廃材の少ないチェーンリンクプレートの製造方法

申请号 JP2018022870 申请日 2018-02-13 公开(公告)号 JP2018138311A 公开(公告)日 2018-09-06
申请人 イーヴィス モートールジステメ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト; 发明人 アンドレアス ウルバネク;
摘要 【課題】廃材の量を低減するチェーンリンクプレートの製造方法を提供する。 【解決手段】交互の内側及び外側チェーンリンクを備えたプレートリンクチェーンのためのチェーンリンクプレートの製造方法に関し、チェーンリンクプレートの輪郭は、複数のパンチ部と、2つの対向面 接触 部と、背面接触部と、を有し、それらはシート金属片からパンチ部を打ち抜いた後も、隣接するチェーンリンクプレートの補償的接触部に接続されていて、後続の分離切断において分離される。本方法は、シート金属片からチェーンリンクプレートのパンチ部を打ち抜く工程であって、対向面接触部に加えて、背面接触部が、チェーンリンクプレートのヘッド部において、隣接するチェーンリンクプレートの補償的な接触部との接続を維持する、という工程と、チェーンリンクプレートのヘッド部の対向面接触部及び背面接触部を実質的に廃材のない分離切断によって分離する工程と、を備える。 【選択図】図5
权利要求

交互の内側チェーンリンク(2)及び外側チェーンリンク(3)を備えたプレートリンクチェーンであって、 各外側チェーンリンク(3)は、少なくとも2つのチェーンリンクプレートを有しており、その各々は、2つのヘッド部(12)と、当該ヘッド部(12)内に配置された2つのピン開口(9)と、当該ピン開口(9)を貫いて延びて前記チェーンリンクプレートを互いに接続する2つのチェーンピン(8)と、を有しており、 各内側チェーンリンク(2)は、少なくとも1つのチェーンリンクプレートと、2つの相互に間隔を空けたピン開口(9)と、を有しており、 外側チェーンリンク(3)の1つのチェーンピン(8)が、隣接する内側チェーンリンク(2)のピン開口(9)を貫いて延びてチェーンジョイント(10)を形成しており、 前記チェーンリンクプレートの輪郭は、複数のパンチ部(15)と、2つの対向面接触部(13)と、を有しており、 前記対向面接触部(13)は、前記パンチ部(15)が打ち抜かれた後も、隣接するチェーンリンクプレートの対向面接触部(13)に接続されていて、後続の分離切断において分離される というプレートリンクチェーンのためのチェーンリンクプレートの製造方法であって、 シート金属片(18)を提供する工程と、 前記シート金属片(18)から前記チェーンリンクプレートの前記パンチ部(15)を打ち抜く工程であって、前記対向面接触部(13)に加えて、背面接触部(14)が、前記チェーンリンクプレートの前記ヘッド部(12)において、隣接するチェーンリンクプレートの補償的な接触部との接続を維持する、という工程と、 前記チェーンリンクプレートの前記ヘッド部(12)の前記対向面接触部(13)及び前記背面接触部(14)を、実質的に廃材のない分離切断によって分離する工程と、 を備えたことを特徴とする方法。前記チェーンリンクプレートの前記ヘッド部(12)において前記パンチ部(15)を打ち抜いた後、正面接触部(17)が、前記後続の分離切断において互いから分離される隣接するチェーンリンクプレートの補償的な接触部との接続を維持している ことを特徴とする請求項1に記載の方法。前記パンチ部(15)を打ち抜いた後、前記背面接触部(14)が、隣接するチェーンリンクプレートの前記正面接触部(17)に接続されている ことを特徴とする請求項2に記載の方法。前記パンチ部(15)を打ち抜く工程は、一次パンチング工程と、それに続く前記パンチ部(15)を輪郭付ける工程と、によってなされる ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の方法。前記チェーンリンクプレートの前記パンチ部(15)は、前記対向面接触部、前記背面接触部及び/または前記正面接触部(13、14、17)に隣接する少なくとも1つの凹状遷移領域(16)を有している ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の方法。