金属粉末の製造方法および金属粉末の製造装置

申请号 JP2013515210 申请日 2012-05-18 公开(公告)号 JPWO2012157733A1 公开(公告)日 2014-07-31
申请人 株式会社 東北テクノアーチ; 株式会社 東北テクノアーチ; ハード工業有限会社; 发明人 横山 嘉彦; 嘉彦 横山; 琢一 山形; 琢一 山形; 虎雄 山形; 虎雄 山形;
摘要 本発明は、装置の小型化が可能で、コストの低減を図ることができ、球状の 金属粉末 を得ることができる金属粉末の製造方法および金属粉末の製造装置を提供する。本発明においては、供給手段11が溶融金属の垂下流1を供給し、複数のジェットバーナー12が、供給手段11により供給される溶融金属の垂下流1に対して、フレームジェット12aを噴射する。各ジェットバーナー12は、溶融金属の垂下流1に対して互いに回転対称の 位置 から、垂下流1に同じ 角 度でフレームジェット12aを噴射するよう設けられている。
权利要求
  • 溶融金属または金属線材に対してフレームジェットを噴射することにより金属粉末を得ることを特徴とする金属粉末の製造方法。
  • 前記フレームジェットが前記溶融金属または前記金属線材の外周に沿って隙間なく、ほぼ均等なジェット圧で前記溶融金属または前記金属線材に衝突するよう、前記溶融金属または前記金属線材の周囲から前記フレームジェットを噴射することを特徴とする請求項1記載の金属粉末の製造方法。
  • 前記フレームジェットを噴射するための円環状の噴射口を有し、前記噴射口から噴射される前記フレームジェットの内側に前記溶融金属または前記金属線材を配置して、前記フレームジェットを噴射することを特徴とする請求項1または2記載の金属粉末の製造方法。
  • 複数のフレームジェットを、前記溶融金属または前記金属線材に対して互いに回転対称の位置から、前記溶融金属または前記金属線材に噴射することを特徴とする請求項1または2記載の金属粉末の製造方法。
  • 溶融金属または金属線材を供給する供給手段と、
    前記供給手段により供給される前記溶融金属または前記金属線材に対してフレームジェットを噴射するジェットバーナーとを、
    有することを特徴とする金属粉末の製造装置。
  • 前記ジェットバーナーは、前記フレームジェットが前記溶融金属または前記金属線材の外周に沿って隙間なく、ほぼ均等なジェット圧で前記溶融金属または前記金属線材に衝突するよう、前記溶融金属または前記金属線材の周囲から前記フレームジェットを噴射することを特徴とする請求項5記載の金属粉末の製造装置。
  • 前記ジェットバーナーは、前記フレームジェットを噴射するための円環状の噴射口を有し、前記噴射口から噴射される前記フレームジェットの内側に、前記溶融金属または前記金属線材が配置されるよう設けられていることを特徴とする請求項5または6記載の金属粉末の製造装置。
  • 前記ジェットバーナーは複数から成り、前記溶融金属または前記金属線材に対して互いに回転対称の位置から、前記溶融金属または前記金属線材に噴射するよう設けられていることを特徴とする請求項5または6記載の金属粉末の製造装置。
  • 各ジェットバーナーは、それぞれ前記フレームジェットを噴射するための細長い形状の噴射口を有し、前記噴射口の長径方向が前記溶融金属または前記金属線材の外周に沿うよう配置されていることを特徴とする請求項8記載の金属粉末の製造装置。
  • 前記ジェットバーナーは先端に耐熱ノズルを有し、前記耐熱ノズルは内部に前記溶融金属または前記金属線材を通す通孔を有し、前記通孔を通る前記溶融金属または前記金属線材に対して前記フレームジェットを噴射可能に設けられていることを特徴とする請求項5または6記載の金属粉末の製造装置。
  • 说明书全文

    本発明は、金属粉末の製造方法および金属粉末の製造装置に関する。

    従来、金属粉末を製造する方法として、アトマイズ法が広く用いられている(例えば、非特許文献1参照)。 代表的なアトマイズ法としては、溶融金属(金属溶湯)にやガスを噴射して溶融金属を粉砕し、液滴として凝固させることにより粉末を製造する水アトマイズ法やガスアトマイズ法がある(例えば、特許文献1乃至3参照)。 また、溶融金属を回転するディスク上に落下させ、接線方向にせん断を加えて破砕し、粉末を製造するディスクアトマイズ法や、プラズマの熱および運動エネルギーにより、Ti等の細線を粒子にするプラズマアトマイズ法もある。

    村上 陽太郎、" 高品質金属粉末の製造法 "、[online]、2003年9月、(財)大阪科学技術センター付属ニューマテリアルセンター、[平成23年1月17日検索]、インターネット<URL:http://www.ostec.or.jp/nmc/TOP/nmc_news.htm>

    特開2006−63357号公報

    特開2005−139471号公報

    特開2004−183049号公報

    しかしながら、水アトマイズ法では、高速で水を噴射するための高圧ポンプが高価であるため、設備費が嵩むという課題があった。 また、製造される粉末が不規則な形状を成しているという課題もあった。 ガスアトマイズ法では、高圧ガスを使用するため高圧ガス製造設備が必要であり、使用するガスも高価であるため、材料費や設備費などのコストが嵩むという課題があった。 ディスクアトマイズ法では、微細な金属粉末を製造するためにはディスクの回転数を上げる必要があり、そのための設備費が嵩むという課題とともに、そもそもディスクの回転数を上げるにしても、既に技術的に限界に達しているという課題があった。 プラズマアトマイズ法では、プラズマトーチが高価であるという課題があった。 また、プラズマトーチを使用するため、装置が大型化してしまうという課題もあった。

    本発明は、このような課題に着目してなされたもので、装置の小型化が可能で、コストの低減を図ることができ、球状の金属粉末を得ることができる金属粉末の製造方法および金属粉末の製造装置を提供することを目的としている。

    上記目的を達成するために、本発明に係る金属粉末の製造方法は、溶融金属または金属線材に対してフレームジェットを噴射することにより金属粉末を得ることを、特徴とする。

    本発明に係る金属粉末の製造装置は、溶融金属または金属線材を供給する供給手段と、前記供給手段により供給される前記溶融金属または前記金属線材に対してフレームジェットを噴射するジェットバーナーとを有することを、特徴とする。

