計測装置および計測方法

申请号 JP2016032417 申请日 2016-02-23 公开(公告)号 JP2017148185A 公开(公告)日 2017-08-31
申请人 ブリヂストンスポーツ株式会社; 发明人 石原 知高;
摘要 【課題】打撃においてゴルファが全身から発するスイングのエネルギを比較的簡易に計測することが可能な計測システムの提供。 【解決手段】計測システムAは、ゴルファの左右の脚部の床反 力 を計測する第一の計測ユニット(フォースプレート)1L、1Rと、ゴルファの上半身に装着され、ゴルファの 角 速度 を計測する第二の計測ユニット2と、処理手段5と、を備え、処理手段は、第一の計測ユニットおよび第二の計測ユニットの計測結果に基づいて、スイング中のゴルファの運動エネルギである第一のエネルギを演算する。 【選択図】図1
权利要求

ゴルファの左右の脚部の床反を計測する第一の計測ユニットと、 ゴルファの上半身に装着され、ゴルファの速度を計測する第二の計測ユニットと、 処理手段と、を備え、 前記処理手段は、 前記第一の計測ユニットおよび前記第二の計測ユニットの計測結果に基づいて、スイング中のゴルファの運動エネルギである第一のエネルギを演算する、 ことを特徴とする計測システム。請求項1に記載の計測システムであって、 ゴルフクラブのヘッドスピードを計測する第三の計測ユニットを更に備え、 前記処理手段は、 前記第三の計測ユニットの計測結果に基づいて、ゴルフクラブヘッドの運動エネルギである第二のエネルギを演算する、 ことを特徴とする計測システム。請求項2に記載の計測システムであって、 複数のゴルファに関する前記第一のエネルギおよび前記第二のエネルギの情報を記憶した記憶手段と、 前記処理手段が演算した前記第一のエネルギおよび前記第二のエネルギと、前記記憶手段に記憶された情報とを比較する比較情報を表示する表示手段と、 を更に備えたことを特徴とする計測システム。請求項3に記載の計測システムであって、 前記比較情報は、 横軸または縦軸の一方を前記第一のエネルギとし、他方を前記第二のエネルギとしたグラフである、 ことを特徴とする計測システム。請求項1に記載の計測システムであって、 前記第一のエネルギは、ゴルファの並進エネルギと回転エネルギとを含み、 前記並進エネルギは、前記第一の計測ユニットの計測結果に基づいて演算され、 前記回転エネルギは、前記第一の計測ユニットおよび前記第二の計測ユニットの計測結果に基づいて演算される、 ことを特徴とする計測システム。請求項5に記載の計測システムであって、 前記回転エネルギは、ゴルファの重心位置に基づき演算され、 前記重心の初期位置のうち、平方向の初期位置は前記第一の計測ユニットの計測結果に基づいて設定され、鉛直方向の初期位置は固定値である、 ことを特徴とする計測システム。請求項5に記載の計測システムであって、 前記回転エネルギは、ゴルファの重心の位置に基づき演算され、 前記重心の初期位置のうち、水平方向の初期位置は前記第一の計測ユニットの計測結果に基づいて設定され、鉛直方向の初期位置はゴルファの身長に基づいて設定される、 ことを特徴とする計測システム。請求項4に記載の計測システムであって、 前記並進エネルギは、三軸方向の各エネルギであり、 前記回転エネルギは、ゴルファの重心を通る水平軸周りおよび鉛直軸周りの各エネルギである、 ことを特徴とする計測システム。請求項1に記載の計測システムであって、 ゴルフクラブに装着される慣性センサを備え、 前記処理手段は、前記慣性センサの検出結果に基づいて、インパクトタイミングを特定し、 前記第一のエネルギは、前記インパクトタイミングの前後の所定の期間における前記第一の計測ユニットおよび前記第二の計測ユニットの計測結果に基づいて演算される、 ことを特徴とする計測システム。ゴルファの左右の脚部の床反力を計測する第一の計測ユニット、および、ゴルファの上半身に装着され、ゴルファの角速度を計測する第二の計測ユニットの各計測結果を取得する工程と、 前記第一の計測ユニットおよび前記第二の計測ユニットの計測結果に基づいて、スイング中のゴルファの運動エネルギである第一のエネルギを演算する工程と、を備える、 ことを特徴とする計測方法。

