Milk production methods

申请号 JP2007534973 申请日 2005-10-06 公开(公告)号 JP2008515814A 公开(公告)日 2008-05-15
申请人 アグリ−バイオテック ピーティーワイ リミテッド; 发明人 ピーター マイケル ゲールリングス; クァン グァン テイ; ウイリアム ジョン ペンヘイル;
摘要 a) i) 乳汁の半減期を低下させる原因となる少なくとも1つの 微 生物 の生存のために必要な分子;ii) 乳汁の半減期を低下させる原因となる少なくとも1つの微生物の増殖のために必要な分子;iii) 他の微生物が乳汁の半減期を低下させるのを補助する少なくとも1つの微生物の生存に必要な分子;iv) 他の微生物が乳汁の半減期を低下させるのを補助する少なくとも1つの微生物の増殖に必要な分子;のうちの少なくとも1つに対して作製された 抗体 を乳汁に 接触 させる段階、を含む乳汁の半減期を改善する方法。
权利要求
  • a)i) 乳汁の半減期を低下させる原因となる少なくとも1つの微生物の生存のために必要な分子;
    ii) 乳汁の半減期を低下させる原因となる少なくとも1つの微生物の増殖のために必要な分子;
    iii) 他の微生物が乳汁の半減期を低下させるのを補助する少なくとも1つの微生物の生存に必要な分子;
    iv) 他の微生物が乳汁の半減期を低下させるのを補助する少なくとも1つの微生物の増殖に必要な分子;
    のうちの少なくとも1つに対して産生された抗体を乳汁に接触させる段階、
    を含む乳汁の半減期を改善する方法。
  • 乳汁の保管寿命を延長する、請求項1記載の方法。
  • 乳汁と接触すると、抗体は分子と抗体・抗原相互作用を形成し、これにより分子を枯渇させ、分子を除去し、または分子が微生物の栄養源になるのを阻止し、または分子の活性を阻止する、請求項1または2記載の方法。
  • 抗体が蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)由来のリポタンパク質リパーゼに対して産生される、請求項3記載の方法。
  • 抗体分子が、完全な免疫グロブリン分子、実質的に完全な免疫グロブリン分子、およびパラトープを含む免疫グロブリン分子の部分からなる群から選択される、請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。
  • パラトープを含む免疫グロブリン分子の部分が、Fab、Fab'、F(ab') 2 、およびF(v)部分からなる群より選択される、請求項5記載の方法。
  • a)i) 乳汁の半減期を低下させる原因となる少なくとも1つの微生物の生存のために必要な分子;
    ii) 乳汁の半減期を低下させる原因となる少なくとも1つの微生物の増殖のために必要な分子;
    iii) 他の微生物が乳汁の半減期を低下させるのを補助する少なくとも1つの微生物の生存に必要な分子;
    iv) 他の微生物が乳汁の半減期を低下させるのを補助する少なくとも1つの微生物の増殖に必要な分子;
    のうちの少なくとも1つに対して産生された少なくとも1つの抗体の、動物の乳腺における産生を誘導する段階、
    を含む乳汁の半減期を改善する方法。
  • 方法が乳汁の保管寿命を延長させる、請求項7記載の方法。
  • a) 少なくとも1つの乳腺上リンパ節に隣接してまたはその中に少なくとも1つの抗原放出装置を植え込む段階を含む、乳汁の半減期を改善するために乳汁中の抗体産生を誘導する方法であって、
    使用時に抗原放出装置は乳腺上リンパ節の周囲の組織領域に抗原を放出し、これにより乳腺への抗体分泌を刺激する、方法。
  • 乳汁の保管寿命が延長される、請求項9記載の方法。
  • インプラントが乳腺上リンパ節の充分近傍に位置し、これにより、抗原放出装置からの抗原の放出が抗原放出装置の寿命全体に渡って乳汁中の抗体の産生を誘導する、請求項9記載の方法。
  • 抗原放出装置が、少なくとも1つの乳腺上リンパ節から100 mmまでの距離に植え込まれる、請求項11記載の方法。
  • 抗原放出装置が、少なくとも1つの乳腺上リンパ節から約1 mm〜100 mmの間の距離に植え込まれる、請求項12記載の方法。
  • 抗原放出装置が、少なくとも1つの乳腺上リンパ節から約50 mm〜100 mmの間の距離に植え込まれる、請求項13記載の方法。
  • a) プライマー組成物を投与する段階;および
    b) 少なくとも1つの乳腺上リンパ節に隣接して、その近傍に、またはその中に少なくとも1つの抗原放出装置を植え込む段階、
    を含む、乳汁の半減期を延長するために乳汁中で持続する抗体放出を誘導するための方法であって、
    使用時に抗原放出装置は乳腺上リンパ節の周囲の組織領域に抗原を放出し、これにより乳腺への抗体分泌を刺激する、方法。
  • a) 少なくとも1つの乳腺上リンパ節に隣接して、その近傍に、またはその中に少なくとも1つの抗原放出装置を植え込む段階;および
    b) 抗原放出装置が植え込まれた後に、哺乳動物に抗原を含むブースター組成物を投与する段階、
    を含む、乳汁の半減期を延長するために乳汁中で持続する抗体放出を誘導するための方法であって、
    使用時に抗原放出装置は乳腺上リンパ節の周囲の組織領域に抗原を放出し、これにより乳腺への抗体分泌を刺激する、方法。
  • a) プライマー組成物を投与する段階;
    b) 少なくとも1つの乳腺上リンパ節に隣接して、その近傍に、またはその中に少なくとも1つの抗原放出装置を植え込む段階;および
    c) 抗原放出装置が植え込まれた後に、哺乳動物に抗原を含むブースター組成物を投与する段階、
    を含む、乳汁の半減期を延長するために乳汁中で持続する抗体放出を誘導するための方法であって、
    使用時に抗原放出装置は乳腺上リンパ節の周囲の組織領域に抗原を放出し、これにより乳腺への抗体分泌を刺激する、方法。
  • プライマーが、乳腺内、腹腔内、筋肉内、または鼻腔内から選択される投与経路によって投与される、請求項15または17記載の方法。
  • プライマーの投与が抗原放出装置の植え込みの前に行われる、請求項15または17記載の方法。
  • プライマーの投与が抗原放出装置の植え込みの間に行われる、請求項15または17記載の方法。
  • プライマー組成物が粘膜表面に送達される、請求項15または17記載の方法。
  • プライマー組成物が単回投与で投与される、請求項15または17記載の方法。
  • プライマー組成物が、数日または数週間の期間にわたる間隔で複数回の投与で投与される、請求項15または17記載の方法。
  • ブースターが、乳腺内、腹腔内、筋肉内、および/または鼻腔内から選択される投与経路によって投与される、請求項16または17記載の方法。
  • ブースター組成物が粘膜表面に送達される、請求項16または17記載の方法。
  • ブースター組成物が単回投与で投与される、請求項16または17記載の方法。
  • ブースター組成物が、数日または数週間の期間にわたる間隔で複数回の投与で投与される、請求項16または17記載の方法。
  • 投与される抗原が、方法の各段階で同一である、請求項15〜27のいずれか一項記載の方法。
  • 抗原放出装置、プライマー組成物、およびブースター組成物がさらにアジュバントを含む、請求項15〜28のいずれか一項記載の方法。
  • 最高の抗体力価反応を示す動物が請求項1〜29のいずれか一項記載の方法で使用される、抗原放出装置の投与の前の事前選択段階をさらに含む、請求項1〜29のいずれか一項記載の方法。
  • a) 請求項15〜30のいずれか一項記載の方法を用いて抗体を誘導する段階;および
    b) 哺乳動物から抗体を含む乳汁を採取する段階を含む、抗体を含む半減期の改善された乳汁の生産のための方法であって、
    抗体が乳汁の半減期を延長する、方法。
  • 抗体が乳汁の保管寿命を延長する、請求項31記載の方法。
  • 請求項1〜32のいずれか一項記載の方法にしたがって生産された乳汁から調製された、半減期の延長された乳製品であって、方法によって生産された乳汁が乳製品に加工される、乳製品。
  • 請求項1〜32のいずれか一項記載の方法にしたがって生産された乳汁から調製された、保管寿命の延長された乳製品であって、方法によって生産された乳汁が乳製品に加工される、乳製品。
  • a)i) 乳汁の半減期を低下させる原因となる少なくとも1つの微生物の生存のために必要な分子;
    ii) 乳汁の半減期を低下させる原因となる少なくとも1つの微生物の増殖のために必要な分子;
    iii) 他の微生物が乳汁の半減期を低下させるのを補助する少なくとも1つの微生物の生存に必要な分子;
    iv) 他の微生物が乳汁の半減期を低下させるのを補助する少なくとも1つの微生物の増殖に必要な分子;
    のうちの少なくとも1つに対して作製された抗体の添加によって半減期の延長された乳製品または派生物である、半減期の延長された乳製品。
  • a)i) 乳汁の保管寿命を低下させる原因となる少なくとも1つの微生物の生存のために必要な分子;
    ii) 乳汁の保管寿命を低下させる原因となる少なくとも1つの微生物の増殖のために必要な分子;
    iii) 他の微生物が乳汁の保管寿命を低下させるのを補助する少なくとも1つの微生物の生存に必要な分子;
    iv) 他の微生物が乳汁の保管寿命を低下させるのを補助する少なくとも1つの微生物の増殖に必要な分子;
    のうちの少なくとも1つに対して作製された抗体の添加によって保管寿命の延長された乳製品または派生物である、保管寿命の延長された乳製品。
  • 抗体を含む乳汁が、乳製品を形成するために、熱処理、紫外線照射、濃縮、食品添加物の補充、濃縮物または粉乳への乾燥に供される、請求項33〜36のいずれか一項記載の乳製品。
  • 说明书全文

