Lift-up sheet for the vehicle

申请号 JP2002152773 申请日 2002-05-27 公开(公告)号 JP4099700B2 公开(公告)日 2008-06-11
申请人 トヨタ車体株式会社; 发明人 一成 安光; 繁 安福; 秀範 山内; 俊之 白鷹; 久 辻本; 英雄 都築; 誠司 鈴木;
摘要
权利要求
  • 座席部と前記座席部の両側に設けられ当該座席部を移動可能に支える一対の車輪とを備え 、車外において単独での移動が可能とされ、かつ 前記座席部の下部に設けられたクッションフレームの下方領域が空いたスペースとされている車椅子型のシートと、
    車室内に設置されるとともに、車体の側方に設けられたドア開口部を介して前記シートを車内と車外との間で出入りさせる駆動装置とからなる車両用リフトアップシートであって、
    前記駆動装置は、
    車両のフロアパネルに固定された支持台座と、この支持台座に対して取付けられるとともに前記シートを車室内において車体の進行方向を向いた運転位置とドア開口部側を向いた旋回位置との間で回動可能に支持する回動台座とからなる回動機構と、
    前記シートに設けられた 前記車輪に挟まれた領域内にあって、 前記クッションフレームを下方から支持可能とされ、 かつ前記クッションフレームに対して分離可能なシート支持部材を備えるとともに、前記シートが前記旋回位置にあるときには 前記シート支持部材を昇降プレートに対して相対移動させることで当該シートに車外方向へのスライド動作を行わせるスライド機構と、
    前記スライド機構の一部を構成する前記昇降プレートと前記回転台座側に設けられるベースプレートとの間を一対のリンクにより接続してなる 4節リンク機構 を有し前記シートに対して車外での昇降動作を行わせる昇降機構とから構成され、
    前記シートが車外にあるときには、前記シート支持部材及びスライド機構が車外に突出するとともに、このスライド機構と室内にある前記回動機構との間を前記4節リンク機構が車外方向に向かって垂れた傾斜姿勢となって接続され、
    かつ車外に突出した前記シート支持部材に対して前記シートを後退動作により近づけることにより、前記シート支持部材を前記シートのシートクッション下方に設けられる空いたスペースに後方から進入させつつ前記シート支持部材上に前記シートをセット可能であり、更にセット完了後、前記昇降機構を作動させて前記シート支持部材を上昇させると、前記クッションフレーム下部の空きスペースに進入した状態にある前記シート支持部材が前記クッションフレームを下から支えて前記シートの全体を支持する構成としてあり、
    前記シートが車内に格納されたときには、前記4節リンク機構は前記車輪間に挟まれた領域内にあるとともに、ほぼ水平な姿勢にあって前記シートの下部領域に収容される構成とされていることを特徴とする車両用リフトアップシート。
  • 前記車輪は前記シートに設けられた 前記座席部に対して、前記シートを車椅子としての走行を可能とする使用位置と、この使用位置から前記シートの前側へ変位した前方退避位置との間で変位可能となるように取付けられていることを特徴とする請求項1記載の車両用リフトアップシート。
  • 前記座席部にはロック部材が設けられるとともに、
    前記シート支持部材における前記ロック部材と対応した位置には、当該ロック部材に対してロック可能な固縛部及びその解除部が設けられる一方、
    前記シート支持部材における前記4節リンク機構と近接した位置には前記シートの昇降動作に伴って変化する前記4節リンク機構の角度を検出可能な検出部が設けられ、この検出部と前記解除部との間が中継手段を介して接続されることで、この検出部は、
    前記シートが車内に格納され前記4節リンク機構による昇降動作がなされない時には動作せず前記固縛部と前記ロック部材とのロック状態が保たれる一方、
    前記4節リンク機構による昇降動作がなされると、下降動作の完了を検出するとともに、前記中継手段を介して前記解除部に解除操作を行わせ前記固縛部と前記ロック部材とのロックを解除することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両用リフトアップシート。
  • 前記座席部と前記車輪との間には、その一端側が当該座席部に、他端側が前記車輪に対して取付けられて、前記座席部側の支点を中心に揺動することで前記車輪を前記使用位置と前記前方退避位置との間で変位させる車輪受け部材が設けられるとともに、
    この車輪受け部材には前記車輪の後方を覆う泥よけ部材が取付けられ、この泥よけ部材は、前記車輪が前記前方退避位置に変位したときには、前記車輪の上方に位置するよう構成されているところを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の車両用リフトアップシート。
  • 说明书全文

    【発明の属する技術分野】
    本発明は、身体障害者等が車椅子ごと車両に乗り込むことが出来る車両用リフトアップシートに関する。
    【0001】
    【従来の技術】
    近年、お年寄りや体が不自由な人が車椅子ごと車両に乗り込んだり、あるいは車から車椅子ごと車外に退避出来るようにした車両用リフトアップシートが提案され、その一例が特開平11−309175号公報に開示されている。 図27に示すように、車両用リフトアップシートは車椅子とリフトアップ機構1とから構成されている。 リフトアップ機構1は、車両のフロア面に対して平面内を回動可能に取付けられた台座2と、この台座2の上面側に垂直面内を揺動可能に取付けられたリンク機構3とから構成されており、リンク機構3の自由端3A側が車椅子のシートバックの左右両側に接続可能とされている。
    車椅子が車内に格納されている時には、リンク機構3は起立姿勢にあって車椅子の後方に位置しており、車椅子を車両の進行方向を向いた姿勢に保持している。 一方、この状態から車椅子が車外に退避する際には、まず台座2の回動動作を行って車椅子を車外方向に回動させた後、リンク機構3を垂下方向へ揺動させる。 これにより、車椅子を車外へ突出させるとともに地表面の高さまで下降させることが出来る。
    【0002】
    【発明が解決しようとする課題】
    上記構造によると、車椅子が車室内に格納された状態では、リンク機構3は起立姿勢にあって車椅子の後方に位置している。 そのため、リンク機構3が車椅子の後方に張り出してしまい、後席側に十分なスペースを確保出来ない状況にあった。 また、上記課題の対策として、格納された状態においてリンク機構3を水平な姿勢にする等の措置が考えられるが、この場合には、車椅子の側方にリンク機構3を取り付ける必要がある。 そのため、今度は格納時にシート(車椅子)側方のスペースが圧迫されるという問題が懸念された。
    本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、車室内のスペースを圧迫することなく、シートの昇降動作を行うことが出来る車両用リフトアップシートを提供することを目的とする。
    【0003】
