Wire spring forming device

申请号 JP2003031930 申请日 2003-02-10 公开(公告)号 JP2004237352A 公开(公告)日 2004-08-26
申请人 Orii & Mec Corp; オリイメック株式会社; 发明人 YAMAGUCHI SHINICHI; HARUYAMA NAOTERU;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a wire spring forming device high in production speed and easy in the adjustment of the coil diameter.
SOLUTION: The wire spring forming device comprises: a wire pressure-feed means 20 having a pressure-feed roller 22 to feed a held wire 1 to a forward forming stage 100 via a quill 10; a revolution means 30 to change the direction of the wire to be fed from a quill tip part by revolving the pressure-feed roller 22 around the axis X1 of the wire to twist the wire 1; and a plurality of forming tools 120 which are radially disposed on the forming stage 100 and advancable/retractable at a substantially right angle to/from the axis X1 of the wire 1. The forming tool 120 is advanced and collided with the wire 1 to be fed from a quill tip part, and a wire spring is formed by folding, curving or winding the wire. In addition, the quill 10 is moved in the direction of the axis X1 by a quill moving means 50, and each drive of the wire pressure-feed means 20, the revolving means 30, and the quill moving means 50 is numerically controlled.
COPYRIGHT: (C)2004,JPO&NCIPI
权利要求
  • 挟持した線材を線材ガイドであるクイルを介して前方の成形ステージに送り出す少なくとも一対の圧送ローラを有する線材圧送手段と、前記圧送ローラを線材の軸線周りに公転させて線材をねじることで前記クイル先端部から送り出す線材の前記成形ステージに対する周方向相対位置を変化させる公転手段と、前記成形ステージに放射状に配置され、前記線材の軸線に対し直角又は略直角に進退動作可能な複数の成形ツールとを備え、前記成形ツールを前進させて前記クイル先端部から成形ステージに送り出される線材に衝合させて折り曲げ、湾曲あるいは捲回させて線ばねを成形する線ばね成形装置であって、
    前記クイルは、クイル移動手段により線材の軸線方向に移動可能に構成され、前記線材圧送手段,公転手段およびクイル移動手段の各々の駆動を制御することを特徴とする線ばね成形装置。
  • 前記クイルは、線材の軸線周りに回転可能に構成されるとともに、前記クイル回転手段,前記線材圧送手段および前記公転手段は、線材の軸線に沿って進退動作する前記クイル移動手段であるリニアウェイスライドテーブルに、線材の軸線方向に固定された形態で搭載されたことを特徴とする請求項1に記載の線ばね成形装置。
  • 前記成形ツールは、前記成形ステージを構成するメインプレートの表側に周方向等間隔に設けられて、それぞれの第1のサーボモータの駆動によりクランク機構を介してツールスライドテーブルが放射状方向にそれぞれ進退動作するように構成され、
    前記メインプレートの裏面側には、前記成形ステージを取り囲むリングギヤが回動可能に支承されるとともに、曲げ成形ツールを構成するツールスライドテーブルには、曲げ成形用回転ユニットが搭載され、前記曲げ成形用回転ユニットと前記リングギヤとの間には、メインプレートに設けた第2のサーボモータの駆動により回動する前記リングギヤの回動力を前記ツールスライドテーブルの進退動作と干渉させることなく前記曲げ成形用回転ユニットに伝達するギヤ式動力伝達機構が介装されたことを特徴とする請求項1または2に記載の線ばね成形装置。
  • 前記ギヤ式動力伝達機構は、前記ツールスライドテーブルのスライド方向と平行かつ互いに同軸状に配設されて軸方向には相対摺動できるが周方向には固定された形態に連結された前記メインプレート側の駆動軸と前記曲げ成形用回転ユニット側の従動軸とを備えたことを特徴とする請求項3に記載の線ばね成形装置。
  • 前記メインプレートには、前記ギヤ式動力伝達機構配設用の孔が周方向等間隔に設けられたことを特徴とする請求項3または4に記載の線ばね成形装置。
  • 前記成形ツールのうち、コイル成形ツールを構成するツールスライドテーブルには、ツールスライドテーブル進退方向と平行な回転軸をもつ回転体であるツールホルダに右巻き用と左巻き用の一対のコイル成形ツール本体を前記回転軸を挟んで対向して設けたツール回転ユニットと、前記ツールホルダを回動させる第3のサーボモータが搭載されたことを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の線ばね成形装置。
  • 说明书全文

    【0001】
    【発明の属する技術分野】
    本発明は、線材を案内するクイルを中心にして放射状に配置した複数個の成形ツールを、クイルに案内されている線材の軸線に対し直又は略直角にクイル先端部の線ばね成形ステージに向けて前進させ、クイルから送り出される線材に衝合させて線ばねを成形する装置に関する。