各外側チェーンリンク(3)は、少なくとも2つの外側プレート(7)を有しており、 各内側チェーンリンク(2)は、少なくとも1つの内側プレート(4)を有しており、 前記外側プレート(7)の輪郭は、複数のパンチ部(15)と、2つの対向面接触部(13)と、を有しており、 前記対向面接触部(13)は、前記パンチ部(15)が打ち抜かれた後も、隣接する外側プレート(7)の対向面接触部(13)に接続されていて、後続の分離切断において分離される というプレートリンクチェーンのための重量及び廃材が最適化された外側プレート(7)を製造する方法であり、 シート金属片(18)を提供する工程と、 前記シート金属片(18)から複数の外側プレート(7)の前記パンチ部(15)を打ち抜く工程であって、前記対向面接触部(13)に加えて、背面接触部(14)が、前記外側プレート(7)の前記ヘッド部(12)において、隣接する外側プレート(7)の補償的な接触部との接続を維持する、という工程と、 前記外側プレート(7)の前記ヘッド部(12)の前記対向面接触部(13)及び前記背面接触部(14)を、実質的に廃材のない分離切断によって分離する工程と、 を備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の方法。前記外側プレート(7)の前記ヘッド部(12)の前記対向面接触部及び/または前記背面接触部(13、14)は、前記ピン開口(9)の方向に、前記少なくとも1つの内側プレート(4)の輪郭に対してセットバックされている ことを特徴とする請求項6に記載の方法。前記プレートリンクチェーンは、ブシュ又はローラ式チェーンとして構成された駆動チェーン(1)である ことを特徴とする請求項6または7に記載の方法。各々がチェーンジョイント(10)によって互いに接続された交互の複数の内側チェーンリンク(2)及び複数の外側チェーンリンク(3)を備えたブシュ又はローラ式チェーンであって、 各外側チェーンリンク(3)は、少なくとも2つの外側プレート(7)を有しており、その各々は、2つのヘッド部(12)と、当該ヘッド部(12)内に配置された2つのピン開口(9)と、当該ピン開口(9)を貫いて延びて前記外側プレート(7)を接続する2つのチェーンピン(8)と、を有しており、 各内側チェーンリンク(2)は、少なくとも1つの内側プレート(4)と、2つの相互に間隔を空けたピン開口(9)と、を有しており、 外側チェーンリンク(3)の各チェーンピン(8)が、隣接する内側チェーンリンク(2)のピン開口(9)を貫いて延びて前記チェーンジョイント(10)を形成しており、 前記外側プレート(7)の輪郭は、打ち抜きによって生成される複数のパンチ部(15)と、前記2つのヘッド部(12)の各々において少なくとも1つの対向面接触部(13)及び少なくとも1つの背面接触部(14)と、を有しており、それらは前記パンチ部(15)が打ち抜かれた後の分離切断によって生成され、 前記対向面接触部(13)及び/または前記背面接触部(14)は、前記ピン開口(9)の方向に、前記内側プレート(4)の輪郭に対してセットバックされている ことを特徴とするブシュ又はローラ式チェーン。前記2つのヘッド部(12)における前記外側プレート(7)の輪郭は、各々、少なくとも1つの正面接触部(17)を更に有しており、それは、前記パンチ部(15)が打ち抜かれた後の分離切断によって生成され、前記ピン開口(9)の方向に、前記内側プレート(4)の輪郭に対してセットバックされている ことを特徴とする請求項9に記載のブシュ又はローラ式チェーン。前記2つのヘッド部(12)の間の前記外側プレート(7)の輪郭は、役立たないように形成されており、前記内側プレート(4)の輪郭に対してセットバックされている ことを特徴とする請求項9または10に記載のブシュ又はローラ式チェーン。内燃エンジンのためのチェーン駆動装置(21)、特にはタイミングチェーン駆動装置、であって、 駆動スプロケット(22)と、 少なくとも1つの被駆動スプロケット(23)と、 請求項9乃至11のいずれかに記載のブシュ又はローラ式チェーンと、 を備えたことを特徴とするチェーン駆動装置(21)。

说明书全文

本発明は、交互の内側チェーンリンク及び外側チェーンリンクを備えたプレートリンクチェーンのためのチェーンリンクプレートの製造方法に関している。チェーンリンクプレートの輪郭は、複数のパンチ部と、2つの対向面接触部と、背面接触部と、を有しており、シート金属片からパンチ部を打ち抜いた後、対向面接触部及び背面接触部は、隣接するチェーンリンクプレートの補償的な接触部に接続されていて、後続の分離切断によってのみ分離される。更に、本発明は、前記のように製造される外側チェーンリンクプレートを有するブシュ又はローラ式チェーンと、そのようなブシュ又はローラ式チェーンを有する内燃エンジンのための対応するチェーン駆動装置と、に関している。

