線ばね成形装置

申请号 JP2011538152 申请日 2009-10-28 公开(公告)号 JPWO2011052051A1 公开(公告)日 2013-03-14
申请人 オリイメック株式会社; 发明人 赴仁 高橋; 赴仁 高橋;
摘要 【課題】スライドプレートの数を増やすが、駆動源であるサーボモータの数を増やす必要がない線ばね成形装置を提供する。【解決手段】線材41を案内するクイル6周りに配置した旋回テーブル10と、テーブル10の周方向略等分複数箇所に放射状に配置した進退可能なスライドユニット15と、テーブル10外側のスライドユニット16と半径方向に対応する複数箇所に配置した、サーボモータM3の駆動で半径方向に進退可能なスライドプレート33を備え、所望のスライドプレート33の前進が、対応するスライドユニット16を突き押しして前進させ、スライドユニット16に装着した工具Tをクイル6から送り出される線材41に衝合させて線ばねを成形する装置で、スライドプレート33を接近させて円環状に配置し、隣接する一対のスライドプレート33,33毎に対応付けて設けた一のサーボモータM3の駆動により、一対のスライドプレート33,33を択一的に前進させる。
权利要求
  • 線材を案内するクイルと、前記クイルの周りを回動可能に配置された旋回テーブルと、前記旋回テーブルの周方向略等分複数箇所に放射状に配置され、旋回テーブルの半径方向に進退動作可能なスライドユニットと、前記旋回テーブルの外側であって前記スライドユニットと半径方向に対応する周方向略等分複数箇所に配置され、駆動源であるサーボモータの駆動により半径方向に進退動作可能なスライドプレートとを備え、所望のスライドプレートの前進が該スライドプレートと半径方向に対応する位置にあるスライドユニットをクイルの中心線に対して直角又は略直角に突き押しして前進させ、該スライドユニットに装着した工具をクイルの先端部から送り出される線材に衝合させて線ばねを成形する線ばね成形装置において、
    周方向に隣接する一対のスライドプレート毎に一のサーボモータが対応して設けられるとともに、該サーボモータの駆動によって前記一対のスライドプレートが択一的に前進するように構成されたことを特徴とする線ばね成形装置。
  • 前記スライドプレートは、周方向に隣接するもの同士が干渉しない範囲で接近する円環状に配列されたことを特徴とする請求項1に記載の線ばね成形装置。
  • 前記スライドプレートの前端部には、その内面の曲率中心がクイルの中心線上にほぼ一致する円弧に設定された円弧カムが設けられ、前記スライドユニットの後端部には、前記スライドプレートの円弧カムに当接するカムフォロワが設けられたことを特徴とする請求項1または2に記載の線ばねの成形装置。
  • 前記一対のスライドプレートには、半径方向に延在する一対のラックが対向して設けられ、前記一対のスライドプレートに対し略直交して前記一対のラック間に配設された前記一のサーボモータの出力軸には、該出力軸の正逆略半回転以内で前記一対のラックと択一的に噛み合う半円弧状ピニオンが軸着されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の線ばね成形装置。
  • 前記一対のスライドプレートに対し略直交して両スライドプレート間に配設された前記サーボモータの出力軸には、その回転中心から半径方向に等距離離間し周方向に所定角度離間する一対のピンを突設させた回転ディスクが軸着され、前記一対のスライドプレートの後端側には、前記モータの出力軸の正逆略半回転以内で前記一対のピンが択一的に係合する切欠きが対向して設けられたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の線ばね成形装置。
  • 说明书全文

    本発明は、線材を案内するクイルを中心にして放射状に配置された複数個の成形工具をクイルの中心線廻りに所望の度に旋回させた状態で、所望の成形工具をクイルの中心線に対して直角又は略直角に前進させ、クイルの先端部から送り出される線材に衝合させて線ばねを成形する線ばね成形装置に関する。

    下記特許文献1には、線材を案内するクイルと、前記クイルの周りを回動可能に配置された旋回テーブルと、前記旋回テーブルの周方向略等分複数箇所に放射状に配置され、旋回テーブルの半径方向に進退動作可能なスライドユニットと、前記旋回テーブルの外側であって前記スライドユニットと半径方向に対応する周方向略等分複数箇所に配置され、駆動源であるサーボモータの駆動により半径方向に進退動作するスライドプレートとを備え、所望のスライドプレートの前進が該スライドプレートと半径方向に対応する位置にあるスライドユニットを突き押ししてクイルの中心線に対して直角又は略直角に前進させ、該スライドユニットに装着した工具をクイルの先端部から送り出される線材に衝合させて線ばねを成形する線ばね成形装置� ��記載されている。

    特許第3344092号(特開平10−29028)

    前記特許文献1に示す線ばね成形装置では、例えば、旋回テーブルの周方向等分8箇所にスライドユニットが設けられ、スライドユニットを前進させるスライドプレートおよびその駆動源であるサーボモータもそれぞれ周方向等分8箇所に設けられている。 しかし、周方向に隣接するスライドプレートが互いに離れているため、このスライドプレートが配置されていない所定の方向からはスライドユニットを前進させることができない。 即ち、工具を線材に衝合させることのできない方向(死角)が多く(実施例では8方向)存在しているため、最良の方向に線材を曲げ成形できない場合があって、それだけ高精度のばね成形ができないという問題があった。

    そこで、発明者は、放射状に配置するスライドプレートの数を増やして、工具を線材に衝合させることのできない方向(死角)を減少させようと考えた。 しかし、確かに死角が減る分、高精度のばね成形が可能となるが、以下に示す二つの新たな問題が提起された。

