量子もつれ状態に対するハードウェア効率の高いシンドローム抽出方法

申请号 JP2016573884 申请日 2015-06-03 公开(公告)号 JP6294512B2 公开(公告)日 2018-03-14
申请人 アルカテル−ルーセント; 发明人 アシクミン,アレクセイ;
摘要
权利要求

量子安定化符号を用いて生成された符号化量子ビットもつれ状態を記憶するように構成されたレジスタ、 前記符号化量子ビットもつれ状態に対応するシンドローム値のセットの冗長測定を実行するように構成された測定回路であって、前記冗長測定がブロックエラー訂正符号に基づいて実行される、測定回路、 消去値のセットを生成するように構成された消去値生成器、及び 前記ブロックエラー訂正符号及び前記シンドローム値のセットの前記冗長測定を用いて前記符号化量子ビットもつれ状態に対応する高確度のシンドロームベクトルを特定するように構成され、さらに、測定されたシンドローム値を前記測定回路から受信するように構成されていない可変ノードのセットに、前記消去値生成器によって生成された前記消去値のセットを適用するように構成されたデコーダ、 を備えた、装置。前記デコーダによって特定された前記高確度のシンドロームベクトルに基づいて前記符号化量子ビットもつれ状態におけるエラーを訂正し、 前記高確度のシンドロームベクトルに基づいて、前記符号化量子ビットもつれ状態における可能性あるエラーに対応するエラー演算子を特定し、 前記可能性あるエラーを訂正するように、前記エラー演算子に基づいて前記符号化量子ビットもつれ状態を処理する、 ように構成された状態回復回路、及び 複数の符号化量子ビットもつれ状態を記憶するように構成された量子ビットアレイ、 をさらに備え、 選択された符号化量子ビットもつれ状態を前記量子ビットアレイから前記レジスタに転送し、 前記エラー演算子に基づいて前記選択された量子ビットもつれ状態を修正することに応じて、前記選択された符号化量子ビットもつれ状態を前記レジスタから前記量子ビットアレイに転送する、 ように構成された、請求項1に記載の装置。前記測定回路が、 前記レジスタに結合された第1のセットの測定モジュールであって、前記第1のセットにおける各測定モジュールが、第1のバイナリベクトルのそれぞれに基づいて前記符号化量子ビットもつれ状態に対応するそれぞれのシンドローム値を測定するように構成され、前記第1のバイナリベクトルの各々が前記量子安定化符号の生成器である、第1のセットの測定モジュール、及び 前記レジスタに結合された第2のセットの測定モジュールであって、前記第2のセットにおける各測定モジュールが、第2のバイナリベクトルのそれぞれに基づいて前記符号化量子ビットもつれ状態に対応するそれぞれのパリティ値を測定するように構成され、各パリティ値が、前記ブロックエラー訂正符号によって定義された前記量子安定化符号のシンドローム値のそれぞれのサブセットに関係する、第2のセットの測定モジュール、 を備えた、請求項1に記載の装置。前記第1のセットにおける前記測定モジュールの総数が、前記量子安定化符号の生成器の総数未満である、請求項3に記載の装置。前記第1のセット及び第2のセットにおける前記測定モジュールの合計総数が、前記ブロックエラー訂正符号のコードワード長未満である、請求項3に記載の装置。前記第1のセットにおける測定モジュールが、前記それぞれのシンドローム値を対数尤度比(LLR)値として生成するように構成されたそれぞれのソフト出検出器を備え、 前記第2のセットにおける測定モジュールが、前記それぞれのパリティ値をLLR値として生成するように構成されたそれぞれのソフト出力検出器を備える、請求項3に記載の装置。前記デコーダが、前記ブロックエラー訂正符号に対応するメッセージ通過復号アルゴリズムを実行することによって前記高確度のシンドロームベクトルを特定するように構成され、 前記デコーダが、前記消去値生成器によって生成された前記消去値のセットを用いて前記メッセージ通過復号アルゴリズムを初期化するように構成された、請求項1に記載の装置。前記デコーダが、前記高確度のシンドロームベクトルのパンクチャリングされたシンドロームビットに対する初期近似値として前記消去値生成器によって生成された前記消去値のセットを用いるように構成された、請求項1に記載の装置。前記デコーダが、前記消去値生成器によって生成された前記消去値のセットを用いて、前記符号化量子ビットもつれ状態に対応するコードワードの初期近似値を構成するように構成され、前記コードワードが前記ブロックエラー訂正符号のコードワードであり、 前記デコーダが、さらに、前記符号化量子ビットもつれ状態に対応する前記コードワードの前記初期近似値において、前記冗長測定中に前記測定回路によって生成されたLLR値を用いるように構成された、請求項1に記載の装置。メモリシステムに記憶された符号化量子ビットもつれ状態の忠実度の喪失を軽減する方法であって、 量子安定化符号を用いて生成された符号化量子ビットもつれ状態に対応するシンドローム値のセットの冗長測定を実行するステップであって、前記冗長測定が、ブロックエラー訂正符号に対応する測定回路を用いて実行される、ステップ、及び 前記ブロックエラー訂正符号及び前記シンドローム値のセットの前記冗長測定を用いて前記符号化量子ビットもつれ状態に対応する高確度のシンドロームベクトルを特定するステップ を備え、 前記特定するステップが、測定されたシンドローム値を前記測定回路から受信するように構成されていない可変ノードのセットに消去値のセットを適用するステップを備える、方法。

说明书全文

関連出願の相互参照 本願は、2014年6月18日出願の米国仮特許出願第62/013770号、発明の名称「HARDWARE−EFFICIENT SYNDROME EXTRACTION FOR ENTANGLED QUANTUM STATES」の優先権を主張し、その全体において参照としてここに取り込まれる。

本開示は、エラー訂正に関する。

本章は、開示のより深い理解の助けとなる態様を紹介する。したがって、本章の記載はこの観点で読まれるべきものであり、何が従来技術であるか、又は何が従来技術でないかについて自認するものとして理解されるべきではない。

量子メモリは、量子状態を記憶及び読出するように構成されたデバイスである。そのようなデバイスは、例えば、量子ドット、固体での貴金属イオン、ダイヤモンドにおける窒素−空孔中心、捕捉イオン、低光子計数の光パルス、分数量子ホール液、又は他の任意の適切な量子機械系に基づくことがある。ある用途は、比較的長時間にわたって充分に高い忠実度の量子状態を量子メモリによって記憶する。しかし、量子状態又は量子状態の全体としては、例えば、量子ゲートデバイスにおけるデコヒーレンス及び/又は処理に起因して、比較的高い割合で忠実度が喪失し得る。

