Dry separation method and dry separator |
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申请号 | JP2012000823 | 申请日 | 2012-01-05 | 公开(公告)号 | JP2013139005A | 公开(公告)日 | 2013-07-18 |
申请人 | Nagata Engineering Co Ltd; 永田エンジニアリング株式会社; | 发明人 | KUBO YASUO; OSHITANI JUN; | ||||
摘要 | PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a dry separation method capable of attaining the continuous separation of separation objects at a low cost and in an environmentally friendly manner.SOLUTION: This dry separation method includes supplying separation objects into a solid/gas fluidized bed where powder is fluidized, introducing gas dispersed in the solid/gas fluidized bed, and separating the separation objects by using the apparent density of the solid/gas fluidized bed, wherein the recovery rate of the separation objects is changed according to the specific gravity difference of the separation objects. In a preferred embodiment of this dry separation method, when the specific gravity of separation of the solid/gas fluidized bed is Dp, the separation object that has a specific gravity outside a range of Dp±0.2 is recovered at a faster speed than the separation object that has a specific gravity within the range of Dp±0.2. | ||||||
权利要求 | 粉体を流動化させた固気流動層へ分離対象物を投入し、前記固気流動層へ分散させた気体を導入し、前記固気流動層の見掛け密度を利用して分離対象物を分離する乾式分離方法であって、 前記分離対象物の比重差に応じて、分離対象物の回収速度を変化させることを特徴とする乾式分離方法。 前記固気流動層の分離比重をDpとした場合に、Dp±0.2の範囲外の比重を有する前記分離対象物を、Dp±0.2の範囲内の比重を有する前記分離対象物より速い速度で回収する請求項1記載の方法。 前記流動層の分離比重をDpとした場合に、Dp±0.1の範囲外の比重を有する前記分離対象物を、Dp±0.1の範囲内の比重を有する前記分離対象物より速い速度で回収する請求項1記載の方法。 前記気体の導入を、多孔性材料からなる気体分散板を介して行う請求項1〜3項のいずれか1項に記載の乾式分離方法。 多孔性材料が、パンチング板である請求項4記載の方法。 前記粉体の流動化を、前記固気流動層の下部からの送風により行なう請求項1〜5項のいずれか1項に記載の方法。 通気性が5.0(cm 3 /s)/cm 2以下の条件下で、送風を行なうことを特徴する請求項1〜6項のいずれか1項に記載の方法。 空塔速度をu 0として粉体の最小流動化空塔速度をu mfとした場合、u 0 /u mfが1〜4の範囲において前記送風を行なうことを特徴とする請求項1〜7項のいずれか1項に記載の方法。 固気流動層の見掛け密度を、分離しようとする分離対象物中の各成分の最大密度と最小密度との間に設定することを特徴とする請求項1〜8項のいずれか1項に記載の方法。 粉体が、ユニビーズ、ガラスビーズ、ジルコンサンド、ポリスチレン粒子、スチー、シリカサンド、アルミナサンド及びこれらと同程度の密度を有する粉体からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1〜9項のいずれか1項に記載の方法。 分離対象物が、自動車シュレダーダスト、家電シュレッダーダスト、及びこれら以外の産業廃棄物、一般廃棄物、鉱石類、石炭、又はレアアースである請求項1〜10項のいずれか1項に記載の方法。 前記鉱石類が、鉄鉱石、ニッケル鉱石、銅鉱石、石灰石、又はレアメタル含有鉱石である請求項1〜11項のいずれか1項に記載の方法。 前記粉体の平均粒径が、30〜500μmであることを特徴とする請求項1〜12項のいずれか1項に記載の方法。 前記固気流動層を構成する成分を投入し、次いで前記分離対象物を投入し、その後前記固気流動層を構成する成分を投入することにより、前記固気流動層を構成する成分の間へ前記分離対象物を投入する請求項1〜13項のいずれか1項に記載の方法。 前記粉体が、少なくとも2種類以上の混合媒体である請求項1〜14項のいずれか1項に記載の方法。 前記粉体の粒度がそれぞれ異なる請求項15記載の方法。 前記粉体が、磁性を有する粉体と、非磁性の粉体とからなる請求項15記載の方法。 粉体によって形成される固気流動層と、分離対象物を投入する分離対象物投入手段と、前記分離対象物が前記固気流動層によって分離し浮揚した浮揚物を回収する第一の回収手段と、前記分離対象物が固気流動層によって分離し沈降した沈降物を回収する第二の回収手段とを備え、前記第一及び/又は第二の回収手段が、前記分離対象物の比重差に応じて、分離対象物の回収速度を変化させる機構を有することを特徴とする乾式分離装置。 前記第一及び/又は第二の回収手段が、前記固気流動層の分離比重をDpとした場合に、Dp±0.2の範囲外の比重を有する前記分離対象物を、Dp±0.2の範囲内の比重を有する前記分離対象物より速い速度で回収する請求項18記載の装置。 前記第一及び/又は第二の回収手段が、前記流動層の分離比重をDpとした場合に、Dp±0.1の範囲外の比重を有する前記分離対象物を、Dp±0.1の範囲内の比重を有する前記分離対象物より速い速度で回収する請求項18記載の装置。 前記第一及び/又は第二の回収手段の分離対象物を回収する回収方向がそれぞれ異なることを特徴とする請求項18〜20項のいずれか1項に記載の装置。 さらに、分離対象物を分離回収する際に発生する集塵を回収する集塵回収手段を有する請求項18〜21項のいずれか1項に記載の装置。 前記第一及び/又は第二の回収手段が、前記浮揚物及び/又は沈降物とともに前記粉体を回収する請求項18〜22項のいずれか1項に記載の装置。 さらに、前記固気流動層内に、前記浮揚物と前記沈降物を分離するための分離手段を有する請求項18〜23項のいずれか1項に記載の装置。 前記第一及び/又は第二の回収手段が、前記固気流動層内に設けられた回収容器によって前記浮揚物及び/又は沈降物を回収する請求項18〜24項のいずれか1項に記載の装置。 前記第一及び第二の回収手段が、吸引機構によるものである請求項18項〜25項のいずれか1項に記載の装置。 さらに、前記粉体の比重を測定する比重測定手段と、前記固気流動層内の少なくとも2種以上の粉体を分離する分離手段を有する請求項18〜26項のいずれか1項に記載の装置。 さらに、前記固気流動層の分離比重を設定する設定手段と、前記設定手段によって設定された分離比重に基づいて、粉体の混合比を算出する混合比算出手段と、前記混合比算出手段によって算出された混合比に基づいて、前記粉体を前記固気流動層内へ供給する粉体供給手段とを有する請求項18〜27項のいずれか1項に記載の装置。 |
