ワーク分離装置

申请号 JP2012548782 申请日 2011-12-13 公开(公告)号 JPWO2012081565A1 公开(公告)日 2014-05-22
申请人 シチズンホールディングス株式会社; シチズンマシナリーミヤノ株式会社; 发明人 章全 柳川; 章全 柳川; 浩史 粕谷; 浩史 粕谷; 恭太 小竹; 恭太 小竹; 秋元 暁; 暁 秋元; 庸二 竹内; 庸二 竹内; 梅夫 露▲崎▼; 梅夫 露▲崎▼; 貴裕 茂木; 貴裕 茂木;
摘要 ワークと加工屑の混合物を液流内に安定して投入し、正確にかつ効率よく分離するワーク分離装置を提供すること。投入筒(120)が分離容器(110)内に挿入配置され液体供給手段(130)が投入筒(120)の下端よりも下方から分離容器(110)に液体を供給し、分離容器(110)内に発生する液流によって上端から液体が溢れて流出し、投入筒(120)内では、液面が上昇し上端から液体が流出しないこと。
权利要求
  • 液体が収容される分離容器と、ワークと加工屑の混合物を上方から投入する投入筒と、前記分離容器に液体を供給する液体供給手段とを備えたワーク分離装置であって、
    前記投入筒が、その下端を前記分離容器内に位置するように挿入配置され、
    前記液体供給手段が、前記投入筒の下端よりも下方から前記分離容器に液体を供給し、
    前記投入筒の上端が、前記分離容器の上端より上方に突出し、
    前記分離容器内に発生する下方から上方への液流によって、前記分離容器の上端から液体が溢れて流出するとともに、前記投入筒内の液体が上端から流出しないよう、前記分離容器と投入筒が配置されていることを特徴とするワーク分離装置。
  • 前記投入筒の中心線が、前記分離容器の中心線と一致するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載のワーク分離装置。
  • 前記投入筒の前記分離容器の上端より上方に突出した部分に、外形が上方に向かって拡大するロート状部を有していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のワーク分離装置。
  • 前記ロート状部の上方に向かって凸状に形成された分離板が、前記ロート状部の混合物投入口付近に設けられていることを特徴とする請求項3に記載のワーク分離装置。
  • 前記分離容器の下端近傍に、分離容器内に液体を導入する複数の液体流入孔を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のワーク分離装置。
  • 前記分離容器の下端近傍に、分離容器内に液体を導入するリング状のスリットを設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のワーク分離装置。
  • 前記分離容器の底部が、着脱可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のワーク分離装置。
  • 前記分離容器の底部に、相互に分離されて沈降するワーク又は加工屑と液体とを排出する開口部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求6に記載のワーク分離装置。
  • 前記分離容器の底部側の内周面に、相互に分離されて沈降するワーク又は加工屑を、前記開口部に案内するように傾斜する傾斜面が形成されていることを特徴とする請求項8に記載のワーク分離装置。
  • 前記分離容器の上部の周囲に、前記分離容器の上端から流出した液体を受ける上部受け部を配置したことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載のワーク分離装置。
  • 前記分離容器の上端から溢れる液体を前記上部受け部に案内する傾斜面を有する液体案内部が、前記分離容器の上端に形成されていることを特徴とする請求項10に記載のワーク分離装置。
  • 说明书全文

    本発明は、各種工作機械で加工されたワークとその加工時に発生する加工屑とを分離するためのワーク分離装置に関するものである。

    微細加工用の旋盤やフライス盤などの各種工作機械で加工されるワーク、例えば、時計部品等の微細なワークは、ミクロン単位の大きさであるため、加工後のワークを切削切粉等の加工屑と分離して工作機械から取り出すことは困難であり、ワークと加工屑の混合物として工作機械から取り出されることが多い。

    このようなワークと加工屑の混合物からワークを分離して取り出すには、洗い、篩分け、振動板による分離等の方法があるが、ワークと加工屑は同一材料で比重も同じであり、また、加工屑は種々の形状のものが混在しているため、正確にかつ効率よく分離するのは困難であった。
    そのため、最終的には目視による選別が必要となっていた。