    【0002】
    【従来の技術】
    この種の従来技術としては、特許文献1(特開平10−29028号)が知られている。 これは、圧送ローラを有する線材圧送手段が線材を前方のクイルから成形ステージに送り出し、クイルを中心にして放射状に配置した複数種の成形ツールを、線材の軸線に対し直角又は略直角にクイル先端部の線ばね成形ステージに向けて前進させ、クイルから送り出される線材に衝合させて線ばねを成形する装置で、成形ツールを配設した旋回テーブルを所定量回動することで、線材に衝合させる成形ツールを周方向所定位置に位置決めできるように構成されている。 そして、旋回テーブルに配設されている成形ツールを進退動作等させることで、ツールを線材に衝合させて折り曲げ、湾曲あるいは捲回させて線ばねを成形する。
    【0003】
    【発明が解決しようとする課題】
    しかし前記した従来の線ばね成形装置では、所定のコイル成形ツールを用いてコイルを成形する際に、線材ガイドであるクイルから線材が衝合するツールまでの距離を調節することで、成形するコイルの径を変える(クイルとツール間距離が大きいとコイル径が大きく、逆に小さいとコイル径が小さくなる)ことができるが、このコイル径の調整には成形ツール側に設けたコイル径調整ねじを手動で回してツールのクイルに対する位置を調整(特許文献1,段落0022,図8参照)しなければならず、非常に面倒であるという第1の問題があった。
    【0004】
    また、運転効率上、実用段階の旋回テーブルには常時7又は8セットの成形ツールが配設されており、旋回テ−ブル駆動機構も合わせると、旋回テーブルを旋回させる際の慣性モーメントは相当大きくなる。 また、成形ツールの進退動作(前進および後退)は機構の破損防止のため常時フルストロークに設定してあり、その上、旋回テーブルの回転位置決めを待って成形ツールの前進が始まり成形ツールの後退終了を待って旋回テーブルの回転が始動するようにプログラムしてあり、この間の無駄な時間も存在し前述の大きな慣性モーメントによる影響とも相まって生産速度は相当低くならざるを得ない。 また、単純な成形ツールである線材受けツールと曲げツールをそれぞれ前進させて成形する従来公知の成形方法に代わって、近年では線材を支える芯金の外周に線材掛止突起付き回転体を設けた曲げ成形ツールを使って衝合時に線材に傷が付かないようにする成形方法があるが、この曲げ成形ツールを旋回テーブルに搭載するように設計すると、曲げ成形ツールの進退と回転の双方を駆動させるためにサーボモータが2個必要となる。 そして、この曲げ成形ツールを複数(例えば2台)装着すると、旋回テーブルを駆動させる際に作用する慣性モーメントが過大となるため、旋回テーブルに搭載できる曲げ成形ツールは1台に限られるのが現状で、生産速度が上がらないという第2の問題もある。
    【0005】
    そこで発明者は、挟持した線材を線材ガイドであるクイルを介して前方の成形ステージに送り出す圧送ローラ(線材圧送手段)を線材の軸線周りに公転させて線材をねじってクイル先端部から送り出すことで線材の方向を変化させるように構成することで、成形ステージを構成するテーブルの旋回構造を止め、これによって複数の曲げ成形ツールを装着できるようにして、前記した第2の問題(生産速度が上がらないという問題)の解消を図り、またクイルを線材の軸線方向に移動させて成形ツールとの距離を数値制御によるモータ駆動で調整できるように構成することで、第1の問題(コイル径調整ねじの面倒な手動操作の問題)の解消を図るべく、新たな装置を試作したところ、非常に有効であることが確認されたので、本発明を提案するに至ったものである。
    【0006】
    本発明は、前記した従来技術の問題点に鑑みなされたもので、その目的は、生産速度が速くかつコイル径の調整が容易な線ばね成形装置を提供することにある。
    【0007】
    【課題を解決するための手段】
    前記目的を達成するために、請求項1に係る線ばね成形装置においては、挟持した線材を線材ガイドであるクイルを介して前方の成形ステージに送り出す少なくとも一対の圧送ローラを有する線材圧送手段と、前記圧送ローラを線材の軸線周りに公転させて線材をねじることで前記クイル先端部から送り出す線材の前記成形ステージに対する周方向相対位置を変化させる公転手段と、前記成形ステージに放射状に配置され、前記線材の軸線に対し直角又は略直角に進退動作可能な複数の成形ツールとを備え、前記成形ツールを前進させて前記クイル先端部から成形ステージに送り出される線材に衝合させて折り曲げ、湾曲あるいは捲回させて線ばねを成形する線ばね成形装置であって、
    前記クイルを、クイル移動手段により線材の軸線方向に移動可能に構成し、前記線材圧送手段,公転手段およびクイル移動手段の各々の駆動を制御するように構成した。
    【0008】
    (作用)挟持した線材を線材ガイドであるクイルを介して前方の成形ステージに送り出す圧送ローラ(を有する線材圧送手段)が線材の軸線周りに公転することで線材がねじられて、クイル先端部から送り出される線材の成形ステージに対する周方向相対位置が変化するので、公転手段の公転量を予め適正値に設定しておくことで、成形ステージにおける線材は、放射状に配置された所定の成形ツールを衝合させるに最適な位置まで周方向にねじられた形態に位置決めされるので、従来の装置のように、成形ステージ側において慣性モーメントの大きな旋回テーブルを周方向に回動させることなく、成形ステージに送り出された線材を的確に折り曲げ、湾曲あるいは捲回させて線ばねを成形することができる。
    【0009】
    また、線材ガイドであるクイルをクイル移動手段により線材の軸線方向に移動させることで、線材を加工する成形ツールとクイル間の距離が変わり、線材をコイル成形する際のコイル径が変わるので、クイル移動手段によるクイルの線材軸線方向の位置を予め適正値に設定しておくことで、コイル成形する線材のコイル径を自由に調整できる。
    【0010】
    請求項2においては、請求項1に記載の線ばね成形装置において、前記クイルを線材の軸線周りに回転可能に構成するとともに、前記クイル回転手段,前記線材圧送手段および前記公転手段を、線材の軸線に沿って進退動作する前記クイル移動手段であるリニアウェイスライドテーブルに、線材の軸線方向に固定された形態で搭載するように構成した。
