口腔用組成物、食品又は飲料

申请号 JP2017520230 申请日 2016-05-20 公开(公告)号 JPWO2016189846A1 公开(公告)日 2018-03-15
申请人 株式会社サンギ; 发明人 高松 理絵; 小吹 真理子; 春日 綾子; 瀧川 理美子;
摘要 脱灰 した歯牙エナメル質の再石灰化作用に優れた 口腔 用組成物、食品又は飲料、及び再石灰化剤を提供することを課題とする。コンドロイチン 硫酸 ナトリウム及びリン酸カルシウムを含有することを特徴とする口腔用組成物、食品又は飲料である。コンドロイチン硫酸ナトリウム及びリン酸カルシウムを有効成分として含有することを特徴とする歯牙の再石灰化剤である。
权利要求

コンドロイチン硫酸ナトリウム及びリン酸カルシウムを含有することを特徴とする口腔用組成物、食品又は飲料。リン酸カルシウムが、ハイドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム及びリン酸一素カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の口腔用組成物、食品又は飲料。リン酸カルシウムの含有量が、0.0001〜40質量%であることを特徴とする請求項1又は2記載の口腔用組成物、食品又は飲料。コンドロイチン硫酸ナトリウムの含有量が、0.0001〜15質量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の口腔用組成物、食品又は飲料。練歯磨剤、粉歯磨剤、液体歯磨剤、洗口剤、口腔洗浄剤又はトローチ剤であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の口腔用組成物。チューインガム、キャンディ、チョコレート、ヨーグルト又はゼリーであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の食品。炭酸飲料、乳酸菌飲料、果汁飲料又はジュースであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の飲料。コンドロイチン硫酸ナトリウム及びリン酸カルシウムを有効成分として含有することを特徴とする歯牙の再石灰化剤。

说明书全文

本発明は、歯牙の再石灰化効果を有する口腔用組成物、食品又は飲料に関する。

う蝕は、ストレプトコッカス・ミュータンス菌等の虫歯菌が、歯牙表面に付着し歯垢を形成することから始まり、歯垢中で虫歯菌が食物を代謝することにより産生される有機酸が、歯牙エナメル質を脱灰して、初期う蝕状態となる。唾液は、この脱灰部を、唾液中のカルシウムやリンの働きで再石灰化し、歯を元の状態に戻す働きを有している。再石灰化により、脱灰した歯牙を十分に再生することができれば、う蝕の発生を抑えることが可能となる。

そこで、歯牙の再石灰化を促進するために、フッ化物や、リン酸カルシウムの1種で、歯牙の無機成分と類似の結晶構造を有するハイドロキシアパタイトを配合した歯磨剤が製造販売されている。

しかしながら、唾液や、フッ化物又はハイドロキシアパタイトを配合した歯磨剤の使用だけでは脱灰部の再石灰化が十分ではなく、再石灰化を十分に実現しうる歯磨剤等の口腔用組成物の開発が求められている。

そこで、粒子径が0.05μm〜1.0μmのハイドロキシアパタイトやリン酸三カルシウムを配合した、歯表面の微小な凹凸の修復、保護、虫歯予防、歯質強化、美白効果を高めることができる口腔用歯磨剤(特許文献1)や、ハイドロキシアパタイト微粉末を溶性セルロース溶液に配合することにより、歯面上にハイドロキシアパタイト微粉末を長く滞留させることができる口腔用組成物(特許文献2)や、キシリトール等の糖アルコールと第2リン酸カルシウムを併用することにより、再石灰化を著しく促進させることができる口腔用組成物(特許文献3)や、低結晶性ハイドロキシアパタイトを配合した、口腔内細菌に吸着して除菌することにより口腔内の疾患、不快感を予防することができる口腔用組成物(特許文献4)や、ローヤルゼリー又はその抽出物に、ハイドロキシアパタイト等のカルシウム化合物を配合した歯牙の美白、再石灰化による虫歯予防、歯周病予防できる口腔用組成物(特許文献5)や、群青組成物に、ハイドロキシアパタイト等のカルシウム化合物を配合した歯牙の再石灰化効果を促進する歯磨用組成物(特許文献6)や、ミセル性リン酸カルシウム−ホスホペプチド複合体を含む抗う蝕機能を有する再石灰化促進剤(特許文献7)や、フッ化物イオンを含む歯磨剤を用いて歯牙を洗浄した後に、カルシウムイオンを含む口腔用液体組成物を作用させることによって、再石灰化を促進、う蝕を抑制できる方法(特許文献8)や、口腔内で水と接触してハイドロキシアパタイトへの転化能を有するカルシウム塩粉末としてリン酸三カルシウムを配合したpH5〜8の歯磨用組成物(特許文献9)等が提案されている。