    【課題を解決するための手段】
    上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、 座席部と前記座席部の両側に設けられ当該座席部を移動可能に支える一対の車輪とを備え 、車外において単独での移動が可能とされ、かつ前記座席部の下部に設けられたクッションフレームの下方領域が空いたスペースとされている車椅子型のシートと、車室内に設置されるとともに、車体の側方に設けられたドア開口部を介して前記シートを車内と車外との間で出入りさせる駆動装置とからなる車両用リフトアップシートであって、前記駆動装置は、車両のフロアパネルに固定された支持台座と、この支持台座に対して取付けられるとともに前記シートを車室内において車体の進行方向を向いた運転位置とドア開口部側を向いた旋回位置との間で回動可能に支持する回動台座とからなる回動機構と、前記シートに設けられた前記車輪に挟まれた領域内にあって、 前記クッションフレームを下方から支持可能とされ、 かつ前記クッションフレームに対して分離可能なシート支持部材を備えるとともに、前記シートが前記旋回位置にあるときには前記シート支持部材を昇降プレートに対して相対移動させることで当該シートに車外方向へのスライド動作を行わせるスライド機構と、 前記スライド機構の一部を構成する前記昇降プレートと前記回転台座側に設けられるベースプレートとの間を一対のリンクにより接続してなる 4節リンク機構を有し前記シートに対して車外での昇降動作を行わせる昇降機構とから構成され、前記シートが車外にあるときには、前記シート支持部材及びスライド機構が車外に突出するとともに、このスライド機構と室内にある前記回動機構との間を前記4節リンク機構が車外方向に向かって垂れた傾斜姿勢となって接続され、 かつ車外に突出した前記シート支持部材に対して前記シートを後退動作により近づけることにより、前記シート支持部材を前記シートのシートクッション下方に設けられる空いたスペースに後方から進入させつつ前記シート支持部材上に前記シートをセット可能であり、更にセット完了後、前記昇降機構を作動させて前記シート支持部材を上昇させると、前記クッションフレーム下部の空きスペースに進入した状態にある前記シート支持部材が前記クッションフレームを下から支えて前記シートの全体を支持する構成としてあり、前記シートが車内に格納されたときには、前記4節リンク機構は前記車輪間に挟まれた領域内にあるとともに、ほぼ水平な姿勢にあって前記シートの下部領域に収容される構成とされているところに特徴を有する。
    【0004】
    請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記車輪は前記シートに設けられた前記座席部に対して、前記シートを車椅子としての走行を可能とする使用位置と、この使用位置から前記シートの前側へ変位した前方退避位置との間で変位可能となるように取付けられていることに特徴を有する。
    【0005】
    請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のものにおいて、前記座席部にはロック部材が設けられるとともに、前記シート支持部材における前記ロック部材と対応した位置には、当該ロック部材に対してロック可能な固縛部及びその解除部が設けられる一方、前記シート支持部材における前記4節リンク機構と近接した位置には前記シートの昇降動作に伴って変化する前記4節リンク機構の度を検出可能な検出部が設けられ、この検出部と前記解除部との間が中継手段を介して接続されることで、この検出部は、前記シートが車内に格納され前記4節リンク機構による昇降動作がなされない時には動作せず前記固縛部と前記ロック部材とのロック状態が保たれる一方、前記4節リンク機構による昇降動作がなされると、下降動作の完了を検出するとともに、前記中継手段を介して前記解除部に解除操作を行わせ前記固縛部と前記ロック部材とのロックを解除するところに特徴を有する。
    【0006】
    請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のものにおいて、前記座席部と前記車輪との間には、その一端側が当該座席部に、他端側が前記車輪に対して取付けられて、前記座席部側の支点を中心に揺動することで前記車輪を前記使用位置と前記前方退避位置との間で変位させる車輪受け部材が設けられるとともに、この車輪受け部材には前記車輪の後方を覆う泥よけ部材が取付けられ、この泥よけ部材は、前記車輪が前記前方退避位置に変位したときには、前記車輪の上方に位置するよう構成されているところに特徴を有する。
    【0007】
    【発明の作用及び効果】
    <請求項1の発明>
    請求項1の発明によれば、シートで車室内(車両の前席)に乗り込む時には、まず、車外においてシート支持部材によってシートを下方から支持する。 その後、昇降機構によってシートを車室内へと上昇させる。 続いて、スライド機構によってシートを車室内に引き込むとともに、回動機構によって車両の進行方向を向くようにシートを回動させる。 これにて、シートを車室内に格納することが出来る。 シートが車室内に格納された際には、4節リンク機構は車輪に挟まれた領域内にあるとともに、ほぼ水平な姿勢にあってシートの下部に収容される。 そのため、4節リンク機構がシートの後方或いは側方に張り出すことがなく、後席側のスペースが圧迫されない。
    【0008】
    <請求項2の発明>
    請求項2の発明によれば、車輪は使用位置と前方退避位置との間で変位可能とされている。 そのため、車輪を使用位置にしておけば、シートを車椅子として使用することが出来る。 一方、車輪を前方退避位置にすると、車輪における座席部の後方に張り出した部分が前方へ退避する。 そのため、これによっても、格納時における後席側のスペースが圧迫されない。
    【0009】
    <請求項3の発明>
    請求項3の発明によれば、シートの下降動作が完了すると、検出部は下降動作の完了を検出するとともに、中継手段を介して解除部に解除操作を行わせ固縛装置のロックを解除する。 そのため、シートが車外への退出を完了した後に、改めて、固縛機構のロック解除操作を行う必要がなく操作性に優れる。
    【0010】
    <請求項4の発明>
    請求項4の発明によれば、シートが車室内に格納された時には、車輪受け部材が揺動することで車輪が使用位置から前方退避位置へと回動変位する。 この時、泥よけ部材も車輪受け部材と共に回動動作を行い、格納された時には車輪の上方に位置する。 そのため、格納時には泥よけ部材を着座者の肘掛けとして使用することが出来る。
    【0011】
    【発明の実施の形態】
    本発明の一実施形態を図1ないし図26によって説明する。
    図1は本実施形態に適用された普通自動車の運転席側半分を示すものであって、車室内には運転席(本発明の車両用リフトアップシートに相当する)100、及び後席シート12がフロアパネル11上に配置されている。 運転席100の側方にはドア開口部13が設けられており、そこにはヒンジを介してドア14が開閉可能に取付けられている。 また、ドア開口部13の下縁にはスカッフ16が形成されている(図13参照)。
