Feeding methods and classification method

申请号 JP2009167812 申请日 2009-07-16 公开(公告)号 JP5459471B2 公开(公告)日 2014-04-02
申请人 富士ゼロックス株式会社; 发明人 博 小島; 高木  誠一; 和哉 本郷;
摘要
权利要求
  • 粒子を含まない輸送液を送液路に導入する工程と、
    粒子を含む分散液を分散液導入口から送液路 の鉛直方向の上方に導入する工程と、
    散液 及び輸送液を送液路に層流にて送液する工程と、
    散液 及び輸送液を送液路の下流から排出する工程と、
    を含み、
    分散液導入口の流路幅は、送液路の流路幅以下であり、
    液路は、鉛直方向に曲がり部を備え、
    分散液導入口の流路幅が送液路の流路幅よりも小さい場合には、上方に凸の形状を有する曲がり部に輸送液及び分散液を送液し、
    分散液導入口の流路幅が送液路の流路幅と同じである場合には、下方に凸の形状を有する曲がり部に輸送液及び分散液を送液し、
    がり部において、粒子が重力により移動することで生じる置換流を打ち消すディーン渦を発生させることを特徴とする 分散液の送液方法。
  • 分散液導入口は、送液路の上部、かつ、流路幅中央に設けられている、請求項1に記載の送液方法。
  • 請求項1 又は2に記載の送液方法において、
    分散液が含有する粒子の比重が、分散液の分散媒の比重よりも大きく、
    分散液が送液路を送液される工程において、粒子の分級が行われることを特徴とする
    送液方法
  • 说明书全文

    本発明は、送液方法及び分級方法に関する。

    近年マイクロオーダーを代表とする微細流路を用いた、化学工学単位操作が注目されている。 微細流路を用いる場合、流体は層流となり、乱れがないため、粒子の堆積や流路閉塞を避ける一般的な方法としては、分散媒体を粒子の密度と同じものを使用することが挙げられる。 この方法を用いれば、粒子は沈降することはないので、堆積、閉塞を防ぐことが可能となる。
    特許文献1にあるように、重方向に分散媒体を送液する方法が提案されている。 また、略平方向に送液する方法としては、特許文献2において、微粒子を含まない流体を別途送液する方法が提案されている。
    特許文献3では、湾曲形状の流路を持つマイクロチャネル装置により遠心力を発生させ、粒子を分離することが提案されている。 粒子は遠心力により湾曲の外側に移動するが、同時に遠心力はディーン渦という渦を発生させ、微粉はそのディーン渦に運ばれ湾曲内部に移動するが、粗粉はそのまま湾曲外部にとどまるため分離が可能となる。

    特開2005−319409号公報

    特開2006−116520号公報

    特開2004−330008号公報

    本発明の課題は、置換流による粒子の沈降が抑制された送液方法を提供することである 。 さらに、 分級を目的とした送液方法を提供することである

    本発明の上記課題は、以下の<1>及び<5>に記載の手段により解決された。 好ましい実施態様である<2>〜<4>とともに以下に記載する。
    <1> 粒子を含む分散液を分散液導入口から送液路に導入する工程と、該分散液を送液路に層流にて送液する工程と、該分散液を送液路の下流から排出する工程と、を含み、該送液路は、鉛直方向に曲がり部を備え、該曲がり部において、粒子が重力により移動することで生じる置換流を打ち消すディーン渦を発生させることを特徴とする分散液の送液方法、
    <2> さらに、粒子を含まない輸送液を分散液よりも鉛直方向の下方から送液路に導入する工程と、該輸送液を送液路に層流にて送液する工程と、を含む、<1>に記載の送液方法、
    <3> 送液路が鉛直方向に極大点を有し、分散液導入口の流路幅が、前記送液路の流路幅よりも小さい、<1>又は<2>に記載の送液方法、
    <4> 送液路が鉛直方向に極小点を有し、分散液導入口の流路幅が、前記送液路の流路幅と同じである、<1>又は<2>に記載の送液方法、
    <5> <1>〜<4>いずれか1つに記載の送液方法において、分散液が含有する粒子の比重が、分散液の分散媒の比重よりも大きく、分散液が送液路を送液される工程において、粒子の分級が行われることを特徴とする分級方法。