従来のプレートリンクチェーンのためのチェーンリンクプレートは、特には内燃エンジンの駆動チェーンとして利用され、従来技術においては、典型的には2段階のパンチング(打ち抜き)工程によって製造されている。チェーンリンクプレートの輪郭におけるリンク開口と特に負荷を受ける部分、例えば、シンプルチェーンリンクプレートの背面側や歯付きプレートの歯面は、一連の異なるダイを用いた粗い態様でシート金属片から一次パンチングされ、その後、二次パンチング工程で輪郭付けされる。輪郭付けの間に、粗い態様で大きめに一時切断された輪郭が、輪郭切断(profile cut)においてその最終寸法にパンチングされる。輪郭切断の小さな加工幅が、打ち抜かれた輪郭の切断面の半分を遥かに超えて延びる滑らかな切断部分を可能にする。摩耗に曝されるチェーンリンクプレートのリンク開口及び他の輪郭を輪郭付けることによって、滑らかな切断部分における微視的な割れ目(クラック)の形成が防止され、切断面の裂け目の無い滑らかな切断部分が有意に増大され、それによってチェーンリンクプレートの摩耗特性及び耐久性が改善する。

このようなチェーンリンクプレートの一次パンチング及び輪郭付けのための方法は、DE102004021695A1に開示されている。輪郭付けされるべきリンク開口の部分及び歯付きプレートの輪郭のみが、シート金属片から打ち抜かれて、粗い態様で一次パンチングされたプレートは、依然として、曲線状の領域でシート金属片に接続されている。シート金属片の位置決めと輪郭付けられる表面の並列処理(parallelism)とを改善することによって、輪郭付けられるべきチェーンリンクプレートの輪郭の全ての部分が、二次工程において、逆の打ち抜き方向で、その最終寸法にパンチングされる。最終工程において、チェーンリンクプレートは、それらをパンチングまたはブランキングする(打ち抜く)ことによって、曲線状の領域においても最終的にシート金属片から分離される。

特に自動車技術の分野で利用される高性能チェーンは、高速での高い負荷及び動的な負荷変動に曝され、時々過酷な環境に曝される。従って、そのような高性能チェーンにとって、歯面、プレート、背面及びピン開口の領域での機能的表面が、低い表面粗さを提示することが重要である。これは、一般に、輪郭付けや精細なブランキングによってのみ、達成され得る。自動車の駆動装置において、そのようなプレートリンクチェーンは、典型的には、案内レール及び/またはテンショニングレールに沿って移動する。このため、プレートリンクチェーンだけでなく関連するレールに関しても好適な製品寿命を提供するために、特にチェーンリンクプレートの背面側が、低い表面粗さを提示しなければならない。

シンプルな、歯付きでない、ブシュ又はローラ式チェーンに加えて、歯付きチェーンが、自動車の駆動装置において利用される。この場合、機能的表面としての歯付きプレートの歯付き輪郭も、輪郭付けまたは精細なブランキングに曝される。そのような歯付きプレートの場合、所望の表面品質を得るために、歯付き輪郭に加えてプレートの背面側も、精細にパンチングされるか輪郭付けされる。そのように輪郭付けられた歯付きプレートは、例えば、DE202007002046U1に開示されている。

高性能チェーンのための歯付き又は歯無しのチェーンリンクプレートの製造は、典型的には、パンチング機械にシート金属片として供給されるスチールシートからなされる。チェーンリンクプレートは、複数のパンチング工程においてシート金属片から打ち抜かれる。この場合、チェーンリンクプレートの長手軸線が、典型的には、シート金属片の長手方向縁に平行に整列されて、複数のパンチング軌道が共通に提供される。一般的なパンチング方法は、互いの上に例えば8回のパンチング軌道を含む。例えば、少なくとも17mmの前進長さが、8mmのチェーンピッチを有するチェーン用で15.55mmのプレート長さを有する直線状のチェーンリンクプレートに関して利用される。この場合、2つの連続配置されるプレート間の距離は、1.45mmであり、2つのパンチング軌道間の距離は、約2.25mmである。これらの距離は、プレートブランク間に挿入されて余分な材料を打ち抜くための十分に安定なダイを形成可能とするために必要である。また、シート金属片の端縁から間隔を空けるよう、端縁が維持されなければならない。これにより、互いの上の複数回のパンチング軌道にも拘わらず、パンチングの廃材が生じてしまう。