    第1には、サーボモータの数もスライドプレートの数相当だけ必要となって、線ばね成形装置の大幅なコストアップを招く。

    第2には、周方向に隣接するスライドユニットが互いに離間して配置されている以上、死角が全くなくなるものではない。

    そこで、発明者は、前記した第1の問題に対しては、旋回テーブルの外側に配置するスライドプレートの数を増やすとともに、周方向に隣接する一対のスライドプレート毎に一のサーボモータを対応させて設け、該サーボモータの駆動によって対応する一対のスライドプレートが択一的に前進するようにすれば、工具を線材に衝合させることのできない方向(死角)が減少するし、サーボモータの数もスライドプレートの数の半分で済む、と考えた。

    また、前記した第2の問題に対しては、周方向に隣接するスライドプレートを互いに干渉しない範囲でできるだけ接近させて円環状に配列すれば、旋回テーブルを所定角度回動して所定の角度だけ傾斜させたスライドユニットは必ずいずれかのスライドプレートと半径方向に対応することになるので、360度のあらゆる方向から工具を線材に衝合させることができる(死角がなくなる)、と考えた。

    そして、実際に装置を試作してその効果を検証したところ、非常に有効あることが確認されたので、このたびの出願に至ったものである。

    本発明は、前述した従来技術の問題点および発明者の前記した知見に基づきなされたもので、その第1の目的は、工具を線材に衝合させることのできない方向(死角)を減らすために、旋回テーブルの外側に配置するスライドプレートの数を増やすが、駆動源であるサーボモータの数を増やす必要のない線ばね成形装置を提供することにある。

    また、第2の目的は、360度のあらゆる方向から工具を線材に衝合させることができる(死角の全くない)線ばね成形装置を提供することにある。

    前記した第1の目的を達成するために、請求項1に係る線ばね成形装置においては、線材を案内するクイルと、前記クイルの周りを回動可能に配置された旋回テーブルと、前記旋回テーブルの周方向略等分複数箇所に放射状に配置され、旋回テーブルの半径方向に進退動作可能なスライドユニットと、前記旋回テーブルの外側であって前記スライドユニットと半径方向に対応する周方向略等分複数箇所に配置され、駆動源であるサーボモータの駆動により半径方向に進退動作可能なスライドプレートとを備え、所望のスライドプレートの前進が該スライドプレートと半径方向に対応する位置にあるスライドユニットをクイルの中心線に対して直角又は略直角に突き押しして前進させ、該スライドユニットに装着した工具をクイルの先端部から� ��り出される線材に衝合させて線ばねを成形する線ばね成形装置において、
    周方向に隣接する一対のスライドプレート毎に一のサーボモータを対応して設けるとともに、該サーボモータの駆動によって前記一対のスライドプレートが択一的に前進するように構成した。

    サーボモータの駆動によって一対のスライドプレートを択一的に前進させる具体的なスライドプレート駆動機構としては、例えば、ラック・ピニオン式動伝達機構と変形ゼネバ式動力伝達機構が考えられる。

    そして、ラック・ピニオン式動力伝達機構は、請求項4に示すように、前記一対のスライドプレートに設けられて半径方向に延在する一対のラックと、前記一対のスライドプレートに対し略直交して前記一対のラック間に配設された前記一のサーボモータの出力軸に軸着されて前記一対のラックと択一的に噛み合う半円弧状ピニオンで構成されている。

    また、変形ゼネバ式動力伝達機構は、請求項5に示すように、前記一対のスライドプレート間に配設された前記一のサーボモータの出力軸に軸着され、その回転中心から半径方向に等距離離間し周方向に所定角度離間する一対のピンを突設させた回転ディスクと、前記一対のスライドプレートの後端側に対向して設けられ、前記サーボモータの出力軸の正逆略半回転以内で前記一対のピンと択一的に係合する一対の切欠きで構成されている。

    (作用)旋回テーブルを回動して、所望のスライドユニット(工具)をクイルの中心線廻りに所望の角度に旋回させた状態にして、所望のサーボモータを駆動して所望のスライドプレートを前進させると、該スライドプレートに突き押しされた所望のスライドユニット(工具)がクイルの中心線に対して直角又は略直角に前進して、クイルの先端部から送り出される線材に衝合する。

    周方向に隣接する一対のスライドプレートが対応する一のサーボモータの駆動によって択一的に前進するので、スライドユニット(工具)を前進(進退動作)させるために必要なサーボモータの総数はスライドプレートの数の半分で済む。

    また、サーボモータの数を増やすことなく、スライドプレートの数を例えば2倍に増やすことで、従来装置では困難であった方向から工具を線材に衝合させることができる(工具を線材に衝合させることのできない角度(死角)が減る)。

    また、前記した第2の目的を達成するために、請求項2においては、請求項1に記載の線ばねの成形装置において、前記スライドプレートを、周方向に隣接するもの同士が干渉しない範囲で接近する円環状に配列するように構成した。

    (作用)スライドプレートを周方向に互いに接近するように円環状に配列したので、360度の如何なる方向からでも工具を線材に衝合させることができる(工具を線材に衝合させることのできない方向(死角)がない)。

    また、請求項3においては、請求項1または2に記載の線ばねの成形装置において、前記スライドプレートの前端部に、その内面の曲率中心がクイルの中心線上にほぼ一致する円弧に設定された円弧カムを設け、前記スライドユニットの後端部に、前記スライドプレートの円弧カムに当接するカムフォロワを設けるように構成した。

    (作用)スライドユニットは、スライドプレートに突き押しされて前進するが、スライドユニットの進退方向とスライドプレートの進退方向がずれている場合は、スライドプレートとスライドユニット間の当接部に摩擦や曲げモーメントなどの負荷が発生して、スライドユニットのスムーズな前進が妨げられるおそれがあるが、スライドユニット後端部のカムフォロワがスライドプレート前端部の円弧カムと当接可能な範囲内であれば、スライドプレートがスライドユニットを突き押しする際に、カムフォロワが円弧カムの内面に沿って転動して、スライドプレートとスライドユニット間の当接部に摩擦や曲げモーメントなどの負荷が発生することを抑制する。

