制御された範囲にスプリングをセッチングする装置および方法

申请号 JP2013071771 申请日 2013-03-29 公开(公告)号 JP6196056B2 公开(公告)日 2017-09-13
申请人 アルヴァール・レジナ・オトスュスペンション; 发明人 デュケヌ,ティエリ; オダン,シリル;
摘要
权利要求

コイルスプリングを圧縮し、圧縮中にスプリングの形状を制御するように構成された装置であって、当該装置は、当該スプリング(2)の第1端(2e)を保持する第1サポート(11)、および当該スプリング(2)の第2端(2e)を保持する第2サポート(12)、を備え、当該第1および第2サポート(11、12)は互いに対して移動するように構成されており、当該装置は、前記スプリングの圧縮中に、前記スプリング(2)の特定のターン(2s)の間に挿入可能となるように構成されている少なくとも1つの挿入レスト(40)を、さらに備えており、前記挿入レスト(40)はそれぞれ1つのキャリッジ(30)上に固定され、前記キャリッジ(30)は、前記スプリングの圧縮中に、前記挿入レスト(40)が前記スプリング(2)のターン(2s)の移動に追従できるように構成されていることを特徴とする、コイルスプリングを製造するための制御セッチング装置。前記少なくとも1つの挿入レスト(40)が、切断されたリング(41)または切断された円板の形状のパドルであることを特徴とし、前記切断部分によって、前記スプリング(2)のターン(2s)が前記パドルを通り抜けることが可能となるように構成されている、請求項1に記載の制御セッチング装置。前記少なくとも1つの挿入レスト(140)が、少なくとも3点において前記スプリング(102)と協働するための、少なくとも3つの枝(141a、141b、141c)を有する星形形状であることを特徴とする、請求項1に記載の制御セッチング装置。少なくとも1つの挿入レスト(240)が、スプリング(202)の軸(A)に曲率を与えるように厚みの変化が調整された、くさび型形状を有していることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の制御セッチング装置。複数の挿入レスト(40)を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の制御セッチング装置。キャリッジ(30)が、それぞれ当該キャリッジ(30)の初期位置を定めるように構成されているストップ(23)と協働する、請求項5に記載の制御セッチング装置。キャリッジ(30)が、それぞれ当該キャリッジ(30)を初期位置に付勢するように構成されている少なくとも1つのリターンスプリング(24)と協働することを特徴とする、請求項6に記載の制御セッチング装置。前記第1サポート(11)は固定されており、前記第2サポート(12)は移動可能であって、圧縮中に前記第1サポート(11)に向かって移動するように構成されていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の制御セッチング装置。前記スプリング(2)を把持し運搬するように構成されている把持手段(50)を、さらに備える、請求項1〜8のいずれかに記載の制御セッチング装置。コイルスプリング(2)を供給する工程; 前記スプリング(2)を第1および第2サポート(11、12)の間に設置する工程; 前記第1および第2サポート(11、12)を互いに向かって移動させて前記スプリング(2)を圧縮する工程; 前記スプリング(2’)の圧縮を解く工程;および 処理されたスプリング(2’)を取り除く工程; を含む、コイルスプリングをセッチングするための制御セッチング方法であって、 前記スプリング(2)のターン(2s)の間に存在する特定の間隔に対応する、特定の位置に少なくとも1つの挿入レスト(40)を設置する工程を、さらに含み、 前記挿入レスト(40)はそれぞれ1つのキャリッジ(30)上に固定され、前記キャリッジ(30)は、前記スプリングの圧縮中に、前記挿入レスト(40)が前記スプリング(2)のターン(2s)の移動に追従できるように構成されており、 前記スプリング(2)は、ターン(2s)のすべておよび前記少なくとも1つの挿入レスト(40)が互いに接触するまで圧縮されることを特徴とする、 コイルスプリングをセッチングするための、制御セッチング方法。前記スプリング(2)を方向づけする工程を含み、当該工程によって前記スプリング(2)が所定の方向を向いて到達する工程を含むことを特徴とする、請求項10に記載の制御セッチング方法。前記スプリング(2)を設置する工程の前に、前記少なくとも1つの挿入レスト(40)を設置する工程が実施されることを特徴とする、請求項10または11に記載の制御セッチング方法。

