Load characteristic regulation system of the conical spring

申请号 JP2012511433 申请日 2010-04-19 公开(公告)号 JP5529262B2 公开(公告)日 2014-06-25
申请人 オリイメック株式会社; 发明人 浩 大久保; 修 下村;
摘要
权利要求
  • 線材を線材送出部から前記線材の軸線方向に沿って送出させる線材送出手段と、前記線材送出部に対向して少なくとも一つ配置され、送出された前記線材を衝合させて巻回させる成形ツールと、前記線材の巻回を螺旋状にする螺旋化手段と、線材送出中の前記線材送出部と成形ツールの距離を動的に変化させることで前記線材の巻回径を徐々に変化させる巻回径調節手段と、を有する線ばね成形装置によって、円錐ばねを成形する際の荷重特性調節システムであって、
    前記線材送出手段によって線材を等加速度で線材送出部から送出させ、
    該送出の等加速度を調節することによって、生成される円錐ばねの荷重特性を調節することを特徴とした、円錐ばねの荷重特性調節システム。
  • 線材を線材送出部から前記線材の軸線方向に沿って送出させる線材送出手段と、前記線材送出部に対向して少なくとも一つ配置され、送出された前記線材を衝合させて巻回させる成形ツールと、前記線材の巻回を螺旋状にする螺旋化手段と、線材送出中の前記線材送出部と成形ツールの距離を動的に変化させることで前記線材の巻回径を徐々に変化させる巻回径調節手段と、を有する線ばね成形装置によって、円錐ばねを成形する際の荷重特性調節システムで あって、
    前記巻回径調節手段が線材送出中の前記線材送出部と成形ツールの少なくとも一方を等加速度で移動させ、
    該移動の等加速度を調節することによって、生成される円錐ばねの荷重特性を調節することを特徴とした、円錐ばねの荷重特性調節システム。
  • 線材を線材送出部から前記線材の軸線方向に沿って送出させる線材送出手段と、前記線材送出部に対向して少なくとも一つ配置され、送出された前記線材を衝合させて巻回させる成形ツールと、前記線材の巻回を螺旋状にする螺旋化手段と、線材送出中の前記線材送出部と成形ツールの距離を動的に変化させることで前記線材の巻回径を徐々に変化させる巻回径調節手段と、を有する線ばね成形装置によって、円錐ばねを成形する際の荷重特性調節システムであって、
    前記螺旋化手段が、前記線材を円錐ばねの成形方向に押圧しつつ前記円錐ばねの成形方向に沿って移動可能に構成されて、巻回された線材を前記該移動量に応じたピッチで螺旋状にするピッチツールであり、
    前記ピッチツールを等加速度で移動させることによって、前記螺旋のピッチを徐々に変化させ、
    移動する前記ピッチツールの等加速度を調節することによって、生成される円錐ばねの荷重特性を調節することを特徴とした、円錐ばねの荷重特性調節システム。
  • 说明书全文

    本発明は、線ばね成形装置において、線材ガイドである線材送出部から前方に送り出された線材を、その前方に配置した成形ツールに衝合させて巻回ることで成形する円錐ばねの荷重特性調節システムに関する。

    線材を巻回させることによって線ばねを成形する装置としては、特許文献1(特開2004−237352号)のものが知られている。 この装置によれば、線材は、圧送ローラを有する線材圧送手段によってクイル(線材送出部)から成形ステージに送り出され、線材の軸線に直交する方向から線ばね成形ステージに向けて前進した、コイル成形ツールと衝合し、巻回させることでコイルに成形される。

    また、成形されるコイルの径は、コイル成形ツールとクイルの距離に応じて変化する。 即ち、成形されるコイルの径は、成形ツールとクイルの距離が近いほど、コイル径が小さくなり、成形ツールとクイルの距離が遠いほど、コイル径が大きくなる。 従って、この線ばね成形装置により、クイルをクイル移動手段によって線材の軸線方向に等速度で移動させ(クイルを成形ツールから等速度で引き離し)つつ、クイルから等速度で送出した線材をコイル成形ツールと衝合させた場合には、コイル径が軸線方向に沿って徐々に変化(増加)するため、略円錐形状のばねが成形される。

    しかし、円錐ばねの素材となる線材には、製造ロットの相違等により、線径に微少なバラツキが有るなどの特性の相違がある。 従って、微妙に特性が異なる線材で同一形状の円錐ばねを形成しても、出来上がった円錐ばねは、得られた荷重特性にバラツキを生じ、設計上予定された範囲の荷重特性を備えていないことが多い。 従って、円錐ばねを形成する際には、得られる荷重特性を線材のロット等に応じて調節する作業が必要になる。

    そこで、円錐ばねの荷重特性の調節は、円錐ばねのできあがり形状を微妙に変えることで行なわれる。 例えば、円錐ばねは、コイル中心軸方向に対する円錐ばね外周の傾斜度、即ちコイル中心軸方向に沿ったコイル径の増加度を変化させると、外形の微妙な変化によって得られる荷重特性が微妙に変化する。 コイル中心軸方向に対する円錐ばね外周の傾斜度は、線ばね成形装置を図7(a)のように設定することで、図7(b)に示す、略富士山型、略テーパー型及び略おわん型の間で変化する。

