Spring manufacturing equipment

申请号 JP23596398 申请日 1998-08-21 公开(公告)号 JP2939472B1 公开(公告)日 1999-08-25
申请人 株式会社板屋製作所; 发明人 ITAYA ICHIRO;
摘要 【要約】 【課題】発熱を抑え、発熱によるエネルギロスを低減する。 【解決手段】フィードローラ軸424を、傘ギア423
aに噛み合い、傘ギア軸423の回転方向を90°変換する傘ギア軸428に軸着された駆動ギア429により回転させる。
权利要求 (57)【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 ワイヤガイド(415)の先端部からスプリングとなるワイヤ(W)を送り出し、該ワイヤガイドの先端付近のスプリング成形空間において該ワイヤをツール(T1〜T10、Ta)により強制的に折曲、湾曲あるいは捲回させてスプリングを製造するスプリング製造装置において、 前記ワイヤを一対のローラ(412、413)で挟持し、該ローラを回転させることにより該ワイヤを前記スプリング成形空間に向けて送り出すワイヤフィード手段(410)と、 前記ローラを前記ワイヤ軸線の周りに公転可能に軸支し、前記ローラにより前記ワイヤを挟圧した状態で、該ローラを公転させることによって該ワイヤを捩り、前記ワイヤガイドから送り出されるワイヤ方向を変化させる公転手段(411)とを備え、 前記公転手段は、前記ワイヤ軸線と同じ回転軸の中空歯車(417)に片側にオフセットして固定されると共に、該中空歯車に噛み合う歯車列(418)により前記ローラの回転を許容しつつ公転し、 前記ローラは、前記中空歯車の中空軸内を貫通するように配置された前記ワイヤ軸線と同じ回転軸の第1傘歯車(423a)と、該第1傘歯車に噛み合い、該第1傘歯車の回転軸(423)と略90°の角度をなす回転軸(428)を有する第2傘歯車(428a)と、該第2
    傘歯車と同軸の第1平歯車(429)と、該第1平歯車に噛み合い、該ローラの回転軸に軸着された第2平歯車(427)からなる歯車列により駆動されることを特徴とするスプリング製造装置。
  • 【請求項2】前記ツールを前記ワイヤ軸線に垂直な方向に、前記スプリング成形空間に向けて出没可能に支持するツール支持手段(200、300)と、前記スプリングの成形手順に応じて前記ローラの回転と前記ワイヤフィード手段の公転とを制御する制御手段(500)とを具備することを特徴とする請求項1に記載のスプリング製造装置。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、スプリング製造装置に関し、例えば、スプリングとなるワイヤを連続して送り出しながら、ツールにより強制的にワイヤを折曲、
    湾曲あるいは捲回させて多様な形状のスプリングを製造するスプリング製造装置に関する。

    【0002】

    【従来の技術】例えば、特許第2551525公報には、スプリングとなるワイヤを送り出す一対のローラを回転可能に軸支するハウジングをワイヤ軸線の周りに回転可能とし、ローラをワイヤ軸線に対して偏心したウォーム軸とこれに噛み合うウォームホイールにより回転駆動させるものが開示されている。

    【0003】

    【発明が解決しようとする課題】しかしながら、スプリング製造時において、ウォームとウォームホイールを高速回転させると発熱の問題で冷却が必要となり、更に発熱により多くのエネルギが奪われてしまうため、エネルギ効率が悪くなるという問題がある。 更に、ウォームギアは通常ジャッキに代表される大減速比を必要とする機構に使用されるもので、精度が必要な数値制御には不適である。 また、発熱によりエネルギを奪われつつも、ある程度のワイヤフィードを保持しなければならず、耐久性を高める必要があり、コスト高を引き起こす。