说明书全文

本開示はコイルスプリングを制御セッチングするための装置および方法に関し、制御可能な方法を用いて選択された圧縮長さにコイルスプリングを固定(ブロック)することを可能とする。当該圧縮長さは「ターンが接触した」状態の長さと異なっていてもよい。

当該装置又は方法は、スプリングの使用前に、およびターンが接触する圧縮が好ましくない時に、スプリングの特性を調整するために用いることができる。数例を挙げると、自動車分野、特にサスペンション用、時計作成分野、または機械設備分野、に特に適用可能である。

自動車工業において、他の工業分野と同様に、製造段階でスプリングはセッチング操作を受け、当該操作においてスプリングは可塑的に変形され、その結果スプリングの物理的性質を修正することが可能となる。特に、当該塑性変形によって、クリープに一層耐えることが可能となるようにスプリングの弾性限度を高めることができる。

ターンが接触するまでスプリングを圧縮し、数秒間当該状態で固定(ブロッキング)する公知技術が存在する。しかし、当該方法では非常に高いブロッキングストレスが生じ、長さを著しく損なった極端な可塑化が生じる可能性がある。従って、当該方法で得られたスプリングは特定の用途には長さが足りないことがある。実例として、図7Aおよび7Bでは、それぞれ当該方法を用いた場合の同一のスプリングのセッチング操作前後を比較している。

当該問題を解決するために、他の技術、すなわちターンが接触する長さよりも長い所定の長さでスプリングを固定する技術、が研究されてきたが、現実的な成果が得られていない。当該方法の主な欠点は、固定中のスプリングの形状の制御性に劣ることである。すなわち、スプリングは座屈したり変形したりする傾向にあり、特にターン間の距離の変動や側部の変形が生じるが、これらは望ましくない。実例として、図8Aおよび8Bでは、それぞれ当該方法を用いた場合の同一のスプリングのセッチング操作前後を比較している。さらに、座屈の無秩序性によって、当該方法によって得られたスプリングは、すべてが同じ位置で可塑化せず、相当異なった形状となる場合もあり、従って当該方法は再現が困難である。

よって、選択された圧縮状態において制御可能である方法により、コイルスプリングを固定でき、上記公知方法が有している欠点の影響を、少なくともそれほどは受けずに、コイルスプリングを制御セッチングできる装置および方法が、実際に必要とされている。

本開示は、コイルスプリングを制御セッチング(controlled setting)するための装置を提供する。当該装置は、前記スプリングを圧縮できるように、また圧縮中にスプリング形状を制御できるように、構成されている。当該装置は、当該スプリングの第1端を保持する第1サポート、および当該スプリングの第2端を保持する第2サポートを有し、当該第1および第2サポートは、互いに対して移動するように構成されている。当該装置は、さらに、スプリングの圧縮中に、スプリングのある特定のターンの間に挿入可能となるように構成されている挿入レストを、少なくとも1つ含む。

コイルスプリングの製造段階において、制御セッチング操作、言い換えると予備セッチング操作、を受けることによって、コイルスプリングは可塑的に変形され、その結果、当該スプリングの物理的特性が修正される。

スプリングのターンの中には、スプリングの圧縮中に挿入レストと接触するターンがあり、当該挿入レストによって当該ターンが支えられる。当該挿入レストは、圧縮および固定の間、スプリングの形状を制御し、その結果、座屈の発生や他の望ましくない変形が防がれる。

