この発明は、例えば老人や身障者等(以下、単に着座者ともいう)が車両への乗降を楽に行うことができることからいわゆる福祉車両用のシートとして好適な車両用シートに関する。
例えば特開2003-339773号公報には、この種のシートに関する技術が開示されている。 この従来の車両用シートは、着座者が着座したまま大径の後輪(手動操作輪)を手動で回転させて走行する形式の車椅子を、車室内に搭載したシート移動装置に分離可能に連結して車室内外間を移動可能な構成としたもので、この車両用シートによれば、車椅子に着座した着座者は車両とは離れて自由に移動できるとともに、この車椅子に着座したまま車両への乗降を極めて楽に行うことができる。
特開2003−339773号公報
このような便利な車両用シートにもさらに改良を加える必要があり、その一つの課題として着座者が着座時に足を載せかけておくフットレストの取り扱いについての問題があった。 すなわち、このフットレストは、その機能上シートクッション(座部)の前部下方に設けられているため、そのままでは当該車椅子(以下シート装置ともいう)を車室内へ移動させる際にドア開口部の下部(一般にロッカパネルあるいはサイドシルと呼ばれるステップ部、以下ステップ部という)に干渉する問題がある。 このため、従来は、着座者自身があるいは介護者がフットレストを事前に折り畳む構成としたり、ダイヤルの回転操作により上方に移動させる等していたため手間がかかり、この点で車両への移動時の操作が面倒であるとともに、この操作をし忘れるおそれがある。 この問題を解消するために電動モータを用いる等してフットレストを電動格納式あるいは電動昇降式とすれば、それだけ重量アップ及びコストアップを招く。 また、フットレストを折り畳んだ状態あるいは格納した状態では着座者は足を載せかける部位がないため自身の力で持ち上げていなければならず、この点で着座者に苦痛を強いる結果となっていた。 本発明は、電動式とした場合のような大きな重量アップ及びコストアップを招くことなく、しかも面倒な操作をしなくとも着座者が足の載せかけたままフットレストをドア開口部に干渉させることなくスムーズに車室内に移動させることができる車両用シートを提供することを目的とする。
このため、本発明は特許請求の範囲の各請求項に記載した構成の車両用シートとした。 請求項1記載の車両用シートによれば、シート装置を例えば車室内側に移動させる際に、フットレスト装置の足載せ台がスロープ板に乗り上げられ、この乗り上げ状態のまま当該シート装置を車室内側へ移動させることにより足載せ台がシート本体に対して上昇し、この上昇した状態でドア開口部を経てシート装置を車室内に移動させることにより、足載せ台をドア開口部のステップ部に干渉させることなく通過させることができる。 このように、シート装置の移動動作を利用して足載せ台をシート本体に対して自動的に上昇させてドア開口部のステップ部の通過させる構成であるので、着座車若しくは介護者が従来のように足載せ台を折り畳んだり格納する手間をかける必要はない。 また、足載せ台を上昇させてドア開口部を通過させる構成であるので、着座者はそのまま足載せ台に足を載せかけておくことができ、従来のように自身の力で足を持ち上げる必要はなく、この点で着座者は楽に乗降することができる。 さらに、足載せ台をスロープ板に乗り上げ、この乗り上げ状態でシート装置を移動させることにより当該足載せ台を上昇させる構成であるので、例えば電動モータ等の専用の駆動源を必要とせず、従って電動格納式あるいは電動昇降式とした場合のような大きな重量アップ及びコストアップを招くことがない。 また、足載せ台はシート本体に対して上下動可能であるので、車室内においてシート装置の高さ(いわゆるヒップポイント)を他の座席と同等の位置に設定することができる。 仮に、足載せ台(フットレスト)が、車室外において路面に近い高さであってシートクッションから十分な距離だけ下方位置に固定された構成では、当該車椅子をそのまま車室内に移動させるとシート装置の座面高さ(いわゆるヒップポイント)が高くなって着座者は同乗者に対して疎外感を抱いてしまう問題があるが、請求項1記載の車両用シートによれば足載せ台が車両フロアにより相対的に持ち上げられるので、シート装置の座面高さをその分だけ低くして同乗者席と同じ高さに設定することができる。 請求項2記載の車両用シートによれば、足載せ台が平行に上下動するので、着座者の楽な姿勢を維持することができる。 請求項3記載の車両用シートによれば、スロープ板に対する足載せ台の移動抵抗を小さくして、当該足載せ台をスムーズに上下動させることができる。 請求項4記載の車両用シートによれば、特別の操作をすることなく、また特別の駆動源を用いることなくスロープ板を使用位置に取り出すことができ、また格納位置に戻すことができる。 請求項5記載の車両用シートによれば、シート装置が車両正面向きの位置からドア開口部側に向けて回転する動作によりスロープ板が使用位置に取り出されるので、上記と同様特別の操作若しくは駆動源を必要としないので、当該車両用シートの使い勝手を一層高めることができる。