量子安定化符号を用いて1以上の符号化量子ビットもつれ状態をそこに記憶し、読み出すように構成された量子ビットアレイを備えたメモリシステムの種々の実施形態がここに開示される。量子メモリシステムは、エラーがそこで検出された場合に量子ビットアレイにおいて量子ビットもつれ状態を変化させるように構成された量子状態リフレッシュモジュールをさらに備える。量子状態リフレッシュモジュールは、量子安定化符号に対応するシンドローム値のセットの冗長測定を実行することによって、試験下での量子ビットもつれ状態におけるエラーを検出するように構成され、冗長測定はブロックエラー訂正符号に基づいている。例示の実施形態では、量子状態リフレッシュモジュールは、各々が試験下での量子ビットもつれ状態に対応するそれぞれのシンドローム値又はそれぞれのパリティ値を測定するように構成された複数の測定サブモジュールを含む。測定サブモジュールの総数はブロックエラー訂正符号のコードワード長未満であり、測定サブモジュールによって測定されないシンドローム値の初期近似値は復号処理において消去値のセットに置換される。ブロックエラー訂正符号が消去値の使用に対して適切に構築されていれば、量子状態リフレッシュモジュールは、信頼性のあるエラー検出を、コードワードの全長測定に使用されるものよりも少ない量子ゲートで好適に提供することができる。

一実施形態によると、量子安定化符号を用いて生成された符号化量子ビットもつれ状態を記憶するように構成されたレジスタ;符号化量子ビットもつれ状態に対応するシンドローム値のセットの冗長測定を実行するように構成された測定回路であって、冗長測定がブロックエラー訂正符号に基づいて実行される、測定回路;消去値のセットを生成するように構成された消去値生成器;並びにブロックエラー訂正符号及びシンドローム値のセットの冗長測定を用いて符号化量子ビットもつれ状態に対応する高確度のシンドロームベクトルを特定するように構成され、さらに、測定されたシンドローム値を測定回路から受信するように構成されていない可変ノードのセットに、消去値生成器によって生成された消去値のセットを適用するように構成されたデコーダを備えた装置が提供される。

他の実施形態によると、メモリシステムに記憶された符号化量子ビットもつれ状態の忠実度の喪失を軽減する方法が提供され、その方法は、量子安定化符号を用いて生成された符号化量子ビットもつれ状態に対応するシンドローム値のセットの冗長測定を実行するステップであって、冗長測定が、ブロックエラー訂正符号に対応する測定回路を用いて実行される、ステップ;並びにブロックエラー訂正符号及びシンドローム値のセットの冗長測定を用いて符号化量子ビットもつれ状態に対応する高確度のシンドロームベクトルを特定するステップを備える。特定するステップは、測定されたシンドローム値を測定回路から受信するように構成されていない可変ノードのセットに消去値のセットを適用するステップを備える。

開示される種々の実施形態の他の態様、特徴及び利点は、例示として、以下の詳細な説明及び添付図面から、より完全に明らかとなる。

図1は、開示の実施形態によるメモリシステムのブロック図を示す。

図2Aは、開示の実施形態による、図1のメモリシステムで使用可能なシンドローム測定回路のブロック図を示す。

図2Bは、開示の実施形態による、図1のメモリシステムで使用可能なシンドローム測定回路のブロック図を示す。

図2Cは、開示の実施形態による、図1のメモリシステムで使用可能なシンドローム測定回路のブロック図を示す。

図3は、開示の実施形態による、図1のメモリシステムで使用可能なメッセージ通過復号アルゴリズムに対応する2部グラフを示す。

図4は、開示の実施形態による、図1のメモリシステムで使用可能な復号方法のフローチャートを示す。

Alexei Ashikhminによる2013年7月6日出願の特許出願第13/912654号、発明の名称「ERROR CORRECTION FOR ENTANGLED QUANTUM STATES」が、その全体において参照としてここに取り込まれる。

図1に、開示の実施形態によるメモリシステム100のブロック図を示す。メモリシステム100は、1以上の量子状態をそこに記憶するように構成された量子ビットアレイ110を備える。量子状態は、入/出力(I/O)インターフェース120を介して量子ビットアレイ110に書き込まれ、そして読み出されることができる。メモリシステム100は、量子ビットアレイ110に記憶された量子状態がエラーを蓄積してしまうことを効果的に防止することにより、メモリシステム100が比較的長時間にわたって比較的高い忠実度で量子状態を記憶することを可能とするように動作する量子ビット状態リフレッシュ(QSR)モジュール130をさらに備える。

ここで使用される用語「量子ビット」とは、2状態量子機械系からなるメモリ要素又はセルのことをいう。適切な2状態量子機械系の例として、これらに限定されないが、(i)1/2のスピンを有する粒子の2スピン状態、(ii)原子の基底及び励起状態、(iii)単一の光子の2極性状態、及び(iv)FQHE(分数量子ホール効果)液滴のエッジ状態がある。量子ビットアレイ110を実施するのに使用され得る量子ビットの種々の追加実施形態が、例えば、米国特許第7732804号及び米国特許出願公開第2004/0000666号及び2013/0107617号に開示され、そのすべてがそれらの全体において参照としてここに取り込まれる。

その量子ビットの状態が測定され得る2状態を基本状態という。量子ビット非もつれ状態は、基本状態の線形重畳である。マルチ量子ビット状態は、それがもつれを呈するように形成され得る点で、従来的なマルチビット状態とは異なる。量子ビットもつれ状態は、単一量子ビットの基本状態の単純な積に分解することができず、単一量子ビットの基本状態の異なる積の線形合成又は重畳として表現され得る。QSRモジュール130は、例えば以下にさらに詳述するように、マルチ量子ビット状態のもつれの性質を用いて、量子ビットアレイ110がそこに量子ビット状態におけるエラーを蓄積してしまうことを効果的に防止するように構成される。

