Coated polyester with a barrier layer

申请号 JP2000516832 申请日 1998-10-19 公开(公告)号 JP2001520135A 公开(公告)日 2001-10-30
申请人 プラスチックス ファブリケーション テクノロジーズ,エルエルシー; 发明人 エー ハッチンソン,ジェラルド; エー リー,ロバート;
摘要 (57)【要約】 この発明は、少なくともその表面の一部に直接被覆された、少なくとも1層あるいはそれ以上の良いガスバリア特性を有する熱可塑性物質の層を有する、ポリエステル、好ましくはポリエチレンテレフタレート(PET)、および、そのような物品の新規な形成方法に関する。 好ましくはバリア層で被覆された物品は少なくとも1層のバリア物質で被覆された未完成製品およびそれからブロー成形された容器の形態をとる。 バリア層で被覆された容器は、好ましくはソフトドリンク、ビールまたはジュースなどの飲料を保持するタイプである。 好ましいバリア物質は、PETと似た物理特性を有するとともに、酸素および二 酸化 炭素に対してPETよりも低い浸透性を有する。 その物質および方法は、未完成製品から容器を形成するためのブロー成形工程の間およびその後においても、バリア層がPETに対して良い接着性を有することをもたらす。 好ましいバリア被覆物質はポリヒドロキシアミノエーテルを含む。 一の好ましい方法においては、未完成製品は射出成形され、その後直ちにバリア層で被覆される。
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 少なくとも1層のバリア材料の層に直接接着された少なくとも1層のポリエステル層を含むバリア層で被覆されたポリエステル物品であって、上記バリア材料は; a. テレフタル酸およびイソフタル酸と、少なくとも1つのジオールとの共重合エステルを含み、 b. 55℃と140℃の間のガラス転移温度を有し、かつ、 c. 酸素おび二酸化炭素に対してポリエチレンテレフタレートよりも小さい浸透性を有する、 バリア層で被覆されたポリエステル物品。
  • 【請求項2】 上記ポリエステル物品はプリフォームの形態である請求項1
    記載のバリア層で被覆されたポリエステル物品。
  • 【請求項3】 上記ポリエステル物品は容器の形態である請求項1記載のバリア層で被覆されたポリエステル物品。
  • 【請求項4】 上記バリア材料の層はバリア材料を含む複数の薄層からなる請求項1記載のバリア層で被覆されたポリエステル物品。
  • 【請求項5】 上記バリア材料はさらに微細粒子を含有する請求項1記載のバリア層で被覆されたポリエステル物品。
  • 【請求項6】 上記バリア材料の層は0.01〜5.0mmの厚さを有する請求項1記載のバリア層で被覆されたポリエステル物品。
  • 【請求項7】 上記ポリエステルはポリエチレンテレフタレートを含む請求項1記載のバリア層で被覆されたポリエステル物品。
  • 【請求項8】 上記ポリエステルはポリエチレンテレフタレートを含むプリフォームの形態である請求項1記載のバリア層で被覆されたポリエステル物品。
  • 【請求項9】 上記共重合エステルはB−010である請求項1記載のバリア層で被覆されたポリエステル物品。
  • 【請求項10】 上記ポリエステルはポリエチレンテレフタレートを含む容器の形態である請求項1記載のバリア層で被覆されたポリエステル物品。
  • 【請求項11】 上記バリア材料はフェノキシ型熱可塑性プラスチックと上記共重合エステルの均質化された混合物ではない請求項1記載のバリア層で被覆されたポリエステル物品。
  • 【請求項12】 バリア層で被覆された容器の形成方法であって、下記の工程、即ち: プリフォームの形態である請求項1記載のバリア層で被覆されたポリエステルを供給する工程;および 上記プリフォームをブロー成形して上記バリア層で被覆された容器を形成する工程 を有するバリア層で被覆された容器の形成方法。
  • 【請求項13】 射出成形されたプリフォームであって: 熱可塑性ポリエステルを含む第1層;および 非晶質熱可塑性材料を含む第2層; を含み、 上記第1層は壁部よりも端部キャップにおいて薄く、上記第2層は壁部よりも端部キャップにおいて厚い プリフォーム。
  • 【請求項14】 少なくとも上記第1および第2層のうちの1層はバリア材料を含む請求項13記載の射出成形されたプリフォーム。
  • 【請求項15】 リサイクルされたポリエステルを含む第3層をさらに有する請求項13記載の射出成形されたプリフォーム。
  • 【請求項16】 上記第1層は端部キャップにおける厚さの総計の約1/3
    であり、壁部における厚さの総計の約2/3である請求項13記載の射出成形されたプリフォーム。
  • 【請求項17】 上記第2層はバリア材料を含む複数の薄層からなる請求項13記載の射出成形されたプリフォーム。
  • 【請求項18】 上記第2層は(i)フェノキシ型熱可塑性プラスチックまたは(ii)テレフタル酸およびイソフタル酸と、少なくとも1つのジオールとの共重合エステルを含む請求項13記載の射出成形されたプリフォーム。
  • 【請求項19】 上記第1層は最も内側の層である請求項13記載の射出成形されたプリフォーム。
  • 【請求項20】 上記プリフォームは上面射出工程により形成される請求項13記載の射出成形されたプリフォーム。
  • 【請求項21】 上記ポリエステルはポリエチレンテレフタレートを含む請求項13記載の射出成形されたプリフォーム。
  • 【請求項22】 内側の多成分層と外側の層を含む壁部を有する多層物品であって: a. 上記内側の多成分層はその間に界面を有する少なくとも2層の分離した副層を有し、上記物品の長軸方向に延伸し、上記副層のうちの一の層は、ポリエステルを含み、上記副層のうちの別の他の層は、(i)フェノキシ型熱可塑性プラスチックまたは(ii)テレフタル酸およびイソフタル酸と、少なくとも1つのジオールとの共重合エステルを含み、二酸化炭素に対する浸透性がポリエチレンテレフタレートの二酸化炭素に対する浸透性の3分の1を越えないバリア材料を含み; b. 上記外側の層は、リサイクルされたポリエステルを含み;かつ c. 上記内側の多成分層と外側の層は絶対屈折率が1.55〜1.75の材料を含む 多層物品。
  • 【請求項23】 上記内側の多成分層は少なくとも3層の副層を有し、上記副層の組成は、ポリエステルとバリア材料が交互に入れ代わって形成されている請求項22記載の物品。
  • 【請求項24】 上記内側の多成分層は、少なくとも2層のバリア材料の副層とともに、1層置きに配置された少なくとも2層のポリエステルの副層を有する請求項23記載の物品。
  • 【請求項25】 上記物品はプリフォームの形態である請求項22記載の物品。
  • 【請求項26】 上記物品は容器の形態である請求項22記載の物品。
  • 【請求項27】 上記ポリエステルはポリエチレンテレフタレートを含む請求項22記載の物品。
  • 【請求項28】 上記ポリエステルの副層は上記多成分層の最も内側の層を形成する請求項22記載の物品。
  • 【請求項29】 上記内側の多成分層は上記外側の層の厚さよりも厚くない請求項22記載の物品。
  • 【請求項30】 内側の層と外側の層を有する壁部を有する多層のプリフォームであって: a. 上記内側の層はポリエステルを含み、閉じる部材を受けるための外方から圧縮成形されたネジ山を有してネジ山を付けられた頸状の最端部分において端部を有するプリフォームの長軸方向に延伸し、上記ネジ山を付けられた頸状の最端部分の下方端において支持環を有し、少なくとも2ミリメートルの厚さと1.5
    5〜1.65の絶対屈折率を有し; b. 上記外側の層は、上記支持環の下部に端部を有して、内側の層と同一の広がりを与え、(i)テレフタル酸およびイソフタル酸と、少なくとも1つのジオールとの共重合エステルまたは(ii)ポリヒドロキシエーテル、ポリヒドロキシエステルエーテル、および、ポリヒドロキシアミノエーテルからなる群から選択されたフェノキシ型熱可塑性プラスチックを含み、外側の層の酸素に対する浸透性は内側の層の浸透性よりも小さく、外側の層の膜厚は内側の層の膜厚の4分の1以下であり;かつ c. 上記外側の層は、1.0〜1.2の範囲の屈折率の比をもたらす値の絶対屈折率を有する プリフォーム。
  • 【請求項31】 上記プリフォームは、上記支持環の直下の頸状の円筒部と、上記プリフォームの径の狭められた本体部へ下方にテーパー形状となった当該頸状の円筒部の下部の遷移部を有し、また、上記壁部の外側の層は、上記本体部、上記遷移部、および上記頸状の円筒部上に広がり、上記支持環の上端に末端部をなす請求項30記載のプリフォーム。
  • 【請求項32】 バリア層で被覆されたポリエステル物品の形成方法であって、下記の工程、即ち: (1)少なくとも100℃の温度を有する少なくとも一の面を有するポリエステル物品をもたらす工程;および (2)上記ポリエステル物品の熱された表面にバリア材料を配置し、バリア層で被覆されたポリエステル物品を形成する工程 を含み、 上記のバリア材料は: a. フェノキシ型熱可塑性プラスチック、または、テレフタル酸およびイソフタル酸と、少なくとも1つのジオールとの共重合エステルを含み; b. 約55℃と140℃の間のガラス転移温度を有し;かつ c. 酸素および二酸化炭素に対してポリエチレンテレフタレートよりも小さい浸透性を有する バリア層で被覆されたポリエステル物品の形成方法。
  • 【請求項33】 上記ポリエステル物品はプリフォームの形態である請求項32記載の方法。
  • 【請求項34】 上記ポリエステル物品はプリフォームの形態であり、当該プリフォームをブロー成形して容器を形成する工程をさらに有する請求項32記載の方法。
  • 【請求項35】 上記バリア材料はさらに微細粒子を含む請求項32記載の方法。
  • 【請求項36】 上記ポリエステルはポリエチレンテレフタレートを含む請求項32記載の方法。
  • 【請求項37】 上記バリア材料はポリヒドロキシアミノエーテルを含む請求項36記載の方法。
  • 【請求項38】 上記バリア材料はテレフタル酸およびイソフタル酸と、少なくとも1つのジオールとの共重合エステルを含む請求項36記載の方法。
  • 【請求項39】 上記少なくとも1つのジオールはエチレングリコールを含む請求項38記載の方法。
  • 【請求項40】 上記物品は容器の形態である請求項32記載の方法。
  • 【請求項41】 上記物品上のバリア材料は0.01〜5.0mmの厚さを有する請求項39記載の方法。
  • 【請求項42】 上記(2)の工程は上記ポリエステル物品をディップコートすることによりなされる請求項32記載の方法。
  • 【請求項43】 上記(2)の工程は上記ポリエステル物品をスプレーコートすることによりなされる請求項32記載の方法。
  • 【請求項44】 上記(2)の工程は上記ポリエステル物品に溶射することによりなされる請求項32記載の方法。
  • 【請求項45】 上記(2)の工程は上記ポリエステル物品を静電的スプレーコートすることによりなされる請求項32記載の方法。
  • 【請求項46】 上記(2)の工程は上記ポリエステル物品を粉末状のバリア樹脂の流動化床に浸漬することによりなされる請求項32記載の方法。
  • 【請求項47】 上記(2)の工程は溶けたバリア材料で上記ポリエステル物品の上面に成形することによりなされる請求項32記載の方法。
  • 【請求項48】 さらに、下記の工程、即ち: (3)上記バリア層で被覆されたポリエステル物品の上面にリサイクルされたポリエステルを含む層を成形する工程 を有する請求項32記載の方法。
  • 【請求項49】 バリア層で被覆されたポリエステル物品の形成方法であって、下記の工程、即ち: a. 第1半型とコア半型で決定される空間に第1ゲートからポリエステルを含む溶融した第1材料を射出して、少なくとも内面と外面を有するポリエステル物品を形成する工程、ここで、上記第1半型と上記コア半型は循環する液体により冷却され、上記第1半型はポリエステルの外側表面と接触し、上記コア半型はポリエステルの内側表面と接触する; b. 上記ポリエステル物品において、溶融したポリエステルのコア部分を囲む、ポリエステルの内側と外側の表面に膜が形成されるまで、溶融したポリエステルを上記の半型組と接触して残らせる工程; c. 第1半型をポリエステル物品から取り除く工程; d. 上記内側のポリエステルの表面が上記コア半型との連続した接触により冷却される間に、溶融したポリエステルの上記コアからの熱移動によりポリエステルの上記外側の表面の膜を軟化させる工程; e. 循環した液体により冷却される第2半型中に上記ポリエステル物品を配置する工程; f. 上記第2半型と上記ポリエステルの外側表面で決定される空間に第2ゲートから溶融したバリア材料を含む第2材料を射出し、上記ポリエステルの外側表面にバリア材料を含むバリア層を有するバリア層で被覆されたポリエステル物品を形成する工程; g. バリア材料を含む上記第2材料を少なくとも上記第2半型と接触して残らせる工程; h. 上記第2半型をバリア層で被覆された物品から取り除く工程;および i. バリア層で被覆された物品をコア半型から取り除く工程 を有する バリア層で被覆されたポリエステル物品の形成方法。
  • 【請求項50】 上記バリア材料は(i)フェノキシ型熱可塑性プラスチックあるいは(ii)テレフタル酸およびイソフタル酸と、少なくとも1つのジオールとの共重合エステルを含む請求項49記載の方法。
  • 【請求項51】 上記バリア材料はポリヒドロキシアミノエーテルを含む請求項49記載の方法。
  • 【請求項52】 上記バリア材料の層はバリア材料を含む複数の薄層からなる請求項49記載の方法。
  • 【請求項53】 上記バリア層で被覆されたポリエステル物品はプリフォームである請求項49記載の方法。
  • 【請求項54】 上記プリフォームをブロー成形して容器を形成する工程をさらに有する請求項53記載の方法。
  • 【請求項55】 上記ポリエステル物品は上記第1ゲート近傍領域で最も薄く、上記バリア層は上記第2ゲート近傍領域の周辺において最も厚い請求項49
    記載の方法。
  • 【請求項56】 上記(b)の工程を5〜15秒の間に行う請求項49記載の方法。
  • 【請求項57】 上記(b)の工程を8〜12秒の間に行う請求項49記載の方法。
  • 【請求項58】 上記(g)の工程を5〜15秒の間に行う請求項49記載の方法。
  • 【請求項59】 上記(g)の工程を8〜12秒の間に行う請求項49記載の方法。
  • 【請求項60】 上記(c)(d)および(e)の工程を総計で1〜10秒の間に行う請求項49記載の方法。
  • 【請求項61】 上記(c)〜(e)の工程を総計で1〜3秒の間に行う請求項49記載の方法。
  • 【請求項62】 上記(a)〜(i)の工程を総計で20〜30秒の間に行う請求項49記載の方法。
  • 【請求項63】 上記(a)〜(i)の工程を25秒より短い間に行う請求項49記載の方法。
  • 【請求項64】 上記コア半型は回転可能なプレート上に戴置され、上記回転可能なプレートの回転は上記コア半型を上記第1半型の反対側の位置から上記第2半型の反対側の位置に移動させる請求項49記載の方法。
  • 【請求項65】 上記第1および第2半型は単一の据え付け型ブロック上に戴置され、上記ブロックは上記半型のそれぞれに対する分離した制御および条件をもたらすために分割されている請求項49記載の方法。
  • 【請求項66】 多層プラスチック容器の製造工程であって、下記の工程、
    即ち: a. ポリエステルを含む第1の重合体と、テレフタル酸およびイソフタル酸と、少なくとも1つのジオールとの共重合エステルを含む第2の重合体を供給する工程; b. 上記第1および第2重合体を薄膜射出成形系を通して射出し、少なくともポリエステルからなる1つの分離した薄膜と少なくとも上記共重合エステルからなるもう1つの分離した薄膜とを有する複合した多層薄膜の流れをもたらす工程; c. 上記複合した流れをポリエステルと上記共重合エステルを含む外側と内側の副層を有する初期プリフォームを形成する型に供給する工程、ここで、上記共重合エステルを含む上記副層は、空気に対して、ポリエステルを含む上記副層よりも小さい浸透性を有する; d. リサイクルされたポリエステルを初期プリフォームの上面に供給して、上記初期プリフォームの外側の層を形成し、最終プリフォームを形成する工程;および e. 最終プリフォームをブロー成形操作して多層プラスチック容器を形成する工程 を有する 多層プラスチック容器の製造工程。
  • 【請求項67】 上記リサイクルされたポリエステルは、上記(c)工程においてもたらされる内側および外側の副層のうちの少なくとも1つよりも厚い外側の層となる量にて上記プリフォーム上に塗布される請求項66記載の工程。
  • 【請求項68】 上記第1および第2重合体は、上記ポリエステルの分離した薄膜よりも薄い上記共重合エステルの上記分離した薄膜の厚さをもたらす相対量にて上記薄膜射出成形系を通して射出される請求項66記載の工程。
  • 【請求項69】 上記少なくとも1つのジオールはエチレングリコールを含む請求項66記載の工程。
  • 【請求項70】 上記複合した流れは、上記外側の副層が上記内側の副層を被覆する上記初期プリフォームの内側の副層を上記ポリエステルが形成し、上記初期プリフォームの外側の副層を上記共重合エステルが形成するように、上記型に供給される請求項66記載の工程。
  • 【請求項71】 上記第1および第2重合体は、ポリエステルからなる上記内側の層の厚さよりも薄い上記共重合エステルからなる上記外側の副層の厚さをもたらす相対量にて上記薄膜射出成形系を通して共有射出される請求項70記載の工程。
  • 【請求項72】 上記第1および第2重合体は、ポリエステルの複数の分離した薄膜と前記共重合エステルの複数の分離した薄膜を有する複合した多層薄膜の流れをもたらす少なくとも1つの層増加工程を有する上記薄膜射出成形系を通して共有射出され、上記複合した多層薄膜の流れは上記型に供給されて、ポリエステルの複数の副層と上記共重合エステルの複数の副層との多層サンドイッチ状配置の複数の副層を有する初期プリフォームを形成する請求項66記載の工程。
  • 【請求項73】 多層プラスチック容器の製造工程であって、下記の工程、
    即ち: a. ポリエステルを型に供給して、上記型から取り出したときに自己支持構造を形成するのに十分な厚さのポリエステルからなる初期プリフォームを形成する工程; b. リサイクルされたポリエステルを含む熱可塑性重合体の第1体と、(i)
    テレフタル酸およびイソフタル酸と、少なくとも1つのジオールとの共重合エステル、または、(ii)フェノキシ型熱可塑性プラスチックを含む熱可塑性バリア重合体からなる第2体を供給する工程; c. 上記熱可塑性重合体と上記熱可塑性バリア重合体を、共有押し出し供給ブロック部を有する薄膜射出成形系を通して射出して、少なくともリサイクルされたポリエステルの1つの分離した薄膜と少なくとも上記熱可塑性バリア重合体の1つの分離した薄膜とを有する、複合した多層薄膜の流れをもたらす工程; d. 上記の複合した流れを初期プリフォーム上に供給して、最終プリフォームを形成する工程、ここで、リサイクルされたポリエステルと上記熱可塑性バリア材料からなる副層を含む上記の複合した流れはポリエステルからなる初期プリフォーム上に被せられる;および e. 最終プリフォームをブロー成形操作して、多層プラスチック容器を形成する工程 を有する 多層プラスチック容器の製造工程。
  • 【請求項74】 上記初期プリフォームはその上端の頸状部と、その下側の本体部とを有し、上記頸状部は当該頸状部の下端に支持環を有し、前記頸状部はネジ山を付けられた端部を有し、 上記複合した流れは上記初期プリフォームの本体部上に供給され、上記支持環の上端に末端部をなす 請求項73記載の工程。
  • 【請求項75】 上記リサイクルされたポリエステルは、リサイクルされたポリエステルまたは消費後のポリエチレンテレフタレートである請求項73記載の工程。
  • 【請求項76】 上記熱可塑性バリア材料はポリヒドロキシアミノエーテルである請求項73記載の工程。
  • 【請求項77】 上記少なくとも1つのジオールはエチレングリコールを含む請求項73記載の工程。
  • 【請求項78】 プリフォームの形成および被覆方法であり、下記の工程、
    即ち: 据え付け型半型と可動式半型を有する型を閉じる工程、ここで、上記据え付け型半型は少なくとも1つのプリフォーム成形空間と少なくとも1つのプリフォーム被覆空間を有し、上記可動式半型はプリフォーム成形空間とプリフォーム被覆空間の数の和に等しい数の中子が戴置された回転可能なプレートを含む; 中子とプリフォーム成形空間で決まる空間に第1材料を射出して、内面と外面を有するプリフォームを形成する工程; 上記型を開ける工程; 上記回転可能なプレートを回転する工程; 上記型を閉める工程; 上記プリフォームの上記外面と上記プリフォーム被覆空間で決まる空間に第2材料を射出して、被覆されたプリフォームを形成する工程; 上記型を開ける工程; 上記被覆されたプリフォームを取り出す工程 を有する プリフォームの形成および被覆方法。
  • 【請求項79】 上記プリフォーム成形空間および上記プリフォーム被覆空間は上記据え付け型半型の独立した半型を占める請求項78記載の方法。
  • 【請求項80】 上記プリフォームは上記第2材料の射出に先立って固化あるいは硬化していない請求項78記載の方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】 (発明の背景) この発明はバリア層で被覆されたポリエステルに関し、特に、バリア層で被覆されたポリエチレンテレフタレート(PET)とそれから形成される物品に関する。 特に、バリア層で被覆されたPETは、少なくとも一層のバリア材料からなる層を有するプリフォーム(preform)と、それをブロー形成したボトルの形態をとる。 さらに、この発明はバリア層で被覆されたポリエステルから形成される物品の形成方法にも関する。

