は軸Z

    2に接続されており、−γ

    を以って回転している。 工作物歯車のピッチ頂点は座標原点からTX+TZ

    2だけ離れた位置にある。 ベクトルTは工作物歯車を創成歯車に対して位置決めさせる。 ベクトルTの各成分は4次式の関数に従って変化することが出来る。 この関数は(第1図の)基礎的装置の諸運動量すなわち滑動ベース位置Xb、ヘッド位置Xpおよびハイポイド工作物オフセット位置Emに関連している。


    根元角Σはその値を方向Ω

    Σにおける回転を示す4次式の関数に従って変化させることが出来る。 RPは創成歯車の側表面の主要点へのベクトルをあらわしている。 【0021】 歯車噛合い則を解くことにより創成点を見出すことが出来る。 歯車噛合い則は次式であらわされる。 |N

    3 ×R

    3 |=|N

    2 ×R

    2 |・Ra 外歯車の対のような場合には、最大2つのベクトル解が求められるが、物理的に意味のある解は1つだけである。 歯車噛合い則を解くと、法線方向ベクトルN

    3を以って軸線Z

    3のまわりを回転する半径ベクトルR

    3は一方の角度位置γ

    においてのみ半径ベクトルR

    2が規定されるということがわかる。 なおベクトルR

    2は軸線Z

    2のまわりを回転することが出来るが、その場合R

    2は共役な法線ベクトルN

    2を有しており、もしもR

    2およびR

    3が無限小の回転−γ

    に対して接触したままであれば、この回転に対して比率Raがγ

    になるという必要条件を満足する。 したがって、ベクトルRPはZ

    3のまわりをほぼγ

    だけ回転させられる。 R

    2は工作物歯車系(X

    2 、Y

    2 、Z

    2 )内における解のベクトルである。 γ

    は工作物歯車の創成点を回転し、以って同点を外向き地点へと運ぶ角度である(すなわちγ

    ×Raの角度であり、Raを転動比率とすると、クレードル転動角γに関して4次式の関数であらわされる)。 【0022】 仮定上の基礎装置に基づいた歯車の設計計算値はその結果を実際の切削または研削機械に移転してやることにより実際のものとなすことが出来る。 機械的なクレードルスタイルの歯切り機械を用いる場合にはこの作業は比較的に簡単である。 というのはクレードルスタイル機械装置は仮定上の基礎装置と同一の概念から成立しているからである。 【0023】 第2図のフリーフォーム歯切り装置の場合には仮定上の基礎装置からの転換作業はもっと複雑なものとなる。


    仮定上の基礎装置の設定項の全てはフリーフォーム装置の軸間の運動学的関係へと転換されなければならない。


    また、(第1図の移動路6の方向における)一定の転動運動またはらせん運動のような基礎装置内の運動学的関係も転換されなければならない。 この場合には工作物の転動運動は一定とはならず、前記らせん運動は通常装置の長手方向には向いておらず、その方向は創成転動の間変化しない。 機械式歯切り装置からフリーフォーム歯切り装置への転換は既知のことであり、更に機械式歯切り装置の設定項をフリーフォーム装置の軸配列へと転換する方法は前述の米国特許第4981402号において記載されている。 【0024】 前述の米国特許第5088243号または第5116173号に記載された修整方法のようなこれ迄開発された歯表面修整方法はいづれにおいても、修整が機械式歯切り装置上で精確に実行されるかまたはフリーフォーム歯切り装置へと転換されるにあたっては、仮定上の基礎装置上で修整内容が規定され得る必要がある。 仮定上の基礎装置上で設定項が固定されてしまうという拘束条件があるため完全に規定され得ない歯表面修整作業は、最良の場合でも近似化し、基礎的歯形を創成するための諸運動へと重畳してやる必要がある。 したがって、所望の修整歯表面は精確には形成されないことになる。 即ち、フリーフォーム歯切り装置と仮定上の装置歯切り装置では軸線相対的配置が異なるので、フリーフォーム装置上の軸線に関する運動によって達成される歯表面修整作業は、仮定上の基礎装置の設定項から転換された歯車製造プロセス上に重畳して行なわれるか、または仮定上の基礎装置の設定項に対して規定して行われる必要がある。 その結果修整歯面の近似されたものが、得られる最良の表面になる可能性がある。 【0025】 歯面修整作業が重畳されたものであろうと、近似化されたものであろうと、信頼出来る歯接触解析は行なえないし、歯側表面のデータも得られない。 何故ならば歯表面修整作業データは1つの物理的歯切り装置または数学的モデルを基準にしている訳ではないからである。 すなわち、2つのモデルを混合したものは、それが仮定上のモデルをフリーフォーム運動と組合せたものであろうが、仮定上のモデルを拘束付の近似モデルと組合せたものであろうと、フランク表面(側表面)および創成プロセスの精確かつ安定した定義内容を与えるものではない。 解析的修正量を1つのモデルに重畳するかまたは2