    本発明に係る金属粉末の製造装置は、本発明に係る金属粉末の製造方法を好適に実施することができる。 本発明に係る金属粉末の製造方法および金属粉末の製造装置は、アトマイズ法の原理を利用して、金属粉末を得ることができる。 溶融金属に対して高温のフレームジェットを噴射することにより、溶融金属を粉砕することができる。 また、金属線材に対して高温のフレームジェットを噴射することにより、金属線材を溶かしつつ、その溶融金属を粉砕することができる。 このとき、フレームジェットが水アトマイズ法の高圧水やガスアトマイズ法の高圧ガスより高温であるため、水アトマイズ法やガスアトマイズ法に比べて、吹き付ける流体の流速を上げることが可能になる。 また、高温であるため、溶融金属を冷却することなくアトマイズすることができ、必要以上に溶融金属の温度を高くしておく必要もない。 このため、溶融金属を細かく粉砕することができる。 こうして粉砕された溶融金属を、雰囲気中を落下または飛散するうちに静的に過冷却させてガラス化させることが可能になるとともに、微細な金属粉末を容易に得ることができる。 また、水アトマイズ法やガスアトマイズ法に比べて、より微細な金属粉末を得ることができる。

    また、本発明に係る金属粉末の製造方法および金属粉末の製造装置によれば、球状の金属粉末を得ることができる。 本発明に係る金属粉末の製造方法および金属粉末の製造装置は、水アトマイズ法で使用される高圧ポンプやガスアトマイズ法で使用される高圧ガス製造設備、プラズマアトマイズ法で使用されるプラズマトーチ等と比べて、比較的安価で小型のジェットバーナーを使用可能であるため、装置の小型化が可能で、設備費や材料費などのコストの低減を図ることができる。

    本発明に係る金属粉末の製造方法および金属粉末の製造装置は、フレームジェットを音速よりも速い速度で溶融金属または金属線材に噴射するよう構成されていることが好ましい。 この場合、フレームジェットの発する衝撃波により、溶融金属を細かく粉砕することができ、微細な金属粉末を得ることができる。 また、本発明に係る金属粉末の製造方法および金属粉末の製造装置で、溶融金属または金属線材に対するアトマイズ方式は、フリーフォール型であってもコンファインド型であってもよい。 本発明に係る金属粉末の製造方法および金属粉末の製造装置は、溶融金属の流れ方向または金属線材の伸長方向に対して斜交するよう、フレームジェットを噴射することが好ましい。 この場合、効率良く微細な金属粉末を製造することができる。

    本発明に係る金属粉末の製造方法は、前記フレームジェットが前記溶融金属または前記金属線材の外周に沿って隙間なく、ほぼ均等なジェット圧で前記溶融金属または前記金属線材に衝突するよう、前記溶融金属または前記金属線材の周囲から前記フレームジェットを噴射することが好ましい。 本発明に係る金属粉末の製造装置で、前記ジェットバーナーは、前記フレームジェットが前記溶融金属または前記金属線材の外周に沿って隙間なく、ほぼ均等なジェット圧で前記溶融金属または前記金属線材に衝突するよう、前記溶融金属または前記金属線材の周囲から前記フレームジェットを噴射することが好ましい。 この場合、フレームジェットが溶融金属または金属線材に衝突する位置で、溶融金属または金属線材がフレームジェットから逃れるように飛散するのを防ぐことができる。 このため、溶融金属または金属線材に対して均一なアトマイズが可能であり、微細で均一な球状の金属粉末を得ることができる。 また、金属粉末の製造効率を高めることもできる。

    本発明に係る金属粉末の製造方法は、前記フレームジェットを噴射するための円環状の噴射口を有し、前記噴射口から噴射される前記フレームジェットの内側に前記溶融金属または前記金属線材を配置して、前記フレームジェットを噴射してもよい。 本発明に係る金属粉末の製造装置で、前記ジェットバーナーは、前記フレームジェットを噴射するための円環状の噴射口を有し、前記噴射口から噴射される前記フレームジェットの内側に、前記溶融金属または前記金属線材が配置されるよう設けられていてもよい。 この場合、比較的容易に、フレームジェットを溶融金属または金属線材の外周に沿って隙間なく、ほぼ均等なジェット圧で溶融金属または金属線材に衝突させることができる。 ジェットバーナーが1台で、燃焼室も1つで足りるため、さらなる装置の小型化が可能で、製造コストを低減することができる。

    本発明に係る金属粉末の製造方法は、複数のフレームジェットを、前記溶融金属または前記金属線材に対して互いに回転対称の位置から、前記溶融金属または前記金属線材に噴射してもよい。 本発明に係る金属粉末の製造装置で、前記ジェットバーナーは複数から成り、前記溶融金属または前記金属線材に対して互いに回転対称の位置から、前記溶融金属または前記金属線材に噴射するよう設けられていてもよい。 この場合、複数のフレームジェットの衝突により、溶融金属を細かく粉砕することができ、微細な金属粉末を得ることができる。

    また、この複数のジェットバーナーを有する場合、各ジェットバーナーは、それぞれ前記フレームジェットを噴射するための細長い形状の噴射口を有し、前記噴射口の長径方向が前記溶融金属または前記金属線材の外周に沿うよう配置されていてもよい。 この場合、ジェットバーナーの噴射口から噴射されるフレームジェットを、噴射口の長径方向に沿って面状に拡げたり、複数に分散させたりすることができる。 このため、溶融金属または金属線材を囲うように、複数のジェットバーナーからフレームジェットを噴射することにより、溶融金属または金属線材に対して均一なアトマイズが可能である。 ジェットバーナーは、溶融金属または金属線材を囲えるよう、3台以上であることが好ましい。

    本発明に係る金属粉末の製造装置で、前記ジェットバーナーは先端に耐熱ノズルを有し、前記耐熱ノズルは内部に前記溶融金属または前記金属線材を通す通孔を有し、前記通孔を通る前記溶融金属または前記金属線材に対して前記フレームジェットを噴射可能に設けられていてもよい。 この場合、1台のジェットバーナーで金属粉末を得ることができる。 耐熱ノズルは、その内部でフレームジェットを複数に分けて、通孔を通る溶融金属または金属線材に対して互いに回転対称の位置から、溶融金属または金属線材に噴射するようになっていてもよい。 耐熱ノズルは、カーボン製や水冷銅製など、耐熱性であればいかなる材質から成っていてもよい。

    本発明によれば、装置の小型化が可能で、コストの低減を図ることができ、球状の金属粉末を得ることができる金属粉末の製造方法および金属粉末の製造装置を提供することができる。