高性能のチェーンリンクプレートの製造のための方法は、DE102013002263A1から知られており、それはパンチングの廃材の量を低減する。この方法では、給送長さが低減され、好適には、ピッチの2倍の値に限定される。結果として、パンチングの後も、対向する頭部が接続されていて、後続の分離切断によって分離される。その他のパンチングウェブは、典型的にはパンチングにおいて除去される。チェーンリンクプレートの対向面部分の輪郭の表面粗さは、重要でないので、分離切断による分離によって生じ得る分離縁や突出バリは、受容可能である。同じことは、歯付きチェーンの設計や構成に拘わらず、スプロケットと係合しない歯付きプレートの歯先にも当てはまる。対照的に、直線状のチェーンリンクプレートのピン開口及び背面側、更に正面側には、歯付きプレートの外側歯面及び内側歯面と同様、2段階のパンチング方法によって高い表面品質が提供される。相互に面する歯付き輪郭の歯先の接続は、歯面のより正確な輪郭付けプロセスに役立つ。低減される前進距離にも拘わらず、シート金属片から製造可能なチェーンリンクプレートの数は、当該方法では僅かにのみ増大されるに留まる。

従って、本発明の目的は、パンチング廃材の量を有意に低減することに加えて、1枚のシート金属片から製造されるチェーンリンクプレートの数を増大させることができる、チェーンリンクプレートの製造方法を提供することである。

当該目的は、本発明によって充たされる。本発明においては、相互に交互の内側チェーンリンク及び外側チェーンリンクを備えたプレートリンクチェーンのためのチェーンリンクプレートの製造方法が、シート金属片を提供する工程と、シート金属片からチェーンリンクプレートのパンチ部を打ち抜く工程であって、打ち抜きの間、対向面接触部に加えて、背面接触部が、チェーンリンクプレートのヘッド部において、隣接するチェーンリンクプレートの補償的な接触部との接続を維持する、という工程と、チェーンリンクプレートのヘッド部の対向面接触部及び背面接触部を実質的に廃材のない分離切断によって分離する工程と、を備えている。シート金属片の端縁に配置されるチェーンリンクプレートは、当該端縁領域の補償的接触部に接続された対向面接触部及び背面接触部を有する。同様のパンチ部の打ち抜きと後続の分離切断とが、内側チェーンリンクプレートに対して補償的になされ得る。付加的な背面側接触部は、増大したパンチング速度でのより正確なパンチ部の打ち抜きを可能にする。また、パンチング軌道の互いに対する間隔が背面側接触部によって低減され、パンチング廃材が低減する。

チェーンリンクプレートの製造を簡略化し、且つ、2つのパンチング軌道間の間隔を最小化するために、チェーンリンクプレートの頭部のパンチ部の打ち抜き時及び打ち抜き後、更に正面接触部が、前記対向面接触部及び前記背面接触部と共に前記後続の分離切断において互いから分離される隣接するチェーンリンクプレートの補償的な接触部との接続を維持し得る。パンチ部が打ち抜かれた後、背面接触部は、有利には、隣接するチェーンリンクプレートの正面接触部に接続され得る。結果として、1つのシート金属片から製造される全てのリンクプレートが、同一のローリング方向を有し、それに関連する対応する材料特性を有する。

好適には、パンチ部を打ち抜く工程は、一次パンチング工程と、それに続く前記パンチ部を輪郭付ける工程と、によってなされ得る。一次パンチングされたパンチ部を輪郭付けすることは、有意な割れ目や裂け目の無い広い滑らかな切断部を伴う、プレートの輪郭の切断領域における実質的に滑らかな表面を可能にする。チェーンリンクプレートの直接的な精細なブランキングとは対照的に、一次パンチング及び後続の輪郭付けは、パンチ部が顕著に滑らかな切断領域を伴って比較的高速に打ち抜かれることを可能にする。

有利な実施形態では、チェーンリンクプレートのパンチ部は、対向面接触部、背面接触部及び/または正面接触部に隣接する少なくとも1つの凹状遷移領域を有する。対向面接触部、背面接触部及び/または正面接触部への凹状遷移領域は、廃材の無い分離切断によって後に生成されるが、当該廃材の無い分離の際に生じ得る当該遷移領域でのノッチ効果、及び、当該接触部の切断面のより低い品質、を最小化ないし回避するのに役立つ。パンチ部への遷移領域の実質的な凹形状は、チェーンリンクプレートの強度及び耐久性についての接触部への不利な影響を防止ないし低減する。なぜなら、凹形状は、チェーンリンクプレートの接触部と残りの打ち抜かれた輪郭との間で低いテンションの遷移部を形成するからである。

