コールドプラズマジェットの発生装置

申请号 JP2012523304 申请日 2010-07-31 公开(公告)号 JP5848705B2 公开(公告)日 2016-01-27
申请人 ライプニッツ−インスティトゥート フュール プラズマフォルシュング ウント テヒノロギー エー.ファウ.; 发明人 キンデル、エックハルト; レンブケ、ノルベルト; スティーバー、マンフレート; ティッツ、リュディガー; ウェルトマン、クラウス−ディーター; ヘルウィグ、ルッツ;
摘要
权利要求

プラズマ(1)の発生部分において、接地された電極(2)として機能する金属ハウジング(7)内に、 プロセスガス(6)を供給するための空洞部と、HFジェネレータ(8)と、高周波用の閉じられたフェライト磁心を備えるHF共振コイル(5)と、ガスノズルとして機能する絶縁体(4)と、その絶縁体(4)に取り付けられる高圧電極(3)とを備え、 前記のHFジェネレータ(8)と、HF共振コイル(5)と、絶縁体(4)と、高圧電極(3)とが、プロセスガス(6)を供給するための前記空洞部に配置され、プロセスガス(6)によって取り巻かれるかまたは通過されることで冷却可能である ことを特徴とするコールドプラズマジェットの発生装置。導電性の取り外し可能なキャップ(12)を備え、そのキャップが前方部分にスリットまたは穴(11)を有する 請求項1に記載の装置。スリットまたは穴(11)の幅が最大0.7mmである 請求項2に記載の装置。キャップ(12)が、ハウジング(7)に電気的に接続されている 請求項2または3に記載の装置。HFジェネレータ(8)が、EMCに適合した基盤レイアウトを備えるプリント基板(8)に組み込まれている 請求項1ないし4のいずれかに記載の装置。プリント基板(8)に、SMD部品またはMEMS(Micro−Electro−Mechanical Systems)を含むその他の小型ソルーションが取り付けられている 請求項5に記載の装置。プリント基板(8)が、周波数1MHzの適切なHF電圧を発生するパワードライバ及びサーキットブレーカを備える 請求項5または6に記載の装置。プラズマ携帯ユニットの外に配置されるDC電源(9)への配線を介した外部への電磁放射を防止するHFフィルタを備える 請求項1ないし7のいずれかに記載の装置。プロセスガス(6)が、希ガス、空気、酸素、窒素、またはそれらの組合せからなる任意の混合ガスである 請求項1ないし8のいずれかに記載の装置。高圧電極(3)が1個の針型電極またはナイフ型電極であるか、または、複数の針型電極が高圧電極(3)として用いられる 請求項1ないし9のいずれかに記載の装置。ガスノズル(4)が交換可能であり、高圧電極(3)がそれぞれプラグコンタクト(10)によってHF共振コイル(5)に接続されている 請求項1ないし10のいずれかに記載の装置。プロセスガス(6)が分子ガスである場合、接地電極(2)がガス空間に対して絶縁されていない 請求項1ないし11のいずれかに記載の装置。追加のバッテリモードを備える携帯ユニットの形態である 請求項1ないし12のいずれかに記載の装置。

说明书全文

本発明は、プラズマの発生部分において、接地された電極として機能する金属ハウジングを含み、この金属ハウジンング内には、HFジェネレータと、高周波数に適した閉じられたフェライト磁心を備えるHF共振コイルと、ガスノズルとして機能する絶縁体と、この絶縁体に取り付けられている高圧電極とが、プロセスガスによって取り巻かれるか、または通過されるように配置されている、大気圧条件下におけるHF励起コールドプラズマの発生装置に関する。好ましい実施形態では、取り外し可能な導電性のキャップを含み、このキャップは前方部分にスリットまたは穴を有する。 本発明は、美容及び医療用材料のプラズマ処理に有効に使用することができる。小型化された携帯型装置内にプラズマノズル及び制御エレクトロニクスを組み込むことによって、または短い高圧ケーブルを使用することによって、電磁適合性(EMC)ガイドラインの遵守が保証され、出損失を最小化することにより携帯利用の実現が可能となる。

低温プラズマは、すでにかなり前から表面の活性化、焼灼、重合を目的とする表面処理、蒸着、洗浄及び殺菌に使用されてきた。このような目的のために、まず優先的に用いられたのが低圧プラズマであり、このプラズマ内では、プロセスに必要な特定量の反応種を適切なプロセスパラメータの選択によって生成することができる。この低圧プラズマ法は、コストの問題と工程技術的問題から多くの工業プロセスに適合しないため、大気圧で行われ、従って非常に低コストであり、該当する生産ラインに簡単に組み込むことができる別のプラズマ方法が開発された。大気圧プラズマ法の適用に必要なプラズマの均質性を達成する方法は、プロセスガスの流れる方向によって、放電箱の範囲外でプラズマジェットを発生させることにある。

