ばねの製造方法及び通電加熱装置

申请号 JP2012526411 申请日 2011-07-12 公开(公告)号 JP5865246B2 公开(公告)日 2016-02-17
申请人 中央発條株式会社; 发明人 平田 雄一; 鈴木 秀和; 小木曽 浩之;
摘要
权利要求

コイルばねを製造する方法であって、 ばね鋼材をコイルばね形状に成形する成形工程と、 コイルばね形状に成形されたばね鋼材の一端を第1の電極でクランプする工程と、 コイルばね形状に成形されたばね鋼材の他端を第2の電極でクランプする工程と、 第1の電極からばね鋼材を介して第2の電極に電流を流してばね鋼材を通電加熱することによって、成形工程によってばね鋼材に生じる加工歪みを除去する熱処理工程と、を有しており、 熱処理工程は、ばね鋼材を予め設定された設定温度まで加熱する第1工程と、第1工程後に、ばね鋼材を設定温度で予め設定された設定時間だけ保持する第2工程を有しており、 前記設定温度が430℃より高く、かつ、500℃以下に設定されており、 熱処理工程では、ばね鋼材の一端をクランプする第1の電極がばね鋼材の他端をクランプする第2の電極に対してコイルばね形状の軸線方向に移動可能であると共に軸線周りに回転可能な状態で行われることを特徴とするばねの製造方法。第1工程と第2工程に要する時間が1分以内で、かつ、前記設定時間が5秒以上となるように、前記設定温度が設定されていることを特徴とする請求項1に記載のばねの製造方法。熱処理工程では、ばね鋼材の温度を計測し、その計測した温度に基づいてばね鋼材に流す電流量と時間を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のばねの製造方法。コイルばねを通電加熱する装置であって、 コイルばねの一端に電気的に接続可能な第1の電極を備えると共に、該コイルばねの一端をクランプ可能な第1のクランプ機構と、 コイルばねの他端に電気的に接続可能な第2の電極を備えると共に、該コイルばねの他端をクランプ可能な第2のクランプ機構と、 第1の電極と第2の電極の間に電圧を印加する電源装置と、を有しており、 第1の電極からばね鋼材を介して第2の電極に電流を流してばね鋼材を通電加熱する際に、第1のクランプ機構と第2のクランプ機構の少なくとも一方が、他方のクランプ機構に対して、コイルばねの軸線方向に移動可能であると共にコイルばねの軸線周りに回転可能であることを特徴とする通電加熱装置。

说明书全文

本願は、ばねの製造技術に関する。詳しくは、ばね鋼材に生じた加工歪みを取除くための熱処理を短時間化するための技術に関する。

ばね鋼材を塑性加工(例えば、曲げ加工、ねじり加工)することでばね形状に成形すると、ばね鋼材には加工歪みが生じる。加工歪みはばね特性(例えば、耐久性、耐へたり性)に悪影響を与えるため、ばね鋼材をばね形状に成形した後に、ばね鋼材に生じた加工歪みを除去するための熱処理(いわゆる焼鈍処理)が行われる(日本ばね学会編「ばね」第4版,463〜466ページ,丸善株式会社)。この熱処理には、通常、熱風炉や赤外線加熱炉のような加熱炉が用いられる。このような加熱炉を用いて熱処理を行う場合、ばね形状に成形されたばね鋼材を加熱炉の一端から加熱炉内に投入する。加熱炉内に投入されたばね鋼材は、加熱炉の他端に向かって搬送されながら加熱され、加熱炉の他端より加熱炉外に搬出される。これによって、ばね鋼材に熱処理が施され、ばね鋼材から加工歪みが除去される。なお、この熱処理では、一般的に、処理温度が380〜430℃に設定され、処理時間が20〜60分に設定される。

