曲げ装置及びばね製造機

申请号 JP2014019578 申请日 2014-02-04 公开(公告)号 JP2015145025A 公开(公告)日 2015-08-13
申请人 新興機械工業株式会社; 发明人 城戸 功;
摘要 【課題】加工動作を中断させること無く、所望の曲げ具合で線材を屈曲させることができる線材の曲げ装置及びばね製造機を提供する。 【解決手段】柱部47bの端面から突出しており、線材を曲げ加工する二つの突出部を有する加工部47aを備え、突出部の少なくとも一つは曲面部分を有し、二つの突出部の間に線材を配置して、柱部47bを、長手方向を回転軸方向として回転させて、曲面部分に沿って線材を曲げ加工する曲げ装置及び該曲げ装置を備えるばね製造機において、加工部47aを複数備え、加工部47a夫々における突出部47cの曲面部分の 曲率 は異なり、加工部47a夫々を支持しており、柱部47bの長手方向に交差する軸回りに回転する回転部47と、筒形をなし、端部にて回転部47を回転可能に収容する収容部43と、収容部43をその軸回りに回転させる機構とを備える。 【選択図】図4
权利要求

柱部の端面から突出しており、線材を曲げ加工する二つの突出部を有する加工部を備え、前記突出部の少なくとも一つは曲面部分を有し、二つの突出部の間に線材を配置して、前記柱部を、長手方向を回転軸方向として回転させて、前記曲面部分に沿って線材を曲げ加工する曲げ装置において、 前記加工部を複数備え、 前記加工部夫々における前記突出部の前記曲面部分の曲率は異なり、 前記加工部夫々を支持しており、前記柱部の長手方向に交差する軸回りに回転する回転部と、 筒形をなし、端部にて前記回転部を回転可能に収容する収容部と、 該収容部をその軸回りに回転させる機構と を備えることを特徴とする曲げ装置。前記複数の加工部は前記回転部の回転軸心周りに並設してあること を特徴とする請求項1に記載の曲げ装置。前記収容部を、前記収容部の軸回りに回転可能に支持する筒形のハウジングと、 該ハウジングの端部に設けてあり、線材を加工するツールを取り付けるツール取付部と を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の曲げ装置。線材が供給される方向及び該方向に交差する方向に前記収容部を移動させる機構を備えること を特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の曲げ装置。請求項1から4のいずれか一つに記載の曲げ装置と、 該曲げ装置を一面側で支持し、開口を有する支持壁と を備え、 前記開口を通して、前記支持壁の他面側から一面側に線材が送出されるようにしてあること を特徴とするばね製造機。

说明书全文

本発明は線材を曲げ加工する円筒状のピンを備える曲げ装置及び該曲げ装置を備えるばね製造機に関する。

線材をばねに加工するばね製造機は、線材を送出する線材送りユニットと、該線材送りユニットの出口に配置され、線材を加工するツールとを備える。コイルばねを製造する場合、ツール(曲げダイス)に線材を当接させてコイル部分を形成する。コイルばねには、コイル部分の他に付属部分が形成される。

付属部分は、例えばコイル部分の端部に連なる線材を屈曲して形成される。ツールの一つに、線材を屈曲させるスピンドルがある。スピンドルは、軸回りに回転可能な円柱と、該円柱の端面の中心に設けた枢軸と、該枢軸から離隔した位置において、前記端面から突出した突出部とを備える(例えば特許文献1参照)。

ばね製造機は、線材を枢軸と突起部との間に係合させ、円柱を枢軸回りに回転させて、突起部を線材に押圧させる。線材は、枢軸の外周面に沿って屈曲する。

特開2009−274099号公報

屈曲した部分の曲がり具合は、溝の部分における曲率に依存する。そのため、異なる曲がり具合で線材の複数個所を屈曲させる場合、加工を一度中断して、曲率が異なる枢軸を有する他のスピンドルに交換しなければならない。

他のスピンドルへの交換を避けるためには、予め複数のスピンドルをばね製造機が有する必要があるが、ばね製造機のフレームに取り付けることができる加工ツールの数は限られており、スピンドルを増加させる場合、曲げダイス等の他の加工ツールを取外さなければならない。