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说明书全文 | 本発明は、乾式分離方法、及び乾式分離装置に関する。 種々の素材から構成される工業製品、鉱物資源、さらには、産業廃棄物等においては、種々の異なる成分を含んでいる。 このような成分毎の分離は、鉱物資源の精製、資源のリサイクル等を行なう上で必要である。 現在までのところ、分離方法としては主として、湿式分離法及び乾式分離法が知られている。 例えば、乾式分離法として、流動化媒体となる粉体に気体を吹き込んで流動層を形成し、固気流動層内に石炭粒子を投入して流動層の見かけ密度より小さい密度の石炭粒子を浮揚させ、大きい密度の石炭粒子を沈降させて分離するようにした乾式石炭分離方法が知られている(特許文献1)。 しかしながら、上記乾式分離法は、装置コストが高く、効率も低いなどの問題がある。 加えて、湿式分離法においては、廃液処理による環境汚染の問題や、水資源の少ないところでは利用できず、また、廃液処理や分離後の乾燥工程を必要とするなどの問題を抱えている。 また、目的成分以外に、分離対象物中に不純物を含んでいる場合が殆どである。 しかし、当該不純物を除去しつつ、連続的に目的成分を回収する方法はこれまで知られていない。 また、湿式分離法においては、運転中に分離比重の調製が比較的容易であるのに対して、乾式分離法においては、必ずしも容易ではなかった。 そこで、本発明は、連続的に分離対象物を分離することが可能であり、かつ、低コストで、環境に優しい乾式分離方法、及び乾式分離装置を提供することにある。 また、本発明は、運転中にも分離比重の調製が可能な乾式分離方法、及び乾式分離装置を提供することにある。 発明者らは、粉体を流動化させた固気流動層が密度や粘度などの特性を有する液体に類似した性質を持つことに着目し、特に、流動化状態中の種々の密度を有する物体の挙動について検討した結果、本発明の乾式分離方法及び乾式分離装置を見出すに至った。 すなわち、本発明の乾式分離方法は、粉体を流動化させた固気流動層へ分離対象物を投入し、前記固気流動層へ分散させた気体を導入し、前記固気流動層の見掛け密度を利用して分離対象物を分離する乾式分離方法であって、前記分離対象物の比重差に応じて、分離対象物の回収速度を変化させることを特徴とする。 本発明の乾式分離方法の好ましい実施態様において、前記固気流動層の分離比重をDpとした場合に、Dp±0.2の範囲外の比重を有する前記分離対象物を、Dp±0.2の範囲内の比重を有する前記分離対象物より速い速度で回収することを特徴とする。 また、本発明の乾式分離方法の好ましい実施態様において、前記流動層の分離比重をDpとした場合に、Dp±0.1の範囲外の比重を有する前記分離対象物を、Dp±0.1の範囲内の比重を有する前記分離対象物より速い速度で回収することを特徴とする。 また、本発明の乾式分離方法の好ましい実施態様において、前記気体の導入を、多孔性材料からなる気体分散板を介して行うことを特徴とする。 また、本発明の乾式分離方法の好ましい実施態様において、多孔性材料が、パンチング板であることを特徴とする。 また、本発明の乾式分離方法の好ましい実施態様において、前記粉体の流動化を、前記固気流動層の下部からの送風により行なうことを特徴とする。 また、本発明の乾式分離方法の好ましい実施態様において、通気性が5.0(cm 3 /s)/cm 2以下の条件下で、送風を行なうことを特徴する。 また、本発明の乾式分離方法の好ましい実施態様において、空塔速度をu 0として粉体の最小流動化空塔速度をu mfとした場合、u 0 /u mfが1〜4の範囲において前記送風を行なうことを特徴とする。 また、本発明の乾式分離方法の好ましい実施態様において、固気流動層の見掛け密度を、分離しようとする分離対象物中の各成分の最大密度と最小密度との間に設定することを特徴とする。 また、本発明の乾式分離方法の好ましい実施態様において、粉体が、ユニビーズ、ガラスビーズ、ジルコンサンド、ポリスチレン粒子、スチールショット、シリカサンド、アルミナサンド及びこれらと同程度の密度を有する粉体からなる群から選択される少なくとも1種である。 また、本発明の乾式分離方法の好ましい実施態様において、分離対象物が、自動車シュレダーダスト、家電シュレッダーダスト、及びこれ以外の産業廃棄物、一般廃棄物、鉱石類石炭、レアアース、であることを特徴とする。 また、本発明の乾式分離方法の好ましい実施態様において、鉱石類が、鉄鉱石、ニッケル鉱石、銅鉱石、石灰石、又はレアメタル含有鉱石であることを特徴とする。 また、本発明の乾式分離方法の好ましい実施態様において、粉体の平均粒径が、30〜500μmであることを特徴とする。 また、本発明の乾式分離方法の好ましい実施態様において、前記固気流動層を構成する成分を投入し、次いで前記分離対象物を投入し、その後前記固気流動層を構成する成分を投入することにより、前記固気流動層を構成する成分の間へ前記分離対象物を投入することを特徴とする。 また、本発明の乾式分離方法の好ましい実施態様において、前記粉体が、少なくとも2種類以上の混合媒体であることを特徴とする。 また、本発明の乾式分離方法の好ましい実施態様において、前記粉体の粒度がそれぞれ異なることを特徴とする。 また、本発明の乾式分離方法の好ましい実施態様において、前記粉体が、磁性を有する粉体と、非磁性の粉体とからなることを特徴とする。 また、本発明の乾式分離装置は、粉体によって形成される固気流動層と、分離対象物を投入する分離対象物投入手段と、前記分離対象物が前記固気流動層によって分離し浮揚した浮揚物を回収する第一の回収手段と、前記分離対象物が固気流動層によって分離し沈降した沈降物を回収する第二の回収手段とを備え、前記第一及び/又は第二の回収手段が、前記分離対象物の比重差に応じて、分離対象物の回収速度を変化させる機構を有することを特徴とする。 また、本発明の乾式分離装置の好ましい実施態様において、前記第一及び/又は第二の回収手段が、前記固気流動層の分離比重をDpとした場合に、Dp±0.2の範囲外の比重を有する前記分離対象物を、Dp±0.2の範囲内の比重を有する前記分離対象物より速い速度で回収することを特徴とする。 また、本発明の乾式分離装置の好ましい実施態様において、前記第一及び/又は第二の回収手段が、前記流動層の分離比重をDpとした場合に、Dp±0.1の範囲外の比重を有する前記分離対象物を、Dp±0.1の範囲内の比重を有する前記分離対象物より速い速度で回収することを特徴とする。 また、本発明の乾式分離装置の好ましい実施態様において、前記第一及び/又は第二の回収手段の分離対象物を回収する回収方向がそれぞれ異なることを特徴とする。 また、本発明の乾式分離装置の好ましい実施態様において、さらに、分離対象物を分離回収する際に発生する集塵を回収する集塵回収手段を有することを特徴とする。 また、本発明の乾式分離装置の好ましい実施態様において、前記第一及び/又は第二の回収手段が、前記浮揚物及び/又は沈降物とともに前記粉体を回収することを特徴とする。 また、本発明の乾式分離装置の好ましい実施態様において、さらに、前記固気流動層内に、前記浮揚物と前記沈降物を分離するための分離手段を有することを特徴とする。 また、本発明の乾式分離装置の好ましい実施態様において、前記第一及び/又は第二の回収手段が、前記固気流動層内に設けられた回収容器によって前記浮揚物及び/又は沈降物を回収することを特徴とする。 また、本発明の乾式分離装置の好ましい実施態様において、前記第一及び第二の回収手段が、吸引機構によるものであることを特徴とする。 また、本発明の乾式分離装置の好ましい実施態様において、さらに、前記粉体の比重を測定する比重測定手段と、前記固気流動層内の少なくとも2種以上の粉体を分離する分離手段を有することを特徴とする。 また、本発明の乾式分離装置の好ましい実施態様において、さらに、前記固気流動層の分離比重を設定する設定手段と、前記設定手段によって設定された分離比重に基づいて、粉体の混合比を算出する混合比算出手段と、前記混合比算出手段によって算出された混合比に基づいて、前記粉体を前記固気流動層内へ供給する粉体供給手段とを有することを特徴とする。 本発明によれば、装置コストが安価で、効率が高く、廃液処理や分離後の乾燥工程が不用であって、環境への影響もほとんどないという有利な効果を奏する。 また、本発明によれば、いわゆる乾式分離であるため、水資源の少ないところでも利用することができる。 本発明の分離の原理について説明すると、以下のようになる。 すなわち、粉体を流動化させ、液体系の比重選別と同様な粉体流動化媒体、言い換えれば固気流動層(以下では、単に流動層ともいう。)を利用して分離対象物を主としてその密度によって、分離するものである。 