    【0011】
    (作用)クイル回転手段によりクイルを単独で所定量回動させることで、線材ガイドであるクイルの形態を周方向に変えることができる。
    【0012】
    請求項3においては、請求項1または2に記載の線ばね成形装置において、前記成形ツールは、前記成形ステージを構成するメインプレートの表側に周方向等間隔に設けられて、それぞれの第1のサーボモータの駆動によりクランク機構を介してツールスライドテーブルが放射状方向にそれぞれ進退動作するように構成され、前記メインプレートの裏面側に、前記成形ステージを取り囲むリングギヤを回動可能に支承するとともに、曲げ成形ツールを構成するツールスライドテーブルに、曲げ成形用回転ユニットを搭載し、前記曲げ成形用回転ユニットと前記リングギヤとの間に、メインプレートに設けた第2のサーボモータの駆動により回動する前記リングギヤの回動を前記ツールスライドテーブルの進退動作と干渉させることなく前記曲げ成形用回転ユニットに伝達するギヤ式動力伝達機構を介装するように構成した。
    【0013】
    そして、曲げ成形用回転ユニットは、一例として、クイルの軸線に向いた前端面に線材係合用の溝を設けた固定芯金と、前記固定芯金の外周に回転可能に支承され、前端面に線材掛止用突起を設けた回転体を備えた構成が考えられる。
    【0014】
    (作用)メインプレートに配設された複数の曲げ成形ツールでは、単一のサーボモータ(第2のサーボモータ)で駆動するリングギヤの回転駆動力が、メインプレートと曲げ成形用回転ユニット間に介装されたそれぞれのギヤ式動力伝達機構を介してそれぞれの曲げ成形用回転ユニットに伝達されて、曲げ成形用回転ユニットが回動する。 また、曲げ成形ツールの回転駆動は、スライドテーブルの進退動作と干渉しないので、曲げ成形ツールの進退および回転を同時でも単独でも自由に行うことができる。
    【0015】
    なお、リングギヤの回転により、成形に直接使用しない曲げ成形ツールを含む、メインプレートに搭載されている全ての曲げ成形ツールにおける曲げ成形用回転ユニットが回転することになるが、曲げ成形ツールの数は多くても4台であり、リングギヤ駆動用の第2のサーボモータに作用する負荷は、成形に直接使用する曲げ成形用回転ユニットだけを単独で駆動する場合に作用する負荷と比べてそれほど大きいものではなく、スムーズかつスピーディにリングギヤを回動できる。
    【0016】
    また、メインプレートに作用する第2のサーボモータの重量による曲げ負荷を少なくしたり、メインプレートの安定性を確保するためには、メインプレート全体の重心が下方となるようにメンプレートの下方位置に第2のサーボモータを設けることが望ましい。
    【0017】
    請求項4においては、請求項3に記載の線ばね成形装置において、前記ギヤ式動力伝達機構を、前記ツールスライドテーブルのスライド方向と平行かつ互いに同軸状に配設されて軸方向には相対摺動できるが周方向には固定された形態に連結した前記メインプレート側の駆動軸と前記曲げ成形用回転ユニット側の従動軸とを備えるように構成した。
    【0018】
    (作用)同軸状に配設されたメインプレート側の駆動軸と曲げ成形用回転ユニット側の従動軸間の連結部において、従動軸が駆動軸に対し軸方向に摺動することで、ツールスライドプレートはスムーズに進退動作でき、同連結部において、従動軸と駆動軸が周方向に固定されることで、リングギヤの回動力が駆動軸と従動軸を介して曲げ成形用回転ユニット側に伝達される。
    【0019】
    そして、例えば、メインプレート側の駆動軸を円筒型とし、円筒型の駆動軸の内側に曲げ成形用回転ユニット側の従動軸を配設し、従動軸の外周面と駆動軸の内周面間をスプライン溝係合させて、両軸(駆動軸と従動軸)が軸方向に相対摺動できかつ周方向に固定されるように構成した場合は、連結部(スプライン溝係合部)の軸方向の長さを大きくとれるので、連結部における軸方向の相対摺動が適正で、しかも連結部における周方向の固定も確実となるとともに、ギヤ式動力伝達機構の軸方向の長さをコンパクトにできる。
    【0020】
    請求項5においては、請求項3または4に記載の線ばね成形装置において、前記メインプレートに、前記ギヤ式動力伝達機構配設用の孔を周方向等間隔に設けるように構成した。
    【0021】
    (作用)メインプレートにおける各成形ツール配設位置(周方向等分位置)には、ギヤ式動力伝達機構配設用の孔が予め設けられており、いずれの成形ツール配設位置にも曲げ成形ツールを配設することができる。
    【0022】
    請求項6においては、請求項3〜5のいずれかに記載の線ばね成形装置において、前記成形ツールのうち、コイル成形ツールを構成するツールスライドテーブルに、ツールスライドテーブル進退方向と平行な回転軸をもつ回転体であるツールホルダに右巻き用と左巻き用の一対のコイル成形ツール本体を前記回転軸を挟んで対向して設けたツール回転ユニットと、前記ツールホルダを回動させる第3のサーボモータを搭載するように構成した。
    【0023】
    (作用)コイル成形時に第3のサーボモータを微少量だけ回転させて、コイル形成ツール本体(の線材係合用溝)を、衝合する線材に対し所定量だけずらすことで、成形するコイルの初張力を調整できる。
    【0024】
    また、コイル成形ツールでは、第3のサーボモータを駆動させることで、成形ステージにおいて線材と衝合させる右巻き用と左巻き用のツール本体を切り替えることができる。
    【0025】
    【発明の実施の形態】
    以下、本発明の実施の形態を本発明の実施例に基づいて詳細に説明する。
    【0026】
    図1〜図16は、本発明の第1の実施例である線ばね成形装置を示し、図1は同装置の全体正面図、図2は一部を断面で示す同装置の左側面図、図3は回転フレーム周辺の平断面図、図4はクイル周辺の拡大断面図、図5は線ばね成形装置の正面側から見た曲げ成形ツールの正面図、図6は曲げ成形ツールの縦断面図(図5に示す線線VI−VIに沿う断面図)、図7は曲げ成形ツールの要部斜視図、図8はコイル成形ツールの平面図、図9はコイル成形ツールの縦断面図(図8に示す線IX−IXに沿う断面図)、図10はツールホルダにおける右巻き用と左巻き用のコイル成形用ツール本体の配置を示す図、図11は同装置で成形する線ばねの1例を示す斜視図、図12は成形ステージにおける各種成形ツールの配置図、図13,14,15は図11に示す線ばねを成形する工程を示す図、図16は図11に示す線ばねを成形する工程のタイムシェアリングを示す図である。
