Fungicide composition

申请号 JP12555986 申请日 1986-05-29 公开(公告)号 JP2535147B2 公开(公告)日 1996-09-18
申请人 エリカ インコーポレイテッド; 发明人 EREIN ENU TERU; PURESUTON ERU BERUTOMAN;
摘要
权利要求 (57)【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】血液透析装置への使用に適した殺菌剤組成物であって、前記殺菌剤組成物が、水と混合した場合に約7.3のpHを有する等張液を与えるのに充分な有効量として、組成物の合計重量に基づく重量にて、10ppmないし50,000ppmの範囲の有効量の水溶性酸化性殺菌剤、100
    ppmないし10,000ppmの範囲の水溶性酸、および1000ppm
    ないし100,000ppmの範囲の水溶性緩衝剤を含み、しかも、前記組成物が生体適合性を有していることを特徴とする殺菌剤組成物。
  • 【請求項2】水を含むことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の殺菌剤組成物。
  • 【請求項3】前記の水溶性酸化性殺菌剤がナトリウムアジドであることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の殺菌剤組成物。
  • 【請求項4】前記の水溶性酸がアスコルビン酸であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の殺菌剤組成物。
  • 【請求項5】前記の水溶性緩衝剤が酢酸マグネシウムであることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の殺菌剤組成物。
  • 【請求項6】前記の水溶性酸化性殺菌剤が、ホルムアルデヒドであることを特徴とする特許請求の範囲第2項記載の殺菌剤組成物。
  • 【請求項7】前記の水溶性酸が塩酸であることを特徴とする特許請求の範囲第2項記載の殺菌剤組成物。
  • 【請求項8】前記の水溶性緩衝剤が燐酸ナトリウムであることを特徴とする特許請求の範囲第2項記載の殺菌剤組成物。
  • 【請求項9】前記の水溶性酸化性殺菌剤が、亜塩素酸ナトリウムであることを特徴とする特許請求の範囲第2項記載の殺菌剤組成物。
  • 【請求項10】前記の水溶性酸がクエン酸であることを特徴とする特許請求の範囲第2項記載の殺菌剤組成物。
  • 【請求項11】前記の水溶性緩衝剤が重炭酸ナトリウムであることを特徴とする特許請求の範囲第2項記載の殺菌剤組成物。
  • 【請求項12】前記の水溶性酸化性殺菌剤が、次亜塩素酸ナトリウムであることを特徴とする特許請求の範囲第2項記載の殺菌剤組成物。
  • 【請求項13】前記の水溶性酸が乳酸であることを特徴とする特許請求の範囲第2項記載の殺菌剤組成物。
  • 【請求項14】前記の水溶性緩衝剤が、燐酸マグネシウムであることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の殺菌剤組成物。
  • 【請求項15】前記の水溶性酸化性殺菌剤が過酸化水素であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の殺菌剤組成物。
  • 【請求項16】前記の水溶性酸が酢酸であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の殺菌剤組成物。
  • 【請求項17】前記の水溶性緩衝剤が、酢酸ナトリウムであることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の殺菌剤組成物。
  • 【請求項18】前記の水溶性酸化性殺菌剤が塩素酸ナトリウムであることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の殺菌剤組成物。
  • 【請求項19】前記の水溶性酸が酸性燐酸ナトリウムであることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の殺菌剤組成物。
  • 【請求項20】前記の水溶性緩衝剤がマレイン酸ナトリウムであることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の殺菌剤組成物。
  • 【請求項21】前記の水溶性酸化性殺菌剤を30ppmないし10,000ppm含むことを特徴とする特許請求の範囲第1
    項記載の殺菌剤組成物。
  • 【請求項22】前記の水溶性酸を500ppmないし1000ppm
    含むことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の殺菌剤組成物。
  • 【請求項23】前記の水溶性緩衝剤を5000ppmないし15,
    000ppm含むことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の殺菌剤組成物。
  • 【請求項24】重量にて、前記水溶性酸化性殺菌剤として56.8gの亜鉛素酸ナトリウム、前記水溶性酸として11.
    6gのクエン酸、および前記水溶性緩衝剤として151.4gの重炭酸ナトリウムを含み、水溶性の乾燥顆粒状の固体の形態を有し、18.93リットルの水に溶解させたときに約
    7.3の等張pHを示すことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の殺菌剤組成物。
  • 【請求項25】血液透析装置への使用に適した殺菌剤溶液であって、前記殺菌剤溶液が、 a)少なくとも10ppmの水溶性酸化性殺菌剤、 b)少なくとも100ppmの水溶性酸、および c)少なくとも1000ppmの水溶性緩衝剤 から本質的に成り、前記溶液が等張性を有し、かつ生体適合性を有することを特徴とする殺菌剤溶液。
  • 【請求項26】溶液の合計重量に基づき、重量にて、前記成分a)として56.8gの亜塩素酸ナトリウム、前記成分b)として11.6gのクエン酸、前記成分c)として15
    1.4gの重炭酸ナトリウム、および1892gの水から成り、
    当該溶液が3000ppmの亜鉛素酸ナトリウム濃度と約7.3の等張pHを有することを特徴とする特許請求の範囲第25項記載の殺菌剤溶液。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 本発明は、殺菌剤組成物に関する。 より詳細には本発明は、材料および装置の洗浄および/または殺菌が必要な広範囲の工業プロセスに使用でき、特に半透膜が使われる医療、食品加工の分野に有用な、改善された生体適合性をもつ殺菌剤組成物に関する。 この後者の関係では本発明の組成物は、医療の分野、特に血液透析および、
    血液透析装置の再使用のための洗浄および殺菌を含むその分野に極めて有用である。 それ故、本発明の組成物は広範囲の領域に有用であるが、簡単のために、ここには血液透析装置の再使用のための洗浄および殺菌への応用について取扱うこととするが、本発明はそれに限定されないと理解されるべきである。