    【0002】 飲料の包装におけるガラスや金属の容器の置き換えとしてのプラスチック容器の使用は益々一般的となってきている。 プラスチック包装の利点は、軽量であること、ガラスに比べて壊れにくいこと、コストを下げる可能性があることを含む。 今日飲料容器を形成するのに最も一般的なプラスチックはPETである。 未使用のPETはFDAにより食料品と接触して用いることが認可されている。 PE
    Tからなる容器は透明であり、器壁が薄く、軽量であり、炭酸飲料などの加圧される内容物により容器の壁面に加えられるに耐えて形状を保持することができる。 また、PET樹脂は相当に安価であり、加工が容易である。

    【0003】 上記の利点を有し、広く用いられているにもかかわらず、器壁の薄い飲料容器においてPETを用いることは、二酸化炭素および酸素などの気体の浸透性の点で不利である。 この問題はボトルが小さいときに特に重要である。 小さなボトルにおいては、容量に対する表面積の比が大きく、広い面積において、内部のガスがボトルの器壁を透過して拡散させてしまう。 PETボトルの浸透性はソフトドリンクにおいては二酸化炭素が抜けてしまって”気が抜ける”ことになり、また、酸素が浸入することで飲料の風味が損なわれてしまうことになる結果を招く。
    これらの問題のために、PETボトルは工業的に望まれる全ての使用に適している訳ではなく、また、現在行われる多くの使い方に対して、PETボトル中に収容した液体の貯蔵寿命は望まれている期間よりも短い。

    【0004】 プラスチック飲料容器工業は大きく、競争的であり、PET容器の浸透性の問題はその使用開始から知られていたにもかかわらず、未だ浸透性問題に対して良く機能する回答は得られていない。 バリア層で被覆する容器を製造する試みはこれまでのところ大部分は成功していない。

    【0005】 被覆された容器を製造するときの問題のほとんどは適切なバリア材料を見いだすことの困難さに起因する。 ほとんどの材料はPETに接して配置される時、それらはPETに全く接着しないか、接着しても大変弱く、短期間であるいは最低限の応力でPETから剥がれてしまう。 そのような材料の例は、ポリ塩化ビニル(PVC)やポリ塩化ビニリデン(PVDC)である。 PETにきちんと接着する材料は、しばしば良いバリア特性を持たないか、低コストでの商業的なバリア層を被覆した容器における使用に適さない他の特性を有する。

    【0006】 Slatらに付与された米国特許5,464,106号は、バリア層を有するプリフォームをブロー成形して形成したボトルを記載している。 バリア材料としては、ポリエチレンナフタレート、サラン、エチレン−ビニルアルコール共重合体またはアクリロニトリル共重合体を開示している。 Slatの技術においては、バリア材料とプリフォームの内壁を形成する材料は、管形状に共有押し出しされる。 この管は、プリフォームの長さに対応する長さに切断され、この管を被覆してプリフォームの外側の層が射出される型の内部にこの管が配置され、最終的なプリフォームを形成する。 その後、プリフォームはブロー成形によりボトルとなる。 この方法の欠点は、開示されたバリア材料のほとんどはPETに十分接着せず、工程が幾分面倒であることである。

    【0007】 良いバリア特性を有する材料群は、Jabarinに付与された米国特許4,
    578,295号に開示されている。 そのようなバリア材料は、テレフタル酸およびイソフタル酸と、エチレングリコールおよび少なくとも1つのジオールとの共重合体を含む。 この種の材料は三井石油化学工業株式会社(日本)からB−0
    10として購入することができる。 これらのバリア材料はポリエチレンテレフタレートと混合可能で、80〜90%のPETと10〜20%の共重合エステルとのブレンド品を形成し、これからバリア容器が形成される。 これらのブレンド品から形成される容器は、CO 2透過に対してPET単独品よりも約20〜40%
    改善されたガスバリアである。 このポリエステルはPETに対して剥がれずに接着することを誰かが主張したとしても、開示されたプリフォームあるいは容器は、ただ、これら材料のブレンド品から形成されている。 これまでに誰かが実際に上記の材料を使って薄層状のプリフォームあるいは容器を作ったという、上記の主張をするための基礎となる証拠は全くない。

    【0008】 ポリアミン−ポリエポキシドである他の材料群は、ガスバリア被覆層としての使用に提案されている。 これらの材料は、Nugent,Jrらに付与された米国特許5,489,455号に記載されているように、ポリプロピレンあるいは表面処理したPET上にバリア被膜を形成するのに使用することができる。 これらの材料は溶媒あるいは性主体の熱硬化性組成物の形態であるのが一般的であり、一般に、容器表面にスプレーコートされ、熱硬化処理されて、最終的なバリア被膜を形成する。 熱硬化性であるので、これらの材料はプリフォームの被膜として使用するのに資することはない。 なぜなら、塗布した後でいつでも軟化できる熱可塑性材料と逆で、一旦被膜が硬化された後はもはや熱により軟化することはなく、このようにブロー成形が不可能であるからである。

    【0009】 Farhaに付与された米国特許5,472,753号に開示されている、他の種のバリア被膜は、PETとバリア材料間の接着性をもたらす共重合エステルの使用に基づいている。 Farhaは3層積層体と2層積層体の2種類の積層体を記載している。 3層積層体においては、フェノキシ型熱可塑性バリア層とPE
    T層の間に、内側の層と外側の層を結合する接着層として機能する非晶質の熱可塑性の共重合エステルが配置される。 2層積層体においては、フェノキシ型熱可塑性プラスチックが、まず、非晶質の熱可塑性の共重合エステルと混合され、このブレンド品がPETの表面に塗られてバリア層を形成する。 これらの積層体は押し出し法、あるいは、他層の材料が射出される前にどの層も冷却できる射出成形法により形成される。

    【0010】 経済的で、体裁が良く、製造が容易で、良いバリア特性および物理特性を有する、バリア層で被覆されたPETのプリフォームおよび容器に対する要求は、未だ満たされないままである。

    【0011】 (発明のまとめ) この発明は、良いガスバリア特性を有する熱可塑性材料からなる1層以上の薄い層がその表面を被覆して形成されているPETからなる物品に関する。 本発明に係る物品は、好ましくはプリフォームおよび容器の形態である。 好ましい実施の形態においては、上記のポリエステルは、ポリエチレンテレフタレートとポリヒドロキシアミノエーテルを含むフェノキシ型熱可塑性プラスチックを含む。

    【0012】 第1の局面において、本発明は、少なくとも1層のバリア材料の層に直接接着された少なくとも1層の非晶質のポリエステル層を有するバリア層で被覆されたポリエステル物品を提供する。 テレフタル酸およびイソフタル酸と、少なくとも1つのジオールとの共重合エステルを含む上記のバリア材料は、55℃と140
    ℃の間のガラス転移温度を有し、酸素と二酸化炭素に対してポリエチレンテレフタレートよりも小さい浸透性を有する。

    【0013】 本発明の他の局面においては、上述のような、バリア層で被覆されたポリエステルの物品をプリフォームの形態で形成する工程と、上記プリフォームをブロー成形して所望の容器形状に形成する工程とを有するバリア層で被覆された容器の形成方法が提供される。

    【0014】 本発明のさらに他の局面においては、ポリエステル層とバリア材料を含むバリア層を有し、上記ポリエステル層は壁部よりも端部キャップ(end cap)
    において薄く、上記バリア層は壁部よりも端部キャップにおいて厚い、バリア層で被覆されたプリフォームが提供される。

    【0015】 本発明の他の局面においては、内側の多成分層と外側の層を含む壁部を有する多層物品を提供する。 上記の内側の多成分層は、その間に界面を有する少なくとも2層の分離した副層を有し、物品の長軸方向に延伸し、上記副層のうちの1層は、ポリエステルを含み、上記副層のうちの別の1層は、(i)フェノキシ型熱可塑性プラスチックまたは(ii)テレフタル酸およびイソフタル酸と、少なくとも1つのジオールとの共重合エステルを含み、二酸化炭素に対する浸透性がポリエチレンテレフタレートの二酸化炭素に対する浸透性の3分の1を越えないバリア材料を含む。 外側の層は、リサイクルされたポリエステルを含み、内側の多成分層と外側の層は絶対屈折率が1.55〜1.75の材料を含む。

    【0016】 本発明のさらに他の局面においては、内側の層と外側の層を有する壁部を有する多層のプリフォームを提供する。 内側の層はポリエステルを含み、閉じる部材を受けるための外方から圧縮成形されたネジ山を有してネジ山を付けられた頸状の最端部分において端部を有するプリフォームの長軸方向に延伸し、上記ネジ山を付けられた頸状の最端部分の下方端において支持環を有し、少なくとも2ミリメートルの厚さと1.55〜1.65の絶対屈折率を有する。 外側の層は、上記支持環の下部に端部を有して、内側の層と同一の広がりを与え、(i)テレフタル酸およびイソフタル酸と、少なくとも1つのジオールとの共重合エステルまたは(ii)ポリヒドロキシエーテル、ポリヒドロキシエステルエーテル、および、ポリヒドロキシアミノエーテルからなる群から選択されたフェノキシ型熱可塑性プラスチックを含み、外側の層の酸素に対する浸透性は内側の層の浸透性よりも小さく、外側の層の膜厚は内側の層の膜厚の4分の1以下である。 さらに、外側の層は、1.0〜1.2の範囲の屈折率の比をもたらす値の絶対屈折率を有する。

    【0017】 本発明のさらに別の局面においては、少なくとも100℃の温度を有する少なくとも一の面を有するポリエステル物品をもたらす工程と、上記ポリエステルの熱された表面にバリア材料を配置する工程とを有するバリア層で被覆されたポリエステル物品の形成方法が提供される。 フェノキシ型熱可塑性プラスチック、または、テレフタル酸およびイソフタル酸と、少なくとも1つのジオールとの共重合エステルを含むバリア材料は、約55℃と140℃の間のガラス転移温度を有し、酸素および二酸化炭素に対してポリエチレンテレフタレートよりも小さい浸透性を有する。 好ましい実施形態においては、コーティング工程は、ディップコート法、スプレーコート法、溶射法、静電的スプレー法、被覆されるポリエステル物品をバリア樹脂の流動化床に浸漬する方法、または、溶けたバリア材料でポリエステル物品の上面に成形する方法により行う。

    【0018】 本発明の他の局面においては、バリア層で被覆されたポリエステル物品の形成方法が提供される。 第1半型とコア半型で決定される空間に第1ゲートから溶融したポリエステルを射出して、少なくとも内面と外面を有するポリエステル物品が形成される。 ここで、第1半型とコア半型は循環する液体により冷却され、第1半型はポリエステルの外側表面と接触し、コア半型はポリエステルの内側表面と接触する。 これに従い、溶融したポリエステルは、溶融したポリエステルのコア部分を囲む、ポリエステルの内側と外側の表面に膜が形成されるまで、上記の半型組と接触している。 その後、第1半型はポリエステル物品から取り除かれ、
    内側のポリエステルの表面が連続したコア半型との接触により冷却される間に、
    ポリエステルの外側の表面の膜は溶融したポリエステルのコアからの熱移動により軟化する。 ポリエステル物品は、未だコア半型上にあり、循環した液体により冷却される第2半型中に配置される。 コーティング工程においては、第2半型とポリエステルの外側表面で決定される空間に第2ゲートから溶融したバリア材料を射出することで、バリア材料を含むバリア層がポリエステルの外側表面に接して配置され、バリア層で被覆されたポリエステル物品を形成する。 その後、第2
    半型はバリア層で被覆された物品から取り除かれ、その後、バリア層で被覆された物品はコア半型から取り除かれる。 上記工程で用いられるバリア材料は、好ましくは、フェノキシ型熱可塑性プラスチックあるいはテレフタル酸およびイソフタル酸と、少なくとも1つのジオールとの共重合エステルを含む。

    【0019】 本発明の他の局面においては、”薄膜射出成形(LIM)上への射出”による、いくつかの工程を有する多層プラスチック容器の製造工程を提供する。 ポリエステルを含む第1の重合体と、テレフタル酸およびイソフタル酸と、少なくとも1つのジオールとの共重合エステルを含む第2の重合体が供給され、薄膜射出(
    lamellar injection)系を通して射出され、少なくともポリエステルからなる1つの分離した薄膜と少なくとも共重合エステルからなるもう1つの分離した薄膜とを有する、複合した多層薄膜の流れをもたらす。 その後、
    複合した流れは、ポリエステルと共重合エステルを含む外側と内側の副層を有する初期プリフォームを形成する型に供給される。 ここで、共重合エステルを含む副層は、空気に対して、ポリエステルを含む副層よりも小さい浸透性を有する。
    その後、リサイクルされたポリエステルが初期プリフォームの上面に供給されて、外側の層を形成し、最終プリフォームとなる。 その後、最終プリフォームはブロー成形操作されて、多層プラスチック容器を形成する。

    【0020】 本発明の他の局面においては、”射出成形膜上への薄膜射出成形(LIM)”
    による多層プラスチック容器の製造工程を提供する。 この方法では、ポリエステルが型に供給されて、ポリエステルからなる初期プリフォームを形成する。 リサイクルされたポリエステルを含む熱可塑性重合体の第1体と、(i)テレフタル酸およびイソフタル酸と、少なくとも1つのジオールとの共重合エステル、または、(ii)フェノキシ型熱可塑性プラスチックを含む熱可塑性バリア重合体からなる第2体が供給され、共有押し出し供給ブロック部を有する薄膜射出成形系を通して射出され、少なくともリサイクルされたポリエステルからなる1つの分離した薄膜と少なくとも熱可塑性バリア重合体からなるもう1つの分離した薄膜とを有する、複合した多層薄膜の流れをもたらす。 複合した流れは、初期プリフォーム上に供給されて、最終プリフォームを形成する。 ここで、リサイクルされたポリエステルと熱可塑性バリア材料からなる副層を含む複合した流れはポリエステルからなる初期プリフォーム上に被さり、最終プリフォームはブロー成形操作されて、多層プラスチック容器を形成する。