    【0004】本発明は、上記課題に鑑みてなされ、その目的は、安価で簡単な構造にて成形中のワイヤ方向を変更することができるスプリング製造装置を提供することである。

    【0005】

    【課題を解決するための手段】上述の課題を解決し、目的を達成するため、本発明のスプリング製造装置は以下の構成を備える。 即ち、ワイヤガイド(415)の先端部からスプリングとなるワイヤ(W)を送り出し、該ワイヤガイドの先端付近のスプリング成形空間において該ワイヤをツール(T1〜T10、Ta)により強制的に折曲、湾曲あるいは捲回させてスプリングを製造するスプリング製造装置において、前記ワイヤを一対のローラ(412、413)で挟持し、該ローラを回転させることにより該ワイヤを前記スプリング成形空間に向けて送り出すワイヤフィード手段(410)と、前記ローラを前記ワイヤ軸線の周りに公転可能に軸支し、前記ローラにより前記ワイヤを挟圧した状態で、該ローラを公転させることによって該ワイヤを捩り、前記ワイヤガイドから送り出されるワイヤ方向を変化させる公転手段(41
    1)とを備え、前記公転手段は、前記ワイヤ軸線と同じ回転軸の中空歯車(417)に片側にオフセットして固定されると共に、該中空歯車に噛み合う歯車列(41
    8)により前記ローラの回転を許容しつつ公転し、前記ローラは、前記中空歯車の中空軸内を貫通するように配置された前記ワイヤ軸線と同じ回転軸の第1傘歯車(4
    23a)と、該第1傘歯車に噛み合い、該第1傘歯車の回転軸(423)と略90°の度をなす回転軸(42
    8)を有する第2傘歯車(428a)と、該第2傘歯車と同軸の第1平歯車(429)と、該第1平歯車に噛み合い、該ローラの回転軸に軸着された第2平歯車(42
    7)からなる歯車列により駆動される。

    【0006】

    【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。 [第1実施形態のスプリング装置全体の概略]図1は第1の実施形態のスプリング製造装置の外観斜視図である。 図2は図1の正面図である。 図3は図1の平面図である。 図4は図1の左側面図である。

    【0007】図1乃至4に示すように、本実施形態のスプリング製造装置は、箱体状のベース100と、このベース100の上端面に取り付けられる第1ツール選択装置200及び第2ツール選択装置300と、これら第1、第2ツール選択装置200、300の間に配置されるワイヤフィード装置400と、これら各装置を統括制御するコントローラ500とを備える。

    【0008】第1、第2ツール選択装置200、300
    は、ワイヤフィード装置400を中心として左右対称に配置され、複数種類のツールを支持する第1、第2ツール選択テーブル210、310を円周方向に回転させることにより所望のツールをスプリング成形空間に対して選択できる。

    【0009】ワイヤフィード装置400は、ベース10
    0上から上方に延設された前部フレーム401と後部フレーム402とを有し、回転フィード機構410をワイヤ軸線L1の周りに回動可能に軸支する。 また、前部フレーム401はワイヤガイド415を回転可能に軸支する。 ワイヤガイド415は、ワイヤフィード装置400
    によりワイヤ軸線L1に沿って矢印F方向に送り出されるワイヤをスプリング成形空間に向けて案内しつつ、その先端部からワイヤを送り出す。

    【0010】ワイヤガイド415を回転させるのは、ワイヤガイド415の傾斜面側の空間を変化させることでスプリング成形空間を変化させ、ツールの位置に関係無く所望形状のスプリングを成形できるようにするためである。

    【0011】ワイヤガイド415は、図15に示すように、ワイヤ軸線L1を中心に左右に対称な形状とされ、
    所定角度の傾斜を有する傾斜面415a、415bと、
    断面円形のワイヤ挿通孔415cを有する。

    【0012】スプリング成形空間として機能するのは、
    ワイヤガイド415と、第1及び第2ツール選択装置2
    00、300により作業位置に移動されたツールとで囲まれたスペースである。 [補助ツール装置]図1、2に示すように、前部フレーム401の略中央部分にはワイヤガイド415が回転可能に軸支され、ワイヤガイド415に対して上下方向に補助ツール装置450、460が夫々配設されている。

    【0013】上側の補助ツール装置450は、補助ツール駆動モータ451とクランク機構452により上下方向にスライド可能なツールスライダ453を備え、このツールスライダ453上に補助ツールTaが取り付けられている。

