Coated transparent substrate with a polymer layer

申请号 JP2001565303 申请日 2001-03-07 公开(公告)号 JP2003529462A 公开(公告)日 2003-10-07
申请人 サン−ゴバン グラス フランス; 发明人 ガンドン,クリストフ;
摘要 (57)【要約】 本発明は、減圧下で堆積させたポリマー層によって表面の少なくとも一部がコーティングされている透明基体に関する。 ここでこのポリマー層は、有機又は有機無機質タイプの付着性予備コーティングを有する。 また本発明は、そのようなコーティングされた基体の製造方法、及びその使用に関する。
权利要求
  • 【特許請求の範囲】 【請求項1】 減圧下で堆積させたポリマー層が、有機又は有機無機質の付着性予備層を有することを特徴とする、前記ポリマー層によって表面の少なくとも一部がコーティングされている透明基体。 【請求項2】 前記付着性予備層を減圧下で堆積させたことを特徴とする、
    請求項1に記載の基体。 【請求項3】 ガラス、シリカ、ケイ素、ガラス質セラミック又は有機ポリマーでできていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の基体。 【請求項4】 前記付着性予備層が、基体に直接に、又は中間コーティング、特に金属酸化物、金属窒化物、金属、又は酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸炭化ケイ素若しくは窒化ケイ素タイプのケイ素誘導体の1又は複数の無機層を含む中間コーティングに、堆積していることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の基体。 【請求項5】 前記ポリマー層の厚さが、前記付着性予備層の厚さの少なくとも5倍、特に少なくとも10倍の厚さであることを特徴とする、請求項1〜4
    のいずれかに記載の基体。 【請求項6】 前記ポリマー層の厚さが、5nm〜5μm、特に80〜50
    0nm又は10〜200nmであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の基体。 【請求項7】 前記付着性予備層の厚さが、0.2〜10nm、特に0.5
    〜2nmであり、またこの層が随意に不連続であることを特徴とする、請求項1
    〜6のいずれかに記載の基体。 【請求項8】 前記ポリマー層が、不飽和ポリエステル樹脂、チオール−ポリエン樹脂、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、これらのアクリレートをメタクリレートで置き換えたもの、ポリシロキサン、2官能性エポキシドポリマー若しくはテレキーリックエポキシドポリマー、ビニルエーテル、若しくはこれらのポリマーのフッ素化されたもののうちの少なくとも1つに属する先駆物質から得られること、又は特にポリアリーレン及びポリ(アリーレン−ビニレン)又はこれら2つのタイプのポリマーのコポリマーの群のポリマーを作るための、ジ−パラ−キシレンタイプの開始化合物及び誘導されたハロゲン化化合物のその場での熱分裂によって得られる少なくとも1種の先駆物質から得られることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の基体。 【請求項9】 前記ポリマー層が、特にラジカル機構によって、紫外線照射、電子衝突又は熱処理で、架橋させることができるアクリル官能基を有するモノマー又はプレポリマーから得られ、また前記ポリマーが随意にフッ素化されていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の基体。 【請求項10】 前記モノマー/プレポリマーが、1官能性のもの、例えばラウリルアクリレート又はイソデシルアクリレート、2官能性のもの、例えばポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ビスフェノールAエポキシアクリレート、ビニル端を有するポリシロキサン、シリコーントリフルオロプロピルメチルシロキサンコポリマー、又は少なくとも3つの反応性官能基を有もの、例えばトリアクリレート、ジペンタエリトリトールペンタアクリレート、プロポキシル化グリセリルトリアクリレート、又はビニルメトキシシロキサンであることを特徴とする、請求項9に記載の基体。 【請求項11】 前記ポリマー層が、アルコール、アミド、アミン、酸無水物、エステル、エーテル、酸ハロゲン化物、ニトリル、カルビルアミン、イソシアネート、チオシアネート、過酸、酸、チオール、アミノ酸、ケトン酸、スルホン酸又はエポキシド基の群の官能基から選択される縮合性官能基を有する随意にフッ素化されたモノマー又はプレポリマーから得られ、特に熱処理によって、重合/架橋の後で、ポリイミド、ポリウレア、ポリアミド、ポリウレタン又はポリエステルが作られていることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の基体。 【請求項12】 前記モノマー/プレポリマーが、ピロメリト酸二無水物、