    本発明の第1の実施の形態の金属粉末の製造装置の(a)フリーフォール型、(b)コンファインド型での使用状態を示す側面図である。

    本発明の第1の実施の形態の金属粉末の製造装置の、金属線材を使用する変形例を示す側面図である。

    本発明の第1の実施の形態の金属粉末の製造装置の、ジェットバーナーの変形例を示す側面図である。

    本発明の第2の実施の形態の金属粉末の製造装置を示す縦断面図である。

    本発明の第3の実施の形態の金属粉末の製造装置を示す(a)斜視図、(b)使用状態の斜視図である。

    図5に示す金属粉末の製造装置の(a)噴射口を示す正面図、(b)噴射したフレームジェットの形状を示す側面図である。

    (a)図1(a)に示す金属粉末の製造装置の、フレームジェットの噴射状態を示す拡大側面図、(b)図1(a)に示す金属粉末の製造装置の、溶融金属を用いたときのアトマイズ時の状態を示す、フレームジェットの噴射位置付近の拡大側面図、(c)図1(a)に示す金属粉末の製造装置により、Fe−Si−B系の溶融金属から得られたFe

    75 Si

    10

    15非晶質粉末の電子顕微鏡写真、(d)その粉末粒子をさらに拡大した電子顕微鏡写真である。

    図2に示す金属粉末の製造装置により、ステンレス鋼SUS420の金属線材から得られた金属粉末の(a)倍率150倍、(b)倍率1000倍の電子顕微鏡写真である。

    図2に示す金属粉末の製造装置により、TIG溶接棒の金属線材(株式会社神戸製鋼所製TGS50)から得られた金属粉末の(a)倍率1500倍、(b)倍率2500倍の電子顕微鏡写真である。

    図2に示す金属粉末の製造装置により、SUS420合金から成る金属線材から得られた金属粉末の(a)倍率200倍、(b)倍率1200倍電子顕微鏡写真である。

    Fe−Si

    10 −B

    15合金の溶融金属に対して、(a)図1(a)に示す金属粉末の製造装置、(b)図4に示す金属粉末の製造装置、(c)図4に示す金属粉末の製造装置で噴射口がラバールノズル型のものにより、フレームジェットを噴射して製造した金属粉末の粒度分布を示すグラフである。

    以下、図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。
    図1および図3は、本発明の第1の実施の形態の金属粉末の製造装置を示している。
    図1に示すように、金属粉末の製造装置10は、供給手段11と複数のジェットバーナー12とを有している。 なお、以下の説明では、主に、図1(a)に示すフリーフォール型について説明を行う。

    図1(a)に示すように、供給手段11は、溶融金属を収納する容器から成っている。 供給手段11は、底面の中央に、内部に連通する注湯ノズル11aを有している。 供給手段11は、内部に収納した溶融金属を、注湯ノズル11aから下方に流出可能に構成されている。

    複数のジェットバーナー12は、音速よりも速い速度でフレームジェット12aを噴射可能になっている。 各ジェットバーナー12は、供給手段11の下方で、フレームジェット12aを斜め下方に向かって噴射可能に配置されている。 各ジェットバーナー12は、注湯ノズル11aからの溶融金属の垂下流1に対して互いに回転対称の位置から、垂下流1に同じ度で斜交して噴射するよう設けられている。 これにより、各ジェットバーナー12は、垂下流1の1点にフレームジェット12aを集中して噴射するようになっている。

    なお、具体的な一例では、ジェットバーナー12は、小型で、音速よりも速い速度でフレームジェット12aを噴射可能なハード工業有限会社製のジェットバーナーから成っている。 ジェットバーナー12は3台から成り、溶融金属の垂下流1を中心軸として中心角度が120度の間隔で、垂下流1から同じ距離の位置に配置され、垂下流1に対して斜め上方から約45度の角度で噴射するようになっている。 また、各ジェットバーナー12は、同じ圧力および速度でフレームジェット12aを噴射するようになっている。

    金属粉末の製造装置10は、本発明の第1の実施の形態の金属粉末の製造方法を好適に実施することができる。 金属粉末の製造装置10は、アトマイズ法の原理を利用して、金属粉末を得ることができる。 溶融金属の垂下流1に対して高温のフレームジェット12aを噴射することにより、溶融金属を粉砕することができる。 このとき、フレームジェット12aが水アトマイズ法の高圧水やガスアトマイズ法の高圧ガスより高温であるため、水アトマイズ法やガスアトマイズ法に比べて、吹き付ける流体の流速を上げることが可能になる。 また、高温であるため、溶融金属を冷却することなくアトマイズすることができ、必要以上に溶融金属の温度を高くしておく必要もない。 例えば、従来の水アトマイズ法やガスアトマイズ法と比べて、溶融金属の温度を50〜100℃程度低めに設定しておくことができる。 このため、よりアモルファス化しやすい条件で溶融金属を細かく粉砕することができる。 こうして粉砕された溶融金属を、雰囲気中を落下または飛散するうちに静的に過冷却させてガラス化させることが可能になるとともに、微細な金属粉末を容易に得ることができる。 また、水アトマイズ法やガスアトマイズ法に比べて、より微細な金属粉末を得ることができる。

    また、金属粉末の製造装置10は、各ジェットバーナー12が音速よりも速い速度でフレームジェット12aを噴射した場合には、フレームジェット12aの発する衝撃波により、溶融金属を細かく粉砕することができる。 さらに、各ジェットバーナー12が、溶融金属の垂下流1に対して互いに回転対称の位置から、同じ角度で、垂下流1の1点に集中してフレームジェット12aを噴射するため、複数のフレームジェット12aの衝突により、溶融金属をより細かく粉砕することができ、より微細な金属粉末を得ることができる。 なお、各フレームジェット12aの周囲および下方を覆うよう、供給手段11の下方に容器やチャンバーを設けることにより、得られた金属粉末を容易に回収することができる。

    金属粉末の製造装置10は、水アトマイズ法で使用される高圧ポンプやガスアトマイズ法で使用される高圧ガス製造設備、プラズマアトマイズ法で使用されるプラズマトーチ等と比べて、比較的安価で小型のジェットバーナー12を使用することができ、装置の小型化が可能で、設備費や材料費などのコストの低減を図ることができる。

    なお、金属粉末の製造装置10は、図1(b)に示すコンファインド型であってもよい。 コンファインド型の場合、フリーフォール型と同様の効果が得られるだけでなく、アトマイズゾーンへ直接溶融金属を供給できるため、各ジェットバーナー12のフレームジェット12aの運動エネルギーが減衰しない状態で効率的にアトマイズを行うことができる。 また、コンファインド型の場合、従来のガスアトマイズ等では、噴射ガス等により注湯ノズル11aが冷却されて溶融金属が凝固し、注湯ノズル11aを閉塞しやすいという問題があった。 これに対し、図1(b)に示す金属粉末の製造装置10では、各ジェットバーナー12から高温のフレームジェット12aを噴射するため、注湯ノズル11aが冷却されず、溶融金属の凝固や注湯ノズル11aの閉塞が発生するのを防止することができる。