具体的には、サポートは、ターンが接触するまで、すなわち、隣のターンに接触するか挿入レストに接触するかのいずれかとなるまで、スプリングを圧縮できる。スプリングの圧縮長さの調節を可能とする厚みのある挿入要素を用いながらも、ターンが接触する公知方法に類似した状況を得るためである。その結果、第1に、スプリングの固定長さを調整することが可能となり、これによってストレスレベル、すなわち必要とされる可塑性レベルを調整することが可能となる。第2に、「ターンが接触した」状態に類似した状態を利用することが可能となり、当該状態では、当該ターンは相互に又はレストに対して固定される。従って、当該ターンには、加圧に順応することを除いて、変形可能な余地がない。こうして、望ましくない変形、特に側部の変形、が確実に低減し、さらには排除される。

さらに、ターン間の距離が、一層制御可能となり、不規則に変動しなくなる。特に、挿入レストの厚みを調整することによって、また予想される可塑化量を考慮することによって、最終のスプリングのターン間の距離を調整することが可能となる。

ある実施形態では、少なくとも1つの挿入レストは、切断されたリング(truncated ring)または切断された円板(truncated disk)の形状を有するパドルであり、この切断部分によって、スプリングのターンがパドルを通り抜けることが可能となるように構成されている。固定している間、当該形状を有していることによってターンに追従することが可能となり、従って長い距離にわたる突き押し動作の前およびその間において、ターンを通す間隙を残しているにも関わらず、ターンを支持することが可能となっている。

ある実施形態では、切断部分は、90°である4等分に相当する。

ある実施形態では、パドルは、実質的に螺旋形状(substantially helical)にあり、その形状がスプリングのターンの形状に実質的に追従し、圧縮中にはパドルがターンと接触することになる。このように固定の間ターンとより緊密に接触するため、より確実にターンが支持される。さらに、ターン自体の有する特質に逆らわないことによって、望ましくないターンの変形が確実に防止される。

ある実施形態では、スプリングのターンと同様の形状にパドルの形状を適合させるために、パドルが面取りされている。

ある実施形態では、2つの隣接した挿入パドルは同じ向きではなく、好ましくは±90°ずれている。切断部分は、一方の側とその反対の側との間で、交互になっていることが好ましい。このようにすると、ターンの間の間隔が一層均等になる。

ある実施形態では、少なくとも1つの挿入レストは、少なくとも3つの枝を有する星型の形状を有し、少なくとも3点においてスプリングと協働(co−operate)する。好ましくは、当該枝は、規則的な角度をもって配置される。複数の枝を有するこのような構成は、パドルを用いた構成よりも特殊でなく、従って装置の大きな改造を必要とせずに、様々な型のスプリングに適応可能である。

ある実施形態では、少なくとも1つの挿入レストはY字型の形状であり、3つの枝が相互に120°の角度で配置されている。

ある実施形態では、少なくとも3つのレストの枝が、共通する横断面上に存在しない。螺旋状パドルを有している場合と同様に、当該形状によって、スプリングの形状に追従することが可能になる。

別の実施形態では、少なくとも3つのレストの枝が同一面上にある。当該構成は、さらに特殊性がなく、よって様々な型のスプリングに容易に適用されることが可能である。

ある実施形態では、レストの少なくとも3つの枝が、同一面上にない。

ある実施形態では、少なくとも1つのレストは、実質的にフレキシブルである。当該形状を有することによって、圧縮中に、スプリングの形状に一層近接することが可能になる。

ある実施形態では、制御セッチング装置は、複数の挿入レストを有している。ターンの間隔を制御することが望ましい間隔に、少なくとも1つの挿入レストが配置されることが好ましい。特に、すべてのターンの間に挿入レストが存在すると、スプリングの全有効長さ(working length)に沿って、形状を制御することが可能となる。しかしながら、別の実施形態では、必ずしもすべてのターンにおいて、レストやその他のターンと接触することは必要でない。特に、スプリング端部に位置する特定のターンは、束縛されない状況にあってもよい。