また、再石灰化を促進するために、キシリトールとリン酸カルシウム、非結晶性リン酸カルシウム又はリン酸化オリゴ糖カルシウムとを配合したチューインガム等も製造されているが、再石灰化が必ずしも十分ではない。

ところで、コンドロイチン硫酸ナトリウムは、サメなどの軟骨から得られる白色〜淡黄白色の粉末で、高い吸水性を持ち、水に溶けて粘稠な液体となるムコ多糖類の一種で、動物の結合組織や軟骨をはじめ、あらゆる組織の中に存在しており、水分及び栄養の細胞への補給や細胞の水分保持の働きをする。このような働きにより、骨と骨をつなぐ細胞組織が潤滑になり、柔軟性が保持されることから、関節痛や腰痛、また五十肩などの治療や緩和のために医薬品、健康食品として幅広く利用されている。また、食品添加物としても、保水剤又は乳化安定剤として、魚肉ソーセージ、マヨネーズ、ドレッシング等に使用されている。

コンドロイチン硫酸ナトリウムについては、グルタミン又はコンドロイチン硫酸ナトリウムを含有させることによって、抗炎症作用を有し、歯肉炎等の歯周疾患の予防、治療などに有効な口腔用組成物を得ること(特許文献10)、コンドロイチン硫酸又はその塩を含有させることによって、保湿効果に優れ、口臭予防効果が強化された口腔湿潤剤を得ること(特許文献11)、コンドロイチン硫酸ナトリウムを含有させることによって、歯垢形成抑制効果を有する液体口腔用組成物を得ること(特許文献12)、薬効成分を歯肉溝に送達し、その歯肉溝で薬効成分を効率的に作用させる歯磨組成物の粘結剤としてコンドロイチン硫酸ナトリウムを使用すること(特許文献13)等が提案されている。しかしながら、コンドロイチン硫酸ナトリウムは歯牙の再石灰化作用を有してはいない。

特開平9−202717号公報

特開平10−59814号公報

特開2000−128752号公報

特開2001−122748号公報

特開2005−314266号公報

特開2014−73989号公報

特開2006−213668号公報

特開2007−99632号公報

特開平7−223930号公報

特開昭63−253018号公報

特開2006−117563号公報

特開2009−46449号公報

特開2009−196987号公報

本発明の課題は、脱灰した歯牙エナメル質の再石灰化作用に優れた口腔用組成物、食品又は飲料、及び再石灰化剤を提供することにある。

本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、従来、抗炎症効果、保湿効果等しか知られておらず、歯牙の再石灰化作用を有さないコンドロイチン硫酸ナトリウムを、ハイドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム、リン酸一水素カルシウム等のリン酸カルシウムと共に用いて歯磨剤等の口腔用組成物や、食品又は飲料に配合すると、歯牙の再石灰化効果が顕著に向上することを見いだし、本発明を完成するに至った。

すなわち、本発明は以下に示す事項により特定されるものである。 (1)コンドロイチン硫酸ナトリウム及びリン酸カルシウムを含有することを特徴とする口腔用組成物、食品又は飲料。 (2)リン酸カルシウムが、ハイドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム及びリン酸一水素カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする上記(1)に記載の口腔用組成物、食品又は飲料。 (3)リン酸カルシウムの含有量が、0.0001〜40質量%であることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の口腔用組成物、食品又は飲料。 (4)コンドロイチン硫酸ナトリウムの含有量が、0.0001〜15質量%であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか記載の口腔用組成物、食品又は飲料。 (5)練歯磨剤、粉歯磨剤、液体歯磨剤、洗口剤、口腔洗浄剤又はトローチ剤であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか記載の口腔用組成物。 (6)チューインガム、キャンディ、チョコレート、ヨーグルト又はゼリーであることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか記載の食品。 (7)炭酸飲料、乳酸菌飲料、果汁飲料又はジュースであることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか記載の飲料。 (8)コンドロイチン硫酸ナトリウム及びリン酸カルシウムを有効成分として含有することを特徴とする歯牙の再石灰化剤。

本発明は、コンドロイチン硫酸ナトリウムと、ハイドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム、リン酸一水素カルシウム等のリン酸カルシウムを有効成分として含むことにより、脱灰した歯牙エナメル質の再石灰化作用を非常に高めることができ、これらを含有することにより再石灰化作用の非常に優れた口腔用組成物、食品又は飲料、及び再石灰化剤を提供することができる。