次に、本発明の実施形態を図1〜11に基づいて説明する。 図1〜図4は、本実施形態に係る車両用シート100を備えた車両Jの運転席側半分を示している。 以下説明する車両用シート100は、この車両Jの運転席として用いられている。 この車両用シート100の後方には後部席12が配置されている。 また、この車両用シート100の右側方にはドア開口部13が設けられている。 このドア開口部13は、ドア14によって開閉される。 また、図中符号Hは、運転者が操作するステアリングハンドルを示している。 本例の車両用シート100は、車室外において車椅子として単独で利用することができる一方、車室内では運転席として機能するシート装置Sと、このシート装置Sを連結して車室内外間で移動させるシート移動装置Mを備えている。 シート装置Sは、シート連結装置Mに連結された状態で車室内において正面を向いた運転位置(図1に示す位置)とドア開口部13側を向いた旋回位置(図2に示す位置)との間で水平方向に回転可能であり、また旋回位置から車室外へ下降しつつ移動可能、逆に車室外から車室内の旋回位置へ上昇しつつ移動可能に設けられている。 また、シート装置Sは車室外へ移動された後、シート移動装置Mから分離されて車椅子として単独で用いられる。 シート装置Sは、シートクッション102とシートバック103を有するシート本体101を備えている。 シートバック103の上部にはヘッドレスト104が装備されている。 シートバック103は、公知のリクライニング機構によりシートクッション102の後部に任意の角度に傾動可能に支持されている。 シート本体101の両側方には大径の手動操作用の後輪(以下、手動操作輪110という)が回転自在に支持されている。 手動操作輪110,110の支持構造については後述する。 また、シートクッション102の前部には左右一対の前輪141,141(図5以下参照)がそれぞれ回転自在に設けられている。 図5に示すようにシートクッション102の下面には当該シート本体101の全体を支持するためのシートフレーム105が取付けられている。 このシートフレーム105の左右側部の後部側に手動操作輪110,110が相互に独立して回転自在に支持されている。 両手動操作輪110,110は同じ構成によってシートフレーム105に支持されている。 以下、図8及び図9に示すように着座者から見て右側の手動操作輪110を例に挙げてその支持構造を説明する。 この手動操作輪110は、後輪ブラケット112を介してシートフレーム105に支持されている。 この後輪ブラケット112は、その後部が支軸150を介してシートフレーム105に支持されており、支軸150を中心にして上下に回動可能に支持されている。 この後輪ブラケット112の前部(回動先端側)には、側方へ突き出すように車軸113が設けられている。 この車軸113に手動操作輪110が回転自在に支持されている。 また、後輪ブラケット112の長手方向中央にはロックピン114が設けられている。 図8に示すように車軸113を支軸150よりも前側に位置させた使用位置に後輪ブラケット112を位置させると、ロックピン114がロック装置120に係合されて、当該後輪ブラケット112が使用位置に固定される。 後輪ブラケット112を使用位置に固定した状態では、手動操作輪110が図8に示すようにシートクッション102から下方に張り出した接地位置に固定され、これにより手動操作輪110,110を路面Dに接地させて当該シート装置Sを車椅子として利用することができる。 ロック装置120を解除操作すると、図9に示すように後輪ブラケット112は支軸150を中心にして後ろ側(図9において反時計回り方向)に回動可能となる。 後輪ブラケット112を後ろ側に回動させると、この後輪ブラケット112は、ストッパ部材115により車軸113を支軸150に対して後ろ側かつ上方に位置させた位置に保持され、これにより手動操作輪110を後方の格納位置に移動させることができる。 こうして左右の手動操作輪110,110を後ろ側の格納位置に移動させると、両手動操作輪110,110は着座者の両側方から後ろ側へずれた位置に退避される。 このように、当該シート装置Sを車室内に移動させた状態において、着座者の左右側方に大径の手動操作輪110,110が位置していない状態となることから、例えば側突時に着座者が手動操作輪110がドアに押されて自分の方へ移動してくるのではないかと不安に思うことがなくなる。 また、両側に大径の手動操作輪110,110が位置していないので、着座者は車室内において窮屈な思いを抱き、あるいは窮屈な姿勢を強いられることがなくなる。 さらに、両手動操作輪110,110を上方へ格納できるので、当該シート装置Sのヒップポイントを、他の同乗者席と同等の高さに設定することができる。 上記した左右のロック装置120,120は、それぞれ車輪ロック解除装置130により解除操作される。 この車輪ロック解除装置130は左右のロック装置120,120のそれぞれに対応してシートクッション102の左右両側部に配置されている。 着座者から見て右側の車輪ロック解除装置130の詳細が図10と図11に示されている。 着座者から見て左側の車輪ロック解除装置130は、右側のものと左右対称に構成されている。 この車輪ロック解除装置130は、手動操作により上下に傾動させる解除レバー131を備えている。 この解除レバー131は、シートフレーム105の右側部前側に配置されている。 シートフレーム105の右側部前側にはベースブラケット132が取り付けられている。 このベースブラケット132の前部(図10において右側)には支軸135aを介して前輪ブラケット135が上下に傾動可能に連結されている。 また、この前輪ブラケット135には支軸135bを介して解除レバー131の前部が相互に回転可能に連結されている。 また、ベースブラケット132の後部(図10において左側)には、支軸133aを介して解除アーム133が上下に傾動可能に連結されている。 この解除アーム133には、支軸133bを介して解除レバー131の長手方向ほぼ中央部が相互に回転可能に連結されている。 このように、解除レバー131は、前輪ブラケット135と解除アーム133とベースブラケット132から構成される四節リンク機構を介してシートフレーム105の側部に支持されている。 解除レバー133には解除ケーブル121の一端側が連結されている。 