いくつかの実施形態によると、量子ビットアレイ110に記憶される各量子ビットもつれ状態は、量子安定化符号Qを用いて符号化される。長さn及び次元kの量子安定化符号Qは、D=2nとして、複素空間SDにおける次元2kの線形サブ空間において動作する。量子安定化符号Qの一つの表現は、基数|G|=2rのグループGである(ただし、r=n−k)。グループはr個の生成器を有し、各生成器は2nビットのバイナリベクトルg=(g1、g2、・・・、g2n−1、g2n)である。ここで、そのようなバイナリベクトルの2nビットは、n対のビットにグループ化される。グループGからの任意の2つのベクトルgは、以下の制約を充足する。 g、g´∈Gの場合、g*g´=0 なお、「*」の記号はバイナリベクトルg及びg´のシンプレクティック内積を示し、これは対応するビット対であるベクトルg及びg´を混合する。例えば、以下の4個のバイナリベクトルは、長さn=5及び次元k=1の量子安定化符号Qを表すことができる。 g1=(10 01 01 10 00) g2=(10 00 10 01 01) g3=(00 10 01 01 10) g4=(01 10 00 10 01) (1)

wt(g)で示されるベクトルgの重みは、ゼロでないビット対g2t−1及びg2tの個数である。なお、t=1、・・・、nである。特に、そのようなビット対(g2t−1,g2t)は、g2t−1及びg2tの少なくとも一方がゼロでない限り、ゼロとはならない。式(2)は、wt(g)についての対応する数式: wt(g)=|{g2t−1、g2t≠(0,0)、t=1、・・・、n}| (2) を与える。なお、|x|は、セットxの基数を示す。例えば、式(1)によって定義されるベクトルg1の重みは、g1における5個のビット対のうちの1つのみが00であるため、4(すなわち、wt(g1)=4)となる。

ベクトルgは、その重みwt(g)がベクトル長nと比べて小さい(例えば、10%未満)である場合には「疎らな」ベクトルといわれる。例えば、ベクトルg=(00 00 00 00 00 00 00 11 00 00 00 00 00 00 00 00 00 01 00 00 00 00 00 00 00 00 00 01 00 00 00 00 00 00)は、その重みwt(g)(=3)がその長さn(=33)よりも充分に小さいため、疎らである。グループGがr個の疎なベクトルg1、g2、・・・grからなる場合には、グループGは量子LDPC(低密度パリティチェック)符号を表す。ある実施形態では、メモリシステム100は、量子LDPC符号を用いて生成された量子もつれ状態を記憶し、読み出し、書き込むように構成される。

動作において、QSRモジュール130は、量子ビットアレイ110に記憶された異なる量子もつれ状態の処理をシリアルに行うように構成される。異なる量子もつれ状態に対応する量子ビットのセットは、例えばラウンドロビンシーケンスで、予め設定されたスケジュールに基づいて1セットを一時に、QSRモジュール130に転送されることになる。QSRモジュール130はさらに、例えば以下にさらに詳述するように、量子ビットの各受信セットがエラー訂正処理を受けるように構成される。

例示の実施形態では、QSRモジュール130におけるエラー訂正処理は、(i)量子もつれ状態に対応する量子ビットの受信セットがエラーを有するか否かを判定するステップ、及び(ii)エラーが検出された場合には、検出エラーを訂正するように量子ビット状態を変化させるステップを含む。そして、変化後のおそらくはエラーのない量子もつれ状態となっている量子ビットのセットは、量子ビットアレイ110に転送して戻される。QSRモジュール130が量子ビット状態にエラーを検出しない場合には、対応する量子もつれ状態にはエラーがないと推定され、量子ビットのセットは、その量子ビット状態に対して変化することなく、量子ビットアレイ110に転送して戻されることになる。

例示の実施形態では、QSRモジュール130は、図1に示すように相互接続された量子ビットバッファ134、エラー検出回路138及び量子状態回復回路148を備える。量子ビットバッファ134は、対応するエラー訂正処理の継続期間にわたって受信量子ビットを保持するように構成された1以上の量子ビットレジスタを備える。エラー検出回路138は、エラー訂正処理の上記ステップ(i)を実施するように構成される。量子状態回復回路148は、量子ビットバッファ134における量子もつれ状態において作用してエラー訂正処理の上記ステップ(ii)を実施するように構成される。

例示の実施形態では、エラー検出回路138は、図1に示すようにQSRモジュール130において他の回路と相互に結合されたシンドローム測定回路140、消去値生成器142及び復号器144を含む。

シンドローム測定回路140は、量子ビットバッファ134における符号化量子もつれ状態において、シンドローム値のセットの冗長測定を実行するように構成された量子回路である。測定下の符号化量子もつれ状態は、量子安定化符号Qを用いて最初に生成されている。シンドローム測定回路140によって実行された冗長測定の結果は、Lをr未満の正の整数として、N−L個のバイナリ値からなるバイナリベクトルvsubである。ベクトルvsubは、N個のバイナリ値からなるバイナリベクトルv=(s1、・・・、sr、p1、・・・、pN−r)のサブベクトルである。ベクトルvは、以下の構造を有する:(i)ベクトルvにおける最初のr個のバイナリ値(s1、・・・、sr)は、量子安定化符号Qに対応するシンドロームビットであり、(ii)ベクトルvにおける次のN−r個のバイナリ値(p1、・・・、pN−r)は、シンドロームビットの測定において起こり得るエラーに対する保護として使用され得るパリティビットである。エラーがない場合、量子安定化符号Qを用いて生成された各符号化量子もつれ状態について、対応するバイナリベクトルvは、量子安定化符号Qとの関係で用いられるブロックエラー訂正符号Cのコードワードである。例示の実施形態では、ブロックエラー訂正符号Cは、r/Nのレートを有する。ブロックエラー訂正符号Cの具体例を、以下に式(3)〜(5)を参照してより詳細に説明する。

上記のように、ベクトルvsubは、より少ないバイナリ値を含むことにおいて、ベクトルvと異なる。結果として、シンドローム測定回路140は、ベクトルvを測定するように構成されたシンドローム測定回路よりも少ない量子ゲートを用いて実装され、その例は、上記で引用した米国特許出願第13/912654号に開示されている。特に、例示の実施形態では、シンドローム測定回路140は、シンドロームビット(s1、・・・、sr)の全セットを表すr個のバイナリ値の代わりに、シンドロームビット(s1、・・・、sr)の全セットのうちの部分集合を表すr−L個のバイナリ値を生成するように構成される。これらのr−L個のバイナリ値は、ベクトルvsubの最初のr−L成分である。ベクトルvsubにおける次のN−r個のバイナリ値は、パリティビット(p1、・・・、pN−r)を表し、ベクトルvにおけるものと同じである。

