Initial filtrate isolation, improved backwashing and improved water purification system with a bubble generation

申请号 JP50379294 申请日 1993-05-17 公开(公告)号 JP3313367B2 公开(公告)日 2002-08-12
申请人 クロフタ,ミロス; 发明人 クロフタ,ミロス;
摘要 A two stage raw water clarifier with first stage flotation and second stage filtration divides at least the lower portion of a flotation tank into independent cells. A branched slotted conduit located in a filter medium in each cell collects clarified water. Valves control the flow of clarified water from each branched conduit either to a clarified water ring conduit or to a first filtrate/backwash ring conduit connected to a storage tank. The filter media is preferably a dual media, a layer of anthracite or activated carbon over a layer of sand. High cell walls and inclined baffles in each cell retain the filter media during backwashing. The baffles also slow the flotation process. A decompression valve for pressurized water with dissolved air has a very narrow annular slot in the flow path through the valve to create microscopic air bubbles of optimal size for the flotation. A movable member sets this annular slot at a proper value. A mechanical or pneumatic actuator moves the member periodically to open the slot and flush out trapped particles.
权利要求 (57)【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】粒状汚染物を含有した未処理水のための未処理水導入口と、未処理水導入口から導入された未処理水に化学薬品を添加して該汚染物を凝集させ微小気泡によって水面にまで浮上させ、水面にスラッジの浮遊層を形成するための浮遊タンクと、該水を浄化水出口へ搬送する前に濾過するために該浮遊タンクの底部に配置された濾材層と、前記浮遊したスラッジを浮遊タンクから除去し、スラッジ出口へ導くための手段を有する浄化装置であって、 前記浮遊タンクの少くとも下方部分と濾材層を複数の垂直セルに分割するための仕切手段と、 該各セル内に配置されており、各セル内の濾材層に対して流体連通を設定するための流体連通手段と、 前記すべてのセルに接続されており、該セルのうちの選択された複数の第1セルから浄化され濾過された水を前記流体連通手段を通して抽出するための第1手段と、 前記すべてのセル及び初期濾液水貯留手段に接続されており、初期濾液水を前記流体連通手段を通して該セルのうちの少くとも1つの選択された第2セル内の濾材層へ差向け、該濾材層から導出するための第2手段と、 前記初期濾液水を貯留するための初期濾液水貯留手段と、 前記セルのうちの少くとも1つのセル内の濾材層を前記第2手段から該少くとも1つのセル内へ送給する初期濾液水によって逆洗するための逆洗手段と、 前記初期濾液水を前記浄化水から隔離するために前記各セルに対応して設けられ、前記第1手段と第2手段の間に接続されており、前記逆洗手段と協調して該第2手段を前記セルのうちの前記少くとも1つのセル内の濾材層に選択的に接続する働きをする弁手段と、 から成る浄水装置。
  • 【請求項2】前記逆洗手段は、初期濾液水貯留手段を含み、前記第2手段は、前記導出された初期濾液水を該初期濾液水貯留手段へ向け、そこから向けられるようになされていることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の浄水装置。
  • 【請求項3】前記第1及び第2手段は、各々、前記浮遊タンクを取り巻くリング状導管から成り、前記流体連通手段は、前記各セル内の前記濾材層内に配置された複数の流体連通手段を含み、前記弁手段は、前記浄化水収集手段の各々を該第1手段のリング状導管と第2手段のリング状導管のうちの選択された一方に選択的に接続するようになされていることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の浄水装置。
  • 【請求項4】前記各浄化水収集手段は、分枝管のネットワークから成り、それらの分枝管の管壁に浄化水を受け入れるための複数の孔が穿設されていることを特徴とする請求の範囲第3項に記載の浄化装置。
  • 【請求項5】前記孔は細長い細いスロットであることを特徴とする請求の範囲第4項に記載の浄水装置。
  • 【請求項6】前記弁手段の各々は、前記浄化水収集手段の各々と、前記第1手段及び第2手段のリング状導管との間に接続された1対の弁から成ることを特徴とする請求の範囲第3項に記載の浄水装置。
  • 【請求項7】該浄水装置は、浄水装置底壁と、ほぼ円筒形の外壁と、ほぼ円筒形の内壁と、該浄水装置底壁から上に離隔した位置で該外壁と内壁の間に延設された環状の浮遊タンク底壁を有し、該外壁は、内壁より下方に延長し、内壁、浄水装置底壁及び浮遊タンク底壁と協同して水力凝集タンクを画定することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の浄水装置。
  • 【請求項8】前記未処理水導入口から未処理水を受け取るための、前記外壁を取り巻くリング状導管と、各々該リング状導管から前記凝集タンク内へ延長した1組の注入ノズルから成る未処理水分配手段が設けられており、
    それらのノズルは、粒状汚染物の凝集を促進するために該凝集タンク内で未処理水に渦流運動を誘起するように同じ方向に曲げられていることを特徴とする請求の範囲第7項に記載の浄水装置。
  • 【請求項9】前記逆洗手段は、前記初期濾液水貯留手段を前記第2手段に接続する逆洗用導管と、該逆洗用導管に接続されたポンプから成ることを特徴とする請求の範囲第2項に記載の浄水装置。
  • 【請求項10】前記逆洗手段は、前記セル内に濾材層の濾材を保持するための保持手段を含むことを特徴とする請求の範囲第9項に記載の浄水装置。
  • 【請求項11】前記保持手段の、前記セルを画定する前記垂直仕切壁は、前記逆洗操作中前記濾材層の膨脹を受け入れるのに十分な高さを有することを特徴とする請求の範囲第10項に記載の浄水装置。
  • 【請求項12】前記保持手段は、更に、前記各セル内に前記濾材層の上方に配置された複数のバフルを含み、該バフルは、前記凝集した汚染物の浮上を遅らせように、
    かつ、前記濾材層の濾材の通過を阻止するように寸法づけされ、向きを定められていることを特徴とする請求の範囲第11項に記載の浄水装置。
  • 【請求項13】前記バフルは、傾斜したチャンネルの配列体であることを特徴とする請求の範囲第12項に記載の浄水装置。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、凝集剤と、浮上する微小気泡の流れを利用した浮遊作用によって懸濁粒子の除去を達成する浄方法及び装置に関し、特に、浮遊と、浮遊タンクの底部に設けられた砂等の濾床を通しての濾過との組み合わせを用いる、基本的に米国特許第4,626,345号及び4,931,175
    号に記載されたタイプの浄水装置及び方法に関する。

