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Cnc machine of spiral bevel gears, and machining method of spiral bevel gears by cnc machine

申请号 JP2003387490 申请日 2003-11-18 公开(公告)号 JP2004181621A 公开(公告)日 2004-07-02
申请人 Klingelnberg Gmbh; クリンゲルンベルグ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツングKlingelnberg GmbH; 发明人 KREH WILHELM;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a CNC machine of a spiral bevel gears requiring no tilting mechanism for inclining a tool axis to a rotary axis of a swivel drum or turning of a machine root angle in machining. SOLUTION: The tool axis T inclines at an unadjustable inclination (K) fixed to the reference axis O, and a tool spindle 38 continuously turns with the reference axis O as the center by a swivel drum 44. A work gear spindle 18 demarcates a reference surface by the axis and the reference axis O, and can adjust an angle position with the pivot axis P orthogonal to the reference surface as the center on machining individual bevel gears, and does not change the angle position in machining. The inclination K and the angle position are set so as to realize rolling motion between a work gear 22 and a tool 42. COPYRIGHT: (C)2004,JPO&NCIPI
权利要求
  • スパイラルベベルギヤのCNC加工装置(10)であって、
    ワークギヤ(22)を回転自在に支持するワークギヤ・スピンドル(18)と、
    前記ワークギヤ(22)を加工するツール(42)を回転自在に支持するツール・スピンドル(38)と、
    前記ワークギヤ・スピンドル(18)及びツール・スピンドル(38)を、異なる最大3方向(X、Y、Z)に相対的に移動させる移動手段(14、24)とを有し、
    前記ワークギヤ・スピンドル(18)及びツール・スピンドル(38)の第1スピンドルが、加工される全てのベベルギヤについて、基準軸線(O)に対して固定された調整不能の傾斜角(K)をもって傾斜しており、かつ旋回手段(43)により、前記基準軸線(O)を中心にして連続的に旋回されるべく適合されており、
    前記ワークギヤ・スピンドル(18)及びツール・スピンドル(38)の第2スピンドルが、その軸線及び前記基準軸線(O)により基準面を画定し、加工される個々のベベルギヤについて、前記基準面に直交する回転軸線(P)を中心にして角度位置が調整可能であって、しかも加工中に、その角度位置を変更することがなく、
    前記ワークギヤ(22)と前記ツール(42)との間に所定の転動運動が実現されるように、前記傾斜角(K)及び前記角度位置が設定されていることを特徴とするスパイラルベベルギヤのCNC加工装置(10)。
  • 前記旋回手段(43)は、前記基準軸線(O)を中心にして回動自在であるスイベルドラム(44)と、前記スイベルドラムに回転自在に取り付けられる旋回スピンドル(38又は18)とを備えていることを特徴とする請求項1に記載のスパイラルベベルギヤのCNC加工装置。
  • 前記旋回手段(43)は、前記スイベルドラム(44)を回転させるための回転手段(54)を備えており、前記スイベルドラム(44)は、前記回転手段(54)により非線形に回転することを特徴とする請求項2に記載のスパイラルベベルギヤのCNC加工装置。
  • 前記3方向(X、Y、Z)の内の、少なくとも2つの方向は直交していることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のスパイラルベベルギヤのCNC加工装置。
  • 前記3方向(X、Y、Z)の内の、互いに直交している第1及び第2の方向以外の方向である第3の方向は、前記第1及び第2の方向の少なくとも一方に対して傾いていることを特徴とする請求項4に記載のスパイラルベベルギヤのCNC加工装置。
  • 前記傾斜角(K)は、従来の6軸装置でベベルギヤを加工する際のマシンルートアングルの回動範囲(70〜73)の最大値であるΔΓmaxと同じ角度となるように設定されることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか一項に記載のスパイラルベベルギヤのCNC加工装置。
  • 前記第2スピンドルの角度位置(マシンルートアングル)は、前記基準面に含まれ、前記基準軸線(O)と直交する座標軸Yに対して測定されることを特徴とする請求項6に記載のスパイラルベベルギヤのCNC加工装置。
  • 前記マシンルートアングル(Γ)は、従来の6軸装置でベベルギヤを加工する際のマシンルートアングルの回動範囲の最大値であるΔΓmaxから、前記傾斜角(K)を差し引いた値となるように調整されることを特徴とする請求項7に記載のスパイラルベベルギヤのCNC加工装置。
  • 前記傾斜角Kは、0度〜35度の範囲内であり、好ましくは5度〜15度の範囲内であり、さらに好ましくは10度であることを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか一項に記載のスパイラルベベルギヤのCNC加工装置。
  • 前記第2スピンドルは、前記回転軸線(P)を中心にして回動自在である、かつ前記3方向の内の一の方向に移動可能である第1のスピンドル支持体(14)に回転自在に取り付けられ、
    前記スイベルドラム(44)に回転自在に取り付けられた前記第1スピンドルは、前記3方向の内のニの方向に移動可能である第2のスピンドル支持体(24)に回転自在に取り付けられ、
    前記第1スピンドルは、前記3方向の内の三の方向に移動可能であることを特徴とする請求項2から請求項9のいずれか一項に記載のスパイラルベベルギヤのCNC加工装置。
  • 前記第1のスピンドル支持体(14)及び第2のスピンドル支持体(24)は、水平方向に移動可能であることを特徴とする請求項10に記載のスパイラルベベルギヤのCNC加工装置。
  • 前記第1のスピンドル支持体は水平方向に移動可能であり、前記第2のスピンドル支持体は高さ方向に移動可能であることを特徴とする請求項10に記載のスパイラルベベルギヤのCNC加工装置。
  • 前記第2のスピンドル支持体(24)は、水平方向に移動可能である第1の往復台(26)と、前記第1の往復台(26)上を高さ方向に移動可能である第2の往復台(28)とを備えており、
    前記スイベルドラム(44)は前記第2の往復台(28)に回転自在に取り付けられることを特徴とする請求項11に記載のスパイラルベベルギヤのCNC加工装置。
  • 前記第2のスピンドル支持体は、高さ方向に移動可能である第1の往復台と、前記第1の往復台上を水平方向に移動可能である第2の往復台とを備えており、
    前記スイベルドラムは前記第2の往復台に回転自在に取り付けられることを特徴とする請求項12に記載のスパイラルベベルギヤのCNC加工装置。
  • 基台(12)は水平であり、該基台には前記第1のスピンドル支持体(14)及び第2のスピンドル支持体(24)の水平方向の移動をガイドする水平ガイド(30,37)が設けられていることを特徴とする請求項11又は請求項13に記載のスパイラルベベルギヤのCNC加工装置。
  • 基台は傾斜している又は垂直であり、該基台には前記第1のスピンドル支持体の水平方向の移動をガイドする水平ガイドと、前記第2のスピンドル支持体の高さ方向の移動をガイドする高さガイドとが設けられていることを特徴とする請求項12又は請求項14に記載のスパイラルベベルギヤのCNC加工装置。
  • 加工中は、前記ワークギヤ・スピンドル(18)及びツール・スピンドル(38)は、前記水平ガイドから離れている領域に設けられた又は設けることができる、加工中に生じたチップが落下して収容されるチップコレクター(46)の上方で噛み合うように配置されることを特徴とする請求項10から請求項16のいずれか一項に記載のスパイラルベベルギヤのCNC加工装置。
  • 前記スイベルドラム(44)が移動する方向(Z)は、垂直方向に対して傾斜していることを特徴とする請求項13に記載のスパイラルベベルギヤのCNC加工装置。
  • 前記ツール・スピンドル(38)は、前記スイベルドラム(44)に回転自在に取り付けられていることを特徴とする請求項2から請求項18のいずれか一項に記載のスパイラルベベルギヤのCNC加工装置。
  • 前記ツール・スピンドル(38)を回転させるためのスピンドル・モータ(64)が、前記スイベルドラム(44)の内部に設けられていることを特徴とする請求項19に記載のスパイラルベベルギヤのCNC加工装置。
  • 前記ツール・スピンドル(38)を回転させるための駆動モータ(66)が、前記スイベルドラム(44)の外部に設けられており、前記駆動モータ(66)は、前記ツール・スピンドル(38)とアングル歯車(68)を介して接続されていることを特徴とする請求項2から請求項19のいずれか一項に記載のスパイラルベベルギヤのCNC加工装置。
  • CNC加工装置によるスパイラルベベルギヤの加工方法であって、
    ワークギヤ(22)をワークギヤ・スピンドル(18)に回転自在に取り付けるステップと、
    ツール(42)をツール・スピンドル(38)に回転自在に取り付けるステップと、
    前記ワークギヤ・スピンドル(18)及びツール・スピンドル(38)を異なる最大3方向(X、Y、Z)に相対的に移動させるステップと、
    その軸線と基準軸線(O)とにより基準面を画定する前記ワークギア・スピンドル(18)又は前記ツール・スピンドル(38)の、前記基準面と垂直な回転軸線(P)を中心とする角度位置を調整し、しかも加工中はその角度位置を一定に保つステップと、
    前記基準軸線(O)を中心にして回転する他方のスピンドルを、加工される全てのベベルギヤについて、前記基準軸線(O)に対して固定された調整不能の傾斜角(K)をもって傾斜させた状態で、前記基準軸線(O)を中心にして連続的に旋回させるステップとを含み、
    前記ワークギヤ(22)と前記ツール(42)との間に所定の転動運動が実現されるように、前記傾斜角(K)及び前記角度位置が設定されていることを特徴とするCNC加工装置によるスパイラルベベルギヤの加工方法。
  • 前記傾斜角(K)は、従来の6軸装置でベベルギヤを加工する際のマシンルートアングルの回動範囲(70〜73)の最大値であるΔΓmaxと同じ角度となるように設定されることを特徴とする請求項22に記載のCNC加工装置によるスパイラルベベルギヤの加工方法。
  • 前記マシンルートアングル(Γ)は、従来の6軸装置でベベルギヤを加工する際のマシンルートアングルの回動範囲の最大値であるΔΓmaxから、前記傾斜角(K)を差し引いた値となるように調整されることを特徴とする請求項22又は請求項23に記載のCNC加工装置によるスパイラルベベルギヤの加工方法。
  • 所定の転動運動が実現されるように、連続的に旋回される前記他方のスピンドルは、不均一に旋回することを特徴とする請求項22から請求項24のいずれか一項に記載のCNC加工装置によるスパイラルベベルギヤの加工方法。
  • 说明书全文