デコーダ144は、ブロックエラー訂正符号Cに応じて測定ベクトルvsubを処理して、測定ベクトルvsubに対応する最確有効コードワードを特定するように構成される。なお、その例示の実施形態においてデコーダ144で使用されるメッセージ通過復号アルゴリズムは、従来的には最初の入力としてN個のバイナリ値を受信する。これらN個のバイナリ値は、通常は、ブロックエラー訂正符号Cに対応する2部グラフの可変ノードを初期化するのに使用される。しかし、シンドローム測定回路140によってデコーダ144に供給される測定ベクトルvsubは、N−L個のバイナリ値しか有さない。消去値生成器142は、L個の「消去値」という追加バイナリ値を生成し、これらL個の追加バイナリ値をデコーダ144に供給して測定ベクトルvsubを補完するように動作する。デコーダ144は、シンドローム測定回路140から受信されたベクトルvsubのN−L個のバイナリ値及び消去値生成器142から受信されたL個の値を用いて、例えば図3を参照して以下にさらに説明するように、ブロックエラー訂正符号Cに対応する2部グラフの可変ノードを初期化する。

デコーダ144は、シンドローム測定回路140及び消去値生成器142からN個のバイナリ値を受信した後に、これらN個のバイナリ値をブロックエラー訂正符号Cに応じて処理し、受信入力に対応する最確有効コードワードを特定するように構成される。開示の実施形態によるそのような処理の代表例を、以下に図3及び4を参照してより詳細に説明する。種々の代替実施形態によるそのような処理の更なる例は、2013年7月6日出願のAlexei Ashikhminによる米国特許出願第13/912876号、発明の名称「SYNDROME OF DEGRADED QUANTUM REDUNDANCY CODED STATES」に開示され、その全体において参照としてここに取り込まれる。そのような処理の後に、デコーダ144は、N−rパリティビットを除去することによって、特定された最確コードワードを切り捨て、シンドロームビットs1、・・・、srの残りのr個の最確値を量子状態回復回路148に通過させる。

量子状態回復回路148は、デコーダ144から受信されたシンドローム値s1、・・・、srを用いて、量子ビットバッファ134に記憶された量子もつれ状態におけるエラー(存在する場合)を訂正する。より具体的には、デコーダ144から受信されたシンドローム値s1、・・・、srがすべてゼロである場合には、量子ビットバッファ134における量子もつれ状態にはエラーがないと推定され、それに対して量子状態回復回路148によるエラー訂正は行われない。一方、デコーダ144から受信されたシンドローム値s1、・・・、srのいずれかがゼロでない場合には、量子ビットバッファ134における量子もつれ状態はエラーを有するものと推定される。この場合、量子状態回復回路148は、デコーダ144から受信されたシンドローム値s1、・・・、srを用いて、これらのシンドローム値を返した量子もつれ状態となるように対応の元の量子もつれ状態を変化させた最確エラー演算子Eを特定する。Frank Gaitanの著書「Quantum Error Correction and Fault Tolerant Quantum Computing」、Taylor&Francis、2008年は、開示の実施形態による量子状態回復回路148における上記特定のために使用され得る適切なアルゴリズムを開示する。このFrank Gaitanの著書は、その全体において参照としてここに取り込まれる。代替の実施形態では、量子安定化符号Qのシンドローム値s1、・・・、srに基づくエラー演算子Eの特定に適した他のアルゴリズムが使用されてもよい。

一実施形態では、エラー演算子Eは、正方複素値行列として表され得る。エラー演算子Eに対応するエラーを訂正するために、量子状態回復回路148は、まず、例えば適切な従来的な行列反転アルゴリズムを用いて、エラー演算子Eの逆数を探すように構成される。結果として得られた反転行列は、E−1で示される。量子状態回復回路148は、その後、E−1に基づいて、エラー演算子Eによってもたらされるエラーを訂正するように量子ビットバッファ134に保持された量子もつれ状態を変化させる刺激を生成するように構成される。エラー訂正が適切に実行された場合には、量子ビットバッファ134における訂正された量子もつれ状態は、全ゼロのシンドロームセットs1、・・・、srを最も高い確度で有することになる。

説明の便宜上、そしていかなる限定も意味することなく、いくつかの実施形態の以降の説明が、以下の生成器行列G(C):

を有するブロックエラー訂正符号Cの例を参照して与えられる。このブロックエラー訂正符号は、r=4及びN=12の符号例である。このブロックエラー訂正符号Cに対応するシンドローム測定回路140の例示の実施形態はL=2について設計され、ベクトルvsub=(s1、s3、p1、・・・、p8)を生成するように構成され得る(図2Aも参照)。比較のため、対応する全長ベクトルvがv=(s1、s2、s3、s4、p1、・・・、p8)として表される。このように、シンドローム値s2及びs4は、ベクトルvsubに存在しない。理論的には、ベクトルvsub=(s1、s3、p1、・・・、p8)はベクトルv=(s1、s2、s3、s4、p1、・・・、p8)を(L=2であるので)適切に選択された2か所でパンクチャリングすることによって生成されたものと考えることができる。したがって、シンドローム値s2及びs4を「パンクチャリングされた」シンドローム値ということができる。以降の説明から明らかとなるように、シンドローム測定回路140の回路構造は、シンドロームビット(s1、・・・、sr)の全セットのうちのどこがパンクチャリングされ、シンドローム測定回路において測定されないのかを特定する。

なお、式(3)によって与えられるように、生成器行列G(C)は、G(C)=[I4|P]の形式となる。なお、I4は4×4のアイデンティティ行列であり、Pはブロックエラー訂正符号Cに対応するr×(N−r)バイナリ行列である。以降において、行列Pをパリティビット生成器サブ行列という。生成器行列G(C)のこの形式に対応するパリティチェック行列H(C)は、H(C)=[PT|IN−r]の形式となる。なお、IN−rは(N−r)×(N−r)のアイデンティティ行列であり、PTはPの転置行列である。式(3)によって与えられる生成器行列G(C)に対応するパリティチェック行列H(C)は、式(4):

