密着コイルバネの塑性変形方法

申请号 JP2015207079 申请日 2015-10-21 公开(公告)号 JP2017077386A 公开(公告)日 2017-04-27
申请人 富士フイルム株式会社; Fujifilm Corp; 发明人 ASAOKA TAKURO; UEDA YOSHIHIRO;
摘要 【課題】簡単な設備で作業性よく密着コイルバネの耐久性を向上させることができる密着コイルバネの塑性変形方法を提供する。【解決手段】規制工程S10では、密着コイルバネ28をパイプ60に挿入し、パイプ60により密着コイルバネの密着コイルバネ径方向の変形を規制する。塑性変形工程S20は、パイプ60に挿入された密着コイルバネ28に密着コイルバネ軸方向の一端又は両端から圧縮 力 を付与する。つまり、密着コイルバネ28をパイプ60に挿入し、両端が開口されたパイプ60の右端開口部をキャップ62によって閉鎖する。そして、パイプ60の左端開口部からロッド64をパイプ60内に挿入し、ロッド64の押圧力によって密着コイルバネ28に圧縮力を付与する。【選択図】図3
权利要求
  • 内視鏡挿入部の内部に配置される密着コイルバネの塑性変形方法であって、
    密着コイルバネのコイルバネ径方向の変形を規制する規制工程と、
    前記密着コイルバネの前記コイルバネ径方向の変形を規制した状態で、前記密着コイルバネにコイルバネ軸方向の圧縮力を付与することで前記密着コイルバネを塑性変形させる塑性変形工程と、
    を含む、密着コイルバネの塑性変形方法。
  • 前記規制工程は、前記密着コイルバネを筒状体に挿入し、前記筒状体により前記密着コイルバネの前記コイルバネ径方向の変形を規制する、
    請求項1に記載の密着コイルバネの塑性変形方法。
  • 前記筒状体の筒状体軸方向長さは、前記圧縮力を付与する前における前記密着コイルバネの前記コイルバネ軸方向の長さよりも長く構成され、
    前記塑性変形工程は、前記筒状体に挿入された前記密着コイルバネに前記コイルバネ軸方向の一端又は両端から前記圧縮力を付与する、
    請求項2に記載の密着コイルバネの塑性変形方法。
  • 前記塑性変形工程は、前記密着コイルバネに前記コイルバネ軸方向に前記圧縮力を付与する工程と、前記密着コイルバネに前記圧縮力を解除する工程とを少なくとも2回以上繰り返す、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の密着コイルバネの塑性変形方法。
  • 前記密着コイルバネは、内視鏡軟性部の硬度を調整する硬度調整用密着コイルバネである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の密着コイルバネの塑性変形方法。
  • 前記密着コイルバネは、内部にワイヤが挿通され、前記密着コイルバネの先端部が前記ワイヤの先端部に直接的又は間接的に接続されており、前記密着コイルバネの基端部と前記ワイヤの基端部との前記内視鏡挿入部の長手軸方向における相対距離の変化により、前記コイルバネ軸方向に圧縮される密着コイルバネである、請求項5に記載の密着コイルバネの塑性変形方法。
  • 前記圧縮力は、内視鏡軟性部を直線状態として前記内視鏡軟性部の硬度を最大としたときに前記密着コイルバネにかかる前記コイルバネ軸方向の最大圧縮力の少なくとも5倍以上である、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の密着コイルバネの塑性変形方法。
  • 前記密着コイルバネは、内視鏡湾曲部を湾曲操作するワイヤをガイドするための湾曲操作ワイヤガイド用密着コイルバネである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の密着コイルバネの塑性変形方法。
  • 前記密着コイルバネは、内部に前記内視鏡挿入部の湾曲部を湾曲操作するワイヤが挿通される密着コイルバネである、請求項8に記載の密着コイルバネの塑性変形方法。
  • 说明书全文

    本発明は密着コイルバネの塑性変形方法に係り、特に、内視鏡挿入部の内部に配置された密着コイルバネの耐久性を向上させるための密着コイルバネの塑性変形方法に関する。

    従来から、医療分野において、内視鏡を利用した医療診断が広く行われている。 特に、体腔内に挿入される内視鏡挿入部(以下、挿入部と言う。)の先端部にCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子を内蔵して体腔内の画像を撮影し、プロセッサ装置で信号処理を施してモニタに表示し、これを医者が観察して診断に用いたり、或いは、処置具挿通用のチャンネルから処置具を挿入して、例えば試料の採取やポリープの切除等の処置を行ったりしている。