    【0014】下側の補助ツール装置460は、補助ツール駆動モータ461とクランク機構462により上下方向にスライド可能なツールスライダ463を備え、このツールスライダ463上に補助ツールTaが取り付けられている。

    【0015】補助ツールTaは、例えば、図16に示す曲げツール、図18に示す当接ツール、図19に示すピッチツール、図20に示すフック起しツール、図21に示すクランク曲げツール、図22に示す抑えツールや切断ツール等の多種多様のツールが取り付けられる。

    【0016】補助ツールTaは、後述する多様な成形方法に応じて最適な形状のものが選択的に取り付けられ、
    補助ツール駆動モータ451、461を数値制御してスプリング成形空間に向けてスライド駆動される。 [ツール選択装置]次に、本実施形態のスプリング製造装置に搭載されるツール選択装置について説明する。
    尚、第1ツール選択装置と第2ツール選択装置は、互いに左右対称な構造のため、以下の説明では第1ツール選択装置200の構成についてのみ説明する。

    【0017】図5は第1ツール選択装置200の外観斜視図である。 図6は図5の正面図である。

    【0018】図5、6に示すように、第1ツール選択装置200には、ワイヤ径やコイル内径等の様々なスプリング寸法に応じて先端形状や動作(スライド或いは回転)の異なる複数種類のツールを着脱自在に支持するツール選択テーブル210がワイヤ軸線L1と平行な軸を中心に円周方向に回転可能に配設されている。 円盤状のツール選択テーブル210は、回転選択されたツールをスプリング成形空間に向けて移動させると共に、ツール位置の微調整を行うためにツール選択テーブル210を三次元的に移動させる移動テーブル上に設置されている。

    【0019】移動テーブルは、ベース100の上端面に固定される平レール202に沿って水平方向に移動可能な水平テーブル203と、水平テーブル203の上端面に固定される前後レール205に沿って前後方向に移動可能な前後テーブル206と、前後テーブル206の上端面から上方に延設される上下レール208に沿って上下方向に移動可能な上下テーブル209とから構成されている。

    【0020】水平テーブル203は水平駆動モータ20
    4を駆動源としてボール付き送りネジ機構等により水平レール202に沿って移動可能となっている。 前後テーブル206は前後駆動モータ207を駆動源としてボール付き送りネジ機構等により前後レール205に沿って移動可能となっている。 上下テーブル209は上下駆動モータ211を駆動源としてボール付き送りネジ機構等により上下レール208に沿って移動可能となっている。

    【0021】ツール選択テーブル210は、その外周縁部に歯形が形成されており、上下テーブル209に配設された回転テーブル駆動モータ213を駆動源とするテーブル回転ギア212に噛み合うことにより、ワイヤ軸線L1と平行な軸を中心に回転可能とされる。

    【0022】ツール選択テーブル210には3種類の回転ツール又は6種類の当接ツールが取り付け可能であり、第2ツール選択装置300と合わせると最大で6種類の回転ツール又は12種類の当接ツールが取り付け可能である。 本実施形態では、例えば、3種類の回転ツールT1〜T3と、2種類の当接ツールT4、T5が放射状に等間隔で交互に配置され(残り1種類はツールユニットだけが取り付けられている)、所望のツールがツール選択テーブル210の回転により選択される。

    【0023】図25に示す従来のツールスライドと比較すると、水平テーブル203の動きが従来のX軸方向、
    前後テーブル206の動きがZ軸方向、上下テーブル2
    09の動きがY軸方向として夫々機能する。

    【0024】本実施形態のように、複数種類のツールをツール選択テーブル210により回転選択可能に支持し、このツール選択テーブル210をワイヤ軸線L1に平行な前後方向に移動可能な前後テーブル206と、この前後方向に垂直な水平方向に移動可能な水平テーブル203と、これら前後及び水平方向に垂直な上下方向に移動可能な上下テーブル209により、XYZ方向に数値制御にて移動可能としたことで、ツールの選択、ツールの駆動及びツール位置の微調整を数値制御により完全に自動化できる。 [ツールユニット]図7乃至図9はツールユニットの外観図である。

