首页 / 国际专利分类库 / 作业;运输 / 基本上无切削的金属机械加工;金属冲压 / 金属线材的加工或处理 / 用线覆套或强化制品(用缠绕入B65H54/00,B65H81/00;用编织入D04C) / 自転車用ケーブル、自転車用インナーワイヤ、自転車用インナーワイヤの製造装置、および、自転車用インナーワイヤの製造方法

自転車用ケーブル、自転車用インナーワイヤ、自転車用インナーワイヤの製造装置、および、自転車用インナーワイヤの製造方法

申请号 JP2016136337 申请日 2016-07-08 公开(公告)号 JP2018004063A 公开(公告)日 2018-01-11
申请人 株式会社シマノ; 发明人 三木 良晃; 深尾 和孝; 掛橋 駿; 西野 高史;
摘要 【課題】表面部材が素線の外周面に強く固定される自転車用ケーブル、自転車用インナーワイヤ、自転車用インナーワイヤの製造装置、および、自転車用インナーワイヤの製造方法を提供する。 【解決手段】自転車用インナーワイヤは、素線と、前記素線の外周面に設けられる表面部材と、前記表面部材を前記素線に接着するための接着剤を含む接着層と、を備え、前記表面部材は、第1部分、および、前記素線の外周面上で前記第1部分との間に空隙を形成するように配置される第2部分、を含み、前記接着層は、前記素線の径方向における前記素線と前記表面部材との間の第1厚さ、および、前記径方向における前記素線と前記空隙との間の第2厚さ、を有し、前記第2厚さが前記第1厚さ以下になるように形成されている。 【選択図】図4
权利要求

素線と、 前記素線の外周面に設けられる表面部材と、 前記表面部材を前記素線に接着するための接着剤を含む接着層と、を備え、 前記表面部材は、第1部分、および、前記素線の外周面上で前記第1部分との間に空隙を形成するように配置される第2部分、を含み、 前記接着層は、前記素線の径方向における前記素線と前記表面部材との間の第1厚さ、および、前記径方向における前記素線と前記空隙との間の第2厚さ、を有し、前記第2厚さが前記第1厚さ以下になるように形成されている、自転車用インナーワイヤ。前記表面部材は、前記素線の外周面に螺旋状に巻き付けられる、請求項1に記載の自転車用インナーワイヤ。前記表面部材の径方向に沿う断面が実質的に円形に形成される、請求項1または2に記載の自転車用インナーワイヤ。前記素線の中心軸心に沿う方向における前記空隙の大きさは、前記表面部材の最小直径よりも小さい、請求項1〜3のいずれか一項に記載の自転車用インナーワイヤ。前記自転車用インナーワイヤは、アウターケースに収容され、 前記表面部材は、少なくとも部分的に前記アウターケースの内周面に接する露出面を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の自転車用インナーワイヤ。前記表面部材の外周面は、前記接着剤が塗布される接着面を含み、 前記接着面は、前記表面部材の外周面のうち、前記素線の外周面と対向する部分に設けられる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の自転車用インナーワイヤ。前記素線の中心軸心に沿う方向における前記空隙の大きさは、前記第1厚さよりも大きい、請求項1〜6のいずれか一項に記載の自転車用インナーワイヤ。請求項1〜7のいずれか一項に記載の自転車用インナーワイヤと、 前記自転車用インナーワイヤを収容するアウターケースと、を備える自転車用ケーブル。表面部材の外周面に接着剤を塗布するように構成される塗布部と、 前記接着剤が塗布された前記表面部材を素線の外周面に配置するように構成される配置部と、を備える自転車用インナーワイヤの製造装置。前記塗布部は、前記表面部材の外周面全体に前記接着剤を塗布するように構成される、請求項9に記載の自転車用インナーワイヤの製造装置。前記表面部材の外周面のうち、少なくともアウターケースと対向する部分に塗布された前記接着剤を除去するように構成される除去部をさらに備える、請求項10に記載の自転車用インナーワイヤの製造装置。素線の外周面に接着剤を塗布するように構成される塗布部と、 前記接着剤が塗布された前記素線の外周面に表面部材を配置するように構成される配置部と、 前記素線に塗布された前記接着剤を除去するように構成される除去部と、を備える自転車用インナーワイヤの製造装置。前記配置部は、前記表面部材が、第1部分、および、前記素線の外周面上で前記第1部分との間に空隙を形成するように配置される第2部分、を含むように、前記表面部材を前記素線の外周面に配置するように構成され、 前記除去部は、前記空隙に配置される前記接着剤を除去するように構成される、請求項12に記載の自転車用インナーワイヤの製造装置。前記塗布部は、前記素線の外周面全体に前記接着剤を塗布するように構成される、請求項12または13に記載の自転車用インナーワイヤの製造装置。前記除去部は、レーザ加工および切削加工の少なくとも一方によって前記接着剤を除去するように構成される、請求項11〜14のいずれか一項に記載の自転車用インナーワイヤの製造装置。素線の外周面において表面部材が配置される部分にのみ接着剤を塗布するように構成される塗布部と、 前記接着剤が塗布された前記素線の外周面に前記表面部材を配置するように構成される配置部と、を備える自転車用インナーワイヤの製造装置。前記配置部は、前記表面部材を前記素線の外周面に螺旋状に巻き付けるように構成される、請求項9〜16のいずれか一項に記載の自転車用インナーワイヤの製造装置。表面部材の外周面に接着剤を塗布する第1工程と、 前記接着剤が塗布された前記表面部材を素線の外周面に配置する第2工程と、を含む自転車用インナーワイヤの製造方法。前記第1工程では、前記表面部材の外周面全体に前記接着剤が塗布される、請求項18に記載の自転車用インナーワイヤの製造方法。前記表面部材の外周面に塗布された前記接着剤を除去する第3工程をさらに含む、請求項19に記載の自転車用インナーワイヤの製造方法。前記第3工程では、前記表面部材の外周面のうち、少なくともアウターケースと対向する部分が露出するように前記接着剤が除去される、請求項20に記載の自転車用インナーワイヤの製造方法。素線の外周面に接着剤を塗布する第1工程と、 表面部材が、第1部分、および、前記素線の外周面上で前記第1部分との間に空隙を形成するように配置される第2部分、を含むように、前記接着剤が塗布された前記素線の外周面に表面部材を配置する第2工程と、 前記空隙に配置される前記接着剤を除去する第3工程と、を含む自転車用インナーワイヤの製造方法。前記第1工程では、前記素線の外周面全体に前記接着剤が塗布される、請求項22に記載の自転車用インナーワイヤの製造方法。前記第3工程では、レーザ加工および切削加工の少なくとも一方によって前記接着剤が除去される、請求項20〜23のいずれか一項に記載の自転車用インナーワイヤの製造方法。素線の外周面において表面部材が配置される部分にのみ接着剤を塗布する第1工程と、 前記接着剤が塗布された前記素線の外周面に前記表面部材を配置する第2工程と、を含む自転車用インナーワイヤの製造方法。前記第2工程では、前記表面部材が前記素線の外周面に螺旋状に巻き付けられる、請求項18〜25のいずれか一項に記載の自転車用インナーワイヤの製造方法。

说明书全文

本発明は、自転車用ケーブル、自転車用インナーワイヤ、自転車用インナーワイヤの製造装置、および、自転車用インナーワイヤの製造方法に関する。

アウターケース内に通される自転車用インナーワイヤが知られている。特許文献1の自転車用インナーワイヤは、素線、および、素線の外周面に巻き付けられる表面部材を備える。表面部材は、素線の外周面に巻き付けられることによって素線に固定される。