    具体的には、線ばね成形装置の設定において、クイルの移動速度を等速度に固定し、クイルから等速度で送り出される線材の送り速度が途中で切り替わるようにする。

    図7(a)は、円錐ばねを成形する際の線ばね成形装置における線材送り速度の設定を示し、図7(b)は、設定に応じた出来上がり形状を示す。 図7(a)の左上図と右上図の各横軸は、それぞれクイルからの線材の送り時間tを示す。 符号t1は、線材送り速度切り替えまでの時間を示し、t2は、線材のトータルの送り時間を示す。 また、図7(a)の左上図の縦軸は、線材の送り量Xを示し、右上図の縦軸は、クイルからの線材の送り速度Vを示す。 図7(a)の左下図の横軸は、クイルの移動時間(t1,t2は線材の送り時間と同じ)tを示し、同図の縦軸は、クイルの移動距離Pを示す。

    クイルは、上述したように図7(b)に示すP1からP3の間を等速で移動(コイル成形ツールから引き離す)するように線ばね成形装置を設定する。 一方、線材は、図7(a)右上図に示すように2段階の等速度でクイルから送出させるように線ばね成形装置を設定する。

    線ばね成形装置による円錐ばねのコイル円周長は、巻き始め近傍よりも巻き終わり近傍の方が当然長くなる。 従って、例えば、図7(a)の右上図(二点鎖線部分)に示すように、等速度でP1からP3まで移動するコイルから線材を一定速度V0で送り出した場合には、図7(b)左図に示すようにコイル円周長が巻き初めから巻き終わりにかけて徐々に増加していくことに対して、クイルからの線材の送り量(送り速度)が増加せずに一定で有るため、コイルを一周巻く際のクイルの移動割合が、巻き初めから巻き終わりに向けて徐々に大きくなる。 従って、コイル中心軸L0方向に対する円錐ばね外周の傾斜は、図7(b)の左図に示すように、巻き始め近傍よりも巻き終わりの近傍において傾斜がきつくなる。 その結果、図7(b)の左図に示すように、クイルが移動するP1からP2間を前半(以降は単に前半とする)、P2からP3間を後半(以降は単に後半とする)とすると、コイル中心軸L0に対する円錐ばね外周の傾斜は、前半がゆるく、後半がきつく形成されるため、出来上がった円錐ばねは、外周が内側に凹んだ略富士山型(以降は、この形状を略富士山型と表現する)に形成される。

    一方、コイル中心軸L0に対する円錐ばね外周の傾斜は、線材の送り速度を増速すれば傾斜がゆるくなり、線材の送り速度を減速すれば傾斜がきつくなる。 そこで、図7(a)右上図(実線部分)に示されるように、前半(0〜t1)におけるクイルからの線材の送り速度をV0から所定の等速度V1に減速し、後半(t1〜t2)の線材送り速度をV0から所定の等速度V2に増速した場合、円錐ばね外周の傾斜は、図7(b)中央図に示すように、前半が(b)左図に比べてよりきつく、後半がよりゆるやかになる。 その結果、円錐ばねの出来上がり形状は、略富士山型から外周の傾斜が略一定の略テーパー型(以降は、この形状を略テーパー型と表現する)に微少変化し、得られる荷重特性が微調節される。

    更に、図7(a)右上図(一点鎖線部分)に示されるように、前半(0〜t1)の線材送り速度をV1から更にV3に減速し、後半(t1〜t2)の線材送り速度をV2からV4に増速した場合、円錐ばね外周の傾斜は、図7(b)右図に示すように、前半が(b)中央図より更にきつく、後半が更にゆるやかになる。 その結果、円錐ばねの出来上がり形状は、略テーパー型から外周が外側に突出した略おわん型(以降は、この形状をおわん型と表現する)に微少変化し、得られる荷重特性が更に微調節される。

    上述したように、従来における円錐ばねの荷重特性の微調節は、線ばね成形装置に設定する、クイルがP1からP2まで移動する時間t1までの前半の等速度変数(ここでは、aとする)と、クイルがP2からP3まで移動する時間t1からt2までの後半の等速度変数(ここでは、bとする)の組み合わせによって円錐ばねを試作し、所定の荷重特性が得られなければ、作業員が等速度変数(a,b)の組み合わせを設定変更して、富士山型から略おわん型の間で形状が微妙に異なる円錐ばねを再度試作し、所定の荷重特性を有する円錐ばねが得られるまで、円錐ばねの試作を繰り返すことによって行なわれていた。

    特開2004−237352号

    円錐ばねを成形する場合、作業者は、成形された円錐ばねに所定の荷重特性が得られるまで線ばね成形装置の等速度変数(a,b)の設定変更を何度も繰り返さなければならない。 ある特性を有する線材に最適な等速度変数(a,b)を決定する作業は、等速度変数(a,b)の組み合わせの数が多大になるため、最適な組み合わせが見つかるまで作業員に多大な労を強いると共に、多大な時間を必要とする。

    従って、ある特性を備えた線材に適した、線ばね成形装置への設定値(従来は等速度変数a、b)を決定する作業は、出来るだけ簡単かつ短時間に行えることが望ましい。 そこで、本願出願人は、円錐ばねの成形を繰り返す際に成形装置に入力する変数の設定項目数を減らしつつ、従来と同様に円錐ばねの出来上がり形状を変化させつつ荷重特性の調節が出来れば、円錐ばねを繰り返し試作することによる労力と時間を軽減できるのではないかと考えた。