    【0025】図7に示すように、ワイヤの曲げや巻き加工を行う回転ツールT1〜T3はツール軸2の先端部に取り付けられ、ツール軸2の後端部には傘ギア3が接続されている。 ツール軸2はツールユニット1により回転可能に軸支されている。 ツールユニット1がツール選択テーブル210に固定された状態で、傘ギア3がツール選択テーブル210の中心から突設された傘ギア214
    に噛み合うことによりツール選択テーブル210の回転位置によらずにどの位置でも回転可能とされる。 傘ギア214は、上下テーブル209の背面に配設されたツール駆動モータ215を駆動源として回転可能に配設されている。

    【0026】図8のように、ワイヤに当接してコイリングや曲げ加工等を行う当接ツールT4はツール軸5の先端部に取り付けられ、ツール軸5はツールユニット4に固定されている。 当接ツールT2は、ツール軸5の長手方向に対して直交方向に溝が形成されている。

    【0027】図9のように、ツール軸6の長手方向に平行な方向に溝が形成された当接ツールT5はツールユニット4に取り付けられている。

    【0028】これら各ツールT1〜T5は、ツール選択テーブル210にツールユニット毎着脱可能とされ、ツールの種類や配置等は任意に設定できる。

    【0029】また、ツールユニット4には、図示の当接ツール以外にも、曲げツール、抑えツール、切断ツール等の他の形状のツールも取り付け可能である。 [ワイヤフィード装置]図10は、図1に示すワイヤフィード装置の外観斜視図である。 図11は、図10の左側面図である。

    【0030】図10、11に示すように、前部フレーム401と後部フレーム402とは、上下に2本ずつ配設された連結シャフト403により連結され、図1に示すベース100上において前後方向に所定距離離間した状態で固定されている。

    【0031】後部フレーム402の後方には、ワイヤの曲がりを取るワイヤくせ取り装置404と、ワイヤを供給するワイヤ巻き出し装置405とが順次に延設されている。

    【0032】ワイヤフィード装置400は、中空箱体状のギアボックス411と、上下一対のフィードローラ4
    12、413を備え、フィードローラ412、413が回転可能にギアボックス411の側面に軸支されると共に、ギアボックス411自体もワイヤ軸線L1の周りに回動可能に前部及び後部フレーム401、402に軸支されている。

    【0033】フィードローラ412、413は、ワイヤを挟圧した状態で回転することによりワイヤ巻き出し装置405からワイヤを前方に送り出し、その挟む圧力はギアボックスに設けられたハンドル414により調節可能となっている。 ハンドル414は、上側のフィードローラ412を上下方向に移動でき、下側のフィードローラ413との間隔を調整可能となっている。

    【0034】ギアボックス411はワイヤ軸線L1の周りに回動可能に前部及び後部フレーム401、402に軸支され、フィードローラ412、413によりワイヤを挟圧した状態で回動することによってワイヤを捩り(左右に約180°回転)、ワイヤガイド415のワイヤ挿通孔415c(図15参照)から送り出されるワイヤの方向を変化させる。

    【0035】ギアボックス411はワイヤ軸線L1を回転軸として後部フレーム402に軸支され、回転軸に中空部を有する円盤状ギア417に固着され、円盤状ギア417が駆動ギア418に噛み合い、駆動ギア418がギアボックス回動モータ419により回転駆動される。

    【0036】フィードローラ412、413はギアボックス411の回動を許容して回転駆動され、円盤状ギア417の中空部内を介して後部フレーム402を貫通する傘ギア軸423の先端部に形成された傘ギア423a
    からギアボックス411内のギアトレインに駆動力が伝達される。 傘ギア軸423はワイヤ軸線L1を回転軸として回転し、傘ギア軸423の後端部に固着された円盤状ギア420が駆動ギア421に噛み合い、駆動ギア4
    21がローラ駆動モータ422により回転駆動される。

    【0037】ワイヤガイド415は、前部フレーム40
    1に回転可能に軸支され、ギアボックス411とは独立してガイド駆動モータ416によりベルト駆動される。 [ギアボックスの詳細構成]図12は前部フレーム40
    1を取り除いた状態でのワイヤフィード装置400の外観斜視図である。 図13は図12の平面図である。 図1
    4は図12のギアボックスのみを示す左側面図である。

