【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、広くはゴルフクラブシャフトに関し、より詳しくは使用特性が改善されたゴルフクラブシャフトに関する。 【0002】 【従来の技術】ゴルフクラブシャフトは、一般に、木材、金属、あるいは複合材料など各種の異なる材料でつくられる場合があるが、ゴルフクラブのヘッドに向けてテーパが付けられ、小径の先端部はゴルフクラブのヘッドに接続され、大径の上部はプレーヤーがシャフトを握るグリップあるいは太端部となっている。 ゴルフクラブシャフトは、たわみ点や硬さなどシャフトの使用特性をきめるいくつかの物理的特性を有する。 ゴルフクラブシャフトのたわみ点は、シャフトをたわませたときの偏向が最大となる点である。 これは、シャフトの両端を掴んで両端とも動かないようにしてからシャフトをたわめることによって決定する。 シャフトの最大偏向が生じる部位は、たわみ点あるいはキックポイント(反発点)と呼ばれる。 たわみ点の部位は、ゴルフボールをゴルフクラブで打ったときのボールの軌道ならびにゴルフボールの速度を決定する。 通常、初歩のプレーヤーは、高い軌道が出ることをのぞむため、キックポイントの低いゴルフクラブを欲する。 プロは、作為的に高い軌道をつくらずともゴルフボールを飛ばす十分な力と技術をもっているため、低い軌道と高いたわみ点をもつゴルフクラブを欲する。 たわみ点は、シャフトの構造および材料によってきまる。 例えば、直径が一定のシャフトは、中間点がたわみ点となるが、テーパの付いたシャフトは、シャフトの小径の端部よりにたわみ点がくる。 シャフトの材料を変えるとたわみ点も変化する場合がある。 【0003】シャフトの硬さも、シャフトの使用特性に関係する。 シャフトの硬さは、シャフトの直径、シャフトがつくられる材料、さらに影響は少ないが壁厚によってきまる。 例えば、直径が一定のシャフトは硬さも一定であるが、テーパが付けられたシャフトではシャフトの異なる部分は異なる硬さを示す。 通常、約100mph の速度でゴルフクラブを振るプロゴルファーは、たわみ易いシャフトではシャフトがしなり過ぎるため、比較的硬いシャフトを必要とする。 ビギナーのゴルファーは、 プロゴルファーほど大きい速度でゴルフクラブを振ることができないため、よりたわみ易いシャフトを必要とする。 通常のゴルフクラブシャフトは、上部グリップあるいは太端部から下部先端部まで一定のテーパが付けられている。 したがって、シャフトの直径は、常に増加しながら、シャフトの上部グリップで最大となる。 この従来のテーパが一定のゴルフシャフトは製造が容易である。 しかし、このようにテーパが一定であると、シャフトの先端部は、直径が小さくなり、したがってグリップエンドのような厚い上方部分より安定性に劣りたわみ性が大きくなる。 安定性に劣る先端部は、ゴルフクラブ全体の使用特性に影響する多くの欠点をもつ。 第一に、先端部のたわみ性が大きいため、剛性が小さく、シャフトの先端部は、負荷が加えられると捩れたり曲がったりし易くなる。 とくに、ゴルフクラブを振ったとき、重いクラブヘッドに作用するトルク力がシャフトの先端部を捩じろうとし、クラブヘッドが正しい状態でなくなり、ある角度でゴルフボールを打ち、その結果ショットが不正確になる。 第二に、ゴルフクラブヘッドがゴルフボールを打つと、ゴルフボールによってゴルフクラブのヘッドにある力が加わり、その力がシャフトの先端部を曲げてクラブヘッドの正しい状態を失わせようとする。 第三に、たわみ性の大きいシャフトは、ゴルフクラブのヘッドの重さを支えることができず、ヘッドが垂れ下がるようになり、そのためにシャフトが曲がってしまう。 捩れおよび曲がりによって、クラブヘッドのフェースは、ゴルフボールをある角度で打つことになり、その結果ショットが不正確になる。 したがって、従来のテーパが一定のシャフトでは、先端部の剛性が十分でなく、捩れおよび曲げを防ぎきれない場合ある。 このような従来のクラブは、 満足な使用特性を示すことができない。 【0004】ゴルフクラブの使用特性を改善するため、 従来のゴルフクラブシャフトの中には、先端部の側壁を強化する試みとしてシャフトの先端部に各種の複合材料を使用したものもある。 しかし、これらの複合材料は、 きわめて高価であるなどの理由で使用が困難である。 