    デカメチレンジアミン、ジアミノジフェニルエーテル、1,6−ジイソシアナトヘキサン、トランス−1,4−シクロヘキシンジイソシアネート、1,6−ヘキサンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、フッ素化されている若しくはされていないシラノール基を有するポリジメチルシロキサン、又はアミノプロピル基若しくはエポキシド官能基を有するポリメチルシロキサンから選択されることを特徴とする、請求項11に記載の基体。 【請求項13】 前記ポリマー層がフッ素化されており、屈折率が1.75
    〜1.29、特に1.42〜1.30であり、及び/又は水との接触角が90°
    超、特に少なくとも105°であることを特徴とする、請求項1〜12のいずれかに記載の基体。 【請求項14】 前記付着性予備層を、1又は複数のタイプの分子/化合物から作り、ここでこの分子/化合物の少なくとも1つは、ポリマー層を作るために使用するモノマー又はプレポリマーと反応性の少なくとも1つの「B」基、及び付着性予備層を堆積させる材料、特にガラス、又は金属酸化物、金属窒化物、
    金属炭化物、窒化ケイ素、炭化ケイ素若しくはケイ素誘導体で作られたコーティングと反応性の少なくとも1つの「A」基を有することを特徴とする、請求項1
    〜13のいずれかに記載の基体。 【請求項15】 前記付着性予備層を堆積させる材料と反応性の前記基が、
    Me(OR) 3−m Cl (m≧1、特にm=3)の形、又はMeCl の形であり、ここでMeが、ケイ素、又はTi、Sn若しくはGeタイプの金属から選択されることを特徴とする、請求項14に記載の基体。 【請求項16】 前記ポリマー層を調製するために使用する前記モノマー又はプレポリマーと反応性の前記基が、アルケン、例えばアクリレート、メタクリレート、アルキン、例えばアセチレン系の群、アルコール、アルデヒド、アミド、アミン、酸無水物、ケトン、エステル、エーテル、酸ハロゲン化物、ニトリル、カルビルアミン、イソシアネート、チオシアネート、過酸、酸、チオール、アミノ酸、ケトン酸及びスルホン酸官能基、又はエポキシド若しくはアゾ基の官能基の群から選択されることを特徴とする、請求項14又は15に記載の基体。 【請求項17】 前記付着性予備層が、この付着性予備層を堆積させる材料、特にガラス、又はケイ素誘導体、金属炭化物、金属窒化物、炭化ケイ素若しくは窒化ケイ素又はSnO タイプの金属酸化物に基づく層との共有結合を作ることを特徴とする、請求項1〜16のいずれかに記載の基体。 【請求項18】 前記付着性予備層が、前記ポリマー層と共有結合を作ることを特徴とする、請求項1〜17のいずれかに記載の基体。 【請求項19】 前記ポリマー層が、金属酸化物若しくはケイ素誘導体タイプの少なくとも1つの無機層及び/又はポリマー層タイプの他のタイプの層でコーティングされており、前記ポリマー層とこのポリマー層上の層との界面において、有機又は有機無機質の付着性予備層を有することを特徴とする、請求項1〜
    18のいずれかに記載の基体。 【請求項20】 前記ポリマー層とその付着性予備層とが、光学的機能、熱的機能、圧電若しくは焦電タイプの電気的機能、又は電気化学的機能を有する層又は積層体、例えばエレクトロクロミック、液晶若しくはエレクトロルミネッセンス系、又はナノスケールのリソグラフィーエッチングのための層若しくはガスプローブのための層を包むコーティングの一部を作る又はそれを構成していることを特徴とする、請求項1〜19のいずれかに記載の基体。 【請求項21】 前記付着性予備層を伴うポリマー層が、太陽光保護、低放射性、反射防止、装飾、電気的又は電気化学的コーティングの一部を作っていることを特徴とする、請求項1〜20のいずれかに記載の基体。 【請求項22】 前記付着性予備層を伴うポリマー層が、疎水性コーティング、特に防雨性を有する疎水性コーティング、親水性コーティング、特に曇り防止若しくは霜防止機能を有する親水性コーティング、又は親油性コーティング、
    又は滑性コーティング、又は疎油性コーティングを構成していることを特徴とする、請求項1〜21のいずれかに記載の基体。 【請求項23】 前記付着性予備層及び前記ポリマー層が実質的に透明であることを特徴とする、請求項1〜22のいずれかに記載の基体。 【請求項24】 前記付着性予備層の堆積と前記ポリマー層の堆積を、減圧下の同じ製造ラインで行うことを特徴とする、請求項1〜23のいずれかに記載の基体の製造方法。 【請求項25】 (a)前記付着性予備層の1又は複数の先駆物質化合物を蒸気の状態で、前記基体上に導入し、特にこの化合物を噴霧される材料とこの化合物とが少なくとも部分的に反応するようにすること、 (b)前記基体上に、ポリマー層の蒸気状態の先駆物質モノマー/プレポリマーを導入すること、 (c)大気圧又は減圧下において、特に紫外線照射、電子衝突又は赤外線照射タイプの熱処理による処理を使用して、前記ポリマー層のモノマー/プレポリマーの重合/架橋、及び前記モノマー/プレポリマーと前記予備層の先駆物質化合物との、これらの層の界面における反応を行わせること、 を含むことを特徴とする、請求項1〜23のいずれかに記載の基体の製造方法。 【請求項26】 モノリシック、積層又は複数グレージングアセンブリ、軽量化されたファサード面パネル、鏡、ディスプレイスクリーン、又はストリートファーニチャーの製造での、請求項1〜22のいずれかに記載の基体の使用。