高性能FRCを形成し維持するシステムおよび方法

申请号 JP2017521081 申请日 2015-10-30 公开(公告)号 JP2017532745A 公开(公告)日 2017-11-02
申请人 トライ アルファ エナジー, インコーポレイテッド; トライ アルファ エナジー, インコーポレイテッド; 发明人 ミヒル ビンデルバウアー,; ミヒル ビンデルバウアー,; エウセビオ ガラテ,; エウセビオ ガラテ,; セルゲイ プトビンスキー,; セルゲイ プトビンスキー,; 博司 郷田; 博司 郷田;
摘要 高性能逆磁場構成(FRC)システムは、中心閉じ込め容器と、容器に結合される、2つの直径方向に対向する逆磁場シータピンチ形成区分と、形成区分に結合される、2つのダイバータチャンバとを含む。磁気システムは、FRCシステム構成要素に沿って軸方向に 位置 付けられる、準直流コイルと、閉じ込めチャンバと形成区分との間の準直流ミラーコイルと、形成区分とダイバータとの間のミラープラグとを含む。形成区分は、モジュール式パルス式パワー形成システムを含み、FRCの静的および動的形成および 加速 を可能にする。
权利要求

逆磁場構成(FRC)を伴う磁場を生成および維持するための方法であって、 閉じ込めチャンバ内にプラズマを中心としてFRCを形成するステップと、 前記閉じ込めチャンバの中央平面に向かってある度において、高速中性原子のビーム を中性ビーム注入器からFRCプラズマの中に注入することによって、減衰を伴わずに、 前記FRCを一定またはほぼ一定値に維持し、コンパクト・トロイドプラズマを前記FRCの中に注入するステップと、 を含む、方法。前記チャンバを中心として延在する準直流コイルを用いて、前記チャンバ内に磁場を生 成するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。前記チャンバの対向する端部を中心として延在する準直流ミラーコイルを用いて、前記 チャンバの対向する端部内にミラー磁場を生成するステップをさらに含む、請求項1およ び2に記載の方法。前記FRCを形成するステップは、前記閉じ込めチャンバの端部に結合される形成区分 内に形成FRCを形成するステップと、前記形成FRCを前記チャンバの中央平面に向か って加速させ、前記FRCを形成するステップとを含む、請求項1から3に記載の方法。前記FRCを形成するステップは、前記閉じ込めチャンバの第2の端部に結合される第 2の形成区分内に第2の形成FRCを形成するステップと、前記第2の形成FRCを前記 チャンバの中央平面に向かって加速させるステップとを含み、2つの形成FRCは、前記 FRCを形成するように融合する、請求項4に記載の方法。前記FRCを形成するステップは、前記形成FRCを前記チャンバの中央平面に向かっ て加速させながら、形成FRCを形成するステップと、形成FRCを形成し、次いで、前 記形成FRCを前記チャンバの中央平面に向かって加速させるステップとのうちの1つを 含む、請求項4および5に記載の方法。前記FRCの磁束面を前記形成区分の両端部に結合される複数のダイバータの中に誘導 するステップをさらに含む、請求項5に記載の方法。前記FRCの磁束面を前記形成区分の一端に結合される1つのダイバータの中に誘導す るステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。前記FRCの磁束面を前記形成区分と反対の前記チャンバの端部に結合される第2のダ イバータの中に誘導するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。前記形成区分およびダイバータを中心として延在する準直流コイルを用いて、前記形成 区分およびダイバータ内に磁場を生成するステップをさらに含む、請求項7から9に記載 の方法。準直流ミラーコイルを用いて、前記形成区分と前記ダイバータとの間にミラー磁場を生 成するステップをさらに含む、請求項7および10に記載の方法。前記形成区分と前記ダイバータとの間の狭窄部を中心として延在する準直流ミラープラ グコイルを用いて、前記形成区分と前記ダイバータとの間の狭窄部内にミラープラグ磁場 を生成するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。前記チャンバに結合される鞍形コイルを用いて、前記チャンバ内に磁気双極子場および 磁気四重極場のうちの1つを生成するステップをさらに含む、請求項1から12に記載の 方法。ゲッタリングシステムを用いて、前記チャンバの内部表面、形成区分、およびダイバー タを調整するステップをさらに含む、請求項1から13に記載の方法。前記ゲッタリングシステムは、チタン堆積システムおよびリチウム堆積システムのうち の1つを含む、請求項14に記載の方法。プラズマを軸方向に搭載されるプラズマガンから前記FRCの中に軸方向に注入するス テップをさらに含む、請求項1から15に記載の方法。前記FRCの縁層内の半径方向電場プロファイルを制御するステップをさらに含む、請 求項1から16に記載の方法。前記FRCの縁層内の半径方向電場プロファイルを制御するステップは、バイアス電極 を用いて、前記FRCの開磁束面群に電位分布を印加するステップを含む、請求項17に 記載の方法。逆磁場構成(FRC)を伴う磁場を生成および維持するためのシステムであって、 閉じ込めチャンバと、 前記閉じ込めチャンバに結合される第1および第2の直径方向に対向するFRC形成区 分であって、FRCを生成し、前記FRCを前記閉じ込めチャンバの中央平面に向かって 平行移動させるためのモジュール式形成システムを備える、形成区分と、 前記第1および第2の形成区分に結合される第1および第2のダイバータと、 前記第1および第2のダイバータ、前記第1および第2の形成区分、および前記閉じ込 めチャンバに動作可能に結合される、第1および第2の軸方向プラズマガンと、 前記閉じ込めチャンバに結合され、前記閉じ込めチャンバの縦軸に対して直角未満の角 度において、中性原子ビームを前記閉じ込めチャンバの中央平面に向かって注入するよう に配向される、複数の中性原子ビーム注入器と、 前記閉じ込めチャンバ、前記第1および第2の形成区分、ならびに前記第1および第2 のダイバータの周囲に位置付けられる、複数の準直流コイルと、前記閉じ込めチャンバと 前記第1および第2の形成区分との間に位置付けられる、第1および第2の準直流ミラー コイルのセットと、前記第1および第2の形成区分と前記第1および第2のダイバータと の間に位置付けられる、第1および第2のミラープラグとを備える、磁気システムと、 前記閉じ込めチャンバならびに前記第1および第2のダイバータに結合される、ゲッタ リングシステムと、 生成されたFRCの開磁束面を電気的にバイアスするための1つまたはそれを上回るバ イアス電極であって、前記閉じ込めチャンバ、前記第1および第2の形成区分、ならびに 前記第1および第2のダイバータのうちの1つまたはそれを上回るもの内に位置付けられ る、前記1つまたはそれを上回るバイアス電極と、 前記閉じ込めチャンバに結合される、2つまたはそれを上回る鞍形コイルと、 前記閉じ込めチャンバに結合される、CT注入器と、 を備える、システム。前記システムは、FRCを生成し、中性原子ビームが前記FRCの中に注入される間、 減衰を伴わずに、前記FRCを一定またはほぼ一定値に維持するように構成される、請求 項19に記載のシステム。前記ミラープラグは、前記第1および第2の形成区分のそれぞれと前記第1および第2 のダイバータとの間に第3および第4のミラーコイルのセットを備える、請求項19に記 載のシステム。前記ミラープラグはさらに、前記第1および第2の形成区分のそれぞれと前記第1およ び第2のダイバータとの間の通路内の狭窄部の周囲に巻着されたミラープラグコイルのセ ットを備える、請求項19および20に記載のシステム。伸長管は、石英ライナを伴う石英管である、請求項19−22に記載のシステム。前記形成システムは、パルス式パワー形成システムである、請求項19−23に記載の システム。前記形成システムは、複数のストラップアセンブリの個々の1つに結合され、前記第1 および第2の形成区分の伸長管の周囲に巻着された前記複数のストラップアセンブリの個 々の1つのコイルのセットを励起する、複数のパワーおよび制御ユニットを備える、請求 項19−24に記載のシステム。前記複数のパワーおよび制御ユニットの個々の1つは、トリガおよび制御システムを備 える、請求項25に記載のシステム。前記複数のパワーおよび制御ユニットの個々の1つの前記トリガおよび制御システムは 、前記FRCが、形成され、次いで、注入される、静的FRC形成、または前記FRCが 、同時に、形成および平行移動される、動的FRC形成を可能にするように同期可能であ る、請求項26に記載のシステム。前記複数の中性原子ビーム注入器は、1つまたはそれを上回るRFプラズマ源中性原子 ビーム注入器と、1つまたはそれを上回るアーク源中性原子ビーム注入器とを備える、請 求項19−27に記載のシステム。前記複数の中性原子ビーム注入器は、前記FRCの区分線内に標的捕捉ゾーンを伴って 、前記FRCに対して接線方向にある注入経路とともに配向される、請求項19−28に 記載のシステム。前記ゲッタリングシステムは、前記閉じ込めチャンバならびに前記第1および第2のダ イバータのプラズマに面した表面をコーティングする、チタン堆積システムおよびリチウ ム堆積システムのうちの1つまたはそれを上回るものを備える、請求項19−29に記載 のシステム。バイアス電極は、開磁線に接触するように前記閉じ込めチャンバ内に位置付けられる 、1つまたはそれを上回る点電極、方位角的に対称方式において遠端磁束層を充電する、 前記閉じ込めチャンバと前記第1および第2の形成区分との間の環状電極のセット、前記 第1および第2のダイバータ内に位置付けられ、複数の同心磁束層を充電する、複数の同 心積層電極、および開磁束を奪取する、前記プラズマガンのアノードのうちの1つまたは それを上回るものを含む、請求項19−30に記載のシステム。逆磁場構成(FRC)を伴う磁場を生成および維持するためのシステムであって、 閉じ込めチャンバと、 前記閉じ込めチャンバに結合される第1および第2の直径方向に対向するFRC形成区 分と、 前記第1および第2の形成区分に結合される第1および第2のダイバータと、 複数のプラズマガン、1つまたはそれを上回るバイアス電極、ならびに第1および第2 のミラープラグのうちの1つまたはそれを上回るものであって、前記複数のプラズマガン は、前記第1および第2のダイバータ、前記第1および第2の形成区分、ならびに前記閉 じ込めチャンバに動作可能に結合される、第1および第2の軸方向プラズマガンを含み、 前記1つまたはそれを上回るバイアス電極は、前記閉じ込めチャンバ、前記第1および第 2の形成区分、ならびに前記第1および第2のダイバータのうちの1つまたはそれを上回 るもの内に位置付けられ、前記第1および第2のミラープラグは、前記第1および第2の 形成区分と前記第1および第2のダイバータとの間に位置付けられる、複数のプラズマガ ン、1つまたはそれを上回るバイアス電極、ならびに第1および第2のミラープラグのう ちの1つまたはそれを上回るものと、 前記閉じ込めチャンバならびに前記第1および第2のダイバータに結合される、ゲッタ リングシステムと、 前記閉じ込めチャンバに結合され、前記閉じ込めチャンバの軸に対して直角に配向され る、複数の中性原子ビーム注入器と、 前記閉じ込めチャンバ、前記第1および第2の形成区分、ならびに前記第1および第2 のダイバータの周囲に位置付けられる、複数の準直流コイルと、前記閉じ込めチャンバと 前記第1および第2の形成区分との間に位置付けられる、第1および第2の準直流ミラー コイルのセットとを備える、磁気システムと、 前記閉じ込めチャンバに結合されたCT注入器と、 を備え、 前記システムは、FRCを生成し、中性ビームがプラズマの中に注入される間、減衰を 伴わず前記FRCを維持するように構成される、システム。前記システムは、FRCを生成し、中性原子ビームが、前記FRCの中に注入される間 、減衰を伴わずに、前記FRCを一定またはほぼ一定値に維持するように構成される、請 求項32に記載のシステム。前記ミラープラグは、前記第1および第2の形成区分のそれぞれと前記第1および第2 のダイバータとの間に第3および第4のミラーコイルのセットを備える、請求項32およ び33に記載のシステム。前記ミラープラグはさらに、前記第1および第2の形成区分のそれぞれと前記第1およ び第2のダイバータとの間の通路内の狭窄部の周囲に巻着される、ミラープラグコイルの セットを備える、請求項32−34に記載のシステム。前記第1および第2のダイバータと、前記第1および第2の形成区分と、前記閉じ込め チャンバとに動作可能に結合される、第1および第2の軸方向プラズマガンをさらに備え る、請求項32−35に記載のシステム。前記閉じ込めチャンバに結合される、2つまたはそれを上回る鞍形コイルをさらに備え る、請求項32−36に記載のシステム。前記形成区分は、FRCを生成し、それを前記閉じ込めチャンバの中央平面に向かって 平行移動させるためのモジュール式形成システムを備える、請求項32−37に記載のシ ステム。バイアス電極は、開磁力線に接触するように前記閉じ込めチャンバ内に位置付けられる 、1つまたはそれを上回る点電極、方位角的に対称方式において、遠端磁束層を充電する 、前記閉じ込めチャンバと前記第1および第2の形成区分との間の環状電極のセット、複 数の同心磁束層を充電するように前記第1および第2のダイバータ内に位置付けられる、 複数の同心積層電極、および開磁束を奪取する、前記プラズマガンのアノードのうちの1 つまたはそれを上回るものを含む、請求項32−38に記載のシステム。