さらに、先端部の直径が小さくしたがってシャフトの先端部に付加することのできる複合材料の量がきわめて少ないため、この種の複合材料によって得られるメリットは限られている。 したがって、付加的に複合材料を使用することでゴルフクラブの使用特性を有意に改善することはできない。 また、従来のシャフトには、シャフト全体の直径を大きくするかあるいは直径またはテーパが変化するシャフトを用いることでゴルフクラブの使用特性やシャフト先端部の安定性を改善しようとしたものもある。 直径を大きくしたシャフトでは、先端部はたしかにより硬くより安定したものになるが、グリップ部の直径も大きくなって大多数のゴルファーにとって大き過ぎるものとなってしまう。 さらに、直径の大きいシャフトでは、重量も硬さも大きくなり過ぎて、大多数のゴルファーにとってフィーリングが悪いものとなってしまう。 またさらに、従来のシャフトの中には、テーパが一定でないようにしてゴルフクラブの使用特性を改善したものもあるが、このようにテーパが一定でないシャフトは、高価でありまた製造がより困難である。 また、テーパが一定でないシャフトも重すぎる場合が多い。 【0005】ゴルフクラブのヘッドの安定性は、ゴルフクラブの使用特性にとって決定的に重要であり、また、 それは、シャフトの特性によって大きく影響される。 シャフトの下方先端部と上方グリップ部の間の関係を変化させることでは、過去において十分な成功が得られなかった。 下方先端部を安定させて先端部の強度を改善しようとすると、ゴルファーによいフィーリングをあたえるためには上方グリップエンドも変えることが必要となる。 しかもこの組み合わせをうまく行なうことは困難である。 従来のゴルフクラブシャフトで、安定した先端部とゴルファーによりフィーリングをあたえるグリップ部をともに実現し得たものはない。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】したがって、公知のゴルフクラブシャフトのこれらの問題および他の問題を解決したゴルフクラブシャフトが求められており、本発明の目的は、そのようなゴルフクラブシャフトを提供することである。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は、下方部分の安定性、上方部分のフィーリングおよびたわみ性において従来のクラブよりすぐれ、したがって使用特性が改善され、より正確なショットが可能となるゴルフクラブシャフトを提供する。 安定した下方部分とたわみ性の大きい上方部分という組み合わせは、シャフトの下方部分と上方部分で交番する形態を用いることによって達成することができる。 本発明にもとづいてゴルフクラブシャフトの安定性および使用特性を改善することによって、ゴルフで、フックやスライスの少ないより正確なショットをすることができ、またより飛距離の長いショットをすることができる。 本発明は、また、シャフトの先端部がまっすぐで飛距離の長いショットをするためにのぞましい安定性をもち、また上方部分にはよりたわみ性があってのぞましいたわみ点を得ることができ、さらにさまざまなゴルファーに対応して必要に応じてシャフトのグリップエンドの硬さを変えることのできるゴルフクラブシャフトを提供する。 【0008】本発明の一側面にもとづけば、上方部分および下方部分を有するゴルフクラブシャフトが提供される。 上方部分は、ゴルファーが握るように形成されるグリップ部分を含み、また、該上方部分は、あらかじめ定められた硬さを示すように形成される。 下方部分は、クラブヘッドを受けるように形成される先端部を含み、上方部分に接続される。 下方部分は、シャフトの下三分の一を占め、該下方部分の硬さが上方部分のあらかじめ定められた硬さより大きくなる形状を有するものとすることができる。 本発明の他の一側面にもとづけば、上端部、ならびに第一の直径値をもつシャフトの先端部から第二の直径値をもつ下方シャフト部分まで漸増する直径をもつ下方シャフト部分を有するゴルフクラブシャフトが提供される。 シャフトは、また、シャフトの太端部から下方部分へ向かってのびる上方シャフト部分を有し、 該上方部分は、第四の直径値を有するシャフトの太端部に至るまで第三の直径を有するものとすることができる。 また、下方部分を上方部分へ接続する逆テーパをもつ移行部分も含まれる。 