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 【0001】 本発明は、有機ポリマー、又は特にシリカ若しくはガラス質セラミックのガラスでできた透明基体であって、この透明基体に所定の機能性を与える少なくとも1つのポリマーに基づく層を具備する透明基体に関する。 また本発明は、透明又は不透明の無機基体、例えばシリコンウェハーに関する。 例えばこのタイプの層を使用して、比較的不安定な下側コーティングを機械的又は化学的に保護すること、光学的若しくは干渉的な役割を行わせること、又はそれを堆積させる基体の表面の性質を変更することができる。 【0002】 その厚さは特に、数nm〜数μmまで変化させることができ、薄い干渉層として作用させる場合には、一般にサブミクロンである。 【0003】 このタイプの層の堆積は、様々な研究の課題であった。 第1の経路は、大気圧下でそれを堆積させることからなる。 ここではこの層の先駆物質(モノマー、プレポリマー)は液体状態である。 この選択は、溶媒の使用に関する多数の欠点を有する。 すなわち、層中に微量の残留溶媒が存在することがあり、溶媒を再処理/リサイクルしなければならず、また層の厚さの制御が容易ではない。 最後に、
    コーティングする基体を正確に濡らすことができる溶媒を見つけることが常に容易であるとは限らない。 【0004】 第2の経路は、減圧下で層を堆積させることからなる。 ここでは先駆物質を気化させ、そして減圧下で基体に噴霧する。 その後で先駆物質が、自発的に、又は特定の処理、特に赤外線照射を使用する熱処理若しくは例えば紫外線照射による処理若しくは電子衝突の効果によって重合する。 この技術は上述の技術と比較して多くの利点を有する。 すなわち、溶媒を再処理する必要がなく、層が比較的不純物を含有しない。 一般に厚さの制御が比較的正確であり、特に10nm〜1μ
    mの範囲で厚さを制御することができる。 更にこの技術は、若しくは酸素に対して感受性の開始物質の使用を可能にし、又は非常に反応性が大きい反応体の組み合わせ、及び/又は非混和性若しくはわずかにのみ混和性の均一に混合することが困難な反応体の組み合わせの使用を可能にする。 更に、製造操作を中断せずに、同じ減圧堆積ラインにおいて多層積層体を製造する操作で、堆積を行うことができる。 この技術の様々な態様が、特に米国特許第5,260,095号、ヨーロッパ特許第340,935号、同第339,844号、及び同第733,9
    19号で開示されている。 しかしながらこの技術にも欠点がないわけではない。
    すなわち、このようにして堆積させたポリマー層は機械的強度が不適当である傾向があり、剥離しやすく、またそれらの厚さがサブミクロンの範囲である場合及び/又はそれらがフルオロポリマー若しくはシリコーンポリマーに基づく場合、
    この傾向はより明らかになる。 【0005】 本発明の目的は、特に減圧下で堆積させるポリマー層の質を改良することによって、特に機械的質に関して、これらの欠点を克服することである。 【0006】 本発明の対象は第1に、表面の少なくとも一部が減圧下で堆積させたポリマー層でコーティングされている透明基体である。 ここでこのポリマー層は、有機又は有機無機質の接着性予備層を有する。 【0007】 本発明の手段によれば、接着性予備層及びポリマー層は互いに直接に接触している。 対称的に、基体と接着性予備層との間には、1又は複数の層からなる中間コーティングが存在していてもよい。 【0008】 この接着性予備層は、ポリマー層と同様に減圧下で堆積させることが有利であり、特に類似の技術によって堆積させることが有利である。 【0009】 この接着性予備層の存在は、随意に既にコーティングを有する基体とポリマー層との間の界面を、これら2つの材料の両方と2つの化学的親和性を示すことによってかなり強化することを可能にする。 この予備層の使用は、特にポリマー層の厚さが1μm未満、例えば500nmである場合、すなわちポリマー層が剥離する傾向が大きい場合に、ポリマー層の剥離に対する抵抗を増加させるのに非常に効果的であることが分かった。 ポリマー層が光学的役割をしなければならないときに使用される数ナノメートル〜数百ナノメートルの厚さで、これは非常に重要である。 このタイプの厚さは、基体の表面性質を変更するために(例えば基体に疎水性、親水性、霜防止性若しくは曇り防止性を与えるため、摩擦係数を低下させて滑性を与えるために)層を使用する場合に、又はナノスケールのリソグラフエッチングのための層、圧電若しくは焦電層、又はガスプローブのための層として一般に選択される。 【0010】 従って本発明は、非常に異なる役割の2つの層の組み合わせに関する。 ここでは一方で、特定の性質(例えば反射防止層の積層体に導入される場合には特に低屈折率の層、親水性又は疎水性の層等)のためのポリマー層が存在することが考慮される。 他方で、このポリマー層よりもかなり薄い予備付着層が存在する。 この予備付着層の役割は、両側の2つの材料(ポリマー、及び既にコーティングされていてもコーティングされていなくてもよい基体)の間で、これらの材料の両方との2つの化学的親和性を示すことによって化学的レベルの連続性を提供することである。 従って特にコーティングされる基体に従って、ポリマーの組成に影響を与えることなく、付着性予備層の化学組成を変更又は適応させることが可能である。 従ってポリマーが予備層の材料と反応する限り、以下で詳細に説明する様式で、任意のタイプのポリマーを使用することができる。 これは、ポリマー層が基体に比較的適合するようにポリマー層を化学的に改質しようとすることと比較して明らかに好ましい。 ここでポリマー層の化学的改質は、かなり複雑であり、ポリマー層の所望の性質を変えてしまう危険性がある。 【0011】 減圧下で予備層を堆積させることはかなり有利である。 すなわち、同じ堆積ラインで2つの層を前後して堆積させ、ポリマー層の接着性予備層への結合を促進することが可能である。 【0012】 基体は好ましくはガラスであるが、上述のように他のガラス質セラミック、ケイ素又はシリカタイプの無機基体、又は下記のタイプの有機ポリマーを除外しない:ポリ(メチルメタクリレート)PMMA、ポリエチレンテレフタレートPE