本発明は係る事情に鑑みてなされたものであり、スピンドルを交換すること無く、またスピンドルを増加させずに、所望の曲がり具合で線材を屈曲させることができる線材の曲げ装置及びばね製造機を提供することを目的とする。

本発明に係る曲げ装置は、柱部の端面から突出しており、線材を曲げ加工する二つの突出部を有する加工部を備え、前記突出部の少なくとも一つは曲面部分を有し、二つの突出部の間に線材を配置して、前記柱部を、長手方向を回転軸方向として回転させて、前記曲面部分に沿って線材を曲げ加工する曲げ装置において、前記加工部を複数備え、前記加工部夫々における前記突出部の前記曲面部分の曲率は異なり、前記加工部夫々を支持しており、前記柱部の長手方向に交差する軸回りに回転する回転部と、筒形をなし、端部にて前記回転部を回転可能に収容する収容部と、該収容部をその軸回りに回転させる機構とを備えることを特徴とする。

本発明に係る曲げ装置は、前記複数の加工部は前記回転部の回転軸心周りに並設してあることを特徴とする。

本発明に係る曲げ装置は、前記収容部を、前記収容部の軸回りに回転可能に支持する筒形のハウジングと、該ハウジングの端部に設けてあり、線材を加工するツールを取り付けるツール取付部とを備えることを特徴とする。

本発明に係る曲げ装置は、線材が供給される方向及び該方向に交差する方向に前記収容部を移動させる機構を備えることを特徴とする。

本発明に係るばね製造機は、前述したいずれかの曲げ装置と、該曲げ装置を一面側で支持し、開口を有する支持壁とを備え、前記開口を通して、前記支持壁の他面側から一面側に線材が送出されるようにしてあることを特徴とする。

本発明においては、複数の突出部夫々の曲面部分の曲率を異ならせる。突出部夫々を有する加工部夫々を回転部にて支持し、回転部を回転させていずれか一つの加工部を選択する。筒形をなす収容部をその軸回りに回転させることによって、選択した突出部の曲面部分に沿って線材を折り曲げる。

本発明においては、回転部の回転軸心周りに加工部を設けて、突出部の選択を実現する。

本発明においては、固定したハウジングにツール取付部を設けることによって、加工部以外の加工ツールをツール取付部に取り付けて、曲げ加工以外の加工(例えばコイル成形加工)をも実現することができる。

本発明においては、線材が送出される方向(前後方向)及び該方向に交差する方向(左右方向又は上下方向)に回転部を移動させて、線材とピンとの相対位置を調整することができる。また加工ツールと線材との相対位置を調整することができる。

本発明に係る曲げ装置及びばね製造機にあっては、複数の突出部夫々の曲面部分の曲率を異ならせる。突出部夫々を有する加工部夫々を回転部にて支持し、回転部を回転させていずれか一つの加工部を選択する。筒形をなす収容部をその軸回りに回転させることによって、選択した突出部の曲面部分に沿って線材が折り曲げられ、所望の曲げ具合で線材を屈曲させることができる。

実施の形態1に係るばね製造機を略示する正面図である。

ばね製造機を略示する右側面図である。

曲げユニットを略示する正面断面図である。

曲げユニットを略示する側面断面図である。

実施の形態2に係るばね製造機のピン工具を略示する斜視図である。

ピン工具の動作を説明する底面図である。

(実施の形態1) 以下本発明を実施の形態1に係るばね製造機を示す図面に基づいて説明する。以下の説明では図において矢印で示す上下、左右及び前後を使用する。なお正面及び背面は前面及び後面に夫々対応する。図1はばね製造機を略示する正面図、図2はばね製造機を略示する右側面図である。

ばね製造機は直方体状のベース1と、該ベース1に立設した前壁2と、該前壁2の後側に立設した後壁3とを備える。該前壁2の中央部には前後方向に貫通した開口2aが設けてある。前壁2の後側には線材を前側に送出する線材送りユニット4が設けてある。後壁3には線材送りユニット4を駆動する線材送りユニット用モータ4aと、線材送りユニット4を線材の軸回りに回転させる軸回り用モータ4bが支持されている。線材送りユニット4は線材を挟持して送出する複数の線材送りローラを備える。線材送りユニット用モータ4aの駆動によって、線材送りローラが回転し、線材が前方へ送出される。線材送りユニット4は軸回り用モータ4bの駆動によって、線材送りローラによって挟持した線材を、線材の軸回りに回転させることができる。