    本発明は、スパイラルベベルギヤのCNC加工装置及びCNC加工装置によるスパイラルベベルギヤの加工方法に関し、特に、スパイラルベベルギヤ(ハイポイドがオフセットされた、又はされていない)を製造するために切削加工及び研削加工を行う7軸のCNC加工装置、及びそのCNC加工装置を使用したスパイラルベベルギヤの加工方法に関する。

    シーガル(Segal)による基本的な発明(SU-A-946830 and MG Segal: “Ways of Numerical Program Control Utilization in Machine Tools for Machining Round Teeth of Conical and Hypoid Transmissions,” Izvestiya vuzov, Mashinostroenie, 1985, No. 6, pp. 120-124)によれば、従来のスパイラルベベルギヤの加工装置は、クレードル上に設けられた切削用のカッターと、創成法による切削加工中に相互に依存して回転する3つの軸(最大10の軸)とを有している。 このような装置としては、最大6つの軸を有する数値制御(numerically controlled:NC)工作装置がある。 前記複数の軸は、同一のかさ歯車を製造するために、同時にかつ非線形法則に基づいて動く。

    その後、かさ歯車を製造するための一連のコンピュータ数値制御(computer numerical control:CNC)工作装置が提案されている。 それらの装置は、前述したシーガルによる基本的な発明の別の実施形態に相当する。 例えば、EP-B1-0 374 139では、多数の軸を有するかさ歯車及びハイポイド・ギヤの加工装置が提案されている。

