Lysosomal proteins produced in the milk of transgenic animals

申请号 JP50811397 申请日 1996-07-31 公开(公告)号 JP2000501602A 公开(公告)日 2000-02-15
申请人 アカデミック ホスピタル ロッテルダム; エラスムス ウニベルジテイト ロッテルダム; ファーミング ビー.ブイ.; 发明人 ピーペル,フランク,アール.; デル プレグ,アンス,ティー ファン; フェルビート,マーティン,ピーエイチ.; リューザー,アーノルド,ジェイ.,ジェイ.;
摘要 (57)【要約】 本発明は、ミルク中にホスホリル化されたリソソーム性蛋白質を生成するトランスジェニック非ヒト哺乳動物およびそれを生成する方法を提供する。 ホスホリル化は、マンノース側鎖残基の6′位で生じる。 ミルクからのリソソーム性蛋白質を精製し、蛋白質を、酵素置換療法で使用するための薬剤組成物に加える方法がまた提供される。
权利要求
  • 【特許請求の範囲】 1. 乳腺特異的プロモータ; 乳腺特異的エンハンサー; トランスジェニック非ヒト哺乳動物の乳分泌細胞において機能するシグナルペプチドをエンコードする分泌DNAセグメント;および 分泌DNAセグメントに動作可能に結合されて分泌組換えDNAセグメントを形成する、リソソーム性蛋白質をエンコードする組換えDNAセグメントであって、分泌組換えDNAセグメントは、プロモータおよびエンハンサーに動作可能に結合されているところの組換えDNAセグメント; を含むトランスジーンを有するトランスジェニック非ヒト哺乳動物において、トランスジーンは、非ヒト哺乳動物または非ヒト哺乳動物の雌の子孫の成体において、乳分泌細胞において分泌組換えDNAセグメントを発現して、乳分泌細胞により処理され、かつマンノース6-ホスフェート含有リソソーム性蛋白質としてミルクへ分泌されるリソソーム性蛋白質の一形態を生成することができるところのトランスジェニック非ヒト哺乳動物。 2. リソソーム性蛋白質が酵素である請求項1記載のトランスジェニック非ヒト哺乳動物。 3. ミルク中の、マンノース6-ホスフェート含有リソソーム性蛋白質の濃度が10 0 μg/ml以上である請求項2記載のトランスジェニック非ヒト哺乳動物。 4. リソソーム性蛋白質がヒトのものである請求項1記載のトランスジェニック非ヒト哺乳動物。 5. リソソーム性蛋白質が酸α‐グルコシダーゼである請求項4記載のトランスジェニック非ヒト哺乳動物。 6. マウス、ウサギ、ヤギ、ヒツジ、ブタまたはウシである請求項5記載のトランスジェニック非ヒト哺乳動物。 7. 組換えDNAセグメントがcDNAである請求項6記載のトランスジェニック非ヒト哺乳動物。 8. 組換えDNAセグメントがゲノムである請求項6記載のトランスジェニック非ヒト哺乳動物。 9. 組換えDNAセグメントが、cDNA‐ゲノムのハイブリッドである請求項6記載のトランスジェニック非ヒト哺乳動物。 10. 分泌DNAセグメントが、リソソーム性蛋白質分泌DNAセグメントである請求項1記載のトランスジェニック非ヒト哺乳動物。 11. マンノース6-ホスフェート含有リソソーム性蛋白質を提供する方法であって、請求項1記載のトランスジェニック非ヒト哺乳動物またはその雌の子孫の成体からのミルクを回収することを含む方法。 12. ミルクを食品に入れることをさらに含む請求項11記載の方法。 13. ミルクからのマンノース6-ホスフェート含有リソソーム性蛋白質を精製することをさらに含む請求項11記載の方法。 14. マンノース6-ホスフェートリソソーム性蛋白質が、95%以上の純度に精製される請求項13記載の方法。 15. ホスホリル化したリソソーム性酵素を、静脈内、皮膚内、筋肉内または経口投与のための薬剤担体と混合することをさらに含む請求項14記載の方法。 16. 請求項1記載のトランスジェニック非ヒト哺乳動物からのミルクであって、 ホスホリル化したリソソーム性蛋白質を含むところのミルク。 18. 請求項11記載の方法により製造されるマンノース6-ホスフェート含有リソソーム性蛋白質。 19. 請求項18記載のマンノース6-ホスフェート含有リソソーム性蛋白質および薬剤担体を含む薬剤組成物。 20. 薬剤担体が静脈内投与のための担体である請求項19記載の薬剤組成物。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 トランスジェニック動物のミルク中に 生成されるリソソーム性蛋白質 関連出願に対する相互参照 本出願は、1995年8月2日に出願されたUSSN 60/001,796 の部分継続出願である。 技術分野 本発明は、トランスジェニック哺乳動物のミルク中におけるマンノース 6-ホスフェート含有リソソーム性蛋白質の生成および、対応する内因性蛋白質の欠乏に起因する病気にかかっている患者へのこの蛋白質の投与に関する。 背景 他の分泌性の蛋白質と同様に、リソソーム性蛋白質は、小胞体で合成され、ゴルジ装置へと運ばれる。 しかし、ほとんどの他の分泌性の蛋白質と違って、リソソーム性蛋白質は、細胞外流体への分泌だけでなく細胞内小器官への分泌をも予定されていない。 ゴルジ内で、リソソーム性蛋白質は特定の処理を受けて、その細胞内目的地に到達するように備えられる。 ほとんどすべてのリソソーム性蛋白質が種々の翻訳後の変性(末端マンノース基の6′位を経てのグリコシル化およびホスホリル化を含む)を受ける。 ホスホリル化されたマンノース残基は、トランスゴルジネットワーク(Trans Golgi Network)の内表面の特異的レセプタによって認識される。 リソソーム性蛋白質は、これらのレセプタを介して結合し、それによって他の分泌性蛋白質から分離される。 次に、レセプタに結合した蛋白質を含む小さい輸送小胞が、トランスゴルジネットワークから切り取られ、その細胞内目的地への目標にされる。 一般に、コーンフェルド(Kornfeld)、Biochem. Soc. Trans. 18、367-374 頁(1990年)参照。 30を超えるリソソーム性疾患があり、それぞれが、通常遺伝的突然変異の結果として、特定のリソソーム性蛋白質の欠乏に起因する。 例えばコトラン(Cotra n)ら、Robbins Pathologic Basis of Disease(第4版、1989年)参照(あらゆる目的のために、すべてが参照することにより取り込まれる)。 リソソーム性蛋白質の欠乏は普通、代謝産物の有害な蓄積をもたらす。 例えば、ハーラー(Hurle r's)症候群、ハンター(Hunter's)症候群、モルキオ(Morquio's)症候群およびサンフィリッポ(Sanfilippo's)症候群では、ムコ多糖の蓄積があり;テイ−サックス(Tay-Sachs)症候群、ゴーチャー(Gaucher)症候群、クラッベ(Krabbe)症候群、ニーマン−ピック(Niemann-Pick)症候群およびファブリー(Fabry)症候群では、スフィンゴリピッドの蓄積があり;フコシド蓄積症およびマンノシド蓄積症ではそれぞれ、フコース含有スフィンゴリピッドと糖蛋白質フラグメントの蓄積、およびマンノース含有オリゴ糖類の蓄積がある。 糖原病II型(GSD II;ポンペ病(Pompe disease);酸マルターゼ欠乏)は、リソソーム性酵素酸α‐グルコシダーゼ(酸マルターゼ)の欠乏によって引き起こされる。 3つの臨床形:小児性(infantile)、若年性(juvenile)および成人性(ad ult)、が区別される。 小児性GSD IIは、出生直後に始まり、進行性筋肉衰弱および心不全と共に現れる。 この臨床的変形は、人生の最初の2年以内に致命的である。 成人および若年の患者での症状は、人生のもっと後で生じ、骨格筋だけが巻き込まれる。 患者は結局、呼吸不全で死ぬ。 患者はまれに、60年より多く生き延び得る。 この病気の激烈さと残留酸α‐グルコシダーゼ活性との間によい相関関係があり、活性は、病気の遅い発現形では常人の10〜20%および早い発現形では2%未満である(ヒルシュホーン(Hirschhorn)、The Metabolic and Molecular Bases of Inherited Disease(スクリバー(Scriver)ら、eds.,第7版、マグロ−ヒル(MacGraw-Hill)、1995年)、第2443〜2464頁参照)。 リソソーム性蓄積症の第1の原因としてのリソソーム性酵素欠乏の発見(例えば、ハース(Hers)、Biochem.J.86,11-16(1963年)参照)以来、持っていない酵素の(静脈内)投与、すなわち酵素療法によって、リソソーム性蓄積症の患者を処置する試みがなされてきた。 ゴーシェ病以外のリソソーム性疾患について、証拠は、投与される酵素が、マンノース側鎖基の6′位でホスホリル化されるとき、酵素療法が最も有効であるということを示唆する。 糖原病II型について、精製された酸α‐グルコシダーゼをホスホリル化されたおよびホスホリル化されていない形で、マウスに静脈内投与し、筋肉組織における取り込みを分析することによって、このことが試験された。 マンノース6-ホスフェート含有酵素が使用されたときに、最高の取り込みが得られた(ファン デル プレグ(Van der Ploeg)ら、Pediat.Res.28,344-347頁(1990年);J.Clin.Inve st.87,513-518頁(1991年))。 酵素のホスホリル化形のより多い蓄積が、筋肉および他の細胞の表面に存在するマンノース-6- ホスフェート レセプタにより媒介される取り込みによって説明され得る。 いくつかのホスホリル化されたリソソーム性酵素が、理論的に天然供給源例えばヒトの尿およびウシの精巣から分離され得る。 しかし、治療で投与するために十分な量の酵素を生成するのは難しい。 ヒト酸α‐グルコシダーゼを生成するための代替法は、酸α‐グルコシダーゼ遺伝子を安定な真核細胞系統(例えばCH O)に、cDNAとしてまたは適当なプロモータに動作可能に結合された(opera blylinked)ゲノム構成物(genomic construct)として、導入する(transfect) ことである。 哺乳動物の細胞性発現系は、そのような細胞の増殖および維持の費用の故に、 組換え蛋白質の生成のために完全には満足できるものではない。 組換え蛋白質を生成するための代替的提案が、デボーア(DeBoer)ら、国際特許出願91/08216によって提唱され、それによって組換え蛋白質がトランスジェニック動物のミルクに生成された。 この提案は、哺乳動物の細胞培養を維持する費用を回避し、また組換え蛋白質の精製を簡単にする。 トランスジェニック動物のミルクに、いくつかの組換え蛋白質を発現する可能性が証明されたが、この技術がマンノース6-ホスフェートを含むリソソーム性蛋白質の発現にまで広げられるかどうかは予測できなかった。 ミルク蛋白質のような典型的分泌性蛋白質は、6′位でホスホリル化されたマンノース基を含まないので、これらの細胞が、実質的な量の外因性のリソソーム性蛋白質のホスホリル化のために必要な、酵素の補体および活性を持つかどうか不確かであった。 さらに、そのような細胞が必要な酵素の補体を持っていたなら、ホスホリル化は、マンノース6-ホスフェートレセプタを経て、細胞外の位置よりむしろ細胞内の位置に、ホスホリル化されたリソソーム性蛋白質を標的にするように思われる。 リソソーム性蛋白質の実質的細胞内蓄積は、トランスジェニック動物の乳腺の機能に、有害なまたは致命的な結果を有すると予想され得た。 上記の不確実性および困難性にもかかわらず、本発明は、とりわけ、そのミルク中にホスホリル化されたリソソーム性蛋白質を確実に分泌する健康なトランスジェニック哺乳動物を提供する。 発明の要旨 1つの観点において、本発明は、そのミルク中にリソソーム性蛋白質を生成するトランスジェニック非ヒト哺乳動物を提供する。 リソソーム性蛋白質は、マンノース側鎖残基の6′位でホスホリル化される。 トランスジェニック哺乳動物は、そのゲノム中にトランスジーンを有する。 トランスジーンは、乳腺特異的プロモーター、乳腺特異的エンハンサー、トランスジェニック非ヒト哺乳動物の乳分泌細胞において機能するシグナルペプチドをエンコードする分泌DNAセグメント、およびリソソーム性蛋白質、通常は酵素をエンコードする組み換えDNAセグメントを含む。 組み換えDNAセグメントは、分泌DN Aセグメントに動作可能に結合されて、分泌組み換えDNAセグメントを形成する。 分泌組み換えDNAセグメントは、プロモーターおよびエンハンサーに順番に動作可能に結合される。 トランスジーンは、非ヒト哺乳動物または非ヒト哺乳動物のメスの子孫の成体形において、乳分泌細胞に分泌組み換えDNAセグメントを発現して、乳分泌細胞により処理され、かつマンノース6-ホスフェート含有リソソーム性蛋白質としてミルクへ分泌されるリソソーム性蛋白質の一形態を生成することができる。 ミルク中のマンノース6-ホスフェート含有リソソーム性蛋白質の濃度は通常100 μg/ml以上である。 そのような動物によって発現された1つの有用な酵素は、酸α‐グルコシダーゼである。 本発明において使用するのに好ましい動物は、マウス、ウサギ、ヤギ、ヒツジ、豚およびウシを包含する。 組み換えDNAセグメントは、cD NA、ゲノムまたはその2つのハイブリッドであり得る。 いくつかのトランスジーンにおいては、分泌DNAセグメントは、組み換えDNAセグメントによりエンコードされたリソソーム性蛋白質遺伝子からである。 別の観点において、本発明は、トランスジェニック哺乳動物のミルク中において、マンノース 6-ホスフェート含有リソソーム性蛋白質を生成する方法を提供する。 この方法は、上記したトランスジェニック非ヒト哺乳動物の成体形から、 ミルクを回収することを伴う。 任意的に、マンノース 6-ホスフェート含有蛋白質は、ミルクから精製され得る。 精製された蛋白質は次に、静脈内、皮膚内、筋肉内または経口投与のための薬剤担体と混合され得る。 別の観点において、本発明は、マンノース 6-ホスフェート含有リソソーム性蛋白質を含む、上記したトランスジェニック非ヒト哺乳動物からのミルクを提供する。 図面の簡単な説明図1:酸α‐グルコシダーゼcDNAを含むトランスジーン。 αs1−カゼインエクソンは、白抜の四形で示され;α‐グルコシダーゼcDNAは、影付きの四角形で示される。 αs1−カゼインイントロンおよび隣接シーケンスは、太い線で示される。 細い線は、IgGアクセプタ部位を示

