Bulk-solidifying amorphous metal golf club

申请号 JP52134497 申请日 1996-12-04 公开(公告)号 JP2000516108A 公开(公告)日 2000-12-05
申请人 アモーファス・テクノロジーズ・インターナショナル; 发明人 ジョンソン,ウィリアム,エル; スクラッグス,デビッド,エム; ペカー,アタカン;
摘要 (57)【要約】 ゴルフクラブ(20)は、クラブのシャフト(22)と、クラブのヘッド(24)とよりなる。 シャフト(22)またはヘッド(24)は、少なくともその一部がバルク 凝固 非晶質金属により形成されている。 好ましいバルク凝固非晶質金属の組成は、 原子 パーセントで、ジルコニウムとチタンの合計が約45乃至約67%、ベリリウムが約10乃至約35%、銅とニッケルの合計が約10乃至約38%、それに付随的な不純物を含み、パーセントの合計は100原子パーセントとなる。 種々の体積を有するクラブセットの種々のクラブのヘッド重量は、バルク凝固非晶質 合金 の組成、従って 密度 を変えることによって決める。
权利要求
  • 【特許請求の範囲】 1. クラブシャフトとクラブヘッドとよりなり、クラブシャフトとクラブヘッドのうち少なくとも一方の少なくとも一部がバルク凝固非晶質金属により形成されているゴルフクラブ。 2. クラブシャフトの少なくとも一部がバルク凝固非晶質金属により形成されている、請求項1のゴルフクラブ。 3. クラブヘッドの少なくとも一部がバルク凝固非晶質金属により形成されている、請求項1のゴルフクラブ。 4. ゴルフクラブのヘッドがドライバーのヘッドである、請求項3のゴルフクラブ。 5. ゴルフクラブのヘッドがアイアンのヘッドである、請求項3のゴルフクラブ。 6. ゴルフクラブのヘッドがパターのヘッドである、請求項3のゴルフクラブ。 7. クラブのヘッドがバルク凝固非晶質金属で形成したフェースを有する、請求項1のゴルフクラブ。 8. バルク凝固非晶質金属の組成は、原子パーセントで、ジルコニウムとチタンの合計が約45乃至約67%、ベリリウムが約10乃至約35%、銅とニッケルの合計が約10乃至約38%、それに付随的な不純物を含み、パーセントの合計は100原子パーセントとなる、請求項1のゴルフクラブ。 9. バルク凝固非晶質金属の組成は、原子パーセントで、ジルコニウムとハフニウムの合計が約25乃至約85%、アルミニウムが約5乃至約35%、ニッケル、銅、鉄、コバルト、マンガンの合計が約5乃至約70%、それに付随的な不純物を含み、パーセントの合計は100原子パーセントとなる、請求項1のゴルフクラブ。 10. 第1のクラブと、第2のクラブとよりなり、 第1のクラブは第1の体積を有する第1のヘッドを備え、第1のヘッドは第1 の組成及び第1の密度を有する第1のバルク凝固非晶質合金により形成されており、 第2のクラブは第2の体積を有する第2のヘッドを備え、第2のヘッドは第2 の組成及び第2の密度を有する第2のバルク凝固非晶質合金により形成されている、ゴルフクラブのセット。 11. 第1の組成及び第2の組成はそれぞれ組成が同一の連続組成範囲内にある同一の合金族から選択される、請求項10のゴルフクラブのセット。 12. 第1及び第2の組成はそれぞれ、原子パーセントで、ジルコニウムとチタンの合計が約45乃至約67%、ベリリウムが約10乃至約35%、銅とニッケルの合計が約10乃至約38%、それに付随的な不純物を含み、パーセントの合計は100原子パーセントとなる組成範囲内にある、請求項10のゴルフクラブのセット。 13. 第1の体積と第1の密度の第1の積は第2の体積と第2の密度の第2の積とほぼ等しい、請求項10のゴルフクラブのセット。 14. バルク凝固非晶質合金を提供し、 ゴルフクラブの部品の形状を画定するキャビティを有する金型を提供し、 バルク凝固非晶質合金を金型に導入し、 バルク凝固非晶質合金をその非晶質構造を維持するに充分な冷却速度で冷却するステップよりなるゴルフクラブの部品の製造方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 バルク凝固非晶質金属製ゴルフクラブ発明の背景本発明はゴルフクラブに関し、さらに詳細には、ゴルフクラブのシャフト及びヘッドの構成材料に関する。 