ハードバター、これを用いたチョコレート、およびその製造方法 |
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申请号 | JP2017528592 | 申请日 | 2016-12-15 | 公开(公告)号 | JPWO2017110648A1 | 公开(公告)日 | 2017-12-21 |
申请人 | 日清オイリオグループ株式会社; | 发明人 | 赤羽 明; 明 赤羽; 槇 英昭; 英昭 槇; 博文 春名; 博文 春名; | ||||
摘要 | 本発明における課題は、油脂の特性を活かした、ソフトな食感および優れた口どけを有するチョコレートを提供することにある。特に、焼成されることにより、従来にない、さっくりとしたソフトな食感、および、優れた口どけを有するチョコレートが提供される。本発明のチョコレートでは、チョコレートに含まれる油脂が、21〜29のヨウ素価を有するパーム核油分画軟質油を30〜73質量%含有し、かつ、35℃で、5%以下の固体脂含有量を有する。 | ||||||
权利要求 | パーム核油分画軟質油を含有する油脂を含み、 前記油脂中のパーム核油分画軟質油の含有量が、30〜73質量%であり、 前記パーム核油分画軟質油のヨウ素価が21〜29であり、 前記油脂の35℃における固体脂含有量が5%以下であるチョコレート。前記油脂が、30〜100質量%のラウリン系油脂を含有する請求項1に記載のチョコレート。0.8〜1.25の比重を有する、請求項1または2に記載のチョコレート。焼成された状態にある、請求項1〜3の何れか1項に記載のチョコレート。前記油脂が、70質量%以上のハードバターを含有し、 前記ハードバターが、10℃で65〜90%、20℃で32〜72%、30℃で1〜9.5%、および35℃で0〜4%の固体脂含有量を有し、かつ、前記パーム核油分画軟質油およびパーム核油分画硬質油を含有し、 前記パーム核油分画軟質油のヨウ素価が21〜29であり、 前記パーム核油分画硬質油のヨウ素価が0〜9である、 請求項1〜4の何れか1項に記載のチョコレート。請求項5に記載のハードバター。請求項1〜3のいずれか1項に記載のチョコレートを起泡化することにより、含気チョコレートを得ること、および、前記含気チョコレートを焼成することを含む、請求項4に記載のチョコレートの製造方法。 パーム核油分画軟質油およびパーム核油分画硬質油を含有する油脂を含み、 前記油脂中のパーム核油分画軟質油の含有量が、30〜73質量%であり、 前記パーム核油分画軟質油のヨウ素価が21〜29であり、 前記油脂中のパーム核油分画硬質油の含有量が、13〜67質量%であり、 前記パーム核油分画硬質油のヨウ素価が0〜9であり、 前記油脂中の前記パーム核分画軟質油と前記パーム核油分画硬質油との合計含有量が、70〜100質量%であり、 前記油脂の35℃における固体脂含有量が5%以下であるチョコレート (ただし、テンパリング処理あるいはシーディング剤添加のチョコレートは除く)。前記油脂が、0.5〜4質量%の3飽和トリアシルグリセロールを含有する請求項1に記載のチョコレート。0.8〜1.25の比重を有する、請求項1または2に記載のチョコレート。焼成された状態にある、請求項1〜3の何れか1項に記載のチョコレート。前記油脂が、70質量%以上のハードバターを含有し、 前記ハードバターが、10℃で65〜90%、20℃で32〜72%、30℃で1〜9.5%、および35℃で0〜4%の固体脂含有量を有し、かつ、前記パーム核油分画軟質油およびパーム核油分画硬質油を含有し、 前記パーム核油分画軟質油のヨウ素価が21〜29であり、 前記パーム核油分画硬質油のヨウ素価が0〜9である、 請求項1〜4の何れか1項に記載のチョコレート。請求項5に記載のハードバター。請求項1〜3のいずれかに記載のチョコレートを起泡化することにより、含気チョコレートを得ること、および、前記含気チョコレートを焼成することを含む、請求項4に記載のチョコレートの製造方法。 |