    また、図2に示すように、金属粉末の製造装置10は、供給手段11が下方に向かって金属線材2を連続的に供給可能に設けられ、各ジェットバーナー12が、金属線材2に対してフレームジェット12aを噴射するよう設けられていてもよい。 この場合、金属線材2に対して高温のフレームジェット12aを噴射することにより、金属線材2を溶かしつつ、その溶融した金属を粉砕することができる。 金属線材2の材質は、例えば、ステンレス鋼、SUS420合金である。

    また、金属粉末の製造装置10で、ジェットバーナー12が1台から成り、先端に耐熱ノズルを有し、耐熱ノズルは、内部に溶融金属または金属線材を通す通孔を有し、内部でフレームジェット12aを複数に分けて、通孔を通る溶融金属または金属線材に対して互いに回転対称の位置から、溶融金属または金属線材に同じ角度で噴射可能に設けられていてもよい。 この場合、1台のジェットバーナー12で金属粉末を得ることができる。 耐熱ノズルは、水アトマイズ法やガスアトマイズ法で使用されるノズルを、カーボンまたは水冷銅などの耐熱性の素材で形成したものから成っていてもよい。

    また、図3に示すように、金属粉末の製造装置10は、フレームジェット12aの噴射方向が、ジェットバーナー12の本体12bの長さ方向に対して所定の角度を成すよう、各ジェットバーナー12の噴射ノズル12cが折り曲げられていてもよい。 この場合、噴射ノズル12cと供給手段11の注湯ノズル11aとを容易に近接させることができる。 特に、金属粉末の製造装置10がコンファインド型の場合に効果的である。

    図4は、本発明の第2の実施の形態の金属粉末の製造装置および金属粉末の製造方法を示している。
    図4に示すように、金属粉末の製造装置20は、コンファインド型であり、供給手段11とジェットバーナー12とを有している。
    なお、以下の説明では、本発明の第1の実施の形態の金属粉末の製造装置10と同一の構成には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。

    供給手段11は、溶融金属を収納する容器21を有し、容器21の底部中央に外部に連通した供給口21aを有している。 また、供給手段11は、供給口21aに連通し、容器21の底面の中央に断熱板22(例、アルミナ板)を介して取り付けられた注湯ノズル11aを有している。 注湯ノズル11aは、先端の外形が下方に向かって徐々に細くなるテーパー状を成している。 供給手段11は、容器21の内部に収納した溶融金属を、注湯ノズル11aから供給可能になっている。

    ジェットバーナー12は、1つの燃焼室(図示せず)と、フレームジェットを噴射するための円環状の噴射口24とを有している。 ジェットバーナー12は、噴射口24の内側に注湯ノズル11aが配置されるよう、供給手段11の容器21の下部に取り付けられている。 ジェットバーナー12は、噴射口24が注湯ノズル11aの先端のテーパー形状に沿うよう形成されている。

    ジェットバーナー12は、噴射口24から前方内側に向かって、噴射口24の円周に沿って隙間なく、フレームジェットを噴射可能に構成されている。 これにより、ジェットバーナー12は、注湯ノズル11aから供給される溶融金属の周囲から、溶融金属の流れ方向に対して斜交するよう、溶融金属の一箇所に集中してフレームジェットを噴射可能になっている。 また、ジェットバーナー12は、注湯ノズル11aから供給される溶融金属の外周に沿って隙間なく、ほぼ均等なジェット圧で、フレームジェットが溶融金属に衝突可能になっている。

    また、ジェットバーナー12は、噴射口24の周囲に、水を循環させて噴射口24を冷却するための水冷部25を有している。 なお、ジェットバーナー12は、音速よりも速い速度でもフレームジェットを噴射可能になっている。 また、具体的な一例では、ジェットバーナー12は、注湯ノズル11aから下方に供給される溶融金属に対して、斜め上方から約40度の角度で噴射するようになっている。

    本発明の第2の実施の形態の金属粉末の製造方法は、金属粉末の製造装置20により好適に実施される。 本発明の第2の実施の形態の金属粉末の製造装置20および金属粉末の製造方法は、溶融金属の周囲から噴射されたフレームジェットが、溶融金属の外周に沿って隙間なく、ほぼ均等なジェット圧で溶融金属に衝突するため、その衝突位置で、溶融金属がフレームジェットから逃れるように飛散するのを防ぐことができる。 このため、溶融金属に対して均一なアトマイズが可能であり、微細で均一な球状の金属粉末を得ることができる。 また、金属粉末の製造効率を高めることもできる。 なお、具体的な一例では、製造された金属粉末の直径は、約5μmであった。

    本発明の第2の実施の形態の金属粉末の製造装置20および金属粉末の製造方法は、ジェットバーナー12が1台で、燃焼室も1つで足りるため、さらなる装置の小型化が可能で、製造コストもさらに低減することができる。 なお、本発明の第2の実施の形態の金属粉末の製造装置20および金属粉末の製造方法は、溶融金属でなく、金属線材に対して高温のフレームジェットを噴射してもよい。

    図5および図6は、本発明の第3の実施の形態の金属粉末の製造装置および金属粉末の製造方法を示している。
    図5および図6に示すように、金属粉末の製造装置30は、供給手段11とジェットバーナー12とを有している。
    なお、以下の説明では、本発明の第1の実施の形態の金属粉末の製造装置10および本発明の第2の実施の形態の金属粉末の製造装置20と同一の構成には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。

    金属粉末の製造装置30は、ジェットバーナー12が3台から成り、それぞれフレームジェット12aを噴射するための細長い形状の噴射口24を有している。 各ジェットバーナー12は、噴射口24の長径方向が溶融金属の垂下流1の外周に沿うよう配置されている。 各ジェットバーナー12は、垂下流1に対して互いに回転対称の位置から、垂下流1に同じ角度で衝突するよう、同じ圧力および速度でフレームジェット12aを噴射可能に設けられている。

    図5および図6に示す具体的な一例では、噴射口24は、2つの円を接続したひょうたん型の形状を成している。 また、各ジェットバーナー12は、溶融金属の垂下流1を中心軸として中心角度が120度の間隔で、垂下流1から同じ距離の位置に配置され、垂下流1に対して斜め上方から約40度の角度で噴射するようになっている。