図8および図9に示すようにこの解除ケーブル121の他端側は前記ロック装置120に連結されている。 また、この解除レバー131は、ロックブラケット134によって解除操作不能にロックされる。 このロックブラケット134は、同じくシートフレーム105の右側部に上方へ立ち上がるように取り付けられている。 図11に示すようにこのロックブラケット134の上部にはロック孔134aが設けられている。 これに対して、解除レバー131の長手方向ほぼ中央にはロックピン136が設けられている。 図10に示すように解除レバー131をほぼ水平状態に位置させると、ロックピン136がロックブラケット134のロック孔134aに挿入され、これにより解除レバー131の上方への解除操作ができない状態となる。 解除レバー131には、図示省略したロック解除手段が設けられており、このロック解除手段によりロックピン136をロック孔134aから抜き出すことができる。 ロックピン136をロック孔134aから抜き出すと、図11に示すように解除レバー131を矢印U方向(ロック解除方向)に傾動操作することができる。 図11に示すように解除レバー131を上方のロック解除方向に傾動操作すると、前輪ブラケット135が支軸135aを中心にして後ろ側(図において反時計回り方向)に傾動する。 この前輪ブラケット135には前輪ステー142が取り付けられている。 この前輪ステー142の先端部に前輪141が回転自在かつ左右に首振り自在な状態で支持されている。 このため、解除レバー131をロック解除方向に傾動操作して前輪ブラケット135が後ろ側に傾動されると、図11中矢印Gで示すように前輪ステー142及び前輪141が前方に跳ね上げられる。 また、解除レバー131をロック解除方向に傾動操作すると、解除アーム133が支軸133aを中心にして同じく後ろ側に傾動して起立状態となり、これにより解除ケーブル121が引かれて前記ロック装置120がロック解除される。 一方、図10に示すようにロックピン136がロック孔134aに係合されることにより解除レバー131が水平位置にロックされた状態では、解除ケーブル121が緩められて前記ロック装置120がロック状態に保持され、また前輪ステー142がシートクッション102の前部から下方へ延びて手動操作輪110,110とともに路面Dに接地可能な状態となる。 このように、解除レバー131を解除操作することにより、ロック装置120を解除することができ、これにより後輪ブラケット112を後ろ側へ回動させて手動操作輪110をシートバック102から後方へ張り出した位置に移動させることができ、これにより前記した側突対策を施すことができる。 次に、シートクッション102の前部に装備されたフットレスト装置200について説明する。 このフットレスト装置200の詳細が図6に示されている。 シートフレーム105の前部には、支持ブラケット201が幅方向に沿って取り付けられている。 この支持ブラケット201の左右両側部には、左右一対の固定アーム202,202がそれぞれ下方へ張り出す状態で取り付けられている。 この両固定アーム202,202の長手方向中央には、それぞれ支軸203を介して第1リンクアーム204の一端側が上下に回動自在に連結されている。 また、両固定アーム202,202の下部には、それぞれ支軸205を介して第2リンクアーム206の一端側が上下に回動自在に連結されている。 第1及び第2リンクアーム204,206の先端側は、それぞれ支軸208,209を介して足載せ台210の縦壁部210aに上下に回動自在に連結されている。 縦壁部210a,210aは、後述する足載せ板部210bの左右両側部から上方へ立ち上げ状態で相互に対向して設けられている。 左右の縦壁部210a,210aの後部は、図示省略した背面板により連結されてその構造的強度が確保されている。 この背面板には後述するストッパブロック220が当接されて、当該足載せ台210の下限位置が規制される。 上記固定アーム202、第1及び第2リンクアーム204,206及び足載せ台210の縦壁部210aにより左右一対の四節平行リンク機構211が構成されている。 即ち、足載せ台210は、左右一対の四節平行リンク機構211,211を介してシートフレーム105の前部に支持されている。 このため、足載せ台210は、上下に平行移動可能に設けられている。 足載せ台210は、着座者が足の載せるのに十分な面積を有する平板形状の足載せ板部210bと、この足載せ板部210bの両側部から上方へ立ち上がる状態に設けられた左右一対の縦壁部210a,210aを有している。 両縦壁部210a,210aの下部間であって足載せ板部210bの後部には、下方に向けて開いた断面コ字形のホイールブラケット210cが固定されている。 このホイールブラケット210cの対向壁部間には、二つのホイール212,212が回転自在に支持されている。 両ホイール212,212を回転支持する2本の支軸212a,212aは、シート本体101の幅方向に相互に平行に並んだ状態で、かつそれぞれ両端支持状態で取り付けられている。 このため、二つのホイール212,212の回転方向は、着座者から見て左右方向(シート本体101の幅方向)になっている。 両ホイール212,212は、足載せ板部210bよりも下方に突き出されている。 左右一対の第1リンクアーム204,204は連結板204aにより相互に連結され、左右一対の第2リンクアーム206,206は連結板206aにより相互に連結されて、それぞれ左右一体で上下に傾動する。 また、後述する前輪141を支持するベースブラケット132には、ストッパブロック220が設けられており、このストッパブロック220が前記左右の縦壁部210a,210aの後部間に掛け渡し状態に設けた背面板に当接することによって両四節平行リンク機構211,211の下方への傾動動作が規制され、これによって足載せ台210の下限位置が規制されている。 