    【0012】
    さて、運転席100は、車外において単独での移動が可能とされた車椅子型のシートSと、シートSに対して次の動作を行わせる駆動装置Mとから構成されている。 シートSは、車室内において車体の進行方向を向いた運転位置(図1に示す位置)とドア開口部13側を向いた旋回位置(図2に示す位置)との間での回動動作、及び旋回位置から車外へ或いは車外から旋回位置への水平方向へのスライド動作(図3参照)並びに車外での昇降動作がなされるようになっている。
    尚、以下の説明において、シートSが車内から車外へ移動する一連の動作を退出動作とし、シートSが車外から車内へ移動する一連の動作を格納動作とする。
    【0013】
    まず、シートSについて説明し、続いて駆動装置Mについて説明する。
    図6に示すように、シートSはシートクッション102、シートバック103及びヘッドレスト104からなる座席部101と、座席部101の後部側に取付けられるとともに座席部101を移動可能に支持する一対の車輪110と、座席部101の前部側に取付けられた一対の補助輪141とから構成されている。 より具体的には、シートクッション102の下部には座席部101全体を支持するためのクッションフレーム105が取付けられている。 このクッションフレーム105はシートクッション102の大きさとほぼ同じ大きさに形成された基部105Aを設けており、基部105Aの左右両縁には下向きに取付け壁105Bが形成されている。 基部105Aの前部には足の載せ板143がフレームを介して取付けられる。 また、取付け壁105Bには、アッパベース111とロアベース115が水平に取付けられる。
    【0014】
    アッパベース111は取付け壁105Bの全長に亘って取付けられるとともに、その側面の後部にはL字状に形成された車輪受け部材112がヒンジ112Aを介して回動可能に軸支されている(図8参照)。 この車輪受け部材112の自由端側には外側に突出する嵌合ピン113と、内側に突出するロックピン114がそれぞれ取付けられている。 このうち嵌合ピン113には車輪110が軸支されており、車輪110は嵌合ピン113を中心として回転自在とされている。
    一方、ロアベース115は板材により形成され、平板状をなす基部115Aを設けている。 基部115Aの上端における後部側、及び前縁を除いた側縁には外向きの側壁が形成されている。 基部115Aの外面であってロックピン114と対応した位置にはロックピン114とロック可能な開閉装置120(例えば、ラッチ部材とロック部材とを備え、ロックピン114に対しラッチ係合するもの)が設けられている。 これにて、ロックピン114が開閉装置120によってロックされると、車輪110の軸が座席部101に対して定まり車軸が固定される。 かくして、シートSが車椅子として使用可能となる。
    【0015】
    前述した開閉装置120には、解除ワイヤー121の一端側121Aが接続されており、他端側121Bが後述する車輪解除部130に接続されている。 これにより、車輪解除部130の解除操作がなされると、解除ワイヤー121を介して開閉装置120のロックが解除され、図8、図9に示すように、車輪受け部材112とともに車輪110をシートSの前方に跳ね上げることが出来る。 このように、車輪110はロックピン114と開閉装置120がロックした使用位置(図8に示す位置)と、シートSの前方へ跳ね上げられる前方退避位置(図9に示す位置)との間で変位するようになっいる。 尚、この前方退避位置において車輪110はロックされておらず回動自在となっている。
    また、車輪受け部材112には連結フレーム124を介してカバープレート125が取付けられている。 このカバープレート125はへの字状に屈曲形成されており、移動許容位置では車輪110の上方と後方を覆うようになっている。 この後方を覆う部分は車輪110に対する泥よけ部(本発明の泥よけ部材に相当する)125Aとされている。
    カバープレート125は、開閉装置120のロックが解除されて車輪受け部材112が揺動すると車輪110とともに回転し、前方退避位置においては、泥よけ部125Aが車輪110の上方を覆い、着座者の肘掛けとして使用することが出来る。
    【0016】
    次に車輪解除部130について説明する。
    図10に示すように、車輪解除部130は、ロック解除操作を行うための解除レバー131と、この解除レバー131を支持するための支持ブラケット132と、解除レバー131による解除動作を開閉装置120に伝達するための解除アーム133と、解除レバー131をロックさせるためのロックブラケット134を備えており、シートクッション102の側部の前端に配される。 具体的には、アッパベース111の前部には支持ブラケット132が固定されており、この支持ブラケット132の前端部と、解除レバー131の前端部との間をL字状をなす揺動アーム135によって接続している。 アッパベース111の側面であって支持ブラケット132の後方にはロックブラケット134が取付けられる一方、解除レバー131の側面にはこのロックブラケット134に設けられたロック孔と係止可能なロックピン136が取付けられている。 かくして、同図に示すように、揺動アーム135が起立した姿勢にあるときには、ロックピン136とロックブラケット134とを係止させることが出来、これにて、解除レバー131がほぼ水平な姿勢に保持される。
    また、支持ブラケット132の後部側と解除レバー131の中央部寄りの位置には解除アーム133が架設されており、その中央部には開閉装置120に接続された解除ワイヤー121の他端側121Bが接続されている。 この解除アーム133は解除レバー131がロックした状態(水平な姿勢)にあるときには前傾姿勢にある。
    【0017】
    解除レバー131には、図示しないロック解除手段が設けられており所定の解除操作を行うことで、ロックピン136とロックブラケット134とを係止解除することが出来る。 そのため、係止解除した後に、解除レバー131を図11のR方向に手動にて回動操作を行うと、揺動アーム135及び解除アーム133は支持ブラケット132側の支点を中心に回動し、揺動アーム135は起立姿勢から後傾姿勢に変位する。 一方、解除アーム133は前傾姿勢から起立姿勢に変位する。 そのため、解除アーム133を介して解除ワイヤー121が引かれて、開閉装置120がロック解除する。
    また、揺動アーム135にはパイプ142を介してシートSの補助輪141が取付けられている。 この補助輪141は、図10に示すように、解除レバー131がロック状態にある時には、座席部101の下方に位置して車輪110とともに座席部101を支持する一方、解除レバー131がロック解除された時には、図11に示すように前方に跳ね上げられるようになっている。
    【0018】
