说明书全文 |
【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、工作片が2つの定置センタ間で駆動される工作機械、より詳しく言えば円形研削盤または旋盤の駆動装置であって、弾性的な力により工作片を保持し回転させるようにされた駆動体を、取外し可能に取付け得る従動装置を含んでおり、前記駆動体が、2つの隣接する対称に配置された環状ばね部材を含み、該ばね部材の結合部に、2つのプリズム状(prismatic)の工作片保持部を画成する貫通口を備えているものに関する。 【0002】 【従来の技術】 この種の駆動装置は、同じ出願人のスイス特許第663,374号により公知である。 この公知の駆動装置の場合、工作片の導入と取外しは、ばね部材への加圧によりプリズム状の工作片保持部が拡開されることによって行われる。 外部圧力による作動のため、駆動装置の外部寸法が比較的大きくなり、更に解放運動およびクランプ運動が精密には定められない。 このため、使用範囲が、特に小さな工作片になるほど制限される。 【0003】 更に、ヨーロッパ特許出願第782,898号により別のクランプ取付け具が知られている。 これによると、旋盤のクランプチャックが、半径方向に移動するクランプばねに作用し、該クランプばねが、心出し点(centering points)を作動させ、工作片をチャックする。 この取付け具の場合も、既述の欠点と同じ欠点がある。 【0004】 小型の精密部品、例えば自動車工業用の噴射針の製造は、工作片の駆動装置に対しては非常に厳しい要求である一方、針は2つの定置センター間で研削される。 この種の小型精密部品は、一方では寸法が小さく、他方では固有曲げ安定性が低いため、従来の駆動装置、例えばハート形の駆動体、駆動センタ、その他等によっても、高い幾何的要求や研削作業工程の安全性が保証できない。 【0005】 先行技術による従来の駆動装置の主な欠点は次の通りである。 すなわち、 −工作片に作用する駆動装置のクランプ力による、工作片の変形; −工作片の安定性に関する駆動体の回転質量の大さ; −工作機械から駆動体への力の伝達により、工作片の安定性に関して過大な横方向の力が発生すること、また幾何的寸法が、工作片の作業可能な長さを制限すること。 【0006】 今後、燃料噴射技術の進歩により、より小型の工作片寸法やより高い精度が要求され、したがって工作片の駆動装置の重要性も一層大きくなることだろう。 最初に引用した文献によると、その時点で公知の先行技術から見れば、駆動装置の質量は低減されていたとはいえ、部品が次第に小型化するにつれて、部品のチャックは難しくなる。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】 この先行技術を背景とする本発明の目的は、次のような工作機械用の駆動装置を提供することにある。 すなわち、前記の欠点が除去されている一方、工作片をクランプする機能と、機械のトルクを工作片チャックへ伝える機能とが完全に分離されており、更にできるだけ横方向の力が除去されていて、かつまた駆動体の回転質量が小さく、小型の部品をも安全に扱い得る駆動装置である。 【0008】 【課題を解決するための手段】 この目的は次のような駆動装置によって達成された。 すなわち前記駆動体が、それぞれ細長の開口を含み、これらの開口が、前記プリズム状の工作片保持部の先端を通る軸線上にそれぞれ配置され、かつプリズム状の端部を有しており、該端部に円形研削盤の前記従動装置の、対応する形状のボルトが、それぞれ受容されることで、前記ばね部材が拡開されるようにされた駆動装置である。 本発明のこのほかの利点および構成は、特許請求の範囲に記載されている。 【0009】 【発明の実施の形態】 以下で本発明を図示の実施例につき、より詳しく説明する。 駆動体1は、実質的に、2つの環状ばね部材2、3から成り、これらのばね部材は、同一平面内に互いに隣接して配置され、対称軸線Sに関して対称であり、これらのばね部材の結合部は、2つのプリズム状の工作片保持部5によって画成される貫通口4を含んでいる。 【0010】 図2から明らかなように、工作片6に作用する緊締力は、もっぱら2つの環状ばね部材の弾性力によって生じ、その緊締力は、駆動体1の寸法、すなわち直径、厚さ、形状と材料に依存している。 この場合、材料として、ばね鋼が用いられている。 工作片を受容するプリズム状部の寸法は、言うまでもなく工作片の寸法に依存し、それに適合するようにされている。 【0011】 対称軸線Sないしは2つの工作片保持部の先端のそれぞれの方向に、駆動体1は、2つの細長の開口7を有している。 開口7は、それぞれ、円形研削盤の従動開放機構13の、対応するように形づくられた、プリズム状のボルト14を受容するプリズム状の外側端部8を有している(図2参照)。 