    発明の技術分野 本発明は乳製品の半減期を改善する方法に関する。 より具体的には、保管寿命が改善された乳汁を生産するための方法に関する。

    背景技術 乳製品の腐敗は、いくつかの原因によって起こる可能性がある。 乳製品は乳製品と包装資材との間の反応によって引き起こされた化学的変化または異物による汚染の結果として腐敗する可能性がある。 バターのような脂肪は、脂肪中の脂肪酸をより低分子量の遊離脂肪酸に分解し、同時に特定の臭気を発する化学反応によって引き起こされる酸敗を受ける。

    他の食品同様、乳汁には生物の自然汚染がある。 生菌数をできるだけ抑えるために、例えば、衛生状態の改善、加熱、温度制御のような、物理的に細胞を除去する過程が開発されている。 冷蔵によっても乳汁が腐敗するために要する時間を延長できる。

    乳製品の腐敗の別の原因は、リポタンパク質リパーゼ(LPL)およびメタロプロテイナーゼを含む酵素による、乳成分の分解である。 酵素はすべての生物が生産する化学物質であり、細菌は食物を分解するために酵素を生産し、それによって栄養分を手に入れ、環境中で増殖する。

    LPLに関して、酸敗はLPLによる乳脂肪の加分解によって起きる。 LPLは不活化できるが、一部の細菌性LPLは耐熱性を持つ。 耐熱性LPLは酸敗の1つの主要な原因である(Cousin、1982)。

    発明の概要 本発明の第1の局面では、乳汁、加工された乳製品、濃縮物等の半減期を改善する方法が提供される。 特に、乳汁の保管寿命を改善するための方法が提供される。

    第1の態様では、本発明の方法は、乳汁の半減期を低下させる原因となる少なくとも1つの微生物、または他の微生物が乳汁の半減期を低下させるのを補助する少なくとも1つの微生物の生存および/または増殖に必要とされる分子に対する抗体を、乳汁に接触させる段階を含む。 望ましくは、乳汁と接触すると、抗体はその分子と抗体・抗原相互作用を形成し、分子を枯渇させ、分子を除去し、または分子が微生物の栄養源になるのを阻止し、または分子の活性を阻止する。 そのような抗体の1つは蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)由来のリポタンパク質リパーゼに対して産生された抗体である。

    第2の態様では、本方法は、乳汁の半減期を低下させる原因となる少なくとも1つの微生物、または他の微生物が乳汁の半減期を低下させるのを補助する少なくとも1つの微生物の生存および/または増殖に必要とされる分子に対する、少なくとも1つの抗体の産生を動物の乳腺において誘導する段階を含む。

    第3の局面では、本発明は、上述の方法にしたがって抗体を誘導し、その後、哺乳動物から抗体を含む乳汁を採集および任意で加工する段階を含む、抗体を含む乳汁の生産のための方法を提供する。 乳汁の採集は、通常の搾乳過程を用いて実施できる。

    第4の局面では、本発明は、上記のいずれかの方法にしたがって調製された乳製品であって、本方法によって生産された乳汁が乳製品に加工される、保管寿命が改善された乳製品を提供する。 本発明は、乳汁の半減期を低下させる原因となる少なくとも1つの微生物、または他の微生物が乳汁の半減期を低下させるのを補助する少なくとも1つの微生物の生存および/または増殖に必要とされる分子に結合する抗体調製物の添加によって保管寿命が改善された乳製品または派生物である、保管寿命が改善された乳製品も提供する。

    上記および好ましい態様である以下の記述から、本発明の他の対象、特徴、および利点の詳細が理解される。

    発明の開示一般事項 当業者は、本明細書に記述される発明が、具体的に記述されたものからの変更および修飾を受けることを理解するだろう。 本発明がそのような変更および修飾も全て含むことを理解する必要がある。 本発明は、明細書に参照または指示される全ての段階、特徴、組成物、および化合物を、個々または集合的に含み、段階または特徴の任意および全ての組み合わせ、または、段階または特徴のうち任意の2つまたはそれ以上も含む。

    本文に引用される各文書、参考文献、特許出願、または特許は、明示的に参照として本明細書に組み入れられるが、これは、読者がこれらを本文の一部として読み、考慮することを意味する。 本文に引用される文書、参考文献、特許出願、および特許は、単に簡潔さのために本文では繰り返さない。

    本発明の範囲は本明細書に記述される特定の態様によって限定されず、特定の態様は単に例示を目的としている。 機能的に同等の製品、組成物、および方法は、明らかに本明細書に記述される本発明の範囲内である。

    本明細書全体を通してCRDおよびARDという頭辞語は互換的に使用される。 いずれも本明細書に記述、開示、および特許請求される抗原放出装置を指す。

    本明細書全体を通して、文脈上そうでないことが明らかな場合を除き、「含む」または「含んでいる」というようなその活用形は、述べられている総体(integer)または総体群を含有することを意味するが、他の総体または総体群を排除することを意味するものではない。

    本明細書に使用される選択された用語の他の定義は、本明細書の記述中に示されており、本明細書全体に渡って適用される。 他に定義されない限り、本明細書に使用されるすべての科学的および技術的用語は、本明細書の属する技術分野の当業者が一般的に理解するものと同じ意味を持つ。

    発明の詳細な開示 本発明は、シュードモナス(Pseudomonas)種(例、蛍光菌)の生産するリポタンパク質リパーゼに対する抗体を接触させることにより、通常の低温殺菌した乳汁と比較して性質および保管寿命が改善された乳製品を生産することが可能であるという、予想外の発見に基づく。

    したがって、本発明の第1の態様は、
    a)i) 乳汁の半減期を低下させる原因となる少なくとも1つの微生物の生存のために必要な分子;
    ii) 乳汁の半減期を低下させる原因となる少なくとも1つの微生物の増殖のために必要な分子;
    iii) 乳汁の半減期を低下させる他の微生物を補助する少なくとも1つの微生物の生存に必要な分子;
    のうちの少なくとも1つに対して産生された抗体を乳汁に接触させる段階、
    を含む乳汁の半減期を改善する方法を提供する。

    好ましくは、本方法は乳汁の保管寿命も延長する。

    望ましくは、乳汁と接触すると、抗体はその分子と抗体・抗原相互作用を形成し、分子を枯渇させ、分子を除去し、または分子が微生物の栄養源になるのを阻止し、または分子の活性を阻止する。 そのような抗体の1つは、蛍光菌のようなシュードモナスの種から得られるリポタンパク質リパーゼに対して産生された抗体である。

    本発明の方法は、哺乳動物によって生産される乳汁に対して行われる。 好ましくは、乳汁を生産するために使用される哺乳動物は、齧歯類または反芻動物である。 最も好ましくは、哺乳動物はヤギ、ヒツジ、またはウシである。 望ましくは哺乳動物は乳種である;しかし乳用ヤギまたはヒツジも使用できる。

    本明細書で使用される「乳汁」という用語は、哺乳動物が生産する形の乳汁および初乳、または液体もしくは固体の脱脂乳もしくは乳清のような全乳の任意の派生物を指す。

    本明細書で使用される「抗原」という用語は、処理された哺乳動物において抗体反応を誘導する能のある任意の材料を指すが、ここで抗体は、乳汁の半減期を低下させる原因となる少なくとも1つの微生物、または他の微生物が乳汁の半減期を低下させるのを補助する少なくとも1つの微生物の生存および/または増殖に必要とされる分子に結合する能力がある。 本発明で使用できる抗原性物質には、蛍光菌(例えばシュードモナス)から得られるリポタンパク質リパーゼおよびメタロプロテイナーゼが含まれるがこれらに限定されない。 抗原としてハプテンまたはペプチドが使用される場合は、これらはまず、当業者に周知の化学反応を用いて、タンパク質のようなキャリアに結合する必要がある(Hanly et al; Review of Polyclonal Antibody Production Procedures, ILAR Journal (1995), 37:3, 93-118)。