米国特許出願公開第2013/0081508号明細書

表面部材は、素線の外周面に強く固定されることが望ましい。

〔1〕本発明に従う自転車用インナーワイヤの一形態は、素線と、前記素線の外周面に設けられる表面部材と、前記表面部材を前記素線に接着するための接着剤を含む接着層と、を備え、前記表面部材は、第1部分、および、前記素線の外周面上で前記第1部分との間に空隙を形成するように配置される第2部分、を含み、前記接着層は、前記素線の径方向における前記素線と前記表面部材との間の第1厚さ、および、前記径方向における前記素線と前記空隙との間の第2厚さ、を有し、前記第2厚さが前記第1厚さ以下になるように形成されている。素線と表面部材とが接着剤によって接着されるため、表面部材が素線の外周面に強く固定される。接着層の第2厚さが第1厚さ以下であるため、接着層がアウターケースの内周面に接触しにくい。また、空隙により多くの潤滑剤を配置できる。このため、自転車用インナーワイヤがアウターケースに対して移動するときの抵抗が小さくなる。

〔2〕前記〔1〕に記載の自転車用インナーワイヤにおいて、前記表面部材は、前記素線の外周面に螺旋状に巻き付けられる。このため、表面部材が素線の外周面に一層強く固定される。

〔3〕前記〔1〕または〔2〕に記載の自転車用インナーワイヤにおいて、前記表面部材の径方向に沿う断面が実質的に円形に形成される。このため、表面部材とアウターケースとの接触面積が小さくなり、自転車用インナーワイヤがアウターケースに対して移動するときの抵抗が小さくなる。

〔4〕前記〔1〕〜〔3〕のいずれか1つに記載の自転車用インナーワイヤにおいて、前記素線の中心軸心に沿う方向における前記空隙の大きさは、前記表面部材の最小直径よりも小さい。このため、接着層によって接着される素線および表面部材の面積が広くなり、表面部材が素線の外周面に一層強く固定される。

〔5〕前記〔1〕〜〔4〕のいずれか1つに記載の自転車用インナーワイヤにおいて、前記自転車用インナーワイヤは、アウターケースに収容され、前記表面部材は、少なくとも部分的に前記アウターケースの内周面に接する露出面を有する。このため、表面部材とアウターケースとの接触面積が小さくなり、自転車用インナーワイヤがアウターケースに対して移動するときの抵抗が小さくなる。

〔6〕前記〔1〕〜〔5〕のいずれか1つに記載の自転車用インナーワイヤにおいて、前記表面部材の外周面は、前記接着剤が塗布される接着面を含み、前記接着面は、前記表面部材の外周面のうち、前記素線の外周面と対向する部分に設けられる。このため、表面部材が素線の外周面に一層強く固定される。

〔7〕前記〔1〕〜〔6〕のいずれか1つに記載の自転車用インナーワイヤにおいて、前記素線の中心軸心に沿う方向における前記空隙の大きさは、前記第1厚さよりも大きい。このため、表面部材とアウターケースとの接触面積が小さくなり、自転車用インナーワイヤがアウターケースに対して移動するときの抵抗が小さくなる。

〔8〕本発明に従う自転車用ケーブルの一形態は、前記〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の自転車用インナーワイヤと、前記自転車用インナーワイヤを収容するアウターケースとを備える。このため、自転車用インナーワイヤがアウターケースによって保護される。

〔9〕本発明に従う自転車用インナーワイヤの製造装置は、表面部材の外周面に接着剤を塗布するように構成される塗布部と、前記接着剤が塗布された前記表面部材を素線の外周面に配置するように構成される配置部と、を備える。素線と表面部材とが接着剤によって接着されるため、表面部材が素線の外周面に強く固定される。表面部材の外周面に接着剤が塗布されるため、素線の外周面上において表面部材が配置されない部分に接着剤が配置されにくく、接着剤がアウターケースの内周面と接触しにくい。また、表面部材が素線上で並ぶ場合に表面部材間により多くの潤滑剤を配置できる。このため、自転車用インナーワイヤがアウターケースに対して移動するときの抵抗が小さくなる。

〔10〕前記〔9〕に記載の自転車用インナーワイヤの製造装置において、前記塗布部は、前記表面部材の外周面全体に前記接着剤を塗布するように構成される。このため、素線に対する表面部材の接着性が高められる。

〔11〕前記〔10〕に記載の自転車用インナーワイヤの製造装置において、前記表面部材の外周面のうち、少なくともアウターケースと対向する部分に塗布された前記接着剤を除去するように構成される除去部をさらに備える。このため、表面部材とアウターケースとの接触面積が小さくなり、自転車用インナーワイヤがアウターケースに対して移動するときの抵抗が小さくなる。

〔12〕本発明に従う自転車用インナーワイヤの製造装置は、素線の外周面に接着剤を塗布するように構成される塗布部と、前記接着剤が塗布された前記素線の外周面に表面部材を配置するように構成される配置部と、前記素線に塗布された前記接着剤を除去するように構成される除去部と、を備える。素線と表面部材とが接着剤によって接着されるため、表面部材が素線の外周面に強く固定される。除去部によって素線に塗布された接着剤が除去されるため、接着剤がアウターケースの内周面に接触しにくい。また、表面部材が素線上で並ぶ場合に表面部材間により多くの潤滑剤を配置できる。このため、自転車用インナーワイヤがアウターケースに対して移動するときの抵抗が小さくなる。

〔13〕前記〔12〕に記載の自転車用インナーワイヤの製造装置において、前記配置部は、前記表面部材が、第1部分、および、前記素線の外周面上で前記第1部分との間に空隙を形成するように配置される第2部分、を含むように、前記表面部材を前記素線の外周面に配置するように構成され、前記除去部は、前記空隙に配置される前記接着剤を除去するように構成される。このため、表面部材とアウターケースとの接触面積が小さくなり、自転車用インナーワイヤがアウターケースに対して移動するときの抵抗が小さくなる。

〔14〕前記〔12〕または〔13〕に記載の自転車用インナーワイヤの製造装置において、前記塗布部は、前記素線の外周面全体に前記接着剤を塗布するように構成される。このため、素線に対する表面部材の接着性が高められる。

〔15〕前記〔11〕〜〔14〕のいずれか1つに記載の自転車用インナーワイヤの製造装置において、前記除去部は、レーザ加工および切削加工の少なくとも一方によって前記接着剤を除去するように構成される。このため、余分な接着剤が精度よく除去される。

〔16〕本発明に従う自転車用インナーワイヤの製造装置は、素線の外周面において表面部材が配置される部分にのみ接着剤を塗布するように構成される塗布部と、前記接着剤が塗布された前記素線の外周面に前記表面部材を配置するように構成される配置部と、を備える。素線と表面部材とが接着剤によって接着されるため、表面部材が素線の外周面に強く固定される。素線の外周面上において表面部材が配置されない部分に接着剤が配置されにくいため、接着剤がアウターケースの内周面と接触しにくい。また、表面部材が素線上で並ぶ場合に表面部材間により多くの潤滑剤を配置できる。このため、自転車用インナーワイヤがアウターケースに対して移動するときの抵抗が小さくなる。