    つのモデルを混合する場合には、歯車噛合い則は基礎的歯形にのみ適用されるものであり、修正作業に適用されるものでもないし、重畳された結果(基礎フランク面に修正を加えた結果)に適用されるものでもない。 ギヤまたはピニオンを製造するための以前の状況においては、


    アンダカット、干渉または二次的切込みが発生して、フランク面、したがって部品全体を駄目にするかどうかを知ることは不可能であった。 1つのモデルにとどまっていれば、歯車噛合い則を適用することが可能となり、これが最も経済的な歯車の計算方法となる。 何故ならばその場合にはフランク面計算、接触解析およびアンダカットまたは干渉のチェックが可能となるからである。 【0026】 仮定上の基礎装置上における固定される設定項という拘束条件を除いてやることにより、歯表面の修整量は仮定上の基礎装置の1つまたはそれ以上の設定項に関して正確に規定可能であるということが発見された。 言いかえれば、本発明は前記仮定上の基礎装置の全ての設定項を能動的にすなわち生きたものとして提供することが出来る。 【0027】 本発明によれば転動している間に創成歯車はそのフランク形状を変更し、工作物歯車はその位置および角度を変更することが許容される。 従来技術の仮定上の基礎装置においては、創成されつつある歯車の歯形フランクのみならず工作物歯車の位置および角度は固定されていた。 これらの制限条件は従来の実施の機械式歯切り装置においても同様に存在していた。 というのは、これらの装置は従来の仮定上の基礎装置に対応しているからであり、同様のことが従来のフリーフォーム装置においても言える。 何故ならば仮定上の基礎装置の設定項がフリーフォーム装置の軸配列へと転換されるからである。 仮定上の基礎装置の軸線全ては歯車の仮定上の意味を有しているのであるから、各運動は各軸に関して1つの関数によって表わされる。 幾何学的機械装置から運動学的基礎機械装置へとステップアップするためには、全ての機械軸をリード運動、例えばクレードル回転角または工作物歯車回転角へと運動学的関係式を以って関係付けてやる必要がある。 他項式は少なくとも2次式のオーダであるべきで、好ましくは4次式のオーダであるのが良い。 次の一般的公式は好ましい関数形を示している。 【数2】 ここにf(θ)=リード運動に関して定義される関数、 θ=リード運動、 a

    0 、a

    1 、a

    2 、a

    3 、a

    4 =特定の軸およびリード運動の間の関係をコントロールするための係数である。 【0028】 多項式の関数が好ましいが、本発明はまた例えば指数関数、対数関数または3角関数のような他の関数によっても記述することが可能である。 完全な運動学的に作動する基礎装置に到達するためには創成歯車と工作物歯車の間の転動比率をリード運動の多項式関数として定義してやる必要がある。 この多項式は少なくとも2次式であるべきで、好ましくは少なくとも4次式であるのが良い。 【数3】 ここにRa=転動比率、 Ra