    血液透析装置の再使用のための洗浄および殺菌には多くの問題がある。 まず、装置を患者の透析に使うと、一定の生体適合性が患者と装置の間に成立する。 例えば、
    血液透析操作においては、まず塩つぎに血液が透析装置の膜の中空繊維を通つて流れ、一方透析液は膜繊維の外側を通つて流れる。 操作の始めにおいては膜は実質上、繊維を通つて流れる塩水および、反対側の透析液と平衡状態にある。 血液が系内に導入されると系を通る液と膜との間に新しい平衡関係が成立しなければならない。 この新しい膜平衡は、塩水と透析液とで成立した最初の平衡とは全く異なる。

    一般に、膜は、それをとりまく液体とイオン配列、物理配列、滲透圧、濃度勾配およびヒドロニウムイオン勾配に達したとき、その環境と平衡状態になる。 しかし、
    血液透析過程の間、系は決して真の平衡状態には達せず、入口および出口の透析液と血液の組成が単に増加的にかつ透析プロセス自体の結果としてだけ変化する疑似定常状態を示す。 さて、溶解または懸濁した粒子を含む血液のような液体が中空繊維膜の繊維の内面のような表面の上を流れるとき、血液および透析液の成分は、その実体に相対的な吸着または反応力によつて表面上に吸着される。 その結果、吸着されないかまたは弱く吸着した材料および/または反応生成物の流出「前線」(roll
    ing“front")は、濃厚塊を形成して、膜系の出口に向かつて進行する。 これが起こつている間に、分子および充分に小さい粒子は濃度差の力によつて膜を通過して透析液中に入る。 同じようにして、透析液中に含まれる成分は透析液から血液流中に移動する。 表面の疑似定常状態が一旦成立すると、後者の二つの活動が透析操作の主な関心事となる。

    さて、上記の活動が始まると、アルブミン、フイブリノーゲンのような一般的蛋白質、および循環血液からの他の非免疫的巨大分子ならびに補足体のような免疫的蛋白質から成る複合蛋白質層が繊維膜の内面上に付着する。 この付着蛋白質層の存在は、血液透析装置の表面上にある可能性のある抗原から流動血液を隔離することによつて血液透析を受けている患者と透析系自体との間の生体適合性を改善する。 この蛋白質層によつて再使用中に示される改善された生体適合性は蛋白質層自体の直接の結果であるので、この層はしずかに取扱わねばならない。 しかし、この透析膜と付着蛋白質層は、二回目以降の使用時には一つの系として働くが、二つの別々の実体であることを銘記しなけれなばならない。 蛋白質層の分裂が少いほど、以後の使用での生体適合性の改善は大きい。

    再使用の操作は腎臓が洗浄され殺菌されていることを要求する。 洗浄は、膜の中空繊維を閉塞し、気孔を閉じるデブリ(debris)の形成を防ぐために必要である。 さらに、殺菌は、妥当な条件下でも導入されうるすべての胞子、細菌、ウイルス、および菌類を除去するのに適している。 しかし、同時に付着した蛋白質層の撹乱を最少にする薬剤を使つて系の高度の生体適合性を保存し、透析装置の再使用にあたつて透析系と患者の間に発生した改善された生物共存性を保持することが必要である。