    また、図6に示すように、シートクッション102とシートバック103はリクライニング装置145を介して接続されている。 リクライニング装置145は相対的な回動動作が可能とされた一対のアッパベース145Aとロアベース145Bとを備えるとともに、任意の角度で係止可能なロック機構(図示せず)を内蔵している。 そのため、ロックされた時にはシートバック103の回動動作が禁止され、ロック解除されたときには回動動作が許容されるようになっている。
    ところで、上記のようにしてシートSは構成されるが、クッションフレーム105の下方領域は空いたスペースとなっている。 これは、詳細には後述するが、このスペース内に駆動装置Mに設けられたシート支持台51がシートSの後方から進入して、クッションフレーム105と連結するためである。
    【0019】
    駆動装置MはシートSに前記した回動動作を行わせる回動機構20と、昇降動作を行わせる昇降機構30と、スライド動作を行わせるスライド機構50とから構成されている。
    図12に示すように、回動機構20はフロアパネル11に固定された取付け板(本発明の支持台座に相当する)21と水平な板上をなす回動台座23とを設けており、取付け板21の上面側にはインナリング21Aが、回動台座23の下面側にはアウタリング23Aがそれぞれ取付けられている。 このインナリング21Aには、ボールベアリング22を介してアウタリング23Aが回動可能に取付けられており、これにて、シートSはこの回動台座23と一体となって旋回する。 尚、図12は図の左側が車体の前方であって、右側が車体の後方である。
    【0020】
    また、取付け板21側には回動用モータ24が設けられており、その回転軸にはピニオンギヤ25が取付けられている。 一方、回動台座23側にはピニオンギヤ25と噛合するセクタギヤ26が設けられており、前記した回動用モータ24の駆動に伴って、セクタギヤ26ひいては回動台座23が回動する。 これにより、シートSは車両の進行方向に向けた運転位置と、左側方を向いた旋回位置との間で正逆両方向に約90°の角度、回動される。
    【0021】
    次に、昇降機構30について説明する。
    本実施形態の昇降機構30はリンク機構30Aと昇降スライド機構30Bとから構成されており、車外方向へのスライド動作と連動して昇降動作がなされるようになっており、シートSを室内のフロアパネル11の高さから地面の高さまで下降させることが出来る。 以下、シートSが下降した位置を突出位置とする。
    まず、昇降スライド機構30Bについて説明する。 図15に示すように、回動台座23の上面には断面がU字状をなす支持プレート38が固定されており、その左右側壁の外側にはシートSの前後方向に延びる左右1対のガイドレール39が固定されている。 一方、後述する上下両リンクアーム44、45を支持するためのベースプレート37はブロック状をなす基部37Aを有しており、その左右両側には下向きの側壁37Bを設けている。 この側壁37Bの内面側にはガイドローラ40が取付けられており、これが前記したガイドレール39に対し転動可能に嵌合されている。
    【0022】
    また、回動台座23上には、ガイドレール39に沿ってねじ軸41が配されている。 このねじ軸41には、回動台座23に設けられたギヤボックス(図示せず)を介して、正逆両方向に回転可能とされた昇降モータ(図示せず)が接続されており、この昇降モータの駆動に伴ってねじ軸41が軸周りに回転するようになっている。
    一方、ベースプレート37の基部37Aの下面側には、前記ねじ軸41と螺合するトラベルナット58が固定されている。 これより、ねじ軸41を昇降モータによって正逆回転させると、図13及び図14に示すように、ベースプレート37がガイドレール39に沿って前後方向に移動する。
    【0023】
    次に、リンク機構30Aについて説明する。
    図13に示すようにベースプレート37の側壁37Bには、左右一対の上部リンクアーム44の後端部と、左右一対の下部リンクアーム45の後端部が軸支されている。 また、両リンクアーム44、45の前端部には昇降プレート46が配されている。 この昇降プレート46の側面には上部リンクアーム44と同幅で形成されたレール部48が設けられており、そこに、上部リンクアーム44の前端部が軸支され、レール部48の下方に下部リンクアーム45の前端部が軸支されている。 このベースプレート37、昇降プレート46及び両リンクアーム44、45は四節リンク機構43を構成しており、昇降プレート46はベースプレート37に対し平行に昇降する。 また、上部リンクアーム44はその全長に亘って直線状をなし、下部リンクアーム45は、その前端部45Fが直線状をなすとともに、それよりも後方の領域が上方に大きく湾曲した湾曲部45Rとなっている。
    【0024】
    ガイドレール39の前端側には支持ローラ47が軸支されており、前記した4節リンク機構43と共にリンク機構30Aを構成し、4節リンク機構43の回動動作の規制を行っている。 具体的には、図14に示すようにベースプレート37が最後端位置にあるときには、左右の下部リンクアーム45の前端部45Fの下縁が支持ローラ47に支持されており、4節リンク43の回動動作が規制されている。 一方、ベースプレート37が前進すると4節リンク機構43全体が前進し、図13に示すように、下部リンクアーム45も支持ローラ47に対して前方へ変位し、下部リンクアーム45における支持ローラ47に対しする当接位置が直線状をなす前端部45Fから湾曲部45Rへ移行する。 これ以後は、ベースプレート37の前進に伴って4節リンク43が回動し昇降プレート46が次第に下降する。
    【0025】
    また、下部リンクアーム45の前端部45Fと支持ローラ47とが当接した状態において(図14の状態)、上部リンクアーム44が水平な姿勢となっている。 これは、シートSを車外へ突出させるスライド動作が、前記したベースプレート37によるスライド動作と次述するスライド機構50によるスライド動作の二段で行われるようになっており、上部リンクアーム44がスライド機構50の一部を構成しているためである。
    【0026】
    スライド機構50を構成するシート支持台(本発明のシート支持部材に相当する)51は、図20に示すように、長方形状をなすシート支持基板52を設けており、その左右両縁及び前縁には下向きの側壁53、54が形成されている。 シート支持基板52は中央部に立ち上がり部52Aが設けられており、左右両側が中央部側に比べて一段高く形成されておりシートSに対する座面部52Bとなっている。 一方、後部側は座面部52Bよりも更に一段高く形成されており、そこは、後述するメインロック機構60を取付けるための取付け部52Cとされている。 このシート支持台51は前記したクッションフレーム105よりも小さく形成されており、図15に示すように、クッションフレーム105の下部領域にシート支持台51が収容されるようになっている。 また、クッションフレーム105にはシート支持台51に対するガイド部(図示せず)が設けられており、クッションフレーム105に対するシート支持台51の位置決めを行うようになっている。