说明书全文

(分野) 本明細書に記載された実施形態は、一般に磁気プラズマ閉じ込めシステムに関し、より 詳細には、優れた安定性ならびに粒子、エネルギーおよび磁束閉じ込めをもつ、磁場反転 配位の形成および維持を促進するシステムおよび方法に関する。

(背景情報) 磁場反転配位(FRC)は、コンパクト・トロイド(CT)として公知の磁気プラズマ 閉じ込めトポロジーの分類に属する。FRCは、主にポロイダル磁場を示し、自然発生の トロイダル磁場がない、または少ない(M.Tuszewski、Nucl.Fusio n 28、2033(1988)参照)。このような構造の魅は、構築および維持が容 易なその単純な形状、エネルギーの抽出および灰の除去を促進する無制限の自然ダイバー タ、ならびに非常に高いβ(βはFRC内部の平均磁場圧力に対する平均プラズマ圧力の割合である)、すなわち、高出力密度である。高いβ特性は、経済運用、ならびにD−He3およびp−B11などの進化した非中性子燃料の使用に有利である。

FRCを形成する従来の方法は、磁場反転シータピンチ技術を使用し、高温高密度のプ ラズマを生成する(A.L.HoffmanおよびJ.T.Slough、Nucl.F usion 33、27(1993)(非特許文献1)参照)。この変形形態は、シータ ピンチ「源」内に生成されたプラズマが、概ね即座に一端から出て閉じ込めチャンバの中 に放出される移動トラッピング方法である。次いで移動するプラズモイドは、チャンバの 端部で2つの強いミラーの間に閉じ込められる(例えば、H.Himura、S.Oka da、S.Sugimoto、およびS.Goto、Phys.Plasmas 2、1 91(1995)(非特許文献2)参照)。一旦閉じ込めチャンバに入ると、ビーム入射 (中性または中和された)、回転磁場、RFまたはオーム加熱などの様々な加熱および電 流駆動方法を適用してもよい。源と閉じ込め機能のこの分離は、潜在的な将来の核融合炉 に対して重要な工学的利点を提供する。FRCは、非常に堅固であり、動的形成、移動、 および激しい捕捉事象に耐性があることが判明している。さらに、FRCは、好ましいプ ラズマ状態を担う傾向を示す(例えば、H.Y.Guo、A.L.Hoffman、K. E.Miller、およびL.C.Steinhauer、Phys.Rev.Lett .92、245001(2004)(非特許文献3)参照)。他のFRCの形成方法、す なわち、逆向きのヘリシティをもつスフェロマックの融合(例えば、Y.Ono、M.I nomoto、Y.Ueda、T.Matsuyama、およびT.Okazaki、N ucl.Fusion 39、2001(1999)(非特許文献4)参照)、ならびに これもさらに安定性を提供する、回転磁場(RMF)を用いて電流を駆動することによる (例えば、I.R.Jones、Phys.Plasmas 6、1950(1999) (非特許文献5)参照)発展が過去10年に著しく進歩を遂げた。

最近、かなり昔に提案された衝突融合技法(例えば、D.R.Wells、Phys. Fluids 9、1010(1966)(非特許文献6)参照)がさらに著しく発展し た。すなわち、閉じ込めチャンバの対向する端部で2つの個別のシータピンチが、同時に 2つのプラズモイドを生成し、プラズモイドを互いに向かって高速度で加速させ、次いで プラズモイドは、閉じ込めチャンバの中央で衝突し、複合FRCを形成するために融合す る。今までで最大のFRC実験の1つの構築および成功した作動において、従来の衝突融 合法は、安定して長持ちし、高磁束、高温のFRCを生成することを示した(例えば、M .Binderbauer、H.Y.Guo、M.Tuszewskiら、Phys.R ev.Lett.105、045003(2010)(非特許文献7)参照)。

FRCは、セパラトリックスの内側の閉じた磁力線のトーラス、およびセパラトリック スのすぐ外側の開いた磁力線上の環状縁層からなる。縁層は、FRCの長さを超えて集結 してジェットになり、自然ダイバータを提供する。FRCトポロジーは、磁場反転ミラー プラズマのトポロジーと一致する。しかし、著しい違いは、FRCプラズマが約10のβ を有することである。固有の低い内部磁場は、FRCの短半径に匹敵する、若干の生来の 動的粒子集団、すなわち、大きいラーモア半径をもつ粒子を提供する。これは、衝突融合 実験において生成された安定性などの過去および現在のFRCの安定性の合計に、少なく とも部分的に寄与すると思われるこれらの強い動的効果である。

典型的な過去のFRC実験は、主に粒子移動によって決まるエネルギー閉じ込めをもつ 、対流損失によって支配されてきた。粒子は、セパラトリックス体積から主に径方向外方 に拡散し、次いで縁層において軸方向に損失される。したがって、FRC閉じ込めは、閉 じた磁力線領域と開いた磁力線領域の両方の特性に依存する。セパラトリックスから出た 粒子の拡散時間は、τは約a2/D(aは約rs/4であり、ここでrsは中心セパ ラトリックスの半径である)と見積もられ、Dは、特性FRC拡散率であり(例えば、 Dは約12.5ρieであり、ρieはイオンジャイロ半径を表し)、外部印加磁場で 評価される。縁層の粒子閉じ込め時間

は、基本的に過去のFRC実験における軸方向通過時間である。定常状態において、径方 向の粒子損失と軸方向の粒子損失との間の均衡は、セパラトリックスの密度勾配長さδ、 約

をもたらす。FRC粒子閉じ込め時間は、セパラトリックスで実質的な密度を有する過去 のFRCに対して

と見積もられる(例えば、M.TUSZEWSKI、「Field Reversed Configurations(磁場反転配位)」、Nucl.Fusion 28、2 033(1988)参照)。

先行のFRCシステム設計の別の短所は、急成長するn=2交換不安定性などの、回転 不安定性を制御するために外部多極を使用する必要があったことである。このような方法 で、通常の外部印加された四重極磁場は、これらの不安定モードの成長を抑えるために、 必要な磁気を回復する圧力を提供した。この技法は熱バルクプラズマの安定制御に充分で ある一方で、高い動的大軌道の粒子集団が通常の熱プラズマと組み合わされる場合、この 技法は、より動的なFRCまたは進化したハイブリッドのFRCに対して深刻な問題を有 する。これらのシステムでは、このような多極磁場に起因する軸対称の磁場の歪みは、正 準運動量の保存を損失する結果、無衝突の確率的拡散を介して劇的に高速な粒子損失を もたらす。したがって、いかなる粒子の拡散も高めることなく、安定制御を提供する新規 の解決策は、これらの今まで調査されなかった進歩したFRCの概念の、より高い潜在性 能を利用するために重要である。

したがって、前述に照らして、コンパクト中性子源(医療用同位体生産、核廃棄物浄化、 材料研究、中性子X線撮影、および断層撮影のため)、コンパクト光子源(化学生産およ び処理のため)、質量分離および濃縮システム、および将来のエネルギー生成のための軽 核の融合用炉心を含む、あらゆる種々の用途への経路として定常状態FRCを使用するた めに、FRCの閉じ込めおよび安定性を改良することが望ましい。

A.L.HoffmanおよびJ.T.Slough、Nucl.Fusion 33、27(1993)

H.Himura、S.Okada、S.Sugimoto、およびS.Goto、Phys.Plasmas 2、191(1995)

H.Y.Guo、A.L.Hoffman、K.E.Miller、およびL.C.Steinhauer、Phys.Rev.Lett.92、245001(2004)

Y.Ono、M.Inomoto、Y.Ueda、T.Matsuyama、およびT.Okazaki、Nucl.Fusion 39、2001(1999)

I.R.Jones、Phys.Plasmas 6、1950(1999)

D.R.Wells、Phys.Fluids 9、1010(1966)

M.Binderbauer、H.Y.Guo、M.Tuszewskiら、Phys.Rev.Lett.105、045003(2010)