    本発明の第3の実施の形態の金属粉末の製造方法は、金属粉末の製造装置30により好適に実施される。 本発明の第3の実施の形態の金属粉末の製造装置30および金属粉末の製造方法は、図6(b)に示すように、ジェットバーナー12の噴射口24から噴射されるフレームジェット12aを、噴射口24の長径方向に沿って面状に拡げたり、複数に分散させたりすることができる。 このため、溶融金属の垂下流1を囲うように、各ジェットバーナー12からフレームジェット12aを噴射することにより、溶融金属の垂下流1の外周に沿って隙間なく、ほぼ均等なジェット圧で溶融金属の垂下流1に衝突させることができる。 また、その衝突位置で、溶融金属がフレームジェット12aから逃れるように飛散するのを防ぐことができる。 このため、溶融金属に対して均一なアトマイズが可能であり、微細で均一な球状の金属粉末を得ることができる。 また、金属粉末の製造効率を高めることもできる。

    なお、本発明の第3の実施の形態の金属粉末の製造装置30および金属粉末の製造方法は、溶融金属でなく、金属線材に対して高温のフレームジェット12aを噴射してもよい。

    図1(a)に示す金属粉末の製造装置10によりフレームジェット12aを噴射したときの状態を、図7(a)に示す。 図7(a)に示すように、複数のフレームジェットが1つに収束していることが確認できる。 この金属粉末の製造装置10を用いて、Fe−Si−B系の溶融金属に対して、フレームジェット12aを噴射することにより、微細な球状のFe 75 Si 1015非晶質粉末が得られた。 このときのフレームジェット12aの噴射位置付近の様子、および、得られた粉末の電子顕微鏡写真を図7(b)乃至(d)に示す。

    図2に示す金属粉末の製造装置10を用いて、ステンレス鋼SUS420の金属線材2に対してフレームジェット12aを噴射することにより、微細な球状の金属粉末が得られた。 得られた金属粉末の電子顕微鏡写真を図8に示す。

    図2に示す金属粉末の製造装置10を用いて、TIG溶接棒TGS50(株式会社神戸製鋼所製)の金属線材2に対してフレームジェット12aを噴射することにより、微細な球状の金属粉末が得られた。 得られた金属粉末の電子顕微鏡写真を図9に示す。

    図2に示す金属粉末の製造装置10を用いて、SUS420合金から成る金属線材2に対してフレームジェット12aを噴射することにより、微細な球状の金属粉末が得られた。 得られた金属粉末の電子顕微鏡写真を図10に示す。

    Fe−Si 10 −B 15合金の溶融金属に対して、図1(a)に示す金属粉末の製造装置10、図4に示す金属粉末の製造装置20、および図4に示す金属粉末の製造装置20で噴射口24がラバールノズル型のものにより、それぞれフレームジェットを噴射して金属粉末を製造した。 各装置で製造された金属粉末の粒度分布を、図11に示す。

    なお、図1(a)に示す金属粉末の製造装置10では、4台のジェットバーナー12を、溶融金属の垂下流1を中心軸として中心角度が90度の間隔で配置し、垂下流1に対してそれぞれ斜め上方から約15度の角度(頂角30度)でフレームジェットを噴射した。 また、ジェットバーナー12の1台あたりの燃焼パラメーターは、空気量が700L/min、燃料(灯油)が130mL/minである。 図4に示す金属粉末の製造装置20での燃焼パラメーターは、空気量が3000L/min、燃料(灯油)が550mL/minである。 ラバールノズル型のものの燃焼パラメーターは、空気量が3000L/min、燃料(灯油)が550mL/minである。

    図11(a)および(b)に示すように、図1(a)に示す金属粉末の製造装置10、および、図4に示す金属粉末の製造装置20で製造された金属粉末は、直径が40〜70μmのものが最も多く、ほとんどが100μm以下であった。 また、ラバールノズル型のもので製造された金属粉末は、直径が50μm以下のものがほとんどであった。 これらの結果から、フレームジェットの噴射により、微細な粉末が得られることが確認された。 また、ラバールノズル型のものの方が、製造される金属粉末の径が小さくなっていることから、フレームジェットの速度が大きいほど、製造される金属粉末の径が小さくなるといえる。

    1 垂下流 2 金属線材 10 金属粉末の製造装置 11 供給手段 11a 注湯ノズル 12 ジェットバーナー 12a フレームジェット

    【0002】
    粉末が不規則な形状を成しているという課題もあった。 ガスアトマイズ法では、高圧ガスを使用するため高圧ガス製造設備が必要であり、使用するガスも高価であるため、材料費や設備費などのコストが嵩むという課題があった。 ディスクアトマイズ法では、微細な金属粉末を製造するためにはディスクの回転数を上げる必要があり、そのための設備費が嵩むという課題とともに、そもそもディスクの回転数を上げるにしても、既に技術的に限界に達しているという課題があった。 プラズマアトマイズ法では、プラズマトーチが高価であるという課題があった。 また、プラズマトーチを使用するため、装置が大型化してしまうという課題もあった。
    [0006]
    本発明は、このような課題に着目してなされたもので、装置の小型化が可能で、コストの低減を図ることができ、球状の金属粉末を得ることができる金属粉末の製造方法および金属粉末の製造装置を提供することを目的としている。
    課題を解決するための手段[0007]
    上記目的を達成するために、本発明に係る金属粉末の製造方法は、アトマイズ法の原理を利用して金属粉末を得るための金属粉末の製造方法であって、フレームジェットを噴射するための円環状の噴射口を有し、前記噴射口から噴射される前記フレームジェットの内側に溶融金属または金属線材を配置して、前記溶融金属または前記金属線材に対して前記フレームジェットを噴射することにより金属粉末を得ることを特徴とする。
    [0008]
    本発明に係る金属粉末の製造装置は、アトマイズ法の原理を利用して金属粉末を得るための金属粉末の製造装置であって、溶融金属または金属線材を供給する供給手段と、前記供給手段により供給される前記溶融金属または前記金属線材に対してフレームジェットを噴射するジェットバーナーとを有し、前記ジェットバーナーは、前記フレームジェットを噴射するための円環状の噴射口を有し、前記噴射口から噴射される前記フレームジェットの内側に、前記溶融金属または前記金属線材が配置されるよう設けられていることを特徴とする。
    [0009]
    本発明に係る金属粉末の製造装置は、本発明に係る金属粉末の製造方法を好適に実施することができる。 本発明に係る金属粉末の製造方法および金属粉末の製造装置は、アトマイズ法の原理を利用して、金属粉末を得ることができる。 溶融金属に対して高温のフレームジェットを噴射することにより、溶融金属を粉砕することができる。 また、金属線材に対して高温のフレームジェットを噴射することにより、金属線材を溶かしつつ、その溶融金属を粉砕することができる。 このとき、フレームジェットが水アトマイズ法の高圧