    本明細書で使用できる抗体分子には、完全な免疫グロブリン分子、実質的に完全な免疫グロブリン分子、およびパラトープを含む免疫グロブリン分子の部分が含まれる。 そのようなパラトープを含む部分には、Fab、Fab'、F(ab') 2 、およびF(v)のような当技術分野で公知の部分が含まれる。 Fabおよび F(ab') 2 。 抗体のこれらの部分は、周知の方法により、実質的に完全な抗体に対する、それぞれパパインおよびペプシンのタンパク分解反応によって調製できる。 例えば、米国特許第4,342,566号を参照されたい。 Fab'抗体部分も周知であり、F(ab') 2部分から、メルカプトエタノール等を用いて2本の重鎖を結合するジスルフィド結合を還元し、得られたタンパク質メルカプタンをヨードアセトアミドのような試薬を用いてアルキル化することにより生産される。 完全な抗体分子を含む抗体が好ましく、本明細書に説明されるように利用される。

    本発明の第2の局面では、
    a)i) 乳汁の半減期を低下させる原因となる少なくとも1つの微生物の生存のために必要な分子;
    ii) 乳汁の半減期を低下させる原因となる少なくとも1つの微生物の増殖のために必要な分子;
    iii) 他の微生物が乳汁の半減期を低下させるのを補助する少なくとも1つの微生物の生存に必要な分子;
    iv) 他の微生物が乳汁の半減期を低下させるのを補助する少なくとも1つの微生物の増殖に必要な分子;
    のうちの少なくとも1つに対して産生された少なくとも1つの抗体の、動物の乳腺における産生を誘導する段階、
    を含む乳汁の半減期を改善する方法が提供される。

    好ましくは、本方法は乳汁の保管寿命も延長する。

    乳汁における抗体産生の誘導のための方法は、少なくとも1つの乳腺上リンパ節に隣接してまたはその中に、少なくとも1つの抗原放出装置を植え込む段階であって、使用時に抗原放出装置は乳腺上リンパ節の周囲の組織領域に抗原を放出し、これにより乳腺への抗体の分泌が刺激される段階、を含む。

    本発明のこの局面では、乳腺上リンパ節から装置までの距離は少なくとも、抗原放出装置からの抗原の放出が、その哺乳動物(装置が植え込まれた)の抗体反応を、治療のためにまたは抗菌活性として適切なレベルで乳汁中の抗体産生が誘導されるレベルで、維持するために十分近い必要がある。 例えば、ARDは乳房に植え込むことができる。 または、例として、抗原放出装置は好ましくは少なくとも1つの乳腺上リンパ節から150 mmまでの距離に植え込まれ、ここでは、使用時に、抗原放出装置は乳腺上リンパ節の周りの組織領域に抗原を放出し、それにより乳腺への抗体の分泌が刺激される。 好ましくは、抗原放出装置は乳腺上リンパ節に隣接して、またはこれから約1 mm 〜100 mmの間の距離に埋め込まれる。 最も好ましくは距離は約50 mm〜100 mmの間である。

    少なくとも1つの乳腺上リンパ節に隣接してまたはこの中に抗原放出装置を移植すると、抗原放出装置中に含まれる抗原が、リンパ節の近くおよび内部の組織に放出される(図1)。 すると、これによりリンパ節が抗原に対する抗体を作製するように刺激される。 これらの抗体は乳腺に分泌され、したがって哺乳動物の乳汁中に入る。

    抗原放出装置のサイズ、特徴、および選択は、関心対象の抗原のサイズおよび特性に依存する。 装置を埋め込まれた哺乳動物の抗体反応が望ましいレベルで維持されるような速度で、抗原放出装置に含まれる抗原が装置から放出されるように、抗原放出装置が選択されるのが望ましい。

    組成物の緩慢な放出のための装置は、例えば、米国特許第3,279,996号に記述されており、抗原の徐放のための免疫増強装置は、例えば、オーストラリア特許第740133号に記述されている。

    有用な物質を含浸させた多孔性シリコンインプラントは、特許DE69917625Dに記述されている。 分子送達のための移植可能装置は、米国特許第6,716,208号に記述されている。 徐放製剤の他の適当な例には、タンパク質を含む固体の疎水性ポリマーの半透性基質が含まれるが、この基質は、例えばフィルムのような形状を持った物質であるか、送達装置となるように圧縮されたマイクロカプセルである。 徐放基質の例には、ポリエステル、ハイドロゲル[例、Langer et al., J. Biomed. Mater. Res. 15:167-277 (1981)およびLanger, Chem. Tech. 12:98-105 (1982)に記述されるポリ(2-ヒドロキシエチル-メタクリレート)、またはポリ(ビニルアルコール)]、ポリ乳酸(米国特許第3,773,919号、欧州特許第58,481号)、L-グルタミン酸とγエチル-L-グルタミン酸とのコポリマー(Sidman et al., Biopolymers 22:547-556 (1983))、非分解性エチレン-ビニルアセテート(Langer et al.、上記)、LUPRON DEPOT(商標)(乳酸-グリコール酸コポリマーおよび酢酸ロイプロリドを含む注射用マイクロスフェア)のような分解性乳酸-グリコール酸コポリマー、およびポリ-D-(-)-3-ヒドロキシ酪酸(欧州特許第133,988号)が含まれる。 別の参考文献は、B.Baras, MA Benoit & J. Gillard (2000) “Parameters influencing the antigen release from spray dried poly (DL-lactide) microparticles.” International Journal of Pharmaceutics, 200:133-145である。

    エチレン酢酸ビニルおよび乳酸・グリコール酸のようなポリマーは100日間以上分子の放出を可能にするが、特定のハイドロゲルはより短い期間、タンパク質を放出する。 封入された抗原が体内に長時間存在する時、37℃で水分にさらされた結果、変性または凝集する可能性があり、それにより生物活性の損失および免疫原性の変化が生じる可能性がある。 関与する機構によって、抗原の安定化のための合理的な戦略を考案することができる。 例えば、凝集機構がチオ・ジスルフィドの交換による分子内SSまたはジスルフィド結合であることが分かった場合は、スルフヒドリル残基の修飾、酸性溶液からの凍結乾燥、含水量の制御、適切な添加剤の使用、および特殊なポリマー基質組成物の開発によって、安定化が達成できる。

    徐放性断片組成物には、リポソームに包括された断片も含まれる。 抗体を含むリポソームは、公知である方法自体によって調製できる:DE 3,218,121; Epstein et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:3688-3692 (1985); Hwang et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:4030-4034 (1980); EP 52,322; EP 36,676; EP 88,046; EP 143,949; EP 142,641; 日本国特許出願第83-118008号; 米国特許第4,485,045号および第4,544,545号; ならびにEP 102,324。 通常は、リポソームは小さな(約200〜800オングストローム)単層のタイプである。 乳腺上リンパ節の近くの組織への抗原の緩慢な放出のための他の装置は、本発明の範囲内である。

    治療に利用する抗原の有効量は、例えば、目的、投与経路、抗原および/またはアジュバントの種類、および哺乳動物の状態に依存する。 したがって、治療者は、最適な効果を得るために必要ならば、用量を設定したり、投与様式を変更したりする必要があるだろう。 通常は、操作者は所望の効果を得る用量に達するまで、抗原を投与する。 この治療の進行は、通常の測定方法によって容易にモニターできる。

    本発明の別の局面では、乳腺内、腹腔内、筋肉内、鼻腔内からなる群より選択される投与経路によって、プライマー組成物を投与する段階をさらに含む、乳汁中への抗体の持続的放出を誘導するための方法が提供される。 プライマーの投与は、抗原放出装置の植え込みの前、植え込み中、または植え込み後でよい。 プライマー組成物が粘膜表面に送達され、粘膜表面(乳腺もその1つ)での抗体産生が選択的に刺激されるのが好ましい。

    プライマー組成物の投与は、単回投与でも、数日または数週間に渡って間隔を置いた何度かの投与を含んでもよい。 プライマー組成物の投与のタイミングは、一般に、現代の免疫プロトコール(例えば、2週間ごと)に基づいて間隔をあける。 局所刺激およびうっ血を避けるため、プライマー組成物は同一の部位には2週間ごと以上の頻度では投与しないことが通常好ましい。 このプライミング段階の最初の曝露は、低いレベルの抗体産生を刺激し、その後、抗原放出装置からの抗原放出によって抗体産生は増加および維持される。

    本発明の方法はまた、抗原放出装置が植え込まれた後に、乳腺内、腹腔内、筋肉内、および/または鼻腔内からなる群より選択される経路によって、哺乳動物に抗原を含むブースター組成物を投与する段階をさらに含む可能性がある。 ブースター組成物が粘膜表面に送達され、粘膜表面(乳腺もその1つ)での抗体産生が選択的に刺激されるのが好ましい。

    そのようなブースター組成物の投与は、単回投与でも、数日または数週間に渡って間隔を置いた複数回の投与を含んでもよい。 ブースター組成物の投与は、一般に、操作者の都合に合う間隔で行われる。 局所刺激およびうっ血を避けるため、ブースター組成物は同一の部位には2週間よりも頻繁には投与しないことが通常好ましい。

