ルータ装置及び電力伝送システム

申请号 JP2016171208 申请日 2016-09-01 公开(公告)号 JP2017085871A 公开(公告)日 2017-05-18
申请人 パナソニックIpマネジメント株式会社; Panasonic Ip Management Corp; 发明人 YAMAMOTO ATSUSHI; HARA SHOICHI; NISHIMOTO TAIKI; MASUDA KOHEI;
摘要 【課題】新たな電 力 伝送方式を実現しうる電力ルータ装置、及びそれを有する電力伝送システムを提供する。【解決手段】電力ルータ装置は、所定の電力を、第1の分配電力及び第2の分配電力とを含む複数の分配電力に分配する電力分配器と、前記第1の分配電力を第1の変調符号で符号変調して第1の符号変調電力を生成する第1の符号変調器と、前記第2の分配電力を第2の変調符号で符号変調して第2の符号変調電力を生成する第2の符号変調器とを備える。前記第1の符号変調電力は交流電力であり、前記第2の符号変調電力は交流電力である。【選択図】図14
权利要求
  • 所定の電力を、第1の分配電力と第2の分配電力とを含む複数の分配電力に分配する電力分配器と、
    前記第1の分配電力を第1の変調符号で符号変調して第1の符号変調電力を生成する第1の符号変調器と、
    前記第2の分配電力を第2の変調符号で符号変調して第2の符号変調電力を生成する第2の符号変調器と、を備え、
    前記第1の符号変調電力は交流電力であり、前記第2の符号変調電力は交流電力である、
    電力ルータ装置。
  • 前記第1の変調符号及び第2の変調符号の少なくとも一方は、直交符号を含む、
    請求項1記載の電力ルータ装置。
  • 前記第1の符号変調器は、複数の第1のスイッチを具備する第1の回路を含み、
    前記第2の符号変調器は、複数の第2のスイッチを具備する第2の回路を含む、
    請求項1又は2に記載の電力ルータ装置。
  • 前記第1の符号変調器は、4つの第1の双方向スイッチ回路がフルブリッジ接続された第1のHブリッジ回路を含み、
    前記第2の符号変調器は、4つの第2の双方向スイッチ回路がフルブリッジ接続された第2のHブリッジ回路を含む、
    請求項1又は2に記載の電力ルータ装置。
  • 前記第1の符号変調器は、前記複数の第1のスイッチをオンオフさせる複数の第1の制御信号を生成する第1の制御回路をさらに含み、
    前記第2の符号変調器は、前記複数の第2のスイッチをオンオフさせる複数の第2の制御信号を生成する第2の制御回路をさらに含み、
    前記第1の回路は、前記複数の第1の制御信号に基づいて前記第1の分配電力を符号変調し、
    前記第2の回路は、前記複数の第2の制御信号に基づいて前記第2の分配電力を符号変調する、
    請求項3に記載の電力ルータ装置。
  • 前記第1の分配電力は、直流電力、又は、交流電力であり、
    前記第2の分配電力は、直流電力、又は、交流電力である、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の電力ルータ装置。
  • 第3の符号変調電力を第1の復調符号で符号復調して第1の符号復調電力を生成する第1の符号復調器と、
    第4の符号変調電力を第2の復調符号で符号復調して第2の符号復調電力を生成する第2の符号復調器と、
    前記第1の符号復調電力と前記第2の符号復調電力とを含む複数の符号復調電力を合成して、合成電力を生成する電力合成器と、をさらに備え、
    前記所定の電力は前記合成電力であり、
    前記第3の符号変調電力は交流電力であり、前記第4の符号変調電力は交流電力である 請求項1から6のいずれか一項に記載の電力ルータ装置。
  • 前記第1の復調符号及び第2の復調符号の少なくとも一方は、直交符号を含む、
    請求項7に記載の電力ルータ装置。
  • 前記第1の符号復調電力は、直流電力、又は、交流電力であり、
    前記第2の符号復調電力は、直流電力、又は、交流電力である、
    請求項7又は8に記載の電力ルータ装置。
  • 前記複数の分配電力の少なくとも1つを蓄電する蓄電装置をさらに備える 請求項1から9のいずれか一項に記載の電力ルータ装置。
  • 請求項1から10のいずれか一項に記載の電力ルータ装置を備える、
    電力伝送システム。
  • 说明书全文

    本開示は、電ルータ装置と、前記電力ルータ装置を備える電力伝送システムとに関する。

    近年、遠距離送電による損失を軽減するため、及び、電力自給を実現するために、局所的な小規模電力網の導入が提案されている。 このような電力網には例えば、直流電源および交流電源が接続され、必要電力値が異なる複数の負荷が接続されうる。

    特許文献1は、電力を非同期で融通するための多端子電力変換装置を開示している。

    特許文献2は、他の装置と情報信号を送受信する通信部と、当該他の装置に電力を供給する電力供給部とを備える電力供給装置を開示している。

    特開2013−138612号公報

    特開2011−91954号公報

    本開示は、新たな電力伝送方式を実現しうる電力ルータ装置、及びそれを有する電力伝送システムを提供する。

    本開示の一態様に係る電力ルータ装置は、所定の電力を、第1の分配電力と第2の分配電力とを含む複数の分配電力に分配する電力分配器と、前記第1の分配電力を第1の変調符号で符号変調して第1の符号変調電力を生成する第1の符号変調器と、前記第2の分配電力を第2の変調符号で符号変調して第2の符号変調電力を生成する第2の符号変調器とを備える。 前記第1の符号変調電力は交流電力であり、前記第2の符号変調電力は交流電力である。

    本開示によれば、新たな電力伝送方式を実現しうる電力ルータ装置、及びそれを有する電力伝送システムが提供されうる。

    図1は、第1の参考形態に係る電力伝送システムの構成例を示すブロック図である。

    図2は、第1の参考形態に係る変調電流の波形の一例を示す図である。

    図3は、変調電流の波形の比較例を示す図である。

    図4Aは、第1の参考形態に係る発電電流の波形の一例を示す図である。

    図4Bは、第1の参考形態に係る変調電流の波形の一例を示す図である。

    図4Cは、第1の参考形態に係る復調電流の波形の一例を示す図である。

    図5は、第1の参考形態に係る符号変調器の構成の一例を示すブロック図である。

    図6は、第1の参考形態に係る符号復調器の構成の一例を示すブロック図である。

    図7は、第1の参考形態に係る符号変調器、伝送路、及び符号復調器の構成の一例を示す模式的な回路図である。

    図8Aは、第2の参考形態に係る発電電流の波形の一例を示す図である。

    図8Bは、第2の参考形態に係る変調電流の波形の一例を示す図である。

    図8Cは、第2の参考形態に係る復調電流の波形の一例を示す図である。

    図9は、第2の参考形態に係る符号変調器の構成の一例を示す模式的な回路図である。

    図10は、第2の参考形態に係る符号復調器の構成の一例を示す模式的な回路図である。

    図11は、第2の参考形態の変形例に係る符号変調器の構成を示す模式的な回路図である。

    図12は、第2の参考形態の変形例に係る符号復調器の構成を示す模式的な回路図である。

    図13は、第1の実施形態に係る電力伝送システムの構成の一例を示すブロック図である。

    図14は、第1の実施形態に係る電力ルータ装置の構成の一例を示すブロック図である。

    図15Aは、第1の実施形態の第1の動作例に係る第1の入力電流の波形を示す図である。

    図15Bは、第1の実施形態の第1の動作例に係る第2の入力電流の波形を示す図である。

    図15Cは、第1の実施形態の第1の動作例に係る変調電流の波形を示す図である。

    図15Dは、第1の実施形態の第1の動作例に係る第1の復調電流の波形を示す図である。

    図15Eは、第1の実施形態の第1の動作例に係る第2の復調電流の波形を示す図である。

    図16Aは、第1の実施形態の第2の動作例に係る第1の入力電流の波形を示す図である。

    図16Bは、第1の実施形態の第2の動作例に係る第2の入力電流の波形を示す図である。

    図16Cは、第1の実施形態の第2の動作例に係る変調電流の波形を示す図である。

    図16Dは、第1の実施形態の第2の動作例に係る第1の復調電流の波形を示す図である。

    図16Eは、第1の実施形態の第2の動作例に係る第2の復調電流の波形を示す図である。

    図17Aは、第1の実施形態の第3の動作例に係る復調電流の波形を示す図である。

    図17Bは、第1の実施形態の第3の動作例に係る変換電流の波形を示す図である。

    図18Aは、第1の実施形態の第4の動作例に係る変換電流の波形を示す図である。

    図18Bは、第1の実施形態の第4の動作例に係る復調電流の波形を示す図である。

    図19Aは、第1の実施形態の第5の動作例に係る第1の入力電流の波形を示す図である。

    図19Bは、第1の実施形態の第5の動作例に係る第2の入力電流の波形を示す図である。

    図19Cは、第1の実施形態の第5の動作例に係る変調電流の波形を示す図である。

    図19Dは、第1の実施形態の第5の動作例に係る第1の復調電流の波形を示す図である。

    図19Eは、第1の実施形態の第5の動作例に係る第2の復調電流の波形を示す図である。

    図20Aは、第1の実施形態の第6の動作例に係る復調電流の波形を示す図である。

    図20Bは、第1の実施形態の第6の動作例に係る変換電流の波形を示す図である。

    図21は、第2の実施形態に係る電力伝送システムの構成の一例を示すブロック図である。

    図22は、第2の実施形態に係る電力ルータ装置の構成の一例を示すブロック図である。

    図23は、第3の実施形態に係る電力ルータ装置の構成の一例を示すブロック図である。

    図24は、第3の実施形態に係る電力分配器の構成の一例を示すブロック図である。

    図25は、第3の実施形態の第1の変形例に係る電力分配器の構成を示すブロック図である。

    図26は、第3の実施形態の第2の変形例に係る電力分配器の構成を示すブロック図である。

    図27は、第3の実施形態の第3の変形例に係る電力分配器の構成を示すブロック図である。

    図28は、第3の実施形態の第4の変形例に係る電力分配器の構成を示すブロック図である。

    以下、本開示に係る参考形態および実施形態について図面を参照して説明する。 なお、以下の各実施形態において、同様の構成要素については同一の符号を付している。

    以下で説明される種々の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。 以下に示される数値、符号、波形、素子の種類、素子の配置及び接続、信号の流れ、回路ブロックなどは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。 加えて、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素は、任意の構成要素である。

    (第1の参考形態)
    [1. 電力伝送システム]
    図1は、第1の参考形態に係る電力伝送システム100の構成を示す。 電力伝送システム100は、発電機1と、符号変調器2と、伝送路3と、符号復調器4と、負荷5と、コントローラ10とを備える。