    透析装置の洗浄と殺菌に使用される公知の洗浄・殺菌剤はホルムアルデヒドである。 ホルムアルデヒドは、蛋白質奏/膜の系に強く吸着される。 ホルムアルデヒドは、いわゆるなめし作用で蛋白質と反応する。 ホルムアルデヒドの使用は発がん性、急性溶血性貧血、および抗−N−様赤血球抗体の発生にともなう自己免疫性貧血などのような種々の悪影響を伴なう。 過酸化水素やクロロツクス(カリフオルニア州、オークランド、クロロツクス、コンパニーの登録商標)として知られる製品のような一般に実用されている洗浄殺菌剤はこのような毒性をもたない。 しかし、それらは吸着した蛋白質層を破壊する。

    洗浄剤、殺菌剤および滅菌剤などの使用は、洗浄し、
    保護し、与えられた環境の中で起こる劣化または悪影響を防ぐために広い分野で公知である。 しかし多くのこの種の公知材料は、膜および透析中に付着した蛋白質層を破壊するだけでなく、さらに悪い生物学的影響もあるので、例えばpH急性毒性または突然変異誘発性のような他の理由のため人体に対して生体適合性がなく、血液透析系には有効に使用できない。

    同時に、再使用すべき血液透析系への使用に適した洗浄、殺菌剤は、膜繊維の内面上に付着した蛋白質層によつて成立した生体適合性に悪影響を及ぼしたりこれを破壊したりしてはならないし、そのような洗浄殺菌剤は必要な殺菌力も与えねばならない。 殺菌力は例えば、
    (1)同じ殺菌剤濃度では殺菌力はpHの変化で著しく変わる。 (2)同一pHでは、殺菌力は殺菌剤濃度で著しく変わる、(3)同じpHおよび/または殺菌剤濃度では、
    殺菌力は、殺菌剤系と種々の微生物との接触時間によつて著しく変わる、(4)与えられた殺菌剤またはそれを含む系の殺菌力は、分解反応が起こつて系中の殺菌剤濃度が減少すると低下する、そして(5)殺菌剤と微生物の接触を促すためには、界面活性剤すなわち洗浄剤の存在が場合により望ましいだけでなく、現実には存在する殺菌剤と微生物の間の接触を促すために必要でさえある。 後者の点において、そのような界面活性剤を使用すると、一定の殺菌力がもつと迅速にかつより低い殺菌剤濃度で達成されることに注意すべきである。 しかし、このような活性剤の使用は、また系の生体適合性に悪影響を及ぼす。 そのような洗浄剤が存在しない場合には、場合により、存在する殺菌剤および微生物の間の接触のための物理的手段を提供する必要がある。 系中に存在する殺菌剤および微生物の間の接触を促すためにそのような洗浄剤または物理的手段を用いることは系にさらに複雑を加える。 透析膜はpHの変化に敏感である。 約7の中性
    pHから大きくずれると膜の物理強度が著しく劣化する。
    現在使用されている市販殺菌剤の多くは、強酸性(約5
    より低いpH)または強塩基性(約9より高いpH)の水準で働く。 これ膜を弱くし、この弱くなることは、臨床的には血液もれの増加として、また実験系ではもつと完全に低いものとして取扱われるように破断圧力の低下として証明される。

    米国特許第4,084,747号は好ましくは水性媒体中に亜塩素酸ナトリウムとともに少くとも約15重量パーセントの乳酸から成る殺菌性組成物を開示している。 組成物中の酸の量は水性媒体のpHを約7より低くするに充分なものでなければならない。 この特許はまた、殺菌組成物それ自体または、その場でのその製造をするためのそれを生成する反応原料を、種々の基質ならびに密閉空間を含む菌体の担体へ適用することを含む減菌および殺菌の方法を開示している。

    米国特許第4,330,531号は殺菌ゲル、殺菌石鹸、殺菌歯みがき、およびそのような殺菌組成物を施与するための適用器具を開示している。 この組成物は亜塩素酸ナトリウムを含む第一のゲル物質およびそれに含まれる水性媒体のpHを約7より低くするに充分な量の乳酸を含む第二のゲル物質を含む。