〔17〕前記〔9〕〜〔16〕のいずれか1つに記載の自転車用インナーワイヤの製造装置において、前記配置部は、前記表面部材を前記素線の外周面に螺旋状に巻き付けるように構成される。このため、表面部材が素線の外周面に一層強く固定される。

〔18〕本発明に従う自転車用インナーワイヤの製造方法は、表面部材の外周面に接着剤を塗布する第1工程と、前記接着剤が塗布された前記表面部材を素線の外周面に配置する第2工程と、を含む。素線と表面部材とが接着剤によって接着されるため、表面部材が素線の外周面に強く固定される。表面部材の外周面に接着剤が塗布されるため、素線の外周面上において表面部材が配置されない部分に接着剤が配置されにくく、接着剤がアウターケースの内周面と接触しにくい。また、表面部材が素線上で並ぶ場合に表面部材間により多くの潤滑剤を配置できる。このため、自転車用インナーワイヤがアウターケースに対して移動するときの抵抗が小さくなる。

〔19〕前記〔18〕に記載の自転車用インナーワイヤの製造方法において、前記第1工程では、前記表面部材の外周面全体に前記接着剤が塗布される。このため、素線に対する表面部材の接着性が高められる。

〔20〕前記〔19〕に記載の自転車用インナーワイヤの製造方法において、前記表面部材の外周面に塗布された前記接着剤を除去する第3工程をさらに含む。このため、表面部材とアウターケースとの接触面積が小さくなり、自転車用インナーワイヤがアウターケースに対して移動するときの抵抗が小さくなる。

〔21〕前記〔20〕に記載の自転車用インナーワイヤの製造方法において、前記第3工程では、前記表面部材の外周面のうち、少なくともアウターケースと対向する部分が露出するように前記接着剤が除去される。このため、表面部材とアウターケースとの接触面積が小さくなり、自転車用インナーワイヤがアウターケースに対して移動するときの抵抗が小さくなる。

〔22〕本発明に従う自転車用インナーワイヤの製造方法は、素線の外周面に接着剤を塗布する第1工程と、表面部材が、第1部分、および、前記素線の外周面上で前記第1部分との間に空隙を形成するように配置される第2部分、を含むように、前記接着剤が塗布された前記素線の外周面に表面部材を配置する第2工程と、前記空隙に配置される前記接着剤を除去する第3工程と、を含む。素線と表面部材とが接着剤によって接着されるため、表面部材が素線の外周面に強く固定される。空隙に配置される接着剤が除去されるため、接着剤がアウターケースの内周面に接触しにくい。また、空隙により多くの潤滑剤を配置できる。このため、自転車用インナーワイヤがアウターケースに対して移動するときの抵抗が小さくなる。

〔23〕前記〔22〕に記載の自転車用インナーワイヤの製造方法において、前記第1工程では、前記素線の外周面全体に前記接着剤が塗布される。このため、素線に対する表面部材の接着性が高められる。

〔24〕前記〔20〕〜〔23〕のいずれか1つに記載の自転車用インナーワイヤの製造方法において、前記第3工程では、レーザ加工および切削加工の少なくとも一方によって前記接着剤が除去される。このため、余分な接着剤が精度よく除去される。

〔25〕本発明に従う自転車用インナーワイヤの製造方法は、素線の外周面において表面部材が配置される部分にのみ接着剤を塗布する第1工程と、前記接着剤が塗布された前記素線の外周面に前記表面部材を配置する第2工程と、を含む。素線と表面部材とが接着剤によって接着されるため、表面部材が素線の外周面に強く固定される。素線の外周面上において表面部材が配置されない部分に接着剤が配置されにくいため、接着剤がアウターケースの内周面と接触しにくい。また、表面部材が素線上で並ぶ場合に表面部材間により多くの潤滑剤を配置できる。このため、自転車用インナーワイヤがアウターケースに対して移動するときの抵抗が小さくなる。

〔26〕前記〔18〕〜〔25〕のいずれか1つに記載の自転車用インナーワイヤの製造方法において、前記第2工程では、前記表面部材が前記素線の外周面に螺旋状に巻き付けられる。このため、表面部材が素線の外周面に一層強く固定される。

上記自転車用ケーブル、自転車用インナーワイヤ、自転車用インナーワイヤの製造装置、および、自転車用インナーワイヤの製造方法によれば、表面部材が素線の外周面に強く固定される。

第1実施形態の自転車用ケーブルを含む自転車の側面図。

図1のケーブルの内部を示す斜視図。

図2のケーブルの径方向に沿う断面を示す模式図。

図2のインナーワイヤの中心軸心に沿う断面を示す模式図。

図2のインナーワイヤの製造装置の模式図。

図2のインナーワイヤの製造方法の一例を示すフローチャート。

第2実施形態のインナーワイヤの中心軸心に沿う断面を示す模式図。

図7のインナーワイヤの製造装置の模式図。

図7のインナーワイヤの製造方法の一例を示すフローチャート。

第3実施形態のインナーワイヤの中心軸心に沿う断面を示す模式図。

図10のインナーワイヤの製造装置の模式図。

図10のインナーワイヤの製造方法の一例を示すフローチャート。

第4実施形態のインナーワイヤの中心軸心に沿う断面を示す模式図。

図13のインナーワイヤの製造装置の模式図。

図13のインナーワイヤの製造方法の一例を示すフローチャート。

変形例のインナーワイヤの製造方法の一例を示すフローチャート。

変形例のインナーワイヤの製造方法の一例を示すフローチャート。

変形例のインナーワイヤの製造方法の一例を示すフローチャート。

(第1実施形態) 図1に示される自転車10は、複数の自転車用ケーブル20(以下では「ケーブル20」)を備える。ケーブル20は、自転車10を構成する各種の自転車用コンポーネントを接続する。自転車用コンポーネントは、ブレーキレバー12、第1制動装置14F、第2制動装置14R、シフトレバー16、フロントディレーラ18F、および、リアディレーラ18Rを含む。第1制動装置14Fは、例えば自転車10の前輪FWに制動を与えるリムブレーキである。第2制動装置14Rは、例えば自転車10の後輪RWに制動力を与えるリムブレーキである。各制動装置14F,14Rは、ケーブル20を介してブレーキレバー12と接続される形態であればよく、例えばディスクブレーキ等であってもよい。複数のケーブル20は、ブレーキレバー12と第1制動装置14Fとを接続するケーブル20、ブレーキレバー12と第2制動装置14Rとを接続するケーブル20、シフトレバー16とフロントディレーラ18Fとを接続するケーブル20、および、シフトレバー16とリアディレーラ18Rとを接続するケーブル20を含む。

図2は、ケーブル20を構成する各種の要素を示す。ケーブル20は、自転車用インナーワイヤ30(以下では「インナーワイヤ30」)およびアウターケース22を備える。インナーワイヤ30は、アウターケース22に収容される。ケーブル20は、インナーワイヤ30がアウターケース22に収容されることによって、ボーデンケーブルを構成する。インナーワイヤ30は、素線32、表面部材40、および、接着層36(図4参照)を備える。接着層36は、表面部材40を素線32の接着するための接着剤38を含む(図4参照)。接着剤38の一例は、常温硬化型接着剤である。常温硬化型接着剤は、例えばシアノアクリレート系接着剤またはエポキシ系接着剤であることが好ましい。接着剤38は、加熱硬化型接着剤であってもよい。