    内視鏡は、一般に、施術者が把持して操作する操作部と、この操作部に対して体腔内等へ挿入される挿入部とを連設し、操作部からコネクタ部等に接続するためのユニバーサルケーブルを引き出すことにより大略構成される。 そして、ユニバーサルケーブルは操作部から延在させて、その他端部は光源装置やプロセッサ装置に着脱可能に接続される。

    内視鏡の挿入部は、複雑に湾曲した挿入経路内にも挿入できるように、可撓性を有する軟性部を有している。 しかし、この可撓性のために挿入部の先端側の方向が定まらず、目標とする方向に挿入することが難しいという問題がある。 また、体腔内に挿入している際、何らかの処置や観察を行うために、挿入部がそのときの形状で固定されていることが望ましい場合がある。

    そこで、コイルと、このコイルに挿通されたワイヤとからなる硬度調整手段を、軟性部の内部に配設した内視鏡が特許文献1に開示されている。 特許文献1の内視鏡によれば、操作部に設けられた硬度調整ノブを施術者が回動操作してワイヤを牽引し、コイルを軸方向に圧縮することにより、軟性部の硬度を増すことができる。 すなわち、硬度調整手段によって軟性部の可撓性を制御することができる。

    特許文献1にも開示されているが、硬度調整手段を有する内視鏡は、硬度調整手段を数多くの検査で繰り返し使用すると、コイルが次第に塑性変形で縮むことにより、硬度を最大に設定調整した場合に硬度変化量が小さくなり所望の機能を損なう問題がある。

    そこで、特許文献1の硬度調整装置は、上記の問題を解消するために、コイルに所定量の圧縮をかけ、コイルの長さ寸法を自然長と異なる短い長さ寸法に変形させて軟性部の内部に配置している。

    具体的には、ワイヤ及びコイルを挿入部に組み付ける前に、ワイヤとコイルの先端側をロウ付けによって固定する。 また、コイルの基端側にコイルストッパを固定する。 そして、コイルストッパを保持してワイヤを所定力量で1回又は複数回牽引操作して、コイルに圧縮力をかけ、コイルの長さ寸法を自然長より短い長さに変化させる。 次に、この状態で、ワイヤストッパをワイヤにロウ付けして固定する。 この後、挿入部及び操作部の内部にワイヤ及びコイルを組み付ける。

    特許文献1によれば、予めコイルに所定量(所定力量、所定回数、所定時間)の圧縮力をかけ、初期変形、つまり、ユーザーが使用を開始する前の段階で予め圧縮力を加えてコイルを塑性変形させているので、ユーザーが繰り返し硬度調整機能を使用した場合にこの機能が劣化することを極力少なくしている。

    特許第3923701号公報

    しかしながら、特許文献1の硬度調整装置は、コイルとワイヤとを先端側で固定した状態で、ワイヤを牽引してコイルに圧縮力を付与するので、ワイヤの強度を超えた圧縮力をコイルにかけることはできない。

    また、コイルに付与する圧縮力を増大させていくと、コイルが圧縮力によって蛇行変形していくので、高い圧縮力をコイルに効率よく付与することができず、コイルの耐久性を向上させるには限界がある。

    更に、実際にはワイヤの基端側をチャックで固定してワイヤを牽引するため、ワイヤの少なくともチャックで固定する部分は損傷してしまう。 このため、予め長めのワイヤをコイルに挿通し、ワイヤの基端側をチャックで固定してコイルに圧縮力を付与した後、チャックで損傷したワイヤの基端側を切断する作業が必要となる。 そのため、設備が大掛かりになり作業性が悪いという問題がある。

    また、内視鏡挿入部の湾曲部を湾曲操作するワイヤをガイドするための湾曲操作ワイヤガイド用密着コイルバネについても、コイルの耐久性を向上させるという同様の課題がある。

    本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、簡単な設備で作業性よく密着コイルバネの耐久性を向上させることができる密着コイルバネの塑性変形方法を提供することを目的とする。

    上述の目的を達成するために、本発明に係る密着コイルバネの塑性変形方法は、内視鏡挿入部の内部に配置される密着コイルバネの塑性変形方法であって、密着コイルバネの密着コイルバネ径方向の変形を規制する規制工程と、密着コイルバネの密着コイルバネ径方向の変形を規制した状態で、密着コイルバネに密着コイルバネ軸方向の圧縮力を付与することで密着コイルバネを塑性変形させる塑性変形工程と、を含む。