ゴルフというスポーツは、ゴルファーがゴルフクラブでゴルフボールをヒットするものである。 ゴルフクラブは、細長いシャフトの一端に拡大ヘッドが固定され、他端がグリップ材料で覆われて取手を形成する。 ゴルフクラブは、その機能によりいくつかの群に分けられる。 これらの群としては、ドライバ、アイアン( ウエッジを含む)及びパターがある。 ゴルフは見るだけでなく自分でプレーするスポーツとして人気上昇中であるため、ゴルフクラブの開発には大きな努が払われている。 近年、ゴルフクラブの設計やその構成材料につき改良が重ねられている。 本発明は主として、ゴルフクラブの構成材料に関し、以下の説明ではこの分野に力点をおく。 最近まで、クラブのシャフトもヘッドも、主として、スティール及び/またはアルミニウム合金のような金属で作られていた。 グラファイトファイバで補強した高分子材料の複合材料製シャフトが、重量を減少させ、材質の硬度を増加させるために導入されている。 チタン合金のような特殊金属製のヘッドが、クラブヘッドの質量及び密度を減少させ、材質の硬度を増加させて、ヘッドスピードを上げる目的で開発されている。 かかる材料を用いると、同じ質量を持つ或いは重量を再配分して性能を向上させた大型のクラブヘッドを製造することが可能となる。 ゴルフクラブのシャフトやヘッドに用いる新しい材料についてのこの短い記述は決して全てを網羅するものではなく、クラブの性能についての種々の理論に基づいてクラブの特定の挙動を得るために他の多くの材料が試験されている。 しかしながら、材質の硬度、硬度対重量比及び強度対重量比を増加してゴルフクラブをさらに改良すべき必要性が存在する。 これらの特性を改善すると、ヘッドスピード及びインパクト時におけるクラブからボールへのエネルギー伝達率が増大し、いかなるゴルファーもゴルフクラブの性質による制限を受けることなく各人の能力を最大限に発揮することができる。 本発明はかかる必要性を充足するものであり、さらに関連の利点を提供する。 発明の概要本発明は、構成材料を改良したゴルフクラブを提供する。 このゴルフクラブは、インパクト時クラブからボールへのエネルギー伝達率を増加するため、その材料の並外れた弾性を利用する。 このクラブはまた耐腐食性、耐磨耗性を有し、ヘッドのフェースは低い摩擦係数をもつ。 クラブのシャフト及びヘッドは容易に製造できる。 この構成材料を使用すると、クラブによっては形状を修正して性能を向上することができる。 本発明によれば、ゴルフクラブはシャフトとヘッドよりなる。 シャフト及びヘッドのいずれかまたは両方の少なくとも一部がバルク凝固非晶質金属(bulk-soli difying amorphous metal)で作られる。 シャフトの少なくとも一部をバルク凝固非晶質金属で作る場合、シャフト全体をそのバルク凝固非晶質材料で作るのが望ましい。 ヘッドの少なくとも一部をバルク凝固非晶質金属で作る場合、少なくともヘッドのフェースをバルク凝固非晶質金属で作る。 ヘッドのフェースをバルク凝固非晶質金属で作れば従来の金属で作る場合と比べて薄くまたは軽くできるため、所望によりヘッドの重量をその周面部の方へ再配分する設計が可能となる。 バルク凝固非晶質金属の好ましい組成としては、原子パーセントで、ジルコニウムとチタニウムの合計が約45乃至約67%、ベリリウムが約10乃至約35 %、銅とニッケルの合計が約10乃至38%、それに付随的な不純物が含まれ、 これらパーセントの合計は100原子パーセントとなる。 他のバルク凝固非晶質金属を使用することも可能である。 ゴルフクラブの一部をバルク凝固非晶質金属で形成すると、驚異的且つ予期しなかったクラブ性能の向上が実現する。 クラブのシャフトをバルク凝固非晶質金属で作った場合、シャフトは高い硬度と強度を有する。 クラブヘッドをバルク凝固非晶質金属で作った場合、ヘッドは高い硬度、強度及び堅牢性を有し、ヘッドとボールのインパクトによる損傷に耐える。 これらの部品では共に、非晶質金属が非常に高いレベルの弾性変形を受けるが、塑性変形は本質的に零である。 最大約2%の弾性引張ひずみが得られるが、その際の材料の擬弾性または塑性応答は本質的に零であることが確かめられている。 従って、クラブヘッドはボールにインパクトするとき大きな弾性ひずみを受けるが、擬弾性または塑性応答は本質的に零である。 