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说明书全文 | 本発明は、ハードバター、これを用いたソフトな食感および優れた口どけを有するチョコレート、およびその製造方法に関する。 一般的にチョコレートの構成成分の1/3〜1/2は油脂である。チョコレートの食感および口どけは、チョコレートに配合される油脂の特性に大きく依存することが知られている。そして、チョコレートに配合される油脂の構成が改良されている。その結果、よいスナップ性を有する従来のチョコレートとは別に、ソフトな食感およびよい口どけを有するチョコレートも人気がある。 チョコレートの食感は、焼成されることでも変化する。焼成されたチョコレートの耐熱性が向上することも知られている(例えば、特開昭52−148662)。典型的には、焼成により、表面が硬く、内部が比較的軟らかい食感を有する焼成チョコレートが得られる。上記のような特性を活かし、さまざまな工夫が凝らされた焼成チョコレートも開発されている。 例えば、特開2000−189058には、澱粉性原料を使用することにより、サクサクとした焼菓子の様な食感を有する焼成チョコレートが開示されている。また、特開2010−207197に開示されているチョコレートには、糖質としてトレハロース及び/又はマルトースが使用されている。上記公報には、その表面は快い歯触りを有し、かつ、その内部は本来の風味および滑らかさを維持している、焼成チョコレートが開示されている。また、特開2008−206458には、2〜3の重合度を有するポリグリセリン脂肪酸エステルを含有することにより、焼成されても内部の食感が軟らかく維持された焼成チョコレートが開示されている。 しかしながら、上記公報のように、多くのチョコレートが、油脂以外の素材を工夫することにより、特徴ある食感を付与されている。油脂の特性を活かすことにより、特徴ある食感を付与するという視点での開発はほとんど行われていなかった。 特開昭52−148662 特開2000−189058 特開2010−207197 特開2008−206458
本発明における課題は、油脂の特性を活かした、ソフトな食感およびよい口どけを有するチョコレートを提供することにある。特に、焼成されることにより、従来にない、さっくりとしたソフトな食感および優れた口どけを有するチョコレートを提供することにある。 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った。その結果、チョコレートに含まれる油脂が、特定のラウリン系油脂を特定含有量含むことにより、本課題が解決できることが見いだされた。これにより、本発明が完成するに至った。 すなわち、本発明は以下を提供する。 (1)、パーム核油分画軟質油を含有する油脂を含み、前記油脂中のパーム核油分画軟質油の含有量が、30〜73質量%であり、前記パーム核油分画軟質油のヨウ素価が21〜29であり、前記油脂の35℃における固体脂含有量が5%以下であるチョコレート。 (2)上記(1)のチョコレートは、前記油脂が、30〜100質量%のラウリン系油脂を含有してもよい。 (3)上記(1)または(2)のチョコレートは、0.8〜1.25の比重を有していてもよい。 (4)焼成された状態にある、(1)〜(3)の何れか1つのチョコレート。 (5)前記油脂が、70質量%以上のハードバターを含有し、前記ハードバターが、10℃で65〜90%、20℃で32〜72%、30℃で1〜9.5%、および35℃で0〜4%の固体脂含有量を有し、かつ、前記パーム核油分画軟質油およびパーム核油分画硬質油を含有し、前記パーム核油分画軟質油のヨウ素価が21〜29であり、前記パーム核油分画硬質油のヨウ素価が0〜9である、上記(1)〜(4)の何れか1つのチョコレート。 (6)上記(5)のハードバター。 (7)上記(1)〜(3)のいずれかのチョコレートを起泡化することにより、含気チョコレートを得ること、および、前記含気チョコレートを焼成することを含む、上記(4)のチョコレートの製造方法。 本発明によれば、ソフトな食感および優れた口どけを有するチョコレートを提供できる。本発明によれば、特に、焼成されることにより、従来にない、さっくりとしたソフトな食感および優れた口どけを有するチョコレートを提供できる。 以下、本発明のチョコレートについて順を追って記述する。 本発明においてチョコレートとは、チョコレート類の表示に関する公正競争規約(全国チョコレート業公正取引協議会)乃至法規に規定されているチョコレートに限定されない。本発明におけるチョコレートは、食用油脂、糖質および糖類を主原料とする。主原料には、必要に応じてカカオ成分(カカオマス、ココアパウダー等)、乳製品、香料、または乳化剤等を加える。かかるチョコレートは、チョコレート製造の工程(混合工程、微粒化工程、精練工程、成形工程、及び、冷却工程等の全部乃至一部)を経て製造される。また、本発明におけるチョコレートは、ダークチョコレート及びミルクチョコレートの他に、ホワイトチョコレート及びカラーチョコレートも含む。 本発明のチョコレートは、油脂を25〜65質量%含有する。本発明のチョコレートの油脂含有量は、好ましくは28〜60質量%であり、より好ましくは30〜55質量%である。なお、本発明におけるチョコレートに含まれる油脂は、配合される油脂以外に、含油原料(カカオマス、ココアパウダー、全脂粉乳等)由来の油脂(ココアバター、乳脂等)も含む。例えば、一般的に、カカオマスに含まれる油脂(ココアバター)の含有量(含油率)は、55質量%であり、ココアパウダーに含まれる油脂(ココアバター)の含有量(含油率)は11質量%であり、全脂粉乳に含まれる油脂(乳脂)含有量(含油率)は25質量%である。よって、チョコレート中の油脂含有量は、チョコレート中の各原料の配合量(質量%)に含油率を掛け合わせた値を合計した値となる。 本発明のチョコレートに含まれる油脂は、21〜29のヨウ素価を有するパーム核油分画軟質油を30〜73質量%含有する。 パーム核油分画軟質油とは、パーム核油由来の油脂の分別により得られる軟質部(オレイン部)である。例として、パーム核油オレイン、および、パーム核油ダブルオレインが挙げられる。パーム核油ダブルオレインは、パーム核油オレインをさらに分別することによって得られる軟質部である。また、パーム核油分画軟質油は、例えば、パーム核油とパーム核油オレインとの混合油を分別することにより得られた軟質部であってもよい。 パーム核油分画軟質油のヨウ素価は、好ましくは22〜28である、より好ましくは23〜27である。また、本発明のチョコレートに含まれる油脂に占めるパーム核油分画軟質油の含有量は、好ましくは34〜70質量%、より好ましくは38〜67質量%である。パーム核油分画軟質油のヨウ素価、および、チョコレートに含まれる油脂に占める含有量が上記範囲内であると、ソフトな食感および優れた口どけを有するチョコレートが得られる。 本発明のチョコレートに含まれる油脂は、好ましくは、30〜100質量%のラウリン系油脂を含有する。ここでラウリン系油脂とは、構成脂肪酸の30質量%以上をラウリン酸が占める油脂である。例として、ヤシ油、パーム核油、これらの油脂を分別することにより得られるパーム核オレイン、パーム核ステアリン等の分別油、これらの油脂をエステル交換することにより得られる油脂、およびこれらの油脂の硬化油(例えば、パーム核極度硬化油、およびパーム核オレイン極度硬化油)が挙げられる。上記パーム核油分画軟質油もラウリン系油脂に含まれる。本発明のチョコレートには、これらから選ばれる1種又は2種以上のラウリン系油脂を用いることができる。