    請求項4においては、請求項1〜3のいずれかに記載の線ばね成形装置において、前記一対のスライドプレートに、半径方向に延在する一対のラックを対向して設け、前記一対のスライドプレートに対し略直交するように前記一対のラック間に配設した前記一のサーボモータの出力軸に、該出力軸の正逆略半回転以内で前記一対のラックと択一的に噛み合う半円弧状ピニオンを軸着するように構成した。

    (作用)周方向に隣接する一対のスライドプレートは、一対のスライドプレートに対応するサーボモータの出力軸(に軸着された半円弧状ピニオン)の正逆回転によって択一的に前進する。

    例えば、図5(a)に示すように、サーボモータの出力軸(半円弧状ピニオン)が正方向(時計回り)に回転すると、半円弧状ピニオンと一方のラックが噛み合って、該ラック(スライドプレート)が所定位置まで前進する。 その後、図5(b)に示すように、サーボモータの出力軸(半円弧状ピニオン)が逆方向(反時計回り)に元の位置まで回転すると、前進した位置にあるラック(スライドプレート)が元の位置まで後退する。 この間、半円弧状ピニオンと他方のラックは噛み合わないため、他方のラック(スライドプレート)が進退動作することはない。

    一方、図6(a)に示すように、サーボモータの出力軸(半円弧状ピニオン)が逆方向(反時計回り)に回転し、その後、図6(b)に示すように、正方向(時計回り)に回転した場合は、半円弧状ピニオンと他方のラックが噛み合って、該ラック(スライドプレート)が所定位置まで前進し、その後、元の位置まで後退する。 この間、半円弧状ピニオンと一方のラックは噛み合わないため、一方のラック(スライドプレート)が進退動作することはない。

    請求項5においては、請求項1〜3のいずれかに記載の線ばね成形装置において、前記一対のスライドプレートに対し略直交するように両スライドプレート間に配設した前記サーボモータの出力軸に、その回転中心から半径方向に等距離離間し周方向に所定角度離間する一対のピンを突設させた回転ディスクを軸着し、前記一対のスライドプレートの後端側に、前記モータの出力軸の正逆略半回転以内で前記一対のピンが択一的に係合する一対の切欠きを対向して設けるように構成した。

    (作用)一対のスライドプレートは、サーボモータの出力軸(回転ディスク)の正逆回転によって択一的に前進する。 例えば、一対のスライドプレートと旋回テーブル間には、それぞれ引張りコイルばねが介装されて、一対のスライドプレートは、常に半径方向外側にばね付勢保持されている。 そして、図7(a)に示すように、引張りコイルばねのばね力に抗してサーボモータの出力軸(回転ディスク)が正方向(時計回り)に回転すると、一方のスライドプレートの切欠きが一方のピンに係合し、一方のスライドプレートは、半径方向前方に突き押しされて所定位置まで前進する。 その後、サーボモータの出力軸(回転ディスク)が逆方向(反時計回り)に元の位置まで回転すると、引張りコイルばねのばね力によって、前進した位置にあるスライドプレート(の切欠き)が元の位置まで後退する。 この間、右のピンと右スライドプレートの切欠きとは係合しないため、右スライドプレートが進退動作することはない。

    一方、図8に示すように、引張りコイルばねのばね力に抗してサーボモータの出力軸(回転ディスク)が逆方向(反時計回り)に回転し、その後、正方向(時計回り)に回転した場合は、他方のスライドプレートの切欠きが他方のピンに係合し、他方のスライドプレート(の切欠き)は、半径方向前方に突き押しされて所定位置まで前進し、その後、引張りコイルばねのばね力によって、元の位置まで後退する。 この間、一方のピンと一方のスライドプレートの切欠きとは係合しないため、一方のスライドプレートが進退動作することはない。

    本発明に係る線ばね成形装置によれば、スライドプレート毎にサーボモータが必要であった従来の装置と比べてサーボモータの数が半分になる(サーボモータの数が少ないにもかかわらず従来の線ばね成形装置と同等の性能が得られる)ので、線ばね成形装置のコストを大幅に低減できる。

    また、スライドプレートの数を例えば2倍に増やすことで従来の装置では困難であった方向から工具を線材に衝合させることができる(工具を線材に衝合させることのできない角度(死角)が減る)ので、線ばね成形装置の性能が大幅に向上する。

    請求項2によれば、360度の如何なる方向からでも線材を加工できる(工具を線材に衝合させることのできない方向(死角)がない)ので、高精度の線ばね成形が可能となる。

    請求項3によれば、スライドユニットの進退方向とスライドプレートの進退方向が多少ずれていても、スライドプレートとスライドユニット間の当接部に摩擦や曲げモーメントなどの負荷が発生しないので、スライドユニット(工具)のスムーズな前進が確保されて、装置の長期の耐久性が保証される。

    請求項4によれば、ラック・ピニオン式動力伝達機構では、半円弧状ピニオンの回転にラック(スライドプレート)の進退動作が確実に連係(追随)するので、スライドプレートを初期位置に復帰させるためのばね部材等の部材が不要な分、装置構造が簡潔となる。

    請求項5によれば、変形ゼネバ式動力伝達機構に加えて、スライドプレートを初期位置に復帰させるための引張りばね部材が必要な分、スライドプレート進退機構としては構成部品点数が増えるものの、ラック・ピニオン式動力伝達機構に比べて変形ゼネバ式動力伝達機構の構成が簡潔である分、スライドプレート進退機構の設計が容易で、それだけ装置を安価に提供できる。

    本発明に係る線ばね成形装置の第1の実施例の全体正面図である。

    同装置の左側面図である。

    同装置の上部基盤の拡大正面図である。

    上部基盤の縦断面図(図3に示す線V−Vに沿う断面図)である。

    線ばね成形装置の要部であるスライドプレート駆動機構(ラック・ピニオン式動力伝達機構)を示し、(a)は一方のスライドプレート前進前のスライドプレート駆動機構の正面図、(b)は一方のスライドプレート前進後のスライドプレート駆動機構の正面図である。