    上記<1>に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、粒子の沈降が抑制される。
    上記<2>に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、より粒子の沈降が抑制される。
    上記<3>、<4>に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、粒子の沈降がより確実に抑制される。
    上記<5>に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、効率に優れる分級方法が提供される。

    本実施形態に使用する送液装置の側面図の例示である。

    本実施形態に使用する送液装置の一例を示す側面図及び斜視図である。

    本実施形態に使用する送液装置の他の一例を示す側面図及び斜視図である。

    本実施形態に使用する送液装置のさらに他の一例を示す側面図である。

    従来の送液装置の一例を示す側面図である。

    粒子の挙動の一例を示す模式図である。

    粒子の挙動の他の一例を示す模式図である。

    曲がり部で発生する遠心力F1とディーン渦F2及びF3の説明断面図である。

    実施例における部分分級効率及び体積頻度を表すグラフである。

    本発明の分散液の送液方法は、粒子を含む分散液を分散液導入口から送液路に導入する工程と、該分散液を送液路に層流にて送液する工程と、該分散液を送液路の下流から排出する工程と、を含み、該送液路は、鉛直方向に曲がり部を備え、該曲がり部において、粒子が重力により移動することで生じる置換流を打ち消すディーン渦を発生させることを特徴とする。
    なお、本実施形態において、粒子を含む分散液は、粒子の比重が、該分散液の分散媒の比重よりも大きいことが好ましく、この場合、分散液中で粒子が沈降する。
    以下、適宜図面を参照しながら、本実施形態についてさらに詳述する。 なお、以下の説明において、特に断りのない限り、同一の符号は同一の対象を表す。 また、以下の説明において、数値範囲を表す「A〜B」の記載は、特に断りのない限り「A以上B以下」を意味する。 すなわち、端点であるA及びBを含む数値範囲を意味する。

    本発明者等は、送液方向が水平である流路の上方(天井側)から分散液を導入し、流路を送液しながら粒子の沈降を利用して分級する場合、ストークスの式から算出される終末沈降速度以上の流速で粒子の沈降が生じることを発見した。
    本発明者等は、鋭意検討した結果、これが置換流の影響であることを見出した。

    上記の置換流について以下に説明する。
    粒子が重力により沈降すると、それまで粒子が存在した体積を埋めるために、流体が移動する。 この粒子の沈降による流体の移動を置換流と呼ぶ。 粒子濃度が十分に薄い場合には、粒子の隙間から流体が移動するため、その影響はほとんどない。 一方、粒子の濃度が高くなると、粒子間の距離が近くなるため、粒子濃度が十分に薄い場合ほど流体は粒子の間を移動することができず、粒子がある程度固まった状態で置換流が発生する。 その結果、ストークスの式から算出される終末沈降速度以上の流速で粒子の沈降が生じるものと考えられる。

    置換流の影響は、粒子が側壁から離れている場合(図6)と、側壁近傍まで存在する場合(図7)とでは、その挙動が異なる。
    図6及び図7は粒子の挙動を示す模式図である。 図6及び図7は、分散液が流路の上方(天井側)に導入された流路の断面図である。
    図6に示すように、粒子が側壁から離れており流路幅の中央部に存在する場合、粒子が下方へ沈降すると、粒子が存在した体積を埋めるように粒子の横側から流れ込み、中央付近では沈降方向、側壁近傍では沈降方向の逆向きに置換流が発生し、渦が形成される。 すなわち、置換流は流路中央を下方へ、流路側壁近傍を上方へ流れる。 その結果、粒子には置換流による下方への力がかかる。 ストークスの式では、粒子に下向きに働く重力と、上向きの力を及ぼす抵抗力及び浮力との釣り合いによって終末速度が決定されるが、粒子に下向きに置換流の影響が及ぶため、終末速度以上の速度での沈降が認められる。