本明細書に提供された本実施形態は、新しい高性能の磁場反転配位(FRC)の形成お よび維持を促進するシステムおよび方法を対象とする。この新しい高性能のFRCパラダ イムによれば、本システムは、多くの新規の発想と、粒子、エネルギーおよび磁束のFR C閉じ込めを劇的に向上させ、かつ負の副作用のない安定制御を提供する手段を組み合わ せる。

本明細書に提供されたFRCシステムは、2つの直径方向に対向する磁場反転シータピ ンチ形成部分、およびその形成部分を超えた、中性密度および不純物汚染を制御するため の2つのダイバータ・チャンバによって包囲された中央閉じ込め容器を含む。磁気システ ムは、FRCシステムの構成要素に沿って軸方向位置にある一連の疑似直流コイル、閉じ 込めチャンバのいずれかの端部と隣接した形成部分との間の疑似直流ミラー、ならびに、 各形成部分と、ダイバータに向かって磁束表面の焦点を合わせるために、追加のガイド磁 場を生成するダイバータとの間に小型の疑似直流ミラーコイルを備えるミラープラグを含 む。形成部分は、FRCをその場で形成し、次いで加速し入射する(静的形成)、または 形成し同時に加速する(動的形成)ことが可能な、モジュラーパルス電力形成システムを 含む。

FRCシステムは、中性原子ビーム注入器と、ペレット注入器とを含む。一実施形態で は、ビーム注入器は、中性粒子を中央平面に向かって注入するように角度付けられる。ビ ーム注入器を中央平面に向かって角度付け、軸方向ビーム位置を中央平面に近接させるこ とは、注入周期の間、FRCプラズマが収縮または別様に軸方向に縮小しても、ビーム− プラズマ結合を改良する。ゲッタリングシステムもまた、軸方向プラズマガンと同様に含 まれる。バイアス電極もまた、開磁束面の電気バイアスのために提供される。

動作時、プラズマ熱エネルギー、総粒子数、プラズマ半径および長さ、ならびに磁束を 含む、FRCの包括的プラズマパラメータは、中性ビームがプラズマの中に注入され、ペ レットが、適切な粒子燃料補給を提供する間、減衰を伴わずに、実質的に持続可能である 。

代替的な実施形態において、スフェロマック状プラズマを照射することにより、適切な粒子燃料補給を提供するために、コンパクト・トロイド(CT)注入器が、ペレット注入器の代わりに提供される。

本発明のシステム、方法、特徴および利点は、以下の図および詳述を検討すると、当業 者には明らかであり、または明らかになろう。すべてのこのような追加の方法、特徴およ び利点は、本明細書に含まれ、本発明の範囲内であり、添付の特許請求の範囲によって保 護されることが意図される。また、本発明は、例示的実施形態の詳細を必要とするように 限定されないことも意図される。

添付図面は本明細書の一部として含まれ、この好ましい実施形態を示し、上に提供され た概要および以下に提供される好ましい実施形態の詳述と共に、本発明の原理を説明し教 示する働きをする。

高性能のFRCレジーム(HPF)下と従来のFRCレジーム(CR)下との関係、および他の従来のFRC実験との関係において、本FRCシステムにおける粒子閉じ込めを示す図である。

本FRCシステムの構成要素、および本FRCシステムにおけるFRCを生産可能な磁気トポロジーを示す図である。

図3Aは、中性ビーム、電極、プラズマガン、ミラープラグ、およびペレット注入器の好ましい配列を含む、上部から見た本FRCシステムの基本レイアウトを図示する。

図3Bは、上部から見た中心閉じ込め容器を図示し、中心閉じ込め容器内の対称長軸に対して直角である角度で配列される、中性ビームを示す。

図3Cは、上部から見た中心閉じ込め容器を図示し、中心閉じ込め容器内の対称長軸に対して直角未満である角度で配列され、粒子を中心閉じ込め容器の中央平面に向かって注入するように指向される、中性ビームを示す。

形成部分に対するパルス電力システムの構成要素の概略を示す図である。

個々のパルス電力形成スキッドのアイソメ図である。

形成管アセンブリのアイソメ図である。

中性ビームシステムおよび主要構成要素の部分断面アイソメ図である。

閉じ込めチャンバ上の中性ビーム配置のアイソメ図である。

TiおよびLiゲッタリング・システムの好ましい配置の部分断面アイソメ図である。

ダイバータ・チャンバに搭載されたプラズマガンの部分断面アイソメ図である。また、関連した磁気ミラープラグおよびダイバータ電極アセンブリも示す。

閉じ込めチャンバの軸方向端部における環状バイアス電極の好ましい配置を示す図である。

2つの磁場反転シータピンチ形成部分における一連の外部反磁性ループおよび中央金属閉じ込めチャンバ内に組み込んだ磁界プローブから獲得した、FRCシステムにおける排除磁束半径の展開を示す図である。時間は、形成源内の同期された磁場反転の瞬間から測定され、距離zは、機械の軸方向の中央平面に対して与えられる。

図13(a)は、本FRCシステム上の代表的な非HPFの非持続放出からのデータを示す図であり、中央平面における排除磁束半径が、時間関数として示されている。図13(b)は、本FRCシステム上の代表的な非HPFの非持続放出からのデータを示す図であり、中央平面CO2干渉計からの線集積密度の6つのコードが、時間関数として示されている。図13(c)は、本FRCシステム上の代表的な非HPFの非持続放出からのデータを示す図であり、CO2干渉計データからのアーベル逆変換密度半径の外形が、時間関数として示されている。図13(d)は、本FRCシステム上の代表的な非HPFの非持続放出からのデータを示す図であり、圧力平衡からの合計プラズマ温度が、時間関数として示されている。

図13に示された本FRCシステムの同じ放出に対して、選択された時間における排除磁束の軸方向の外形を示す図である。

閉じ込めチャンバの外側に装着されたサドルコイルのアイソメ図である。

FRCの耐用期間および入射された中性ビームのパルス長の相互関係を示す図である。示されたように、ビームパルスが長いほど、より長く耐用するFRCを生成する。

FRC性能のFRCシステムの異なる構成要素の個々の効果および組み合わせた効果、ならびにHPFレジームの達成を示す図である。

図18(a)は、本FRCシステム上の代表的なHPFの非持続放出からのデータを示す図であり、中央平面における排除磁束半径が、時間関数として示されている。図18(b)は、本FRCシステム上の代表的なHPFの非持続放出からのデータを示す図であり、中央平面CO2干渉計からの線集積密度の6つのコードが、時間関数として示されている。図18(c)は、本FRCシステム上の代表的なHPFの非持続放出からのデータを示す図であり、CO2干渉計データからのアーベル逆変換密度半径の外径が、時間関数として示されている。図18(d)は、本FRCシステム上の代表的なHPFの非持続放出からのデータを示す図であり、圧力平衡からの合計プラズマ温度が、時間関数として示されている。

電子温度(T

e)の関数として、磁束閉じ込めを示す図である。これは、HPF放出に対して新しく確立された優れたスケーリングレジームを表すグラフを示す。

図20は、角度付けられていないおよび角度付けられた注入される中性ビームのパルス長に対応する、FRC寿命時間を図示する。

図21Aは、コンパクト・トロイド(CT)注入器の基本レイアウトを図示している。

図21Bは、コンパクト・トロイド(CT)注入器の基本レイアウトを図示している。

図22Aは、それに搭載されたCT注入器を示している中央閉じ込め容器を図示している。

図22Bは、それに搭載されたCT注入器を示している中央閉じ込め容器を図示している。

図23Aは、それに結合されたドリフトチューブを有しているCT注入器の代替的実施形態の基本レイアウトを図示している。

図23Bは、それに結合されたドリフトチューブを有しているCT注入器の代替的実施形態の基本レイアウトを図示している。

図は必ずしも一定の縮尺で描かれてはおらず、同様の構造または機能の要素は、説明の ために図を通して同じ参照番号で概ね表されていることに留意されたい。また図は、本明 細書に記載された様々な実施形態の説明を容易にすることを意図するに過ぎないことにも 留意されたい。図は、必ずしも本明細書に開示された教示のすべての態様を説明せず、特 許請求の範囲を限定するものではない。

本明細書に提供される本実施形態は、従来のFRCより優れた安定性ならびに優れた粒 子、エネルギーおよび磁束閉じ込めを伴って、高性能逆磁場構成(FRC)の形成および 維持を促進する、システムおよび方法を対象とする。そのような高性能FRCは、コンパ クト中性子源(医療用同位体生産、核廃棄物浄化、材料研究、中性子X線撮影、および断 層撮影のため)、コンパクト光子源(化学生産および処理のため)、質量分離および濃縮 システム、ならびに将来のエネルギー生成のための軽核の融合用炉心を含む、あらゆる種 々の用途への経路を提供する。

様々な付随システムおよび作動モードが、FRC内に優れた閉じ込めレジームが存在す るかどうかを評価するために調査されてきた。これらの努力は、本明細書に説明された高 性能のFRCパラダイムの画期的な発見および発展をもたらした。この新しいパラダイム によれば、本システムおよび方法は、多くの新規の発想と、図1に示したように、FRC 閉じ込めを劇的に向上させ、かつ負の副作用のない安定制御を提供する手段を組み合わせ る。以下により詳細に論じるように、図1は、以下に説明する(図2および3参照)FR Cシステム10における粒子閉じ込めを示し、FRCを形成し維持するために従来のレジ ームCRによる作動に対して、また他の実施形態で使用されるFRCを形成し維持するた めに従来のレジームによる粒子閉じ込めに対して、FRCを形成し維持するための高性能 のFRCレジーム(HPF)により作動する。本開示は、FRCシステム10の革新的な 個々の構成要素および方法、ならびにそれらの集合効果の概要を説明し詳述する。

(FRCシステムの説明) 真空システム 図2および3は、本FRCシステム10の概略を示す。FRCシステム10は、2つの 直径方向に対向する磁場反転シータピンチ形成部分200、およびその形成部分200を 超えた、中性密度および不純物汚染を制御するための2つのダイバータ・チャンバ300 によって包囲された中央閉じ込め容器100を含む。本FRCシステム10は、超高真空 を収容するように構築されており、一般的な基準圧10〜8トルで作動する。このような 真空圧は、嵌合構成要素、金属Oリング、高純度の内壁の間のダブルポンプの嵌合フラン ジを使用し、ならびに物理的および化学的洗浄に続き、24時間250℃での真空焼成お よび素グロー放電洗浄などの、組立て前にすべての部分を最初に慎重に表面調整する必 要がある。