    【0021】 本発明のさらに別の局面においては、プリフォームの形成方法および被覆方法を提供する。 この方法は、据え付け型半型と可動式半型からなる型を閉じることから始まる。 ここで、据え付け型半型は、少なくとも1つのプリフォーム成形空間と少なくとも1つのプリフォーム被覆空間を有し、可動式半型は、プリフォーム成形空間とプリフォーム被覆空間の数の和に等しい数の中子が戴置された回転可能なプレートを含む。 残りの工程は、中子とプリフォーム成形空間で決まる空間に第1の材料を射出して、内面と外面を有するプリフォームを形成する工程と、型を開ける工程と、回転可能なプレートを回転する工程と、型を閉める工程と、プリフォームの外面とプリフォーム被覆空間で決まる空間に第2の材料を射出して、被覆されたプリフォームを形成する工程と、型を開ける工程と、被覆されたプリフォームを取り出す工程を含む。

    【0022】 上記で説明した本発明のさらに別の局面においては、本発明のバリア材料は、
    さらに微細粒子(Nanoparticles)を含んでも良い。 本発明の物品におけるバリア材料の層は、バリア材料を含む複数の薄層(microlaye
    r)からなっていても良い。

    【0023】 (好ましい実施形態の詳細な説明) A. 発明の一般的な記述 この発明は、良いガスバリア特性を有する1層以上の熱可塑性材料層を有する被膜を有するプラスチック物品に関し、そのような物品の形成方法に関する。 現在期待されているように、バリア層で被覆された物品の一の実施形態は飲料に使用されるタイプのボトルである。 あるいは、本発明のバリア層で被覆された物品は、つぼ、おけ、盆、あるいは液状食品を保持するボトルの形態をとることができる。 しかしながら、簡単のために、本発明は、ここに主として飲料ボトルおよびブロー成形により飲料ボトルとするプリフォームの内容にて記載される。

    【0024】 さらに、本発明は、ここに特にポリエチレンテレフタレート(PET)に関係づけて記載されるが、ポリエステル系の多くのその他の熱可塑性プラスチックに適用可能である。 そのような材料の例は、ポリエチレン−2,6および1,5−
    ナフタレート(PEN)、PETG、ポリテトラメチレン1,2−ジオキシベンゾエート、および、エチレンテレフタレートとエチレンイソフタレートの共重合体を含むが、ここの他の箇所でバリア材料として説明されているテレフタル酸およびイソフタル酸と、少なくとも1つのジオールとの共重合エステルは含まない。

    【0025】 好ましくは、プリフォームおよび容器はその外側表面上あるいは容器の器壁内に配置されたバリア被膜を有する。 予め分離された層である多層のプリフォームを形成するSlatの技術と対照的に、本発明においては熱可塑性バリア材料がPET表面に直接かつ強固に接着し、それから容易には分離しない。 上記の層間の接着は、接着材料や結合層などの追加的材料を使用しない結果となる。 被覆されたプリフォームは、好ましくは拡張ブロー成形により加工され、未被覆のPE
    Tに用いられる方法および条件と同様の方法および条件を用いて、ボトルを形成する。 得られる容器は、強く、歪み耐性があり、体裁が良く、さらにガスバリア特性に優れている。

    【0026】 以下に大変詳細に説明するように、本発明を実行するために1層以上のバリア材料の層が用いられる。 ここで用いられているような、「バリア材料」、「バリア樹脂」その他同種類のものの語句は、物品を形成するのに用いられた場合、P
    ETに似た鍵となる物理特性を有し、PETに良く接着し、酸素および二酸化炭素に対してPETよりも低い浸透率を有する材料を指す。

    【0027】 本発明においては、酸素および二酸化炭素などのガスに対する必要な低い浸透性を有するたくさんのバリア材料を使用でき、バリア材料の選択は、下記に説明するように形態あるいは応用に部分的に依存する。 本発明においてバリア層の被覆に用いる好ましいバリア材料は、2つの主要な種類に分けられる:(1)前述のJabarinに付与された特許に記載され、三井石油化学工業株式会社(日本)からB−010として購入することができるようなテレフタル酸およびイソフタル酸と、少なくとも1つのジオールとの共重合エステルと、(2)米国特許5,089,588号および5,143,998号に記載されているような水酸官能基を有するポリアミドエーテル、米国特許5,134,218号に記載されているようなポリヒドロキシアミドエーテル、米国特許5,115,075号および5,218,075号に記載されているようなポリエーテル、米国特許5,
    164,472号に記載されているような水酸官能基を有するポリエーテル、米国特許5,149,768号に記載されているような水酸官能基を有するポリエーテルスルホンアミド、米国特許5,171,820号に記載されているようなポリヒドロキシエステルエーテル、米国特許5,814,373号に記載されているようなヒドロキシフェノキシエーテル重合体、および、米国特許5,275
    ,853号に記載されているようなポリヒドロキシアミノエーテル(PHAE)
    である。 上記の(1)に記載されたバリア材料は、ここでは「共重合エステルバリア材料」との語句で指される。 上記の(2)に記載された化合物は、一まとめに分類され、ここでは「フェノキシ型熱可塑性」材料との語句で指される。 この段落で参照された全ての特許は、この結果、それらに対するこの参照により本発表にそのまま全部組み入れられる。

    【0028】 好ましい共重合エステルバリア材料は、FDAに認可されている。 FDA認可はこれらの材料に対して、人に消費されることをもくろんでいる飲料などに接触する容器にそれらの材料が使用されることを許諾する。 本発明者の知るところでは、本発表の時点でフェノキシ型熱可塑性プラスチックはいずれもFDAに認可されていない。 これらの材料は、このように、内容物が摂取可能であるなら、内容物と直接接しない位置で多層容器中に好ましく用いられる。

    【0029】 バリア層で被覆されたプリフォームおよびボトルを形成する本発明の好ましい方法を実行するには、初期プリフォームが準備され、あるいは得られ、次に、バリア材料、PETなどのポリエステル、消費されたあるいはリサイクルされたP
    ET(ひとまとめにしてリサイクルされたPET)、および/または、他の競合する熱可塑性材料を含む材料の少なくとも1層の追加の層で被覆される。 被覆層は、1種類の材料、材料の(均質化されたあるいは不均質な)混合物、2種以上の材料の織りまぜられた母体、あるいは、少なくとも2つの異なる材料を含む複数の薄層(薄膜)であって良い。 一の実施形態においては、薄膜射出成形系で準備されるような初期プリフォームは複数の薄層を有する。 初期プリフォームはポリエステルを含み、特に好ましくは、初期プリフォームはFDAにより食料品と接触する認可がされている未使用の材料を含む。

    【0030】 このように本発明のプリフォームおよび容器は、バリア材料の層で未使用PE
    Tが被覆された形態、バリア材料とリサイクルされたPETが1層置きに配置された薄層を有する材料の層で未使用PETが被覆された形態、バリア層で被覆された未使用PETが、今度はリサイクルされたPETで被覆された形態、未使用PETとバリア材料からなる薄層がリサイクルされたPETの層で被覆された形態、または、リサイクルされたPETで被覆された未使用PETがさらにバリア材料で被覆された形態などのいくつかの幾つかの実施形態に存在する。 どの形態も、少なくとも1層は、少なくとも1つのバリア材料を含まなければならない。

    【0031】 本発明のプリフォームおよびボトルの様々な実施形態は全て、構造的に堅固な部品として形成されうる初期プリフォームの使用を可能にすることに利点がある。 このように、商業的な実施においては、初期プリフォームは大量製造技術を用いて準備することができ、数時間から数カ月の期間保管され、その後続いて、1
    層あるいはそれ以上の層のバリア層および/またはリサイクルされたポリエチレンテレフタレートが塗布されて、直ちにブロー成形操作がなされる、あるいは、
    初期プリフォームと同様に最終ブロー成形工程が実施されるまで長期間の間保管される最終プリフォームとなる。

    【0032】 本発明の一の実施形態においては、プリフォームが成形され、その後直ちに1
    つの装置を用いてバリア層で被覆される。

    【0033】 先に説明したように、本発明に関して用いるのに好ましいバリア材料は共重合エステルバリア材料とフェノキシ型熱可塑性プラスチックである。 似た特性を有する他のバリア材料はこれらのバリア材料の代わりに用いられうる。 例えば、バリア材料は、ポリアクリロニトリル重合体およびアクリロニトリル−スチレン共重合体を含むアクリル樹脂などの他の熱可塑性プラスチックの形態をとっても良い。 本発明の好ましいバリア材料は、酸素および二酸化炭素の浸透性がポリエチレンテレフタレートの3分の1よりも小さい。 例えば、Jabarinに付与された前述の特許に開示されたタイプの共重合エステルバリア材料は、酸素の浸透性が約11cc・mil/100in 2・dayであり、二酸化炭素の浸透性が約2cc・mil/100in 2・dayである。 あるPHAEにとっては、酸素の浸透性が1cc・mil/100in 2・day未満であり、二酸化炭素の浸透性が3.9cc・mil/100in 2・dayである。 ポリエチレンテレフタレートの対応するCO 2の浸透性は、リサイクルされたものあるいは未使用のものの形態のどちらも、約12〜20cc・mil/100in 2・dayである。

    【0034】 本発明の方法は、後に吹きつけられてボトルとなるプリフォームの上層に配置される被膜をもたらす。 そのような方法は、ボトル自身の上層に被膜を形成するのよりも好ましい。 プリフォームは、それから吹きつけられて形成される容器に比べてサイズが小さく、より均整のとれた形状であり、平坦で均整のとれた被膜を得ることをより簡単にする。 さらに、様々な形状およびサイズのボトルおよび容器は、似たサイズおよび形状のプリフォームから作られることができる。 このように、同じ装置と工程が、いくつかの異なる種類の容器を形成するためのプリフォームを製造するのに用いられることができる。 成形後直ちにブロー成形が行われても良く、あるいは、プリフォームは形成されて、後のブロー成形のために保管されても良い。 もし、ブロー成形に先立ってプリフォームが保管されるなら、それらのサイズの小さいことから、保管するのにとる空間を小さくすることができる。

    【0035】 容器自身を被覆することに対立して、例え、被覆されたプリフォームから容器を形成することが好ましくても、被覆されたプリフォームあるいは多層プリフォームから容器を形成することにからんだ困難さのために、一般的にはそれらは用いらなかった。 最も大きな困難が生じる1つの工程は、プリフォームから容器を形成するブロー成形工程の間にある。 この工程の間に、層の剥がれ、被膜の亀裂や細かなひび割れ、被膜の厚さの不均一、および、断続的な被膜あるいは割れ目などの欠損が起こりうる。 これらの困難さは、適切なバリア材料を用い、層間の良い接着が得られる方法でプリフォームを被覆することにより克服可能である。

    【0036】 このように、本発明に対する1つの鍵は、適切なバリア材料の選択である。 適切なバリア材料が用いられたときは、被膜は明らかな剥がれを起こすことなく直接プリフォームに接着し、ブロー成形されてボトルとなるまで、さらにその後も、接着し続ける。 適切なバリア材料の使用は、また、上記のように容器にブロー成形するときに起こりうる体裁および構造の欠損の発生率の低下を助ける。

    【0037】 ほとんどの議論、図面、および被覆されたプリフォームを形成する例が2層のプリフォームを扱っているが、そのような議論は本発明を2層の物品に限定する意図ではないことに注意されたい。 本発明の2層のバリア容器およびプリフォームは多くの用途に適し、材料と形成工程の経済性からコストに有効である。 しかしながら、ある環境において、ある適用に対しては、2層よりも多い層からなるプリフォームが要求されるであろう。 3層以上の層を用いることは、一般的に未使用のPETあるいは好ましいバリア材料よりも安価であるリサイクルされたP
    ETなどの材料を組み込むことを許す。 このように、ここに開示された本発明のバリア層で被覆されたプリフォームを形成する全ての方法、および、そのようなプリフォームを形成する全ての他の適切な方法を、2層以上の層からなるバリア層で被覆されたプリフォームあるいは容器を形成するために、単独で、あるいは組み合わせて用いることが、本発明の一部として期待されている。

    【0038】 B. 図面の詳細な記述 図1を参照すると、好ましい未被覆のプリフォーム1が描かれている。 プリフォームは好ましくは、未使用のPETのようなFDAに認可された材料から形成されており、広い種類の形状および大きさのいずれであっても良い。 図1に示すプリフォームは、酸素および二酸化炭素に対するバリアを必要とする16オンスの炭酸飲料ボトルを形成するタイプであるが、当業者に理解されるように、最終物品に要求される形状、特性および用途に依存して他のプリフォーム形状を用いることも可能である。 好ましくは、プリフォームは従来技術において知られている射出成形により形成される。

    【0039】 図2を参照すると、図1の好ましい未被覆のプリフォーム1の断面図が描かれている。 未被覆のプリフォーム1は頸状部2および本体部4を有する。 頸状部2
    はプリフォームの内側への開口部18において始まり、支持環6まで広がり、それを含む。 頸状部2は、プリフォーム1から製造されるボトルの蓋を閉める手段をもたらすネジ山8によってさらに特徴付けられる。 本体部4は、頸状部2から下部へ広がり、丸められた端部キャップ10において頂点に達する、延伸された円筒形状の構造である。 プリフォームの厚さ12はプリフォームの全長と、最終的な容器の壁部の厚さおよび全体の大きさに依存する。

    【0040】 図3を参照すると、本発明のバリア層で被覆されたプリフォーム20の一種類の断面図が示されている。 図1および図2に示す未被覆のプリフォーム1と同様に、バリア層で被覆されたプリフォーム20は頸状部2および本体部4を有する。 バリア被覆層22は、本体部4のほぼ全表面に配置され、支持環6の下部に端部を有する。 バリア被覆層22は頸状部2までは広がっておらず、また、好ましくはPETのようなFDAに認可された材料からなるプリフォーム16の内側の表面上にも存在しない。 バリア被覆層22は1種類の材料、あるいは、以下に説明するLIM工程を用いて形成される少なくとも2種類の材料からなるいくつかの薄層のいずれかを有する。 プリフォーム26の全体の厚さは初期プリフォームの厚さとバリア層24の厚さの和に等しく、最終的な容器の全体の大きさ要求される被膜の厚さに依存する。 例の場合、プリフォームの底部の壁は3.2mmの厚さを有し、頸状端部の壁は約3mmの断面的厚さを有し、バリア材料は約0.
    3mmの厚さで被覆される。

    【0041】 図4を参照すると、被覆されたプリフォーム21の好ましい実施形態が断面で示されている。 被覆されたプリフォーム21と図3に示す被覆されたプリフォーム20の主な差は、端部キャップ10領域における2層の相対的な厚さである。
    図3に示す被覆されたプリフォーム20においては、バリア層は概してプリフォームの本体部全体を通して初期プリフォームの厚さよりも薄い。 しかしながら、
    被覆されたプリフォーム21においては、バリア被覆層22は、端部キャップ1
    0近傍の29において、壁部3における25においてよりも厚く、また逆に、内側のポリエステルの層は、壁部3における23において、端部キャップ10の領域の27においてよりも大きい。 このプリフォーム設計は、以下に説明するように、特にバリア被膜が初期プリフォームに上面成形工程により適用されて被覆されたプリフォームを形成する場合に有用であり、ここで、成形サイクル時間の減縮に関連したことを含むある利点が提供される。 バリア被覆層22は均質化されていても良く、あるいは、図4Aに示すように複数の薄層からなっていても良い。

    【0042】 図4Aは、プリフォームの射出実施形態上のLIMの層の構成を示すプリフォームの壁部の拡大図である。 層110はプリフォームの内側の層であり、112
    はプリフォームの外側の層である。 外側の層112は、LIM系が用いられたときに形成される材料からなる複数の薄層を有する。 図4の全てのプリフォームがこの種類であるのではない。

    【0043】 図5を参照すると、被覆されたプリフォーム31のもう1つの実施形態が断面で示されている。 被覆されたプリフォーム31と、それぞれ図3および図4に示す被覆されたプリフォーム20,21との主な差は、バリア被覆層22が本体部4と同余に頸状部2上にも配置されていることである。

    【0044】 本発明のバリアプリフォームと容器は多くの種類の相対的厚さを有する層を有することができる。 本発表の観点においては、プリフォームあるいは容器の、与えられた層および全体の厚さは、与えられた箇所あるいは容器全体にかかわらず、被覆工程あるいは特に容器の最終用途に合わせて選択することができる。 さらに、図3のバリア被覆層に関して上記で議論したように、ここに開示されるプリフォームおよび容器の実施形態のバリア被覆層は1種類の材料あるいは2種類以上の材料からなるいくつかの薄層を有していても良い。

    【0045】 以下に詳細を議論するような方法によって、図3に描かれているようなバリア層で被覆されたプリフォームが容易された後、それはブロー成形工程が施される。 図6を参照すると、この工程においてバリア層で被覆されたプリフォーム20
    は要求される容器形状に対応する空間を有する型28内に配置される。 その後、
    バリア層で被覆されたプリフォームは加熱され、伸ばされてかつプリフォーム2
    0の内側への空気の力により広げられて、型28内の空間一杯になり、バリア層で被覆された容器を形成する。 ブロー成形操作は通常、プリフォームの初期構造を保つネジ山、ピルファ(pilfer)環、支持環を含む頸状部2を有するプリフォームの本体部4に限定されている。

    【0046】 図7を参照すると、図3のバリア層で被覆されたプリフォーム20をブロー成形して形成されるような、本発明に従うバリア層で被覆された容器40が開示されている。 図3のプリフォーム20の頸状部および本体部に対応して、容器40
    は頸状部2と本体部4を有する。 頸状部2は、さらに容器に蓋を閉める手段となるネジ山8の存在により特徴付けられる。