    コドン(TAG)およびポリアデニル化部位(pA)と記される。 図2(パネルA、B、C):酸α‐グルコシダーゼゲノムDNAを含む、3つのトランスジーン。 塗りつぶされた領域は、αs1−カゼインシーケンス、白抜の四角形は酸α‐グルコシダーゼエクソン、および白抜の四角形の間の細い線はα ‐グルコシダーゼイントロンを示す。 他の符号は図1と同様である。 図3(パネルA、B、C):ゲノムトランスジーンの構成物。 α‐グルコシダーゼエクソンは、白抜きの四角形で示され;α‐グルコシダーゼイントロンおよび非翻訳シーケンスは細い線で示される。 pKUNベクターシーケンスは、太い線で示される。 図4:ウエスタンブロッティング(Western blotting)による、トランスジェニックマウスのミルク中の酸α‐グルコシダーゼの検出。 定義 「実質的同一」または「実質的相同」という語は、2つのペプチドシーケンスが、例えば、デフォールトギャップウエイト(default gap weight)を用いた、プログラムスGAP(programs GAP)またはBESTFITによって最適に整列されたときに、少なくとも65%以上のシーケンスが同一、好ましくは80%または90%以上のシーケンスが同一、より好ましくは95%以上のシーケンスが同一(例えば99%のシーケンスが同一)であることを意味する。 好ましくは、同一でない残余の場所は、保存的アミノ酸置換によって違う。 「実質的に純粋な」または「分離された」という語は、対象種が同定され、かつその天然環境の成分から分離および/または回収されたことを意味する。 通常、その対象種は、存在する優勢な(すなわち、モルに基づいて、組成中で、いかなる他の個々の種より豊富である)種であり、好ましくは実質的に精製された画分は、対象種が、存在するすべての巨大分子種の約50%以上(モルに基づく) を含むところの組成物である。 一般に、実質的に純粋な組成物は、その組成物中に存在するすべての巨大分子種の約80〜90重量%より多くを含む。 最も好ましくは、対象種は、本質的に同質(慣用の検出法によって、組成物中に汚染種が検出できない)にまで精製され、ここでは、組成物は、単一の巨大分子種の誘導体から本質的に成る。 DNAセグメントは、別のDNAセグメントとの機能的関係に置かれるとき、 動作可能に結合される。 例えば、シグナルシーケンスのためのDNAは、それがポリペプチドの分泌に関係するプレ蛋白質として発現されるなら、ポリペプチドをエンコードするDNAに動作可能に結合され;プロモーターまたはエンハンサーは、それがシーケンスの転写を刺激するなら、コードシーケンスに動作可能に結合される。 一般に、動作可能に結合されるDNAシーケンスは隣接し、シグナルシーケンスの場合は、隣接しかつ読みとり相にある。 しかし、エンハンサーは、その転写をそれが制御するところのコードシーケンスと隣接する必要はない。 結合(linking)は、慣用の制限部位またはそこに挿入されたアダプターまたはリンカーでのライゲーションによって達成される。 外因性のDNAセグメントは、細胞には異質、または細胞のDNAセグメントには同質のものであるが、ホスト細胞ゲノムにおいて自然でない位置にある。 外因性のDNAセグメントは、外因性ポリペプチドを生じるために発現される。 トランスジェニック哺乳動物において、すべてまたは実質的にすべての生殖細胞および体細胞は、哺乳動物に導入されるトランスジーンまたは初期の胚段階での哺乳動物の祖先(ancestor)を含む。 詳細な説明 本発明は、マンノース 6-ホスフェート含有リソソーム性蛋白質をミルク中に分泌するトランスジェニック非ヒト哺乳動物を提供する。 分泌は、リソソーム性蛋白質をエンコードするトランスジーンおよび乳腺に対して遺伝子の発現を標的することができる調節シーケンスの組み込みによって達成される。 トランスジーンが発現され、発現生成物は翻訳後に乳腺内で変性された後、ミルク中に分泌される。 翻訳後の変性は、グリコシル化およびホスホリル化の段階を含む。

    A.