说明书全文

本発明はゴルフスイングの計測技術に関する。

ゴルファのスイング改善のために、スイングを解析する技術が提案されている(特許文献1〜特許文献10)。例えば、特許文献1にはゴルファの上半身とゴルフクラブに慣性センサを装着し、その検出結果からゴルファの運動エネルギとゴルフクラブの運動エネルギとを解析するシステムが開示されている。また、特許文献2や特許文献3にはフォースプレート(床反計、足圧計とも呼ばれる)を用いてスイング解析をするシステムが開示されている。

特開2014−073313号公報

特表2014−530047号公報

特表2011−502602号公報

特開2015−096105号公報

特開2014−073314号公報

特開2011−030761号公報

特開2013−090862号公報

特開2009−005760号公報

特表2008−539856号公報

特開平3−012183号公報

ゴルファのスイング改善の動機としては、飛距離の向上が挙げられる。飛距離の向上のためには、ゴルファがスイング中に発するエネルギが、ゴルフクラブを介して、ゴルフボールの打撃に効率よく利用される必要がある。そのエネルギ効率を評価するためには、ゴルファがスイング中に全身から発するエネルギを考慮すべきであるが、全身から発するエネルギの計測は比較的簡易に行えることが望ましい。

本発明の目的は、打撃においてゴルファが全身から発するスイングのエネルギを比較的簡易に計測することにある。

本発明によれば、 ゴルファの左右の脚部の床反力を計測する第一の計測ユニットと、 ゴルファの上半身に装着され、ゴルファの速度を計測する第二の計測ユニットと、 処理手段と、を備え、 前記処理手段は、 前記第一の計測ユニットおよび前記第二の計測ユニットの計測結果に基づいて、スイング中のゴルファの運動エネルギである第一のエネルギを演算する、 ことを特徴とする計測システムが提供される。

また、本発明によれば、 ゴルファの左右の脚部の床反力を計測する第一の計測ユニット、および、ゴルファの上半身に装着され、ゴルファの角速度を計測する第二の計測ユニットの各計測結果を取得する工程と、 前記第一の計測ユニットおよび前記第二の計測ユニットの計測結果に基づいて、スイング中のゴルファの運動エネルギである第一のエネルギを演算する工程と、を備える、 ことを特徴とする計測方法が提供される。

本発明によれば、打撃においてゴルファが全身から発するスイングのエネルギを比較的簡易に計測することができる。

本発明の一実施形態に係る計測システムの概要図。

(A)はフォースプレートの説明図、(B)は足圧中心の説明図、(C)は重心位置等の説明図、(D)は平軸周りの角速度の説明図。

処理装置が実行する処理例を示すフローチャート。

(A)〜(C)は運動エネルギの算出例の説明図。

(A)〜(C)は運動エネルギの算出例の説明図。

(A)および(B)は運動エネルギの算出例の説明図。

(A)および(B)表示装置の表示例を示す図。

<システムの構成> 図1は本発明の一実施形態に係る計測システムAの概要図である。計測システムAは、一対のフォースプレート1Rおよび1Lと、計測ユニット2〜4と、処理装置5、表示装置6と、入力装置7とを含む。矢印X、矢印Yおよび矢印Zは、計測システムAの試打席における三次元の座標系を示しており、フォースプレート1Rおよび1Lと、計測ユニット2〜4とはこの座標系に対応して設置される。矢印X、矢印Yは互いに直交する水平方向を示し、矢印Zは鉛直方向を示す。矢印Xはゴルフボールの飛球線方向に設定される。

フォースプレート1Rおよび1Lは、ゴルファの左右の脚部の床反力を計測する計測ユニットを構成する。フォースプレート1Rおよび1LはX方向に並べて配置されており、フォースプレート1Rはゴルファの右脚の床反力を計測することを予定し、フォースプレート1Lはゴルファの左脚の床反力を計測することを予定している。計測を受けるゴルファ100は、フォースプレート1Rに右脚を乗せ、フォースプレート1Lに左脚を乗せる。以下の説明において、フォースプレート1Rおよび1Lを区別しない場合は、フォースプレート1と呼ぶ。

なお、本実施形態では、ゴルファの左右の脚部に対応して一対のフォースプレート1Rおよび1Lを用いるが、左右の脚部の床反力をそれぞれ計測可能な単一のフォースプレートも採用可能である。

