【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、プレイヤが搬器に乗って移動しながらゲームを行うゲーム装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、プレイヤが搬器に乗って移動しながらゲームを行うゲーム装置、いわゆるライド型ゲーム装置が知られている。 このライド型ゲーム装置では、例えば赤外線を用いた銃模型によって標的を射撃するというような、プレイヤが標的に触れることのない非接触式のゲームが行われるのが一般的である。 【0003】また、従来、プレイヤがハンマーを使って標的を叩くことを内容とする、いわゆる叩き型のゲーム装置が知られている。 このゲーム装置では、プレイヤによって標的が正確に叩かれたときにプレイヤに得点が付与される。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上記従来のライド型ゲーム装置に関しては、プレイヤが標的に触れることなくゲームが進行するので、親しみ易いゲームを行うことができないという問題があった。 また、上記従来の叩き型ゲーム装置に関しては、叩く対象である標的が常に同じものに限られてしまうので、プレイヤが飽きてしまうという問題があった。 【0005】本発明は、上記の問題点に鑑みて成されたものであって、プレイヤにとって親しみ易いゲームを行うことができるライド型ゲーム装置を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】(1) 上記の目的を達成するため、本発明に係るゲーム装置は、プレイヤを乗せて移動経路に沿って移動する搬器と、その搬器の移動経路に配設された複数のゲームステージとを有するゲーム装置において、前記複数のゲームステージの少なくとも1つは、前記プレイヤが標的に接触することを入力行為とする接触型ゲームを行うことを特徴とする。 【0007】上記構成のゲーム装置によれば、ライド型ゲーム装置を用いることによりプレイヤに色々な種類のゲームを提供でき、しかもそれらのゲームの中には接触型ゲームが含まれるのでプレイヤにとって親しみ易いゲームを行うことができ、結局、プレイヤは親しみ易いライド型ゲームを行うことができる。 【0008】(2) 上記構成のゲーム装置において、 プレイヤが標的に接触するという行為は、例えば、標的を素手で叩いたり、標的をハンマー等といった叩き部材で叩いたり、標的としてのボタンを押したり、標的を撫でたりする等といった各種の行為である。 また、悪い標的を叩くことが正解の入力であると共に、良い標的を撫でることが正解の入力であるという行為も考えられる。 【0009】上記のような各種の行為のうち、プレイヤが標的を叩くという接触行為は搬器に乗ってゲームを行うプレイヤにとって、最も自然でゲームに参加し易い行為である。 【0010】(3) 上記構成のゲーム装置に関しては、前記複数のゲームステージにおけるゲーム結果を合計する演算手段を設けることができる。 この構成のゲーム装置によれば、複数の種類のゲームを行った後にそれらのゲーム結果の集計値を最終的なゲーム結果としてプレイヤに知らせることができ、よって、各ゲーム装置をただ単純にそれぞれ単独に行う場合に比べて、より一層楽しいゲームを行うことができる。 【0011】(4) 上記構成のゲーム装置に関しては、搬器の移動経路に分岐ポイントを設け、その分岐ポイントの上流位置に配置されたゲームステージにおけるゲーム結果に応じて、その分岐ポイントにおける搬器の進行方向を決定することができる。 このゲーム装置によれば、プレイヤのゲーム得点結果に応じて種類の異なったゲームを提供することができ、よって、プレイヤに能力に応じた多様なゲームを提供できる。 【0012】 【発明の実施の形態】図1は、本発明に係るゲーム装置の一実施形態を示している。 このゲーム装置は、プレイヤPが乗る搬器1と、その搬器1の移動経路を構成するレール2と、レール2の途中に設置された複数のゲームステージ3a,3b,3c,3dとを有する。 搬器1 は、プレイヤPを乗せることができる構造であれば、どのような構造であっても良い。 【0013】搬器1は、図示しない搬送制御装置の働きによって制御されて、スタートステージSからエンドステージEに至るレール2の上を、矢印Aのように図の正時計方向へ移動する。 