    6軸を有するCNC工作装置全てに共通することだが、ワークギヤ(被削歯車)を軸支する支持体は、ワークギヤの加工中は、常に、垂直軸線を中心にして回動し続けなければならなかった。 なお、垂直軸線とは、ワークギヤの回転軸線と、カッターの回転軸線とを含む平面に対して垂直な軸線である。 また、ここでいう回動とは、垂直軸線を中心にした一方向への回動と、他方向(前記一方向の逆方向)への回動との2方向への回動運動を意味する。

    前記回動は、マシンルートアングル(machine root angle)の回動と見なすことができる。 円錐状のワークギヤを加工する際は、前記カッターは円錐の曲面上を移動しなければならない。 そして、従来のNC装置では、カッターは平面上で横送りすることにより移動させているので、マシンルートアングルの回動が必用となる。

    また、WO 02/066193 A1において提案された装置では、ツール軸線とワークギヤ軸線は互いに入れ替えることができるので、その場合は、ツール軸線の方が回動運動することとなる。 しかし、これは、シーガルによる基本的な発明において示された本質的に対して、何ら異なることはない。

    マシンルートアングルの回動(前記支持体の回動)は、通常、1つの歯溝の創成法による切削加工中にその旋回方向が反転する。 このことは、制御に関する問題を引き起こす。 特に、正面フライス削り(face milling)をする際に行われるような単割出し方法(single indexing method)では問題となる。 なお、マシンルートアングルの旋回は、単割出し方法の場合は、フェイスホビング(face hobbing)をする際に行われるような連続割出し方法(continuous indexing method)の場合よりも高速で行われる。

    また、前記支持体の回動方向が反転することは、前記支持体の回動機構に負荷がかかるという問題がある。 このことに対し、プレストレスが与えられたベアリング、ジョイント、及び回転軸線(これらは弾性部材であり、負荷がかかった際に変形することができる)を用いて、前記支持体の回動方向を反転させる際の動伝達の反動を無くすことが考えられるが、その場合は、前記弾性部材の変形により、かさ歯車の歯表面を精度良く形成することができないという問題が新たに生じる。 なお、前記支持体の回動半径が大きくなると、前記支持体の反転動作に起因する誤差が増大するので、前記した歯表面を精度良く形成することができないという問題はさらに重要なものとなる。 また、ワークギヤの加工中における、前記支持体に求められる回動能力は、前記支持体の剛性を損なうことにもなる。 なお、かさ歯車を製造する際に、規定の歯面を正確に形成するためには、高い剛性が必用とされている。

    DD-A1-255296には、ワークギヤを軸支する支持体が垂直軸を中心にして回動し、ワークギヤ支持体及びツール支持体が、垂直方向及び平方向に相対的に移動するように構成された装置(歯切盤)が開示されている。 この装置は、かさ歯車を製造するために、切削及び倣い研削を行う装置である。 この装置の目的は、歯切盤、その駆動、及びその制御技術に要する費用を大幅に削減することと、自動化の度合いを増大させることとにある。 この装置(8軸を有する)は、前記したクレードルを備えた装置(以降、「クレードル装置」という)とは本質的に異なっている。 クレードル装置では、ツールを支持する調整可能なスイベルドラムはクレードルに偏心的に設けられているが、この8軸を有する装置では、スイベルドラムは互いに直交する2つの軸に沿って移動可能に構成されている。

    ツール軸線は、前記スイベルドラムの回転軸線に対して、傾斜を有している(この傾斜角は調整可能である)。 従来のクレードル装置では、前記傾斜角の位置決め基準点は付加的な角度(スイベルドラム)で固定されている。 これに対して、スイベルドラムが横送りされる装置では、ツールを傾斜させる際の位置決め基準点は、連続的に回転するスイベルドラムにより回転させられる本来のクレードル回転に付加的に従属させる必要がある。

    従来の装置では、異なる種類のかさ歯車を製造する際は、前記傾斜角は改めて設定しなければならなかった。 このために、スイベルドラムとツールとの間には、公知の傾動機構が配置される。 かさ歯車の加工中は、この傾動機構は、しっかりと押し付けられる。 また、前記傾斜角の位置決め基準点は、スイベルドラムの旋回方向が変わる前の最初の位置を考慮に入れて設定される。 他のかさ歯車を製造する際は、ツール軸線とスイベルドラム回転軸線との傾斜角は、前記傾動機構により調整される。 また、スイベルドラムの最初の位置も適宜調整される。

    さらなる調整は、ワークギヤ軸線の支持体による。 ワークギヤ軸線支持体が旋回する角度、及び加工中は固定される角度であるマシンルートアングルは、すなわちワークギヤの取付角δ である。 この角度は、製造するかさ歯車のピッチ角によって決まる。 また、倣い研削を行う場合は、前記角度は、主に、かさ歯車又はハイポイド・ギヤの軸角によって決まる。 マシンルートアングルは、新しい種類のかさ歯車を製造する際には、前記傾斜角の場合と同様に、改めて設定される。

    クレードル装置では、その後、ツールの回転動作が行われる。 クレードル装置とスイベルドラムが横送りされる装置との違いについて説明すると、クレードル装置では、クレードル回転軸線を中心にしてスイベルドラムを旋回させることによりツールを回転させているが、スイベルドラムが横送りされる装置では、独立した回転駆動によりツールを回転させている。

    前述したEP-B1-0 374 139において提案されているかさ歯車及びハイポイド・ギヤの加工装置(これは、多数の回転軸線を有したCNC装置である)では、ツールは、鉛直面上を横送りにより移動している。 ここで、ツールの回転軸線は、常時水平に保たれている。 同時に、ワークギヤの創成法による切削加工中は、ワークギヤ軸線は、縦軸(旋回軸)を中心にして旋回する。