    【0027】
    これらの図において、本実施例に示す線ばね成形装置は、挟持した線材1を線材ガイドであるクイル10を介して前方の成形ステージ100(図1,2,6参照)に送り出す一対の圧送ローラ22,22を有する線材圧送手段20と、圧送ローラ22を含む線材圧送手段20を線材1の軸線X1周りに公転させて線材1をねじることで、クイル10の先端部から送り出す線材の成形ステージ100に対する周方向相対位置を変化させる公転手段30と、クイル10を線材1の軸線XI周りに回転させるクイル回転手段40と、成形ステージ100に放射状に配置され、線材1の軸線XIに対し直角又は略直角に進退動作可能な複数(実施例では5台)の成形ツール120(120A〜120E)とを備え、所定の成形ツール120を前進させて、クイル10の先端部から成形ステージ100に送り出される線材1に衝合させて折り曲げ、湾曲あるいは捲回させることで、線ばねを成形するように構成されている。
    【0028】
    図1,2における符号2は、線材圧送手段20,公転手段30およびクイル回転手段40や成形ステージ100等を下方から支持し、線材圧送手段20,公転手段30およびクイル回転手段40の駆動は勿論、線ばね成形装置における種々の駆動部の駆動源であるサーボモータを連係動作させるための位置決め駆動用の多軸数値制御装置が収容されている矩形状の架台である。
    【0029】
    符号3は、架台2上に設けられた固定フレームで、固定フレーム3には、成形ステージ100を構成するメインプレート102が垂直に固定一体化されており、メインプレート102の中心に線材1の軸線X1が一致するように配置されている。
    【0030】
    固定フレーム3には、線材1の軸線X1に沿って進退動作するクイル移動手段であるリニアウェイスライド50(図2参照)が設けられている。 即ち、固定フレーム3には、線材圧送手段20,公転手段30およびクイル回転手段40がスライドフレーム4を介して一体に搭載されたスライドテーブル52が、線材1の軸線X1に沿ってスライド可能に組み付けられており、固定フレーム3に設置されたサーボモータM50によって回転駆動するボールねじ54を介して、スライドテーブル52が線材1の軸線X1に沿って進退動作できる。 即ち、所定の成形ツール120を成形ステージ100に向けて前進させて、クイル10の先端部から成形ステージ100に送り出される線材1に衝合させることで、線材1を折り曲げ、湾曲あるいは捲回させて線ばねを成形するが、成形されるコイル径は、成形ツール120とクイル10間の距離に比例するので、サーボモータM50の数値制御によりスライドテーブル52(クイル10)の移動位置を調節することで、コイル成形する線材1のコイル径を自由に調整できる。
    【0031】
    線材圧送手段20は、図2,3,4に示すように、一対の圧送ローラ22,22と、圧送ローラ駆動用のサーボモータM22と、サーボモータM22の駆動を圧送ローラ22に伝達する歯車機構a〜fと、圧送ローラ22の後方に配置されて線材1の曲がりを矯正する通常の線材矯正機構28と、線材1の曲がりを一定方向に保持し線材矯正機構28に線材1を送り出す数個のガイドローラ29aを装着したガイドリング機構29で主として構成されている。
    【0032】
    そして、スライドフレーム4には、クロスローラベアリング31を介して回転フレーム21のディスク部21aが回転自在に支承されており、ディスク部21aの中央に設けた線材通し孔24に対し偏芯するように矩形状のギヤ収容部21b(図3参照)が設けられ、ギヤ収容部21bの外側面には、線材通し孔24を通る線材搬送路が直線となるように圧送ローラ22,22が設けられている。 そして、図3に示すように、複数のギヤa〜fで構成した歯車機構(ギヤトレイン)を介して、ディスク部21aに対し固定されたサーボモータM22の駆動力が圧送ローラ22,22に伝達される。 即ち、サーボモータM22の駆動は、その出力軸に設けたギヤa、ディスク部21aに支承された2連ギヤb1,b2、ディスク部21aに支承された回転軸23のギヤc,d1から、ギヤ収容部21b内のギヤd2,ギヤe,ギヤfを介して圧送ローラ22に伝達される。
    【0033】
    符号25(図4参照)は、回転フレーム21のギヤ収容部21aの外側面に固定されて、圧送ローラ22,22の入り口側に設けられた線材案内用のワイヤガイド、符号26は、回転フレーム21の前端部に固定されている中間クイル26である。 中間クイル26の外周には、ベアリング12a,12bを介してスライドフレーム4に回転可能に支承されたクイル10が中間クイル26に対し相対回転可能に設けられている。 そして、ガイドリング機構29および線材矯正機構28により矯正された線材1は、回転フレーム21の通し孔24を通り、ワイヤガイド25を経て一対の圧送ローラ22,22に導かれ、中間クイル26を経てクイル10に案内されて、前方の線ばね成形ステージ100に送り出される。
    【0034】
    線材公転手段30は、スライドフレーム4に組み付けられた線材圧送手段20全体が線材1の軸線X1周りに公転可能に設けられることで構成されている。 即ち、線材公転手段30を構成する回転フレーム21と線材矯正機構28とガイドリング機構29が公転ユニットU1(図2,3参照)として一体化されると共に、公転ユニットU1前端部に位置する回転フレーム21(ディスク部21a)が、クロスローラベアリング31を介してスライドフレーム4に対し回転自在に支承され、公転ユニットU1後端部に位置するガイドリング機構29の後端フレーム29bが、スライドテーブル52から後方に延出するL字フレーム4aにベアリング32を介して回転自在に支承されている。
    【0035】