によって与えられる。このパリティチェック行列H(C)によって、シンドローム測定回路140によって生成されたベクトルvsubのパリティビットp1、・・・、p8はシンドロームビットs1、s2、s3、s4と以下の関係: p1=s1+s3 p2=s2+s3 p3=s1+s2 p4=s1+s2+s4 p5=s1+s3+s4 p6=s3+s4 p7=s1+s2+s3+s4 p8=s2+s4 (5) を有することになる。なお、式(5)におけるすべての加算は、モジュロ2で実行される。

図2A〜2Cに、開示の実施形態によるシンドローム測定回路140(図1)として使用可能なシンドローム測定回路200のブロック図を示す。より具体的には、図2Aは、シンドローム測定回路200の全体ブロック図を示す。図2Bは、シンドロームビットs1の値を測定するように構成された、回路200におけるモジュール2101のブロック図を示す。図2Cは、パリティビットp1の値を測定するように構成された、回路200におけるモジュール2103のブロック図を示す。図2B及び2Cに示すブロック図及び以下で行う対応の説明に基づいて、当業者は、回路200における残りの8個のモジュール210の各々に対するブロック図を構成できるはずである。シンドローム測定回路200は、式(3)によって与えられる生成器行列G(C)を有するブロックエラー訂正符号Cに応じて測定を実行するように設計される。

図2Aを参照すると、シンドローム測定回路200は、量子ビットq1〜q5において符号化される量子もつれ状態に対してシンドローム測定を実行するように構成される。この測定は、ベクトルvsub=(s1、s3、p1、・・・、p8)を生成することによって実行される。ベクトルvsubの各成分は、測定モジュール2101〜21010の対応のものによって生成され、測定モジュール2101及び2102はそれぞれベクトル成分s1及びs3を生成するように構成され、測定モジュール2103〜21010はそれぞれベクトル成分p1〜p8を生成するように構成される。シンドローム測定回路200はs2又はs4の値を測定するように構成された測定モジュール210を有さないため、シンドロームビットs2及びs4はパンクチャリングされたビットである。

測定モジュール2101及び2102は、量子ビットq1〜q5の量子もつれ状態のそれぞれの測定を実行することによって、シンドローム値s1及びs3を生成するように構成され、測定は量子安定化符号Qを表すバイナリベクトルgのそれぞれに基づく。図2A〜2Cに示す実施形態について、これらのバイナリベクトルは、式(1)によって与えられたベクトルg1〜g4である。測定モジュール2101は、バイナリベクトルg1に基づいて量子ビットq1〜q5の量子もつれ状態の測定を実行するように構成される。測定モジュール2102も、バイナリベクトルg3に基づいて量子ビットq1〜q5の量子もつれ状態の測定を実行するように同様に構成される。

測定モジュール2103〜21010の各々は、量子ビットq1〜q5の量子もつれ状態の測定を実行することによって、パリティ値p1〜p8のそれぞれを生成するように構成され、測定はバイナリベクトルf1〜f8のそれぞれに基づく。バイナリベクトルf1〜f8は、量子安定化符号Qを表すバイナリベクトルgの対応する線形合成としてブロックエラー訂正符号Cにおいて実施されるパリティチェックに基づいて生成される。例えば、式(3)によって与えられる生成器行列G(C)を有するブロックエラー訂正符号Cに対して、バイナリベクトf1〜f8は、以下の式(6): f1=g1+g3 f2=g2+g3 f3=g1+g2 f4=g1+g2+g4 f5=g1+g3+g4 f6=g3+g4 f7=g1+g2+g3+g4 f8=g2+g4 (6) によって表される。また、式(5)と(6)の間の類似性も注記される。

図2Bは、開示の実施形態による測定モジュール2101のブロック図を示す。測定モジュール2101は、ベクトルvsubのシンドローム値を生成するように構成された測定モジュールの例である。より具体的には、測定モジュール2101は、上記量子安定化符号Qのバイナリベクトルg1=(10 01 01 10 00)(式(1)参照)によって定義される結合に基づいて補助系量子ビットの基準状態に量子ビットq1〜q5の量子もつれ状態を結合することによって形成された状態を測定するように構成される。補助系量子ビットは、当技術分野では周知であるように、予め選択された特定の量子状態において準備された基準量子ビットである。

測定モジュール2101は、すべて図2Bに示すように配置された4個の量子アダマールゲートH又は

、4個の量子CNOTゲート

及び4個の量子測定ゲートMを備える。当業者であれば、量子アダマールゲート、量子CNOTゲート及び量子測定ゲートは、量子回路の構築において従来的に使用される一般的な量子ゲートのセットからの基本量子ゲートであることを認識するはずである。そのような基本量子ゲートの説明は、例えば(i)A.Barenco他、「Elementary Gates for Quantum Computation」、Physical Review A、1995、v.52、pp.3457−3467、(ii)Goong Chen他の著書「QUANTUM COMPUTING DEVICES: PRINCIPLES,DESIGNS,AND ANALYSIS」、CRC Press、2007年、及び(iii)M.Nielsen及びI.Chuangの著書「Quantum Computation and Quantum Information」、Cambridge University Press、2000年においてみることができ、そのすべてはその全体において参照によってここに取り込まれる。量子アダマールゲート及び量子CNOTゲートの更なる説明は、例えば、上記引用のFrank Gaitanの著書及び上記引用のAlexei Ashikhminによる米国特許出願第13/912876号においてみることができる。

g1における第1のビット対は10である。したがって、測定モジュール2101は、アダマールゲート及びCNOTゲートを介して量子ビットq1及び補助系量子ビットを結合するように構成される。g1における第2のビット対は01である。したがって、測定モジュール2101はCNOTゲートを介して量子ビットq2及び補助系量子ビットを結合するように構成されるが、アダマールゲートは使用されない。g1における第3のビット対は01である。したがって、測定モジュール2101は量子ビットq2と同様に、量子ビットq3及び補助系量子ビットを結合するように構成される。g1における第4のビット対は01である。したがって、測定モジュール2101は量子ビットq1と同様に、量子ビットq4及び補助系量子ビットを結合するように構成される。g1における第5のビット対は00である。したがって、測定モジュール2101は量子ビットq5及び補助系量子ビットを結合しない。

測定モジュール2101における各量子測定ゲートMは、(i)(図2Bにおいてゲートの左側に位置する)その入力ポートに印加された量子ビット状態を測定し、(ii)その測定値に基づいて、対応する電気出力信号208i(i=1、2、3、4)を(図2Bにおいてゲートの右側に位置する)その出力ポートで生成するように構成される。そして、各量子測定ゲートMは、電気出力信号2081〜2084を受信するように接続されたパリティ論理回路212に電気出力信号208iを印加する。