    T、ポリエチレンナフタレートPEN、ポリ(塩化ビニル)PVC、ポリカーボネートPC、又は透明ポリ(フッ素化ビニリデン)誘導体(Du Pont d
    e Nemoursが販売する「テフロン AF」、旭硝子が販売する「Cyt
    op」)。 上述の「中間」コーティングは、下記のタイプの1又は複数の無機層を含むことができる:金属酸化物(SnO 、TiO 、WO 、Nb
    ZnO等)、金属窒化物(TiN、ZrN等)、金属(Ag、Al、Ti、鋼鉄)、又はケイ素誘導体(酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸炭化ケイ素又は窒化ケイ素)。 また金属炭化物又は炭化ケイ素も挙げることができる。 【0013】 ポリマー層の厚さは、付着性予備層の厚さの好ましくは少なくとも5倍、特に10倍の厚さである。 【0014】 付着性予備層がポリマー層よりもかなり微細になるように付着性予備層を選択するという事実は、様々な様式で正当化することができ、この予備層は実際にかなり微細なものでよく、不連続であってさえもよい。 更にこれは単層であってよく、すなわちこの予備層が接触する2つの材料に、特に共有結合によって結合する単層の分子でよい。 これは非常に薄いので、光学的には「中性」を維持しており、ポリマー層を基体の光学系において干渉的に作用させることを意図している場合には、ポリマー層の役割を光学的に妨害せず、また一般に基体の外観に影響を与えない。 ここでポリマー層に関しては、比較的厚い厚さでのみ達成することができる所定の性質が期待される。 【0015】 おおまかな概念として、5nm〜5μm、特に80nm〜500nm程度の厚さが一般に、光学的用途のためのポリマー層のために選択され、基体の表面の性質を変更することを意図している場合には、10〜200nmの厚さが選択される。 好ましくは0.2〜10nm、特に0.5〜2nm程度の厚さを、付着性予備層のために選択する。 【0016】 ポリマー層の化学的性質及びポリマー層を作ることができる先駆物質のタイプ(「先駆物質」とはこの層のための初期材料として使用するモノマー及び/又はプレポリマーを意味する)を、初めに詳細に説明する。 但しこれは限定を示唆するものではない。 【0017】 ポリマー層は好ましくは、下記の群の少なくとも1つに属する先駆物質から得られる材料から選択する:不飽和ポリエステル樹脂、チオール−ポリエン樹脂、
    ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート(アクリレートはメタクリレートで置き換えることもできる)、ポリシロキサン、2
    官能性エポキシドポリマー、テレキーリック(telechelic)エポキシドポリマー、又はビニルエステル。 【0018】 選択されるポリマーは官能化されていてもよい(このレベルを調節することは、特に制御された様式で層の屈折率を低下させること、及び/又はその疎水性の程度を調節することを可能にする)。 【0019】 この層は好ましくは、特にラジカル機構で架橋させることができるアクリル官能基を有する先駆物質(随意にフッ素化されている)から得る。 架橋は、自発的に行わせること、又は紫外線タイプの照射、電子の衝突若しくは熱処理によって行わせることができる(減圧下で又は減圧下ではなく)。 【0020】 先駆物質は、1官能性のもの、例えばラウリルアクリレート又はイソデシルアクリレートであってよい。 またこれは2官能性のもの、例えばポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ビスフェノールAエポキシアクリレート、又はビニル端を有するポリシロキサン(例えばG
    elestが商品名MCR−V41及びDMS−100で販売する製品、又はR
    adcorが商品名Ebercryl350で販売する製品)でよい。 これはまた、シリコーントリフルオロプロピルメチルシロキサンコポリマー(例えばGe
    lestが商品名FMV−4031で販売する製品)に関するものでよい。 先駆物質は、トリアクリレートのように3又はそれよりも多くの反応性官能基を有することができ、例えばジペンタエリトリトールペンタアクリレート、プロポキシル化グリセリルトリアクリレート、又はビニルメトキシシロキサン(例えばGe
    lestが商品名VMM−010で販売する製品)でよい。 【0021】 この層は、縮合官能基、特にアルコール、アミド、アミン、酸無水物、エステル、エーテル、酸ハロゲン化物、ニトリル、カルビルアミン、イソシアネート、