    本願発明は、上記問題に鑑み、形状が微妙に異なる円錐ばねを複数試作することで得られる荷重特性を調節する際に、線ばね成形装置に設定する数値(従来は速度変数a、b)の項目数を減らすことにより、当該数値決定までの作業時間と作業者への負担を大幅に低減した、円錐ばねの荷重特性調節システムを提供するものである。

    前記課題を解決するために請求項1における、円錐ばねの荷重特性調節システムは、線材を線材送出部から前記線材の軸線方向に沿って送出させる線材送出手段と、前記線材送出部に対向して少なくとも一つ配置され、送出された前記線材を衝合させて巻回させる成形ツールと、前記線材の巻回を螺旋状にする螺旋化手段と、線材送出中の前記線材送出部と成形ツールの距離を動的に変化させることで前記線材の巻回径を徐々に変化させる巻回径調節手段と、を有する線ばね成形装置によって、円錐ばねを成形する際の荷重特性調節システムであって、前記線材送出手段によって線材を等加速度で線材送出部から送出させ、該送出の等加速度を調節することによって、生成される円錐ばねの荷重特性を調節し、生成される円錐ばねの荷重特性を調節するようにした。

    (作用)線ばね成形装置に設定入力する線材の送出加速度を調節することによって、円錐ばねの出来上がり形状が変化し、異なる荷重特性を備えた円錐ばねが成形される。

    従来、略富士山型、略テーパー型及び略おわん型の間で行なわれていた、円錐ばねの出来上がり形状の調節、即ち円錐ばねの荷重特性の調節は、線ばね成形装置に設定する「線材送出部からの線材送り速度の複数の組み合わせ(例えばa,b)」を作業員が変更して円錐ばね出来上がり形状を変化させることで行なわれていたが、前記組み合わせの通り数が多大であったため、ある特性を有する線材に最適な「線材送り速度の組み合わせ」を確定するまで多大な時間と労力が必要とされた。

    しかし、本願請求項1の円錐ばねの荷重特性調節システムでは、「線材送り速度の組み合わせ」ではなく、線材送出部から一定の等加速度で送出させた「線材の送り加速度」を変えることによって、略富士山型、略テーパー型及び略おわん型の間で行なわれる、従来と同様の円錐ばねの形状調節が可能になる。

    言い換えると、本願請求項1の円錐ばねの荷重特性調節システムは、円錐ばねの出来上がり形状を変更するための線ばね成形装置の設定項目が「線材の送り加速度」一項目だけであるため、「線材送り速度の組み合わせ」を2項目以上設定変更しなければ本願と同様の形状変化を得られない従来の調節システムよりも試行回数が少ない(従来の試行回数は、設定値の2乗回)。 即ち、その線材に最適な設定値(本願では加速度)を得るまでの試行回数と作業時間は、大幅に低減される。

    また、請求項2における、円錐ばねの荷重特性調節システムは、線材を線材送出部から前記線材の軸線方向に沿って送出させる線材送出手段と、前記線材送出部に対向して少なくとも一つ配置され、送出された前記線材を衝合させて巻回させる成形ツールと、前記線材の巻回を螺旋状にする螺旋化手段と、線材送出中の前記線材送出部と成形ツールの距離を動的に変化させることで前記線材の巻回径を徐々に変化させる巻回径調節手段と、を有する線ばね成形装置によって、円錐ばねを成形する際の荷重特性調節システムであって、前記巻回径調節手段が線材送出中の前記線材送出部と成形ツールの少なくとも一方を等加速度で移動させ、該移動の等加速度を調節することによって、生成される円錐ばねの荷重特性を調節し、生成される円錐ばねの荷重特性を調節するようにした。

    (作用)本願請求項2では、本願請求項1で線材の送り加速度を調節した代わりに、巻回径調節手段によって線材送出部または成形ツールの少なくとも一方を等加速度で移動させながら線材送出部と成形ツールの距離を変化させ、前記移動の等加速度を調節することによって、円錐ばねの出来上がり形状が変化し、円錐ばねの荷重特性が調節される。

    言い換えると、本願請求項2の円錐ばねの荷重特性調節システムは、円錐ばねの出来上がり形状を変更するための線ばね成形装置の設定項目が「線材送出部または成形ツールの一方の移動加速度」一項目だけであるため、「線材送り速度の組み合わせ」を2項目以上設定変更しなければ本願と同様の形状変化を得られない従来の調節システムよりも試行回数が少ない(従来の試行回数は、設定値の2乗回)。 即ち、その線材に最適な設定値(本願では加速度)を得るまでの試行回数と作業時間は、大幅に低減される。

