タンニン含有ポリマーを用いて藻類を凝集させる方法

申请号 JP2017123804 申请日 2017-06-26 公开(公告)号 JP6392416B2 公开(公告)日 2018-09-19
申请人 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ; 发明人 ウォルタリック,ジェラルド・セシル,ジュニア; ホイット,デイヴィッド; ジュチンスキ,ジョン;
摘要
权利要求

分散藻類を性系から分離するための方法であって、 水性系にタンニンと陽イオン性モノマーのコポリマーを含む50ppm〜100ppmのタンニン含有ポリマーを添加することと、 水性系を混合して、複数の分散藻類細胞内でタンニン含有ポリマーと分散藻類との複合体化を促進し、収穫のために凝集集合体を形成することと、 凝集集合体を水性系から分離して、水性系の藻類濃度を84%以上減少させること を含む方法。陽イオン性モノマーが、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド及びジメチルアミノプロピルアクリルアミドの塩化メチル又はジメチル硫酸第四塩、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド及びジアリルジエチルアンモニウムクロリド、並びにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1記載の方法。タンニン含有ポリマーがさらに、陰イオン性モノマー、非イオン性モノマー及びこれらの混合物からなる群から選択される1種以上のモノマーを含む、請求項1記載の方法。非イオン性モノマーが、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチル−アクリルアミド、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル及びメタクリル酸ヒドロキシエチル、アリルグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのエトキシル化アリルエーテル、及びポリプロピレングリコール、並びにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項3記載の方法。陰イオン性モノマーが、アクリル酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、イタコン酸、マレイン酸、アリル酢酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及び3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、並びにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項3記載の方法。タンニンの重量割合がタンニン含有ポリマーの20%〜80%であり、陽イオン性モノマーの重量割合がタンニン含有ポリマーの80%〜20%である、請求項1記載の方法。タンニンの重量割合がタンニン含有ポリマーの30%〜50%であり、陽イオン性モノマーの重量割合がタンニン含有ポリマーの70%〜50%である、請求項1記載の方法。凝集集合体を水性系から分離することが濾過を実施することを含む、請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載の方法。凝集集合体を水性系から分離することが重沈降を実施することを含む、請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載の方法。水性系が廃水処理系である、請求項1乃至請求項9のいずれか1項記載の方法。分散藻類が藻類バイオ燃料生産システム内に存在する、請求項1乃至請求項9のいずれか1項記載の方法。タンニン含有ポリマーが30%タンニンと70%アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(AETAC)とを含む、請求項1乃至請求項11のいずれか1項記載の方法。複合体化が分散藻類を少なくとも95%低下させる、請求項1乃至請求項12のいずれか1項記載の方法。

说明书全文

本発明の実施形態は、広義には処理に関し、特にタンニン含有ポリマーを用いて水性系で藻類を凝集させる方法に関する。

水処理用の給水は毒性化学物質、溶解油並びに様々な大きさの各種有機及び無機粒子のような様々な夾雑物が混入していることが多い。別の一般的な夾雑物として藻類がある。給水からの藻類の除去が不十分であると下流の公共設備及びプラントプロセスの作動に問題を生じかねない。例えば、濾過前の藻類の除去が不十分であると、フィルターが詰まり、濾過の作動コストが増大し、頻繁なフィルターの洗浄サイクルに水が浪費される。

廃水処理池及び貯水槽において、バルク廃水からの藻類の除去が不十分であると、流水の総懸濁固体量(TSS)、化学的酸素要求量(COD)及び栄養流出濃度の一因となる可能性がある。これらの要因は各々一般に所定の排出許容量によって規制されているので、廃水からの藻類の除去が不十分であると、排出許容量の違反及び課せられる罰金をもたらす可能性がある。

加えて、化石燃料に基づく輸送燃料のエスカレートする高価格、かかる燃料に対する非常に大きい世界的な需要及びこれらの燃料の広範な使用の負の環境インパクトのために、市場はよりクリーンで再生可能な代替の燃料、すなわちバイオ燃料の使用に大きく傾いている。藻類のバイオ燃料の生産において、バルクの水からの藻類細胞の効率が悪い分離の結果として、下流の収穫及びバイオ燃料抽出プロセスへの藻類スラリーの固形分濃度が低くなる。この藻類細胞の効率の悪い分離はバイオ燃料の生産プロセスの効率に悪影響を及ぼす。