    また、図2に示すように、スライドテーブル52に設置したサーボモータM30の出力軸には、回転フレーム21のディスク部21aに固着されたリングギヤ33と噛み合うピニオンギア34が設けられており、サーボモータM30の駆動により、公転ユニットU1(線材圧送手段20)全体が軸線X1周りに回転する。 即ち、線材圧送手段20が線材1の軸線X1周りに公転することで線材1がねじられて、クイル10から送り出される線材1の成形ステージ100に対する周方向相対位置が変化する。 このため、サーボモータM30の回転量を数値制御により設定することで、成形ステージ100における線材1は、放射状に配置された所定の成形ツール120と衝合させるに最適な位置まで周方向にねじられて位置決めされた形態となるので、従来の成形装置のように、成形ステージ側において旋回テーブルを回動して線材に対し成形ツールを位置決めするまでもなく、成形ステージに送り出された線材に対して所定の成形ツール120を進退動作させて衝合させることで、的確な線ばねの成形ができる。
    【0036】
    クイル回転手段40は、図2,4に示すように、ベアリンク12a,12bを介してスライドフレーム4に回転可能に支承されたクイル10と、クイル10の外周に一体化されたギヤ44と、スライドフレーム4に支承されてギヤ44噛合う中間ギヤ46と、クイル回転用サーボモータM40の出力軸に設けられて、中間ギア46と噛合うピニオンギヤ48で構成されている。 そして、サーボモータM40を駆動させることで、サーボモータM30の駆動による線材圧送手段20全体の公転とは別にクイル10を単独で回動して、所定の成形ツール120に対しクイル10の周方向の姿勢を調整できる。
    【0037】
    また、図1,2に示す如く、メインプレート102(線ばね成形ステージ100)の中心に一致する線材1の軸線X1の延長方向には、軸線X1に対して直角になるように複数(本実施例では8個)のリニアスライド110が放射状に配置されている。 このリニアスライド110には、各種の成形ツール120A〜120Eを搭載したツールスライドテーブル112を、クイル10先端の線ばね成形ステージ100に対し前進後退させる駆動源としての第1のサーボモータM110が設けられている。 そして、図2,6,9に示すように、メインプレート102に設置されたサーボモータM110の出力軸とツールスライドテーブル112間には、サーボモータM110の回転を直線運動に変換するクランク機構114が介装されて、ツールスライドテーブル112の進退動作が制御される。
    【0038】
    本実施例で用いる成形ツール120の種類としては、線材を曲げるために使用される「曲げ成形ツール」120A,120B、線材をコイル状に成形する「コイル成形ツール」120C,120Dと、線材を切断する際に使用する「切断成形ツール」120Eがあり、「切断成形ツール」120Eは従来公知の構成であるため、特殊な構成である「曲げ成形ツール」120A,120Bと「コイル成形ツール」120C,120Dについて詳しく説明する。
    【0039】
    図1,2,5,6に示すように、メインプレート102の裏面側には、成形ステージ100を取り囲むようにリングギヤ104が回動可能に支承されている。 図6における符号104aは、リングギヤ104を支承する軸受である。 そして、第2のサーボモータM121(図1参照)の駆動によりリングギヤ104が回動し、曲げ成形ツール120A,120Bに対応する位置に設けられたそれぞれのギヤ式動力伝達機構129を介して、それぞれの曲げ成形ツール120A、120Bにおける回転ユニット121の回転体124が回転するように構成されている。 なお、図1における符号105は、サーボモータM121の出力軸に軸着されたギヤで、リングギヤ104と噛み合っている。
    【0040】
    そして、図5,6,7には、曲げ成形ツール120Aの詳細が図示されている。 曲げ成形ツール120Aを構成するツールスライドテーブル112上には、線材1の軸線X1に向いた前端面に線材係合用の溝123aを設けた固定芯金123と、同じく線材1の軸線X1に向いた前端面に線材掛止用突起124aを設け、固定芯金123の外周に回転可能に支承された回転体124とを備えた曲げ成形回転ユニット121が設けられている。 符号122は、ツールスライドテーブル112上において、曲げ成形回転ユニット121を収容するハウジングで、ハウジング122内には、図6に示すように、中央の固定芯金123と平行に従動軸125が回転可能に支承されるとともに、回転体124の後端部外周に設けたギヤ124bと従動軸125の外周に設けたギヤ125aが噛み合っている。
    【0041】
    従動軸125には、スプライン軸126が同軸状に一体化されており、メインプレート102に固定されたフレーム122aに回転可能に支承された駆動軸である回転筒126aに前記スプライン軸126が係合している。 このため、スプライン軸126と回転筒126aは、このスプライン係合部129aにおいて周方向には固定されて一体に回転するものの、軸方向(図6矢印方向)には相対摺動できるようになっている。 また、回転筒126aの外周には、45度のねじギヤ126bが設けられるとともに、このねじギヤ126bが、メインプレート102の裏面側に設けられているリングギヤ104と噛み合うピニオン127b付き垂直回転軸127の45度のねじギヤ127aと噛み合って、ギヤ式動力伝達機構129が構成されている。 即ち、メインプレート102のリニアスライド110の傍に設けられた垂直軸取り付け孔106(図1参照)には、垂直回転軸127の軸支承部が取り付け固定されて、垂直回転軸127がメインプレート102を貫通してメインプレート102前面側に垂直に延出し、リングギヤ104の回動が垂直回転軸127とねじギヤ127a,126bを介して回転筒126aおよび従動軸125に伝達され、さらにギヤ125a,124bを介して回転体124に伝達される。
    【0042】
    また、モータM110の駆動力は、クランク機構114を介してツールスライドテーブル112を進退させる力として伝達されるが、ハウジング122によりツールスライドテーブル112に搭載されている回転ユニット121および従動軸125は、従動軸125に一体化されたスプライン軸126と、メインプレート102にフレーム122aを介して支持されている回転筒126a間の連結係合部(スプライン係合部)129aにおいて軸方向に摺動できるので、サーボモータM110の駆動によって、ツールスライドテーブル112(曲げ成形ツール120A)はスムーズに摺動(進退動作)する。