    【0027】
    シート支持台51の側壁53の内面側には、上下各2個のローラ55、56が軸支されている。 この両ローラ55、56は、図14に示すように、上部リンクアーム44の上縁及び下縁に隙間なく接するように取付けられており、これにて、シート支持台51が上部リンクアーム44に対しスライド可能に支持されることとなる。 また、同図に示すように、上部リンクアーム44の前側と昇降プレート46のレール部48が連続するようになっており、シート支持台51が最も前進した状態では、各ローラ55、56は上部リンクアーム44からレール部48に乗り移り、シート取付台49は昇降プレート46に支持されるようになる。 そのため、この状態で昇降機構30による昇降動作を行えば、昇降プレート46とともに、シート支持台51も昇降動作を行うことが出来る。
    【0028】
    このようにして構成されたスライド機構50は、図示しない駆動部を設けている。 駆動部の構成は、例えば、シート支持台51側には上部リンクアーム44に対して平行にラックを設ける一方、昇降プレート46側にはラックに対して噛合する進退ピニオン及び進退ピニオンを回動させるシート進退モータを設けておく。 これにより、シート進退モータによって進退ピニオンを回動させることでラック、ひいてはシート支持台51を上部リンクアーム44に沿って水平移動(スライド動作)させることが出来る。
    尚、回動台座23、ベースプレート37及びシート支持台51には、そえぞれ位置検出スイッチ(図示せず)が設けられるとともに、車体側には制御装置(図示せず)が設けられている。 そのため、制御装置はリモコン及び位置検出スイッチからの信号に基づいて、回動用モータ24、昇降モータ、シート進退モータの作動を制御するようになっている。
    【0029】
    続いて、シート支持台51とシートSを連結する固縛機構について説明する。
    固縛機構はメインロック機構60とサブロック機構(本発明の固縛部に相当する)70とから構成され、メインロック機構60がシートSの後部を、サブロック機構70がシートSの前部をロックするようになっている。 まず、メインロック機構60について説明すると、図5に示すように、シートS側においてはシートバック103の後方を左右に橋渡すようにして、ロックバー(本発明のロック部材に相当する)150が取付けられている。 一方、シート支持台51の取付け部52Cの上面側にはロックベース61が取付けられている。 このロックベース61は、図20、21に示すように、長方形状をなす基部62の左右両縁に上向きの取付け壁63を形成している。 この取付け壁63にはロックバー150に対する受け溝63Aが設けられるとともに、取付け壁63の内側にロックバー150に対してロック可能なラッチプレート64と、ラッチプレート64をロック状態に保持するためのロックプレート65とが取付けられている。 ロックの構造については左右対称な構造であるため、図における左半分について説明を行い、右半分については省略するものとする。
    【0030】
    図21に示すように、ラッチプレート64は平板状をなし、その側面にはロックバー150と嵌合可能なロック溝64Aが開口するとともに、ロック溝64Aの反対側には係止突起64Bが設けられている。 ラッチプレート64は取付け壁63に対してヒンジ64Dを介して回動可能に軸支されている。 図21(a)は、ロックが開放された状態を示すが、この時には、ロックベース61の受け溝63Aとラッチプレート64のロック溝64Aがほぼ整合するようになっている。
    【0031】
    このラッチプレート64の下部側には左右のラッチプレート64を連結するためのラッチ連結ロッド66が取付けられており、両ラッチプレート64のロック動作及びロックの解除操作が同期してなされるようになっている。 また、このラッチ連結ロッド66と取付け壁63の上縁との間にはロックスプリング67が掛止されている。 このロックスプリング67は、ロックスプリング67の中心線Lとヒンジ64Dとの位置関係により、ラッチプレート64を付勢する方向が反転(ターンオーバー)するようになっている。 すなわち、図21の(a)に示すように中心線Lよりヒンジ64Dが下にある場合には、ラッチプレート64を同図に示すQ方向に付勢し、同図の(d)に示すように中心線Lよりヒンジ64Dが上にある場合には、ラッチプレート64をR方向に付勢するようになっている。
    【0032】
    ラッチプレート64の後方には、ロックプレート65がヒンジ65Dを介して回動可能に軸支されている。
    このロックプレート65は上部側にラッチプレート64に対する係止アーム65Aを、ヒンジ65Dの側部(同図における右側)にラッチプレート64の係止突起64Bに対する嵌合溝65Bを形成するとともに、ヒンジ65Dの下部には左右のロックプレート65を連結させるロック側連結ロッド68が取付けられている。 また、ヒンジ65Dには渦巻きばね69が取付けられており、ロックプレート65を常にw方向に付勢している。
    【0033】
    続いて、一連のロック動作(解除機構、解除動作については後述する)について説明する。
    シートSと駆動装置Mを連結させるには、シート支持台51を予め、図13に示すように車外に突出させておき(以下、この位置を突出位置とする)、シートSをシート支持台51に向かって後退動作により近づけてゆく。 すると、シート支持台51にクッションフレーム105が覆いかぶさってゆき、図21の(a)に示すように、シートS側のロックバー150が駆動装置Mの受け溝63Aの上縁に当接する。 以下、この位置を連結位置とする。 この状態から、駆動装置Mを介してシート支持台51を上昇させると、図21の(b)に示すように、ロックバー150が受け溝63Aの下縁に当接する。 その後、更に、シート支持台51を上昇させると、ロックバー150は受け溝63Aの下縁に沿って内部へと案内されてゆく。 このロックバー150の移動動作とともにロックバー150が、ラッチプレート64をロック溝64Aの下縁を介して下向きに押し込むことで、ラッチプレート64がロック方向(同図における時計周りの方向)に回動する。 ラッチプレート64が回動を始めると、ラッチプレート64の係止突起64Bがロックプレート65の嵌合溝65Bから退避するとともに、図21の(b)に示すように、ロックプレート65を反時計周りの方向に回動させる。 そして、ロックバーが図21の(d)の位置に至ると、ラッチプレート64の回転動作が完了し、ロックバー150はロック溝64Aの上縁と受け溝63Aの下縁との間に挟み込まれてロックされる。
    また、この状態においては、ラッチプレート64の係止突起64Bの外縁に対してロックプレート65の係止アーム65Aが当接しており、ラッチプレート64の復帰方向(ロックバー150のロックを解除する方向)への回動動作を規制している。 かくして、メインロック機構60によってシートSの後部側がシート支持台51に対してロックされることとなる。
    【0034】
    次に、サブロック機構70について説明する。