図1は、コンタクトマイクロラジオグラム(CMR)による実施例18の歯冠部のコントロール面と処理面を示す写真である。

図2は、コンタクトマイクロラジオグラム(CMR)による実施例60の歯冠部のコントロール面と処理面を示す写真である。

図3は、図1及び図2に示す写真を、濃墨を用いて描きかつ各部の状態の説明を付加した図である。

本発明の口腔用組成物、食品又は飲料としては、コンドロイチン硫酸ナトリウム及びリン酸カルシウムを含有するものであれば特に制限されるものではなく、例えば、口腔用組成物としては、練歯磨剤、粉歯磨剤、液状歯磨剤等の歯磨類、洗口剤、うがい用錠剤等の口腔洗浄剤、トローチ剤などを挙げることができ、食品としては、チューインガム、キャンディ、錠菓、グミゼリー、チョコレート、ビスケット、スナック等の菓子、アイスクリーム、シャーベット、氷菓等の冷菓、パン、ホットケーキ、乳製品、ハム、ソーセージ等の畜肉製品、カマボコ、チクワ等の魚肉製品、惣菜類、プリン、スープ、ジャムなどを挙げることができ、飲料としては、炭酸飲料、乳酸菌飲料、果汁飲料、ジュース等を挙げることができる。また、本発明の歯牙の再石灰化剤は、コンドロイチン硫酸ナトリウム及びリン酸カルシウムを有効性分として含有するものであれば特に制限されるものではなく、錠剤状、粉状、ペースト状、液状等の再石灰化剤を挙げることができる。また、本発明におけるリン酸カルシウムとしては、リン酸のカルシウム塩であれば特に限定されず、例えば、ハイドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム、リン酸一水素カルシウム等を挙げることができ、これらのリン酸カルシウムは、それぞれ単独で用いてもよく、二種以上を併用して用いてもよく、水和物や、リン及びカルシウムの一部がマグネシウム、亜鉛、チタン、ナトリウム、カリウム等の他の元素で置換されたものでもよい。本発明におけるリン酸カルシウムとしては、再石灰化促進の観点から、ハイドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム及びリン酸一水素カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種が好ましい。本発明におけるリン酸カルシウムの含有量は、再石灰化効果をより向上させ、使用感を向上させる観点から、口腔用組成物、食品又は飲料全体の0.0001〜40質量%であることが好ましく、0.01〜30質量%であることがより好ましい。また、本発明の再石灰化剤におけるリン酸カルシウムの含有量は、再石灰化剤をそのまま口腔中で用いる場合には、再石灰化効果をより向上させ、使用感を向上させる観点から、再石灰化剤全体の0.0001〜40質量%であることが好ましく、0.01〜30質量%であることがより好ましく、再石灰化剤を口腔用組成物、食品、飲料等に添加して用いる場合には、添加された後の口腔用組成物、食品、飲料等におけるリン酸カルシウムの含有量が前記範囲となるようにすることが好ましい。本発明の口腔用組成物、食品又は飲料、及び再石灰化剤は、ハイドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム、リン酸一水素カルシウム等のリン酸カルシウムと共に、コンドロイチン硫酸ナトリウムを配合しているので、歯牙の再石灰化を顕著に向上させることができる。

本発明におけるリン酸カルシウムの一種であるハイドロキシアパタイトは、通常の方法で合成されるものの他、天然硬組織としてサケ等の食用魚の魚骨、豚骨、骨等から得られるものであってもよい。通常、ハイドロキシアパタイトは、化学量論的にはCa10(PO4)6(OH)2からなる組成で示されるが、Ca/Pモル比が1.67にならない非化学量論的なものであっても、ハイドロキシアパタイトの性質を示すと共にアパタイト構造をとることができ、例えば、Ca/Pモル比1.4〜1.8程度の合成ハイドロキシアパタイトも本発明におけるハイドロキシアパタイトに含まれる。

本発明において使用されるハイドロキシアパタイトは、結晶性、低結晶性、非晶質のいずれであってもよいが、う蝕予防効果の点から、低結晶性又は非晶質のハイドロキシアパタイトであることが好ましい(以下、低結晶性ハイドロキシアパタイト及び非晶質のハイドロキシアパタイトを「アモルファスハイドロキシアパタイト」と称する。)。なお、「低結晶性」とは、X線回折ピークが、高結晶性の粉体に比べてブロードな結晶質のものをいい、「非晶質」とは、X線回折パターンが幅広いハローを示し、結晶の特徴を示す回折パターンが得られないものをいう。このようなアモルファスハイドロキシアパタイトは、例えば、湿式合成法により合成したアパタイトを凍結乾燥若しくは100℃以下の温度で乾燥し、又は300℃程度以下の温度で焼成して得ることができる。