    技術背景 浄水、即ち、水に懸濁している粒状汚染物の除去は、
    特に紙パルプ工業の製造工程からの廃水の処理や、水道水の処理や、下水の処理等に用いられる。 水の浄化は、
    粒子を沈降させるか、あるいは浮遊させることによって行うことができる。 従来周知の沈降装置及び方法は、能率的ではあるが、最大能率の場合でさえも0.5ガロン/
    分/ft 2程度の比較的遅い沈降速度に制限される。 従って、大量の未処理水(生のままの水)を処理するには、
    沈降設備を大型にしなければならず、それに伴ってコスト増や所要スペース増等の不利益が生じる。

    浮遊法は、加圧水内に数重量%の空気を溶解させ、次いでその空気を微小気泡の形で釈放し、それらの気泡が粒子に付着して粒子を液面にまで浮上し、液面において浮遊スラッジを形成するようにする方法である。 気泡を導入する前に、みょうばんやポリマー等の凝集剤を用いて水中の粒子を凝固させ凝集させておくのが普通である。 浮遊法は、理論的には、浮遊面積1ft 2当り7.5ガロン/分の浄水速度を達成することができる。 従来実施されている浄水速度は、この理論値より低いが、それでも沈降法よりは相当に速い。

    本出願人は、米国特許第4,022,696号、4,377,485号、
    4,626,345号、4,184,967号及び4,931,175号を含め浄水装置及び方法に関する幾つかの米国特許を保持している。 「SPC」及び「Supracell」という商標名で販売されている上記米国特許4,184,967号の浄水装置においては、浮遊を円形タンク内で行う。 未処理水は中央パイプ及び流体継手管を通し、タンク内に浸漬されていてタンクの周りを回転する多数の出口を備えた導入パイプを通してタンク内へ供給される。 水の導入流れは、導入パイプの回転方向に対向するように向けられ、導入パイプの回転速度に対して、タンク内に入る水の速度が正味ゼロ速度となるような相対速度で導入される。 未処理水の導入管路組立体及び浮遊したスラッジを除去するためのスコップは、タンクの周りを回転するキャリッジに取り付けられている。 このスコップは、米国特許4,184,967号に記載されたタイプのものであることが好ましく、その回転速度は、1回転の間に浮遊粒子がタンク内の水の表面に到達するように設定される。 例えば16〜18インチ(40.68〜45.72cm)の深さの比較的浅いタンクを用いてキャリッジ1回転毎に良好な浄化度を達成することができる。

    本出願人の上記米国特許第4,377,485号は、「SAF」及び「Sandfloat」という商標名で販売されている浄水装置を開示している。 これは、上記米国特許4,184,967号の浄水装置の基本的原理を利用しており、やはり正味ゼロ速度の原理で作動するが、浮遊タンクの底部を覆う1
    組のウエッジ形砂床を有する第2濾過段を追加している。 この浮遊工程によって浄化された水は、その下の砂床を透過して浄水収集チャンバー内へ流れる。 キャリッジに取り付けられた吸引装置が、浄水収集チャンバーを通して導入される逆洗水流と協同して周期的にフィルタ(砂床)の各セクションを逆洗する。 浄化操作中、凝集塊が形成されると、加圧された空気含有水が、多数の出口を備えたマニホールドを通して凝集チャンバーの開放した下端へ導入される。 それによって、気泡が凝集粒子を上方へ運び、浮遊スラッジ層を形成する。 この浄化速度は、上述した米国特許第4,022,696号の「Supracell」
    装置のそれに匹敵する。

    本出願人の上記米国特許第4,377,485号は、「SASF」
    及び「Sandfloat−Sedifloat」という商標名で販売されている浄水装置を開示している。 これは、正味ゼロ速度の原理を利用しておらず、2段階浄化のために砂床(濾床)を用いている。 この装置では、未処理水は、水凝集器として機能する中央円筒形画室に流入し、次いで、
    仕切壁を越流してその周りの円形浮遊タンク内へ流入する。 空気を含有した水が固定マニホールドを通してして浮遊タンクに添加される。 か点部材としては、浮遊スラッジを浮くい取るためのスコップと、濾床を浄化するための吸引ホッパが設けられている。 このスコップは、上述した「Supracell」及び「Sandfloat」に用いられているものと基本的に同じものである。 この米国特許4,377,
    485号の浄水装置は、「SAF」浄水装置よりコンパクトで、安価な装置で2段階浄化を提供する。

    SASF浄水装置は、効率的で、コンパクトで、比較的安価であることが認められたが、初期濾液水、即ち砂床又はその一部分が逆洗された後最初に生成された浄化水を、逆洗による濁りを伴うことなく生成された浄化水(浄化済みの水)から分離しなければならないというある種の規制要件を満足させることができない。

    もう1つの問題は、SAF及びSASF浄水装置は、堆積した汚染物及びスラッジを吸引によって除去するために砂床の各セグメントを覆う吸引フードを用いることである。 SAF方式は、浄化水出口を通して差し向けられる逆洗水を利用し、一方、SASF方式は、吸引フードによって砂床に及ぼされる吸引ポンプ作用にのみ依存する。 その結果として、SASF浄水装置は、徹底した洗浄効果を発揮する強力な撹拌作用を砂床に与えることができない。
    又、SAF方式の逆洗機構も、SASF方式の逆洗機構も、汚染物及びスラッジと一緒に若干の濾材を除去してしまう。 そして、SAF方式ではそのようにして失われた濾材即ち砂をサイクロン分離器によって回収する。 この濾材損失に対する配慮が、徹底した洗浄を制約する1つの理由であり、少なくともSASF浄水装置の全体効率を制限する1つの理由である。