本発明においては、これに加えて、前記分離対象物の比重差に応じて、分離対象物の回収速度を変化させて、分離対象物を回収することも特徴の一つである。 このように分離対象物の比重差に基づいて、分離対象物の回収速度を変化させることによって、迅速に分離対象物を回収可能となる。 すなわち、分離対象物の比重と流動層の分離比重とが離れている場合には、比較的分離が容易であり、流動層が多少不安定化しても回収が容易であるので、このようなものは回収速度を速めて迅速に分離回収することができる一方、分離対象物の比重と流動層の分離比重とが近接している場合には、回収速度を遅くして、流動層の安定化を図ってじっくりと分離対象物を回収する。 このようにすれば、コンタミネーションの弊害をかなり防止しつつ、浮揚物と沈降物との高精度分離が可能となる。 すなわち、本発明者らは、大容量(例えば、処理能力が50t/hr〜200t/hr)の分離対処物を大量に処理することを達成するにはどうするかを検討した結果、沈降分離速度の速いものと、緩やかなものを別々の排出システムで回収することを検討した。 発明者らのこれまでの知見によると、バッチ装置では理想的な流動層を実現できるが、実際の装置では流動層内を回収機構が動くことになるが、このことは流動層の不安定化につながる。 一定速度以上に移動させると選別精度が極端に低下する事態が起こり得る。 逆に言えば、分離速度の速い領域ではある程度流動層内の排出機速度を速めても分離精度は大きく乱れないことも分かってきた。 そこで、給鉱後すぐ分離するものは、排出機構の速度を速めることによって、排出能力を大きくすることができることが判明した。 一方で、緩やかに分離するものについては、分離精度を乱さない範囲とすることが望ましい。 以上により、沈降物の排出能力の増大、処理能力の増大を図ることが可能であることが分かり、このような知見に基づき本発明を完成するに至った。 ここで、本明細書において、似ている用語として、流動層の見かけ密度と、分離比重とを用いているが、それぞれ、異なる定義を有する。 見かけ密度は、文字通り流動層自身の見かけの密度であるのに対して、分離比重は、2産物に分離された結果としていくらの比重で分離されたかを示すものである。 比重分離技術の業界では、一般的に浮上すべきものの沈下物への誤配物比率が50%に該当する比重を、分離比重(Dp)としている。 本明細書においても、このような意味で用いる。 この場合、Dpは、D50とも表示することができる。 したがって、結果として流動層の見かけ密度と分離比重とが一致する場合があるが、通常は一致しないことになる。 実際には、目的とする分離比重になるように、流動層の見かけ密度を調整することになる。 実際の分離の結果を分析し、分離比重を求める。 求める方法は、配分率曲線を作成、配分率50%に該当する比重を分離比重とすることができる。 すなわち、D50とは、すなわち配分率:50%に該当する比重を分離比重Partition Density、又はSeparation Densityとすることができる。 配分率曲線の作成については、以下の実施例でも紹介する。 本発明の乾式分離方法の好ましい実施態様において、前記固気流動層の分離比重をDpとした場合に、Dp±1、好ましくはDp±0.5の範囲外の比重を有する前記分離対象物を、Dp±1、好ましくはDp±0.5の範囲内の比重を有する前記分離対象物より速い速度で回収する。 また、本発明の乾式分離方法の好ましい実施態様において、前記固気流動層の分離比重をDpとした場合に、Dp±0.2の範囲外の比重を有する前記分離対象物を、Dp±0.2の範囲内の比重を有する前記分離対象物より速い速度で回収する。 すなわち、沈降すべきものの比重がDp+0.2以上、浮上すべきものの比重が、Dp−0.2以下の場合に分離する場合である。 この場合、厳密には、100%分離ではなく、相互への誤配物が5%以下に抑えたい場合に、有効な条件である。 すなわち、沈降すべきものが浮上物へ迷い込む量が5%以下、逆に浮上物が沈降物に迷い込む量も5%以下に抑えたい場合の態様である。 また、本発明の乾式分離方法の好ましい実施態様において、前記流動層の分離比重をDpとした場合に、Dp±0.1の範囲外の比重を有する前記分離対象物を、Dp±0.1の範囲内の比重を有する前記分離対象物より速い速度で回収する。 すなわち、沈降すべきものの比重がDp+0.1以上、浮上すべきものの比重が、Dp−0.1以下の場合に分離する場合である。 この場合、厳密には、100%分離ではなく、相互への誤配物が25%以下に抑えたい場合に、有効な条件である。 すなわち、沈降すべきものが浮上物へ迷い込む量が25%以下、逆に浮上物が沈降物に迷い込む量も25%以下に抑えたい場合の態様である。 また、本発明において、沈降すべきものと浮上すべきものの比重差が、0.2以上(分離比重が、浮上すべきものの比重より、0.1以上大きいか、もしくは沈降すべきものの比重より0.1以上小さい場合)において、比較的速やかに浮上、もしくは沈降する傾向があることが判明している。 したがって、この値が一つの分離の基準とすることも可能である。 また、Dp±0.1の範囲内で、沈降すべきものと浮上すべきものの比重差が、0.1以下になると、Dpをその中間に設定に設定したとしても、Dpとの比重差が、0.05以下となり相互産物への迷い込み量が25%以上となる可能性が高くなる傾向がある。 したがってより精度良く分離するには、流動層を安定化させた状態での分離が理想的となる。 すなわち、回収速度を遅くする等の工夫が必要となる。 所望する分離対象物や当該分離対象物の分離精度に応じて適宜、設定することが可能である。 なお、使用する粉体や、分離する分離対象等の条件により一概には言えないが、一般には、沈降分離速度について、以下のように考えられる。 すなわち、 分離速度は、基本的には対象物サイズとDpとの比重差に規定される。 分離対象物の浮上物と沈下物の比重が、Dp±0.1以上であれば沈降速度が速い、Dp±0.1〜0.05であれば緩やか、と考えることができる。 これは、分離対象物の浮上物と沈下物の比重が、Dp±0.1〜0.05の場合には、特に、流動層の安定化を考慮する必要があるということにもなる。 また、固気流動層とは、粉体を流動化させて液体に類似した性質を持つものを意図する。 まず、固気流動層による分離の概念を以下に説明する。 粉体に気体を送り浮遊流動化させた場合、粉体からなる流動層は、液体と同様の挙動を示す。 従って、流動層の見掛け密度ρfbは下記の式で表される。 ρfb=Wp /Vf =(1−εf )ρp このような見掛け密度ρfbを有する流動層中に密度ρs の分離対象物を混在させたとき、ρs <ρfbの分離対象物成分は流動層上部に浮揚し、ρs >ρfbの当該分離対象物成分は流動層下部に沈降する。 そしてρs =ρfbの当該分離対象物成分は流動層中間部を浮遊する。 このことを利用して分離対象物の比重選別を行なうのである。 こうして分離対象物中の各成分を分離することが可能である。 これによって、分離された各成分を容易にリサイクルすることも可能となる。 本発明において分離可能な分離対象物は特に限定されない。 分離対象物としては、自動車シュレッダーダスト、家電シュレッダーダスト、及びこれ以外の産業廃棄物、一般廃棄物、鉱石類石炭、レアアースであることを特徴とする。 また、分離対象物として、各種鉱物資源、工業製品の他、シュレッダーダスト、廃棄物、鉱物、農作物、プラスチック、金属等を挙げることができる。 また、好ましい実施態様において、分離対象物としては、鉱石類が、鉄鉱石、ニッケル鉱石、銅鉱石、石灰石、又はレアメタル含有鉱石である。 各種鉱物資源としては、珪石、ろう石などの鉱石、炭鉱で採掘された原炭等が挙げられ、シュレッダーダストには、家庭用ごみ、自動車、家電製品等からのシュレッダーダスト等由来のものを挙げることができる。 なお、このようにいずれか由来の分離対象物であっても良いが、分離対象物が汚れている場合は、洗浄した後に分離するのが好ましい。 これは本発明の分離方法によれば、主として分離対象物の成分をその比重差によって分離するため、分離対象物が汚れていると比重が変動するおそれがあるからである。 また、好ましい実施態様において、前記気体の導入を、多孔性材料からなる気体分散板を介して行うことを特徴とする。 また、好ましくは、多孔性材料が、パンチング板である。 