    1つの好ましい方法では、投与される抗原は、方法の各段階で同一である。 したがって、同一の抗原が抗原放出装置、プライマー組成物、および/またはブースター組成物で使用される可能性がある。

    抗原放出装置ならびにプライマーおよびブースターに使用される組成物中の両方で、アジュバントを使用することも望ましい。 アジュバントは、免疫原を緩慢に放出する組織貯留物として、および免疫応答を非特異的に増強するリンパ系活性化剤としても役立つ(Hood et al., in Immunology, p. 384, Second Ed., Benjamin/Cummings, Menlo Park, California (1984))。 本発明の抗原と使用するために適したアジュバントには、以下のものが含まれるがこれらに限定されない:フロイント完全アジュバント(FCA)、フロイント不完全アジュバント(FIC)、TiterMax Gold(商標)、アジュバント65、コレラ毒素Bサブユニット、IL1-B断片163-171合成ヒトアジュバント、アルヒドロゲル;または百日咳菌、ムラミルジペプチド、サイトカイン、サポニン、Adju-Phos、Algal Glucau、Algammuliu、Alhydrogel、Antigen Formulation、Avridine、Bay R1005、カルシトリアル、リン酸カルシウム、ゲル、CRL 1005、コレラホロトキシン(CT)、DDA、DHEA、DMPC、DMPG、DOC/Alum複合体、γインスリン、ゲルブアジュバント、GMDP、Imiquimod、Imuither、インターフェロンγ、ISCOM(s)、Iscoprop 7.0.3、ロキソリビン、LT-OAまたはLT経口アジュバント、MF59、MONTANIDE ISA51およびISA720、MPL、MTP-PE、MTP PE Liposomas、ムラメチド、ムラパルミチブ、NAGO、非イオン性界面活性剤ベシクル、Pleuram、PLGA、PGAおよびPLA、Pluronic L121、PMMA、PODDS、Poly Ra、Polyru Polyphophazene、ポリソルベート80、Protein Cochleates、QS-21、Quil A、Rehydrogel HPA、Rehydrogel LV、S-28465、SAF-1、Sclavo、ペプチド、Seudai Protediposome、センダイ含有脂質基質、Span 85、Specal、スクアレン、ステアリルチロシン、Theramide、スレオニルMDP、Ty粒子、サポニンQ521、MF59、Alum。

    プライマー組成物またはブースター組成物の投与段階に関して、好ましくは抗原性物質は、公知のプロトコールにしたがって注入または注射されるために液体媒体中に懸濁される。 当技術分野で公知の任意の適切なキャリア、希釈剤、緩衝液、およびアジュバントを使用できる。 適切な懸濁液には、生理食塩水、水、および生理的緩衝液が含まれる。

    プライマー組成物またはブースター組成物の投与が注射による場合には、好ましくは注射前に、抗原は、例えば実験室用ホモジナイザーを用いて、アジュバントと共に適切なキャリア中に乳化される。 そのような方法の1つでは、水性の抗原は3倍量のアジュバントと混合され、安定した油中水乳濁液が形成されるまで乳化される。 安定した乳濁液の存在は、当技術分野で周知の試験を用いて示すことができる。

    本発明の別の局面では、本方法はさらに事前選択段階を含む。 この段階では、個々の動物が抗体を産生する能力について試験をし、選択をする。 抗体産生については、相当な動物間のばらつきが存在する。 最高の抗体力価の反応を示す動物が選択されるこの事前選択段階は、動物間のばらつきの要素を低下させるのに役立つ。 この過程は同様に抗体産生に特に適した動物群を作製するためにも使用できる。

    第3の局面では本発明は、以下の段階を含む、抗体を含む半減期の延長された乳汁の生産のための方法が提供される:上記の方法により抗体を誘導し、その後、哺乳動物から抗体を含む乳汁を採集および任意で加工する段階。 乳汁の採集は、通常の搾乳過程を用いて実施できる。 好ましくは、本方法は乳汁の保管寿命も延長する。

    第4の局面では、本発明は、上述の方法のいずれかにしたがって生産された乳汁から調製され、本方法により生産された乳汁が乳製品に加工される、半減期の改善された乳製品を提供する。

    本発明はさらに以下の少なくとも1つに対して作製された抗体の添加によって半減期が改善された乳製品または派生物である、半減期の改善された乳製品を提供する:
    i) 乳汁の半減期を低下させる原因となる少なくとも1つの微生物の生存に必要とされる分子;
    ii) 乳汁の半減期を低下させる原因となる少なくとも1つの微生物の増殖に必要とされる分子;
    iii) 他の微生物が乳汁の半減期を低下させるのを補助する少なくとも1つの微生物の生存に必要とされる分子;
    iv) 他の微生物が乳汁の半減期を低下させるのを補助する少なくとも1つの微生物の増殖に必要な分子。

    この乳汁は、哺乳動物から直接得られた形態で有用であるが、必要ならば加工することができる。 加工段階の例には、熱処理、紫外線照射、濃縮、食品添加物の補充、濃縮物または粉乳への乾燥等が含まれる。

    本発明はさらに以下の少なくとも1つに対して作製された抗体の添加によって保管寿命が延長された乳製品または派生物である、保管寿命の改善された乳製品を提供する:
    i) 乳汁の保管寿命を低下させる原因となる少なくとも1つの微生物の生存に必要とされる分子;
    ii) 乳汁の保管寿命を低下させる原因となる少なくとも1つの微生物の増殖に必要とされる分子;
    iii) 他の微生物が乳汁の保管寿命を低下させるのを補助する少なくとも1つの微生物の生存に必要とされる分子;
    iv) 他の微生物が乳汁の保管寿命を低下させるのを補助する少なくとも1つの微生物の増殖に必要な分子。

    本発明の方法が有益となる乳汁および乳製品には、食料品、飲料(例、エネルギーまたはスポーツドリンク)、および飼料が含まれる可能性がある。 例えば、乳汁は、ベビーフード、ベーカリー製品(例、パン、酵母含有製品、またはケーキ)、またはベーカリー供給製品(例えば、カスタードまたはベーカリーのフィリングまたはトッピング)、衣用生地またはパン粉の衣、シリアル、菓子、香料または飲料乳濁液、フルーツフィリング、グレービー、スープ、ソース(例、ミートソース)、または食品増粘剤、UHT処理グレービー、食品成分(例、ベジタリアン食/成分)、肉製品(例、粉砕肉製品、ソーセージ、バーガー、グリルステーキ、缶詰め肉、ミートパイ、魚類調製品、ミートパティ、ミートスプレッド、およびペースト)、ピザトッピング、ペットフード、医薬品、または栄養補給食品、ジャガイモ製品、ドレッシング(例、サラダまたは低脂肪ドレッシング)、スナックまたはクラッカースプレッド(例、塩味または甘味スプレッド)、パスタ製品(例、麺)、脂肪に充ちた粉末、キッシュ、フラン、チーズまたはクリーム模倣物、ならびに本発明のこの説明に具体的に詳述されていない他の乳製品代替物(例、デザート、フレーバー乳汁ドリンク、乳汁セーキ、チーズ、チーズスプレッドまたはディップ)の成分として使用できる可能性がある。

    実施例 本発明のさらなる特徴は、以下の非限定的実施例においてさらに詳しく記述される。 しかし、この詳細の記述は、本発明を例証する目的でのみ含まれる。 上述の発明の広い記述を制限するものと理解されるべきではない。

    実施例1
    アジュバントなしの抗原放出装置の調製材料
    (i) 0.15gマンニトールD (Sigma-Aldrich)
    (ii) 0.15gクエン酸ナトリウム(Proanalys)
    (iii) 11.25mg蛍光菌由来リパーゼ(Sigma-Aldrich)
    (iv) 0.75 ml パートAシラスティック (Dow Corning Q7-4850)
    (v) 0.75 ml パートBシラスティック(Dow Corning Q7-4850)
    (vi) 2 x 2.5 mlディスポーザブルシリンジ(Terumo)
    (vii) 2 x 1mlシリンジ(Terumo)
    (viii) 2 x 12G x 4インチステンレス皮下注射針
    (ix) 37℃インキュベーター
    (x) 無菌ペトリ皿
    (xi) 無菌メス
    (xii) 無菌スパチュラ
    (xiii) 32mlガラスマッカートニー(McCartney)ボトル