この搬器1の移動経路に関して第1ゲームステージ3aの下流位置にレール2の分岐ポイント4が設けられ、その分岐ポイント4の下流側に分岐レール2a及び2bが施設される。 分岐レール2a及び2bは、それぞれ、ゲームステージ3b及び3cを通過するように施設され、それらのゲームステージ3b及び3cを通過した後にそれらの分岐レール2a及び2bが本線レール2に合流する。 【0014】各ゲームステージ3a,3b,3c,3d にはゲーム制御装置6a,6b,6c,6dがそれぞれ接続される。 また、各ゲーム制御装置6a〜6dはメイン制御装置7の入力ポートに接続される。 ゲーム制御装置6a〜6dはそれぞれが、例えばCPU( Central P rocessing Unit)及びメモリを備えたコンピュータによって構成され、個々のゲームステージ3a〜3dに固有のゲームプログラムがメモリ内に格納されている。 【0015】また、メイン制御装置7も、例えばCPU ( Central Processing Unit)及びメモリを備えたコンピュータによって構成され、各ゲームステージ3a〜3 dによって行われるゲームの結果を集計するための演算を実行するプログラムがメモリ内に格納されている。 ここにいう集計としては、例えばゲーム得点の加算、減算等が考えられる。 【0016】各ゲーム制御装置6a〜6dとメイン制御装置7との間の通信のための接続は、通信ケーブルを用いたLAN(Local Area Network)等によって行うこともできるし、赤外線通信を利用した無線通信によって行うこともできる。 【0017】各ゲーム制御装置6a〜6dは、それらの個々に属するメモリに格納されたゲームプログラムに従って、搬器1に乗って各ゲームステージ3a〜3dに到来するプレイヤPに対して異なった種類のゲームを提供する。 また、ゲーム制御装置6a〜6dは、それが属するゲームステージ3a〜3dにおいてプレイヤPが行ったゲームの結果、例えばゲーム得点を信号としてメイン制御装置7へ伝送する。 【0018】第1ゲームステージ3aの下流位置のレール2上に設けられた分岐ポイント4は、メイン制御装置7からの指令に従って搬器1の進行方向を分岐レール2 a又は分岐レール2bの間で切り替える。 この分岐ポイント4の具体的な構造は、搬器1の進行方向を切り替えることができる限りにおいて、任意の構造とすることができる。 【0019】プレイヤPを乗せて移動する搬器1の最終位置であるエンドステージEには、出力装置8が配設される。 この出力装置8は、例えばCRTディスプレイ等といった映像表示装置や、紙等の印材上に印字を行うプリンタ等によって構成される。 そして、この出力装置8 は有線又は無線の通信ラインによってメイン制御装置7 に接続され、このメイン制御装置7から伝送されるデータを映像やハードコピーの形で表示する。 【0020】個々のゲームステージ3a〜3d内で行われるゲームは、全て同じゲームとすることもできるが、 プレイヤPにより大きな楽しみを与えるためには、全てのゲームを異なる種類とすることが望ましい。 【0021】ところで、ゲームの種類としては非接触型のゲームと接触型のゲームとが考えられる。 非接触型のゲームというのは、例えば、赤外線発射装置を用いて標的を射撃するゲームのように、プレイヤが標的に触れることなくゲームが進行する方式のゲームである。 また、 接触型のゲームというのは、例えば、ハンマー等といった叩き部材を使って標的を叩いて得点を獲得するゲームのように、プレイヤが標的に直接又は間接に接触する方式のゲームである。 【0022】本実施形態のゲーム装置では、複数のゲームステージ3a〜3dのうちの少なくとも1つ、望ましくはより多くのゲームステージにおいて接触型のゲームを実行する。 【0023】例えば、第1ゲームステージ3aには、図2に示すような接触型のゲーム装置9を設置する。 このゲーム装置9は、鮫を模して形成された複数の標的11 と、それらの標的11を収納する筐体12とを含んで構成される。 複数の標的11はそれぞれ独自に筐体12の中に隠れる位置と、筐体12に設けた開口を通して外に出る位置との間で矢印Bのように往復移動できるようになっており、ゲーム制御装置6aの制御によって複数の標的11がランダム、すなわち無規則に筐体12から出たり又はそれに入ったりする。 