シャフトおよびゴルフクラブ

申请号 JP2013188424 申请日 2013-09-11 公开(公告)号 JP5802246B2 公开(公告)日 2015-10-28
申请人 美津濃株式会社; 日本発條株式会社; 发明人 土井 一宏; 加茂 新; 藤原 甲介;
摘要
权利要求

外殻を有するシャフトであって、 前記外殻は、円筒部と、 前記円筒部に連続して設けられ、かつ前記シャフトの外周方向に並んで配置された複数の凸部を有する湾曲部とを備え、 前記湾曲部の前記複数の凸部が前記シャフトの延在方向に延在しており、 前記シャフトの肉厚が前記シャフトの先端から780mmの位置近傍にかけて次第に小さくなり、 前記湾曲部は、前記シャフトの先端から600mm以上800mm以下の範囲のみに設けられており、 前記シャフトは軽量スチールシャフトであって、質量が85g以上98g以下であり、 前記湾曲部は、外周方向において前記複数の凸部に隣接し、前記複数の凸部が突出する基部を含み、 前記複数の凸部および前記基部の各々は前記シャフトの延在方向に対して垂直な方向での断面において円弧形状を有し、 前記シャフトの径方向の中心から前記複数の凸部の各々の外周面までの最大距離と前記基部の外周面までの最大距離との比は1.013以上1.077以下であり、 隣り合う前記凸部の外周面の円弧形状の円は互いに重なっており、 前記複数の凸部の各々の外周面の曲率半径は2.0mm以上2.4mm以下であり、前記基部の外周面の曲率半径は6.50mm以上7.75mm以下である、シャフト。前記複数の凸部の各々の外周面の曲率半径は前記基部の外周面の曲率半径よりも小さい、請求項1に記載のシャフト。前記複数の凸部の各々の外周面の円弧形状の円の中心は、前記シャフトの全周に渡って前記シャフトの径方向の中心に対して等に配置されている、請求項1または2に記載のシャフト。前記複数の凸部の各々の外周面の円弧形状の円の中心は、前記シャフトの径方向の中心から前記複数の凸部の各々の外周面に向かって4.80mm以上5.65mm以下の領域に位置している、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシャフト。請求項1〜4のいずれか1項に記載のシャフトと、 前記シャフトの一方端に取り付けられたグリップと、 前記シャフトの他方端に取り付けられたゴルフクラブヘッドとを備えた、ゴルフクラブ。

说明书全文

本発明は、シャフトおよびゴルフクラブに関するものである。

通常、ゴルフクラブのシャフトでは強度を確保するために、シャフトの曲げ剛性(EI)が大きくなる。このようにシャフトのEIが大きくなると、シャフトをしならせることが難しくなる。ゴルファーによってはシャフトをしならせる箇所に好みがあり、たとえば、シャフトをゴルファーの所望するしなり位置の1つである手元でしならせることを好む人もいる。そして、このようなゴルファーにはシャフトの手元EIを小さくすることが求められている。

シャフトのEIを小さくするためには、シャフトの断面二次モーメント(I)を小さくすることが考えられる。そして、シャフトの断面二次モーメント(I)を小さくするためには、シャフトの直径を小さくすることおよびシャフトの肉厚を薄くすることが考えられる。しかし、多くのゴルファーは、たとえば、シャフトの手元側の直径が変わるとシャフトを握った際に違和感があるため、シャフトの直径を小さくすることは困難である。また、シャフトの肉厚を薄くするとシャフトの強度が低下するため、シャフトの肉厚を薄くすることも困難である。

ところで、シャフトの強度を大きくするための構造は、たとえば特開2011−30564号公報(特許文献1)に開示されている。この特開2011−30564号公報に記載された構造では、補強のための突起がシャフトの内径部に形成されている。また、この特開2011−30564号公報と同様にシャフトの内径部に突起が形成された構造が、たとえば実開平1−84673号公報(特許文献2)に開示されている。また、シャフトの外径部に突起が形成された構造が、たとえば特許第3510143号公報(特許文献3)に開示されている。