ある実施形態では、複数の挿入レストの中に、ピッチを変えるため、すなわちスプリング内でターン間距離を変えるために、その他のレストの厚みとは異なった厚みを有している挿入レストがある。

ある実施形態では、少なくとも1つの挿入レストが、スプリング軸の湾曲に沿うようにレストの厚みの変化が調整された、くさび型形状を有している。この方法によると、軸が湾曲したスプリングを形成することが可能となる。

ある実施形態では、各挿入レストは同一のくさび型形状を有している。例えば、同一のくさび型形状を有するレストを複数挿入することによって、C字型の軸を有するスプリングを形成することが可能となる。

ある実施形態では、挿入レストが、それぞれ異なったくさび型形状プロフィールを有している。これにより、スプリングの軸を部分的に湾曲するように調整することが可能となる。たとえば、最初にある方向に、次いで逆方向に、くさび型形状の複数のレストを挿入すると、S字型の軸を有するスプリングを形成することが可能となる。

ある実施形態では、挿入レストは、それぞれ1つのキャリッジ上に固定され、当該キャリッジは、スプリングの圧縮中に、挿入レストがスプリングのターンの移動に追従できるように構成されている。キャリッジは、レストの初期位置から圧縮中の固定位置まで、スプリングの移動に追従して、例えばレール上を、移動することができる。

ある実施形態では、キャリッジは、それぞれ当該キャリッジの初期位置を定めるように構成されている1つのストップと協働し、当該ストップは、当該キャリッジの初期位置を調整するために可変式であることが好ましい。このようにして、新しいスプリングを固定するための装置を準備するために、各キャリッジを容易にかつ非常に素早く初期位置に戻すことが可能となる。

ある実施形態では、各キャリッジは、当該キャリッジを初期位置に戻すように構成されているリターンスプリングと協働する。

ある実施形態では、圧縮装置は、キャリッジそれぞれに1本のバーを備えたフレームをさらに備えている。各キャリッジは、貫通孔および隣接部(abutment)を有しており、貫通孔は各々のバーに沿ってスライドし、隣接部は各々のストップと協働するように構成されている。各リターンスプリングはそれぞれのバーの周囲に設置されており、第1端はフレームの内面に向かい、第2端はキャリッジの側面に向かっている。

ある実施形態では、キャリッジは移動自在であって、サポートによってターンが移動するときに、レストが移動するようにレストを押し付けるのはスプリングのターンである。

別の実施形態では、各キャリッジは、駆動手段を用いて動かされる。例として、当該手段はウォームスクリュー機構を備えていてもよく、当該機構は、それぞれのバーについてねじと駆動機構を備えていて、各キャリッジの貫通孔の1つがねじに適合するように雌ねじを切られていてもよい。駆動手段は、ピストン駆動機構を備えていてもよく、各キャリッジのストップがピストンを用いて駆動することとしてもよい。

ある実施形態では、第1サポートは固定されており、第2サポートは移動可能であって、圧縮中に第1サポートに向かって移動するように構成されている。

ある実施形態では、第1および第2サポートは共通軸上で互いに向かい合っており、第2サポートは、軸方向のみにスプリングを圧縮するように第1サポートに向かって直線上を移動する。

別の実施形態では、第2サポートは、第1サポートに湾曲した経路に沿って近づいてもよい。湾曲した軸を有するスプリングを作製するために、くさび型形状の挿入レストに関連した形態とすることが特に好ましい。

ある実施形態では、制御セッチング装置は、スプリングを把持し運搬するように構成されている、把持手段をさらに含む。把持手段は、好ましくはクランプである。クランプは、好ましくはすでに適切に方向づけられているスプリングをつかみ、挿入レストがスプリングのターン間に挿入されるように第1サポートおよび第2サポートの間にスプリングを設置し、圧縮が行われている間は装置から離れ、その後最終のスプリングを回収して装置から取り除くために戻ってくる。