    このような装置は、「6軸装置」と呼ばれている。 前記6軸は、3つの並進運動する移動軸と、3つの回転軸線とを含んでいる。 3つの回転軸線の1つは、旋回軸(縦軸)である。 前記6軸の回転は、創成法による切削加工中は同時に制御される。 旋回軸を中心とするワークギヤ軸線の旋回運動は、通常、その旋回方向が反転する位置がある。 これは、マシンルートアングルが最大値に達したときに、旋回運動は減速し、その後、旋回方向が反転したときに、旋回運動は再び加速することを意味している。 つまり、6軸装置の旋回運動は、マシンルートアングルが最大値に達したときに減速するという特性と、減速後に反対方向に加速するという特性を有している。

    前述したように、前記旋回運動の特性により、制御に関する問題が生じる。 また、前述したように、前記旋回運動の反転時に生じる負荷に関する問題は、結果として、製造されたかさ歯車の側面に望ましくない偏差をもたらすことになる(この問題に対する解決策としては、旋回機構の動力伝達構造の変更が考えられる)。

    また、前述したDD-A1-255296において提案された装置では、新しい種類のかさ歯車を加工するたびに、前記傾動機構を改めて設定する必要があるため、精度に関する問題が生じる。 さらに、スイベルドラム上に傾動機構を配置するのは、とても困難なことである。 なお、EP-B1-0 374 139では、これらの問題は生じない。

    そこで、本発明は、スイベルドラムの回転軸線に対してツール軸線を傾斜させるための傾動機構を必要とせず、かつ加工中におけるマシンルートアングルの旋回を必要としない、スパイラルベベルギヤのCNC加工装置及びCNC加工装置によるスパイラルベベルギヤの加工方法を提供することを目的とする。

    前記課題は、本発明の請求項1に記載のスパイラルベベルギヤのCNC加工装置及び請求項22に記載のCNC加工装置によるスパイラルベベルギヤの加工方法により解決することができる。

    請求項1に記載のスパイラルベベルギヤのCNC加工装置は、ワークギヤを回転自在に支持するワークギヤ・スピンドルと、前記ワークギヤを加工するツールを回転自在に支持するツール・スピンドルと、前記ワークギヤ・スピンドル及びツール・スピンドルを、異なる最大3方向に相対的に移動させる移動手段とを有し、前記ワークギヤ・スピンドル及びツール・スピンドルの第1スピンドルが、加工される全てのベベルギヤについて、基準軸線に対して固定された調整不能の傾斜角をもって傾斜しており、かつ旋回手段により、前記基準軸線を中心にして連続的に旋回されるべく適合されており、前記ワークギヤ・スピンドル及びツール・スピンドルの第2スピンドルが、その軸線及び前記基準軸線により基準面を画定し、加工される個々のベベルギヤについて、前記基準面に直交する回転軸線を中心にして角度位置が調整可能であって、しかも加工中に、その角度位置を変更することがなく、前記ワークギヤと前記ツールとの間に所定の転動運動が実現されるように、前記傾斜角及び前記角度位置が設定されている。

    このように構成すると、どの種類のかさ歯車を製造する場合でも、前記傾斜角を一定に保つことができる。 これは、前記傾斜角は、装置の設計段階において決定され、その後も一定に維持されるからである。 また、加工中は、広い基台上において、回動自在なスピンドル支持体を固定することができるので、その結果、装置の剛性は一層高まる。 また、この装置によれば、従来の装置に用いられていた傾動機構やワークギヤ・スピンドル支持体における動力伝達機構が不要となるので、それらの機構に起因する歯面の不正確さや、それらの機構を配置する際の困難さを解消することができる。 さらに、前記装置は、前述したDD-A1-255296において提案された装置に用いられていたスイベルドラムの傾斜角の調整軸は不要となるので、装置の構造を大いに簡略化することができる。 この装置は、特に、かさ歯車の切削加工又は研削加工に用いられる。

    また、ある実施形態では、前記旋回手段は、前記基準軸線を中心にして回動自在であるスイベルドラムと、前記スイベルドラムに回転自在に取り付けられる旋回スピンドルとを備えている(請求項2)。 このように構成すると、前記一方のスピンドルは、前記スイベルドラムの回動により、前記他方のスピンドルに対して、所定の転動運動を行うことができる。

    また、他の実施形態では、前記旋回手段は、前記スイベルドラムを回転させるための回転手段を備え、前記スイベルドラムは、前記回転手段により非線形に回転する(請求項3)。 このように構成すると、前記傾斜角が製造されるかさ歯車の傾斜と一致していない場合でも、前記かさ歯車を製造するために必用な所定の転動運動を行うことができる。

    また、さらなる実施形態では、前記3方向の内の、互いに直交している第1及び第2の方向以外の方向である第3の方向は、前記第1及び第2の方向の少なくとも一方に対して傾いている(請求項5)。 このように構成すると、本発明に係る装置は、前記スピンドルが取り付けられた前記スイベルドラム以外は、DE-C2-196 46 189において提案された装置と同様に構成することができる。

    また、さらなる実施形態では、前記傾斜角は、従来の6軸装置でかさ歯車を加工する際のマシンルートアングルの回動範囲の最大値と同じ角度となるように設定される(請求項6)。 このように構成すると、前記基準軸線を中心にして旋回する前記旋回スピンドルにより、前記かさ歯車を製造するために必用な、前記ツール及びワークギヤの所定の転動運動を行うことができる。

    また、さらなる実施形態では、前記第2スピンドルの角度位置(マシンルートアングル)は、前記基準面に含まれ、前記基準軸線と直交する座標軸Yに対して測定される(請求項7)。 このように構成すると、マシンルートアングルの回動範囲の最大値を容易に検出することができる。

    また、さらなる実施形態では、前記マシンルートアングルは、従来の6軸装置でかさ歯車を加工する際のマシンルートアングルの回動範囲の最大値から、前記傾斜角を差し引いた値となるように調整される(請求項8)。 このように構成すると、前記旋回スピンドルが旋回運動中に反転することを確実に防止することができる。

