モノアセチルジアシルグリセロール化合物を有効成分として含有する喘息の予防または治療用組成物

申请号 JP2016536025 申请日 2014-08-19 公开(公告)号 JP6081025B2 公开(公告)日 2017-02-15
申请人 エンジーケム ライフサイエンシーズ コーポレーション; ENZYCHEM LIFESCIENCES CORPORATION; コリア リサーチ インスティテュート オブ バイオサイエンス アンド バイオテクノロジー; KOREA RESEARCH INSTITUTE OF BIOSCIENCE AND BIOTECHNOLOGY; 发明人 オ セリャン; アン キョンソプ; イ スウィ; シン インシク; シン ナレ; イ テソク; カン ジョンク; チョン ヨンシク; ハン ヨンヘ; ソン キヨン;
摘要
权利要求

下記化学式1で表されるモノアセチルジアシルグリセロール化合物を有効成分として含有することを特徴とする、喘息の予防または治療用薬学的組成物。 [化学式1] (上記の式において、R1およびR2はそれぞれ炭素数14ないし20の脂肪酸基である。)前記R1およびR2は、それぞれパルミトイル、オレオイル、リノレオイル、リノレノイル、ステアロイル、ミリストイル)、およびアラキドノイルで構成される群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の組成物。前記R1およびR2の組み合わせ(R1/R2)は、オレオイル/パルミトイル、パルミトイル/オレオイル、パルミトイル/リノレオイル、パルミトイル/リノレノイル、パルミトイル/アラキドノイル、パルミトイル/ステアロイル、パルミトイル/パルミトイル、オレオイル/ステアロイル、リノレオイル/パルミトイル、リノレオイル/ステアロイル、ステアロイル/リノレオイル、ステアロイル/オレオイル、ミリストイル/リノレオイル、ミリストイル/オレオイルで構成される群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の組成物。前記モノアセチルジアシルグリセロール化合物は、下記化学式2で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。 [化学式2]前記モノアセチルジアシルグリセロール化合物は、鹿茸から分離されたことを特徴とする請求項1に記載の組成物。前記モノアセチルジアシルグリセロール化合物は、IL−4、IL−5およびIL−13からなる群から選択されるサイトカインの分泌を減少させることを特徴とする請求項1に記載の組成物。前記モノアセチルジアシルグリセロール化合物は、IgEの分泌を減少させることを特徴とする請求項1に記載の組成物。前記モノアセチルジアシルグリセロール化合物は、気管支または血管周囲の炎症細胞数を減少させる、あるいは気管支上皮の杯細胞の粘液分泌を減少させることを特徴とする請求項1に記載の組成物。前記組成物は、化学式1で表されるモノアセチルジアシルグリセロール化合物を0.001ないし50重量%で含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。 [化学式1] (上記の式において、R1およびR2はそれぞれ炭素数14ないし20の脂肪酸基である。)下記化学式1で表されるモノアセチルジアシルグリセロール化合物を有効成分として含有することを特徴とする、喘息の予防または改善用健康機能食品組成物。 [化学式1] (上記の式において、R1およびR2は、それぞれ炭素数14ないし20の脂肪酸基である。)前記R1およびR2は、それぞれパルミトイル、オレオイル、リノレオイル、リノレノイル、ステアロイル、ミリストイル、およびアラキドノイルで構成される群から選択されることを特徴とする請求項10に記載の組成物。前記R1およびR2の組み合わせ(R1/R2)は、オレオイル/パルミトイル、パルミトイル/オレオイル、パルミトイル/リノレオイル、パルミトイル/リノレノイル、パルミトイル/アラキドノイル、パルミトイル/ステアロイル、パルミトイル/パルミトイル、オレオイル/ステアロイル、リノレオイル/パルミトイル、リノレオイル/ステアロイル、ステアロイル/リノレオイル、ステアロイル/オレオイル、ミリストイル/リノレオイル、ミリストイル/オレオイルで構成される群から選択されることを特徴とする請求項10に記載の組成物。請求項1乃至9のうちいずれか1項に記載の組成物を非ヒト個体に投与する段階を含むことを特徴とする、喘息の予防または治療方法。

说明书全文

本発明は、モノアセチルジアシルグリセロール化合物を有効成分として含有する喘息の予防または治療用薬学的組成物、および喘息の予防または改善用健康機能食品組成物に関する。

急速な産業発展により、最近、生活環境が汚染され食生活が変化しながら多様なアレルギー性疾患が増加しており、このようなアレルギー性疾患の中でも特に、喘息の発症率が大きく増加しているのが実情である。喘息は慢性の気道炎症および気道過敏性を特徴とする疾患で、大気汚染物質、黄砂、アレルゲン(allergen)等によって発生する。喘息は大人よりは小児で有病率が高いということが知られており、食習慣の変化および西欧化により増加している傾向にある。喘息が発症する機構は非常に多様であることが知られており、このような機構中にTh2(T helper type2)タイプの免疫反応が亢進して、これによってインターロイキン(interleukin)−4、5、13などの分泌が増加し、このような反応と連係して好酸球をはじめとする多くの炎症細胞が肺組織内に移動および浸潤することになる。また、炎症細胞は多様な伝染症因子および化学走性因子を放出して、炎症反応をさらに悪化させ、気道内杯細胞の粘液分泌を増加させ、気道過敏性をもたらすことになる。このような一連の反応によって喘息患者は呼吸困難、青色症、および胸痛などの臨床症状を現すことになる。