有用な実施形態では、本発明は、前述の変形例を考慮しながら、プレートリンクチェーンのための重量及び廃材が最適化された外側プレートを製造する方法に関する。各外側チェーンリンクは、少なくとも2つの外側プレートを有しており、各内側チェーンリンクは、少なくとも1つの内側プレートを有しており、外側プレートの輪郭は、複数のパンチ部と、2つの対向面接触部と、を有しており、対向面接触部は、パンチ部が打ち抜かれた後も、隣接する外側プレートの対向面接触部に接続されていて、後続の分離切断において分離される。本発明による方法の当該実施形態は、シート金属片を提供する工程と、シート金属片から複数の外側プレートのパンチ部を打ち抜く工程であって、対向面接触部に加えて、背面接触部が、外側プレートのヘッド部において、隣接する外側プレートの補償的な接触部との接続を維持する、という工程と、外側プレートのヘッド部の対向面接触部及び背面接触部を、実質的に廃材のない分離切断によって分離する工程と、によって特徴付けられている。

プレートリンクチェーンの従来の外側プレートでは、特に内燃エンジンの高性能チェーンとして利用され極度な静的及び動的負荷ないし過酷な環境に曝されるプレートリンクチェーンの場合、明確な態様での打ち抜きを可能にして切断表面の十分な品質を保証可能にするべく、外側プレートの背面側とシート金属片の隣接領域との間に十分な材料が要求される。本発明による方法は、長手方向だけでなく横断方向においても互いに接近させてシート金属片上に外側プレートを位置決めすることを可能にする。これにより、従来のプレートと比較して、パンチングの廃材が有意に低減される。

プレート長手軸線の方向にセットバックされるパンチ部が、本発明によって製造される外側プレートの頭部の2つの背面側接触部の間に存在している。このため、背面接触部の長さは短く維持され、実質的に廃材の無い分離切断が、外側プレートの撓みや歪み無しで実施され得る。好適には、背面側接触部は、外側プレートが横断軸線に対して対称的な輪郭を有するように配置される。パンチング廃材を最大限に低減してシート金属片の利用効率を最大化するために、背面側接触部は、隣接する外側プレートの対応する正面側接触部、あるいは、シート金属片の端縁の対応する輪郭、に接続され得る。これは、従来の外側プレートに対して30%に至るシート金属片の低減、ないし、シート1枚のシート金属片から製造される外側プレートの対応する増大される生産量、を可能にする。また、この時、対称な幾何形状は、外側プレートの長手軸線の方向にも生じる。

有利な実施形態では、外側プレートのヘッド部の対向面接触部及び/または背面接触部は、それぞれピン開口またはプレート長手軸線の方向に、少なくとも1つの内側プレートの輪郭に対してセットバックされている。また、選択的には正面接触部も、ピン開口の方向に、少なくとも1つの内側プレートの輪郭に対してセットバックされている。従来の外側プレートと対照的に、本発明の方法によって製造される外側プレートは、直線状で端部から端部までの背面側を有していないだけでなく、ヘッド部に対応していてそれらの間にパンチ部が配置されていて結果的に3部分に区分されており、当該3部分は、背面接触部上の粗い切断表面及び突出バリのために摩耗増大効果を引き起こすことがないように、内側プレートの輪郭に対してセットバックされている。これにより、プレートリンクチェーンの摩耗が防止され、また、特にプレートリンクチェーンに接触する駆動装置の構成要素の摩耗も防止される。少なくとも1つの内側プレートの輪郭は、接触部、特には背面側接触部、よりも突出している(はみ出している)ので、接触は内側プレートと関連するテンショニング及び案内レールとの間でのみ生じる。内燃エンジンにおいて事前負荷を受けるプレートリンクチェーンの場合も同様である。これは、関連するチェーン駆動装置における摩耗の増大と早期過ぎる故障とを防止し得る。特には内燃エンジンの高性能チェーン駆動装置を含む、製造された外側プレートの有効な利用にとって、プレートリンクチェーンは、ブシュ又はローラ式チェーンとして構成された駆動チェーンであり得る。