かくして、クラブヘッドがボールへインパクトして変形する時に吸収されるエネルギーは事実上零である。 そのため、擬弾性または塑性変形によりエネルギーのかなりの部分が吸収される材料を用いる場合と比較して、ゴルファーのスイングによるエネルギーの大きな部分がインパクト時ゴルフボールへ伝達される。 本発明のアプローチによると、ゴルフクラブのセットのうちの種々のクラブのヘッドの重量をヘッドの体積とは無関係に、或いはヘッドの体積に関連させて任意に変えることができる。 セットに含まれる種々のクラブのヘッド形状及び体積は様々である。 伝統的に、クラブの重量は2番アイアンからサンドウエッジへ向けて増加する。 従来のアプローチでは、最適設計を得るためにクラブヘッドの形状(即ち、体積)を種々変化させる扱う。 個々のクラブの重量は、ゴルフ協会による基準またはユーザーの好みにより決まる限界を越えることができない。 普通の材料を用いてクラブヘッドを作る場合、ヘッドの重量はヘッドの体積に正比例して変化する。 バルク凝固非晶質合金系における組成及び密度は、小さい増分で、しかしながら広い範囲に亘り、変えることができるため、材料の組成を広い範囲の中で選択することによりクラブヘッドの重量を任意に決めることが可能である。 この点を説明するにあたり一例を挙げる。 2本の異なるクラブのヘッドが同じ重量をもつようにするのが望ましい場合、第1の体積と第1の密度の第1の積、即ち第1のクラブのヘッド重量は、第2のクラブのヘッドの第2の体積と第2の密度の第2 の積、即ちその重量にほぼ等しいようにする。 即ち、重量を一定に保とうとすれは、クラブヘッドの形成に用いる合金組成の選択は、クラブヘッドの体積とは反比例させてそれらの密度を変えるようにする。 既知のバルク凝固非晶質合金族は、実現可能なクラブヘッドの設計範囲の中でかかる密度の変化を可能にする。 セットの他のクラブについても同じ原理が当てはまる。 従って、ゴルファーはヘッドの重量が実質的に一定であるがバルク凝固非晶質合金の他の利点を享受できるクラブセットをもつことになる。 重量を一定にする上記例は、クラブヘッドの重量をヘッドの体積とは無関係に任意に変えられる本発明の利点を示す1つのケースに過ぎない。 セットのクラブのヘッド重量をその体積とは無関係に別の態様で変化させてもよい。 この利点はクラブの設計者にクラブヘッドの形状及び重量を選択するにあたり大きい自由度を与える。 広い重量範囲の中から、同質の合金材料を用いて、適当な重量を選択できるが、その際インパクト及びクラブヘッドの質量配分性を変える厄介な重り、プラグ或いは他の挿入物を使用しなくてもよい。 本発明の他の特徴及び利点は、本発明の原理を例示的に示す添付図面に関連する好ましい実施例の以下のさらに詳細な説明から明らかになるであろう。 しかしながら本発明の範囲はこの好ましい実施例に限定されるものではない。 図面の簡単な説明図1は、ゴルフクラブの斜視図である。 図2は、図1の線2−2に沿うクラブのシャフトの拡大断面図である。 図3A−3Cは、図1の線3−3に沿うクラブヘッドの3つの実施例の拡大断面図であり、図3Aはパターのヘッドを、図3Bはアイアンのヘッドを、図3C はドライバのヘッドを示す。 図4は、チタン合金及びバルク凝固非晶質合金につき測定した応力−ひずみ曲線である。 図5は、チタン合金及び好ましいバルク凝固非晶質合金(Vitreloy-1)を周期的にひずませて測定した応力対ひずみを示すグラフである。 図6Aは、第1の体積をもつ第1のアイアンのヘッドの側断面図である。 図6Bは、第2の体積をもつ第2のアイアンのヘッドの側断面図である。 図7は、ゴルフクラブの鋳造部品の製造方法を示すブロック流れ図である。 発明の詳細な説明図1はゴルフクラブ20を示す。 ゴルフクラブ20は、シャフト22と、その下端部に固着したヘッド24とよりなる。 シャフト22の上端部には、その周りをグリップ材で覆うことにより取手26が形成されている。 クラブ、シャフト及びヘッドの実施例を示す図1−3はいくぶん概略的であり、これら部品の輪郭を示す。 ゴルフクラブの基本的な設計形状には多くの例があるが、構成材料に関する本発明はこれら全ての例に利用可能である。 シャフト22は細長いほぼ棒の形をしている。 シャフトは横断面が中実であるか、または図2に示すように中空である。 