現在、喘息の治療に使用されている薬物としてはステロイド製剤、気管支拡張剤または抗生剤などがある。ステロイド製剤と抗生剤の場合、免疫反応および炎症反応抑制を通じて喘息治療に使用されており、気管支拡張剤の場合、呼吸困難などの臨床症状発現の際にこれを相殺せしめることによって使用されている。しかし、このような薬物は免疫抑圧、骨髄生成抑制などの副作用をはじめとする抗生剤耐性、そして長期間使用の際に副作用が発見されて喘息治療剤として使用が非常に制約的である。したがって、このような副作用等を克服して毒性が少なく、治療効果が優秀な天然物あるいは新たな化合物の開発が絶えず進められている。

EC−18はモノアセチルジグリセリド(monoaetyldiglyceride)の一種であって、鹿茸から分離した。EC−18は造血作用があるものとして知られており、cecal−ligation−puncture(CLP)を利用した敗血症動物モデルで伝染症因子の減少とともに動物の生存率を大きく増加させたことが開示されており、GLP(Good Laboratory Practice)毒性試験でも毒性がないことが示された。しかし、このようなEC−18を含むモノアセチルジアシルグリセロール類化合物がアレルギー性喘息においていかなる効果を現すかについてはまだ開示されていない。本発明者らは、天然物由来あるいは新たな化合物の喘息治療剤を開発するために鋭意努した結果、モノアセチルジアシルグリセロール化合物が気道過敏性を軽減させ、気管支内炎症細胞の浸潤を抑制して喘息の予防または治療に有用に使用できることを確認し本発明を完成させるに至った。

本発明の一つの目的は、下記化学式1で表されるモノアセチルジアシルグリセロール化合物を有効成分として含有する、喘息の予防または治療用薬学的組成物、及び喘息の予防または改善用健康機能食品組成物を提供することにある。 [化学式1] 上記の式において、R1およびR2はそれぞれ炭素数14ないし20の脂肪酸基である。

本発明の他の目的は、前記薬学的組成物を喘息の発症可能性があるまたは喘息を患っている個体に投与する段階を含む、喘息の予防または治療方法を提供することにある。

前記目的を達成するための一つの様態として、本発明は、下記化学式1で表されるモノアセチルジアシルグリセロール化合物を有効成分として含有する、喘息の予防または治療用薬学的組成物を提供する。 [化学式1] 上記の式において、R1およびR2はそれぞれ炭素数14ないし20の脂肪酸基である。本明細書で脂肪酸基は脂肪酸のカルボキシル基から−OH基を除いた残りの部分を意味する。

具体的に、本発明の喘息予防または治療用薬学的組成物は前記化学式1で表されるモノアセチルジアシルグリセロール化合物を含むことができる。本発明において、用語“モノアセチルジアシルグリセロール化合物”とは、1つのアセチル基と2つのアシル基を有するグリセロールの誘導体を意味し、モノアセチルジグリセロール(MADG)ともいう。

前記化学式1で表されるモノアセチルジアシルグリセロール化合物においてR1およびR2はそれぞれ炭素数14ないし20の脂肪酸基であることもあり、好ましくはパルミトイル(palmitoyl)、オレオイル(oleoyl)、リノレオイル(linoleoyl)、リノレノイル(linolenoyl)、ステアロイル(stearoyl)、ミリストイル(myristoyl)またはアラキドノイル(arachidonoyl)などであることができるが、これらに限定されない。さらに好ましくは、前記R1およびR2の組み合わせ(R1/R2)はオレオイル/パルミトイル、パルミトイル/オレオイル、パルミトイル/リノレオイル、パルミトイル/リノレノイル、パルミトイル/アラキドノイル、パルミトイル/ステアロイル、パルミトイル/パルミトイル、オレオイル/ステアロイル、リノレオイル/パルミトイル、リノレオイル/ステアロイル、ステアロイル/リノレオイル、ステアロイル/オレオイル、ミリストイル/リノレオイルまたはミリストイル/オレオイルなどであることができるが、これらに限定されない。また、前記モノアセチルジアシルグリセロール化合物は光学活性において、(R)−形、(S)−形またはラセミ体であることができる。

前記モノアセチルジアシルグリセロール化合物は、好ましくは、下記化学式2で表される化合物であることができる。 [化学式2]

上記化学式2で表される化合物は1−パルミトイル(palmitoyl)−2−リノレオイル(linoleoyl)−3−アセチルグリセロール(acetylglycerol)といい、EC−18とも命名される。前記化合物のR1とR2は、それぞれパルミトイルとリノレオイルに該当する。