    発電機1は、電力(例えば直流電力)を発電する。 符号変調器2は、発電電力を変調符号で符号変調し、これによって符号変調電力(すなわち符号変調波)を生成する。 符号変調電力は、伝送路3を介して符号変調器2から符号復調器4に送電される。 伝送路3は、例えば、有線伝送路である。 符号復調器4は、符号変調電力を復調符号で符号復調し、これによって電力(例えば直流電力)を得る。 得られた電力は、例えば、負荷5に供給される。

    変調符号及び復調符号は、それぞれ、所定の符号系列からなる信号である。

    符号変調電力は交流電力である。 本開示において、「交流電力」とは、周期的又は非周期的に流れの方向が反転する電力であって、かつ、充分に長い時間において、電流の平均値及び/又は電圧の平均値が概ね0であるような電力を意味する。 「電流(又は電圧)の平均値が概ね0である」とは、符号変調された後の電流(又は電圧)の平均値の絶対値が、所定の値よりも小さことを意味する。 この所定の値は、例えば、符号変調される前の電流(又は電圧)の最大値を、変調符号の符号長で割ることによって得られる値である。 交流電力は、例えば、その極性が所定の期間(例えば、ある単位期間の整数倍となる期間)毎に変化するような波形を有する。

    発電機1は、例えば、電力測定器1mを有する。 電力測定器1mは、発電機1の発電量を測定し、これをコントローラ10に送信する。 この発電量は、例えば、発電機1から符号変調器2に送電される電力量に相当する。 なお、電力測定器1mは、符号変調器2の前段に設けられてもよい。

    負荷5は、例えば、電力測定器5mを有する。 電力測定器5mは、負荷5の電力使用量を測定し、これをコントローラ10に送信する。 この電力使用量は、例えば、符号復調器4から負荷5に送電される電力量に相当する。 なお、電力測定器5mは、符号復調器4の後段に設けられてもよい。

    発電機1及び負荷5は、例えば、電池やキャパシタ等の蓄電装置であってもよい。 この場合、例えば、消費電力が少ない時間帯に発電された電力が蓄電され、この蓄電された電力が有効に活用されうる。 これにより、システム全体の電力効率を向上させることができる。

    コントローラ10は受信した各電力量に基づいて、符号変調器2と符号復調器4の動作を制御する。 例えば、コントローラ10は、符号変調器2及び符号復調器4に、指示信号を送信する。

    指示信号は、符号変調器2の動作と符号復調器4の動作とを同期させるための同期信号を含む。 符号変調器2に送信される指示信号は、例えば、発電電力を符号変調するタイミングを示すタイミング情報を含む。 符号復調器4に送信される指示信号は、例えば、符号変調電力を符号復調するタイミングを示すタイミング情報を含む。 これにより、電力の符号変調及び符号復調を正確に同期させることができる。

    符号変調器2に送信される指示信号は、例えば、変調符号に関する符号情報を含み、符号復調器4に送信される指示信号は、例えば、復調符号に関する符号情報を含む。 本開示において、「符号情報」とは、符号系列そのものであってもよいし、複数の符号系列から特定の1つを指定するための指定情報であってもよいし、符号系列を生成するためのパラメータ情報であってもよい。

    例えば、コントローラ10は、符号変調器2に、変調符号の符号系列を送信し、符号復調器4に復調符号の符号系列を送信してもよい。

    例えば、コントローラ10は、変調符号の符号系列を指定する指定情報を符号変調器2に送信し、符号変調器2はこの指定情報に基づいて変調符号を生成してもよい。 コントローラ10は、復調符号の符号系列を指定する指定情報を符号復調器4に送信し、符号復調器4はこの指定情報に基づいて復調符号を生成してもよい。

    あるいは、変調符号は符号変調器2において予め設定されていてもよく、復調符号は符号復調器4において予め設定されていてもよい。

    例えば、電力伝送システム100が、複数の発電機1と、複数の符号変調器2と、複数の符号復調器4と、複数の負荷5とを備える場合を想定する。 この場合、例えば、コントローラ10が、複数の符号変調器2から選択された1つに対して変調符号の符号情報を送信し、かつ、複数の符号復調器4から選択された1つに対して復調符号の符号情報を送信する。 これにより、選択された符号変調器2に接続されている発電機1から、選択された符号復調器4に接続されている負荷5へ、電力が伝送されうる。

    なお、図1には、発電電力、符号変調電力、及び符号復調電力の代わりに、発電電流I1、符号変調電流I2、及び符号復調電流I3が示されている。 以下では、電流が変調/復調される例が説明されるが、本開示はこれに限定されず、例えば電圧が変調/復調されてもよい。 以下の説明における「電流」は、適宜「電圧」又は「電力」に読み替えることができる。

    [2. 符号変調電力の伝送効率]
    図2は、変調電流I2の波形の例を示す。 また、図3は、比較例に係る変調電流I2aの波形の例を示す。 図2中の“1”と“−1”は、変調電流I2の各期間の電流値に対応する符号を示している。 図3中の“1”と“0”は、変調電流I2aの各期間の電流値に対応する符号を示している。 “1”と“0”からなる符号系列は、典型的な通信システムにおいて用いられる変調符号に相当する。

    図2に示される例では、符号変調器2は、発電電流I1を、“1”と“−1”の符号を有する変調波(すなわち変調電流I2)に変換している。 そのため、変調電流I2は交流である。 この場合、変調電流I2が符号“1”を示す期間には、符号変調器2から符号復調器4へ正の電流が伝送され、変調電流I2が符号“−1”を示す期間(例えば図2中の期間Ta)には、符号変調器2から符号復調器4へ負の電流が伝送される。 したがって、いずれの期間においても電力が伝送され、これにより、高い伝送効率が得られる。

    図3に示される例では、変調電流I2aは、“1”と“0”の符号を有する変調波であり、交流ではない。 この場合、変調電流I2aが符号“0”を示す期間(例えば図3中の期間Tb)には、変調電流I2aが0となり、電力が伝送されない。 したがって、符号変調電力が交流電力でない場合、電力の伝送効率が低下する。

    図2及び3の比較から、符号変調電力が交流電力である場合、特に、変調符号の符号系列が“0”を含まない場合には、高い伝送効率で電力が伝送されうることが分かる。

    [3. 直流電力の符号変復調]
    図4A〜4Cは、それぞれ、発電電流I1、変調電流I2、復調電流I3の波形の例を示す。

    図4Aに示される発電電流I1は、直流であった。

    図4Bに示される変調電流I2は、発電電流I1に変調符号M1を乗算することで得られた。 この例において、変調符号M1は、次に示される符号系列を有していた。

    変調符号の周波数は35kHzであり、各符号の時間幅は、{1/(35kHz)}/2=14.3マイクロ秒であった。 図4Bに示される期間Tは、変調符号M1の符号系列の1周期を示している。

    図4Cに示される復調電流I3は、変調電流I2に復調符号D1を乗算することで得られた。 この例において、変調符号M1と復調符号D1とは同一の符号系列を有していた。 すなわち、復調符号D1は、次に示される符号系列を有していた。

    復調符号の周波数は35kHzであり、各符号の時間幅は14.3マイクロ秒であった。

    変調電流I2に復調符号D1を乗算した結果は、発電電流I1にM1×D1を乗算した結果に相当する。 ここで、M1×D1は、次に示される符号系列を有する。

    したがって、図4Cに示されるように、符号変調と符号復調によって、発電電流I1と同等の直流電流が、復調電流I3として復元された。

    以上説明したように、本参考形態に係る変復調方法によれば、正確に同期し、かつ、電力損失の少ない電力伝送が実現されうる。

    例えば、図4Bに示されるように、変調符号M1が繰り返し使用されることにより、長時間、かつ、高効率で電力を伝送できる。

    上記の例において、変調符号M1の8番目から14番目までの数字(digit)は、それぞれ、変調符号M1の1番目から7番目までの数字の正負を反転させたものに相当する。 このような変調符号を用いることにより、変調電流I2の平均は0となり、直流成分のない交流のみでの伝送が実現されうる。 そのため、高い伝送効率で電力が伝送されうる。

    [4. 符号変調器と符号復調器]
    図5は、符号変調器2の構成例を示す。

    図5において、符号変調器2は、通信回路21と、制御回路25と、Hブリッジ回路23とを備える。 制御回路25は、例えば、制御IC20とゲートドライバ22とを含む。

    通信回路21は、コントローラ10からの指示信号を受信して制御IC20に出力する。 通信回路21は、例えば、アンテナと、同調回路と、検波器とを含む。

    指示信号は、例えば、同期信号と、変調符号の符号情報とを含む。 同期信号は、例えば、変調を開始させるトリガー信号であってもよいし、変調を終了させるトリガー信号であってもよい。 あるいは、同期信号は、例えば、変調を開始すべき時刻を示す時刻情報であってもよいし、変調を終了すべき時刻を示す時刻情報であってもよい。 これらのトリガー信号及び時刻情報は、本開示における「タイミング情報」の例である。

    制御IC20は、指示信号に基づいて変調符号を生成し、この変調符号に応じた制御信号をゲートドライバ22に生成させる。 制御IC20は、プロセッサを含む。 制御IC20は、例えばマイコンである。

    ゲートドライバ22は、制御信号をHブリッジ回路23に出力し、これにより、Hブリッジ回路23に符号変調動作を実行させる。

    符号変調器2は、発電機1に接続される入力端子T1、T2と、伝送路3に接続される出力端子T3、T4とを有する。

    図6は、符号復調器4の構成例を示す。

    図6において、符号復調器4は、通信回路31と、制御回路35と、Hブリッジ回路33とを備える。 制御回路35は、例えば、制御IC30とゲートドライバ32とを含む。

    通信回路31は、コントローラ10から指示信号を受信して制御IC30に出力する。 通信回路31は、例えば、アンテナと、同調回路と、検波器とを含む。

    指示信号は、例えば、同期信号と、復調符号の符号情報とを含む。 同期信号は、例えば、復調を開始させるトリガー信号であってもよいし、復調を終了させるトリガー信号であってもよい。 あるいは、同期信号は、例えば、復調を開始すべき時刻を示す時刻情報であってもよいし、復調を終了すべき時刻を示す時刻情報であってもよい。 これらのトリガー信号及び時刻情報は、本開示における「タイミング情報」の例である。

    制御IC30は、指示信号に基づいて復調符号を生成し、この復調符号に応じた制御信号をゲートドライバ32に生成させる。 制御IC30は、プロセッサを含み、例えばマイコンである。