特開2011−30564号公報

実開平1−84673号公報

特許第3510143号公報

上記の各公報に記載された構造では、シャフトの内径部または外径部に形成された突起によってシャフトの断面積が大きくなるため、断面二次モーメント(I)も大きくなる。したがって、シャフトのEIを小さくすることはできない。

本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、シャフトの強度を確保しつつ、シャフトのEIを小さくすることができるシャフトおよびそれを備えたゴルフクラブを提供することである。

本発明のシャフトは外殻を有するものである。外殻は円筒部と、円筒部に連続して設けられ、かつシャフトの外周方向に並んで配置された複数の凸部を有する湾曲部とを備えている。湾曲部は、均一の厚みを有しており、複数の凸部がシャフトの延在方向に延在している。

本発明のシャフトによれば、湾曲部はシャフトの外周方向に並んで配置された複数の凸部を有している。複数の凸部はシャフトの延在方向に延在している。複数の凸部はいわゆるリブとして機能する。凸部は大きな圧に耐えることができるため、複数の凸部によってシャフトの強度を確保することができる。また湾曲部は均一の厚みを有している。このため、湾曲部の断面積の増大を抑制することができるため、湾曲部の断面二次モーメントの増大を抑制することができる。これにより、シャフトの強度を確保しつつ、シャフトのEIを小さくすることができる。

上記のシャフトにおいては、湾曲部は、シャフトの先端から600mm以上離れた位置の範囲に設けられている。一般的に、シャフトの先端から600mm以上離れた位置であるグリップ近傍の手元位置は、シャフトの肉厚が小さくなることに起因して強度が低下する。上記シャフトでは、シャフトの先端から600mm以上離れた位置に上記湾曲部を設けることによって、一般的に強度が低下してしまう手元位置の強度を確保しつつ、シャフトのEIを小さくすることができる。

上記のシャフトにおいては、湾曲部は、外周方向において複数の凸部に隣接し、複数の凸部が突出する基部を含んでいる。複数の凸部および基部の各々はシャフトの延在方向に対して垂直な方向での断面において円弧形状を有している。複数の凸部の各々の外周面の曲率半径は基部の外周面の曲率半径よりも小さい。このため、凸部は基部よりも大きな圧力に耐えることができる。したがって、複数の凸部によってシャフトの強度を確保することができる。

上記のシャフトにおいては、複数の凸部の各々の外周面の円弧形状の円の中心は、シャフトの全周に渡ってシャフトの径方向の中心に対して等に配置されている。これにより、複数の凸部によってシャフトの全周に渡ってシャフトの強度を確保することができる。

上記のシャフトにおいては、シャフトの径方向の中心から複数の凸部の各々の外周面までの最大距離と基部の外周面までの最大距離との比は1.013以上1.077以下である。これにより、複数の凸部によってシャフトの強度を確保することができる。

上記のシャフトにおいては、複数の凸部の各々の外周面の曲率半径は2.0mm以上2.4mm以下である。複数の凸部の各々の外周面の円弧形状の円の中心は、シャフトの径方向の中心から複数の凸部の各々の外周面に向かって4.80mm以上5.65mm以下の領域に位置している。これにより、複数の凸部によってシャフトの強度を確保することができる。

本発明のゴルフクラブは、上記のシャフトと、シャフトの一方端に取り付けられたグリップと、シャフトの他方端に取り付けられたゴルフクラブヘッドとを備えている。これにより、シャフトの強度を確保しつつ、シャフトのEIを小さくすることができるゴルフクラブを得ることができる。