前記モノアセチルジアシルグリセロール化合物は、鹿茸から抽出/分離したり、公知の有機合成法(大韓民国特許登録番号10−0789323号公報)により製造される。具体的に、鹿茸をヘキサンで抽出し、その抽出の残余を再びクロロホルムにより抽出した後、収得した抽出液を減圧蒸留して鹿茸のクロロホルム抽出物を収得することができる。前記抽出において使用される抽出溶媒であるヘキサンおよびクロロホルムの量はそれぞれ使用された鹿茸が浸る程度の量であれば十分で、一般的には、鹿茸1kgに対しヘキサンおよびクロロホルムをそれぞれ4〜5リットルの割合で使用されるが、抽出溶媒の種類および使用量は、これに限定されない。このような方法で収得した鹿茸のクロロホルム抽出物が、次いで一連のシリカゲルコラムクロマトグラフィーおよびTLC方法によりさらに分画化され精製されて、本発明に使用されるモノアセチルジアシルグリセロール化合物が得られる。前記クロマトグラフィー精製段階の溶離液としてはクロロホルム/メタノール、ヘキサン/酢酸エチル、ヘキサン/酢酸エチル/酢酸などが用いられるが、これに限定されない。

一方、本発明に使用されるモノアセチルジアシルグリセロール化合物を化学的に合成する方法は、大韓民国特許登録番号10−0789323号公報に開示されている。具体的に、(a)1−R1−グリセロールの3番位置に保護基を導入して1−R1−3−保護基−グリセロールを製造する過程、(b)1−R1−3−保護基−グリセロールの2番位置にR2基を導入して1−R1−2−R2−3−保護基−グリセロールを製造する過程および、(c)1−R1−2−R2−3−保護基−グリセロールの脱保護反応およびアセチル化反応を同時に実行する過程を含み、必要に応じて精製して、目的とするモノアセチルジアシルグリセロール化合物を合成でき、他の方法としてはホスファチジルコリンを加酢酸分解(acetolysis)して得られるが、これに限定されない。また、前記化学式1の化合物だけでなく、その立体異性体もすべて本発明の範囲内に含まれる。

本発明によってモノアセチルジアシルグリセロール化合物は、IL−4、IL−5およびIL−13からなる群から選択されるサイトカインまたはIgEの分泌の減少が認められることによって、喘息の予防または治療に効果的に用いられることが確認された。

本発明において、用語“喘息”とは、肺の中にある気管支がとても敏感になっている状態で、時々気管支が狭くなって呼吸が苦しくなりぜいぜいと音がしながら咳をひどくする症状を示す疾患で、気管支のアレルギー性炎症反応のために発生するアレルギー疾患である。喘息の代表的な症状は、呼吸困難、咳、喘鳴などであり、狭くなった気管支を短時間内に緩和させる症状緩和剤(気管支拡張剤)または気管支のアレルギー炎症を抑制して喘息発作を予防する疾病調節剤(抗炎症剤、ロイコトリエン調節剤)などが代表的な治療剤として使用されている。本発明において前記喘息は気管支性喘息、アレルギー性喘息、アトピー型喘息、非アトピー型喘息、運動誘発性喘息、アスピリン喘息、心因性喘息または肺胞性喘息であることもあるが、これに制限されない。本発明において、用語“予防”とは、前記組成物の投与で喘息の発症を抑制または遅延したりするあらゆる行為を意味し、“治療”とは、前記組成物によって喘息による症状が好転したり有益に変更されるあらゆる行為を意味する。

Th2(helper T cell Type2)細胞が生産するサイトカイン(cytokine)であるインターロイキン−4(IL−4)、インターロイキン−5(IL−5)およびインターロイキン−13(IL−13)は気管支喘息の重要な媒介役割を果たすことで知られている(Coyle AJ.et al.1995.Am J Respir Cell Mol Biol.13(1):54−9;Nakajima H.et al.1992.Am.Rev.Respir.Dis.146(2):374−7;Wills−Karp,M.et al.1998.Sci.282(5397):2258−61;Cohn et al.,2004;Medoff et al.,2008)。具体的に、気管支喘息を起こす抗原は一次的に大食細胞によって除去され、この過程で活性化した肺胞の大食細胞がB細胞を刺激してIgEを生産すれば、IgEは肥満細胞を活性化させる方法で初期の喘息反応を担当する。これと共に、喘息を誘発する抗原に露出したB細胞はCD4 T細胞を刺激してTh2細胞へ分化し、この分化したTh2細胞が肺組織および気管支肺胞洗浄液(BALF)内でIL−4、IL−5およびIL−13のようなサイトカインの分泌を促進し、これらの促進されたサイトカインによって気管支の過敏性と気道閉塞が誘発されて喘息反応を起こすことが知られている。したがって、前記IL−4、IL−5およびIL−13からなる群から選択されるサイトカインの分泌を抑制したりIgEの分泌を抑制することによって喘息反応を抑制させることができる。