本発明の乾式分離方法の実施態様において、前記固気流動層の見かけ密度より大きい密度を有する前記分離対象物を精製する場合に、前記分離対象物の投入初期位置を、前記流動層の中間点から上側に設定することが好ましい。 これは、分離対象物の中に、精製したい物が含まれている場合に、当該精製したいものが、固気流動層の見掛け密度より大きい密度を有する場合に、当該精製したいものを含む分離対象物の投入初期位置を、固気流動層の中間点より上側に設定すれば、いわゆる精製したいもの以外のノイズ(ごみ)などは、上部に留まり、精製したいもののみをより高純度で下側に分離することができるからである。 同様に、精製したいものが、固気流動層の見掛け密度より小さい密度を有する場合に、当該精製したいものを含む分離対象物の投入初期位置を、固気流動層の中間点より下側に設定すれば、いわゆる精製したいもの以外のノイズ(ごみ)などは、下部に留まり、精製したいもののみをより高純度で上側に分離することができる。 また、本発明において、成分毎に連続的に分離するには、例えば、固気流動層の見掛け密度を変化させるか、2つ以上からなる固気流動層を直列に配列すること等により行なう事ができる。 固気流動層の見掛け密度を変化させるには、後述するu 0 /u mfの値を変化させるか、固気流動層に用いる粉体を変化させるか、粉体の粒径を変化させること、混合粉体の混合割合を変化させること等により行なう事ができる。 見掛け密度の変化は、分離対象物の種類にも依存するので、u 0 /u mfの値を上げれば、必ず見掛け密度が減少するとは限らない。 一方、固気流動層に用いる粉体の密度が高いものを用いると、固気流動層の見掛け密度も一般に上昇する傾向がある。 また、粉体の粒径を大きくすると、見掛け密度が大きくなるというという傾向がある。 したがって、これらを考慮して、見掛け密度を変化させれば、連続的な各成分の分離が可能となる。 また、本発明の乾式分離方法の好ましい実施態様において、粉体の流動化を、前記固気流動層の下部からの送風により行なうことができる。 分離することが可能な成分がより多くなるからである。 但し、下部からの送風に限定される意図ではなく、たとえば、比較的比重が低い成分においては横風を送っても分離は可能である。 明らかに比重が低い成分が存在する場合、横風でも飛散距離が大きいため高効率で分離可能である。 したがって、固気流動層選別に前処理として横風を使った風力分級で比重が低い成分を除去したのち、残存する分離対象物の各成分を除去してもよい。 分離対象物中に目的成分以外に不純物として比重が低い成分が存在する場合も同様の手順で、不純物を除去することができる。 そして、本発明においては、通気性が5.0(cm 3 /s)/cm 2以下の条件下で、送風を行なうことができる。 これは、通気性を制御することにより、浮沈の安定化を図る事ができるからである。 分離対象物にもより、特に限定されないが、通気性を5.0(cm 3 /s)/cm 2以下、好ましくは、3.0(cm 3 /s)/cm 2以下、さらに好ましくは、1.0(cm 3 /s)/cm 2以下とすることができる。 本発明において、空塔速度をu 0として粉体の最小流動化空塔速度をu mfとした場合、u 0 /u mfが分離を制御する1つの要因となる。 なぜなら、空塔速度を調節することにより、例えば、2つの非常に近接した密度差を有する成分を容易に除去できたり、逆に、密度差の大きい成分の分離には、空塔速度を上げることにより、短時間で分離することができるからである。 一般に、空塔速度を最小流動化空塔速度以上で当該最小流動化空塔速度近傍に設定すると、固気流動層内に浮遊する分離対象物の成分の密度分布は狭くなり、空塔速度をさらに上げていくと、固気流動層内に浮遊する分離対象物の成分の密度分布は広がる。 したがって、本発明においては、従来では分離が困難とされていた密度差の小さな2成分 (2物体)を分離することができるという利点を有する。 このように微妙に空塔速度をコントロールするには、固気流動層下部の空気を分散させる部分に空気の通気性が低いものを用いることなどが挙げられる。 大まかに成分を分離する場合は、基本的に、成分が浮揚、中層に位置、沈降の3種類に分けて分離可能である。 しかしながら、最終的には、分離の困難な密度差の小さい成分同士の分離となる場合が多いので、中層に位置する成分の密度分布をできる限り小さくして成分が浮揚するか沈降するかのどちらかになるように上記u 0 /u mfとすれば、より分離精度及び回収率の高い分離を行なう事ができる。 当該u 0 /u mfの値としては、例えば、1〜4の範囲とすることができる。 かかる範囲であれば、安定した固気流動層を形成することができるからである。 但し、かかる範囲に限定されるものではなく、密度差の大きい成分同士を迅速に分離する場合には、u 0 /u mfの値が4以上であってもよい。 単一の粉体を流動化させた場合において、密度差が小さい成分同士を分離するとき、使用する粉体にもよるが、u 0 /u mfの値は、できるだけ1に近い値とするのが好ましい。 u 0 /u mfの値を、1〜1.5、好ましくは、1〜1.2、さらに好ましくは、1〜1.1とすることができる。 複数の粉体を流動化させた場合においては、当該複数の粉体が実質的に均一に混合するようなu 0 /u mf値下で行なうことが好ましい。 これは、実質的に均一に混合していないと、固気流動層の上方ほど見掛け密度が小さくなり、下方ほど見かけ密度が大きくなるために、固気流動層内の中層に位置する成分の密度分布が大きくなる傾向があるからである。 また、本発明の乾式分離方法の好ましい実施態様において、固気流動層の見掛け密度を、分離しようとする分離対象物中の各成分の最大密度と最小密度との間に設定することを特徴とする。 また、粉体の種類についても、分離する分離対象物の種類により特に限定されないが、例えば、粉体を、ユニビーズ、ガラスビーズ、ジルコンサンド、ポリスチレン粒子、砂、スチールショット、シリカサンド、アルミナサンド、及びこれら同程度の密度を有する粉体からなる群から選択される少なくとも1種とすることができる。 使用する粉体の平均粒径についても特に限定されないが、粉体の流動化を比較的小さな空塔速度で行うことと、付着性に起因する粉体の凝集を抑制するという観点から、50〜700μm、好ましくは、30〜500μmとする。 また、本発明の乾式分離方法の好ましい実施態様において、前記固気流動層を構成する成分を投入し、次いで前記分離対象物を投入し、その後前記固気流動層を構成する成分を投入することにより、前記固気流動層を構成する成分の間へ前記分離対象物を投入することを特徴とする。 以上のように分離された分離対象物の各成分を、最終的に、浮揚させるか、沈降させることにより適当な方法によって、回収することができる。 次に、運転中に分離比重を調整する場合の乾式分離方法について説明する。 分離比重を任意に変更するためには、例えば、粉体が、少なくとも2種類以上の混合媒体とすればよい。 混合媒体(混合粉体)は、各媒体の特性の差に基づき、容易に“分離”且つ“混合”が可能であることが望ましい。 通常、各々の媒体が偏析せず適度に混合することが必要であるが、粒度や比重を考慮すれば比較的容易に混合媒体をつくることができる。 しかし、いったん混合した媒体を混合前の媒体(粉体)に分離することは通常困難である。 一方、本願発明においては、粉体の性質、例えば、粒度、磁性等の性質を利用して、首尾よく分離、混合が可能となる。 すなわち、本発明の乾式分離方法の好ましい実施態様において、前記粉体の粒度がそれぞれ異なることを特徴とする。 例えば、粉体として2種類を用いて、それぞれの粉体の粒度が異なるものを使用すると、粒度の差に応じて、例えばふるい分け等により、2種を分離、混合することができる。 例えば、2種類の媒体粒度が異なること、少なくとも共通する粒度がないことが条件とする。 そうすれば両媒体を篩分けで分離することが可能である。 具体的には、例えば、シリカサンド+鉄粉の混合媒体を使用すれば、混合媒体見掛比重:1.3〜4.4まで対応可能となる。 同時に、混合媒体として使用する場合、その粒度はシリカサンドが300-100μmであるのに対し、鉄粉は50-70μmとすれば、粒度分布が重なることはない。 従って、シリカサンドと鉄粉の例でいえば、100μmと70μmの間、例えば、80μmで分級(篩)すれば、混合媒体は、2つの媒体単体に分離可能である。 また、本発明の乾式分離方法の好ましい実施態様において、前記粉体が、磁性を有する粉体と、非磁性の粉体とからなることを特徴とする。 