以上説明したように、本発明によれば、シャフトの強度を確保しつつ、シャフトのEIを小さくすることができるシャフトおよびそれを備えたゴルフクラブを得ることができる。

本発明の一実施の形態のシャフトを示す概略平面図である。

図1のP部を示す拡大図である。

図2のIII−III線に沿う断面図である。

図2のIV−IV線に沿う断面図である。

図4の拡大図である。

本発明の一実施の形態のシャフトの変形例1を示す概略平面図である。

本発明の一実施の形態のシャフトの変形例2を示す概略平面図である。

本発明の一実施の形態のゴルフクラブを示す概略斜視図である。

実施例1のシャフトの断面図であって図5に対応する図である。

実施例2の断面図であって図5に対応する図である。

実施例3の断面図であって図5に対応する図である。

実施例4の断面図であって図5に対応する図である。

実施例5の断面図であって図5に対応する図である。

実施例6の断面図であって図5に対応する図である。

実施例7の断面図であって図5に対応する図である。

比較例1の断面図である。

比較例2の断面図である。

実施例のVM応力の測定方法を示す図である。

VM応力と凸部の数との関係を示す図である。

EIとシャフトの先端からの距離との関係を示す図である。

肉厚とシャフトの先端からの距離との関係を示す図である。

以下、本発明の一実施の形態について図に基づいて説明する。 最初に、本実施の形態のシャフトの構成について説明する。

図1および図2を参照して、シャフト1は全体として長手方向に沿って根元から先端に向かって直径が減少するテーパ形状を有している。シャフト1はたとえばスチールで形成されている。シャフト1はたとえば100g以下の質量を有していることが好ましく、超軽量スチールシャフトの質量である85g以上、一般的な軽量スチールシャフトの質量である98g以下の質量を有していることが特に好ましい。さらには、軽量スチールシャフトであっても、強度の質量95g以上98g以下の質量であれば、なお好ましい。シャフト1は外殻を有しており、外殻は円筒部2と湾曲部3とを有している。

図1および図3を参照して、円筒部2は円筒形状を有している。図1に示すように、円筒部2は複数の円筒状の円筒部材を有している。複数の円筒部材の各々はシャフト1の延在方向(長手方向)に沿って延びるように形成されている。複数の円筒部材の各々は異なる直径を有している。隣り合う円筒部材のうち直径の大きな円筒部材の内周側に直径の小さな円筒部材が挿入されている。そして、直径の大きな円筒部材の内周面の直径の小さな円筒部材側の一部に直径の小さな円筒部材の外周面の直径の大きな円筒部材側の一部が嵌合されている。図3に示すように、円筒部2は略真円状の断面形状を有している。

図1および図2に示すように、湾曲部3は、円筒部2に連続して設けられている。図2および図4を参照して、湾曲部3は複数の凸部3aと基部3bとを有している。また、湾曲部3は、均一の厚みを有している。ここで均一の厚みとは、湾曲部3の厚みは製造時の寸法誤差を含むため、実質的に同じ厚みを意味している。たとえば、シャフト1の延在方向において湾曲部3の厚みの差が±0.01mmであれば均一な厚みといえる。また、本実施の形態では、湾曲部3はシャフト1の先端から600mm以上800mm以下の範囲に形成されている。湾曲部3はスウェージングによって形成されている。

図4に示すように、複数の凸部3aはシャフト1の外周方向に並んで配置されている。複数の凸部3aがシャフト1の延在方向に延在している。本実施の形態では、複数の凸部3aはたとえば12個形成されている。基部3b、はシャフト1の外周方向において複数の凸部3aに隣接している。複数の凸部3aが基部3bから突出している。また、図2〜4に示すように、複数の凸部3aは円筒部2の外周面から外方に突出するように形成されている。

図5を参照して、複数の凸部3aおよび基部3bの各々は、シャフト1の延在方向に対して垂直な方向での断面において円弧形状を有している。そして、複数の凸部3aの円弧形状と基部3bの円弧形状とは滑らかに連続している。複数の凸部3aの各々の外周面の曲率半径3arは基部3bの外周面の曲率半径3brよりも小さい。本実施の形態では、複数の凸部3aの各々の外周面の曲率半径3arはたとえば2.0mm以上2.4mm以下である。基部3bの外周面の曲率半径3brはたとえば6.50mm以上7.75mm以下である。