    また、さらなる実施形態では、前記傾斜角Kは、0度〜35度の範囲内であり、好ましくは5度〜15度の範囲内であり、さらに好ましくは10度である(請求項9)。 このように構成すると、本発明に係る装置は、従来の6軸装置により加工される全てのかさ歯車を加工することが可能となる。

    また、さらなる実施形態では、前記第2スピンドルは、前記回転軸線を中心にして回動自在である、かつ前記3方向の内の一の方向に移動可能である第1のスピンドル支持体に回転自在に取り付けられ、前記スイベルドラムに回転自在に取り付けられた前記第1スピンドルは、前記3方向の内のニの方向に移動可能である第2のスピンドル支持体に回転自在に取り付けられ、前記第1スピンドルは、前記3方向の内の三の方向に移動可能である(請求項10)。 このように構成すると、本発明に係る装置は、DE-C2-196 46 189又はEP-B1-0 374 139において提案された装置と同様に構成することができる。

    また、さらなる実施形態では、第1のスピンドル支持体及び第2のスピンドル支持体は、水平方向に移動可能である(請求項11)。 このように構成すると、前記スピンドル支持体を、装置の剛性が最大となるように設計することが可能となる。

    また、さらなる実施形態では、第1のスピンドル支持体は水平方向に移動可能であり、前記第2のスピンドル支持体は高さ方向に移動可能である(請求項12)。 このように構成すると、WO 02/066193 A1において提案された装置のように、基台が垂直である場合でも、前記第1のスピンドル支持体及び第2のスピンドル支持体を高さ方向及び水平方向に移動可能に設けることができる。

    また、さらなる実施形態では、前記第2のスピンドル支持体は、水平方向に移動可能である第1の往復台と、前記第1の往復台上を高さ方向に移動可能である第2の往復台とを備えており、前記スイベルドラムは前記第2の往復台に回転自在に取り付けられる(請求項13)。 このように構成すると、前記第2のスピンドル支持体は、水平な基台の表面、即ち広い基台上に設けることができる。 このことにより装置の剛性を大いに高めることができる。

    また、さらなる実施形態では、前記第2のスピンドル支持体は、高さ方向に移動可能である第1の往復台と、前記第1の往復台上を水平方向に移動可能である第2の往復台とを備えており、前記スイベルドラムは前記第2の往復台に回転自在に取り付けられる(請求項14)。 このように構成すると、基台が傾斜している又は垂直である場合でも、前記第2のスピンドル支持体を高さ方向及び水平方向に移動可能に設けることができる。

    また、さらなる実施形態では、基台は水平であり、該基台には前記第1のスピンドル支持体及び第2のスピンドル支持体の水平方向の移動をガイドする水平ガイドが設けられている(請求項15)。 このように構成すると、本発明に係る装置は、DE-C2-196 46 189において提案された装置と同様に構成することができる。

    また、さらなる実施形態では、基台は傾斜している又は垂直であり、該基台には前記第1のスピンドル支持体の水平方向の移動をガイドする水平ガイドと、前記第2のスピンドル支持体の高さ方向の移動をガイドする高さガイドとが設けられている(請求項16)。 このように構成すると、本発明に係る装置は、WO 02/066193 A1において提案された装置と同様に構成することができる。

    また、さらなる実施形態では、加工中は、前記ワークギヤ・スピンドル及びツール・スピンドルは、前記水平ガイドから離れている領域に設けられた又は設けることができる、加工中に生じたチップが落下して収容されるチップコレクターの上方で噛み合うように配置される(請求項17)。 このように構成すると、本発明に係る装置は、特にドライミル(dry mill)に適した装置となる。

    また、さらなる実施形態では、前記スイベルドラムが昇降する方向は、垂直方向に対して傾斜している(請求項18)。 このように構成すると、前記スイベルドラムが取り付けられるスピンドル支持体は、広い基台上に設けることができる。

    また、さらなる実施形態では、前記ツール・スピンドルは、前記スイベルドラムに回転自在に取り付けられている(請求項19)。 このように構成すると、前記スイベルドラムを前記旋回手段により回転させることにより、前記ツールを操作者がツールの交換が容易である位置まで移動させることができる。

    また、さらなる実施形態では、前記ツール・スピンドルを回転させるためのスピンドル・モータが、前記スイベルドラムの内部に設けられている(請求項20)。 このように構成すると、前記ツール・スピンドルの駆動機構を大いに簡略化することができる。

    また、さらなる実施形態では、前記ツール・スピンドルを回転させるための駆動モータが、前記スイベルドラムの外部に設けられており、前記駆動モータは、前記ツール・スピンドルとアングル歯車を介して接続されている(請求項21)。 このように構成すると、前記ツール・スピンドルは、短くかつ小型に構成することができる。

    次に、本発明に係るCNC加工装置によるスパイラルベベルギヤは、ワークギヤをワークギヤ・スピンドルに回転自在に取り付けるステップと、ツールをツール・スピンドルに回転自在に取り付けるステップと、前記ワークギヤ・スピンドル及びツール・スピンドルを異なる最大3方向に相対的に移動させるステップと、その軸線と基準軸線とにより基準面を画定する前記ワークギヤ・スピンドル又は前記ツール・スピンドルの、前記基準面と垂直な回転軸線を中心とする角度位置を調整し、しかも加工中はその角度位置を一定に保つステップと、前記基準軸線を中心にして回転する他方のスピンドルを、加工される全てのベベルギヤについて、前記基準軸線に対して固定された調整不能の傾斜角をもって傾斜させた状態で、前記基準軸線を中心にして連続的に旋回させるステップとを含み、前記ワークギヤと前記ツールとの間に所定の転動運動が実現されるように、前記傾斜角及び前記角度位置が設定されていることを特徴とする(請求項22)。

    このようにすると、前記旋回スピンドルが旋回運動中に反転することがなくなり、ワークギヤ(加工物)の加工精度が向上する。 また、加工中は、他方のスピンドルはしっかりと固定されていることも、前記ワークギヤの加工精度を向上させる要因となる。 なお、実際には、前記ツール及びワークギヤの所定の転動運動は、コンピュータにより計算され制御される。