フォースプレート1は、床反力として、X、Y、Zの三軸方向の並進力と、Z軸まわりのモーメントを計測可能なものであればどのようなものであってもよい。図2(A)はフォースプレート1の一例を示す概要図である。フォースプレート1は、本体11と踏み板12との間に複数の荷重センサ13が配置されて構成されており、複数の荷重センサ13の検出結果から、三軸方向の並進力Fx、Fy、Fzと、Z軸まわりのモーメントMzが導出される。

フォースプレート1は、また、複数の荷重センサ13の検出結果から足圧中心の位置と大きさを導出可能である。図2(B)に示すように、フォースプレート1Rで検出された右脚の足圧中心をRCOP、フォースプレート1Lで検出された左脚の足圧中心をLCOPとする。また、足圧中心RCOPおよびLCOPの位置と大きさから、両脚を全体で見た足圧中心COPを演算することができる。足圧中心COPは、足圧中心RCOPおよびLCOPを結ぶ線上で、足圧中心RCOPおよびLCOPの大きさの比率に応じた位置であり、足圧中心RCOPおよびLCOPの大きさが同じ場合は中点となり、足圧中心RCOPの方が大きい場合は、足圧中心RCOP側に偏った位置となる。

図1に戻り、計測ユニット2は角速度センサを少なくとも含む。計測ユニット2としては、例えば、ATR-Promotions社のTSND121を用いることができる。計測ユニット2はゴルファ100の上半身に装着され、例えば、腰と肩との間で胴体に装着することができ、ゴルファ100の上体の回転を計測可能な位置に装着される。図の例では背中の上部に装着されているが、胸側に装着してもよい。計測ユニット2はスイング中のゴルファ100の重心(より正確にはゴルフクラブ101とこれを持ったゴルファ100の重心)を通るZ軸周りの角速度Wzを計測する。図2(C)はその説明図である。同図には、スイング中のゴルファ100の重心Gと、重心Gを通るZ軸である線Zgとが図示されている。計測ユニット2をゴルファ100の上半身に装着すると、同図に示すように、線Zg上または線Zgに近い位置に計測ユニット2が位置する。このため、角度センサ2の検出結果を、スイング中のゴルファ100の重心を通るZ軸周りの角速度Wzと見做すことができる。

重心Gの位置は、スイング中、変化する。重心Gの位置の演算は例えば以下の通りとすることができる。アドレス時の、ゴルファ100が静止しているときの重心Gの位置を初期位置とする。その後、フォースプレート1で検出される三軸方向の並進力Fx、Fy、Fz(左右のフォースプレート1R、1Lの合計値)から重心GのX、YおよびZ方向の変位量を演算することができる。つまり、運動方程式:m×a=Fにおいて、mを運動体の質量として、ゴルファ100およびゴルフクラブ101の合計の質量を代入し、Fにフォースプレート1で検出される並進力を代入すると、加速度aが得られる。加速度aの積分値により速度が導出され、速度の積分値により位置が演算される。

静的な状態では、重心Gと足圧中心COPのX、Y方向の位置は一致する。動的な状態では一致しない場合がある。重心Gの初期位置のうち、X方向およびY方向の位置は、アドレス時の、ゴルファ100が静止しているときの足圧中心COPとすることができる。図2(C)に示すZ方向の初期位置(高さGz)は、本実施形態のシステムAでは計測できない。そこで、固定値(例えば90cm)としてもよい。あるいは、ゴルファ100の身長に基づき設定してもよい。例えば、ゴルファの身長の50%〜60%の値としてもよい。これにより、演算精度を大きく低下させることなく、簡便に重心GのZ方向の初期位置を設定できる。

ゴルファ100の、重心Gを通るZ軸周りの角速度Wzについては、上記のとおり、計測ユニット2で検出可能であるが、図2(C)に示す重心Gを通るY軸周りの角速度Wyについては、フォースプレート1の検出結果から導出できる。図2(D)はその説明図である。

図2(D)は、スイング中の微小時間で、X−Z平面上で、重心Gの位置が重心G’に変位し、足圧中心COPの位置が足圧中心COP’に変位した場合を示している。線L1は重心Gと足圧中心COPを結ぶ仮想線であり、線L2は重心G’と足圧中心COP’を結ぶ仮想線である。同図に示すように、角速度Wyは、X−Z平面上において、重心Gに対する足圧中心COPの相対角速度として特定することができる。