    【0003】
    水やガスアトマイズ法の高圧ガスより高温であるため、水アトマイズ法やガスアトマイズ法に比べて、吹き付ける流体の流速を上げることが可能になる。 また、高温であるため、溶融金属を冷却することなくアトマイズすることができ、必要以上に溶融金属の温度を高くしておく必要もない。 このため、溶融金属を細かく粉砕することができる。 こうして粉砕された溶融金属を、雰囲気中を落下または飛散するうちに静的に過冷却させてガラス化させることが可能になるとともに、微細な金属粉末を容易に得ることができる。 また、水アトマイズ法やガスアトマイズ法に比べて、より微細な金属粉末を得ることができる。
    [0010]
    また、本発明に係る金属粉末の製造方法および金属粉末の製造装置によれば、球状の金属粉末を得ることができる。 本発明に係る金属粉末の製造方法および金属粉末の製造装置は、水アトマイズ法で使用される高圧ポンプやガスアトマイズ法で使用される高圧ガス製造設備、プラズマアトマイズ法で使用されるプラズマトーチ等と比べて、比較的安価で小型のジェットバーナーを使用可能であるため、装置の小型化が可能で、設備費や材料費などのコストの低減を図ることができる。 また、比較的容易に、フレームジェットを溶融金属または金属線材の外周に沿って隙間なく、ほぼ均等なジェット圧で溶融金属または金属線材に衝突させることができる。 ジェットバーナーが1台で、燃焼室も1つで足りるため、さらなる装置の小型化が可能で、製造コストを低減することができる。
    [0011]
    本発明に係る金属粉末の製造方法および金属粉末の製造装置は、フレームジェットを音速よりも速い速度で溶融金属または金属線材に噴射するよう構成されていることが好ましい。 この場合、フレームジェットの発する衝撃波により、溶融金属を細かく粉砕することができ、微細な金属粉末を得ることができる。 また、本発明に係る金属粉末の製造方法および金属粉末の製造装置で、溶融金属または金属線材に対するアトマイズ方式は、フリーフォール型であってもコンファインド型であってもよい。 本発明に係る金属粉末の製造方法および金属粉末の製造装置は、溶融金属の流れ方向または金属線材の伸長方向に対して斜交するよう、フレームジェットを噴射することが好ましい。 この場合、効率良く微細な金属粉末を製造することができる。
    [0012]
    本発明に係る金属粉末の製造方法は、前記フレームジェットが前記溶融金属または前記金属線材の外周に沿って隙間なく、ほぼ均等なジェット圧で前

    【0004】
    記溶融金属または前記金属線材に衝突するよう、前記溶融金属または前記金属線材の周囲から前記フレームジェットを噴射することが好ましい。 本発明に係る金属粉末の製造装置で、前記ジェットバーナーは、前記フレームジェットが前記溶融金属または前記金属線材の外周に沿って隙間なく、ほぼ均等なジェット圧で前記溶融金属または前記金属線材に衝突するよう、前記溶融金属または前記金属線材の周囲から前記フレームジェットを噴射することが好ましい。 この場合、フレームジェットが溶融金属または金属線材に衝突する位置で、溶融金属または金属線材がフレームジェットから逃れるように飛散するのを防ぐことができる。 このため、溶融金属または金属線材に対して均一なアトマイズが可能であり、微細で均一な球状の金属粉末を得ることができる。 また、金属粉末の製造効率を高めることもできる。
    [0013]
    [0014]
    本発明に関する金属粉末の製造方法は、複数のフレームジェットを、前記溶融金属または前記金属線材に対して互いに回転対称の位置から、前記溶融金属または前記金属線材に噴射してもよい。 本発明に関する金属粉末の製造装置で、前記ジェットバーナーは複数から成り、前記溶融金属または前記金属線材に対して互いに回転対称の位置から、前記溶融金属または前記金属線材に噴射するよう設けられていてもよい。 この場合、複数のフレームジェットの

    【0005】
    衝突により、溶融金属を細かく粉砕することができ、微細な金属粉末を得ることができる。
    [0015]
    また、この複数のジェットバーナーを有する場合、各ジェットバーナーは、それぞれ前記フレームジェットを噴射するための細長い形状の噴射口を有し、前記噴射口の長径方向が前記溶融金属または前記金属線材の外周に沿うよう配置されていてもよい。 この場合、ジェットバーナーの噴射口から噴射されるフレームジェットを、噴射口の長径方向に沿って面状に拡げたり、複数に分散させたりすることができる。 このため、溶融金属または金属線材を囲うように、複数のジェットバーナーからフレームジェットを噴射することにより、溶融金属または金属線材に対して均一なアトマイズが可能である。 ジェットバーナーは、溶融金属または金属線材を囲えるよう、3台以上であることが好ましい。
    [0016]
    本発明に関する金属粉末の製造装置で、前記ジェットバーナーは先端に耐熱ノズルを有し、前記耐熱ノズルは内部に前記溶融金属または前記金属線材を通す通孔を有し、前記通孔を通る前記溶融金属または前記金属線材に対して前記フレームジェットを噴射可能に設けられていてもよい。 この場合、1台のジェットバーナーで金属粉末を得ることができる。 耐熱ノズルは、その内部でフレームジェットを複数に分けて、通孔を通る溶融金属または金属線材に対して互いに回転対称の位置から、溶融金属または金属線材に噴射するようになっていてもよい。 耐熱ノズルは、カーボン製や水冷銅製など、耐熱性であればいかなる材質から成っていてもよい。
    発明の効果[0017]
    本発明によれば、装置の小型化が可能で、コストの低減を図ることができ、球状の金属粉末を得ることができる金属粉末の製造方法および金属粉末の製造装置を提供することができる。
    図面の簡単な説明[0018]
    [図1]本発明に関する第1の実施の形態の金属粉末の製造装置の(a)フリーフォール型、(b)コンファインド型での使用状態を示す側面図である。