素線32は、例えば鋼線である。素線32は、第1素線32A、第2素線32B、および、第3素線32Cを含む。第1素線32Aの数の一例は、1本である。第2素線32Bの数の一例は、6本である。第3素線32Cの数の一例は、12本である。複数の第2素線32Bが第1素線32Aに撚り合わされ、複数の第3素線32Cが第2素線32Bに撚り合わされることによって、素線32が構成される。第2素線32Bは、複数の第2素線32Bによって形成される外周面が実質的に円形を構成するように、ダイス等の工具を用いて円弧状に引き抜き加工される。第3素線32Cは、複数の第3素線32Cによって形成される外周面が実質的に円形を構成するように、ダイス等の工具を用いて円弧状に引き抜き加工される。引き抜き加工は、第2素線32Bおよび第3素線32Cが撚り合わされる前に実施されることが好ましい。

表面部材40は、素線32の外周面34に設けられる。表面部材40は、例えば素線32の外周面34に螺旋状に巻き付けられる。表面部材40の材料は、例えばPFA(perfluoroalkoxy)、PTFE(polytetrafluoroethylene)、FEP(fluorinatedethylenepropylene)等のフッ素樹脂、または、PE(polyethylene)、POM(polyacetal/polyoxymethylene)等のオレフィン系樹脂である。表面部材40の数の一例は、1本である。表面部材40の数は、2本以上でもよい。

図3に示されるとおり、表面部材40は、露出面42を有する。露出面42は、表面部材40の外周面40Aのうち、接着層36が設けられずに露出した面である。露出面42は、表面部材40の外周面40Aのうち、アウターケース22の内周面22Aと対向する部分に設けられる。露出面42は、少なくとも部分的にアウターケース22の内周面22Aに接する。

表面部材40は、接着面44を含む。接着面44は、表面部材40の外周面40Aのうち、接着剤38が塗布される面である。接着面44は、表面部材40の外周面40Aのうち、素線32の外周面34と対向する部分に設けられる。接着面44は、接着層36を介して素線32の外周面34に接着される。

図4に示されるとおり、表面部材40の径方向に沿う断面が実質的に円形に形成される。円形は、真円形および楕円形を含む。図4に示される例では、表面部材40の径方向に沿う断面は、素線32の外周面34に表面部材40が巻き付けられるときの張力によって変形した楕円形である。

表面部材40は、第1部分46および第2部分48をさらに含む。第2部分48は、素線32の外周面34上で第1部分46との間に空隙Sを形成するように配置される。第1部分46および第2部分48は、素線32の外周面34に螺旋状に巻き付けられた表面部材40のうち、素線32の中心軸心に沿う方向において互いに対向する部分である。

接着層36は、表面部材40の外周面40Aのうち、露出面42以外の部分に設けられる。接着層36は、表面部材40の外周面40Aのうち、素線32の外周面34と対向する部分だけに設けられてもよい。接着層36は、第1接着層36Aを含む。第1接着層36Aは、素線32の外周面34上において、素線32の径方向における素線32と表面部材40との間に設けられる。接着層36は、素線32の外周面34上において、素線32の径方向における素線32と空隙Sとの間に設けられる第2接着層を含んでもよい。表面部材40と接着層36との間に、プライマが設けられてもよい。プライマは、アミン系プライマであることが好ましい。

接着層36は、第1厚さT1および第2厚さを有する。第1厚さT1は、素線32の径方向における素線32と表面部材40との間の厚さである。第1厚さT1は、第1接着層36Aの厚さである。第2厚さは、素線32の径方向における素線32と空隙Sとの間の厚さである。接着層36は、第2厚さが第1厚さT1以下になるように形成される。接着層36が第2接着層を含まない構成では、第2厚さが0である。

素線32の中心軸心に沿う方向における空隙Sの大きさである空隙幅SWは、表面部材40の最小直径SDよりも小さい。最小直径SDは、表面部材40の径方向に沿う断面視における最小の直径である。空隙幅SWは、素線32の中心軸心に沿う方向における空隙Sの最短の幅である。空隙幅SWは、第1部分46のうちの表面部材40の最大直径を構成する部分と、第2部分48のうちの表面部材40の最大直径を構成する部分との間の幅である。図4に示される例では、空隙幅SWは、第1部分46に設けられた接着層36と第2部分48に設けられた接着層36との間の幅である。空隙幅SWは、接着層36の第1厚さT1よりも大きい。

図5に示されるインナーワイヤ30の製造装置50は、塗布部52(表面部材用塗布部52)および配置部54を備える。塗布部52は、表面部材40の外周面40Aに接着剤38を塗布するように構成される。塗布部52は、例えば表面部材40の外周面40A全体に接着剤38を塗布するように構成される。塗布部52は、インナーワイヤ30の製造過程において、表面部材40が通過する経路上に設けられる。塗布部52は、接着剤38が溜められる槽52Aを含む。塗布部52は、表面部材40が槽52A内を通過するように設けられる。塗布部52によって表面部材40の外周面40Aに接着剤38が塗布された状態が形成される。製造装置50は、塗布部52によって接着剤38が表面部材40に塗布される前に、素線32と表面部材40との接着性を高めるため、表面部材40の外周面40Aにプライマを塗布するように構成されるプライマ塗布部を備えてもよい。

配置部54は、接着剤38が塗布された表面部材40を素線32の外周面34に配置するように構成される。配置部54は、例えば表面部材40を素線32の外周面34に螺旋状に巻き付けるように構成される。配置部54は、インナーワイヤ30の製造過程において、塗布部52によって接着剤38が塗布された表面部材40と素線32とが合流する経路上に設けられる。配置部54によって素線32の外周面34に表面部材40が固定されたインナーワイヤ30が製造される。

素線32の外周面34に表面部材40が巻き付けられるとき、配置部54によって表面部材40が引っ張られながら素線32に巻き付けられるため、素線32と表面部材40とが強く接触し、表面部材40に塗布された接着剤38の一部が空隙Sに流れ込むことがある。接着剤38の一部が空隙Sに流れ込んだ場合、第2接着層が形成される。一方、本実施形態では、接着剤38の一部が空隙Sに流れ込まない、または、空隙Sに流れ込んだ接着剤38の量が少ないため、第2接着層が形成されない(図4参照)。第2接着層が形成されるか否かは、表面部材40に塗布される接着剤38の量、および、素線32と表面部材40との間に働く力の大きさに依存する。

製造装置50は、除去部56(表面部材用除去部56)をさらに備える。除去部56は、表面部材40の外周面40Aのうち、少なくともアウターケース22(図3参照)と対向する部分に塗布された接着剤38を除去するように構成される。除去部56は、例えば露出面42(図4参照)が形成されるように表面部材40の外周面40Aに塗布された接着剤38を除去する。除去部56は、例えばレーザ加工によって接着剤38を除去するように構成される。除去部56は、インナーワイヤ30の製造過程において、配置部54によって素線32の外周面34に表面部材40が巻き付けられたインナーワイヤ30が通過する経路上に設けられる。除去部56によって表面部材40の外周面40Aに露出面42が形成され、図4に示されるインナーワイヤ30が製造される。

図6を参照して、インナーワイヤ30の製造方法の一例について説明する。 インナーワイヤ30の製造方法は、第1工程および第2工程を含む。第1工程では、表面部材40の外周面40Aに接着剤38が塗布される。第1工程では、例えば表面部材40の外周面40A全体に接着剤38が塗布される。第2工程は、第1工程の次の工程である。第2工程では、接着剤38が塗布された表面部材40が素線32の外周面34に配置される。第2工程における素線32は、各素線32A〜32Cが撚り合わされた素線32である。各素線32A〜32Cが撚り合わされる工程の説明は省略する。第2工程では、例えば表面部材40が素線32の外周面34に螺旋状に巻き付けられる。

