【発明の詳細な説明】 【0001】 本発明は、娯楽目的の乗物ビジネス施設に配置され、個々の乗客を横たえて収容する乗客キャリアに関する。 この乗客キャリアは、下部の架台と、この架台の前部で乗客の頭部に近い領域に揺動可能に連結された上部の蓋とからなり、上記架台と蓋は、閉じた状態で概ね互いに平行で、開いた状態で互いに角度をなして配置される。 【0002】 この種の乗客キャリアは、国際特許出願第WO 98/25678号で知られている。 この乗客キャリアは、乗客をうつ伏せ姿勢で収容して回転座席に連結されており、 この回転座席は、8の字状のレールを走行し、乗客は、運転中に回転座席の下に吊るされた状態で上記レールの経路を辿って運ばれる。 蓋は、回転座席に剛に固定され、架台は、乗客を乗り降りさせるべく、蓋の前部に設けられた旋回軸の周りに下方へ開くようになっている。 架台は、走行の始めに乗客と一緒に地表の傾斜面から持ち上げられ、架台が蓋と概ね平行になる最終位置に達するや否や、蓋によって閉鎖される。 【0003】 上記乗客キャリアの2つの主構成部材の相対配置は、開閉のための両主構成部材の操作運動学と同じく満足すべきものではない。 この操作運動学は、乗客の全体重を乗客の端部にある旋回軸の周りに常に上昇あるいは下降させる。 これに対応して、閉鎖機構に加わる力も大きい。 乗客は、この状況を知っているので、自身の安全が心配になって、娯楽的走行を限られた範囲でしか楽しむことができない。 これには、蓋に対する架台の固定された相対位置が、乗客の体格に適合しないということも一役かっている。 【0004】 本発明は、従来の乗客キャリアの安全性の客観的あるいは少なくとも主観的欠如という問題に対処しようとするものである。 本発明の特徴は、架台が、乗客キャリアの乗物ビジネス施設への取り付けに関して固定式の支持軸の周りに揺動でき、この支持軸が、人が乗った閉状態の乗客キャリアの重心を通る鉛直線上で架台と蓋の間の領域に蓋の揺動軸と平行に延在し、支持軸に対して固定式でこの支持軸の後方かつ蓋の上方に位置する取付金具にヒンジ連結された引張・圧縮機構が、架台と蓋の間の揺動軸領域で架台または蓋にヒンジ連結され、ハンドルバーの一端と他端が、夫々蓋の後部端と取付金具にヒンジ連結されていることにある。 【0005】 こうして、開位置と閉位置の間での蓋の運動も発生し、このことが、乗客の体重を乗客の重心領域で受容する後方の軸の周りに架台が旋回することを可能にし、上記後方の軸は、乗客キャリアの乗物ビジネス施設への取り付けに関して固定式であるので、乗客に強い主観的な安全感を与える。 さらに、この乗客キャリアが閉じられる際、乗客は、自分の重心の近傍で自分の身体の下方に配置された支持軸の周りの揺動を不快で負担のかかるものとは感じない。 加えて、上記走行開始前の閉鎖過程および走行の完全な終了後の解放過程は、引張・圧縮機構の助けによって大きな開閉力を要さずに行なわれる。 その際、蓋がある程度揺動するように吊るされていて、架台と蓋が互いに角度をなす開位置に迅速に達するので、 解放および閉鎖過程は、比較的小さい相対運動でもって行なわれる。 【0006】 上記引張・圧縮機構は、流体圧駆動のピストン/シリンダユニットであるのが好ましく、縦方向に相対移動しうる部材の間に形状ロック式の安全ロック機構が設けられている。 このような補強は、乗客キャリアの架台と蓋が閉鎖状態にあるとき、乗客の主観的安全感を満足させる。 主観的安全感を高めるため、蓋と架台の閉じられた相対位置が、個々の乗客の体格、特に身体の大きさに適合しうるように、上記安全ロック機構には、引張・圧縮機構の長手軸に沿って複数の噛合点が設けられている。 【0007】 実際の安全性と主観的印象のために、架台の前部域の両側に肩支持部材を設け、架台の後部域に乗客の両脚の間に突出する下半身支持部材を設けるのが、更に有利である。 【0008】 以下、本発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。 図1において全体を参照番号1で示す乗客キャリアは、2人乗り用に作られ( 図4参照)、鉛直な角パイプ部材2を介して、水平に延在する角パイプ3に固定されている。 