下方部分の単位長さ当たりのテーパは、上方部分の単位長さ当たりのテーパより大きく、したがって、下方部分の硬さの増加率は、上方部分の硬さの増加率より大きい。 【0009】 【発明の実施の形態】本発明は、とくにゴルフクラブシャフトに適用することができ、とくに、テーパおよび直径の異なる部分を有する複合ゴルフクラブシャフトに適用することができる。 以下、このような場合に関連して本発明を説明する。 しかし、本発明にもとづくシャフトの有用性がこのような場合に限定されないことは理解されよう。 図1は、本発明にもとづくシャフト12を有するゴルフクラブ10を示す側面図である。 シャフト12 は、好ましくは複合材料でつくられるが、スチール製とすることもできる。 ゴルフクラブ10は、また、クラブヘッド14およびグリップ16を有する。 クラブヘッド14は、シャフトの先端部分18に取り付けられる。 先端部分は、以下でより詳細に説明するこぶ部分22を有する下方部分20に接続される。 下方部分20自身は、 シャフトの上方グリップまたは太端部26に接続されたグリップ16を有する上方部分24に接続される。 この例で示すように、シャフトの先端部分は、ゴルフクラブヘッド14のホーゼル27の中に受けられる十分な長さを有するものとすることができる。 例えば、先端部分は長さ約1.5インチ(38.1mm)、下方部分は長さ約10.5インチ(266.7mm) とすることができる。 以下でより詳細に説明するように、下方部分の長さとこぶ部分の位置は、シャフトののぞむ硬さとシャフトのたわみ点ののぞむ位置に応じて変えることができる。 通常、下方部分とこぶ部分は、以下でより詳細に説明するようにシャフトの下方部分の硬さを高め、シャフトが捩れる傾向を少なくし、クラブヘッドの制御性を高め、したがってショットをより正確なものにする。 さらに、こぶ部分は、以下に示すように直径が減少する逆テーパ部分あるいは移行部分を有するため、上方部分24の直径およびテーパは、従来のシャフトとほぼ同様なものとすることができる。 上方部分は、従来のシャフトと同じ直径およびテーパを有するものとし、上方部分が従来のシャフトと同じ程度の硬さを示し、シャフトのたわみ点がシャフトのより低いところにくるようにすることがのぞましい。 移行領域が長いと、たわみ点はシャフトのより高いところにくるため、のぞましくない。 以下では、下方部分の構造、とくにこぶ部分の構造を説明する。 【0010】図2および3は、シャフト12の側面図で、本発明の一実施形態の好ましい寸法を示してある。 シャフトの先端部分18は、ゴルフクラブのヘッド14 のホーゼル27を受けるために例えば長さ約1.5インチ(38.1mm)で、直径は約0.380インチ(9. 7mm)で一定である。 シャフトの下方部分20は、第一のテーパの付いた部分30を有し、この第一の部分の直径は、好ましくは先端部分との接続部の直径の約0.3 80インチ(9.7mm)から上端31の直径の好ましくは約0.500インチ(12.7mm)まで漸増する。 先端部分は、長さ0.0476インチ(1.2mm)の第一の移行領域によって第一のテーパの付けられた部分に接続される。 この第一の移行領域では、比較的小さい区域の中で、先端部分の一定の直径が第一のテーパの付いた部分の増大する直径となる。 【0011】第一のテーパの付いた部分の上端31は、 例えば0.0476インチ(1.2mm)の短い長さで第二のテーパの付いた部分32に接続されており、この第二のテーパの付いた部分は、逆向きのテーパであり、直径が、第一のテーパの付いた部分の上端の約0部分は第一のテーパの付いた部分の上端31の直径約0.500 インチ(12.7mm)から第二のテーパの付いた部分の上端33の直径約0.401インチ(10.2mm)まで漸減する。 第二の部分の上端33では、第二のテーパの付いた部分の漸減する直径が、0.0476(1.2m m)インチの長さの区域で上方部分の24の漸増する直径へと変化する。 第二のテーパの付いた部分は、次に上方部分24に接続され、該上方部分では、直径が、第一のテーパの付いた部分の上端33での約0.401インチ(10.2mm)からシャフトの先端から10.5インチ(266.7mm)の点での約0.4072インチ(1 0.3mm)まで漸増する。 シャフトの太端部26の直径は、約0.600インチ(15.2mm)とすることができる。 【0012】図示のように、直径が漸減する第二のテーパの付いた部分の長さは、第一のテーパの付いた部分の長さおよび上方部分の長さと比較して短い。 