インナーワイヤ30の製造方法は、第3工程をさらに含む。第3工程は、第2工程の次の工程である。第3工程では、表面部材40の外周面40Aに塗布された接着剤38が除去される。第3工程では、表面部材40の外周面40Aのうち、少なくともアウターケース22と対向する部分が露出するように接着剤38が除去される。第3工程では、例えば露出面42が形成されるように表面部材40の外周面40Aに塗布された接着剤38が除去される。第3工程では、例えばレーザ加工によって接着剤38が除去される。

インナーワイヤ30は、製造装置50によって例えば次のように製造される。 ステップS11において、表面部材40の外周面40Aに接着剤38が塗布される(第1工程)。具体的には、表面部材40が塗布部52の槽52A内を通過することによって、表面部材40の外周面40A全体に接着剤38が塗布される。

ステップS12において、表面部材40が素線32の外周面34に配置される(第2工程)。具体的には、表面部材40の第1部分46と第2部分48との間に空隙Sが形成されるように、配置部54により素線32の外周面34に表面部材40が螺旋状に巻き付けられることによって、表面部材40が素線32の外周面34に固定される。

ステップS13において、素線32の外周面34に塗布された接着剤38が除去される(第3工程)。具体的には、除去部56によるレーザ加工によって露出面42が形成されるように表面部材40の外周面40Aに塗布された接着剤が除去される。このように、ステップS11〜ステップS13に示す製造方法によって、図4に示されるインナーワイヤ30が製造される。そして、インナーワイヤ30がアウターケース22に収容されることによって、図2に示されるケーブル20が製造される。

(第2実施形態) 第2実施形態のインナーワイヤ130は、以下に説明する点において第1実施形態のインナーワイヤ30と相違し、その他の点において第1実施形態のインナーワイヤ30と実質的に同じ構成を備える。なお、第2実施形態のインナーワイヤ130の説明は、第1実施形態のインナーワイヤ30と共通する構成に同一の符号を付し、その構成の説明の一部または全部を省略する。

図7に示される自転車用インナーワイヤ130(以下では「インナーワイヤ130」)は、素線32、表面部材40、および、接着層136を備える。接着層136は、表面部材40の外周面40Aにおいて、素線32の外周面34と対向する部分だけに設けられる。接着層136は、表面部材40を素線32に接着するための接着剤38を含む。接着層136は、第1接着層136Aおよび第2接着層136Bを含む。第1接着層136Aは、素線32の外周面34上において、素線32の径方向における素線32と表面部材40との間に設けられる。第2接着層136Bは、素線32の外周面34上において、素線32の径方向における素線32と空隙Sとの間に設けられる。接着層136は、第2接着層136Bを含まなくてもよい。接着層136は、第1厚さT1および第2厚さT2を有する。第1厚さT1は、第1接着層136Aの厚さである。第2厚さT2は、第2接着層136Bの厚さである。接着層136は、第2厚さT2が第1厚さT1以下になるように形成される。第2厚さT2は、0でもよい。接着層136が第2接着層136Bを含まない場合、第2厚さT2が0である。

図8に示されるインナーワイヤ130の製造装置150は、塗布部152(素線用塗布部152)、配置部154、および、除去部156(素線用除去部156)を備える。塗布部152は、素線32の外周面34に接着剤38を塗布するように構成される。塗布部152は、例えば素線32の外周面34全体に接着剤38を塗布するように構成される。塗布部152は、インナーワイヤ130の製造過程において、素線32が通過する経路上に設けられる。塗布部152は、接着剤38が溜められる槽152Aを含む。塗布部152は、素線32が槽152A内を通過するように設けられる。塗布部152によって素線32の外周面34に接着剤38が塗布された状態が形成される。

配置部154は、接着剤38が塗布された素線32の外周面34に表面部材40を配置するように構成される。配置部154は、表面部材40が第1部分46および第2部分48を含むように、表面部材40を素線32の外周面34に配置するように構成される。配置部154は、例えば表面部材40を素線32の外周面34に螺旋状に巻き付けるように構成される。配置部154は、インナーワイヤ130の製造過程において、塗布部152によって接着剤38が塗布された素線32と表面部材40とが合流する経路上に設けられる。配置部154によって素線32の外周面34に表面部材40が固定されたインナーワイヤ130が製造される。

素線32の外周面34に表面部材40が巻き付けられるとき、配置部154によって表面部材40が引っ張られながら素線32に巻き付けられるため、素線32と表面部材40とが強く接触し、素線32の外周面34上において表面部材40と対向する部分に塗布された接着剤38が空隙Sと対向する部分に流れ込む。このため、空隙Sが接着剤38によって実質的に埋められる(図示略)。空隙Sが接着剤38によって埋められる量は、素線32に塗布される接着剤38の量、および、素線32と表面部材40との間に働く力の大きさに依存する。

除去部156は、素線32に塗布された接着剤38を除去するように構成される。除去部156は、空隙Sに配置される接着剤38を除去するように構成される。除去部156は、例えば第2接着層136Bが形成されるように空隙Sに配置された接着剤38を除去する。除去部156は、例えばレーザ加工によって接着剤38を除去するように構成される。除去部156は、インナーワイヤ130の製造過程において、配置部154によって素線32の外周面34に表面部材40が巻き付けられたインナーワイヤ130が通過する経路上に設けられる。除去部156によって第2接着層136Bが形成され、図7に示されるインナーワイヤ130が製造される。

図9を参照して、インナーワイヤ130の製造方法の一例について説明する。 インナーワイヤ130の製造方法は、第1工程、第2工程、および、第3工程を含む。第1工程では、素線32の外周面34に接着剤38が塗布される。第1工程では、素線32の外周面34全体に接着剤38が塗布される。第1工程における素線32は、各素線32A〜32Cが撚り合わされた素線32である。各素線32A〜32Cが撚り合わされる工程の説明は省略する。第2工程は、第1工程の次の工程である。第2工程では、表面部材40が第1部分46および第2部分48を含むように、接着剤38が塗布された素線32の外周面34に表面部材40が配置される。第2工程では、例えば表面部材40が素線32の外周面34に螺旋状に巻き付けられる。第3工程は、第2工程の次の工程である。第3工程では、空隙Sに配置される接着剤38が除去される。第3工程では、例えば第2接着層136Bが形成されるように空隙Sに配置された接着剤38が除去される。第3工程では、例えばレーザ加工によって接着剤38が除去される。

インナーワイヤ130は、製造装置150によって例えば次のように製造される。 ステップS21において、素線32の外周面34に接着剤38が塗布される(第1工程)。具体的には、素線32が塗布部152の槽152A内を通過することによって、素線32の外周面34全体に接着剤38が塗布される。

ステップS22において、表面部材40が素線32の外周面34に配置される(第2工程)。具体的には、表面部材40の第1部分46と第2部分48との間に空隙Sが形成されるように、配置部154により素線32の外周面34に表面部材40が螺旋状に巻き付けられることによって、表面部材40が素線32の外周面34に固定される。