ライン生産方式でばねを製造する場合(すなわち、ばねを量産する場合)、ばね鋼材をばね形状に成形する工程が行われると、その成形したばね鋼材は熱処理工程に搬送され、熱処理工程において熱処理が施される。従来の製造方法では、成形工程に要する時間と比較して、熱処理工程に要する時間が長時間となるという問題がある。すなわち、従来の製造方法では、成形工程に要する時間が4〜60秒であるのに対して、熱処理工程に要する時間は20〜60分となっている。このため、成形工程に合せてばねを製造すると、熱処理工程には同時に多量のワークが投入されていることとなる。例えば、成形工程に要する時間が30秒で、熱処理工程に要する時間が30分の場合、熱処理工程には30秒毎にばね鋼材が投入され、熱処理工程には同時に60個のばね鋼材が存在することとなる。その結果、熱処理用の加熱炉が大型化し、加熱効率が低下する等の問題を招くこととなる。本願の目的は、成形工程により生じた加工歪みを除去する熱処理工程を短時間化することができる技術を提供することである。

本明細書は、ばねの製造方法を開示する。この製造方法は、ばね鋼材をばね形状(予め設定された形状)に成形する成形工程と、成形工程によってばね鋼材に生じる加工歪みを除去する熱処理工程を有している。熱処理工程は、ばね鋼材に電流を流すことでばね鋼材を加熱する通電加熱によって行われ、ばね鋼材を予め設定された設定温度まで加熱する第1工程と、第1工程後に、ばね鋼材を設定温度で予め設定された設定時間だけ保持する第2工程を有している。そして、設定温度が430℃より高く、かつ、500℃以下に設定されている。ここで、設定温度とは、ばね鋼材のうち電流が流れる部位における表面の温度を意味する。

この製造方法では、通電加熱によってばね鋼材を加熱するため、ばね鋼材を短時間で設定温度まで加熱することができる。また、ばね鋼材の熱処理温度(設定温度)は430℃より高く、かつ、500℃以下に設定され、従来の熱処理温度(380〜430℃)と比較して高温とされている。これらのため、成形工程によってばね鋼材に生じた加工歪みを短時間で除去することができ、熱処理工程を短時間で行うことができる。

なお、設定温度を430℃より高く、かつ、500℃以下に設定するのは、次の理由による。設定温度が430℃以下であると、熱処理時間の短縮を十分に図ることができないためである。一方、設定温度が500℃を超えると、ばね鋼材の組織が変態し、その機械的特性が変化してしまうためである。

上記の製造方法においては、第1工程と第2工程に要する時間が1分以内で、かつ、第2工程の設定時間が5秒以上となるように、設定温度が設定されていることが好ましい。このような構成によると、成形工程に要する時間と熱処理工程に要する時間の差が小さくなり、効率的にばねを製造することができる。

また、上記の熱処理工程では、ばね鋼材の温度を計測し、その計測した温度に基づいてばね鋼材に流す電流量と時間を制御することが好ましい。熱処理温度(設定温度)を高くすると短時間で所望の量の熱処理を行うことができるが、その分、熱処理温度がばらついたときの熱処理量のばらつきも大きくなる。このため、計測したばね鋼材の温度に基づいて電流量と時間を制御することで、ばね鋼材に適正な量の熱処理を施すことができる。

また、本明細書は、好適にコイルばねを通電加熱することができる装置を開示する。この通電加熱装置は、コイルばねの一端に電気的に接続可能な第1の電極を備えると共に、該コイルばねの一端をクランプ可能な第1のクランプ機構と、コイルばねの他端に電気的に接続可能な第2の電極を備えると共に、該コイルばねの他端をクランプ可能な第2のクランプ機構と、第1の電極と第2の電極の間に電圧を印加する電源装置を有している。そして、第1のクランプ機構と第2のクランプ機構の少なくとも一方が、他方のクランプ機構に対して、コイルばねの軸線方向に移動可能であると共にコイルばねの軸線周りに回転可能となっている。この装置では、通電加熱によってコイルばねが熱変形しても、一方のクランプ機構が他方のクランプ機構に対して変位することで、コイルばねに過大な応が発生することを防止することができる。