    これと対照的に、米国特許第3,912,450号は、液相中で改良された殺胞子組成物で医療用、外科手術用および歯科用器械の滅菌または殺菌のための方法を開示している。 この方法は、グルタールアルデヒドの水溶液またはアルコール溶液に非イオンおよびアニオン活性剤を併用した場合に見られる相乗効果に基いている。 この方法はまた、広範囲の周波数に亘る超音波照射とともにも使用できる。

    米国特許第4,411,866号は、組み込みの体液処理機構をもつた人工臓器ならびに人体に無害な液体を満たしてシールした体液入口および体液出口を有する人工臓器セツトを開示している。 このセツトは、また、人体に無害な液体を満たしてシールした体液入口を接続した体液導入ラインから成る体外の体液循環機構をも包含する。 セツト全体は密封真空パツケージされており、パツケージされた状態で蒸気殺菌される。 この人工臓器セツトは血液透析装置を含む。

    米国特許第3,124,506号は、歯みがきに、鼻孔洗浄用予防組成物として、うがい剤としてまたは汗臭防止組成物中に使用されるときに、それらの意図された目的のためのこれらの種々の組成物の効果を改良する、リンゴ酸およびその或種の塩から成る材料の組成物を開示している。 歯みがきとしては、この組成物は歯石除去剤、抗酵素および消毒剤として有効である。 鼻孔洗浄剤またはうがい剤としては、この組成物は、口腔、鼻および咽喉の粘膜層から頑固な痰の付着物を浮かせて除去する助けとなり、殺菌作用を発揮する。 脱臭剤として使用されたとき、この組成物は、不快な発汗臭を軽減し、発汗を減少させる。

    米国特許第4,473,591号は、缶詰めに先立つて野菜を、5.1ないし6.4の範囲のpHをもつ、亜鉛および銅から選ばれた金属イオンの水溶液中で漂白することによる缶詰めの緑色野菜の天然の色の保持を開示している。

    米国特許第2,988,514号は、水、亜鉛素酸アルカリ金属塩および亜塩素酸アルカリ土金属塩から選ばれた水溶性の亜塩素酸金属塩、および二酸化塩素ガスの発生を防ぐための或種のポリアミンの少くとも一種から成り、1
    ないし7の酸性pHを有する水性の酸性漂白浴を開示している。

    米国特許第3,585,147号は、約7および13の間のpHで亜塩素産アルカリ金属塩の形で溶解した安定化された二酸化塩素を含み、約6より低いpHに酸性化すると二酸化塩素を発生するようにしてあり、溶液からの二酸化塩素の発生を増加させるに充分な量のアルカリ金属およびアルカリ土金属から選ばれた金属の塩化物をその中に含む水溶液を開示している。

    米国特許第2,071,091号は、アルカリおよびアルカリ土金属の亜塩素酸塩の酸性化による二酸化塩素溶液の生成を開示している。

    本発明は、この種の生体適合性を有する殺菌剤組成物についての要求も問題点も認識していない上記各特許とは対照的に、洗浄および/または殺菌が必要な広範囲の工業プロセスに使用でき、血液透析装置の再使用に特に有用な、適切な生体適合性を有する殺菌剤組成物を提供するものである。

    本発明の殺菌剤組成物は、血液透析装置への使用に適したものであって、この殺菌剤組成物が、水と混合した場合に約7.3のpHを有する等張液を与えるのに充分な有効量として、組成物の合計重量に基づく重量にて、10pp
    mないし50,000ppmの範囲の有効量の水溶性酸化性殺菌剤、100ppmないし10,000ppmの範囲の水溶性酸、および1
    000ppmないし100,000ppmの範囲の水溶性緩衝剤を含み、
    しかも、この組成物が生体適合性を有していることを特徴とする。

    本発明による殺菌剤組成物は、有効量の水溶性殺菌剤、水溶性緩衝剤および水溶性酸を含むが、その殺菌剤は、膜/蛋白質層系の蛋白質層に悪影響を与えない限り、広範囲に変化できる。 この点において、例示的な殺菌剤は、亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素オゾン、ホルムアルデヒドおよびグルタールアルデヒドのようなアルデヒド類、塩素酸ナトリウム、ナトリウムアジド、過マンガン酸カリウムなどを含むが、これらに限定されない。
    与えられた組成物に使用される個々の殺菌剤によつてその有効量は広範囲に変化するが、少くとも殺菌力を与えるに充分な量、存在すべきである。 組成物の比率は、選ばれた殺菌性物質によつて大きく変化する。 一般に、本発明による組成物中には殺菌剤は、組成物の全量にもとづいて重量において約10ppmから約50,000ppmの範囲で存在する。 亜塩素酸ナトリウムのような酸化性殺菌剤を用いる好ましい実施態様においては、殺菌剤は、重量において約30ppmから約10,000ppmの範囲で存在する。