すなわち、粉体を構成する両媒体のうち片方が磁性体であり、他は非磁性体であることが必要である。 そうすれば両媒体は磁力によって分離することが可能である。 シリカサンドは磁性物ではないが、鉄粉は磁性体である。 したがって、このような粉体の性質の差に着目すれば混合媒体は容易に2つ媒体単体に分離可能である。 以上、媒体の粒度あるいは磁性等の粉体の性質の差に基づけば一旦混合された媒体(粉体)でも、元の単体に分離することが可能である。 次に、本発明の乾式分離装置について説明する。 本発明の乾式分離装置は、粉体によって形成される固気流動層と、分離対象物を投入する分離対象物投入手段と、前記分離対象物が前記固気流動層によって分離し浮揚した浮揚物を回収する第一の回収手段と、前記分離対象物が固気流動層によって分離し沈降した沈降物を回収する第二の回収手段とを備え、前記第一及び/又は第二の回収手段が、前記分離対象物の比重差に応じて、分離対象物の回収速度を変化させる機構を有することを特徴とする。 固気流動層については、上述の本発明の乾式分離方法における説明を参照することができる。 分離対象物投入手段は、分離対象物を投入することができれば、特に限定されない。 場合によっては、分離対象物を攪拌するために、攪拌機などの攪拌手段を介して、投入してもよい。 また、浮揚物を回収する第一の回収手段としても、浮揚物を回収できる限り、特に限定されない。 また、沈降物を回収する第二の回収手段についても、沈降物を回収することができる限り、特に限定されない。 また、回収速度を変化させる機構についても、分離対象物の比重差に応じて、分離対象物の回収速度を変化させることができれば、特に限定されない。 なお、粉体は、1又は複数の粉体を投入する粉体投入手段によって、投入されてもよく、前記1又は複数の粉体投入手段により投入された粉体によって、固気流動層を形成してもよい。 また、本発明の乾式分離装置の好ましい実施態様において、前記第一及び/又は第二の回収手段が、前記固気流動層の分離比重をDpとした場合に、Dp±0.2の範囲外の比重を有する前記分離対象物を、Dp±0.2の範囲内の比重を有する前記分離対象物より速い速度で回収することを特徴とする。 固気流動層の分離比重Dpについては、上述の本発明の乾式分離方法における分離比重の説明を参照することができる。 また、本発明の乾式分離装置の好ましい実施態様において、前記第一及び/又は第二の回収手段が、前記流動層の分離比重をDpとした場合に、Dp±0.1の範囲外の比重を有する前記分離対象物を、Dp±0.1の範囲内の比重を有する前記分離対象物より速い速度で回収することを特徴とする。 また、本発明の乾式分離装置の好ましい実施態様において、前記第一及び/又は第二の回収手段の分離対象物を回収する回収方向がそれぞれ異なる。 回収方向を異にすることで、排出機による粒度媒体の偏りを小さくさせることが可能となる。 また、本発明の乾式分離装置の好ましい実施態様において、さらに、分離対象物を分離回収する際に発生する集塵を回収する集塵回収手段を有する。 これにより、不純物のない、より精度の高い分離が可能となる。 また、本発明の乾式分離装置の好ましい実施態様において、前記第一及び/又は第二の回収手段が、浮揚物及び沈降物と粉体とは明らかに粒度が異なるため、ともに回収しても容易に浮揚物及び沈降物と粉体とは分離して粉体は流動層内に循環可能であるという観点から、前記浮揚物及び/又は沈降物とともに前記粉体を回収することができる。 また、本発明の乾式分離装置の好ましい実施態様において、さらに、前記固気流動層内に、前記浮揚物と前記沈降物を分離するための分離手段を有することを特徴とする。 分離手段によって、効率よく浮揚物と沈降物とに分けて分離回収することが可能となる。 また、本発明の乾式分離装置の好ましい実施態様において、前記第一及び/又は第二の回収手段が、前記固気流動層内に設けられた回収容器によって前記浮揚物及び/又は沈降物を回収することを特徴とする。 回収容器によっても、効率よく浮揚物と沈降物とに分けて分離回収することが可能となる。 回収容器は、ふるい状になっていれば、粉体、沈降物、浮揚物等、目的に応じて、例えば、粉体のみ、沈降物のみ、浮揚物のみ、あるいは、粉体と沈降物、粉体と浮揚物等をターゲットにして、それ又はそれらを分離回収することができる。 また、本発明の乾式分離装置の好ましい実施態様において、前記第一及び第二の回収手段が、吸引機構によるものであることを特徴とする。 吸引機構は、浮揚物等を回収することができれば特に限定されない。 なお、分離対象物のサイズと処理能力の関係については、以下のようである。 すなわち、流動層を用いた比重分離技術における処理対象粒子径は実装置実績により以下の通りが好ましい。 すなわち、分離対象物が、例えば、プラスチック類などのように平たいもの(球形から遠くなるもの、言い換えれば、分離するさいに抵抗があるもの。)などは、形状に影響を受けるが、10mm<処理対象粒子径、が好ましく、より好ましくは、10〜35mm<処理対象粒子径、である。 また、例えば、石炭、鉄鉱石、等のように、比較的球形度が大きいもの(すなわち、分離する際に抵抗が少ないもの)では、8mm<処理対象粒子径、が好ましく、より好ましくは、8〜50mm<処理対象粒子径、である。 また、例えば、メタル(アルミニューム、銅、等)の場合には、2mm<処理対象粒子径、が好ましく、より好ましくは、2〜50mm<処理対象粒子径、である。 これは以下の理由による。 すなわち、処理対象物粒子径の範囲は、狭いほうが分離精度が向上する。 また、流動層の風速や層厚の調整を、粒子径にマッチするよう最適化することができるため狭いほうがベターであるといえる。 一方、狭くすると、いくつかのサイズレンジを別々に処理(粒度別処理)しなければならなくなり、これでは、装置コストが大きくなる。 したがって、かかる観点から分離精度を満足する範囲で、サイズレンジをできるだけ広くとることが経済設計になる。 次に、本発明の乾式分離装置の一実施態様を添付図面に基づいて説明する。 図1は、固気流動層内での物体の浮沈を示した図である。 1は、流動層の見掛け密度より軽い物体である。 2は、固気流動層である。 3は、流動層の見掛け密度より重い物体である。 4は、分離槽である。 5は、気体分散板である。 この図から明らかなように、粉体の流動化状態においては、固気流動層の見掛け密度によって、物体を分離できることが分かる。 分離手順の一例を示すと、前記分離槽内に流動化媒体であるガラスビーズ、ユニビーズ、ジルコンサンド、ポリスチレン粒子などを仕込み、分離槽4の下面から気体分散板5を通して均一に分離槽4内に気体を送り込み粉体を流動化させ、流動層を形成する。 そこで分離槽4の上面開口から分離対象物を投入すると、使用する粉体よりも密度の大きい分離対象物成分は沈降する。 図2は、分離対象物の成分を回収する本発明の一実施態様における概略図を示す。 図2において、6は排出機A、7は排出機C、8は排出機E、9は排出機B、10は排出機D、11は浮揚物(又は沈降物)の流れる方向、12は沈降物(又は浮揚物)Aが流れる方向、13は沈降物(又は浮揚物)Bが流れる方向、14は沈降物(又は浮揚物)Cが流れる方向、15は沈降物(又は浮揚物)Eが流れる方向、16は沈降物(又は浮揚物)Dが流れる方向をそれぞれ示す。 11は、浮揚物の流れる方向として説明する。 浮揚物は流動層の上層を矢印11の方向に従って移動する。 このとき浮揚物を適宜手動又は自動で回収することができる。 沈降物(SinksA〜E)を、それぞれ排出機A〜Eで排出することができる。 この実施態様には、排出機による流動媒体の偏りを小さくさせるという観点から、排出機による沈降物又は浮揚物の回収を交互異なる方向で回収している。 排出機A〜Eによる沈降物の回収速度は、分離対象物の比重によって、速度を変化させることができ、分離対象物の比重差に応じて、分離対象物の回収速度を変化させて回収することが可能である。 例えば、種々の分離対象物が含まれており、その内、流動層の分離比重Dp±0.2の範囲外の比重のものを速い速度で回収することができる。 分離差が大きい場合、流動層が不安定かしても、分離可能であり、このような分離対象物を速い速度でさきに回収することで、分離の時間の短縮化を狙うことができる。 各沈下物排出機A〜Eにおいて、Sink: A〜Sink: Eの回収速度を可変速とすれば、比重差に応じて回収可能である。 また、排出機の分割は、処理産物の性状(比重分布)と分離比重に基づき決定することができる。 