また、シャフト1の径方向の中心C1から複数の凸部3aの各々の外周面の円弧形状の円の中心C2までの距離Cpは4.80mm以上5.65mm以下である。つまり、複数の凸部3aの各々の外周面の円弧形状の円の中心C2は、シャフト1の径方向の中心C1から複数の凸部3aの各々の外周面に向かって4.80mm以上5.65mm以下の領域に位置している。

また、複数の凸部3aの各々の外周面の円弧形状の円の中心C2は、シャフト1の全周に渡ってシャフト1の径方向の中心C1に対して等角に配置されている。つまり、中心C1と一の中心C2とを結ぶ線と、中心C1と一の中心C2に隣り合う他の中心C2とを結ぶ線とのなす角度が、シャフト1の全周に渡って等しい。ここで等角とは、複数の凸部3aの製造時の寸法誤差を含むため、実質的に同じ角度を意味している。角度の差が±2°であれば等角といえる。

また、シャフト1の径方向の中心C1から複数の凸部3aの各々の外周面までの最大距離Daは6.80mm以上8.05mm以下であり、シャフト1の径方向の中心C1から基部3bの外周面までの最大距離Dbは6.5mm以上7.75mm以下である。したがって、シャフト1の径方向の中心C1から複数の凸部3aの各々の外周面までの最大距離Daと基部3bの外周面までの最大距離Dbとの比はDa/Dbは1.013以上1.077以下である。上記距離Da、Db(曲率半径3br)および曲率半径3arは、それぞれ、隣り合う凸部3aの間に基部3bが露出するように、複数の凸部3aを設定した上で範囲を設定している。具体的には、距離Dbが6.5mmの場合には、曲率半径3arは2.0mm、距離Daは6.80mm、および、中心C1と中心C2間の距離は4.80mmに設定されている。また、距離Dbが7.75の場合には、曲率半径3arは2.4mm、距離Daは8.05mm、および、中心C1と中心C2間の距離は5.65mmに設定されている。また、Da/Dbの最小値1.013は、Da=7.85、Db=7.75により求めているとともに、Da/Dbの最大値1.077は、Da=7.00、Db=6.50により求めている。

上記実施の形態では、図1に示すように、湾曲部3がシャフト1の先端から600mm以上800mm以下の範囲の位置に形成されている場合について説明したが、湾曲部3の位置はこれに限定されない。図6を参照して、本実施の形態の変形例1では、湾曲部3はシャフト1の先端からたとえば600mmから後端まで連続して形成されている。この変形例1でもシャフト1の強度を確保しつつ、ゴルファーの所望するしなり位置の1つであるシャフト1の手元のEIを小さくすることができる。また、図示しないが、湾曲部3は、ゴルファーの所望するしなり位置の1つである、シャフト1の長手方向の中央部近傍に設けられていてもよいし、シャフト1の先端側近傍に設けられてもよい。さらには、湾曲部3の延在長さが上記実施形態より長くてもよいし、短くてもよい。

また、上記実施の形態では、図2〜図4に示すように、湾曲部3の複数の凸部3aが円筒部2の外周面よりも外方に突出している場合について説明したが、湾曲部3の複数の凸部3aの形状はこれに限定されない。図7を参照して、本実施の形態の変形例2では、湾曲部3の複数の凸部3aは円筒部2の外周面よりも半径方向外側に突出していない。複数の凸部3aの各々は、複数の凸部3aの各々の外周面が円筒部2の外周面と同じ直径を有するように形成されていてもよい。この場合、基部3bは、基部3bの外周面が円筒部2の外周面よりも小さい直径を有している。