    また請求項3における円錐ばねの荷重特性調節システムは、線材を線材送出部から前記線材の軸線方向に沿って送出させる線材送出手段と、前記線材送出部に対向して少なくとも一つ配置され、送出された前記線材を衝合させて巻回させる成形ツールと、前記線材の巻回を螺旋状にする螺旋化手段と、線材送出中の前記線材送出部と成形ツールの距離を動的に変化させることで前記線材の巻回径を徐々に変化させる巻回径調節手段と、を有する線ばね成形装置によって、円錐ばねを成形する際の荷重特性調節システムであって、前記螺旋化手段が、前記線材を円錐ばねの成形方向に押圧しつつ前記円錐ばねの成形方向に沿って移動可能に構成されて、巻回された線材を前記該移動量に応じたピッチで螺旋状にするピッチツールであり、前記ピッチツールを等加速度で移動させることによって、前記螺旋のピッチを徐々に変化させ、移動する前記ピッチツールの等加速度を調節することによって、生成される円錐ばねの荷重特性を調節し、生成される円錐ばねの荷重特性を調節するようにした。

    (作用)円錐ばねの荷重特性は、円錐ばねのピッチ態様を変化させることによっても調節することが出来る。 本願請求項3では、円錐ばねの成形方向にピッチツールを等加速度で移動させて、前記螺旋のピッチを徐々に変化させ、移動する前記ピッチツールの等加速度を調節することによって、円錐ばねの出来上がり形状が変化し、円錐ばねの荷重特性が調節される。

    言い換えると、本願請求項3の円錐ばねの荷重特性調節システムは、円錐ばねの出来上がり形状を変更するための線ばね成形装置の設定項目が「ピッチツールの移動加速度」1項目だけであるため、「線材送り速度の組み合わせ」を2項目以上設定変更しなければ本願と同様の形状変化を得られない従来の調節システムよりも試行回数が少ない(従来の試行回数は、設定値の2乗回)。 即ち、その線材に最適な設定値(本願では加速度)を得るまでの試行回数と作業時間は、大幅に低減される。

    本願各請求項に記載された円錐ばねの荷重特性調節システムによれば、円錐ばねの形状変化の際に変更すべき線ばね成形装置の設定項目が2以上の組み合わせでなく1項目になり、特定の特性をもった線材に必要な線ばね成形装置の設定値を得るまでの試行回数が減少するため、前記設定値の決定作業が容易になり、作業時間と作業者への負担が大幅に低減される。

    本発明で使用するコイリングマシンの第1実施例の正面図である。

    第1実施例のポイントツールユニットの正面図である。

    ポイントツールユニットを裏面側から見た斜視図である。

    線材送出部とポイントツール周辺の拡大斜視図である。

    線材送出部とポイントツール周辺の拡大正面図である。

    第1実施例のコイリングマシンによる円錐ばねの成形状況を示す、線材送出部とポイントツール周辺の平面図である。

    (a)は、従来技術における線材送出部からの線材送りと線材送出部の移動の制御を示すグラフである。 (b)は、(a)の制御に基づいて形成される円錐ばねの出来上がり形状を示す図である。

    (a)図は、本願各実施例における線材送出部からの線材送りと線材送出部の移動制御を示すグラフである。 (b)図は、(a)の制御に基づいて形成される円錐ばねの出来上がり形状を示す図である。

    本願の第2実施例であるコイルばね成形装置の一部を断面で示す正面図である。

    図9のコイル成形ツールの拡大断面図である。

    (a)ツールホルダにおける右巻き用と左巻き用のコイル成形用ツール本体の配置を示す図である。 (b)右巻き用コイル成形用ツール本体134Aを(a)図のII方向から見た図である。 (c)左巻き用コイル成形用ツール本体134Bを(a)図のIII方向から見た図である。

    第2実施例の線ばね成形装置による円錐ばねの成形状況を示す、クイルとコイル成形ツール本体周辺の平面図である。

    コイルばね成形装置(コイリングマシン)に関する本願の第1実施例を図1から図5によって説明する。

    第1実施例のコイリングマシン(線ばね成形装置)150は、線材1を成形ステージ200に向けて送り出す線材送出ユニット151と、線材送出ユニット151から送り出される線材1を衝合させて強制的に湾曲させるポイントツールユニット152と、湾曲した線材1をガイドする芯金153と、湾曲した線材1をコイル成形方向に押圧して螺旋状のコイルに成形するピッチツール154と、コイル末端等で線材1を切断する切断ユニット155を有する。

    線材送出ユニット151は、線材1の軸線X1に沿って線材1を導くガイド溝156aを有する線材ガイド156と、図示しないフィード用モーターの駆動によって線材ガイド156上の線材1を挟持しつつ回転し、線材ガイド156の先端側(図のD1方向)へ送る一対のフィードローラー(157a、157b)と、線材ガイド156の先端に設けられて成形ステージ200に向かって線材を送り出す線材送出部158を有する。

    ポイントツールユニット152は、線材送出部158から送出された線材1を衝合させて湾曲させる衝合溝159を先端に備えたポイントツール160と、ポイントツール160を表面に搭載したスライドテーブル161と、スライドテーブル161を線材の軸線X1方向に沿って移動させて、ポイントツール160の先端と線材送出部158との間隔(距離)を動的に調節する巻回径調節手段162によって構成される。 衝合溝159を有するポイントツール160の先端は、線材送出部158と対向する位置に配置される。