本発明では、シャフトは横断面が中空であるのが好ましい。 ヘッド24の設計には多くの例があるが、一般的に、図3に示すような3つの群に分けられる。 パターのヘッド28(図3A)は、フェイス30と、端部の支持部32とを有する。 ヘッドのフェイス30は通常、ユーザーがクラブを構えたとき地面に対してほぼ直であるのが一般的である。 アイアンのヘッド34(本明細書ではアイアンはウエッジを含む)は図3Bに示すように同様な構成であるが、ゴルファーがショットのロフトを決めるのを支援するためにヘッドのフェイス30と地面の角度がそれぞれ異なるものが多数ある。 (用語「アイアン」は、 本明細書ではクラブの種類を表わす用語として使用し、クラブヘッドが金属鉄で作られていることを示唆するものではない)。 ドライバーのヘッド36はパターのヘッドと同じ基本的形状をもつが、パターよりも好ましくは質量が大きく、図3Cに示すような丸みを帯びたボディーを備えている。 アイアンのヘッドと同様、ドライバーのヘッドのフェイス30が地面となす角度は、ドライバーの種々のタイプにより異なる。 ヘッドのフェイス30はヘッドの本体と一体的であってもよい。 フェイス30は、図3Cの破線で示すように、別に製造してヘッドの本体に接合する別個のプレート30'であってもよい。 クラブのシャフト22またはヘッド24は、少なくとも一部をバルク凝固非晶質合金で、好ましくはその合金を正しい形状の型内で鋳造することにより形成する。 バルク凝固非晶質合金は近年開発された種類の非晶質合金であり、合金の組成により高い温度から約500℃またはそれ以下の臨界冷却速度で冷却してもそれらの非晶質構造を保持するものである。 バルク凝固非晶質合金は、例えば米国特許第5,288,344;5,368,659及び5,032,196号に記載されている。 バルク凝固非晶質合金製のゴルフクラブの部品は、好ましくは金型鋳造(perma nent mold casting)により作られる。 この本明細書で用いる用語「金型鋳造」は、ダイカスト、または流し込み、注入、真空吸引等により金属が導入される金型を使用する他の任意の鋳造法を包含する。 図7を参照して、後で詳説するバルク凝固非晶質合金を、数字40で示すように、用意する。 クラブのヘッドのようなクラブの部品の形状を画定するキャビティを有する金型を、数字42で示すように、用意する。 バルク凝固非晶質合金を、数字44で示すように、高温に加熱して金型に導入する。 バルク凝固非晶質合金を、数字46で示すように、室温のような比較的低い温度へ、最終的な鋳造品が非晶質構造を保持するような充分に早い速度で冷却する(46)。 このアプローチは、従来の材料を用いる処理方法とは対照的である。 チタン及びスティールのような従来の高強度材料製のゴルフクラブのヘッドは、ロスト・ ワックス法による焼き流し精密鋳造か或いは鍛造により成形される。 これらの方法は共に切削加工やグラインダ研削のような仕上げを必要とする。 焼き流し精密鋳造法によると、鍛造製品と技術的に等価ではない比較的低コストの製品が得られる。 一方、鍛造法によると高品質の製品が得られるが製造コストがかなり高くなる。 鍛造製品が高品質なのは、鍛造金属の高強度、より均一で細孔がない構造、及び焼き流し精密鋳造よりも良好な壁厚のような寸法の制御性による。 ゴルフクラブのヘッドのような製品を焼き流し精密鋳造で製造すると、細孔により低強度となり、鋳造作業で収縮する。 焼き流し精密鋳造する各クラブのヘッドにつき、ワックスパターンとは異なる型を作る。 従って、ワックスパターンの移動及び他のファクターにより、壁厚のようなクラブヘッドの寸法をいつも同じものとして再生できない。 このため、出来上がった製品には設計と比べてかなりばらつきのある場合がある。 ばらつきが大きいと、クラブのヘッドの一部は焼き流し精密鋳造法の比較的大きい許容誤差内ではあるが、クラブの設計基準の比較的狭い許容誤差内に収まらず、廃棄しなければならなくなる。 鍛造法の許容誤差は小さいが、この方法は焼き流し精密鋳造法と比較してかなり高コストであり、通常、製品の切削加工を必要とする。 バルク凝固非晶質合金の金型鋳造により作られるゴルフクラブの部品は、焼き流し精密鋳造または鍛造法によるクラブヘッドよりも格段に低いコストで良好な精度を得ることができるため、従来法の欠点を克服するものである。 