    また、ある実施形態では、前記傾斜角は、従来の6軸装置でかさ歯車を加工する際のマシンルートアングルの回動範囲の最大値と同じ角度となるように設定される(請求項23)。 このように構成すると、前記基準軸線を中心にして旋回する前記旋回スピンドルにより、前記かさ歯車を製造するために必用な、前記ツール及びワークギヤの所定の転動運動を十分に行うことができる。

    また、ある実施形態では、前記マシンルートアングルは、従来の6軸装置でかさ歯車を加工する際のマシンルートアングルの回動範囲の最大値から、前記傾斜角(K)を差し引いた値となるように調整される(請求項24)。 このようにすると、前記旋回スピンドルが旋回運動中に反転することを確実に防止することができる。

    また、ある実施形態では、所定の転動運動が実現されるように、連続的に旋回される前記他方のスピンドルは、不均一に旋回する(請求項25)。 このようにすると、従来の6軸装置又はクレードル装置と同様に、同一の歯面を形成することができる。

    本発明によれば、スイベルドラムの回転軸線に対してツール軸線を傾斜させるための傾動機構を必要とせず、かつ加工中におけるマシンルートアングルの旋回を必要としない、スパイラルベベルギヤのCNC加工装置及びCNC加工装置によるスパイラルベベルギヤの加工方法を提供することができる。

    図1は、本発明に係るスパイラルベベルギヤのCNC加工装置10の基本構造を示す斜視図である。 なお、図1は、操作者側から見た図である。 この装置10は、スパイラルベベルギヤ(又はハイポイド・ギヤ)を加工するためのCNC(computer numerical control)装置であり、本実施形態では、創成法による歯切盤を想定している。

    装置10の基台12上には、第1のスピンドル支持体(ワークギヤ・スピンドル支持体)14が設けられている。 第1スピンドル支持体14は、座標軸Y方向に直線的に移動可能に設けられている。 この第1スピンドル支持体14は、基台12に対して垂直な回転軸線Pを中心にして回動する回動部材16を備えている。 この回動部材16の側部には、ワークギヤ・スピンドル18が取り付けられている。 ここでは、ワークギヤ・スピンドル18の軸線(ワークギヤ軸線)をWとする。 ワークギヤ・スピンドル18には、ワークギヤ22が回転自在に取り付けられている。 本実施形態では、ワークギヤ22はピニオンである。

    なお、本実施形態では、図1に示すように、回転軸線Pは基台12に対して垂直であるが、例えば、回転軸線Pが基台12に対して水平となるように装置10を構成することもできる。 なお、回転軸線Pは、一般的には、基準面に対して垂直である。 詳細については、図8〜図10を参照しつつ後述する。

    基台12上には、さらに、第2のスピンドル支持体(ツール・スピンドル支持体)24が設けられている。 第2スピンドル支持体24は、座標軸X方向に直線的に移動可能に設けられている。 なお、座標軸Xは、前記した座標軸Yと直交している。

    第2スピンドル支持体24は、第1の往復台26と第2の往復台28を備えている。 第2往復台28は、第1往復台26により支持されている。 基台12上には、2本のガイドレール30,30が形成されており、それらのガイドレール30,30は、第1往復台を水平方向に案内する水平ガイドを構成している。 第1往復台26の下部には、前記ガイドと嵌合する車輪(rolling shoes)が設けられている(図示せず)。 このことにより、第1往復台26(第2スピンドル支持体)は、ガイドレール30,30に沿って、座標軸X方向に直線的に移動することができる。

    また、第2往復台28は、第1往復台26上で、座標軸Z方向に直線的に移動可能である。 第1往復台26の側部には、第2往復台を高さ方向に案内するガイド32,32が形成されている。 なお、第1往復台26の側部は傾斜している。 第2往復台28は、ガイド32,32間に設けられたスピンドル・ドライブ34により、ガイド32,32に沿って昇降する。 本実施形態では、座標軸Zは、座標軸Yに対して傾いている。 なお、座標軸Zが座標軸Yと直交するように構成することもできる。

    第1のスピンドル支持体14の回動部材16は、第3の往復台36上に配置されている。 基台12上には、第3往復台用の水平ガイドが形成されている。 第3往復台36は、前記水平ガイドに沿って、座標軸Yに直線的に移動することができる。

    第2スピンドル支持体24は、ツール42が回転自在に設けられたツール・スピンドル38を支持している。 本実施形態では、ツール42はカッターヘッドである。 ツール・スピンドル38は、スイベルドラム44に回転自在に取り付けられている。 スイベルドラム44は、第2往復台に設けられており、基準軸線Oを中心にして旋回することができる。

    以上のように構成された装置10によれば、第1のスピンドル支持体14に取り付けられたワークギヤ・スピンドル18は、座標軸Pを中心にして回動することができる。 また、ワークギヤ・スピンドル18は、座標軸Y方向に移動することができる。 また、ツール・スピンドル38は、基準軸線Oを中心に旋回することができる。 また、第2スピンドル支持体24は、座標軸X方向に移動することができる。 さらに、第2往復台28は、第2スピンドル支持体24の第1往復台26に支持されているので、第2往復台28に設けられたツール・スピンドル38は、第1往復台26と共に座標軸X方向に移動することができる。 また、ツール・スピンドル38は、第2往復台28と共に座標軸Z方向に昇降することができる。

    なお、第1スピンドル支持体14及び第2スピンドル支持体24は、水平方向以外に移動するように構成することもできる。 しかし、両者は、本実施形態のように、第1スピンドル支持体14及び第2スピンドル支持体24は水平方向に移動し、第2スピンドル支持体24において第1往復台26が高さ方向に移動するように構成する方が望ましい。 さらに、第2スピンドル支持体24において、第2往復台28が、第1往復台26上で水平方向に移動するように構成することもできる。 この場合、基台12は、柱のように垂直にする必用がある。 また、基台12は、垂直にする代わりに傾斜させることもできる。