    一方、図7に示すように、粒子が流路の側壁近傍に存在する場合、図6に示すように粒子の横方向から流体が流れ込むことができない。 なお、粒子の送液速度については、鉛直方向に対して同一の高さで比較すると(流路の進行方向に平行な断面における幅方向で比較すると)、平面ポアズイユ流となっており、図7(A)の上部に示すように、流速は放物線分布となり、流路の水平方向中央において最も流速が速い。 すなわち、流路の中心に比べ、側壁近傍での粒子の送流方向への移動が遅い。 このため、流路の中心に比べ、側壁近傍での粒子は水平方向の距離に対して見かけ上速く沈降する。 この結果、流路の断面における粒子分布は∩形状(逆U字形状)となり、この動きに合わせて図6とは逆向きの渦を形成する。

    本実施形態では、上記の置換流を打ち消すようなディーン渦(Dean渦)を発生させることで、粒子の沈降及び堆積を抑制する。 なお、本実施形態では、遠心力を利用してディーン渦を発生させることでディーン渦を得る。
    図8は、曲がり部で発生する遠心力F1とディーン渦F2及びF3の説明断面図である。
    図8に示す流路は、上に凸の円弧形状を有し、遠心力F1が鉛直方向の上向きに生じている。 なお、遠心力は、回転軸(曲がり部の中心)から遠ざかる向きを有する。 本実施形態において、遠心力方向とは、回転軸から遠ざかる方向である。
    ディーン渦F2、F3は、流路の中央部分では遠心力方向と同じで曲がり部の中心から外側向けて(遠ざかる向き)流れ、遠心力方向の最外壁(図7では、天井面)にぶつかると、壁面に沿って内側に戻る渦である。
    本実施形態において、分散液の送液において、図6に示す置換流が生じる場合、図8に示すディーン渦を発生させることで、置換流とディーン渦が打ち消し合い、置換流の影響を抑制し、置換流による粒子の沈降、堆積が抑制される。
    一方、図8とは逆に、遠心力が鉛直方向の下向きに生じている場合には、ディーン渦は流路の中心部では鉛直方向の下向きに流れ、遠心力方向の最外壁(流路の底面)にぶつかると、壁面に向かった内側(鉛直方向の上向き)に戻る渦である。 したがって、図7に示す置換流が生じる場合、鉛直方向下向きに遠心力を発生させ、ディーン渦を発生させることで置換流とディーン渦が打ち消し合い、置換流の影響を抑制し、置換流による粒子の沈降、堆積が抑制される。

    比重1.2、粒径10μmの粒子の水中での沈降速度はストークスの式から1×10 -5 m/s程度である(20℃)。 高濃度の分散液の場合、粒子の沈降に対して、その粒子の存在した体積を埋めるように流体が移動する置換流の効果により、実際には上記の流速よりも速い速度で沈降する。 したがって、置換流に応じたディーン渦の速度の設定が必要となる。 ディーン渦の流速は、流体に生じる遠心力に依存し、主流の流速(流路を送流する流体の流速)と曲がりの大きさ(曲率)に応じて変化するため、これらの調整により、ディーン渦の速度が調整される。

    本実施形態の送液方法は、送液路が鉛直方向に曲がり部を備える。 なお、鉛直方向に曲がり部を備えるとは、送流路における送液方向ベクトルを含む鉛直面内に遠心力方向(遠心力方向ベクトル)を有する曲がり部であることを意味する。
    すなわち、流路を送液方向の側面から見た形状が、凸状の湾曲形状や、凹状の湾曲形状等がこれに含まれる。
    なお、鉛直方向に曲がり部を備える流路形状はこれに限定されるものではない。 図1に流路形状の側面図を示す。 図1に示すように、凸状の半円形状、円弧形状、楕円形状、多形状としてもよい。
    また、同様に、凹状(下に凸)の半円形状、円弧形状、楕円形状、多角形状としてもよく、特に限定されない。

    これらの中でも、鉛直方向に曲がり部を備える送流路の形状は、連続的に遠心力が発生する形状であることが好ましく、楕円形状、円弧形状等の湾曲形状であることが好ましい。
    また、曲がり部は、1つ以上設けられていれば特に限定されず、複数の曲がり部を有していてもよく、例えば、円弧形状や半円形状が連続的に設けられた流路等が例示される。