    同一材料で比重が同じであっても質量に対する形状および表面積の相違によって分離可能な技術として、特許文献1に開示されているような、バレル式メッキ法によってメッキされたチップ部品と、そのメッキ時に使用されたメディアとを分離する分離装置が公知であり、各種工作機械で加工されるワークと加工屑の混合物を、この公知の分離装置を使用して分離することが考えられる。

    この公知の分離装置は、内部に液体を貯留した分離容器の上部から、チップ部品とメディアの混合物を投入して沈降させ、沈降途中の混合物に対して沈降方向と交差する方向の液流を衝突させ、メディアを分離容器の下方に沈降させて下部で回収するとともに、チップ部品を液流とともにメディアから分離して分離容器の側方に設けた分岐流路を通して回収するように構成されている(特許文献1参照)。

    特開2007−330855号公報(全頁、全図)

    混合物に対し液流を衝突させて分離するにあたっては、混合物が液流に安定して投入される必要がある。
    特に、比重が同じである各種工作機械で加工されるワークと加工屑の混合物を分離するためには安定して投入されることが極めて重要である。

    しかしながら、前述の公知の分離装置は、分離容器内に貯留された液体を横切るように液流を発生させており、混合物は分離容器内の液体内をしばらく沈降した後に、沈降方向を横切る液流に達することとなるため、混合物を液流内に安定して投入することが困難であり、精度良く分離することが困難であるという問題があった。

    なお、分離容器の下方から上方に向けて液流を発生させ分離容器の上端から液体を溢れさせることで排出して混合物を上方から直接液流内に投入することも考えられる。
    しかしながら、分離容器の上端部付近では溢れて排出される液流が著しく乱れており、混合物がその乱れた層を通過する必要があるため、やはり、混合物を液流内に安定投入することは困難であり、精度良く分離することは困難であった。

    本請求項1に係る発明は、液体が収容される分離容器と、ワークと加工屑の混合物を上方から投入する投入筒と、前記分離容器に液体を供給する液体供給手段とを備えたワーク分離装置であって、前記投入筒が、その下端を前記分離容器内に位置するように挿入配置され、前記液体供給手段が、前記投入筒の下端よりも下方から前記分離容器に液体を供給し、前記投入筒の上端が、前記分離容器の上端より上方に突出し、前記分離容器内に発生する下方から上方への液流によって、前記分離容器の上端から液体が溢れて流出するとともに、前記投入筒内の液体が上端から流出しないよう、前記分離容器と投入筒が配置されていることにより、前記課題を解決するものである。

    本請求項2に係る発明は、請求項1に記載されたワーク分離装置の構成に加えて、前記投入筒の中心線が、前記分離容器の中心線と一致するように配置されていることにより、前記課題を解決するものである。

    本請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載されたワーク分離装置の構成に加えて、前記投入筒の前記分離容器の上端より上方に突出した部分に、外形が上方に向かって拡大するロート状部を有していることにより、前記課題を解決するものである。

    本請求項4に係る発明は、請求項3に記載されたワーク分離装置の構成に加えて、前記ロート状部の上方に向かって凸状に形成された分離板が、前記ロート状部の混合物投入口付近に設けられていることにより、前記課題を解決するものである。

    本請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載されたワーク分離装置の構成に加えて、前記分離容器の下端近傍に、分離容器内に液体を導入する複数の液体流入孔を設けたことにより、前記課題を解決するものである。

    本請求項6に係る発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載されたワーク分離装置の構成に加えて、前記分離容器の下端近傍に、分離容器内に液体を導入するリング状のスリットを設けたことにより、前記課題を解決するものである。

    本請求項7に係る発明は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載されたワーク分離装置の構成に加えて、前記分離容器の底部が、着脱可能に構成されていることにより、前記課題を解決するものである。

    本請求項8に係る発明は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載されたワーク分離装置の構成に加えて、前記分離容器の底部に、相互に分離されて沈降するワーク又は加工屑と液体とを排出する開口部が設けられていることにより、前記課題を解決するものである。

    本請求項9に係る発明は、請求項8に記載されたワーク分離装置の構成に加えて、前記分離容器の底部側の内周面に、相互に分離されて沈降するワーク又は加工屑を、前記開口部に案内するように傾斜する傾斜面が形成されていることにより、前記課題を解決するものである。