    線ばね成形装置の要部であるスライドプレート駆動機構(ラック・ピニオン式動力伝達機構)を示し、(a)は他方のスライドプレート前進前のスライドプレート駆動機構の正面図、(b)は他方のスライドプレート前進後のスライドプレート駆動機構の正面図である。

    本発明に係る線ばね成形装置の第2の実施例の要部であるスライドプレート駆動機構(変形ゼネバ式動力伝達機構)を示し、(a)は一方のスライドプレート前進前のスライドプレート駆動機構の正面図、(b)は一方のスライドプレート前進後のスライドプレート駆動機構の正面図である。

    同スライドプレート駆動機構(ラック・ピニオン式動力伝達機構)を示し、(a)は他方のスライドプレート前進前のスライドプレート駆動機構の正面図、(b)は他方のスライドプレート前進後のスライドプレート駆動機構の正面図である。

    以下、本発明に係る線ばねの成形方法及び装置を図面に基づいて詳細に説明する。

    図1,2において、符号1は、その上部に上部基盤2を支持しており、サーボモータ(線材41を圧送するための一対の圧送ローラ駆動用サーボモータM1と、旋回テーブル10を旋回駆動するサーボモータM2と、スライドユニット15の前進・後退を行うためのサーボモータM3)位置決め駆動用の多軸数値制御装置(図示した実施例ではスライドユニット15が8個あるので10軸数値制御装置)が内蔵されている架台である。 上部基盤2には全てのサーボモータ10台と線ばね成形のための機械要素とが装着されている。

    符号3は、図3に示すように、線材41を圧送するための一対の圧送ローラであり、サーボモータM1の駆動軸3aに固定された歯車に噛み合っている歯車列を介して駆動されて、設定された所定長さだけ線材41をクイル(線材41の案内ガイド)6に圧送する。

    符号5は、図4に示すように、上部基盤2にクロスローラベアリングを介して回転自在に支持されているマンドレルで、その中心部にクイル6が着脱可能に固定されている。 クイル6は線材の挿通穴の中心線、即ちクイル6の中心線を中心に回転可能であるが、上部基盤2に固定されたベアリング押えリング2aに固定されて回転不能な状態で使用される。

    符号9は、上部基盤2に固定されている中間クイルで、線材41はこの中間クイル9を経て圧送ローラ3によりクイル6に案内され、装置の前面に送り出されて線ばねに成形される。

    符号10は、クイル6の中心線を中心にクロスローラベアリングを介して回転自在に上部基盤2に支持されている旋回テーブルであり、図4に示すように、サーボモータM2の出力軸に固定されたギヤ13と噛み合っているリングギヤ11を介してクイル6の中心線を中心にして旋回して所定旋回位置に位置決め駆動される。

    この旋回テーブル10の表面には、図3,4に示すように、トラックレール14とスライドユニット15で構成された8個のボール式リニアウェイ16がクイル6の中心線に対して直角になるように放射状に配置されている。 トラックレール14は、旋回テーブル10の表面において半径方向に延在し、スライドユニット15は、トラックレール14に沿って摺動可能に組みつけられている。

    このリニアウェイ16のクイル6側を「前部」と、またその反対の外側を「後部」といい、スライドユニット15をクイル6側に摺動させることを「前進」といい、またその逆方向に摺動させることを「後退」という。

    そして、スライドユニット15の前端側には、図3,4に示すように、成形工具(コイル成形工具,切断工具,受金工具,心金工具等)Tが装着されるとともに、スライドユニット15の後端部には、後述するスライドプレート33の前端部に設けた円弧カム40に当接するカムフォロア21が設けられている。 また、スライドユニット15の前端部側とトラクレール14の後端部間には、図3,5に示すように、ばね部材である引張コイルばね24が介装されて、スライドユニット15後端部側の接片22がトラックレール14後端部側のストッパ23に付勢当接して、スライドユニット15の初期位置が設定されている。

    旋回テーブル10の外方には、図1,図3及び図4に示すように、周方向略等分16箇所に半径方向に進退動作可能なスライドプレート33が放射状に配置されている。 16個のスライドプレート33は、周方向に隣接する一対毎に一のスライドガイド32にガイドされて、それぞれが半径方向にスライド可能に組み付けられている。 また、周方向に隣接する一対のスライドプレート33,33は、図4,5,6に示すように、対応する単一のサーボモータM3の駆動によって、択一的に進退動作するように構成されている。

    また、スライドプレート33の前端部には、図3及び図4に示すように、円弧カム40がその円弧を成す内面40aをクイル6に向けて取着されており、サーボモータM3の駆動によって、択一的に進退動作するスライドプレート33(前縁部の円弧カム40)がスライドユニット15を最もクイル6方向に前進させた位置である基準位置まで前進させ、クイル6の先端から送り出される線材41に成形工具Tを衝合させて線ばねを成形するのである。

    この場合、円弧カム40の内面40aは、その曲率中心がスライドユニット15を基準位置にまで前進させた時点の円弧カム40の位置においてクイル6の中心線上に一致するように設計されており、この円弧カム40によりリニアウェイ16を作動できる所定の角度内であれば、リニアウェイ16の位置がこの間のいずれの角度にあっても、基準位置まで前進させた成形工具Tの前進度合が変化しないよう構成されている。

    特に、スライドユニット15の後端部には、円弧カム40に当接するカムフォロア21が設けられているので、スライドプレート33の前進に伴って、円弧カム40がカムフォロア21を突き押しするが、スライドプレート33の前進方向とスライドユニット15の前進方向に角度差があっても、カムフォロア21が円弧カム40の内面30aに沿って転動することで、スライドプレート33とスライドユニット15間の当接部に摩擦や曲げモーメントなどの負荷が発生しないので、スライドユニット15をスムーズに前進させることができる。