磁場反転シータピンチ形成部分200は、以下に詳しく論じる(図4〜6参照)進化し たパルス電力形成システムを備えているが、標準磁場反転シータピンチ(FRTP)であ る。各形成部分200は、超高純度石英の2ミリメートルの内壁を特色とする、標準純度 工業グレードの石英管から作成される。閉じ込めチャンバ100は、ステンレス鋼から作 成されて、複数の径方向および接線方向のポートが可能になる。また閉じ込めチャンバ1 00は、以下に説明される実験の時間スケール上で磁束保存器として働き、高速過渡磁場 を制限する。真空は、ドライスクロール粗引きポンプ、ターボ分子ポンプおよびクライオ ポンプのセットを備える、FRCシステム10内に生成され維持される。

磁気システム 磁気システム400は、図2および3に示されている。図2は、他の特徴の中でとりわ け、FRCシステム10によって生産可能なFRC450に関する、FRC磁束および密 度等高線(径方向および軸方向座標の関数として)を示す。これらの等高線は、FRCシ ステム10に対応するシステムおよび方法をシミュレーションするために開発されたコー ドを使用して、二次元抵抗性Hall−MHD数値シミュレーションによって獲得された ものであり、測定された実験データとよく合致する。図2に見られるように、FRC45 0は、セパラトリックス451の内側のFRC450の内部453で、閉じた磁力線のト ーラス、およびセパラトリックス451のすぐ外側の開いた磁力線452上の環状縁層4 56からなる。縁層456は、FRCの長さを超えて集結してジェット454になり、自 然ダイバータを提供する。

主磁気システム410は、構成要素に沿って、すなわち、FRCシステム10の閉じ込 めチャンバ100、形成部分200およびダイバータ300に沿って、特に軸方向位置に ある一連の疑似直流コイル412、414、および416を含む。疑似直流コイル412 、414、および416は、疑似直流スイッチング電源によって供給され、閉じ込めチャ ンバ100、形成部分200およびダイバータ300内に約0.1Tの基本磁気バイアス 磁場を生成する。疑似直流コイル412、414、および416に加えて、主磁気システ ム410は、閉じ込めチャンバ100のいずれかの端部と隣接した形成部分200との間 に疑似直流ミラーコイル420(スイッチング電源によって供給される)を含む。疑似直 流ミラーコイル420は、最高5までの磁気ミラー比を提供し、平衡形状制御のために単 独で活性化されることが可能である。加えて、ミラープラグ440は、それぞれの形成部 分200とダイバータ300との間に位置付けられる。ミラープラグ440は、小型の疑 似直流ミラーコイル430およびミラープラグコイル444を備える。疑似直流ミラーコ イル430は、ミラープラグコイル444を通過して短い直径の通路442に向かって磁 束表面455の焦点を合わせるために、追加のガイド磁場を生成する3つのコイル432 、434および436(スイッチング電源によって供給される)を含む。ミラープラグコ イル444は、短い直径の通路442を中心に巻き付き、LCパルス電力回路によって供 給され、最高4Tまでの強いミラー磁場を生成する。このコイル配置全体の目的は、堅く 束ね、磁束表面455および端部に流れるプラズマジェット454を、ダイバータ300 の遠隔チャンバ310に導くことである。最後に、サドルコイル「アンテナ」460のセ ット(図15参照)は、中央平面の各側面上に2つずつ、閉じ込めチャンバ100の外側 に配置され、直流電源によって供給される。サドルコイル・アンテナ460を、回転不安 定性の制御および/または電子電流制御のために、約0.01Tの準静的磁気双極子また は四重極磁場を提供するように構成することができる。サドルコイル・アンテナ460は 、印加電流の方向に依存して、中央平面に対して対称または反対称のいずれかである、磁 場を柔軟に提供できる。

パルス電力形成システム パルス電力形成システム210は、修正シータピンチ原理に基づいて作動する。それぞ れが形成部分200の1つに電力を供給する、2つのシステムが存在する。図4〜6は、 形成システム210の主な構築ブロックおよび配置を示す。形成システム210は、個々 のユニット(=スキッド)220からなるモジュラーパルス電力配置から構成され、スキ ッド220のそれぞれは、形成石英管240を中心に巻き付くストラップアセンブリ23 0(=ストラップ)のコイル232のサブセットを活性化する。各スキッド220は、コ ンデンサ221、インダクタ223、高速大電流スイッチ225および関連トリガー22 2ならびにダンプ回路224から構成される。全体で、各形成システム210は、350 〜400kJの容量エネルギーを保存し、この容量エネルギーは、最高35GWまでの電 力を提供してFRCを形成し加速する。これらの構成要素の協調された作動は、最先端の トリガーおよび制御システム222および224を介して達成され、それによって各形成 部分200上の形成システム210間のタイミングを同期することが可能になり、スイッ チングジッタを数十ナノ秒に最小化する。このモジュラー設計の利点は、その柔軟な作動 である。すなわち、FRCをその場で形成でき、次いで加速し照射する(=静的形成)、 または形成し同時に加速する(=動的形成)ことができる。

中性ビーム注入器 中性原子ビーム600が、FRCシステム10上に展開され、加熱および電流駆動を提 供し、高速粒子圧力を発生させる。図3A、3B、および8に示されるように、中性原子 ビーム注入器システム610および640を構成する、個々のビーム線は、標的捕捉ゾー ンが十分に区分線451(図2参照)の範囲内にあるように、衝突パラメータを用いて、 中心閉じ込めチャンバ100の周囲に位置し、高速粒子をFRCプラズマに対して接線方 向に(かつ、中心閉じ込め容器100内の対称長軸に対して垂直または直角である角度で )注入する。各注入器システム610および640は、20〜40keVの粒子エネルギ ーを用いて、最大1MWの中性ビームパワーをFRCプラズマの中に注入可能である。シ ステム610および640は、正イオン多開口抽出源に基づき、幾何学的集束、イオン抽 出グリッドの慣性冷却、および差動ポンプを利用する。異なるプラズマ源の使用は別とし て、システム610および640は、主に、側方および上方注入能力をもたらす、その個 別の搭載場所を満たすようなその物理的設計によって区別される。これらの中性ビーム注 入器の典型的構成要素は、側方注入器システム610に関する図7に具体的に図示される 。図7に示されるように、各個々の中性ビームシステム610は、端部を被覆する磁気遮 蔽614とともに、入力端部(これは、システム640内のアーク源で代用される)にR Fプラズマ源612を含む。イオン光学源および加速グリッド616は、プラズマ源61 2に結合され、ゲート弁620は、イオン光学源および加速グリッド616と中和装置6 22との間に位置付けられる。偏向磁石624およびイオンダンプ628は、中和装置6 22と出口端部における照準デバイス630との間に位置する。冷却システムは、2つの 低温冷凍機634と、2つのクライオパネル636と、LN2シュラウド638とを備え る。本柔軟性のある設計は、広範囲のFRCパラメータにわたる動作を可能にする。

中性原子ビーム注入器600のための代替構成は、高速粒子をFRCプラズマに対して 接線方向に注入するが、角度Aは、中心閉じ込め容器100内の対称長軸に対して90° 未満であるものである。ビーム注入器615のこれらのタイプの配向は、図3Cに示され る。加えて、ビーム注入器615は、中心閉じ込め容器100の中央平面の両側のビーム 注入器615が、その粒子を中央平面に向かって注入するように配向されてもよい。最後 に、これらのビームシステム600の軸方向位置は、中央平面により近接するように選定 されてもよい。これらの代替注入実施形態は、より中心における燃料補給選択肢を促進し 、ビームのより優れた結合および注入される高速粒子のより高い捕捉効率を提供する。さ らに、角度および軸方向位置に応じて、ビーム注入器615の本配列は、FRC450の 軸方向伸長および他の特性のより直接的かつ独立した制御を可能にする。例えば、ビーム を容器の対称長軸に対して浅角Aで注入することは、より長い軸方向伸展およびより低い 温度を伴うFRCプラズマを作成するであろう一方、より垂直な角度Aで取り上げること は、軸方向により短いが、より高温のプラズマにつながるであろう。本方式では、ビーム 注入器615の注入角度Aおよび場所は、異なる目的のために最適化されることができる 。加えて、ビーム注入器615のそのような角度付けおよび位置付けは、より高いエネル ギーのビーム(概して、より少ないビーム分散を伴う、より多くのパワーを堆積させるた めにより好ましい)が、そうでなければ、そのようなビームを捕捉するために必要となる であろうものより低い磁場の中に注入されることを可能にすることができる。これは、高 速イオン軌道スケールを判定するのが、エネルギーの方位角成分(容器の対称長軸に対す る注入角度が一定ビームエネルギーで低減されるにつれて、徐々に小さくなる)という事 実に起因する。さらに、中央平面に向かって角度付けられた注入および中央平面に近接す る軸方向ビーム位置は、注入周期の間、FRCプラズマが収縮または別様に軸方向に縮小 しても、ビーム−プラズマ結合を改良する。

ペレット照射装置 新しい粒子を照射し、FRCの粒子インベントリをより良好に制御する手段を提供する ために、12バレルペレット照射装置700(例えば、I.Vinyarら、「Pell et Injectors Developed at PELIN for JET, TAE, and HL−2A(JET、TAE、およびHL−2Aに対してPELI Nで開発されたペレット照射装置)」第26回Fusion Science and Technology Symposium(核融合科学技術シンポジウム)の報告書、 9月27日〜10月1日(2010)参照)がFRCシステム10上に利用される。図3 は、FRCシステム10上のペレット照射装置700の配置を示す。円筒形ペレット(D は約1mm、Lは約1〜2mm)は、FRCに速度150〜250km/sの範囲で照射 される。個々のペレットはそれぞれ、約5×1019の水素原子を含み、これはFRCの 粒子インベントリに匹敵する。

ゲッタリング・システム 中性ハロガスは、すべての閉じ込めシステムにおいて深刻な問題であることは周知であ る。電荷交換および再利用(壁からの低温の不純物材料の放出)プロセスは、エネルギー および粒子閉じ込めに壊滅的な影響を与える可能性がある。加えて、縁部におけるまたは 縁部付近のいかなる高濃度の中性ガスも、照射された大きい軌道(高エネルギー)の粒子 (大きい軌道は、FRCトポロジーの規模の軌道、または少なくとも特性磁界勾配長さス ケールよりはるかに大きい軌道半径を有する粒子を指す)の耐用期間を即座に喪失させる 、または少なくとも大幅に短くする、すなわち、これは、補助ビーム加熱を介する融合を 含め、すべてのエネルギープラズマの適用に弊害をもたらす。