    0 、Ra

    1 、…=工具と工作物歯車の間の関係をコントロールするための係数、 Δθ=リード運動量である。 【0029】 創成プロセスにおいては、リード関数としてクレードル回転角を用いることにより、次の9個の設定項を創成中能動化する、すなわち「修整化」することが可能となる。 すなわち、修整された転動比率(Ra)、滑動ベース位置(Xb)、ハイポイド工作物位置(Em)、修整された偏心量(S)、修整されたヘッド位置(Xp)、修整されたチルト角(Pi)、修整されたスイベル角(Pj)、修整されたカッタヘッド軸線方向位置(Xc)および修整されたルート(根元)角(Σ)の設定項である。 【0030】 仮定上の基礎装置の創成運動は2つのグループに分割される。 すなわち、転動中における工作物歯車と創成歯車の間の関係に影響を与える運動と、創成歯車の歯フランク面の形状に影響を与える運動とである。 以下の関係式は転動中における工作物歯車と創成歯車に影響を与える運動(滑動ベース位置Xb、ハイポイド工作物オフセット量Em、ヘッド位置Xpおよび根元角Σ)を記述している。 【数4】 【数5】 ここにAS=個々の能動的設定項、 VAS=能動的設定項の一次微分、 AS

    0 、AS

    1 、…=工具と工作物歯車の間の関係をコントロールするための係数、 Δθ=リード運動量である。 【0031】 能動的設定項式の一次微係数VASは等式ASで記述される位置変化の速度をあらわしている。 創成プロセスにおいては、転動比率もまた創成歯車と工作物歯車の間の形態を修整する。 転動比率Raの関数をあらわす等式は叙上の通りである。 【0032】 創成歯車のフランク表面に影響をおよぼす創成運動(すなわち修整された偏心量S、修整されたチルト角P


    i、修整されたカッタヘッドの軸線方向調節量Xcおよび修整されたスイベル角Pj)に関しては次の等式がそれらの関係を記述している。 【数6】 【数7】 ここに AS=個々の能動的設定項、 VAS=能動的設定項の一次微分、 AS

    0 、AS

    1 、…=工具と工作物歯車の間の関係をコントロールするための係数、 Δθ=リード運動量 Ω

    =リード運動の速度である。 【0033】 叙上の創成歯車と工作物歯車の関係式の場合と同様にして、創成歯車歯フランク表面の修整量をあらわす等式には設定項の一次微分VASにリード運動の速度を乗じたものがあらわれている。 【0034】 非創成歯車においては、歯のフランク表面はフレアカップによる切削および研削のような既知のフォーム歯切り方法によって製造することが出来る。 前記歯フランク表面は工具を円形路に沿って歯溝中に移動させることによって「創成される」。 これは送り運動である。 本発明によれば、能動的なすなわち「生きた」軸線を有している仮定上の基礎装置は、例えばリード運動を工具の送り運動とすることにより、いかなる種類の歯フランク面修整をも実施することが出来る。 非創成プロセスのための関係式は次式であらわされる。 【数8】 【数9】 ここに AS=個々の能動的設定項、 VAS=能動的設定項の一次微分、 AS

    0 、AS

    1 、…=工具と工作物歯車の間の関係をコントロールするための係数、 Δθ=リード運動量、 Ω

    =リード運動の速度である。 【0035】 もちろん非創成プロセスにおいては創成転動はなく、


    転動比率なる項はない。 しかしながら、工作物歯車の回転W

    Gを考慮しなければならず、上述の等式はまたリード運動に関連して工作物歯車の回転にも適用すべきである。 工作物歯車の回転を除けば、残りの能動的設定項は滑動ベース位置(Xb)、修整されたハイポイド工作物オフセット量(Em)、修整された偏心量(S)、修整されたヘッド位置(Xp)、修整されたチルト角(Pi)、修整されたスイベル角(Pj)、修整されたカッタヘッドの軸線方向位置(Xc)および修整された根元角(Σ)の設定項である。 【0036】 非創成プロセスにおいては創成転動は存在しないのであるから、創成歯車と工作物歯車の間の対応する関係式は存在しないということも理解すべきである。 かくして、仮定上の基礎装置の軸線に関する運動は「創成歯車」すなわちクラウン歯車のフランク表面に影響をおよぼす運動に関してのみ、工具と工作物歯車の間の関係を記述すれば良いのである。 ほぼ全ての創成歯車フランク表面の修整は前述した9個の能動軸より少ない数の軸によって、好ましくは4個のみの軸によって記述することが出来る。 【0037】 4軸に関する二つの群を定義してやることにより、非創成プロセスにおける創成歯車のフランク表面修整を完全に記述することが可能である。 第1の群は滑動ベース位置(Xb)、修整されたハイポイド工作物オフセット位置(Em)、修整されたヘッド位置(Xp)および修整された根元角(Σ)である。 第2のかつ好ましい群は滑動ベース位置(Xb)、修整された偏心量(S)、修整された根元角(Σ)である。 【0038】 歯フランク表面が形成される態様すなわち創成であるか非創成であるかとは無関係に、本発明の方法は好ましくは一連の計算地点によって所望の歯表面幾何学を定義乃至画成することで実施される。 例えば4次式により等式を用いた時には、5個の未知数(a