    また、円弧カム40は、周方向に隣接するカム39同士が干渉しない範囲で接近する円弧状に配列されて、360度の如何なる方向からでも工具Tを線材41に衝合させることができる(工具Tを線材41に衝合させることのできない方向(死角)がない)ように構成されている。

    また、成形後のスライドユニット15の後退及びリニアウェイ16の旋回等の関連動作は成形工具Tの前進の場合の全く逆の動作によって行われるが、これは多軸数値制御によって容易に調整可能である。

    また、一対のスライドプレート33,33には、半径方向に延在する一対のラック17,17が対向して設けられ、一方、一対のラック17,17間に配設された一のサーボモータM3の出力軸35には、該出力軸35の正逆略半回転以内で一対のラック17,17と択一的に噛み合う半円弧状ピニオン36が軸着されている。

    即ち、一対のスライドプレート33,33とこれらに対応する一のサーボモータM3の出力軸35間には、サーボモータM3の駆動によって一対のスライドプレート33,33を択一的に進退動作させるラック・ピニオン式動力伝達機構Aが介装されている。

    具体的には、ラック・ピニオン式動力伝達機構Aは、一対のスライドプレート33,33に固着されて半径方向に延在する一対のラック17,17と、一対のラック17,17間に配設された一のサーボモータM3の出力軸35に軸着されて、該出力軸35の正逆略半回転以内で一対のラック17,17と択一的に噛み合う半円弧状ピニオン36で構成されている。 ピニオン36には、周方向略半分の領域にのみ、ラック17の歯部と噛み合う歯部36aが形成されて、サーボモータM3の出力軸35(ピニオン36)の回転方向によって、歯部36aが一方のラック17とのみ択一的に噛み合うようになっている。

    次に、一のサーボモータM3の駆動によって、対応する一対のスライドプレート33,33が択一的に進退動作して、スライドプレート33,33と半径方向に対応するスライドユニット15を進退動作させるラック・ピニオン式動力伝達機構Aの作用を、図5,6を参照して説明する。

    図5(a)に示すように、スライドユニット15が一対のスライドプレート33(33A),33(33B)の一方33Aと半径方向に対応する位置において、サーボモータM3の出力軸35(半円弧状ピニオン36)が、符号R1で示す正方向(時計回り)に回転すると、半円弧状ピニオン36と一方のラック17(17A)が噛み合って、図5(b)に示すように、一方のラック1717A(スライドプレート33A)が所定位置まで前進する。 このため、スライドプレート33前端部の円弧カム40に突き押しされたスライドユニット15は、その後端部がストッパ23に当接する初期位置から、引張りばね24のばね力に抗して、先端の成形工具Tがクイル6に正対する基準位置まで前進する。

    その後、サーボモータM3の出力軸35(半円弧状ピニオン36)が、符号R2で示す逆方向(反時計回り)に元の位置まで回転すると、前進した位置にあるラック17A(スライドプレート33A)が、図5(a)に示す元の位置まで後退する。 このため、スライドプレート33Aの後退に伴って、スライドユニット15は、引張りばね24のばね力によって、図5(a)に示す元の位置(初期位置)まで後退する。

    この間、半円弧状ピニオン36と他方のラック17Bは噛み合わないため、他方のラック17B(スライドプレート33B)が進退動作することはない。

    一方、図6(a)に示すように、スライドユニット15が他方のスライドプレート33Bと半径方向に対応する位置において、サーボモータM3の出力軸35(半円弧状ピニオン36)が、符号R2で示す逆方向(反時計回り)に回転し、その後、符号R1で示す正方向(時計回り)に回転した場合は、半円弧状ピニオン36と他方のラック17Bが噛み合って、図6(b)に示すように、他方のラック17B(スライドプレート33B)が所定位置まで前進し、その後、図6(a)に示す元の位置まで後退する。 このとき、スライドプレート33Bに突き押しされたスライドユニット15は、引張りばね24のばね力に抗して、先端の成形工具Tがクイル6に正対する基準位置まで前進し、その後、スライドプレート33Bの後退に伴って、図6(b)に示す初期位置まで後退する。

    この間、半円弧状ピニオン36と一方のラック17Aは噛み合わないため、一方のラック17A(スライドプレート33A)が進退動作することはない。

    なお、スライドユニット15(成形工具T)の前進後退の基本的な作用について説明したが、サーボモータM2による旋回テーブル(スライドユニット15)の旋回位置決め駆動操作と、サーボモータM3による円弧カム40(成形工具T)の前進後退位置決め駆動操作と、サーボモーM1による線材41を送り出す圧送ローラ3の回転位置決め駆動操作は、多軸数値制御装置によって互いに同期させる制御で行う。

    図7および8は、本発明に係る線ばね成形装置の第2の実施例の要部であるスライドプレート駆動機構(変形ゼネバ式動力伝達機構)を示す。

    前記した第1の実施例(図1〜6)では、一対のスライドプレート33,33とこれらに対応する一のサーボモータM3間に介装された動力伝達機構(スライドプレート駆動機構)が、一対のスライドプレート33,33に設けられて半径方向に延在する一対のラック17,17と、一対のスライドプレート33,33に対し略直交するように一対のラック17,17間に配設された一のサーボモータMの出力軸35に軸着され、サーボモータM3の出力軸35の正逆略半回転以内で一対のラック17,17と択一的に噛み合う半円弧状ピニオン36で構成したラック・ピニオン式動力伝達機構Aで構成されているが、この第2の実施例では、一対のスライドプレート33,33とこれらに対応する一のサーボモータM3間に介装された動力� ��達機構が、一対のスライドプレート33,33間に配設された一のサーボモータMの出力軸35に軸着され、その回転中心から半径方向に等距離離間し周方向に所定角度離間する一対のピン(カムフォロワ)39,39を突設させた回転ディスク38と、一対のスライドプレート33,33の後端側に対向して設けられ、サーボモータM3の出力軸35の正逆略半回転以内で一対のピン(カムフォロワ)39,39と択一的に係合する一対の切欠き37,37で構成した変形ゼネバ式動力伝達機構Bで構成されている。