本発明におけるハイドロキシアパタイトの含有量は、再石灰化効果をより向上させ、使用感を向上させる観点から、口腔用組成物、食品又は飲料全体の0.0001〜40質量%であることが好ましく、0.01〜30質量%であることがより好ましい。また、本発明の再石灰化剤におけるハイドロキシアパタイトの含有量は、再石灰化剤をそのまま口腔中で用いる場合には、再石灰化効果をより向上させ、使用感を向上させる観点から、再石灰化剤全体の0.0001〜40質量%であることが好ましく、0.01〜30質量%であることがより好ましく、再石灰化剤を口腔用組成物、食品、飲料等に添加して用いる場合には、添加された後の口腔用組成物、食品、飲料等におけるハイドロキシアパタイトの含有量が前記範囲となるようにすることが好ましい。

本発明におけるリン酸カルシウムの一種であるリン酸三カルシウムは、第三リン酸カルシウムとも称され、化学式でCa3(PO4)2で表される化合物で、医薬品や化粧品をはじめ、食品、雑貨品、石油化学工業など広く一般的に使用されている。本発明において使用されるリン酸三カルシウムとしては、口腔用組成物、食品又は飲料の成分として用いることができるものであれば特に制限されるものではないが、例えば、医薬品添加物規格、医薬部外品原料規格、化粧品種別配合成分規格等の規格適合品を挙げることができる。

本発明におけるリン酸カルシウムの一種であるリン酸一水素カルシウムは、第二リン酸カルシウムとも称され、化学式でCaHPO4や、その二水和物であるCaHPO4・2H2Oで表わされる組成物で、医薬品、食品、化粧品、工業用原料など広く一般的に使用されている。本発明において使用されるリン酸一水素カルシウムとしては、口腔用組成物、食品又は飲料の成分として用いることができるものであれば特に制限されるものではないが、例えば、食品添加物、日本薬局方、医薬部外品原料規格等の規格適合品を挙げることができる。

本発明におけるリン酸三カルシウム、及びリン酸一水素カルシウムの含有量は、再石灰化効果をより向上させ、使用感を向上させる観点から、口腔用組成物、食品又は飲料全体の0.0001〜40質量%であることが好ましく、0.01〜30質量%であることがより好ましい。また、リン酸カルシウムとして二種以上を併用して用いる場合は、リン酸カルシウム合計の含有量が、口腔用組成物、食品又は飲料全体の0.0001〜40質量%であることが好ましく、0.01〜30質量%であることがより好ましい。本発明の口腔用組成物、食品又は飲料において、リン酸カルシウムの含有量が40質量%を超えると、製造した組成物が固くなり、製造が困難になるおそれや、製造した組成物の品質に問題が出るおそれがある。特に練歯磨剤、ヨーグルト、ゼリー等の水分を含む組成物に関しては、リン酸カルシウムが水分によりケーキ状になるためこれらの点が問題となる。また、リン酸カルシウムの含有量を40質量%以上としても、再石灰化効果の向上程度は少なくなり、特に第二リン酸カルシウムにおいては、再石灰化効果の向上は認められない。

本発明において使用されるコンドロイチン硫酸ナトリウムは、サメなどの魚類の軟骨や豚などの哺乳動物の軟骨から抽出、精製して得られるコンドロイチン硫酸のナトリウム塩である。本発明において使用されるコンドロイチン硫酸ナトリウムとしては、口腔用組成物、食品又は飲料の成分として用いることができるものであれば特に制限されるものではなく、白色から淡黄白色のものまで使用することができ、具体的に、マルハニチロ(株)、生化学工業(株)等の製品を例示することができる。また、本発明に使用するコンドロイチン硫酸ナトリウムとして、例えば、食品添加物、日本薬局方、医薬部外品原料規格、化粧品原料基準等の規格適合品を挙げることができる。

本発明におけるコンドロイチン硫酸ナトリウムの配合量としては、再石灰化をより促進し、使用感を向上させる観点から、口腔用組成物、食品又は飲料全体の0.0001〜15.0重量%であることが好ましく、0.001〜5.0重量%であることがより好ましい。

本発明の口腔用組成物、食品又は飲料、及び再石灰化剤は、前述の成分に加えて、これらに通常使用される添加剤、各種薬効成分等の有効成分などを含有することができ、添加剤としては、例えば、研磨剤、湿潤剤、発泡剤、増粘剤、乳化剤、結合剤、pH調整剤、有機酸、着色料、界面活性剤、油脂、アルコール、甘味料、酸味料、香料、調味料、ビタミン類、ミネラル類、保存料等を挙げることができる。これらの成分の具体例を下記に示す。これら下記に示す成分に加えて、更にその目的、組成物の種類等に応じた適宜な成分を配合することができる。