    図20に示すように、シート支持台51の前方には、コの字状をなす本体部の端縁に外向きの取付け縁が形成されたロックホルダ72が取付けられている。 ロックホルダ72の側面は次述するロック受け部材106に対する当て面72Aとなっている。 また、このロックホルダ72の内部には前後方向に変位可能とされた係止ピン73が組み込まれており、係止ピン73は当て面72Aに設けられた貫通孔を介して前方に突出可能とされている。 また、この係止ピン73には圧縮ばね76が巻き付けられており(図13参照)、係止ピン73を前方(ロック方向)に付勢している。
    一方、シートS側におけるクッションフレーム105の下面側には、図7に示すように、ロック受け部材106が下向きに取付けられている。 このロック受け部材106における係止ピン73と対応した位置には係止孔106Aが設けられており、この係止孔106A内に係止ピン73が嵌合することによってシートSの前方がシート支持台51に対してロックされる。
    【0035】
    このようにして構成されたサブロック機構70は、連動ワイヤー75を介してメインロック機構60に接続されており、メインロック機構60のロック動作と連動してロック動作を行い、メインロック機構60のロック解除動作と連動してロック解除するようになっている。 具体的には、図20に示すように、連動ワイヤー75の一端側75Aが係止ピン73に、他端側75Bがラッチ連結ロッド66に接続されている。 そのため、メインロック機構60がロック解除した状態(図21の(a))にあるときには、連動ワイヤー75を介して係止ピン73が後方に引かれることで係止ピン73はロックホルダ72内部に退避した状態にある。 この状態からシートSを連結位置まで移動させれば、ロック受け部材106の後方にサブロック機構70の係止ピン73が臨む。 続いて、メインロック機構60のロック動作がなされロック状態(図21の(d))の状態に至ると、ラッチ連結ロッド66が連動ワイヤー75を緩ませる方向に移動するため、係止ピン73は圧縮ばね76の付勢によって当て面72Aを通じて前方に突出し、係止孔106A内に進入する。
    【0036】
    次に、メインロック機構60の解除系について説明する。 解除系はメインロック機構60のロック解除動作を行う解除リンク(本発明の解除部に相当する)81と、4節リンク機構43を構成するリンクアーム44、45の角度を検出可能な検出部90と、この検出部90と解除リンク81との間を接続する中継ワイヤー(本発明の中継手段に相当する)85とから構成されており、シートSが車内から室外方向への下降動作が完了すると、検出部90が動作の完了を検出するとともに、中継ワイヤー85を介して解除リンク81に解除操作を行わせメインロック機構60及びサブロック機構70のロックを解除するようになっている。 以下、その構造について、具体的に説明する。
    【0037】
    図20、図22に示すように、ロックベース61の基部62上にはブラケット84が上向きに取付けられており、その側面には解除リンク81がヒンジ81Dを中心として回動可能に軸支されている。 この解除リンク81の一端側(下側)の先端部分にはラッチ連結ロッド66に対する当接部81Aが設けられており、当接部81Aの上縁側がラッチ連結ロッド66の下側に当接するように配されている。 一方、解除リンク81の上部側にはロック側連結ロッド68に対する当接部81Bが設けられている。 この当接部81Bは屈曲形成されており、その下縁にロック側連結ロッド68が当接している。 また、解除リンク81の他端側(上側)には前記した中継ワイヤー85の一端側85Aが接続されている。
    そのため、図22の(b)に示すように、中継ワイヤー85を介して、解除リンク81が同図のZ方向に引かれると、ラッチプレート64とロックプレート65との双方がロック解除方向に回動することで、メインロック機構60がロック解除しシートSのロックバー150が解放される。 また、ロックが解放されると、ラッチプレート64が図21に示す(a)の位置に復帰する。 そのため、サブロック機構70側に接続された連動ワイヤー75を介して係止ピン73がロック解除方向に引かれることで、係止ピン73はシートS側の係止孔106Aから退避する。 これにて、サブロック機構70も解除されることとなる。
    【0038】
    次に、検出部90について説明する。 図20に示すように、ロックベース61の側方(同図の右側)には、ベースブラケット91が上向きに取付けられており、その側面には、図23に示すように、クランク部材92及び角度検知部材93が左右に並んで配されており、それぞれヒンジ92D、93Dを中心として回動可能に軸支されている。 クランク部材92はヒンジ92Dを挟んだ上・下・側方にクランクアーム92A、92B、92Cを形成している。 上方に延出した上部クランクアーム92Aとベースブラケット91の上縁との間には縦向きに引っ張りばね97が掛止されており、クランク部材92を上部クランクアーム92Aが縦向きの姿勢となるように付勢している。 下方に延出した下部クランクアーム92Bには前記した中継ワイヤー85の他端側85Bが接続されている。 また、側方に延出する側部クランクアーム92Cの先端部分には連動ピン95が固定されている。
    【0039】
    次に、角度検知部材93におけるアームの一端側93Aには、検知ピン94が取付けられている。 一方、アームの他端側は連動ピン95に対する押圧部93Bとされており、シートSが車室内にあるときには、連動ピン95の上方に位置している(図23参照)。 また、ヒンジ93Dには捻りばね96が取付けられており、角度検知部材93を4節リンク機構43側に付勢している。 そのため、角度検知部材93の検知ピン94は常に4節リンク機構43のいずれかのリンクアーム44、45に対して当接した状態にあり、シートSの昇降動作に伴うリンクアーム44、45の角度の変化に追随してヒンジ93Dを中心として揺動する。
    そのため、シートSの下降動作がなされる前の状態では、角度検知部材93の押圧部93Bはクランク部材92の連動ピン95の上方にあるが、シートの下降動作に伴って4節リンク機構43が傾いてゆくため、これに伴って、角度検知部材93が揺動する。 すると、押圧部93Bが連動ピン95の上方を押圧することで、クランク部材92を同図のV方向に回動させる。 これにより、クランク部材92が中継ワイヤー85を介して解除リンク81をロック解除方向に回動させ、下降動作が完了した時点でメイン・サブの両ロック機構60、70が解除することとなる。
    【0040】
    次に、上記のように構成された本実施形態の作用効果を具体的に説明する。
    シートSを車椅子として使用していた身障者等が車内の運転位置にシートSごと乗り込む手順について説明する。