    また、線材送出部158と衝合溝159との間には、円錐ばねの成形方向(図4のCF方向。以下同じ)に向かって軸線X1と直交する直線X2(図6の成形されるコイルの中心軸)に沿って芯金153が配置される。 芯金153は、半円形状の断面を有し、円形外周が衝合溝側に向けて配置され、衝合溝159で湾曲させられた線材1をピッチツール154に向けてガイドする。

    成形されるコイルの径は、線材送出部158と衝合溝159との距離L1
    に比例して大きく形成される。 線材送出部158と衝合溝159との距離は、線材送出部158にポイントツール160を接近させ、または線材送出部158からポイントツールを引き離す巻回径調節手段162によって調節される。

    巻回径調節手段162は、コイリングマシン150の所定位置にボルト163f等によって固定されて、スライドテーブル161を線材の軸線X1方向に移動可能に保持する一対のスライドレールユニット163と、スライドテーブル161の裏面に設けられたカム受け部材164と、図示しないカム用モーターによって回動し、カム受け部164の外周を押圧することによって、スライドテーブル161に搭載されたポイントツール160を線材の軸線X1方向にそって一方に移動させるカム部材165と、カム受け部材164をカム部材165の押圧方向と逆向きに付勢してカム部材165による移動方向と逆向きにスライドテーブル161を移動させるばね部材166とを有する。

    スライドレールユニット163は、スライドレール(163a,163b)を上下に有し、ばね部材166の取付部163cとストッパ163dを後端部163eに有する。 スライドテーブル161は、スライドレール(163a,163b)に上下から保持されて線材の軸線X1に沿ってTF方向(線材送出部158方向。以下同じ)またはTR方向(後端部163e方向。以下同じ)のいずれかにスライドする。 また、スライドテーブル161には、後端部163eのばね部材取付部163cに一端を取り付けたばね部材166の他端が取り付けられ、スライドテーブル161は、ばね部材166からTR方向の付勢力を受ける。 また、ストッパ163dは、線材の軸線X1に沿って進退可能に後端部163eに螺着され、後端部163eからTF方向に突出した先端部163gが、ユニットの後端部163eに接触せず、ばね部材166によってTR方向に付勢力を受けるスライドテーブル161の後端部161aに接触することによって、ストッパの役目を果たす。

    第1実施例では、図3にあるカム部材165の外周の半径は、反時計回りd2方向に向かって増加するよう形成されている。 従って、図示しないカム用モーターによってカム部材165を時計回りd1方向に回転させると、カム受け部164は、一体であるスライドテーブル161と共にスライドレール(163a、163b)に沿ってTF方向に押圧され、スライドテーブル161上のポイントツール160の先端が線材送出部158に接近する。 また、カム部材165を反時計回りd2方向に逆回転させると、ばね部材166のTR方向の付勢力によって、カム部材165の外周がカム受け部164に当接しつつ回転すると共に、スライドテーブル161は、スライドレール(163a、163b)に沿ってTR方向に移動し、ポイントツール160が線材送出部158から離れる。

    尚、第1実施例においては、線材の軸線X1に沿って進退動作するポイントツール160(巻回径調節手段162)が一つだけ配置されているが、コイリングマシン150においては、コイルの中心軸X2に向かって進退動作するポイントツール160(巻回径調節手段162)を中心軸X2の周囲に放射状に複数配置(図示せず)し、複数のポイントツール160を中心軸X2方向に動的に進退動作させることで成形されるコイル径の調節を行なってもよい。

    また、湾曲した線材1の延伸方向には、芯金153に隣接して設けられ、湾曲した線材1が先端に衝合するピッチツール154が配置される。 ピッチツール154の先端には、湾曲した線材1の進入位置からコイルばね成形方向(CF方向)に向かって傾斜し、衝合した線材1をコイル成形方向(CF方向)に押圧する押圧部167が設けられる。 またピッチツール154は、図示しないアクチュエータ機構等により軸線X1と直交する直線X3に沿って図4のCF方向、またはCFと逆向きのCR方向(以下同じ)に進退可能に構成されると共に、直線X3を中心に回動可能に構成される。

    図4,5に示すように、線材送出部158から送出し、ポイントツール160の衝合溝によってコイルばね成形方向に直交する面に沿って湾曲させられた線材1は、湾曲した内側を芯金153にガイドされつつ、ピッチツール154の押圧面167に接触する。 押圧部167に接触した線材1は、図6に示すようにコイルばね成形方向(CF方向)に押圧されることによって螺旋状に巻回されるため、コイルばねに成形される。 コイルばね成形後は、成形ステージ200に向けて進退可能に構成した切断ツール155の先端を線材1の切断すべき箇所に押し当てて切断する。

    成形されるコイルばねのピッチは、押圧部167に線材1が衝合した状態のピッチツール154をCF方向に移動させた距離に比例して大きくなり、CR方向に戻すほど小さくなる。

    円錐ばねの成形は、線材1の巻回が進むにつれてコイル径を徐々に増減させることで行なわれる。 本願第1実施例のコイリングマシン150においては、例えば図6に示すように図示しないカム用モーターを制御して、所定の等速度でポイントツール160を搭載したスライドテーブル161を軸線X1に沿って右(TR方向)に移動させることで線材送出部158からポイントツール160を徐々に引き離しつつ、線材送出部158から所定の等加速度で送出した線材1をポイントツール160の衝合溝159に衝合させることによって円錐ばねが成形できる。 または、それと反対に、所定の等加速度でスライドテーブル161(ポイントツール160)をTR方向に移動させつつ、線材送出部158から所定の等速度で送出させた線材1を衝合溝159に衝合させることによっても円錐ばねが形成出来る。