研磨剤としては、例えば、炭酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、研磨性沈降シリカ、研磨性ゲルシリカ等のシリカ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、ゼオライト、酸化チタン、ケイ酸ジルコニウム、不溶性メタリン酸ナトリウム、第3リン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、ポリメタクリル酸メチル、ベントナイト、合成樹脂などを挙げることができる。

湿潤剤としては、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、エチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、イソプロピレングリコール等の多価アルコールなどを挙げることができる。

発泡剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、N−ラウロイルサルコシンナトリウム、非イオン性界面活性剤等を挙げることができる。

増粘剤としては、例えば、ガティガム、プルラン、アラビアガム、大豆多糖類、タマリンドシードガム、ペクチン、カラギーナン、加工ユーケマ藻類、寒天、ファーセレラン、アルギン酸類(アルギン酸、アルギン酸塩)、グァーガム、タラガム、ローカストビーンガム、サイリウムシードガム、キサンタンガム、サバクヨモギシードガム、グルコマンナン、クインスシード、でん粉、化工でん粉、加工でん粉、デキストリン、脱アシル型ジェランガム、ネイティブ型ジェランガム、カードラン、ラムザンガム、ウェランガム、マクロホモプシスガム、トラガントガム、カラヤガム、微結晶セルロース、微小繊維状セルロース、発酵セルロース、カルボキシメチルセルロース塩、メチルセルロース、ハイドロキシプロピルセルロース、ハイドロキシメチルセルロース、キチン、キトサン、カゼイン、デキストリン、ゼラチン等の多糖類や、バレイショ、もちバレイショ、トウモロコシ、タピオカ、米、小麦、葛、わらび等の植物由来のデンプンなどを挙げることができる。

乳化剤としては、食用に供されるものであれば特に限定されないが、例えば、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル(例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステル、モノグリセリン脂肪酸エステル)、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、リン脂質(例えば、レシチン、リゾレシチン、リポ蛋白)、ステアロイル乳酸ナトリウム、酵素分解リン脂質(例えば、酵素分解レシチン)等を挙げることができる。

結合剤としては、例えば、メチルセルロース、アルギン酸プロピレングリコールエステル、プルラン、トラガントガム、キサンタンガム、ペクチン、ファーセラン、キトサン、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、ペプトン、カゼイン、コラーゲン、アルブミン、アラビアガム、カラヤガム、オイドラギット、エチルセルロース、酢酸セルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール・ジメチルアミノアセテート、セルロースアセテート・ジブチルヒドロキシプロピルエーテル等を挙げることができる。

pH調整剤としては、通常食品に使用される天然由来または生物発酵法または化学的合成により得られた有機酸やアルカリを広く用いることができ、前述の酸味料なども含まれる。例えば、イタコン酸、α−ゲトグルタル酸、フィチン酸、メバロン酸、アジピン酸、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、氷酢酸、酒石酸、乳酸、塩酸、酢酸、フマル酸、リンゴ酸、リン酸、酸性ピロリン酸、これらの酸のナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩及びアンモニウム塩、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、フマル酸一ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等を挙げることができる。

有機酸類としては、例えば、クエン酸、イソクエン酸、リンゴ酸、酢酸、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタール酸、マレイン酸、フマル酸、アコニット酸、乳酸、酒石酸、ピルビン酸、アスコルビン酸、アルドン酸、ウロン酸等の有機酸、これらを含有する梅酢、リンゴ酢、レモン、オレンジ、ユズ、夏ミカン等の柑橘類のチップ、粉末、エキスなどを挙げることができる。

着色料としては、例えば、コーヒー粉末、カカオ色素、ラック色素、赤キャベツ色素、赤ダイコン色素、チョウマメ色素、シソ色素、ハイビスカス色素、ブドウ果汁色素、ブドウ果皮色素、紫イモ色素、紫トウモロコシ色素、紫ヤマイモ色素、エルダーベリー色素、クランベリー色素、チェリー色素、ハイビスカス色素、ブラックベリー色素、プラム色素、ブルーベリー色素、ラズベリー色素、ボイセンベリー色素、トマト色素、ラック色素、イチゴ色素、カカオ色素、カラメル色素、クチナシ色素、ベニコウジ色素、コチニール色素、アカビート色素、ブドウ果汁色素、ベニバナ色素、アナトー色素、クチナシ黄色素、ウコン色素、ガーデニアイエロー、アマランス(食用赤色2号)、エリスロシン(食用赤色3号)、アルラレッドAC(食用赤色40号)、ニューコクシン(食用赤色102号)、フロキシン(食用赤色104号)、ローズベンガル(食用赤色105号)、アシッドレッド(食用赤色106号)、ブリリアンブルー(食用青色1号)、インジゴカルミン(食用青色2号)、スピルリナ色素、クチナシ色素等を挙げることができる。