    まず、同乗者が運転席側のドア14を開放するとともに、予め、シート支持台51を車外の突出位置にセットしておく(図5参照)。 この状態からシートSを後退させてゆき、シート支持台51に近づけてゆく。 すると、クッションフレーム105はガイド部に案内されながらシート支持台51の上方に覆いかぶさってゆく(図16参照)。 シートSが連結位置に至ると、駆動装置Mの受け溝63Aの上縁にロックバー150が当接する(図17、図21参照)。 これにて、シート支持台51に対してシートSがセットされる。 尚、この連結位置においては、ロックバー150は受け溝63A内にあるが、駆動装置Mによってロックされてはいない。
    【0041】
    続いて、リモートコントローラを操作して、まず、昇降機構30を作動させる。 すなわち、制御装置が昇降モータを駆動させると、ねじ軸41に沿ってトラベルナット58が移動することで、ベースプレート37及び両リンクアーム44、45が復帰方向にスライドする。 すると、支持ローラ47に下縁を支持された下部リンクアーム45が湾曲部45Rに案内されてベースプレート37側の支点を中心として回動する。 これにて、4節リンク機構43全体が回動し、シート支持台51を上昇させる。
    【0042】
    このようにして連結位置において、シート支持台51の上昇動作がなされると、シートSのロックバー150と、シート支持台51の固縛機構(メイン・サブロック機構60、70)が自動的にロックするようになっている。 具体的には、シート支持台51の上昇動作によって、ロックバー150に対しメインロック機構60全体が上昇するため、図21の(b)に示すように、ロックバー150がロックベース61の受け溝63Aの下縁に当接し、その後、ロックバー150はメインロック機構60の上昇動作に伴って受け溝63Aの下縁に沿って内部へと案内されてゆく。 この移動動作の際に、ロックバー150がラッチプレート64をロック溝64Aの下縁を介して下向きに押し込むことで、ラッチプレート64はロックプレート65との係止を解除しつつ、ロック方向(図21における時計回りの方向)に回動する。
    かくして、ロックバー150が図21の(d)の位置に至ると、ラッチプレート64の回転動作が完了し、ロックバー150はロック溝64Aの上縁と受け溝63Aの下縁との間に挟み込まれてロックされる。 また、ロックバー150が固縛機構に固定された時には、シート支持台51の座面部52BがシートSのクッションフレーム105の下面側に当接した状態でシートSを支持するようになっている。
    【0043】
    メインロック機構60のロック動作と連動してサブロック機構70もロックする。 すなわち、シートSが連結位置に移動する際に、ガイド部に案内されることにより、クッションフレーム105側の係止孔106Aとサブロック機構70の係止ピン73とが幅方向において整合する関係となっており、ロック受け部材106の係止孔106Aの後方にサブロック機構70の係止ピン73が臨む。 そのため、メインロック機構60がロック状態(図21の(d))に至ると、ラッチ連結ロッド66が連動ワイヤー75を緩ませる方向に移動するため、係止ピン73は圧縮ばね76の付勢によって当て面72Aを通じて前方に突出し、係止孔106A内に進入する。 かくして、シートSはサブロック機構70によってロックバー150をヒンジとする後ろ倒れ動作が規制されることとなり、シート支持台51に対し固定されることとなる。
    【0044】
    ところで、固縛機構によってシートSのロックがされた時には、図25に示すように、下部リンクアーム45は垂れた姿勢にある。 一方、角度検知部材93は右肩上がりの斜め姿勢となっており、検知ピン94が下部リンクアーム45の上縁に当接するとともに、押圧部93Bが連動ピン95の下側に位置している。
    引き続いて、昇降機構30によってシートSの上昇動作が継続してなされると、図26に示すように、次第に下部リンクアーム45の姿勢が水平な姿勢に近づいてゆく。 そのため、昇降動作の途中で上部リンクアーム44と下部リンクアーム45との位置関係が検知ピン94の近傍で上下逆転し、検知ピン94は下部リンクアーム45から上部リンクアーム44の上縁側に移動する。
    【0045】
    また、上部リンクアーム44が水平姿勢に変位してゆくため、同図に示すように、角度検知部材93も斜め姿勢から水平な姿勢へと変位してゆく。 その一方で、押圧部93Bが連動ピン95の下縁を押し上げることで、クランク部材92を図26における反時計回りの方向に回動させてゆき、連動ピン95と押圧部93Bの位置関係が上下反転する。 クランク部材92は連動ピン95と押圧部93Bとが離間すると、引っ張りばね97の付勢を受けて復帰方向に回動し、図23に示すように、押圧部93Bが連動ピン95の上方に位置する配置となる。
    また、図26に示すように、クランク部材92が反時計回りの方向に回動した時には、中継ワイヤー85が撓むようになっておりクランク部材92の回動動作を無効化して解除レバー83側に伝達しないようになっている。
    【0046】
    また、昇降動作の途中で、着座者は上記ロックの確認をした後の適当な時期に車輪110のロック解除を行う。 この場合において、着座者により解除レバー131が図11のR方向に手動にて回動されると、解除ワイヤー121を介して開閉装置120がロック解除する。 かくして、車輪受け部材112の揺動動作が許容され車輪110は使用位置(図8に示す位置)と前方退避位置(図9に示す位置)との間で変位自在となる。 そのため、昇降動作の最終段階においては、図18に示すように、車輪110が車体のスカッフ16の外縁に当接するが、車輪110はスカッフ16に持ち上げられながらスカッフ16を乗り越えるようになっている。
    【0047】
    尚、本実施形態においては、左右の車輪110を貫通する車軸が設定されていないため、両車輪110は連動する関係にない。 このように、両車輪110を独立した構成としたのは、ドア開口部13はセンターピラー寄りの位置でスカッフ16が高く形成される一方、逆側には室内にハンドルが配置されているため、センターピラー側では車輪110を大きく持ち上げる必要があるが、逆側ではハンドルとの干渉を回避するために車輪の持ち上げ量を少なくする必要があるためである。
    【0048】
    シートSが車体のフロアパネル11の高さに達すると、ベースプレート37の位置検知がなされ、検出信号に基づいて制御装置が昇降モータを停止させる。 この時、4節リンク機構43はほぼ水平な姿勢となっている。 また、昇降動作の停止と同時に、スライド機構50によるスライド動作が開始される。 すなわち、制御装置を介してシート進退モータが作動し、進退ピニオンを回動させる。 これにて、ラック、ひいてはシート支持台51が上部リンクアーム44に沿って車室側へスライドし(図14参照)、シートSは旋回位置に至る。
    【0049】
    シートSが旋回位置に至ると、再び位置検知がなされ、検出信号に基づいて制御装置がシート進退モータを停止させ、今度は回動動作を開始させる。 すなわち、回動用モータ24を作動させることで、シートSを旋回位置から90°旋回させて車体の進行方向を向いた運転位置に回動変位させる。 すると、回動台座23の位置検知がなされ、検出信号に基づいて制御装置が回動用モータ24を停止させる。 これにてシートSが運転位置に至る。