    方法
    (i) すべてのシリンジからピストンを取り外す
    (ii) パートA-スパチュラを用いて1 mlシリンジにシラスティックを入れる。 シリンジにピストンを戻し、2.5mlシリンジに0.75mlの量を入れる。
    (iii) パートBでも同じ手順を繰り返す。
    (iv) リパーゼ、マンニトール、およびクエン酸ナトリウムを合わせ、小さなガラスマッカートニー中で混合し、その後シラスティックのパートAを入れた2.5mlシリンジに入れる。 その後パートBをそのシリンジから他方の2.5mlシリンジに排出し、リパーゼ、マンニトール、およびクエン酸ナトリウムを1つのシリンジ中のシラスティックパートAとパートBの間に事実上「サンドイッチ」した。 このシリンジにピストンを戻し、空のシリンジからは取り外した。 第1のシリンジの内容物を第2のシリンジ中に排出し、その後、そのピストンを戻した。 この手順を20回繰り返し、事実上すべての試薬を混合した。 最後に試薬を2本の12G注射針中に排出し、37℃で3日間保管した。 硬化したシラスティックを注射針から引き出し、覆いのないペトリディッシュ中で3cmの長さに切断し、紫外線下に24時間置いた後、無菌の10ml遠心管中で-20℃で保管した。 3cm ARDはそれぞれシラスティック全体250μl中に1mgリパーゼ、13mgマンニトール、13mgクエン酸ナトリウムを含んでいた。

    実施例2
    アジュバントを含む抗原放出装置の調製
    (i) 0.3gマンニトールD (Sigma-Aldrich)
    (ii) 0.3gクエン酸ナトリウム(Proanalys)
    (iii) 22.50mg蛍光菌由来リパーゼ(Sigma-Aldrich)
    (iv) 1.2mg IL1-B断片163-171合成ヒト(Sigma)
    (v) 1.5 ml パートAシラスティック (Dow Corning Q7-4850)
    (vi) 1.5 ml パートBシラスティック(Dow Corning Q7-4850)
    (vii) 2 x 2.5 mlディスポーザブルシリンジ(Terumo)
    (viii) 2 x 1mlシリンジ(Terumo)
    (ix) 2 x 12G x 4インチステンレス皮下注射針
    (x) 37℃インキュベーター
    (xi)無菌ペトリ皿
    (xii)無菌メス
    (xiii)無菌スパチュラ
    (xiv) 32mlガラスマッカートニーボトル

    方法
    (i) すべてのシリンジからピストンを取り外す
    (ii) パートA スパチュラを用いて1 mlシリンジにシラスティックを入れる。 シリンジにピストンを戻し、2.5mlシリンジに0.75mlの量を入れる。
    (iii) パートBでも同じ手順を繰り返す。
    (iv) リパーゼ、マンニトール、およびクエン酸ナトリウムを小さなガラスマッカートニー中で混合し、その後シラスティックのパートAを入れた2.5mlシリンジに入れる。 その後パートBをそのシリンジから他方の2.5mlシリンジに排出し、リパーゼ、マンニトール、およびクエン酸ナトリウムを1つのシリンジ中のシラスティックのパートAとパートBの間に事実上「サンドイッチ」した。 このシリンジにピストンを戻し、空のシリンジからは取り外した。 第1のシリンジの内容物を第2のシリンジ中に排出し、その後、そのピストンを戻した。 この手順を20回繰り返し、事実上すべての試薬を混合した。 最後に試薬を2本の12G注射針中に排出し、37℃で3日間保管した。 硬化したシラスティックを注射針から引き出し、覆いのないペトリディッシュ中で3cmの長さに切断し、紫外線下に24時間置いた後、無菌の10ml遠心管中で-20℃で保管した。 3cm ARDはそれぞれシラスティック全体250μl中に1mgリパーゼ、13mgマンニトール、13mgクエン酸ナトリウム、50μg IL1-Bを含んでいた。

    実施例3
    ARDの送達
    10mlルアーロックシリンジ、10G x 4インチステンレス皮下注射針、および90mm x 10Gステンレス溶接棒を含む装置が目的設計および作製された(図5を参照されたい)。 装置はシリンジのピストンに棒が接続し注射針を通過するように組み立てられた。 ピストンを約3cm引き、抗原放出装置を挿入するために注射針の先端付近に空間を作った。 したがって、ピストンを押すと、抗原放出装置が棒により針から排出される(図5を参照されたい)。

    動物を仰向けに床の上に置き、動物飼育係が拘束した。 乳房の右外側および隣接して約3 cm x 10 cmの領域をヨードで消毒した。 局所麻酔として2%リドカイン2mlを26G皮下注射針を通して皮膚組織に浸透させた。 ARDを入れた10G注射針をこの領域の後方端に挿入し、皮下で前方端まで押し込んだ。 ピストンを押し、同時に注射針を抜去した。 挿入点はヨードで消毒した。 大部分の場合、抗原放出装置はインサイチューで触診することができた。

    実施例4
    リパーゼ鼻腔接種材料の調製材料
    (i) 15.5 mg蛍光菌由来リパーゼ(Sigma-Aldrich)
    (ii) 38.75ml 0.85%生理食塩水(Excel Laboratories)
    (iii) 1 mgコレラトキシンBサブユニット(US Biological)
    (iv) 2.5mlシリンジ
    (v) 50ml無菌チューブ(Falcon)
    (vi) 8〜10cmの長さの約20Gのプラスチックチューブ(例、翼付き注入セット(Terumo))

    方法
    (i) 最初の投与日にすべての試薬を50mlチューブ中で混合した。
    (ii) 残りは使用時まで4℃で保存した。

    実施例5
    鼻腔接種材料の送達 注入セットの20Gのチューブを接続したシリンジに、接種材料(1mgリパーゼ、64.5μgコレラトキシンBサブユニットを含む)2.5mlを吸引した。 チューブの長さの60〜80%を動物の右の鼻孔に入れ、鼻孔からチューブを引き出すのと同時にゆっくりと投与した(図2)。

    実施例6
    リパーゼ筋肉内注射接種材料の調製材料
    (i) 36.5 mg蛍光菌由来リパーゼ(Sigma)
    (ii) 9.1 ml 0.85%生理食塩水(Excel Laboratories)
    (iii) TiterMax Gold(商標)アジュバント
    (iv) ガラスマッカートニーボトル
    (v) 3ml総プラスチックシリンジ(Terumo)
    (vi) ステンレスダブルハブ
    (vii) 23G x 1インチ皮下注射針

    方法
    (i) 最初の投与日に、ガラスマッカートニー中でリパーゼと生理食塩水を混合し、4mg/mlの濃度を得た。 残りは使用時まで4℃で保存した。

    実施例7
    筋肉内注射接種材料の送達 生理食塩水中の4mg/mlリパーゼ0.5mlをシリンジに吸引し、製造業者の説明書にしたがって0.5ml TiterMax Gold(商標)と乳化した。 接種材料は、シリンジに接続した23G x 1インチの注射針を用いて、右後ろ足の後部に筋肉内(IM)投与した。 動物には7、14、および21日目にIM注射した。

    実施例8
    免疫プロトコール1
    動物は、免疫に一般的に使用される経路である側腹部にIM注射された。

    0日目に、750μl titremaxにより乳化された1250μgのリパーゼを用いて、蛍光菌由来リパーゼによる筋肉内経路で2匹の動物に免疫をした。 動物には、それぞれ12日目および24日目に一次ブースター(950μgリパーゼおよび560μl titremax)および二次ブースター(2500μgリパーゼおよび500μl titremax)を投与した。 動物から免疫の当日に採血し、免疫プログラム後は1月ごとに血液試料を採取した。

    実施例9
    免疫プロトコール2
    動物には抗原放出装置および/または注射により抗原接種が行なわれた。 表1は、6頭の動物および1つの抗原について接種スケジュールを要約したものである。
    (表1)抗原放出装置(ARD)の最初の試験のプロトコール乳腺を介した抗原分泌を評価するための試験的CRDおよび抗原の皮下注射

    実施例10
    免疫プロトコール3
    プロコトールは各群2頭で合計12頭のヤギを用いた。 2頭の動物で6つの異なるプロトコールが評価され、乳汁中の抗体レベルを維持するために最適な手順が決定され、これは表4および5に要約されている。
    (表4)乳汁中の抗体産生を刺激するために使用された免疫プロトコール

    (表5)乳汁中の抗体産生を刺激するために使用された免疫プロトコール

    各接種計画ごとに2頭のヤギを用い、合計12頭のヤギで試験が行なわれた。 抗リパーゼ抗体の存在は、酵素結合免疫吸着検定(ELISA)を用いて評価した。 平均吸光度から毎日の乳汁試料のブランク対照を引いたものをプロットした(図6)。 図7に示されるように、結果は動物間で再現性があった。

    6つの接種計画のいずれでも抗体の産生は成功した。 しかし、各群間の相対的な抗体濃度は異なっていた。 最高の吸光度は、産生される抗体濃度が最高であることを示すが、グループ4の動物で記録された。 グループ4の動物は、プログラムの0日目にARDの植え込みを受け、7、14、および21日目に後方側腹部にその後3回の注射を受けた。

    グループ4の平均吸光度は、7、14、および21日目にIM注射を受けたのみのグループ1のヤギの吸光度よりも大きかった。

    グループ1および4の動物のいずれも、約14日目までいくらかの反応を示した。 15日目には、抗リパーゼ抗体のレベルは大きく上昇したが、これはおそらく2次免疫応答の結果だと考えられる。 抗体レベルの上昇は、本試験の期間中、この場合は28日目まで持続した。