本発明のチョコレートに含まれる油脂に占めるラウリン系油脂の含有量は、好ましくは50〜95質量%であり、より好ましくは70〜90質量%である。 上記ラウリン系油脂は、上記パーム核油分画軟質油以外に、好ましくは、ヨウ素価が0〜9であるパーム核油分画硬質油を含む。ここで、パーム核油分画硬質油は、パーム核油由来の油脂を分別することにより得られる硬質部(ステアリン部)である。例として、パーム核油を分別することにより得られるパーム核油ステアリン、およびパーム核油とパーム核油オレインとの混合油を分別することにより得られる硬質部が挙げられる。また、水素添加により、パーム核油分画硬質油のヨウ素価を0〜9に調整してもよい。パーム核油分画硬質油のヨウ素価は、好ましくは0〜7であり、より好ましくは0〜5である。また、本発明のチョコレートに含まれる油脂のパーム核油分画硬質油含有量は、好ましくは13〜67質量%であり、より好ましくは16〜64質量%であり、さらに好ましくは16〜59質量%である。パーム核油分画硬質油のヨウ素価およびチョコレートに含まれる油脂に占める含有量が上記範囲内であると、適度なソフト感および優れた口どけを有するチョコレートが得られる。 上記パーム核油分画軟質油、およびパーム核油分画硬質油を得るための、油脂の分別方法は、特に制限されない。分別方法の例としては、従来油脂加工分野で知られている、溶剤分別、湿式分別、および乾式分別などが挙げられる。 本発明のチョコレートに含まれる油脂は、構成脂肪酸が炭素数16〜22の飽和脂肪酸のみを有する3飽和トリアシルグリセロールを含んでもよい。本発明のチョコレートに含まれる油脂の3飽和トリアシルグリセロールの含有量は、好ましくは0〜5質量%であり、より好ましくは0.5〜4質量%であり、さらに好ましくは1〜3質量%である。本発明のチョコレートに含まれる油脂に占める3飽和トリアシルグリセロールの含有量が上記範囲内であると、食感および口どけを損なうことなく、かつ、容易に起泡化するチョコレートが得られる。 本発明のチョコレートに含まれる油脂の固体脂含有量(SFC)は、35℃で5%以下である。本発明のチョコレートに含まれる油脂の固体脂含有量(SFC)は、好ましくは10℃で60〜85%、20℃で30〜70%、30℃で0.5〜9%、35℃で0〜4%であり、より好ましくは10℃で62〜83%、20℃で32〜68%、30℃で1〜8%、35℃で0〜2%であり、さらに好ましくは10℃で64〜81%、20℃で34〜66%、30℃で1〜7%、35℃で0〜1.2%である。なお、SFC(%)はIUPAC法2.150a Solid Content determination in Fats by NMRに準じて測定できる。 本発明のチョコレートに含まれる油脂は、21〜29のヨウ素価を有するパーム核油分画軟質油を30〜73質量%含有する。本発のチョコレートに使用する油脂は、当該油脂がこの条件を満たす限り、特に制限されない。通常の食用油脂を使用することができる。本発明のチョコレートに用いることのできる油脂の例として、ココアバター、パーム油、パーム分別油(パームオレイン、パームスーパーオレイン、パーム中融点部等)、シア脂、シア分別油、サル脂、サル分別油、イリッペ脂、コクム脂、マンゴー脂、マンゴー分別油、大豆油、菜種油、綿実油、サフラワー油、ひまわり油、米油、コーン油、ゴマ油、オリーブ油、ヤシ油、パーム核油、牛脂、豚脂、および乳脂などの動植物油脂の中から選択される1種以上の油脂を挙げることができる。あるいは、これら動植物油脂に混合、分別、エステル交換、および水素添加等のうちの1種以上の処理が適用されることにより得られる加工油脂の中から1種以上を選択して使用することができる。 本発明のチョコレートに含まれる油脂に含有される油脂として、好ましくは、21〜29のヨウ素価を有するパーム核油分画軟質油と、0〜9のヨウ素価を有するパーム核油分画硬質油とを含む油脂(以下、ハードバターともいう)が予め調製される。