    そして、ワークギヤ・スピンドル18及びツール・スピンドル38は、創成法による切削加工中は、ワークギヤ22とツール42がチップコレクター46の配置されている領域上で噛み合うように配置される。 このようにすると、加工中に生じたチップは、落下してチップコレクター46に収容される。 なお、チップコレクター46は、第1スピンドル支持体14の水平ガイドから離れている領域に設けられている。 チップコレクター46は、基台12に対して、凹状に形成されている。 なお、基台12は、上面視して、L字状に形成されている(図1参照)。

    ツール・スピンドル38の軸線(ツール軸線)Tは、スパイラルベベルギヤを加工するために、基準軸線Oに対して、所定の傾斜角Kだけ傾斜している。 なお、傾斜角Kは、調整不能、かつ固定された角度である。 ツール・スピンドル38は、旋回手段43により、基準軸線Oを中心にして、連続的に旋回する。

    ワークギヤ軸線Wの角度位置は、加工前に設定される。 前記角度位置は、加工中は固定される。 傾斜角K及び前記角度位置の設定については、図7〜図10を参照しつつ後述する。

    旋回手段43は、基準軸線Oを中心として旋回可能であるスイベルドラム44を備えている。 スイベルドラム44には、ツール軸線Tを中心にして回転可能であるツール・スピンドル38が取り付けられている。

    図2は、図1におけるII−II線断面図であり、旋回手段43の第1実施形態を示す。 図2に示すように、ツール軸線Tは、基準軸線Oに対して、傾斜角Kだけ傾いている。 なお、基準軸線Oは、座標軸Yと直交している。

    第2往復台28は、スピンドル・ドライブ34により第1往復台26の側壁を昇降する。 スイベルドラム44は、第2往復台28のボア50内に設けられており、ボア54内に配置されたころ軸受52及びスリーブ・シャフト・モータ56により回転自在である。 スリーブ・シャフト・モータ56は、スイベルドラム44を非線形かつ不均一の状態で回転させるように設計されている。 スイベルドラム44は、回転軸線Oに対して、傾斜角Kだけ傾いて設けられたボア58を有している。 ボア58の一端部(図2における下側)は、ローラー・ベアリング62を設置するために拡径されている。 ローラー・ベアリング62は、ツール・スピンドル38を回転自在に支持している。 ボア58内には、スピンドル・モータ64が設けられている。 このスピンドル・モータ64は、ツール・スピンドル38及びツール42を、ツール軸線Tを中心にして回転させる。 スピンドル・モータ64は電気モータであり、その回転部はツール・スピンドル38の一部である。

    図3は、旋回手段43の第2実施形態を示す図であり、図2と対応する図である。 図2に示した第1実施形態では、ツール・スピンドル38を回転させるためのモータ(スピンドル・モータ64)は、スイベルドラム44の内部に設けられているが、この第2実施形態では、ツール・スピンドル38を回転させるためのモータである駆動モータ66は、スイベルドラム44の外部に設けられている。 そして、駆動モータ66の回転力は、アングル歯車68を介して、ツール・スピンドル38に伝達される。 なお、図2に示した部分と同様の部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。

    次に、図8〜図10を参照して、傾斜角Kの設定と、ワークギヤ・スピンドル18の角度位置の設定について説明する。

    図8は、4つのマシンルートアングルの回動範囲70、71、72、及び73を示している。 これらのマシンルートアングルは、従来の6軸装置により4つの異なる種類のかさ歯車を機械加工する際の、マシンルートアングルである。 各マシンルートアングルの回動範囲70〜73は、角度幅ΔΓを有している。 なお、それぞれの角度幅ΔΓは、2つの矢印間の幅である。

    マシンルートアングルの回動範囲70〜73は、従来の6軸装置が創成法による切削加工中に、ワークギヤとツール間で所定の旋回動作を行うために、ワークギヤ軸線Wが回転軸線Pを中心にしてあちこち動くことを示している。

    ワークギヤ軸線Wは、例えば回動範囲70に示すように、一方向にしか動くことができない。 一方、回動範囲71、72、及び73に示すように、旋回方向は反転することもできる。 座標軸Yに対する最大角度であるΓmaxが、マシンルートアングルの回動範囲における旋回方向が反転する位置となる。 図8では、回動範囲71がそれに相当する。

    本発明では、マシンルートアングルの回動範囲70〜73において、最も広い範囲の回動範囲が選択されている。 図8では、ΔΓmaxを有する回動範囲71がそれに相当する。

    図9は、従来の6軸装置におけるワークギヤ22とツール42の噛み合いを示している。 図9に示すように、ツール軸線Tは、座標軸Xと平行である(基台12に対しても平行である)。 また、ツール軸線Tは、座標軸Yと直交している(つまり、座標軸Xと座標軸Yは直交している)。 切削加工中は、ツール軸線Tの位置は固定される。 ワークギヤ軸線Wは、マシンルートアングルの回動範囲(図4参照)内に入る必用がある。

    傾斜角Kは、マシンルートアングルの回動範囲の最大値であるΔΓmax(図4参照)と同じ角度となるように設定される。 すると、ツール軸線Tは、座標軸Xとは平行ではなく、ΔΓmaxと同一の値である傾斜角Kだけ傾く。 そのため、図10に示すように、噛み合っているワークギヤ22及びツール42は、図9に示した位置と比べて、傾斜角Kの分だけ回転軸線Pの右よりを旋回することになる。 その結果、マシンルートアングルの最大値であるΓmaxは小さくなる。

    従って、ワークギヤ・スピンドル18の角度位置(加工時には所定の角度位置に調整された後、固定される)、即ちマシンルートアングルΓ(図10参照)は、Γmaxから傾斜角Kを差し引いた角度となる。 このことにより、図10に示すように、ツール42は、座標軸Yと直交する基準軸線Oに対して傾斜角Kだけ傾いている。