本発明の実施例においては、i)ハツカネズミT細胞リンパ腫(mouse T cell lymphoma)細胞であるEL−4細胞でホルボールミリスタートアセタート(phorbol myristate acetate、PMA)によって誘導されたIL−4の発現をモノアセチルジアシルグリセロール化合物による阻害度を測定した結果、EC−18を含む多数のモノアセチルジアシルグリセロール化合物の有意な阻害活性を確認し(実施例2)、ii)喘息誘発動物モデルで気管支肺胞洗浄液からIL−4、IL−5およびIL−13の生成量を測定した結果、IL−4、IL−5およびIL−13いずれも喘息誘発群で正常対照群に比べて大きく増加した反面、モノアセチルジアシルグリセロール化合物(EC−18)の投与群ではこれら因子が有意に減少したことを確認し(実施例6、図4)、iii)血清内および卵白アルブミン特異的IgEの分泌量を測定した結果、血清内IgEおよび卵白アルブミン特異的IgEいずれも喘息誘発群で正常対照群に比べて大きく増加した反面、モノアセチルジアシルグリセロール化合物(EC−18)の投与群では有意に減少したことを確認した(実施例7、図5)。これは、前記モノアセチルジアシルグリセロール化合物が喘息の治療に有効であることを良く示しているのである。

また、前記モノアセチルジアシルグリセロール化合物は、気管支または血管周囲の炎症細胞数を減少させたり気管支上皮の杯細胞の粘液分泌を減少できることが本発明によって確認された。喘息患者に対して気管支肺胞洗浄を行って気道炎症を確認した結果、気管支肺胞洗浄液にはリンパ球、肥満細胞、好酸球および活性化した大食細胞などが増加していることが確認された。これに、喘息は気道炎症疾患として一般化しており、様々な炎症細胞の大部分が活性化して各種媒介物質が分泌されて喘息を誘発することが知られていて、炎症細胞の減少は喘息の治療と関連があることが知られている(Haley KJ,et al.,Am J Respir Crit Care Med,1998;158:565−72)。一方、喘息は気道の狭窄および気管支に炎症性細胞の浸潤と共に杯細胞(goblet cell)が形成されて粘液を分泌しコラーゲンの沈着が著しく現れるので、気管支の粘液分泌量の増加も喘息症状の一種として知られている。

本発明の一実施例として、H&E(Hematoxylin&Eosin)染色を通じて肺組織内炎症を観察し、PAS(periodic acid Schiff)染色を通じて気管支内粘液分泌量を観察した結果、i)喘息誘発群の気管支および血管周囲に広範囲な炎症細胞の浸潤が観察された反面、モノアセチルジアシルグリセロール化合物(EC−18)投与群でいずれも、気管支および血管周囲の炎症細胞の浸潤が減少することを確認し(実施例8、図6)、ii)喘息誘発群では気管支上皮の杯細胞で粘液分泌の増加が観察された反面、モノアセチルジアシルグリセロール化合物(EC−18)投与群でいずれも気管支上皮の杯細胞の粘液分泌が顕著に減少することを確認した(実施例8、図7)。このような結果も前記モノアセチルジアシルグリセロール化合物が喘息の治療に有効であることを良く示しているのである。

本発明のモノアセチルジアシルグリセロール化合物を含む薬学的組成物は、薬学的組成物の製造に通常使用する適切な担体、賦形剤または希釈剤をさらに含むことができる。このとき、前記組成物に含まれるモノアセチルジアシルグリセロール化合物の含有量は、特に限定されないが、組成物総重量に対して0.0001ないし100.0重量%、好ましくは0.001ないし50.0重量%、さらに好ましくは0.01ないし20重量%を含むことができる。

前記薬学的組成物は錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、懸濁剤、内用液剤、油剤、シロップ剤、滅菌された溶液、非水性溶剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥剤および坐剤からなる群から選択されるいずれか一つの剤形を有することができ、経口または非経口の様々な製剤であることができる。製剤化に際して、通常使用される充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、界面活性剤などの希釈剤または賦形剤を用いることができる。経口投与のための固形製剤には錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤などが含まれ、このような固形製剤は、一つ以上の化合物に少なくとも一つ以上の賦形剤、例えば、デンプン、炭酸カルシウム、スクロース(sucrose)またはラクトース(lactose)、ゼラチンなどを混合して調製することができる。また、単純な賦形剤以外にステアリン酸マグネシウム、タルクなどのような潤滑剤も用いることができる。経口投与のための液状製剤としては懸濁剤、内用液剤、油剤、シロップ剤などが該当するが、よく使用される単純希釈剤である水、リキッドパラフィン以外に様々な賦形剤、例えば湿潤剤、甘味剤、芳香剤、保存剤などを含むことができる。非経口投与のための製剤には、滅菌された水溶液、非水性溶剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥製剤、坐剤が含まれる。非水性溶剤、懸濁溶剤にはプロピレングリコール(propylene glycol)、ポリエチレングリコール、オリーブオイルのような植物性油、オレイン酸エチルのような注射可能なエステルなどが用いることができる。坐剤の基剤にはウィテプソル(witepsol)、マクロゴール、ツイン(tween)61、カカオ脂、ラウリン脂、グリセロゼラチンなどが用いることができる。