    【0043】
    このため、サーボモータM11が駆動して曲げ成形ツール120Aを前進させ、図7に示すように、芯金123の溝123aに線材1を係合させた状態で、サーボモータM121を駆動して回転体124を回転すると、線材掛止用突起126に掛止された線材1が芯金123の溝123aとの係合部を中心に折り曲げられて、線材1を曲げ成形できる。 なお、回転体124の回転方向によって、線材1を左右いずれの方向にも曲げ成形することができる。
    【0044】
    また、曲げ成形ルーツ120Bは、曲げ成形ツール120Aと同一の構造であり、その詳細な説明は省略する。
    【0045】
    なお、サーボモータM121の駆動によりリングギヤ104が回動し、曲げ成形ツール120A,120Bの回転ユニット121(の回転体124)が同時に回転することになる。 しかし、曲げ成形ツール120A,120Bのいずれか一方の回転ユニット121(の回転体125)のみ成形に使用されて、他方は成形に使用されておらず、単に空回りしているに過ぎない。 したがって、成形に直接使用する成形ツールの回転ユニット(の回転体)だけを単独で駆動する場合に比べて、サーボモータM121に作用する負荷はそれほど大きくなるものではなく、スムーズかつスピーディに回転ユニット121(の回転体124)を回動させて、線材1を曲げ成形できる。
    【0046】
    また、サーボモータM121の配設位置は、メインプレート102の下方位置とされており、メインプレート102全体の重心が下方となって、メインプレート102に作用するサーボモータM121の重量による曲げ負荷が少なく、メインプレート102の安定性が確保されている。
    【0047】
    また、コイル成形ツール120C、120Dの詳細は、図8,9,10に示されている。 コイル成形ツール120C、120Dは、コイル成形ツールを構成する進退動作可能なツールスライドテーブル112に、ツールスライドテーブル進退方向と平行な回転軸133をもつ回転体であるツールホルダ132に左巻き用と右巻き用の一対のコイル成形ツール本体134A,134Bを前記回転軸133を挟んで対向して設けたツール回転ユニット131と、回転ユニット131(ツールホルダ132)を回動させるサーボモータM132を搭載した構造となっている。 符号132aは、サーボモータM132の出力軸に軸着されたギヤ、符号133aは、回転軸133に軸着されたギヤで、両ギヤ132a,133aが噛み合うことでモータ駆動力が伝達される。
    【0048】
    このコイル成形ツール120Cでは、サーボモータM132を駆動させることで、左巻き用ツール本体134Aと右巻き用ツール本体134Bの配置を逆にすることができるので、成形ステージ100において線材1と衝合させる左巻き用と右巻き用のツール本体134A,134Bを簡単に切り替えることができる。
    【0049】
    また、図10に示すように、扁平な矩形ブロック状のツールホルダ132の左右側面コーナ部には、線材係合用の溝136aを形成したそれぞれの線材衝合面136が反対向きとなるように左巻き用ツール本体134Aと右巻き用ツール本体134Bが配置されて、右巻き用または左巻き用いずれのツール本体を用いてコイルを成形する際にも、成形コイルがツールホルダ132と干渉することなく延びることができるので、右巻き・左巻きのどちらのコイルについても長い足を確実に成形することができる。
    【0050】
    また、線材1を線材係合用の溝136aに衝合させることでコイルを成形するが、このコイルを成形する際に、サーボモータM132を駆動させて回転ユニット131(ツールホルダ132)を微少量だけ回動させて、線材1に対し線材係合用の溝136aを所定量(微少量)だけずらすことで、成形するコイルの初張力を調整できる。 なお、コイルの初張力の調整は、サーボモータM132の駆動を数値制御することで簡単に設定することができる。
    【0051】
    また、コイル成形ツール120Dは、コイル成形ツール120Cと同一の構造であり、その詳細な説明は省略する。
    【0052】
    また、メインプレート102における各成形ツール配設位置(周方向等分位置)には、曲げ成形ツールに不可欠なギヤ式動力伝達機構129(垂直回転軸127)を配設するための孔106が予め設けられており、いずれの成形ツール配設位置にも曲げ成形ツール120A,120Bを配設することができるので、種々の成形ツールをどのように配置するかという設計の自由度が高く、それだけ設計し易いといえる。
    【0053】
    次に、本実施例に示す線ばね成形装置を使用して線ばねの成形を行う操作について、図11〜16に基づいて説明する。
    【0054】
    図11は成形する線ばねの一例を示す斜視図であり、部分aから始まる成形順序について説明する。 図12は、成形ツールの配置を示し、T1及びT4はコイル成形ツール120C,120D(のツール本体)を、T2及びT5は曲げ成形ツール120B,120A(のツール本体)を、T3は切断成形ツール120E(のツール本体)をそれぞれ示している。 また、コイル成形ツールT1ではコイル成形ツール120Cを左巻き専用に使用(左巻き用ツール本体134Aだけを使用)し、コイル成形ツールT4ではコイル成形ツール120Dを右巻き専用に使用(右巻き用ツール本体134Bだけを使用)している。 また、曲げ成形ツールT2では曲げ成形ツール120Bを左曲げ専用に、曲げ成形ツールT5では曲げ成形ツール120Aを右曲げ専用に使用している。
    【0055】
    そして、この図12において、M1〜M5は各成形ツールT1〜T5を装着したツールスライドテーブル112を進退動作させるサーボモータM110の配置番号であり、M9は、コイル成形ツールT1を回動させるサーボモータM132の配置番号であり、M10は、曲げ成形ツールT2,T5回動用サーボモータM121の配置番号であり、M11は、クイル進退用サーボモータであるスライドテーブル52スライド用サーボモータM50の配置番号である。 図13〜図15は成形工程図で、工程Aから工程Oに至る15工程としてある。 なお、図16は図11に示す線ばねを成形する際のタイムシェアリングである。
    【0056】