    接種された動物の血清の抗リパーゼ抗体のレベルも測定され、これは図8、9、10、および11に示されている。 図8は抗原放出装置(ARD)を植え込まれ、かつ筋肉内注射を受けた2頭の動物における抗リパーゼ抗体の個々の吸光度レベルの結果を示す。 図9は、異なるプロトコールで免疫されたヤギから得られる血清における抗リパーゼ抗体のレベルの結果を示す。 図10は抗原放出装置(ARD)および筋肉内注射を受けたヤギの免疫により産生される乳汁と血清における平均抗リパーゼ抗体レベルの比較を示す。 図11は抗原放出装置を植え込まれたヤギにおける乳汁と血清における抗リパーゼ抗体産生を示す。 乳汁における抗リパーゼ抗体のレベルと、血清における抗リパーゼ抗体の欠如は、鼠蹊部に埋め込まれた抗原放出装置中の抗原が、乳腺上リンパ節に拡散していることを示唆する。

    実施例11
    免疫プロトコール4
    本プロトコールでは、各群2頭の泌乳ヤギ(Capra hircus)、合計4頭のヤギが使用された。 使用された抗原は、蛍光菌由来リパーゼだった。

    ・免疫プロトコールのための準備
    1. リパーゼ30mgを15ml 0.85%生理食塩水に乳化する。
    2. Titermax Goldとの乳化は、製造業者の仕様にしたがった。 生理食塩水中のリパーゼは、等量のTitremax Goldと混合された(1:1)。
    3. 投与のために1mlを2.5mlのシリンジに分注する(各1mlには1mgリパーゼが含まれている)。
    4. 2群の動物に0、10、および19日目に抗原接種した。
    5. グループ1は左の側腹部に接種し、グループ2は乳腺上リンパ節に隣接して接種した。
    6. 乳汁および血清を採取した。

    ・酵素結合免疫吸着検定(ELISA)のプレートのコート
    1. コーティング緩衝液中で2.5μg/mlの抗原を調製する。
    2. 混合液100μlを96穴のELISAトレーの各ウェルに分注した。
    3. プレートに覆いをし、4℃で一晩放置した。

    ・酵素結合免疫吸着検定(ELISA)プロトコール
    1. 使用前に、コートしたプレートをPBS Tweenで3回洗浄した。
    2. PBS Tween中の1%ヒト血清の血清希釈物。
    3. 各ウェルに100μlの血清希釈物を入れる。
    4. ウェルに対象サンプル1μlを入れる。
    5. プレートを37℃で2時間インキュベートした。
    6. プレートをPBS Tweenで3回洗浄した。
    7. 1%血清希釈物(PBS Tween中の1%ヒト血清)により、マウス抗ヒツジIgG、マウス抗ヒツジIgA、およびマウス抗ヒツジIgMの1/1000希釈物を調製した。
    8. 各ウェルに100μlを分注する。
    9. プレートを37℃で2時間インキュベートした。
    10. プレートをPBS Tweenで3回洗浄した。
    11. 1%血清希釈物によるウサギ抗マウスIgG (H+L)の1/2500希釈物を調製した。
    12. 各ウェルに100μlを分注する。
    13. 37℃で2時間インキュベートする。
    14. プレートをPBS Tweenで3回洗浄した。
    15. ジエタノールアミン緩衝液による250mg/mlニトロフェニルリン酸の1/100希釈物を調製した。
    16. 各ウェルに100μlを分注する。
    17. 約20〜30分間室温でインキュベートする。
    18. 3.75M NaOH 50μlにより反応を終了させた。
    19. ELISAプレートは405nmで測定された。

    ・結果 採取された乳汁はELISAによってIgG、IgA、およびIgMのレベルについて分析された。 図13におけるグループ1(側腹部への筋肉内、G1と呼ばれる)およびグループ2(乳腺上リンパ節の刺激、G2動物)の結果は、グループの乳汁で産生される3つ全てのクラスの免疫グロブリンのレベルがより高くなっていることを示す。

    実施例12
    乳汁試料の採取と保管材料
    (i) Beckman Acuspin冷却遠心機
    (ii) Hp水中の2mg/ml濃度の糸状菌由来レンネットタイプII (Sigma)
    (iii) 10ml無菌遠心管
    (iv) P1000ピペットマン
    (v) 1mlディスポーザブルトランスファーピペット
    (vi) 5mlプラスチック保存チューブ
    (vii) 37℃インキュベーター

    方法乳汁は、化学物質または機械的な刺激なしに、手で搾乳して32mlのガラスマッカートニーボトル中に採取した。 一般的に、乳汁はあらかじめ子供から分離することなく、午前中に採取した。 採取後に試料は氷上に保管し、その後できるだけ早く移しかえた。 乳汁は無菌の10mlチューブに移しかえ、4℃で15分間2000rpmで遠心した。 乳汁は、固体の脂質層の下からディスポーザブルピペットを用いて吸引し、新しい10mlチューブに入れた。 ピペットは注意深く脂肪層を突き通し、下の乳汁層まで突っ込んだ。 5ml乳汁に対して0.4mlレンネットという比になるように乳汁に2mg/mlレンネット溶液を添加し、チューブを浸透させ、その後37℃で1〜2時間インキュベートした。 チューブは4℃で5000rpmで15分間遠心した。 上清をトランスファーピペットで取り除き、-20℃で保管した。

    乳汁中の抗体は、ELISAにより定量した。

    実施例13
    血液試料の採取と保存材料
    (i) 血清採取用の9ml Vacutainer(商標)(Bectco Dickinson)の7ml
    (ii) 20G x 1.5インチVacutainer(商標)(Bectco Dickinson)ニードルおよびホルダー

    方法 血液試料はVacutainer(商標)採取チューブ、ホルダー、およびニードルを用いて、頚静脈から採取した。 チューブは4℃で保存した。 試料は4℃で4000rpmで15分間遠心した。 トランスファーピペットを用いて上部の血清層を取り除き、-20℃で保存した。

    実施例14
    酵素結合免疫吸着検定材料
    (i) 10 xリン酸緩衝生理食塩水(PBS);1L再蒸留水、1.91g KH 2 PO 4 (BDH Chemicals Aust Pty Ltd)、6.1g Na 2 HPO 4 (ASAX Chemicals)、2g KCl (BDH Chemicals Aust Pty Ltd)
    (ii) 80g NaCl、1.95g NaN 3 (Sigma Aldrich)、pH7.4に調整
    (iii) 200ml再蒸留水、3.18g Na 2 CO 3 (BDH)、5.88g NaHCO 3 (BDH)、0.39g NaN 3 (Sigma)を含むpH 9.6炭酸塩コーティング緩衝液200ml
    (iv) 0.85%生理食塩水(Excel Laboratories)
    (v) 炭酸塩コーティング緩衝液中の蛍光菌由来リパーゼ0.25mg/ml(Sigma Aldrich)
    (vi) PBS-TW20プレート洗浄溶液(BDH);200ml 10 x PBS(上記)、1800ml再蒸留水、1ml Tween -20 (Labchem)
    (vii) 血清希釈剤;200mlグリセロール(BDH)、29g NaCl (BDH)、0.2g KH 2 PO 4 (BDH)、0.61g Na 2 HPO 4 (BDH)、0.2g KCl (BDH)、1.95g NaN 3 (Sigma)、蒸留水を加えて1L、1.5ml Tween-20 (Labchem)、pH 7.4に調整。 4℃で保管。 使用前に乾燥BSA (CSL)を所望のアリコートに1%濃度で加える。
    (viii) 生理食塩水0.85% (Excel Laboratories)
    (ix) ロバ抗ヤギIgG-西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)(Promega)
    (x) 1M H 2 SO 4 (AJAX Finechem)
    (xi) TMBS EIA溶液(BioRad)パートAおよびB
    (xii) P200ピペットマンおよびチップ
    (xiii) P20ピペットマンおよびチップ
    (xiv) Nunc(商標)polsorb 96穴ELISAプレート
    (xv) BioRad(商標)96穴プレート分光光度計モデル450

    方法 炭酸緩衝液中のリパーゼ100μlをELISAプレートのウェルに添加し、4℃で一晩保存した。 プレートをPBS-TWで3回洗った。 血清の分析のためには血清希釈剤100μlをウェルに添加し、乳汁の分析のためには90μlを添加した。 血清試料1μlおよび10μl乳汁試料を血清希釈剤に添加した。 穏やかにプレートを軽く叩いて混合液を作製した。 プレートは4℃で一晩保存した。 プレートをPBS-TWで3回洗った。 0.85%生理食塩水中のロバ抗ヤギIgG-HRPの1/2500希釈物100μlを各ウェルに添加した。 プレートは室温で1時間インキュベートした。 プレートをPBS-TWで3回洗った。 パートAを9に対してパートBを1の割合のTMBSをガラスのショットボトル中で混合し、各ウェルに100μl添加した。 プレートを室温で10分間インキュベートした。 各ウェルに1M H 2 SO 4を100μl添加し、分光光度計で450nmを用いてプレートを測定した。 吸光度の結果のプリントアウトを得た。 全ての動物から採取された乳汁および血液試料の各々の吸光度の値を測定した。 個々の動物に対してx軸の時間(日)に対してy軸上に吸光度のプロットを作製し、各群(2頭の被験体からなる)の平均吸光度を示した。