    本請求項10に係る発明は、請求項1乃至請求項9のいずれかに記載されたワーク分離装置の構成に加えて、前記分離容器の上部の周囲に、前記分離容器の上端から流出した液体を受ける上部受け部を配置したことにより、前記課題を解決するものである。

    本請求項11に係る発明は、請求項10に記載されたワーク分離装置の構成に加えて、前記分離容器の上端から溢れる液体を前記上部受け部に案内する傾斜面を有する液体案内部が、前記分離容器の上端に形成されていることにより、前記課題を解決するものである。

    本請求項1に係る発明のワーク分離装置によれば、液体供給手段が、投入筒の下端よりも下方から分離容器に液体を供給することによって、分離容器内に下方から上方への液流が生じるとともに、投入筒の上端が分離容器の上端より上方に突出し下端が分離容器内に位置することで、投入筒内の液体は液面が前記液流による動圧によって上昇しても上端から流出するような液流が発生しない。

    このことで、投入筒の上端から投入されたワークと加工屑の混合物は、分離容器内の液流の影響が小さく、液流の極めて少ない安定した液体状態の投入筒内を下端まで沈降して、分離容器内の比較的安定した液流が生じている部分に到達でき、混合物を分離のための液流内に安定供給することができるので、ワークと加工屑の混合物は、比重が同じであっても、ワークと加工屑とを分離容器の上下に正確にかつ効率よく分離することができる。

    本請求項2に係る発明のワーク分離装置によれば、分離容器内の液流の通路形状を中心線に対する回転対称形状とすることができ、下方から上方に向かう液流が分離容器内の投入筒の周囲に流入する際に、その液流が均等に分散されるため、流量や流速の乱れが少なくワークを正確にかつ効率よく分離することができる。
    本請求項3に係る発明のワーク分離装置によれば、投入筒の上端の面積が広くなり、ワークと加工屑の混合物を上方から容易に投入することができる。
    本請求項4に係る発明のワーク分離装置によれば、ワーク及び加工屑の混合物の分離性を向上させることができる。

    本請求項5または6に係る発明のワーク分離装置によれば、分離容器の下端近傍に設けられた複数の液体流入孔を介して複数箇所から分離容器内に液体が導入される、またはリング状のスリットを介して分離容器内に均等に液体が導入されるため、分離容器内に乱流や渦を生じることなく、安定して下方から上方への液流を発生されることができる。
    本請求項7に係る発明のワーク分離装置によれば、分離容器の底部のみを外して分離されて沈降堆積したワークまたは加工屑を簡単に回収することができ、分離容器全体を外す必要がなく、ワークの回収作業が容易となる。

    本請求項8に係る発明のワーク分離装置によれば、加工屑から分離されたワークまたは加工屑を液体と一緒に開口部から排出することができるため、かご等の適当なワーク液体分離手段を用いて液体とワークまたは加工屑とを容易に分離し、ワークまたは加工屑を簡単に回収することができる。
    本請求項9に係る発明のワーク分離装置によれば、分離容器内で沈降するワークまたは加工屑の滞留を回避して下方の開口部に円滑に案内することができる。

    本請求項10に係る発明のワーク分離装置によれば、分離容器の上端から分離された加工屑またはワークとともに溢れる液体を上部受け部で収集して適宜の排出部に誘導することができるため、加工屑やワークの回収作業が容易となる。

    本請求項11に係る発明のワーク分離装置によれば、液体が分離容器の上端から上部受け部に円滑に流れるため、液体とともに加工屑を上部受け部に円滑に案内することが容易となる。

    本発明の一実施例であるワーク分離装置の側面断面図。

    図1のD−D断面図。

    本発明のワーク分離装置の液流の説明図。

    本発明のワーク分離装置のワークと加工屑の分離動作の説明図。

    本発明のワーク分離装置の他の実施例の一部断面図。

    本発明のワーク分離装置の他の実施例の一部断面図。

    本発明のワーク分離装置の他の実施例の一部断面図。

    本発明の一実施例であるワーク分離装置100は、図1に示すように、分離容器110と、分離容器110の内周より小径の円筒部121とその上方に拡大するロート部122を有する投入筒120と、分離容器110の下方から液体を供給する液体供給手段130と、分離容器110の上端から流出した液体を受ける上部受け部140を有している。