    SASF浄水装置においては、砂床の各セグメントは、いずれも、浄化水をその下にある1つの共通の収集溜めへ供給する。 この溜めは、浄化水を浄化水出口へ排出する。 このような収集溜めが存在するということは、初期濾液水が浄化水と混ぜられることを意味し、制御用水力凝集器のための利用可能なスペースが制限される(530
    1即ち140ガロンが直径5ft(1.524m)のSASF浄水装置の凝集タンクの典型的な容量である)ことを意味する。
    この容積では、被処理水(処理すべき水)の滞留時間が比較的短くなり(被処理水の流量を140リットル/分とした場合、3.8分)、その結果、粒子の完全な凝集を達成することができず、従って浄化の効率を制限する。

    SAF浄水装置においては、逆洗除去されたスラッジをスロット付きパイプを用いて収集するが、パイプはフードの下の水中にあり、吸引ポンプに接続されている。 逆洗水は、砂床の各セグメントの下のチャンバーを通して供給される。 SPC浄水装置においても半径方向のスロット付きパイプが用いられるが、それらは逆洗には使用されず、浮遊タンク内を回転して浄化水を収集する。 SPC
    浄水装置は、第2段階の砂フィルタを有しておらず、逆洗を行わない。

    上述した従来の各浄水装置の効率は、凝集のための最適サイズの微小気泡を生成する効率によっても制限される。 気泡は、30cm/分の浮上速度を得るには40〜80μの直径を有するものであることが理想である。 又、気泡は、できる限り個数が多いことが好ましく、一旦発生したならば、他の気泡と合体しないことが好ましい。

    より多数の気泡を生成するための直截的な方法は、より多量の空気を水に溶解させることである。 しかしながら、水中の溶存空気の飽和度が大き過ぎて水を減圧させることができないほどであると、生成される気泡のサイズが大きくなり過ぎ、それらの気泡は最適な浮遊過程を乱すような速度で上昇する。

    又、溶解空気は、単に水を減圧することによってだけは能率的に水から釈放されないことも知られている。 従って、若干の空気が溶解したままに残る。 溶解空気の全部又は大部分を釈放するには、加圧された水に強力な剪断力を及ぼさなければならない。 本出願人の米国特許第
    4,931,175号においては、溶解空気を含有した水を垂直管を通して浮遊タンクに導入する。 この垂直管には、その下端からやや上に位置する円板を備えた中心ロッドが挿入されており、円板と管の下端との間に環状の水出口(間隙)が形成されている。 加圧水がこの円板にぶつかって側方へ分散される際に受ける剪断作用により気泡が水から効果的に釈放される。 しかしながら、この出口の環状の間隙は比較的大きい(通常、3〜5mm)。 又、この間隙の大きさは、生成される気泡のサイズを最適にするためにではなく、複数の出口への水の流れを均衡させるために変更される。 更に、この出口の開口は、水に帯同された粒状汚染物で詰まることがないように十分な大きさとされる。 この米国特許第4,931,175号には、複数の円板と非常に小さな穴を用いた少くとも1つのユニットが開示されているが、水の流量を実用的な浄水装置に適用するのに十分な値とした場合、それらの穴は容易に詰まってしまう。 今日までのところ、加圧水のための減圧弁で、溶解空気の大部分を浮遊法に最適なサイズの気泡の形で詰まりを起すことなく能率的に釈放させる減圧弁は知られていない。

    従って、本発明の主要な目的は、上述した初期濾液水(濾床が逆洗された後最初に生成された浄化水)(単に「初期濾液」とも称する)を浄水装置から収集された他の浄化水から隔離することができるようになされた2段階浄水装置及びその操作方法を提供することである。

    本発明の他の目的は、浮遊のために最適なサイズの微小気泡を安定して、かつ、非常に能率的に生成する加圧水減圧弁、及び、溶解空気含有加圧水を排出する方法を提供することである。

    本発明の更に空気含有加圧水の使用量を相当に減少させ、従って、水に空気を吹き込む(含有させる)のに消費される電力を減少させる加圧水減圧弁を提供することである。

    本発明の他の目的は、従来周知の同等の浄水装置に比べて、より大きい容量を有し、より高い水頭圧損失で作動させることができ、より能率的であるコンパクトな2
    段階浄水装置及びその操作方法を提供することである。

    本発明の更に他の目的は、浮遊速度が高く、逆洗性能が良好で、濾材保持能力が高い2段階浄水装置及びその操作方法を提供することである。

    本発明の他の目的は、上述したすべたの利点とともに、容量が大きく、被処理水の滞留時間を長くする水力凝集器を提供することである。

    本発明の他の目的は、上述したすべての利点を備え、
    しかも製造コストの安い浄水装置を提供することである。

    発明の開示 本発明は、ほぼ円筒形の垂直外壁と内壁によって画定された浮遊タンクを有する2段階浮遊/濾過式浄水装置を提供する。 浮遊タンクの底壁は、外壁と内壁の間に跨がっているが、浄水装置本体の底壁より上に離隔させ、
    内壁と協同してその内側に中央水力凝集タンクを画定するように構成してある。 微小気泡は、水力凝集タンク(内側タンク)の上端近くで凝集剤入り未処理水に導入される。 それによって処理された未処理水は、内壁の上縁を越流してその周りの浮遊タンク(外側タンク)へ流入する。

    本発明の主要な特徴の1つは、浮遊タンクの大部分を半径方向の垂直仕切壁によって互いに隔離された複数の垂直セルに分割することである。 好ましい実施例では、
    各セルは、浮遊タンク内の1つの扇形区画を占め、タンクの底部からその上縁の手前の地点にまで延長して上縁との間に環状帯域を残すようにする。 被処理水は、この環状帯域からすべてのセルに供給され、浮遊したスラッジは水の表面に集まる。 各セルの底部には砂等の濾材(濾過媒体)の層即ち濾床を設ける。 濾床は、微細な砂から成る下側砂層と、その上に載る粒状無煙炭又は活性炭(チャーコール)から成る上側層との複層とすることが好ましい。 各セルには又、分枝管付スロット付き導管をセルの底壁近くで上記砂層内に延設する。 分枝管付スロット付き導管の管壁に穿設された多数のスロットは、
    浄化水(浄化済みの水)を受け入れるが、濾材を通さない寸法とする。