    リソソーム性遺伝子本発明は、リソソーム性酵素および他のタイプのリソソーム性蛋白質(例えばα‐グルコシダーゼ、α‐L‐イズロニダーゼ、イズロネート‐サルフェート サルファターゼ、ヘキソサミニダーゼAおよびB、ガングリオシド活性化蛋白質、アリールサルファターゼAおよびB、イズロネート‐サルファターゼ、ヘパランN-サルファターゼ、ガラクトセラミダーゼ、α‐ガラクトシルセラミダーゼA、スフィンゴミエリナーゼ、α‐フコシダーゼ、α‐マンノシダーゼ、アスパルチルグリコサミンアミドヒドロラーゼ、酸リパーゼ、N-アセチル‐α‐D‐グルコサミン-6- サルフェート サルファターゼ、α‐およびβ‐ガラクトシダーゼ、β‐グルクロニダーゼ、β‐マンノシダーゼ、セラミダーゼ、ガラクトセレブロシダーゼ、α‐N-アセチルガラクトサミニダーゼを包含する)および保護蛋白質などをエンコードする、30より多くの公知の遺伝子の任意のものを含むDNAセグメントを発現するトランスジェニック非ヒト哺乳動物を提供する。 公知のリソソーム性蛋白質遺伝子シーケンスの任意の対立遺伝子の、同族のおよび誘導された変異体を発現するトランスジェニック哺乳動物がまた含まれる。 そのような変異体は通常、公知のリソソーム性蛋白質遺伝子と、アミノ酸レベルで実質的シーケンス同一を示す。 そのような変異体は通常、厳しい条件下で公知の遺伝子にハイブリッド形成(hybridize)するか、または公知の遺伝子の1つによってエンコードされたポリペプチドに対する抗体と交差反応する。 リソソーム性蛋白質をエンコードする公知の遺伝子の多くのゲノムまたはcDNAシーケンスを含むDNAクローンが入手可能である( スコット(Scott)ら、Am.J.Hum.Genet.47、802-807 頁(1990年);ウィルソン(Wilson)ら、PNAS 87、8531-8535 頁(1990年);ステイン(Stein)ら、J.B iol.Chem.264、1252-1259 頁(1989年);ギンズ(Ginns)ら、Biochem.Biophy s.Res.Comm.123、574-580 頁(1984年);ヘフスルート(Hoefsloot)ら、EMBO J.7、1697-1704 頁(1988年);ヘフスルート(Hoefsloot)ら、Biochem.J. 272、473-479 頁(1990年);ミエロウィッツ&プロイア(Meyerowitz & Proia) 、PNAS 81、5394-5398 頁(1984年);スクリバー(Scriver)ら、supra、part 12 、2427-2882 頁およびそこに引用された参考文献)。 ゲノムおよびcDNAシーケンスの他の例は、遺伝子バンクから入手可能である。 リソソーム性遺伝子のさらなるクローン化されたシーケンスが必要とされる限り、公知のリソソーム性蛋白質DNAシーケンスまたは公知のリソソーム性蛋白質に対する抗体をプローブとして用いて、(好ましくはヒトの)ゲノムまたはcDNAライブラリからそれらを得ることができる。

    B.

    リソソーム性蛋白質の配座組換えリソソーム性蛋白質は好ましくは、天然に生じるリソソーム性蛋白質と同じまたは同様の構造を有するように処理される。 リソソーム性蛋白質は、小胞体(RER)に結合されたリボソーム上で合成される糖蛋白質である。 それらは、N-末端シグナルペプチドによって同時翻訳的に導かれて、この小器官に入る(Ngら、Current Opinion in Cell Biology 6、5 10-516 頁(1994年))。 N-結合されたグリコシル化法は、ドリコールキャリア(dolichol carrier)から高マンノースオリゴ糖前駆体 GlC

    3 Man

    9 GlcNAc

    2のひとまとめにしての転移を用いて、RERにおいて始まる。 炭化物鎖の変性はRERで始まり、グリコシダーゼIおよびIIによる3つの最も遠いグルコース残基の除去を伴って、ゴルジ装置で継続する。 ホスホリル化は、まず、N-アセチルグルコサミン-1- ホスフェートが、リソソーム性蛋白質特異的トランスフェラーゼによって、選んだマンノース基に結合し、次に、N-アセチルグルコサミンが、 ジエステラーゼによって分裂されるところの2段階工程である(ゴールドベルグ(Goldberg)ら、Lysosomes: Their Role in Protein Breakdown(Academic Press Inc.,ロンドン、1987年)、163-191 頁)。 分裂は、ほとんどのリソソーム性蛋白質のリソソームへの輸送を媒介するマンノース6-ホスフェートレセプタのための認識マーカーおよびリガンドとして、マンノース6-ホスフェートをさらす(コーンフェルド(Kornfeld)、Biochem.Soc.Trans.18、367-374 頁(1992年)) 。 炭水化物鎖の変性の他に、ほとんどのリソソーム性蛋白質は、蛋白質分解プロセッシング(processing)を受け、ここで第1に起こるのは、シグナルペプチドの除去である。 ほとんどのリソソーム性蛋白質のシグナルペプチドが、シグナルペプチダーゼによる転座後に分裂され、その後、蛋白質は可溶性になる。 酸α‐グルコシダーゼのシグナルペプチドは、酵素がRE Rを離れた後だがリソソームまたは分泌の経路に入る前に分裂されることの示唆に富む証拠がある(ウィセラー(Wisselaar)ら、J.Biol.Chem.268、2223-2231 頁(1993年))。 酸α‐グルコシダーゼの蛋白質分解プロセッシングは複雑であり、種々の亜細胞位置で起こるシグナルペプチドの分裂の他に、一連の段階を含む。 ポリペプチドが、NおよびC末端の両方で分裂され、それによって、比触媒活性が増加される。 認識される主な種は、110/100 kDa 前駆体、95 kDa中間体および76 kDaおよび70 kDa成熟形である(ハシリク(Hasilik)ら、J.Biol.Chem .255、4937-4945 頁(1980年);オーデ エルフェリンク(Oude Elferink)ら、Eur.J.Biochem.139、489-495頁(1984年);ロイザー(Reuser)ら、J.Biol .Chem.260、8336-8341 頁(1985年);ヘフスルート(Hoefsloot)ら、EMBO J. 7、1697-1704 頁(1988年))。 天然のヒト酸α‐グルコシダーゼの翻訳後プロセッシングおよび、COS細胞、BHK細胞およびCHO細胞のような培養された哺乳動物細胞に発現されたような、ヒト酸α‐グルコシダーゼの組換え形の翻訳後プロセッシングは似ている(ヘフスルート(Hoefsloot)ら、(1990年)supra ;ウィッセラー(Wisselaar)ら、(1993年)supra)。 マンノース基の6′位でホスホリル化されたリソソーム性蛋白質を生成するための確実なプロセッシングは、マンノース6-ホスフェートのレセプターを生じる細胞による物質の取り込みを測定することによって、試験されることができる。 正しく変性された物質は、それによって、変性された物質の取り込みがマンノース6-ホスフェートの添加により拮抗的に阻害され得るようなやり方で、変性されていない物質より速く取り込まれる。

    C.