本開示は、コイルスプリングをセッチングするための、制御セッチング方法もさらに提供する。この方法は、コイルスプリングを供給する工程;当該スプリングを第1サポートおよび第2サポートの間に設置する工程;第1サポートおよび第2サポートを互いに向かって移動させて、スプリングを圧縮する工程;スプリングの圧縮を解く(decompress)工程;およびこのように処理されたスプリングを取り除く工程を含む。この方法は、スプリングのターンの間に存在する特定の間隔に対応する、特定の位置に、少なくとも1つの挿入レストを設置する工程をさらに含み、ターンのすべておよび少なくとも1つの挿入レストが互いに接触するまで、スプリングが圧縮される。

上記のように、挿入レストを設置することによって、ターンが接触した固定状態と同様の状況を固定の間により長いスプリング長さを有していながらも、再現することが可能になる。従って、望ましくない変形が避けられるように、固定の間スプリング形状を制御できる一方で、圧レベル、すなわち所望の可塑化レベルを調整することが可能となる。

ある実施状態では、サポートにより生じる圧縮力は、一連のターンおよび少なくとも1つの挿入レストが接触するために必要な力を限度とする。すなわち一旦当該状況に達すれば、サポートは追加の圧力を加えない。言い換えると、スプリングは自身の有するばね定数(stiffness)に由来する圧力のみを受け、装置はスプリングに著しい力を印加しない。この方法において、挿入レストにかかる力は非常に小さい。よってレストは、このような力に耐えうるように設計されている必要はない。

ある実施状態では、制御固定方法は、スプリングを方向付けする工程を含み、それによってスプリングは所定の方向を向いて到達する工程を含む。その結果、スプリングは装置上の適切な位置に直接設置される。

ある実施状態では、スプリングを設置する工程の前に、少なくとも1つの挿入レストを所定の位置に設置する工程が実施される。初期位置において、装置は適所においてスプリングを受け入れる用意ができている。セッチング操作が終了した後、装置は初期位置に戻る。

ある実施状態では、スプリングの圧縮は、例えば150℃以上の、高温において行われる。このような熱圧縮によって、最終のスプリングが良好なクリープ抵抗を得ることができる。

別の実施状態では、スプリングは、例えば150℃より低い、好ましくは雰囲気温度である、低温で圧縮される。当該実施状態は安価に実施できる。

ある実施状態では、スプリングは、最低0.5秒間圧縮することによって固定される。

ある実施状態では、当該方法は、上記実施形態のいずれかによる、制御セッチング装置を用いる。

上述した特徴、利点、およびその他については、提示された装置の実施形態についての、または提示された方法の実施状態についての、以下の詳細な説明を読むことによって理解できる。この詳細な説明においては、添付図面を参照する。

添付図面は概略図であり、本発明の原理を図解することを何よりの目的としている。

図面において、各図面における同一の構成要素(または構成要素の部分)は、同じ参照記号を用いて表されている。さらに、異なる実施形態に属する同様の機能を有する構成要素(または構成要素の部分)は、例えば100、200のように増加する参照番号を用いて、図面上において特定されている。

初期状態にある第1の装置例の全体図。

固定状態にある図1の装置の全体図。

最終状態にある図1の装置の全体図。

第2の装置例の全体図。

第3の装置例の原理を示した図。

図6A、6Bは、本発明の装置を用いて固定されたスプリングの初期状態と最終状態とを比較した概略図。

図7A、7Bは、第1従来技術の装置を用いて固定されたスプリングの初期状態と最終状態とを比較した概略図。

図8A、8Bは、第2従来技術の装置を用いて固定されたスプリングの初期状態と最終状態とを比較した概略図。

本発明をさらに具体的に示すために、以下、添付図面を参照しながら、装置の実施例をさらに詳細に説明する。本発明は、これらの実施例に限定されるものではないことを想起されたい。