実施例に係るばねの製造方法を示すフローチャート。

図1のステップS12の間の温度プロファイルを模式的に示す図。

ステップS12の処理に用いることができる通電加熱装置を模式的に示す側面図。

図3の通電加熱装置の平面図。

熱処理量(熱処理後の残留応力と硬さ)が同一となるときの熱処理温度と時間の関係を示す図。

実施例に係るばねの製造方法について説明する。本実施例では、ばねの一種である自動車懸架用コイルばね(以下、懸架用コイルばねという)を製造する場合を例に説明する。懸架用コイルばねは、車体と車輪の間に配置され、車輪を路面に対して押圧する力を発生する。懸架用コイルばねは、ばね鋼材をらせん状に成形することで製造される。ばね鋼材には、軸方向に直交する断面の断面積が一定のばね線材を用いることができる。このようなばね線材としては、例えば、線径=φ3〜20mmのオイルテンパー線(SUP12(日本工業規格JIS G 4801),SWOSC−B(日本工業規格JIS G 3560)等)を用いることができる。

懸架用コイルばねを製造するには、図1に示すように、まず、ばね鋼材を冷間又は温間で曲げ加工してらせん状に成形する(S10)。ばね鋼材の成形には、溝付きの心金(リードスクリュー)にばね鋼材を巻きつけるリードスクリュー方式や、ガイドローラを使用するNCコイリング方式を用いることができる。このステップS10の成形工程によって、ばね鋼材には加工歪みが発生する。

次に、らせん状に成形されたばね鋼材に熱処理(焼鈍処理)が実施される(S12)。この熱処理は通電加熱によって行われる。通電加熱では、処理対象となるばね鋼材に電流を流し、これによってばね鋼材を加熱する。通電加熱を用いることで、ばね鋼材を短時間で所望の温度まで昇温することができる。なお、懸架用コイルばねに用いるばね鋼材を断面積一定のばね線材とすると、ばね鋼材の全体が均一に加熱され、ばね鋼材の全体に均一に熱処理を施すことができる。

ステップS12の熱処理では、図2に示すように、ばね鋼材を予め設定された設定温度T1まで加熱する第1工程(0〜t1)と、設定温度T1まで加熱されたばね鋼材を設定温度T1で予め設定された設定時間だけ保持する第2工程(t1〜t2)を有する。第2工程が終了すると(すなわち、ステップS12の熱処理が終了すると)、ばね鋼材に流れる電流が遮断され、ばね鋼材は自然冷却される(t2以降)。

上記の設定温度T1は、430℃より高く、かつ、500℃以下に設定されている。設定温度を430℃より高くすることで、従来の熱処理温度(380〜430℃)と比較して高温までばね鋼材が加熱され、短時間で熱処理を終了することができる。一方、設定温度を500℃以下とすることで、ばね鋼材の組成が変態することが防止され、熱処理によってばね鋼材の機械的特性が変化してしまうことが防止される。

また、設定温度T1は、ステップS12の熱処理を実施する時間(0〜t2)に応じて設定される。図5は、熱処理後のばね鋼材(SUP12)の残留応力及び硬さが同一となる熱処理条件(すなわち、ばね鋼材に同一の量の熱処理が付与される条件)を示している。図中の○と●とでは、熱処理後の残留応力及び硬さが異なる値となるが、○同士又は●同士では、熱処理後の残留応力及び硬さが同一の値となっている。図5から明らかなように、熱処理温度が上昇すると、処理時間は短くなる。したがって、処理時間を短くしたい場合は熱処理温度(設定温度T1)を高くし、処理時間を長くしたい場合は熱処理温度(設定温度T1)を低くすればよい。このため、まず、ステップS12の熱処理時間を設定し、その設定した熱処理時間に合せて設定温度T1を設定することで、ばね鋼材に適切な量の熱処理を設定した熱処理時間で施すことができる。なお、ステップS12の熱処理時間は、ステップS10の成形工程に要する時間に応じて適宜決定することが好ましい。このように決定することで、成形装置の台数と熱処理装置の台数とをバランスさせることができる。