    【0047】 バリア層で被覆された容器40を断面で見ると、図8のように、構造が見られる。 バリア被膜42は、支持環6の直下で停止して、容器40の本体部4の全体の外側を被覆する。 容器の内面50は、好ましくはPETであるFDA認可された材料からなり、未被覆のまま残って、内側表面のみが飲料あるいは食料品と接触する。 一の好ましい実施形態においては、それは炭酸飲料の容器として用いられ、バリア被膜の厚さは好ましくは0.020〜0.060インチであり、より好ましくは0.030〜0.040インチであり、PET層46の厚さは好ましくは0.080〜0.160インチであり、より好ましくは0.100〜0.1
    40インチであり、バリア層で被覆された容器40の壁部全体の厚さ48は好ましくは0.140〜0.180インチであり、より好ましくは0.150〜0.
    170インチである。 好ましくは、概して、容器40の壁部全体の厚さ48は、
    その厚さの大半を内側のPET層から引き出す。

    【0048】 図9は、上面成形を利用する方法に用いる好ましいタイプの型を図示する。 型は、2つの半型、型空間半型52と中子半型54を有する。 型空間半型52は未被覆のプリフォームが配置される型空間を有する。 プリフォームは、プリフォームの上端に圧力を及ぼす中子半型54と、支持環6が支えられる型空間半型52
    の棚58の間の空間に保持される。 プリフォームの頸状部は、このようにプリフォームの本体部から密閉される。 プリフォームの内側には中子96がある。 プリフォームが型内に配置されると、プリフォームの本体部は空の空間60により完全に覆われる。 このように配置されたプリフォームは、その後の射出工程の内側の金型中子のように機能し、その射出工程において、上面成形材料の溶融物がゲート56を通して空の空間60中へ射出され、被膜を形成する。 未被覆のプリフォームと同様に、溶融物は、2つの半型中の水路55,57中の循環液体により冷却される。 好ましくは、水路55の循環は水路57の循環と完全に分離される。

    【0049】 図10および図11は、本発明に基づいて被覆されたプリフォームを形成する装置の好ましいタイプの一部の模式図である。 この装置は、1つあるいはそれ以上の未被覆のプリフォームを形成し、その後にバリア材料の上面射出によって新たに形成されたプリフォームを被覆する設計の射出成形系である。 図10および図11は、成形装置において反対側にある、この装置の型部の2つの半型を図示する。 図11中の整列杭94が他の半型中の対応する杭受け95にはめ込まれる。

    【0050】 図11に示される半型はいくつかの成形空間の対を有し、各空間は図9に示す成形空間に類似する。 成形空間は2種類あり、第1射出プリフォーム成形空間9
    8と、第2射出プリフォーム被覆空間100である。 2種類の成形空間は数が等しく、好ましくは、1種類の成形空間が、整列杭受け95の間の線で2分されて射出台101の同じ側となるように配置されている。 このように、全てのプリフォーム成形空間98はプリフォーム被覆空間100から180離される。

    【0051】 図10に描かれた半型は、各成形空間(98、100)に対して1つずつのいくつかの中子96を有する。 図10および図11の2つの半型が合わせられたとき、中子96は各空間の内側にはめ込まれ、プリフォーム成形空間98に対するプリフォームの内側の型として、かつ、プリフォーム被覆空間100において未被覆のプリフォームを中心に配置する部品として働き、成形後のプリフォームの内側の空間となる部分を占める。 中子は、もともとプリフォーム成形空間98に配置されていた中子が回転後にプリフォーム被覆空間100に配置されるように、あるいはその逆となるように、その中心点の回りを180回転するターンテーブル102上に戴置される。 以下に詳細に記述するように、この種の装置は、装置の同じ部品を用いて2段階工程にてプリフォームが成形され、その後被覆されるのを許す。

    【0052】 図10および図11の図面は単なる例示であることに注意されたい。 例えば、
    その図面は3つのプリフォーム成形空間98と3つのプリフォーム被覆空間10
    0を有する装置(3/3空間装置)を描く。 しかしながら、その装置は、成形と被覆の型空間の数が等しい限りはいくつの型空間を有していても良く、例えば、
    (12/12、24/24、48/48などの型空間とすることができる。型空間は、当業者により決められうる適切などんな方式で配置されても良い。これらおよび他のささいな変更は本発明の一部として期待されている。

    【0053】 図12を参照すると、以下にさらに詳細に記述される薄膜射出成形(LIM)
    工程における多数の薄層あるいは薄膜からなる溶融物の流れを製造するのに用いられる装置の模式図が示されている。

    【0054】 図13および図14に描かれる2つの半型は、図10および図11に対して議論された48/48空間装置の型の実施形態を図示する。

    【0055】 図15を参照すると、上面成形(射出膜の上面への射出)工程に対するタイプの型の斜視図を示し、その中で中子96は部分的に型空間98および100内に配置される。 矢印は、型が閉められたときに、中子96が上に置かれる可動式半型の動作方向を示す。

    【0056】 図16は、上面成形工程において用いられるタイプの型の斜視図を示し、ここで、中子96は型空間98および100から完全に引き抜かれる。 矢印は、中子96を一の型空間から次の型空間へ動かすために、ターンテーブル102が18
    0回転するのを示す。 また、半型に対する冷却手段の模式図も示されている。 据え付け型半型上において、プリフォーム成形空間に対する冷却106はプリフォーム被覆空間に対する冷却108から分離されている。 これらはともに可動式半型における中子に対する冷却104から分離されている。

    【0057】 図17を参照すると、本発明の好ましい3層プリフォームが示されている。 この被覆されたプリフォームの実施形態は、好ましくは、図1に示すようなプリフォーム上に2層の被覆層80および82を配置することによって形成される。

    【0058】 C. 好ましいバリア材料の物理特性 本発明に従う好ましいバリア材料は、体裁が良く、優れたバリア特性を有する物品を製造することに加えて、本発明のバリア層で被覆されたボトルおよび物品にとって、未被覆のPET物品と同じように、あるいは、それより勝って、加工や物理的応力に耐えることができるようになることを許すいくつかの物理特性を好ましく示す。

    【0059】 接着は、2つの面の結合あるいは張り合わせである。 実際の界面の接着は極めて微細なレベルで生じる現象である。 それは、分子相互作用に基づき、化学結合、ファン・デル・ワ−ルス力およびその他の分子レベルでの分子間引力に依存する。

    【0060】 バリア層とPET層の間の良い接着は、物品がプリフォームをブロー成形することで形成されるバリアボトルであるときに特に重要である。 材料が良く接着するならば、それらにブロー成形工程が施されるとき、および、容器の形態であるときにおいて応力がかけられたとき、それらは1つの単位として行動する。 接着が不十分である場所では、時間の経過、あるいは容器を押しつぶしたり容器が輸送中に押し合ったりするような物理的応力のもとで剥がれの結果をもたらす。 剥がれは、商業的な見地から魅力的でなくなるだけでなく、容器の構造的完全の欠落の印となる。 さらに、良い接着とは、成形工程において容器が膨張するときに層が緊密に接触したままでおり、1つの単位として動作することを示す。 2つの材料が上記のように行動するとき、被膜中に空隙はより一層存在しそうもなく、
    より薄い膜が塗布されるのを許す。 本発明のバリア材料は、好ましくは、22℃
    においてバリア層がPET層から簡単に剥がれることが不可能であるようにPE
    Tに対して十分に接着する。

    【0061】 このように、バリア層のPETへの直接接着に幾分起因して、本発明は米国特許5,472,753号にFarhaにより開示された発明と異なる。 Farh
    aにおいては、フェノキシ型熱可塑性プラスチックは共重合エステルと混合されることなく、または共重合エステルを接着層として用いることなく、PETに直接束縛されることが可能である、あるいは束縛されるであろうこと、または、共重合エステル自身がバリア材料として用いられることができることは開示されておらず、その示唆もなされていない。

    【0062】 ガラス転移温度(Tg)は結晶化できない重合体が柔らかいゴム状から硬い弾性のある重合体ガラスへの変化を遂げる温度として定義される。 そのTgよりも高い温度範囲においては、外的力または圧力が加えられたときに、それがたやすく流れるのを許す程度に十分に柔らかくなるが、柔らかい固体でなく液体のように振る舞うくらいにまで粘度が低い程柔らかいのではない。 Tgよりも高い温度範囲は、材料がプリフォームの内部へ吹き込まれる空気の力によって流れて、型に適合するのに十分柔らかいが、壊れてしまうあるいは構造が一様でない状態となるほどに柔らかいのではないので、ブロー成形工程を行うのに好ましい温度範囲である。 このように、材料が近いガラス転移温度を有していると、それらは近い好ましいブロー温度範囲を有し、いずれの材料の性能を汚すことなく、それら材料が一緒に加工されることを許す。

    【0063】 従来の技術において知られているように、プリフォームからボトルを製造するブロー成形工程において、空気がプリフォームの内側に吹き入れられたときに、
    それが配置された型を満たすようにプリフォームが流れることができるように、
    プリフォームはプリフォーム材料のTgよりもわずかに高い温度にまで加熱される。 もしもプリフォームを十分加熱しないでTgよりも低い温度を用いると、プリフォーム材料は流れるのにはあまりにも固く、亀裂や細かなひび割れが発生し、あるいは型を満たすように広がらない。 逆に、プリフォームをTgよりも十分に高い温度に加熱すると、材料はその形を保持できずに不適当に加工されるくらいに柔らかくなってしまう。

    【0064】 バリア被膜材料がPETに近いTgを持つなら、それはPETに近いブロー温度範囲を有する。 このように、もしPETプリフォームがそのような材料で被覆されたら、両材料が好ましいブロー温度範囲内で加工されることを許すブロー温度を選択することが可能である。 もしバリア被膜がPETに近くないTgを持つとしたら、不可能ではないにしても、両材料に適切なブロー温度を選択することは困難となる。 バリア被膜材料がPETに近いTgを持つとき、被覆されたプリフォームはブロー成形の間、あたかも1つの材料からなっているかのように振る舞い、なめらかに膨張して、体裁の良い、膜厚にむらがなく均一なバリア材料をそれが形成される箇所に有する容器を形成する。

    【0065】 PETのガラス転移温度は、以前にそのPETが如何に加工されたかに依存して、約75〜85℃の温度帯に存在する。 本発明の好ましいバリア材料のTgは、好ましくは55〜140℃であり、より好ましくは90〜110℃である。

    【0066】 ブロー成形中にバリアプリフォームの性能に衝撃を与えるもう1つの要因は、
    材料の状態である。 本発明の好ましいバリア材料は、結晶体よりはむしろ非晶質である。 これは、ブロー成形工程を用いてボトルおよび容器を形成するのに非晶質状態の材料の方が結晶状態の材料よりも容易であるからである。 PETは、結晶体と非晶質体の両方に存在しうる。 しかしながら、本発明においては、他の物の中で、ブロー成形工程の助けとなるために、PETは非晶質体にあることが特に好ましい。 射出成形のように、溶融したPETから形成されるPET物品は、
    結晶化過程を消滅させ、非晶質体を捕らえるのに十分高速にその溶融物を冷却することにより、非晶質体へと導かれる。

    【0067】 固有の粘度およびメルトインデックスは重合体の分子量に関連した2つの特性である。 これらの特性は、射出成形やブロー成形工程などの様々な加工条件下において材料が如何にし振る舞うか、指示を与える。

    【0068】 本発明の物品および方法に用いられるバリア材料は、好ましくは0.70〜0
    . 90dl/g、より好ましくは0.74〜0.87dl/g、最も好ましくは0.84〜0.85dl/gの固有の粘度を有し、好ましくは5〜30、より好ましくは7〜12、最も好ましくは10のメルトインデックスを有する。

    【0069】 本発明のバリア材料は、好ましくはPETに似た張力と歪み耐性を有する。 これらの物理特性の類似性は、バリア材料が単なるガスバリア以上として振る舞うことを許す。 PETに似た物理特性を有するバリア被膜は、容器の構造成分として振る舞い、容器の性能を犠牲にすることなく、バリア材料が容器のポリエチレンテレフタレートを置き換えることを許す。 PETの置き換えは、結果として得られるバリア層で被覆された容器が、重量や大きさを実質的に変更することなく、未被覆の相対物に似た物理的性能および特性を持つことを許す。 また、PET
    に帰する容器毎のコストの削減によって、バリア材料の追加なら追加されるどんなコストも支払われることを許す。

    【0070】 PETとバリア被膜材料の間の張力の類似性は、容器が構造上の完全性を有するのを助ける。 これは、いくらかのPETが他の材料に置き換えられているときに特に重要である。 本発明のバリア層で被覆されたボトルは、未被覆の容器と同じ物理力に耐えることを可能にし、例えば、バリア層で被覆された容器が、未被覆のPET容器を取り扱う通例の方法で輸送され、あるいは取り扱われることを許す。 バリア被膜材料が実質的にPETよりも低い張力を有するなら、いくらかのPETがバリア材料で置き換えられた容器は未被覆の容器と同じ力に耐えることができないであろう。

    【0071】 PETとバリア被膜材料の間の歪み耐性の類似性は、容器がその形状を保持する助けとなる。 歪み耐性は、加えられた力に反応してその形状が変化するのに抵抗する材料の能力に関係する。 例えば、炭酸が溶けた液体を保持するボトルは、
    溶けたガスが外方へ押す圧力に抵抗でき、元の形状を保持できる必要がある。 バリア被膜材料がPETよりも実質的に低い歪み耐性を有するならば、結果として時間とともにより変形しがちになる容器において、製品の貯蔵寿命を短縮する。

    【0072】 光学的な透明さが重要な適用物においては、好ましいバリア材料はPETに似た屈折率を有する。

    【0073】 PETとバリア被膜材料の屈折率が類似しているとき、プリフォームと、恐らくより重要に、それから吹きつけられたものは、光学的に透明であり、ボトルの透明性がしばしば要求される飲料容器として体裁が良い。 しかしながら、もし2
    つの材料が、お互いに接触した配置となったときに実質的に異なる屈折率を有するならば、その材料の屈折率の差の程度に依存して、得られる組み合わせは目に見える歪みを有し、また、曇る、あるいは不透明となる。

    【0074】 ポリエチレンテレフタレートは、その物理的な配置形状に依存して、可視光に対して1.40〜1.75の範囲の屈折率を有する。 プリフォームとなった時、
    屈折率は好ましくは1.55〜1.75の範囲となり、さらに好ましくは1.5
    5〜1.65の範囲となる。 プリフォームがボトルに形成された後は、ブロー成形工程において輪(hoop)応力と軸応力の両方が印加されるので2軸配向膜によって特徴付けられる最終製品の壁部であるポリエチレンテレフタレートは、
    ブロー成形工程に関連した伸縮比に依存して、一般的に1.40〜1.75の範囲の屈折率を示し、通常は1.55〜1.75である。 約6:1の相対的に低い伸縮比に対して、屈折率は前述の下限近傍となり、一方で約10:1の高い伸縮比に対しては、屈折率は前述の上限近傍となる。 ここで言及されている伸縮比は、その結果得られる2軸伸縮比であり、輪(hoop)伸縮比と軸伸縮比の積を含むことが認知されている。 例えば、最終プリフォームが軸方向に2.5の比率で、直径方向に3.5の比率で拡大されるブロー成形操作においては、伸縮比は約8.75(2.5×3.5)となる。

    【0075】 n iがPETの屈折率を示し、n 0がバリア材料の屈折率を示す呼称を用いると、n iとn 0の間の比は好ましくは0.8〜1.3であり、より好ましくは1
    . 0〜1.2であり、最も好ましくは1.0〜1.1である。 当業者には認知されるように、比n i /n 0 =1のとき、それらの屈折率が等しいので、屈折率に起因する歪みが最小となる。

    【0076】 しかしながら、上記比が次第に1から変化するに従い、歪みは次第に大きくなっていく。

    【0077】 D. 好ましいバリア被膜材料とその製法 本発明の物品および方法において用いられる好ましいバリア被膜材料はフェノキシ型熱可塑性材料およびテレフタル酸およびイソフタル酸と、少なくとも1つのジオールとの共重合エステル(共重合エステルバリア材料)である。 好ましくは、本発明においてバリア材料として用いられるフェノキシ型熱可塑性プラスチックは、下記のタイプの1つである: (1)ヒドロキシ官能基を有し、式Ia、IbまたはIcの内のどれか1つで示される単位の繰り返しを有するポリアミドエーテル:

    【0078】

    【化1】

    【0079】 (2)式IIa、IIbまたはIIcの内のどれか1つで独立して示される単位の繰り返しを有するポリヒドロキシアミドエーテル:

    【0080】

    【化2】

    【0081】 (3)式IIIで示される単位の繰り返しを有するアミド基およびヒドロキシメチル基の官能基を有するポリエーテル:

    【0082】

    【化3】

    【0083】 (4)式IVで示される単位の繰り返しを有するヒドロキシ基の官能基を有するポリエーテル:

    【0084】

    【化4】

    【0085】 (5)式VaおよびVbで示される単位の繰り返しを有するヒドロキシ基の官能基を有するポリエーテルスルホンアミド:

    【0086】

    【化5】

    【0087】 (6)式VIで示される単位の繰り返しを有するポリヒドロキシエステルエーテル:

    【0088】

    【化6】

    【0089】 (7)式VIIで示される単位の繰り返しを有するヒドロキシフェノキシエーテル重合体:

    【0090】

    【化7】

    【0091】 (8)式VIIIで示される単位の繰り返しを有するポリヒドロキシアミノエーテル:

    【0092】

    【化8】

    【0093】 ここで、Arはそれぞれ、2価の芳香族部分、置換された2価の芳香族部分または複素環式芳香族部分、あるいは、異なる2価の芳香族部分、置換された2価の芳香族部分または複素環式芳香族部分の組み合わせであり;Rはそれぞれ、水素または1価の炭化水素部分であり;Ar 1はそれぞれ、アミド基あるいはヒドロキシメチル基を持つ2価の芳香族部分または2価の芳香族部分の組み合わせであり;Ar 2はそれぞれ、Arと同じあるいは異なり、それぞれ2価の芳香族部分、置換された芳香族部分または複素環式芳香族部分、または、異なる2価の芳香族部分、置換された芳香族部分または複素環式芳香族部分の組み合わせであり;R 1はそれぞれ、2価の芳香族部分、置換された2価の芳香族部分、2価の複素環式芳香族部分、2価のアルキレン部分、2価の置換されたアルキレン部分または2価の異種原子を含むアルキレン部分、あるいは、そのような部分の組み合わせなどの広く行き渡る2価の炭化水素部分であり;R 2はそれぞれ1価の炭化水素部分であり;Aはアミン部分または異なるアミン部分の組み合わせであり;
    Xは、アミン部分、アリレンジオキシ部分、アリレンジスルホンアミド部分またはアリレンジカルボキシ部分、または、そのような部分の組み合わせであり;A
    3は次式の内のどれか1つで示される”カード(cardo)”部分であり:

    【0094】

    【化9】

    【0095】 ここで、Yは、無、共有結合、または、架橋基であり、ここで適切な架橋基は、例えば、酸素原子、硫黄原子、カルボニル原子、スルホニル基、メチレン基、
    または、類似の架橋するものを含み;nは約10〜約1000の整数であり;x
    は0.01〜1.0であり;yは0〜0.5である。

    【0096】 ”広く行き渡る2価の炭化水素”の語句は、広く行き渡る炭化水素の2価のラジカルを示すが、それは随意に、酸素、硫黄、イミノ、スルホニル、スルホキシルなどの異種原子部分を少量含む。

    【0097】 式Iで示されるヒドロキシ官能基を有するポリアミドエーテルは、好ましくは米国特許5,089,588号および5,143,998号に記載されているように、ジグリシジルエーテルとともにN,N'−ビス(ヒドロキシフェニルアミド)アルカンあるいはアレンと接触させて調製される。

    【0098】 式IIで示されるポリヒドロキシアミドエーテルは、米国特許5,134,2
    18号に記載されているように、エピハロヒドリンとともに、N,N'−ビス(
    3−ヒドロキシフェニル)アジパミドあるいはN,N'−ビス(3−ヒドロキシフェニル)グルタルアミドなどの、ビス−(ヒドロキシフェニルアミド)アルカンあるいはアレン、または、これらの化合物の2種またはそれ以上の組み合わせと接触させて調製される。

    【0099】 式IIIで示されるアミド基およびヒドロキシメチル基の官能基を有するポリエーテルは、例えば、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルなどのジグリシジルエーテルを、ペンダントアミド、N−置換アミド、および/または、2,2
    −ビス(4−ヒドロキシフェニル)アセトアミドおよび3,5−ジヒドロキシベンズアミドなどのヒドロキシアルキル部分を有する2価フェノールと反応させて調製されることが可能である。 これらのポリエーテルおよびこれらの調製は、米国特許5,115,075号および5,218,075号に記載されている。

    【0100】 式IVで示されるヒドロキシ基の官能基を有するポリエーテルは、例えば、米国特許5,164,472号に記載されている工程を用いて、ジグリシジルエーテルあるいはジグリシジルエーテルの組み合わせを2価フェノールあるいは2価フェノールの組み合わせと反応させることで調製されることが可能である。 あるいはまた、ヒドロキシ基の官能基を有するポリエーテルは、Reinking、
    BarnabeoおよびHaleによって応用ポリマー科学誌(Journal
    of Applied Polymer Science)第7巻、2135
    ページ(1963年)に記載されている工程により、2価フェノールあるいは2
    価フェノールの組み合わせをエピハロヒドリンと反応させることで得られる。

    【0101】 式Vで示されるヒドロキシ基の官能基を有するポリエーテルスルホンアミドは、例えば、米国特許5,149,768号に記載されているように、N,N'−
    ジアルキルあるいはN,N'−ジアリルスルホンアミドをジグリシジルエーテルとともに重合することで調製されることが可能である。

    【0102】 式VIで示されるポリヒドロキシエステルエーテルは、ジグリシジルテレフタレートなどの脂肪族あるいは芳香族二酸のジグリシジルエーテル、あるいは、2
    価フェノールのジグリシジルエーテルを、アジピン酸あるいはイソフタル酸などの脂肪族あるいは芳香族二酸と反応させて調製される。 これらの重合体は米国特許5,171,820号に記載されている。

    【0103】 式VIIで示されるヒドロキシフェノキシエーテル重合体は、例えば、少なくとも1つの二求核性の単量体を、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、フェノールフタレインあるいはフェノールフタルイミジンなどのカード(cardo)ビスフェノール、あるいは、置換したビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン、置換したフェノールフタレインあるいは置換したフェノールフタルイミジンなどの置換したカード(cardo)ビスフェノールのジグリシジルエーテルの少なくとも1つと、二求核性の単量体の当該求核部分をエポキシ部分と反応せしめて、ペンダントヒドロキシ部分、および、エーテル、イミノ、アミノ、スルホンアミドあるいはエステル架橋を含む重合体主鎖を形成するのに十分な条件の下で、接触させることで調製される。 これらのヒドロキシフェノキシエーテル重合体は米国特許5,184,373号に記載されている。

    【0104】 式VIIIで示されるPHAE(ポリヒドロキシアミノエーテル)あるいはポリエーテルアミンは、アミン部分をエポキシ部分と反応せしめて、アミン架橋、
    エーテル架橋およびペンダントヒドロキシル部分を有する重合体主鎖を形成するのに十分な条件の下で、1種あるいはそれ以上の2価フェノールのジグリシジルエーテルをアミンの水素を2つ有するアミンと接触させて調製される。 これらの化合物は米国特許5,275,853号に記載されている。

    【0105】 式I〜VIIIのフェノキシ型熱可塑性プラスチックは、ダウケミカル社(ミッドランド、ミシガン州、米国)から得られる。

    【0106】 商業的にフェノキシアソシエーツ社から購入できるフェノキシ型熱可塑性プラスチックは、本発明において使用に適切である。 ヒドロキシフェノキシエーテルは、ビスフェノールAなどの2価多核フェノールと、エピハロヒドリンの縮合反応生成物であり、式IVで示される単位の繰り返しを有する。 ここで、Arはイソプロピリデン−ジフェニレン部分である。 これらを調製する方法は米国特許3
    ,305,528号に記載されており、この参照によりそのまま全部組み入れられる。

    【0107】 最も好ましいフェノキシ型熱可塑性プラスチックは式VIIIで示されるポリヒドロキシアミノエーテル(”PHAE”)である。 その例は、ダウケミカル社によりXU19040.00Lとして売られている。

    【0108】 好ましい共重合エステルバリア材料およびその調製の例は、Jabarinに付与された米国特許4,578,295号に記載されている。 それらは、通常、
    イソフタル酸、テレフタル酸およびそのC 1 〜C 4アルキルエステルから選択された少なくとも1種の反応物と、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンおよびエチレングリコールとの混合物を加熱することで調製される。 さらに、上記混合物は、エステルを形成する1種あるいはそれ以上のジヒドロキシ炭化水素および/またはビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホンをさらに含有していても良い。

    【0109】 最も好ましい共重合エステルバリア材料は、テレフタル酸とイソフタル酸の両方を含む混合物から形成されたものである。 特に好ましい共重合エステルバリア材料は三井石油化学株式会社(日本)からB−010として購入できる。

    【0110】 E. ポリエステルの調製 ポリエステルとそれを調製するための方法(その形成に用いられる特定の単量体、その大きさ、重合温度、触媒およびその他の条件を含む)は、従来技術で良く知られており、本発明の目的のためにそれに対して参照がなされている。 例証および非限定の目的のために、特に、ポリマー科学および工業の百科事典(En
    cyclopedia of Polymer Science and En
    gineering)、第12巻、1〜62ページ(1988年、John W
    iley&Sons版)を参照する。

    【0111】 典型的には、ジカルボン酸またはポリカルボン酸の2価または多価アルコールとの反応から誘導される。 適切なジカルボン酸またはポリカルボン酸は、ポリカルボン酸と、そのような酸のエステルおよび無水物、および、それらの混合物を含む。 典型的なカルボン酸は、フタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、テレフタル酸、シュウ酸、マロン酸、琥珀酸、グルタル酸、セバシン酸およびその類似物を含む。 ジカルボン酸化合物が好ましい。 ポリエステル膜を調製するのに、テレフタル酸は最も広く用いられており、好ましい。 α,β−不飽和ジカルボン酸およびポリカルボン酸(そのような酸のエステルおよび無水物およびそれらの混合物を含む)は、飽和カルボン酸成分の一部の置き換えとして用いられることができる。 典型的なα,β−不飽和ジカルボン酸およびポリカルボン酸は、マレイン酸、フマル酸、アコニット酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、モノクロロマレイン酸およびそれらの類似物を含む。

    【0112】 ポリエステルを調製するのに用いられる典型的な2価および多価アルコールは、より多いあるいはより少ない水酸基を有するアルコールが少量用いられることもできるが、少なくとも2つの水酸基を有するアルコールである。 2価のアルコールが好ましい。 ポリエステルの調製に従来用いられる2価のアルコールは、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレングリコール、1,4−
    ブタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,
    4−シクロヘキサンジメタノールおよびそれらの類似物を含み、1,2プロピレングリコールが好ましい。 上記アルコールの混合物も使用することができる。 ポリエステルの2価および多価アルコール成分は、通常酸に対して化学量論的に適正あるいはわずかに過剰である。 2価および多価アルコールの過剰分はしばしば約20〜25モル%を越え、通常は約2〜10モル%の間である。

    【0113】 ポリエステルは、一般に、2価または多価アルコールとジカルボン酸またはポリカルボン酸の適当なモル比での混合物を、通常は約100℃〜250℃の範囲である高温に、通常は5〜15時間の範囲の延長された期間加熱することで調製される。 t−ブチルカテコールなどの重合阻害剤を好都合に用いることができる。

    【0114】 好ましいポリエステルであるPETは、ダウケミカル社(ミッドランド、ミシガン州)およびアライドシグナル社(Allied Signal Inc.、
    バトンルージュ、ルイジアナ州)から購入可能である。

    【0115】 F. バリア材料のバリア性能を高めるための材料 上記に記載されたバリア材料は、バリア性能を高める他の材料と組み合わせて用いられても良い。 一般的には、材料を通過してガスを拡散させる原因の1つは、ガス分子が通過することが可能な分子レベルでの材料中の割れ目や孔の存在である。 水素結合のような、材料中での分子間力の存在は、割れ目を閉じ、ガスの拡散の妨げとなる母体中の分子鎖間の凝集を可能にする。 また、母体中の重合体分子鎖間の架橋など、そのような分子間の力や行動に有利となる追加の分子あるいは材料を追加することにより、良いバリア材料のバリア性能を高めることができ、これにより、母体中の孔を閉じ、ガスの拡散を減らす助けとなる。

    【0116】 レソルシノール(m−ジヒドロキシベンゼン)は、PHAE、PET、共重合エステルバリア材料あるいはその他の材料の製造において、他の単量体と反応すると、一般的に、レソルチノール誘導体を含まない同じ材料よりも良いバリア性能を有する材料を生じる。 例えば、レソルチノールジグリシジルエーテルはPH
    AE中において用いることができ、ヒドロキシエチルエーテルレソルチノールはPET、その他のポリエステルおよび共重合エステルバリア材料中において用いることができる。

    【0117】 バリア効能の1つの測定は、材料の貯蔵寿命に対する効果である。 バリア層のないPETボトル中の32オンスの炭酸ソフト飲料の貯蔵寿命は約12〜16週間である。 貯蔵寿命は、ボトル中に残る二酸化炭素が元の量の85%未満しかなくなった時点である時間として決められる。 以下に説明する射出膜の上面への射出法を用いたPHAEで被覆されたボトルは、PETのみのボトルに比べて2〜
    3倍長い貯蔵寿命を有することが発見された。 しかしながら、もしPHAEがレソルチノールジグリシジルエーテルとともに用いられると、貯蔵寿命はPETのみの4〜5倍に伸ばすことが可能である。

    【0118】 材料のバリア性能を高める他の方法は、重合体母体中の孔に”栓をして”、ガスが母体中を通過するのを妨げる材料を追加することである。 さらにまた、材料は、ガス分子が材料を浸透するときのガス分子に対する曲がりくねった通路を形成するのに助けとなりうる。 そのような材料の1つは、ここでは”微細粒子”あるいは”微細粒子状材料”の語句で指されるが、移動する酸素あるいは二酸化炭素に対する、より曲がりくねった通路を作ることで、材料のバリア性能を高める材料の小さな粒子である。 微細粒子状材料の1つの好ましいタイプは、サザンクレープロダクツ社(Southern Clay Products)から得られる微細粒子状クレー主体の生成物である。

    【0119】 G. バリア層で被覆された物品の形成方法 一旦適切なバリア被膜材料が選択されたら、2つの材料の接着を促進する方法で被覆されたプリフォームが形成されなければならない。 一般的に、バリア被膜材料とPETの間の接着はPETの表面温度が高くなるにつれて強くなっていく。 従って、本発明の好ましいバリア材料は室温でPETに接着するけれども、加熱されたプリフォーム上に被覆を行うことが好ましい。

    【0120】 1. ディップコート 本発明に従って被覆されたPETプリフォームを製造する好ましい方法の1つは、樹脂含有溶液浴においてPETプリフォームをディップコートすることである。 樹脂含有溶液浴中にプリフォームを漬けることは、保持棚のようなものを用いて手で行う、あるいは、最後にブロー成形工程を有するような完全に自動化された工程で行うことができる。

    【0121】 浴は、バリア材料の樹脂が中に溶解されるおよび/または漂わされる1種またはそれ以上の溶媒からなる溶液を保持している。 溶媒と樹脂を混合した結果が溶液、懸濁液、またはその組み合わせになるとしても、ここで用いられる”溶液”
    の語句は、溶媒と樹脂を混合した最終的結果物を指す。 樹脂はどの形態のものも用いられるが、ほとんど全ての材料と用いられるときに、粒子の大きさが大きいものよりも小さいものの方がより速く溶液中に混ざる。 もしバリア材料が所定の溶媒に対してそれほど溶けないなら、樹脂を粉末状して加えることでより均一な懸濁液を形成する助けとなる。 溶媒の組み合わせなどからなる溶媒系はもちろん、多くの種類の溶媒が用いられる。 好ましい溶媒は、ジメチルホルムアミド(D
    MF)、エタノール、テトラヒドロフラン(THF)、塩化メチレン、水、アセトン、ベンゼン、トルエン、ドワノール(Dowanol)DPM、ドワノールPPH、ドワノールPMおよびこれらの混合物を含む。 溶媒あるいは溶媒系の選択に影響を与える要因は、極性、反応性、溶解性、沸点、蒸気圧および可燃性である。 本発明のディップコートする溶液は、好ましくは10〜60重量%、より好ましくは20〜50重量%、最も好ましくは30〜40重量%の樹脂を含む。
    浴中の溶液の温度は好ましくは1〜100℃、より好ましくは25〜50℃である。

    【0122】 ディップコート工程は、PETプリフォームを得ることから始まる。 プリフォームは、プリフォームの形状の型中にPETの溶融物を射出することで形成できる。 型は、好ましくは、溶融しているPETが急激に冷却して、形成されるのが結晶体ではなく非晶質となるのに十分な速さで、冷却される。 射出成形によりP
    ETプリフォームを形成する工程は、一般に従来技術で良く知られている。 プリフォームの表面は、バリア被膜材料が直接PETに接着できるように、油分、界面活性剤、型離脱剤などのいずれも存在しないことが好ましい。

    【0123】 PETプリフォームは、その後、浴中の溶液の中に浸漬される。 図2を参照すると、プリフォームは、少なくともプリフォームの本体部4全体が、支持環8の直下まで、浴中に沈められるまで、浸漬される。 プリフォームは、1〜30秒の間、より好ましくは2〜5秒の間、浴中に沈めらたまま保持する。 その後、未プリフォームは、浴から引き上げられ、完成製品上から溶媒が全てなくなるまで乾燥される。 乾燥は、空気乾燥、真空雰囲気中への戴置および/またはオーブン中など加熱雰囲気中への戴置などの、いくつかの方法の内のいずれか1つによって行うことができる。 方法の選択は選ばれた溶媒と、乾燥にかけるのに所望する時間に依存する。 追加の層を形成することが必要なら、追加の浸漬および乾燥工程を行っても良い。 好ましくは、ブロー成形などのさらなる工程はプリフォームが乾燥した後に行う。

    【0124】 ディップコートから形成されたバリア層で被覆されたプリフォームは、好ましくは図3に示されるタイプである。 バリア被膜22はプリフォームの本体部4上に形成され、頸状部2上は被覆しない。 被覆されたプリフォーム16の内側は、
    好ましくはバリア材料で被覆されていない。 バリア被膜に厚さは、好ましくは0
    . 01〜3mm、より好ましくは0.1〜1mmである。

    【0125】 例1 フェノキシ型熱可塑性樹脂、特定的にはダウケミカル社からXU19040.
    00Lとして購入できるPHAEの試料が小さなペレットとして得られた。 ペレットはジメチルホルムアミド中に40重量%の濃度で溶解された。 16オンスの炭酸飲料ボトルを形成するのに用いるタイプの8個の同一の17.5gの重量の未使用PETのプリフォームが棚に置かれて、室温(約21〜23℃)の樹脂/
    DMFを含む浴中に浸漬された。 5秒後にプリフォームは浴から取り除かれ、7
    5℃にセットされたオーブン中で8時間乾燥された。