    好ましくはチャンネルの配列体の形とした、傾斜した固定バフルを浮遊タンク内に設ける。 バフルは、各セル内にその濾床の上方に離隔させて配置することが好ましい。 上記分枝管付スロット付き導管を通して水及び圧縮空気を圧送することにより対応するセルの濾床の額線を実施する間、上記チャンネルは、逆洗水が上昇して濾材からスラッジ及び堆積粒状物を凝集タンクへ搬出するために通過するのを許すが、複層構造の濾床と、背の高いセルの壁と協同して、逆洗水と共に濾材が直接的に上方へ移動するのを阻止するので、濾材の損失(流失)を実質的に回避する。 チャンネルは傾斜しており、セル内を上昇する凝集塊は水面に達するにはチャンネルを通り抜けなければならないので、それらのチャンネルは,上昇経路の実効長さを延長し、それによって、浮遊タンクのサイズを増大させる必要なしに浄化工程の持続時間を延長し、その効率を高める働きをする。

    各セル内の上述した分枝管付スロット付き導管は、浄水装置の下端近くで浄水装置を囲繞した1対のほぼ平行な閉ループリング(ダブルリング型収集導管系)に接続する。 各分枝管付スロット付き導管と収集導管系の2つのリング(即ちリング状管)との間に1対の空気圧作動式弁を接続する。 1つのセルに対応するこの1対の弁は、他のセルに対応するすべての1対の弁に関連した態様で作動され、両リング内の流れを互いに隔離するように浄水装置に対する流体の出入流れを制御する。 ダブルリング型収集導管系の下側リングは、浄化水だけを収集してそれを共通の浄化水出口へ搬送する。 上側リングは、逆洗されたばかりの1つ又はそれ以上のセルからの初期濾液水だけを収集し、それを、その濁りが沈降するまで初期濾液水貯留タンクへ搬送する。 この貯留タンクは、逆洗のための水源としても機能する。 その目的のために、貯留された初期濾液水は、貯留タンクから導管とポンプにより上記上側リングへ圧送される。

    逆洗すべきでないセルを逆洗水に対して締切っておくために対応するセルの上述した1対の弁を適当に開閉することによって、上側リングは選択された1つ又はそれ以上のセルにのみ逆洗水を差し向ける。 浄化水は、外部ポンプにより浄化水収集密閉タンクへ排出される。 この浄化水収集タンクは、浄水工程を高い処理速度で駆動するのを助成する高い水頭損失を創生するように浄水装置より下の位置に設置されている。

    空気溶解管(ADT)へ空気圧縮機と水ポンプによって空気及び水を供給することにより、溶解空気を含有した加圧水の流れが得られる。 この加圧水を導管を通して水力凝集器(凝集タンク即ち内側タンク)内の上端近くに配置された導入分配リングに導く、このリングには、その加圧水から溶解空気を強力な剪断作用をもって釈放するために少くとも1つの、好ましくは複数の減圧弁を接続する。 それによって加圧水中の溶解空気の実質的に全部を微小気泡の流れの形で釈放させる。 これらの減圧弁は凝集器の頂部に配置されているので、気泡が浮遊タンクへ越流する前に合体するおそれが少ない。

    上記減圧弁は、環状の間隙を設けるようにして互いに固定された上側ハウジング部材と下側ハウジング部材とで構成する。 この環状の間隙は、両ハウジング部材を固定するための軸方向のボルトに装着したワッシャによって設定することが好ましい。 この間隙はシムを用いて調節することができる。

    好ましい実施例では、下側ハウジング部材に耐蝕性の高強度合金性のリングを取り付け、リングの一端縁を上記間隙内に位置させ、ハウジング部材に心合させる。 上側ハウジング部材には、最少限のスロット開度を設定する第1制限位置と、それよりはるかに大きい開度を設定する第1制限位置との間で軸方向に移動自在のピストンを装着する。 加圧水は、下側ハウジング部材へ供給されると、上記リングを通って流れ、該リングと、第1制限位置にあるピストンとによって設定された狭い環状間隙を通って減圧弁から流出する。 このスロット開度は、軸方向で測定して0.2〜0.5mmの範囲とすることが好ましく、円周方向に均一な開口とする。

    ピストンが流体圧によって短時間第2制限位置へ変位されると、スロットは、加圧水が間隙に捕捉された粒子を洗い流すのに十分な開度にまで開放される。

    一実施形態においては、ピストンに加圧水をピストンの裏側へ通すための軸方向の貫通通路を形成する。 上記リングはピストンの外径より小さい内径を有しているので、水圧に露出される面積の差が生じ、それによって常態ではピストンを第1制限位置へ押しやる。 回転自在の制御部材を好ましくは回転キャリッジに機械的連結手段によって連結することによって周期的に駆動されるようにし、それによって周期的にピストンを第2制限位置へ変位させるようにする。 キャリッジが引き続き回転することにより制御部材を回転させ、放出ポートを閉鎖して減圧弁を元の作動位置へ戻す。

    別の実施形態においては、ピストンを中実体とし、三方弁によってピストンの裏側領域を高圧圧縮空気源と、
    大気圧等の低圧領域へ選択的に連通させるようにし、圧力差によってピストンをそれぞれ第1又は第2制限位置へ変位させるようにする。

    図面の簡単な説明 図1は、本発明に従って構成された2段階浄水装置の透視図である。

    図2は、図1に示された本発明による加圧水減圧弁の1つの詳細垂直断面図である。

    図3は、図2と同様な図であるが、本発明の減圧面の空気圧を利用した変型例を示す。

    図4は、各浮遊セルの上端のところに傾斜したバフルチャンネルの直線状配列体を形成するように斜めに切断された多チャンネル押し出し成形品の透視図である。

    好ましい実施例の説明 図1は、本発明による2段階浄水装置10を示す。 この装置は、本出願人の米国特許第4,626,345号に記載されたSASF型浄水装置の改良であり、水力凝集器として機能する内側タンク14と、それを囲繞した外側タンク12を有する。 外側タンク12は、凝集した粒子を上昇する気泡によって浮上させて未処理水を浄化する浮遊タンクである。 タンク12内に生じたスラッジの浮遊層を除去するために多ブレード付きスコップ16がタンク12に回転自在に取り付けられている。 スラッジは、スコップ16によってスラッジ収集円錐体18へ供給され、収集円錐体18からスラッジ排出導管20へ送られる。