一実施形態では、パリティ論理回路212は、信号2081〜2084の各々をスライスすることによってそれらの各々をそれぞれのバイナリ値(0又は1)に変換するように構成される。パリティ論理回路212はさらに、(i)信号2081〜2084から生成されるゼロの数が偶数の場合にはバイナリ「0」を、(ii)信号2081〜2084から生成されるゼロの数が奇数の場合にはバイナリ「1」を出力するように構成される。これにより、パリティ論理回路212の後者の機能は、従来の4入力排他OR(XOR)ゲートのものと同じとなる。

代替の実施形態では、パリティ論理回路212は、(図2Bには明記されていない)ソフト出力検出器を含む。より具体的には、本実施形態では、パリティ論理回路212は、シンドロームビットs1について信号2081〜2084を「ハードな」バイナリ値(0又は1)に変換する代わりに、ソフト出力検出器を用いて信号2081〜2084を、シンドロームビットs1を表す対数尤度比(LLR)値に変換する。例示の実施形態では、LLR値は、(i)シンドロームビットs1のハード値に関する検出器の最良推定を表す符号ビット及び(ii)ハード値における検出器の信頼度を表す1以上の振幅ビットを備える。例えば、パリティ論理回路212は、5ビットLLR値を出力するように構成されていればよく、最上位ビットは符号ビットであり、最下位4ビットは信頼度ビットである。例示として、限定ではなく、5ビットLLR値00000は最小信頼度のハード値0を示し、5ビットLLR値01111は最大信頼度のハード値0を示す。信頼度ビットの(例えば、0000と1111の間の)中間値は、中間の信頼度レベルを表す。同様に、5ビットLLR値10001は最小信頼度のハード値1を示し、5ビットLLR値11111は最大信頼度のハード決定値1を示す。なお、バイナリ値10000は、通常は使用されない。他のビット数及び他の信頼度レベルの表示が、代替的に同様に使用されてもよい。

一実施形態では、パリティ論理回路212のソフト出力検出器は、各々が信号2081〜2084のそれぞれに基づく4個の中間LLR値を生成するように構成される。そして、パリティ論理回路212は、例えば、ソフト入力/ソフト出力(SISO)XORゲートを用いてこれら4個の中間LLE値を処理することによってシンドロームビットs1を表す対応のLLR値に変換する。

一般に、パリティ論理回路212においてソフト出力検出器によって生成された中間LLR値は、対応する量子ビット測定経路における量子ゲートのタイプ及び個数に依存する。例えば、量子ビットq1についての量子ビット測定経路は、3個の量子ゲート、すなわち、量子アダマールゲートH、量子CNOTゲート

及び量子測定ゲートMを含む。結果として、量子ビットq1に対応する誤った測定の対応の確率(Perr(q1))は、q1測定経路内の3個の個々の量子ゲートにおけるエラーの確率を用いて、例えば、以下のように表現可能である。 Perr(q1)≒1−(1−pH)×(1−pCONT)×(1−pM) (7) なお、pH、pCONT及びpMは、それぞれ、q1測定経路における量子アダマールゲートH、量子CNOTゲート

及び量子測定ゲートMのエラーの確率である。一実施形態では、パリティ論理回路212におけるソフト出力検出器は、当技術分野では周知のように、このエラーの確率を信号2081に対応するLLR値の信頼度ビットに変換するように構成されてもよい。

他の例として、量子ビットq2についての量子ビット測定経路は、2つの量子ゲート、すなわち、量子CNOTゲート

及び量子測定ゲートMを含む。結果として、量子ビットq2に対応する誤った測定の対応の確率(Perr(q2))は、これら2個の個々の量子ゲートにおけるエラーの確率を用いて表現可能である。パリティ論理回路212におけるソフト出力検出器は、この特定のエラーの確率を信号2082に対応するLLR値の信頼度ビットに変換するように構成され得る。

式(8)は、測定モジュール2101がシンドロームビットs1の誤ったハード値を生成する確率(Perr(g1))についての近似表現を与える。 Perr(g1)≒1−(1−pqg)3wt(g1) (8) なお、pqgは測定モジュール2101における(任意のタイプの)個々の量子ゲートでのエラーの平均確率であり、wt(g1)はバイナリベクトルg1の重み、すなわち、測定モジュール2101において実行される測定に対応する上記量子安定化符号Qのバイナリベクトルである。一実施形態では、パリティ論理回路212は、SISO XORゲートにおける中間LLR値の上記処理に基づくのではなく、Eq(8)に基づいてシンドロームビットs1を表すLLR値の信頼度ビットを生成するように構成されてもよい。

図2Cは、開示の実施形態による測定モジュール2103のブロック図を示す。測定モジュール2103は、ベクトルvsubについてのパリティビット値を生成するように構成された測定モジュールの例である。より具体的には、測定モジュール2103は、バイナリベクトルf1=(10 11 00 11 10)(式(6)参照)によって定義される結合に基づいて、量子ビットq1〜q5の量子もつれ状態を補助系量子ビットの基準状態に結合することによって形成された状態を測定するように構成される。

f1における第1のビット対は10である。したがって、測定モジュール2103は、アダマールゲート及びCNOTゲートを介して量子ビットq1及び補助系量子ビットを結合するように構成される。f1における第2のビット対は11である。したがって、測定モジュール2103は、アダマールゲート

及びCNOTゲートを介して量子ビットq2及び補助系量子ビットを結合するように構成される。f1における第3のビット対は00である。したがって、測定モジュール2103は、量子ビットq3及び補助系量子ビットを結合しない。f1における第4のビット対は11である。したがって、測定モジュール2103は、量子ビットq2と同様に、量子ビットq4及び補助系量子ビットを結合するように構成される。f1における第5のビット対は10である。したがって、測定モジュール2103は、量子ビットq1と同様に、量子ビットq5及び補助系量子ビットを結合するように構成される。測定モジュール2103における量子測定ゲートM及びパリティ論理回路212は、測定モジュール2101におけるものと同様に動作する(図2B)。