    分離容器110は、円筒状の筒状部111と、その下端部に(本実施例では、後述する液体供給手段130を介して)着脱可能に構成された底部112を有している。
    前記筒状部111の下方には、複数の液体流入孔113が上下方向および円周方向に分散して設けられている。 なお本実施形態において液体流入孔113は、筒状部111の外周全周にわたって概ね均等に配置されている。

    前記筒状部111の上方の内周側には、前記円筒部121が中心線を一致させて挿入されるように配置されるとともに、外周側には、前記上部受け部140が配置されている。
    これにより投入筒120の円筒部121の外周面と分離容器110の内周面との間の隙間が略均一となる。
    なお、分離容器110の筒状部111および投入筒120の円筒部121の断面形状は、多形や楕円形等いかなる形状であっても良い。

    上部受け部140は、中央に設けられた容器取付部材143が分離容器110の筒状部111に嵌合することで固定され、液体の排出口142が設けられる。
    容器取付部材143には、投入筒120を固定的に支持する固定部材141が設けられる。

    投入筒120は、円筒部121の下端が前述した液体流入孔113よりも上方に位置するとともに、ロート部122の上端が分離容器110の筒状部111の上端部より上方に位置するように支持される。
    なお、上部受け部140の筒状部111への固定、および、投入筒120の上部受け部140への固定のための構造は、上記の実施例に限定されるものではなく、いかなる構造であっても良い。

    液体供給手段130は、図1、図2に示すように、筒状部111の下方に、液体流入孔113に相対して嵌合固定される供給筒131と、該供給筒131と前記筒状部111の間に形成される液体溜まり132と、該液体溜まり132に液体を供給する供給口133で構成されている。

    前記液体溜まり132は、前記供給筒131内に形成された大径孔からなり、供給筒131と筒状部111の嵌合部はシール134により液密に保たれており、供給口131から液体溜まり132に供給された液体は、前記液体流入孔113から筒状部111内部に均等に流入する。

    本実施例では、供給筒131が筒状部111の下端外周部まで覆うように構成され、前記底部112が、前記供給筒131の下端部に着脱可能に嵌合固定されている。
    また、供給筒131の下端部と底部112の嵌合部はシール135により液密に保たれている。

    なお、液体供給手段の構造は、上記の実施例に限定されるものではなく、例えば、分離容器の底部が筒状部に直接着脱可能となるような供給筒としても良く、供給筒や液体溜まりを設けず、供給口を筒状部の液体流入孔として筒状部内部に液体を供給しても良い。
    また、分離容器の底部に液体流入孔を設けても良い。

    さらに、供給される液体は、分離される対象や設置される環境等に応じて、水、油、他の成分を溶解あるいは混合した水溶液や油脂類等、いかなるものであっても良く、その粘度、比重、化学的・電気的特性等もいかなるものであっても良く、適宜選択可能である。

    次に、本発明の一実施例であるワーク分離装置100の液体の流れ、および、ワークと加工屑の分離動作について説明する。
    簡略化した図3に矢印で示すように、液体供給手段130から液体流入孔113を介して外周方向から略均等に供給された液体は、筒状部111を下方から上方に略均等に液流を形成し、筒状部111の上端部から溢れて流出し、上部受け部140の排出口142から排出される。

    筒状部111の、液体流入孔113の上方から投入筒120の円筒部121の下端までの区間LAの液体Aは、筒状部111内を下方から上方への均一な液流となる。
    筒状部111の、円筒部121の下端から筒状部111上端までのまでの区間LBの液体Bも、筒状部111内を下方から上方への均一な液流となる。

    この区間LBの液体Bの流速は、流路断面積が区間LAより小さいため、区間LAよりも速くなるが、区間LAの液体Aの流速、および、区間LBの液体Bの流速ともにワークのみが沈降し加工屑のみが上方に流されるように、液体供給手段130から供給する流量を調整することで設定される。
    なお、分離容器110の筒状部111の区間LA部分の内径を小さく、区間LB部分の内径を大きくし、区間LAの液体Aと区間LBの液体Bの流路断面積を等しくして流速を等しくしても良い。