    その結果、図10では、図9と同じように、ワークギヤ22とツール42が噛み合っているが、ワークギヤ軸線Wは、図9に示した状態よりも、傾斜角Kの分だけ座標軸Yの近くに位置することとなる。 図10では、傾斜角Kは、実際の大きさで示している。 そして、ツール軸線Tは、切削加工が進むにつれて、図10における右側に示した楕円の軌道に沿って旋回する。

    ツール軸線Tの回動範囲は矢印76により示されている。 矢印76で示した最初の位置78から終わりの位置80までの角度は、おおよそ、従来の装置におけるワークギヤ軸線Wのマシンルートアングルの旋回に相当する。 ツール軸線Tの、位置78から位置80までの旋回は連続的に行われる。

    また、スイベルドラム44は、図10に矢印76で示した位置78から位置80までの楕円(図10では左側から見た状態を示している)に沿って旋回する。 このことにより、かさ歯車を製造するために必用な、ツール22及びワークギヤ18の所定の転動運動を行うことができる 加工中、「Γmax−傾斜角K」の値に設定されたワークギヤ軸線Wの位置は固定される。 ワークギヤ軸線Wは、一般に、基準軸線Oと共に基準面を画定する。 回転軸線Pは、前記基準面に対して垂直である。 マシンルートアングルΓは、座標軸Yに対して測定される。 座標軸Yは、前記基準面において、基準軸線Oと直交する。

    傾斜角Kは、基準軸線Oに対して測定される。 傾斜角Kは、0度〜35度の範囲で設定される。 なお、好ましくは5度〜15度の範囲に設定され、さらに好ましくは10度に設定される。 基準軸線Oを中心にして旋回するツール軸線Tは、反転することなしに旋回することが望ましい。

    生成されるギヤ軸(図示せず)は、従来のEP-B1-0 374 139において提案されたような多軸のかさ歯車の歯切り盤ではぶれ動作を生じるが、本発明に係る装置10では単に垂直面上を動くだけである。

    上述した装置をコンピュータ数値制御により動作させた際は、ワークギヤ軸線W及びツール軸線Tは、X,Y,Z軸方向に平行移動する。

    ワークギヤ22を切削加工する際は、ワークギヤ・スピンドル18は、回転軸線Pに対する角度位置Γが調整される。 角度位置即ちマシンルートアングルΓは、切削加工中は一定に保たれる。 そして、傾斜角Kで傾斜しているツール軸線Tは、基準軸線Oを中心にして連続的に旋回する。 傾斜角Kは、切削加工中は一定に保たれる。 マシンルートアングルΓ及び傾斜角Kは、かさ歯車を製造するために必用な、ツール22及びワークギヤ18の所定の転動運動を行うことができるように設定される。

    なお、ワークギヤ軸線Wと、ツール軸線Tは入れ替えることができる。 つまり、ワークギヤ・スピンドル18を第2スピンドル支持体24に取り付け、ツール・スピンドル38を第1スピンドル支持体14に取り付けることもできる。

    また、本実施形態では、第1スピンドル支持体14及び第2スピンドル支持体24の各水平ガイドは、水平な基台の表面上に設けられているが、水平な基台の代わりに垂直な基台上に設けることもできる。

    傾斜角Kは、少なくとも、マシンルートアングルΓの回動範囲71〜73(図8参照)の最大値と同じ大きさに設定される。 また、マシンルートアングルΓは、「マシンルートアングルの最大値であるΓmax」−「傾斜角K」となるように設定される。

    図4は、ツール42によって機械加工されるワークギヤ22が輪歯車(ring gear)の場合を示している。

    また、図5は、ワークギヤ22がピニオンの場合を示している。

    また、図6は、ツール42がツールを交換するための位置にある状態を示している。 装置10に新しいワークギヤ22を装着する場合は、第1スピンドル支持部14は、ワークギヤ軸線Wが水平ガイド37と平行になるまで旋回し、その後第3往復台36(図1参照)を図中の右側に移動させる。

    また、図7は、スイベルドラム44が図6に示すような位置にある場合でも、ツール42がピニオン22を切削加工することが可能であることを示している。 ただし、スイベルドラム44の位置は、図5に示す位置よりも、図6に示す位置の方が好ましい。 このようにすると、ツール42とワークギヤ22とが噛み合う位置を、チップコレクター46(図1参照)の上方にすることができ、切削加工中に発生するチップを回収することができるためである(チップは落下してチップコレクター46に収容される)。

    本発明に係るスパイラルベベルギヤのCNC加工装置10の基本構造を示す斜視図である。

    図1におけるII−II線断面図であり、旋回手段43の第1実施形態を示す。

    旋回手段43の第2実施形態を示す図であり、図2と対応する図である。

    図1に示した装置10の上面図であり、ツール42によって機械加工されるワークギヤ22が輪歯車(ring gear)の場合を示している。

    図1に示した装置10の上面図であり、ワークギヤ22がピニオンの場合を示している。

    図1に示した装置10の上面図であり、ツール42がツールを交換するための位置にある状態を示している。

    図1に示した装置10の上面図であり、スイベルドラム44が図6に示すような位置にある場合でも、ツール42がピニオン22を切削加工することが可能であることを示している。

    4つのマシンルートアングルの回動範囲70、71、72、及び73を示す図である。

    従来の6軸装置におけるワークギヤ22とツール42の噛み合いを示す図である。

    図1に示した装置10におけるワークギヤ22とツール42の噛み合いを示す図である。

    符号の説明

    10 スパイラルベベルギヤのCNC加工装置 12 基台 14 第1のスピンドル支持体(ワークギヤ・スピンドル支持体)
    16 回動部材 18 ワークギヤ 22 ワークギヤ・スピンドル 24 第2のスピンドル支持体(ツール・スピンドル支持体)
    26 第1の往復台 28 第2の往復台 38 ツール・スピンドル 42 ツール P 回転軸線 O 基準軸線 W ワークギヤ軸線 T ツール軸線 K 傾斜角



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