    本発明の一態様によれば、密着コイルバネの密着コイルバネ径方向の変形を規制した状態で、密着コイルバネに密着コイルバネ軸方向の圧縮力を付与するので、密着コイルバネは、蛇行変形が規制された状態で圧縮力が付与される。 これにより、高い圧縮力を密着コイルバネに効率よく付与することができる。 よって、密着コイルバネ径方向の変形を規制するだけの簡単な設備で、作業性よく密着コイルバネの耐久性を向上させることができる。

    本発明の一態様は、規制工程は、密着コイルバネを筒状体に挿入し、筒状体により密着コイルバネの密着コイルバネ径方向の変形を規制することが好ましい。

    本発明の一態様によれば、密着コイルバネを筒状体に挿入するだけで、密着コイルバネの密着コイルバネ径方向の変形を規制することができるので、より簡単な設備で規制工程を実施できる。

    本発明の一態様は、筒状体の筒状体軸方向長さは、前記圧縮力を付与する前における密着コイルバネの密着コイルバネ軸方向の長さよりも長く構成され、塑性変形工程は、筒状体に挿入された密着コイルバネに密着コイルバネ軸方向の一端又は両端から圧縮力を付与することが好ましい。

    本発明の一態様によれば、密着コイルバネの全長を筒状体に挿入することができるので、密着コイルバネの全長において蛇行変形を防止した状態で、密着コイルバネに圧縮力を付与することができる。

    本発明の一態様は、塑性変形工程は、密着コイルバネに密着コイルバネ軸方向に圧縮力を付与する工程と、密着コイルバネに圧縮力を解除する工程とを少なくとも2回以上繰り返すことが好ましい。

    本発明の一態様によれば、圧縮力を付与する工程と圧縮力を解除する工程とを繰り返すことにより密着コイルバネを効率よく塑性変形することができる。

    本発明の一態様は、密着コイルバネは、内視鏡軟性部の硬度を調整する硬度調整用密着コイルバネであることが好ましい。

    本発明の一態様は、密着コイルバネは、内部にワイヤが挿通され、密着コイルバネの先端部がワイヤの先端部に直接的又は間接的に接続されており、密着コイルバネの基端部とワイヤの基端部との内視鏡挿入部の長手軸方向における相対距離の変化により、コイルバネ軸方向に圧縮される密着コイルバネであることが好ましい。

    本発明の一態様は、圧縮力は、内視鏡軟性部を直線状態として内視鏡軟性部の硬度を最大としたときに密着コイルバネにかかる密着コイルバネ軸方向の最大圧縮力の少なくとも5倍以上であることが好ましい。

    本発明の一態様によれば、密着コイルバネの耐久性が十分に得られる変形量に、密着コイルバネを塑性変形することができる。

    本発明の一態様は、密着コイルバネは、内視鏡湾曲部を湾曲操作するワイヤをガイドするための湾曲操作ワイヤガイド用密着コイルバネであることが好ましい。

    本発明の一態様は、密着コイルバネは、内部に内視鏡挿入部の湾曲部を湾曲操作するワイヤが挿通される密着コイルバネであることが好ましい。

    本発明の密着コイルバネの塑性変形方法によれば、簡単な設備で作業性よく密着コイルバネの耐久性を向上させることができる。

    内視鏡の断面図

    実施形態の塑性変形方法のフローチャート

    (A)、(B)、(C)は実施形態の塑性変形方法を継時的に示した説明図

    (A)は塑性変形前の密着コイルバネの要部断面図、(B)は塑性変形後の密着コイルバネの要部断面図

    湾曲操作ワイヤをガイドする密着コイルバネを示した内視鏡挿入部の断面図

    以下、添付図面を参照して、本発明に係る密着コイルバネの塑性変形方法について説明する。

    図1は、実施形態の塑性変形方法によって塑性変形された密着コイルバネ28を有する内視鏡10の断面図である。

    〔内視鏡10の構成〕
    実施形態の内視鏡10は、操作部12と、操作部12に連設された内視鏡挿入部である挿入部14とを備える。

    挿入部14の基端側は、操作部12の先端側に、折れ止めのカバー部材16を介して連設される。 挿入部14は、挿入部14の基端部から先端部に向けて、内視鏡軟性部である軟性部18、内視鏡湾曲部である湾曲部20及び先端硬質部22を備える。