    スコップ16はモータ22によって回転される。 一方、スコップ16は、推進車輪26を備えたキャリッジ28上に搭載されている。 キャリッジの車輪26はモータ24によって駆動され、タンク12の上縁のフランジ30に沿って転動し、
    キャリッジ28をタンクの周りに回転させる。 キャリッジ
    28には又、逆洗用フード32が取り付けられている。 フード32は、キャリッジ28と共にタンクの周りを回転させるのと併行して、逆洗用フード作動器34によって昇降せしめられる。

    後述するように1つのセルを逆洗する場合、逆洗用フード32が下降してセルを覆い、セルから上方へ流出する逆洗水及び汚染物を凝集タンク14へ差し向けるようにする。 モータ22及び24及び作動器34への電力は、回転接触器36を介して供給される。

    浮遊タンク12は、外壁38と、内壁40と、それらの壁の間に跨がる環状の底壁42によって画定される。 内壁40の下端は、底壁42に全周に亙って連結しており、外壁38
    は、内壁40より更に下方に延長した下方部分38aを有し、下方部分38aの下端が浄水装置10の円形のほぼ平坦な底壁44に連結されている。 かくして、底壁42,44と、
    内壁40と、外壁の下方部分38aとによって内側タンク14
    が画定される。

    この内側タンク即ち水力凝集タンク14は、上述した従来のSASF型浄水装置の水力凝集タンクに比べて容積が大きくなっている。 SASF型浄水装置の場合は、底壁42の下側領域が浄化水を収集するための浄水溜めとして使用されているからである。 本発明の重要な利点の1つは、この浄水溜めスペースが必要とされず、従って、凝集器の容量を増大するのに利用することができることである。
    例として挙げれば、直径5ft(1.524m)の浄水装置の場合、SASF型浄水装置の内側タンクの保持容量は約530リットル(140ガロン)であるのに対して、それに匹敵する本発明の内側タンク14の保持容量は約1,936リットル(512ガロン)である。 従って、未処理水の供給流量を同じ(例えば、140リットル/分(32gpm))とした場合、SASF型浄水装置の被処理水の滞留時間が3.8分であるのに対して、本発明では13.8分である。 未処理水の供給流量を227リットル/分(60gpm)とした場合でも、本発明の被処理水滞留時間は8.5分であり、SASF型浄水装置のそれの2倍以上である。

    本発明による凝集器の容積の増大のもう1つの利点は、多ノズル付き未処理水分配リング(リング状管)46
    の使用を可能にすることである。 分配リング46は、主入口48から未処理水を受け取る。 未処理水には導管50を通してみょうばん等の凝集剤が添加される。 未処理水の導入流量は、導入導管に設けられた弁48aによって制御される。 リング46から分枝した1組の未処理水注入ノズル
    46aが外壁の下方部分38aを貫通して延長し、屈曲した先細先端部分46bに終端している。 これらのノズル46aは、
    5ft(1.524m)径の浄水装置の場合、等度に離隔させて8本設けることが好ましい。 先端部分46bは、内側タンク14内に渦流52を設定するように水平平面内で同じ方向に曲げられている。 この渦流は、未処理水が凝集タンク14の上縁14aを越流して浮遊タンク12内に流入するまでに、凝集剤(化学薬品)と未処理水との混合を促進してタンク14内での凝集塊の生成を促進する働きをする。
    図に示されるように、未処理水分配リング46は、浄水装置の底壁44の直ぐ上のところで外壁38を取り巻くようにすることが好ましい。

    本発明の主要な特徴の1つは、外側タンク即ち浮遊タンク12を、その最上方部分だけを除いて複数個(図では
    11個)のセル54に分割するために1組の半径方向の垂直仕切壁53を浮遊タンク12に固定することである。 これらの仕切壁53は、無孔部材であり、浮遊タンクの底壁42から内側タンク即ち凝集タンク14の上縁14aに近い部位にまで垂直に延長している。 この構成によれば、空気を注入され、凝集剤を添加された未処理水が浮遊タンク12の上方部分に自動的に均一に分配されるが、各セル54内での浮遊による浄化工程は、他のセル内での浄化工程とは独立している。

    各セル54は、その底部に濾材の床(単に「濾床」又は「床」とも称する)56を収容し、かつ、少くとも逆洗工程中濾床の膨脹(通常、20〜30%)を受け入れるのに十分なだけ濾床より突出する高さを有している。 例として挙げれば、深さ約61cmの濾床を有する直径5ft(1.524
    m)の浄水装置の場合、各セル54の高さは約132cm(52i
    n)とする。 この高さは又、各々各セルの上端に取り付けられる1組のじゃま板58を収容するのにも十分な高さである。

    図示の好ましい実施例では、1組のバフル(じゃま板の機能を果たす構造体)(「バフルユニット」とも称する)58は、直線状配列体58bを傾斜した上下の切断線58d
    から切断し、その上下の三角形状部分を取り去った中間の平行四辺形状部分から成り、かつ、その上下の切断面を水平にして各セル54内に収容することにより、垂直線から傾斜した多数のチャンネル58a(図4参照)によって構成される。 各チャンネルは、濾材が直接的に上方へ移動するのを阻止するが、逆洗水が濾材からスラッジ及び堆積粒状物を再処理のために凝集タンク14へ搬出するために通過するのを許す。 これらのチャンネル58aは、
    又、上昇する凝集塊を、上述した米国特許第4,931,175
    号におけるように直接的な上昇経路に沿ってではなく、
    より長い経路を辿って移動させることにより凝集過程を遅くする働きをする。 チャンネル58aの(水平から測定した)傾斜角が小さければ小さいほど、経路が長くなる。 ただし、この効果は、スペースの制約によって制限され、又、チャンネルの(水平からの)傾斜角が小さ過ぎると、又、チャンネルの断面積が小さ過ぎるとスラッジがチャンネル内に詰まり易くなるので、その点でも制限される。 チャンネルの傾斜角及び寸法は、用途及び関連する作動パラメータ応じて変更することができる。