開口2aの内側には、線材送りユニット4から送出された線材を案内する線材ガイド5が設けてある。線材ガイド5は前後方向を軸長方向とした半円柱状をなし、その軸心部分に溝が設けてある。線材ガイド5は軸回りに回転することができる。線材送りユニット4から送出された線材は、前記溝を通って前方に案内される。

前壁2の正面には、左右一対のツール装置10、10それぞれが支持されている。また前壁2の上部には、線材を屈曲させる曲げ装置30が支持されている。

前壁2の正面左部に支持されたツール装置10は、ツール(本実施例においてはダブルスピンドルT1)を保持するツール保持部19と、該ツール保持部19に設けてあり、ダブルスピンドルT1を駆動させるツール駆動用モータ20と、ツール保持部19を上下左右前後に移動させる機構とを備える。なおダブルスピンドルT1、ツール保持部19及びツール駆動用モータ20はユニット化されている。該機構は、前壁2の正面にて左右に併設してあり、上下方向に延びた二つの上下方向レール11、11を備える。該上下方向レール11には摺動子11aを介して昇降体12が上下移動可能に連結している。昇降体12は、各上下方向レール11に配置され、左右方向に間隔を隔てて対向する互いに平行な二つの側板部12a、12aと、該二つの側板部12a、12aの間に、平になるように架設されたテーブル12bとを備える。側板部12aは摺動子11aを介して上下方向レール11に移動可能に連結している。なお側板部12aの上端部分は、他の部分よりも左右方向の幅が大きい。

前壁2の正面左部の下部分に上下方向モータ13が設けてある。該上下方向モータ13はテーブル12bの下側に位置する。上下方向モータ13はボールねじ機構を介してテーブル12bに連結している。上下方向モータ13の回転は、ボールねじ機構によって上下方向への移動に変換され、昇降体12が昇降する。

前記側板部12a、12aそれぞれの上面に前後方向に延びた二つの前後方向レール14、14が左右に並設してある。該前後方向レール14には摺動子14aを介して、前後及び左右方向に平行な前後移動テーブル15が前後移動可能に連結している。該前後移動テーブル15と前記テーブル12bとは上下方向に離隔して対向している。

前後方向モータ16がテーブル12bの上面に固定してある。前後方向モータ16はボールねじ機構を介して前後移動テーブル15に連結している。前後方向モータ16の回転は、ボールねじ機構によって前後方向への移動に変換され、前後移動テーブル15が前後方向レール14、14に沿って前後方向に移動する。

前後移動テーブル15の上面に、左右方向に延びた二つの左右方向レール17、17が前後に並設してある。該左右方向レール17には摺動子17aが設けてある。摺動子17aに連結板18が設けてあり、該連結板18の上にツール保持部19が取り外し可能に取り付けてある。ツール保持部19の先端は右方に延び、該先端には線材を加工するダブルスピンドルT1が取り付けてある。ダブルスピンドルT1は、開口2aの前位置で左側から開口2aに対向する。ツール保持部19の左部に、ダブルスピンドルT1を駆動させるツール駆動用モータ20が設けてある。ツール駆動用モータ20の駆動によって、ダブルスピンドルT1が駆動する。

ダブルスピンドルT1は、例えば端面に溝を形成した円柱と、該円柱の外周に配してあり、軸回りに回転可能なスリーブとを備える。スリーブの端面にはピンが設けてある。線材を溝に係合させ、スリーブを回転させてピンを線材に押圧させる。線材は、溝の角部分に沿って屈曲する。

前後移動テーブル15上に、クランク機構が設けてある。クランク機構は、上下方向を回転軸方向として回転可能な回転盤21と、該回転盤21及び連結板18を連結するロッド(図示略)とを備える。回転盤21は、前後移動テーブル15の左端部に位置する。前後移動テーブル15の下側に左右方向モータ22が設けてある。該左右方向モータ22の回転軸は前後移動テーブル15を貫通して、回転盤21の中心から偏倚した位置で回転盤21に連結している。すなわち回転盤21は偏心回転する。回転盤21はロッドを介して前記連結板18に連結している。左右方向モータ22の回転は偏心した回転盤21及びロッド(クランク機構)によって左右方向への移動に変換され、ツール保持部19はダブルスピンドルT1と共に左右方向レール17、17に沿って左右方向に移動する。前述したように、開口2aの内側には線材ガイド5が設けてある。ダブルスピンドルT1は開口2aの前位置で線材ガイド5に対して接離し、またツール駆動用モータ20の駆動によって駆動し、線材ガイド5から前方に送出された線材を加工する。