本発明の組成物は薬学的に有効な量で投与することができる。本発明において、用語“薬学的に有効な量”とは、医学的治療に適用可能な合理的な受恵/危険の比率で疾患を治療するのに十分な量を意味し、有効用量のレベルは個体の種類および重症度、年齢、性別、病気の種類、薬物の活性、薬物に対する敏感度、投与時間、投与経路および排出比率、治療期間、同時に使用される薬物を含む要素と、その他医学分野によく知られている要素とによって決定できる。本発明の組成物は個別治療剤として投与したり、他の治療剤と併用して投与が可能であり、従来の治療剤とは順次または同時に投与が可能である。そして、単一または多重投与することができる。前記要素のいずれもを考慮して副作用なしに最小限の量で最大効果が得られる量を投与するのが重要であり、当業者によって容易に決定可能である。本発明の組成物の望ましい投与量は、患者の状態および体重、病気の程度、薬物形態、投与経路および期間により異なり、適した一日の総使用量は、正しい医学的判断の範囲内で担当医によって決定されるが、一般に0.001ないし1000mg/kgの量、好ましくは0.05ないし200mg/kg、より好ましくは0.1ないし100mg/kgの量を一日1回乃至複数回に分けて投与することができる。前記組成物は、喘息の予防または治療を目的とする個体であれば特に限定されず、あらゆる個体に適用可能である。例えば、猿、犬、猫、ウサギ、モルモット、ラット、マウス、、羊、豚、ヤギなどのような動物、人間、鳥類および魚類などすべての個体に適用でき、投与の方式は当業系の通常の方法であれば、限りはない。例えば、経口、直腸、または静脈、筋肉、皮下、子宮内頚膜または脳血管内注射によって投与できる。

また一つの様態として、本発明は下記化学式1で表されるモノアセチルジアシルグリセロール化合物を有効成分として含有する、喘息の予防または改善用健康機能食品組成物を提供する。 [化学式1] 上記化学式1で表されるモノアセチルジアシルグリセロール化合物においてR1およびR2はそれぞれ炭素数14ないし20の脂肪酸基であることができるが、これに限定されない。

具体的に、本発明のモノアセチルジアシルグリセロール化合物を、喘息の予防または改善を目的として、健康機能食品組成物に含むことができる。前記モノアセチルジアシルグリセロール化合物および喘息については前述のとおりである。本発明において、用語“改善”とは、前記組成物を利用して喘息の疑いのあるおよび喘息を発症した個体の症状が好転したり有益となるあらゆる行為を意味する。

本発明の組成物が健康機能食品に用いられる場合、前記組成物をそのまま添加したり他の健康機能食品または健康機能食品成分と共に使用することができ、通常の方法により適切に使用することができる。有効成分の混合量は、使用目的により適するように決定される。一般に、食品または飲料の製造時に本発明の組成物は原料に対し、好ましくは15重量部以下、より好ましくは10重量部以下の量で添加することができる。しかし、健康調節および衛生を目的とする長期間摂取時の場合には前記量は前記範囲以下であることができ、安定性の面でも問題がないため、有効成分は前記範囲以上の量でも使用することができる。

本発明の組成物が含まれる健康機能食品の種類としては、特に制限はなく、具体的な例として、肉類、ソーセージ、パン、チョコレート、キャンディ類、スナック類、菓子類、ピザ、ラーメン、その他の麺類、ガム類、アイスクリーム類を含む酪農製品、各種スープ、飲料、茶、ドリンク剤、アルコール飲料およびビタミン複合剤などが挙げられ、通常の意味での健康機能食品を全て含み、動物用飼料として利用される食品を含むことができる。また、本発明の健康機能食品組成物が飲料形態に用いられる場合は、通常の飲料と同様に、色々な甘味剤、香味剤または天然炭水化物などを追加成分として含有することができる。前記天然炭水化物とは、ブドウ糖、果糖などのモノサッカライド、マルトース、シュークロスなどのジサッカライド、デキストリン、サイクロデキストリンなどのポリサッカライド、およびキシリトール、ソルビトール、エリトリトールなどの糖アルコールである。前記天然炭水化物の比率は、これに限定されないが、本発明の組成物100mL当たり好ましくは、約0.01ないし0.04g、より好ましくは0.02乃至0.03gである。前記甘味剤としては、タウマチン、ステビア抽出物などの天然甘味剤およびサッカリン、アスファルタムなどの合成甘味剤などが挙げられる。前記以外に本発明の健康機能食品組成物は種々の栄養剤、ビタミン、電解質、風味剤、着色剤、ペクチン酸およびその塩、アルギン酸およびその塩、有機酸、保護性コロイド増粘剤、pH調節剤、安定化剤、防腐剤、グリセリン、アルコール、炭酸飲料に使われる炭酸化剤などを含有することができる。その他、天然果物ジュース、果物ジュース飲料および野菜飲料の製造のための果肉を含有することができる。