    チオシアネート、過酸、酸、チオール、アミノ酸、ケトン酸、スルホン酸又はエポキシド基を有する先駆物質から得ることもできる。 【0022】 縮合による重合/架橋には一般に、アニール処理段階を必要とする。 これらの反応は、ポリイミド、ポリウレア、ポリアミド、ポリウレタン、又はポリエステル(またこれらはフッ素化されていてもよい)を作る。 先駆物質の例は、ピロメリト酸二無水物、デカメチレンジアミン、ジアミノジフェニルエーテル、1,6
    −ジイソ−シアナトヘキサン、トランス−1,4−シクロヘキシンジイソシアネート、1,6−ヘキサンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、又はシラノール基を有するポリジメチルシロキサン(例えばGelestが商品名DMS
    −S12d販売する製品)であり、これらは更にフッ素化されていてもよい(例えばGelestが商品名FMS−9921で販売する製品のように)。 これは、アミノプロピル基を有するポリメチルシロキサン(例えばGelestが商品名DMS−A11で販売する製品)、又はエポキシド官能基を有するポリメチルシロキサン(例えばGelestが商品名DMS−E01で販売する製品)にも関するものであってもよい。 【0023】 他のタイプの先駆物質は、初期化合物の熱分裂によってその場で、ポリアリーレン若しくはポリ(アリーレン−ビニレン)(特にそれぞれ塩素化されていない、一塩素化された及び二塩素化されたパリレンについて名称PPX−N、PPX
    −C及びPPX−Dで示すことが便利なもの)、又はこれら2つのタイプのポリマーのコポリマーの群のポリマーを作ることができるものに対応している。 この開始化合物は、下記の化合物から選択することができる:ジ−パラ−キシレン及び誘導ハロゲン化化合物、4−トリフルオロアセチル−[2.2]−パラシクロファン、4−アミノ[2.2]パラシクロファン、α,α−ジクロロ−パラキシレンを含むα−ジ−アロキシレン−パラ−キシレン。 【0024】 上述のように、これらのポリマーの組成、特にフッ素化官能基のそれらの許容できるレベルは、層の特定の性質、特にその屈折率を調節することを可能にする。 この屈折率は例えば1.75〜1.29、特に1.42〜1.30にすることができる。 またその疎水性を調節して、水との接触を90°超、特に105°
    超にすることができる。 【0025】 付着性予備層の化学的性質及び付着性予備層を作ることが好ましい化合物のタイプは、以下で詳細に説明する。 但しこれらは限定を示唆するものではない。 【0026】 付着性予備層は例えば、本質的に1つのタイプ(又は複数のタイプ)の分子/
    化合物から作る。 ここでこの分子/化合物の少なくとも1つは、ポリマー層の先駆物質と反応性の少なくとも1つの「B」基を有し、且つ付着性予備層を堆積させる材料、特にガラス、SnO タイプの金属酸化物でできたコーティング、又は金属窒化物、金属炭化物、窒化ケイ素、炭化ケイ素若しくはケイ素誘導体でできたコーティングと反応性の少なくとも1つの「A」基を有する。 またこれら2
    つの材料間で実際に架橋を作ることができる2官能性分子を使用して、これら2
    つの材料とのしっかりとした結合を作ることもできる。 あるいは、ポリマー層とその予備層との間で共有結合を作り、且つ予備層と予備層を堆積させる材料との間で共有結合又はバインダーを作ることができる。 【0027】 反応性基Aは好ましくは、Me(OR) 3−m Cl (m≧1、好ましくはm
    =3)の形である。 これは−MeCl の形であってもよい。 金属Meは例えば、Si、Ti、Sn又はGeでよく、予備層の下の材料によって選択する。 この材料がガラス、酸炭化ケイ素又は酸窒化ケイ素である場合、Meは例えばSiであるように選択する。 この場合、この反応性基は、ガラス又は酸化ケイ素のSi
    −OH基と反応することができる。 同様に、予備層を酸化スズタイプのスズ誘導体に基づく層に堆積させる場合、MeがSn又はSiで有るように選択する。 これらはSi−O−Si又はSi−O−Sn又はSn−O−Sn共有結合を作り、
    これは予備層の良好な結合を与える。 【0028】 反応性基Bとしては、以下の官能基を挙げることができる:アルケン(アクリレート、メタクリレート等の群)、アルキン(アセチレン系の群)、アルコール、アルデヒド、アミド、アミン、酸無水物、ケトン、エステル、エーテル、酸ハロゲン化物、ニトリル、カルビルアミン、イソシアネート、チオシアネート、過酸、酸、チオール、アミノ酸、ケトン酸及びスルホン酸官能基、エポキシド又はアゾ基。 【0029】 これらの2官能性化合物(特に2官能性シラン)としては、限定するわけではないが、アリルトリクロロシラン、アリルヘキシルジクロロシラン、メタクリロイルオキシプロピルトリクロロシラン、3−イソシアナトプロピルジメチルクロロシラン、ヘキサジクロロシラン、ジビニルジクロロシラン、2−シアノエチルトリクロロシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリクロロシラン、アセトキシプロピルメチルジクロロシラン、アリルトリクロロゲルマン、3−(トリクロロゲルミル)プロピオニルクロリド、又はビス(カルボメトキシエチル)二塩化スズ。 