図1は、スプリング2を制御セッチングする装置1についての第1実施例を示す。装置1は第1、第2サポート11、12、キャリッジ30a、30bを移動させることができるフレーム20を備え、当該キャリッジはその上にパドル40a、40bを有しており、当該装置はコンベアクランプ50も有している。本実施例において、当該装置は、直線状軸を有するスプリングのセッチングに、主として適応される。

第1、第2サポート11、12は、それぞれ、端部を横断ディスク14に接するシリンダー形状13を有しており、横断ディスク14は、装置1の内側を向いた保持面14aと、シリンダー13と同軸であって保持面14aから数センチメートル突起している支持突起15とを有する。支持突起15の直径は、スプリング2の端部ターン2eの内直径(すなわち内接円の直径)と実質的に等しいか、わずかに小さい。横断ディスク14の直径、すなわち保持面14aの直径は、スプリング2の外直径(すなわち、外接円の直径)にほぼ等しく、いずれにしても、スプリング2の端部ターン2eの外直径より大きい。

本実施例では、サポート11、12は共通する軸上にあり、両サポートは互いに向かい合っている。第1サポート11は固定されており、一方第2サポート12は移動可能であって、図示されていない駆動手段を用いて移動される。別の実施例では、第1サポート11も移動可能である。

本該実施形態では、サポート11、12は、直径が同一である。一方、別の実施形態では、2つのうちの1つのサポート11が、他方のサポート12の直径と異なった直径を有していてもよい。これは、具体的には、スプリング2が一定の直径を有さない場合、例えば、端部のターン2eの直径がスプリング2の本体部のターン2sの直径よりも小さい、2ピグテイルスプリングであって、端部のターンの直径が互いに異なるスプリングの場合に適用される。

本実施例では、フレーム20は、2つのキャリッジ30a、30bを支持しているが、スプリング2の長さに応じて、1つだけあるいは2つを超えるキャリッジを同様に支持していてもよい。2本のバー22が、フレーム20の背面端側板および正面端側板21、21’の間に固定されている。キャリッジ30a、30bは、それぞれスライディングブロック31を有し、ブロック31はフレーム20の2本のバー22が突き抜いているように構成された2つの貫通孔32を有している。従って、キャリッジ30が有するスライディングブロック31は、バー22に沿って、フレーム20の背面から正面へと、あるいはその逆へと、スライドすることができる。

キャリッジ30は、それぞれ、実質的にL字形状のスタンド33も有している。各スタンド33は、一方の端部にアンカー部33aを有しており、アンカー部において対応するスライディングブロック31に、例えばねじを用いて、それぞれ固定されている。各スタンド33は、他方の端部に、パドル40が固定される固定部33bを有している。アンカー部33aおよび固定部33bの間に、各スタンド33はオフセット部33cを有し、当該部分によって、装置1の主な前方/後方方向に向いてスライディングブロック31からパドル40をずらすことができる。このようにして、パドル40は、キャリッジ30のスライディングブロック31の厚みに妨げられることなく、容易に互いに向かって動かすことができる。

キャリッジ30は、異なった高さのスライディングブロック31を有し、当該高さは、背面端方向にあるキャリッジ30bを有するスタンド33が、正面端方向にあるキャリッジ30aを有するスタンド33と少なくとも一部において重複可能であるように、調整されている。

各パドル40の初期位置を調整するために、フレーム20は、キャリッジ30a、30bそれぞれに対応するストップ23a、23bを備え、当該ストップはフレーム20の背側板21に固定されている。ストップ23a、23bは、各キャリッジ30を有するスライディングブロック31の下部に突き出た、隣接突起(abutment projection)34a、34bと協働する。当該ストップ23a、23bは、パドル40の初期位置を容易に調整可能とするために、例えばウォームスクリュー機構又はピストン機構を用いて調整可能である。