    実施例15
    乳汁寒天スライド中のリパーゼの拡散
    (i) リン酸緩衝生理食塩水(pH 7.4)中で1%(1g/100ml)寒天(Oxoid Cat No L13、Basingstoke、Hampshire、英国)を調製する。
    (ii) 5ml 1%寒天に全乳(Masters、Perth、オーストラリア)100μlを添加する。
    (iii) スライドの形式には、2.5mlの「乳汁寒天」をガラスに注ぎ、10分間固化させる(1%寒天中の2%乳汁)。
    (iv) 寒天パンチを用いて、乳汁寒天ゲル中に直径1.5mmの穴を5つ開け、寒天を吸引除去した。
    (v) 寒天フィルムを蛍光菌由来リパーゼ(Aldrich、Milwaukee、WI、米国)と一晩インキュベートした。 5mg/mlのリパーゼは0.85%生理食塩水で調製した。
    (vi) リパーゼ試験の脂質分解を示す拡散ゾーンを、(a)生理食塩水、(b)リパーゼ+抗体陰性血清、および(c)リパーゼ+抗体陽性血清のプレートと比較した。

    結果は図13に示されている。 各乳汁スライド上で、5つのウェルに生理食塩水(スライド1)、リパーゼ酵素(スライド2)、リパーゼと抗体陰性血清(スライド3)、およびリパーゼと抗リパーゼ抗体陽性血清(スライド4)を充填した。 スライド2では、リパーゼ酵素が乳汁フィルム中の脂質を加水分解するにつれ、加水分解ゾーンが見られる。 陰性対照(スライド1の生理食塩水)により、加水分解ゾーンは酵素によるものであることが確認される。 リパーゼ酵素の加水分解活性は、スライド4で示されるように、抗リパーゼ抗体で阻害され得る。 抗体陰性血清を含むスライド3により、酵素を阻害しているのは抗体であって血清の他の成分でないことが確認される。

    実施例15
    乳汁寒天プレート
    (i) 1%寒天中の1%乳汁が調製された。
    (ii) 溶液10mlをペトリ皿に注ぎ、室温で固化させた。
    (iii) パンチを用いて寒天中に直径1.5mmの穴を6つ開け、吸引除去した。
    (iv) ウェルに、1:1免疫前血清+PBS溶液(ウェル1)、1:1免疫前血清+リパーゼ溶液(ウェル2)、2.5mg/mlリパーゼ(ウェル3)、1:1抗リパーゼ血清(38日)+PBS溶液(ウェル4)、1:1抗リパーゼ血清(38日)+リパーゼ(ウェル5)、および0.85% PBS(ウェル6)を充填した(各ウェルの位置については図5を参照されたい)。

    結果は図14および15に表されている。

    図14は、1:1比の免疫前血清+PBS溶液(ウェル1)、1:1免疫前血清+リパーゼ溶液(ウェル2)、2.5mg/mlリパーゼ(ウェル3)、1:1抗リパーゼ血清(38日)+PBS溶液(ウェル4)、1:1抗リパーゼ血清(38日)+リパーゼ(ウェル5)、および0.85% PBS(ウェル6)を含むウェルを持つ1%寒天中の1%乳汁のプレートを示す。

    ウェル2および3では、リパーゼ酵素の活性の結果として、脂質の加水分解ゾーンが明らかである。 ウェル5では、リパーゼの活性は抗リパーゼ活性を持つ血清の添加によって阻害されている。 抗体を含まない血清を入れたウェル1では、加水分解活性が見られない。 これは、血清の成分は乳汁中の脂質に影響を与えないことを示す。 同様に、抗リパーゼ抗体を含む血清は、乳汁中の脂質を加水分解しない(ウェル4)。 レーン6は陰性対照(PBSのみ含む)であり、脂質の加水分解は見られない。

    要約すると、ウェル2および3で明らかなように、リパーゼを添加すると、乳汁寒天プレート中に含まれる乳汁に含まれる脂質が加水分解される。 ウェル3と2のゾーンの直径を比較すると、加水分解活性を増強する要素が血清中に含まれているようである。 血清はタンパク質に富む溶液であり、リパーゼ酵素と相乗効果を持つ要素を含む可能性があるので、これは予想外のことではない。 しかし、血清の要素を含め、リパーゼ酵素の加水分解活性は、抗リパーゼ抗体を含めることによって、完全に阻害される(図5を参照されたい)。 血清のみ(ウェル1および4)および生理食塩水(ウェル6)では加水分解活性は観察されない。

    図15では、リパーゼ酵素に対する阻害活性を比較するために、同じ乳汁寒天プレートの装置が設定された。 X0247およびX0248は2つの異なる起源の抗リパーゼ抗体を含んでいた。 X0249、X0250、X0251、およびX0252は他のタンパク質に対する抗体を含んでいる。 6枚のプレートの各々のウェル2および3では、脂質の加水分解が明らかである。 それぞれの抗体を含むウェル5では、抗リパーゼ抗体を含む乳汁寒天X0247およびX0248でのみ、阻害は明らかだった。 これに対して、他の抗体はリパーゼ活性を阻害しなかった。

    実施例16
    pHによるリパーゼによる脂質の加水分解の測定
    (i) マッカートニーボトル中で、0.05M炭酸ナトリウム(Ajax-Univar)5mlを10mlの新鮮な乳汁(Harvey Fresh、Harvey、西オーストラリア)に添加する。
    (ii) 混合液を37℃で5分間インキュベートする。
    (iii) 別のマッカートニーで、5mg/mlリパーゼ500μlを40℃でインキュベートする。
    (iv) 乳汁/炭酸ナトリウム溶液をリパーゼに添加する。
    (v) pHプローブを挿入し、所望の30秒間隔でpHを記録する。

    図16は、リパーゼの加水分解活性を測定する実験の結果を要約したものである。 簡単に述べると、新鮮な乳汁をリパーゼ酵素と37℃でインキュベートした。 実験の開始前、およびリパーゼ添加後30秒間隔で乳汁のpHを測定した。 乳汁中の脂質が加水分解されるにしたがって、放出された遊離脂肪酸が乳汁のpHを低下させる。 リパーゼと37℃でインキュベートされた乳汁のpHの低下がプロットされた(図16)。 pHの低下は双曲線パターンを示した。 抗リパーゼ抗体が添加された時には、pHの変化速度は用量依存的に低下した。 抗リパーゼ抗体の濃度が高いほうが、pHの変化速度は遅かった。 さらに、曲線の形状は直線的だった。

    実施例17
    リパーゼによる脂質の加水分解の抗リパーゼ抗体を用いた阻害
    (i) pHによる脂質の加水分解の測定を用いて、抗リパーゼ抗体の阻害特性の評価のための比較試験を行なった。 具体的には、以下の添加を用いて、一連の脂質の加水分解測定を確立した:
    a. 免疫前血清(すなわち抗体陰性血清)
    b. 抗リパーゼ陽性血清240μl
    c. 抗リパーゼ陽性血清500μl
    d. 抗リパーゼ陽性血清1000μl
    (ii) pHは30秒間隔で測定し、結果をプロットした。

    実験16および17の結果は、図16、17、および18に示されている。 図19と20にもさらにデータが示されている。

    図17では、図16のデータに2つのデータセットを加えてプロットしてある。 乳汁をリパーゼおよび抗体陰性血清とインキュベートした(■)。 pH変化を示す曲線は、対照(すなわち乳汁+リパーゼのみ)の曲線と類似していた。 抗リパーゼ抗体は、低い濃度(すなわち1000μl、500μl、および250μl)まで力価設定された。 結果は、抗体濃度が律速因子であることを示唆している。 250μlの曲線は放物線であり直線ではないが、これは抗体レベルが限定されており、酵素の加水分解活性が完全ではないことを示唆する。

    実験は10℃および4℃で繰り返された。 10℃では、抗体を含むリパーゼ添加乳汁と、抗体を含まないものとの間のpH変化は類似しており、これはリパーゼ加水分解以外の機構が作用していることを示唆している。 4℃では、抗リパーゼ抗体を含む試料と比較して、抗体のない場合の変化速度は速かった。

    実施例18
    脂質の加水分解の指標としてのpHの測定による保管寿命の評価
    (i) pH変化により測定された脂質の加水分解は、10℃および4℃で実施された。
    (ii) 生理食塩水(PBS)、10%免疫前血清(抗体陰性血清)、および10%抗リパーゼ陽性血清を含む一連の試料で、毎日pHが測定された。