水からの藻類の分離は、硫酸アルミニウムを使用する伝統的な方法により既に達成されている。硫酸アルミニウムは毒性の化学物質であるので、その添加は沈殿した藻類の品質を維持する上で有害である。

このように、分散藻類を給水から分離するための効率的な方法に対する引き続くニーズが存在している。

米国特許第5684109号

本発明の一実施形態では、分散藻類を水性系から分離する方法が提供される。本方法は、タンニン含有ポリマーを水性系に添加して凝集集合体を形成させ、凝集集合体を水性系から分離することを含む。

本発明の別の実施形態では、分散藻類を含む水を藻類バイオ燃料生産システムで前処理する方法が提供され、この方法は、タンニン含有ポリマーを水に添加して凝集集合体を形成し、この凝集集合体を水から分離することを含む。

以下、様々な実施形態について説明する。

単数形で記載したものであっても、前後関係から明らかでない限り、複数の場合も含めて意味する。同じ成分又は性質に関するすべての範囲はその上下限を含み、独立に結合可能である。引用した文献の開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす。数量に用いられる「約」という修飾語は、標記の数値を含み、文脈毎に決まる意味をもつ(例えば、特定の数量の測定に付随する誤差範囲を含む 「任意の」又は「任意には」という用語は、その用語に続いて記載された事象又は状況が起きても起きなくてもよいこと、或いはその用語に続いて記載された材料が存在しても存在しなくてもよいことを意味しており、かかる記載はその事象又は状況が起こる場合と起こらない場合並びにその材料が存在する場合と存在しない場合とを包含する。

水溶性」とは、化合物(例えば水溶性である旨記載されたポリマー、ブロックコポリマー又はモノマーなど)が水又は水溶液に溶解性であることを意味する。一実施形態では、「水溶性」という用語は、標記の化合物、ブロックコポリマー又はモノマーが水又は水溶液と完全に混和性であることを意味する。

「水不溶性」とは、化合物(例えば水不溶性である旨記載されたポリマー又はモノマーなど)が水又は水溶液に非溶解性又は難溶性であることを意味する。

タンニン酸ともいわれるタンニンは、多くの植物の葉、枝、樹皮及び果実に存在する。A.Pizziの“Condensed Tannin for Adhesives”,Ind.Eng.Chem.Prod.Res.Dev.1982,21,359−369頁に記載されているように、天然タンニンは「加水分解性」タンニン及び「縮合」タンニンとして存在し得る。タンニンの組成及び構造は原料及び抽出方法によって変動するが、経験上構造はC76H52O46で与えられ、芳香環に結合した多くのOH基を有する。本発明の実施形態で使用するタンニンは、特に限定されないが、ケブラコ(Quebracho)、ミモザ(Mimosa)及びウルシ(Sumac)由来のものを始めとする縮合タンニン型である。ただし、加水分解性タンニンも本発明の技術的範囲に属する。

本発明の実施形態は、タンニン含有ポリマーを用いた水性系中の藻類の凝集に関する。特に、タンニン含有ポリマーは、タンニンと陽イオン性モノマーのコポリマーを含む、タンニン含有水溶性又は分散性ポリマー組成物に関する。本発明の別の実施形態では、タンニン含有水溶性又は分散性ポリマー組成物は、タンニンポリマー、陽イオン性モノマー、及び陰イオン性モノマー及び非イオン性モノマーからなる群から選択される1種以上のモノマーを含む。

陽イオン性モノマーはエチレン性不飽和第四アンモニウム、ホスホニウム又はスルホニウムイオンを含有する群から選択され得る。典型的な陽イオン性モノマーはジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド及びジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの第四アンモニウム塩、並びにジアリルジアルキルアンモニウムクロリドである。