足載せ台210の下限位置は、着座者が最も楽な姿勢で足を載せ掛けておくことができる高さに設定されている。 上記のように設けられたフットレスト装置200に対応して、車両Jの運転席足元付近には、スロープ装置250が設けられている。 このスロープ装置250は、当該シート装置Sを車室内外間で移動させる際に、ドア開口部13の下部を形成するステップ部R(いわゆるロッカパネルまたはサイドシル)に対する上記足載せ板部210bの干渉を回避して、シート装置Sがドア開口部13をスムーズに通過できるようにする機能を有している。 なお、ドア開口部13のステップ部Rには、スカッフと呼ばれる樹脂製のカバーRcが取り付けられている。 スロープ装置250の詳細が図7に示されている。 このスロープ装置250は、車室内において起立した格納位置(図7において二点鎖線で示す位置)と、ドア開口部13のステップ部Rを跨って車室内から車室外に張り出す案内位置(図7において実線で示す位置)との間で上下に回動可能に設けられたスロープ板251と、このスロープ板251を上下に回動させる駆動部252を備えている。 先に、駆動部252について説明する。 この駆動部252は、運転席足元付近の車両フロア11上であってドア開口部13のステップ部Rの前側寄りの位置に設置されている。 この駆動部252は、上面が車室内側になだらかに下る案内面253aとされた駆動ベース253を備えている。 駆動ベース253の一方(図7において手前側)の側壁部253bの内面には、支軸254を介して中間アーム255が上下に傾動可能に支持されている。 この中間アーム255の上部には、支軸256を介して作動アーム257の一端側が相互に回転可能に連結されている。 この作動アーム257の先端側は支軸258を介して前記スロープ板251の図示手前側の支持縁部251aに回転可能に連結されている。 この駆動ベース253の両側壁部253b,253c間にはスロープ軸260がその軸回りに回転可能に支持されている。 スロープ軸260の両端部は、それぞれ側壁部253b,253cから僅かに突き出されている。 この両突き出し部分は、スロープ板251の基部に設けた左右一対の支持縁部251a,251bに固定されている。 このスロープ軸260を介してスロープ板251が上下に回動可能に設けられている。 また、スロープ軸260には捩りばね261が装着されている。 この捩りばね261の一端は駆動ベース253の上面に係合され、他端はスロープ板251の他方の支持縁部251bに係合されている。 この捩りばね261によってスロープ板251は、図7において実線で示すように下方へ倒れる方向すなわち案内位置側に付勢されている。 上記中間アーム255の他端側には、遠隔操作用のケーブル270の一端側が連結されている。 このケーブル270は車室フロア11上を取り回されて、後述するシート移動装置M側に至っている。 このケーブル270の他端側は、シート移動装置Mのメインベース21に設けた作動板280に連結されている。 この作動板280は、メインベース21の上面に支軸281を介して水平方向(メインベース21の面方向)に回動可能に支持されている。 この作動板280の回動先端にケーブル270が連結されている。 この作動板280の長手方向中央には係合ピン282が上方へ直立した状態に固定されている。 後述するようにメインベース21の上面には、相互に回転自在に組み付けられた内輪22aと外輪22bからなる回転盤22が取り付けられている。 本実施形態の場合、外輪22bがメインベース21上に固定され、内輪22aが回転ベース23の下面に固定されている。 この回転盤22を介して回転ベース23がメインベース21に対して水平方向に回転可能に設けられている。 この回転ベース23上にシート装置Sが搭載される。 上記したスロープ装置250の係合ピン282に対向して上記回転ベース23の下面には、回転係合部材290が取り付けられている。 これらの構成は、図3と図4にも示されている。 シート装置Sをドア開口部13側に向いた旋回位置から車両正面向きの位置に向けて(平面的に見て反時計回り方向に)回転させるために、回転ベース23が同方向に水平回転され、従って上記回転係合部材290が回転盤22を中心とする円弧軌跡に沿って円弧移動する。 この回転係合部材290は、円弧移動する途中において上記作動板280の係合ピン282に係合し、この係合状態のままさらに円弧移動する。 係合ピン282が係合された状態のまま回転係合部材290がさらに円弧移動することにより作動板280が支軸281を介して図7において時計回り方向に傾動する。 作動板280が図7において二点鎖線で示す位置に傾動されると、ケーブル270が車室内側(図7において左側)に引っ張られる。 ケーブル270が車室内側に引っ張られると、中間アーム255の下部(他端側)が車室内側に引っ張られるので、当該中間アーム255が支軸254を中心にして図示時計回り方向に傾動される。 中間アーム255が図示時計回り方向に傾動されると作動アーム257が車室外側(図7において右側)に押されて、スロープ板251が捩りばね261に抗して上方に回動される。 シート装置Sが車両正面向き位置まで回転されると、スロープ板251はほぼ起立状態の格納位置まで回動される。 これとは逆に、シート装置Sが車両正面向きの位置からドア開口部13側に向けて回転されると、回転係合部材290が回転盤22を中心とする円弧軌跡に沿って車室外側へ円弧移動し、これによりケーブル270の引っ張り力が解除される。 