    結果は図21および22に表されている。

    抗リパーゼ抗体を含む血清の8種類の希釈物およびリパーゼと、乳汁をインキュベートした。 陽性対照(リパーゼのみで血清なし)および陰性対照(生理食塩水またはPBSのみ)も比較のために調製された。 乳汁のpHは実験開始前およびインキュベーションの1時間後に測定された。 1:2および1:5の希釈では、pHの変化はわずかだった。 抗体の濃度が低下するにつれ、pH変化が明確になったが、これはリパーゼによる乳汁脂肪の加水分解に対する抗体の用量効果を示唆している。

    反対に、抗体を含まない血清とインキュベートされた乳汁は、リパーゼの加水分解活性を示した。 インキュベーション時間(1時間)にわたるpHの変化は、リパーゼが乳汁中の脂質を加水分解していることを示唆する。

    本発明は特定の好ましい態様に関して記述されてきたが、本発明の広い原理の範囲内で多くの改変および変更ができることは理解されるだろう。 したがって、好ましい態様ならびにすべてのそのような改変および変更は、本発明の範囲および精神に含まれることが意図される。

    動物の鼠蹊部に接種した染料が移動したために青色に染色された乳腺上リンパ節の写真(写真はDr Martin CAKE、Anatomy Department Murdoch Universityの提供)。

    ヤギの鼻腔内免疫の写真である。

    本発明の局面に記載された抗原放出装置をヒツジの鼠蹊部に移植する写真である。

    ヒツジにおいて図3で移植された抗原放出装置の位置を示す。

    抗原放出装置装置を移植するために使用された器具の模式図を示す。

    本発明の局面に記載の抗原放出装置からリパーゼタンパク質が乳汁寒天プレートへ拡散する写真を示す。 酵素がチューブの細孔から拡散するにつれ、乳汁寒天の脂肪が加水分解され、これは棒の周りの暗い部分に表れている。 リパーゼタンパク質は本発明の開発のためのモデル抗原として使用された。

    異なるプロトコールで免疫されたヤギから得られた乳汁中の抗リパーゼ抗体のレベルを示すグラフである。 異なるプロトコールで免疫されたヤギから得られた乳汁中の抗リパーゼ抗体のレベル。 各プロトコールの2頭の動物の平均吸光値が28日間にわたりプロットされている。 最大の抗体レベルは、抗原放出装置(CRD)および筋肉内注射を用いた手順で達成された。

    抗原放出装置(ARD)の移植および筋肉内注射を受けた2頭の動物における抗リパーゼ抗体の個々の吸光レベルを示すグラフである。 抗原放出装置(CRD)の移植および筋肉内注射を受けた2頭の動物における抗リパーゼ抗体の個々のレベル。 2つの結果は免疫手順に再現性があることを強調している。

    異なるプロトコールで免疫されたヤギから得られる血清中の抗リパーゼ抗体のレベルを示すグラフである。 各プロトコールの2頭の動物の平均吸光値が28日間にわたりプロットされている。

    抗原放出装置(ARD)および筋肉内注射によるヤギの免疫によって産生された乳汁(◆)および血清(■)中の平均の抗リパーゼ抗体レベルの比較を示す。

    抗原放出装置を移植されたヤギの乳汁(◆)および血清(■)中の抗リパーゼ抗体のグラフを示す。 乳汁中の抗リパーゼ抗体のレベルおよび血清中の抗リパーゼ抗体の欠如は、鼠蹊部に移植された抗原放出装置中の抗原が、乳腺上リンパ節に拡散していることを示唆する。

    接種されたヤギの乳汁中のIgG、IgAおよびIgMのレベルのグラフを示す。 2群の動物には、0、10および19日目に異なる部位(グループ1(G1)は側腹部、グループ2 (G2)は乳腺上リンパ節に隣接する部位)に接種がされた。 IgG、IgAおよびIgMの相対レベルはELISAで決定された。 3つのクラスの免疫グロブリンのレベルは全てグループ1の動物と比較してグループ2の動物の乳汁中の方が高かった。

    リパーゼ酵素の脂肪分解活性に対する抗リパーゼ抗体の阻害効果を示す、ガラススライド上の乳汁寒天の拡散アッセイの写真である。 スライド1:ウェルにPBSまたは生理食塩水が添加された。 スライド2:蛍光菌由来リパーゼ5 mg/ml。 スライド3:5 mg/mlリパーゼと抗体陰性血清(1:1希釈)。 スライド4: 5 mg/mlリパーゼと抗リパーゼ抗体陽性の血清(1:1希釈)。

    リパーゼ酵素の脂肪分解活性に対する抗リパーゼ抗体の阻害効果を示す、1%寒天中の1%乳汁上の拡散アッセイの写真である。 ウェル1:1:1 免疫前血清+PBS溶液。 ウェル2:1:1免疫前血清+リパーゼ溶液。 ウェル3:2.5mg/mlリパーゼ。 ウェル4:1:1抗リパーゼ血清(38日目)+PBS溶液。 ウェル5:1:1抗リパーゼ血清(38日目)+リパーゼ。 ウェル6:0.85% PBS。

    抗リパーゼ抗体と非リパーゼ抗体の阻害活性を比較する写真を示す。 リパーゼに対する抗体は、2頭の動物(X0247およびX0248)の血清で作製された。 これらの抗リパーゼ抗体陽性血清は、4頭の動物の非リパーゼ抗体陽性血清と比較された。 6枚のプレートすべてのウェル5には、リパーゼ酵素と1:1で希釈されたそれぞれの抗体を含む血清が含まれている。

    リパーゼ、および抗リパーゼ抗体を含む血清の8種類の希釈物とインキュベートされた乳汁のpHのグラフであり、抗体濃度が低下するとpHが変化することを示すが、これは血清中の抗体に対する用量反応を示唆する。 比較のために、陽性対照(リパーゼのみで血清なし)および陰性血清(生理食塩水またはPBSのみ)も調製された。 乳汁のpHは実験開始前および1時間のインキュベーション後に測定された。 1:2および1:5の希釈では、pHの変化は最小限だった。 抗体濃度が低下すると、pHの変化が明確になり、これは血清中の抗体に対する用量反応を示唆する。

    抗リパーゼ抗体を含まない血清とインキュベートされた乳汁のpHのグラフを示す。 インキュベーション時間(1時間)におけるpHの変化は、リパーゼが乳汁の脂質を加水分解していることを示唆する。

    抗リパーゼ抗体および異なるレベルのリパーゼを含む乳汁を37℃で1時間インキュベーションした際のpHのグラフを示す。 高レベルの抗体を含む血清ではpHの大きな変化はなく、抗リパーゼ抗体が脂質の加水分解を阻害することが示唆される。 反対に、抗リパーゼ抗体をほとんど(または全く)伴わない乳汁の同じ比較は、脂質の加水分解を示す。

    リパーゼ(LPL)による乳汁中の脂質の加水分解が、遊離脂肪酸が放出されるにつれてpHの低下を引き起こすというグラフを示す(◆)。 リパーゼに対する血清の抗体は、脂肪酸の割合を低下させる。 pH低下の速度は、用量依存的である。 低下速度は、抗体濃度が高い(1000μl)場合(▲)と比較して、抗体濃度が低い(500μl)場合に(■)、より大きくなる。

    血清の抗リパーゼ抗体による、脂質の加水分解の用量依存的阻害のグラフを示す。 乳汁にリパーゼ(LPL)の「スパイク」が添加された。 3つの異なる濃度の抗リパーゼ抗体を添加し、抗体を伴わない2つの乳汁と比較した(◆:PBS;■:抗体陰性血清)。 最も低濃度の抗体のpH変化によって測定された加水分解曲線は(▲:240μl)、抗体を伴わない試料と類似しており、抗体量が酵素を阻害するために不十分であることを示す。 より高い濃度の抗体の場合は(500μlおよび1000μl)、抗体の阻害効果のため、加水分解の形状と速度が異なっている。

    抗リパーゼ抗体の存在下および非存在下における乳汁中の脂質の加水分解のグラフを示す。 抗リパーゼ抗体のリパーゼ活性に対する阻害作用は、11日間に渡り10℃で評価された。 抗リパーゼ抗体が脂肪の加水分解を阻害できるという示唆がある(◆、▲)。 しかし、10℃では他の腐敗機構が優勢であるという証拠がある。 抗体の存在下でも、抗体の非存在下でも、生理食塩水(PBS)でも関係なく、pH変化の速度は類似している。

    抗リパーゼ抗体の存在下および非存在下における乳汁中の脂質の加水分解のグラフを示す。 抗リパーゼ抗体の存在下および非存在下におけるリパーゼによる脂質の加水分解は、13日に渡り4℃におけるpHの変化を測定して調べた。 抗体陽性試料(◆)のpHは13日間の試験期間を通して一定だった。 抗体陰性試料および生理食塩水(PBS)の陰性対照(それぞれ▲および■)のpHは、約6日目から低下し始めた。 曲線の形状は異なっており、これは乳汁腐敗に関与する速度論に差がある可能性を示唆する。

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