一実施形態では、陽イオン性モノマーは、特に限定されないが、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド及びジメチルアミノプロピルアクリルアミドの塩化メチル又はジメチル硫酸第四塩、並びにジアリルジメチルアンモニウムクロリド及びジアリルジエチルアンモニウムクロリドを含む群から選択される。別の実施形態では、陽イオン性モノマーはジエチルアミノエチルアクリレートの塩化メチル第四塩である。

一実施形態では、陰イオン性モノマーはエチレン性不飽和カルボン酸又はスルホン酸官能基を含有する群から選択される。これらのモノマーには、アクリル酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、イタコン酸、マレイン酸、アリル酢酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS(登録商標))及び3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸並びにこれらの塩があるが、これら限定されない。別の実施形態では、陰イオン性モノマーはアクリル酸である。

一実施形態では、非イオン性モノマーは、特に限定されないが、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチル−アクリルアミド、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、及びメタクリル酸メチルを含む低級アルキル(C1〜C6)エステル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル及びメタクリル酸ヒドロキシエチルを含むヒドロキシル化低級アルキル(C1〜C6)エステル、アリルグリシジルエーテル、並びにポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びプロポキシル化アクリレートのエトキシル化アリルエーテルを含むエチレン性不飽和非イオン性モノマーの群から選択される。別の実施形態では、非イオン性モノマーはアリルグリシジルエーテル及びアクリルアミドである。

タンニン含有ポリマーは10〜80重量%のタンニン、20〜90重量%の陽イオン性モノマー、0〜30重量%の非イオン性モノマー及び0〜20重量%の陰イオン性モノマーを含有し得るが、得られるタンニン含有ポリマーはやはり水溶性又は分散性であり、陽イオン性、非イオン性及び陰イオン性モノマー並びにタンニンの合計重量%は100%となることを条件とする。タンニン含有ポリマー中に陽イオン性モノマーと陰イオン性モノマーが共に存在する実施形態では、陽イオン性モノマーの重量割合は陰イオン性モノマーより大きい。

一実施形態では、タンニンと陽イオン性モノマーのコポリマーは20〜80重量%のタンニンを含有する。別の実施形態では、コポリマーは30〜60重量%のタンニンを含有する。もう1つ別の実施形態では、コポリマーは30〜50重量%のタンニンを含有するが、タンニンと陽イオン性モノマーの合計重量は100重量%である。さらに別の実施形態では、コポリマーは重量%で30%のタンニンと70%の陽イオン性モノマー及び50%のタンニンと50%の陽イオン性モノマーを有する。一実施形態では、コポリマーはMimosa型タンニンであるタンニンを含み、陽イオン性モノマーはジメチルアミノエチルアクリレートの塩化メチル第四塩である。

本発明の一実施形態では、分散藻類を水性系から分離する方法が提供される。この方法は、タンニン含有ポリマーを水性系に添加して凝集集合体を形成し、凝集集合体を水性系から分離することを含む。

本方法はまた、水性系を混合してタンニン含有ポリマーと分散藻類との接触を促進することも含み得る。混合は、所定の時間、又は分散藻類とタンニン含有ポリマーとが分散藻類細胞より大きい大きさの凝集集合体を形成することができるように充分な時間継続し得る。

タンニン含有ポリマーは水溶液中にあるとき数多くの陽イオン性官能基を含有することが認められている。負の電荷を有する分散藻類細胞はタンニン含有ポリマーと共に強固な複合体を形成する。この結果大きい凝集集合体が生成する。この凝集集合体は十分に大きいので、水性系からの凝集集合体の分離は濾過を実施することを含み得る。また、凝集集合体は十分に重いので、水性系からの凝集集合体の分離は重沈降を実施することを含み得る。

本発明の一実施形態では、タンニン含有ポリマーは、水性系に対して約0ppm(百万部当たりの部)〜水性系に対して約100ppmの濃度で水性系中に含まれ得、代わりの範囲は水性系に対して約50ppm〜水性系に対して約100ppmである。

本明細書に開示されている方法及び処方により処理することができる系は広範で多岐にわたり、特に水性系における藻類の除去のための化学的処理を含むあらゆる公知の系であり得る。一実施形態では水性系は廃水処理システムであり得る。別の実施形態では、水性系は藻類バイオ燃料生産システムであり得る。