    即ち、一対のスライドプレート33,33間に配設されたサーボモータM3の出力軸35には、その回転中心から半径方向に等距離離間し周方向に所定角度離間する一対のピン(カムフォロワ)39,39を突設させた回転ディスク38が軸着されている。 一方、一対のスライドプレート33,33の後端側には、サーボモータM3の出力軸35の正逆略半回転以内で回転ディスク38側の一対のピン(カムフォロワ)39,39と択一的に係合する一対の切欠き37,37が対向して設けられている。

    次に、一のサーボモータM3の駆動によって、対応する一対のスライドプレート15,15が択一的に進退動作して、スライドプレート33,33と半径方向に対応するスライドユニット15を進退動作させる変形ゼネバ式動力伝達機構Bの作用を図7,8を参照して説明する。

    図7,8に示すように、一対のスライドプレート33,33前端側と上部基盤2外周部間には、それぞれ引張りコイルばね34が介装されて、一対のスライドプレート33,33は、それぞれの後端部が上部基盤2に設けたストッパ23aに当接する方向にばね付勢保持されている。

    そして、図7(a)に示すように、スライドユニット15が一対のスライドプレート33(33A),33(33B)の一方33Aと半径方向に対応する位置において、サーボモータM3の出力軸35(回転ディスク38)が、符号R1で示す正方向(時計回り)に回転すると、図7(b)に示すように,一方のスライドプレート33Aの切欠き37(37A)に一方のピン(カムフォロワ)39(39A)が係合して、スライドプレート33Aを半径方向前方に突き押しするので、スライドプレート33Aは、引張りばね34のばね力に抗して所定位置まで前進する。 このため、スライドプレート33A前端部の円弧カム40に突き押しされたスライドユニット15は、引張りばね24のばね力に抗して、先端の成形工具Tがクイル6に正対する基準位置まで前進する。

    その後、サーボモータM3の出力軸35(回転ディスク38)が、符号R2で示す逆方向(反時計回り)に元の位置まで回転すると、前進した位置にあるスライドプレート33Aが、引張りコイルばね34のばね力によって、図7(a)に示す元の位置まで後退する。 このため、スライドプレート33Aの後退に伴って、スライドユニット15は、引張りコイルばね24のばね力によって、図7(a)に示す元の位置(初期位置)まで後退する。

    この間、他方のピン(カムフォロワ)39Bと他方のスライドプレート33Bの切欠き37Bとは係合しないため、他方のスライドプレート33Bが進退動作することはない。

    一方、図8(a)に示すように、スライドユニット15が他方のスライドプレート33Bと半径方向に対応する位置において、サーボモータM3の出力軸35(回転ディスク38)が符号R2で示す逆方向(反時計回り)に回転し、その後、符号R1で示す正方向(時計回り)に回転した場合は、他方のスライドプレート33B(の切欠き37B)が他方のピン(カムフォロワ)39Bによって半径方向前方に突き押しされて、引張りコイルばね34のばね力に抗して所定位置まで前進し、その後、図8(a)に示す元の位置まで後退する。 このとき、スライドプレート33Bに突き押しされたスライドユニット15は、引張りコイルばね24のばね力に抗して、先端の成形工具Tがクイル6に正対する基準位置まで前進し、その後、スライドプレート33Bの後退に伴って、図8(a)に示す初期位置まで後退する。

    この間、一方のピン(カムフォロワ)39Aと一方のスライドプレート33Aの切欠き37Aとは係合しないため、一方のスライドプレート33Aが進退動作することはない。

    なお、前記した第1,第2の実施例では、一のサーボモータM3の駆動によって、対応する一対のスライドプレート15,15を択一的に進退動作させて、スライドプレート33,33と半径方向に対応する位置にあるスライドユニット15(成形工具T)を進退動作させる、ラック・ピニオン式動力伝達機構Aと変形ゼネバ式動力伝達機構Bについて説明したが、一のサーボモータM3の駆動によって、対応する一対のスライドプレート15,15を択一的に進退動作させるその他のスライドユニット駆動機構としては、偏芯カムを軸方向に並設一体化したダブル偏芯カムをサーボモータM3の出力軸に軸着し、スライドプレート15,15それぞれに設けたカムフォロワが対応する一方の偏芯カムに倣い動作することで、スライドプレー� ��15,15が択一的に進退動作するダブル偏芯カム式動力伝達機構も考えられる。

    1 架台 2 上部基盤 3 圧送ローラ M1 サーボモータ(圧送ローラ用)
    5 マンドレル 6 クイル 10 旋回テーブル 11 リングギヤ M2 サーボモータ(リングギヤ用)
    14 トラックレール 15 スライドユニット 15a カムフォロワ(ピン)
    T 成形工具 16 リニアウェイ 17 ラック 21 カムフォロワ 23,23a ストッパ 24 引張コイルばね(スライドユニット用)
    34 引張コイルばね(スライドプレート用)
    32 スライドガイド 33 スライドプレート M3 スライドプレート駆動用サーボモータ 35 出力軸 36 半円弧状ピニオン 37 切欠き 38 回転ディスク 39 ピン(カムフォロワ)
    40 円弧カム 40a 円弧カムの内面 41 線材 A ラック・ピニオン式動力伝達機構 B 変形ゼネバ式動力伝達機構