ボルト14が拡開されると、ばね部分も保持部のところが拡開され(図4参照)、それにより工作片の挿入または取外しが可能になる。 【0012】 図3には、円形研削盤の、本発明に関係する部分と、工作片6、例えば燃料噴射用の噴射ニードルが略示されている。 ニードルは、2つの定置センタ9、10間に支持され、研削工具11によって機械加工されている。 駆動体1は、円形研削盤の駆動装置によって、従動開放機構13の2個のボルト14のうちの1つを介して駆動される。 【0013】 従動開放機構13は、剛性ストッパのところまで半径方向に調節可能である2つのボルト14を有し、かつまた移動可能の円錐体15によって作動させられる。 円錐体15は、図3に示した位置から引込むことで、ボルト14がばね16の作用により駆動体1に力を及ぼすことのない位置に移動し、これに対し、円錐体15が図5の位置から押出されることで、ばね16の力に抗して2つのボルトが拡開され、駆動体1が、そのプリズム状部に工作片を受容する。 駆動体の安全案内のため、ボルトのプリズム状の端部には切欠き18が形成されている。 【0014】 図6から図10に示した実施例の場合、駆動体1が、ねじ12によって駆動板17に固定され、駆動板は円形研削盤に固定されている。 この種の駆動板は、数年前に出願人が製造し、使用してきたもので、浮動式の遊び無しの結合が保証されるように設計されている。 駆動板の結合部材を適切な形状にすることによって、駆動体に対し捩りには剛性的だが、半径方向および軸線方向には弾発的に結合され、この結合形式により、工作機械の駆動トルクが、実質的に横方向の力が働かずに駆動体へ伝達される。 複数の駆動板を結合することによって、捩り剛性は、要求に適応させることができる。 【0015】 以上の説明から当然明らかになる点は、工作片を受容するプリズム状の保持部5およびプリズム状の端部8双方の精密な形状により、工作片を受容する双方のプリズム状部の中心軸線が中央の軸線と合致することになり、かつまた駆動体を工作片上に下降させるさい、駆動体を工作片軸線と直角方向に案内することが可能になる点である。 駆動体全体は同一平面内に配置されているため、捩りまたは曲げモーメントが工作片に伝えられることはない。 【0016】 クランプ力ないし駆動力が、もっぱら駆動体の寸法および材料によって決まる結果、クランプ力は、材料厚さを相応に修正することによってその時々の要求に容易に適応させることができ、しかも他の特性を変更する必要がない。 高い比力を伝達するため、プリズム状の工作片保持部には高い保持力ないし摩擦力を有する材料を選択するのが好ましい。 また、工作片と接触する部材に、適切な被覆を施すこともできる。 【0017】 前述のように、前記実施例の駆動体は、ばね鋼製であるが、別の材料も使用できる。 さらに、この実施例の環状ばね部材は、円形であるが、他の設計、例えば3角形または多角形の環状ばね部材を使用することもできる。 その結合部は、プリズム状の工作片保持部を有する既述の貫通口を有するようにする。 プリズム状の工作片保持部の代わりに、特定の用途には、別の設計の接触領域が考えられる。 例えば、形状係合(form-fit)形式、または若干の、例えば3つの接触点を有する形式である。 【0018】 以上、本発明を円形研削盤について説明したが、本発明の駆動装置は、他の工作機械工具、例えば精密旋盤または旋盤にも使用可能である。 コンピュータを用いた新しい方法により、形状を簡単に最適化でき、それによって静的な要求と動的な要求とを妥協させることも、工作片交換による材料疲労を制限することも可能である。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明による駆動装置の駆動体の平面図。 【図2】駆動体が工作片をクランプしている状態を示す図。 【図3】機械加工中の、工作片をクランプした駆動体の略示横断面図。 【図4】円形研削盤で駆動体が開位置にある状態を示す図。 【図5】円形研削盤で駆動体が開位置にある場合の略示横断面図。 【図6】図1〜図5の実施例とは別の実施例の駆動体の平面図。 【図7】駆動板上に取付けられた駆動体が工作片をクランプした状態を示す平面図。 【図8】機械加工中の、工作片をクランプした駆動体の略示横断面図。 【図9】駆動板上に取付けられた駆動体が開位置にある状態を示す図。 【図10】駆動板上に取付けられた駆動体が開位置にある場合の略示横断面図。 【符号の説明】 1 駆動体2、3 環状のばね部分4 貫通口5 工作片保持部6 工作片7 細長の開口8 プリズム状端部9、10 定置センタ11 研削工具12 ねじ13 開放機構14 ピン15 円錐体16 ばね17 駆動板18 ノッチ |