以下、単なる代表例である幾つかの実施例に関連して本発明の実施形態を説明する。各々の実施例は説明のために提供され、限定を意味するものではない。例えば、一実施形態の一部として例示又は記載された特徴を他の実施形態と併せて使用してさらに別の実施形態を構成することができる。本開示はかかる修正と変化を包含するものである。

タンニン含有ポリマーの凝集及び沈降により藻類を除去する能力を評価するために実験室ジャーテストによる検討を行った。試験は、普通に存在する藍藻類であるクロレラ・ピレノイドサ(chlorella pyrenoidosa)の純粋培養物を使用して行った。藻類試験基材を調製するために、藻類(クロレラ・ピレノイドサ(chlorella pyrenoidosa))の60mlの試料をBurlington,NCのCarolina Biological Supply Co.から入手した。この試料を0.85%NaCl溶液で1リットルに希釈してジャーテスト評価に使用するのに充分な量を準備した。この希釈された試験基材は次の性質を有していた。 pH=9.32 430nmでの吸光度=0.530(Hach DR−2000 Spectrophotometerで測定) 濁度=25ntu(Hach Model 18900 Ratio Turbidimeterで測定) 細胞計数=4875000細胞/ml(Biocide Development GroupのD.Duvallにより測定)。

凝集及び沈降による藻類除去に対する様々な化学的処理の影響を決定するために以下の手順を使用した。 1)評価した各化学的処理に対して、80mlの希薄藻類培養物を100mlのビーカーに入れた。 2)この藻類培養物を、1.5インチ幅×0.75インチ高の長方形パドルを備えたPhipps and Bird 6−place gang−攪拌機を用いて30rpmで混合した。 3)30rpmで混合しながら、下記表1に示すように化学的処理剤を藻類培養物に加えた。 4)各々の処理された試料を30分間30rpmで混合した。 5)30分の混合期間後、混合を停止し、パドルをビーカーから取り除き、静止条件を20分間維持して凝集した藻類を重力沈降によりバルク溶液から分離させた。 6)ビーカーの頂部からデカントすることによって各々の試験したビーカーの上澄み試料を得た。 7)上記分析機器を使用して各々の上澄み試料の濁度と430nmにおける吸光度を分析した。

試験した製品は、 ポリマーA:タンニン含有ポリマー、50%タンニン/50%アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(AETAC)を含む ポリマーB:タンニン含有ポリマー、30%タンニン/70%AETAC であった。

結果は、タンニン含有ポリマー、すなわちポリマーA及びポリマーBがいずれも吸光度及び濁度の優れた低減を達成するのに効果的であったことを示している。吸光度は藻類細胞の濃度に正比例するので、吸光度が低ければ藻類の濃度は低い。従って、これらの結果は、タンニン含有ポリマーが藻類濃度を効果的に低減したことを立証している。例えば、1つの試験において、ポリマーAは藻類を約95%低下させた。

以上記載した説明では、最良の態様を含む例を用いて、記載されている主題を当業者が作成し使用することができるようにした。様々な特定の実施形態が上に開示されているが、当業者には認識されるように、特許請求の範囲の思想と範囲では同等に有効な修正が可能である。殊に、上に記載した実施形態の相互に非排他的な特徴は互いに組み合わせ得る。特許可能な範囲は特許請求の範囲により規定されており、かかる修正及び当業者には自明の他の例を包含し得る。かかる他の例は、特許請求の範囲の文言と異ならない構造要素を有する場合、又は特許請求の範囲の文言と実質的に異ならない等価な構造要素を含む場合、特許請求の範囲の範囲内であると考えられる。

本明細書では、本発明を最良の形態を含めて開示するとともに、装置又はシステムの製造・使用及び方法の実施を始め、本発明を当業者が実施できるようにするため、例を用いて説明してきた。本発明の特許性を有する範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者に自明な他の例も包含する。かかる他の例は、特許請求の範囲の文言上の差のない構成要素を有しているか、或いは特許請求の範囲の文言と実質的な差のない均等な構成要素を有していれば、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に属する。

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