    また、円錐ばねの出来あがり形状は、以下に示す制御により、スライドテーブル161(ポイントツール160)を等速度で移動させた場合に線材の送り等加速度を調節し、線材を等速度で送り出した場合におけるスライドテーブル161の移動等加速度を調節することによって、略富士山型、略テーパー型及び略おわん型の間で容易かつ自由に調節出来る。

    円錐ばねを成形する際の線ばね成形装置の制御法を図8により具体的に説明する。 図8(a)に示されるのは、本願各実施例の制御法である。 12(a)の左上図と右上図の各横軸は、それぞれ線材送出部158からの線材送りの経過時間tを示し、前記左上図の縦軸は、それぞれ線材送出部158からの線材の送り量Xを示し、前記右上図の縦軸は、線材送出部158からの線材の送り速度Vを示す。 図8(a)の左下図の横軸は、ポイントツール160を搭載したスライドテーブル161の移動時間tを示し、前記左下図の縦軸は、スライドテーブル161の移動量Pを示す。

    ポイントツール160(スライドテーブル161)は、図示しないカム用モーターを数値制御することで、線材送出部158から送出された線材1を衝合溝159に照合させつつ、軸線X1に沿って等速度でt2時間、図8(a)の左下図のP1からP3まで移動させる。 図示しないフィードモーターの数値制御によって図8(a)の右上図に示すように線材送出部158からの線材の送り速度を仮に終始等速度V0にした場合には、従来と同様に、図8(b)の左図に示すように、円錐ばね外周面の中央が内側に凹んだ略富士山型の円錐ばねが形成される。

    本実施例においては、線材の送り速度が図8(a)の右上図に示されるようにV=a(t−t1)+V0となるように線ばね成形装置を設定し、線材が線材送出部から所定の等加速度で送り出されるようにする。 aは、加速度に関する変数(例えば0〜100までの作業者が手動で設定変更する0以上の整数等)である。 tは、線材送りの経過時間、t1は、t1<t2となる所定の時間の固定値(t2は、線材のトータル送り時間)、V0は所定の等速度に関する固定値である。 作業者は、線ばね成形装置に予め固定値(t2、t1、V0)を設定の上、変数aの設定を0、1,2・・・100というように変えることで線材の送り加速度を変えながら円錐ばねを試作し、所定の荷重特性が得られるまで試作を繰り返す。

    変数aをより大きくすると、時間t1、速度V0の箇所を中心として、速度の傾き、即ち加速度が大きくなる。 その際の線材送り量は、図8(a)左上図のようになる。 即ち、a=0においては、線材送り量がX=V0×tとなり、線材の送り始めから送り終わりに向けて、中心軸L0に対する円錐ばね外周の傾斜が徐々にきつくなるため、図8(b)の左図に示すような略富士山型の円錐ばねが形成される。

    一方、作業者が加速度に関する設定値aをa=1、2,3と増やして行くと、線材送り量Xは、X=a/2×t +(V0−a×t1)×tとなり、図8(a)左上図の実線に示すような加速度的な曲線状に送出される。 即ち、線材は、a=0の設定をした際に比べて、前半にゆっくりと送出され、後半に早く送出されるため、中心軸L0に対する円錐ばね外周の傾斜は、線材送りの前半と後半でほぼ一定になる。 その結果、円錐ばねの出来上がり形状は、所定値aにおいて、図8(b)の中央図に示すような「略テーパー型」になる。

    さらに、作業者が前記「所定値a」よりもaを大きく設定した場合には、図8(a)左上図の一点鎖線に示すように、前半の線材送りが更に遅れ、後半の線材送りが更に早くなるため、円錐ばねの傾斜は、線材送りの前半にきつく、後半にゆるやかになる。 その結果、円錐ばねの出来上がり形状は、ある値aにおいて、図8(b)の右図に示すような「略おわん型」になる。

    作業者は、上述したように、特定の特性を有する線材について、線材の送り加速度に関する変数を1項目のみを例えばa=0から1,2,・・・100まで変更すれば、円錐ばねの出来上がり形状を略富士山型から略おわん型まで(またはピッチの増加割合が異なるように)微妙に変化させて、得られる荷重特性を調節することが出来る。 形状が異なる円錐ばねを繰り返し試作し、得られた荷重特性が所定範囲に含まれた場合の設定値aは、そのロットの線材の最適値となるため、設定値aで円錐ばねを量産すれば、目的とした荷重特性を有する円錐ばねが量産出来る。 作業者は、加速度に関する変数一種類を設定変更すれば荷重特性が調節出来、従来の「速度の組み合わせ」のように2項目以上の変数を変更する必要が無い。 従って、所定の特性を有する線材に最適な設定値aが容易に確定されることによって、得られる円錐ばねの荷重特性が容易に調節できる。