本発明は、更に、各々がチェーンジョイントによって互いに接続された交互の複数の内側チェーンリンク及び複数の外側チェーンリンクを備えたブシュ又はローラ式チェーンであって、各外側チェーンリンクは、少なくとも2つの外側プレートを有しており、その各々は、2つのヘッド部と、当該ヘッド部内に配置された2つのピン開口と、当該ピン開口を貫いて延びて前記外側プレートを接続する2つのチェーンピンと、を有しており、各内側チェーンリンクは、少なくとも1つの内側プレートと、2つの相互に間隔を空けたピン開口と、を有しており、外側チェーンリンクの各チェーンピンが、隣接する内側チェーンリンクのピン開口を貫いて延びて前記チェーンジョイントを形成している、というブシュ又はローラ式チェーンに関している。外側プレートの輪郭は、打ち抜きによって生成される複数のパンチ部と、2つのヘッド部の各々において少なくとも1つの対向面接触部及び少なくとも1つの背面接触部と、を有しており、それらは前記パンチ部が打ち抜かれた後の分離切断によって生成され、対向面接触部及び/または背面接触部は、ピン開口の方向に、内側プレートの輪郭に対してセットバックされている。このようなブシュ又はローラ式チェーンは、より簡略で低コストの製造にも拘わらず、より少ない材料の利用で製造され、略等しい摩耗及び経年変化を提供する。内側プレートの背面側が、外側プレートのセットバックされた輪郭のため、それぞれの構成要素に対して支持を提供するので、関連する駆動装置の構成要素は、当該内側プレートの背面側の不変の輪郭のために、付加的な負荷に曝されることがない。

特に有利な実施形態では、2つのヘッド部における外側プレートの輪郭は、各々、少なくとも1つの正面接触部を更に有しており、それは、パンチ部が打ち抜かれた後の分離切断によって生成され、ピン開口の方向に、内側プレートの輪郭に対してセットバックされている。これらの選択的な正面接触部は、外側プレートの製造中に生じるパンチングの廃材を更に低減し、これによって、所与のシート材料片からの外側プレートの生産性を増大する。背面接触部の長さ、及び、選択的に設けられる正面接触部の長さは、一実施形態において対向面接触部の間の外側プレートの輪郭が役立たないように内側プレートの輪郭に対してセットバックされている場合に、最小化され得る。

また、本発明は、内燃エンジンのためのチェーン駆動装置、特にはタイミングチェーン駆動装置、であって、駆動スプロケットと、少なくとも1つの被駆動スプロケットと、前述のブシュ又はローラ式チェーンと、を備えたチェーン駆動装置に関する。内燃エンジンのコストは、そのようなチェーン駆動装置によって低減され得る。なぜなら、そのようなブシュ又はローラ式チェーンは、従来のチェーンと比較して、ずっと安価に製造可能であるからである。更に、改善された高性能チェーンのチェーンリンクプレートの製造プロセスにおいては、ずっと少ない材料が必要とされる。内燃エンジンのためのブシュ又はローラ式チェーンに対する要求は、近年増大しているため、より高品質の材料及び熱処理をも利用されている。従って、製造プロセスにおける材料の低減は、非常に有利であり、顕著なコスト低減を導く。

本発明は、図面を参照して、更に詳細に説明される。

本発明によるブシュ又はローラ式チェーンの一実施形態の断面図である。

図1のブシュ又はローラ式チェーンの側面図である。

図1のブシュ又はローラ式チェーンの外側プレートの拡大側面図である。

図1のブシュ又はローラ式チェーンの内側プレートの上方における図3の外側プレートの側面図である。

図3の外側プレートの9列のパンチ列、及び、従来のチェーンリンクプレートの7列のパンチ列、をそれぞれ有するシート金属片の縮小図である。

チェーン駆動の概略図である。

本発明によるブシュ又はローラ式チェーンの一実施形態が、図1乃至図4を参照して、以下により詳細に説明される。

図1及び図2に示される駆動チェーンは、ローラ式チェーンとして構成されている。外側プレート7が、2つの内外チェーンリンク3の各々の一側において、明瞭化のために省略されている。駆動チェーン1は、交互の内側チェーンリンク2と外側チェーンリンク3とを備えており、それらは互いにチェーンジョイント10を介して接続されている。各内側チェーンリンク2は、互いに離間した2つの内側プレート4と、当該内側プレートを互いに接続する2つのブシュ5と、各々が1つのブシュ5上に配置された2つの回転可能ローラ6と、を備えている。ブシュ5は、内側プレート4の対応するブシュ開口11内に押圧され、また、僅かに側方に突出している。ブシュ式チェーンとしての駆動チェーン1の一実施形態では、交互の内側チェーンリンク2と外側チェーンリンク3の構成は同一であるが、内側チェーンリンク2のブシュ5上にローラ6が設けられない。