    【0003】
    ることが確認されたので、このたびの出願に至ったものである。
    [0011]
    本発明は、前述した従来技術の問題点および発明者の前記した知見に基づきなされたもので、その第1の目的は、工具を線材に衝合させることのできない方向(死角)を減らすために、旋回テーブルの外側に配置するスライドプレートの数を増やすが、駆動源であるサーボモータの数を増やす必要のない線ばね成形装置を提供することにある。
    [0012]
    また、第2の目的は、360度のあらゆる方向から工具を線材に衝合させることができる(死角の全くない)線ばね成形装置を提供することにある。
    課題を解決するための手段[0013]
    前記した第1の目的を達成するために、請求項1,2に係る線ばね成形装置においては、線材を案内するクイルと、前記クイルの周りを回動可能に配置された旋回テーブルと、前記旋回テーブルの周方向略等分複数箇所に放射状に配置され、旋回テーブルの半径方向に進退動作可能なスライドユニットと、前記旋回テーブルの外側であって前記スライドユニットと半径方向に対応する周方向略等分複数箇所に配置され、駆動源であるサーボモータの駆動により半径方向に進退動作可能なスライドプレートとを備え、所望のスライドプレートの前進が該スライドプレートと半径方向に対応する位置にあるスライドユニットをクイルの中心線に対して直角又は略直角に突き押しして前進させ、該スライドユニットに装着した工具をクイルの先端部� ��ら送り出される線材に衝合させて線ばねを成形する線ばね成形装置において、
    周方向に隣接する一対のスライドプレート毎に一のサーボモータを対応して設けるとともに、該サーボモータの駆動によって前記一対のスライドプレートが択一的に前進するように構成した。
    [0014]
    サーボモータの駆動によって一対のスライドプレートを択一的に前進させる具体的なスライドプレート駆動機構としては、例えば、ラック・ピニオン式動力伝達機構と変形ゼネバ式動力伝達機構が考えられる。
    [0015]
    そして、ラック・ピニオン式動力伝達機構は、請求項1に示すように、前記一対のスライドプレートに設けられて半径方向に延在する一対のラックと

    【0004】
    、前記一対のスライドプレートに対し略直交して前記一対のラック間に配設された前記一のサーボモータの出力軸に軸着されて前記一対のラックと択一的に噛み合う半円弧状ピニオンで構成されている。
    [0016]
    また、変形ゼネバ式動力伝達機構は、請求項2に示すように、前記一対のスライドプレート間に配設された前記一のサーボモータの出力軸に軸着され、その回転中心から半径方向に等距離離間し周方向に所定角度離間する一対のピンを突設させた回転ディスクと、前記一対のスライドプレートの後端側に対向して設けられ、前記サーボモータの出力軸の正逆略半回転以内で前記一対のピンと択一的に係合する一対の切欠きで構成されている。
    [0017]
    (作用)旋回テーブルを回動して、所望のスライドユニット(工具)をクイルの中心線廻りに所望の角度に旋回させた状態にして、所望のサーボモータを駆動して所望のスライドプレートを前進させると、該スライドプレートに突き押しされた所望のスライドユニット(工具)がクイルの中心線に対して直角又は略直角に前進して、クイルの先端部から送り出される線材に衝合する。
    [0018]
    周方向に隣接する一対のスライドプレートが対応する一のサーボモータの駆動によって択一的に前進するので、スライドユニット(工具)を前進(進退動作)させるために必要なサーボモータの総数はスライドプレートの数の半分で済む。
    [0019]
    また、サーボモータの数を増やすことなく、スライドプレートの数を例えば2倍に増やすことで、従来装置では困難であった方向から工具を線材に衝合させることができる(工具を線材に衝合させることのできない角度(死角)が減る)。
    また、請求項1においては、前記一対のスライドプレートに、半径方向に延在する一対のラックを対向して設け、前記一対のスライドプレートに対し略直交するように前記一対のラック間に配設した前記一のサーボモータの出力軸に、該出力軸の正逆略半回転以内で前記一対のラックと択一的に噛み合う半円弧状ピニオンを軸着するように構成した。
    (作用)周方向に隣接する一対のスライドプレートは、一対のスライドプレートに対応するサーボモータの出力軸(に軸着された半円弧状ピニオン)の正逆回転によって択一的に前進する。
    例えば、図5(a)に示すように、サーボモータの出力軸(半円弧状ピニオン)が正方向(時計回り)に回転すると、半円弧状ピニオンと一方のラックが噛み合って、該ラック(スライドプレート)が所定位置まで前進する。 その後、図5(b)に示すように、サーボモータの出力軸(半円弧状ピニオン)が逆方向(反時計回り)に元の位置まで回転すると、前進した位置にあるラック(スライドプレート)が元の位置まで後退する。 この間、半円弧状ピニオンと他方のラックは噛み合わないため、他方のラック(スライドプレート)が進退動作することはない。
    一方、図6(a)に示すように、サーボモータの出力軸(半円弧状ピニオン)が逆方向(反時計回り)に回転し、その後、図6(b)に示すように、正方向(時計回り)に回転した場合は、半円弧状ピニオンと他方のラックが噛み合って、該ラック(スライドプレート)が所定位置まで前進し、その後、元の位置まで後退する。 この間、半円弧状ピニオンと一方のラックは噛み合わないため、一方のラック(スライドプレート)が進退動作することはない。
    また、請求項2においては、前記一対のスライドプレートに対し略直交するように両スライドプレート間に配設した前記サーボモータの出力軸に、その回転中心から半径方向に等距離離間し周方向に所定角度離間する一対のピンを突設させた回転ディスクを軸着し、前記一対のスライドプレートの後端側に、前記モータの出力軸の正逆略半回転以内で前記一対のピンが択一的に係合する一対の切欠きを対向して設けるように構成した。
    (作用)一対のスライドプレートは、サーボモータの出力軸(回転ディスク)の正逆回転によって択一的に前進する。 例えば、一対のスライドプレートと旋回テーブル間には、それぞれ引張りコイルばねが介装されて、一対のスライドプレートは、常に半径方向外側にばね付勢保持されている。 そして、図7(a)に示すように、引張りコイルばねのばね力に抗してサーボモータの出力軸(回転ディスク)が正方向(時計回り)に回転すると、一方のスライドプレートの切欠きが一方のピンに係合し、一方のスライドプレートは、半径方向前方に突き押しされて所定位置まで前進する。 その後、サーボモータの出力軸(回転ディスク)が逆方向(反時計回り)に元の位置まで回転すると、引張りコイルばねのばね力によって、前進した位置にあるスライドプレート(の切欠き)が元の位置まで後退する。 この間、右のピンと右スライドプレートの切欠きとは係合しないため、右スライドプレートが進退動作することはない。
    一方、図8に示すように、引張りコイルばねのばね力に抗してサーボモータの出力軸(回転ディスク)が逆方向(反時計回り)に回転し、その後、正方向(時計回り)に回転した場合は、他方のスライドプレートの切欠きが他方のピンに係合し、他方のスライドプレート(の切欠き)は、半径方向前方に突き押しされて所定位置まで前進し、その後、引張りコイルばねのばね力によって、元の位置まで後退する。 この間、一方のピンと一方のスライドプレートの切欠きとは係合しないため、一方のスライドプレートが進退動作することはない。
    [0020]
    また、前記した第2の目的を達成するために、請求項3においては、請求項1または2に記載の線ばねの成形装置において、前記スライドプレートを、周方向に隣接するもの同士が干渉しない範囲で接近する円環状に配列するように構成した。
    [0021]
    (作用)スライドプレートを周方向に互いに接近するように円環状に配列