    殺菌剤と同様、本発明に使用する水溶性酸は、それが水溶性であり、膜/蛋白質系中の蛋白質層に悪影響を及ぼさない限りは、広く変化できる。 それは水溶性の無機または有機酸または酸性塩でもよい。 しかし、有機酸が使用されるときは、溶けたときに殺菌剤の殺菌力を妨げ、まは透析不能とするような複雑な、または高分子量の基を含むものであつてはならない。 本発明の生体適合性を有する殺菌剤組成物に使用できる酸には、塩酸、硝酸硫酸、臭素酸などのような無機酸がある。 例示的であるが限定的でない適切な酸性塩は、酸性硫酸ナトリウムまたは酸性燐酸ナトリウムのようなものである。 適切な有機酸には、乳酸、酢酸、アスコルビン酸、クエン酸、リンゴ酸などがある。 クエン酸は無毒性かつ透析可能の理由で好ましい酸である。 本発明による組成物に使用されるヒドロニウムイオン生成物質すなわち酸または酸性塩の量は、pHを約7.3に調整するに充分なものでなければならない。 この点で、通常、酸は組成物中に組成物の全重量を基にして、重量において約100ppmから約1
    0,000ppmの範囲、好ましくは約500ppmから約1000ppmの範囲で存在する。

    前述のように、本発明の組成物には、水溶性の緩衝剤が使用される。 この緩衝剤は酸性成分と同様、それが水溶性であり、膜/蛋白質系中の蛋白質層に悪影響を及ぼさない限り、無機性でも有機性でもよく、広く変化させてもよい。 しかし、有機の緩衝剤を使うときは、それは溶かしたとき(1)殺菌剤の殺菌力を妨げ、または(2)透析不能にする傾向をもつ複雑なまたは高分子量の基を含むものであるべきではない。 本発明の、生体適合性を有する(biocompatible)殺菌剤組成物中に使用できる緩衝剤には、重炭酸ナトリウム、燐酸ナトリウムおよび燐酸カリウムなどのような無機緩衝剤がある。 適切な有機緩衝剤がある。 適切な有機緩衝剤には、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酒石酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、マレイン酸ナトリウムなどがある。 本発明による組成物に使用する緩衝剤の量は、組成物を水溶液にしたときに、血液のpHである約7.3のpHをもつ等張液を形成するに充分なものでなければならない。 この点で、一般に緩衝剤は、組成物中に重量において、約5000ppmないし約15,000ppmの範囲で存在する。 生理等張液は、0.3オスモル/リツトルの全等張度をもつものと定義される。

    緩衝剤を添加すると、系を撹乱させたときでも、溶液のpHを7.3の近くに保つことができる。 酸の添加に対する相対的不感性は第6図のグラフで説明される。 正常血液に等しい、この一定のpHは、組成物の生体適合性を増進し、かつ透析膜への破壊作用を最小にする。

    最も理想的な条件においては、殺菌剤と適当な酸だけを含み、血液と同じ約7.3のpHをもち、等張性である本発明による組成物を与えることは可能であるが、このような組成物は血液透析装置を再使用のために洗浄し、殺菌する場合または他の技術分野において不安定であり、
    有用でない傾向がある。 その結果、実際上、本発明の好ましい組成物は、比較的長期間安定な溶液を与えるために、その必須成分として緩衝剤を含む。 第2図および第6図は、殺菌剤の部分の利用可能性に対するpHの影響および本発明の好ましい実施態様に対する酸による撹乱の影響をそれぞれ示す。

    透析膜はpHの変化に敏感である。 酸性がほぼ中性から変動すると、膜を構成するポリマーの構造は、変化し弱くなりうる。 この現象の説明は第1図のグラフに示されており、これはセルロース膜の本体へのpHの変化の影響を示す。 銅アンモニウムレーヨン製の血液透析器の生体外破裂強度に対する高pHおよび低pHの影響によつて弱体化は立証される。

    実際上、本発明の組成物は、含水製品としてもまた無水製品としても販売されうる。 これに関連して、この組成物は、二区画包装に包装されされ、一方の区画は必要量の殺菌剤を含み、他方の区画は必要量の酸および緩衝剤を含むようにしてもよい。 使用者は包装から内容物をとり出して単にそれらを必要量の水に溶かす。 他の実施態様では、組成物を三区画包装の製品とし、第三の区画は必要量の緩衝剤を酸と隔離して含み、使用者は必要量の水に一しよに溶かして、約7.3のpHをもつ等張液を与えるようにしてもよい。