    【0038】図12乃至14に示すように、ギアボックス411は円盤状ギア417の回転軸(ワイヤ軸線L
    1)に対して片側にオフセットして配置され、ワイヤ軸線L1の周りを公転するように円盤状ギア417のリム面417aに固着されている。 各フィードローラ41
    2、413は、ワイヤ軸線L1に垂直な方向にギアボックス411に回転可能に軸支される4本のフィードローラ軸424に夫々連結され、後部フレーム402側の下側のフィードローラ軸424には駆動ギア427が軸着されている。 各フィードローラ軸424は互いに平行に配設され、連動ギア425が軸着されている。 各フィードローラ軸424の連動ギア425は上下一対のギア同士が噛み合い、下側の前後の連動ギア425が夫々アイドルギア426に噛み合っている。 駆動ギア427は、
    主軸となる傘ギア軸423の傘ギア423aに噛み合い、傘ギア軸423と略90°の角度をなす傘ギア42
    8aの傘ギア軸428に軸着された駆動ギア429に噛み合い、後部フレーム側の下側のフィードローラ軸42
    4を回転させることでアイドルギア426を介して他のフィードローラ軸424を連動して回転させる。

    【0039】ギアボックス411内の各ギアは、ギアボックス411が公転しても回転が許容される。

    【0040】本実施形態のように、傘ギア軸423をワイヤ軸線と同軸で回転させることでギアボックスの構成が簡素化され、大きな駆動トルクを伝達できる大径の傘ギアを用いることができる。

    【0041】また、大きな駆動トルクを得ることができるので必要なワイヤフィード力を保持でき、安価な構造にて耐久性を高めることができる。

    【0042】また、傘ギア423aに噛み合い、傘ギア軸423と略90°の角度をなす傘ギア428aの傘ギア軸428に軸着された駆動ギア429によりフィードローラ軸424を回転させることで、ウォームギアと比較して発熱の問題が解消され、発熱によるエネルギロスが低減される。 [ワイヤの成形方法]次に、本実施形態のスプリング製造装置を数値制御することにより達成されるワイヤ成形方法について説明する。

    【0043】ワイヤの成形方法、及び各成形方法において同時に使用するツール数や成形加工は以下の表1に示すものに大別される。

    【0044】

    【表1】

    【0045】図15は、2次元成形における回転ツール曲げ加工を示す図である。

    【0046】2次元成形において回転ツール曲げ加工を行う場合には、ワイヤの曲げ方向に応じて第1ツール選択装置200又は第2ツール選択装置300のいずれかを選択し、その選択されたツール選択テーブルを回転させて所望の回転ツールT1を選択し、移動テーブルにより回転ツールT1を図示の位置に移動させる。 そして、
    ツールを回転させてその先端部でワイヤWを曲げて、スプリングのフック部等を形成する。 この回転ツール曲げ加工ではワイヤにキズを付けないで曲げることができる。

    【0047】本実施形態では、1つのツール選択テーブル上に最大3種類の回転ツールを配置できるので多様な曲げ加工に対応できる。

    【0048】図16は、2次元成形におけるツール曲げ加工を示す図である。

    【0049】2次元成形においてツール曲げ加工を行う場合には、補助ツール装置450、460にL字状の曲げツールTaを取り付け、互いに対向する曲げツールをクランク機構により上下方向に夫々スライドさせてワイヤWを折り曲げる。 このツール曲げ加工は回転ツールの入るすき間がない場合に用いられる。

    【0050】尚、曲げツールをツール選択テーブル上に配置して移動テーブルにより移動させて加工してもよい。

    【0051】図17は、3次元成形における回転ツール巻き加工を示す図である。

    【0052】3次元成形において回転ツール巻き加工を行う場合には、ワイヤの巻き方向に応じて第1ツール選択装置200又は第2ツール選択装置300のいずれかを選択し、その選択されたツール選択テーブルを回転させて所望の回転ツールT2を選択し、移動テーブルにより回転ツールT2を図示の位置に移動させる。 そして、
    回転ツールT2を回転させて先端部でワイヤWを巻いて、スプリングのコイル部等を形成する。 この回転ツール巻き加工はコイル外径とワイヤ径との比率が小さいスプリングを成形でき、特にコイル内径を高精度にでき、
    クラッチバネ等の成形に有用である。