表面調整は、それによって中性ガスおよび不純物の悪影響を、閉じ込めシステムにおい て制御または低減できる手段である。この目的を達成するために、本明細書に提供された FRCシステム10は、チタニウム(Ti)およびリチウム(Li)成膜システム810 および820を利用し、閉じ込めチャンバ(または容器)100およびダイバータ300 のプラズマ対向面をTiおよび/またはLiの薄膜(厚さ数十マイクロメートル)で被覆 する。被覆は蒸着技法により達成される。中実のLiおよび/またはTiは、被覆を形成 するために近傍表面上に蒸着され、かつ/または昇華されまた噴霧される。源は、ガイド ノズル(Liの場合)822を備える原子炉、またはガイドシュラウド(Tiの場合)8 12を備える中実の加熱球である。Li蒸着システムは、通常、連続モードで作動するが 、Ti昇華装置は、普通はプラズマ作動の間に断続的に作動される。これらのシステムの 作動温度は、速い蒸着速度を得るために600℃を超える。良好な壁被覆を達成するため に、複数の戦略的に配置された蒸着/昇華システムが必要とされる。図9は、FRCシス テム10におけるゲッタリング蒸着システム810および820の好ましい配置を詳しく 示す。被覆は、ゲッタリング表面ならびに有効なポンプの原子および分子の水素種(Hお よびD)として作用する。また被覆は、炭素および酸素などの他の通常の不純物をかなり の水準で低減する。

ミラープラグ 上述のように、FRCシステム10は、図2および3に示したように、ミラーコイル4 20、430、および444のセットを利用する。ミラーコイル420の第1のセットは 、閉じ込めチャンバ100の2つの軸方向端部に配置され、主磁気システム410の閉じ 込めコイル412、414および416から単独に活性化される。ミラーコイル420の 第1のセットは、主に融合中にFRC450を進め軸方向に包含する助けとなり、持続し ている間に平衡成形制御を提供する。第1のミラーコイルセット420は、中央閉じ込め コイル412によって生成された中央閉じ込め磁場より名目上高い磁場(約0.4〜0. 5T)を生成する。ミラーコイル430の第2のセットは、3つの小型の疑似直流ミラー コイル432、434および436を含み、形成部分200とダイバータ300との間に 配置され、一般的なスイッチ電源によって駆動される。ミラーコイル432、434およ び436は、より小型のパルスミラープラグコイル444(容量電源によって供給される )および物理的収縮部442と一緒に、狭い低ガス伝導通路を非常に高い磁場(約10〜 20msの立上り時間で2〜4T)で提供する、ミラープラグ440を形成する。最も小 型のパルスミラーコイル444は、閉じ込めコイル412、414および416のメート ルプラススケールの孔およびパンケーキ型設計に比べて、小型の径方向寸法、20cmの 孔および同様の長さである。ミラープラグ440の目的は、以下のように多種多様である 。(1)コイル432、434、436および444を堅く束ね、磁束表面452および 端部に流れるプラズマジェット454を、遠隔ダイバータ・チャンバ300に導く。これ は、排出粒子がダイバータ300に適切に到着し、中央FRC450の開いた磁力線45 2領域からダイバータ300までずっと追跡する、連続した磁束表面455が存在するこ とを確実にする。(2)FRCシステム10における物理的収縮部442は、それを通っ てコイル432、434、436および444が磁束表面452およびプラズマジェット 454を通過することができ、ダイバータ300内に着座するプラズマガン350からの 中性ガス流を妨げる。同じように、収縮部442は、形成部分200からダイバータ30 0へのガスの逆流を防止し、それによってFRCの起動を開始するときに、FRCシステ ム10全体に導入しなければならない中性粒子の数が低減する。(3)コイル432、4 34、436および444によって生成された強い軸方向のミラーは軸方向の粒子損失を 低減し、それによって開いた磁力線上の平行な粒子拡散係数が低減する。

軸方向のプラズマガン ダイバータ300のダイバータ・チャンバ310内に装着されたガン350からのプラ ズマ流は、安定性および中性ビーム性能を向上させることを意図する。ガン350は、図 3および10に示したように、ダイバータ300のチャンバ310の内側の軸上に装着さ れ、プラズマ流をダイバータ300内の開いた磁力線452に沿って、閉じ込めチャンバ 100の中心に向かって生成する。ガン350は、ワッシャー積層チャネル内に高濃度ガ ス放出で作動し、5〜10msに完全にイオン化されたプラズマを数キロアンペア生成す るように設計されている。ガン350は、出力プラズマ流を閉じ込めチャンバ100内の 所望のサイズのプラズマに一致させる、パルス磁気コイルを含む。ガン350の技術パラ メータは、5〜13cmの外径、および最高10cmまでの内径を有するチャネルを特徴 とし、ガンの内部磁場は0.5〜2.3Tで、400〜600Vで10〜15kAの放電 電流を提供する。

ガンプラズマ流は、ミラープラグ440の磁場を貫通し、形成部分200および閉じ込 めチャンバ100に流入することができる。ミラープラグ440を通るプラズマ移動の効 率は、ガン350とプラグ440との間の距離を低減し、プラグ440をより広く短くす ることによって高まる。妥当な条件下で、ガン350はそれぞれ、約150〜300eV および約40〜50eVの高いイオン温度および電子温度で、2〜4Tのミラープラグ4 40を通り約1022プロトン/sを送達する。ガン350は、FRCの縁層456の著 しい燃料補給および改良されたFRC全体の粒子閉じ込めを提供する。

プラズマ密度をさらに高めるために、ガスボックスを利用して、追加のガスをガン35 0からプラズマ流に吹き入れることが可能である。この技法により、照射されたプラズマ 密度を数倍に高めることができる。FRCシステム10では、ミラープラグ440の側部 のダイバータ300上に搭載されたガスボックスは、FRCの縁層456の燃料補給、F RC450の形成、およびプラズマ磁力線短絡を向上させる。

上に論じたすべての調整パラメータを所与とし、また、一方のみまたは両方のガンを備 えた作動が可能であることを考慮すると、広いスペクトルの作動モードが利用可能である ことがすぐにわかる。

バイアス電極 開いた磁束表面の電気バイアスは、方位E×B運動を起こす径方向電位を提供すること ができ、方位E×B運動は、開いた磁力線プラズマの回転、ならびに速度シアを介して実 際のFRCコア450を制御するための、ノブを回すのに類似した制御機構を提供する。 この制御を達成させるために、FRCシステム10は、機械の様々な部分に配置された様 々な電極を戦略的に利用する。図3は、FRCシステム10内の好ましい場所に位置付け られたバイアス電極を示す。

原則として、以下の4つの分類の電極がある。(1)局所電荷を提供するために、FR C450の縁部において特定の開いた磁力線452に接触させる、閉じ込めチャンバ10 0内の点電極905、(2)方位が対称的な形で遠端磁束層456に帯電させるための、 閉じ込めチャンバ100と形成部分200との間の環状電極900、(3)複数の同心磁 束層455(それによって層の選択は、ダイバータ磁場を調節するためにコイル416を 調節することによって制御可能であり、その結果、適切な電極910上で所望の磁束層4 56を終了する)に帯電させるための、ダイバータ300内の同心電極910の積層、お よび最後に(4)プラズマガン350自体(これは、FRC450のセパラトリックス付 近で内部の開いた磁束表面455を遮断する)の陽極920(図10参照)。図10およ び11は、これらの一部に対するいくつかの典型的な設計を示す。

すべての場合において、これらの電極は、最高約800Vまでの電圧でパルスまたは直 流電源によって駆動される。電極のサイズおよびどの磁束表面が交差しているかに依存し て、電流をキロアンペア範囲で引くことができる。

(FRCシステムの非持続作動−従来のレジーム) 良好に開発された磁場反転シータピンチ技法の後に、FRCシステム10上の標準プラ ズマ形成が続く。FRCを開始するための通常のプロセスは、定常状態作動のために疑似 直流コイル412、414、416、420、432、434および436を駆動するこ とにより開始する。次いでパルス電力形成システム210のRFTPパルス電力回路は、 パルス高速磁場反転コイル232を駆動して、形成部分200内に約−0.05Tの一時 的な逆バイアスを生成する。この点で、9〜20psiの所定の量の中性ガスを、形成部 分200の外端上に配置されたフランジにおいて方位角に配向されたパフ弁のセットを介 して、(北および南の)形成部分200の石英管チャンバ240によって画定された2つ の形成容積の中に照射する。次に、小さいRF(約数百キロヘルツ)の磁場を、石英管2 40の表面上のアンテナのセットから生成して、中性ガス柱内に局所シードイオン化領域 (local seed ionization region)の形でプレプレイオン 化(pre−pre−ionization)を生成する。これに続いて、パルス高速磁 場反転コイル232を駆動する電流上にシータリング変調を加え、これによりガス柱のよ り広範囲のプレイオン化がもたらされる。最後に、パルス電力形成システム210の主要 パルスパワーバンクを燃やして、最高0.4Tまでの順方向バイアス磁場を生成するため にパルス高速磁場反転コイル232を駆動する。このステップは、順方向バイアス磁場が 形成管240の全長に亘って均一に生成されるように(静的形成)、または連続蠕動磁場 変調が、形成管240の軸に沿って達成されるように(動的形成)、時系列にすることが できる。

この形成プロセス全体で、プラズマ内の実際の磁場反転が約5μs内で急速に起きる。 形成プラズマに容易に送達されたマルチギガワットのパルス電力は、高温のFRCを生成 し、次いで高温のFRCは形成部分200から順方向磁場(磁場蠕動)の時系列の装着、 または形成管210(閉じ込めチャンバ100に向かって軸方向を指す、軸方向の磁場勾 配を形成する)の軸方向の外端近傍のコイルセット232の最後のコイル内の一時的に増 加した電流のいずれかの適用によって、形成部分200から照射される。そのように形成 され、加速された2つ(北および南)の形成FRCは、より大きい直径閉じ込めチャンバ 100に拡大し、この場合、疑似直流コイル412は、順方向バイアス磁場を生成して、 径方向の拡大を制御し平衡外部磁束を提供する。

一旦北および南の形成FRCが閉じ込めチャンバ100の中央平面近傍に到達すると、 FRCは衝突する。衝突中、北および南の形成FRCの軸方向の運動エネルギーは、FR Cが単一のFRC450に最終的に融合すると、大きく熱化される。プラズマ診断の大き いセットは、FRC450の平衡を調査するために閉じ込めチャンバ100の内で利用可 能である。FRCシステム10内の通常の作動条件は、セパラトリックスの半径が約0. 4mおよび軸方向に約3m延在する化合したFRCを生成する。さらなる特性は、約0. 1Tの外部磁場、約5×1019m−3のプラズマ密度および最高1keVまでの合計プ ラズマ温度である。いかなる持続もなしに、すなわち中性ビーム照射または他の補助手段 によって加熱および/または電流駆動なしに、これらのFRCの耐用期間は、本来の特性 構成減衰時間の約1msに制限される。