当該ハードバターの、21〜29のヨウ素価を有するパーム核油分画軟質油の含有量と、0〜9のヨウ素価を有するパーム核油分画硬質油の含有量との質量比は、好ましくは85:15〜35:65であり、より好ましくは80:20〜45:55である。また、当該ハードバターは、必要に応じて、上記食用油脂およびその極度硬化油などを含んでもよい。 上記ハードバターの、21〜29のヨウ素価を有するパーム核油分画軟質油含有量と、0〜9のヨウ素価を有するパーム核油分画硬質油の含有量の合計は、好ましくは70〜100質量%であり、より好ましくは80〜100質量%である。また、上記ハードバターは、その固体脂含有量(SFC)が、好ましくは10℃で65〜90%、20℃で32〜72%、30℃で1〜9.5%、35℃で0〜4%であり、より好ましくは10℃で67〜88%、20℃で34〜70%、30℃で1〜9%、35℃で0〜3%であり、さらに好ましくは10℃で68〜86%、20℃で36〜68%、30℃で1〜8%、35℃で0〜2%である。 本発明のチョコレートに含まれる油脂の上記ハードバター含有量は、好ましくは70〜100質量%であり、より好ましくは80〜95質量%である。 本発明のチョコレートは、油脂以外に、好ましくは糖質および糖類を含有する。使用できる糖質および糖類の例として、ショ糖(砂糖、粉糖)、乳糖、ブドウ糖、果糖、麦芽糖、還元澱粉糖化物、液糖、酵素転化水飴、異性化液糖、ショ糖結合水飴、還元糖ポリデキストロース、オリゴ糖、ソルビトール、還元乳糖、トレハロース、キシロース、キシリトース、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、ラフィノース、及び、デキストリンを挙げることができる。本発明のチョコレートに含まれる糖質および糖類の含有量は、好ましくは20〜60質量%であり、より好ましくは25〜55質量%であり、さらに好ましくは30〜50質量%である。 本発明のチョコレートには、油脂並びに糖質および糖類以外にも、チョコレートに一般的に配合される原料を使用できる。そのような原料の例として、全脂粉乳、脱脂粉乳等の乳製品、カカオマスおよびココアパウダー等のカカオ成分、大豆粉、大豆蛋白、果実加工品、野菜加工品、抹茶粉末およびコーヒー粉末等の各種粉末、ガム類、澱粉類、レシチン、リゾレシチン、酵素分解レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよびソルビタン脂肪酸エステル等の乳化剤、酸化防止剤、着色料、ならびに香料を挙げることができる。 本発明のチョコレートは、従来公知の方法により製造することができる。本発明のチョコレートの製造には、例えば、油脂、カカオ成分、糖質および糖類、乳製品、並びに、乳化剤等の原材料を使用できる。また、混合工程、微粒化工程(リファイニング)、精練工程(コンチング)、及び、冷却工程等を経て、本発明のチョコレートが製造される。精錬工程の後で、必要に応じて、テンパリング処理が行われてもよい。 本発明のチョコレートは、起泡化することにより、含気チョコレートとしてもよい。チョコレートを起泡化することにより、ソフトな食感に軽さが加わる。また、口どけがさらに良好になる。含気されたチョコレートは、その比重(g/cm3)が、好ましくは0.8〜1.25であり、より好ましくは0.9〜1.2である。チョコレートを起泡化する方法には、特に制限は無い。起泡化の例として、製造工程上の冷却固化前の融液状乃至半融液状のチョコレート、あるいは、一度固化したチョコレートを加熱により融液状乃至半融液状のチョコレートを、縦型ミキサーあるいは連続ミキサーなどを用いることにより含気することを挙げることができる。 本発明のチョコレートには、上記起泡化したチョコレートをさらに焼成して得られるチョコレートも含まれる。