ステップS23において、空隙Sに配置される接着剤38が除去される(第3工程)。具体的には、除去部156によるレーザ加工によって空隙Sを埋めている接着剤38が除去される。このように、ステップS21〜ステップS23に示す製造方法によって、図7に示されるインナーワイヤ130が製造される。

(第3実施形態) 第3実施形態のインナーワイヤ230は、以下に説明する点において第1実施形態のインナーワイヤ30と相違し、その他の点において第1実施形態のインナーワイヤ30と実質的に同じ構成を備える。なお、第3実施形態のインナーワイヤ230の説明は、第1実施形態のインナーワイヤ30と共通する構成に同一の符号を付し、その構成の説明の一部または全部を省略する。

図10に示される自転車用インナーワイヤ230(以下では「インナーワイヤ230」)は、素線32、表面部材40、および、接着層236を備える。接着層236は、表面部材40の外周面40Aにおいて、素線32の外周面34と対向する部分だけに設けられる。接着層236は、表面部材40を素線32に接着するための接着剤38を含む。接着層236は、素線32の外周面34上において、素線32の径方向における素線32と表面部材40との間に設けられる。接着層236は、素線32の外周面34のうち、表面部材40が配置される部分である配置部分34Aにのみ設けられる。

図11に示されるインナーワイヤ230の製造装置250は、塗布部252(素線用塗布部252)および配置部254を備える。塗布部252は、素線32の外周面34において配置部分34Aのみに接着剤38を塗布するように構成される。塗布部252は、インナーワイヤ230の製造過程において、素線32が通過する経路上に設けられる。塗布部252によって素線32の配置部分34Aだけに接着剤38が塗布された状態が形成される。

配置部254は、接着剤38が塗布された素線32の外周面34に表面部材40を配置するように構成される。配置部254は、例えば表面部材40を素線32の外周面34に螺旋状に巻き付けるように構成される。配置部254は、インナーワイヤ230の製造過程において、塗布部252によって接着剤38が塗布された素線32と表面部材40とが合流する経路上に設けられる。配置部254によって素線32の外周面34において表面部材40が配置部分34Aに沿って固定され、図10に示されるインナーワイヤ230が製造される。

図12を参照して、インナーワイヤ230の製造方法の一例について説明する。 インナーワイヤ230の製造方法は、第1工程および第2工程を含む。第1工程では、素線32の外周面34において配置部分34Aにのみ接着剤38が塗布される。第1工程における素線32は、各素線32A〜32Cが撚り合わされた素線32である。各素線32A〜32Cが撚り合わされる工程の説明は省略する。第2工程は、第1工程の次の工程である。第2工程では、接着剤38が塗布された素線32の外周面34に表面部材40が配置される。第2工程では、例えば表面部材40が素線32の外周面34に螺旋状に巻き付けられる。

インナーワイヤ230は、製造装置250によって例えば次のように製造される。 ステップS31において、素線32の配置部分34Aに接着剤38が塗布される(第1工程)。具体的には、塗布部252によって素線32の配置部分34Aにのみ接着剤38が塗布される。

ステップS32において、表面部材40が素線32の外周面34に配置される(第2工程)。具体的には、表面部材40が配置部154により素線32の配置部分34Aに沿って螺旋状に巻き付けられることによって、表面部材40が素線32の外周面34に固定される。このように、ステップS31〜ステップS32に示す製造方法によって、図10に示されるインナーワイヤ230が製造される。

(第4実施形態) 第4実施形態のインナーワイヤ330は、以下に説明する点において第1実施形態のインナーワイヤ30と相違し、その他の点において第1実施形態のインナーワイヤ30と実質的に同じ構成を備える。なお、第4実施形態のインナーワイヤ330の説明は、第1実施形態のインナーワイヤ30と共通する構成に同一の符号を付し、その構成の説明の一部または全部を省略する。

図13に示される自転車用インナーワイヤ330(以下では「インナーワイヤ330」)は、素線32および表面部材40を備える。表面部材40は、素線32の外周面34に設けられる。表面部材40は、例えば第1部分46と第2部分48との間に空隙Sが形成されるように、素線32の外周面34に螺旋状に巻き付けられる。素線32および表面部材40の少なくとも一方が加熱されることによって、素線32の外周面34に表面部材40が固定される。一例では、表面部材40が素線32の外周面34に螺旋状に巻き付けられ、レーザ加工によって素線32と表面部材40とが溶着されることによって、インナーワイヤ330が構成される。

図14に示されるインナーワイヤ330の製造装置350は、配置部352および照射部354を備える。配置部352は、表面部材40を素線32の外周面34に配置するように構成される。配置部352は、例えば素線32の外周面34に表面部材40を螺旋状に巻き付けるように構成される。配置部352は、インナーワイヤ330の製造過程において、素線32と表面部材40とが合流する経路上に設けられる。

照射部354は、表面部材40を素線32の外周面34に固定するために、素線32および表面部材40の少なくとも一方にレーザを照射するように構成される。照射部354は、例えば表面部材40にレーザを照射するように構成される。照射部354は、インナーワイヤ330の製造過程において、配置部352によって素線32の外周面34に表面部材40が巻き付けられたインナーワイヤ330が通過する経路上に設けられる。照射部354は、素線32の外周面34に配置された表面部材40にレーザを照射するように構成される。照射部354は、例えば表面部材40の外周面40Aのうち、アウターケース22(図3参照)と対向する部分にレーザを照射する。照射部354によって表面部材40が素線32の外周面34に固定され、図13に示されるインナーワイヤ330が製造される。

図15を参照して、インナーワイヤ330の製造方法の一例について説明する。 インナーワイヤ330の製造方法は、第1工程および第2工程を含む。第1工程では、表面部材40が素線32の外周面に配置される。第1工程では、例えば素線32の外周面34に表面部材40が螺旋状に巻き付けられる。第1工程における素線32は、各素線32A〜32Cが撚り合された素線32である。各素線32A〜32Cが撚り合される工程の説明は省略する。第2工程は、第1工程の次の工程である。第2工程では、素線32および表面部材40の少なくとも一方にレーザが照射される。第2工程では、素線32の外周面34に配置された状態の表面部材40にレーザが照射される。第2工程では、例えば表面部材40のうち、少なくともアウターケース22(図3参照)と対向する部分にレーザが照射される。

インナーワイヤ330は、製造装置350によって例えば次のように製造される。 ステップS41において、表面部材40が素線32の外周面34に配置される(第1工程)。具体的には、表面部材40の第1部分46と第2部分48との間に空隙Sが形成されるように、素線32の外周面34に表面部材40が配置部352によって螺旋状に巻き付けられる。

ステップS42において、表面部材40にレーザが照射される(第2工程)。具体的には、表面部材40の外周面40Aのうち、アウターケース22と対向する部分に照射部354がレーザを照射することによって、素線32の外周面34に表面部材40が固定される。このように、ステップS41〜ステップS42に示す製造方法によって、図13に示されるインナーワイヤ330が製造される。インナーワイヤ330によれば、素線32と表面部材40とがレーザによって溶着されるため、素線32の外周面34に表面部材40が簡単かつ強固に固定される。

(変形例) 上記各実施形態に関する説明は、本発明に従う自転車用ケーブル、自転車用インナーワイヤ、自転車用インナーワイヤの製造装置、および、自転車用インナーワイヤの製造方法が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明は、実施形態以外に例えば以下に示される実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。