    チャンネル58aは、図4に示されるように、一体のユニットとしてプラスチックで押出成形された直線状配列体58bとして形成することが好ましい。 各直線状配列体5
    8bを1つのセル54内に半径方向に対して横断方向に横切って延設する。 各セルは平面でみて扇形であるから、扇形の外周に近いところでは2つ又はそれ以上の直線状配列体58bを、その端壁(図4でみて左右の端壁)を突き合わせ関係に接合することによって連結する。 同様に、
    半径方向に隣接する直線状配列体58b同志も、それらの側壁を接合することによって連結する。 半径方向に隣接した直線状配列体58bは、その傾斜方向が交互に反対になるように配置する。 即ち、図4に示されている切断線
    58d,58dの傾斜方向を半径方向に隣接する直線状配列体5
    8bの間で反対にする。 好ましい実施例では、直線状配列体58bの内部仕切壁58fは、各々ほぼ等しい流れ断面積のチャンネル58aを画定するように互いに離隔されている。 例として挙げれば、これらのチャンネルの断面積を
    1in 2 (6.45cm 2 )とし、水平からの傾斜角を60゜とする。 通常、各バフル58の高さは6〜8in(15.24〜20.32c
    m)とする。 それらのバフル58は、セル54の円周方向の全幅に亙って延設させる。

    本発明においては、濾床56として、砂又はそれと同等の微細濾材の下側層56aと、その上に載る粗い濾材、好ましくは無煙炭の上側層56bとの複層濾材を用いることが好ましい。 好ましい実施例では、砂の平均直径を0.35
    mmとし、無煙炭の平均直径を0.8〜10.mmとする。 各層56
    a及び56bの深さは約30cmとする。 バフルユニット58を用いた場合、逆洗水の流量が20〜25gpm/ft 2もの高い流量であり、かつ、圧縮空気による濾床の短時間の激しい撹拌が伴った状態で、この濾床が逆洗工程中膨脹又は流動化されても、バフルユニットにより濾材の損失(流失)
    は無視し得る程度に抑えられる。

    本発明のもう1つの主要な特徴は、浄化水及び初期濾液水(即ち砂床が逆洗された後最初に生成された浄化水)を収集し、浄化水と初期濾液水とを隔離した状態に維持したままで、逆洗水を選択された1つ又はそれ以上のセル54へ導くためのダブルリング型分枝管付き収集導管系60を設けたことである。 収集導管系60は、底壁42の近くで外側タンク12を取り巻いた浄化水導管(リング即ちリング状管)62と、好ましくは浄化水導管62に平行にその上に密な間隔をおいて外側タンク12を取り巻いた初期濾液水導管(リング即ちリング状管)64とから成る。
    各リング62,64は、すべてのセル54に対して共通の流路を設定する閉ループである。 リング62に集められた浄化水は、制御弁66aを経て主浄化水出口66へ流れ、大きな水頭損失を創生するように浄化装置の下に置かれたタンク67内へ排出される。 タンク67は、浮遊タンク12から10
    ft(3.05m)下に設置するのが好ましい。 本発明の浄水装置では、この水頭損失と、逆洗のための圧力を創生するためのポンプの使用とが相俟って、比較的高い処理速度が達成される。 弁48aと弁66aを連携して作動させて、
    あるいは一方の弁を固定流量にセットし、他方の弁を可変流量にセットして作動させることにより、慣用の水レベルセンサに応答して浮遊タンク12内の水レベル(液面高さ)を制御することができる。

    濁った初期濾液水は、リング64を通り、導管70を経て浮遊タンク12の外部の初期濾液水タンク68へ流入する。
    この初期濾液水を逆洗水として用いるためにタンク68から注出するためのポンプ74を備えた導管72がタンク68から導出されている。 逆洗されたセル54から濁り度の高い間分流された水(初期濾液水)の容量は、別のセル54を逆洗するに足る量の水を供給するのに十分な量である。
    更に、タンク68内の水レベルを逆洗のために十分な所定値に維持するために、タンク67からの浄化水を導管69及びポンプ69aによってタンク68へ供給することもできる。

    リング62及び64は、いずれも、底壁42に近接した位置で各セル54の底部の砂層56a内に配置された分枝管付きスロット付き導管78に1組の空気圧式自動動作弁76
    (「自動弁のネットワーク」とも称する)を介して接続されている。 (自動動作弁76は、浄水装置10の作動と協調して自動的に作動される。)図示の好ましい実施例では、各分枝管付きのスロット付き導管78は、主導管78a
    と、主導管から直角にセル54を画定する仕切壁53に向かってその直ぐ手前にまで水平に延長した小径の分枝管78
    b,78c及び78dを有する。 各分枝管の管壁特に下側管壁には、濾材を通過した浄化水は通すが、濾材(砂)は通さない複数の細長いスロット78eが形成されている。 これらのスロット78eは、導管の壁を貫通しており、砂の粒度によるが、典型的な例では、長さ2〜6in(5.08〜15.
    24cm)、幅0.2〜1mmである。 各主導管78aは、外壁の下方部分38aを貫通し、リング62,64の両方への短いT字継手管80に接続している。 1対の弁76が、T字継手管80の各分枝管にそれぞれ1つづつ接続されており、それらの弁76の一方を開放して、それと同時に他方を閉鎖すると、導管78からリング62又は64へ水の流れが差し向けられ、リング62と64の間の交差流れは実質的に遮断される。

    逆洗中のセルが存在しない平常作動においては、リング64側のすべての「上側」弁76が閉鎖され、リング62側のすべての「下側」弁76が開放されており、分枝管付き導管78内に収集された浄化水は、リング62へ流れ、出口
    66から浄化水収集タンク67へ排出される。