【0024】標的11をそのように往復移動させるための機構は任意に構成できるが、例えばモータ等の回転運動を直線運動に変換するリンク機構や、モータ等の回転運動を直線運動に変換するラックを用いた機構等を利用することができる。 【0025】標的11の適所には振動を検知するセンサ、例えばマイクロスイッチ等といった機械式スイッチや、その他のセンサが設けられる。 レール2に沿って移動する搬器1に乗ったプレイヤPが手に持った叩き部材、例えばハンマー13を使って標的11を叩くと、そのときの振動がそのセンサによって検知され、それをもって標的11が叩かれたことが検知される。 【0026】ゲーム装置9に付属するゲーム制御装置6 aは、標的11がハンマー13によって叩かれるごとにその叩かれた回数を加算し、その加算結果をゲーム結果として図1のメイン制御装置7へ伝送する。 【0027】図1において、エンドステージEの上流位置に設置された第4ゲームステージ3dには、例えば図3に示すような接触型のゲーム装置14を設置する。 このゲーム装置14は、蜘蛛を模して形成された複数の標的16と、それらの標的16を支持する基台17とを含んで構成される。 基台17の表面には蜘蛛の巣の絵柄が描かれており、複数の標的16は基台17の表面を移動するようになっている。 【0028】標的16の動きは、単純な往復直線運動であっても良いが、ゲームの面白さを高めるためには、複数の標的16のそれぞれが異なった複雑な移動経路で基台17の上を移動するように設定することが望ましい。 標的16をそのように移動させるための機構は任意に構成できるが、例えば、基台17に適宜のパターンのレール又は溝を設け、標的16をそのレール等に沿って移動可能に支持し、そしてモータ等を駆動源として標的16 を移動させるといった駆動機構が考えられる。 【0029】個々の標的16の適所には振動を検知するセンサ、例えばマイクロスイッチ等といった機械式スイッチや、その他のセンサが設けられる。 レール2に沿って移動する搬器1に乗ったプレイヤPが手に持った叩き部材、例えばハンマー13を使って標的16を叩くと、 そのときの振動がそのセンサによって検知され、それをもって標的16が叩かれたことが検知される。 【0030】ゲーム装置14に付属するゲーム制御装置6dは、標的16がハンマー13によって叩かれるごとにその叩かれた回数を加算し、その加算結果をゲーム結果として図1のメイン制御装置7へ伝送する。 【0031】以下、上記構成より成るゲーム装置についてその動作を説明する。 図1において、プレイヤPがスタートステージSに待機する搬器1に乗る。 搬器1は、 プレイヤPを乗せてレール2に沿って矢印Aのように移動して、第1ゲームステージ3aへ到着する。 当該ゲームステージに到着したプレイヤPは、図2に示すようにハンマー13を使ってゲーム装置9に対してゲーム、すなわち接触型のゲームを行う。 このゲーム中、搬器1は停止していても良いし、通常の移動速度のままで移動しても用意し、あるいは通常の移動速度よりもゆっくりとした低速度で移動しても良い。 【0032】このときのゲーム結果、すなわち得点はゲーム制御装置6aによって図1のメイン制御装置7へ伝送され、そのメイン制御装置7に属するメモリ内に記憶される。 また、メイン制御装置7は、それに属するメモリ内に格納されたプログラムに従って、第1ゲームステージ3aに付属するゲーム制御装置6aから伝送されたゲーム結果に対応して、分岐ポイント4による搬器1の進行方向として分岐レール2a又は分岐レール2bのいずれか一方を選択する。 【0033】例えば、分岐レール2aに施設された第2 ゲームステージ3bを難易度の高いゲームによって構成し、もう一方の分岐レール2bに施設された第3ゲームステージ3cを難易度の低いゲームによって構成する。 そして、第1ゲームステージ3aにおけるゲーム結果が所定基準得点よりも高かった場合には、メイン制御装置7は分岐ポイント4によって分岐レール2aを選択して、プレイヤPを難易度の高い第2ゲームステージ3b へ導く。 一方、第1ゲームステージ3aにおけるゲーム結果が所定基準得点よりも低かった場合には、メイン制御装置7は分岐ポイント4によって分岐レール2bを選択して、プレイヤPを難易度の低い第3ゲームステージ3cへ導く。 