この種のプラズマジェットの使用は、数多くの特許文献で開示されている。特許文献1では、例えば、プラズマジェット発生装置が説明され、この場合、棒状の内部電極と管状の外部電極との間のコロナ放電区間を通ってガス流が送られる。特許文献2に説明されている表面のプラズマ処理法は、アーク放電区間を通って送られる強いガス流によるプラズマジェット生成に基づいている。ここでは、大気圧放電を発生させるため、様々な種類の電気エネルギー供給を利用することができる。特許文献3〜5では、例えば、大気圧プラズマのHF励起に基づく構造が説明されている。医学分野では、特殊なHF励起プラズマが、すでに数年前から凝固(アルゴン・プラズマ凝固:特許文献6〜8)またはHF手術に使用されている。 しかし、この分野では、この種のプラズマを、例えば、生体適合性の向上、表面への細胞粘着制御(非特許文献1)、表面の抗菌性除染(非特許文献2)、並びに生体細胞及び繊維の処理(非特許文献3)のための移植組織のコーティングにも利用するという目標を追求する新しい開発が数多く存在する。

独国特許出願第3733492A1号

独国特許出願第19532412C2号

米国特許第6,194,036B1号

米国特許第6,262,523B1号

米国特許第2002/122896A1号

米国特許第4,781,175A号

米国特許第4,060,088A号

独国特許出願第19513338A1号

独国特許出願第102006019664A1号

Ohl A.,Schroeder K.:Plasma assisted surface modification of biointerfaces.In:Hippler R.,Kersten H.,Schmidt M.,Schoenbach K.H.(編),Low Temperature Plasmas,第2巻,803−820,Wiley−VCH,Weinheim,2008

R.Brandenburgら:Contrib.Plasma Phys.2007,47(1−2),72−79

I.E.Kieftら:IEEE Transactions on Plasma Science 2005,33(2),771−775

本発明は、特許文献9に説明されている種類の装置に関する。ここでは、携帯型HFプラズマノズルが説明され、この場合、特殊な構造により、独立したマッチボックスの形態でのHFマッチング回路を省略することができる。このことにより、手動でも、ロボットによっても実施することのできるHFプラズマノズルの携帯型構造形状を実現することが可能となる。

長いケーブルを使用してプラズマノズルとHFジェネレータを接続すると、従来技術によれば、装置を作動する際に発生する電磁放射の値が、ヨーロッパの電磁適合性(EMC)ガイドラインによって定められた制限値を超過する。この種の装置は、このガイドラインを遵守するためのより大きな技術的努力がない限り使用することはできない。つまり、その使用は、特殊な措置により電磁放射が外部に対して遮断されている工場での適用に制限されている。例えば、医療、歯科医療または美容目的で、公共の場所で移動利用するためには、この装置がEMC要求に対応している場合にのみ可能である。

本発明の課題は、これらのEMC要求を満たし、それによって医療、歯科医療及び美容分野での移動利用に適している、HF励起コールドプラズマジェットに基づくプラズマツールを実現することである。もう1つの課題は、身体の敏感な部分を特に保護しながら作動することであり、プラズマ処理の場合、処理効果にとって重要である特殊な反応種(ラジカル)及び放射線(VUV/UV)が生成される。他方では、プラズマが消失過程によって加熱され、その温度はピーク時で約50℃であり、このことはプラズマ条件の下では「コールド」と見なすことができる。しかし、人間の皮膚に適用する場合、この温度のプラズマを用いて継続的な皮膚の局所的処置を行うことは、局所の炎症を引き起こす。この種の炎症を防止するため、現在では、処理すべき箇所の上方でプラズマがある程度の速度で動かされる。

「ちくちくした痛み」の形で現れるもう1つの皮膚への刺激は、高圧電極(3)から導電性のプラズマを介して皮膚表面に流れる電流によって引き起こされる。通常、これは無害であり、ある程度耐えられるものである。例えば口腔内(歯肉治療の場合)など身体の敏感な部分では、これは痛みを与えるものであり、是認することはできない。