    1つのセル54を逆洗する際は、そのセルに対応する(リング64への)上側弁76を開放し、そのセルに対応する(リング62への)下側弁76を閉鎖する。 その他の上側弁76はすべて閉鎖したままにし、その他の下側弁76はすべて開放したままにしておく。 ポンプ74と逆洗用フード作動器34を同時に作動させて貯留タンク68から逆洗すべきセル54へ上述した初期濾液水を逆洗水として導入する。 この逆洗水は、濾床56の底部に配置されている分枝管付き導管78によって分配され、その床全体を効果的に流動化させる。 この逆洗水の流量は、5ft(1.524m)の浄水装置の場合、20〜25gpm/ft 2とすることが好ましい。 逆洗が完了した後も、すべての弁76を同じ状態に維持する。 それによって、逆洗を終えたばかりのセル54からの初期濾液水は貯留タンク68へ差し向けられ、一方、
    その他のセル54からの浄化水の収集は、リング62を通して続けられる。 このように、ダブルリング62,64と、各分枝管付き導管78に連通した自動弁76のネットワークを設けたことと、浮遊タンク12及び濾床56を互いに作動上実質的に独立された複数のセル54に分割した構成によって、初期濾液を浄化水から隔離することができる。

    浄化水の一部分は、それを加圧するために導管84及びポンプ86を経て空気溶解管(ADT)82へ分流される。 空気圧縮機88が圧縮空気をADT82へ送り、加圧された水に空気を溶解させる。 ADT82内で生成された溶解空気含有加圧水は、導管90によって浄水装置10内へ搬送される。
    詳述すれば、溶解空気含有加圧水は、導管90の上端に接続された分配リング(リング状管)92から1組の減圧弁
    94を通して凝集タンク14内へその上端から添加される。
    減圧弁94を凝集器14の上端近くに配置したことにより、
    以下に説明するように被処理水に直接的に空気を注入することができ、被処理水中の微小気泡が合体する機会を少なくすることができる。

    本発明の更に別の主要な特徴は、水に溶解している利用可能な空気を効率的に利用して浮遊工程のために最適なサイズの微小気泡を生成するための減圧弁94の構造及びその操作方法にある。 図2は、減圧弁94の好ましい実施例を示す。 この実施例では、減圧弁94は、そのパージ操作(流体の放逐により詰まりを除去する清掃操作)を自動的にするために機械的に(機械的機構によって)作動される。 弁94は、下側ハウジング部材96と上側ハウジング部材98の2つのハウジング部材から成るハウジングを有する。 ハウジング部材96と98とは、それらの間に環状の間隙104を画定するようにワッシャ102を介して3本のボルト100によって互いに固定されている。 間隙104
    は、ワッシャ102及びボルト100のあるところを除いて途切れることなく連続している。 間隙104の軸方向の寸法(両頭矢印で示されている)は、作動中固定されている。

    下側ハウジング部材96は、分配リング92の垂直排出パイプに螺合する入口108を有している。 入口108は、加圧水を弁94の中央通路110を通して間隙104の直前の狭い環状スロット112へ差し向ける。 好ましい実施例では、このスロット112は、リング114と、上側ハウジング部材98
    の中央円筒形内孔118内に保持されたピストン116とによって画定される。 リング114は、いろいろな耐摩性高合金のうちの任意のもので形成することができ、プレス嵌めによって交換自在に装着することができる。

    スロット112の軸方向(高さ方向)の開口寸法(開度)は、微小気泡の効率的な生成にとって非常に重要であることが判明している。 平常作動においては、スロット112の開度は、0.2〜0.5mm(約0.01〜0.03in)の範囲に設定することが好ましい。 そのような設定値により、
    高い動摩擦が創生され、その動摩擦と、流れがスロット
    112を通る際に軸方向から側方(半径方向)へ急激に変化することによって生じる剪断作用とが相俟って、40〜
    80μの範囲の、浮遊工程にとって理想的なサイズの気泡を生成する。 しかも、このスロットは、極めて効率的に気泡を生成し、溶解空気の実質的に全部を釈放させ、従って、多量の気泡を創生する。 スロット112の開度の正確な値は、浄化水の流量、浄化水のうちの再循還率、スロット112の前後間の圧力降下、使用される弁94の数、
    及び水中の粒状物の濃度等の作動パラメータに従って決定される。 本発明によるこの多量の理想的なサイズの気泡の効率的な生成は、ADT82内で空気含有加圧水を生成するのに必要とされる所要動力を削減することができるという重要な利点をもたらす。

    しかしながら、そのような狭いスロットを使用することの主要な問題点は、水中に帯同されている粒状物がスロット112に捕捉され、弁94を直ぐに詰まらせてしまうことである。 本発明は、ピストン116を、所望の狭いスロット112を設定する、リング114に近接する図2の第1
    制限位置と、リング114から離隔した第2制限位置(図2に仮想線で示されている)との間で移動させることによってこの問題を解決する。 この第2制限位置では、スロット112の開度は、スロットに捕捉された粒状物をパージ(放逐)して弁を清掃することができる急激で大きな加圧水の流れを生じさせるのに十分な大きさである。
    この動作は迅速に行われ、その後ピストン116は第1制限位置へ戻される。 このパージ操作中のスロット開度の代表的な値は、0.2in(約5.0mm)である。 ピストン116
    を目一杯引込めると、スロット112開口は、リング114とピストンの底端面116eとの間隔によってではなく、リング114の上端の外周縁と、上側ハウジング部材98の中央円筒形内孔118の内径とによってのみ限定される。 このパージ流れの持続時間と強さは、凝集塊を破壊するほどであってはならない。

    図2の実施例においては、制御ディスク120がボルト1
    22と締め付けナット124,124によって上側ハウジング部材98に回転自在に取り付けられている。 ナット124と上側ハウジング部材98との間に介設されたベルビルばね(皿ばね)が、ディスク120を上側ハウジング部材98の上面に圧接し両者の間に滑り面シールを設定するようになされている。 相対的に摺動するハウジング部材98とディスク120の間に確実なシールを設定するためにOリングシール128又はそれに類するシール部材を用いることが好ましい。 ボルト122の周りにも別のシール部材130を装着する。 半径方向に延長する4本のロッド132の一端をディスク120に固定し、各ロッドの自由端がキャリッジ28によって係合されるように位置づけし、それによってキャリッジが90゜回転するごとに各ロッド130が順次に90゜回転されるようにする。