外側チェーンリンク3は、互いに離間した2つの外側プレート7と、それらを接続する平行に互いから離間した2つのチェーンピン8と、を備えている。チェーンピン8は、外側プレート7の対応するピン開口9内に押圧され、また、僅かに側方に突出している。チェーンピン8は、それぞれ、各ブシュ5を貫いて延びている。外側チェーンリンク3のチェーンピン8は、内側チェーンリンク2の関連付けられたブシュ5と共に、チェーンジョイント10を形成している。内側チェーンリンク2のブシュ5は、内側プレート4に対して僅かに突出していて、当該内側プレート4から小距離だけ離れた位置に外側プレート7を保持している。これにより、チェーンジョイント10周りに駆動チェーン1が動く時、摩擦抵抗がブシュ5の表面側と外側プレート7との間でのみ生じる。

図3は、図1及び図2の駆動チェーン1の外側プレート7の拡大側面図である。外側プレート7は、廃棄可能に形成されていて、両対向面側(face side)に2つのヘッド部12を形成しており、その中心にピン開口9が配置されている。2つのヘッド部12は、両対向面(図3の左右端面)において、対向面接触部13を有している。製造中のパンチ部を打ち抜く工程の後、当該対向面接触部13によって外側プレート7は隣接する外側プレート7と接続状態にある。2つのヘッド部12には、各々、更に、外側プレート7の背面側(rear side)に沿って、背面接触部14が設けられている。精細に打ち抜かれるか輪郭付けられたパンチ部15が、2つの背面接触部14の間に位置決めされている。パンチ部15は、プレート長手軸線Lの方向に、2つの背面接触部14に対してセットバックされている。凹状の遷移領域16が、背面接触部14に隣接するパンチ部15の両端に設けられている。凹状の遷移領域16は、外側プレート7内のの分配を改善して外側プレート7の強度を増大するだけでなく、好適には良好な表面粗さが設けられて、パンチ部15と背面接触部14との間の当該遷移領域で生じ得るノッチ効果を最小化する。

図3の外側プレート7は、背面側と対向する外側プレート7の正面側(手前側、front side)において、2つの正面接触部17を有している。それらは、それぞれヘッド部12と関連付けられており、同様に、プレート長手軸線Lの方向にセットバックされているパンチ部15によって分離されている。背面接触部14の間、及び、正面接触部17の間に設けられたパンチ部15が、プレートの長手軸線Lの方向において廃材になる外側プレート7の輪郭を形成している。これらの中央配置されたパンチ部15に加えて、2つの(追加)パンチ部15が、それぞれ、ヘッド部12にも設けられており、背面接触部14または正面接触部17を対向面接触部13から分離している。これらのパンチ部15も、それぞれの両端において、凹状遷移領域16が設けられており、外側プレート7の力の分配を改善すると共に、ノッチ効果を最小化している。

図4の外側プレート7の拡大側面図は、駆動チェーン1において用いられる内側プレート4の輪郭に対する外側プレート7の輪郭を図示している。当該図面により、パンチ部15の領域のみでなく、対向面接触部13、背面接触部14及び正面接触部17の領域においても、外側プレート7の輪郭が内側プレート4の輪郭に対してセットバックされていることが、明瞭に視認され得る。従って、チェーン駆動装置21において駆動チェーン1を利用する時、粗い切断面や突出するバリが、特に背面接触部14において、関連するテンショニングまたは案内レール24、26に付加的な摩耗を引き起こすことがない。なぜなら、駆動チェーン1は、テンショニングまたは案内レール24、26に沿って摺動する時、内側プレート4の輪郭によって支持されるからである。本発明によらなければ、特に分離切断時に生成され得るバリが、テンショニングまたは案内レール24、26の摺動部の被覆に大きな損傷を与え得て、チェーン駆動装置21の早期過ぎる故障を招くであろう。