例えば、第1工程と第2工程に要する時間(すなわち、0〜t2)が1分以内となり、かつ、第2工程の時間(t1〜t2)が5秒以上となるように、ステップS12の熱処理時間を設定し、その設定時間に応じて設定温度T1を設定することができる。第1工程と第2工程に要する時間を1分以内とすることで、ステップS10の成形処理の時間とステップS12の熱処理の時間とを同一、又は、その差を小さくすることができる。これによって、懸架用コイルばねを量産する製造ラインに配置される熱処理装置の数を少なくすることができる。具体例を挙げて説明する。例えば、成形装置が30秒毎に1個のコイルばねを製造する場合に、熱処理装置の処理時間が5分毎に1個であると、成形装置1台につき熱処理装置が10台必要となる。一方、熱処理装置の処理時間が1分毎に1個であれば、成形装置1台につき熱処理装置が2台でよく、必要となる熱処理装置の数を減らすことができる。

ここで、ステップS12の熱処理に用いられる通電加熱装置の一例について説明しておく。図3,4に示すように、通電加熱装置は、ばね鋼材22の上端22aをクランプするクランプ機構(24a,26a)と、ばね鋼材22の下端22bをクランプするクランプ機構(24b,26b)と、電源装置50を備えている。

クランプ機構(24a,26a)は、クランプ部材24a,26aを備えている。図4に示すように、クランプ部材24a,26aには、電極25a,23aがそれぞれ取付けられている。電極25a,23aには、ばね鋼材22の形状に倣った接触面が形成されている。電極25a,23aは電源装置50に接続されている。

クランプ部材24a,26aは、図示しないアクチュエータによって、互いに近接した位置(クランプ位置)と、互いに離間した位置(開放位置)との間を移動できるようになっている。クランプ部材24a,26aがクランプ位置に移動すると、ばね鋼材22の上端22aが電極25a,23aでクランプされる。これによって、ばね鋼材22と電極25a,23aが電気的に接続される。一方、クランプ部材24a,26aが開放位置に移動すると、ばね鋼材22の上端22aと電極25a,23aとが非接触の状態となる。なお、クランプ機構(24a,26a)は、ばね鋼材22の巻回軸線(すなわち、懸架用コイルばねの軸線)回りに回転可能とされている。これによって、通電加熱によってばね鋼材22が変形しても、その変形に対応できるようになっている。

ばね鋼材22の下端をクランプするクランプ機構(24b,26b)は、上述したクランプ機構(24a,26a)と略同一の構成を有している。ただし、クランプ機構(24b,26b)は、クランプ機構(24a,26a)と異なり、図示しないアクチュエータによって、図3の上下方向に駆動されるようになっている。クランプ機構(24b,26b)が上下に駆動されることで、通電加熱装置へのばね鋼材22のセットと取出しを可能としている。なお、クランプ機構(24b、26b)は、上述したクランプ機構(24a,26a)と同様に、図示しないアクチュエータによって、クランプ位置と開放位置との間を移動可能とされると共に、ばね鋼材22の巻回軸線回りに回転可能とされている。

この通電加熱装置は、図3,4に示すように、ばね鋼材22の下端22bを支持する冶具28と、ばね鋼材22の上端22aを支持する冶具42を有している。冶具28には、ばね鋼材22の下端22bの形状に倣った接触面28aが形成されている。冶具28は、油圧装置34によって上下に駆動される。油圧装置34は、シリンダ30と、シリンダ30に対して進退動するピストンロッド32を備えている。ピストンロッド32の先端に冶具28が取付けられている。冶具42も、上述した冶具28と同様に構成されている。すなわち、冶具42は、ばね鋼材22の上端22aの形状に倣った接触面42aを有しており、シリンダ36とピストンロッド38を備えた油圧装置40によって上下に駆動されるようになっている。冶具28及び冶具42によってばね鋼材22の両端を支持することで、ばね鋼材22を所望の位置に精度良く位置決めすることができる。