    前述のように、本発明の組成物は、特に血液透析器の洗浄および殺菌への使用に適しているが、食品加工およびワイン製造のような他の技術分野にも使用されうる。
    例えば、食品加工では、この組成物は、貯蔵、過器、
    ヒーター、冷凍器および配管を洗浄および殺菌するのに使用される。 ワイン製造の分野では、この組成物は、加工装置、過器、膜、逆浸透装置などを殺菌するのに使用される。 さらに、医療の分野以外の技術分野に使われた場合、使用される殺菌剤、酸および緩衝剤の選択は人体が関係しないので、血液透析の分野に必要なきびしい基準を要求しないであろう。 そのため、これらの場合には、特に蛋白質層が含まれていない場合には、それが使われる環境に対して、よりきびしい作用をもつ殺菌剤、
    酸、および緩衝剤が使用できる。 例えば、医療分野以外の技術分野に使用する場合には、塩素酸ナトリウム、過塩素酸ナトリウム、およびグルタールアルデヒドのような殺菌剤、塩酸、硝酸、および硫酸のような酸、およびフタール酸カリウム、テトロサール酸、および他の工業用級の材料のような緩衝剤を本発明の組成物に使用できる。

    本明細書および添付の特許請求の範囲に使用する「殺菌剤」(sterilant)という用語は、表面に塗布または空間に使用されたときその表面または空間から生育している微生物を除去す物質を意味し、「酸」(acid)という用語は、それの存在する水溶液のヒドロニウムイオン濃度を上げる物質を意味すると理解されるべきである。

    (実施例) 本発明をさらに説明するために、下記の例示的であるが限定的でない実施例を述べる。 この実施例では、特記していない限り、部および百分率はすべて重量による。

    実施例1. 3gの亜塩素酸ナトリウム、10mlの氷酢酸および190gの重炭酸ナトリウムを合計10の溶液を形成するに充分な水と、室温(約20℃)で撹拌しながら成分が完全に溶解するまで混合して殺菌剤組成物を調製した。 この溶液は等張性(0.3オスモル/)でありベツクマンpHメーターで測定して約7.3のpHを有し、300ppmの亜塩素酸ナトリウムを含んでいた。 この溶液は30日より長い有効寿命をもち、標準の平板培養および培養方式を用いて緑膿菌(シユウドモナス、エルギノーサ)に対して試験したとき殺菌剤として適当であつた。

    実施例2 300gの亜塩素酸ナトリウム、60gのクエン酸および160
    0gの重炭酸ナトリウム緩衝剤を合計100の溶液を形成するに充分な水と室温(約20℃)で撹拌しながら成分が完全に溶解するまで混合して殺菌剤組成物を調製した。
    この溶液は等張性であり、ベツクマンpHメーターで測定して約7.3のpHをもち、3000ppmの亜塩素酸ナトリウムを含んでいた。 この溶液は30日より長い間安定であり、血液透析装置の再使用のための洗浄および殺菌に適していた。 このことは、この溶液を使用ずみの汚れた中空繊維透析器を再処理するのに使うことによつて実証された。
    この透析器は溶液で洗い、つぎにそれで満して24時間放置したのち膜過および平板培養を実施した。 生存微生物はなかつた。

    実施例3 600gの亜塩素酸ナトリウム(5%溶液として)、30g
    の37%塩酸および1900gの酢酸ナトリウム緩衝剤を合計1
    00の溶液を形成するに充分な水と、室温(約20℃)で撹拌しながら成分が完全に溶解するまで混合して酸化性殺菌剤溶液を調製した。 この溶液は等張性であり、ベツクマンpHメーターで測定して約7.3のpHを有し、6000ppm
    の次亜塩素酸塩を含んでいた。 この溶液は実施例1に述べたと同様にして12時間後に試験したところ、有効な殺菌剤であることがわかつた。

    実施例4 3gの亜塩素酸ナトリウムおよび16gの重炭酸ナトリウムを1の水に溶解して殺菌剤水溶液を調整した。 この等張液にpHを7.3にするに充分な乳酸(85%溶液6ml)を加えた。 この溶液を実施例2に述べたように試験したところ有効な透析器の殺菌剤であることがわかつた。