    【0006】
    [図2]本発明に関する第1の実施の形態の金属粉末の製造装置の、金属線材を使用する変形例を示す側面図である。
    [図3]本発明に関する第1の実施の形態の金属粉末の製造装置の、ジェットバーナーの変形例を示す側面図である。
    [図4]本発明の実施の形態の金属粉末の製造装置を示す縦断面図である。
    [図5]本発明に関する第2の実施の形態の金属粉末の製造装置を示す(a)斜視図、(b)使用状態の斜視図である。
    [図6]図5に示す金属粉末の製造装置の(a)噴射口を示す正面図、(b)噴射したフレームジェットの形状を示す側面図である。
    [図7](a)図1(a)に示す金属粉末の製造装置の、フレームジェットの噴射状態を示す拡大側面図、(b)図1(a)に示す金属粉末の製造装置の、溶融金属を用いたときのアトマイズ時の状態を示す、フレームジェットの噴射位置付近の拡大側面図、(c)図1(a)に示す金属粉末の製造装置により、Fe−Si−B系の溶融金属から得られたFe 75 Si 1015非晶質粉末の電子顕微鏡写真、(d)その粉末粒子をさらに拡大した電子顕微鏡写真である。
    [図8]図2に示す金属粉末の製造装置により、ステンレス鋼SUS420の金属線材から得られた金属粉末の(a)倍率150倍、(b)倍率1000倍の電子顕微鏡写真である。
    [図9]図2に示す金属粉末の製造装置により、TIG溶接棒の金属線材(株式会社神戸製鋼所製TGS50)から得られた金属粉末の(a)倍率1500倍、(b)倍率2500倍の電子顕微鏡写真である。
    [図10]図2に示す金属粉末の製造装置により、SUS420合金から成る金属線材から得られた金属粉末の(a)倍率200倍、(b)倍率1200倍電子顕微鏡写真である。
    [図11]Fe−Si 10 −B 15合金の溶融金属に対して、(a)図1(a)に示す金属粉末の製造装置、(b)図4に示す金属粉末の製造装置、(c)図4

    【0007】
    に示す金属粉末の製造装置で噴射口がラバールノズル型のものにより、フレームジェットを噴射して製造した金属粉末の粒度分布を示すグラフである。
    発明を実施するための形態[0019]
    以下、図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。
    図1および図3は、本発明に関する第1の実施の形態の金属粉末の製造装置を示している。
    図1に示すように、金属粉末の製造装置10は、供給手段11と複数のジェットバーナー12とを有している。 なお、以下の説明では、主に、図1(a)に示すフリーフォール型について説明を行う。
    [0020]
    図1(a)に示すように、供給手段11は、溶融金属を収納する容器から成っている。 供給手段11は、底面の中央に、内部に連通する注湯ノズル11aを有している。 供給手段11は、内部に収納した溶融金属を、注湯ノズル11aから下方に流出可能に構成されている。
    [0021]
    複数のジェットバーナー12は、音速よりも速い速度でフレームジェット12aを噴射可能になっている。 各ジェットバーナー12は、供給手段11の下方で、フレームジェット12aを斜め下方に向かって噴射可能に配置されている。 各ジェットバーナー12は、注湯ノズル11aからの溶融金属の垂下流1に対して互いに回転対称の位置から、垂下流1に同じ角度で斜交して噴射するよう設けられている。 これにより、各ジェットバーナー12は、垂下流1の1点にフレームジェット12aを集中して噴射するようになっている。
    [0022]
    なお、具体的な一例では、ジェットバーナー12は、小型で、音速よりも速い速度でフレームジェット12aを噴射可能なハード工業有限会社製のジェットバーナーから成っている。 ジェットバーナー12は3台から成り、溶融金属の垂下流1を中心軸として中心角度が120度の間隔で、垂下流1から同じ距離の位置に配置され、垂下流1に対して斜め上方から約45度の角度で噴射するようになっている。 また、各ジェットバーナー12は、同じ圧力および速度でフレームジェット12aを噴射するようになっている。

    【0008】
    [0023]
    金属粉末の製造装置10は、本発明に関する第1の実施の形態の金属粉末の製造方法を好適に実施することができる。 金属粉末の製造装置10は、アトマイズ法の原理を利用して、金属粉末を得ることができる。 溶融金属の垂下流1に対して高温のフレームジェット12aを噴射することにより、溶融金属を粉砕することができる。 このとき、フレームジェット12aが水アトマイズ法の高圧水やガスアトマイズ法の高圧ガスより高温であるため、水アトマイズ法やガスアトマイズ法に比べて、吹き付ける流体の流速を上げることが可能になる。 また、高温であるため、溶融金属を冷却することなくアトマイズすることができ、必要以上に溶融金属の温度を高くしておく必要もない。 例えば、従来の水アトマイズ法やガスアトマイズ法と比べて、溶融金属の温度を50〜100℃程度低めに設定しておくことができる。 このため、よりアモルファス化しやすい条件で溶融金属を細かく粉砕することができる。 こうして粉砕された溶融金属を、雰囲気中を落下または飛散するうちに静的に過冷却させてガラス化させることが可能になるとともに、微細な金属粉末を容易に得ることができる。 また、水アトマイズ法やガスアトマイズ法に比べて、より微細な金属粉末を得ることができる。
    [0024]
    また、金属粉末の製造装置10は、各ジェットバーナー12が音速よりも速い速度でフレームジェット12aを噴射した場合には、フレームジェット12aの発する衝撃波により、溶融金属を細かく粉砕することができる。 さらに、各ジェットバーナー12が、溶融金属の垂下流1に対して互いに回転対称の位置から、同じ角度で、垂下流1の1点に集中してフレームジェット12aを噴射するため、複数のフレームジェット12aの衝突により、溶融金属をより細かく粉砕することができ、より微細な金属粉末を得ることができる。 なお、各フレームジェット12aの周囲および下方を覆うよう、供給手段11の下方に容器やチャンバーを設けることにより、得られた金属粉末を容易に回収することができる。
    [0025]
    金属粉末の製造装置10は、水アトマイズ法で使用される高圧ポンプやガスアトマイズ法で使用される高圧ガス製造設備、プラズマアトマイズ法で使

    【0010】
    は水冷銅などの耐熱性の素材で形成したものから成っていてもよい。
    [0029]
    また、図3に示すように、金属粉末の製造装置10は、フレームジェット12aの噴射方向が、ジェットバーナー12の本体12bの長さ方向に対して所定の角度を成すよう、各ジェットバーナー12の噴射ノズル12cが折り曲げられていてもよい。 この場合、噴射ノズル12cと供給手段11の注湯ノズル11aとを容易に近接させることができる。 特に、金属粉末の製造装置10がコンファインド型の場合に効果的である。
    [0030]
    図4は、本発明の実施の形態の金属粉末の製造装置および金属粉末の製造方法を示している。
    図4に示すように、金属粉末の製造装置20は、コンファインド型であり、供給手段11とジェットバーナー12とを有している。
    なお、以下の説明では、本発明に関する第1の実施の形態の金属粉末の製造装置10と同一の構成には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
    [0031]
    供給手段11は、溶融金属を収納する容器21を有し、容器21の底部中央に外部に連通した供給口21aを有している。 また、供給手段11は、供給口21aに連通し、容器21の底面の中央に断熱板22(例、アルミナ板)を介して取り付けられた注湯ノズル11aを有している。 注湯ノズル11aは、先端の外形が下方に向かって徐々に細くなるテーパー状を成している。 供給手段11は、容器21の内部に収納した溶融金属を、注湯ノズル11aから供給可能になっている。
    [0032]
    ジェットバーナー12は、1つの燃焼室(図示せず)と、フレームジェットを噴射するための円環状の噴射口24とを有している。 ジェットバーナー12は、噴射口24の内側に注湯ノズル11aが配置されるよう、供給手段11の容器21の下部に取り付けられている。 ジェットバーナー12は、噴射口24が注湯ノズル11aの先端のテーパー形状に沿うよう形成されている。
    [0033]
    ジェットバーナー12は、噴射口24から前方内側に向かって、噴射口24の円周に沿って隙間なく、フレームジェットを噴射可能に構成されている