    尚、本実施例においては、ポイントツール160(スライドテーブル161)の移動速度を等速度に固定し、線材送出部158から送り出される線材1の等加速度を調節して円錐ばねの出来上がり形状を変化させているが、これとは逆に、コイリングマシン150の設定において、例えば、線材1の送り出しを等速度に固定し、スライドテーブル161を図8左上図、右上図の条件を満たす(スライドテーブル161の移動量がX、移動速度がVの定義式を満たすようにする)ような等加速度で移動させ、その移動する等加速度を調節(加速度に関する設定値aを調節)したとしても、円錐ばねの出来上がり形状を、同様に(略富士山型から略おわん型まで)変化させて荷重特性の調節をすることが出来る。 また、円錐ばねの中心軸X2に向かって進退可能な複数のポイントツール160を複数配置した場合(図示せず)には、それぞれを搭載したスライドテーブル161を図8左上図、右上図の条件を満たすような等加速度で移動させ、その移動する等加速度を調節する。

    一方、円錐ばねの荷重特性は、円錐ばねのピッチ態様を変化させることによっても調節することが出来る。 円錐ばねによる荷重は、小径側のピッチが大きく、大径側のピッチが小さくなるように調節すれば弱くなり、小径側のピッチが大きく、大径側のピッチが小さくなるよう調節すれば逆に強くなる。

    このような観点から、円錐ばねの加重調節は、上述した円錐ばねスライドテーブル161(ポイントツール160)の移動加速度調節と線材送り加速度調節の代わりに、円錐ばね成形方向(CF方向)に等加速度で移動させたピッチツール154の移動加速度調節によっても行なうことが出来る。

    図示しないアクチュエータ機構の制御によってピッチツール154を円錐ばねを成形するCF方向に等加速度で移動させた場合には、円錐ばねのピッチが図6のCF方向に向かって加速度的に増加する。 ピッチツール154の移動等加速度を調節した場合には、ピッチの増加態様が変化し、円錐ばねの出来上がり形状が微妙に変化するため、円錐ばねに得られる荷重特性の調節をすることが出来る。

    そこで、コイリングマシン150の設定においては、例えば、線材送出部158からの線材1の送り速度(または加速度)と、スライドテーブル161の移動する速度(または速度)を固定し、ピッチツール154を図8左上図、右上図の条件を満たす(ピッチツール154の移動量がX、移動速度がVの定義式を満たすようにする)ような等加速度で移動させ、その移動する等加速度を調節(加速度に関する設定値aを調節)すれば、円錐ばねのピッチ増分の変化に応じて出来上がり形状を変化させ、荷重特性の調節をすることが出来る。

    その際、作業者は、コイリングマシン150の設定において、スライドテーブル161の移動加速度(ピッチツール154の移動加速度調節で荷重特性を調節する場合には、ピッチツールの移動加速度)に関する変数1項目のみを例えばa=0から1,2,・・・100まで変更すれば、円錐ばねの出来上がり形状を略富士山型から略おわん型まで(またはピッチの増加割合が異なるように)微妙に変化させて、得られる荷重特性を調節することが出来る。 形状が異なる円錐ばねを繰り返し試作し、得られた荷重特性が所定範囲に含まれた場合の設定値aで円錐ばねを量産すれば、そのロットの線材により、目的とした荷重特性を有する円錐ばねが量産出来る。 作業者は、加速度に関する変数一種類を設定変更するだけで、得られる円錐ばねの荷重特性を容易に調節できる。

    次に、円錐ばねを成形可能な線ばね成形装置の第2実施例を図9から図12によって説明する。

    線材送出部158を固定してポイントツール160側を移動させる第1実施例とは逆に、第2実施例の線ばね成形装置300は、ポイントツール160に相当するコイル成形ツール120を固定し、線材送出部158に相当するクイル10側を線材の軸線X1方向に移動させることによって、円錐ばねの成形と荷重特性の調節を行なう。

    これらの図において、本実施例に示す線ばね成形装置300は、挟持した線材1を線材ガイドであるクイル10を介して前方の成形ステージ100(図9参照)に送り出す一対の圧送ローラ22,22を有する線材送出手段20と、成形ステージ100に向かって進退動作可能なのコイル成形ツール120とを備え、コイル成形ツール120を成形ステージ100に前進させて、クイル10の先端部から成形ステージ100に送り出される線材1に衝合させて巻回させることで、コイルばねを成形するように構成されている。

    符号3は、架台2上に設けられた固定フレームで、固定フレーム3には、線材1の軸線X1に沿ってクイル10を進退動作させて、コイル成形ツール120とクイル10との間隔を動的に変更するリニアウェイスライド50(本願請求項1以降の巻回径調節手段)が設けられている。 即ち、固定フレーム3には、クイル10と線材送出手段20がスライドフレーム4を介して一体に搭載されたスライドテーブル52が、線材1の軸線X1に沿ってスライド可能に組み付けられている。 スライドテーブル52に一体化されたクイル10は、固定フレーム3に設置されたサーボモータM50によって回転駆動するボールねじ54を介して、線材1の軸線X1に沿って図10に示すKF方向またはKR方向に進退動作できる。 図9の圧送ローラ22、22は、図示しない歯車機構を介して駆動用モータM22の駆動力を受けることにより、上方のローラ22が反時計回り、下方のローラ22時計回りに回転して挟持した線材1をクイル10から成形ステージ100に送り出す。