本発明は、従来技術として挙げた上記の欠点を解消することを課題とする。

本発明の課題は、請求項による構成によって解決される。

本発明により、HFジェネレータを含むプラズマツールの作動に必要なあらゆるコンポーネントが小型化され、それらを小型化された携帯型装置内に組み込むことができるようになった。これにより、医療、歯科医療及び美容分野での移動利用に適する装置が提供された。この場合、必要な直流電流供給は、外部装置または内部装置によって行うことができる。

電磁放射増加の主な原因は、プラズマノズルと外部HFジェネレータ間の長いケーブル接続である。本発明の利点は、とりわけ、プラズマノズル、高電圧コイル及びHFジェネレータを携帯型プラズマツールの中に組み込むことにより、このケーブル接続が廃止され、それによって電磁放射の問題が解決されるため、例えば医療、歯科医療及び美容目的での移動利用が許可される技術的前提条件を満たしていることである。もう1つの利点としては、小型化によってプラズマツールの取扱いが向上したことであり、そのためこのプラズマツールは、とりわけ、非常に緻密な局所的マイクロプラズマ処理に適している。さらに、本発明によって、出力損失を大幅に軽減することができる。その結果、プラズマツールの加熱が最小限に抑制されることになり、さらに、組み込まれたHFジェネレータに送られる直流電圧を調整するだけで、プラズマ内で変換される出力とそれによるプラズマジェットの長さとを明らかに変化させることができる。

プラズマノズル、高電圧コイル及びHFジェネレータを組み込む代替方法は、図6に示すように、プラズマノズルを高圧電源から切り離し、好ましくは短い、適切な高電圧ケーブル及び相応のプロセスガスホースを介して外部から供給を行うことにある。この配置により、プラズマノズルをさらに小型化することができるため、届きにくい箇所にも局所的プラズマ処理を行うことができるようになる。この場合、電磁放射の増加を防止するための追加措置が講じられる。

さらに、この配置は、処理を行う対象に適合した別の外部プラズマ源とプラズマノズルを交換することも可能である。

プラズマの着火に必要な高周波電圧の発生は、特許文献9に説明されている空気パルスによるプラズマジェットの配置において行われる。高周波を遮断し(EMCの遵守)、配置を保持するための被覆は、一般的には金属製のハウジングからなる。空気パルスの中で発生する電磁界は、金属製ハウジング内で渦巻を発生させ、この渦巻きは、一方で好ましくない誘導性の金属加熱を引き起こし、他方ではHFジェネレータの出力損出を大きくする(効率低下)。

この作用を避けるため、本発明によるプラズマツールには、高周波に適した閉じられたフェライト磁心を備えるコイルが使用され、このフェライト磁心は、コイルによって生じる磁界の漏れを防止する。

本発明の対象は、プロセスガスを供給するための空洞部と、必要な高電圧を発生させるための並列共振回路と、HFジェネレータとを含む、大気圧条件下におけるHF励起コールドプラズマの発生装置であり、そのために必要な電子コンポーネント(パワードライバ装備HFジェネレータ、サーキットブレーカ、HF共振コイル及びHFフィルタ)及び必要に応じて様々な電極配置を備える交換ノズルとしても形成されているプラズマノズルを小型化し、携帯型金属製ハウジング内へ組み込むこととによって、電磁適合性(EMC)ガイドラインの遵守が保証され、装置の移動利用が可能になることを特徴としている。

本発明の好ましい実施形態では、導電性のキャップ(12)を含んでいて、このキャップは前方部分にスリットまたは穴(11)を有している。このスリットまたは穴は幅が最大0.7mmとすべきであり、スリットの長さは好ましくは8mmとすることができる。このキャップは、電気的にハウジング(7)に接続されていて、それによって接地もされている。ファラデーケージの原理に従って、プラズマはスリットの範囲内で終わり、スリットの形状を条件として流出することはできない。このキャップは第3の電極のように作用し、電流をグラウンドへ誘導する。これにより、スリットの周辺にはフィールドフリー状態が生じる。

しかし、処理に必要な種及び放射線は、多少減少はするもののスリットの後にもあり、抗菌作用を証明することができた。

同時に、このキャップにより熱エネルギーが吸収され、温度が低下するため、敏感な部分も含めて、皮膚への継続的処理を行うことができる。

重要な利点は、このような取り外し可能なキャップがユーザーのオプションになることである。ユーザーが「より強力な」プラズマを必要とする場合、ユーザーはキャップなしで作業を行う。このキャップは、使用部分に応じて簡単に取り付けられるか、または取り外される。