後者は、乗物ビジネス施設の例示的要素と解されるべきで、例えば回転乗物ビジネス施設の鉛直中心軸から間隔を隔てて接線方向に設けられ、複数の2人乗り乗客キャリア1とそれらの取付金具(角パイプ2,3)をもつ構造が、 上記鉛直中心軸の周りに旋回する。 上記取付金具は、角パイプ3の軸4の周りの宙返りまでの旋回や揺動を実行することが可能である。 【0009】 乗客キャリア1は、大略、架台5と蓋6からなり、両者はピボット7によって互いにヒンジ連結される。 架台5は、後に詳述するように、支持軸8の周りに揺動可能に角パイプ2に支承されている(図6)。 ピボット7を越えて延び出す架台5に属する両バー10(図5,6)の少なくとも一方に、ロッド11の形態をなす引張・圧縮機構が、部材12によって揺動可能に取り付けられている。 ロッド1 1は、角パイプ3に固定された取付金具14に(部材15を介して)揺動可能に取り付けられた流体圧駆動のピストン/シリンダユニット13と協働する。 かくて、上記ロッド11は、図1〜3に具体的に示すように、取付金具14に対して種々の相対位置をとり、このことは、ピボット7の相対位置の変化、したがって架台5の支持軸8に対する揺動位置の変化と、蓋6の架台5に対する相対位置の変化とを意味する。 遠隔操作の安全ロック機構16は、例えば種々の噛合点の助けにより、ピストン/シリンダユニット13したがって取付金具14に対するロッド11の相対位置を確保する。 【0010】 蓋6のピボット7と反対側の(後部)端部は、部材17を介してハンドルバー1 8に揺動可能に取り付けられ、ハンドルバー18の他端は、部材19を介して取付金具14に支承されている。 ピストン/シリンダユニット13が、ロッド11 を最も没入した位置まで動かせると(図3)、ピボット7を介して蓋6の前端が持ち上げられるのみならず、ヒンジ17が破線で示した軌跡20を辿って動くので、蓋6の後端も持ち上げられる。 その際、架台5が支持軸8の回りに同時に揺動するので、乗客キャリア1は、図1〜3に一点鎖線Pで示した乗客が乗り降りできるように解放される。 【0011】 架台5は、2つの箱状の縦桁21を有し、これらの縦桁は、後部域において横方向に延びるパイプ29および板および/または横型材によって連結され、パイプ29は、乗客の乗り降りの際に足場および梯子段としての役割を果たす。 両縦桁21は、前部域において屈曲した夫々のバー10に連なり、両バーの間に運転状態下で乗客の頭部が入る一方、乗客の肩は、バー10に固定されたクッション22(図4)に当接する。 乗客の上半身および大腿部のために、クッション24を有する槽部23(図6)が設けられ、この槽部は、折り曲げた腕用のシェル25内の乗客の肩高さで終わっている。 シェル25の(前部の)自由端の中央には、乗客が握りしめることができるグリップが設けられている。 乗客の両脚の間には、槽部23に成形された突起27が突出し、この突起は、乗客キャリアの下部構造に斜めに起立するように固定された型材28によって補強されている。 【0012】 蓋6も、同様に縦桁30からなり、この縦桁は、図7に示すように、中央から幾分離れた緩い屈曲を有する。 その他の点では、縦桁は、横方向型材31と板3 2によって互いに連結されている。 縦桁の下面には、クッション33を備え、かつ縦桁に対応した幅のU字状断面の型材34が固定されている(図8)。 【図面の簡単な説明】 【図1】 運転状態にある乗客キャリアの実施形態の側面図である。 【図2】 太った乗客における図1に対応する図である。 【図3】 乗客が乗り降りする開状態における乗客キャリアの同様の側面図である。 【図4】 蓋のない2人乗り乗客キャリアの正面図である。 【図5】 図4の架台の側面図である。 【図6】 図5のVI-VI線に沿う断面図である。 【図7】 図4〜6の乗客キャリアに属する蓋の側面図である。 【図8】 図7のVIII-VIII線に沿う断面図である。 ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ディーター・シェルハンマー ドイツ連邦共和国デー−28357ブレーメン、 アム・レーエスター・ダイヒ108番 |