界面活性剤としては、例えば、非イオン性界面活性剤の、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、デカグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール・ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油・硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンラノリン・ラノリンアルコール・ミツロウ誘導体、ポリオキシエチレンアルキルアミン・脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物、単一鎖長ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アニオン性界面活性剤の、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、N−アシルアミノ酸及びその塩、N−アシルメチルタウリン及びその塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、カチオン性界面活性剤の、アルキルアンモニウム、アルキルベンジルアンモニウム塩、両性界面活性剤の、酢酸ベタイン、イミダゾリニウムベタイン、レシチン、非イオン性界面活性剤としては、ショ糖脂肪酸エステル、ラウリル酸デカグリセリル等を挙げることができる。

油脂成分としては、例えば、流動パラフィン、パラフィン、セチルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール、イソプロピルミリステート等脂肪酸エステル、ラノリン、脂肪酸類、ミリスチン酸オクチルドデシル、アジピン酸ジイソプロピル、イソステアリン酸ヘキサデシル、オレイン酸デシル等のエステル化合物、スクワラン、スクワレン、中鎖脂肪酸トリグリセリド、シリコンなどを挙げることができる。

アルコールとしては、例えば、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブタノール等の低級アルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、1,5−ペンタジオール、ソルビット、ポリエチレングリコール等の多価アルコールなどを挙げることができる。

甘味料としては、例えば、ショ糖(砂糖)、果糖、マルチトール、ブドウ糖、各種のオリゴ糖、水飴、還元麦芽糖水飴、マルトトリオース、はちみつ、パラチノース、トレハロース、ラクトース、キシロース、アスパルテーム、スクロース、L−フェニルアラニン、ステビア、サッカリン、アセスルファムカリウム、甘草、ステビオサイド、レバウディオザイド、さらにソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、ラクチトール、マルチトール等の糖アルコール、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳菓オリゴ糖、キシロオリゴ糖等のオリゴ糖などを挙げることができる。

酸味料としては、例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、グルコン酸等の食品用有機酸、ナトリウム塩、カルシウム塩、カリウム塩等の塩類などを挙げることができる。

香料としては、例えば、精油、エキストラクト、オレオレジン、回収フレーバー、単離香料等の天然香料素材、アルコール類、エステル類、アルデヒド類、ケトン類、ラクトン類等の合成香料素材の中から選ばれた1種のもの、あるいは2種以上を混合したものを挙げることができ、形態として、水性香料、油性香料、乳化香料、粉末香料等の着香料を挙げることができる。具体的には、レモン油、オレンジ油、アニス油、クローブ油、カプシカム油、シンナモン油、グレープフルーツ油、ライム油、タンジェリン油、マンダリン油、ベルガモット油、ペパーミント油、スペアミント油等の天然香料、リナロール、ゲラニオール、シトロネロール、ミルセノール、フアルネソール、ヘキサノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、アニスアルコール、シンナミックアルコール、アネトール、リナロ−ル、オイゲノール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸シトロネリル、酢酸ベンジル、酢酸リナリル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸イソアミル、プロピオン酸ゲラニル、酪酸イソアミル、イソ吉草酸エチル等のエステル類、オクチルアルデヒド、ウンデシルアルデヒド、α−ヘキシルシンナムアルデヒド、ノナジエナール、オクタナール、シトラール、ペリラアルデヒド、フェニルアルデヒド、シンナミックアルデヒド、バニリン、L−カルボン、アセトフェノン、ヨノン、ダマセノン、マルト−ル、ベンジルアセトン、メチルヘプチルケトン、メチルデシルケトン等のアルデヒド及びケトン類、δ−デカラクトン、γ−ウンデカラクトン、スクラレオライド等のラクトン類、リモネン、ピネン、カリオフィレン等の炭化水素類、酢酸、プロピオン酸、2−メチル酪酸、ケイ皮酸等の酸類などを挙げることができる。

調味料としては、例えば、食塩、グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸、グアニル酸等を挙げることができる。

ビタミン類としては、例えば、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンA、ビタミンB12等を挙げることができる。

ミネラル類としては、例えば、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅等を挙げることができる。

保存料としては、例えば、ソルビン酸及びその塩、安息香酸及びその塩、デヒドロ酢酸及びその塩、パラオキシ安息香酸エステル類、プロピオン酸及びその塩、酢酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、二酸化硫黄、エタノール、グリシン、ポリリジン、プロタミン、リゾチーム、キトサン、ペクチン分解物、ユッカ、カラシ、ワサビ、ホップ、孟宗竹等の植物抽出物、ヒノキチオールやナタマイシン、ナイシン、及び次亜塩素酸ナトリウム、高度サラシ粉等の塩素系殺菌剤、過酸化水素等の酸素系殺菌剤などを挙げることができる。