    【0126】 ディップコートの前に、プリフォームは平均17.5gの重量であった。 ディップコートの後、プリフォームは平均18.0gの重量であり、この工程で0.
    5gの樹脂被膜が形成された。

    【0127】 2. スプレーコート 本発明に従って被覆されたPET物品を形成するもう1つの方法は、スプレーコートによりなされる。 この方法では、PETプリフォームは溶媒中にバリア樹脂が溶解あるいは懸濁された溶液でスプレーされる。 プリフォームのスプレーは手によってなされる、あるいは、1つの装置でスプレーとスプレー後の処理を施す装置を用いて工程で行うことができる。

    【0128】 プリフォーム上にスプレーされる溶液は、バリア材料の樹脂が溶解あるいは懸濁された1種あるいはそれ以上の溶媒を含む。 溶媒の組み合わせからなる溶媒系はもちろん、多くの種類の溶媒が用いられる。 好ましい溶媒は、ジメチルホルムアミド(DMF)、エタノール、テトラヒドロフラン(THF)、塩化メチレン、水、アセトン、ベンゼン、トルエン、ドワノール(Dowanol)DPM、
    ドワノールPPH、ドワノールPMおよびこれらの混合物を含む。 用いられる溶媒あるいは溶媒系の選択は、極性、反応性、溶解性、沸点、蒸気圧および可燃性などの多くの要因に依存し、それは当業者が決めることができる。 溶液は、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは30〜40重量%の樹脂を含む。

    【0129】 PETプリフォームをスプレーコートする好ましい方法は、Kennonらに付与された米国特許4,538,542号に開示され(この参照によりそのまま全部組み入れられる)、ノードソン社(Nordson Corporatio
    n、アマースト、オハイオ州)により販売されているような装置の使用に基づく。 この装置はスプレーコート室、乾燥室、およびプリフォームを上記2室の間で移動させるための搬送装置を有する。 この装置は、さらに上面スプレー回復装置を有していてもよい。

    【0130】 スプレーコート工程は、上記のように、好ましくは射出成形工程により形成されるPETプリフォームを得ることから始まる。 各プリフォームの頸状部は取り付け手段により取り付けられ、搬送手段上に戴置される。 プリフォームは、1つずつ離されて、平に搬送手段上に置かれる。 プリフォームが、このように、スプレーコート室に搬送され、そこでそれらは一連のスプレーノズル、好ましくは空気のないスプレーノズルに極めて接近して通過する。 バリア樹脂を含む溶液がノズルを通してスプレーされ、各プリフォームが室を通過するときに、各プリフォームの外側表面に衝突し、各プリフォームを濡れた被覆層で被覆させる。 バリア材料の接着を助け、溶媒の蒸発を促進するために、プリフォームがスプレーコート室に入る前に、プリフォームは当業者に良く知られた方法で予め加熱されても良い。

    【0131】 その後、搬送手段はプリフォームをスプレーコート室から乾燥室内へ搬送する。 乾燥室は、濡れた被膜層中の溶媒の乾燥する助けとなるのに十分であり、しかしプリフォームの変形を生じさせる程熱くはない温度の室をもたらす、オーブン、1組のランプ、あるいはその他の熱エネルギー源を有している。 プリフォームが乾燥室を通過するときに、プリフォーム上にバリア被膜を残しながら、溶媒は蒸発する。

    【0132】 3. 溶射(Flame Spraying) 本発明に従って被覆されたPETプリフォームを形成するもう1つの好ましい方法は、バリア被膜材料の粉末樹脂でPETプリフォームを溶射することである。

    【0133】 溶射工程に対しては、バリア材料樹脂は、好ましくは60〜150メッシュ、
    さらに好ましくは80〜120メッシュの粉末で用いられる。 従来の溶射装置は、当業者には良く知られているが、サーマルポリマーシステムズ社(Therm
    al Polymer Systems、アングルトン(Angleton)、
    テキサス州)から販売されているユニスプレージェットガン(Unispray
    Jet Gun)などを用いることができる。 そのような他の商業的に得られる装置あるいは他の特別注文または改造された装置の使用は、本発明の一部として期待されている。

    【0134】 溶射コート工程は、上記のように、好ましくは射出成形工程により形成されるPETプリフォームを得ることから始まる。 プリフォームの表面は、バリア被膜材料が直接PETに接着できるように、油分、界面活性剤、水、型離脱剤などのいずれも存在しないことが好ましい。 プリフォームは、予め50〜100℃、より好ましくは65〜75℃に加熱され、その後、粉末状バリア樹脂が溶射装置を用いて塗布される。 堆積される樹脂の量は、従って、バリア被膜の厚さは、炎中にプリフォームが存在する時間の長さによって決まる。 一旦要求される量の樹脂が堆積したら、プリフォームは炎から取り除かれる。 被覆されたプリフォームはブロー成形されてボトルを形成する。

    【0135】 溶射により形成されたバリア層で被覆されたプリフォームは、好ましくは図3
    あるいは5に示すタイプである。 被覆されたプリフォーム16の内側は、プリフォームから吹きつけられた容器内に置かれるどんな食品または飲料も未使用のP
    ETのみと接触するように、被覆されていない。 バリア被膜24の厚さは、好ましくは0.01〜5.0mm、より好ましくは0.5〜2.0mmである。

    【0136】 例2 フェノキシ型熱可塑性樹脂、特定的にはダウケミカル社からXU19040.
    00Lとして購入できるポリヒドロキシアミノエーテルの試料が小さなペレットとして得られた。 ペレットは粉末状に粉砕され、従来技術で知られた標準的な工程に従い、100メッシュスクリーンの篩を用いて120〜180メッシュの粉末を選択して得るように篩われた。 各48gの重量の68オンスのボトルを形成するタイプの未使用PETからなる3個の清浄なプリフォームが、100℃に加熱され、その後、ユニスプレージェットガンを用いて溶射された。 異なる厚さのバリア被膜を得るために、プリフォームは異なる時間で炎中から取り出された。
    炎中に5秒置かれたプリフォームは4.5gの樹脂で被覆され、8秒置かれたプリフォームは8.6gを受け取り、10秒置かれたプリフォームは11.5gの樹脂で被覆された。

    【0137】 4. 流動床浸漬 本発明に従ってバリア被覆されたPETプリフォームを形成するもう1つの方法は、流動床浸漬である。 この工程においては、PETプリフォームは、樹脂粉末を通しての空気の流れによって流動化された、バリア被膜材料の粉末状の樹脂の床に浸漬される。 この工程において、バリア材料樹脂は、好ましくは60〜1
    50メッシュ、より好ましくは80〜100メッシュの粉末である。 当業者に知られている従来の流動化床浸漬装置および技術が用いられて良い。

    【0138】 流動化床の被覆工程は、上記のように、好ましくは射出成形工程により形成されるPETプリフォームを得ることから始まる。 プリフォームの表面は、バリア被膜材料が直接PETに接着できるように、油分、界面活性剤、型離脱剤などのいずれも存在しないことが好ましい。 プリフォームは、50〜125℃、より好ましくは75〜100℃の温度で、流動化した粉末中に浸漬される。 プリフォームは、一般的にバリア樹脂がプリフォームの内側を被覆することを要求されていないので、好ましくは支持環6の高さまでのみが浸漬される。

    【0139】 プリフォームは、好ましくは2〜10秒、より好ましくは5〜7秒の期間の後、取り除かれる。 表面に粉末が被覆されたプリフォームは、その後、オーブン、
    炎、またはランプの使用により、粉末が溶けてあるいは流れて、それが滑らかで均一な被膜を形成するように、加熱されなければならない。 加熱により、被膜が一旦滑らかになったら、プリフォームはその後ブロー成形されてボトルを形成することができる。

    【0140】 例3 フェノキシ型熱可塑性樹脂、特定的にはダウケミカル社からXU19040.
    00Lとして購入できるPHAEの試料が小さなペレットとして得られた。 ペレットは粉末状に粉砕され、従来技術で知られた標準的な工程に従い、80メッシュスクリーンの篩を用いて80〜100メッシュの粉末を選択して得るように篩われた。 それぞれ約48gの重量の未使用PETからなる清浄なプリフォームが、75〜100℃に加熱され、その後、PHAE粉末を含有する流動化床中に浸漬された。 床中の粉末は室温に保持され、床中を流れる空気の速度は粉末を流動化するのに十分であった。 プリフォームは8秒後に取り除かれ、粉末を溶かして均一で清浄な被膜を形成するための炎処理がなされた。 プリフォームは、平均で0.7gの樹脂で被覆された。

    【0141】 5. 静電的粉末スプレー 本発明に従って被覆されたPETプリフォームを形成するもう1つの方法は、
    バリア被膜材料の粉末樹脂を用いてPETプリフォームを静電的にスプレーすることである。 この工程において、バリア材料樹脂は、好ましくは80〜200メッシュ、より好ましくは100〜140メッシュの粉末として用いられる。 当業者に知られているような静電的スプレー装置が用いられる。

    【0142】 静電的粉末被覆工程は、上記のように、好ましくは射出成形工程によるPET
    プリフォームを得ることから始まる。 プリフォームの表面は、バリア被膜材料が直接PETに接着できるように、油分、界面活性剤、型離脱剤などのいずれも存在しないことが好ましい。 粉末が粉末銃を出るときに、粉末に、好ましくは40
    〜100kV、より好ましくは70〜80kVの電荷が印加される。 粉末と逆の電荷がプリフォームに印加されてもよく、あるいは、プリフォームは接地されてもよい。

    【0143】 プリフォームは、10〜40℃、より好ましくは20〜25℃の温度で、好ましくは1〜15秒間、より好ましくは3〜5秒間スプレーされる。 粉末で被覆されたプリフォームは、その後、ランプ、炎、オーブンなどにより、粉末が溶けてあるいは流れて、それが滑らかで均一な被膜を形成するように、加熱されなければならない。 加熱により、被膜が一旦滑らかになったら、プリフォームはその後ボトルにブロー成形されることができる。

    【0144】 静電的スプレーから製造されたバリア層で被覆されたプリフォームは、好ましくは図3または5に示されるタイプである。 バリア被膜22はプリフォームの外側上にのみ堆積し、内側は未被覆である。

    【0145】 例4 フェノキシ型熱可塑性樹脂、特定的にはXU19040.00L(ダウケミカル社)の試料が小さなペレットとして得られた。 ペレットは粉末状に粉砕され、
    120〜140メッシュの粉末を選択して得るように篩われた。 約48gの重量の未使用PETからなる射出成形された3つの清浄なプリフォームが用いられた。 室温で各プリフォームの内側に接地した配線メッシュインサートが配置された。 プリフォームには電圧を印加しなかった。 電圧印加された標準的なスプレー銃を用いて、プリフォームが粉末でスプレーされた。 プリフォームは5秒間スプレーされ、その後炎処理がなされた。 プリフォームは平均で1.6gの樹脂で被覆された。

    【0146】 6. 上面成形(Overmolding) 被覆されたPETプリフォームを形成する特に好ましい方法は、ここでは一般的に上面成形として呼び、ときどき射出膜の上面への射出(inject−ov
    er−inject(”IOI”))と呼ぶ。 この名前は、好ましくはそれ自身が射出成形により形成された、既にあるプリフォーム上に、バリア材料を1層あるいはそれ以上射出する射出成形を用いる工程を表す。 ”上面射出(overi
    njecting)”および”上面成形(overmolding)”の語句は、ここでは、好ましくはバリア材料からなる材料の層が、既にあるプリフォーム上に射出される被覆工程を記述するために使用される。特に好ましい実施形態においては、上面射出工程は、下にあるプリフォームが完全に固化しない間に行われる。上面射出工程は、バリア材料、リサイクルされたPET、あるいはその他の材料などからなる材料の1層あるいはそれ以上の追加の層を被覆されたあるいは未被覆のプリフォーム上に配置するために用いられることができる。

    【0147】 上面成形は、未被覆のプリフォーム自体を形成するのに使われる装置に似た装置を用いた射出成形工程を用いて実施される。 上面成形に対する好ましい型は、
    適所にある未被覆のプリフォームとともに図9に示される。 型は、2つの半型、
    型空間半型52と中子半型54を有し、図9中に上面射出に先立つ閉められた位置で示される。 型空間半型52は未被覆のプリフォームが配置される型空間を有する。 プリフォームの支持環6は、棚58に支えられ、支持環6に圧力を印加する中子半型54によって適所に保持され、頸状部をプリフォームの本体部から密閉する。 型空間半型52は、液体を運ぶ複数の配管あるいは水路55を有する。
    好ましくは、水路中の液体は、型空間半型52中の入り口の中に入り、水路55
    を通って、出口から型空間半型52の外へ出て、冷却装置あるいはその他の冷却手段を通り、そして上記入り口に戻る経路にて循環する。 循環する液体は型を冷却する機能を持ち、同様に型は被覆されたプリフォームを形成するために型中に射出されたプラスチック溶融物を冷却する。

    【0148】 中子半型は中子を有する。 中子96は、しばしばコアと呼ばれるが、中子半型54から突き出て、プリフォームの中央の型空間を占める。 中子96は、型中においてプリフォームを中心に配置するのを助けるのに加えて、プリフォームの内側を冷却する。 中子半型54中の水路57を、最も重要には中子96自身の全体を渡って通過して循環する液体による冷却がなされる。 中子半型54中の水路5
    7は、型空間半型52中の水路55と似た働きをし、その中に冷却液体が進んで通り、半型の内側に配置される経路の位置を形成する。

    【0149】 プリフォームは型空間内に配置されるとき、プリフォームの本体部は型空間内の中心に配置され、完全に空の空間60に覆われる。 プリフォームは、このように配置され、その後の射出工程の内側の金型中子として機能する。 その後、好ましくはバリア材料を含む上面成形材料の溶融物が射出器からゲート56を通して型空間内に導入され、好ましくは少なくともプリフォームの本体部4を被覆しながら、プリフォームの周囲に流れる。 上面射出に従い、上面成形された層が空の空間60に良く似た大きさおよび形状をとる。

    【0150】 上層成形工程を実施するために、そのTgよりも高い温度で被覆される初期プリフォームを熱するのが好ましい。 PETの場合、温度は好ましくは100〜2
    00℃、より好ましくは180〜225℃である。 PETの結晶化の温度あるいはそれより高い温度が使われると、それは約120℃であるが、プリフォーム中のPETを冷却するときに注意をすべきである。 冷却はプリフォーム中のPET
    に、結晶状態よりもむしろ、好ましい非晶質状態をとらせるのに十分であるべきである。 また、使用される初期プリフォームは、直前に射出成形されて、上面成形工程に好ましい高められた温度であるような、完全に冷却されていないものであっても良い。

    【0151】 被覆材料は、射出成形装置での使用に適合した粘度の溶融物を形成するために加熱される。 このための温度、射出温度は、重合体の溶融範囲と溶融物の粘度は、履歴、化学特性、分子量、分岐の程度およびその他の材料の特性によって変化するので、材料により異なる。 上述された好ましいバリア材料に対しては、注入温度は好ましくは175〜325℃、より好ましくは200〜275℃である。
    例えば、共重合エステルバリア材料であるB−010に対しては、好ましい温度は275℃近傍であり、一方で、PHAE XU−19040.00Lに対しては、好ましい温度は200℃近傍である。 リサイクルされたPETが用いられるなら、射出温度は好ましくは250〜300℃である。 被覆材料は、その後、空の空間60を満たすのに十分な量で型中に射出される。 被覆材料がバリア材料を含むなら、被覆層はバリア層である。

    【0152】 被覆されたプリフォームは、好ましくは少なくともそれが型から取り外せる、
    あるいは、損傷を受けることなく取り扱える点まで冷却され、さらなる冷却が行われる型から取り除かれる。 もしPETが使用され、プリフォームがPETの結晶化の温度近くの温度あるいはそれを越える温度まで加熱されたなら、プリフォームが完全に冷却したときにPETが主として非晶質状態にあることを確実にするために、冷却は適正に速くかつ十分に行われるべきである。 この工程の結果、
    初期プリフォームとその後に形成された被覆材料の間に強くて効果的な結合が生じる。

    【0153】 上面成形は、また、3層あるいはそれ以上の層を有する被覆されたプリフォームを形成するのに用いることができる。 図17中に、本発明の3層の実施形態が示される。 そこに示されたプリフォームは、中間層80と外側層82の2層の被覆層を有する。 層材料の個別の組み合わせに適合するように、または、異なる大きさのボトルを形成するのを可能にするために、図17に示す層の相対的な厚さは変更されてもよい。 当業者に理解されるように、初期プリフォームが既に被覆されたものであることを除いて、上面成形を含む、ここに記載された被覆されたプリフォームを形成する方法の1つにより、上記に記載された工程に類似した工程がたどられる。

    【0154】 a. 好ましい上面成形装置 上面成形工程を行うための好ましい装置は、エンゲル社(Engel、オーストリア)による330−330−200装置の使用に基礎を置き、その型区分は据え付け型半型と可動式半型を有する。 両半型とも、好ましくは硬質の金属により形成されている。 据え付け型半型は、少なくとも2つの型区分を有し、ここで、型区分のぞれぞれは、N個(N>0)の同一の成形空間、冷却液体の入り口および出口、型区分の内部を冷却液体を循環させる水路、射出装置、および、射出装置から各型区分のゲートに溶融した材料を流す熱い湯道(hot runne
    r)を有する。 各型区分は別個のプリフォームの層を形成し、各プリフォームの層は好ましくは異なる材料により形成されるので、各材料および層に要求される異なる潜在的条件に対応するために、各型区分は分離して制御される。 特定の型区分に結合された射出器は、型区分の熱い湯道およびゲートを通して成形空間の内部へ、特定の材料に適した温度で溶融材料を射出する。 型区分固有の冷却液体の入り口および出口は、型区分に射出された特定の材料の特性に適合して、型区分の温度を変化させる。 この結果、各型区分は、特定のプリフォームの層の材料および操作上の要求に適合するように、異なる射出温度、成形温度、圧力、射出量、冷却液体温度、その他を有することができる。