ケーブル270の車室内側への引っ張り力が解除されると、中間アーム255が支軸254を中心にして図示反時計回り方向に傾動可能な状態となり、従って作動アーム257が車室内側に移動可能な状態となり、その結果スロープ板251が捩りばね261の付勢力によって下方へ傾動し、従ってドア開口部13のステップ部Rを跨いで車室外側に張り出す案内位置まで移動する。 スロープ板251が車室外側に張り出されると、その上面と駆動ベース253の案内面253aとにより連続したなだらかな案内面が形成される。 また、駆動ベース253の案内面253aと車室内のフロア11との間でほぼ段差のない連続した案内面が形成される。 スロープ板251は、車室内側の回動基部側から車室外側の回動先端側に至って車室外側へ下りつつ、前記回転盤22を中心とする円弧に沿って湾曲している。 スロープ板251の下面には、脚部259が取り付けられている。 スロープ板251が車室外側に張り出した案内位置に取り出されると、この脚部259がドア開口部13のステップ部Rに上面から当接され、これにより当該スロープ板251の案内位置における回動先端側の支持がなされて、主としてその面剛性の確保がなされる。 このように設けられたスロープ装置250によれば、シート装置Sを車室内へ格納する段階で、フットレスト200のホイール212,212が上記スロープ板251上に乗り上げられる。 シート装置Sが回転盤22を中心にして回転しつつ車室内側へ移動されると、ホイール212,212がスロープ板251に沿って円弧移動する。 上記したようにホイール212,212は、左右一対の四節平行リンク機構211,211を介して上下に平行移動可能に設けられた足載せ台210に支持されている。 これに対してスロープ板251の上面は室内側に向かって上る方向に傾斜している。 このため、シート装置Sの車室内側への回転動作に伴って両ホイール212,212がスロープ板251の上面に転動されつつ車室内側に移動されると、フットレスト装置200の足載せ台210が上方へ平行移動する。 案内位置に移動したスロープ板251は、ドア開口部13のステップ部Rを跨っているので、シート装置Sの車室内側への回動動作に伴って足載せ台210は上方へ平行移動し、この状態でドア開口部13のステップ部Rの上方を通過し、然る後、スロープ板251から駆動ベース253の案内面253a上を転動して徐々に下降し、最終的に車両フロア11上に接地される。 シート装置Sが車両正面向きの位置に至ると、両ホイール212,212が車両フロア11上に接地されて足載せ台210がシート本体101に対してほぼ元の下方位置(車室外での高さ)に戻される。 逆に、シート装置Sが車両正面向きの位置からドア開口部13側に向けて回転されると、フットレスト装置200の両ホイール212,212が車両フロア11上から駆動ベース253の案内面253a上の乗り移り、然る後シート装置Sのドア開口部13側への回動動作に伴って、当該案内面253aに沿って転動されて上昇しつつスロープ板251上に乗り移る。 その後、シート装置Sの回転に伴って足載せ台210は、両ホイール212,212をスロープ板251の上面を転動させつつ車室外側に移動して、ドア開口部13のステップ部Rの上方を通過し、車室外側に移動する。 さらにシート装置Sのドア開口部13側への回動により、両ホイール212,212はスロープ板251に沿って円弧移動しつつ下降し、従って足載せ台210が平行に下降しつつ車室外側へ移動する。 シート装置Sがドア開口部13に向けられると、両ホイール212,212がスロープ板251の先端部から外れて、足載せ台210が下限位置に戻される。 前記したように足載せ台210の下限位置は、ストッパブロック220が当該足載せ台210の背面板に当接されることによって規制される。 以上説明したように、例示したフットレスト装置200によれば、シート装置Sの回動動作に伴ってフットレスト装置200の足載せ台210が自動的に上下動し、これにより当該足載せ台210がドア開口部13のステップ部Rに干渉することが回避される。 次に、シート移動装置Mについて説明する。 このシート移動装置Mは、従来公知の構成を備えるもので、本実施形態において特に変更を要するものではないので概略の構成について簡単に説明する。 図4、図5および図7に示すように、このシート移動装置Mは、シート装置Sを搭載した回転ベース23を水平回転させる前記回転盤22と、回転ベース23上にスライド可能に支持された左右一対の四節リンクアーム43,43と、この両四節リンクアーム43,43の先端側に補助スライド機構を介して連結されたシート連結台51を備えている。 回転盤22は、車両フロア11に固定したメインベース21上に固定されている。 この回転盤22は、前記したように相互に同軸で回転自在に組み付けられた内輪22aと外輪22bを備えている。 外輪22bがメインベース21の上面に固定され、内輪22aが回転ベース23の下面側に固定されている。 図示は省略したがメインベース21上に回転モータが取り付けられている。 回転モータの出力軸に取り付けた駆動ギヤは、回転盤22の内輪22aに取り付けたセクタギヤ26に噛み合わされている。 このため、回転モータが正転方向に起動すると、駆動ギヤとセクタギヤ26との噛み合いを経て内輪22aひいては回転ベース23が当該回転盤22を中心にして回転し、これによりシート装置Sが車両正面向きの位置からドア開口部13側に約90°だけ水平回転する。 回転モータが逆転すると、シート装置Sがドア開口部13側に向いた位置から車両正面向きの位置まで約90°だけ水平回転する。 シート装置Sがドア開口部13側に向いた状態で、左右の四節リンクアーム43,43が回転ベース23に対して車室外側へスライドされると、この両四節リンクアームはその先端側を下方へ変位させる方向に傾動し、これによりシート連結台51およびシート装置Sが車室外側へ移動しつつより路面Dに近い高さまで下降する。 