そのゴルフクラブの部品は設計にぴったり合致する。 金型鋳造によるバルク凝固非晶質製の部品の収縮性及び多孔性は低いか無視できる程度であるため、高強度で形状のばらつきが少ない。 また、これらの部品は表面の仕上がりが素晴らしく、型の内面転写性も卓越している。 焼き流し精密鋳造品に時として見られるワックスパターンまたは鍛造品に時として見られる鍛造欠陥部分による本物とは異なる特徴も存在しない。 ただ1個の金型を用いるか、或いはそれらを繰り返し用いるために互いに入念にマッチさせた一群の金型を使用する。 いずれの場合でも、金型はクラブの設計に入念にマッチさせる。 従来のゴルフクラブのヘッドに用いるチタン合金及びスティールのような結晶合金の金型鋳造は、既知のバルク凝固非晶質合金よりも鋳造温度が高く、型に大きな磨耗が生じるため、経済的に実用的ではない。 これら従来の結晶合金は、凝固により収縮でゆがみが生じるため、バルク凝固非晶質合金とは異なり正味形状への鋳造が不可能である。 バルク凝固非晶質金属合金は、溶融物から毎秒500℃もしくはそれ以下の比較的低い冷却速度で冷却しても、依然として非晶質構造を保持する。 かかる金属は、冷却時、普通の金属のように液体/固体結晶変態しない。 その代わり、高温時に見られる金属の高い流動性をもつ非結晶形態の粘性が温度が低下するにつれて増大し、最終的に普通の固体のような物理的外側形状と特性をもつようになる。 かかる金属には液体/固体結晶変態はないが、有効「凝固温度」T g (ガラス転移温度と呼ばれることが多い)を、それ以下において冷却液体の粘性が10 13 ポイズ以上に上昇する温度として定義することができる。 温度がT g以下では、 その材料は全ての実際的な目的について固体である。 有効「流体温度」T fは、 それ以上だと粘性が10 2ポイズ以下に低下する温度として定義される。 温度がT gより高いとその材料は全ての実際的な目的について液体である。 T fとT gの間の温度では、バルク凝固非晶質金属の粘性は温度と共にゆっくり且つ滑らかに恋化する。 好ましい実施例のジルコニウム−チタン−ニッケル−銅−ベリリウム合金では、T gは約350−400℃、でありT fは約700−800℃である。 冷却速度が比較的遅くても非晶質構造を保持できるということは、冷却時非晶質構造を保持するためには溶融物から少なくとも毎秒10 4 −10 6 ℃の冷却速度で冷却しなければならない他の種類の非晶質金属の振舞と対照的である。 かかる金属は、薄いリボンまたは粒子として非晶質にできるに過ぎない。 かかる金属は、普通の鋳造法により作られるタイプの典型的な物品にとって必要な厚い部材としては製造できず、また当然、ゴルフクラブのシャフト及びヘッドのような三次元製品の製造には使用できないため、用途が限られている。 バルク凝固非晶質合金の好ましいタイプは、強共晶(deep eutectic)組成物の組成によく似た組成である。 かかる強共晶組成物は、比較的低い融点と傾きの大きい液相線とを有する。 このため、バルク凝固非晶質合金の組成は、低共晶融点の利点を失わないように非晶質合金の液相線温度が共晶温度より約50−75℃ 以上高くならないように選択することが好ましい。 最も好ましいタイプのバルク凝固非晶質合金族は、共晶温度が660℃のオーダーの強共晶組成物のような共晶組成物に近い組成をもつ。 この材料は、原子パーセントで、ジルコニウムとチタンの合計が約45乃至約67%、ベリリウムが約10乃至約35%、銅とニッケルの合計が約10乃至約38%、それに付随的な不純物を含み、パーセントの合計は100原子パーセントとなるものである。 ジルコニウムとチタンの一部を実質的な量のハフニウムで置き換えてもよい。 また、存在するベリリウムの最大で約半分の量をアルミニウムで置き換えてもよい。 さらに、銅及びニッケルの一部を最大で数%の鉄、クロム、モリブデンまたはコバルトで置き換えてもよい。 このバルク凝固合金は公知であり、米国特許第5 ,288,344号明細書に記載されている。 最も好ましいかかる金属合金材料であるVitreloy-1は、原子パーセントで、約41.2%のジルコニウム、13. 8%のチタン、10%のニッケル、12.5%の銅、22.5%のベリリウムよりなる組成である。 