    また、線材1の軸線X1と直交する方向に沿った上方には、リニアスライド110が配置されている。 このリニアスライド110には、コイル成形ツール120を搭載したツールスライドテーブル112が搭載され、ツールスライドテーブル112は、サーボモータM110によって、クイル10先端の線ばね成形ステージ100に対して進退動作する。 サーボモータM110の出力軸とツールスライドテーブル112間には、サーボモータM110の回転を直線運動に変換するクランク機構114が介装されて、ツールスライドテーブル112の進退動作が制御される。

    コイル成形ツール120は、進退動作可能なツールスライドテーブル112に、ツールスライドテーブル112の進退方向と平行な回転軸133をもつ回転体であるツールホルダ132に左巻き用と右巻き用の一対のコイル成形ツール本体134A,134Bを前記回転軸133を挟んで対向して設けたツール回転ユニット131と、回転ユニット131を回動させるサーボモータM132を搭載した構造となっている。 符号132aは、サーボモータM132の出力軸に軸着されたギヤ、符号133aは、回転軸133に軸着されたギヤで、両ギヤ132a,133aが噛み合うことでモータ駆動力が回転ユニット131に伝達される。

    このコイル成形ツール120Cでは、サーボモータM132を駆動させることで、右巻き用ツール本体134Aと左巻き用ツール本体134Bの配置を逆にすることができるので、成形ステージ100において線材1と衝合させる右巻き用と左巻き用のツール本体134A,134Bを簡単に切り替えることができる。

    また、図11(a)(b)(c)に示すように、扁平な矩形ブロック状のツールホルダ132の左右側面コーナ部には、線材係合用の溝(136a,137a)を形成したそれぞれの線材衝合面(136、137)が反対向きとなるように右巻き用ツール本体134Aと左巻き用ツール本体134Bが配置されている。 図11(b)に示すように、右巻き用の係合溝136aは、右巻き用ツール本体134Aの先端に向かって右下がりとなる一対の平行溝であり、図11(c)に示すように、左巻き用の係合溝137aは、左巻き用ツール本体134Bの先端に向かって左下がりとなる一対の平行溝である。

    コイルばねを成形する場合には、ツールスライドテーブル112の制御により、コイル成形ツール120を成形ステージ100に向けて図10のCF方向に前進させ、ツール本体134A(または134B)をクイル10に対向して配置し、クイル10の先端部から成形ステージ100に送り出される線材1に衝合させる。 右巻用ツール本体134Aがクイル10に対向している場合には、線材1が、図11(b)の右下がりの線材衝合溝136aに沿って図12に示すように右巻に巻回される。 また、サーボモータM132によりツールホルダ132を180°回転させて左巻用ツール本体134Bをクイル10に対向させた場合には、線材1が左下がりの線材衝合溝137aによって左巻に巻回される。

    成形されるコイルばねの巻径は、ツール本体134A(または134B)とクイル10の距離に比例して大きくなる。 従って、図12に示すような円錐ばねを成形する場合には、例えば、線材を等加速度で送出中のクイル10を搭載したスライドテーブル52をサーボモータM50の数値制御により、軸線X1に沿って図10のKR方向に等速度で移動させ、クイル10をツール本体134A(または134B)から引き離しつつ、線材1を線材衝合溝136a(または137a)と衝合させればよい。 または、線材を等速度で送出中のクイル10を搭載したスライドテーブル52をサーボモータM50の制御により、軸線X1に沿って左図10のKR方向に等加速度で移動させながら、線材1を線材衝合溝136a(または137a)と衝合させればよい。

    また、線ばね成形装置300の設定においては、例えば、スライドテーブル52(クイル10)の移動を等速度に固定し、クイル10から線材1を図8左上図、右上図の条件を満たす(線材1の送り量がX、送り速度がVの定義式を満たすようにする)ような等加速度で送出させ、線材送りの等加速度を調節(加速度に関する設定値aを調節)するか、それとは逆にクイル10からの線材1の送り速度を等速度に固定し、スライドテーブル52(クイル10)を図8左上図、右上図の条件を満たす(スライドテーブル52の移動量がX、移動速度がVの定義式を満たすようにする)ような等加速度で移動させ、その等加速度を調節(加速度に関する設定値aを調節)することにより、円錐ばねの形状を変化させ、得られる加重特性を調節できる。

    その際、作業者は、線ばね成形装置300の設定において、線材1の送り加速度(または、スライドテーブル52の移動制御で荷重特性を調節する場合、スライドテーブル52の移動加速度)に関する変数1項目のみを例えばa=0から1,2,・・・100まで変更するだけで、円錐ばねの出来上がり形状を略富士山型から略おわん型まで(またはピッチの増加割合が異なるように)微妙に変化させて、得られる荷重特性を容易に調節することが出来る。

    1 線材 151 線材送出ユニット(線材送出手段)
    154 ピッチツール(螺旋化手段)
    158 線材送出部 160 ポイントツール(成形ツール)
    162 巻回径調節手段 X1 線材の軸線 a 加速度変数 10 クイル(線材送出部)
    20 線材送出手段 50 リニアウェイスライド(巻回径調節手段)
    120 コイル成形ツール 136a 右下がりの線材衝合溝(螺旋化手段)
    137a 左下がりの線材衝合溝(螺旋化手段)

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