その他薬効成分としては、例えば、アラントイン、酢酸トコフェロール、イソプロピルフェノール、トリクロサン、クロルヘキシジン、クロロフィル、フラボノイド、トラネキサム酸、ヒノキチオール、塩化セチルピリジニウム、フッ化ナトリウム、フッ化第1錫、モノフルオロリン酸ナトリウム、デキストラナーゼ、ムタナーゼ、プロテアーゼ、アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸類、アズレン、アラントイン、塩化リゾチーム、オオバクエキス、ポリリン酸類、塩化ナトリウム、アロエ搾汁液、アマチャヅル、薬用人参、活性酸素除去剤、抗酸化剤、消炎鎮痛剤、抗ヒスタミン剤、止痒剤、殺菌剤、ビタミン剤、ホルモン剤等を挙げることができる。

なお、これら任意成分の配合量は、本発明の効果を妨げず、薬剤学的に許容できる範囲で適宜使用される。また、本発明の口腔用組成物、食品又は飲料の製造において、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ハイドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム、リン酸一水素カルシウム等のリン酸カルシウム、及びその他の成分は、製造過程のいかなる過程で添加してもよい。

コンドロイチン硫酸ナトリウムと、ハイドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム、又はリン酸一水素カルシウムとを配合した練歯磨剤(実施例1〜78)、液体歯磨剤(実施例79〜96)、洗口剤(実施例97〜108)、チューインガム(実施例109〜117)、トローチ(実施例118〜132)、キャンディ(実施例133〜144)、及び飲料(実施例145〜153)を、表1〜表15、表23〜表25、表30〜表32、表35〜表37、表39〜表41、表43〜表45及び表47〜表49の配合で調製して、再石灰化試験を行った。 [コンドロイチン硫酸ナトリウム] コンドロイチン硫酸ナトリウムは、外原規コンドロイチン硫酸ナトリウム(株式会社マルハニチロ食品)を使用した。 [ハイドロキシアパタイト] 攪拌下の水酸化カルシウム懸濁液中に、30質量%濃度のリン酸水溶液を、pH10になるまで滴下し、生成したゲル状物質を室温で1日間放置して熟成した。その後、ゲル状物質をガラスフィルターで濾過し、残った物質を100℃の空気中で乾燥を行うことにより、ハイドロキシアパタイト粉末を得た。得られたハイドロキシアパタイト粉末は、最大粒径が約40μm、最小粒径が約0.05μm、平均粒径が約5μmであった。このハイドロキシアパタイト粉末を使用した。 [リン酸三カルシウム(第三リン酸カルシウム] リン酸三カルシウムは、食品添加物:リン酸三カルシウム(太平化学産業株式会社)を使用した。 [リン酸一水素カルシウム(第二リン酸カルシウム)] リン酸一水素カルシウムは、食品添加物:リン酸一水素カルシウム(米山化学工業株式会社)を使用した。

また比較例として、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ハイドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム又はリン酸一水素カルシウムをそれぞれ配合した練歯磨剤、液体歯磨剤、洗口剤、チューインガム、トローチ、キャンディ及び飲料を、表16〜表22、表26〜表29、表33、表34、表38、表42、表46、表50及び表51の配合で調製して再石灰化試験を行なった。 1.練歯磨剤

2.液体歯磨剤

3.洗口剤

4.チューインガム

5.トローチ

6.キャンディ

7.飲料

[再石灰化試験方法] 再石灰化効果を確認するために、予め作製した人工初期う蝕試験試料を用いた。人工初期う蝕試験試料の作製は、牛前歯、歯冠部唇面エナメル質を用いた。エナメル質表面を#1000、#2400、#4000の研磨紙で研磨した。研磨したエナメル質表面の試験対象部位をNail Enamel(資生堂社製)で約5×3mmのウインドウを作製し、0.1M乳酸緩衝液(pH4.8、3.0mmM CaCl2、1.8mmM KH2PO4、1.0% CMC)に37℃、4日間浸漬させて、人工初期う蝕を作製した。なお、試験のコントロールには、約5×3mmのウインドウのうち、歯冠頭頂部側の半分をさらにNail Enamel(資生堂社製)でマスキングし、比較対象部位(コントロール)とした。また、練歯磨剤、液体歯磨剤、洗口剤、飲料を精製水と混合し懸濁溶液としたものを試験溶液(被検物質)とし、チューインガム、トローチ及びキャンディについては、微粉砕後、各々の試験物質から水溶性成分を抽出し、精製水との懸濁溶液にしたものを試験溶液(被検物質)とした。