焼成することにより、本発明のチョコレートは、さらに軽いさっくりとした食感が加わり、従来にない、さっくりとしたソフトな食感および優れた口どけを有するチョコレートとなる。焼成の方法に特に制限はない。例えば、上記起泡化したチョコレートを、型に詰めた状態のままで、もしくは、型抜き乃至絞り袋等より絞り出して成形した状態で、焼成することができる。焼成は、チョコレートの温度が130〜170℃程度に達するように、オーブン、マイクロ波、あるいは過加熱蒸気などを用いて行うことができる。例えば、オーブンで、170〜210℃、3〜5分間程度の条件で、好適に焼成することができる。 本発明のチョコレートは、ソフトな食感および優れた口どけを有する。そのため、チョコレート塊としてそのまま食することができる。その他、本発明のチョコレートは、製菓および製パン製品の素材として使用しても良い。製菓および製パン製品の例として、パン、ケーキ、洋菓子、焼き菓子、ドーナツ、及び、シュー菓子を挙げることができる。上記素材の例として、コーティング材、フィリング材、または、生地へ混ぜ込むチップ材を挙げることができる。 次に、実施例および比較例を挙げ、本発明を更に詳しく説明する。しかし、本発明はこれらに何ら制限されない。 〔使用される油脂〕 チョコレートの原料油脂として以下の油脂を使用した。 PKL :パーム核油オレイン(ヨウ素価25) FHPKS :パーム核油ステアリンの極度硬化油(ヨウ素価1未満) PMF :パーム油中融点画分(ヨウ素価45) HOSO :ハイオレイックヒマワリ油 FHPS :パーム油の極度硬化油(ヨウ素価1未満) 〔チョコレートの製造〕 表1の配合に従って、油脂A〜Gの油脂(ハードバター)を調製した。表2のチョコレートの原材料の配合に従って、油脂A〜Gをそれぞれ使用したチョコレート(実施例1〜3、比較例1〜4)を製造した。すなわち、常法に従って、混合、微粒化(リファイニング)、精練(コンチング)の各工程を経ることにより、融液状のチョコレートが得られた。 融液状の各チョコレートを、10gの型に入れて8℃で30分間冷却することにより、型成形チョコレートが得られた。 また、融液状の各チョコレートを、24〜26℃に冷却し、ホバートミキサーを用いて起泡化(含気)した。含気状態にある可塑性状の各チョコレートを、直径1.5cmの口金を有する絞り袋から絞り出して、棒状に成形した。成形されたチョコレートを、8℃で30分間冷却固化後、長さ2cm程度にカットした。 また、上記カットされた含気チョコレートを、オーブン(上火:210℃、下火:170℃)にて4分間、焼成した。 上記、型成形チョコレート、含気チョコレート、および含気焼成チョコレートの食感を、以下の評価基準に従って、5名のパネラーにより、口どけも含めて総合的に評価した。結果を表3に示した。 〔チョコレートの評価〕 (型成形チョコレートの食感) 4:噛み出しがソフトで、口どけが非常に優れている 3:噛み出しがソフトで、口どけがよい 2:噛み出しはソフトであるが、口どけがよくない、もしくは、 軟らかすぎる 1:噛み出しがソフトではない (含気チョコレートの食感) 4:噛み出しがソフトで軽く、口どけが非常に優れている 3:噛み出しがソフトで、口どけがよい 2:噛み出しはソフトであるが、口どけがよくない、もしくは、 軟らかすぎる 1:噛み出しがソフトではない (含気焼成チョコレートの食感) 4:噛み出しがさっくりと軽くソフトで、口どけが非常に優れている 3:噛み出しが軽く、口どけがよい 2:噛み出しは軽いが、口どけがよくない 1:噛み出しが軽くない 〔分析〕 油脂(ハードバター)の固体脂含有量(SFC)は、IUPAC法2.150a Solid Content determination in Fats by NMRに準じて測定された。また、チョコレートに含まれる油脂の分析として、ヘキサンを使用してチョコレートから抽出された油脂のSFC分析が行われた。
*;3飽和トリアシルグリセロール |