    ゲートドライバ32は、制御信号をHブリッジ回路33に出力し、これにより、Hブリッジ回路33に符号復調動作を実行させる。

    符号復調器4は、伝送路3に接続される入力端子T11、T12と、負荷5に接続される出力端子T13、T14とを有する。

    図1において、コントローラ10は、伝送路3とは異なる経路で、符号変調器2及び符号復調器4に制御信号を送信している。 しかし、コントローラ10は、伝送路3を介して、符号変調器2及び符号復調器4に制御信号を送信してもよい。 この場合、制御信号は、例えば、符号変調電力と多重化されて伝送されうる。 これにより、例えば、コントローラ10から符号変調器2及び符号復調器4への通信経路が削減され、コストが低減されうる。

    図7は、符号変調器2における制御回路25及びHブリッジ回路23、並びに、符号復調器4における制御回路35及びHブリッジ回路33の構成例を示す。

    図7において、Hブリッジ回路23は、フルブリッジ接続された4個のスイッチ回路SS1〜SS4を備える。 例えば、スイッチ回路SS1、SS2、SS3、及びSS4は、それぞれ、スイッチS1、S2、S3、及びS4を含む。

    図7において、Hブリッジ回路33は、フルブリッジ接続された4個のスイッチ回路SS11〜SS14を備える。 例えば、スイッチ回路SS11、SS12、SS13、及びSS14は、それぞれ、スイッチS11、S12、S13、及びS14を含む。

    スイッチS1〜S4及びS11〜S14のそれぞれは、例えば、双方向スイッチであってもよく、MOSトランジスタであってもよい。

    制御回路25は、所定の符号系列m1、m2を生成する。 制御回路25は、符号系列m1をスイッチS1、S4に制御信号として出力し、符号系列m2をスイッチS2、S3に制御信号として出力する。

    例えば、スイッチS1〜S4は、“1”を示す信号が入力されている間、オン状態となり、“0”を示す信号が入力されている間、オフ状態となる。 スイッチS1がオン状態のとき、端子T1から端子T3に電流が流れる。 スイッチS3がオン状態のとき、端子T1から端子T4に電流が流れる。 スイッチS2がオン状態のとき、端子T3から端子T2に電流が流れる。 スイッチS4がオン状態のとき、端子T4から端子T2に電流が流れる。

    制御回路35は、所定の符号系列d1、d2を生成する。 制御回路35は、符号系列d1をスイッチS12、S13に制御信号として出力し、符号系列d2をスイッチS11、S14に制御信号として出力する。

    例えば、スイッチS11〜S14は、“1”を示す信号が入力されている間、オン状態となり、“0”を示す信号が入力されている間、オフ状態となる。 スイッチS11がオン状態のとき、端子T12から端子T13に電流が流れる。 スイッチS13がオン状態のとき、端子T11から端子T13に電流が流れる。 スイッチS12がオン状態のとき、端子T14から端子T12に電流が流れる。 スイッチS14がオン状態のとき、端子T14から端子T11に電流が流れる。

    図7において、実線矢印で示される方向に流れる電流は、正の電流と見なされる。 図7において、符号変調器2と符号復調器4は、電流の流れる向きが互いに反対である点を除き、対称な構造を有する。

    [5. 動作]
    [5−1. 制御信号]
    表1は、符号変調器2のスイッチS1〜S4に入力される制御信号m1、m2の符号系列の例と、符号復調器4のスイッチS11〜S14に入力される制御信号d1、d2の符号系列の例を示す。

    この例において、制御信号m1の符号系列と、制御信号d1の符号系列は、同じ符号系列c1aであり、制御信号m2の符号系列と、制御信号d2の符号系列は、同じ符号系列c1bである。 符号系列c1bは、符号系列c1aの全ビットをビット反転したものである。

    [5−2. 符号変調器の動作]
    符号変調器2の動作について説明する。

    制御信号m1が“1”であって、かつ、制御信号m2が“0”のとき、スイッチS1、S4はオン状態であり、かつ、スイッチS2、S3はオフ状態である。 このとき、符号変調器2に入力された正の発電電流I1は、図7の実線矢印の方向に流れ、これにより、端子T3、T4に正の変調電流I2が流れる。 すなわち、発電電流I1は“1”で符号変調される。

    一方、制御信号m1が“0”であって、かつ、制御信号m2が“1”のとき、スイッチS1、S4はオフ状態であり、かつ、スイッチS2、S3はオン状態である。 このとき、符号変調器2に入力された正の発電電流I1は、図7の点線矢印の方向に流れ、これにより、端子T3、T4に負の変調電流I2が流れる。 すなわち、発電電流I1は“−1”で符号変調される。

    なお、表1の制御信号m1、m2に基づく一連のスイッチ動作は、発電電流I1を下記の変調符号Maで符号変調する操作に相当する。

    したがって、符号変調器2は、発電電流I1を変調符号Maで符号変調し、交流の変調電流I2を、端子T3、T4を介して伝送路3に出力する。

    [5−3. 符号復調器の動作]
    符号復調器4の動作について説明する。

    制御信号d1、d2は、制御信号m1、m2と同期している。 したがって、正の変調電流I2が符号復調器4に入力されるとき、制御信号d1は“1”であって、かつ、制御信号d2は“0”である。 このとき、スイッチS13、S12はオン状態であって、かつ、スイッチS11、S14はオフ状態である。 そのため、正の変調電流I2は、図7実線矢印の方向に流れ、これにより、端子T13、T14に正の復調電流I3が流れる。 すなわち、変調電流I2は“1”で符号復調される。

    一方、負の変調電流I2が符号復調器4に入力されるとき、制御信号d1は“0”であって、かつ、制御信号d2は“1”である。 このとき、スイッチS11、S14はオン状態であって、かつ、スイッチS12、S13はオフ状態である。 そのため、負の変調電流I2は、図7の実線矢印の方向に流れ、これにより、端子T13、T14に正の復調電流I3が流れる。 すなわち、変調電流I2は“−1”で符号復調される。

    なお、表1の制御信号d1、d2に基づく一連のスイッチ動作は、変調電流I2を下記の復調符号Daで符号復調する操作に相当する。

    したがって、符号復調器4は、変調電流I2を復調符号Daで符号復調し、正の復調電流I3を端子T13、T14を介して出力する。

    [5−4. 制御信号の他の例]
    表2は、制御信号m1、m2、d1、d2の符号系列の他の例を示す。

    表1に示される制御信号m1、m2の符号系列は、“1”の数と“0”の数が等しくない。 そのため、変調符号Maの符号系列は、“1”の数と“−1”の数が等しくない。 このような場合、変調電流I2の平均は0とならず、変調電流I2はわずかに直流成分を含んだ交流となる。

    一方、表2において、制御信号m1、d1は、符号系列c1aと符号系列c1bが縦続に連結された符号系列[c1a c1b]を有し、制御信号m2、d2は、符号系列c1bと符号系列c1aが縦続に連結された符号系列[c1b c1a]を有する。 上述の通り、符号系列c1bは、符号系列c1aの全ビットをビット反転させたものであるため、これらが連結された符号系列では、“1”の数と“0”の数とが等しくなる。 これにより、変調電流I2は、直流成分を含まない交流となり、伝送効率がより高まる。 なお、表2に示される制御信号m1、m2は、上記の変調符号M1に対応しており、制御信号d1、d2は、上記の復調符号D1に対応している。

    (第2の参考形態)
    第2の参考形態に係る電力伝送システムは、発電電力が交流であることを除き、第1の参考の形態で説明された電力伝送システム100と同じである。 以下では、第2の参考形態のうち、第1の参考形態と異なる点について説明される。

    [1. 交流電力の符号変復調]
    図8A−8Cは、それぞれ、発電電流I1、変調電流I2、復調電流I3の波形の例を示す。

    図8Aに示される発電電流I1は、周波数5kHzの矩形波形を有する交流であった。 図8Bに示される変調電流I2は、発電電流I1に変調符号M1を乗算することによって得られた。 図8Bに示される変調電流I2は、交流であった。 図8Cに示される復調電流I3は、変調電流I2に復調符号D1を乗算することによって得られた。 変調符号M1及び復調符号D1は、第1の参考形態で説明されたものと同じであった。 図8Cに示されるように、符号変調と符号復調によって、発電電流I1と同等の交流電流が、復調電流I3として復元された。

    したがって、発電電力が交流電力の場合にも、発電電力が直流電力である場合と同様に、高い伝送効率で電力が伝送されうる。

    [2. 符号変調器と符号復調器]
    図9は、第2の参考形態に係る符号変調器2における制御回路25A及びHブリッジ回路23Aの構成例を示す。 図9に示される回路は、図7に示される回路に対して、以下の点が異なる。
    (1)図7に示されるスイッチ回路SS1〜SS4の代わりに、双方向スイッチ回路SS21〜SS24が設けられている。
    (2)図7に示される制御回路25の代わりに、制御回路25Aが設けられている。 制御回路25Aは、符号系列m1〜m4をHブリッジ回路23Aに制御信号として出力する。

    スイッチ回路SS21は、図7に示されるようなスイッチS1に加えて、スイッチS1と逆方向かつ並列に接続されたスイッチS21を含む。 スイッチS21は、制御信号m3に応答してオンオフされる。 スイッチ回路SS22は、図7に示されるようなスイッチS2に加えて、スイッチS2と逆方向かつ並列に接続されたスイッチS22を含む。 スイッチS22は、制御信号m4に応答してオンオフされる。 スイッチ回路SS23は、図7に示されるようなスイッチS3に加えて、スイッチS3と逆方向かつ並列に接続されたスイッチS23を含む。 スイッチS23は、制御信号m4に応答してオンオフされる。 スイッチ回路SS24は、図7に示されるようなスイッチS4に加えて、スイッチS4と逆方向かつ並列に接続されたスイッチS24を含む。 スイッチS24は、制御信号m3に応答してオンオフされる。

    スイッチS21〜S24は、例えば、MOSトランジスタである。

    図10は、第2の参考形態に係る符号復調器4における制御回路35A及びHブリッジ回路33Aの構成例を示す。 図10に示される回路は、図7に示される回路に対して、以下の点が異なる。
    (1)図7に示されるスイッチ回路SS11〜SS14の代わりに、双方向スイッチ回路SS31〜SS34が設けられている。
    (2)図7に示される制御回路35の代わりに、制御回路35Aが設けられている。 制御回路35Aは、符号系列d1〜d4をHブリッジ回路33Aに制御信号として出力する。