    まず、圧送ローラ駆動用サーボモータM22の駆動により、線材1は部分aの長さだけ送り出される。 そして、工程Aの如く、曲げ成形ツールT5進退用サーボモータM110および曲げ成形ツールT5回動用サーボモータM121の駆動、即ち、サーボモータM5およびM10の作動により、曲げ成形ツールT5が前進して芯金123の溝123aが線材1に係合し、回転体124が回動することで折曲部bが成形されると、曲げ成形ツールT5は後退する。
    【0057】
    次に、工程Bの如く、曲げ成形ツールT5の後退位置は線材1から離れる位置で停止し、公転用のサーボモータM30の駆動により、線材1を反時計方向に30°(+30°)回転させ停止する。 この間に圧送ローラ駆動用サーボモータM22の駆動により、線材1は部分cの長さだけ送り出されている。
    【0058】
    次に、工程Cの如く、曲げ成形ツールT5進退用サーボモータM110および曲げ形成ツールT5回動用サーボモータM121の駆動、即ち、サーボモータM5およびM10の作動により、曲げ成形ツールT5が上述の後退位置から再び前進して芯金123の溝123aが線材1に係合し、回転体124が回動することで折曲部dが成形されると、曲げ成形ツールT5は後退する。
    【0059】
    次に、工程Dの如く、曲げ成形ツールT5が線材1から離れる位置で停止し、公転用サーボモータM30の駆動により、線材1を反時計方向に90°(+90°)回転させ、この間に圧送ローラ駆動用サーボモータM22の駆動により、線材1は部分eの長さだけ送り出されている。
    【0060】
    次に、工程Eの如く、曲げ成形ツールT5進退用サーボモータM110および曲げ成形ツールT5回動用サーボモータM121の駆動、即ち、サーボモータM5およびM10の作動により、曲げ成形ツールT5が上述の後退位置から前進して芯金123の溝123aが線材1に係合し、回転体124が回動することで折曲部fが成形されると、曲げ成形ツールT5は後退する。
    【0061】
    次に、工程Fの如く、曲げ成形ツールT5の後退位置が線材1から離れる位置で、公転用サーボモータM30の駆動により線材1を時計方向に90°(−90°)回転させ停止する。 この間にスライドテーブル52スライド用サーボモータM50、即ち、クイル進退用サーボモータM11が駆動して、成形しようとするコイル径に対応する位置までクイル10が後退するとともに、圧送ローラ駆動用サーボモータM22の駆動により、線材1が部分gの長さだけ送り出される。
    【0062】
    次に、工程Gの如く、コイル成形ツールT1進退用サーボモータM110の駆動、即ち、サーボモータM1の作動によりコイル成形ツールT1が所定位置まで前進し、線材1の送り出しが開始されてコイル部hの成形が開始され、工程Hの如く、圧送ローラ駆動用サーボモータM22の駆動により、コイル部hの必要巻数分だけ線材1の送り出しが続けられる。 なお、この工程G,H,Iの間では、コイル成形ツールT1回動用サーボモータM132の駆動、即ち、サーボモータM9の作動により、ツール回転ユニット131(ツールホルダ132)を微少量だけ回転させてツール本体(線材係合用の溝136a)を線材1に対し溝幅方向に僅かにずらすことで、成形するコイルの初張力を調整しながらコイル部hが成形される。 そして、コイル成形ツールT1によるコイル部hの成形が終了すると、コイル成形ツールT1は後退する。
    【0063】
    次に、工程Jの如く、コイル成形ツールT1の後退位置は線材1から離れる位置で、公転用サーボモータM30の駆動により線材1を時計方向に90°(−90°)回転させ停止する。 この間にスライドテーブル52スライド用サーボモータM50、即ち、クイル進退用サーボモータM11の駆動により、クイル10が前進して元の位置まで戻るとともに、圧送ローラ駆動用サーボモータM22の駆動により、線材1は部分iの長さだけ送り出される。
    【0064】
    次に、工程Kの如く、曲げ成形ツールT5進退用サーボモータM110および曲げ成形ツールT5回動用サーボモータM121の駆動、即ち、サーボモータM5およびM10の作動により、曲げ成形ツールT5の芯金123の溝123aが線材1に係合し、回転体124が回動することで折曲部jが成形されると、曲げ成形ツールT5は後退する【0065】
    次に、工程Lの如く、曲げ成形ツールT5の後退位置が線材1から離れる位置で、公転用サーボモータM30の駆動により、線材1を反時計方向に135°(+135°)回転させ停止する。 この間に圧送ローラ駆動用サーボモータM22の駆動により、線材1は部分kの長さだけ送り出されている。
    【0066】
    次に、工程Mの如く、スライドテーブル52スライド用サーボモータM50、即ち、クイル進退用サーボモータM11が駆動して、クイル10の軸線X1方向における位置が調整された後、コイル成形ツールT4進退用サーボモータM110の駆動、即ち、サーボモータM4の作動により、コイル成形ツールT4が前進して線材1に当接し、圧送ローラ駆動用サーボモータM22の駆動により、線材1の送り出しが続けられてコイル部lが成形されると、線材1の送り出しが停止されコイル成形ツールT4は後退する。
    【0067】
    次に、工程Nの如く、コイル成形ツールT4の後退位置が線材1から離れる位置で、圧送ローラ駆動用サーボモータM22の駆動により、線材1は部分mの長さだけ送り出される。 そして曲げ成形ツールT2進退用サーボモータM110および曲げ成形ツールT2回動用サーボモータM121の駆動、即ち、サーボモータM2およびM10の作動により、曲げ成形ツールT2が前進して芯金123の溝123aが線材に係合し、回転体124が回転することで折曲部nが成形されると、曲げ成形ツールT2は後退する。
    【0068】
    次に、工程Oの如く、圧送ローラ駆動用サーボモータM22の駆動により、線材1は部分oの長さだけ送り出され、切断成形ツールT3進退用サーボモータM110の駆動、即ち、サーボモータM3の作動により、切断成形ツールT3が前進して線材1が切断されると、切断成形ツールT3が後退し、図11の形状に成形された線ばねは落下する。
    【0069】
    最後に、公転用サーボモータM30の駆動により線材1を時計方向に30°(−30°)回転させ、線材1に加えた捻りを戻し、成形前の線材1の状態(原点)にする。
    【0070】