    ピストン116は、下側ハウジング部材96の中央通路110
    に対面する小径開口116bに終端する軸方向の通路116aを有している。 平常作動においては、通路116a,116bは、
    加圧水を通路110から内孔118へ通し、ピストンの後端面
    116c及び通路116a内の小さな環状領域116dに水の圧力を作用させる。 通路110内の高い水圧はリング114の内径にまでしか及ばないので、ピストンの底端面即ち前端面11
    6eの加圧水に露呈される面積は、表面116c及び116dの圧力露出面積より小さい。 実質的に同じ圧力に露呈される面積のこの差が、ピストン116をその第1制限位置へ押圧する正味力を創生する。 図に示されるように、ピストン116は、Oリングシール134と縁部シール部材136とによってその円筒形側面を摺動自在にシールされる。 これらのシール134及び136は、水がスロット112をバイパスしてピストンの周りを通って間隙104へ流れるのを阻止する。

    上側ハウジング部材98の端壁98aに放出ポート138が形成され、ディスク120に放出通路140が形成されている。
    ディスク120が回転して、通路140への入口140aが端壁98
    aの外表面の放出ポート138の上に重なると、ピストン11
    6の後ろ側の空間118aが低圧領域、即ち大気に開口される。 その結果、加圧水が通路138,140を通って流出し、
    表面116c,116dに作用する水圧を、表面116eに作用する水圧がピストンをその第2制限位置へ駆動することができるレベルにまで低下させる。 引き続きディスク120が回転されてその無孔部分が端壁98aの外表面の放出ポート138の上にくると、ポート138が塞がれる。 ポート138
    と通路140とが整合する時間は、通常、1秒の何分の幾つか程度の短い時間であるが、ピストンをそれ(ポート
    138と通路140とが整合する時間)と同じ時間だけ第2制限位置に保持するのに十分であり、弁94のスロット112
    をパージ操作のために開放するのに十分である。

    ディスク120に1つの放出通路140を形成し、4本のロッド132を設けた構成では、弁94は、キャリッジ28が浄水装置の周りを4回転するごとに1回パージ(清掃)される。 ポート140又は138の追加、ロッド132の本数又は設計の変更により同じサイクル中のパージ操作の回数を増減させることができる。

    図3は、減圧弁の変型実施例を示す。 この例において図2の実施例のものと同様の部品は同じ参照番号に'を付して示す。 図3の変型実施例の減圧弁94'の構造及び動作原理は、そのピストン116'を中実部材とし、機械的機構によってではなく空気圧によって位置づけし移動させるようにした点を除いては図2の減圧弁94と同じである。 図3の実施例では、圧縮空気が、三方弁144及び上側ハウジング部材98'の通路146を通してピストン116'の後端面116c'に差し向けられる。 この空気圧は、ピストン116'をその前端面116e'に作用する加圧水の対抗力に抗してその第1制限位置へ駆動するのに十分な圧力である。

    弁94'をパージ(清掃)するには、弁144を操作して圧縮空気を遮断し、中央円筒形内孔118'を大気に連通させる。 これによってシール部材136'を介してピストンの後端面116c'に作用する圧力を降下させ、ピストンをその第2制限位置へ移動させる。 圧縮空気の代わりに加圧水を用いてもよい。 例えば、下側ハウジング部材96'の入口108'から加圧された空気含有水の流れの一部分を導管
    117によって分流させることができる。

    本発明による浄水装置は、同等の大きさの従来のSASF
    型浄水装置より高い流量で作動することができるばかりでなく、より効率的でもある。 例えば、本発明の浄水装置10を用いて400ppmの汚染物を有する未処理水を処理したところ、汚染物含有量を11.2ppmに減少された浄化水が得られた。 これは、従来のSPC型浄水装置のようなよりコンパクトなユニットによってさえも達成されない高い効率である。

    以上、逆洗操作後の初期濾液水を定常操作によって得られる浄化水から隔離する本発明の改良型2段階浄水装置を説明した。 又、弁詰まりを起すことなく浮遊のための最適なサイズの気泡を生成する、溶解空気含有加圧水のための新規な減圧弁を説明した。

    本発明の浄水装置は、容量(処理能力)を増大し、効率を高める、しかも、濾材の損失を無視し得る程度にまで減少し、濾床の完全な洗浄を頻繁に実施することを可能にする。

    以上、本発明を実施例に関連して説明したが、本発明は、ここに例示した実施例の構造及び形態に限定されるものではなく、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、いろいろな実施形態が可能である。 例えば、浄水装置からの浄化水の流れを収集し分離するための手段として、実施例では弁のネットワークを備えた1組の平行な閉ループ型リング状導管を開示したが、浄化水の流れを制御し分離するための手段として他のいろいろな構成を用いることができる。 例えば、若干のコスト高を伴うが、リング62,64は、C字形としてもよく、あるいは、
    リング62,64に代えて、各セル54から導出した導管の配列体を用いてもよい。 同様に、分枝管付きスロット付き導管78の代わりに、いろいろな配列の導管、又は、一側壁又は複数の側壁に流体通し孔を穿設された高さの低い画室のような機能的に均等な構造体を用いることもできる。 浮遊タンク12を画室(セル)に分割する構成も、機構的に異なるいろいろな態様で実施することができる。

    又、減圧弁も、いろいろな形態とすることができる。
    例えば、リング114を固定ではなく可動部材とし、ピストン116を一定の方向にばね付勢し、そのばねに抗して可動部材とされたリング114を流体圧によって駆動するようにしてもよい。 間隙104も、リング114とピストン11
    6の組み合わせ、又はワッシャの組み合わせ以外の構造体、例えば、平坦な表面の上に間隔を置いて配置した管状入口を用いてもよい。 狭いスロット112を清掃するために周期的に開放する手段としても、直接的機械的機構や、電気/機械的機構(例えばソレノイド駆動されるピストン)等のいろいろな手段が考えられる。

    バフル58も、いろいろな形態に構成することができ、
    セル54の上方に配置してもよく、あるいは、互いにオーバーラップするように傾斜させた同心湾曲板の組み合わせたいとして構成することもできる。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl. 7 ,DB名) C02F 1/24 B01D 29/00 - 29/48

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