なお、上述した通電加熱装置によってばね鋼材22を通電加熱する際は、次の手順で行うことができる。まず、クランプ機構(24b,26b)及び冶具28を下方に退避した状態とする。次いで、図示しないロボットハンドによって、ばね鋼材22を冶具42に対してセットする。すなわち、ばね鋼材22の上端22aが冶具42に当接するまでロボットハンドを駆動し、ばね鋼材22を冶具42に対して位置決めする。これと同時に、クランプ機構(24a,26a)がばね鋼材22の上端22aをクランプする。次に、冶具28及びクランプ機構(24b,26b)が上方に移動し、その後に、ばね鋼材22の下端22bをクランプ機構(24b,26b)がクランプする。ばね鋼材22の上端22aと下端22bがクランプされると、この状態でばね鋼材22の上端と下端の間に電源装置50によって電圧を印加し、ばね鋼材22に通電する。これによって、ばね鋼材22が加熱される。ばね鋼材22の通電加熱が終了すると、クランプ機構(24b,26b)は、ばね鋼材22の下端22bを開放し、その後、冶具28及びクランプ機構(24b,26b)が下方に退避する。次いで、図示しないロボットハンドがばね鋼材22を把持すると、クランプ機構(24a,26a)がばね鋼材22の上端22aを開放し、その後、ロボットハンドが装置外にばね鋼材22を搬送する。

なお、ばね鋼材22を通電加熱すると、その熱によってばね鋼材22が変形する。本実施例では、ばね鋼材22の変形に応じて、クランプ機構(24b,26b)が上下方向に移動すると共に、クランプ機構(24a,26a),(24b,26b)がばね鋼材22の巻回軸線回りに回転する。これによって、ばね鋼材22の熱変形が吸収される。

上述した熱処理が実施されると、次に、ばね鋼材の表面にショットピーニングが行われる(図1のS14)。これによって、ばね鋼材の表面に圧縮残留応力が付与され、懸架用コイルばねの耐久性の向上が図られる。また、ステップS12の熱処理工程においてばね鋼材の表面に形成される表面酸化スケールが除去され、塗装の付き具合を向上することができる。

次に、ショットピーニング処理後のばね鋼材が加熱される(S16)。これによって、懸架用コイルばねの耐へたり性が改善される。この加熱処理では、ばね鋼材の表面温度が予め設定された設定温度(例えば、190〜300℃)まで加熱される。なお、この加熱処理には、種々の加熱方法を採用することができ、例えば、高速熱風加熱(風速10m/s以上)、誘導加熱、赤外線加熱、通電加熱等を用いることができる。

ステップS16のばね鋼材の加熱が終了すると、ばね鋼材は自然冷却され、次いで、ばね鋼材の表面に塗料を吹付ける(S18)。塗料の吹付けには、例えば、塗料を霧状にして高圧空気で吹付ける吹付け塗装を用いることができる。あるいは、静電塗装によって塗料の吹付けをすることもできる。

ばね鋼材の表面への塗料の吹付けが終了すると、ばね鋼材を加熱して、ばね鋼材の表面に吹付けた塗料をばね鋼材の表面に焼付ける(S20)。ばね鋼材の加熱には、加熱炉又はヒートガン等を利用することができる。

上述したように本実施例の懸架用コイルばねの製造方法では、ステップS12の処理に通電加熱を用いると共に、従来技術と比較して高温でばね鋼材を熱処理するため、ステップS12の処理時間を短くすることができる。このため、ステップS10の成形工程に要する時間とステップS12の熱処理工程に要する時間差を小さくすることができる。その結果、生産ラインに設置される熱処理設備の数を減らすことができ、効率的に懸架用コイルばねを製造することができる。

以上、本願の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。 例えば、上述した実施例では、懸架用コイルばねを製造する例であったが、本願に係る技術は懸架用コイルばね以外のばねを製造する場合にも適用することができる。例えば、スタビライザ、トーションバー等の製造に用いることもできる。 また、ステップS12の熱処理を適切に行うために、非接触温度計(例えば、放射温度計、サーモグラフ)でばね鋼材の表面温度を測定し、その測定した表面温度に基づいてばね鋼材への電流量と時間を制御してもよい。これによって、ばね鋼材の温度が精度よく制御され、ばね鋼材に適切な量の熱処理を実施することができる。 また、上述した実施例は、ばね鋼材を冷間又は温間でばね形状に成形することで生じた加工歪みを除去する熱処理(焼鈍処理)に本願の通電加熱方法を適用した例であったが、本明細書に開示の技術はこのような例に限られない。例えば、ばね鋼材を熱間でばね形状に成形し、焼入れ後に行われる熱処理工程(焼戻し処理)に、本明細書に開示の通電加熱方法を適用することもできる。

本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。

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