【0030】 当然に、Bタイプの反応性基の性質は、ポリマー層の先駆物質の性質によって選択しなければならない。 【0031】 上述の有機化合物/分子のタイプでは、本発明の付着性予備層は、この層の下の材料及びポリマー層の材料の両方と共有結合を作ることができる。 【0032】 本発明の特定の態様では、ポリマー層は薄い層の積層体のうちの一部を形成し、金属酸化物又はケイ素誘導体タイプの少なくとも1つの無機層(又はポリマー層タイプの他のタイプの層)がその上にある。 この場合、ポリマー層と可能なその上側の(無機)層との間に、微細な有機又は有機無機質の付着性上側層を提供することを考慮できる。 この上側層は、その機能、化学的性質及び厚さに関して、上述の予備層と完全に同様であってよい。 【0033】 予備層/ポリマー層/上側層/可能な追加の層の組み合わせには、ポリマー層及び酸化物タイプの無機層を組み合わせる積層体と並んで、多くの用途がある。 【0034】 付着性予備層と組み合わせたポリマー層には多くの用途がある。 すなわちこれは、機械的又は化学的保護層、キャリア基体若しくは下側コーティングに関して気体若しくは液体に対するバリアー層、又は更に紫外線放射に対する保護層として機能することができる。 従ってこれは、下記の層又は積層体のための封入層として作用することができる:光学的、熱的、電気的(焦電若しくは圧電的)、又は電気化学的機能、例えばエレクトロクロミック、エレクトロルミネッセンス若しくは液晶系の機能を有する層又は積層体、又はナノスケールリソグラフィーエッチングのための層若しくはガスプローブのための層。 【0035】 ポリマー層は、太陽光保護、低放射性、反射防止、装飾、電気又は電気化学的機能を有するコーティング/積層体の一部を構成することができる。 従ってこれは、少なくとも銀、TiN若しくはZrNタイプの金属窒化物、又はF:SnO タイプのドープした金属酸化物でできた機能層を使用する太陽光保護又は低放射性コーティングの場合には、特にこの機能層によってもたらされる光反射を弱める光学的な役割を有する誘電体材料として機能することができる。 高屈折率の層が低屈折率の層と交互にされている反射防止積層体では、これは、特にフッ素化されている場合に、低屈折率の層として作用する。 【0036】 電気的又は電気化学的系では、これは絶縁層として機能することができる。 他方でこれを、導電性であるように選択することができ、これは、これらの系で可能な電気的連続性を作ることができる。 【0037】 ポリマー層自身が機能的な役割を有することができる。 すなわち、特にポリマーがフッ素化されている場合に、ポリマー層は予備層と共に、防雨性又は曇り防止効果を有する疎水性コーティングを構成することができる。 曇り防止性を提供するために、ポリマー層は親水性を有するように選択することもできる。 またこれは、霜防止性、親油性又は滑性を有するように選択することもできる。 またこれは、疎油性であるように選択することもできる。 【0038】 これは単独で、又は他の層と組み合わせて、特にその厚さ及びその屈折率を適当に選択して有色の光彩層を作ることによって、装飾機能を有することができる。 【0039】 これは、染料、着色剤、非線形の光学的な振る舞いを示す分子、液晶分子又はフッ素化分子のためのホスト層として機能することもできる。 【0040】 有利には、ポリマー層及びその予備層(及び随意にその上側層)は透明であり、光の吸収率が非常に低く、実際に光吸収率がほとんどゼロである。 上述のように、予備層は好ましくは薄く、それによってその光学的な役割は無視できる。 【0041】 本発明の他の課題は、上述のコーティングされた基体を作る方法である。 この方法は特に、減圧下の同じ製造ラインにおいて、付着性予備層とポリマー層とを連続的に堆積させることからなる。 【0042】 これらの層を他の無機層と組み合わせる場合、全ての層を、同じ堆積ラインにおいて連続的に堆積させられることがかなり有利である。 当然に本発明の層は、
    本発明の層と同様に減圧下で堆積させることができる他のポリマー層と組み合わせることもできる。 【0043】 本発明の予備層とポリマー層の下に配置する無機層は、減圧下で又は減圧下ではなく、特に大気圧の堆積操作では熱分裂、CVD又はゾル−ゲルによって、及び減圧下の操作ではプラズマCVD、イオンスパッタリング、蒸発、気相堆積又はカソードスパッタリング、随意に磁場促進カソードスパッタリングによって、
    堆積させることができる。 同じタイプの技術は、ポリマー層上の可能な無機層のために使用することができる。 しかしながら、本発明の付着性上側層を使用する場合には、カソードスパッタリング及びプラズマCVDは、本発明の付着性上側層に損傷を与える危険性があるので、使用を避けることが好ましい。 【0044】 予備層とポリマー層を作る方法は下記の工程を含むことが有利である: (a)基体上に予備層を作るために使用する1又は複数の化合物/分子を蒸気の状態で導入し、特にこの化合物を噴霧される材料とこの化合物とが少なくとも部分的に反応するようにする工程(蒸気の状態での噴霧の前に、標準の圧条件で固体/液体である化合物を気化させる段階を行わなければならないことがある)、 (b)前記基体及び従って上述の予備層化合物上に、蒸気の状態のポリマー層の先駆物質を注入する工程(ここで再び、噴霧の前に、先駆物質を気化させる段階を行わなければならないことがある)、 (c)先駆物質の重合/架橋、及びポリマー層の先駆物質と予備層の化合物の、それらの界面における少なくとも部分的な反応を行わせる工程。 