    0 、a

    1 、a

    2 、a

    3およびa

    4 )が能動的設定項の等式にあらわれる。 したがって同一数の未知数を与えるには5個の計算地点が必要とされる。 もちろん、等式の次数とは無関係に、歯表面の計算地点の数は等式内の未知数の数と等しくなる。 【0039】 古典的な歯車計算法においては、まず基礎的パラメータから始まって、通常は歯フランク中心点(例えば第7


    図のP3)である1つの点に基づいて機械装置の設定項の計算を行なう必要がある。 本発明は運動学の関数を用いて機械装置の設定項を規定しているので、1つの計算地点からは規定されないフランク表面を得ることが可能である。 4次式の等式を用いる場合には、5個の計算地点を用いることにより5個の関数パラメータを規定してやることが可能である。 【0040】 第7図は接触または創成線62と接触路64を有する歯フランク表面60を示している。 もしも能動的設定項の等式


    ASが4次式であり、5個の未知数を有しているならば、


    5個の計算地点P1〜P5が必要とされる。 歯表面は創成表面であるので、能動的設定項は修整された転動比率(R


    a)、滑動ベース位置(Xb)、ハイポイド工作物オフセット量(Em)、修整された偏心量(S)、修整されたヘッド位置(Xp)、修整されたチルト角(Pi)、修整されたスイベル角(Pj)、修整されたカッタヘッドの軸線方向位置(Xc)および修整された根元角(Σ)の設定項である。 各計算地点における所望の歯表面に応じて、計算地点


    P1〜P5には8個の軸線の各々に対する該当した値が割当てられ、かくして歯表面の全長にわたってRa、Xb、Em、


    S、Xp、Pi、Pj、XcおよびΣの各々に対する5個の計算地点が生ずる。 言い換えるならば、各計算地点は8個の能動軸が存在するので8個の成分を有するという事になる。 これらの軸は1つまたはそれ以上の計算地点においてゼロの値を有するかも知れない。 【0041】 次に個々の軸に対して、それぞれの計算地点において各能動的設定項の等式ASが解かれ、係数a

    0 〜a

    4が決定される。 この仕事は任意の既知の方法で行なうことが出来るが、良く知られたガウスアルゴリズムが好ましい方法である。 例えば、1つの与えられた歯表面幾何形状に対する歯長に沿っては、修整された偏心量SはS(P1)、


    S(P2)、S(P3)、S(P4)およびS(P5)なる計算地点を生ずるであろう。 これらの値を用いることにより、叙上のように係数S

    0 、S

    1 、S

    2 、S

    3およびS

    4が計算されるであろう。 修整された偏心量Sに対する等式は次のようにあらわされる。 【数10】 【数11】 この例において、Δθはクレードル転動のリード角であるのが好ましく、その場合にはΩ

    はクレードルの回転速度となる。 【0042】 本発明は叙上のような計算地点を用いて係数a

    0 〜a

    4を決定することだけに限定されているのではないということを理解されたい。 例えば、前記係数は所望の歯車対の接触特性を定義してやるかまたは最小2乗法と組合せて、修正マトリックスに関連する仮定上の歯面湾曲と実際の歯面湾曲との差を定義してやることによって決定することが出来る。 【0043】 前述の例は第7図に示すように、歯表面の全長に沿う、仮定上の基礎装置の能動的設定項方程式にあてはまる。 しかしながら、単一の関数を用いて全体の歯表面を記述する場合には、歯端に影響を与えるべく関数を変更することは歯の中央点には望ましくない効果を与える可能性がある。 したがって、本発明は(3個のセクションを有する)第8図に示すように2つまたはそれ以上の長手方向セクションを考え、各セクションに別個の関数を適用することを考えている。 この実施例においては、各セクションの歯表面は一連の別個の能動的設定項によって記述してやることが出来る。 各セクション間の連続性を保持するために、1つのセクション内における端末計算点は次のセクションにおける開始点として利用することが出来る。 各セクションの長手方向寸法は等しくある必要はないということを理解されたい。 【0044】 第8図において、セクション1は歯フランク表面66のヒール端部であり、該ヒールは歯フランクの進入領域である。 ヒール端部を修正(修整)することは噛合う相手歯との最初の接触の衝撃による騒音を減少することになる。 セクション2は歯フランク表面66の中心領域である。