    【0011】
    。 これにより、ジェットバーナー12は、注湯ノズル11aから供給される溶融金属の周囲から、溶融金属の流れ方向に対して斜交するよう、溶融金属の一箇所に集中してフレームジェットを噴射可能になっている。 また、ジェットバーナー12は、注湯ノズル11aから供給される溶融金属の外周に沿って隙間なく、ほぼ均等なジェット圧で、フレームジェットが溶融金属に衝突可能になっている。
    [0034]
    また、ジェットバーナー12は、噴射口24の周囲に、水を循環させて噴射口24を冷却するための水冷部25を有している。 なお、ジェットバーナー12は、音速よりも速い速度でもフレームジェットを噴射可能になっている。 また、具体的な一例では、ジェットバーナー12は、注湯ノズル11aから下方に供給される溶融金属に対して、斜め上方から約40度の角度で噴射するようになっている。
    [0035]
    本発明の実施の形態の金属粉末の製造方法は、金属粉末の製造装置20により好適に実施される。 本発明の実施の形態の金属粉末の製造装置20および金属粉末の製造方法は、溶融金属の周囲から噴射されたフレームジェットが、溶融金属の外周に沿って隙間なく、ほぼ均等なジェット圧で溶融金属に衝突するため、その衝突位置で、溶融金属がフレームジェットから逃れるように飛散するのを防ぐことができる。 このため、溶融金属に対して均一なアトマイズが可能であり、微細で均一な球状の金属粉末を得ることができる。 また、金属粉末の製造効率を高めることもできる。 なお、具体的な一例では、製造された金属粉末の直径は、約5μmであった。
    [0036]
    本発明の実施の形態の金属粉末の製造装置20および金属粉末の製造方法は、ジェットバーナー12が1台で、燃焼室も1つで足りるため、さらなる装置の小型化が可能で、製造コストもさらに低減することができる。 なお、本発明の実施の形態の金属粉末の製造装置20および金属粉末の製造方法は、溶融金属でなく、金属線材に対して高温のフレームジェットを噴射してもよい。
    [0037]
    図5および図6は、本発明に関する第2の実施の形態の金属粉末の製造装置およ

    【0012】
    び金属粉末の製造方法を示している。
    図5および図6に示すように、金属粉末の製造装置30は、供給手段11とジェットバーナー12とを有している。
    なお、以下の説明では、本発明に関する第1の実施の形態の金属粉末の製造装置10および本発明の実施の形態の金属粉末の製造装置20と同一の構成には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
    [0038]
    金属粉末の製造装置30は、ジェットバーナー12が3台から成り、それぞれフレームジェット12aを噴射するための細長い形状の噴射口24を有している。 各ジェットバーナー12は、噴射口24の長径方向が溶融金属の垂下流1の外周に沿うよう配置されている。 各ジェットバーナー12は、垂下流1に対して互いに回転対称の位置から、垂下流1に同じ角度で衝突するよう、同じ圧力および速度でフレームジェット12aを噴射可能に設けられている。
    [0039]
    図5および図6に示す具体的な一例では、噴射口24は、2つの円を接続したひょうたん型の形状を成している。 また、各ジェットバーナー12は、溶融金属の垂下流1を中心軸として中心角度が120度の間隔で、垂下流1から同じ距離の位置に配置され、垂下流1に対して斜め上方から約40度の角度で噴射するようになっている。
    [0040]
    本発明に関する第2の実施の形態の金属粉末の製造方法は、金属粉末の製造装置30により好適に実施される。 本発明に関する第2の実施の形態の金属粉末の製造装置30および金属粉末の製造方法は、図6(b)に示すように、ジェットバーナー12の噴射口24から噴射されるフレームジェット12aを、噴射口24の長径方向に沿って面状に拡げたり、複数に分散させたりすることができる。 このため、溶融金属の垂下流1を囲うように、各ジェットバーナー12からフレームジェット12aを噴射することにより、溶融金属の垂下流1の外周に沿って隙間なく、ほぼ均等なジェット圧で溶融金属の垂下流1に衝突させることができる。 また、その衝突位置で、溶融金属がフレームジェット12aから逃れるように飛散するのを防ぐことができる。 このため、溶

    【0013】
    融金属に対して均一なアトマイズが可能であり、微細で均一な球状の金属粉末を得ることができる。 また、金属粉末の製造効率を高めることもできる。
    [0041]
    なお、本発明に関する第2の実施の形態の金属粉末の製造装置30および金属粉末の製造方法は、溶融金属でなく、金属線材に対して高温のフレームジェット12aを噴射してもよい。
    実施例1
    [0042]
    図1(a)に示す金属粉末の製造装置10によりフレームジェット12aを噴射したときの状態を、図7(a)に示す。 図7(a)に示すように、複数のフレームジェットが1つに収束していることが確認できる。 この金属粉末の製造装置10を用いて、Fe−Si−B系の溶融金属に対して、フレームジェット12aを噴射することにより、微細な球状のFe 75 Si 1015非晶質粉末が得られた。 このときのフレームジェット12aの噴射位置付近の様子、および、得られた粉末の電子顕微鏡写真を図7(b)乃至(d)に示す。
    実施例2
    [0043]
    図2に示す金属粉末の製造装置10を用いて、ステンレス鋼SUS420の金属線材2に対してフレームジェット12aを噴射することにより、微細な球状の金属粉末が得られた。 得られた金属粉末の電子顕微鏡写真を図8に示す。
    実施例3
    [0044]
    図2に示す金属粉末の製造装置10を用いて、TIG溶接棒TGS50(株式会社神戸製鋼所製)の金属線材2に対してフレームジェット12aを噴射することにより、微細な球状の金属粉末が得られた。 得られた金属粉末の電子顕微鏡写真を図9に示す。
    実施例4
    [0045]
    図2に示す金属粉末の製造装置10を用いて、SUS420合金から成る金属線材2に対してフレームジェット12aを噴射することにより、微細な

    QQ群二维码
    意见反馈