当業者であれば、どのようにして、例として、例えば式(7)及び(8)を用いて測定モジュール2103におけるパリティ論理回路212のソフト出力実施形態についてPerr(qk)(ただし、k=1、2、・・・、5)及びPerr(f1)に対する適切な式を構成するかは分かるはずである。当業者であれば、異なる測定モジュール210j(j=1、2、・・・、10)に対応するエラーの確率の式も、前段の量子回路におけるそれぞれの量子ビットラインに配置された量子ゲートのタイプ及び個数に依存し得ることもさらに分かるはずである。例えば、測定モジュール2103に対応するエラーの確率の式は、測定モジュール2101及び2102におけるそれぞれの量子ビットラインに配置された量子ゲートのタイプ及び個数に依存し得る。測定モジュール2105(図2A参照)に対応するエラーの確率の式は、測定モジュール2101から2104などにおけるそれぞれの量子ビットラインに配置された量子ゲートのタイプ及び個数に依存し得る。

種々の代替実施形態による動作可能な量子安定化符号Q及びブロックエラー訂正符号Cに基づいてどのように測定モジュール2101〜21010を構成するかについての更なる詳細は、例えば、Alexei Ashikhminによる上記米国特許出願第13/912876号においてみることができる。

図3に、開示の実施形態による、デコーダ144(図1)で使用可能なメッセージ通過復号アルゴリズムに対応する2部グラフ300を示す。より具体的には、2部グラフ300は、式(4)によって与えられる例示のパリティチェック行列H(C)に対応する。このように、2部グラフ300に基づくメッセージ通過復号アルゴリズムは、シンドローム測定回路200(図2A)によって生成されるベクトルvsub=(s1、s3、p1、・・・、p8)を処理するのに使用可能である。

式(3)〜(4)によって定義されるブロックエラー訂正符号Cはr=4及びN=12に対応するので、2部グラフ300は(N=12であるため)12個の可変ノード3101〜31012及び(N−r=8であるため)8個のチェックノード3201〜3208を有する。2部グラフ300において、可変ノード3101〜31012とチェックノード3201〜3208を接続する複数のエッジは、式(5)又は(6)によって定義されるトポロジーを有する。復号処理の開始時に、可変ノード3101、3103及び3105〜31012が、測定ベクトルvsubの処理においてシンドローム測定回路144(図1)又は200(図2A)によって生成されたLLR値を受信することによって、例えば図3に示すように初期化される。可変ノード3102及び3104は、パンクチャリングされたシンドロームビットs2及びs4に対応し、消去値生成器142(図1)によって供給される(L=2であるため)2個の消去値を用いて初期化される。例示の実施形態では、消去値生成器142によって供給される消去値は、シンドローム測定回路によって可変ノード3101、3103及び3105〜31012に適用されたLLR値と同じバイナリ形式を有する。例えば、消去値は、(i)ゼロ符号ビット及び(ii)その値が符号ビットのゼロ値の50%信頼度を表現する複数の振幅ビットを備え得る。言い換えると、消去値は、復号の目的のために、パンクチャリングされたシンドロームビットが直接測定されなかったために各パンクチャリングされたシンドロームビットの正しい値が「0」又は「1」であるかについて仮想的に完全な不確定要素があることを表現するのに選択される。数学的には、この仮想的な不確定要素は、パンクチャリングされたシンドロームビットの正しい値が「0」であることの50%信頼度として、あるいはパンクチャリングされたシンドロームビットの正しい値が「1」であることの50%信頼度として表現され得る。

以下に図4を参照して、2部グラフ300に対応する例示の復号処理の更なる説明が与えられる。

図4は、開示の実施形態による、デコーダ144(図1)で使用可能な復号方法400を示す。方法400は、(i)シンドローム測定回路200の測定モジュール210におけるそれぞれのパリティ論理回路212(図2A〜2C参照)によって、例えば上述したように生成されたLLR値を成分とするベクトルvsub及び(ii)消去値生成器142(図1)によって、例えば上述したように生成された消去値を受信するように構成されたデコーダ144の実施形態で用いられ得る。与えられた説明に基づいて、当業者であれば、異なるブロックエラー訂正符号C、異なる量子安定化符号Q及び/又は異なる個数Lのパンクチャリングされたシンドロームビットと互換可能な代替実施形態のために、どのように復号方法400を変形するのかを理解するはずである。

方法400は、シンドローム測定回路200(図2A)から受信された特定のベクトルvsubに基づいて、ブロックエラー訂正符号Cの長さNのコードワードc=(c1、c2、c3、・・・、cN)における所与のビットciが1(又は0)に等しい事後確率を演算することに向けられる。対応するLLR値、L(ci)は式(9)によって与えられる。 L(ci)=log(Pr(ci=0|v)/Pr(ci=1|v)) (9) なお、Pr()は、括弧()内の条件に対する事後確率を示す。方法400は、ブロックエラー訂正符号Cの2部グラフ、例えば2部グラフ300(図3)に基づいて巡回メッセージ通過復号アルゴリズムに依拠する。このアルゴリズムによると、2部グラフにおける可変ノードはあるタイプのプロセッサを表し、2部グラフにおけるチェックノードは他のタイプのプロセッサを表し、可変ノードとチェックノードの間のエッジはメッセージ経路を表す。

方法400のステップ402において、例えば図3に示すように、2部グラフの可変ノードは、量子ビットバッファ134(図1)に保持された量子もつれ状態に対応するベクトルvsubを測定する処理においてシンドローム測定200(図2A)によって生成されたLLR値を受信し、消去値生成器142(図1)によって生成されたL個の消去値をさらに受信することによって初期化される。

ステップ404において、2部グラフの可変ノードの各プロセッサは、それぞれのチェックノードから対応のメッセージ経路を介して受信されたその入力メッセージを処理する。なお、ステップ404が最初に行われる際に、メッセージがチェックノードから受信されていない場合、受信されたステップ402の初期値が入力メッセージの代わりに使用される。受信入力メッセージに基づいて、可変ノードのプロセッサの各々はそこにおけるそれぞれのLLR値を更新し、それぞれのチェックノードに対する出力メッセージを生成し、それらのメッセージを2部グラフにおける対応のメッセージ経路を介して送信する。送信されたメッセージにおける情報は、miがi番目の可変ノードによって受信された入力メッセージのセットを示すものとして、log(Pr(ci=0|mi)/Pr(ci=1|mi))の値を含み得る。当技術分野では周知のように、他の関連する情報も同様に通信され得る。