    この領域は負荷状態において運動を小さな誤差を以って伝達する。 セクション3は歯フランク表面66のトウ端部であり、


    実際の相手歯との接触が終結する出口領域である。 このセクションにおける修整の目的はエッヂ接触を防止し、


    最小の運動誤差を以って高い接触比率を提供することである。 【0045】 フランク表面を最適に使用してやるために、設定項関数の係数は各セクションに対して別個に計算してやることが出来る。 最初の5個の計算地点(1〜5)は創成路に沿って選ばれる。 こうすることによってセクション1


    に対する最初の4次式関数のセットが与えられる。 セクション2の係数もまた創成路に沿って5個の点(6〜10)によって規定してやることが出来る。 セクション1の接触線の最後の部分をセクション2の接触線の最初の部分と適合させるために点5および6は同一のものとすることが出来る。 セクション1およびセクション2に関して述べたのと同一の手続きをセクション3の点(11)〜(15)に適用することが出来る。 セクション2の接触線の最後の部分をセクション3の接触線の最初の部分と適合させるために、点(10)および(11)もまた同一のものとすることが出来る。 【0046】 好ましいことではあるが、1つのセクションにおける最後の計算地点を隣りのセクションの最初の計算地点と同一にするということに本発明が限定されているのではないということを理解されたい。 本発明はまた連続性を確保するために、隣接するセクションのいづれか一方または両方において関数がある距離重なり合うことも考えている。 更には、本発明は隣接するセクションにおいて関数が共通の交差点を持たないようにしてやることも考えている。 【0047】 平滑なフランク表面(すなわち2次微分をとっても安定している表面)を得るための第1のステップは全ての


    15個の点が、例えば中心点(8)によって示されるような出発基礎点を有するように記述してやることを含んでいる。 この場合には、ゼロ次を除く全ての係数が存在しない、すなわち全ての係数はゼロであるということになる。 前記3つのセクションの全てのゼロ次の係数は同一になる。 第2のステップは歯表面修整ステップである。 やはり理解されることであるが、多重セクション歯表面の場合には、幾つかのセクションは修整するも、他のセクションは基礎装置の設定項(ゼロ次のみ)によって形成された創成表面を超えての表面修整は何ら行なわない(ゼロ表面修整)ということもあり得るのである。 例えば、3セクション歯表面においては、第1および第3


    のセクションはある程度修整するが、中央のセクションは全く修整を行なわないということが可能である。 【0048】 第9図はフランク修整部の変位を示しており、ベベル歯車歯の、70は頂部ランドを、72はトウを、74はヒールをそれぞれ示している。 ピニオンおよびギヤ部材の両修正量は数学的に変換され、第9図の歯面へと表示されている。 運動学的に正確な、すなわち共役的歯車対の場合には変位量はゼロである。 第9図のトポグラフは修正されたかまたは最適化されたフランク表面76、78の共役表面80、82に対する差異を示している。 【0049】 最終の最もむづかしいケースはまれなるほど高次のフランク修整をピニオン凸面およびギヤ凹面の対に施したり、ピニオン凹面およびギヤ凸面に施す場合であって、


    ピニオンおよびギヤが完成プロセスにおいて製作されるケースである。 すなわち工具が両フランク面(凹面および凸面両面)を同時に形成または創成するケースである。 【0050】 第9図の修整をピニオンフランク面に精確に施すためには、滑動ベース位置Xb、偏心量S、スイベル角Pj、チルト角Pi、根元角Σの設定項に対応する、好ましくは4