・第4実施形態の変形例の製造装置350は、照射部354に代えて照射部356を備える。図14の一点鎖線は、照射部356を示す。照射部356は、表面部材40にレーザを照射するように構成される。照射部356は、インナーワイヤ330の製造過程において、表面部材40が通過する経路上に設けられる。照射部356は、素線32の外周面34に配置される前の表面部材40の外周面40Aにレーザを照射する。レーザが照射された表面部材40が配置部352により素線32の外周面34に螺旋状に巻き付けられることによって、表面部材40が素線32の外周面34に固定され、図13に示されるインナーワイヤ330が製造される。

図16を参照して、インナーワイヤ330の製造方法の一例について説明する。 インナーワイヤ330の製造方法は、第1工程および第2工程を含む。第2工程では、素線32の外周面34に配置されていない状態の表面部材40にレーザが照射される。第1工程は、第2工程の次の工程である。第1工程では、素線32の外周面34に表面部材40が螺旋状に巻き付けられる。

インナーワイヤ330は、製造装置350によって例えば次のように製造される。 ステップS51において、表面部材40にレーザが照射される(第2工程)。具体的には、表面部材40の外周面40Aのうち、少なくとも素線32と接触する面が溶ける程度に照射部356によってレーザが照射される。ステップS52において、表面部材40が素線32の外周面34に配置される(第1工程)。具体的には、表面部材40の第1部分46と第2部分48との間に空隙Sが形成されるように、素線32の外周面34にレーザが照射された表面部材40が配置部352によって螺旋状に巻き付けられ、素線32の外周面34に表面部材40が固定される。このように、ステップS51〜ステップS52に示す製造方法によって、図13に示されるインナーワイヤ330が製造される。

・第4実施形態の変形例の製造装置350は、照射部354に代えて照射部358を備える。図14の破線は、照射部358を示す。照射部358は、素線32にレーザを照射するように構成される。照射部358は、素線32の外周面34のうち、少なくとも表面部材40が配置される部分である配置部分34Aにレーザを照射するように構成される。照射部358は、例えば素線32の外周面34のうち、配置部分34Aだけにレーザを照射するように構成される。照射部358は、インナーワイヤ330の製造過程において、素線32が通過する経路上に設けられる。照射部358は、表面部材40が配置される前の素線32の外周面34にレーザを照射する。レーザが照射された素線32の外周面34に表面部材40が螺旋状に巻き付けられることによって、表面部材40が素線32の外周面34に固定され、図13に示されるインナーワイヤ330が製造される。照射部358は、素線32の外周面34全体にレーザを照射するように構成されてもよい。

図17を参照して、インナーワイヤ330の製造方法の一例について説明する。 インナーワイヤ330の製造方法は、第1工程および第2工程を含む。第2工程では、表面部材40が配置されていない状態の素線32の外周面34にレーザが照射される。第2工程では、例えば素線32の外周面34のうち、配置部分34Aだけにレーザが照射される。第2工程では、素線32の外周面34全体にレーザが照射されてもよい。第1工程は、第2工程の次の工程である。第1工程では、素線32の外周面34に表面部材40が螺旋状に巻き付けられる。

インナーワイヤ330は、製造装置350によって例えば次のように製造される。 ステップS61において、素線32の配置部分34Aにレーザが照射される(第2工程)。具体的には、素線32の配置部分34Aが溶ける程度に照射部358によってレーザが照射される。ステップS62において、表面部材40が素線32の外周面34に配置される。具体的には、表面部材40の第1部分46と第2部分48との間に空隙Sが形成されるように、レーザが照射された素線32の配置部分34Aに表面部材40が配置部352によって螺旋状に巻き付けられ、素線32の外周面34に表面部材40が固定される。このように、ステップS61〜ステップS62に示す製造方法によって、図13に示されるインナーワイヤ330が製造される。

・第4実施形態の変形例の製造装置350は、照射部354に代えて照射部360を備える。図14の二点鎖線は、照射部360を示す。照射部360は、配置部352が表面部材40を素線32の外周面34に配置している最中に、素線32および表面部材40の少なくとも一方にレーザを照射するように構成される。照射部360は、例えば素線32の外周面34にレーザを照射する。照射部360は、インナーワイヤ330の製造過程において、配置部352を通過する素線32および表面部材40の少なくとも一方にレーザが届く位置に設けられる。素線32の外周面34に表面部材40が配置部352によって螺旋状に巻き付けられている最中に、素線32の外周面34に照射部360がレーザを照射することによって表面部材40が素線32の外周面34に固定され、図13に示されるインナーワイヤ330が製造される。

図18を参照して、インナーワイヤ330の製造方法の一例について説明する。 インナーワイヤ330の製造方法は、第1工程および第2工程を含む。第1工程では、素線32の外周面34に表面部材40が螺旋状に巻き付けられる。第2工程では、第1工程において素線32の外周面34に表面部材40が配置されている最中に、素線32および表面部材40の少なくとも一方にレーザが照射される。第2工程では、例えば素線32の外周面34にレーザが照射される。

インナーワイヤ330は、製造装置350によって例えば次のように製造される。 ステップS71において、表面部材40が素線32の外周面34に配置される(第1工程)。具体的には、表面部材40の第1部分46と第2部分48との間に空隙Sが形成されるように、素線32の外周面34に表面部材40が配置部352によって螺旋状に巻き付けられる。ステップS71と同時に実行されるステップS72において、素線32の外周面34にレーザが照射される(第2工程)。具体的には、素線32の外周面34に表面部材40が配置部352によって巻き付けられている最中に、素線32の外周面34に照射部360によりレーザが照射されることによって、素線32の外周面34に表面部材40が固定される。このように、ステップS71〜ステップS72に示す製造方法によって、図13に示されるインナーワイヤ330が製造される。第4実施形態の変形例の製造装置350は、照射部354,356,358,360のうちの少なくとも2つを備えてもよい。例えば、素線32の外周面34に表面部材40を巻き付けている最中に、表面部材40にレーザを照射しつつ、素線32にレーザを照射してもよい。また、表面部材40にのみレーザを照射してもよい。

・第4実施形態の変形例のインナーワイヤ330の製造方法は、表面部材40を素線32の外周面34に配置する第1工程、および、第1工程において素線32の外周面34に表面部材40が配置される前または配置されている最中に、素線32および表面部材40の少なくとも一方を加熱する第2工程を含む。第2工程における加熱方法は、素線32と表面部材40とを溶着できればよく、例えば誘導加熱や誘電加熱など任意の加熱方法である。一例では、素線32の外周面34に表面部材40が螺旋状に巻き付けられる前または巻き付けられている最中に、素線32および表面部材40の少なくとも一方が加熱器等の加熱方法により加熱されることによって表面部材40が素線32の外周面34に固定され、図13に示されるインナーワイヤ330が製造される。

・空隙幅SWと接着層36,136,236の第1厚さT1との関係は、任意に変更可能である。第1の例では、空隙幅SWは、第1厚さT1と実質的に同じ大きさである。第2の例では、空隙幅SWは、第1厚さT1よりも小さい。

・空隙幅SWと表面部材40の最小直径SDとの関係は、任意に変更可能である。第1の例では、空隙幅SWは、最小直径SDと実質的に同じ大きさである。第2の例では、空隙幅SWは、最小直径SDよりも大きい。

・第1実施形態の表面部材40は、露出面42を省略した形態を取り得る。一例では、表面部材40の外周面40Aのうち、アウターケース22の内周面22Aと対向する部分に接着層36が設けられる。この変形例によれば、製造装置50から除去部56が省略され、製造方法から第3工程が省略される。