(非持続作動の実験データ−従来のレジーム) 図12は、FRC450のシータピンチ融合プロセスの力学を示すために、セパラトリ ックスの半径rsに近づく、排除磁束半径rΔФの通常の時間発展を示す。2つ(北およ び南)の個々のプラズモイドは、同時に生成され、次いでそれぞれの形成部分200から 出て超音速vz約250km/sで加速され、中央平面近傍でz=0で衝突する。衝突中 、プラズモイドは軸方向に圧迫し、続いて即座に径方向および軸方向に拡大し、最後に融 合してFRC450を形成する。融合するFRC450の径方向および軸方向の力学の両 方は、詳しく示した密度プロファイルの測定およびボロメータに基づいた断層撮影によっ て証明される。

FRCシステム10の代表的な非持続放出からのデータは、図13に時間関数として示 されている。FRCは、t=0で開始される。機械の軸方向の中央平面における排除磁束 半径は、図13(a)に示されている。このデータは、磁気プローブのアレイから得られ 、閉じ込めチャンバのステンレス鋼壁のすぐ内側に配置され、これは軸方向磁場を測定す る。鋼壁は、この放出の時間スケール上の良好な磁束保存器である。

線集積密度は、z=0に配置された6つのコードのCO2/He−Ne干渉計から図1 3(b)に示されている。垂直(y)FRC変位を考慮すると、ボロメータの断層撮影に よって測定されたように、アーベル逆変換は図13(c)の密度等高線をもたらす。初め の0.1ms間に一部の軸方向および径方向のスロッシング後、FRCは、中空密度プロ ファイルを有して定着する。このプロファイルは極めて平坦であり、必要に応じて通常の 二次元FRC平衡により実質的な密度を軸上にもつ。

圧力平衡から得られ、トムソン散乱分光測定と完全に一致する、合計プラズマ温度が、 図13(d)に示されている。

排除磁束アレイ全体からの分析は、FRCのセパラトリックス(排除磁束軸方向プロフ ァイルによって見積もられる)の形状が、レーストラック型から楕円形に次第に進化する ことを示す。図14に示されたこの進化は、2つのFRCから単一のFRCへの段階的な 磁気再結合に一致する。実際に、概算は、この特定の場合では、最初の2つのFRC磁束 の約10%が、衝突中に再結合すると示唆している。

FRCの長さは、FRCの耐用期間中に3m〜約1mに確実に収縮する。この収縮は図 14に見られ、ほとんどの対流エネルギー損失は、FRC閉じ込めより優先されることを 示唆する。セパラトリックスの内側のプラズマ圧力は、外部磁気圧力より急速に低減する ので、端部領域における磁力線張力は、FRCを軸方向に圧迫し、軸方向および径方向の 平衡を回復する。図13および14に論じた放出に対して、FRCの磁束、粒子インベン トリ、および熱エネルギー(それぞれ、約10mWb、7×1019粒子、および7kJ )は、FRC平衡が低下するように見えたとき、最初のミリ秒後におよそ1桁低減する。

(持続作動−HPFレジーム) 図12〜14における例は、いかなる持続もなしにFRCを減衰する特性である。しか し、いくつかの技法は、FRCシステム10に展開されて、さらにFRC閉じ込め(内部 コアおよび縁層)をHPFレジームに向上させ、閉じ込めを持続させる。

中性ビーム まず、高速(H)中性を8個の中性ビーム照射装置600からビーム内のBzに垂直に 照射する。高速中性のビームは、北および南の形成FRCが閉じ込めチャンバ100内で 融合した瞬間から1つのFRC450の中に照射される。高速イオンは電荷交換によって 主に生成され、FRC450の方位電流に加えるベータトロン軌道(FRCトポロジーの スケール上または特性磁場勾配長さスケールよりはるかに長い主要半径を有する)を有す る。放出のわずか後(照射の0.5〜0.8ms後)、充分に大きい高速イオン集団は、 内部FRCの安定性および閉じ込め特性を著しく向上させる(例えば、M.W.Bind erbauerおよびN.Rostoker、Plasma Phys.56、part 3、451(1996)参照)。さらに、持続の観点から、中性ビーム照射装置600 からのビームも、電流を駆動しFRCプラズマを加熱する主な手段である。

FRCシステム10のプラズマレジームでは、高速イオンはプラズマ電子上で主に減速 する。放出の初期の間、高速イオンの通常の軌道の平均減速時間は0.3〜0.5msで あり、これは著しいFRCの主に電子の加熱をもたらす。高速イオンは、内部FRC磁場 が本質的に低いので(0.1Tの外部軸方向磁場に対して平均約0.03T)、セパラト リックスの外側の径方向の偏位を大きくする。高速イオンは、中性ガス濃度がセパラトリ ックスの外側で高過ぎた場合、電荷交換損失に対して弱いはずである。したがって、FR Cシステム10上に展開した壁ゲッタリングおよび他の技法(とりわけガス制御に寄与す るプラズマガン350およびミラープラグ440など)は、端中性を最小にし、高速イオ ン電流の必要な構築を可能にする。

ペレット照射 電子がより高温でFRCの耐用期間がより長い、超高速イオン集団がFRC450内に 構築される際、冷凍のHまたはDペレットは、ペレット照射装置700からFRC450 の中に照射されて、FRC450のFRC粒子インベントリを持続させる。予想されるア ブレーション時間スケールは充分に短いので、かなりのFRC粒子源を提供する。またこ の速度は、個々のペレットをより小さい片に砕くことにより、照射された片の表面積を拡 大することによって増大させることができるが、ペレット照射装置700のバレルまたは 照射管内で、また閉じ込めチャンバ100に入る前に、閉じ込めチャンバ100の中に入 る直前に照射管の最後の部分の曲げ半径を締め付けることにより、ペレットと照射管の壁 との間の片を増加させることによってステップを達成できる。12バレル(照射管)の燃 焼順序および速度、ならびに粉砕を変化させる恩恵により、ペレット照射システム700 を調整して、まさに所望のレベルの粒子インベントリの持続を提供することができる。そ の結果、これはFRC450内の内部動圧ならびにFRC450の持続作動および耐用期 間を維持する役に立つ。

一旦、除去された原子がFRC450内で著しいプラズマに衝突すると、除去された原 子は完全にイオン化される。次いで得られた低温のプラズマ構成要素は、本来のFRCプ ラズマにより衝突して加熱される。所望のFRC温度を維持するために必要なエネルギー は、ビーム照射装置600により最終的に供給される。この意味で、ペレット照射装置7 00は中性ビーム照射装置600と一緒に、定常状態を維持しFRC450を持続するシ ステムを形成する。

CT注入器 ペレット注入器の代替として、主に磁場反転配位(FRC)プラズマに燃料補給するために、コンパクト・トロイド(CT)注入器が提供される。CT注入器720は、磁化同軸プラズマガン(MCPG)を含み、該プラズマガンは、図21に示されているように、同軸円筒形内側電極722および同軸円筒形外側電極724と、内側電極726に対して内部に配置されたバイアスコイルと、CT注入器720の放電部の反対側の端部上の電気遮断728とを含む。ガスは、内側電極722と外側電極724との間の空間の中にガス注入ポート730を通して注入され、スフェロマック状プラズマは、放電によってそこから発生させられ、ローレンツ力によってガンから押し出される。図22Aおよび22Bに示されているように、一対のCT注入器720は、閉じ込め容器100の中央平面の近くに、かつその両側で閉じ込め容器100に結合され、CTを閉じ込め容器100内の中央FRCプラズマの中に注入する。CT注入器720の放出端部は、中性子ビーム注入器615と同様に閉じ込め容器100の縦軸に対してある角度で、閉じ込め容器10の中央平面に向けられる。

代替的な実施形態において、CT注入器720は、図23Aおよび23Bに示されているように、CT注入器720の放出端部に結合された細長円筒形チューブを含むドリフトチューブ740を含む。描写されているように、ドリフトチューブ740は、チューブの周りに配置され、そしてチューブに沿って軸方向に離間された、ドリフトチューブコイル742を含む。複数の診断ポート744が、チューブの長さに沿って描写されている。

CT注入器720の利点は、(1)注入されたCTごとの粒子インベントリの制御および調節可能性、(2)高温プラズマが(低温ペレットの代わりに)堆積されること、(3)システムが、連続燃料補給を可能にするために、反復率モードで動作させられ得ること、(4)システムがまた、注入されたCTが埋込磁場を帯びるときに、一部の磁束を回復させることである。実験的使用のための実施形態において、外側電極の内径は、83.1mmであり、内側電極の外径は、54.0mmである。内側電極722の表面は、好ましくは、電極722から生じる不純物を低減するために、タングステンによってコーティングされる。描写されているように、バイアスコイル726は、内側電極722の内部に搭載される。

最近の実験において、最大約100km/sの超音速CT移動速度が達成された。その他の典型的なプラズマパラメータは、以下の通りであった。約5×1021m−3の電子密度、約30−50eVの電子温度、約0.5-1.0×1019の粒子インベントリ。CTの高い動圧は、注入されたプラズマがFRCの中に深く貫通し、セパラトリックスの内部に粒子を堆積することを可能にする。最近の実験において、FRC粒子燃料補給は、CT注入器によって提供されたFRC粒子インベントリの約10〜20%をもたらし、FRCプラズマを破壊することなしに燃料補給が容易に実行され得ることを実証することに成功した。

サドルコイル 定常状態の電流駆動を達成し、必要なイオン電流を維持するために、電子イオン摩擦力 (衝突イオン電子運動量移動からもたらされる)に起因する電子スピンを防止するまたは 著しく低減することが望ましい。FRCシステム10は、外部印加された静磁場双極子ま たは四重極磁場を介して、電子遮断を提供する革新的な技法を利用する。これは、図15 に示した外部サドルコイル460を介して実現される。サドルコイル460から横方向に 印加された径方向の磁場は、回転するFRCプラズマ内の軸方向の電界を誘導する。得ら れる軸方向の電子電流は、径方向の磁場と相互作用して、電子上に方位遮断力Fθ=−σ V<|Br|2>を生成する。FRCシステム10における典型的な条件に対して、 プラズマ内部に必要な印加された磁場双極子(または四重極磁場)は、適切な電子遮断を 提供するために約0.001Tのみであることが必要である。約0.015Tの対応する 外部磁場は充分に小さいので、多くの高速粒子損失あるいは閉じ込めに悪影響をもたらす ことはない。事実、印加された磁場双極子(または四重極磁場)は、不安定性の抑制に寄 与する。接線中性ビーム照射と軸方向プラズマ照射を組み合わせて、サドルコイル460 は、電流の維持および安定性に関して追加レベルの制御を提供する。