前壁2の正面右部に支持されたツール装置10の構成は、その左右位置が異なる以外、前壁2の正面左部に支持されたツール装置10と略同じ構成である。従って、前壁2の正面右部に支持されたツール装置10の構成の内、前壁2の正面左部に支持されたツール装置10と同様な構成に同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。

ダブルスピンドルT1を前壁2の正面左右に設けることによって、一方のダブルスピンドルT1で線材を挟持した後、後述するツール保持部72に取り付けたカッタT2で線材を切断し、一方のダブルスピンドルT1で挟持された線材を、切断した側から他方のダブルスピンドルT1で曲げ加工することができる。

なおツール保持部19を連結板18から取り外して、すなわちユニット化されたツール保持部19、ダブルスピンドルT1及びツール駆動用モータ20を連結板18から取り外して、他のツール(例えば曲げダイス又はカッタ)を含む別のユニットを取り外し可能に連結板18に取り付けてもよい。

曲げ装置30は、曲げユニット40と、該曲げユニット40を上下左右前後に移動させる機構とを備える。該機構は、図2に示すように、前記前壁2及び後壁3の上部に架設された前後方向に延びる下板31を備える。下板31の上面に前後方向に延びた二つの前後方向レール33、33が左右に並設してある。前後方向レール33には摺動子33aを介して前後移動体32が移動可能に連結している。前後移動体32は、前後方向に延びたテーブル32aと、該テーブル32aの前端部から立設した支持板32bとを備える。テーブル32aと下板31とは上下に離隔して対向している。テーブル32aと下板31との間に前後方向モータ34が設けてある。該前後方向モータ34は下板31に固定してあり、ボールねじ機構を介してテーブル32aに連結している。前後方向モータ34の回転は、ボールねじ機構によって前後方向への移動に変換され、前後移動体32が前後方向に移動する。

前記支持板32bの正面に左右方向に延びた二つの左右方向レール35、35が上下に並設してある。左右方向レール35には摺動子35aを介して左右移動テーブル37が左右移動可能に連結している。左右移動テーブル37と支持板32bとは前後に離隔して対向している。左右移動テーブル37と支持板32bとの間に左右方向モータ36が設けてある。該左右方向モータ36は支持板32bに固定してあり、ボールねじ機構を介して左右移動テーブル37に連結している。左右方向モータ36の回転は、ボールねじ機構によって左右方向への移動に変換され、左右移動テーブル37が左右方向に移動する。

左右移動テーブル37の正面に、上下方向に延びた二つの上下方向レール38、38が左右に併設してある。上下方向レール38には摺動子38a(後述する図4参照)を介して曲げユニット40が上下移動可能に連結している。曲げユニット40の下端部は開口2aの前側に位置する。曲げユニット40には上下方向モータ39がボールねじ機構を介して連結している。上下方向モータ39の回転によって、曲げユニット40は昇降する。なお曲げユニット40の詳細は後述する。

左右移動テーブル37の右部分に、ツール装置70を支持する支持部60が設けてある。該支持部60は左右移動テーブル37から右側に突出している。支持部60の右側部分には、右上又は左下方向に延びた前後方向に平行な傾斜板61が設けてある。ツール装置70はレール71を備え、該レール71は傾斜板61の下面に設けてある。

該レール71には、摺動子71aを介してツール保持部72が移動可能に連結している。ツール保持部72は取り外し可能に摺動子71aに取り付けてある。ツール保持部72の下端部分は線材ガイド5に向かって延び、前記下端部分にツール(本実施例においてはカッタT2)が取り付けられる。ツール保持部72の上端部分にカッタT2を駆動するツール駆動用モータ73が取り付けてある。前記傾斜板61の上部に、クランク機構が設けてある。クランク機構は、傾斜板61に直交する方向を回転軸方向として回転する回転盤74と、該回転盤74及びツール保持部72を連結するロッド75とを備える。なおカッタT2、ツール保持部72及びツール駆動用モータ73はユニット化してある。カッタT2は対向する二つの刃を有し、二つの刃は接離する。二つの刃の間に線材を配し、二つの刃を近接させて線材を切断する。