この第二のテーパの付いた部分では、直径の大きい先端部分とよりテーパの緩やかな上方部分の間の移行が急激に行なわれる。 この移行は、できるだけ短くし、それがシャフトの使用特性に悪影響をあたえないようにする。 例えば、この第二のテーパの付いた部分の長さおお大きくすると、 直径が大きくて硬いシャフトの部分が長くなり、そのためにたわみ点が許容できない位置へ移動することになる。 図示のように、この例では、先端部分の長さを1. 5インチ(38.1mm)、第一のテーパの付いた部分の長さを6.875インチ(174.6mm)、第二のテーパの付いた部分の長さを1インチ(25.4mm)、上方部分の長さを29.125インチ(739.8mm)とすることができる。 シャフトの各部分の長さおよび直径は、ゴルフクラブシャフトの特定の特性に応じて変えることができる。 さらに、これらの部分およびシャフトの長さは、9番アイアンよりは3番アイアンのほうが長くなるであろう。 とくに、ゴルファーのスイングの速度が増大するにしたがって、シャフトのたわみ点の位置はシャフトの上方にきて、空中を通るゴルフボールの軌道が低くなるようにしなければならない。 【0013】シャフトの下方部分でのテーパの率が大きくなるようにする本発明の効果は、先端部でより大きい硬さと安定性が得られ、しかもたわみ点の調節が可能なことである。 シャフトの上方部分が従来のシャフトよりたわみ性が高いため、たわみ点の調節は容易に行なうことができる。 たわみ点を調節するためには、こぶ部分の位置を移動させればよい。 例えば、男性用シャフトでは、こぶ部分は、シャフトの先端部から約8.5インチ(215.9mm)のところに配置すればよい。 シニア用シャフトでは、こぶ部分は、先端部から約7.5インチ(190.5mm)のところに配置してたわみ点を下方へ移動させ、ゴルフボールのロフトによる打ち上げの高さを大きくすればよい。 女性用シャフトでは、こぶ部分は、先端部から6.5インチ(165.1mm)のところに配置してたわみ点をさらに下方へ移動させ、ゴルフボールのロフトによる打ち上げの高さをさらに大きくすればよい。 【0014】下方部分20は、テーパが急激なため、直径が大きくしたがってより硬くなる。 このように硬い下方部分では、シャフトの捩れや曲げが小さくなる傾向があり、したがって以下に説明するようにクラブヘッドがゴルフボールを正しく打ってショットがより正確になる。 ただし、さらに、短い第二のテーパの付いた部分によって直径およびテーパが従来のシャフトとほぼ同じの上方部分24が用意される。 このため、上方部分は、従来のシャフトと同様なたわみ性を示し、ゴルファーは、 快適なシャフトのフィーリングを得ることができる。 すでに述べたように、たわみ性のある上方部分のために、 また、たわみ点をシャフトののぞむ位置に配置することができる。 要するに、本発明にもとづくシャフトは、硬さの大きい下方部分のためにすぐれた使用特性が得られ、よりたわみ性のある上方部分のためにのぞむたわみ点と硬さが得られる。 【0015】本発明のシャフトは、マンドレルを用い、 のぞむ直径が得られるまで複数の帯状のカーボンファイバーなどの複合材料をマンドレルの重ねて上にのせることで製造することができる。 シャフトの直径の大きい部分では、複合材料の帯の数が多くなる。 また、シャフトをさらに強くしたい場合には、帯の中の繊維が互いに4 5度と90度を示すように帯をマンドレルの上にのせるようにすればよい。 繊維をこの角度に配向することによってシャフトの強さが高められる。 すべての帯をマンドレルの上にのせたら、マンドレルおよびシャフト全体をオートクレーブの中で加熱して固めて、複合材料を硬化させる。 次に、固めたシャフトを研磨またはサンド掛けしてシャフトを仕上げる。 図1−3に示すシャフトは、 本発明の好ましい一実施形態であるが、本発明は、特定の部分を特定の直径または特定の長さに限定するものではない。 下方部分の直径の増加率すなわちテーパと上方部分の直径の増加率すなわちテーパとの関係は、下の式であらわされる。 【0016】 (D2−D1)/(D4−D3)≧2 (1) ただし、D1は、こぶ部分22のある距離l1 下方での下方部分20の直径、D2は、下方部分の上端31での下方部分の直径、D3は、第二のテーパの付いた部分3 2の下端33での上方部分24の直径、D4は、上方部分の下端33の距離l2 上方での上方部分24の直径である。 