次に、本実施の形態のゴルフクラブの構成について説明する。以下、本実施の形態のゴルフクラブの例としてアイアンゴルフクラブについて説明する。

図8を参照して、本実施の形態のシャフト1にグリップ11およびゴルフクラブヘッド12を組み合わせることで本実施の形態のゴルフクラブ10が構成されている。ゴルフクラブ10は、シャフト1と、シャフト1の一方端に取り付けられたグリップ11と、シャフト1の一方端と反対側の他方端に取り付けられたゴルフクラブヘッド12とを有している。なお、グリップ11およびゴルフクラブヘッド12は周知のものを採用可能である。

次に、本実施の形態の作用効果について説明する。 本実施の形態のシャフト1によれば、湾曲部3はシャフト1の外周方向に並んで配置された複数の凸部3aを有している。複数の凸部3aはシャフト1の延在方向に延在している。複数の凸部3aはいわゆるリブとして機能する。つまり、凸部3aは大きな圧力に耐えることができるため、複数の凸部3aによってシャフト1の強度を確保することができる。また湾曲部3は均一の厚みを有している。このため、湾曲部3の断面積の増大を抑制することができるため、湾曲部3の断面二次モーメントの増大を抑制することができる。これにより、シャフト1の強度を確保しつつ、ゴルファーの所望するしなり位置の1つであるシャフト1の手元のEIを小さくすることができる。

また、湾曲部3を、シャフトの先端から600mm以上離れた位置の範囲に設けることによって、一般的に強度が低下してしまう手元位置の強度を確保しつつ、シャフト1のEIを小さくすることができる。

また湾曲部3が均一の厚みを有しているため、たとえばシャフト1の内径部または外径部に単純に突起が追加された場合に比べてシャフト1の重量を軽くすることができる。

また本実施の形態のシャフト1においては、複数の凸部3aの各々の外周面の曲率半径は基部3bの外周面の曲率半径よりも小さい。このため、凸部3aは基部3bよりも大きな圧力に耐えることができる。したがって、複数の凸部3aによってシャフト1の強度を確保することができる。

また本実施の形態のシャフト1においては、複数の凸部3aの各々の外周面の円弧形状の円の中心C2は、シャフト1の全周に渡ってシャフト1の径方向の中心C1に対して等角に配置されている。これにより、複数の凸部3aによってシャフト1の全周に渡ってシャフト1の強度を確保することができる。

また本実施の形態のシャフト1においては、シャフト1の径方向の中心C1から複数の凸部3aの各々の外周面までの最大距離と基部3bの外周面までの最大距離との比Da/Dbは1.013以上1.077以下である。これにより、複数の凸部3aによってシャフト1の強度を確保することができる。

また本実施の形態のシャフト1においては、複数の凸部3aの各々の外周面の曲率半径は2.0mm以上2.4mm以下である。複数の凸部3aの各々の外周面の円弧形状の円の中心C2は、シャフト1の径方向の中心C1から複数の凸部3aの各々の外周面に向かって4.80mm以上5.65mm以下の領域に位置している。これにより、複数の凸部3aによってシャフト1の強度を確保することができる。

本実施の形態のゴルフクラブ10は、上記のシャフト1と、シャフト1の一方端に取り付けられたグリップ11と、シャフト1の他方端に取り付けられたゴルフクラブヘッド12とを備えている。これにより、シャフト1の強度を確保しつつ、ゴルファーの所望するしなり位置の1つであるシャフト1の手元のEIを小さくすることができるゴルフクラブ10を得ることができる。