    スイッチ回路SS31は、図7に示されるようなスイッチS11に加えて、スイッチS11と逆方向かつ並列に接続されたスイッチS31を含む。 スイッチS31は、制御信号m4に応答してオンオフされる。 スイッチ回路SS32は、図7に示されるようなスイッチS12に加えて、スイッチS12と逆方向かつ並列に接続されたスイッチS32を含む。 スイッチS32は、制御信号d3に応答してオンオフされる。 スイッチ回路SS33は、図7に示されるようなスイッチS13に加えて、スイッチS13と逆方向かつ並列に接続されたスイッチS33を含む。 スイッチS33は、制御信号d3に応答してオンオフされる。 スイッチ回路SS34は、図7に示されるようなスイッチS14に加えて、スイッチS14と逆方向かつ並列に接続されたスイッチS34を含む。 スイッチS34は、制御信号d4に応答してオンオフされる。

    スイッチS31〜S34は、例えば、MOSトランジスタである。

    [3. 動作]
    [3−1. 制御信号]
    表3は、符号変調器2のスイッチS1〜S4、S21〜S24に入力される制御信号m1〜m4の符号系列の例と、符号復調器4のスイッチS11〜S14、S31〜S34に入力される制御信号d1〜d4の符号系列の例を示す。

    この例において、制御信号m1、m2、m3、及びm4の符号系列は、それぞれ、制御信号d1、d2、d3、及びd4の符号系列と同一である。 表3において、符号系列c1bは、符号系列c1aの全ビットをビット反転させたものであり、符号系列c0は、全ビットが“0”の符号系列である。 符号系列c1a、c1b、c0の時間幅は、交流の発電電流I1の半周期と一致している。

    [3−2. 符号変調器の動作]
    符号変調器2の動作について説明する。 ここでは、発電電流I1が、第1半周期(すなわち、1周期の前半部分)において正となり、第2半周期(すなわち、1周期の後半部分)において負となる場合を想定する。

    [3−2−1. 第1半周期における符号変調器の動作]
    第1半周期において、スイッチS1〜S4は制御信号m1、m2によってオンオフされ、スイッチS21〜S24はオフ状態に維持される。

    制御信号m1が“1”であって、かつ、制御信号m2が“0”のとき、スイッチS1、S4はオン状態であり、スイッチS2、S3がオフ状態である。 このとき、正の発電電流I1は、図9の矢印A1の方向に流れ、これにより、端子T3、T4に正の変調電流I2が流れる。 すなわち、発電電流I1は“1”で符号変調される。

    一方、制御信号m1が“0”であって、かつ、制御信号m2が“1”のとき、スイッチS1、S4はオフ状態であり、かつ、スイッチS2、S3はオン状態である。 このとき、正の発電電流I1は、図9の矢印A2の方向に流れ、これにより、端子T3、T4に負の変調電流I2が流れる。 すなわち、発電電流I1は“−1”で符号変調される。

    したがって、符号変調器2は、第1半周期において、端子T3、T4を介して伝送路3に交流の変調電流I2を出力する。

    [3−2−2. 第2半周期における符号変調器の動作]
    第2半周期において、スイッチS1〜S4はオフ状態に維持され、スイッチS21〜S24が制御信号m3、m4によってオンオフされる。

    制御信号m3が“1”であって、かつ、制御信号m4が“0”のとき、スイッチS21、S24はオン状態であり、かつ、スイッチS22、S24はオフ状態である。 このとき、符号変調器2に入力された負の発電電流I1は、図9の矢印B1の方向に流れ、これにより、端子T3、T4に負の変調電流I2が流れる。 すなわち、発電電流I1は“1”で符号変調される。

    一方、制御信号m3が“0”であって、かつ、制御信号m4が“1”のとき、スイッチS21、S24はオフ状態であり、かつ、スイッチS22、S23はオン状態である。 このとき、符号変調器2に入力された負の発電電流I1は、図9の矢印B2の方向に流れ、これにより、端子T3、T4に正の変調電流I2が流れる。 すなわち、発電電流I1は“−1”で符号変調される。

    したがって、符号変調器2は、第2半周期においても、端子T3、T4を介して伝送路3に交流の変調電流I2を出力する。
    [3−2−3. 補足]
    表2の制御信号m1〜m4に基づく一連のスイッチ動作は、発電電流I1を下記の変調符号Mbで符号変調する操作に相当する。

    変調符号Mbにおいて、“1”の数は“−1”の数よりも多い。 しかし、変調電流I2の平均は0となりうる。 なぜなら、発電電流I1は第1半周期で正、第2半周期で負となり、かつ、変調符号Mbの第1半周期の部分系列と第2半周期の部分系列は同一であるためである。

    [3−3. 符号復調器の動作]
    符号復調器4の動作について説明する。

    [3−3−1. 第1半周期における符号復調器の動作]
    第1半周期において、スイッチS11〜S14は制御信号d1、d2によってオンオフされ、スイッチS31〜S34はオフ状態に維持される。

    第1半周期において正の変調電流I2が符号復調器4に入力されるとき、制御信号d1は“1”であって、かつ、制御信号d2は“0”である。 このとき、スイッチS12、S13はオン状態であって、かつ、スイッチS11、S14はオフ状態である。 そのため、正の変調電流I2は、図10の矢印C1の方向に流れ、これにより、端子T13、T14に正の復調電流I3が流れる。 すなわち、変調電流I2は“1”で符号復調される。

    第1半周期において負の変調電流I2が符号復調器4に入力されるとき、制御信号d1は“0”であって、かつ、制御信号d2は“1”である。 このとき、スイッチS12、S13はオフ状態であって、かつ、スイッチS11、S14はオン状態である。 そのため、負の変調電流I2は、図10の矢印C1の方向に流れ、これにより、端子T13、T14に正の復調電流I3が流れる。 すなわち、変調電流I2は“−1”で符号復調される。

    したがって、符号復調器4は、第1半周期の間、端子T13、T14を介して正の復調電流I3を出力する。

    [3−3−2. 第2半周期における符号復調器の動作]
    第2半周期において、スイッチS11〜S14はオフ状態に維持され、スイッチS31〜S34が制御信号d3、d4によってオンオフされる。

    第2半周期において正の変調電流I2が符号復調器4に入力されるとき、制御信号d3は“1”であって、かつ、制御信号d4は“0”である。 このとき、スイッチS32、S33はオン状態であり、かつ、スイッチS31、S34はオフ状態である。 そのため、正の変調電流I2は、図10の矢印C2の方向に流れ、これにより、端子T13、T14に負の復調電流I3が流れる。 すなわち、変調電流I2は“−1”で符号復調される。

    第2半周期において負の変調電流I2が符号復調器4に入力されるとき、制御信号d3は“0”であって、かつ、制御信号d4は“1”である。 このとき、スイッチS32、S33はオフ状態であって、かつ、スイッチS31、S34はオン状態である。 そのため、負の変調電流I2は、図10の矢印C2の方向に流れ、これにより、端子T13、T14に負の復調電流I3が流れる。 すなわち、変調電流I2は“1”で符号復調される。

    したがって、符号復調器4は、第2半周期の間、端子T13、T14を介して負の復調電流I3を出力する。 言い換えると、符号復調器4は、復調電流I3は、第1半周期において正となり、第2半周期において負となるような交流を生成し、その波形は発電電流I1の波形と概ね一致する。

    [3−3−3. 補足]
    表2の制御信号d1〜d4に基づく一連のスイッチ動作は、変調電流I2を下記の復調符号Dbで符号復調する操作に相当する。

    [4. 動作の変形例]
    表4は、符号変調器2のスイッチS1〜S4、S21〜S24に入力される制御信号m1〜m4の符号系列の変形例と、符号復調器4のスイッチS11〜S14、S31〜S34に入力される制御信号d1〜d4の符号系列の変形例を示す。

    表4に示される制御信号m3、m4、d3、d4は、スイッチS21〜S24、S31〜S34をオフ状態に維持する。 これにより、図9に示されるHブリッジ回路23A及び図10に示されるHブリッジ回路33Aは、それぞれ、図7に示されるHブリッジ回路23及び33と同一の回路となる。

    加えて、表4に示される制御信号m1、m2、d1、d2は、表2に示される制御信号m1、m2、d1、d2と同一である。 そのため、本参考形態に係る符号変調器2及び符号復調器4は、第1の参考形態で説明されたような直流電力の変復調を実現することができる。

    したがって、本参考形態に係る符号変調器及び符号復調器は、制御信号を変更することで、直流電力の変復調と、交流電力の変復調の両方に対応しうる。

    直流電力を生成する発電機1は、例えば、太陽光発電機であってもよい。 交流電力を生成する発電機1は、例えば、タービンの回転を利用する発電機であってもよい。 そのような発電機の例としては、火力発電機、力発電機、風力発電機、原子力発電機、及び潮力発電機が挙げられる。

    [5. 符号変調器と符号復調器の変形例]
    図11は、第2の参考形態に係る符号変調器2におけるHブリッジ回路23Bの変形例を示す。 図11に示されるHブリッジ回路23Bは、図9に示される双方向スイッチ回路SS21〜SS24の代わりに、双方向スイッチ回路SS21A〜SS24Aを備える。

    双方向スイッチ回路SS21Aは、スイッチS41、スイッチS51、ダイオードDi1、及びダイオードDi11を含む。 スイッチS41及びスイッチS51は直列に接続されている。 ダイオードDi1は、スイッチS41に並列に接続されている。 ダイオードDi11は、スイッチS51に並列に接続されている。 ダイオードDi1は、端子T3から端子T1に電流を流す。 ダイオードDi11は、端子T1から端子T3に電流を流す。 双方向スイッチ回路SS22A〜SS24Aは、双方向スイッチ回路SS21Aと類似の構造を有するため、その説明が省略される。

    制御回路25Aは、制御信号m1をスイッチS41、S44に出力し、制御信号m2をスイッチS42、43に出力し、制御信号m3をスイッチS51、S54に出力し、制御信号m4をスイッチS52、53に出力する。 制御信号m1〜m4は、例えば、表3に示されるものであってもよい。

    図12は、第2の参考形態に係る符号復調器4におけるHブリッジ回路33Bの変形例を示す。 図12に示されるHブリッジ回路33Bは、図10に示される双方向スイッチ回路SS31〜SS34の代わりに、双方向スイッチ回路SS31A〜SS34Aを備える。

    双方向スイッチ回路SS31Aは、スイッチS61、スイッチS71、ダイオードDi21、及びダイオードDi31を含む。 スイッチS61及びスイッチS71は直列に接続されている。 ダイオードDi21は、スイッチS61に並列に接続されている。 ダイオードDi31は、スイッチS71に並列に接続されている。 ダイオードDi21は、端子T13から端子T12に電流を流す。 ダイオードDi31は、端子T12から端子T13に電流を流す。 双方向スイッチ回路SS32A〜SS34Aは、双方向スイッチ回路SS31Aと類似の構造を有するため、その説明が省略される。