    【0053】図18は、3次元成形におけるコイリング加工を示す図である。

    【0054】3次元成形においてコイリング加工を行う場合には、ワイヤの巻き方向に応じて第1ツール選択装置200又は第2ツール選択装置300のいずれかを選択し、その選択されたツール選択テーブルを回転させて所望の当接ツールT4を選択し、移動テーブルにより当接ツールT4を図示の位置に移動させる。 そして、ワイヤWを押し出すことにより当接ツールT4の先端部にワイヤWを強制的に当接させ、ワイヤガイド415の傾斜面上で巻き込んでいくことによりスプリングのコイル部等を形成する。 このコイリング加工は移動テーブルを移動させるだけでコイル外径を簡単に変更でき、コイルの巻き角度を制御しやすい。 また、当接ツールT4の先端部の溝位置を変えることで初張力やピッチを容易に設定できる。

    【0055】図19は、3次元成形におけるピッチ付きコイリング加工を示す図である。

    【0056】3次元成形においてピッチ付きコイリング加工を行う場合には、ワイヤの巻き方向に応じて第1ツール選択装置200又は第2ツール選択装置300のいずれかを選択し、その選択されたツール選択テーブルを回転させて所望の当接ツールT4を選択し、移動テーブルにより当接ツールT4を図示の位置に移動させる。 また、他方のツール選択テーブルを回転させて所望のピッチツールT6を選択し、移動テーブルによりピッチツールT6を図示の位置に移動させる。 そして、ワイヤWを押し出すことにより当接ツールT4の先端部にワイヤW
    を強制的に当接させワイヤガイド415の傾斜面上で巻き込んでいきながら、ピッチツールT6を介在させてコイル間にピッチを付けながらスプリングのコイル部等を形成する。 このピッチ付きコイリング加工はコイル成形時にピッチを容易に設定できる。

    【0057】図20は、3次元成形におけるフック起し加工を示す図である。

    【0058】フック起し加工は、回転ツール又は当接ツールで既に2次元成形されたフック部分を、フック起しツールT7、T8で更に曲げ成形して3次元形状に成形するものである。

    【0059】3次元成形においてフック起し加工を行う場合には、ワイヤの巻き方向に応じて第1ツール選択装置200又は第2ツール選択装置300のいずれかを選択し、その選択されたツール選択テーブルを回転させて所望の当接ツールT4を選択し、移動テーブルにより当接ツールT4を図示の位置に移動させる。 そして、ワイヤWを押し出すことにより当接ツールT4の先端部にワイヤWを強制的に当接させて曲げる。 次に、第1、第2
    ツール選択装置200、300の各ツール選択テーブルを回転させて所望のフック起しツールT7、T8を選択し、移動テーブルにより各ツールT7、T8を図示の位置に移動させながら既に2次元成形されたフック部分を曲げ成形して3次元形状に成形する。

    【0060】図21は、プレス成形を示す図である。

    【0061】プレス成形は、互いに対向するクランク曲げツールT9、T10でワイヤWを挟むことでワイヤW
    をクランク形状等に成形するものである。

    【0062】プレス成形を行う場合には、補助ツール装置450、460に互いに対称な段差を有するプレスツールTaを取り付け、互いに対向するプレスツールTa
    をクランク機構により上下方向に夫々スライドさせてワイヤWを挟圧して折り曲げる。 このプレス加工はワイヤを特殊な形状に成形する場合に用いられる。

    【0063】尚、クランクツールをツール選択テーブル上に配置して移動テーブルにより移動させて加工してもよい。

    【0064】図22は、切断及び切断後のツール曲げ加工を示す図である。

    【0065】切断加工を行う場合には、補助ツール装置450、460のいずれかに切断ツールTaを取り付けると共に、第1、第2ツール選択装置200、300の各ツール選択テーブルを回転させて抑えツールT9、T
    10を選択し、移動テーブルにより抑えツールT9、T
    10を図示の位置に移動させる。 そして、互いに対向する抑えツールT9、T10でワイヤWを挟持し、切断ツールTaをスライドさせてワイヤWを切断する。