図1に戻り、計測ユニット3は、ゴルフクラブ101のヘッドスピードを計測する。図1の例では、計測ユニット3は、打撃されるゴルフボールに対して飛球線後方に配置された弾道測定器であり、このような測定器としては例えば、TRACKMAN社のTRACKMANを用いることができる。計測ユニット3は、ゴルフクラブ101のヘッドスピードを計測できればどのようなものであってもよく、例えば、計測ユニット3’として図示するように、打撃されるゴルフボール近傍において、前側に配置され、ゴルフクラブヘッドの通過と通過時間を計測する計測器であってもよい。また、ゴルフクラブ101に装着される計測器であってもよい。

計測ユニット4は、慣性センサ(加速度センサあるいは角速度センサの少なくともいずれか一方)を含み、ゴルフクラブ101のグリップあるいはシャフトに装着される。計測ユニット4としては、例えば、ATR-Promotions社のTSND121を用いることができる。計測ユニット4の検出結果により、インパクトタイミングを特定する。インパクト時にゴルフクラブ101の加速度または角速度は急激に変化する。よって、計測ユニット4の検出結果の変化のピークのタイミングをインパクトのタイミングとすることができる。

処理装置5は、一般的なパソコンから構成することが可能である。処理装置5は、互いに電気的に接続された処理部51と、記憶部52と、I/F部(インタフェース部)53と、を備える。処理部51はCPU等のプロセッサである。記憶部52は一又は複数の記憶デバイスを備える。記憶デバイスは、例えば、RAM、ROM、ハードディスク等である。記憶部52には処理部51が実行するプログラムや、各種のデータが格納される。処理部51が実行するプログラムは、処理部51が読取可能な複数の指示から構成することができる。

I/F部53は外部デバイスと処理部51との間でデータの入出力を行う。I/F部53には、I/Oインタフェース、通信インタフェースを含むことができる。計測ユニット2〜4は処理装置5に有線通信または無線通信により通信可能に接続されており、これらの検知結果は処理装置5によって取得される。

処理装置5には表示装置6と入力装置7が接続されている。表示装置6は、例えば、液晶表示装置等の電子画像表示装置であり、処理装置5の処理結果が表示される。入力装置7はマウスやキーボードであり、計測者が処理装置5に対してデータの入力や動作の指示を行うために用いられる。

<計測処理例> 処理部51が実行する計測処理プログラムの例について図3を参照して説明する。同図は計測処理プログラムのフローチャートである。本実施形態では、ゴルファ100にゴルフクラブ101によってゴルフボールを試打させる。そして、そのスイング中のゴルファ100の運動エネルギと、ゴルフクラブヘッドの運動エネルギを演算する。前者をゴルファエネルギ、後者をヘッドエネルギと呼ぶ。

ゴルファエネルギは、スイング中にゴルファが全身から発するエネルギであり、本実施形態では、これを以下に説明するように、フォースプレート1および計測ユニット2の二つの計測デバイスの計測結果から導出することができる。したがって、比較的簡易なシステム構成でゴルファエネルギを導出でき、打撃においてゴルファが全身から発するスイングのエネルギを比較的簡易に計測することができる。

また、ゴルファエネルギおよびヘッドエネルギを演算することで、打撃におけるゴルファのスイングのエネルギ効率を評価することができる。

例えば、ゴルファエネルギに対してヘッドエネルギが著しく小さい場合、ゴルファの運動エネルギが、ゴルフクラブヘッドの運動に効率よく変換されていない、ということができる。つまり、無駄な動きが多いか、あるいは、クラブの振り方に問題があると分析できる。また、打撃によるゴルフボールの飛距離が短い場合、ゴルファ100の体力に起因するのか、スイングに起因するのかも分析できる。

S1では初期設定を行う。ここでは、ゴルファエネルギとヘッドエネルギの演算に必要は条件を設定する。例えば、ゴルファエネルギの運動体の質量はゴルファ100の質量とゴルフクラブ101の質量の合計とし、これはフォースプレート1で計測可能である。ヘッドエネルギの運動体の質量はゴルフクラブ101のヘッドの質量とし、実測してもよいし、特殊なヘッドでなければ固定値(例えば200g)としてもよい。また、図2(C)で説明した重心GのZ方向の初期位置を設定する。

初期設定が終了すると、ゴルファ100に打撃の準備をしてもらい、S2で計測を開始すると共にゴルファ100にフォースプレート1上に立ってゴルフボールを打撃してもらう。計測開始により、微小時間毎の計測ユニット2〜4の各計測結果(計測データ)を取得して保存する。保存先として記憶部52を用いることができるが、処理装置5の外部に設けたデータロガーに保存してもよい。計測はゴルファ100がスイング開始から終了までの十分な時間だけ行い、計測終了を時間で定めてもよいし、計測者の操作により定めてもよい。