    内視鏡10には、硬度調整装置が設けられる。 硬度調整装置は、軟性部18の硬度を調整する硬度調整手段24と、硬度調整手段24を操作する硬度調整部26とを備える。

    〈硬度調整手段24、硬度調整部26〉
    図1では、挿入部14を破断して示すとともに、図面の煩雑さを避けるため、硬度調整用密着コイルバネである密着コイルバネ28とワイヤ30とを備える硬度調整手段24を主として示している。

    密着コイルバネ28の圧縮状態を変化させる硬度調整部26の方式として、ワイヤ30の基端部30Aを密着コイルバネ28の基端部28Aに対して基端側に牽引するワイヤ牽引方式と、密着コイルバネ28の基端部28Aを先端部側に向かって押し込むコイル圧縮方式の2つの方式がある。 双方の方式で使用される密着コイルバネ28は、内部にワイヤ30が挿通され、後述するように密着コイルバネ28の先端部がワイヤ30の先端部に直接的又は間接的に接続されており、密着コイルバネ28の基端部28Aとワイヤ30の基端部30Aとの挿入部14の長手軸方向における相対距離の変化により、コイルバネ軸方向に圧縮される密着コイルバネである。 なお、以下の実施形態ではコイル圧縮方式で説明する。

    密着コイルバネ28は、軟性部18から操作部12にかけて設けられる。 また、ワイヤ30は、軟性部18から操作部12にかけて設けられ、密着コイルバネ28の中空部に挿通される。 ワイヤ30と密着コイルバネ28の各々の先端部は中継金具32の基端部に、ロウ付け等の固定方法によって固定される。

    中継金具32の先端部には、クッション部材である短長の密着コイルバネ34の基端部が接続され、密着コイルバネ34の先端部に金具36が固定されている。 中継金具32、密着コイルバネ34及び金具36は、挿入部14に固定されておらず、よって硬度調整手段24の先端部は自由端として構成されている。

    一方、ワイヤ30の基端部30Aは、密着コイルバネ28の基端部28Aよりも基端側に延出され、ワイヤスリーブ38に挿通されて固定される。 ワイヤスリーブ38は、操作部12に設けられたワイヤ固定ブロック40を介して操作部12のフレーム42に固定され、固定端として構成される。

    密着コイルバネ28の基端部28Aは、プッシュリング44に設けられた圧縮部46に当接して支持される。 圧縮部46は、プッシュリング44が先端側に前進移動することによって、密着コイルバネ28に密着コイルバネ軸方向の圧縮力を加える。 すなわち、プッシュリング44を先端側に前進移動させることによって密着コイルバネ28は密着コイルバネ軸方向に圧縮される。 そして、プッシュリング44を基端側に後退移動させることによって密着コイルバネ28は圧縮状態から自然長の長さに戻される。

    プッシュリング44の外周面には、少なくとも2本のカムピン48が突設される。 カムピン48は、フレーム42に備えられた直進溝50を介して、フレーム42に外装されたカムリング52のカム溝54に係合される。 したがって、カムリング52が回動されると、直進溝50とカム溝54にガイドされたカムピン48を介してプッシュリング44が先端側又は基端側に前後移動することができる。

    以上が内視鏡10の概略構成と硬度調整装置の作用である。 次に、内視鏡10の軟性部18の硬度を調整する硬度調整用の密着コイルバネ28の塑性変形方法について説明する。

    〔密着コイルバネ28の塑性変形方法〕
    図2は、実施形態の塑性変形方法のフローチャートである。

    実施形態の塑性変形方法は、密着コイルバネ28の密着コイルバネ径方向の変形を規制する規制工程S(Step)10と、密着コイルバネ28の密着コイルバネ径方向の変形を規制した状態で、密着コイルバネ28に密着コイルバネ軸方向の圧縮力を付与することで密着コイルバネ28を塑性変形させる塑性変形工程S20と、を含む。

    図3(A)、(B)、(C)は実施形態の塑性変形方法の一例を継時的に示した説明図である。

    規制工程S10(図2参照)では、図3(A)、(B)の断面図の如く、密着コイルバネ28を、筒状体である金属製のパイプ60に挿入し、パイプ60の内周面によって密着コイルバネ28の密着コイルバネ径方向の変形を規制する。 つまり、密着コイルバネ28をパイプ60に挿入するだけで、密着コイルバネ28の密着コイルバネ径方向の変形を規制することができる。 よって、より簡単な設備で規制工程S10を実施できる。