    また、送液路や、その他の流路(分散液導入路や、輸送液導入路等)の流路の断面形状は特に限定されず、矩形、台形、円形等のいずれとすることもでき、特に限定されないが、ディーン渦が一対のみ発生しやすく、加工が容易である点から、矩形であることが好ましい。

    本実施形態において、該曲がり部でディーン渦を発生させるように送液を行う。
    ここで、曲がり部におけるディーン数は、0.0001〜10であることが好ましく、0.001〜1であることがより好ましく、0.01〜0.1であることがさらに好ましい。
    ディーン数が上記範囲内であると、粒子の沈降、堆積が抑制されるので好ましい。
    前記ディーン数となるように、流路径、流速、粒子の密度、流路長、曲率半径等を適宜選択することが好ましい。

    化学工学論文集2004年第30巻、第2号、135ページによると、ディーン渦の平均速度V deanは以下の式で表されるとされている。

    置換流の速度は分散液の濃度、側壁の間隔、粒子の沈降速度に依存するが、例えば、濃度2%で、粒子の沈降速度が10 -5 m/sの際に、1mmの矩形管内の中央に分散液が存在する場合には置換流の速度はおおよそ1×10 -4 m/sのオーダーとなる。 したがって、この場合に置換流を打ち消すようなディーン渦を発生させるためのディーン数はおよそ1となる。

    ここで、ディーン数(De)とは、曲がり管での流れなど、遠心力を考慮する際に重要な無次元数であり、円管を利用する場合下記の式で与えられる。

    D(m):相当直径 R(m):曲率半径 Re:レイノルズ数

    本実施形態において粒子を含まない輸送液を送液路に導入する工程を含むことが好ましく、該輸送液は、分散液よりも鉛直方向の下方から送液路に導入することが好ましく、また、送液路において、輸送液を分散液よりも鉛直方向下方に送流することが好ましい。
    図2に示す送液装置10では、上部入口15から粒子を含む分散液Aを導入し、下部入口16から輸送液を導入している。 分散液及び輸送液は送液路12で合流し、分散液を上層、輸送液を下層とする層流下で送液される。
    また、図3に示す送液装置10においても同様であり、上部入口15から粒子を含む分散液を導入し、下部入口16から輸送液を導入している。 分散液及び輸送液は送液路12で合流し、分散液を上層、輸送液を下層とする層流下で送液される。
    上述のように、分散液を流路の上方から導入することにより、粒子の沈降、堆積が抑制される。 分散液を流路高さの全体に導入すると、流路の下方に導入された粒子は、送液路底面までの沈降距離が短いため、堆積しやすい。

    本実施形態の送液方法の好ましい一実施態様としては、送液路が鉛直方向に極大点を有する態様が挙げられる。 鉛直方向に極大点を有するとは、曲がり部が上方に凸の形状であることを意味する。 換言すれば、遠心力方向が鉛直方向上方に向かうベクトル、又は、水平ベクトルと鉛直方向上方に向かうベクトルの和ベクトルであることを意味する。
    具体的には、図3に示すような、上に凸の送液路が例示される。
    鉛直方向に極大点を有する送液路を有する場合、分散液導入口の流路幅は、送液路の流路幅よりも小さいことが好ましい。 ここで、分散液導入口とは、送液路に分散液を導入する合流部における流路幅である。 また、流路幅とは、送液方向に直交し、かつ、水平方向の流路幅を意味する。
    また、分散液導入口は、送液路上部、かつ、流路幅中央に設けられていることが好ましい。 これにより、送液路に導入される分散液は、図6に示すように、流路の上方の中央部となる。
    送液路が上に凸の形状であると、遠心力方向は水平方向に対して上方となり、ディーン渦は、流路幅中央では上方に向かい、流路の両側面近傍では下方に向かう流れとなる。 この結果、ディーン渦と置換流が打ち消し合い、置換流による粒子沈降の促進が抑制される。