また、排出機速度は、処理産物の性状(比重分布)に基づき最適化することができる。 処理産物の分離困難度に基づき、流動層厚を最適化することができる。 流動層厚が厚くなると安定性(均一性)が減少する傾向があるので、分離容易な条件の場合、厚くすることが可能である。 こうすることによっても、排出機速度を速くでき、ひいては、処理能力アップにつなげることができる。 逆に分離困難度が高い場合、排出機が機能する範囲内でできるだけ流動層の層厚を小さくすることが望ましい。 また、図示しないが、空気室についても、分散板を通して送風し均一な流動層を形成させるには使用する媒体、流動層厚に基づき最適サイズがある。 なお、図2では、浮揚物の流れを11、沈降物の流れを12、13、14、15、16で説明しているが、この逆、すなわち、沈降物の流れを11、浮揚物の流れを12、13、14、15、16としてもよい。 また、図3は、分離対象物の成分を回収する本発明の一実施態様における概略図(装置を水平方向から見た場合)を示す。 図3において、17は、浮揚物(又は沈降物)が流れる方向、18は沈降物(又は浮揚物)が流れる方向を、それぞれ示す。 これは、所謂スクレーパ式連続装置の内、Normal Typeのものを示す。 浮上物、沈下物排出方向が相反する方向に動くこととすることにより、分離精度を上げようとするものである。 このタイプにおいても、分離対象の比重差に応じて回収速度を変えて回収可能である。 図4は、分離対象物の成分を回収する本発明の一実施態様における概略図(装置を上から見た場合)を示す。 図4において、19は浮揚物(又は沈降物)が流れる方向、20は沈降物(又は浮揚物)が流れる方向をそれぞれ示す。 これは、所謂スクレーパ式連続装置の内、Power up Typeのものを示す。 これは、分離産物性状及び分離比重に従い沈下物排出機速度の最適化を図るものである。 沈下物排出方向は浮上物排出方向に対し直角方向、且つ排出機による粒度媒体の偏りを小さくさせるため、隣り合う沈下物排出機排出方向を互い違いとすることができる。 このタイプにおいても、分離対象の比重差に応じて回収速度を変えて回収可能である。 図5は分離対象物の成分を回収する本発明の一実施態様における概略図(装置を上から見た場合)を示す。 図5において、19は、浮揚物(又は沈降物)が流れる方向、21は動力装置(モーター)、22は変速装置、23は流動層、24は沈降物(又は浮揚物)が流れる方向を、それぞれ示す。 所謂スクレーパ式連続装置の内、Power up & Eco Typeのものを示す。 このタイプは、分割された沈下物排出機各々に動力装置Motor/変速装置VVVFインバータ制御をつけると、コストアップにつながるので、流動層選別機両サイドに1セットのMotorを設置、各々の排出機の速度は機械式変速機(無段変速又はGear Change方式)により変速させるようにしたものである。 このタイプにおいても、分離対象の比重差に応じて回収速度を変えて回収可能である。 図6は、本発明の分離装置一実施態様における概略図を示す。 いわゆる連続分離方式に関する装置である。 例えば、自動車シュレダーダスト(混合プラスチック)から、塩化ビニールを除去し、低塩素プラスチックを回収することが可能である。 粉体としては、硅砂(分離比重1.3)を使用することができる。 図6において、1は流動層の見掛け密度(又は分離比重Dp)より軽い物体、2は固気流動層、3は流動層の見掛け密度(又は分離比重Dp)より重い物体、31は原料攪拌機、32は浮揚物搬送機、33は浮揚物回収機、34は浮揚物排出機、35は沈降物搬送機、36は沈降物排出機、37は空気室、38は排気、39は原料供給を、それぞれ示す。 図6において説明を簡便にするため、固気流動層の粉体として砂、分離対象としてプラスチックを用いた場合ついて一連の流れをまず説明する。 39の原料供給により分離対象物が供給される。 この態様において、分離対象物投入手段は、39のような筒状の手段、例えば、原料供給シュートによって投入される。 分離対象物は、任意ではあるが、原料攪拌機31によって、攪拌され供給される。 供給された分離対象物(例えばプラスチック)の内、浮揚物は、ベルトコンベアなどの浮揚物搬送機32によって、矢印にしたがって移動する。 移動した浮揚物は、浮揚物を回収する第一の回収手段、例えば、浮揚物回収機33によって回収され、浮揚物排出機34に排出される。 浮揚物排出機は、ベルトコンベアなどの搬送手段によって、装置外へ排出することができる。 一方、供給された分離対象物の内、沈降物は、ベルトコンベアなどの沈降物搬送機35によって、矢印の方向にしたがって移動し、沈降物を回収する第二の回収手段、例えば、沈降物排出機36を通じで回収、排出される。 沈降物排出機も、ベルトコンベアなどの搬送手段によって、装置外へ排出することができる。 分離対象物の比重差に応じて、分離対象物の回収速度を変化させる機構は、この例でいえば、ベルトコンベアの回転速度を変化させることにより、沈降物及び/又は浮揚物の回収速度を変えることができる。 なお、図の空気室37から、空気を噴き上げることにより固気流動層を形成することが可能となっている。 空気室37は、複数個の部屋から構成されていて、安定した流動層を形成する。 また、ここで、排気38とあるが、これは、例えば、集塵機でもよい。 これは、流動化の際に流動媒体中の微粉が流動層から飛び出し発塵するので、発塵した微粉を回収するためのものである。 また、図6の態様においては、上述したいわゆる双方向タイプの回収手段を用いているが、上述した図2、図4、及び図5の態様のものを組み込むことによって、分離対象物の比重差に応じて、分離対象物の回収速度を変化させて、分離対象物を回収する機構を採用する装置としてもよい。 図において、例えば、沈降物の流れ方向を、浮揚物の流れ方向と直交するようなベルトコンベアの流れを作ってもよい。 1つ又はそれ以上の複数の回収手段を設けてもよい。 図7は、分離対象物の成分を回収する本発明の一実施態様における概略図を示す。 所謂バッチ式のものである。 例えば、家電シュレダーダスト(混合プラスチック)を分離するのに適する。 塩化ビニールを高精度に分離除去することが可能である。 粉体としては、ガラスビーズ、ポリスチレンビーズ、又はこれらの混合物を使用することができる。 この場合の分離比重は0.6〜1.1である。 これは、固気流動層を構成する成分を投入し、次いで前記分離対象物を投入し、その後前記固気流動層を構成する成分を投入することにより、前記固気流動層を構成する成分の間へ前記分離対象物を投入することを特徴とする乾式分離を実現する具体的な装置の一例となる。 図7中、41は媒体ホッパー(1)、42は原料ホッパー、43は媒体ホッパー(2)、44は切出装置、45は流動槽、46は集塵機、47は回転式分配弁、48は流量計、49は送風機、50は浮揚物回収機、51は沈降物回収機、52は下層媒体投入、53は原料投入、54は上層媒体投入、55は流動化分離、56は浮揚物吸引、57は沈降物吸引を、それぞれ示す。 この図7の装置の例において、一連の流れを説明する。 分離対象物投入手段として、この例では、原料ホッパ42が例示されている。 まず、粉体投入手段の例である媒体ホッパ(1)41によって、下層の粉体媒体が投入される。 切り出し装置44を介して投入してもよい。 次いで、原料ホッパ42により分離対象物が投入される。 次いで、媒体ホッパ43によって上層の粉体(媒体)が投入される。 ブロワ49から流量計48を介して、回転式分配弁47を通じて、分離対象物に応じて最適な送風を行い、流動層45を形成させる。 このとき、集塵機46によって、流動化の際に流動媒体中の微粉が流動層から飛び出し発塵するので、発塵した微粉を回収してもよい。 次いで、47分配弁の回転によって送風を停止し、それに伴い流動層は流動化を停止固定層とする。 ここで浮揚物を吸引機構56を有する浮揚物回収装置50によって、浮揚物を回収する。 同様に、沈降物を吸引機構57を有する沈降物回収装置51によって、沈降物を回収する。 分離対象物の比重差に応じて、浮揚物回収装置又は沈降物回収装置の回収速度を変化させて、回収可能である。 図8は、分離対象物の成分を回収する本発明の一実施態様における概略図を示す。 所謂バッチ分離方式の一例である。 例えば、自動車シュレダーダスト(ミックスメタル)の分離に適する。 非鉄金属中に混在するアルミと、銅・真鍮等を選別することが可能である。 