さらに、リターンスプリング24が、それぞれのバー22の周囲に設置されており、第1のリターンスプリングは、正面側の側板21’と、先頭(最正面側)のキャリッジ30aを有するスライディングブロック31の正面側の面との間、第2のリターンスプリングは、各キャリッジ30a、30bのスライディングブロック31の間にある。このようにして、キャリッジ30a、30bは常に後方へ、すなわち各ストップ23a、23bに向けて、付勢される。リターンスプリング24のばね定数および無負荷状態の長さは、後方のキャリッジ30bがストップ23bに対し押されたとしても、この付勢が真実であるように調整される。

パドル40は、それぞれ、90°の角度で四分の一が欠けた形状のリング41を有する。より正確には、切断部分は、パドル40の垂直方向頂部から始まり、パドル40の左または右方向の平部分で終了している。本実施例においては、連続したパドル40の切断部分の向きは交互となっている。

図2においてより明確に示されているように、リング41はわずかに螺旋を描き、そのために上部端41Sは、側部端41Lとは同一横断面上に存在しない。従って、リング41は、固定されている間、スプリング2の螺旋形状に実質的に追従している。

さらに、鋭い端部が存在することにより、スプリング2に傷跡がついたり、損傷が生じたりすることを防ぐために、上部端41Sおよび側部端41Lは、わずかに面取りされていてもよい。

さらに、各パドル40は、対応するキャリッジ30のスタンド33の固定部33b上に、そのパドル40の固定を可能とするベース42を有している。

装置1の操作を、図1、2、3を参照しながら以下において説明する。これらの図は、固定前、固定中、固定後の装置をそれぞれ示す。

装置1の初期状態において、すべての移動可能な構成要素は初期の静止状態にあり、当該状態は、初期のスプリング2の形状や主として長さに応じて、キャリッジ30の可変ストップ23a、23bによって調整され、また第2サポート12を移動させることにもよって調整される。このように、キャリッジ30は、リターンスプリング24によって、ストップ23a、23bに対して押しつけられ、第2サポート12は後直位置にある。

装置1の上流工程において、コンベアクランプ50がスプリング2をつかむことができるように、スプリング2が引き渡される。このように引き渡されるスプリング2の配置、特に角度の向き、が上流工程で調整されると、クランプ50はスプリングを容易に掴むことができ、装置1の適切な位置にスプリングを正確に設置できる。

こうして、クランプ50は、2つのサポート11、12の間に、スプリング2を設置する。まず、スプリング2の各端部ターン2eが、ターンが径方向に固定されるように、端部ターン2eの内側に嵌めこまれる支持突起15によって固定される。次いで、保持面14aを用いて、スプリングを軸方向に固定される。この場合、第2サポート12を、例えば数センチメートル前方に、移動させることが可能であり、これによって、支持突起15をスプリング2の端部ターン2eの内側へ嵌め込み、その後その嵌め込みを固定することが容易となる。

パドル40の初期位置は、可変ストップ23a、23bを用いて適切に調整されるため、スプリング2が装置1に設置される際、パドルは適切な位置に、すなわち意図されているターン2sの間に直接存在する。当該状態を図1に示す。

その後、圧縮が始まる。スプリング2を圧縮するように第2サポート12は、第1サポート11に向かって、本実施例では直線上を、移動する。圧縮中に、ターン2sは互いに向かって移動し、また静止状態の第1サポート11に向かって移動する。ターン2Sが移動するに従って、ターン2Sによって引っ張られてパドル40が第1サポートに向かって同様に移動する。この移動は、キャリッジ30がフレーム20のバー22に沿ってスライドしていく結果でもある。

第2サポート12は、ターン2Sがすべて接触するまで、すなわち互いに接触する又は特定のパドル40と接触するまで、スプリング2を圧縮する。図2に示すように、一度接触した状態に至ると、パドル40に負荷がかかることを避けるために、スプリング2をさらに圧縮することなく、第2サポート12が停止する。固定状態は、約1秒間維持される。

その後、第2サポート12は、初期休止位置に戻ってスプリング2を緩めるように、逆向きに移動する。パドル40は、こうして一旦解放されると、リターンスプリング24およびキャリッジ30によって、可変ストップ23a、23bによって定められた初期位置に向かって押し戻される。