    また、本実施形態の送液方法の他の好ましい一実施形態としては、送液路が鉛直方向に極小点を有する態様が挙げられる。 鉛直方向に極小点を有するとは、曲がり部が下方に凸の形状であることを意味する。 換言すれば、遠心力方向が鉛直方向下方に向かうベクトル、又は、水平ベクトルと鉛直方向下方に向かうベクトルとの和ベクトルであることを意味する。
    具体的には、図2に示すような、下に凸の送液路が例示される。
    鉛直方向に極小点を有する送液路を有する場合、分散液導入口の流路幅は、送液路の流路幅と同じであることが好ましい。 また、分散液導入口は、送液路上部(天井部)に設けられており、分散液導入口から幅方向に均一に粒子が導入されることが好ましい。 これにより、送液路に導入される分散液は、図7に示すように、流路幅に渡って導入される。
    送液路が下に凸の形状であると、遠心力方向は水平方向に対して下方となり、ディーン渦は、流路幅中央では下方に向かい、流路の両側面近傍では上方に向かう流れとなる。 この結果、ディーン渦と置換流が打ち消し合い、置換流により粒子沈降の促進が抑制される。

    次に、本実施形態の送液方法を利用した分級方法について説明する。
    本実施形態の送液方法を利用した分級方法では、送液路における粒子の沈降速度が、ストークスの式に基づく粒子の沈降速度により近く、理論的な沈降速度差による粒子の分級に近い形で沈降速度を利用した粒子の分級がおこなわれる。
    具体的には、本実施形態において、置換流を打ち消す程度のディーン渦を発生させるように流速及び流路の曲がりを選択することで、粒径の異なる粒子の沈降速度差を利用した分級が行われる。

    本実施形態の送液方法において、送液路はマイクロ流路であることが好ましく、マイクロスケールの複数の流路(チャネル)を有する装置であることが好ましい。
    マイクロスケールの流路は、寸法及び流速がいずれも小さい。 本実施形態において、レイノルズ数は2,300以下であることが好ましい。 すなわち、本実施形態の送液方法では、通常の送液のような乱流支配ではなく、層流支配であることが好ましい。
    ここで、レイノルズ数(Re)は、下記式で表されるものであり、2,300以下のとき層流支配となる。
    Re=uL/ν (u:流速、L:代表長さ、ν:動粘性係数)
    レイノルズ数が低い程、ディーン渦を精密に制御可能であり、本実施形態において、レイノルズ数は500以下であることが好ましく、100以下であることがより好ましく、10以下であることがさらに好ましい。

    上述のように層流支配の世界では、分散液中の粒子が、分散媒体である媒体液体より重い場合、微粒子は媒体液体中を沈降するが、その際の沈降速度は、微粒子の比重あるいは粒径によって異なる。 本実施形態においては、上述の通り、この沈降速度差を利用して粒子を分級してもよい。 特に粒子の粒径が異なる場合、沈降速度が粒径の2乗に比例し、粒径が大きい微粒子ほど急速に沈降するため、粒径が異なる微粒子の分級に適している。
    一方、流路径が大きく、分散液が乱流となる場合は、粒子の沈降位置が変化してしまうため、基本的に分級はできない。
    ここで、輸送液が同時に送液される場合には、分散液及び輸送液の双方が層流にて送液路を送液されることが好ましい。

    本実施形態の送液装置の製造方法は特に限定されず、公知のいずれの方法により作製してもよい。
    本実施形態の送液装置は、固体基板上に微細加工技術により作製することもできる。
    固体基板として使用される材料の例としては、金属、シリコン、テフロン(登録商標)、ガラス、セラミックス及びプラスチックなどが挙げられる。 中でも、金属、シリコン、テフロン(登録商標)、ガラス及びセラミックスが、耐熱、耐圧、耐溶剤性及び光透過性の観点から好ましく、特に好ましくはガラスである。

    流路を作製するための微細加工技術は、例えば、「マイクロリアクタ−新時代の合成技術−」(2003年、シーエムシー刊、監修:吉田潤一)、「微細加工技術 応用編−フォトニクス・エレクトロニクス・メカトロニクスへの応用−」(2003年、エヌ・ティー・エス刊、高分子学会 行事委員会編)等に記載されている方法を挙げることができる。