【0045】 これら2重の反応は、自発的であってよく、減圧下で又は大気圧下で行うことができる。 これは、紫外線タイプの照射、電子衝突又は赤外線照射タイプの単純な熱処理によって行うこと又は促進することができる。 【0046】 この方法に関して、2つの噴霧操作の間で特定の中間処理を必要とせずに、初期材料の堆積を連続的に行うことが有利である(そのような処理が随意に行える場合であっても)。 【0047】 本発明の他の目的は、建物又は乗物のためのグレージングアセンブリ、特にモノリシックグレージングアセンブリ(単一の硬質基体)、積層グレージングアセンブリ又は複数グレージングアセンブリの製造への、上述の基体の適用である。
    この乗物は、自動車(乗用車、列車)、船又は航空機でよい。 これらは、任意のタイプのディスプレイスクリーン、ディスプレイパネル又はストリートファーニチャーの製造のために使用することもできる。 基体は不透明であってもよく、また軽量化されたファサード面パネル又は鏡として使用することができる。 【0048】 本発明は、限定をしない例を使用して、以下でより詳細に説明する。 【0049】 例の全ての付着性予備層及びポリマー層は、堆積させる化合物を気化させ、減圧された(例えば最大で50torr)容器内の基体上に連続的に注入し、そしてポリマー層の重合及びポリマー層への予備層の「結合」を促進することを意図した随意の処理を行うことによって、減圧下で堆積させる。 基体は、Plani
    lux(Saint−Gobain Vitrageが販売するガラス)タイプの透明シリカ−ソーダ−ライムガラスでできた基体である。 【0050】 [例1] この例の目的は、比較的不安定な無機層、特に酸化及び耐水性に関して不安定な無機層のための永続的な保護層の調製である。 【0051】 堆積装置は、W. F. Gorhamによる文献J. Polym. Sci. 、4
    、3027、(1966年)、及びカナダ国特許637,507号明細書で開示されているものによる。 【0052】 アルミニウムターゲットを使用する磁場促進カソードスパッタリングによって堆積させたアルミニウム層を有するガラス基体でできた鏡を提供する。 このアルミニウム層の厚さは50nmである。 【0053】 付着性予備層は、下記の様式で本発明によってアルミニウム層に堆積させる:
    5μlの気化したアセトキシプロピルメチルジクロロシランを、0.1torr
    の圧力及び200℃の温度の容器中で、既にAl層を有する基体上に噴霧する。 【0054】 ポリマー層は、下記の様式で連続的に堆積させる:0.5gのジクロロ−ジ−
    p−キシレンを、120℃の温度及び1torrの圧力で昇華させる。 その後得られる蒸気を、0.5torrの圧力において650℃で熱分裂させる。 分裂生成物は、0.1torrの圧力及び25℃の温度において、基体上で自発的に重合させる。 続いて後処理を行うことは重要ではない。 すなわち、予備層の先駆物質と基体との反応、及び予備層とポリマー層との反応、及び後者の重合/架橋は、外部エネルギーの貢献なしで、25℃において自発的に行わせる。 【0055】 得られるポリマー層は、ポリ(パラキシレン)(PPX−C)でできている。
    この厚さは500nmである。 予備層の厚さは約3nmである(厚さは、ポリマー層によって覆われていない試料のx線回折解析によって測定)。 【0056】 この積層体にNSS(中性塩噴霧)試験を行う。 その様式は下記のようなものである:pHが7で温度が35℃の50g/lのNaClを含有する水溶液を、
    層に噴霧する。 試験は、肉眼でアルミニウム層に腐食点が観察されたときに終了する。 【0057】 この試験では、欠陥は10日後に観察された。 これに対して、ポリマー層及びその予備層がない場合には、5日後には欠陥が観察された。 【0058】 他の試験を行い、本発明に従ってコーティングされている基体を、予備層のない比較例によって調製した基体と比較した。 ここでは、予備層がないと、THF
    若しくはキシレン溶媒浴、又は還流している水、又は塩素化芳香族溶媒に浸漬したときに、PPX−C層は完全に剥離した。 これは15分未満で起こった。 これに対して、予備層が存在する場合には、PPX−C層は、これらいずれの溶媒中においても24時間後にガラスにしっかりと付着したままである。 【0059】 従って、PPXは非極性で非イオン性であるが、付着性予備層によって、PP
    Xポリマー層がガラス基体に非常に良好に付着することがわかった。 これに対して予備層がないと、ポリマー層の局所的な剥離現象が起こる。 本発明の、その予備層と組み合わされた層は従って、下側層に関して、耐久的な保護の役割を効果的に行うことができる。 【0060】 従って本発明は、ガラス物品保護のためにPPXタイプのポリマーの使用を、
    例えばその化学的変更を行う必要なしに可能にする。 【0061】 PPX層は透明である。 その透過率は、適当な染料を加えることによって低下させること、例えば起こりうる「2方向鏡」効果を減少させることができる。 【0062】 [例2] この例の目的は、本発明の層を調製することである。 この層の機能は例えば、