また一つの様態として、本発明は、前記薬学的組成物を喘息の疑いのある個体に投与する段階を含む、喘息の予防または治療方法を提供する。本発明において前記喘息の疑いのある個体は、喘息が発症したり発症する可能性のある人間を含むすべての動物を意味し、本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を含む薬学的組成物を喘息の疑いのある個体に投与することによって、個体を効率的に治療することができる。喘息については前述したとおりである。本発明において、用語“投与”とは、任意の適切な方法で喘息の疑いのある個体に本発明の薬学的組成物を導入することを意味し、投与経路は目的組織に到達できる限り経口または非経口の多様な経路を通じて投与されることができる。本発明の治療方法は、前記化学式1のモノアセチルジアシルグリセロール化合物を含む薬学的組成物を薬学的有効量で投与することを含むことができる。適した1日の総使用量は、正しい医学的判断の範囲内で担当医によって決定され、一般に0.001ないし1000mg/kgの量、好ましくは0.05ないし200mg/kg、より好ましくは0.1ないし100mg/kgの量を一日1回乃至複数回に分けて投与することができる。しかし、本発明の目的上、特定患者に対する具体的な治療的有効量は達成しようとする反応の種類と程度、場合によって他の製剤を使用するかどうかをはじめとする具体的組成物、患者の年令、体重、一般的な健康状態、性別および食事、投与時間、投与経路および組成物の比率、治療期間、具体的組成物とともに使用されたり同時に使用される他の薬物、医薬分野において周知である多様な因子と類似因子によって異なるように適用するのが望ましい。

本発明のモノアセチルジアシルグリセロール化合物は、ハツカネズミT細胞リンパ腫(mouse T cell lymphoma)細胞であるEL−4細胞でIL−4の発現を抑制し、喘息誘発動物モデルで気道過敏性を軽減させ、気管支内炎症細胞の浸潤を抑制する。また、本発明の化合物は、血清と気管支肺胞洗浄液内のIgE生成を抑制し、肺でTh2サイトカイン(IL−4、IL−5およびIL−13)の発現を抑制する効果が優れているので、現在使用される喘息治療剤の副作用を克服し、毒性がなく、かつ治療効果が優秀な化合物として喘息の予防、治療および改善用組成物として有用に用いられる。

本発明の実験に対する全般的な概略図である。

気道過敏性におけるEC−18の効果を示すグラフである。NCは正常対照群、OVAは喘息誘発群、Monは薬物対照群、EC18−30およびEC18−60は試料投与群(それぞれEC−18 30mg/kgおよび60mg/kg投与)を意味する。

肺胞洗浄液での炎症細胞数に対するEC−18の効果を示すグラフである。

肺胞洗浄液でのサイトカインの分泌に対するEC−18の効果を示すグラフである。

血清中の総IgEおよび卵白アルブミン特異的IgEの分泌に対するEC−18の効果を示すグラフである。

肺組織内の炎症反応へのEC−18の効果を示した図である。

肺組織内の粘液分泌に対するEC−18の効果を示した図である。

以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。ただし、これらの実施例は本発明の理解を助けるためのものであって、本発明はこれらに限定されるものではない。

実施例1:EL−4細胞でモノアセチルジアシルグリセロール化合物の細胞毒性評価 ウシ胎児血清(Fetal Bovine Serum)を10%添加したRPMI培地(Gibco)に、マウスTリンパ腫細胞であるEL−4細胞を5×104cells/mLの濃度に懸濁し、100μLずつ96ウエルプレートに接種して12時間培養した。次に、下記表1に示されているような種類および濃度のモノアセチルジアシルグリセロール化合物(MADG)で前記培養液を処理した後、24時間追加培養した。細胞数を数えるCCK−8(Dojindo社)キットにおいて説明した通り、CCK−8溶液を10μLずつ添加し、最小30分から最大4時間反応させた後、570nmで吸光度(OD)を測定した。細胞生存率(cell viability)は下記数式1により計算し、その結果を下記表1に示す。数式1において、陰性対照群はDMSOを0.2%処理した培養液を示す。下記表1で、PLAGは1−palmitoyl−2−linoleoyl−3−acetylglycerol、POAGは1−palmitoyl−2−oleoyl−3−acetylglycerol、PSAGは1−palmitoyl−2−stearoyl−3−acetylglycerol、PPAGは1−palmitoyl−2−palmitoyl−3−acetylglycerol、OPAGは1−oleoyl−2−palmitoyl−3−acetylglycerol、OSAGは1−oleoyl−2−stearoyl−3−acetylglycerol、LPAGは1−linoeoyl−2−palmitoyl−3−acetylglycerol、LSAGは1−linoeoyl−2−stearoyl−3−acetylglycerolを示す。

上記表1に示されているように、本発明のモノアセチルジアシルグリセロール化合物(MADG)の濃度に応じたEL−4細胞の細胞生存率を観察した結果、EC−18は200μg/mL以下の濃度で細胞毒性が現れなかったし、その他の化合物は20μg/mL以下の濃度で細胞毒性が現れないことを確認した。