    トランスジーンデザイントランスジーンを収容するトランスジェニック非ヒト哺乳動物の乳腺に対して、組換えリソソーム性蛋白質の発現を標的するために、トランスジーンがデザインされる。 基本的な接近は、シグナルシーケンス、プロモータおよびエンハンサーと共に、蛋白質をエンコードする外因性DNAセグメントを動作可能に結合することを伴う。 DNAセグメントは、ゲノム、ミニジーン(省略された1以上のイントロンを有するゲノム)、cDNA、YACフラグメント、2つの異なるリソソーム性蛋白質遺伝子のキメラ、またはこれらの任意のもののハイブリッドであり得る。 ゲノムシーケンスを含むことは一般に、より高いレベルの発現に至る。 非常に高いレベルの発現は、翻訳後の変性およびリソソーム性蛋白質の分泌を行うために乳腺の収容に負担をかけ過ぎるかもしれない。 しかしながら、以下に示したデータは、実質的な翻訳後の変性が、mg/mlの範囲の高い発現レベルにもかかわらず、マンノース6-ホスフェート基の形成を含んで生じることを示す。 実質的な変性とは、分泌される分子の少なくとも約10、25、50、75または90 %以上が、少なくとも1つのマンノース6-ホスフェート基を生じることを意味する。 このように、ゲノム構成物またはハイブリッドcDNA ‐ゲノム構成物が一般に好ましい。 ゲノム構成物においては、すべてのイントロンシーケンスを保持する必要はない。 例えば、いくつかのイントロンシーケンスは、DNA操作および次のミクロ注入を容易にする、より小さいトランスジーンを得るために除去され得る。 アーチバルド(Archibald)らの、国際特許出願WO 90/05188(参照することにより、すべての目的のために、その全部が取り込まれる)を見よ。 いくつかのイントロンの除去はまた、発現のレベルを低下させ、それによって翻訳後の変性を実質的に終了することを確実にするために、いくつかの例では有用である。 いくつかのまたはすべてのコードされていないエクソンを欠失することがまた可能である。 いくつかのトランスジーンにおいて、リソソーム性蛋白質をエンコードするシーケンスにおける選ばれたヌクレオチドが、蛋白質分解の分裂部位を除去するために変化される。 トランスジェニック哺乳動物により生成されるリソソーム性蛋白質の意図する使用は通常、ヒトへの投与であるので、リソソーム性蛋白質シーケンスをエンコードするDNAセグメントが得られるところの種は好ましくはヒトである。 同様に、意図する使用が獣医学療法(例えば、馬、犬または猫において)にあるなら、DNAセグメントは同種からのものであるのが好ましい。 プロモータおよびエンハンサーは、乳腺において排他的にまたは少なくとも優先的に発現された遺伝子(すなわち、乳腺特異的遺伝子)からのものである。 プロモータおよびエンハンサーの供給源として好ましい遺伝子は、β‐カゼイン、 κ‐カゼイン、αs1−カゼイン、αs2−カゼイン、β‐ラクトグロブリン、 ホエー酸蛋白質およびα‐ラクトアルブミンを包含する。 プロモータおよびエンハンサーは通常、しかしいつもではなく、同じ乳腺特異的遺伝子から得られる。 この遺伝子は時々、しかし必然的でなく、トランスジーンが発現されるべき哺乳動物と同じ種の哺乳動物からのものである。 他の種例えばヒトの遺伝子からの発現調節シーケンスがまた使用できる。 シグナルシーケンスは、乳腺からリソソーム性蛋白質の分泌を指示することができなければならない。 適当なシグナルシーケンスは、分泌される蛋白質をエンコードする哺乳動物の遺伝子から誘導され得る。 驚くべきことに、これらの蛋白質は普通は分泌されないが細胞内小器官に標的されるにもかかわらず、リソソーム性蛋白質の天然のシグナルシーケンスが適当である。 そのようなシグナルシーケンスの他に、シグナルシーケンスの好ましい供給源は、プロモータおよびエンハンサーが得られるのと同じ遺伝子からのシグナルシーケンスである。 任意的に、さらに調節シーケンスがトランスジーンに含まれて、発現レベルを最適にする。 そのようなシーケンスは、5′隣接領域、 5′転写されているが非翻訳の領域、イントロンシーケンス、3′転写されているが非翻訳の領域、ポリアデニル化部位、および3′隣接領域を含む。 そのようなシーケンスは通常、プロモータおよびエンハンサーが得られる乳腺特異的遺伝子または、発現されるリソソーム性蛋白質遺伝子のいずれかから得られる。 そのようなシーケンスを含むことは、確実な乳腺特異的遺伝子のそれおよび/または確実なリソソーム性蛋白質遺伝子のそれをシミュレートする遺伝環境を生じる。 この遺伝環境は、転写された遺伝子がより高く発現する幾つかの場合(例えばウシのαs 1−カゼイン)をもたらす。 あるいは、3′隣接領域および非翻訳領域が、他の異種構造遺伝子例えばβ‐グロブリン遺伝子またはウィルス性遺伝子から得られる。 リソソーム性蛋白質遺伝子または他の異種構造の遺伝子からの、3′および5′の非翻訳領域を含むことはまた、転写の安定性を増加することができる。 いくつかの実施態様において、乳腺特異的遺伝子からの約0.5、1、5、10、1 5、20または30 kb の5′隣接シーケンスが、発現されるリソソーム性蛋白質遺伝子からの約1、5、10、15、20または30 kb の3′隣接シーケンスと組み合わせて含まれる。 cDNAシーケンスからの蛋白質が発現されるなら、プロモータとコードシーケンスとの間のイントロンシーケンスを含むのが有利である。 イントロンシーケンスは好ましくは、プロモータが得られるところの乳腺特異的領域の第1のイントロンからの介在するシーケンスからの5′部分から、およびIg G介在シーケンスまたはリソソーム性蛋白質遺伝子の介在シーケンスからの3′部分から形成されたハイブリッドシーケンスである。 デボアー(DeBoer)らの、国際特許出願WO 91/08216(参照することにより、すべての目的のために、その全部が取り込まれる)を見よ。 リソソーム性蛋白質を発現するための好ましいトランスジーンは、カゼインプロモータおよびエンハンサーに5′で結合するcDNA‐ゲノムハイブリッドリソソーム性蛋白質遺伝子を含む。 ハイブリッド遺伝子は、リソソーム性蛋白質遺伝子からのシグナルシーケンス、コード領域、および3′隣接領域を含む。 任意的に、cDNAセグメントは、リソソーム性蛋白質をエンコードする遺伝子の、 5′カゼインと非翻訳領域との間のイントロンシーケンスを含む。 もちろん、対応するcDNAおよびゲノムセグメントはまた、隣接する蛋白質が、結果として生じる融合から発現され得るならば、遺伝子内の他の場所で融合され得る。 他の好ましいトランスジーンは、カゼイン調節シーケンスに5′結合したゲノムリソソーム性蛋白質セグメントを有する。 ゲノムセグメントは通常、遺伝子の、5′非翻訳領域から3′隣接領域へ隣接している。 このように、ゲノムセグメントは、リソソーム性蛋白質の5′非翻訳シーケンスの部分、シグナルシーケンス、交互イントロンおよびコードエクソン、3′非翻訳領域および3′隣接領域を含む。 ゲノムセグメントは5′非翻訳領域を介して、プロモータおよびエンハンサーおよび通常5′非翻訳領域を含むカゼインフラグメントに結合する。 DNAシーケンス情報は、少なくとも1つ、しばしば幾つかの生物における、 上記に挙げた乳腺特異的遺伝子のすべてについて、入手可能である。 例えばリチャーズ(Richards)ら、J. Biol. Chem. 256、526-532 頁(1981年)(α‐ラクトアルブミン ラット);カンプベル(Campbell)ら、Nucleic Acids Res. 12、868 5-8697 頁(1984年)(ラットWAP);ジョーンズ(Jones)ら、J. Biol. Chem . 260、7042-7050 頁(1985年)(ラット β‐カゼイン);ユ−リー(Yu-Lee) &ローゼン(Rosen)、J. Biol. Chem. 258、10794-10804 頁(1983年)(ラット γ‐カゼイン);ホ

    ール(Hall)、Biochem.

    J.

    242、735-742 頁(1987年) (α‐ラクトアルブミン ヒト);ストゥワート(Stewart)、Nucleic Acids Res . 12、389(1984年)(ウシ αs1およびκカゼイン cDNA);ゴロデツキー(Gorodetsky)ら、Gene 66、87-96 頁(1988年)(ウシ βカゼイン);アレキザンダー(Alexander)ら、Eur. J. Biochem. 178、395-401 頁(1988年)( ウシ κカゼイン);ブリグノン(Brignon)ら、FEBS Lett. 188、48-55 頁(197 7年)(ウシ αs2カゼイン);ジャミーソン(Jamieson)ら、Gene 61、85-90 頁(1987年)、イワノフ(Ivanov)ら、Biol. Chem. Hoppe-Seyler 369、425-429 (1988年)、アレキザンダー(Alexander)ら、Nucleic Acids Res. 17、6739頁( 1989年)(ウシ βラクトグロブリン);ビロッテ(Vilotte)ら、Biochimie 6 9、609-620 頁(1987年) (ウシ α‐ラクトアルブミン)(参照することにより、すべての目的のために、その全部が取り込まれる)を見よ。 種々のミルク蛋白質遺伝子の構造および機能が、メルツァー&ビロッテ(Mercier & Vilotte)の、J. Dairy Sci. 76、3079- 3098 頁(1993年)に概説されている(参照することにより、すべての目的のために、その全部が取り込まれる)。 さらなるシーケンスデータが必要とされる範囲では、すでに得られている領域に隣接するシーケンスは、プローブとして存在するシーケンスを用いて、容易にクローン化され得る。 種々の生物からの乳腺特異的な調節シーケンスは、そのような生物からライブラリを、公知の同族ヌクレオチドシーケンスまたは同族蛋白質に対する抗体をプローブとして用いて、スクリーニングすることによって得られる。 一般的戦略および、乳腺に対して組換え蛋白質の発現を標的するためにαs1 −カゼイン調節シーケンスを使用する典型的なトランスジーンは、より詳細には、デボーア(DeBoer)らの、国際特許出願WO 91/08216およびWO 93/25567 に記載されている(参照することにより、すべての目的のために、その全部が取り込まれる)。 他の乳腺特異的遺伝子からの調節シーケンスを使用するトランスジーンの例がまた記載されてきた。 例えば、シモン(Simon)ら、Bio/Technology 6、179 -183 頁(1988年)および国際特許出願WO88/00239(1988年)(ヒツジに発現するためのβ‐ラクトグロブリン調節シーケンス);ローゼン(Rosen)、欧州特許第EP 279,582号およびリー(Lee)ら、Nucleic Acids Res. 16、1027-1041 頁(1988年)(マウスに発現するためのβ‐カゼイン調節シーケンス);ゴードン(Gordon)、Biotechnology 5、1183頁(1987年) (マウスに発現するためのWAP調節シーケンス);WO 88/01648(1988年)およびEur. J. Biochem. 186、43-48 頁(1989年)(マウスに発現するためのα‐ ラクトアルブミン調節シーケンス)(参照することにより、すべての目的のために、その全部が取り込まれる)を見よ。 トランスジーンからの、ミルク中のリソソーム性蛋白質の発現は、翻訳後の変性およびリソソーム性蛋白質の標的化(targeting)に含まれる遺伝子の同時発現( co-expression)または機能的不活性化(すなわちノックアウト)によって影響され得る。 例中のデータは、驚くべきことに、乳腺がすでに、十分な量で変性している酵素を発現して、マンノース6-ホスフェート含有蛋白質の集合および分泌物を高いレベルで得ることを示す。 しかし、これらの蛋白質を高いレベルで発現するいくつかのトランスジェニック哺乳動物においては、トランスジーン発現から得られるさらなる酵素で、プロセッシング酵素の内因性のレベルを補うことが、 時には好ましい。 そのようなトランスジーンは、上記したのと同様の原理を用いて、トランスジーン中でリソソーム性蛋白質をコードするシーケンスに代わってプロセッシング酵素をコードするシーケンスを用いて、構成される。 翻訳後プロセッシング酵素が分泌されることは、一般に必要ない。 このように、リソソーム性蛋白質をコードするシーケンスに結合した分泌シグナルシーケンスは、分泌なしに、小胞体に対してプロセッシング酵素を標的するシグナルシーケンスで置き換えられる。 例えば、これらの酵素と自然に結合するシグナルシーケンスが適当である。