傾斜板61の上端部分において、回転盤74の上面側にモータ65が設けてある。該モータ65の回転軸は傾斜板61を貫通して、回転盤74の中心から偏倚した位置で回転盤74に連結している。すなわち回転盤74は偏心回転する。回転盤74はロッド75を介してツール保持部72に連結している。モータ65の回転は偏心した回転盤74及びロッド75(クランク機構)によって傾斜板61に平行な方向への移動に変換され、ツール保持部72はレール71に沿って傾斜板61に平行な方向に移動する。カッタT2は線材ガイド5の出口付近に接近するか又は線材ガイド5の出口付近から離反し、またツール駆動用モータ73の駆動によって駆動し、線材ガイド5から前方に送出された線材を加工する。

なおツール保持部72を摺動子71aから取り外して、すなわちユニット化されたカッタT2、ツール保持部72及びツール駆動用モータ73を連結板18から取り外して、他のツール(例えば曲げダイス又はスピンドル)を含む別のユニットを取り外し可能に摺動子71aに取り付けてもよい。

次に曲げユニット40の構成について説明する。図3は曲げユニット40を略示する正面断面図、図4は曲げユニット40を略示する側面断面図である。曲げユニット40は上下に延びた筒状のハウジング41を備える。ハウジング41は、その外周面にテーブル41aを備え、該テーブル41aに摺動子38aが取り付けてある。ハウジング41の下部には、転がり軸受42を介してハウジング41の軸回りに回転可能に筒体43が内嵌している。転がり軸受42としては、例えばニードル軸受、玉軸受、ころ軸受等が挙げられる。なお転がり軸受42に代えて滑り軸受等他の種類の軸受を使用してもよい。ハウジング41の上部には、後述するロッド54を挿入する挿入筒50が二つの軸受50a、50aを介してハウジング41の軸回りに回転可能に内嵌している。該挿入筒50は筒体43の上端から上方に延びている。筒体43及び挿入筒50は連結している。筒体43の下端部はハウジング41から下方に突出している。

筒体43の下端部を、第1軸44が筒体43の径方向に貫通している。第1軸44は軸受44bを介して筒体43に回転可能に支持されている。第1軸44の中途部には、回転盤47が外嵌している。回転盤47の周縁部には、線材を曲げ加工する複数のピン工具47a、47a、・・・、47aが周方向に並設されている。ピン工具47aは、回転盤47の径方向外向きに突出した円柱47bと、該円柱47bの先端面から突出した円柱形の基準ピン47cと、該基準ピン47cから円柱47bの径方向に離隔し、前記先端面から突出した円柱形の周回ピン47dとを備える。なお円柱47bは柱状であればよく、四角柱その他の形状でもよい。複数の円柱47bそれぞれ(換言すれば複数のピン工具47aそれぞれ)は回転盤47にて放射状に並んでいる。

各基準ピン47cの軸方向は回転盤47の径方向に略平行であり、各基準ピン47cの直径はそれぞれ異なる。各基準ピン47c及び各周回ピン47dは回転盤47に放射状に配してある。ハウジング41におけるテーブル41aの下端部に、線材をコイル状に加工する曲げダイスT3を取り付ける二つのツール取付部48、48が、回転盤47を間にして、回転盤47の一面側及び他面側にそれぞれ設けてある。なお図3は一方のツール取付部48にのみ曲げダイスT3を取り付けた状態を示しているが、両方のツール取付部48、48に曲げダイスT3を取り付けてもよいことは言うまでもない。

ツール取付部48にはコイル部分を形成する曲げダイスT3が取り付けられ、曲げダイスT3には所定の剛性が必要となる。そのため、ツール取付部48は、回転する筒体43ではなく、固定されたハウジング41に設けてある。なおハウジング41におけるテーブル41a以外の部分にツール取付部48を設けてもよい。

第1軸44の一端部は筒体43の外側に突出している。第1軸44の一端部には、第1歯車44aが外嵌している。筒体43の中途部における外側面に凹部43aが形成してある。該凹部43aは第1軸44よりも上側に位置する。凹部43aには、第1軸44に平行な第2軸45が嵌合している。第2軸45には、ローラ45bを介して軸回りに回転可能な第2歯車45aが外嵌している。第2歯車45aは第1歯車44aに噛合している。