この関係は、距離l1 が距離l2 に等しい場合に成り立つ。 図3には、直径D1、D2、D3、およびD 4を測定する位置の例を示す。 したがって、図2および3のシャフトでは、(D1−D2)が0.0155であり、(D4−D3)が0.0062であり、これら二つの数の比が約2.5であるから、上の関係は成り立つ。 この比が2より大きいかまたは2に等しいシャフトは、 本発明の範囲に含まれる。 次に、ゴルフクラブシャフトの性能および特性を説明する。 【0017】図4は、従来の各種ゴルフクラブシャフトA−Eおよびそれらに対応する本発明にもとづくゴルフクラブのシャフトIの長さによる硬さの変化を示すグラフである。 直径と硬さの対応を明らかにするために、本発明にもとづくシャフトのプロファイルをグラフの下に示してある。 図示のように、本発明にもとづくゴルフクラブシャフトの硬さは、直径がD1の先端部から6インチ(150mm)から直径がD2の先端部から約8インチ(200mm)までの第一のテーパの付いた領域内では、 従来のシャフトより約2倍硬い。 次に、シャフトの直径が減少する第二のテーパの付いた部分32では、シャフトIの硬さは急速に減少して従来のシャフトとほぼ等しくなる。 上に述べたように、シャフトの短い第二のテーパの付いた部分は、シャフトの硬さを急激に減少させて低いたわみ点が得られるようにする。 例えば直径D3およびD4があるシャフトの上方部分24では、シャフトの硬さは、従来のシャフトと同じかわずかに小さい。 グリップエンドでは、このシャフトの硬さは、従来のシャフトの半分程度にすることができる。 上方部分のたわみ性が大きいほど、ゴルファーにとってのフィーリングはよくなり、またシャフトのたわみ点をシャフトの適当な位置に配置することが可能になる。 【0018】本発明にもとづくシャフトによって改善された使用特性および制御性を明らかにするために、多くのゴルファーに本発明にもとづくシャフトを用いたゴルフクラブを含めて数種類の異なるゴルフクラブでゴルフボールを打ってもらうテストを行なった。 ゴルファーたちには、最初に従来のゴルフクラブで数個のゴルフボールを打ってもらい、そのショットの正確さを測定した。 次に、同じゴルファーたちに本発明にもとづくゴルフクラブでやはり数個のゴルフボールを打ってもらい、同様にそのショットの正確さを測定した。 図5および6は、 それぞれ、従来のシャフトを用いたゴルフクラブによるショットの正確さと本発明にもとづくシャフトを用いたゴルフクラブによるショットの正確さを示す。 従来のシャフトでは、約5%のスライス・ショット、9%のフェード・ショット、および22%のプッシュ・ショットが出た。 さらに、従来のシャフトでは、約12%のドロー・ショットと約32%のプル・ショットが出た。 これらを合わせると、全体でショットの80%はまっすぐでなく、ショットのわずかに20%だけがまっすぐで正確なショットであった。 これに対して、本発明にもとづくシャフトでは、約45%がまっすぐなショットで、不正確なショットは約55%にとどまった。 このシャフトによるショットの正確さの劇的な増大は、のぞまないシャフトの捩れを防ぐシャフトの硬い先端部分によるものである。 【0019】以上、本発明を特定の実施形態によって説明したが、本発明の原理および精神から逸脱することなくこの実施形態に変更を加えることができることは当業者には明らかであろう。 本発明の範囲は、あくまで特許請求の範囲によって画定されるものである。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明にもとづくゴルフクラブシャフトを用いたゴルフクラブの側面図である。 【図2】図1のゴルフクラブシャフトの側面図である。 【図3】図2のシャフトの下方部分の拡大側面図である。 【図4】各種の従来のシャフトと本発明にもとづくゴルフクラブシャフトの硬さを異なる部位で比較した結果を示すグラフである。 【図5】従来のゴルフクラブシャフトによるショットの内容を示すグラフである。 【図6】本発明にもとづくゴルフクラブシャフトによるショットの内容を示すグラフである。 【符号の説明】 10 ゴルフクラブ 12 シャフト 14 クラブヘッド 16 グリップ 18 先端部分 20 下方部分 26 太端部 |