    ガラスの切断工程の間の破片又はくずからの機械的な保護、又はその輸送の間の摩擦に対する機械的な保護を行うことでよい。 【0063】 堆積操作は、直接にガラスに行う。 堆積装置は例えば、上述の米国特許第5,
    260,055号明細書で開示されているものである。 【0064】 付着性予備層は、0.05torrの圧力でコーティングする基材を保持する容器中において、0.4torrで60℃に予め加熱された10μlの3−アクリロイルオキシプロピルトリクロロシランから堆積させる。 【0065】 ポリマー層は、Cibaからの0.5wt%のIrgacure1850樹脂を添加されたCray Valleyからの0.1mlのCN132(CN13
    1)(脂肪族ジアクリレートの群のオリゴマー)から、同じ容器中において連続的に堆積させる。 ここでこの混合物中に存在する酸素は混合物から除去し、また混合物は350℃に予め加熱している。 Irgacureは、Cibaからのラジカル重合のための光開始剤を包含する商標名である。 これらの中では、ビス(
    2,6−ジメトキシベンゾイル)(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィンオキシド又は1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを挙げることができる。 Irgacure1850は、これら2つの化合物の50/50混合物である。 (Irgacure819であるビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ベンゾフェノン、Irgacure500の名称で販売される上述の化合物とベンゾフェノンとの組み合わせも挙げることができる) 【0066】 後処理は自発的に行わせる。 この後処理は、減圧下の容器中に基体を維持すること、及び基体に水銀蒸気紫外線ランプからの照射を行うことからなる。 【0067】 このようにしてコーティングした基体に次に、OPEL試験として知られる機械的摩擦試験を行う。 この試験は、木材パッドに16.7Nの負荷を適用し、このパッドを基体の表面において往復運動させることからなる。 層の引っ掻きに対する抵抗性は、試験後の層の毛羽立ち(fuzziness)の関数として評価する。 引っ掻きの回数が増加すると毛羽立ちが増加し、極端な場合には層が剥離する。 往復運動の数は、「OPELサイクル数」に対応している。 【0068】 約1nmの予備層厚さと、それぞれ500nm及び760nmポリマー層厚さに関して、OPEL試験の結果を下記の表1に組み合わせて示している(毛羽立ちは無次元の%で示している): 【0069】 【表1】

    【0070】 比較のために、予備層を伴わない同じポリマー層で比較例2を行った。 OPE


    L試験の結果は下記の表2に示している: 【0071】 【表2】 【0072】 これら2つの表から、予備層の存在が、ポリマー層の剥離抵抗性に非常に有益な影響を与えることが分かる。 すなわち、この予備層がない場合、厚さ500n


    m(及びそれ未満)のポリマー層はあまり抵抗性ではない。 予備層は、剥離が起こらなくなる最小ポリマー層厚さを小さくすることができる。 【0073】 [例3] この例の目的は、厚さ100nmのフッ素でドープした酸化スズ(F:SnO

    )の層の形の太陽光保護コーティングを具備する窓アセンブリ上に、疎水性で且つ機械的に耐久性の層を調製することである。 ここでこの層は、下記の既知の様式の気相熱分解(CVD)によって堆積させる: ○堆積操作は、例2と同じ堆積装置及び同じ様式で行う、但しここではF:S


    nO

    層上に行う、 ○付着性予備層は、0.4torrで60℃まで予備加熱した10μlの3−


    (トリクロロゲルミル)プロピオニルクロリドを噴霧することによって堆積させる、 ○ポリマー層は、CibaからのIrgacure1850樹脂0.5wt%


    0.05mlから連続的に堆積させる、ここでこの樹脂には光開始剤を加えて紫外線照射によって重合を開始できるようにしている、 ○例2と同じ後処理を行う、 ○厚さ0.7nmの予備層(ポリマー層がない試料でのX線回折解析によって測定)及び厚さ360nmのポリマー層を得る。 【0074】 上述のOPEL試験での結果は下記のようなものである: ○水との接触角は95°で、コーティングされた基体に800サイクルのOP


    EL試験を行った後で70°超のままである、 ○予備層なしで実験を反復する場合、水との初期接触角は同じ95°である。


    対称的に、800サイクルのOPEL試験の後で、水との接触角は、35°未満まで低下している。 これは、ポリマー層が破壊されたこと/剥離したことを間接的に示している。 【0075】 結果として本発明は、減圧下のプロセスを使用するガラスへの薄層ポリマーの不適切な付着に関する問題のための、効果的で単純な解決手段を提供している。


    本発明は、マイクロメートル未満の薄層のポリマーの耐摩耗性を有意に増加させることを可能にする。 これは、ガラスタイプの基体上のこのタイプの材料、特に光学的な役割を有する干渉層及び/又は保護層のより幅広い使用の可能性、並びに上述の全ての用途での使用の可能性を提供する。

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