    一方、投入筒120内の液体Cは、区間LAの液体Aの液流による動圧によって、ワークWと加工屑Kの混合物が投入されない状態で、前記動圧に相当する高さhだけ筒状部111の上端より液面が高い状態で静止して維持され、上方から溢れて流出するような流れは生じない。
    上記のように投入筒120内の液体Cが静止維持された状態から、ワークWと加工屑Kの混合物のみが投入される場合、投入筒120内の液体Cはほぼ静止状態で安定し、ワークWと加工屑Kの混合物は、ほぼ静止状態の液体Cとの抵抗でゆっくりと姿勢が変更され、分散しながら沈降していく。

    ワークWと加工屑Kの混合物が、工作機械に組み込まれた排出機構等により切削液とともに間欠的に投入筒120内に投入される場合は、投入時に前記切削液によって、液体Cの液面が上昇するとともに、切削液の投入量に応じて、投入後の所定時間、投入筒120内の液体Cは上方から下方への流れが発生するとともに、前記区間LBの液体Bの流速が上昇し、その後投入筒120内の液体Cが静止状態で安定する。
    また、連続投入される場合は、切削液の投入量に応じて、常に液体Cの液面が前記静止状態の液面より上昇し、上方から下方への流れが発生するとともに、前記区間LBの液体Bの流速が上昇する。

    この場合、投入筒120内の液体Cの上端面から投入筒120の下端位置までの区間LCを一定長さ確保し、投入筒120内の容量をある程度大きくすることで、ワークWと加工屑Kの混合物は、液体Cとの抵抗でゆっくりと姿勢が変更され、分散しながら沈降していく。 また、前記区間LBの液体Bの流速上昇も、分離性能に影響のない範囲とすることができる。

    つまり前記混合物が、切削油とともに連続投入された場合でも、区間LCの液体C内を、前記混合物内のワークWの姿勢が変更され、ワークWと加工屑Kとが分散しながら沈降するように、円筒部121の長さが設定される。 また投入筒120の上端位置は、上記いずれの混合物の投入状態であっても、投入筒120の上方から液体が溢れて流出することがないように設定される。

    このように設定されたワーク分離装置100の投入筒120内にワークWと加工屑Kの混合物を投入すると、簡略化した図4に示すように、まず、投入筒120内の液体C内をワークWの姿勢がゆっくりと変更されながら、ワークWと加工屑Kが、ともに分散しながら沈降し、投入筒120の下端から区間LAの液体Aに達する。

    区間LAの液体Aの流速はワークのみが沈降し加工屑のみが上方に流されるよう設定されているため、ワークWは筒状部111の区間LAの液体A内に達してもそのまま液流に逆らって沈降し底部112に堆積する。
    加工屑Kは、筒状部111の区間LAの液体Aおよび区間LBの液体Bの液流によって上方に流され、液体とともに筒状部111上端から溢れて上部受け部140の排出口142方向に流出する。

    分離後のワークWは、ワークWと加工屑Kの混合物の投入と液体供給手段130からの液体の供給を停止して底部112を取り外すことにより回収される。
    分離後の加工屑Kは、上部受け部140内、排出口142、あるいは排出口142より下流の適宜の位置に加工屑Kより細かい目の網を設置するなど、適宜の方法で回収することができる。

    なお、投入筒120の下端付近の区間LAの液体Aは、多少の乱流を生じており、ワークWが区間LB方向に流されたり、加工屑Kが区間LAの下方に流されたり場合がある。
    また、液流の中でしばらくの間、ワークWと加工屑Kが接触したままともに流されたり、ともに沈降する場合がある。
    さらに前記のように液体Cに下方への流れが発生している場合、前記混合物は比較的速い下方への液流に乗って区間LAに投入されることがある。

    しかし、区間LAおよび区間LBの均一な液流区間を一定の長さ確保することにより、乱流の影響を受けない区間を確保し、また、接触したワークWと加工屑Kが液流により分離する距離を確保して、ワークWが筒状部111上端に達したり、加工屑Kが底部112に達したりすることなく、確実に分離することができる。 特に前記区間LAの長さは、前記混合物が区間LAの沈降中にワークWと加工屑Kとが分離されるのに十分な長さに設定される。