    【0066】更に、切断部分を曲げ加工する場合には、
    図15で説明した手順により回転ツールT1を用いて曲げ加工を行う。 [コントローラの構成]次に、本実施形態のスプリング製造装置のコントローラの構成について説明する。

    【0067】図23は、スプリング製造装置のコントローラ500の構成示すブロック図である。

    【0068】図23に示すように、CPU201はコントローラ500の全体を統括制御する。 ROM502はCPU501の動作処理内容(プログラム)及び各種フォントデータを記憶している。 RAM503はCPU5
    01のワークエリアとして使用される。 表示部504は各種設定を行ったり、その内容の表示、更には製造の過程等をグラフ表示したりするために設けられる。 外部記憶装置505はフロッピーディスクドライブ等であり、
    外部からプログラムを供給したり、或いはワイヤ成形加工のための各種設定内容を保存するために使用される。
    この結果、例えば、ある成形加工(例えばスプリングであればその自由長や径等)のためのパラメータを記憶しておくことで、いつでもそのフロッピーをセットして実行することで、同じ形状のスプリングを製造することが可能になる。

    【0069】キーボード506は各種パラメータを設定するために設けられ、センサ群507はワイヤの送り出し量や、スプリングの自由長等を検知するために設けられる。

    【0070】各モータ508−1〜508−nは、水平駆動モータ204、前後駆動モータ207、上下駆動モータ211、回転テーブル駆動モータ213、ツール駆動モータ215、第2ツール選択装置の各モータ、ワイヤガイド駆動モータ416、ギアボックス回動モータ4
    19、ローラ駆動モータ422、補助ツール駆動モータ451、461を表わし、各モータ508−1〜208
    −nは、夫々に対応するモータドライバ509−1〜5
    09−nにより駆動される。

    【0071】複数種類のツールから所望のツールを選択して、ツール位置の微調整を行う場合には、回転テーブル駆動モータ213により第1ツール選択テーブル21
    0を回転させ、所望のツールをスプリング成形空間に位置決めさせ、その後水平テーブル203、前後テーブル206、上下テーブル209を移動させて微調整を行う。 その後、スプリングの成形方法に応じてツール動作が数値制御される。

    【0072】このように、複数種類のツールを選択可能に搭載でき、ツールの駆動及びツール位置の微調整を数値制御により完全に自動化できる。

    【0073】この制御ブロックでは、CPU501は、
    キーボード606から入力された指示に従い、例えば、
    各種モータをそれぞれ独立して駆動したり、外部記憶装置505との入出力、更には表示部504を制御することになる。 [第2の実施形態のスプリング装置全体の概略]図24
    は、第2の実施形態のスプリング製造装置を示す外観斜視図である。

    【0074】図24に示すように、第2の実施形態のスプリング製造装置は、ベース100上に、回転フィード装置400と第1、第2ツール選択装置600、700
    とが互いに対面するように配置されている。

    【0075】第1、第2ツール選択装置600、700
    は互いに隣接してベース100上に配置されている。

    【0076】尚、第1ツール選択装置と第2ツール選択装置の構成は、互いに左右対称とされるため、以下の説明では第1ツール選択装置600の構成についてのみ説明する。

    【0077】第1ツール選択装置600には、ワイヤ径やコイル形状等の様々なスプリング寸法に応じて先端形状や動作の異なる複数のツールを着脱自在に支持するツール選択テーブル610が回転可能に配設されている。
    円盤状のツール選択テーブル610は、選択されたツールをワイヤに対して位置決めするためにツール選択テーブル610を三次元的に移動させる移動テーブル上に設置されている。

    【0078】移動テーブルは、ベース100の上端面に固定される前後レール602に沿って前後方向に移動可能な前後テーブル603と、前後テーブル603の上端面に固定される上下レール605に沿って上下方向に移動可能な上下テーブル606と、上下テーブル606の側面に固定される水平レール608に沿って水平方向に移動可能な水平テーブル609とから構成されている。