図5に示すようにシート連結台51には、シート装置Sの前部を固定する前部ロック機構72と後部を固定する後部ロック機構61が設けられている。 この両ロック機構72,61は、公知の検知手段により検知される各機構の動作状態に基づいてロック、アンロックされる。 この両ロック機構72,61によってシート装置Sがシート連結台51に強固に固定される。 また、両ロック機構72,61がアンロックされると、シート装置Sをシート連結台51から分離することができる。 図5は、この分離状態を示している。 シート連結台51から分離して、車椅子として単独で使用したシート装置Sをシート連結台51に連結するには、図5に示すようにシート受け台51を車室外の路面Dにより近い高さまで移動させた状態で、シート装置Sを後退させる。 この際、着座者はシート装置Sに着座したままでよい。 シート装置Sを後退させて、シート受け台51をシートフレーム105の下方に相対的に進入させる。 進入させた状態でシート移動装置Mの両四節リンクアーム43,43を車室内側に移動させることによりシート受け台51を上昇させる。 これにより、シート装置Sがシート受け台51により持ち上げられ、これが公知の検知手段により検知され、これに基づいて両ロック機構72,61がロック側に作動してシート装置Sがシート受け台51に固定され、従ってシート移動装置M側に連結される。 その後、両四節リンクアーム43,43がさらに車室内側に移動されることによりシート装置Sが上昇しつつ車室内側に移動されて旋回位置に戻される。 シート装置Sが上昇しつつ旋回位置まで戻される途中の適当な時期に着座者または介護者が車輪ロック解除装置130を操作して左右の手動操作輪110,110を前記した側突対策位置にそれぞれ移動させる。 このロック解除操作は、車輪ロック解除装置130の解除レバー131をロック解除側(図11中矢印R方向)へ傾動操作することにより行う。 解除レバー131は、ロックピン136をロックブラケット134のロック孔134aから抜き出すことによりロック解除側に傾動操作することができる。 図11に示すように解除レバー131がロック解除方向に傾動操作されると、解除ケーブル121が引かれてロック装置120がロック解除され、これにより後輪ブラケット112を支軸150を中心にして上方(図11において反時計回り方向)に傾動させつつ、左右の手動操作輪110,110をシートクッション102から下方へ突き出した接地位置(図8に示す位置)からシートバック103の後方へ張り出した側突対策位置(図9に示す位置)に移動させることができる。 こうして両手動操作輪110,110をシートバック後方の側突対策位置に移動させると、図11に示すように着座者の両側方に手動操作輪110,110が存在しない状態となる。 また、図11に示すようにロック解除レバー131をロック解除側に傾動操作すると、左右の前輪141,141も矢印G方向に跳ね上げられる。 こうして、シート装置Sの上昇途中の段階で、左右の前輪141,141及び左右の手動操作輪110,110を下方の接地位置から上方かつシートバック103の後方に張り出した側突対策位置に退避させた状態とする。 その後、シート装置Sがさらに上昇して車両フロア11の高さに達すると、これが公知の検知手段により検知され、これに基づいて両四節リンクアーム43,43の移動動作が停止される。 その後、四節リンクアームとシート受け台51との間に介装された補助スライド機構によりシート装置Sが車室内側へ水平移動され、以上で当該シート装置Sが旋回位置に戻される。 シート装置Sが旋回位置に戻されると、これが図示省略したセンサ等の公知の検知手段によって検知され、これに基づいて上記補助スライド機構が停止される。 回転ベース23に対する四節リンクアーム43,43の移動及び補助スライド機構によるシート装置Sのスライド動作は、いずれも電動モータを駆動源としてなされる。 次に、回転モータが起動して、シート装置Sが旋回位置から車両正面向きの位置に向けて回転される。 シート装置Sの車両正面側への回転動作の開始時点では、回転ベース23に設けた回転係合部材290によって作動板280の係合ピン282が車室内側に押されておらず、従って作動ケーブル270が車室内側に引っ張られていないため、スロープ装置250のスロープ板251が車室外側に張り出した状態になっている。 一方、この時点でフットレスト装置200の足載せ台210は、図6において実線で示すようにストッパブロック220に当接して下限位置に位置している。 このため、シート装置Sの車両正面向き位置に向けた回転動作が開始されると、足載せ台210に設けたホイール212,212がスロープ板251上に乗りあがる。 そのまま、シート装置Sが回転されることにより、両ホイール212,212がスロープ板251上を転動しながら上る。 両ホイール212,212がスロープ板251に沿って上方へ上るので、足載せ台210が上方へ平行移動する。 その後、さらにシート装置Sが車両正面向きの位置に向けて回転されることにより、足載せ台210はドア開口部13のステップ部Rよりも高い位置まで上昇し、これによりシート装置Sの回転に伴って当該足載せ台210がドア開口部13のステップ部Rの上方を通過する。 こうしてシート本体Sの回転動作に伴ってフットレスト装置200の足載せ台210をスロープ板251に沿って転動させることにより自動的に上昇させてドア開口部13をスムーズに通過させることができる。 その後、シート装置Sがさらに回転すると、両ホイール212,212がスロープ板251から駆動ベース253の案内面253aに乗り移り、この案内面253a上を転動して徐々に下降しながら車両フロア11上に接地する。 