粉体としては、例えば、スチールショット(分離比重Dpが4.0)を用いることができる。 図8中、39は原料供給、61は選別カゴ、62は流動層、63は分離シャッター、64は切替ダンパ、65は沈降物、66は浮揚物、67は降下を、それぞれ示す。 この図8の装置の例において、一連の流れを説明する。 まず、分離対象物である原料が、投入される(原料供給39)。 次いで、分離対象物が供給された後、選別カゴ61が降下する。 流動化を行い、流動層62内で、分離対象物を分離する。 その後、分離手段として、例えば、分離シャッター63を閉じて、沈降物と浮揚物を分離したのち、選別カゴ61を排出位置へ移動させて沈降物を排出する。 沈降物3は、沈降物を回収する回収手段によって回収することができる。 また、切替ダンパ64によって沈降物以外の領域に浮揚物を回収する。 この場合、分離シャッターを開いて浮揚物を排出することができる。 排出された浮揚物1は、浮揚物を回収する回収手段によって回収することができる。 選択カゴは、原料供給位置に移動して1サイクルが完了する。 この場合、選択カゴは、ふるい状になっており、粉体はふるいから落ちて、分離対象物のみが選択カゴ内に残す仕組みとなっているが、ふるいの選択により、例えば、粉体及び沈降物等を選択的に回収することもできる。 図9は、分離対象物の成分を回収する本発明の一実施態様における概略図を示す。 所謂連続分離方式の装置の一例である。 例えば、鉱石、特に鉄鉱石の分離を目的とすることができる。 粉体としては、ジルコンサンド、鉄粉、及びこれらの混合物等を利用可能である。 この場合、分離比重Dpは、2.6〜4.0である。 図9において、1は流動層の見掛け密度(又は分離比重Dp)より軽い物体、2は固気流動層、3は流動層の見掛け密度(又は分離比重Dp)より重い物体、71は浮揚物搬送機、72は浮揚物回収機、73は浮揚物排出機、74は沈降物搬送機、75は沈降物排出機、76は空気室を、それぞれ示す。 この態様については、図6で説明した態様と、原料供給の仕方や、攪拌機及び集塵機が図示されていない等の多少の違いがあるが、概ね図6の態様と同様の流れであるので、図6の説明を参照することができる。 原料供給39は、浮揚物搬送機の上で供給されて、搬送機のコンベアを利用して分離対象物を攪拌することができる。 空気室37は図では一か所にマークされているが、これも上述のように、複数個所(個)からなる空気室で装置の下部の一部又は全部から送風してもよい。 図10は、分離対象物の成分を回収する本発明の一実施態様における概略図を示す。 所謂連続分離方式の装置の一例である。 例えば、鉱石及び混合プラスチックの分離を目的とすることができる。 粉体としては、硅砂、ジルコンサンド、及びこれらの混合物等を利用可能である。 この場合、分離比重Dpは、1.3〜2.0に設定することができる。 図10において、1は流動層の見掛け密度(又は分離比重Dp)より軽い物体、2は固気流動層、3は流動層の見掛け密度(又は分離比重Dp)より重い物体、39は原料供給、81は原料攪拌機、82は浮揚物搬送機、83は浮揚物回収機、84は浮揚物排出機、85は沈降物搬送機、86は沈降物排出機、87は空気室、をそれぞれ示す。 この態様については、図6で説明した態様と、原料供給の仕方や、集塵機が図示されていない等の多少の違いがあるが、概ね図6の態様と同様の流れであるので、図6の説明を参照することができる。 原料供給39は、攪拌機81上で攪拌されながら供給することができる。 空気室87は図では一か所にマークされているが、これも上述のように、複数個所(個)からなる空気室で装置の下部の一部又は全部から送風してもよい。 図11は、分離対象物の成分を回収する本発明の一実施態様における概略図を示す。 例えば、自動車シュレッダーダスト(ミックスメタル)の分離、特に、非鉄金属中に混在するアルミと、銅・真鍮等を選別するのに用いることができる。 所謂バッチ分離方式である。 粉体としては、例えば、鉄粉(分離比重4.0)を用いることができる。 図11中、39は原料供給、1は流動層の見掛け密度(又は分離比重Dp)より軽い物体、3は流動層の見掛け密度(又は分離比重Dp)より重い物体、91は沈降物受け箱、92は選別カゴ、93は流動層、94は選別カゴ上昇を、それぞれ示す。 この図11の装置の例において、一連の流れを説明する。 まず、分離対象物である原料が、投入される(原料供給39)。 分離対象物が供給された流動層には、選別カゴ92が設置されている。 流動化を行い、分離対象物を分離する。 浮揚物を回収手段(図示せず)で回収する。 手作業で回収してもよい。 浮揚物を回収後、選別カゴが上昇する。 その後、沈降物受け箱91が、選別カゴの下へ移動して、選別カゴの下が開き、沈降物が落下して、沈降物受け箱へ沈降物が回収される。 選択カゴは、もとの位置に移動して1サイクルが完了する。 この場合、選択カゴは、ふるい状になっており、粉体はふるいから落ちて、分離対象物のみが選択カゴ内に残す仕組みとなっているが、ふるいの選択により、例えば、粉体及び沈降物等を選択的に回収することもできる。 図12は、分離対象物の成分を回収する本発明の一実施態様における概略図を示す。 所謂連続分離方式の装置の一例である。 例えば、自動車及び家電シュレッダーダスト(混合プラスチック)の分離を目的とすることができる。 例えば、塩化ビニールを除去して、低塩素プラスチックを回収することができる。 粉体としては、硅砂等を利用可能である。 この場合、分離比重Dpは、1.2〜1.3に設定することができる。 図12において、1は流動層の見掛け密度(又は分離比重Dp)より軽い物体、2は固気流動層、3は流動層の見掛け密度(又は分離比重Dp)より重い物体、39は原料供給、101は原料攪拌機、102は浮揚物搬送機、103は浮揚物回収機、104は浮揚物排出機、105は沈降物搬送機、106は沈降物排出機、107は空気室、をそれぞれ示す。 この態様については、図6で説明した態様と、原料供給の仕方や、集塵機が図示されていない等の多少の違いがあるが、概ね図6の態様と同様の流れであるので、図6の説明を参照することができる。 原料供給39は、攪拌機81上で攪拌されながら供給することができる。 空気室107は図では一か所にマークされているが、これも上述のように、複数個所(個)からなる空気室で装置の下部の一部又は全部から送風してもよい。 また、本発明の乾式分離装置は、粉体によって形成される固気流動層と、分離対象物を投入する分離対象物投入手段と、前記分離対象物が前記固気流動層によって分離し浮揚した浮揚物を回収する第一の回収手段と、前記分離対象物が固気流動層によって分離し沈降した沈降物を回収する第二の回収手段と、前記粉体の比重を測定する比重測定手段と、前記固気流動層内の少なくとも2種以上の粉体を分離する分離手段とを有することを特徴とする。 この乾式分離装置によれば、運転中に分離比重の調製が可能であるという利点を有する。 これにより、湿式分離装置と同様に、乾式分離装置においても、分離比重の調製が容易かつ確実に行うことが可能となる。 固気流動層、分離対象物投入手段、第一の回収手段、第二の回収手段については、上述の本発明の乾式分離装置の説明をそのまま適用することができる。 ここで、図面を参照しながら、本発明の別の乾式分離装置について説明する。 図14は、粉体の性質の違いとして磁性、非磁性を利用した例で説明しているが、粒度等の違いを利用してもよい。 前記粉体の比重を測定する比重測定手段は、例えば、比重計111などを利用して測定することできる。 比重を測定可能であれば、比重測定手段は、特に限定されない。 前記固気流動層2内の少なくとも2種以上の粉体を分離する分離手段として、篩分け、磁選機等を使用することができる。 図14においては、磁選機113を使用して、磁性粉体と、非磁性粉体とに分離している。 また、本発明の乾式分離装置の好ましい実施態様において、さらに、前記固気流動層の分離比重を設定する設定手段と、前記設定手段によって設定された分離比重に基づいて、粉体の混合比を算出する混合比算出手段と、前記混合比算出手段によって算出された混合比に基づいて、前記粉体を前記固気流動層内へ供給する粉体供給手段とを有することを特徴とする。 前記固気流動層の分離比重を設定する設定手段とは、運転中に所望の分離比重に調整したい場合に、所望の分離比重を設定するものである。 通常、パーソナルコンピューター等によって、自動制御可能であるが、所望の分離比重を設定可能であれば、特に設定手段は限定されない。 