    次式の(本発明は最低でも2次の使用を想定しているが)関数を能動化させねばならない。 第9図の表面は4


    次式による圧角修整項(第1図におけるPjおよびP


    i)、4次式によるらせん角修整項(第1図のS)、4


    次式によるコーン距離修整項(第1図のXp)、4次によるらせん運動によって実施される4次式の歯厚修整項(第1図のXb)および4次式の転動比率修整項(Ra)とに分解出来る。 好ましくは、第9図の歯フランクは3つのセクションへと分割され、第8図を参照して議論したように、諸関数が別個に各セクションへと適用される。 【0051】 第1図のクレードル角γ、偏心量S、スイベル角Pjおよびチルト角Piのいづれもが第2図のフリーフォーム装置においてはあらわれてこない。 第1図の滑動ベース位置Xb、ヘッド位置Xp、ハイポイド工作物オフセット量Em


    およびΣは第2図のフリーフォーム歯切り装置の対応して配置されている直交する軸線に沿った運動(Ax、Ay、


    Az)および枢動軸回りの運動(Ap)とは異なる意味を有している。 本発明の以前においては、第9図の変位関数は、基礎的装置モデルによる共役的計算結果を出し、この結果をフリーフォーム装置(第2図)の運動の修整結果と重ね合わせることにより近似的にのみ算出することが可能であった。 重ね合わせの手法によっては、1つの物理的装置または1つの数学的モデルを基準にした歯接触分析およびフランク面データは得られない。 すなわち、2つのモデルを混合したものや、諸解析的関数と重ね合わされた1つのモデルを使用しても、1つのフランク表面および1つの創成プロセスを精確かつ安定して定義してやることは出来ない。 更には、2つのモデルを重ね合わせたりまたは1つのモデルと解析的関数を重ね合わせたりしても、得られる歯表面が機械加工可能かどうかの情報は何ら得られない。 「歯車噛合い則」は1つのモデルにのみ適用出来るのであるから、叙上のことは干渉、アンダカットまたは2次切削によってフランク表面が損傷を受ける可能性があることを意味している。 更には、1つのモデルを用いて最適な歯表面設計(これには修正作業も含まれる)を行なう方がより効率的である。 【0052】 第9図に示した修整内容は転動音を減少し、敏感性を下げ、負荷能力を改善しようとの考えを実現した結果である。 従来技術による方法においては、2つの相対応する関数を仕上げプロセスにおいて生じさせ、これを用いて第9図の修整量を得ることは不可能であった。 【0053】 本発明によれば、円形以外の歯フランク長さ方向の曲線形状を単一の(間欠的な)割出しプロセスにより、かつまたサイドクロイド以外の曲線形状を連続的な割出し(フェースホビング)プロセスによってそれぞれ生み出すことが可能となった。 例えば、単一割出しプロセスにより、サイクロイドのリード関数を用いてフォーム歯切りされた歯車を研削することが可能である。 また、フェースホビングによって製作された歯車を研削することも可能である。 何故ならば、適当なリード関数を用いれば研削ホイールをして切削された歯車のサイクロイド状歯長形態に従動させることも可能である。 本発明は好ましい実施例を参照して記述されてきたが、本発明はそれらの詳細事項に限定されるものではないことを理解されたい。 本発明は付記された請求の範囲の精神および範ちゅうから外れることなく、本発明が関係する当業者にとって明白なる変更例をも包含するものと理解されたい。 [図面の簡単な説明] 【図1】 慣用の機械式歯切り装置をもあらわしている、仮定上の基礎装置の図式図。 【図2】 自由形態の6軸歯車製造装置の概略図。 【図3】 歯切り装置クレードルと垂直をなす正面から眺めた、


    仮定上の基礎装置の数学的モデルを示す。 【図4】 第3図の軸Y

    5 −X

    5に沿って眺めた、仮定上の基礎装置の数学的モデルを示す図。 【図5】 仮定上の基礎装置の上面図の数学的モデルを示す図。 【図6】 創成システムの3次元的眺めを例示している図。 【図7】 計算点が配置された状態における歯側表面を例示する図。 【図8】 別個に修正された複数個の長手方向セクションを有する歯表面を例示する図。 【図9】 本発明に係る歯表面修整形状を示す図である。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−116416(JP,A) 特開 平7−208582(JP,A) 米国特許5310295(US,A)

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