    制御回路35Aは、制御信号d1をスイッチS62、S63に出力し、制御信号d2をスイッチS61、64に出力し、制御信号d3をスイッチS72、S73に出力し、制御信号d4をスイッチS71、74に出力する。 制御信号d1〜d4は、例えば、表3に示されるものであってもよい。

    スイッチS41〜S44、S51〜S54、S61〜S64、S71〜S74は、例えばMOSトランジスタであってもよい。 その場合、ダイオードDi1〜Di4、Di11〜Di14、Di21〜Di24、Di31〜Di34は、例えば、MOSトランジスタのボディダイオードであってもよい。 これにより、双方向スイッチ回路SS21A〜SS24A、SS31A〜SS34Aが小型化されうる。

    (第1の実施形態)
    以下では、第1の実施形態のうち、第1及び第2の参考形態のいずれとも異なる点について説明される。

    [1. 電力伝送システム]
    図13は、第1の実施形態に係る電力伝送システム200の構成例を示す。

    図13に示される電力伝送システム200は、発電機1a、1bと、伝送路3A、3Bと、電力ルータ装置6と、符号復調器4a、4bと、負荷5a、5bとを備える。 発電機1a、1bは、それぞれ、電力測定器1ma、1mbを備える。 負荷5a、5bは、それぞれ、電力測定器5ma、5mbを備える。

    電力測定器1maは、発電機1aで発電された電力量を測定して、その電力量の情報をコントローラ10Aに送る。 電力測定器1mbは、発電機1bで発電された電力量を測定して、その電力量の情報をコントローラ10Aに送る。

    電力測定器5maは、負荷5aで消費される電力量を測定して、その電力量の情報をコントローラ10Aに送る。 電力測定器5mbは、負荷5bで消費される電力量を測定して、その電力量の情報をコントローラ10Aに送る。

    コントローラ10Aは、それらの電力量の情報に基づいて、電力ルータ装置6、符号復調器4a、4bへの指示信号を生成する。 指示信号は、例えば、電力ルータ装置6内の符号変調器43a、43bの動作と符号復調器4a、4bの動作とを同期させるための同期信号を含む。 電力ルータ装置6に送信される指示信号は、例えば、変調符号に関する符号情報を含み、符号復調器4a、4bに送信される指示信号は、例えば、復調符号に関する符号情報を含む。 電力ルータ装置6に送信される指示信号は、さらに、電力分配に関する情報を含んでいてもよい。 電力分配は、例えば、負荷5a、5bが要求する電力を反映して設定される。

    伝送路3Aを介して、発電機1aで発電された電力と発電機1bで発電された電力が、電力ルータ装置6に伝送される。 各発電電力は、例えば、直流電力又は交流電力である。

    電力ルータ装置6は、コントローラ10Aからの指示信号に基づいて、それらの発電電力をそれぞれ符号変調する。 複数の符号変調電力は合成され、伝送路3Bを介して符号復調器4a、4bに伝送される。

    符号復調器4a、4bのそれぞれは、コントローラ10Aからの指示信号に基づいて、符号変調電力を符号復調して、符号復調電力を生成する。

    負荷5a及び5bのそれぞれは、対応する符号復調電力を受電する。

    [2. 電力ルータ装置]
    図14は、電力ルータ装置6の構成例を示す。

    図14において、電力ルータ装置6は、制御回路40と、通信回路41と、電力分配器42と、符号変調器43a、43bとを備える。

    通信回路41は、コントローラ10Aからの指示信号を受信し、制御回路40に出力する。

    制御回路40は、指示信号の電力分配情報に基づいて、電力分配器42に電力の分配比を設定させる。

    制御回路40は、指示信号の符号情報に基づいて、第1の変調符号に応じた複数の制御信号を生成し、これらを符号変調器43aに出力する。 同様に、制御回路40は、指示信号の符号情報に基づいて、第2の変調符号に応じた複数の制御信号を生成し、これらを符号変調器43bに出力する。

    電力分配器42は、端子T21を介して入力された電力を、設定された分配比で第1の分配電力と第2の分配電力に分配し、第1の分配電力を符号変調器43aに出力し、第2の分配電力を符号変調器43bに出力する。 電力分配器は、例えば、抵抗分配回路を有してもよい。 抵抗分配回路は、例えば、入力ポートと、分岐した2つの出力ポートを有する。 この場合、入力ポート及び第1の出力ポート間の抵抗値と、入力ポート及び第2の出力ポート間の抵抗値との比に応じて、電力が分配されうる。 あるいは、入力電力が交流電力である場合、電力分配器は、分配用のトランスを有してもよい。 トランスは、例えば、入力側コイルと、入力側コイルと結合する2つの出力側コイルを有する。 この場合、入力側コイル及び第1の出力側コイルの結合係数と、入力側コイル及び第2の出力側コイルの結合係数との比に応じて、電力が分配されうる。

    符号変調器43a、43bは、それぞれ、制御信号に基づいて駆動される。 符号変調器43aは、第1の分配電力を第1の変調符号で符号変調して、第1の符号変調電力を生成する。 符号変調器43bは、第2の分配電力を第2の変調符号で符号変調して、第2の符号変調電力を生成する。 第1及び第2の符号変調電力は合成され、合成された電力は、端子T22を介して伝送路3Bに送電される。

    [3. 動作]
    電力ルータ装置6内の符号変調器43a、43b、並びに、符号復調器4a、4bの種々の動作例について説明する。 以下に示される例では、符号変調器43a、43bのそれぞれは、図9に示される構成を有し、符号復調器4a、4bのそれぞれは、図10に示される構成を有する。

    [3−1. 複数の直流電力の符号変復調]
    第1の動作例では、2つの直流が2つの符号変調電流にそれぞれ符号変調され、その後、2つの符号変調電流が2つの直流にそれぞれ符号復調された。

    本動作例において、符号変調器43aに入力される制御信号m1〜m4、並びに、符号復調器4aに入力された制御信号d1〜d4は、上記の表4に示される符号系列を有していた。 符号変調器43bに入力される制御信号m1〜m4、並びに、符号復調器4bに入力された制御信号d1〜d4は、下記の表5に示される符号系列を有していた。

    符号変調器43a及び符号復調器4aの動作は、上記で説明されているため、省略される。 また、符号変調器43b及び符号復調器4bの動作は、制御信号が異なることを除いて、上記の説明と同様であるため、省略される。

    表4及び表5に示されるように、符号系列c1aと符号系列c2aは、互いに異なり、かつ、符号系列c1bと符号系列c2bは、互いに異なっていた。 符号系列c1aと符号系列c2aは互いに直交し、符号系列c1bと符号系列c2bは互いに直交していた。 具体的には、符号系列c1aと符号系列c2aは、互いに異なる7ビットの直交Gold系列であり、かつ、符号系列c1bと符号系列c2bは、互いに異なる7ビットの直交Gold系列であった。

    図15A−15Eは、それぞれ、図13及び図14に示される入力電流I11A、入力電流I12A、変調電流I2、復調電流I31、復調電流I32の波形を示す。 ここで、変調電流I2は、符号変調器43aから出力された変調電流と、符号変調器43bから出力された変調電流との合成電流に相当する。 ここでは、発電電流I11と入力電流I11Aが等しく、発電電流I12と入力電流I12Aが等しい場合を想定した。

    本動作例では、負荷5aが要求する電流を100mAの直流とし、負荷5bが要求する電流を50mAの直流とした。

    図15Aに示される入力電流I11Aは、100mAの直流であり、図15Bに示される入力電流I12Aは50mAの直流であった。 図15Cに示される変調電流I2は、−150mAから150mAまでの範囲内で変動する交流であった。 図15Dに示される復調電流I31は、100mAの直流であり、図15Eに示される復調電流I32は、50mAの直流であった。

    図15Aと図15Dの比較から、発電機1aで発電された直流I11が、符号変復調を経て、負荷5aに伝送されたことが分かる。 図15Bと図15Eの比較から、発電機1bで発電された直流I12が、符号変復調を経て、負荷5bに伝送されたことが分かる。

    符号変調器43aが表4の制御信号m1〜m4に基づいて行った一連のスイッチ動作は、入力電流I11Aを上記の変調符号M1で符号変調する操作に相当する。 符号復調器4aが表4の制御信号d1〜d4に基づいて行った一連のスイッチ動作は、変調電流I2を上記の復調符号D1で符号変調する操作に相当する。 符号変調器43bが表5の制御信号m1〜m4に基づいて行った一連のスイッチ動作は、入力電流I12Aを下記の変調符号M2で符号変調する操作に相当する。 符号復調器4bが表5の制御信号d1〜d4に基づいて行った一連のスイッチ動作は、変調電流I2を下記の復調符号D2で符号変調する操作に相当する。

    ここで、変調符号M1の符号系列の前半部分と、変調符号M2の符号系列の前半部分は、互いに直交する直交Gold系列となっている。 変調符号M1の符号系列の後半部分と、変調符号M2の符号系列の後半部分は、互いに直交する直交Gold系列となっている。 復調符号D1の符号系列の前半部分と、復調符号D2の符号系列の前半部分は、互いに直交する直交Gold系列となっている。 復調符号D1の符号系列の後半部分と、復調符号D2の符号系列の後半部分は、互いに直交する直交Gold系列となっている。

    したがって、図15A〜15Eの結果は、次の効果を示している。
    (A)変調符号が直交符号を含むことによって、複数の変調電力を共通の伝送路で同時に伝送することができる。
    (B)復調符号が直交符号を含むことにより、共通の伝送路で同時に伝送された複数の変調電力を、適切に分離することができる。

    以上により、電力伝送システム200は、複数の直流電力を、同時に、かつ、独立して伝送することができる。

    [3−2. 複数の交流電力の符号変復調]
    第2の動作例では、2つの交流が2つの符号変調電流にそれぞれ符号変調され、その後、2つの符号変調電流が2つの交流にそれぞれ符号復調された。

    本動作例において、符号変調器43aに入力される制御信号m1〜m4、並びに、符号復調器4aに入力された制御信号d1〜d4は、上記の表3に示される符号系列を有していた。 符号変調器43bに入力される制御信号m1〜m4、並びに、符号復調器4bに入力された制御信号d1〜d4は、下記の表6に示される符号系列を有していた。

    符号変調器43a及び符号復調器4aの動作は、上記で説明されているため、省略される。 また、符号変調器43b及び符号復調器4bの動作は、制御信号が異なることを除いて、上記の説明と同様であるため、省略される。