この段階で、シート装置Sが車両正面向きの位置に至り、フットレスト装置200の足載せ台210はほぼ下限位置に戻される。 また、シート装置Sが車両正面向きの位置に至る手前であって、両ホイール212,212が案内面253a上に乗り移った後において、回転ベース23の下面に設けた回転係合部材290が、メインベース21上に設けた作動板280の係合ピン282に係合し、そのままシート装置Sが回転することにより係合ピン282が車室内側に押されて作動板280が図7中実線で示す位置から二点鎖線で示す位置まで傾動する。 こうして作動板280が二点鎖線で示す位置まで傾動すると、作動ケーブル270が車室内側に引っ張られてスロープ装置250の中間アーム255がその下部を車室内側に変位させる方向に傾動し、これにより作動アーム257が車室外側に変位してスロープ板251が上方に傾動し、最終的に車室内で起立する格納位置に戻される。 こうしてシート装置Sが車両正面向きの位置に戻されると、その回転動作に連動してフットレスト装置200の足載せ台210がスロープ板251上を転動して自動的に上昇され、これによりドア開口部13のステップ部Rをスムーズに乗り越える。 また、その後スロープ板251が自動的に車室内の格納位置に戻される。 シート装置Sが車両正面向きの位置に戻されると、回転ベース23の位置検知がなされ、その検出信号に基づいて回動モータが停止し、以上でシート装置Sが運転席位置に戻される。 これとは逆に、シート装置Sを車室内から車室外へ移動させる場合には、その回転動作に伴ってフットレスト装置200の両ホイール212,212が車両フロア11からスロープ装置250の案内面253a及びスロープ板251上を転動されることにより足載せ台210が上方へ平行移動してドア開口部13のステップ部Rの上方を通過し、これにより当該フットレスト装置200がスムーズにドア開口部13を通過する。 また、シート装置Sが旋回位置を経て下降しつつ車室外へ移動される途中の段階において、着座者自身あるいは介護者によって左右の手動操作輪110,110が使用位置に戻される。 左右の手動操作輪110,110は、それぞれ支軸150を介してシートフレーム105に上下に回動可能に取り付けた後輪ブラケット112の回動先端側に設けた車軸113に支持されている。 シート装置Sが車室内に戻された状態では、後輪ブラケット112は後方へ回動した位置に保持されており、これにより両手動操作輪110,110が着座者の側方に位置せず、着座者の後ろ側に変位した位置に保持されている。 そこで、シート装置Sが車室外に移動された段階で、着座者自身あるいは介護者が左右の手動操作輪110,110を把持して、両後輪ブラケット112,112を支軸150を中心にして前側に回動させつつ前側下方へ移動させる。 両手動操作輪110,110を所定の使用位置まで移動した後、左右の解除レバー131,131を下方のロック位置(図10に示す位置)に戻す。 これにより、後輪ブラケット112のロックピン114がロック装置120にロックされて両手動操作輪110,110がそれぞれ使用位置に固定される。 また、図10に示すように左右の解除レバー131,131をロック位置に戻すと、左右の前輪141,141がシートクッション102の下方へ突き出す使用位置に戻される。 解除レバー131,131は、ロックピン136がロックブラケット134のロック孔134aに挿入されることでロック位置にロックされる。 こうして解除レバー131,131がロック位置にロックされれば、左右の前輪141,141および手動操作輪110,110がそれぞれ使用位置に保持される。 こうして左右の前輪141,141および手動操作輪110,110を使用位置に固定した後、当該シート装置Sをさらに下降させれば、これらが路面Dに接地される。 シート装置Sが前輪141,141および手動操作輪110,110を路面Dに接地させた高さまで下降されると、これが公知の検知手段によって検知され、これに基づいて前後のロック機構72,61がアンロックされ、これによりシート装置Sをシート移動装置Mから分離可能な状態となる。 シート装置Sをシート移動装置から完全に分離すれば、当該シート装置Sを車室外において車椅子として単独で使用することができる。 以上のように構成した本実施形態の車両用シート100によれば、シート装置Sを車室外で車椅子として利用した後、シート移動装置Mに連結して旋回位置から車両正面向きの位置に向けて回転させる段階で、フットレスト装置200の足載せ台210がスロープ板251上に乗り上がり、この状態でシート装置Sが車両正面向きの位置に向けてさらに回転することにより当該足載せ台がスロープ板に沿って移動しつつ上方へ移動し、この状態でドア開口部13を通過する。 このように足載せ台210をスロープ板に沿って移動させることにより上昇させてドア開口部13のステップ部Rとの干渉を回避する構成であるので、着座者は足載せ台210に足を載せた楽な姿勢のまま車室内に移動することができる。 また、足載せ台210の上昇は、シート装置の回転動作を利用して自動的になされるので、着座者または介護者が手間を特別の操作をする必要がなく、この点で当該車両用シート100の使い勝手を向上させることができ、また従来のような操作をし忘れるおそれがない。 さらに、シート装置Sの回転動作を利用して足載せ台210を上昇させる構成であり、そのための専用の駆動源を必要としないので、例えば電動格納式あるいは電動昇降式とした場合のような大きな重量アップ及びコストアップを招くことがない。 