    実施例5 3gの亜塩素酸ナトリウム、5.25gの酢酸、および113g
    の重炭酸ナトリウムを合計10の溶液を形成するに充分な水と、室温(約20℃)で撹拌しながら成分が完全に溶解するまで混合して殺菌剤水溶液を調製した。 この溶液は等張性であり、ベツクマンpHメーターで測定して約7.
    3のpHを有し、300ppmの亜塩素酸を含んでいた。 この溶液を24時間の曝露時間で緑膿菌(シユウドモナス、エルギノーサ)およびミコバクテリウム・ケロネイに対する殺菌力を試験したところ、有効な殺菌剤であることがわかつた。 この溶液は、ワインのエタノール含量を減らすのに使われるプロトタイプの逆浸透装置の洗浄および殺菌に使用された。 4時間の曝露時間で、これはこの用途に有効な殺菌剤であつた。

    実施例6 30gの亜塩素酸ナトリウム、0.8mlの37%塩酸溶液、および86gの酢酸ナトリウムを合計10の溶液を形成するに充分な水と室温(約20℃)で撹拌しながら成分が完全に溶解するまで混合して殺菌剤水溶液を調製した。 この溶液は等張性であり、ベツクマンpHメーターで測定して約7.3のpHを有し、3000ppmの亜塩素酸ナトリウムを含んでいた。 この溶液は24時間の曝露時間で緑膿菌(シユウドモナス、エルギノーサ)およびミコバクテリウム、ケロネイに対する殺菌力を試験したところ、有効な殺菌剤であることがわかつた。

    実施例7 30gの亜塩素酸ナトリウム、13gのアスコルビン酸、および88グラムの重炭酸ナトリウムを合計10の溶液を形成するに充分な水と室温(約20℃)で撹拌しながら、成分が完全に溶解するまで混合して殺菌剤水溶液を調製した。 この溶液は等張性であり、ベツクマンpHメーターで測定して約7.3のpHを有し、3000ppmの亜塩素酸ナトリウムを含んでいた。 この溶液は、24時間の曝露時間で緑膿菌(シユウドモナス・エルギノーサ)およびミコバクテリウム・ケロネイに対する殺菌力を試験したところ有効な殺菌剤であることがわかつた。 この溶液は模型の乳加工装置の洗浄および殺菌に使用された。 4時間の曝露時間で、有効な殺菌剤であつた。

    実施例8 30gの亜塩素酸ナトリウム、45gの10%硝酸溶液および
    88gの重炭酸ナトリウムを合計10の溶液を形成するに充分な水と室温(約20℃)で撹拌しながら、成分が完全に溶解するまで混合して殺菌剤水溶液を調製した。 この溶液は等張性であり、ベツクマンpHメーターで測定して約7.3のpHを有し、3000ppmの亜塩素酸ナトリウムを含んでいた。 この溶液は、24時間の曝露時間で緑膿菌(シユウドモナス、エルギノーサ)およびミコバクテリウム・
    ケロネイに対する殺菌力を試験したところ有効な殺菌剤であることがわかつた。

    実施例9 0.1gのナトリウムアジド、57gのクエン酸、および103
    gの重炭酸ナトリウムを合計10の溶液を形成するに充分な水と室温(約20℃)で撹拌しながら成分が完全に溶解するまで、混合して殺菌剤水溶液を調整する。 この溶液は等張性であり、ベツクマンpHメーターで測定して約
    7.3のpHを有し、100ppmのナトリウムアジドを含有していた。 この溶液は24時間の曝露時間で緑膿菌(シユウドモナス、エルギノーサ)およびミコバタテリウム・ケロネイに対する殺菌力を試験したところ、有効な殺菌剤であることがわかつた。

    実施例10 本発明の組成物の殺菌力を説明するために、約7.3のp
    Hを有し、クエン酸、重炭酸ナトリウムおよび30,300,15
    00,3000および6000ppmの亜塩素酸ナトリウムから成る等張液に、4時間および24時間の培養時間の間緑膿菌(シユウドモナス、エルギノーサ)を接触させた。 結果を次表に要約し、第3図および第4図のグラフに示す。

    実施例11 実施例2の方法によつて亜塩素酸ナトリウム、重炭酸ナトリウムおよびクエン酸の溶液3種A,BおよびCを調製した。 各々の溶液は等張性であり約7.3のpHを有した。 溶液Aは約3000ppm,溶液Bは約2000ppm,溶液Cは約