その後、クランプ50は、最終のスプリング2’をつかみ、装置1の下流工程へと運搬できる。当該状態は図3に示される。別のクランプ50、または同一のクランプ50が、その後新しいスプリング2を運び、当該サイクルが再び行われる。1サイクルの所要時間が、約5秒間を超えることはない。装置1は、装置1内に特定の温度を与えるための、ヒーター手段を有していてもよい。固定が行われる温度は、最終状態のスプリング2’の機械的特性に影響を与え得る。

図6A、6Bは、初期のスプリング2、および最終のスプリング2’を、それぞれ示している。当該固定は制御された範囲にあるため、最終のスプリング2’は一定の可塑性を有しており、その結果、弾性限界が上がっており、かつ初期長さを(ターンが接触する従来技術を用いて得られた図7に示された最終スプリング3’と比べると)ごくわずかしか損なわない。さらに、ブロッキング中のスプリング2の形状を制御するパドル40を用いていることより、最終のスプリング2’は(パドルを用いずに長さが調整された従来技術を用いて得られた、図8Bに示された最終のスプリング4’と比較すると)側方に変形せず、ターン間の距離を一定に保っている。

図4は、第2の装置例100であり、パドル40がY字型の形状のレスト140に置き換わっている以外は、全体として第1実施例の装置1と同様である。当該レストは、互いに120°となる角度で配置された、3つの枝141a、141b、141cを有している。垂直状態の枝141aの端部はベース142まで延び、ベース142は、キャリッジ130に結合したスタンド133の固定部133bに固定されている。従って、本実施例において、レスト140は、スプリング2のターンと3点のみで協働し、これによってスプリング2の形状は十分に制御される。本実施例において、Y字型の形状の3つの枝141a、141b、141cは、サポート11、12の共通軸に対して横断方向に延び共通の平面上には存在しない。実質的に螺旋状態にある第1例のパドル40と同様に、当該形状により、固定中にスプリング2の形状により密着することが可能となる。

図5は、第3の装置例200の原理を示した図である。当該装置は、(Y字型の形状レストと同様である)パドル240がくさび型形状を有している点を除き、先に述べた2つの実施例の装置1、100と全体として同様である。パドル240の厚みは、底部よりも上部において、より大きくなっている。この例において、3つのくさび型形状のパドル240が用いられている。当該パドルによって、差動的な方法で、スプリングを横方向に変形することが可能になり、曲率がスプリング202の軸Aに与えられる。本実施例においては、C字型の形状の湾曲したスプリングが得られるが、例えばS字型の形状である、より複雑に湾曲した他の構造を得ることも可能である。スプリングは、最初から湾曲していてもよく、初期は直線形状でありセッチングの結果湾曲してもよい。

湾曲スプリングに用いる装置200では、第2サポートが曲線軌道に沿って、第1サポートに近づくように、第2サポートを適合させることが必要である。さらに、この例に適応するため、スプリング202の「軸A」の曲率に適応するように、パドル240を傾けることが必要である。この目的のためには、ベース上にてキャリッジに対して特定の角度を有するパドルと結合した、直線形状のフレームを用いるか、または、湾曲した全体として同様の形状のフレームを用いるか、のいずれかが可能である。

上記の実施形態は、非限定的な記述であり、本発明の範囲内にとどまるから、上記の説明から当業者はこれらの実施形態を容易に修正でき、あるいは別の実施形態を案出できる。

さらに、これらの実施形態の各特徴は、単独で、あるいは互いに組み合わせて用いられてもよい。組み合わされる場合は、これらの特徴は、上記のとおりあるいは異なるように組み合わされてもよく、本発明は上述の特定の組み合わせに限定されない。特に、明示的に否定されていなければ、特定の実施形態に関連づけて記載したいかなる特徴も、同様の方法で他の実施形態に適用できる。

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