    D.

    トランスゲネシス(transgenesis)上記したトランスジーンは、非ヒト哺乳動物に導入される。 ほとんどの非ヒト哺乳動物(げっ歯類例えばマウスおよびラット、ウサギ類、羊類例えばヒツジおよびヤギ、豚類例えばブタおよびウシ例えば畜および水牛を含む)が適当である。 ウシはミルクの収量が多いという利点があり、一方マウスはトランスゲネシスおよび繁殖が容易であるという利点がある。 ウサギは、これらの利点の折衷を与える。 ウサギは、蛋白質含量約14%で、1日に100mlのミルクを生成することができ(バーラー(Buhler)ら、Bio/Technology 8、140 頁(1990年)(参照することにより、すべての目的のために、その全部が取り込まれる)を見よ) 、またマウスと同じ原理を用いて、同様の容易さで、扱い、繁殖させることができる。 非胎生の哺乳動物例えばハリモグラまたはカモノハシは典型的には使用されない。 トランスゲネシスのいくつかの方法においては、トランスジーンを、受精させた卵母細胞の前核に導入する。 いくつかの動物(例えばマウスおよびウサギ)については、イン ビボ(in vivo)で受精を行い、受精された卵子を手術で除去する。 他の動物、特にウシでは、生きているまたは屠殺場の動物から卵子を除去し、イン ビトロ(in vitro) で卵子を受精させるのが好ましい。 ドボーア(DoBoer)らの、国際特許出願WO 91/ 08216を見よ。 イン ビトロの受精は、トランスジーンが、実質的に同時発生の細胞に、組み込みのために細胞周期の最適の段階(S‐段階より遅くない)で、 導入されることを許す。 トランスジーンは通常、ミクロ注入によって導入される。 米国特許第4,873,292 号明細書を見よ。 受精された卵母細胞は次に、約16〜15 0 個の細胞を有する着床前の胚が得られるまで、イン ビトロで培養される。 胚の16〜32細胞段階は、桑実胚として記載される。 32個より多い細胞を有する着床前の胚は、胚盤胞と呼ばれる。 これらの胚は、典型的には64細胞段階で、割腔の発生を示す。 受精された卵母細胞を着床前段階まで培養する方法は、ゴードン(G ordon)ら、Methods Enzymol. 101、414 頁(1984年);ホーガン(Hogan)ら、Man ipulation of the Mouse Embryo:A Laboratory Manual、CSHLNY. (1986 年)(マウス胚);およびハマー(Hammer)ら、Nature 315、680 頁(1985年)( ウサギおよび豚の胚);ガンドルフィ(Gandolfi)ら、J. Reprod. Fert. 81、23- 28 頁(1987年);レックスロード(Rexroad)ら、J. Anim. Sci. 66、947-953 頁(1988年)(羊胚)およびアイストーン(Eyestone)ら、J. Reprod. Fert. 85、7 15-720 頁(1989年);カモウス(Camous)ら、J. Reprod. Fert. 72、779-785 頁(1984年);およびヘイマン(Heyman)ら、Theriogenology 27、5968頁(1987年)(ウシ胚)に記載されている(参照することにより、すべての目的のために、 その全部が取り込まれる)。 時には、着床前の胚は、移植が未決定の期間、凍結して保存される。着床前の胚は想像妊娠している雌の卵管に運ばれ、トランスジーンが組み込まれたときの発生の段階に依存して、トランスジェニックまたはキメラ動物の誕生をもたらす。キメラの哺乳動物は純粋生殖細胞系トランスジェニック動物を生成するために繁殖され得る。あるいは、トランスジーンは、胚の幹細胞(ES)に導入されることができる。これらの細胞は、イン ビトロで培養した着床前の胚から得られる。ブラドレイ(Bradley)ら、Nature 309、255-258 頁(1984年)(参照することにより、すべての目的のために、その全部が取り込まれる)。トランスジーンは、エレクトロポレーション(electroporation)またはミクロ注入によってそのような細胞に導入されることができる。形質転換させられたES細胞は、非ヒト動物からの胚盤胞と結合される。このES細胞は胚にコロニーを作らせ、いくつかの胚では、得られたキメラ動物の生殖細胞系を形成する。ジーニッシュ(Jaenisch)、Scie nce、240、1468-1474 頁(1988年)(参照することにより、すべての目的のために、その全部が取り込まれる)を見よ。あるいは、ES細胞は、トランスジェニック哺乳動物を生じさせる、除核された受精した卵母細胞への移植のために、核の供給源として使用され得る。 2またはそれ以上のトランスジーンを含むトランスジェニック動物の生成のために、トランスジーンは、単一のトランスジーンのための方法と同じ方法を同時に用いて、導入されることができる。あるいは、トランスジーンを初めに別々の動物に導入した後、動物を交配することによって同じゲノムに結合することができる。あるいは、トランスジーンの1つを含む第1のトランスジェニック動物を作る。第2のトランスジーンを次に、その動物から、受精された卵子または胚幹細胞に導入する。幾つかの実施態様においては、その長さが約50 kb を超えるトランスジーンが、重複フラグメントとして構成される。そのような重複フラグメントは、受精された卵母細胞または胚幹細胞に同時に導入され、イン ビトロの相同の組換えを受ける。ケイ(Kay) ら、国際特許出願WO 92/03917(参照することにより、すべての目的のために、 その全部が取り込まれる)を見よ。

    E.

    トランスジェニック哺乳動物の特性本発明のトランスジェニック哺乳動物は、上記したように、1以上のトランスジーンをそのゲノムに組み込む。トランスジーンは、乳腺に対して少なくとも優勢なリソソーム性蛋白質をエンコードするDNAセグメントの発現を標的する。驚くべきことに、乳腺は、確実な翻訳後プロセッシング(オリゴ糖付加およびホスホリル化の段階を含む)に必要とされる蛋白質を発現することができる。乳腺の酵素によるプロセッシングは、マンノース基の6′位のホスホリル化をもたらす。リソソーム性蛋白質は、10、50、100、500、1000、 2000、5000または10,000μg/ml以上の高いレベルで分泌され得る。驚くべきことに、本発明のトランスジェニック哺乳動物は、実質的に正常の健康を示す。乳腺以外の組織でのリソソーム性蛋白質の二次発現は、有害な影響を引き起こすのに十分な程度には生じない。さらに、乳腺で生成された外因性リソソーム性蛋白質は、分泌装置を詰まらせる堆積物による重大な問題が存在しないような、十分な効率で分泌される。トランスジェニック哺乳動物がミルクを生成し始めることができる年齢は、もちろん動物の種類と共に変わる。トランスジェニックウシについては、その年齢は、自然には約2年半またはホルモン刺激を用いて6か月であり、一方、トランスジェニックマウスでは、その年齢は約5〜6週間である。もちろん、種の雌だけが、ミルクの生成に有用である。しかしながら、トランスジェニックの雄はまた、交配する雌の子孫のために価値を有する。トランスジェニックの雄の精液は、次のイン ビトロでの受精および雌の子孫の産出のために、凍結して貯蔵され得る。

    F.