    上記実施例は、ワークWを分離容器110の下方に沈降させ、加工屑Kを分離容器110の上方に浮上させることによって、ワークWと加工屑Kとを分離するものについて説明したが、ワークWの形状や材質等によっては、ワークWを分離容器110の上方に浮上させ、加工屑Kを分離容器110の下方に沈降させることもできる。

    また、図5に示すように、2つの筒部材137a、137bを、上下方向に離間させて供給筒131に一体的に固定して筒状部138を形成し、両筒部材137a、137bの間の隙間によって、全周方向にリング状のスリット136を形成し、該スリット136を介して分離容器110内に液体を導入することもできる。 この場合も液体が、前記スリット136から筒状部138内部に均等に流入し、筒状部111を下方から上方に略均等に液流を形成し、ワークWと加工屑Kとを安定して分離することができる。 また、前記スリット136の幅を調節することによって、分離容器110内に導入する液体の流量を調節し、液体の流速を調節することができる。

    次に、図6を参照しながら、液体供給手段130付近における変形例を説明する。
    図6に示すように、本変形例では、円筒状の筒状部138Aの下端部分に、円筒状の供給筒131Aが一体的に固定されて分離容器110を構成している。 液体供給手段130が、供給筒131Aと、供給筒131Aの筒内空間である液体溜まり132とを有し、筒状部138Aの下端が、液体溜まり132に配置されている。 液体溜まり132から液体Eを排出する開口部131Hが、供給筒131Aの下方(底部)に形成されている。
    これにより、供給筒131Aに設けられた供給口133から液体溜まり132に供給された液体が筒状部138Aの下端から筒状部138Aに供給され、筒状部138A内に下方から上方への液流を形成するとともに、加工屑Kから分離されたワークWと液体Eとが一緒に開口部131Hから排出される。 開口部131Hは、筒状部138A内に液流を形成する流量より少ない流量で液体Eが排出されるように設定されている。 これにより網状のかご等の適当なワーク液体分離手段BKに液体Eを流入させることによって、液体E及びワークWを容易に分離することができる。 このため、ワークWの分離回収が容易となる。

    また供給筒131Aには、下方に向かって供給筒131Aの内径を小さくするように形成された傾斜面131Sが、供給筒131Aの内壁面のうち、筒状部138Aの下端より下方を占める部分に形成されている。
    前記傾斜面131Sにより、分離容器110内で沈降するワークWを、開口部131Hに向けて案内し、分離容器110の底部側でのワークWの滞留を回避することができる。

    次に、図7を参照しながら、上部受け部140付近における構成の変形例を説明する。
    図7に示すように、ロート状部122の上方に向かって凸状に形成された分離板150が、ロート状部122の混合物投入口付近に設けられていることにより、ワークW及び加工屑Kの混合物を分離板150に当てて投入できるため、ロート状部122の中央にワークW及び加工屑Kの混合物がまとまって投入されることを防止するため、ワークW及び加工屑Kの混合物をロート状部122の外周側に分散させてワークW及び加工屑Kの混合物の分離性を向上させることができる。
    また、分離容器110の上端すなわち筒状部111の上端から溢れる液体Fを上部受け部140に案内する傾斜面161Sを有する液体案内部160が、分離容器110の上端に形成されていることにより、液体Fが分離容器110の上端から上部受け部140に円滑に流れるため、液体Fとともに加工屑Kを上部受け部140に円滑に案内することが容易となる。

    100 ・・・ワーク分離装置110 ・・・分離容器111 ・・・筒状部112 ・・・底部113 ・・・液体流入孔120 ・・・投入筒121 ・・・円筒部122 ・・・ロート部130 ・・・液体供給手段131 ・・・供給筒132 ・・・液体溜まり133 ・・・供給口134 ・・・シール135 ・・・シール136 ・・・スリット137 ・・・筒部材140 ・・・上部受け部141 ・・・固定部材142 ・・・排出口143 ・・・容器取付部材150 ・・・ 分離板160 ・・・ 液体案内部

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