    代表的な方法を挙げれば、X線リソグラフィを用いるLIGA技術、EPON SU−8を用いた高アスペクト比フォトリソグラフィ法、マイクロ放電加工法(μ−EDM)、Deep RIEによるシリコンの高アスペクト比加工法、Hot Emboss加工法、光造形法、レーザ加工法、イオンビーム加工法、及びダイアモンドのような硬い材料で作られたマイクロ工具を用いる機械的マイクロ切削加工法などがある。 これらの技術を単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。 好ましい微細加工技術は、X線リソグラフィを用いるLIGA技術、EPON SU−8を用いた高アスペクト比フォトリソグラフィ法、マイクロ放電加工法(μ−EDM)、及び機械的マイクロ切削加工法である。

    本実施形態に用いられる流路は、シリコンウエハ上にフォトレジストを用いて形成したパターンを鋳型とし、これに樹脂を流し込み固化させる(モールディング法)ことによっても作製することができる。 モールディング法には、ポリジメチルシロキサン(PDMS)又はその誘導体に代表されるシリコン樹脂を使用することができる。

    本実施形態の送液装置を製造する際、接合技術を用いることができる。 通常の接合技術は大きく固相接合と液相接合に分けられ、一般的に用いられている接合方法としては、固相接合として圧接や拡散接合、液相接合として溶接、共晶接合、はんだ付け、接着等が代表的な接合方法として挙げられる。

    さらに、接合に際しては高温加熱による材料の変質や変形による流路等の微小構造体の破壊を伴わない寸法精度を保った高度に精密な接合方法が望ましく、その技術としてはシリコン直接接合、陽極接合、表面活性化接合、水素結合を用いた直接接合、HF水溶液を用いた接合、Au−Si共晶接合、ボイドフリー接着などが挙げられる。

    本実施形態の送液装置はパターン部材(薄膜パターン部材)を積層して形成してもよい。 なお、パターン部材の厚さは5〜50μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。 本実施形態の分級装置は、所定の二次元パターンが形成されたパターン部材が積層されて形成された分級装置としてもよく、パターン部材の面同士が直接接触して接合された状態で積層されていてもよい。
    接合技術を用いた製造方法としては、
    (i)第1の基板上に目的とする分級装置の各断面形状に対応した複数のパターン部材を形成する工程(ドナー基板作製工程)、及び、
    (ii)前記複数のパターン部材が形成された前記第1の基板と第2の基板との接合及び離間を繰り返すことにより前記第1の基板上の前記複数のパターン部材を前記第2の基板上に転写する工程(接合工程)、
    を含むことを特徴とする製造方法が例示でき、例えば、特開2006−187684号公報に記載の製造方法を参照できる。

    次に、分散液について説明する。 本実施形態において、分散液中の粒子の比重は、分散液の分散媒体である媒体液体及び輸送液の比重よりも大きい。
    分散液は、体積平均粒子径が0.1μm〜1,000μmの粒子が媒体液体に分散し、該粒子の比重から媒体液体の比重を引いた差が0.01〜20であることが好ましい。

    分散液に含まれる粒子は、体積平均粒子径が0.1〜1,000μmであれば、樹脂粒子、無機粒子、金属粒子、セラミック粒子等、いずれも好ましく用いられる。
    粒子の体積平均粒子径は、0.1〜1,000μmであることが好ましく、0.1〜500μmであることがより好ましく、0.1〜200μmであることがさらに好ましく、0.1〜50μmであることが特に好ましい。 該粒子の体積平均粒子径が1,000μm以下であると、流路詰まりが生じにくいので好ましい。 また、沈降速度が適当であり、流路底面への堆積、流路の閉塞が抑制されるので好ましい。 粒子の体積平均粒子径が0.1μm以上であると、流路内壁面との相互作用が生じにくく、付着が生じにくいので好ましい。

    粒子の形状は特に限定されないが、針状で、特に長軸が流路幅の1/4より大きくなると詰まりの可能性が高くなる場合がある。 このような観点から、微粒子の長軸長と短軸長との比(長軸長/短軸長)は、1〜50の範囲が好ましく、1〜20の範囲がより好ましい。 なお、粒径、粒子形状に合わせて、適宜流路幅を選択することが好ましい。