    ところで、シートSが一旦旋回位置に至ればその後運転位置に移動しても、4節リンク機構43はシートSの下方にあって車輪110間に挟まれた位置に収容され、しかも、その後端がシート支持台51から突出しない状態にある。 そのため、4節リンク機構43が車両の後席側を圧迫することがない。
    また、運転位置において、車輪110は前方退避位置に跳ね上げられた状態にあるとともに、カバープレート125の泥よけ部125Aは車輪110の上方に位置している。 そのため、泥よけ部125Aを着座者の肘掛けとして使用することが出来る。
    【0050】
    シートSを車内から車外へ退出させる場合には、ほぼ上記と逆の手順を辿って、回動動作、スライド動作、下降動作が順になされてゆく。
    下降動作が進み車輪110が車体から離間した適当な位置に至った時に、着座者によって車輪110のロックがなされる。 これには、カバープレート125の上面を下側に押し込んでやればよい。 すると、車輪受け部材112がロック方向に揺動してロックピン114と開閉装置120がロックし、車輪110は使用位置に固定される。 また、このロック動作に伴って、解除レバー131、及び補助輪141もシートSに対してロックされる。
    かくして、シートSが地表の高さまで下降すると(突出位置)、再び位置検知がなされ、制御装置が昇降モータを停止させる。
    【0051】
    シートSの下降動作が完了した時には、固縛機構とロックバー150とのロックが自動的に解除されるようになっている。 具体的には、シートSの下降動作がなされる前の状態では、図23に示すようように、角度検知部材93の押圧部93Bはクランク部材92の連動ピン95の上方にあるが、シートSの下降動作に伴って上下の両リンクアーム44、45が傾いてゆくため、これに伴って、角度検知部材93が揺動する。 すると、押圧部93Bが連動ピン95の上方を押圧することで、クランク部材92を引っ張りばね97に抗して同図のV方向に回動させる。 これにより、クランク部材92が、中継ワイヤー85、解除リンク81を介してラッチプレート64をロック解除方向に回動させ、メインロック機構60のロックが解放される。
    また、ラッチプレート64の回動動作に伴って、連動ワイヤー75が係止ピン73をばねに抗してロック解除方向に退避させる。 すると、係止ピン73とシートS側の係止孔106Aとの係止が解かれ、サブロック機構70もロックが解放される。 これにて、シートSを車外において、車椅子として使用することが出来る。
    【0052】
    このように、本実施形態では、シートSが車内の運転位置にあるときには、4節リンク機構43及びシート支持台51は車輪110間に挟まれてた領域内にあるとともに、シートSの下部領域に収容されるようになっている。 そのため、4節リンク機構43及びシート支持台51がシートSの後方或いは側方に張り出すことがない。
    更に、シートSが運転位置にある時には、車輪110は前方退避位置にあるため、車輪110におけるシート後方への張り出し部分が前方へ退避することとなる。 これによっても、格納時における後席側のスペースを車輪110が圧迫しないようになっている。
    【0053】
    また、固縛機構に設けられた解除リンク81が検出部90と中継ワイヤー85を介して接続されている。 そのため、検出部90は昇降動作に伴って変化する4節リンク機構43の角度を検出し、シートSの下降動作が完了すると中継ワイヤー85を介して解除リンク81に解除操作を行わせ固縛機構のロックを自動的に解除する。 従って、シートSが車外への退出を完了した後に、改めて、固縛機構のロック解除操作を行う必要がなく操作性に優れる。
    更にまた、シート支持台51は下方からの持ち上げ動作によって、シートSに対してロックするようになっている。 そのため、例えば、シート支持台51に対するシートSの相対的な高さにバラツキがあっても、ロック動作を確実に行うことが出来、信頼性に優れる。
    【0054】
    <他の実施形態>
    本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
    【0055】
    (1)本実施形態では車輪110を使用位置と前方退避位置との間で変位させるために車輪受け部材112を設けたが、車輪受け部材112の変わりに、座席部101側に設けた取付け孔に対して車輪110に設けた嵌合ピンを挿通することで座席部101に対する車輪110の抜止を図るとともに、この嵌合ピンに対する取付け孔を長孔とすることで車輪110の移動を行ってもよい。
    【0056】
    (2)本実施形態では車輪解除部130を手動にてロック解除する構成としたが、車輪解除部130と昇降機構30との間を連動手段を介して接続することで昇降動作と連動してロックの解除がなされる構成とすれば更に操作性に優れる。
    【図面の簡単な説明】
    【図1】本発明の一実施形態に係る普通自動車の平面図(運転席側半分を示す)
    【図2】シートが旋回位置にある状態を示す平面図【図3】シートのスライド動作を示す平面図【図4】シートが車外にある状態を示す平面図【図5】シート及び駆動装置の斜視図【図6】シートの分解斜視図【図7】シートの背面図【図8】車輪が使用位置にある状態を示す一部拡大側面図【図9】車輪が前方退避位置にある状態を示す一部拡大側面図【図10】シートの解除部のロック状態を示す側面図【図11】シートの解除部のロック解除動作を示す側面図【図12】回動機構の平面図【図13】シート支持台が突出位置にある状態を示す平面図【図14】シート支持台のスライド動作を示す平面図【図15】シートが運転位置に状態における駆動装置の車輪周りの縦断面図【図16】シートと駆動装置との連結動作を示す側面図【図17】シートと駆動装置との連結状態を示す側面図【図18】シートの昇降動作を示す側面図【図19】シートが車内に格納された状態を示す側面図【図20】シート支持台の拡大斜視図【図21】(a)メインロック機構の側面図(ロック前)
    (b)メインロック機構の側面図(ロック動作途中)
    (c)メインロック機構の側面図(ロック動作途中)
    (d)メインロック機構の側面図(ロック時)
    【図22】(a)ロック状態にあるメインロック機構の側面図(b)解除リンクによるロック解除動作を示す側面図【図23】シートの下降動作がなされる前の状態における検知部の側面図【図24】検知部材によるロック解除動作を示す側面図【図25】シートの下降動作が完了した際の検知部の側面図【図26】シートの上昇動作途中における検知部の側面図【図27】従来例の斜視図【符号の説明】
    20…回動機構30…昇降機構43…4節リンク機構50…スライド機構51…シート支持台(シート支持部材)
    60…メインロック機構(固縛部)
    81…解除リンク(解除部)
    85…中継ワイヤ(中継手段)
    90…検出部101…座席部110…車輪150…ロックバー(ロック部材)
    S…シートM…駆動装置

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