S3では、S2で取得した計測データのうち、エネルギの演算に用いるデータの範囲を設定する。S2で取得した計測データの全てを、エネルギの演算に用いてもよいが、無駄が多い場合がある。本実施形態では、計測ユニット4の計測データからインパクトタイミングを特定し、インパクトタイミングの前後の所定の期間以外の計測データを演算対象から除外する。

所定の期間は、例えば、インパクトタイミングの二秒前から一秒後までとすることができる。打撃におけるゴルファのスイングのエネルギ効率を評価する点では、ゴルファ100がテークバックからインパクトまでに放出した運動エネルギが最も重要となる。インパクトタイミングの二秒前からの計測データを演算の対象に含めることで、ゴルファ100がテークバックおよびダウンスイングで放出したエネルギをより的確に演算できる。

また、インパクトタイミングの二秒前からの計測データを演算の対象に含めることで、ゴルファ100が静止状態(アドレス)の際の計測データも含まれる。ゴルファ100が静止状態の時の足圧中心COPを重心GのX、Y方向の位置の初期位置とする。

一方、インパクトタイミングの一秒後の計測データを演算の対象に含めることで、フォロースルーにおいてゴルファ100が放出した運動エネルギも演算対象としている。これは、インパクトタイミングの測定誤差等を考慮して、演算対象とする計測データの範囲を広めにしたものである。但し、一般に、フォロースルーにおいてゴルファ100が放出する運動エネルギは小さいことから、ゴルファエネルギの演算結果に与える影響は小さいと言える。

ヘッドエネルギについては、ヘッドスピードの最速値を用いる。ヘッドスピードは通常、インパクトの直前で最速となることから、上述した所定の期間内において、計測ユニット3が計測したヘッドスピードの最速値を用いればよいことになる。

次に、S4ではS3で設定したデータ範囲に含まれる計測データから、ゴルファエネルギE1とヘッドエネルギE2とを演算する。

ヘッドエネルギE2は、以下の式で演算される。 E2=1/2*mh*v2 ここで、vは計測ユニット3が計測したヘッドスピードの最速値であり、mhはゴルフクラブヘッドの質量である。

ゴルファエネルギE1は、並進エネルギと回転エネルギとの合計値である。図4(A)〜図6(B)は演算式の説明図である。以下に述べる演算式では、特に言及しない限り、各図の矢印の方向を正の値とし、逆方向を負の値とした場合を想定している。

図4(A)〜図4(C)は、順にX、Y、Zの各方向の並進エネルギの演算式の説明図である。X方向の並進エネルギExは以下の式により演算される。 Ex=∫(RFx+LFx)*Vx dt ここで、RFxはフォースプレート1Rで計測された右脚のX方向の床反力であり、LFxはフォースプレート1Lで計測された左脚のX方向の床反力である。Vxは重心GのX方向の移動速度である。

Y方向の並進エネルギEyは以下の式により演算される。 Ey=∫(RFy+LFy)*Vy dt ここで、RFyはフォースプレート1Rで計測された右脚のY方向の床反力であり、LFyはフォースプレート1Lで計測された左脚のY方向の床反力である。Vyは重心GのY方向の移動速度である。

Z方向の並進エネルギEzは以下の式により演算される。 Ez=∫(RFz+LFz-m*g)*Vz dt ここで、RFzはフォースプレート1Rで計測された右脚のZ方向の床反力であり、LFzはフォースプレート1Lで計測された左脚のZ方向の床反力である。mはゴルファ100およびゴルフクラブ101の合計の質量であり、gは重力加速度である。Vzは重心GのZ方向の移動速度である。

図5(A)〜図6(B)は回転エネルギの演算式の説明図である。図5(A)はゴルファ100の脚部のトルクにより生じるZ軸周りの回転エネルギEw1の説明図である。回転エネルギEw1は以下の式により演算される。 Ew1=∫(RMz+LMz)*Wz dt ここで、RMzはフォースプレート1Rで計測された右脚のZ軸周りのモーメントであり、LMzはフォースプレート1Lで計測された左脚のZ軸周りのモーメントである。Wzは計測ユニット2で計測された重心Gを通るZ軸周りの角速度である。