【0034】以上により、プレイヤPは自らのゲーム能力に応じて適切なゲームを提供されることになる。 また、分岐ポイント4の制御の仕方によっては、前のステージで行ったゲームが不本意に悪い成績であったときにはその後のステージで難易度の低いゲームを行うことにより得点を挽回できるというような、変化に富んだゲーム形態を楽しむこともできる。 なお、第2ゲームステージ3b及び第3ゲームステージ3cは接触型ゲーム又は非接触型ゲームのいずれを行うものであっても良い。 【0035】第2ゲームステージ3b又は第3ゲームステージ3cにおけるゲームが終了すると、そのゲーム結果はゲーム制御装置6b又はゲーム制御装置6cによってメイン制御装置7へ伝送され、内部のメモリ内に記憶される。 また、ゲーム終了後、搬器1は本線レール2へ入って第4ゲームステージ3dへ導かれる。 【0036】第4ゲームステージ3dに到着したプレイヤPは、図3に示すようにハンマー13を使ってゲーム装置14に対してゲーム、すなわち接触型のゲームを行う。 このゲーム中、搬器1は停止していても良いし、通常の移動速度のままで移動しても用意し、あるいは通常の移動速度よりもゆっくりとした低速度で移動しても良い。 このときのゲーム結果、すなわち得点はゲーム制御装置6dによって図1のメイン制御装置7へ伝送され、 そのメイン制御装置7に属するメモリ内に記憶される。 【0037】以上のようにして、全てのゲームステージにおけるゲームが終了すると、図1のメイン制御装置7 は各ゲームステージにおけるゲーム結果を集計、例えば加算して、全体の集計値を演算し、その演算結果を出力装置8に映像として又はハードコピーとして出力する。 搬器1に乗ってエンドステージEまで戻ってきたプレイヤPは、出力装置8に表示されたゲーム結果の集計値を確認して、複数の種類のゲームの総合的なゲーム結果を確認する。 【0038】以上のように、本実施形態のゲーム装置では、搬器1を使ったライド型ゲームを行うことによりプレイヤPに色々な種類のゲームを提供でき、しかもそれらのゲームの中に接触型のゲーム装置を含めたことにより、非接触型のゲームでは達成できない親しみ易いゲームをプレイヤPに提供することができる。 つまり、本実施形態によれば、プレイヤPは親しみ易いライド型ゲームを行うことができる。 【0039】(その他の実施形態)以上、好ましい実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施形態に限定されるものでなく、請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々に改変できる。 【0040】例えば、図1の実施形態では、レール2に分岐ポイント4を設けたが、本発明は搬器1が分岐ポイント4を持たない1本の経路を移動する場合も含むものである。 また、図1ではレール2の上に1個の搬器が配設される場合を例示したが、レール2の上には複数の搬器を設けることもできる。 【0041】また、図1では、各ゲームステージ3a〜 3dで行われたゲームの結果をメイン制御装置7bによって集計、例えば加算したが、本発明はそのような集計のための演算を行わないゲーム形態も含むものである。 また、接触型のゲームとしては、ハンマーを用いた叩きゲームに限られず、プレイヤが素手によって標的に触れるようなゲーム等も採用できる。 【0042】 【発明の効果】本発明に係るゲーム装置によれば、搬器を用いたライド型ゲームを行うことによりプレイヤに色々な種類のゲームを提供でき、しかも複数のゲームステージの中には接触型のゲームが含まれるのでプレイヤにとって親しみ易いゲームを行うことができ、結局、プレイヤに親しみ易いライド型ゲームを提供できる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係るゲーム装置の一実施形態を示す平面図である。 【図2】図1のゲーム装置に含まれるゲームステージの1つである接触型ゲームの一例を示す正面図である。 【図3】図1のゲーム装置に含まれるゲームステージの他の1つである接触型ゲームの他の一例を示す正面図である。 【符号の説明】 1 搬器 2 レール(移動経路) 2a,2b 分岐レール 3a〜3d ゲームステージ 4 分岐ポイント 9 接触型ゲーム装置 11 標的 14 接触型ゲーム装置 16 標的 17 基台 |