    なお、前記した実施例では、コイル成形ツールT1,T4においてツール本体を切り替えることなく、コイル成形ツールT1は左巻き専用、コイル成形ツールT4は右巻き専用として使用されているが、コイル成形ツール回動用サーボモータM132を駆動して左巻き用ツール本体134Aと右巻き用ツール本体134Bを切り替えて使用することで、コイル成形ツールT1,T2のいずれか一方だけを使用するように構成してもよい。
    【0071】
    【発明の効果】
    請求項1によれば、クイル移動手段によりクイルを線材の軸線方向に移動調整することで、線材をコイル成形する際のコイル径を自由に調整できるので、従来では調節ねじにより手動で行っていたコイル径の調整が非常に簡単となる。
    【0072】
    特に、線材圧送手段,公転手段およびクイル移動手段のそれぞれの駆動源であるサーボモータを数値制御することで、種々の大きさの異なるコイル径をもつ線ばねの高速成形が可能となる。
    【0073】
    請求項2によれば、例えば、クイルを成形コイルの側面ガイドとして機能させる場合のように、クイルを周方向所定位置(所定の成形ツールを衝合させるに最適な形態となる位置)まで回動させた形態として、線ばねの適切な曲げ成形ができる。
    【0074】
    請求項3によれば、単一のサーボモータによって複数の曲げ成形ツールの回転体が回転駆動するので、各曲げ成形ツールのスライドテーブルを進退動作させるサーボモータの他には、曲げ成形ツール回転駆動用のサーボモータ1台だけをメインプレートに設ければよく、それだけ成形ステージに配設するサーボモータの数が少なくて済む。
    【0075】
    請求項4によれば、曲げ成形ツールのスムーズな進退動作が確保されるので、線ばねの高速曲げ成形ができる。 特に、メインプレート側の駆動軸を円筒型とし、円筒型の駆動軸の内側に成形回転ユニット側の従動軸を配設し、従動軸外周面と駆動軸内周面間をスプライン溝係合させて両軸が軸方向に相対摺動できかつ周方向に固定されるように構成した場合は、曲げ成形ツールの正確な進退動作および回動動作が確保されて、線ばねの高精度の曲げ成形ができる。
    【0076】
    請求項5によれば、メインプレートの周方向における任意の位置に曲げ成形ツールを配設することができるので、成形ステージに配設する成形ツールのレイアウトの自由度が高く、それだけ成形ステージの設計が容易となる。
    【0077】
    請求項6によれば、第3のサーボモータを数値制御することで、コイルの初張力を簡単に調整できる。
    【0078】
    また、コイル成形ツールでは、第3のサーボモータの駆動により、線材と衝合する右巻き用と左巻き用のツール本体を切り替えることで、右巻き・左巻きいずれのコイルを成形する場合においても、成形コイルがツールホルダと干渉しないようにできるので、いずれの場合も長い足を成形できる。
    【0079】
    【図面の簡単な説明】
    【図1】本発明に係る線ばね成形装置の第1の実施例の全体正面図である。
    【図2】一部を断面で示す同装置の左側面図である。
    【図3】回転フレーム周辺の水平断面図である。
    【図4】クイル周辺の拡大断面図である。
    【図5】曲げ成形ツールの正面図である。
    【図6】曲げ成形ツールの縦断面図(図5に示す線VI−VIに沿う断面図)である。
    【図7】曲げ成形ツールの要部斜視図である。
    【図8】コイル成形ツールの平面図である。
    【図9】コイル成形ツールの縦断面図(図8に示す線IX−IXに沿う断面図)である。
    【図10】ツールホルダにおける右巻き用と左巻き用のコイル成形用ツール本体の配置を示す図である。
    【図11】同装置で成形する線ばねの1例を示す斜視図である。
    【図12】成形ステージにおける各種成形ツールの配置図である。
    【図13】図11に示す線ばねを成形する工程を示すである。
    【図14】図11に示す線ばねを成形する工程を示す図である。
    【図15】図11に示す線ばねを成形する工程を示す図である。
    【図16】図11に示す線ばねを成形する工程のタイムシェアリングを示す図である。
    【符号の説明】
    1 線材X1 線材の軸線2 架台3 固定フレーム4 スライドユニット10 線材ガイドであるクイル20 線材圧送手段21 回転フレーム21a 回転フレームのディスク部22 圧送ローラM22 圧送ローラ駆動用のサーボモータ30 公転手段33 公転手段を構成するリングギヤM30 公転用のサーボモータ40 クイル回転手段M40 クイル回転駆動用のサーボモータ50 クイル移動手段であるリニアウェイスライド52 リニアウェイスライドテーブルM50 リニアウェイスライド駆動用(クイル進退用)のサーボモータ100 成形ステージ102 メインプレート104 曲げ成形ツールの回転駆動機構を構成するリングギヤ106 ギヤ式動力伝達機構配設用の孔110 リニアスライドM110 成形ツール進退用のサーボモータ(第1のサーボモータ)
    112 ツールスライドテーブル114 第1のサーボモータの駆動をツールスライドテーブルに伝達するクランク機構T(120) 成形ツールT5(120A),T2(120B)曲げ成形ツールT1(120C),T4(120D)コイル成形ツールT3(120E)切断成形ツールM121 曲げ成形ツール回動用のサーボモータ(第2のサーボモータ)
    123 曲げ成形回転ユニットを構成する固定芯金123a 芯金前端面に設けた線材係合用の溝124 曲げ成形回転ユニットを構成する回転体124a 回転体前端面に設けた線材掛止用突起125 従動軸126 従動軸である曲げ成形回転ユニット側のスプライン軸127 垂直回転軸126a 駆動軸である回転筒129 リングギヤの回動力を曲げ成形ツールの回転体に伝達するギヤ式動力伝達機構129a ギヤ式動力伝達機構におけるセレーション係合部132 コイル成形用ツール本体装着用の回転体であるツールホルダM132 コイル成形用ツールホルダ回動用(左巻きと右巻き切り替え用・初張力調整用)のサーボモータ(第3のサーボモータ)
    134A 左巻き用ツール本体134B 右巻き用ツール本体

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