    粒子の種類は、以下に列挙したものが可能であるが、それらに限定されるものではない。 例えば、高分子微粒子、顔料のごとき有機物の結晶あるいは凝集体、無機物の結晶あるいは凝集体、金属微粒子、あるいは金属酸化物、金属硫化物、金属窒化物のごとき金属化合物の微粒子などである。

    前記高分子微粒子としては、具体的には、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、スチレン−メタクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂等の微粒子が挙げられる。

    また、前記金属あるいは金属化合物の微粒子としては、カーボンブラック、亜鉛、アルミニウム、銅、鉄、ニッケル、クロム、チタニウム等の金属、あるいはその合金、TiO 2 、SnO 2 、Sb 23 、In 23 、ZnO、MgO、酸化鉄等の金属酸化物やこれらの化合物、窒化ケイ素などの金属窒化物などやそれらを組み合わせた微粒子が挙げられる。

    これら微粒子の製法は多岐に渉るが、合成により媒体液体中で微粒子を作製し、そのまま微粒子の分級を行う場合が多い。 塊状物を機械的に解砕して作製した微粒子を媒体液体中に分散し分級する場合もある。 この場合は、媒体液体中で解砕することが多く、この場合はそのまま分級される。

    一方、乾式で作製された粉体(微粒子)を分級する場合には、予め、媒体液体に分散しておく必要がある。 媒体液体中に乾燥粉体を分散させる方法としては、サンドミル、コロイドミル、アトライター、ボールミル、ダイノーミル、高圧ホモジナイザー、超音波分散機、コボールミル、ロールミル等が挙げられるが、この際、分散によって1次粒子が粉砕されない条件で行なうことが好ましい。

    前記粒子の比重から前記媒体液体の比重を引いた差が0.01〜20であることが好ましく、0.05〜11であることがより好ましく、0.05〜4であることがさらに好ましい。 前記微粒子の比重から前記媒体液体の比重を引いた差が0.01以上であると、粒子沈降が良好であるので好ましい。 一方、20以下であると、粒子の搬送が容易であるので好ましい。

    媒体液体としては、上述のように、前記粒子の比重から前記媒体液体の比重を引いた差が0.01〜20のものであれば好ましく用いることができ、例えば、水、あるいは水系媒体、有機溶剤系媒体などが挙げられる。

    前記水としては、イオン交換水、蒸留水、電解イオン水などが挙げられる。 また、前記有機溶剤系媒体としては、具体的には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン、キシレンなど、及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。

    好ましい媒体液体は前記粒子の種類によって異なる。 前記粒子の種類別の好ましい前記媒体液体としては、高分子粒子(一般的に比重が1.05〜1.6程度である。)と組み合わされる媒体液体として、粒子を溶解させない水系、アルコール類、キシレンなどの有機溶媒、酸あるいはアルカリ水などが好ましく挙げられる。
    また、金属あるいは金属化合物の微粒子(一般的に比重が2〜10程度である。)と組み合わされる媒体液体としては、金属などを酸化、還元などで侵さない水、アルコール類、キシレンなどの有機溶媒、あるいは油類が好ましく挙げられる。

    より好ましい粒子と媒体液体との組み合わせとしては、高分子粒子と水系媒体との組み合わせ、金属あるいは金属化合物と低粘度油性媒体との組み合わせが挙げられ、この中でも高分子微粒子と水系媒体との組み合わせが特に好ましい。
    好ましい粒子と媒体液体との組み合わせとしては、スチレン−アクリル樹脂系粒子と水系媒体、スチレン−メタクリル樹脂系粒子と水系媒体、ポリエステル樹脂系粒子と水系媒体が挙げられる。

    また、前記分散液における粒子の含有率は、0.1〜40体積%であることが好ましく、1〜25体積%であることがより好ましい。 前記分散液における粒子の割合が0.1体積%以上であると、回収が容易であるので好ましい。 また、40体積%以下であると、流路詰まりが抑制されるので好ましい。
    特に本実施形態においては、従来送液が困難であった比較的粒子濃度の高い分散液を使用した場合であっても、沈降による粒子の堆積が抑制される。