    【0005】
    したので、360度の如何なる方向からでも工具を線材に衝合させることができる(工具を線材に衝合させることのできない方向(死角)がない)。
    [0022]
    また、請求項4においては、請求項1〜3のいずれかに記載の線ばねの成形装置において、前記スライドプレートの前端部に、その内面の曲率中心がクイルの中心線上にほぼ一致する円弧に設定された円弧カムを設け、前記スライドユニットの後端部に、前記スライドプレートの円弧カムに当接するカムフォロワを設けるように構成した。
    [0023]
    (作用)スライドユニットは、スライドプレートに突き押しされて前進するが、スライドユニットの進退方向とスライドプレートの進退方向がずれている場合は、スライドプレートとスライドユニット間の当接部に摩擦や曲げモーメントなどの負荷が発生して、スライドユニットのスムーズな前進が妨げられるおそれがあるが、スライドユニット後端部のカムフォロワがスライドプレート前端部の円弧カムと当接可能な範囲内であれば、スライドブレートがスライドユニットを突き押しする際に、カムフォロワが円弧カムの内面に沿って転動して、スライドプレートとスライドユニット間の当接部に摩擦や曲げモーメントなどの負荷が発生することを抑制する。
    [0024]
    [0025]
    [0026]

    【0006】
    [0027]
    [0028]
    [0029]

    【0007】
    [0030]
    発明の効果[0031]
    本発明に係る線ばね成形装置によれば、スライドプレート毎にサーボモータが必要であった従来の装置と比べてサーボモータの数が半分になる(サーボモータの数が少ないにもかかわらず従来の線ばね成形装置と同等の性能が得られる)ので、線ばね成形装置のコストを大幅に低減できる。
    [0032]
    また、スライドプレートの数を例えば2倍に増やすことで従来の装置では困難であった方向から工具を線材に衝合させることができる(工具を線材に衝合させることのできない角度(死角)が減る)ので、線ばね成形装置の性能が大幅に向上する。
    また、請求項1によれば、ラック・ピニオン式動力伝達機構では、半円弧状ピニオンの回転にラック(スライドプレート)の進退動作が確実に連係(追随)するので、スライドプレートを初期位置に復帰させるためのばね部材等の部材が不要な分、装置構造が簡潔となる。
    また、請求項2によれば、変形ゼネバ式動力伝達機構に加えて、スライドプレートを初期位置に復帰させるための引張りばね部材が必要な分、スライドプレート進退機構としては構成部品点数が増えるものの、ラック・ピニオン式動力伝達機構に比べて変形ゼネバ式動力伝達機構の構成が簡潔である分、スライドプレート進退機構の設計が容易で、それだけ装置を安価に提供できる。
    [0033]
    請求項3によれば、360度の如何なる方向からでも線材を加工できる(工具を線材に衝合させることのできない方向(死角)がない)ので、高精度の線ばね成形が可能となる。
    [0034]
    請求項4によれば、スライドユニットの進退方向とスライドプレートの進退方向が多少ずれていても、スライドプレートとスライドユニット間の当接部に摩擦や曲げモーメントなどの負荷が発生しないので、スライドユニット(工具)のスムーズな前進が確保されて、装置の長期の耐久性が保証される

    【0008】

    [0035]
    [0036]
    図面の簡単な説明[0037]
    [図1]本発明に係る線ばね成形装置の第1の実施例の全体正面図である。
    [図2]同装置の左側面図である。
    [図3]同装置の上部基盤の拡大正面図である。
    [図4]上部基盤の縦断面図(図3に示す線V−Vに沿う断面図)である。
    [図5]線ばね成形装置の要部であるスライドプレート駆動機構(ラック・ピニオン式動力伝達機構)を示し、(a)は一方のスライドプレート前進前のスライドプレート駆動機構の正面図、(b)は一方のスライドプレート前進後のスライドプレート駆動機構の正面図である。
    [図6]線ばね成形装置の要部であるスライドプレート駆動機構(ラック・ピニオン式動力伝達機構)を示し、(a)は他方のスライドプレート前進前のスライドプレート駆動機構の正面図、(b)は他方のスライドプレート前進後のスライドプレート駆動機構の正面図である。
    [図7]本発明に係る線ばね成形装置の第2の実施例の要部であるスライドプレート駆動機構(変形ゼネバ式動力伝達機構)を示し、(a)は一方のスライドプレート前進前のスライドプレート駆動機構の正面図、(b)は一方のスライドプレート前進後のスライドプレート駆動機構の正面図である。
    [図8]同スライドプレート駆動機構(ラック・ピニオン式動力伝達機構)を示

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