以下、本発明の実施例について、比較例と対比して説明する。なお、上記と同一または相当する部分に同一の参照符号を付し、その説明を繰り返さない場合がある。

本発明の実施例1〜7および比較例1〜2の強度をシミュレーションにより測定した。実施例1〜7および比較例1〜2の構成について説明する。実施例1〜7および比較例1〜2は断面形状が主に異なっている。図9を参照して、実施例1では複数の凸部3aが5個形成されている。図10を参照して、実施例2では複数の凸部3aが8個形成されている。図11を参照して、実施例3では複数の凸部3aが10個形成されている。図12を参照して、実施例4では複数の凸部3aが12個形成されている。図13を参照して、実施例5では複数の凸部3aが15個形成されている。図14を参照して、実施例6では複数の凸部3aが18個形成されている。図15を参照して、実施例7では複数の凸部3aが20個形成されている。図16および図17を参照して、比較例1および比較例2では凸部3aが形成されていない。

また実施例1〜7のいずれも肉厚は0.26mmとした。比較例1の肉厚は0.34mmとし、比較例2の肉厚は0.26mmとした。また、実施例1〜7および比較例1〜2のいずれも直径は13.7mmとした。なお実施例1〜7の直径は基部の直径である。

図18を参照して、測定方法について説明する。なお図18では実施例4の構成を図示している。実施例1〜7および比較例1〜2のいずれも延在方向の長さ寸法は60mmとした。そして、実施例1〜7および比較例1〜2のいずれも両端を固定し、延在方向の中心において直径4mmの円を投影した面に100Nの力Fをかけた状態で、当該面の中心のVM(Von Mises)応力値を有限要素法でシミュレーションによって測定した。

上記シミュレーション結果を図19に示す。図19を参照して、比較例2ではVM応力が560MPaと大きいため強度を確保できないことがわかった。これに対して、実施例1〜7ではVM応力が小さいため強度を確保できることがわかった。また、VM応力は、比較例1のVM応力365MPa以下が好ましい。したがって、VM応力が比較例1よりも小さい実施例1〜4が好ましいことがわかった。実施例4ではVM応力が340MPaとなった。そして、実施例1〜4では厚さ0.26mmの薄肉でありながら厚さ0.34mmの厚肉の比較例1よりも大きな強度を確保することができることがわかった。

なお、比較例1は0.34mmの肉厚によって強度を確保することはできるが、肉厚が実施例1〜7に比べて厚いため断面2次モーメントが大きくなることからEIを小さくすることはできない。

続いて、図20および図21を参照して、湾曲部を有する実施例AおよびBのシャフトと、湾曲部を有さない比較例Aのシャフトについて、EIをシミュレーションによって測定した。ここで、図20は、湾曲部を有する実施例AおよびBのシャフトと、湾曲部を有さない比較例Aのシャフトとの各々についての肉厚の変化を表したグラフである。また、図21は、実施例AおよびBのシャフトと比較例Aのシャフトとの各々についてのEIの変化を表したグラフであり、これらEIの変化は、図20に示した肉厚の変化に基づいてシミュレーション計算によって求められている。

図21に示すように、比較例Aのシャフトは、上記比較例1の厚さ0.34mm程度の厚さをシャフトの先端から700mm付近で有している。図20に示すように、比較例Aでは、手元にあたるシャフトの先端から600mm以上800以下の範囲でEIが大きくなっている。

実施例Aのシャフトは図1に示す構成と同様の構成を有している。実施例Bのシャフトは図6に示す構成と同様の構成を有している。図21に示すように、実施例AおよびBのシャフトは上記実施例1〜7の厚さ0.26mm程度の厚さをシャフトの先端から600以上800mm以下の範囲付近で有している。なお、実施例Aではシャフトの先端から800mmを超える範囲では比較例Aと同様の肉厚を有している。

図20に示すように、実施例AおよびBでは、手元にあたるシャフトの先端から600mm以上800mm以下の範囲でEIが小さくなっている。よって、実施例AおよびBではシャフトの強度を確保しつつ、ゴルファーの所望するしなり位置の1つであるシャフトの手元のEIを小さくすることができることがわかった。

今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。

1 シャフト、2 円筒部、3 湾曲部、3a 凸部、3ar,3br 曲率半径、3b 基部、10 ゴルフクラブ、11 グリップ、12 ゴルフクラブヘッド。

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