    【0079】前後テーブル603は前後駆動モータ60
    4を駆動源としてボール付き送りネジ機構等により前後レール602に沿って移動可能となっている。 上下テーブル606は上下駆動モータ607を駆動源としてボール付き送りネジ機構等により上下レール605に沿って移動可能となっている。 水平テーブル609は水平駆動モータ611を駆動源としてボール付き送りネジ機構等により水平レール608に沿って移動可能となっている。

    【0080】ツール選択テーブル610の機能や回転フィード装置400の詳細構成は第1の実施形態と同様なので説明を省略する。

    【0081】図25に示す従来のツールスライドと比較すると、前後テーブル603の動きが従来のZ軸方向、
    上下テーブル606の動きがY軸方向、水平テーブル6
    09の動きがX軸方向としてに夫々機能する。

    【0082】また、第2の実施形態の装置は、第1の実施形態の装置に比べて、ベース100に対する移動テーブルの取り付け強度が大きいという利点があるが、第1、第2ツール選択装置とワイヤフィード装置との間隔が狭いためメンテナンスや監視がしにくく、切断された完成スプリングを受け取る場所を確保しにくいという不利な点もある。

    【0083】反対に、第1の実施形態の装置は、第2の実施形態の装置に比べて、ベース100に対する移動テーブルの取り付け強度が小さいという不利な点があるものの、メンテナンスや監視がしやすく、切断された完成スプリングを受け取る場所も確保しやすいという利点がある。

    【0084】尚、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で上記実施形態を修正又は変形したものに適用可能である。

    【0085】例えば、本実施形態の第1、第2ツール選択装置やワイヤフィード装置は、単体で他形式のスプリング製造装置に搭載してもよい。

    【0086】また、本実施形態において、第1、第2ツール選択装置のいずれか一方のみを搭載してもよい。

    【0087】

    【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
    本実施形態のように、傘ギア軸をワイヤ軸線と同軸で回転させることでワイヤフィード手段の構成が簡素化され、トルクの大きな傘ギアを用いることができる。

    【0088】また、大きな駆動トルクを得ることができるので必要なワイヤフィード力を保持でき、安価な構造にて耐久性を高めることができる。

    【0089】また、発熱の問題が解消され、発熱によるエネルギロスが低減できる。

    【0090】

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明に係る第1実施形態のスプリング製造装置の外観斜視図である。

    【図2】図1の正面図である。

    【図3】図1の平面図である。

    【図4】図1の左側面図である。

    【図5】第1ツール選択装置200の外観斜視図である。

    【図6】図5の正面図である。

    【図7】ツールユニットの外観図である。

    【図8】ツールユニットの外観図である。

    【図9】ツールユニットの外観図である。

    【図10】図1に示すワイヤフィード装置の外観斜視図である。

    【図11】図10の左側面図である。

    【図12】前部フレーム401を取り除いた状態でのワイヤフィード装置400の外観斜視図である。

    【図13】図12の平面図である。

    【図14】図12のギアボックスのみを示す左側面図である。

    【図15】2次元成形における回転ツール曲げ加工を示す図である。

    【図16】2次元成形におけるツール曲げ加工を示す図である。

    【図17】3次元成形における回転ツール巻き加工を示す図である。

    【図18】3次元成形におけるコイリング加工を示す図である。

    【図19】3次元成形におけるピッチ付きコイリング加工を示す図である。

    【図20】3次元成形におけるフック起し加工を示す図である。

    【図21】プレス成形を示す図である。

    【図22】切断及び切断後のツール曲げ加工を示す図である。

    【図23】スプリング製造装置のコントローラ500の構成示すブロック図である。

    【図24】第2の実施形態のスプリング製造装置を示す外観斜視図である。

    【図25】従来のツール及びツールスライドを示す外観斜視図である。

    【符号の説明】 100…ベース 200…第1ツール選択装置 210…ツール選択テーブル 300…第2ツール選択装置 310…ツール選択テーブル 400…ワイヤフィード装置 415…ワイヤガイド 450、460…補助ツール装置 500…コントローラ

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