実施例2:モノアセチルジアシルグリセロール化合物のEL−4 mRNAの発現抑制 実施例1の結果を土台として、前記モノアセチルジアシルグリセロール化合物を20μg/mLの濃度で投与し、EL−4細胞でのPMAによるIL−4 mRNAの発現抑制効果を測定した。具体的に、PMA(1ng/mL)で誘導されたIL−4 mRNAの発現量をリアルタイム重合酵素連鎖反応(Real−time polymerase chain reaction、real−time PCR、quantitative real time polymerase chain reaction、qPCR)を利用して測定した。細胞準備は6ウエルプレートにEL−4細胞を1×106cells/wellの濃度で分注して12時間培養した後、モノアセチルジアシルグリセロール化合物を20μg/mL濃度で1時間処理し、PMAを1ng/mLの濃度で処理した後、12時間培養した。Total RNAを抽出するために、Trizol B(Invitrogen社、米国)を用いてリボ核酸(RNA)を抽出し、定量後、Omniscript RT kit(Qiagen、GmbH、Hilden、Germany)を用いて相補的核酸(cDNA)を合成した。合成されたcDNAを鋳型と下記表2に示すIL−4およびGAPDHのプライマーをそれぞれ混合し、PCR mix(PCR Master Mix、Bioneer、Korea)を用いて94℃で5分間変性(Denaturation)し、95℃で30秒、60℃で45秒、72℃で45秒として30サイクル(cycle)反応させた後、72℃で10分間酵素を不活性化させるPCRを行った。このように測定されたEL−4細胞のIL−4 mRNAの発現抑制率を下記表3に示した。下記表3で各試料の名称は表1で説明したとおりである。

上記表3に示したように、PMAを処理した群よりIL−4の発現量が増加し、これを基準(100%)とするとき、モノアセチルジアシルグリセロール化合物は20ないし50%の発現抑制率を示した。

実施例3:卵白アルブミン誘導喘息モデルおよび試料投与 6週齢の雌SPF(specific pathogen−free)Balb/cハツカネズミ(20g)をSamtako社(Korea)から供給を受けた。動物は実験当日まで固形飼料(抗生物質無添加、三養飼料社製)と水を十分に供給し温度22±2℃、湿度55±15%、12時間(light−dark cycle)の環境で1週間適応させた後、実験に使った。前記のように1週間の順化期間を経たハツカネズミに2週間隔で2mg水酸化アルミニウム(A8222、Sigma−Aldrich、MO、USA)と卵白アルブミン20μg(A5503、Sigma−Aldrich)を懸濁したリン酸緩衝溶液200μLを腹腔に注入して減作させた。最初の卵白アルブミン腹腔投与後21日から23日まで、1%卵白アルブミンを超音波噴霧器(NE−U12、OmronCorp.、Japan)を用いて30分間吸入させた。最後の卵白アルブミン露出後24時間後、気道過敏性を測定し、48時間後にペントバルビタール(50mg/kg、Entobal、Hanil、Korea)を腹腔投与して麻酔させた後、腹大静脈を通じて血液を採取し、気管支切開を実施して総1.4mLのPBSで気管支肺胞洗浄を実施して検体を収去した。実験群は正常対照群(NC、卵白アルブミン投与および吸入しない群)、喘息誘発群(OVA、卵白アルブミン投与および吸入した群)、薬物対照群(Mon、montelukast30mg/kg投与+卵白アルブミン投与および吸入した群)、試料投与群(EC18−30とEC18−60、それぞれEC−18を30mg/kgおよび60mg/kg投与+卵白アルブミン投与および吸入した群)に設定して進めた。薬物および試料は最初の卵白アルブミン投与後18日から23日まで、経口投与した(図1)。各群当たり7頭のハツカネズミを使った。

実施例4:気道過敏性(Airway hyperresponsiveness)測定 喘息の主な症状中の一つである気道過敏性を測定するために一室体積変動記録器(one chamber plethysmography、All Medicus、Korea)を用いた。気道抵抗の程度はenhanced pause(Pehn)を測定して評価した。Pehnの測定は正常呼吸状態で基底値を測定した後、PBSを超音波噴霧器を用いて3分間吸入させた後、3分間測定した。以後、メサコリン(A2251、Sigma−Aldrich)を12、25、50mg/mLの濃度に順次増加させながら吸入させた後Pehn値を測定し、その結果を下記表4に示す。

上記表4のように、喘息誘導群は正常対照群に比べてPehn値が大きく増加し、薬物対照群であるmontelukast投与群は喘息誘導群に比べて有意に減少した。EC−18投与群でも30mg/kgおよび60mg/kgでいずれも喘息誘導群に比べて気道過敏性が顕著に減少し、これはmontelukast投与群と類似していた(図2)。

実施例5:気管支肺胞洗浄液(Bronchoalveolar lavage fluid、BALF)分離および炎症細胞数の測定 好酸球の増加は喘息にあっては主な特徴中の一つであるものの、これを測定するために、下記のように実施した。各個体の気管支肺胞洗浄液は回収された後、直ちにトリパンブルー(Trypan Blue)で染めて死細胞を除いた総細胞数を血球計算盤(hemocytometer)を使用して計算した後、サイトスピン(Cytospin、Hanil、Korea)を使用して細胞をスライドに付着させた後、Diff−Quik染色(Sysmex、Switzerland)を実施して好酸球をはじめとするその他の炎症細胞を顕微鏡を通じて検鏡した後、各サンプルの炎症細胞数を数え、その結果を下記表5に示す。