かかる金属合金の別の材料の組成は、原子パーセントで、ジルコニウムとハフニウムの合計が約25乃至約85%、アルミニウムが約5乃至35%、ニッケル、 銅、鉄、コバルト及びマンガンの合計が約5乃至70%、それに付随的な不純物を含み、そのパーセントの合計は100原子%で,ある。 この群の最も好ましい金属合金の組成は、原子パーセントで、約60%のジルコニウム、約15%のアルミニウム、約25%のニッケルである。 この合金系は、アルミニウムの含有量のため、この前の段落で説明したもの程好ましいものではない。 アルミニウムとマグネシウムの含有量が高いもののような他のバルク凝固非晶質合金族は使用可能であるが、それ程好ましいものではない。 ゴルフクラブのシャフト及び/またはヘッドにバルク凝固非晶質合金を用いると、構成材料として従来の金属、金属複合物及び非金属複合物を用いる場合と比べて、いくつかの驚くべき且つ予期せぬ利点が得られる。 バルク凝固非晶質合金は、Vitreloy-1のケースの図4に示すように、降伏を伴わない大きい完全弾性変形を示す。 このバルク凝固非晶質合金は、約270ksi(平方インチ当り数千ポンド)の応力に対して降伏を伴わずに2%ひずむが、これはバルク材料としては全く注目すべきことである。 U dと呼ばれることがある、降伏点まで材料に応力を加えたとき蓄積されるエネルギーは2.7ksiである。 これと比較して、 一部の最新型ゴルフクラブのシャフト及びヘッドの材料として人気のある現在のチタン合金は約0.65%のひずみと約110ksiの応力で降伏し、降伏点までに蓄えられるエネルギーU dは約0.35ksiである。 蓄積されるエネルギーの点で最良の従来技術材料である銅−ベリリウム合金は、U dが約1.15k siであり、これは好ましいバルク凝固非晶質合金の半分以下である。 クラブヘッドの性能に影響を与えるもう1つの重要な材料特性は、ボールをヒットする時クラブヘッドで消費されるエネルギーである。 金属合金の多くは、塑性微小すべり(plastic microslip)のために配向された結晶粒において微小降伏(microyielding)を応力及びひずみが降伏点以下でも受ける。 多くの用途において、この微小降伏は重要な問題ではない。 しかしながら、クラブヘッドがゴルフボールをヒットする瞬間に大きなインパクト力がかかるクラブヘッドのフェースにこの材料を用いる場合には、この微小降伏により、ボールに伝達されるはずのエネルギーが吸収され、消費される。 図5は、ゴルフクラブのヘッドに用いる公知の材料である航空機品質の鍛造/ 熱処理、チタン6重量%、アルミニウム6重量%、バナジウム(Ti-6Al-4V)と、V itreloy-1とに、ドライバーのヘッドのフェースでゴルフボールにインパクトした時の局部ひずみをほぼ示すレベルのひずみが加えられたときの変形挙動を比較して示す。 負荷と逆負荷を繰り返し加えたとき、たとえその負荷がマクロ的降伏点以下であっても(「微小降伏」と呼ぶ現象)、循環的な応力−ひずみ曲線のヒステリシスから、降伏の発生が明らかである。 このTi-6Al-4Vは、降伏及び微小降伏に起因する広範なヒステリシス現象を示す。 Vitreloy-1のバルク凝固非晶質合金は、負荷及び逆負荷を繰り返し加えてもヒステリシスは示さない。 Vitreloy -1合金の負荷挙動にヒステリシスが存在しないのは、負荷及び逆負荷時、微小塑性変形、従って微小降伏を示す結晶粒または他の内部構造が存在しないこの材料の非晶質構造による。 従来の多結晶クラブヘッド合金とこの非晶質合金の振舞の違いは、金属ボールを材料の表面に落下させる弾み試験における良好な性能によりさらに証明される。 この非晶質合金は多結晶合金と比べて著しく大きい弾み特性を示すが、このことにより非晶質合金はエネルギーの吸収が少ないが(事実上、実質的に零)、多結晶合金はかなりエネルギーを吸収することが分かる。 本発明に従って製造したクラブの材料の望ましい変形挙動特性は、弾性ひずみ限界が少なくとも約1.5%、好ましくは1.8%以上、最も好ましくは約2. 0%であり、それに伴う塑性ひずみが、弾性ひずみ限界までで約0.01%以下、好ましくは約0.001%以下である。 即ち、この材料はその破断強度の約8 0%の負荷をかけても塑性変形は実質的に零である。 バルク凝固非晶質合金は、結晶粒界がないことにより優れた耐腐食性を示す。 