    ミルクから蛋白質の回収トランスジェニック成体雌哺乳動物は、高濃度の外因性リソソーム性蛋白質を含むミルクを生成する。この蛋白質は、所望なら、その区別する物理的および化学的性質によって、および標準的な精製方法例えば沈殿、イオン交換、分子排除またはアフィニティクロマトグラフィーによって、ミルクから精製され得る。 ge nerally Scopes、Protein Pu rification(スプリンガー‐フェルラーグ(Springer-Verlag)、ニューヨーク、1982年)を見よ。

    G.

    組換えリソソーム性蛋白質の使用本発明にしたがって製造された組換えリソソーム性蛋白質は、酵素置き換え治療法における使用が見出される。機能的リソソーム性酵素の不足をもたらす、遺伝学的なまたは他の病気を持つ患者は、外因性酵素を患者に投与することによって処置され得る。そのような処置が必要な患者は、症状(例えば、ハーラー症候群の症状は、小人症、角膜混濁、肝脾腫大症、弁疾患、虚血性心疾患、骨変形、 関節硬直および進行性精神遅滞を含む)から同定され得る。あるいは、またはさらに、患者は、特定のリソソーム性酵素によって生成された特徴的な代謝産物の過度の蓄積を示す組織試料の生化学的分析から、または、人造もしくは天然の基質を用いて、特定のリソソーム性酵素活性の欠乏を示す酵素アッセイによって診断され得る。ほとんどの病気について、症状または代謝産物の過度の蓄積が生じる前に、特定の酵素欠乏を測定することによって、またはDNA分析によって、 診断をすることができる(スクリバー(Scriver)ら、supra、リソソーム貯蔵異常の章)。リソソーム貯蔵疾患のすべてが遺伝性である。このように、リソソーム性疾患にかかっている一員を持つことが知られている家系からの子孫においては、決定的な診断がなされ得る前ですら、予防的処置を開始することを時には勧める。幾つかの方法において、リソソーム性酵素は、薬剤担体と一緒に薬剤組成物として、精製された形で投与される。好ましい形は、投与および治療の適用の意図する形式に依存する。薬剤担体は、患者にポリペプチドを届けるのに適した、任意の相溶性の非毒物質であることができる。殺菌水、アルコール、脂肪、ワックスおよび不活性固体が、担体として使用できる。薬剤的に受け入れられるアジュバント、緩衝剤、分散剤などがまた、薬剤組成物に組み込まれ得る。薬剤組成物中の酵素の濃度は広く変化し得る。すなわち、約0.1重量%未満、通常約1重量%以上から、20重量%までかそれ以上まで変化し得る。経口投与については、活性成分は、固体の投薬形状、例えばカプセル、錠剤および粉末、または液体の投薬形状、例えば錬金薬液(elixir)、シロップおよび懸濁液で投与され得る。活性成分は、不活性成分および粉末の担体例えばグルコース、ラクトース、シュークロース、マンニトール、澱粉、セルロースまたはセルロース誘導体、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、サッカリンナトリウム、タルク、炭酸マグネシウム等と一緒に、ゼラチンカプセル中に入れられ得る。所望の色、味、安定性、緩衝容量、分散またはその他の公知の所望の特徴を添加できる、さらなる不活性成分の例は、べんがら、シリカゲル、ナトリウムラウリルサルフェート、二酸化チタン、食用白インク(edible white ink)等である。同様の希釈剤が、圧縮錠剤を作るために使用できる。錠剤およびカプセルの両方が、数時間を超える投薬の連続放出に備えた、持効性製品として製造され得る。圧縮錠剤は、糖コーティングまたはフィルムコーティングされて、任意の好ましくない味を隠し、かつ錠剤を大気から保護することができ、または、胃腸系における選択的分解のために腸溶性コーテイングされることができる。経口投与のための液体の投薬形は、患者の受諾を増すために、着色および味付けを含むことができる。静脈内注入のための典型的な組成物は、100〜500 mlの滅菌した0.9 %Na Clまたは任意的に20%アルブミン溶液を追加された5%グルコースおよび100 〜500 mgの酵素を含んで作られ得る。筋肉内注射のための典型的な薬剤組成物は、例えば1mlの滅菌緩衝水および1〜10mgの精製した本発明のリガンドを含んで作られる。非経口的に投与可能な組成物を製造する方法は、当分野で良く知られており、種々の出典、例えばレミントンズ ファーマシューティカル サイエンス(Remington's Pharmaceutical Science)(第15版、マック パブリッシング(Mack Publishing)、イーストン(Easton)、PA、1980年)に、より詳細に記載されている(参照することにより、すべての目的のために、その全部が取り込まれる)。本発明の薬剤組成物は通常、静脈内投与される。幾つかの状況では、皮内、筋肉内または口腔内投与がまた可能である。この組成物は、リソソーム性酵素欠乏症にかかっている、またはその危険がある人の予防的処置のために投与され得る。治療的適用のためには、この薬剤組成物は、確実に病気にかかっている患者に、蓄積された代謝産物の濃度を減らし、および/ または代謝産物のさらなる蓄積を防ぐまたは抑えるのに十分な量で投与される。リソソーム性酵素欠乏症の危険がある人については、この薬剤組成物は、代謝産物の蓄積を防ぐまたは阻止するのに十分な量で、予防的に投与される。これを成し遂げるのに十分な量は、「治療的に」または「予防的に有効な投薬量」として定義される。そのような有効な投薬量は、状態の激烈さ、および患者の健康の一般的状態に依存し、一般には、体重1kg当たり、精製した酵素0.1〜10mgの範囲である。トランスジェニック動物のミルク中に生成されるリソソーム性蛋白質は多くの他の用途を有する。例えば、他のα‐アミラーゼと同様に、α‐グルコシダーゼは、澱粉、ビールおよび薬の製造に重要な道具である。ビヒネン(Vihinen)&マントサラ(Mantsala)、Crit. Rev. Biochem. Mol. Bio. 24、329-401 頁(1989年)(参照することにより、すべての目的のために、その全部が取り込まれる)を見よ。リソソーム性蛋白質はまた、実験室的化学品または食品の製造にも有用である。例えば、酸α‐グルコシダーゼは、1,4 および1,6 α‐グルコシド結合を分解し、これらの結合を有する種々の炭水化物、例えばマルトース、イソマルトース、澱粉およびグリコーゲンを分解してグルコースを生成するのに使用できる。酸α‐グルコシダーゼはまた、腸のマルターゼまたはイソマルターゼ欠乏の患者に投与するのに有用である。消化されないマルトースの存在から、 さもなければもたらされる症状が避けられる。そのような適用において、ミルクからの先立つ分画なしに、そのようなミルクから誘導された食品(例えばアイスクリームまたはチーズ)として、または薬剤組成物として、酵素が投与され得る。精製した組換えリソソーム性酵素はまた、組織試料中でのそのような酵素の未知量のアッセイのための診断キットにおいて対照として含まれるのに有用である。実施例

    実施例1:トランスジーンの構成

    (a)cDNA構成ヒト酸α‐グルコシダーゼをエンコードするcDNAを含む発現ベクターの構成を、プラスミドp16,8hlf3 を用いて開始した(ドボーア(DoBoer)ら、1991年および1993年、supra)。このプラスミドは、ウシαs1−カゼイン調節シーケンスを含む。図1に示された発現カセットのClaI部位およびSalI部位で、親プラスミドのラクトフェリンcDNA挿入物を、ヒト酸α‐グルコシダーゼcDNAと交換した(ヘフスルート(Hoefsloot)ら、EMBO J.7、1697-170 4頁(1988年)) 。 α‐グルコシダーゼcDNAフラグメントの端で適合制限部位(compatible re striction site)を得るために、ヒトα‐グルコシダーゼをエンコードする完全なcDNAを含むプラスミドpSHAG2(id.)を、EcoRI およびSphIを用いて消化し、3.3 kbのcDNAフラグメントを、pKUN7ΔC、ベクターヌクレオチドシーケンス内に壊されたClaI部位を有し、かつ新たにデザインされたポリリンカー:HindIII ClaI EcoRI SphI XhoI EcoRI SfiI SfiI/SmaI NotI EcoRI

    *

    * =壊された部位) を有するpKUN1 誘導体においてサブクローン化した(subcloned)(コニングス(Ko nings)ら、Gene 46、269-276 頁(1986年))。得られたプラスミド pαgluCESX から、3.3 kbのcDNAフラグメントが、ClaIおよびXhoIによって切り出されることができた。このフラグメントを図1に示された発現カセットに、ClaI部位およびXhoI適合SalI部位で、挿入した。その結果、発現プラスミド p16,8αglu は、図1に示されるように、ウシαs1‐カゼインシーケンスにより隣接された、ヒト酸α‐グルコシダーゼをエンコードするcDNAシーケンスからなる。完全な発現カセットを含む27.3-kb フラグメントは、NotIを用いた分裂により、切出され得る(図1を見よ)。