    【0155】 可動式半型は、ターンテーブル102と、複数個のコアあるいは中子96を有する。 整列ピンはプレートが据え付け型半型に向かう、あるいは遠ざかる好ましい水平な方向にスライドして動くのを誘導する。 ターンテーブルは時計方向あるいは反時計方向のいずれかに回転可能であり、プレート上に戴置される。 複数個の中子がターンテーブル上に固定される。 これらの中子はプリフォームの内側の型形状として働き、同時に成形操作中のプリフォームの搬送装置および冷却手段として働く。 中子中の冷却手段は型区分の冷却手段から独立している。

    【0156】 型に対する成形温度あるいは冷却は循環液体の手段により制御される。 可動式半型に対してと、据え付け型半型のそれぞれの型区分に対してとで、分離した冷却液体循環が存在する。 そのため、2つの型区分を有する型においては、2つの型区分に対する分離した冷却と、可動式半型に対する分離した冷却とが存在する。 類似して、据え付け型半型中に3つの型区分を有する型においては、4つの分離した冷却液体循環が組み立てられる:1つは各型区分に対し、総計で3つに対するものであり、もう1つは可動式半型に対する。 各冷却液体循環機構は同様に機能する。 液体が型内に入り、上記図9で議論したような水路あるいは内部の配管のネットワークを通って流れ、その後出口から出る。 出口から、型内に戻って来る前に、液体は液体の流れを維持するポンプ手段と、液体の温度を要求される範囲に維持する冷却手段を通過する。

    【0157】 好ましい実施形態においては、中子と型空間は、スズやクロムなどの硬質の金属で被覆された、ベリリウムなどの熱移動性の高い材料を含む。 硬質の被膜は、
    ベリリウムがプリフォームと直接接触しないように維持し、同時に、取り出しでの解放として働き、硬質な表面を長期に提供する。 熱移動性の高い材料は、より効率的な冷却を可能にし、このように、サイクル時間の短縮の達成の助けとなる。 熱移動性の高い材料は、各中子および/または型空間の全体に堆積されても良く、あるいは、その一部のみに形成されても良い。 少なくとも中子の小片は高い熱移動性の材料を含むのが好ましい。

    【0158】 中子の数は型空間の数の総計に等しく、また、可動式半型上の中子の配置は据え付け型半型上の型空間の配置を反映する。 型を閉めるためには、中子を型空間に添わせながら、可動式半型が据え付け型半型へ移動する。 型を開けるためには、ブロックの中子が可動式半型上に十分明らかとなるように、可動式半型が据え付け型半型から遠ざかり移動する。 中子が型区分から完全に引き出された後、可動式半型のターンテーブルが、異なる型区分に配列するように、中子を回転させる。 このように、中子の据え付け型半型からの引き抜きの後に、可動式半型は3
    60/(据え付け型半型中の型区分の数)度、回転する。 装置が操作中で、引き抜き段階および回転段階においては、中子のうちのいくつか、あるいは全部にプリフォームが存在する。

    【0159】 所定の型区分における型空間の大きさは同一であるが、しかし、型空間の大きさは型区分間で異なる。 未被覆のプリフォームが最初に成形される型空間、即ちプリフォーム成形空間は、最も小さい大きさである。 第1の被覆段階が行われる型区分における型空間の大きさは、未被覆のプリフォームに対応して、さらに上面成形被膜を形成するために被膜材料が射出される空間を提供するために、プリフォーム成形空間よりも大きい。 追加の上面成形段階が行われるそれぞれ次の型区分の型空間は、各被覆段階毎に大きくなるプリフォームの大きさに対応して、
    段々大きくなっている。

    【0160】 1組のプリフォームが成形され、かつ、完全に上面成形された後で、一連の取り出し器が終了したプリフォームを中子から取り出す。 中子の取り出し器は独立に動く、あるいは少なくとも、単一の型区分と同じ数および配置である1組の中子に対して1つの取り出し器が存在し、完了したプリフォームのみが取り出される。 未被覆のあるいは不完全に被覆されたプリフォームは、中子上に残り、次の成形工程へのサイクルへ続けられる。 取り出しは、プリフォームを中子から完全に分離させめ、箱の中へ、あるいは搬送手段上に落とす。 あるいは、プリフォームは取り出しの後も中子上に残り、その後で、ロボットアームあるいはその他の装置が1つあるいは1グループのプリフォームをつかみ、箱の中、搬送手段上あるいは他の要求される位置へ離しても良い。

    【0161】 図10および図11は上記で説明した装置の実施形態に対する模式図を示す。
    図11は据え付け型半型である。 この実施形態においては、ブロック101は2
    つの型区分を有し、1つは3つのプリフォーム成形空間98の1組を有し、他の1つは3つのプリフォーム被覆空間100の1組を有する。 プリフォーム被覆空間100のそれぞれは、上述のように、好ましくは図9に示すようになっている。 プリフォーム成形空間98のそれぞれは、好ましくは図9に示すものに類似しており、その中で、(中子の表面に既にプリフォームがないが、その)中子と、
    型ブロック内の水路を通って液体が循環することで冷却される型の壁によって決まる空間中に材料が射出される。 この結果として、この装置の1つの完全な製造サイクルは、3つの2層プリフォームを産することになる。 1サイクルあたり3
    つよりも多くプリフォームが要求される場合は、据え付け型半型は、各型区分毎に、より多い型空間に対応して再配置することができる。 この例は図14に見られ、ここに、一方は48個のプリフォーム成形空間98を有し、他方は48個のプリフォーム被覆空間100を有する、2つの型区分を有する据え付け型半型が示されている。 もし3層あるいはそれ以上の層が要求されたら、据え付け型半型は、プリフォームの1層毎に1つの型区分となる、追加の型区分の対応して再配置することができる。

    【0162】 図10は可動式半型を図示する。 可動式半型は、ターンテーブル102上に戴置された6つの同一の中子96を有する。 各中子は据え付け型半型上の型空間に対応している。 可動式半型はまた、整列杭94を有し、それは据え付け型半型の整列杭受け95に対応する。 可動式半型が動いて閉じるとき、プリフォーム成形空間98とプリフォーム被覆空間100が中子96に整列するように、整列杭9
    4は対応する整列杭受け95にはめ込まれる。 整列して閉じられた後は、中子9
    6の半分はプリフォーム成形空間98内の中心に配置され、中子96の他の半分はプリフォーム被覆空間100内の中心に配置される。

    【0163】 型空間、中子、および、整列杭と整列杭受けの配置は、型が分離され、適正な度数回転された後、全ての中子が型空間に対して真っ直ぐに向き、全ての整列杭が整列杭受けに真っ直ぐに向くように、十分に対称でなければならない。 さらに、それぞれの中子は、装置で形成されるそれぞれのプリフォームに対して、同一の作りで、成形および上面成形の工程を順に行うのを達成するために、回転の前に存在した型区分とは異なる型区分内の型空間に存在しなければならない。

    【0164】 2つの半型の2つの図面がともに図15および図16に示される。 図15中、
    可動式半型は図中の矢印で示したように、据え付け型半型に向かって動く。 ターンテーブル102上に戴置されている2つの中子96は型空間内に入り始め、一方は成形空間98に、他方は被覆空間100に、それぞれブロック101に配置された型空間に入る。 図16では、中子96は据え付け側の型空間から完全に引き出される。 この図で、冷却の配置が模式的に示されており、プリフォーム成形空間98は、他方の型区分を有するプリフォーム被覆空間100のための冷却循環108から分離している冷却循環106を有する。 2つの中子96は、全ての中子を一緒に繋ぐ1つの系104により冷却される。 図16の矢印は、ターンテーブル102の回転の方向を示す。 ターンテーブルは時計回りに回ることができる。 もし装置は開けられたら中子上にあるであろう被覆されたあるいは被覆されていないプリフォームは示されていない。 整列杭および整列杭受けもまた、明快のために除かれている。

    【0165】 上面形成装置の操作は、2層プリフォームを形成するための2つの型区分を持つ好ましい装置に関して議論される。 可動式半型が据え付け型半型に向かってそれらが接触するまで動かされることにより型は閉じる。 第1の射出装置は、熱い湯道を通して第1型区分中へ、また、それぞれのゲートを通過してプリフォーム成形空間98中へ、第1材料の溶融物を射出し、それぞれ被覆されたプリフォームの内側の層となる未被覆のプリフォームを形成する。 第1材料は、プリフォーム成形空間98と中子96の間の空の空間を満たす。 同時に、第2射出装置は、
    熱い湯道を通して据え付け型半型の第2型区分中へ、また、それぞれのゲートを通過してプリフォーム被覆空間100中へ、第2材料が被覆空間100の壁とそのなかで中子96上に戴置された未被覆のプリフォームとの間の空の空隙(図9
    では60)を満たすように、第2材料の溶融物を射出する。

    【0166】 工程の間ずっと、冷却液体は、プリフォーム成形空間の型区分、プリフォーム被覆空間の型区分、および、可動式半型のそれぞれ対応する3つの分離した領域106,108および104を通って循環している。 このように、溶融物とプリフォームが、中子の内部を通過する可動式半型中の循環によって溶融物とプリフォームの中心部分が、同時に型空間それぞれの循環によって溶融物とプリフォームの外側部分が、冷却されている。 プリフォーム成形空間98を含む第1型区分での冷却液体の操作パラメータは、プリフォームと被膜の異なる材料特性を考慮して、被覆空間を含む第2型区分での冷却液体の操作パラメータから分離されて制御されている。 これらは、今度は、型が開いているか閉まっているかにかかわらず、サイクルを通して、プリフォームの内側に接触冷却をもたらす可動式半型の操作パラメータから分離している。

    【0167】 その後、上にプリフォームを有する全ての中子96が完全にプリフォーム成形空間98とプリフォーム被覆空間100から引き出されるまで、可動式半型は後方へずらされて、2つの半型に分離し、型を開ける。 取り出し器が、中子96から、プリフォーム被覆空間100から取り除かれたばかりの、被覆されて完了したプリフォームを取り出す。 上述したように、取り出し器は、プリフォームを中子から完全に分離せしめ、箱の中へ、あるいは搬送手段上に落としても良く、また、プリフォームが取り出しの後も中子上に残るなら、ロボットアームあるいはその他の装置が1つあるいは1グループのプリフォームをつかみ、箱の中、搬送手段上あるいは他の要求される位置へ離しても良い。 その後、ターンテーブル1
    02は180回転し、上に未被覆のプリフォームを有するそれぞれの中子96がプリフォーム被覆空間100上に配置され、被覆されたプリフォームが取り除かれたばかりのそれぞれの中子がプリフォーム成形空間98に配置される。 ターンテーブル102の回転は、0.3秒程度に速く起きる。 整列杭94を用いると、
    型は再び整列して密着し、第1射出器がプリフォーム成形空間中に第1材料を射出し、一方で、第2射出器がプリフォーム被覆空間中にバリア材料を射出する。

    【0168】 プリフォームが連続的に成形あるいは上面成形されるように、型を閉める、溶融物を射出する、型を開ける、完了したバリアプリフォームを取り出す、ターンテーブルを回転する、および、型を閉める、という製造サイクルが繰り返される。

    【0169】 装置が稼働を開始するとき、最初のサイクルでは、まだプリフォーム被覆空間100中にはプリフォームがない。 このため操作者は、最初の射出の間、第2射出器が第2材料を第2型区分中に射出するのを防止するか、または、第2材料を射出させ、結果として得られる第2材料単独からなるプリフォームを取り出して、その後、捨てるべきである。 この開始のステップの後は、操作者は操作を手動で行ったり、あるいは、工程が自動的に制御されるように、要求されるパラメータをプログラムしても良い。

    【0170】 b. 好ましい上面成形装置を用いた2層プリフォームの形成方法 上述の好ましい上面成形装置を用いて、2層プリフォームが形成される。 一の好ましい実施形態においては、2層プリフォームは、ポリエステルからなる内側の層と、バリア材料からなる外側の層を有する。 特に好ましい実施形態においては、内側の層は未使用のPETからなる。 以下の記述は、未使用のPETからなる内側の層を有する2層プリフォームの特に好ましい実施形態に注意が向けられる。 記述は、図4に示されるタイプの被覆されたプリフォームの1つの組の形成を記述することに注意が向けられる、すなわち、装置の操作全体を記載するのではなく、成形、上面成形および取り出しの工程を通して1つの組のプリフォームを追求するものである。 記載された工程は、壁部3の膜厚の総計が約3mmであり、約2mmの未使用のPETと、約1mmのバリア材料を有するプリフォームに注意が向けられる。 2層の膜厚は図4に示すように、プリフォームの他の部分では変化するだろう。

    【0171】 プリフォームの他の実施形態が用いられたなら、下記に詳細に説明されたパラメータのいくつかは異なるであろうことは、当業者には明らかである。 例えば、
    型を閉じておく時間は、プリフォームの壁部の厚さに依存して変化する。 しかしながら、この好ましい実施形態に対して下記の発表およびこの発表の残りを仮定すれば、当業者は他のプリフォームの実施形態に対する適当なパラメータを決定できるであろう。

    【0172】 上述の装置は、プリフォーム成形空間98を含む型区分に供給する射出器に未使用のPETが供給され、プリフォーム被覆空間100を含む型区分に供給する射出器にバリア材料が供給される装置である。 両半型とも、循環する液体、好ましくは水によって、好ましくは0〜50℃、より好ましくは10〜15℃の温度に冷却される。

    【0173】 可動式半型は、型が閉じるように動かされる。 未使用のPETの溶融物がブロック101の背面を通り、個々のプリフォーム成形空間98中に射出され、被覆されたプリフォームの内側の層となる未被覆のプリフォームを形成する。 PET
    溶融物の射出温度は、好ましくは250〜300℃、より好ましくは265〜2
    80℃である。 好ましくは3〜10秒間、より好ましくは4〜6秒間、型は閉められたままで、その間にPETが型内を循環する水によって冷却される。 この間に、プリフォームのコア部分は溶融状態で固化していないが、プリフォーム成形空間98あるいは中子96の表面と接触する未成形製品の表面は膜を形成し始める。

    【0174】 その後、可動式半型は動かされ、新しく成形されて中子96上に残されているプリフォームが型の据え付け側でむき出しとなる点にあるいはその点を過ぎて、
    2つの半型は離される。 中子96と接触しているプリフォームの内側は冷却し続ける。 冷却は、好ましくは、プリフォーム中でPETが非晶質状態となるように、PETの結晶化速度よりも速い速さで熱を取り除くようにして行われる。 上述のように、冷却された水の型を通しての循環は、この課題を達成するように十分であるべきである。 しかしながら、プリフォームの内側が冷却されている間、プリフォームの外側の表面の温度は、プリフォームの溶融状態のコアから熱を吸収するので、上がり始める。 この加熱が新しく成形されたプリフォームの外側の表面の膜を軟化し始める。

    【0175】 その後、ターンテーブル102は、成形されたプリフォームをその上に有する中子がそれぞれプリフォーム被覆空間100上に配置するように、180°回転する。 このように配置された成形されたプリフォームをその上に有しない中子のそれぞれは、それぞれプリフォーム成形空間98上に配置される。 型は再び閉められる。 好ましくは、プリフォーム成形空間からの取り出しとプリフォーム被覆空間への挿入までの間の時間は1〜10秒、より好ましくは1〜3秒である。

    【0176】 成形されたプリフォームが最初プリフォーム被覆空間100へと配置されたときは、プリフォームの外側の表面は型の表面と接触しない。 このように、接触冷却は内側の中子からだけなので、外側の膜は上述のようにまだ軟化して熱いままである。 被覆されたプリフォームの内側の層を形成する未被覆のプリフォームの外側の表面の高温は、バリア層で被覆されて完了したプリフォームにおけるPE
    Tとバリア層の間の接着の促進の助けとなる。 材料の表面は熱いときにより反応性が高いことは自明とみなされ、バリア材料と未使用のPETの間の化学的相互作用は高温により高められる。 バリア材料は、冷たい表面のプリフォームを被覆し、それに接着するであろうし、このように操作は冷たい初期の未被覆のプリフォームを用いて行われるかもしれないが、未被覆のプリフォームの成形の直後に生じるような高められた温度で上面成形工程が行われるときに、接着は著しくより良くなる。

    【0177】 その後、プリフォームを被覆するために、バリア材料の溶融物がプリフォーム被覆空間100のそれぞれに射出される第2の射出操作が続く。 バリア材料の溶融物の温度は好ましくは160〜300℃である。 個々のバリア材料に対する正確な温度範囲はそのバリア材料の特定の特性に依存するが、この発表を仮定すれば通常の試験により適切な範囲を決定することは当業者の可能な範囲内である。
    例えば、バリア材料XU19040.00Lが用いられるなら、溶融物の温度(
    射出温度)は好ましくは160〜240℃、より好ましくは200〜220℃である。 共重合エステルバリア材料B−010が用いられるなら、射出温度は好ましくは160〜240℃、より好ましくは200〜220℃である。 プリフォーム被覆空間100中で、この組のプリフォームがバリア材料で上面成形される間に、上述のように、プリフォーム成形空間で、他の組の未被覆のプリフォームが成形されている。