ミラープラグ ミラープラグ440内のパルスコイル444の設計により、適度(約100kJ)の容 量エネルギーで高磁場(2〜4T)の局所発生が可能になる。FRCシステム10のこの 作動の通常の磁場形成に対して、形成容積内のすべての磁力線は、図2における磁力線に よって示唆されたように、ミラープラグ440で収縮部442を通過し、プラズマ壁の接 触は起きない。さらに、疑似直流ダイバータ磁気416と連動してミラープラグ440を 、磁力線をダイバータ電極910の上に導く、または磁力線を端部カスプ配位(図示せず )内で燃焼させるように、調節することができる。後者は安定性を向上させ、平行な電子 熱伝導を抑圧する。

またミラープラグ440自体も、中性ガス制御に寄与する。ミラープラグ440は、ダ イバータ300の中へのガス逆流が、プラグの少量のガスコンダクタンス(わずか500 L/s)によって著しく低減するので、FRC形成中に石英管に吹き入れられる重水素ガ スのより良好な利用が可能になる。形成管210内部の残りの吹き入れられたガスのほと んどは、急速にイオン化される。加えて、ミラープラグ440を通って流れる高密度プラ ズマは、有効な中性イオン化、ひいては有効なガス障壁を提供する。結果として、FRC 縁層456からダイバータ300内に再利用されたほとんどの中性は、閉じ込めチャンバ 100に戻らない。加えて、プラズマガン350の作動に関連した中性は(以下に論じる ように)、ダイバータ300に大部分が閉じ込められることになる。

最後に、ミラープラグ440は、FRC縁層閉じ込めを向上する傾向がある。ミラー比 (プラグ/閉じ込め磁場)が20〜40の範囲で、北と南のミラープラグ440の間の長 さが15mで、縁層粒子閉じ込め時間

は、最高10倍まで増加する。向上する

は、FRC粒子閉じ込めを容易に増加させる。

セパラトリックス容積453からの径方向の拡散(D)粒子損失が、縁層456からの 軸方向損失

によって均衡がとられたと仮定すると、

が得られ、そこからセパラトリックス密度勾配長さを

と書き換えることができる。式中、rs、Lsおよびnsはそれぞれ、セパラトリックス 半径、セパラトリックス長さおよびセパラトリックス密度である。FRC粒子閉じ込め時 間は、

であり、式中、τ=a2/Dであり、a=rs/4である。物理的に、

が向上すると、δが増加し(セパラトリックス密度勾配およびドリフトパラメータが低減 し)、したがってFRC粒子損失が低減する。FRC粒子閉じ込めにおける全体の向上は 、ns

と共に増加するので、概ね二次方程式より若干少ない。

における著しい向上はまた、縁層456が大幅な安定(すなわち、n=1のフルート、フ ァイアホース、または開放システムに特有の他のMHDの不安定性がない)を維持するこ とも必要とする。プラズマガン350の使用は、この好ましい縁部の安定性を提供する。 この意味では、ミラープラグ440およびプラズマガン350は、有効な縁部制御システ ムを形成する。

プラズマガン プラズマガン350は、磁力線短絡によりFRC排除ジェット454の安定性を向上さ せる。プラズマガン350からのガンプラズマは、方位角運動量なしに生成され、これは FRC回転不安定性の制御に有用であることがわかる。したがって、ガン350は、より 古い四重極の安定化技術を必要としない、FRCの安定性を制御する有効な手段である。 結果として、プラズマガン350は、高速粒子の有益な効果を利用する、または本開示に 概要を述べたように、進化したハイブリッド運動FRCレジームに近づくことを可能にす る。したがって、プラズマガン350により、FRCシステム10がまさに電子遮断に適 切だが、FRCの不安定性を引き起こす、かつ/または劇的な高速粒子拡散をもたらすは ずである閾値より低い、サドルコイル電流で作動されることが可能になる。

上に論じたミラープラグで述べたように、

を著しく向上できる場合、供給されたガンプラズマは、縁層粒子損失速度(約1022/ s)に匹敵するはずである。FRCシステム10内のガンを生成したプラズマの耐用期間 は、ミリ秒の範囲である。実際には、密度ne約1013cm−3およびイオン温度約2 00eVのガンプラズマが、端部ミラープラグ440の間に閉じ込められるとみなしてい ただきたい。トラップ長さLおよびミラー率Rは、それぞれ約15mおよび20である。 クーロン衝突によるイオン平均自由行程は、λii約6×103cmであり、λiiIn R/R

おけるプラズマ閉じ込め時間は、τgd約RL/2Vs約2msであり、式中、Vsはイ オン音速である。比較のために、これらのプラズマパラメータに対する古典的イオン閉じ 込め時間は、τc約0.5τii(lnR+(lnR)0.5)約0.7msであるはず である。異常横拡散は、原則としてプラズマ閉じ込め時間を短縮してもよい。しかし、F RCシステム10では、ボーム拡散速度を前提とする場合、ガンプラズマに対する見積も られた横閉じ込め時間は、τgd約2msである。それ故、ガンは、FRC縁層4 56の著しい燃料補給、および全体が改良されたFRC粒子閉じ込めを提供するはずであ る。

さらに、ガンプラズマ流を、約150〜200マイクロ秒後にオンすることができ、そ れによってFRCの起動、移動および閉じ込めチャンバ100への融合に使用可能になる 。tが約0でオンする場合(FRC主要バンク開始)、ガンプラズマは、この動的に形成 され融合されたFRC450を持続する役に立つ。形成FRCから、およびガンから組み 合わせた粒子インベントリは、中性ビームの捕捉、プラズマの加熱、および長い持続に充 分である。tが−1〜0msの範囲でオンする場合、ガンプラズマは、プラズマで石英管 210を充填できる、または石英管の中に吹き入れたガスをイオン化でき、したがって、 吹き入れたガスを低減する、または恐らく0でさえあるFRC形成が可能になる。後者は 、逆バイアス磁場の高速拡散が可能になるために、充分に低温の形成プラズマが必要な場 合がある。tが<−2msでオンする場合、プラズマ流は、形成の約1〜3m3の磁力線 容積ならびに形成部分200の閉じ込め領域および目標プラズマ密度がわずか1013c m−3である閉じ込めチャンバ100を充填することができ、FRCの到達前に中性ビー ムの構築が充分に可能である。次いで形成FRCを形成し、得られる閉じ込め容器プラズ マの中に移動できる。このような方法で、プラズマガン350は、広範囲の作動条件およ びパラメータレジームが可能である。

電気的バイアス 縁層456内の径方向電界の制御は、FRCの安定性および閉じ込めに様々な方法で有 利である。FRCシステム10に展開した革新的なバイアス構成要素の恩恵により、電位 の様々な意図的な分散を閉じ込めチャンバ100内の中央閉じ込め領域の充分に外側の領 域から機械全体に亘って開いた磁束表面の群に印加することができる。このような方法で 、径方向磁場を、FRC450のすぐ外側の縁層456を横切って生成することができる 。次いでこれらの径方向電界は、縁層456の方位回転を修正し、E×B速度シアによっ てその閉じ込めをもたらす。次いで縁層456とFRCコア453との間のあらゆる差動 回転を、シアによりFRCプラズマの内側に移動できる。結果として、縁層456を制御 することは、FRCコア453に直接影響を与える。さらに、プラズマ回転における自由 エネルギーも不安定性に関与できるので、この技法は、不安定性の開始および成長を制御 する直接手段を提供する。FRCシステム10では、適切な縁バイアスは、開いた磁力線 の移動および回転、ならびにFRCコア回転の有効な制御を提供する。様々な提供された 電極900、905、910および920の場所および形状により、磁束表面455の異 なる群の制御が異なる独立した電位で可能になる。このような方法で、多様な異なる電界 構成および強度を認識でき、それぞれはプラズマ性能に対する異なる性質の影響をもつ。

すべてのこれらの革新的バイアス技法の主要な利点は、コアおよび縁部のプラズマ挙動 が、FRCプラズマの充分に外側から影響を与えることができる、すなわち、いかなる物 理的な構成要素も中央高温プラズマ(中央高温プラズマは、エネルギー、磁束および粒子 の損失に深刻な影響をもつはずである)に接触させる必要がないという事実である。これ は、HPFの概念の性能およびすべての潜在用途に対して主要な有利な影響を有する。

(実験データ−HPF作動) 中性ビームガン600からのビームによる高速粒子の照射は、HPFレジームを可能に する重要な役割を果たす。図16はこの事実を示す。示されているのは、FRCの耐用期 間がビームパルスの長さにどのように関連するかを示す曲線のセットである。すべての他 の作動条件は、この研究を含むすべての放出に対して一定に保たれる。データは、多くの 照射に亘って平均し、したがって、通常の挙動を表す。ビーム期間が長いほど、より長く 存続するFRCを生成させることが極めて明白である。この証拠ならびにこの研究中の他 の診断を見ると、ビームは安定性を高め、損失を低減することを実証している。ビームパ ルス長さとFRCの耐用期間との間の相互関係は、ビームトラッピングがある種のプラズ マサイズ未満で効力がないので、すなわち、照射されたビームのすべての物理的サイズに おけるFRC450の収縮が、捕捉されるまたはトラッピングされるわけではないので、 完全ではない。FRCの収縮は、主に、放電の間のFRCプラズマからの正味エネルギー 損失(放電のほぼ中間で約4MW)が、特定の実験設定に関して、中性ビーム(約2.5 MW)を介してFRCの中に給送される総パワーより幾分大きいという事実に起因する。 ビームを容器100の中央平面により近接する場所に位置させることは、これらの損失を 低減させ、FRC寿命時間を延長させる傾向となるであろう。

図17は、HPFレジームを達成するための異なる構成要素の効果を示す。図17は、 時間関数としてFRC450の耐用期間を示す典型的な曲線族を示す。すべての場合にお いて、ビーム電力の一定の適度の量(約2.5MW)が、各放出の全期間照射される。各 曲線は、構成要素の異なる組合せを表す。例えば、ミラープラグ440、プラズマガン3 50またはゲッタリング・システム800からのゲッタリングのいずれもなしにFRCシ ステム10を作動させると、回転の不安定性の急激な発生およびFRCトポロジーの損失 をもたらす。ミラープラグ440のみを加えると、不安定性の発生を遅らせ、閉じ込めを 増加させる。ミラープラグ440とプラズマガン350の組合せを利用すると、さらに不 安定性を低減し、FRCの耐用期間を増加させる。最後にガン350およびプラグ440 の上にゲッタリング(この場合Ti)を加えると、最良の結果を得る、すなわち、得られ るFRCは、不安定性がなく、最長の耐用期間を示す。構成要素の完全な組合せが最良の 効果を生み出し、最良の目標条件をもつビームを提供することが、この実験証明から明ら かである。