これらの合金は滑らかな表面に対して鋳造されると非常に滑らかな鋳造表面を有し、その摩擦係数は低い。 滑らかな表面は見た目が素晴らしく、摩擦係数が低いとフックやスライスの弾道になりやすいボールに対するひっかかりが減少する。 非晶質合金は多数の方法、最も好ましくは金型鋳造により容易にクラブのシャフトまたはヘッドの形に鋳造することができるため、これらの部品を手頃なコストで製造することを可能である。 ゴルフクラブに用いる好ましい合金は、スティール及びTi-6Al-4V合金のようなゴルフクラブのヘッドに現在用いられている金属の2倍のオーダーの極めて高い強度対密度比を有する。 この材料特性の特徴点は、強度対密度比が少なくとも約1×10 6インチ、好ましくは約1.2×10 6インチよりも大きいことである。 この特徴は、非晶質材料の高い弾性限界(図4)及び低い減衰特性(図5)と相俟って、性能を向上させるためのゴルフクラブの驚くべきそして予期せぬ設計変更を可能にする。 例えば、ボールのインパクト点に近いクラブヘッドのフェース(30及び/または30')の厚みを少なくして、その質量をヘッドのフェース及びヘッドの周辺に再配分することができる。 この設計変更によりゴルフクラブのヘッドはインパクト点を中心とするより大きな慣性モーメントをもつようになり、これがクラブヘッドの望ましくないねじり運動に対する安定性を増加させる。 この設計変更は、クラブヘッドの全体質量を変えずに行うことができる。 従来のスティールまたはチタン材料で製造したクラブヘッドのフェースは通常、厚さが約3ミリメートルまたはそれ以上であり、ボールのインパクト時塑性座屈しない。 本発明の非晶質材料で製造したクラブヘッドのフェースは、厚さを2.5ミリメートル以下、最も好ましくは約1.5乃至2ミリメートルの範囲内にすることができる。 それよりも薄くすると、インパクト時塑性座屈が生じる危険性がある。 それよりも厚いと、叙上の利点が失われる。 クラブヘッドのフェースが薄いと、ボールのインパクト時クラブに「柔らかい」感じが伝わる。 クラブヘッドのフェースの厚さを減少することによって削減される質量をクラブヘッドのフェースの周辺またはクラブの周辺の他の所に再配分することにより、叙上のように慣性モーメントの増加及び安定性を向上が可能となる。 図6A及び6Bは、ゴルフクラブセットに本発明を適用する特に望ましい場合を示す。 ドライバ、アイアン及びパターを含むクラブセットの中で、ヘッドの体積にはかなりのばらつきがある。例えば、図6Aに示す典型的な3番アイアンの体積は約31.2立法センチメートル(cc)、図6Bに示す典型的な8番アイアンの体積は約35.6ccである。クラブヘッドの形状、従ってそれらの体積は主としてプロゴルフ協会の仕様により決まる。しかしながら、大型のアイアンを使用するという傾向が存在する。 2つのクラブヘッドが通常の金属合金のような同一材料で作られておれば、各クラブのヘッドの重量はその体積に比例して変わる。バルク凝固非晶質合金の密度特性は、ゴルフクラブの設計に当たり、他の候補材料では得られない重要な利点を与える。その第1のものは材料の密度範囲の絶対値であり、第2のものは他の関連の機械的及び物理的特性を受入れ可能な範囲内に維持しながら密度を広い範囲に亘り変えられるという点である。密度範囲の絶対値については、好ましいバルク凝固非晶質合金の密度は約5.0グラム/c c乃至約7.0グラム/ccである。これらの密度を従来のゴルフクラブのヘッド材料の密度と比較すると、例えば銅−ベリリウムは密度が8.0グラム/cc 、スティールは7.8グラム/cc、チタンは4.5グラム/cc、アルミニウムは2.7グラム/ccである。これらの従来の材料の密度は比較的一定であり、容易に変えることはできない。高い方の銅−ベリリウム及びスティールと、チタンとの間には密度に大きなギャップが存在する。本発明の合金は密度のこのギャップ領域内にある。従って、本発明の材料を用いると、例えばアイアンのサイズと体積を、重量をほぼ同じに保ちながら、スティール製のアイアンよりも大きくすることが可能である。非晶質合金を用いてクラブヘッドを製造する第2の重要な利点は、それらの密度をかなり広い範囲の値に亘り選択的に変えられることである。