図5は、図3の外側プレート7の9列のパンチ列、あるいは、従来のチェーンリンクプレート(例えば、前記内側プレート4の輪郭を有する外側プレート)の7列のパンチ列、と共にシート金属片18を示す縮小図である。外側プレート7は、リンクプレート用の厚さを有する鋼鉄シートから製造される。当該シートスチールは、シート金属片18としてパンチング装置に供給される。シート金属片18は、パンチング機械を通って段階的に前進するようにロールによって移動され得る、あるいは、金属プレートの形態のシート金属片18としてパンチング機械に供給され得る。図5は、9列の平行に並置されたパンチ列19を示しており、各列が4個の外側プレート7を含んでいる。あるいは、7列の平行に並置されたパンチ列19を示しており、内側プレート4の輪郭を有する従来のチェーンリンクプレートが当該金属片18から製造され得る。後者の場合、より少数のパンチ列19になってしまうことに加えて、各パンチ列19に4個の従来のチェーンリンクプレートの対向面間に十分なパンチング距離を設けることは、より大きなシート長さが要求されることに帰結する。外側プレート7の製造時、各外側プレート7のパンチ部15に関連付けられた打ち抜き部20及びピン開口9が、シート金属片18から最初に打ち抜かれる。外側プレート7は、この時点で既に、実質的にその基本形状を得ている。対向面接触部13、背面接触部14及び正面接触部17は、互いから未だ分離されていないし、また、シート金属片18の端縁からも分離されていない。シート金属片18は、互いから分離されていない36個のプレートブランク(plate blank)の広がり(field)を有している。打ち抜き部20の一次パンチングは、低程度に滑らかな切断、及び、粗い表面品質、にて行われる。これは、同様に一次パンチングに曝されるパンチ部15及びピン開口9にも当てはまる。

次の工程において、外側プレート7のピン開口9及びパンチ部15の両方が、輪郭付けられる(輪郭仕上げがなされる)。相対的に少量の材料が輪郭付けの間に除去されるので、相対的に高程度の滑らかな切断と低い表面粗さとを伴う表面が生じる。丸み(radius)を有する凹状の遷移領域16が、パンチ部15の両端において生成される。更に次の工程で、対向面接触部13、あるいは背面接触部14及び正面接触部17、において互いに接続されていたリンクプレートブランクが、実質的に廃材のない分離切断によって、互いから分離される。分離切断は、隣り合うリンクプレートブランクの2つの近隣のピン開口の中間で実施され、切断面が、プレート長手軸線Lに対して垂直に延びるように形成される。更なる分離切断が、パンチ列19同士の間でも実施され、背面接触部14が隣接する接触部、すなわち正面接触部17、から分離されるか、あるいは、シート金属片18の枠の接触部から分離される。廃材のない分離切断は、輪郭付けられたパンチ部15の表面品質よりも有意に低い表面品質で行われ、滑らかな切断の程度は、典型的には20%〜30%程度しかなく、切断表面において全体的に粗い割れパターンやバリが生じる。

図5を参照して説明されたパンチング法によって生成される外側プレート7は、図1及び図2に示された駆動チェーン1において利用される。駆動チェーン1は、例えば図6に示されるチェーン駆動装置21において利用され得る。図6のチェーン駆動装置21は、クランクシャフトスプロケット22を2つのカムシャフトスプロケット23に接続する内燃エンジンのタイミングチェーン駆動装置である。この目的のため、駆動チェーン1は、ローラ又はブシュ式チェーンとして構成され、スプロケット22、23の周りに案内されている。チェーン駆動装置21の駆動スパンは、案内レール24に保持されており、戻りスパンは、エンジンブロックに回動可能に取り付けられチェーンテンショナ27によって駆動チェーン1上に押し付けられるテンショニング(tensioning)レール26によって案内されている。チェーンテンショナ27は、ネジ込み式テンショナとして、エンジンブロック25の一部以内にねじ込まれており、テンショニングピストン28を用いてテンショニングレール26の後方領域を押し付けている。駆動チェーン1は、案内レール24及びテンショニングレール26の摺動面に沿って摺動可能であるように構成されなければならない。この目的のため、内側プレート4の輪郭は、外側プレート7の背面接触部14に対して突出している。これにより、内側プレート4の背面側のみが駆動チェーン1が前記摺動面に沿って摺動する時の支持を担って、内側プレート4の高い表面品質の背面側は、案内レール24及びテンショニングレール26の摺動面に付加的な摩耗を生成することがない。

1 駆動チェーン 2 内側チェーンリンク 3 外側チェーンリンク 4 内側プレート 5 ブシュ 6 ローラ 7 外側プレート 8 チェーンピン 9 ピン開口 10 チェーンジョイント 11 ブシュ開口 12 ヘッド部 13 対向面接触部 14 背面接触部 15 パンチ部 16 凹状遷移領域 17 正面接触部 18 シート金属片 19 パンチ列 20 打ち抜き孔 21 チェーン駆動装置 22 クランクシャフトスプロケット 23 カムシャフトスプロケット 24 案内レール 25 エンジンブロック 26 テンショニングレール 27 チェーンテンショナ 28 テンショニングピストン L プレート長手方向軸線

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