第2軸45の上側において、第3軸46が筒体43の中途部を貫通している。第3軸46は第2軸45に平行であり、軸受46bを介して筒体43に軸回りに回転可能に支持されている。第3軸46の中途部に第1傘歯車51が外嵌している。

筒体43の上端部に支持筒49が同軸的に内嵌している。支持筒49の内側にて、二つの軸受49b、49bが支持されている。

ハウジング41の上端部に回転盤47に動を供給する回転盤駆動用モータ53が取り付けてある。回転盤駆動用モータ53の回転軸53aには、下方に延びたロッド54が連結してある。ロッド54は前記挿入筒50に挿入され、軸受49b、49bを介して前記挿入筒50に回転可能に支持されている。ロッド54の下端部は第3軸46付近に位置し、ロッド54の下端部には第2傘歯車52が設けてある。該第2傘歯車52は第1傘歯車51に噛合している。

回転盤駆動用モータ53の回転はロッド54に伝達し、第1傘歯車51及び第2傘歯車52によって回転方向が筒体43に直交する軸回り方向に変換され、第3軸46が回転する。第3軸46の回転は第3歯車46a、第2歯車45a及び第1歯車44aに伝達し、第1軸44が回転して回転盤47が回転する。回転盤47を回転させることによって、所望の直径を有する基準ピン47cを備えたピン工具47aを選択して、筒体43の下端に位置させることができる。

筒体43を軸回りに回転させる筒体駆動用モータ55が、その回転軸55aの軸長方向が筒体43の軸長方向と平行になるように、回転軸55aを下側にして筒体43の左側に設けてある。前記回転軸55aには、主動歯車56が外嵌している。主動歯車56は筒部分56aと、該筒部分56aの端部から径方向外向きに突出した歯車部分56bとを備える。歯車部分56bは筒部分56aよりも下側に位置する。筒部分56aは前記回転軸55aに嵌合し、軸受57を介して筒体駆動用モータ55のケーシング内に回転可能に支持されている。歯車部分56bは、ハウジング41に設けた開口部を介してハウジング41内に突出している。

筒体43の上端部外周面には従動歯車43bが形成してある。従動歯車43bは、主動歯車56に噛合している。筒体43は、前記支持筒49に内嵌した軸受49b、挿入筒50に外嵌した軸受50a及びハウジング41の下端部に内嵌した転がり軸受42によって、ハウジング41内にてその軸回りに回転可能に支持されている。

筒体駆動用モータ55の回転は主動歯車56及び従動歯車43bを介して筒体43に伝達され、筒体43はその軸回りに回転する。筒体43の回転によって、回転盤47も筒体43の軸回りに回転し、選択されたピン工具47aも回転する。ピン工具47aの基準ピン47cは、筒体43の回転軸心上に位置する。そのため、筒体43が回転した場合、周回ピン47dは、基準ピン47cの周囲を回転する。ピン工具47aによって線材を加工する場合、基準ピン47cと周回ピン47dとの間に線材を配し、筒体43を回転させる。筒体の43の回転によって、線材は周回ピン47dによって押圧され、基準ピン47cの外周面に沿って曲げ加工される。

周回ピン47dは線材の曲げ加工に必要な強度を有する。なお周回ピン47dの外周面の曲率は線材の曲げ具合に影響しないため、任意の曲率でよい。

ばね製造機は制御部(図示略)を備えており、該制御部からの指令に基づいて、線材送りユニット4、ツール装置10、曲げ装置30が駆動する。制御部は、回転盤駆動用モータ53に駆動信号を出力し、回転盤47を回転させて所定の基準ピン47cを筒体43の下端に位置させ、線材送りユニット4から送出された線材の隣に位置させる。制御部は、ツール装置10を駆動させて周回ピン47dを回転させ、基準ピン47cの外周面に沿わせて線材を曲げ加工する。

回転盤47に設けた複数の基準ピン47cそれぞれの直径は異なる(すなわち曲率が異なる)ので、選択したピン工具47aの基準ピン47cの外周面に沿って線材を折り曲げることによって、所望の曲げ具合で線材を屈曲させることができる。また異なる曲率で線材の複数個所を屈曲させる場合には、回転盤47を回転させて所望の曲率を有する基準ピン47cを選択すればよく、ピン工具47aの付け替えは不要となる。