また、足載せ台210は、モータ等の特別の駆動源を用いるのではなく、単に左右一対の四節平行リンク機構211,211を介して支持した構成であるので、当該足載せ台210はその自重により下限位置に保持され、また外力(持ち上げ力)により簡単に上昇させることができる。 このことから、シート装置Sが車室内に移動された状態では、当該足載せ台210を車両フロア11に当接させておくことにより、着座者の足の楽な高さ(楽な姿勢)を確保しつつ、シート装置Sの座面高さを設定するにあたって容易に他の座席と同等の高さに設定することができる。 さらに、スロープ板251は、シート装置Sの回転動作に連動して格納位置から使用位置に取り出されるので、着座者等が特別の操作をする必要がなく、この点でも当該車両用シート100の使い勝手を向上させることができる。 また、このスロープ装置250も、モータ等の特別の駆動源を必要としないので、この点でも大きなコストアップを招くことなく上記作用効果を得ることができる。 例示した実施形態には様々な変更を加えることができる。 例えば、四節平行リンク機構211,211を介して上下に平行移動可能に支持した構成を例示したが、単に四節リンク機構を用いて足載せ台を支持して、この足載せ台を着座者の楽な姿勢を阻害しない範囲で若干の傾動を伴って上下に移動する構成としてもよい。 また、足載せ台は、例示したリンク機構に代えて例えばスライド機構(直動機構)を用いて上下に移動する構成としてもよい。 さらに、2個のホイール212,212を備える構成を例示したが、ホイールの個数は1個でも3個以上であってもよい。 また、ホイールを省略して、例えば足載せ板部210bを直接スロープ板251の上面に摺接させる構成としてもよい。 この場合、足載せ板部210bの下面あるいはスロープ板251の上面に摩擦低減用のライナを張り付け、またはそのための表面処理を施す構成とすることができる。 また、スロープ板251は、上下に回動して格納位置と使用位置とに移動させる構成を例示したが、例えば伸縮式のスロープ板を用いることにより直動させて使用位置に取り出し、または格納位置に移動させる構成としてもよい。 さらに、スロープ装置250については、例えば電動モータを駆動源としてスロープ板251を移動させる構成としてもよい。 また、他の動力及び専用の動力を用いる構成ではなく、介護者等が手動操作によりスロープ板を所定の状態に取り付け、取り外す構成としてもよい。 さらに、シート装置Sの回転動作を利用して足載せ台を昇降させる構成を例示したが、このような回転動作を行わない形式のシート装置の他の動作、例えば横移動により車室内外間を移動するシート装置の当該直動動作を利用して昇降させる構成としてもよい。 また、運転席に適用した車両用シートを例示したが、助手席あるいは後部席等その他の席にも同様に適用できる。 さらに、シート装置をシート移動装置から分離して車室外において車椅子として単独で利用可能な形態の車両用シートを例示したが、シート移動装置から分離させないシート装置を備えた車両用シートにも同様に適用することができる。
本発明の実施形態に係る車両用シートを運転席に適用した車両の右側半分の平面図である。 本図は、シート装置が車室内に戻された状態、従ってスロープ板が格納位置に戻された状態を示している。 本発明の実施形態に係る車両用シートを運転席に適用した車両の右側半分の平面図である。 本図は、シート装置がドア開口部側に向けられた状態、従ってスロープ板が使用位置に取り出された状態を示している。 本発明の実施形態に係る車両用シートを運転席に適用した車両の右側半分の平面図である。 本図は、シート装置が旋回位置から車室外に移動された状態が示されている。 本発明の実施形態に係る車両用シートを運転席に適用した車両の右側半分の平面図である。 本図は、シート装置がシート移動装置から分離されて、車椅子として単独で用いられている状態を示している。 シート移動装置から分離されて車椅子として単独で用いられている状態のシート装置とシート移動装置の斜視図である。 本図では、スロープ装置の図示が省略されている。 シート装置の前部とフットレスト装置の側面図である。 本図において、下限位置の足載せ台が実線で示され、上昇した足載せ台が二点鎖線で示されている。 なお、前輪の図示は省略されている。 運転席の足元付近であって、スロープ装置の全体斜視図である。 本図では、使用位置のスロープ板が実線で示され、格納位置のスロープ板が二点鎖線で示されている。 なお、シート移動装置の回転ベースおよびこれより上側の機構、シート装置の図示は省略されている。 シート装置の手動操作輪付近の側面図である。 本図は、手動操作輪を接地位置に取り出し状態を示している。 シート装置の手動操作輪付近の側面図である。 本図は、手動操作輪をシートバックから後方へ張り出す格納位置に移動させた状態を示している。 シート装置の前部であって、車輪ロック解除装置の側面図である。 本図は、解除レバーをロック位置に位置させて前輪を接地位置に位置させた状態を示している。 なお、フットレスト装置の図示は省略されている。 シート装置の前部であって、車輪ロック解除装置の側面図である。 本図は、解除レバーをロック解除位置に位置させて前輪を跳ね上げた状態を示している。 なお、フットレスト装置の図示は省略されている。 符号の説明 S…シート装置、M…シート移動装置100…車両用シート101…シート本体105…シートフレーム110…手動操作輪(後輪) 112…後輪ブラケット113…車軸120…ロック装置130…車輪ロック解除装置131…解除レバー141…前輪150…支軸200…ヘッドレスト装置210…足載せ台211…四節平行リンク機構212…ホイール250…スロープ装置251…スロープ板253…駆動ベース、253a…案内面270…作動ケーブル280…作動板282…係合ピン290…回転係合部材 |