    なお、本実施形態において、前記粒子の体積平均粒径は、下記粒径(5μm以下)の場合を除き、コールターカウンターTA−II型(コールター社製)を用いて測定した値である。 この場合、粒子の粒径レベルにより、最適なアパーチャーを用いて測定する。 しかし、微粒子の粒径が5μm以下の場合は、レーザ回折散乱式粒度分布測定装置(LA−920、(株)堀場製作所製)を用いて測定する。
    また、前記粒子の比重は、気相置換法(ピクノメータ法)により、湯浅アイオニクス(株)製ウルトラピクノメータ1000を用いて測定される。
    さらに、前記媒体液体の比重は、エーアンドディー社の比重測定キットAD−1653を用いて測定される。

    本実施形態の分級方法において、輸送液は、分級目的の粒子を含まない液体であり、本実施形態においては、前記媒体液体と該輸送液とが同じ液体であることが好ましい。
    また、輸送液は、前記媒体液体と異なる場合、該媒体液体の具体例として挙げられている液体であることが好ましい。
    さらに、前記輸送液の前記粒子に対する比重の好ましい態様は、前記媒体液体の前記粒子に対する比重の好ましい態様と同様である。

    以下に実施例及び比較例を示して本実施形態について詳述するが、本実施形態は以下の実施例に何ら限定されるものではない。

    (分散液)
    粒径6μmの単分散ポリエステル真球粒子(密度1,200kg/m 3 )を純水に分散させ、2重量%濃度の水分散液(粒子分散液(1))を作製した。
    なお以下の実施例において、上記分散液及び輸送液の送液は、シリンジポンプを用いた。

    (実施例1:下方湾曲型(粒子が側壁近傍に存在している場合))
    図2に示す送液装置を実際にアクリル樹脂の微細加工により作製し、別途出口に上部排出路21、下部排出路22をつけ、粒子分散液(1)を上部入口15から5ml/h、純水を下部入口16から15ml/hにて送液した。 上部排出路21からの回収液と下部排出路22からの回収液の粒子存在重量比は99.5:0.5であった。
    なお図2に示す送液装置は、いずれの流路も1mm×1mmの矩形で、曲がり部の曲率半径は40mm、曲がり部の長さは40mmである。

    (比較例1:水平型)
    図5に示す送液装置を使用した以外は実施例1と同様にして分散液を送液した。
    図5に示す送液装置はいずれの流路も1mm×1mmの矩形で、送液路の長さは40mmである。
    実施例1と同様に上部と下部の粒子存在比率を測定したところ、比較例1では上部と下部の粒子存在重量比は53:47であった。

    (実施例2:上方湾曲型(粒子が側壁から離れている場合))
    図3に示す送液装置を使用して、粒子分散液(1)を上部入口15から1ml/h、純水を下部入口16から20ml/hにて送液した。 下部排出路21から採取したサンプルを少量とり、顕微鏡にて観測したところ、まったく粒子が存在しなかった。
    なお図3に示す送液装置は、粒子分散液の導入路を除き、いずれの流路も1mm×1mmの矩形で、曲がり部の曲率半径は40mm、曲がり部の長さは40mmである。 また、粒子分散液の導入路は、0.5mm×0.5mmの矩形である。

    (実施例3)
    図4に示す曲がり部を5列並べたものを作製した。 平均粒径11μmのポリエステル真球粒子(密度1,200kg/m 3 )を純水に分散させ、2重量%濃度の水分散液を作製し、このデバイスに上部入口15から1ml/h、純水を下部入口16から20ml/hにて送液した。 上部排出路21と下部排出路22から粒子を取り出し、粒度分布及び重量を測定し、部分分級効率を求めたところ、図9のようになった。 このときカットポイント(D50)は14.7μm、分級精度指数κ(=D25/D75)は0.8となった。

    (その他の実施形態)
    その他の実施形態としては、分散液を導入する分散液導入口と、分散液を送液する送液路と、該分散液を排出する排出口と、を有し、該送液路が重力方向に曲がり部を備えることを特徴とする送液装置が挙げられる。
    本実施形態によれば、重力方向に送液する必要がなく、装置全体として重力方向の高さが小型化される。 また、外力の必要性が少なく、省エネルギーで送液される。

    A 分散液B 輸送液10 送液装置12 送液路15 上部入口16 下部入口21 上部排出路22 下部排出路

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