    (b)ゲノム構成構成物c8αgluex1は、ヒト酸α‐グルコシダーゼ遺伝子を含み(ヘフスルート(Hoefsloot)ら、Biochem.J.272、493-497 頁(1990年))、その転写開始部位のちょうど下流のエクソン1で開始する(図2、パネルAを見よ)。したがって、この構成物は、ほとんど完全なヒト酸α‐グルコシダーゼ遺伝子の5′UTR をエンコードする。このフラグメントは、ウシαs1‐カゼイン遺伝子のプロモータシーケンスに融合される。 αs1‐カゼイン開始部位は、αs1‐カゼイン/ 酸α‐グルコシダーゼ ジャンクション(junction)の22 bp 上流に存在する。この構成物は、ヒト酸α‐グルコシダーゼポリアデニル化シグナルおよび3′隣接シーケンスを有する。構成物c8αgluex2 は、ヒト酸α‐グルコシダーゼ遺伝子のエクソン2における翻訳開始部位に直ちに融合される、ウシαs1‐カゼインプロモータを含む(図2、パネルBを見よ)。このように、αs1‐カゼイン転写開始部位およびα‐グルコシダーゼ翻訳開始部位は、この構成物において、22-bp 離れている。したがって、α‐グルコシダーゼ5′UTR は、保存されない。この構成物はまた、図2、パネルBに示すように、ヒト酸α‐グルコシダーゼポリアデニル化シグナルおよび3′隣接シーケンスを含む。構成物c8,8αgluex2-20 は、構成物c8αgluex2とは、3′領域のみで異なる。エクソン20のSphI部位は、ウシαs1‐カゼイン3′シーケンスを、ヒト酸α‐ グルコシダーゼ構成物に融合するのに使用された。ポリアデニル化シグナルは、 3′αs1‐カゼインシーケンスに位置する(図2、パネルC)。

    ゲノム構成物の構成方法ヒト酸α‐グルコシダーゼ遺伝子を含む、3つの隣接するBgIII フラグメントを、ヘフスルート(Hoefsloot)ら、supra.により、分離した。これらのフラグメントを、pKUN8 ΔC、pKUN7ΔC 誘導体(あつらえられたポリリンカー:HindIII ClaI StuI SstI BglII PvnI NcoI EcoRI SphI Xh oI EcoRI

    * SmaI/SfiI NotI EcoRI

    *

    *は壊された部位)を有する)のBglII 部位でライゲートした(ligated)。このライゲーションは、プラスミドp7.3αgluBES 、p7.3αgluBSE、p8.5αgluBSE、p8.5αgluBES、p10αagluBSE および p10αglu BESを生じるフラグメントの2つの配向(orientation)をもたらした。発現カセットの末端での唯一のNotI部位が、ミクロ注入に使用されるフラグメントの分離に実質的に使用されるので、ヒト酸α‐グルコシダーゼのイントロン17の遺伝子内NotI部位は壊されなければならなかった。したがって、p10αgluBE Sは、ClaIおよびXhoIで消化され;3′α‐グルコシダーゼ末端を含むフラグメントが分離された。このフラグメントは、pKUN10ΔC のClaIおよびXhoI部位に挿入され、p10αglu ΔNVをもたらした。あらかじめ、pKUN10ΔC(すなわち、pKUN 8 ΔC の誘導体)が、NotIでpKUN8 ΔC を消化し、粘着性の末端をクレノー(Kle now)で満たし、次いで平滑末端ライゲーションによってプラスミドをアニール(a nnealing)することによって得られた。最後に、p10αglu ΔNVを、NotIで消化した。これらの粘着性末端をまたクレノーで満たし、フラグメントをライゲートし、プラスミド p10αglu ΔNotIを得た。

    c8

    αgluex1の構成 α‐グルコシダーゼ遺伝子の第1のエクソンのSstI部位は、ウシαs1‐カゼインシーケンスへの融合のために選ばれたので、p8.5αgluBSEは、BglII で消化され、次いでSstIで部分的消化された。エクソン1〜3を含むフラグメントが分離され、pKUN 8ΔC のBglII およびSstI部位へとライゲートされた。得られるプラスミドは、p 5′αgluex1と呼ばれる(図3、パネルAを見よ)。次の段階(図3、パネルB)は、p5′αgluex1への3′部分のライゲーションであった。まず、p10αglu ΔN をBglII およびBamHI で消化した。エクソン16 〜20を含むこのフラグメントを分離した。第2に、p5′αgluex1を、BglII で消化し、自己ライゲーションを防ぐために、ホスホリラーゼ(BAP)で処理して、粘着性のBglII 末端を脱ホスホリル化した。 BamHI 粘着性末端は、BglII 粘着性末端と相溶性である(適合する)ので、これらの末端を互いにライゲートする。得られたプラスミド、すなわちp5′3′αgluex1が選択された。このプラスミドは、最終の構成段階に利用できる唯一のBglII 部位を有する(図3、パネルB およびCを見よ)。 α‐グルコシダーゼ遺伝子の中間部分を、後の方の構造に挿入した。この段階のために、p7.3αgluBSEをBglII で消化し、8.5-kbフラグメントを分離し、BglI I 消化され、かつ脱ホスホリル化されたp5′3 ′αgluex1プラスミドにライゲートした。得られたプラスミドは、p αgluex1である(図3、パネルC)。ウシαs1‐カゼインプロモータシーケンスを、3つのフラグメントを含むライゲーションを経て、次の段階に組込んだ。 pWE15 コスミドベクターをNotIで消化し、脱ホスホリル化した。ウシαs1‐カゼインプロモータを、8 Rb NotI-ClaIフラグメントとして分離した(デ ボーア(de Boer)ら、1991年、supra を見よ)。ヒト酸α‐グルコシダーゼフラグメントを、同じ酵素を用いて、p αgluex1から分離した。これら3つのフラグメントをライゲートし、1046 E.coli ホスト細胞に、 Stratagene GigapackII キットを用いて一括した(packed)。得られたコスミドc8 αgluex1は、イー コリ(E.coli)株 DH5αで増殖させた。ミクロ注入の前に、 ベクターをNotIで線形にした(linearized)。

    c8

    αgluex2およびc8,8αgluex2-20 の構成他の2つの発現プラスミドの構成(図2、パネルBおよびC)を、c8αgluex1 の構成と同様の戦略に続けた。プラスミドp5′αgluStuI を、StuIを用いたプラスミドの消化によってp8,5αgluBSEから誘導した後、エクソン2〜3とベクターシーケンスを含む分離されたフラグメントの自己ライゲーションを行った。プラスミドp5′αgluStuI をPglII で消化した後、NcoIで線状フラグメントの部分消化を行い、いくつかのフラグメントを得た。エクソン2および3を含む2.4 kbフラグメントを分離し、ベクターpKUN12ΔC のNcoIおよびBglII 部位にライゲートして、p5′αgluex2を得た。 pKUN12ΔC は、ポリリンカー:ClaI BglII HindIII EcoRI SphI XhoI SmaI/SfiI NotI を含む pKUN8ΔCの誘導体であることに注意せよ。プラスミドp10 αglu ΔNotIをBglII およびHindIII で消化した。エクソン16〜20を含むフラグメントを分離し、BgIII およびHindIII で消化した5 ′αgluex2にライゲートした。得られたプラスミドはp5′3 ′αgl uex2であった。 p5′3 ′αgluex2における中間のフラグメントを、pαgluex1についてのようにして挿入した。このために、p7.3αglu をBglII で消化した。このフラグメントを分離し、BglII で消化しかつ脱ホスホリル化したp5′3 ′αgl uex2にライゲートした。得られたプラスミド、pαgluex2を、c8αgluex-20およびc8,8αgluex2-20 の構成に用いた(図2、パネルBおよびC)。第3の発現プラスミドc8,8αgluex2-20 の構成(図2、パネルC)のために、 α‐グルコシダーゼの3′隣接領域を欠失した。これを成し遂げるために、pαg luex2をSphIで消化した。エクソン2〜20を含むフラグメントを分離し、自己ライゲートして、pαgluex2-20 を得た。次に、ウシαs1‐カゼイン遺伝子の3′ 隣接領域を含むフラグメントを、SphIおよびNotIでの消化によって、p16,8αglu から分離した。このフラグメントを、ポリリンカーシーケンスのSphI部位およびNotI部位を用いて pαgluex2-20 に挿入して、pαgluex2-20-3 αs1を得た。 c8,8αgluex2-20 を生成する最終段階は、c8αgluex1に至る構成の最終段階におけるように3つのフラグメントのライゲーションであった。 pαgluex2-20-3 ′αs1および pαgluex2のClaI部位は、メチル化のために分裂できないと思われたので、プラスミドはE.coli DAM(-) 株ECO343で増殖させなければならなかった。その株から分離された pαgluex2-20-3 ′αs1 を、ClaIおよびNotIで消化した。エクソン2〜20と3′αs1−カゼイン隣接領域を含むフラグメントを、ベクターシーケンスから精製した。このフラグメント、 ウシαs1プロモータを含む8 kb NotI-ClaIフラグメント(デ ボーア(1991年) &(1993年)、supra を見よ)およびNotI消化し脱ホスホリル化したpWE15 をライゲートし、かつ一括した。得られたコスミドはc8,8αgluex2-20 である。コスミドc8αgluex2(図2、パネルB)を、異なる段階の組合せを経て構成した。まず、コスミドc8,8αgluex2-20 を、SalIおよびNotIで消化した。 αs1−プロモータおよび酸α‐グルコシダーゼ遺伝子のエクソン2〜6部分を含む10.5-k b フラグメントを分離した。第2に、プラスミド pαgluex2をSalIおよびNotIで消化して、酸α‐グルコシダーゼ遺伝子の3′部分を含むフラグメントを得た。最後に、コスミドベクターpWE15 を、NotIで消化し、かつ脱ホスホリル化した。これら3つのフラグメントをライゲートし、かつ一括した。得られたコスミドはc8αgluex2である。