本発明によるHFジェネレータと並列共振回路とを組み込んだプラズマ携帯ユニットの基本構造例を示す説明図

電子回路のブロック図

(a)1個の針型電極を備えるオリジナル配置の説明図 (b)複数の針型電極を備える配置の前面図 (c)複数の針型電極を備える配置の側面図 (d)ナイフ型電極を備える配置の前面図 (e)ナイフ型電極を備える配置の側面図

(a)1個の針型電極を備えるノズルの説明図 (b)複数の針型電極を備えるノズルの前面図 (c)複数の針型電極を備えるノズルの側面図 (d)ナイフ型電極を備えるノズルの前面図 (e)ナイフ型電極を備えるノズルの側面図

図1のヘッドに対する特殊な実施形態を示す説明図

高圧電源を切り離したプラズマノズルを示す説明図

絶縁または非絶縁ワイヤのプラズマ処理に適したプラズマ源を備える配置を示す説明図

以下に、本発明を図1〜7の実施例に基づいて詳しく説明する。装置の構造の個々のエレメントには後記の符号を使用する。

図1は、本発明によるHFジェネレータと並列共振回路とを内蔵したプラズマ携帯ユニットの基本構造例を示している。 プラズマ(1)の発生部分において、接地された電極(2)として機能する金属ハウジング(7)内に、EMCに適合した基盤レイアウトを備えるプリント基板(8)と、高周波に適した閉じられたフェライト磁心を備えるHF共振コイル(5)と、ガスノズルとして機能する絶縁体(4)と、この絶縁体(4)に取り付けられている高圧電極(3)とが、プロセスガス(6)によって取り巻かれるか、または通過されるように配置されている。従って、プロセスガス(6)が流れることにより、エレクトロニクス(8)とコイル(5)とを冷却することができる。この場合、プリント基板(8)は、小型化及びEMC対応レイアウトのために、好ましくはSMD部品が取り付けられている。

図2に電子回路のブロック図が示されている。 プリント基板(8)によって実現されている電子回路は、実質的に、周波数約1MHzの適切なHF電圧を発生するパワードライバを備えたHFジェネレータ及びサーキットブレーカからなる。さらに、プラズマ携帯ユニットの外に配置されているDC電源への配線を介する外部への電磁放射を防止するため、2つのHFフィルタが用いられる。

図1に示されている実施例は、第一に、比較的直径の小さいプラズマジェットを発生させるために設けられていて、絶縁材料から作られたガスノズル(4)を備えるこの実施形態では、特にプロセスガスとして希ガスを用いた作動に適している。 この場合、図3に示すように、絶縁された接地電極とともに働くプラズマノズルは、様々な高圧電極を装備することができる。1個の針型電極を備えるオリジナル配置(図3a)の他に、有効なプラズマの幅を広げるために、複数の針型電極を備える配置(図3b:前面図、図3c:側面図)またはナイフ型電極を備える配置(図3d:前面図、図3e:側面図)のいずれかを使用することができる。

プロセスガスとして分子ガス(例えば空気または窒素)を用いて作動する場合、接地電極がガス空間に対して絶縁されていないプラズマノズルが使用される。プラズマノズルのこの種の実施形態例を図4に示す(図4a:1個の針型電極を備えるノズル、図4b:複数の針型電極を備えるノズルの前面図、図4c:複数の針型電極を備えるノズルの側面図、図4d:ナイフ型電極を備えるノズルの前面図、図4e:ナイフ型電極を備えるノズルの側面図)。この場合、これらの様々なノズルは交換可能であり、高圧電極がそれぞれプラグコンタクト(10)によってHF共振コイル(5)に接続されるように形成されている。

図5には、図1のヘッドが再度示されている。図1のヘッドに対するこの特殊な実施形態は、導電性のキャップ(12)からなり、このキャップは前方部分にスリットまたは穴(11)を有している。このスリットまたは穴は幅が最大0.7mmであり、スリットの長さは好ましくは8mmとすることができる。

図6の例では、プラズマノズルが高圧電源から切り離され、好ましくは短い、適切な高電圧ケーブル及び相応のプロセスガスホースを介して外部から供給が行われる。

図7の例では、特に絶縁または非絶縁ワイヤのプラズマ処理に適したプラズマ源を備える配置が示されている。

1 プラズマ 2 電極(接地ハウジング) 3 高圧電極 4 絶縁体/ガスノズル 5 HF共振コイル 6 プロセスガス 7 ハウジング(金属) 8 HFジェネレータ/プリント基板 9 直流電圧接続部 10 プラグコンタクト 11 スロット 12 キャップ 13 高電圧ケーブル 14 処理する導電性材料(ワイヤなど:絶縁ありまたはなし)

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