    図16A−16Eは、それぞれ、入力電流I11A、入力電流I12A、変調電流I2、復調電流I31、および復調電流I32の波形を示す。

    図16Aと図16Dの比較から、発電機1aで発電された交流I11が、符号変復調を経て、負荷5aに伝送されたことが分かる。 図16Bと図16Eの比較から、発電機1bで発電された交流I12が、符号変復調を経て、負荷5bに伝送されたことが分かる。

    以上により、電力伝送システム200は、複数の交流電力を、同時に、かつ、独立して伝送することができる。

    [3−3. DC−AC変換を含む符号変復調]
    第3の動作例では、2つの直流が2つの符号変調電流に符号変調され、その後、一方の符号変調電流が直流に符号復調され、他方の符号変調電流が所定の交流に変換された。

    本動作例において、符号変調器43aに入力される制御信号m1〜m4、並びに、符号復調器4aに入力された制御信号d1〜d4は、上記の表4に示される符号系列を有していた。 符号変調器43bに入力される制御信号m1〜m4は、上記の表5に示される符号系列を有していた。 符号復調器4bに入力された制御信号d1〜d4は、上記の表6に示される符号系列を有していた。

    入力電流I11A、入力電流I12A及び変調電流I2の波形は、それぞれ、図15A−15Cに示される波形と同様であった。 図17A及び17Bは、それぞれ、復調電流I31及び変換電流I32の波形を示す。

    図15Aと図17Aの比較から、発電機1aで発電された直流I11が、符号変復調を経て、負荷5aに伝送されたことが分かる。 図15Bと図17Bの比較から、発電機1bで発電された直流I12が、符号変調と所定の変換を経て、交流I32として負荷5bに伝送されたことが分かる。

    なお、本動作例において、符号復調器4bにおける一連のスイッチ動作は、変調符号M2で変調された変調電流を、その変調符号M2に基づいて生成された下記の変換符号Dcで変換する操作に相当する。

    変換符号Dcの第1半周期の符号系列は、上記の復調符号D2の第1半周期の符号系列と同じであり、変換符号Dcの第2半周期の符号系列は、上記の復調符号D2の第2半周期の符号系列の各ビットを正負反転させたものに相当する。 そのため、この変換符号Dcは、変調電流I2を符号復調して、さらに、その正負を反転させる操作を、一度の変換動作で実現させうる。 これにより、符号復調器4bは、変調電流I2から交流電流I32を生成することができる。

    以上により、電力伝送システム200は、複数の直流電力を、同時に、かつ、独立して伝送することができる。 加えて、伝送された変調電力を、所望の交流電力に変換することができる。

    [3−4. AC−DC変換を含む符号変復調]
    第4の動作例では、2つの交流が2つの符号変調電流に符号変調され、その後、一方の符号変調電流が所定の直流に変換され、他方の符号変調電流が符号復調された。

    本動作例において、符号変調器43aに入力される制御信号m1〜m4は、上記の表3に示される符号系列を有していた。 符号復調器4aに入力された制御信号d1〜d4は、上記の表4に示される符号系列を有していた。 符号変調器43bに入力される制御信号m1〜m4、並びに、符号復調器4bに入力された制御信号d1〜d4は、上記の表6に示される符号系列を有していた。

    入力電流I11A、入力電流I12A及び変調電流I2の波形は、それぞれ、図16A−16Cに示される波形と同様であった。 図18A及び18Bは、それぞれ、変換電流I31及び復調電流I32の波形を示す。

    図16Aと図18Aの比較から、発電機1aで発電された交流I11が、符号変調と所定の変換を経て、直流I31として負荷5aに伝送されたことが分かる。 図16Bと図18Bの比較から、発電機1bで発電された交流I12が、符号変復調を経て、負荷5bに伝送されたことが分かる。

    以上により、電力伝送システム200は、複数の交流電力を、同時に、かつ、独立して伝送することができる。 加えて、伝送された変調電力を、所望の直流電力に変換することができる。

    [3−5. 直流電力と交流電力の符号変復調]
    第5の動作例では、直流と交流が2つの符号変調電流に符号変調され、その後、2つの符号変調電流が直流と交流に符号復調された。

    本動作例において、符号変調器43aに入力される制御信号m1〜m4、並びに、符号復調器4aに入力された制御信号d1〜d4は、上記の表4に示される符号系列を有していた。 符号変調器43bに入力される制御信号m1〜m4、並びに、符号復調器4bに入力された制御信号d1〜d4は、上記の表6に示される符号系列を有していた。

    図19A−19Eは、それぞれ、入力電流I11A、入力電流I12A、変調電流I2、復調電流I31及び復調電流I32の波形を示す。

    図19Aと図19Dの比較から、発電機1aで発電された直流I11が、符号変復調を経て、負荷5aに伝送されたことが分かる。 図19Bと図19Eの比較から、発電機1bで発電された交流I12が、符号変復調を経て、負荷5bに伝送されたことが分かる。

    以上により、電力伝送システム200は、直流電力と交流電力を、同時に、かつ、独立して伝送することができる。

    [3−6. AC−DC変換を含む、直流電力と交流電力の符号変復調]
    第6の動作例では、直流と交流が2つの符号変調電流に符号変調され、その後、一方の符号変調電流が直流に符号復調され、他方の符号変調電流が所定の直流に変換された。

    本動作例において、符号変調器43aに入力される制御信号m1〜m4、並びに、符号復調器4aに入力された制御信号d1〜d4は、上記の表4に示される符号系列を有していた。 符号変調器43bに入力される制御信号m1〜m4は、上記の表6に示される符号系列を有していた。 符号復調器4bに入力された制御信号d1〜d4は、上記の表5に示される符号系列を有していた。

    入力電流I11A、入力電流I12A及び変調電流I2の波形は、それぞれ、図19A−19Cに示される波形と同様であった。 図20A及び20Bは、それぞれ、復調電流I31と変換電流I32の波形を示す。

    図19Aと図20Aの比較から、発電機1aで発電された直流I11が、符号変復調を経て、負荷5aに伝送されたことが分かる。 図19Bと図20Bの比較から、発電機1aで発電された交流I11が、符号変調と所定の変換を経て、直流I32として、負荷5bに伝送されたことが分かる。

    以上により、電力伝送システム200は、直流電力と交流電力を、同時に、かつ、独立して伝送することができる。 加えて、伝送された変調電力を、所望の直流電力に変換することができる。

    [3−7. 補足]
    なお、上記の種々の動作例において、変調電流I2の時間平均は0であった。 すなわち、変調電流I2は、直流成分を含まない交流であった。 そのため、高い伝送効率で電力伝送が実現されうる。

    複数の異なる電力が共通の伝送路3Bを介して伝送されるため、伝送路3Bを簡素化することができる。 例えば、伝送路3Bがケーブルである場合、ケーブルの本数を減らすことができる。

    複数の変調電力が合成されて同時に伝送されるため、例えば、複数系統の電力を時分割で伝送する方式に較べて、伝送時間を短縮できる。 また、符号変復調方式によれば、各電力は独立して伝送されるため、他の電力伝送に影響を与えることなく、電力伝送を行うことができる。

    符号変調器43a、43bのそれぞれは、任意の変調符号を用いて符号変調を実行することができる。 同様に、符号復調器4a、4bのそれぞれは、任意の復調符号を用いて符号復調を実行することができる。 あるいは、符号復調器4a、4bのそれぞれは、変調符号に基づく任意の変換符号を用いて所定の変換を実行することができる。 そのため、変調符号および復調符号の任意の組み合わせに応じて、符号変調器と符号復調器の間のペアリングを柔軟に変更することができる。 例えば、図13において、発電機1aから負荷5bへの電力伝送と、発電機1bから負荷5aへの電力伝送とが同時に実行されてもよい。 また、ペアリングのパターン数が増大しても、回路規模の大型化は抑制される。 そのため、小型化の装置で電力電送が実現されうる。

    (第2の実施形態)
    [1. 電力伝送システム]
    図21は、第2の実施形態に係る電力伝送システム300の構成例を示す。 図22は、図21に示される電力ルータ装置6Aの構成例を示す。 図21の電力伝送システム300は、図13の電力伝送システム200に対して、以下の点が異なる。
    (1)発電機1a、1bにそれぞれ接続された符号変調器2a、2bが設けられている。
    (2)発電電力を伝送する伝送路3Aの代わりに、符号変調電力を伝送する伝送路3Cが設けられている。
    (3)電力ルータ装置6の代わりに、電力ルータ装置6Aが設けられており、電力ルータ装置6Aは、符号復調器44a、44b及び電力合成器45をさらに備える。
    (4)コントローラ10Aの代わりに、コントローラ10Bが設けられており、コントローラ10Bは、符号変調器2a、2b、電力ルータ装置6A、及び符号復調器4a、4bの動作を制御する。

    図21において、電力伝送システム300は、発電機1a、1bと、符号変調器2a、2bと、伝送路3Cと、電力ルータ装置6Aと、伝送路3Bと、符号復調器4a、4bと、負荷5a、5bとを備える。 発電機1a、1bは、それぞれ、電力測定器1ma、1mbを備える。 負荷5a、5bは、それぞれ、電力測定器5ma、5mbを備える。

    電力測定器5maは、負荷5aで消費される電力量を測定して、その電力量の情報をコントローラ10Bに送る。 電力測定器5mbは、負荷5bで消費される電力量を測定して、その電力量の情報をコントローラ10Bに送る。

    コントローラ10Bは、それらの電力量の情報に基づいて、符号変調器2a、2b、電力ルータ装置6A、及び符号復調器4a、4bへの指示信号を生成する。 指示信号は、例えば、符号変調器2a、2bの動作と電力ルータ装置6A内の符号復調器44a、44bの動作とを同期させるための同期信号と、電力ルータ装置6内の符号変調器43a、43bの動作と符号復調器4a、4bの動作とを同期させるための同期信号を含む。 例えば、符号変調器2a、2bに送られる指示信号は、変調符号に関する符号情報を含み、電力ルータ装置6Aに送信される指示信号は、対応する復調符号に関する符号情報を含む。 例えば、電力ルータ装置6Aに送信される指示信号は、変調符号に関する符号情報をさらに含み、符号復調器4a、4bに送られる指示信号は、対応する復調符号に関する符号情報を含む。 電力ルータ装置6Aに送信される指示信号は、さらに、電力分配に関する情報を含んでいてもよい。 電力分配は、例えば、負荷5a、5bが要求する電力を反映して設定される。