    実施例2:トランスゲネシス cDNAおよびゲノム構成物を、NotIで線状にし、受精されたマウス卵母細胞の前核に注入し、これを次に、想像妊娠しているマウスの里親(母親)の子宮に移植した。クリップで止められた尾から分離したDNAのサウザン プロッティング(Southern blotting)によって、ヒトα‐グルコシダーゼcDNAまたはゲノムDNA遺伝子構成物の挿入について、その子孫を分析した。トランスジェニックマウスを選び、かつ繁殖させた。 NotIで線状にされたゲノム構成物をまた、受精させたウサギの卵母細胞の前核に注入し、これを次に、想像妊娠しているウサギの里親(母親)の子宮に移植した。サウザン ブロッティングによって、α‐グルコシダーゼDNAの挿入について、その子孫を分析した。トランスジェニックウサギを選び、かつ繁殖させた。

    実施例3:トランスジェニックマウスのミルク中の酸α‐グルコシダーゼの分析トランスジェニックマウスおよび非トランスジェニックの対照からのミルクを、ウエスタン ブロッティングによって分析した。プローブは、ヒト酸α‐グルコシダーゼに特異的な(すなわち、マウスの酵素に結合しない)マウス抗体であった。トランスジーン1672および1673は、ミルク中にヒト酸α‐グルコシダーゼの発現を示した(図4)。 100-110 KDおよび76 KD に、α‐グルコシダーゼについて予想される主なバンドおよび副次的バンドが観察された。非トランスジェニックマウスからのミルク中には、バンドは観察されなかた。ヒト酸α‐グルコシダーゼの活性を、トランスジェニックマウス系のミルク中において、人造の基質、4-メチルウンベリフェリル- α-D- グルコピラノシドを用いて測定した(ガリアード(Galiaard)、Genetic Metabolic Disease、Early Diagnosis and Prenatal Analysis、エルセビール/ノース ホランド(Elsevier/North Hollan d)、アムステルダム、pp.809-827(1980年)を見よ)。 cDNA構成物(図1) を含むマウスは、1時間当り、0.2〜2μモル/mlで変化した。ゲノム構成物(図2、パネルA)を含むマウス系は、1時間当り、10〜610 μモル/mlのレベルで発現した。これらの図は、180 μモル/mgの組換え酵素の見積られた比活性に基づいて、1.3〜11.3mg/l(cDNA構成物)および0.05〜3.3 g/ l(ゲノム構成物)の生成(ファン デル プレーグ(Van der Ploeg)ら、J.Ne urol.235:392-396頁(1988年))と同等である。組換え酸α‐グルコシダーゼを、コンA‐セファロース(ConA-Sepharose)(商標)およびセファデックス(Sephadex)(商標)G200にミルクを連続カラムクロマトグラフィーによって、トランスジェニックマウスのミルクから分離した。 7mlのミルクを、10mMリン酸ナトリウム、pH6.6および100 mM N aClからなるCon A 緩衝液3mlで、10mlに希釈した。次に、Con A 緩衝液中のCon A セファロースの1:1懸濁液を加え、このミルクを穏やかに振り動かしながら、4℃にて1晩置いた。次に、Con A セファロースのビーズを遠心分離によって集め、Con A 緩衝液で5回、100 mMの代わりに1MのNaClを含むCon A緩衝液で3回、100 mMの代わりに0.5 MのNaClを含むCon A 緩衝液で1回洗浄し、次いで、0.5 MのNaClおよび0.1 Mのメチル- α-D- マンノピラノシドを含むCon A 緩衝液でバッチ的に溶出した。溶出した試料中の酸α‐グルコシダーゼ活性を、人造の4-メチルウンベリフェリル- α-D- グルコピラノシド基質を用いて測定した( 上記を見よ)。酸α‐グルコシダーゼ活性をを有する画分を集め、濃縮し、かつ20mMの酢酸ナトリウム、pH4.5および25mMのNaClからなるセファデックス緩衝液に対して透析し、そしてセファデックス(商標)200カラムに供した。このカラムを同じ緩衝液を用いて操作し、画分を、酸α‐グルコシダーゼ活性および蛋白質含量についてアッセイした。酸α‐グルコシダーゼ活性が高く、他の蛋白質が事実上含まれない画分を集め、濃縮した。記載したような方法は、リューザー(Reuser)ら、Exp. Cell Res. 155:178-179頁(1984年)によって公開されたものと本質的に同じである。緩衝液系の厳密な組成およびpHおよび精製段階の数およびカラム物質の選択に留意して、この方法の幾つかの変形が可能である。ミルクから精製された酸α‐グルコシダーゼを次に、GSD II(外因性酸α ‐グルコシダーゼの欠乏)を有する患者からの、培養した線維芽細胞に酵素を投与することによりホスホリル化の試験をした。この試験において、マンノース6- ホスフェート含有蛋白質が、線維芽細胞の細胞表面にマンノース6-ホスフェートレセプタによって結合され、次いで内面化される(internalized)。結合は、遊離のマンノース6-ホスフェートによって阻害される(リューザー(R euser)ら、Exp.Cell Res.155:178-179頁(1984年))。トランスジェニックマウスのミルクから分離された酸α‐グルコシダーゼのホスホリル化の典型的な試験においては、酸α‐グルコシダーゼは、500 μlの培養培地(Ham F10、10% ウシ胎仔血清および3mMのパイプ(pipe)が補われている)中10

    4 〜10

    6の線維芽細胞に、十分な量で添加されて、20時間の期間中、1時間当たり1μモルの4- メチルウンベリフェリル- α-D- グルコピラノシドを代謝した。実験は、競争相手(competitor)として5mMのマンノース6-ホスフェートを用いてまたは用いないで、本質的にはリューザー(Reuser)らの、supra(1984年)に記載されたようにして、行った。これらの条件下では、患者の線維芽細胞の酸α‐グルコシダーゼは、健康な人からの線維芽細胞で測定されるレベルに戻った。マウスのミルクから分離された酸α‐グルコシダーゼによる、外因性酸α‐グルコシダーゼ活性の復帰は、ウシの精巣、ヒトの尿およびトランスフェクトされた(transfected) CHO細胞の培地から精製された酸α‐グルコシダーゼによる復帰と同様の効率であった。ミルクからのα‐グルコシダーゼによる復帰は、他の供給源からのα ‐グルコシダーゼについて観察されたように、5mMのマンノース6-ホスフェートによって阻害された。 (リユーザー(Reuser)ら、supra;ファン デル プレグ(Van der Ploeg)ら、(1988年)、supra;ファン デル プレグ(Van der Plo eg)ら、Ped.Res.24:90-94頁(1988年)。) ミルク中に生成されたα‐グルコシダーゼの確実性のさらなる証明として、マウスのミルク中に生成された組換えα‐グルコシダーゼのN-末端アミノ酸シーケンスは、AHPGRPで始まるところの、ヘフスルート(Hoefsloot)ら、EMBO J. 7:16 97-1704 頁(1988年)によって公開されたような、ヒトの尿からのα‐グルコシダーゼ前駆体のものと同じであることが示された。前述の本発明は、明瞭さおよび理解の目的のために詳細に述べられてきたが、 この開示を読んでから、本発明の真の範囲から離れることなく、形態および詳細に種々の変形がなされ得ることは当業者には明らかである。この明細書において引用したすべての公開物および特許書類は、参照することによって、その全部が、各公開物および特許書類が個々に示されたかのように同じ範囲に、すべての目的のために組み込まれる。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I L,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK, MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR ,TT,UA,UG,US,UZ,VN (72)発明者 リューザー,アーノルド,ジェイ. ,ジェ イ. オランダ国,3023 シーシー ロッテルダ ム,ヒームラードシンゲル 211エー(72)発明者 ファン デル プレグ,アンス,ティー オランダ国,3171 エヌビー プールトゥ ガール,メイドゥールン 27 (72)発明者 ピーペル,フランク,アール. オランダ国,3555,ブイエム ユトレヒ ト,シー ファン マースディークストラ ート 13 (72)発明者 フェルビート,マーティン,ピーエイチ. オランダ国,1092 ビーエム アムステル ダム,2イー オーステルパークストラー ト 239

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