上記表5のように、喘息誘導群では正常対照群に比べて総炎症細胞の数が大きく増加し、特に好酸球の増加が特徴的に観察された。反面、EC−18投与群では好酸球数の減少とともに総炎症細胞の数が喘息誘導群に比べて顕著に減少した(図3)。

実施例6:気管支肺胞洗浄液(BALF)内サイトカイン分析 各個体から分離した気管支肺胞洗浄液でインターロイキン(IL−4、IL−5、IL−13)の生成量を市販用酵素免疫分析(Enzyme−linked immunosorbent assay、ELISA)キット(R&D System、USA)を使用して測定した。各サイトカインの分析は製造会社の実験方法により実施し、ELISA reader(Molecular Devices、USA)を通じて450nmで吸光度を測定し、その結果を下記表6に示す。

上記表6のように、Th2タイプのサイトカインであるIL−4は喘息誘導群では正常対照群に比べて大きく増加した反面、montelukast投与群では喘息誘導群に比べて有意に減少した。EC−18投与群でもIL−4の分泌は喘息誘導群に比べて顕著な減少が現れた。また、IL−5とIL−13の分泌においても、EC−18投与群は喘息誘導群に比べて著しく減少することを確認した(図4)。

実施例7:血清内IgEおよび卵白アルブミン特異的IgE測定 後大静脈を通じて収得した血液は常温で30分間反応させた後、遠心分離(3000rpm、15min)して血清を得た。血清内IgEおよび卵白アルブミン特異的IgEの測定のためにELISA法を使用した。IgEは市販のIgE(Biolegend Ins.、USA)を使用して測定し、卵白アルブミン特異的IgEは96−well flat bottom ELISA plateに卵白アルブミンを20μg/mLの濃度に0.1M NaHCO3緩衝液(pH8.3)に溶かして4℃で16時間反応させた。その後、1%bovine serum albumin(BSA)が含まれているPBSで非特異的反応を抑制させた。血清検体は1:400に希釈して室温で2時間反応させた後、0.05%Tween20が含まれているPBSで洗浄した。過酸化酵素(peroxidase)が結合したHRP−conjugated goat anti−rat IgG polyclonal Aを4000倍希釈して室温で1時間反応させた後、発色は3.3’5.5’−tetramethylbenzidine substrateで反応させた後450nmで吸光度を測定し、その結果を下記表7に示す。

上記表7のように、喘息誘発群の血清内IgEは正常対照群に比べて顕著に増加した反面、薬物対照群であるmontelukast投与群は喘息誘発群に比べて有意に減少した。EC−18投与群もすべての投与群で喘息誘発群に比べて顕著な減少を現れ、これはmontelukast投与群と類似に観察された。また、卵白アルブミン特異的IgEの場合にも喘息誘発群で正常対照群に比べて大きく増加した反面、EC−18投与群いずれも喘息誘発群に比べて卵白アルブミン特異的IgEの顕著な減少が確認された(図5)。

実施例8:組織の病理検査 肺を引き離して直ちに10%ホルムアルデヒド(formaldehyde)溶液に固定した後、砕切して流れる水に8時間水洗した後、エポキシ(epoxy)にて包埋し、これをミクロトーム(microtome)で切片を作った。以降、(1)肺組織内炎症を観察するためにHematoxylin&Eosin染色を、(2)気管支内粘液分泌は喘息が誘発される場合には顕著に増加するので、これを観察するためにperiodic acid Schiff(PAS、IMEB Inc.、USA)染色を行った。光学顕微鏡を用いて肺組織の病理学的変化を検鏡した。 (1)肺組織内炎症反応を観察した結果、喘息誘発群の気管支および血管周囲に広範囲な炎症細胞の浸潤が観察された。反面、montelukast投与群ではこのような炎症細胞の浸潤の減少が認められ、またEC−18投与群全てで、気管支および血管周囲の炎症細胞の浸潤が減少したことが確認された。このような減少はmontelukast投与群と比較してみるとき、類似に観察された(図6)。 (2)気管支内粘液分泌結果を観察した結果、喘息誘発群では気管支上皮の杯細胞で粘液分泌の増加が観察された。反面、montelukast投与群では粘液分泌が減少し、またEC−18投与群全てで気管支上皮の杯細胞の粘液分泌が顕著に減少したことを確認した(図7)。

以上の説明から、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者は本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せず、他の具体的な形態で実施され得ることを理解できるものであろう。したがって、以上で記述した実施形態はすべての面で例示的なものであり、限定的ではないものとして理解しなければならない。本発明の範囲は前記詳細な説明よりは後述する特許請求の範囲の意味および範囲そしてその均等概念から導き出されるすべての変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれると解釈されなければならない。

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