また前後方向モータ34、左右方向モータ36又は上下方向モータ39を回転させることによって、前後方向、左右方向又は上下方向に回転盤47を移動させて、線材と基準ピン47c及び周回ピン47dとの相対位置を調整することができる。またツール取付部48に取り付けた曲げダイスT3によって、コイル部分の形成(換言すれば基準ピン47c及び周回ピン47dによる曲げ加工以外の加工)をも実現することができる。また曲げダイスT3と線材との相対位置を調整することができる。なおツール取付部48には曲げダイスT3以外のツールを取り付けてもよい。

制御部は、前後方向モータ16、左右方向モータ22又は上下方向モータ13を回転させて、ツール装置10の前後左右上下位置を調整することができる。またモータ65を回転させてツール保持部72を線材ガイド5の出口付近に接近させるか又は線材ガイド5の出口から離反させることができる。

(実施の形態2) 以下本発明を実施の形態2に係るばね製造機を示す図面に基づいて説明する。図5はピン工具47aを略示する斜視図、図6はピン工具47aの動作を説明する底面図である。

回転盤47の周縁部には、複数のピン工具47aが周方向に並設してある。ピン工具47aの円柱47bの先端面には、該先端面から突出した第1突起部141及び第2突起部142が周方向に並設されている。第1突起部141及び第2突起部142は周方向に離隔している。

第1突起部141及び第2突起部142それぞれは底面側から見て扇形の板状をなす。第1突起部141及び第2突起部142の中心角部分(先端部分)は円柱47bの中心付近に位置し、第1突起部141及び第2突起部142の円弧部分は円柱47bの周縁部に沿って形成されている。第1突起部141及び第2突起部142の先端部分は曲面状に形成してある。第1突起部141及び第2突起部142の中心角は略同じである。なおピン工具47a夫々において、第1突起部141及び第2突起部142の中心角は異なる。すなわち一のピン工具47aと他のピン工具47aとを比較した場合、前記中心角は異なる。

ピン工具47aは以下のようにして線材を曲げ加工する。図6Aに示すように、第1突起部141及び第2突起部142の間に線材が配置される。そして筒体43の回転によって、第1突起部141又は第2突起部142の先端部分に沿って線材が曲げ加工される。図6Bにおいては、第2突起部142に押圧され、第1突起部141の先端部分に沿って線材が曲げ加工されている状態が示されている。筒体43が逆回転した場合、第1突起部141に押圧され、第2突起部142の先端部分に沿って線材が曲げ加工される。

回転盤47に設けた複数のピン工具47a夫々の第1突起部141及び第2突起部142の中心角は異なる(すなわち曲率が異なる)ので、選択した第1突起部141又は第2突起部142の先端部分に沿って線材を折り曲げることによって、所望の曲げ具合で線材を屈曲させることができる。また異なる曲率で線材の複数個所を屈曲させる場合には、回転盤47を回転させて所望の曲率を有する第1突起部141又は第2突起部142を選択すればよく、ピン工具47aの付け替えは不要となる。

なお一のピン工具47aにおいて、第1突起部141及び第2突起部142の中心角を異ならせてもよい。この場合、選択可能な曲率の数を2倍にすることができる。同じ曲率で線材を反対向きに曲げ加工する場合には、軸回り用モータ4bを駆動させることによって、線材をその軸回りに180度回転させた後、曲げ加工し、加工後に、線材をその軸回りに180度逆向きに回転させればよい。

今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。各実施例にて記載されている技術的特徴は互いに組み合わせることができ、本発明の範囲は、特許請求の範囲内での全ての変更及び特許請求の範囲と均等の範囲が含まれることが意図される。

2 前壁(支持壁) 2a 開口 30 曲げ装置 41 ハウジング 43 筒体(収容部) 47a ピン工具(加工部) 47b 円柱(柱部) 47c 基準ピン(突出部、曲面部分) 47d 周回ピン(突出部) 47 回転盤(回転部) 48 ツール取付部 141 第1突起部(突出部、曲面部分) 142 第2突起部(突出部、曲面部分)

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