流動層2の分離比重が一度設定されると、設定された分離比重に基づいて、粉体の混合比が算出される。 混合比の算出は、混合比算出手段により算出可能である。 前記混合比算出手段によって算出された混合比に基づいて、前記粉体を前記固気流動層内へ供給する。 流動層2内の粉体の供給は、粉体供給手段によって可能である。 粉体供給手段としては、粉体を供給可能であれば、特に限定されない。 例えば、図14においては、媒体ホッパー118、フィーダー119を使用している。 供給量の微妙な調整は、フィーダーによって行うことができ、これは、混合比算出手段によって算出された混合比に基づいて、所望の量を供給可能となっている。 なお、図14の例では、磁性の性質を利用しているが、粒度を利用する場合には、磁選機等は必ずしも必要ではなく、分離手段として、所望の篩分けを用いて、固気流動層2内の少なくとも2種以上の粉体を分離してもよい。 以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は、下記実施例に限定して解釈される意図ではない。 実施例1 通常、採掘された原炭は連続する比重分布と粒度分布を有している。 比重選別とその結果の予想値を評価するために比重分布と粒度分布の検討が必要である。 このようなことから、まず、浮沈分析を行った。 そして、プロセス計算のための浮沈分析データ事前検討を行った。
次に、比重選別困難度の評価を行った。 例えば、評価指標は、NGM: 近似比重物質量(Near Gravity Material); wt%を用いて行った。 NGMは、Do(分離比重:Partition Density) ±0.1の比重範囲に含まれる固形物量:Wt%で示されるものである。 著者:Michellの“選炭:COAL PREPARATION”によると 困難度穂次のように表現されている。 困難度が高いことは、Do±0.1に含まれる量が多いということであるから、比重分離において、浮揚物及び沈降物相互に迷い込む可能性の大きいレンジに含まれる量が多いということである。 迷い込みが多くなれば当然、浮上物もしくは沈下物の品位が目標とする品位に達しない可能性が高くなることになる。 従って、困難度の増加は分離条件が厳しく制限されることにつながる。 表2は、困難度の増加に伴う分離条件の厳しさを定性的に表現したものである。 次いで、選別結果に与える困難度の影響について調べた。 困難度の程度と歩留効率には密接な関係がある。 ジグに於ける関係の一例を次に示す。 表2は、困難度の増加に伴う分離条件の厳しさを定性的に表現したものであるが、表3は、選別機が空気動ジグの場合の厳しさを定量的に表現したものである。 即ち、相互産物への迷い込む可能性が大きいレンジに多くの量が存在する場合、目標とする品位に維持するために分離比重の変更を余議なくされる。 分離比重の変更は、歩留まりの変更に直結する。 表3は、理論歩留まり、すなわち、誤配物がゼロの選別機で分離した場合の歩留まりに対する、実際の歩留まりの関係を示している。 次に、比重選別機の性能について調べた。 (1) 部分回収率 部分回収率とは、各比重区分に含まれる固形物(分離対象物)がどの程度沈下物(沈降物)側に排出されたかを示す配分率である。 即ち、各比重区分において(沈下物)/(沈下物 + 浮上物) x 100 (%)で算出することが出来る。 図13に詳細を示す。 図13中の表の拡大図が、以下の表4である。 (2) 選別性能の表示 次に、配分率曲線を作成した。 比重に対する部分回収率をプロットすることによって配分率曲線を得ることが出来る。 配分率曲線の傾斜が球であればあるほど沈下物側に配分される誤配物量が少なくなる。 すなわち、配分率曲線の傾斜が選別性能を示しているといえる。 この傾斜は計算され次のように表現される。 表5に配分率曲線を示す。 ここで、この場合、Ep=(D75−D25)/2である。 Epは、Probable errorのことであり、Ep値は、分離比重が高くなれば大きくなり(精度が悪くなる)、粒子径が大きくなれば小さくなる(精度は良くなる)。 Epは、 (3) 選別結果 各種の選別機はそれぞれ固有の選別精度を有している。 これらの選別精度はテラ指数Epもしくは、不完全分離度 Iで表現される。 それ故にこれらの選別精度を使って選別結果を計算し予想することが出来るのである。 このような結果に基づき、図1から図12に記載の乾式分離装置を実際に試作して、自動車シュレッダーダスト、家電シュレッダーダスト、及びこれ以外の産業廃棄物、一般廃棄物、鉱石類石炭、レアアース、各種鉱物資源、工業製品の他、シュレッダーダスト、廃棄物、鉱物、農作物、プラスチック、金属等の分離を試みたところ、比重分離の原理をもって理解でき、且つ分離精度などの算定が可能であることが判明した。 即ち、本発明による乾式分離方法が、従来の湿式分離法と同じ原理で分離されていることが証明された。 実施例2 粒度の差に着目して分離する方法は可能であるが、100μm以下の分級・篩分になるのでコスト面、装置から考慮して、本実施例では、粉体として、磁性を有する粉体と、非磁性を有する粉体を用いたい場合に分離を試みた。 磁性の差に着目して分離する方法は、高性能の磁選機が汎用品と入手可能であること、且つ10μmぐらいの微粒子まで回収可能であるので磁選機を適用するほうがシステム化しやすい。 したがって、本実施例では、磁選機113を使用した。 磁選機13は、磁性物と非磁性物を選別するためのものである。 また、脱磁機115と組み合わせることで磁性を持つ媒体の循環ラインが維持可能であるので、脱磁機115も使用した。 所要媒体容積について、各々の媒体(粉体)は、少なくとも流動層2の容積に等しい容積+循環ラインの保有容積、が必要と考えられる。 各媒体は、それぞれの専用ホッパー118に貯鉱することができる。 固気流動層2(単に流動層ともいう)の分離比重を設定する設定手段によって、流動層2の分離比重が設定されると、前記設定手段によって設定された分離比重に基づいて、混合比算出手段によって媒体(粉体)の混合比が算定できる。 この混合算定された比率に基づき各媒体専用ホッパー118から定量で切り出し流動層2に充填することができる。 この装置は、流動層比重を変更しなければならない場合、変更後の媒体混率を算出することができる。 また、算出の比率に従って両媒体を切りし流動層に供給する。 一方、流動層2から新混合媒体にほぼ等しい量の既存の混合媒体を抜出、磁選機113に供給することができる。 磁選機113で磁性物である媒体と非磁性物である媒体に分離される。 回収された磁性媒体114は、脱磁機115を経由して専用ホッパー118bへ返送される。 非磁性媒体116も専用ホッパー118aへ返送される。 返送された媒体は、変更後の混合比率に従い切り出され流動層2に供給される。 この媒体の循環は、流動層比重が変更比重になるまで続行する。 その時間は、概ね15-20分程度で設計することができ、この間流動層への原料供給は停止する。 流動層2の比重は、比重計111(図14では1か所であるが、複数カ所に比重計を設けてもよい。)にて随時数か所測定し変更を確認する。 流動層2から引き抜いた媒体は、磁選機113に送れる前に、篩分粒度:0.5mmの振動スクリーン(粉体とそれ以外のものなどを分別する分別手段)112を通過させる。 この振動スクリーン112にて+0.5mmの夾雑物117を回収することで媒体のクリーニングも合わせて実施することができる。 前述したごとく、媒体としてシリカサンドと鉄粉を使用した場合、流動層の比重は、1.3〜4.4まで自動的に調整可能となり、運転中において、分離比重の調製が可能であることが判明した。 なお、本実施例においては、単に運転中の分離比重調製を可能な乾式分離装置を用いているが、図2〜13等に記載の、比重差に応じて、分離対象物の回収速度を変化させる乾式分離方法にも適用可能である。 また、粉体によって形成される固気流動層と、分離対象物を投入する分離対象物投入手段と、前記分離対象物が前記固気流動層によって分離し浮揚した浮揚物を回収する第一の回収手段と、前記分離対象物が固気流動層によって分離し沈降した沈降物を回収する第二の回収手段とを備え、前記第一及び/又は第二の回収手段が、前記分離対象物の比重差に応じて、分離対象物の回収速度を変化させる機構を有することを特徴とする乾式分離装置にも適用可能である。 1 流動層の見掛け密度より軽い物体2 固気流動層3 流動層の見掛け密度より重い物体4 分離槽5 気体分散板6 排出機A |