    発電機1a及び発電機1bで発電された電力は、それぞれ、符号変調器2a、2bに入力される。 符号変調器2a、2bのそれぞれは、コントローラ10Bからの指示信号に基づいて、入力された電力を符号変調する。 2つの符号変調電力は合成され、伝送路3Cを介して電力ルータ装置6Aに伝送される。

    電力ルータ装置6Aは、コントローラ10Bからの指示信号に基づいて、(a)合成された符号変調電力を複数の符号復調電力に符号復調し、(b)それらの符号復調電力を合成し、(c)合成された電力を複数の分配電力に分配し、(d)複数の分配電力のそれぞれを符号変調電力に符号変調する。 複数の符号変調電力は合成され、伝送路3Bを介して符号復調器4a、4bに伝送される。

    符号復調器4aと4bのそれぞれは、コントローラ10Bからの指示信号に基づいて、符号変調電力を符号復調して、符号復調電力を生成する。

    負荷5a及び5bのぞれぞれは、対応する符号復調電力を受電する。

    [2. 電力ルータ装置]
    図22において、電力ルータ装置6Aは、制御回路40Aと、通信回路41と、符号復調器44a、44bと、電力合成器45と、電力分配器42と、符号変調器43a、43bとを備える。 符号復調器44a、44bは、それぞれ、電力測定器44ma、44mbを備える。

    符号復調器44aは符号変調器2aとペアリングしており、符号復調器44bは、符号変調器2bとペアリングしている。 符号変調器43aは、符号復調器4aとペアリングしており、符号変調器43bは、符号復調器4bとペアリングしている。

    通信回路41は、コントローラ10Bからの指示信号を受信し、制御回路40Aに出力する。

    制御回路40Aは、指示信号の符号情報に基づいて、第1の復調符号に応じた複数の制御信号を生成し、これらを符号復調器44aに出力する。 同様に、制御回路40Aは、指示信号の符号情報に基づいて、第2の復調符号に応じた複数の制御信号を生成し、これらを符号復調器44bに出力する。

    制御回路40Aは、指示信号の電力分配情報に基づいて、電力分配器42に電力の分配比を設定させる。

    制御回路40Aは、指示信号の符号情報に基づいて、第1の変調符号に応じた複数の制御信号を生成し、これらを符号変調器43aに出力する。 同様に、制御回路40Aは、指示信号の符号情報に基づいて、第2の変調符号に応じた複数の制御信号を生成し、これらを符号変調器43bに出力する。

    電力測定器44ma、44mbは、それぞれ、符号復調器44a、44bで生成された電力量を測定し、その情報を制御回路40Aに送る。 制御回路40Aは、その情報を通信回路41を介してコントローラ10Bに送信する。

    符号復調器44aは、端子T31を介して入力された符号変調電力を、第1の復調符号で符号復調して第1の符号復調電力を生成する。 符号復調器44bは、符号変調電力を、第2の復調符号で符号復調して第2の符号復調電力を生成する。 第1及び第2の符号復調電力は、電力合成器45に出力される。

    電力合成器45は、第1及び第2の符号復調電力を合成して合成電力を生成する。 合成電力は、電力分配器42に出力される。 電力分配器は、例えば、抵抗分配回路を有してもよいし、分配用のトランスを有してもよい。

    電力分配器42は、合成電力を、設定された分配比で第1の分配電力と第2の分配電力に分配する。 第1及び第2の分配電力は、それぞれ、符号変調器43a、43bに出力される。

    符号変調器43aは、第1の分配電力を第1の変調符号で符号変調して、第1の符号変調電力を生成する。 符号変調器43bは、第2の分配電力を第2の変調符号で符号変調して、第2の符号変調電力を生成する。 第1及び第2の符号変調電力は、合成され、端子T32を介して伝送路3B出力される。

    電力伝送システム300は、符号変復調を2回実行する。 符号変調器43a、43bによる符号変調動作、並びに、符号復調器4a、4bによる符号復調動作は、例えば、第1の実施形態で説明されたものと同じであるため、説明が省略される。 また、符号変調器2a、2bによる符号変調動作、並びに、符号復調器44a、44bによる符号復調動作は、制御信号が異なることを除き、符号変調器43a、43bによる符号変調動作、並びに、符号復調器4a、4bによる符号復調動作と同様であるため、省略される。

    以上により、電力伝送システム200は、発電機1a、1bから負荷5a、5bに高い効率で、かつ、電力の種類に応じて柔軟に、電力を伝送することができる。

    さらに、電力ルータ装置6Aが符号復調器44a、44bを備えるため、電力ルータ装置6A内で、発電機1a、1bから送電された電力量が個別かつ正確に把握されうる。 これにより、発電機毎の電力量の情報は、例えば、電力の売買に利用されてもよい。

    (第3の実施形態)
    [1. 電力ルータ装置]
    図23は第3の実施形態に係る電力伝送システムにおける電力ルータ装置6Bの構成例を示す。 図23の電力ルータ装置6Bは、図22の電力ルータ装置6Aに対して以下の点が異なる。
    (1)蓄電装置46が設けられている。 蓄電装置46は、例えば、電池及び/又はキャパシタを含む。
    (2)電力分配器42の代わりに、電力分配器42Aが設けられている。 電力分配器42Aは、符号変調器43a、43b及び蓄電装置46に電力を分配する。
    (3)制御回路40Aの代わりに、制御回路40Bが設けられている。 制御回路40Bは、符号復調器44a、44b、電力合成器45、電力分配器42A、蓄電装置46、符号変調器43a、43bを制御する。

    [2. 電力分配器]
    図24は、電力分配器42Aの構成例を示す。 図24において、電力分配器42Aは、電力分配回路51と、スイッチSW1〜SW4と、端子T41〜T47とを備える。

    端子T41は電力合成器45に接続され、端子T42は符号変調器43aに接続され、端子T43は符号変調器43bに接続されている。 端子T44〜47は、蓄電装置46に接続されている。

    電力分配回路51には、制御回路40Bから、電力の分配比を指定する制御信号ST51が入力される。 電力分配回路51は、端子T41を介して入力された電力を、指定された分配比に基づいて、第1の分配電力と第2の分配電力に分配する。 電力分配回路51は、例えば、抵抗分配回路を有してもよいし、分配用のトランスを有してもよい。

    スイッチSW1〜SW4には、制御回路40Bから、それぞれ、切り替え制御信号ST1〜ST4が入力される。

    スイッチSW1、SW2のそれぞれが接点a側に接続されるとき、第1の分配電力は、スイッチSW1、SW2及び端子T42を介して、符号変調器43aに出力される。 その結果、第1の分配電力は、蓄電装置46に供給されることなく、負荷5aに供給される。

    スイッチSW1が接点b側に接続され、かつ、スイッチSW2が接点a側に接続されるとき、第1の分配電力は、スイッチSW1及び端子T44を介して蓄電装置46に出力される。 その結果、第1の分配電力は、蓄電装置46に蓄電され、負荷5aに供給されない。

    スイッチSW1が接点b側に接続され、かつ、スイッチSW2が接点b側に接続されるとき、第1の分配電力は、スイッチSW1及び端子T44を介して蓄電装置46に出力され、その後、端子T46、スイッチSW2及び端子T42を介して、符号変調器43aに出力される。 その結果、第1の分配電力が負荷5aの消費電力よりも大きい場合には、第1の分配電力の一部が蓄電装置46に蓄電され、その残部が負荷5aに供給される。 あるいは、第1の分配電力が負荷5aの消費電力よりも小さい場合には、第1の分配電力と、蓄電装置46から放電された電力とが、負荷5aに供給される。

    スイッチSW3、SW4のそれぞれが接点a側に接続されるとき、第2の分配電力は、スイッチSW3、SW4及び端子T43を介して、符号変調器43bに出力される。 その結果、第2の分配電力は、蓄電装置46に供給されることなく、負荷5bに供給される。

    スイッチSW3が接点b側に接続され、かつ、スイッチSW4が接点a側に接続されるとき、第2の分配電力は、スイッチSW3及び端子T45を介して蓄電装置46に出力される。 その結果、第2の分配電力は、蓄電装置46に蓄電され、負荷5bに供給されない。

    スイッチSW3が接点b側に接続され、かつ、スイッチSW4が接点b側に接続されるとき、第2の分配電力は、スイッチSW3及び端子T45を介して蓄電装置46に出力され、その後、端子T47、スイッチSW4及び端子T43を介して、符号変調器43bに出力される。 その結果、第2の分配電力が負荷5bの消費電力よりも大きい場合には、第2の分配電力の一部が蓄電装置46に蓄電され、その残部が負荷5bに供給される。 あるいは、第2の分配電力が負荷5bの消費電力よりも小さい場合には、第2の分配電力と、蓄電装置46から放電された電力とが、負荷5bに供給される。

    電力ルータ装置6Bは、発電機1a、1bにより発電された電力の総和が、負荷5a、5bで消費される電力の総和よりも大きい場合には、余剰電力を蓄電装置46に蓄えることができる。 一方、電力ルータ装置6Bは、発電機1a、1bにより発電された電力の総和が、負荷5a、5bで消費される電力の総和よりも小さい場合には、不足電力を蓄電装置46からの放電電力で補うことができる。 その結果、電力ルータ装置6Bは、電力を効率的かつ安定して活用することができる。

    [3. 電力分配器の種々の変形例]
    [3−1. 第1の変形例]
    図25は、第1の変形例に係る電力分配器42Bの構成を示す。 図25の電力分配器42Bは、図24の電力分配器42Aに対して、端子T44、T45の代わりに電力合成回路52及び端子T48を備える点が異なる。

    電力合成回路52は、スイッチSW1の接点bと、スイッチSW3の接点bとに接続される。 電力合成回路52は、スイッチSW1、SW3から入力された電力を合成して、合成された電力を端子T48を介して蓄電装置46に出力する。 電力合成回路52は、例えば、抵抗合成器を有してもよい。 抵抗合成器は、例えば、分岐した2つの入力ポートと1つの出力ポートを有する。 この場合、第1の入力ポート及び出力ポート間の抵抗値と、第2の入力ポート及び出力ポート間の抵抗値との比に応じて、電力が合成されうる。 あるいは、入力電力が交流電力である場合、電力分配器は、合成用のトランスを有してもよい。 トランスは、例えば、2つの入力側コイルと、これらと結合する出力側コイルを有する。 この場合、第1の入力側コイル及び出力側コイルの結合係数と、第2の入力側コイル及び出力側コイルの結合係数との比に応じて、電力が合成されうる。
    直流及び交流の場合には、分岐されるポート間の抵抗比により電力を合成する抵抗合成器で構成しうる。 また、交流の場合にはトランスを用いて入力側のコイルと出力側のコイル間の結合比により電力を合成するトランス合成器、等で構成しうる。