図5(B)はゴルファ100の脚部の並進力により生じるZ軸周りの回転エネルギEw2の説明図である。回転エネルギEw2は以下の式により演算される。 Ew2=∫(LFy*Lx+RFy*Rx)*Wz dt ここで、LFy、RFyおよびWzは既に説明したとおりである。Lxは、重心位置Gと左脚の足圧中心LCOPとのX方向の離間距離である。Rxは、重心位置Gと右脚の足圧中心RCOPとのX方向の離間距離である。

図5(C)はゴルファ100の脚部の並進力により生じるZ軸周りの回転エネルギEw3の説明図である。回転エネルギEw3は以下の式により演算される。 Ew3=∫(LFy*Ly+RFy*Ry)*Wz dt ここで、LFy、RFyおよびWzは既に説明したとおりである。Lyは、重心位置Gと左脚の足圧中心LCOPとのY方向の離間距離である。Ryは、重心位置Gと右脚の足圧中心RCOPとのY方向の離間距離である。Ly,Ryは重心より前方であれば正の値をとり、逆の場合は負の値を持つ。

図6(A)はゴルファ100の脚部の並進力により生じるY軸周りの回転エネルギEw4の説明図である。回転エネルギEw4は以下の式により演算される。 Ew4=∫{[((RFz+LFz)-m*g)*LFz/(RFz+LFz)]*Lx-[((RFz+LFz)-m*g)*RFz/(RFz+LFz)]*Rx}*Wy dt ここで、LFz、Lx、RFz、Rx、mおよびgは既に説明したとおりである。Wyは重心Gを通るY軸回りの角速度であり、図2(D)を参照して説明したとおりである。

図6(B)はゴルファ100の脚部の並進力により生じるY軸周りの回転エネルギEw5の説明図である。回転エネルギEw5は以下の式により演算される。

Ew5=∫(LFx+RFx)*GH*Wy dt ここで、LFx、RFxおよびWyは既に説明したとおりである。GHは重心GのZ方向の位置(フォースプレート1からの高さ)である。

以上の演算により、ゴルファエネルギE1は、E1=Ex+Ey+Ez+Ew1+Ew2+Ew3+Ew4+Ew5となる。

図3に戻り、S5ではS4の演算結果を表示装置6に表示する。図7(A)および(B)は、ゴルファエネルギE1およびヘッドエネルギE2の演算結果の表示例を示している。

図7(A)の例は、ゴルファエネルギE1を横軸、ヘッドエネルギE2を縦軸とした二次元グラフ上に、S4の演算結果をプロットしている。なお、横軸と縦軸と各エネルギとの関係は逆であってもよい。計測を受けたゴルファ100は、自身のゴルファエネルギE1とヘッドエネルギE2との関係を理解することができる。

図7(A)の例では、また、エネルギ効率の目安となる線L3も表示されている。線L3は例えば平均的なゴルファエネルギE1とヘッドエネルギE2との関係を示したものとすることができる。プロットが線L3よりも上左側であると、計測を受けたゴルファ100のスイング効率が比較的高いことになり、線L3よりも下右側であると比較的低いこととなる。計測を受けたゴルファ100はスイング改善の目安とすることができる。

図7(B)の例は、比較情報として、計測を受けたゴルファ100のエネルギの演算結果と共に、過去に計測された複数のゴルファのゴルファエネルギE1およびヘッドエネルギE2のデータを表示したものである。自身のデータと他人のデータを比較することで、計測を受けたゴルファ100はスイング改善の目安とすることができる。過去に計測された複数のゴルファのデータは記憶部52に格納しておくことができる。

過去に計測された複数のゴルファのデータは、その属性に関連付けられており、そのプロットは、その属性毎に異なる形態とされている。同図の例ではAグループからFグループに属性が分かれている。属性は、例えば、性別、年齢、ハンディキャップ、プロ/アマ、身長、体重等のうちの一つまたは組み合わせとすることができる。

計測を受けたゴルファ100は、例えば、自身と同じ属性の複数のゴルファのデータと比較して、スイング改善の目安とすることができる。その際、特定の属性のゴルファのデータのみを選択的に表示するようにしてもよい。例えば、A〜Fグループのうち、Aグループのゴルファのデータと、計測を受けたゴルファ100のデータとを表示するようにしてもよい。

また、計測を受けたゴルファ100は、例えば、自身と異なる属性の複数のゴルファのデータと比較することにより、例えば、プロゴルファーや上級者の技術レベルや体力レベルを知ることもできる。

A 計測システム、1R フォースプレート、1L フォースプレート、2〜4 計測ユニット、5 処理装置

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