・表面部材40の径方向に沿う断面の形状は、任意に変更可能である。第1の例では、表面部材40の径方向に沿う断面が真円形に形成される。第2の例では、表面部材40の径方向に沿う断面がを含む形状に形成される。

・素線32の外周面34に表面部材40が螺旋状に巻き付けられるか否かは、任意に変更可能である。一例では、直線形状または曲線形状の複数の表面部材40が接着剤38等によって素線32の外周面34に接着される。

・接着層36,136,236の第1厚さT1と第2厚さT2との関係は、任意に変更可能である。第1の例では、接着層36,136,236は、第2厚さT2が第1厚さT1と実質的に同じ厚さとなるように形成される。第2の例では、接着層36,136,236は、第2厚さT2が第1厚さT1よりも分厚くなるように形成される。この例によれば、接着層36,136,236の第2厚さT2は、素線32の外周面34と表面部材40の中心軸心との距離よりも小さいことが好ましい。

・除去部56の構成は、任意に変更可能である。第1の例では、除去部56は、切削加工によって接着剤38を除去するように構成される。第2の例では、除去部56は、溶剤によって接着剤38を除去するように構成される。第3の例では、除去部56は、レーザ加工以外の加熱器によって接着剤38を除去するように構成される。加熱器の一例は、誘導加熱や誘電加熱など任意の加熱方法を採用する加熱器である。第4の例では、除去部56は、レーザ加工、切削加工、溶剤、および、レーザ加工以外の加熱器のうち、少なくとも2つによって接着剤38を除去するように構成される。除去部156は、除去部56と同様の変形例が成立する。

・インナーワイヤ30,130の製造方法における第3工程の内容は、任意に変更可能である。第1の例では、切削加工によって接着剤38が除去される。第2の例では、溶剤によって接着剤38が除去される。第3の例では、レーザ加工以外の加熱器によって接着剤38が除去される。加熱器の一例は、誘導加熱や誘電加熱など任意の加熱方法を採用する加熱器である。第4の例では、レーザ加工、切削加工、溶剤、および、レーザ加工以外の加熱器のうち、少なくとも2つによって接着剤38が除去される。

・塗布部52の構成は、任意に変更可能である。一例では、塗布部52は、表面部材40の外周面40Aの一部に接着剤38を塗布するように構成される。表面部材40の外周面40Aの一部は、素線32の外周面34と対向する面である。

・インナーワイヤ30の製造方法における第1工程の内容は、任意に変更可能である。一例では、表面部材40の外周面40Aの一部に接着剤38が塗布される。表面部材40の外周面40Aの一部は、素線32の外周面34と対向する面である。

・各種の自転車用コンポーネントに含まれる要素は、任意に変更可能である。第1の例では、自転車用コンポーネントからフロントディレーラ18Fが省略される。この例によれば、フロントディレーラ18Fと対応するシフトレバー16およびケーブル20も自転車10から省略される。第2の例では、自転車用コンポーネントからリアディレーラ18Rが省略される。この例によれば、リアディレーラ18Rと対応するシフトレバー16およびケーブル20も自転車10から省略される。第3の例では、自転車用コンポーネントからフロントディレーラ18Fおよびリアディレーラ18Rが省略される。

・自転車用コンポーネントとケーブル20との関係は、任意に変更可能である。一例では、各種の自転車用コンポーネントを接続する複数のケーブルのうちの少なくとも1本がケーブル20であり、その他のケーブルはケーブル20とは別のケーブルである。

(課題を解決するための手段に関する付記) 〔付記1〕 表面部材を素線の外周面に配置するように構成される配置部と、 前記素線および前記表面部材の少なくとも一方にレーザを照射するように構成される照射部と、を備える自転車用インナーワイヤの製造装置。 〔付記2〕 前記配置部は、前記素線の外周面に前記表面部材を螺旋状に巻き付けるように構成される、付記1に記載の自転車用インナーワイヤの製造装置。 〔付記3〕 前記照射部は、前記表面部材にレーザを照射するように構成される、付記1または2に記載の自転車用インナーワイヤの製造装置。 〔付記4〕 前記照射部は、前記素線の外周面に配置された前記表面部材にレーザを照射するように構成される、付記3に記載の自転車用インナーワイヤの製造装置。 〔付記5〕 前記照射部は、前記素線にレーザを照射するように構成される、付記1または2に記載の自転車用インナーワイヤの製造装置。 〔付記6〕 前記照射部は、前記素線の外周面のうち、少なくとも前記表面部材が配置される部分にレーザを照射するように構成される、付記5に記載の自転車用インナーワイヤの製造装置。 〔付記7〕 前記照射部は、前記配置部が前記表面部材を前記素線の外周面に配置している最中に前記素線および前記表面部材の少なくとも一方にレーザを照射する、付記1または2に記載の自転車用インナーワイヤの製造装置。 〔付記8〕 表面部材を素線の外周面に配置する第1工程と、 前記素線および前記表面部材の少なくとも一方にレーザを照射する第2工程と、を含む自転車用インナーワイヤの製造方法。 〔付記9〕 前記第1工程では、前記素線の外周面に前記表面部材が螺旋状に巻き付けられる、付記8に記載の自転車用インナーワイヤの製造装置。 〔付記10〕 前記第2工程では、前記素線の外周面に配置された状態の前記表面部材にレーザが照射される、付記8または9に記載の自転車用インナーワイヤの製造方法。 〔付記11〕 前記第2工程では、前記表面部材のうち、少なくともアウターケースと対向する部分にレーザが照射される、付記10に記載の自転車用インナーワイヤの製造方法。 〔付記12〕 前記第2工程では、前記素線の外周面に配置されていない状態の前記表面部材にレーザが照射される、付記8または9に記載の自転車用インナーワイヤの製造方法。 〔付記13〕 前記第2工程では、前記表面部材が配置されていない状態の前記素線の外周面にレーザが照射される、付記8または9に記載の自転車用インナーワイヤの製造方法。 〔付記14〕 前記第2工程では、前記素線の外周面のうち、前記表面部材が配置される部分だけにレーザが照射される、付記13に記載の自転車用インナーワイヤの製造方法。 〔付記15〕 前記第2工程では、前記第1工程において前記素線の外周面に前記表面部材が配置されている最中に、前記素線および前記表面部材の少なくとも一方にレーザが照射される、付記8または9に記載の自転車用インナーワイヤの製造方法。 〔付記16〕 表面部材を素線の外周面に配置する第1工程と、 前記第1工程において前記素線の外周面に前記表面部材が配置される前または配置されている最中に、前記素線および前記表面部材の少なくとも一方を加熱する第2工程と、を含む自転車用インナーワイヤの製造方法。

20…自転車用ケーブル(ケーブル)、22…アウターケース、22A…内周面、30,130,230…自転車用インナーワイヤ(インナーワイヤ)、32…素線、34…外周面、36,136,236…接着層、38…接着剤、40…表面部材、40A…外周面、42…露出面、44…接着面、46…第1部分、48…第2部分、50,150,250…製造装置、52…塗布部(表面部材用塗布部)、54,154,254…配置部、56…除去部(表面部材用除去部)、152,252…塗布部(素線用塗布部)、156…除去部(素線用除去部)、S…空隙、SD…最小直径、T1…第1厚さ、T2…第2厚さ。

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