例えば、好ましい合金の広い組成範囲内において(原子パーセントで、ジルコニウムとチタンの合計が約45乃至約67%、ベリリウムが約10乃至約35%、銅とニッケルの合計が約10乃至約38%、それに付随的な不純物を含み、パーセントの合計は100原子パーセントとなる)、バルク凝固非晶質合金になる許容範囲内を維持しながら組成を変えることにより、密度を約5.0グラム/ccから約7グラム/ccの間で変化させることができる。本発明の発明者等にとって特に関心のある範囲は、約5.7グラム/cc乃至約6.2グラム/ccである。特に関心のある範囲内の密度を与える好ましい範囲内のバルク凝固非晶質合金の組成を以下の表に示す。 組成(原子パーセント) 密度 Zr Cu Ti Ni Be 6.2 44.4 13.5 10.9 10.4 20.8 6.0 37.3 9.7 18.9 9.3 24.8 5.9 35.6 8.9 20.3. 9.3 25.9 5.7 29.6 8.3 27.7 8.1 26.3 金属の密度を変えられるというこの特徴を、バルク凝固非晶質合金の密度とクラブヘッドの体積の積、即ちクラブヘッドの重量がクラブ設計者が決めた設計値に合致するように合金の組成を選択することにより、有利に利用できる。本発明の発明者等はゴルフクラブのヘッドの設計者ではないが、以下の例は例示の目的を持つものにすぎない。第1のクラブヘッド(例えば、2番アイアン)の設計体積が約39.3ccであり、第2のクラブヘッド(例えば、8番アイアン)の設計体積が約42.7ccである場合、これら2つのクラブヘッドの重量をほぼ一定の244グラムに維持するためには、第1のクラブのヘッドを密度が6.2グラム/ccのバルク凝固非晶質合金で、また第2のクラブのヘッドを密度が約5 . 7グラム/ccのバルク凝固非晶質合金で作ればよい。上記の表はこれらの密度を得るために適した組成を与える。これら両方の合金の組成はバルク凝固非晶質合金の許容範囲内で選択されるため、クラブヘッドは共に非晶質であり、ほぼ同じ全体重量(材料の密度とヘッドの体積の積)を有し、上述したような類似の材料特性を持つ。これらの原理は、種々のヘッド体積を有するそのセットの複数のクラブに直接適用される。その他のケースとして、クラブヘッドの設計者は重量を一定にすることを望まず、重量をある所定の態様で変化させる方を選ぶ場合がある。前の例に引続いて、体積が39.3ccの2番アイアンを密度が5.7グラムのバルク凝固非晶質合金で製造する場合、その重量は224グラムであり、身体の小さい人にとってはより適当な値であろう。体積が42.7ccの8番アイアンを密度が6.2グラムのバルク凝固非晶質合金で作る場合、その重量は265グラムであり、この重量は大きな人にとってより適当な値であろう。いずれの場合においても、クラブヘッドはそれぞれ優れた特性をもつ非晶質合金で製造し、金型鋳造により同じ2 番アイアン及び8番アイアンの金型を用いて鋳造すればよい。この例では、この特性範囲は5.7乃至6.2グラム/ccの密度範囲のみを変えることによって得られる。好ましいバルク凝固非晶質合金族内で合金の組成を変えることにより、密度を約5.0乃至約7.0グラム/ccのようにかなり広く変化させることができ、さらに広い範囲で重量を変えることができる。上記の実施例から、ゴルフクラブの物理的形状及び寸法(従って、体積)や別個に選択可能な材料密度の点でゴルフクラブを設計する重要な新しい手法がゴルフクラブの設計者に与えられることが明らかである。これら特性の選択により、 ゴルフクラブをゴルファーの個々の能力及び特徴に適合させることができる。本発明の特定実施例を例示の目的で詳細に説明したが、種々の変形例及び設計変更を本発明の精神及び範囲から逸脱することなく想到することが可能である。従って、本発明は後記の特許請求の範囲による場合を例外として限定されるべきでない。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジョンソン,ウィリアム,エル アメリカ合衆国,カリフォルニア州 91107,パサデナ,マウンテンビュー・ア ベニュー 3546 (72)発明者 ペカー,アタカン アメリカ合衆国,カリフォルニア州 92656,アリソ・ビィエジョ,フルマー・ レーン 97

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