図1に示したように、最近発見されたHPFレジームは、劇的に改良された移動挙動を 示す。図1は、従来のレジームとHPFレジームとの間のFRCシステム10における粒 子閉じ込め時間の変化を示す。見てわかるように、これは、HPFレジームにおいて5倍 をはるかに超えて改良されている。加えて、図1は、従来のFRC実験前の粒子閉じ込め 時間に対して、FRCシステム10における粒子閉じ込め時間を詳しく示す。これらの他 の機械に関して、FRCシステム10のHPFレジームは、5倍〜ほぼ20倍に閉じ込め を改良してきた。最後に最も重要なことだが、HPFレジームにおけるFRCシステム1 0の閉じ込めスケーリングの本質は、すべての以前の測定とは劇的に異なる。FRCシス テム10におけるHPFレジームの確立前に、様々な実証的スケーリング則が、以前のF RC実験における閉じ込め時間を予測するためにデータから導き出された。これらのすべ てのスケーリング則は、割合R2iに主に依存する。式中、Rは磁場のない半径(機 械の物理的スケールの粗測)であり、ρiは外部印加磁場において評価されたイオン・ラ ーモア半径(印加磁場の粗測)である。従来のFRCにおける長い閉じ込めは、大型機械 のサイズおよび/または高磁場のみで可能であることが図1から明らかである。従来のF RCレジームCRにおいてFRCシステム10を作動することは、図1に示したように、 これらのスケーリング則に従う傾向がある。しかし、HPFレジームは非常に優れており 、はるかに良好な閉じ込めが、大型機械のサイズまたは高磁場なしに達成可能である。よ り重要なことには、HPFレジームは、CRレジームに比べて低減したプラズマサイズを もつ、改良された閉じ込め時間をもたらすことも図1から明らかである。また、同様の傾 向は、以下に説明するように磁束およびエネルギー閉じ込め時間にも見られ、その上、磁 束およびエネルギー閉じ込め時間は、FRCシステム10において3〜8倍を超えて増加 した。したがって、HPFレジームの進歩は、FRCシステム10におけるFRC平衡を 持続し維持するために、わずかなビーム電力、より低い磁場およびより小さいサイズの使 用、ならびに未来のより高エネルギーの機械の使用が可能になる。これらの改良に関連し て、作動および構築費用を下げ、ならびに工学の複雑さを減らす。

さらなる比較のために、図18は、FRCシステム10における代表的なHPFレジー ム放出からのデータを時間関数として示す。図18(a)は、中央平面での排除磁束半径 を示す。これらのより長い時間スケールに対して、誘導鋼鉄壁は、もはや磁束保存器のよ うに良好ではなく、壁の内部にある磁気プローブは、鋼鉄を通る磁束拡散を適切に構成す る壁の外側のプローブで増大される。図13に示したように、従来のレジームCRにおけ る通常の性能と比較して、HPFレジームの作動モードは、400%を超える長い耐用期 間を示す。

線集積密度追跡の代表的コードは、図18(c)におけるそのアーベル逆変換相補、密 度等高線と共に、図18(b)に示されている。従来のFRCレジームCRと比較して、 図13に示したように、プラズマは、非常に安定した作動を示し、パルス全体を通してよ り不活発である。またピーク濃度は、HPF照射においてわずかに低く、これは、図18 (d)に示したように、より高い合計プラズマ温度(最高2倍まで)の結果である。

図18に示されたそれぞれの放出に対して、エネルギー、粒子および磁束閉じ込め時間 はそれぞれ、0.5ms、1msおよび1msである。放出への基準時間1msで、保存 されたプラズマエネルギーは2kJであるが、損失は約4MWであり、この目標を中性ビ ーム持続に非常に適合させる。

図19は、新しく確立された実験用HPF磁束閉じ込めスケーリングの形態における、 HPF体系の全利点を要約する。図19から分かるように、t=0.5ms、すなわち、 t0.5msおよびt>0.5msの前後で測定された測定値に基づいて、磁束閉じ込 め(同様に、粒子閉じ込めおよびエネルギー閉じ込め)は、所与の区分線半径(rs)に 対して電子温度(Te)のほぼ2乗に伴って変化する。Teの正の指数(負の指数ではな い)に伴う本強スケーリングは、閉じ込めが、典型的には、電子温度のある指数に反比例 する、従来のトカマクによって呈されるものと完全に反対である。本スケーリングの現れ は、HPF状態および大軌道(すなわち、FRCトポロジのスケールおよび/または少な くとも特性磁場勾配長スケール上の軌道)イオン集団の直接的結果である。基本的には、 本新しいスケーリングは、高動作温度に実質的に有利に働き、比較的に中程度のサイズの 炉を可能にする。

HPF体系が提示する利点によって、中性ビームによって駆動され、適切なペレット注 入を使用する、FRC持続または定常状態が、達成可能であって、プラズマ熱エネルギー 、総粒子数、プラズマ半径および長さ、ならびに磁束等の包括的プラズマパラメータが、 実質的減衰を伴わずに、合理的レベルで持続可能であることを意味する。比較のために、 図20は、プロットAには、時間の関数としてのFRCシステム10内の代表的HPF体 系放電からのデータを、プロットBには、FRC450が、中性ビームパルスの持続時間 を通して、減衰を伴わずに持続される、時間の関数としてのFRCシステム10内の投影 された代表的HPF体系放電のデータを示す。プロットAに関しては、約2.5〜2.9 MWの範囲内の総パワーを伴う中性ビームが、約6msの活性ビームパルス長のために、 FRC450の中に注入された。プロットAに描写される反磁性寿命時間は、約5.2m sであった。より最近のデータは、約7.2msのプラズマ反磁性寿命時間が、約7ms の活性ビームパルス長を用いて達成可能であることを示す。

図16に関して前述のように、ビームパルス長とFRC寿命時間との間の相関は、ビー ム捕捉が、あるプラズマサイズを下回ると非効率的となるため、完璧ではない、すなわち 、FRC450の物理的サイズが収縮するにつれて、注入されるビーム全てが、奪取およ び捕捉されることはない。FRCの収縮または減衰は、主に、放電の間のFRCプラズマ からの正味エネルギー損失(放電のほぼ中間で−4MW)が、特定の実験設定に関して、 中性ビーム(約2.5MW)を介してFRCの中に給送される総パワーより幾分大きいと いう事実に起因する。図3Cに関して記載のように、ビーム注入が中性ビームガン600 から中央平面に向かって角度付けられることによって、注入周期の間、FRCプラズマが 収縮または別様に軸方向に縮小しても、ビーム−プラズマ結合を改良する。加えて、適切 なペレット燃料補給は、必要プラズマ密度を維持するであろう。

プロットBは、約6msの活性ビームパルス長および約10MWを若干上回る中性ビー ムガン600からの総ビームパワーを使用して行われたシミュレーションの結果であって 、中性ビームは、約15keVの粒子エネルギーを伴うH(または、D)中性粒子を注入 するものとする。ビームのそれぞれによって注入される等価電流は、約110Aである。 プロットBに関して、デバイス軸に対するビーム注入角度は、約20°、標的半径0.1 9mであった。注入角度は、範囲15°〜25°内で変更されることができる。ビームは 、方位角的に並流方向に注入されるものとする。中性ビーム運動量注入からの正味側方力 ならびに正味軸方向力は、最小限にされるものとする。プロットAと同様に、高速(H) 中性粒子が、北側および南側形成FRCが閉じ込めチャンバ100内で融合する瞬間から 、中性ビーム注入器600から1つのFRC450の中に注入される。

プロットBのための基礎となったシミュレーションは、背景プラズマおよび平衡のため の多次元ホールMHDソルバ、エネルギー性ビーム成分および全散乱プロセスのための完 全動態学的モンテカルロベースのソルバ、ならびに全プラズマ種に対して結合された輸送 方程式集合を使用して、双方向損失プロセスをモデル化する。輸送成分は、実験的に較正 され、実験データベースに対して広範囲にわたってベンチマークされる。

プロットBによって示されるように、FRC450の定常状態反磁性寿命時間は、ビー ムパルスの長さとなるであろう。しかしながら、重要となる相関プロットBは、ビームが オフにされると、プラズマまたはFRCが、その前ではなく、その時間において、減衰し 始めることを示すことに留意することが重要である。減衰は、ビーム支援ではない(おそ らく、ビームオフ時間を約1ms超える)、放電中に観察され、単に、固有の損失プロセ スによって駆動されるプラズマの特性減衰時間の反映であるものと類似するであろう。

本発明は様々な修正形態および代替形態の影響を受けやすいが、その具体例が図面に示 され、本明細書に詳述された。しかし、本発明は開示された特定の形または方法に限定さ れないが、逆に、本発明は、添付の特許請求の範囲の精神および範囲に収まる、すべての 修正形態、均等物および代替形態を網羅するものであることを理解されたい。

上述では、説明目的に過ぎず、具体的な用語は、本開示の完全な理解を提供するために 説明されている。しかし、これらの具体的な詳述は、本開示の教示を実施するために必要 とはされないことが、当業者には明らかになろう。

代表的な例および従属請求項の様々な特徴は、本教示の追加の有益な実施形態を提供す るために、具体的にかつ明確に列挙されていないようなやり方で組み合わされていること がある。エンティティの群のすべての階級区分または表示は、本来の開示目的のため、な らびに特許請求の範囲の主題を限定する目的のために、あらゆる可能な中間値または中間 エンティティを開示することも明白に留意されたい。

HPFレジームFRCを生成し維持するシステムおよび方法が開示されてきた。本明細 書に記載された実施形態は、解明のためであり、本開示の主題を限定するとみなされるべ きではないことを理解されたい。様々な修正形態、使用、置換、組合せ、改良、生産方法 が、本発明の範囲または精神から逸脱することなく、当業者に明らかであるはずである。 例えば、本明細書に記載されたプロセス行為の具体的な順序および組合せは、特定の指定 がない限り例示に過ぎず、本発明を、異なるもしくは追加のプロセス行為、またはプロセ ス行為の異なる組合せもしくは順序を使用して実施することができることを、読者は理解 するべきである。別の例として、一実施形態のそれぞれの特徴を、他の実施形態に示され た他の特徴と混合または整合することができる。当業者に公知の特徴およびプロセスを、 要望通りに同様に組み合わせてもよい。加えてまた明らかに、特徴を要望通りに加えても よく、または差し引いてもよい。したがって、本発明は、添付された特許請求の範囲およ びそれらの均等物を考慮する以外に限定されない。

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