    [3−2. 第2の変形例]
    図26は、第2の変形例に係る電力分配器42Cの構成を示す。 図26の電力分配器42Cは、図25の電力分配器42Bに対して、電力合成回路52の代わりに電力合成回路52Aを備える点が異なる。

    図26において、電力分配回路51は端子T41から入力された電力を3つに分配し、それらの1つを電力合成回路52Aに出力する。 電力合成回路52Aは、電力分配回路51からの電力と、スイッチSW1からの電力と、スイッチSW3からの電力とを合成して、合成された電力を端子T48を介して蓄電装置46に出力する。

    [3−3. 第3の変形例]
    図27は、第3の変形例に係る電力分配器42Dの構成を示す。 図27の電力分配器42Dは、スイッチSW5、SW6、電力分配回路53、及び端子T48、T49を備える。 電力分配回路53には、制御回路40Bから、電力の分配比を指定する制御信号ST53が入力される。 スイッチSW5〜SW6には、制御回路40Bから、それぞれ、切り替え制御信号ST5、ST6が入力される。

    スイッチSW5、SW6のそれぞれが接点a側に接続されるとき、端子T41に入力された電力は、スイッチSW5、SW6を介して電力分配回路53に入力され、電力分配回路53によって第1の分配電力及び第2の分配電力に分配される。 第1の分配電力は端子T42を介して符号変調器43aに出力され、第2の分配電力はT43を介して符号変調器43bに出力される。 その結果、入力された電力は、蓄電装置46に供給されることなく、負荷5a、5bに供給される。

    スイッチSW5が接点b側に接続され、かつ、スイッチSW6が接点a側に接続されるとき、端子T41に入力された電力は、スイッチSW5及び端子T48を介して蓄電装置46に出力される。 その結果、入力された電力は、蓄電装置46に蓄電され、負荷5a、5bに供給されない。

    スイッチSW5が接点b側に接続され、かつ、スイッチSW6が接点b側に接続されるとき、端子T41に入力された電力は、スイッチSW5及び端子T48を介して蓄電装置46に出力され、その後、端子T49、スイッチSW6を介して電力分配回路53に入力され、電力分配回路53によって第1の分配電力及び第2の分配電力に分配される。 第1の分配電力は端子T42を介して符号変調器43aに出力され、第2の分配電力はT43を介して符号変調器43bに出力される。 その結果、発電機1a、1bにより発電された電力の総和が、負荷5a、5bで消費される電力の総和よりも大きい場合には、発電された電力の一部が蓄電装置46に蓄電され、その残部が負荷5a、5bに供給される。 あるいは、発電された電力の総和が消費電力の総和よりも小さい場合には、発電された電力と、蓄電装置46から放電された電力とが、負荷5a、5bに供給される。

    [3−4. 第4の変形例]
    図28は、第4の変形例に係る電力分配器42Eの構成を示す。 図28の電力分配器42Eは、図27の電力分配器42Dの後段に図26の電力分配器42Cを組み合わせた構成を有する。 図28の電力分配器42Eは、電力合成回路52Aの代わりに、電力合成回路52Bを備える。

    スイッチSW6の出力端子は、電力分配回路51の入力端子に接続されている。

    電力合成回路52Bは、スイッチSW5からの電力と、電力分配回路51からの電力と、スイッチSW1からの電力と、スイッチSW3からの電力とを合成して、合成された電力を端子T48を介して蓄電装置46に出力する。

    (その他の実施形態)
    本開示は、上記の参考形態及び実施形態で説明された具体例に限定されない。 本開示技術は、これらの具体例に限定されず、それらの形態に対して、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った形態をも含む。 また、本開示は、複数の実施形態及び/又は参考形態が組み合わされた形態をも含む。

    以上の第1〜第3の実施形態において、電力伝送システムは、2つの発電機と2つの負荷を有するが、発電機の数及び負荷の数はこれに限られるものではない。 例えば、電力伝送システムは、1つの発電機と2つ以上の負荷を備えていてもよく、あるいは、3つの以上の発電機と3つ以上の負荷を備えていてもよい。

    第1及び第2の参考形態、並びに、第1の実施形態において、制御信号、変調符号、および復調符号のそれぞれの符号系列は、1以上の直交Gold系列から構成されているが、これに限定されない。 例えば、変調符号および復調符号は、他の直交符号であってもよい。 他の直交符号の例としては、m系列が挙げられる。

    第1及び第2の参考形態、並びに、第1の実施形態において、制御信号、変調符号、および復調符号のそれぞれの符号長は、7ビットまたは14ビットであったが、これに限定されない。 符号長が長いほど、より多くの直交符号が生成されうる。 また、符号長を長くすることで、複数の符号の間での相互相関が小さくなり、電力の分離がより正確に行える。

    第1の実施形態において、符号変調器および符号復調器は、それぞれ、図9及び10に示される回路であるものとして説明されたが、これらは、例えば、図7に示される回路であってもよい。 この場合、符号変調器及び符号復調器の回路構成が簡略化され、低コスト化及び装置の小型化が実現されうる。

    第1及び第2の参考形態、並びに、第1の実施形態において、電流が符号変復調される例が示されたが、電圧が符号変復調されてもよく、電流及び電圧が変復調されてもよい。

    第1の実施形態において、発電電流と入力電流とが等しい例が示されたが、これに限定されない。

    第2の参考形態において、双方向スイッチ回路が2つのスイッチを含む例が示されたが、双方向スイッチ回路は、例えば、単一の双方向スイッチで構成されていてもよい。

    第1及び第2の実施形態において、コントローラと電力ルータ装置内の制御回路とが共通化されていてもよい。 例えば、電力伝送システムにおいて、コントローラが省略され、電力ルータ装置内の通信回路が省略されてもよい。 この場合、電力ルータ装置内の制御回路が、各実施形態で説明されたコントローラの動作を、実行しうる。 これにより、システムの小型化、簡素化、コスト削減が実現されうる。

    (実施形態の概要)
    本開示の一態様に係る電力ルータ装置は、所定の電力を第1の分配電力と第2の分配電力とを含む複数の分配電力に分配する電力分配器と、前記第1の分配電力を第1の変調符号で符号変調して第1の符号変調電力を生成する第1の符号変調器と、前記第2の分配電力を第2の変調符号で符号変調して第2の符号変調電力を生成する第2の符号変調器と、を備える。 前記第1の符号変調電力は交流電力であり、前記第2の符号変調電力は交流電力である。

    例えば、前記第1の変調符号及び第2の変調符号の少なくとも一方は、直交符号を含んでもよい。

    例えば、前記第1の符号変調器は、複数の第1のスイッチを具備する第1の回路を含んでもよく、前記第1の符号変調器は、複数の第2のスイッチを具備する第2の回路を含んでもよい。

    例えば、前記第1の符号変調器は、4つの第1の双方向スイッチ回路がフルブリッジ接続された第1のHブリッジ回路を含んでもよく、前記第2の符号変調器は、4つの第2の双方向スイッチ回路がフルブリッジ接続された第2のHブリッジ回路を含んでもよい。

    例えば、前記第1の符号変調器は、前記複数の第1のスイッチをオンオフさせる複数の第1の制御信号を生成する第1の制御回路をさらに含んでもよく、前記第2の符号変調器は、前記複数の第2のスイッチをオンオフさせる複数の第2の制御信号を生成する第2の制御回路をさらに含んでもよい。 前記第1の回路は、前記複数の第1の制御信号に基づいて前記第1の分配電力を符号変調しでもよく、前記第2の回路は、前記複数の第2の制御信号に基づいて前記第2の分配電力を符号変調してもよい。

    例えば、前記第1の分配電力は、直流電力、又は、交流電力であってもよく、前記第2の分配電力は、直流電力、又は、交流電力であってもよい。

    例えば、前記電力ルータ装置は、第3の符号変調電力を第1の復調符号で符号復調して第1の符号復調電力を生成する第1の符号復調器と、第4の符号変調電力を第2の復調符号で符号復調して第2の符号復調電力を生成する第2の符号復調器と、前記第1の符号復調電力と前記第2の符号復調電力とを含む複数の符号復調電力を合成して、合成電力を生成する電力合成器と、をさらに備えてもよい。 前記所定の電力は前記合成電力であり、前記第3の符号変調電力は交流電力であり、前記第4の符号変調電力は交流電力である。

    例えば、前記第1の復調符号及び第2の復調符号の少なくとも一方は、直交符号を含んでもよい。

    例えば、前記第1の符号復調電力は、直流電力、又は、交流電力であってもよく、前記第2の符号復調電力は、直流電力、又は、交流電力であってもよい。

    例えば、前記電力ルータ装置は、前記複数の分配電力の少なくとも1つを蓄電する蓄電装置をさらに備えてもよい。

    本開示の一態様に係る電力伝送システムは、前記電力ルータ装置を備える。

    本開示に係る電力伝送システムは、例えば、太陽光発電、風力発電、水力発電等の発電機から鉄道、EV車両等へ電力を伝送されうる。

    1、1a、1b 発電機2、2a、2b、43a、43b 符号変調器3、3A、3B、3C 伝送路4、4a、4b、44a、44b 符号復調器5、5a、5b 負荷1m、1ma、1mb、5m、5ma、5mb、44ma、44mb 電力測定器6、6A、6B 電力ルータ装置10、10A、10B コントローラ20、30 制御IC
    21、31、41 通信回路22、32 ゲートドライバ23、23A、23B、33、33A、33B Hブリッジ回路25、35、25A、35A、40、40A、40B 制御回路42、42A、42B、42C、42D、42E 電力分配器45 電力合成器46 蓄電装置51、53 電力分配回路52、52A、52B 電力合成回路100、200、300 電力伝送システムd1〜d4 制御信号D1、Da、Db、D2 復調符号Di1〜Di4、Di11〜Di14、Di21〜Di24、Di31〜Di34 ダイオードI1、I11、I12 発電電流I11A、I12A 入力電流I2、I2a 変調電流I3、I31、I32 復調電流(又は変換電流)
    m1〜m4 制御信号M1、Ma、Mb、M2 変調符号S1〜S4、S11〜S14、S21〜S24、S31〜S34、S41〜S44、S51〜S54、S61〜S64、S71〜S74 スイッチSS1〜SS4、SS11〜SS14、SS21〜SS24、SS31〜SS34、SS21A〜SS24A、SS31A〜SS34A スイッチ回路SW1〜SW6 スイッチT1〜T4、T11〜T14、T21、T22、T31、T32、T41〜T49 端子

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