再石灰化試験は、上記で作製した人工初期う蝕試験体を各々の試験溶液に12日間浸漬した後、試験体をマイクロカッターにて歯軸に対して平行となるように約500μm厚に切断し、その後、この切片を#1000、#2400、#4000の研磨紙を用い、注水下にて約100μm厚の平行薄切片となるように研磨を行った。研磨後、歯の再石灰化効果の確認を行うため、コンタクトマイクロラジオグラム(CMR)撮影を行った(図1及び図2参照)。図中の「コントロール面」とは、実施例及び比較例の歯磨用組成物がどの程度再石灰化効果を有するかを比較対象とするための部分であり、人工初期う蝕の状態を維持したものである。人工初期う蝕(約5×3mmのウインドウ)領域のうち、半分の部分である。図中の「処理面」とは、実施例及び比較例の試験溶液(被検物質)を作用させた部分である。

また、人工初期う蝕部位の再石灰化の効果について、コンピュータを用いて解析を行った。 コンピュータでの画像解析は、Angmerらの式(B.Angmer, D.Carlstrom and J.E..Glas : Studies on Ultrastructure of Dental Enemel IV : The Mineralization of normal Human Enamel, J. Ultrastructure.Res.8, 12-23, 1963)を基に再石灰化したミネラル量を算出し、Damatoらの方法(F.A. Damato, R.Stang and K.W.Stephen : Effect of Fluoride Concentration on Reminerelization of Carious Enamel : an in vitro pH-Cycling Study, Caries Res, 24, 174-180,1990)に従って、各切片のコントロール面と処理面のミネラル喪失量△Z(%volume mineral・μm)を算出した。なお、再石灰化率は、以下の式により算出した。

表52〜表65は、かかるコンピュータ画像解析法により歯磨用組成物の再石灰化効果を確認した結果である。 1.練歯磨剤

2.液体歯磨剤

3.洗口剤

4.チューインガム

5.トローチ

6.キャンディ

7.飲料

練歯磨剤、液体歯磨剤、洗口剤、チューインガム、トローチ、キャンディ及び飲料におけるコンドロイチン硫酸ナトリウムを単独で配合した比較例に示されるように、コンドロイチン硫酸ナトリウム単独では、歯牙の再石灰化効果はほとんどない。

これに対し、コンドロイチン硫酸ナトリウムを、ハイドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム又はリン酸水素一カルシウムと共に用いると、ハイドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム又はリン酸水素一カルシウムを単独で用いた場合に比べて、歯牙の再石灰化効果の相乗的な向上効果がみられる。なお、以下に記載の合計再石灰化率とは、各比較例での再石灰化率を加えた値である。 具体的に、例えば、 実施例1(再石灰化率:25.0%)と比較例1及び比較例15(合計再石灰化率:15.5%)、 実施例5(再石灰化率:38.5%)と比較例3及び比較例14(合計再石灰化率:14.1%)、 実施例15(再石灰化率:24.5%)と比較例5及び比較例11(合計再石灰化率:11.7%)、 実施例46(再石灰化率:18.3%)と比較例2及び比較例18(合計再石灰化率:4.8%)、 実施例66(再石灰化率:16.4%)と比較例4及び比較例29(合計再石灰化率:2.4%)、 実施例80(再石灰化率:25.1%)と比較例36及び比較例38(合計再石灰化率:10.4%)、 実施例85(再石灰化率:10.0%)と比較例34及び比較例43(合計再石灰化率:7.9%)、 実施例96(再石灰化率:15.8%)と比較例35及び比較例54(合計再石灰化率:1.9%)、 実施例97(再石灰化率:19.0%)と比較例55及び比較例58(合計再石灰化率:8.7%)、 実施例108(再石灰化率:14.9%)と比較例56及び比較例61(合計再石灰化率:2.6%)、 実施例109(再石灰化率:23.9%)と比較例63及び比較例64(合計再石灰化率:9.3%)、 実施例132(再石灰化率:15.8%)と比較例70及び比較例76(合計再石灰化率:2.4%)、 実施例140(再石灰化率:8.8%)と比較例77及び比較例81(合計再石灰化率:3.6%)、 実施例147(再石灰化率:22.2%)と比較例84及び比較例86(合計再石灰化率:6.9%)、 等の比較からその相乗効果は明らかである。

本発明の口腔用組成物、食品又は飲料は、歯牙の再石灰化に大変優れており、産業上の有用性は高い。

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