    【0178】 射出工程の開始の後、2つの半型は好ましくは3〜10秒、より好ましくは4
    〜6秒、再び離される。 プリフォーム被覆空間100中でバリア層で被覆されたばかりのプリフォームは、中子96から取り出される。 プリフォーム成形空間9
    8中で成形されたばかりの未被覆のプリフォームは、中子96上に残される。 その後、ターンテーブルが180回転されて、その上に未被覆のプリフォームを有する中子が被覆空間100上に配置され、被覆されたプリフォームが取り除かれたばかりの中子96は、それぞれ成形空間98上に配置される。

    【0179】 型を閉める、材料を射出する、型を開ける、完了したバリアプリフォームを取り出す、ターンテーブルを回転する、および、型を閉める、というサイクルが繰り返され、プリフォームが連続的に成形され、および、上面成形される。

    【0180】 ここに発表された工程を用いる多くの利点の1つは、工程のサイクル時間が、
    未被覆のプリフォームを製造する標準的工程のサイクル時間に近いことである;
    即ち、この工程によるプリフォームの成形および被覆は、プリフォーム製造において一般に用いられている標準的方法により同等の大きさの未被覆のPETプリフォームを形成するのに必要な時間と同程度の時間内に行われる。 従って、製品の生産高と収容力における有為な差なしに、未被覆のPETプリフォームの代わりにバリア層で被覆されたPETプリフォームを形成することができる。

    【0181】 PET溶融物がゆっくりと冷却されると、PETは結晶体の形態をとる。 結晶状態の重合体は、非晶質の重合体にようによくブロー成形されないので、本発明に従って容器を形成するのに、結晶状態のPETのプリフォームはうまくなし遂げることが期待されない。 しかし、ここの記載されているように、PETが結晶形成速度より速い速度で冷却されたら、それは非晶質状態をとる。 非晶質状態はブロー成形にとって理想的である。 このように、PETの十分な冷却は、加工されるときに必要とされる程度になし遂げるプリフォームを形成するために重要である。

    【0182】 ここに記述されたような型の中でPETの層が冷却する速度は、それが接触する冷却する表面の温度と同様、PETの層の厚さに比例する。 型温度の要因が一定に保持されているなら、厚いPET層は薄い層よりもゆっくりと冷却する。 これは、厚いPET層の内側の部分から、型の冷却表面に接触するそのPETの外側の表面に熱が移動するのに、より厚い層の中で熱が移動する距離はより大きいので、より薄いPET層の場合よりも長い時間がかかるためである。 このように、より厚いPET層を有するプリフォームは、より薄いPET層を有するプリフォームよりも、長い時間、型の冷却表面と接触することが必要である。 換言すると、全ての条件が同じなら、薄いPETの壁部を有するプリフォームを成形するのよりも、厚いPETの壁部を有するプリフォームを成形するのにより長い時間がかかる。

    【0183】 本発明の未被覆のプリフォームは、上述の装置で第1射出により形成したものを含め、特定の容器の大きさに対して、好ましくは従来のPETプリフォームよりも薄い。 これは、本発明のバリア層で被覆されたプリフォームを形成するのに、従来のPETプリフォーム中のある量のPETが、似た量の好ましいバリア材料の1つに置き換えられることが可能であるからである。 これがなされるのが可能であるのは、上述のように、好ましいバリア材料がPETと似た物理特性を有するからである。 このように、プリフォームあるいは容器の壁部の中におけるP
    ETのほぼ等しい量をバリア材料が置き換えるとき、容器の物理特性に有為な差は生じないであろう。 本発明のバリア層で被覆されたプリフォームの内側の層を形成する好ましい未被覆のプリフォームは壁部が薄く形成されているので、それらは従来の壁部が厚く形成されている相対物よりも早く型から取り除かれることが可能である。 例えば、壁部の厚さの総計が約3mmである従来のPETプリフォームに対する約14〜24秒に比べて、本発明の未被覆のプリフォームは、結晶化させることなく好ましくは約4〜6秒後に型から取り除かれることができる。 概して、本発明のバリア層で被覆されたプリフォームを形成する時間は、この膜厚の総計が同じ単層PETのプリフォームを形成するのに必要な時間と同じか、わずかに大きい(最大で約30%増)くらいである。

    【0184】 その上、好ましいバリア材料は非晶質であるので、それらはPETと同じ種類の取り扱いを必要としない。 このように、上述の成形−上面成形工程にかかるサイクル時間は、一般にPETに必要な冷却時間によって指示される。 上記の方法では、バリア層で被覆されたプリフォームは、未被覆の従来のプリフォームを製造するのにかかるのとほぼ同じ時間内で形成されることが可能である。

    【0185】 その工程で形成されるプリフォームが図4のタイプのものであるなら、より薄いプリフォームにより得られる利点はもっと先の工程にもたらされる。 この被覆されたプリフォームの実施形態においては、端部キャップ10の領域の中央における27でのPETの壁部の厚さは、好ましくは壁部の厚さの総計の約1/3に減じられる。 端部キャップの中央部から、端部キャップの半径領域の端部の外へ移動すると、厚さは、壁部3中の参照番号23におけるように、好ましくは壁部の厚さの総計の約2/3にまで徐々に増加する。 壁部の厚さは一定のままで良く、あるいは、図4に描かれるように、支持環6より前により薄い厚さへ移っても良い。 プリフォームの様々な箇所の厚さは変化してもよいが、全ての場合において、一定のどんなプリフォーム設計に対しても、PET層とバリア層の壁部の厚さは上記の溶融物の流れる臨界厚さを維持しなければならない。

    【0186】 図4の設計のプリフォームを用いることは、図3のタイプのプリフォームを製造するのに使われるサイクル時間よりも、よりいっそう短いサイクル時間を可能にする。 上述のように、短いサイクル時間に対するもっとも大きな障害の1つは、射出に続いてPETが型内で冷却されるのに必要な時間の長さである。 もしP
    ETを含むプリフォームが、中子から取り外される前に、十分に冷却されなかったら、それは結晶化し、潜在的にブロー成形における困難を生じさせる。 さらに、上面成形工程が行われる前に、PET層が十分に冷却されていなかったら、バリア材料が型内に入るときの力がゲート領域近傍のPETの一部をえぐりとってしまう。 図4のプリフォーム設計は、型内でゲートが存在する場所である、PE
    T層を端部キャップ領域の中央部において最も薄く形成することで、両問題を処理する。 薄いゲート区分は、上面成形段階中のゲートの結晶化と第2射出あるいはPETのえぐりとりを避けながら、未被覆のPET層が相対的に短い時間で取り除かれても良いように、ゲート領域がより早く冷却するのを可能にする。

    【0187】 本発明の好ましいバリア材料の物理特性は、このタイプのプリフォーム設計を実行可能にする助けとなる。 物理特性の類似性のために、主としてバリア材料である壁部を有する容器は容器の性能を犠牲にすることなく形成されることができる。 使用されるバリア材料がPETに似ていないなら、図4に示す可変的な壁部構成を有する容器は、容器性能に影響を及ぼしうる弱い箇所あるいは他の傷を有するであろう。

    【0188】 7. 薄膜射出成形 バリア層あるいはバリアプリフォームは薄膜射出成形(LIM)と呼ばれる工程によって形成されることも可能である。 LIM工程の本質は、複数の薄い層から構成される溶融物流れの形成である。 この適用においては、LIM溶融物流れがPETとバリア材料が1層置きに配置された薄層からなることが好ましい。

    【0189】 薄膜射出形成の1方法は、Schrenkに付与されたいくつかの特許である米国特許5,202,074号、5,540,878号および5,628,95
    0号に開示された系に類似した系を用いて実行され、その方法および類似した薄膜溶融物流れを得る他の方法の使用は本発明の一部として期待されているが、これらの開示はこの参照によりそのまま全部組み入れられる。 図12を参照すると、LIM系の模式図が示される。 図12の系は2種の材料系を示すが、3種あるいはそれ以上の材料に対する系は類似した様式で使用されることができることが理解されるであろう。 層を形成する予定の2種の材料は、少なくともその内の1
    種は好ましくはバリア材料であるが、2つの分離したシリンダ86および87にそれぞれ原料を供給する、分離した漏斗84および85内に配置される。 それら材料は、各シリンダからの層からなる薄膜溶融物流れを形成するため、要求されたそれぞれの材料の相対量をもたらすように設計された速度で共有押し出しされる。

    【0190】 結合されたシリンダから出される薄膜溶融物流れは、その後、層形成系88に適用される。 層形成系においては、2つの層の溶融物流れは、たくさんの層を有するケーキのこね粉を作るような動作の一連の繰り返しにより、多層の溶融物流れへと増やされる。 最初に、溶融物流れの1つの区分を2つの層の界面に対して垂直な2つの部分に分割する。 その後、上記2つの部分は、もとの区分の半分の厚さしかないが、2つの部分のそれぞれがもとの区分とほぼ同じくらいの長さとなるように、平坦化される。 その後、上記2つの部分は再結合され、2つの材料の副層が互いに平行となるように、1つの部分の上に他の部分を重ねることにより、もとの区分に似た寸法を持つが、4つの層を持つ1つの部分となる。 これらの、分割、平坦化、溶融物流れの再結合の3つの段階は、より薄い層を形成するために数回繰り返されても良い。 溶融物流れは、複数の成分材料の副層からなる1つの溶融物の流れを製造するために、分割、平坦化および再結合を何回か行うことで増やされてもよい。 この2種の材料の実施形態においては、層の構成は、
    2種の材料が1層置きに配置される。 層生成系からに生成物は89を通過し、型の中へ射出されてプリフォームあるいは被膜を形成する。

    【0191】 薄膜溶融物流れを生成する図12に示す系は、上述の上面成形方法および装置の射出器の一方あるいは両方の代わりに使われても良い。 また、バリア材料を含む溶融物流れの場合は、LIM溶融物流れの1回の射出を用いてバリアプリフォームが形成されることが可能である。 プリフォームが全くLIM溶融物流れのみから形成される、あるいは、LIM溶融物流れから形成される内側の層を有するように形成され、また、それから形成される容器が食用品と接触する予定なら、
    LIM溶融物流れの全ての材料がFDAに認可されていることが好ましい。

    【0192】 一の好ましい実施形態においては、図4のタイプのプリフォームは、薄膜溶融物流れがバリア被覆空間100へと射出される射出膜の上面への射出工程を用いて形成される(図11)。 プリフォームが薄膜溶融物流れにより上面成形されるそのような方法は、射出膜の上面へのLIM(LIM−over−inject
    )とも呼ばれる。 ブロー成形により飲料ボトルに形成されるプリフォームを形成するための射出膜の上面へのLIM工程において、第1または内側の層は好ましくは未使用のPETであり、LIM溶融物流れは好ましくはPHAEなどのバリア材料およびリサイクルされたPETである。 リサイクルされたPETは、食用品と接触して用いられないので外側の層に使用され、容器の大半を形成するために用いるのに、未使用のPETやほとんどのバリア材料よりも安い。

    【0193】 図4Aは、射出膜の上面へのLIM工程により形成された図4のタイプのプリフォームの壁部3の拡大図である。 内側の層110は1種の材料からなるが、外側の層112はLIM工程により形成された複数の薄層から構成される。

    【0194】 そのようなプリフォームを形成するための典型的な工程は次の通りである。 リサイクルされたポリエチレンテレフタレートが第1シリンダ86へ供給漏斗84
    を通して適用され、一方同時に、バリア材料が第2シリンダ87へ第2供給漏斗85を通して適用される。 2種の材料は、好ましくは60〜95重量%のリサイクルされたポリエチレンテレフタレートと好ましくは5〜40重量%のバリア材料を含む2層薄膜溶融物流れをもたらす速度で共有押し出しされる。 薄膜溶融物流れは、好ましくは少なくとも2回の、分割、平坦化および溶融物流れの再結合によって2種の材料を含む薄膜の溶融物の流れが形成される層形成系88に適用される。 薄膜の溶融物の流れは89から出て、その後、図9に示すような型内に射出される。 好ましくは、薄膜の溶融物の流れは、射出膜の上面へのLIMで被覆された、バリア材料とリサイクルされたPETの薄層が1層置きに配置された構成のバリア層を有するプリフォームを形成するために、図11および12のような上面成形装置のプリフォーム被覆空間100内に射出される。

    【0195】 もう1つの典型的な工程においては、未使用のPETが第1シリンダ86へ供給漏斗84を通して適用され、一方同時に、B−010が第2シリンダ87へ第2供給漏斗85を通して適用される。 2種の重合体は、好ましくは60〜95重量%の未使用のポリエチレンテレフタレートと好ましくは5〜40重量%のB−
    010を含む溶融物流れをもたらす速度で共有押し出しされる。 2層の溶融物流れは、好ましくは少なくとも2回の、分割、平坦化および溶融物流れの再結合によって2種の材料を含む薄膜の溶融物の流れが形成される層形成系88に適用される。 薄膜の溶融物の流れは89から出て、その後、上述の好ましい上面成形装置のプリフォーム成形空間98内に射出される。 この初期LIMプリフォームは、プリフォーム被覆空間100中でリサイクルされたPETで上面射出されて、
    バリア材料と未使用のPETの薄層が1層置きに配置された構成の内側の層と、
    リサイクルされたPETの外側の層を有するプリフォームを製造する。 そのような工程はLIM膜の上面への射出(inject−over−LIM)と呼ばれても良い。

    【0196】 多層のプリフォーム、射出膜の上面へのLIMの実施形態、または、LIM膜の上面への射出の実施形態において、薄膜射出系は、好ましくはPETとバリア材料からなり、1層置きに繰り返す複数の副層をもたらすために効果的に用いられることができる。 発明のこれらの実施形態の多層は、飲料容器または他の食品生産物の容器の側壁を通ってのガスの早期拡散に対抗するさらなる保護を提供する。

    【0197】 H. ブロー成形による好ましい容器の形成 本発明のバリア層で被覆された容器は、好ましくは、バリア層で被覆されたプリフォームをブロー成形することで製造され、このバリア層で被覆されたプリフォームの製造は上記に開示されている。 本発明のバリア層で被覆されたプリフォームは、未被覆のPETプリフォームは容器に吹きつけられる技術および条件に、同一でないにしても、大変似た技術および条件を用いてブロー成形されることが可能である。 単層のPETのプリフォームをボトルへとブロー成形する、そのような技術および条件は、当業者に良く知られており、必要なら用いられ、あるいは、応用されることができる。

    【0198】 一般的にそのような工程では、プリフォームは好ましくは90〜120℃、より好ましくは100〜105℃の温度に加熱され、平衡にするために短い時間が与えられる。 平衡の後、それは、ほぼ最終的な容器の長さに近い長さまで引き延ばされる。 引き延ばしに続いて、圧力をかけた空気がプリフォームの中に押し入れられ、プリフォームの壁部が型に適合して型に支えられるように、プリフォームの壁部を拡張し、このようにして、容器を形成する。

    【0199】 本発明は一定の好ましい実施形態および一定の典型的な方法に関して説明されたが、発明の範囲はそれに限定される必要がないことが理解されなければならない。 その代わりに、発明の範囲は添付の請求項を参照してのみ限定されること、
    また、ここに開示された方法と材料の当業者に明らかな変更は出願人の発明の範囲にあることを出願人は意図する。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】 図1は、本発明において開始の材料として用いられる未被覆のプリフォームである。

    【図2】 図2は、本発明に従ってバリア層で被覆されるタイプの好ましい未被覆のプリフォームの断面図である。

    【図3】 図3は、本発明のバリア層で被覆されたプリフォームの一の好ましい実施形態の断面図である。

    【図4】 図4は、本発明のバリア層で被覆されたプリフォームの他の好ましい実施形態の断面図であり、図4Aは、射出成形膜上への薄膜射出成形(LIM)工程によって形成されるようなプリフォームの壁部の拡大図である。 本発明に従って形成される図4に示すタイプの全てのプリフォームが、このタイプの層構成を有するものではない。

    【図5】 図5は、本発明のバリア層で被覆されたプリフォームの他の実施形態の断面図である。

    【図6】 図6は、本発明の好ましいバリア層で被覆された容器を形成するのに用いることができるタイプのブロー成形装置の型空間における好ましいプリフォームの断面図である。

    【図7】 図7は、本発明のバリア層で被覆された容器の一の好ましい実施形態である。

    【図8】 図8は、本発明のバリア層で被覆された容器の一の好ましい実施形態の断面図である。

    【図9】 図9は、本発明の好ましいバリア層で被覆されたプリフォームを形成するのに用いることができるタイプの射出成形型の断面図である。

    【図10】 図10は、バリア層で被覆されたプリフォームを形成する成形機の2つの半型である。

    【図11】 図11は、バリア層で被覆されたプリフォームを形成する成形機の2つの半型である。

    【図12】 図12は、薄膜射出成形(LIM)系の模式図である。

    【図13】 図13は、48個の2層プリフォームを形成する成形機の2つの半型である。

    【図14】 図14は、48個の2層プリフォームを形成する成形機の2つの半型である。

    【図15】 図15は、成形型空間内に部分的に配置された中子を伴う型の模式的斜視図である。

    【図16】 図16は、回転に先立って、成形型空間から完全に取り出された中子を伴う型の模式的斜視図である。

    【図17】 図17は、プリフォームの3層実施形態である。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG, KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,L U,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO ,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG, SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,U G,UZ,VN,YU,ZW (71)出願人 2250 Cherry Industria l Circle, Long Beac h, California 90805, United States of Am erica (72)発明者 リー,ロバート エー イギリス,チェシャイヤ ダブルエー14, 3ジェーピー,ボウドン,ブックロー ビ ュー 9 Fターム(参考) 4F100 AK41A AK41B AK41C AK42A AK42B AK42C AK54A AL01A BA03 BA06 BA07 BA10B CA23A DA01 DA02 EH17 EH36 GB16 JA05A JD02 JD02A JL16 JL16C YY00A 4F208 AA24 AD12 AD27 AH55 LA01 LA08 LB01 LB22 LG03 LG06 LG17 LG29 LG39 LH06

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