    なお、密着コイルバネ28の密着コイルバネ径方向の変形を規制できる部材であれば、パイプ60に限定されるものではない。 例えば、密着コイルバネ28の挿入孔を備えた型部材を、密着コイルバネ軸方向に二分割し、各々の型部材の対向面に備えられている、挿入孔となる半円形状の溝によって密着コイルバネ28の密着コイルバネ径方向の変形を規制してもよい。 また、パイプ60は円筒に限定されず、筒であってもよい。

    また、パイプ60は、その筒状体軸方向長さL1が、圧縮力を付与する前における密着コイルバネ28の密着コイルバネ軸方向(図3のX方向)の長さL2よりも長く構成される。

    そして、規制工程S10に続く塑性変形工程S20(図2参照)では、パイプ60に挿入された密着コイルバネ28に密着コイルバネ軸方向の一端又は両端から圧縮力を付与する。 すなわち、図3(B)の如く、密着コイルバネ28をパイプ60に挿入し、両端が開口されたパイプ60の右端開口部をキャップ62によって閉鎖する。 そして、パイプ60の左端開口部からロッド64をパイプ60内に挿入し、ロッド64の矢印で示す押圧力によって密着コイルバネ28に圧縮力を付与する。 ロッド64の外径は密着コイルバネ28の外径と略等しいため、密着コイルバネ28を密着コイルバネ軸方向に良好に圧縮することができる。 なお、パイプ60の両端の開口部から2本のロッド64を挿入して密着コイルバネ28に圧縮力を付与してもよい。

    図3(B)の塑性変形工程S20によれば、密着コイルバネ28の全長をパイプ60に挿入することができるので、密着コイルバネ28の全長において蛇行変形を防止した状態で、密着コイルバネ28に圧縮力を付与することができる。

    その後、図3(C)の如く、パイプ60からキャップ62を取り外し、パイプ60から密着コイルバネ28を取り出す。 以上で、塑性変形工程S20が終了する。

    以上の如く、実施形態の塑性変形方法は、単体の密着コイルバネ28に対し、密着コイルバネ28の密着コイルバネ径方向の変形を規制した状態で、密着コイルバネ28に密着コイルバネ軸方向の圧縮力を付与する。 これにより、密着コイルバネ28は、蛇行変形が規制された状態で圧縮力が付与されるので、高い圧縮力を密着コイルバネ28に効率よく付与することができる。

    よって、実施形態の塑性変形方法によれば、密着コイルバネ径方向の変形を規制するだけの簡単な設備で、作業性よく密着コイルバネ28の耐久性を向上させることができる。

    また、塑性変形工程S20において、ロッド64から密着コイルバネ28に付与する圧縮力は、図1の軟性部18を直線状態として軟性部18の硬度を、硬度調整装置によって最大としたときに密着コイルバネ28にかかる密着コイルバネ軸方向の最大圧縮力の少なくとも5倍以上、例えば1000N以上の圧縮力であることが好ましい。 これにより、密着コイルバネ28の耐久性が十分に得られる変形量に、密着コイルバネ28を有効に塑性変形させることができる。

    一方、ワイヤを牽引して密着コイルバネに圧縮力を付与する特許文献1等の塑性変形方法では、1000N以上の圧縮力を付与すると、その圧縮力の大きさに起因してワイヤが断線する場合がある。 よって、特許文献1等の塑性変形方法は、1000N以上の圧縮力を密着コイルバネに付与することが困難なので、密着コイルバネを有効に塑性変形させることができない。

    これに対して実施形態の塑性変形方法によれば、図4(A)の要部断面図で示す塑性変形前の密着コイルバネ28を、図4(B)の要部断面図で示す塑性変形後の密着コイルバネ28の如く有効に塑性変形させることができる。

    図4(A)の塑性変形前の密着コイルバネ28は、その素線29の断面が円形であって、隣接する素線29と接している。 これに対して、図4(B)の塑性変形後の密着コイルバネ28は、付与された大きな圧縮力によって、その素線29の円形の一部が潰れた形状に塑性変形し、隣接する素線29同士が圧接している。 図4(B)の密着コイルバネ28の断面形状は楕円形であるが、楕円形に限定されず偏平円形状や長円形状に塑性変形する場合もある。 よって、図3(C)で示す塑性変形後の密着コイルバネ28の密着コイルバネ軸方向の長さL3は、塑性変形前の長さL2と比較して素線29が円形から楕円形に塑性変形された分だけ短くなり、良好に塑性変形される。