    1000ppmの亜塩素酸ナトリウムを含んでいた。 これらの溶液を、標準のチオ硫酸ナトリウム試験法で、0,1,7,15


    および30日目に存在する亜塩素酸塩の濃度について試験した。 結果を次表に要約し、第5図にグラフで示す。

    30日の期間をすぎて、これらの溶液A,BおよびCはそれぞれ、それらのもとの亜塩素酸塩塩濃度の77.7%、7


    5.6%および89.8%を保持していた。 これらの溶液については、使用時の殺菌力は、存在する亜塩素酸塩濃度に直接関係する。

    実施例12 本実施例は、本発明の若干の組成物の用途および多数の患者の透析に使用され再使用のために洗浄および殺菌されるべき多数の血液透析装置の生体適合性を有する蛋白質層の保存について説明する。

    実施例1,2,4およびの組成物は、患者を処置し透析器の膜の中心繊維の内面上に付着した蛋白質層によつて装置に生体適合性を有する性質が付与されたあと再使用できるように準備すべく血液透析器の透析膜を洗浄および殺菌するのに使用された。 各透析器の動脈血出口は、その透析液入口に接続され、各装置の血液入口は殺菌剤溶液供給源に接続された。 殺菌剤溶液は透析器の容積当たり10倍容までの殺菌剤量で約100ml/分の速度で5ないし
    10分に亘つて透析器を通して圧送し、そのあと出入口に蓋をして透析器を再使用のため保存した。

    すべての場合、蛋白質層は処置のあと見分け得る形で残り、透析器は標準の化学的および微生物学的方法で試験して完全に微生物を含まなかつた。

    本発明の組成物は多くの長所をもつている。 例えば、
    本発明の組成物は、比較的安価で、通常の販売チヤンネルを通じて容易に入手できる原料からつくることができる。 さらに、その原料は使いやすく水に容易に溶ける。
    その上、本発明の組成物はすぐれた殺菌性を示し、容易に調製できて約7.3のpHを有する等張液を与え、この点で血液適合性を有し同時にそのような物理レベルで、所期の結果をうまく達成する。 さらに、本発明の組成物は、患者による使用の間透析膜繊維の内面上に付着した蛋白質層に悪影響を及ぼさないため、血液透析の領域で独自の長所をもち、この蛋白質層は患者と、その血液の浄化に使つた透析装置の間の生体適合性をつくり出す。
    文献に報告されたように、患者は、その蛋白質層が破壊された透析器で処理されたとき、わずかな肉体的不快感から心臓の停止に及ぶ種々の程度の肉体的ストレスを受けうる。 患者と、使用中の装置の間につくられた改善された生体適合性の存続は極めて重要で利益がある。

    上記の理由から利益があるのに加えて、本発明の好ましい組成物中に存在する成分は分解して塩化ナトリウムのような生理学的に存在する物質になり、この好ましい組成物が使用後廃棄された場合自然環境に悪影響を及ぼさないことも特記されるべきである。 また、それらは、
    それにさらされた患者や技術者にも悪い影響を与えない。 またさらに、本発明の好ましい組成物中に存在する成分の性質により、この組成物は、その製造に複雑な装置を必要とせず、単に混合して水でうすめるだけで容易に調製される。 本発明の組成物は、また、広範囲の技術において洗浄および殺菌を行なうのに使用できる点でも有利である。 本発明の組成物の他の多くの長所は当業者に容易に理解されよう。

    本発明はここに、その若干の好ましい実施態様の形で開示されたが、本発明の変形および改変はその精神および範囲から離れることなしに行ないうると理解されるべきである。 従つて、本発明は、添付の特許請求の範囲に規定されたことを除いてはここに開示されたその実施態様に限定されるものではないと理解されるべきである。

    【図面の簡単な説明】

    第1図は透析膜の酸およびアルカリ処理と、生体的破裂圧力に反射された膜強度の間の関係を示すグラフであり、 第2図は本発明による組成物の与えられた初期の亜塩素酸塩濃度についての亜塩素酸塩存在量へのpHの影響を示すグラフであり、 第3図は、本発明の組成物中の亜塩素酸ナトリウムの種々の初期濃度について24時間の曝露時間における本発明による殺菌剤の濃度に対する殺菌力の依存性を示すグラフであり、 第4図は4時間に減らした曝露時間における第3図と同様のグラフであり、 第5図は種々の濃度の亜塩素酸ナトリウム、重炭酸ナトリウムおよびクエン酸を使用した本発明による種々の溶液の30日の放置期間に亘る安定性を示すグラフであり、 第6図は本発明の好ましい実施態様において、酸濃度の増加とともにpHが滑らかに減少することを示すグラフである。

    QQ群二维码
    意见反馈