    また、塑性変形工程S20は、密着コイルバネ28に密着コイルバネ軸方向に圧縮力を付与する工程と、密着コイルバネ28に圧縮力を解除する工程とを少なくとも2回以上繰り返すことが好ましい。 これにより、密着コイルバネ28に圧縮力を効率よく付与することができるので、密着コイルバネ28を効率よく塑性変形させることができる。 この場合の圧縮力も1000N以上であることが好ましい。

    上記実施形態では、内視鏡軟性部の硬度を調整する密着コイルバネ28の塑性変形方法について説明したが、内視鏡湾曲部を湾曲操作するワイヤをガイドするための湾曲操作ワイヤガイド用密着コイルバネの塑性変形方法についても、本発明の塑性変形方法を適用することができる。

    ここで、湾曲操作ワイヤガイド用密着コイルバネについて簡単に説明する。

    図5は、湾曲操作ワイヤ70をガイドする湾曲操作ワイヤガイド用密着コイルバネ(以下、密着コイルバネと称する)72を示した挿入部14の断面図である。

    湾曲部20は、軟性部18の先端側に接続される口金74と、口金74に連設された複数のアングルリング76とを備える。 口金74とアングルリング76はそれぞれピン78を介して回動自在に連接され、湾曲操作ワイヤ70の牽引操作によって湾曲動作する。 密着コイルバネ72は、操作部12から軟性部18の先端側に配置され、その内部に湾曲操作ワイヤ70が挿通されることにより、湾曲操作ワイヤ70をガイドする。

    このように構成される密着コイルバネ72に対し、上述した本発明の塑性変形方法を適用する。 すなわち、単体の密着コイルバネ72に対し、密着コイルバネ72の密着コイルバネ径方向の変形を規制した状態で、密着コイルバネ72に密着コイルバネ軸方向の圧縮力を付与する。 これにより、密着コイルバネ72は、蛇行変形が規制された状態で圧縮力が付与されるので、高い圧縮力を密着コイルバネ72に効率よく付与することができる。

    よって、実施形態の塑性変形方法によれば、密着コイルバネ径方向の変形を規制するだけの簡単な設備で、作業性よく密着コイルバネ72の耐久性を向上させることができる。

    なお、密着コイルバネ72の先端部72Aは口金74のフランジ部75に固定され、湾曲操作ワイヤ70の先端部70Aは、湾曲部20の先端側に配置されたアングルリング76に固定される。 すなわち、密着コイルバネ72の先端部72Aは、口金74及び複数のアングルリング76を介して湾曲操作ワイヤ70の先端部70Aと間接的に連結される。 更に、密着コイルバネ72は、湾曲操作ワイヤ70を基端側に牽引操作して湾曲部20を湾曲操作することによって圧縮力が加えられる。

    一方、図1に示した硬度調整用の密着コイルバネ28とワイヤ30とは、各々の先端部が中継金具32の基端部に、ロウ付け等の固定方法によって直接的に固定される。 また、密着コイルバネ28は、プッシュリング44が先端側に前進移動することによって、密着コイルバネ軸方向の圧縮力が加えられる。

    つまり、図1に示した硬度調整用の密着コイルバネ28と図5に示した湾曲操作用の密着コイルバネ72とは、密着コイルバネの中にワイヤが挿通され、密着コイルバネの先端部が直接的又は間接的にワイヤの先端部に連結される構造が共通し、かつコイルに圧縮力が加えられる作用が共通する。

    よって、硬度調整用の密着コイルバネ28と構造及び作用が共通する湾曲操作用の密着コイルバネ72に実施形態の塑性変形方法を適用することが可能であり、密着コイルバネ28と同様に密着コイルバネ72の耐久性を簡単な設備で、作業性よく向上させることができる。

    10…内視鏡、12…操作部、14…挿入部、16…カバー部材、18…軟性部、20…湾曲部、22…先端硬質部、24…硬度調整手段、26…硬度調整部、28…密着コイルバネ、29…素線、30…ワイヤ、32…中継金具、34…密着コイルバネ、36…金具、38…ワイヤスリーブ、40…ワイヤ固定ブロック、42…フレーム、44…プッシュリング、46…圧縮部、48…カムピン、50…直進溝、52…カムリング、54…カム溝、60…パイプ、62…キャップ、64…ロッド、70…湾曲操作ワイヤ、72…密着コイルバネ、74…口金、76…アングルリング、78…ピン

    QQ群二维码
    意见反馈