ステップ406において、2部グラフのチェックノードの各プロセッサは、それぞれの可変ノードから対応のメッセージ経路を介して受信されたその入力メッセージを処理する。受信入力メッセージに基づいて、チェックノードのプロセッサの各々は、可変ノードのそれぞれのプロセッサに対して出力メッセージを生成し、これらのメッセージを2部グラフにおける対応のメッセージ経路を介して送信する。送信されたメッセージにおける情報は、log(Pr(チェック充足|Mj)/Pr(チェック非充足|Mj))の値を含み得る。なお、Mjは、j番目のチェックノードによって受信された入力メッセージのセットを示す。当技術分野では周知のように、他の関連する情報も同様に通信され得る。

ステップ408において、デコーダ144は、巡回停止基準をチェックする。種々の実施形態において、規定の最大巡回数が実行された場合又はc´HT(C)=0の場合に巡回停止基準が満たされる。なお、c´は試験的に復号されたコードワードであり、HT(C)はブロックエラー訂正符号C(例えば、式(4)参照)のパリティチェック転置行列である。実施形態によっては、1以上の代替の及び/又は追加の停止条件も使用可能である。巡回停止基準が満たされない場合には、方法400の処理はステップ404に戻る。巡回停止基準が満たされる場合には、方法400の処理はステップS410に進む。

ステップ410において、(例えば、図3の2部グラフ300のノード3101〜3104における)量子安定化符号Qのシンドロームビット(s1、・・・、sr)に対応する可変ノードに記憶された現在のLLR値の符号ビットが、可変ノードのプロセッサから読み出され、最確シンドロームベクトルS=(s1、・・・、sr)として量子状態回復回路148に提示される。すでに示したように、量子状態回復回路148は、受信シンドロームベクトルSを用いて、量子ビットバッファ134に保持された量子もつれ状態における(ある場合には)エラーを訂正するための適切な刺激を生成する。

デコーダ144の所定の実施形態に有用となり得るメッセージ通過復号アルゴリズム及び対応の回路の更なる例は、例えば、米国特許第8327215号、7805654号、7793201号、7676734号、7519898号及び7373581号に開示され、そのすべてがその全体において参照としてここに取り込まれる。当業者であれば、これらの特許に基づいてデコーダ144及び方法400の種々の代替実施形態をどのように製造及び使用するかを理解するはずである。なお、関連の文献では、デコーダ144での使用に適し得るいくつかのメッセージ通過復号アルゴリズムは、和積アルゴリズム又は確率伝搬アルゴリズムともいわれている。

メモリシステム100について、あるブロックエラー訂正符号Cを用いれば、他を用いるよりも性能が高くなることが認識されるべきである。より高い性能のブロックエラー訂正符号Cのいくつかは、疎らな(例えば、低密度の)生成器行列G(C)=[Ir|P](式(3)も参照)を用いて構成可能である。疎らとなる生成器行列G(C)について、対応するパリティビット生成器サブ行列Pも同様に疎らである必要がある。疎らなPについて、代表パリティビットpj=si1+si2+・・・+sitは、比較的少数(t)のシンドロームビットの合計である。ただし、t<

j(=g

i1+g

i2+・・・+g

it)が比較的小さい重みwt(f

j)(式(2)及び(6)も参照)を有することも意味する。後者の記載は、重みの以下の特性に起因して正しい。 wt(f

j)≦wt(g

i1)+wt(g

i2)+・・・+wt(g

it) (10) 一実施形態では、疎らな生成器行列G(C)を有する上記ブロックエラー訂正符号Cは、低密度生成器行列(LDGM)符号であればよい。LDGM符号は、LDPC符号のサブファミリである。代替実施形態において、メモリシステム100で使用される量子安定化符号は第1のLDPC符号であり、ブロックエラー訂正符号Cは第1のLDPC符号とは異なる第2のLDPC符号である。一実施形態では、生成器行列G(C)における各列は、(N−r)の10%未満の重みを有する。

式(10)及び式(8)は、疎らなパリティビット生成器サブ行列Pを有するブロックエラー訂正符号Cは比較的小さい値のPerr(fj)を有することを意味する。比較的小さい値のPerr(fj)によって、シンドローム測定回路140(図1)の対応の実施形態におけるシンドローム測定の精度はさらに比較的高くなる。

開示の実施形態によると、疎らなパリティビット生成器サブ行列Pを有するブロックエラー訂正符号Cは、例えば、双方ともその全体において参照としてここに取り込まれる米国特許第7251769号及び7751491号において概説されるEXIT機能手法を用いるメモリシステム100での使用に対して改善又は最適化され得る。特に、EXIT機能手法は最適化問題を定式化するのに使用されることがあり、その解決手段は、設計中のメモリシステム100の特定の実施形態に対して比較的適切なブロックエラー訂正符号Cを構成するメモリシステム100の設計者によって使用され得る。最適化問題の例示の定式化の解決手段はメモリシステム100での使用のためのブロックエラー訂正符号Cを構成するのに使用可能であり、それは上記引用のAlexei Ashikhminによる米国特許出願第13/912654号に開示されている。定式化された最適化問題を解決することによってブロックエラー訂正符号Cを構成する例示の方法も、上記引用のAlexei Ashikhminによる米国特許出願第13/912654号において開示されている。

疎らなバイナリ行列は、主に0が配置された行列である。これに対して、多数の要素が1である場合には、行列を高密度行列という。行列中の合計要素数におけるゼロ要素(非ゼロ要素)の比を行列の疎性(密度)という。疎性値及び密度値を(0と1の間の範囲で)絶対分数値又はパーセントとして表すことができる。

一実施形態では、パリティビット生成器サブ行列Pは、約0.4(すなわち40%)未満の密度を有する。可能な実施形態では、パリティビット生成器サブ行列Pは、約0.05(すなわち5%)と約0.25(すなわち25%)の間の密度を有する。さらに他の可能な実施形態では、パリティビット生成器サブ行列Pは、約0.1(すなわち10%)未満の密度を有する。

図1〜4を参照して上記で開示した例示の実施形態によると、量子安定化符号(例えば、量子安定化符号Q)を用いて生成された符号化量子ビットもつれ状態を記憶するように構成されたレジスタ(例えば、134、図1);符号化量子ビットもつれ状態に対応するシンドローム値のセットの冗長測定を実行するように構成された測定回路(例えば、140、図1)であって、冗長測定はブロックエラー訂正符号(例えば、ブロックエラー訂正符号C)に基づいて実行される、測定回路;消去値のセットを生成するように構成された消去値生成器(例えば、142、図1);並びにブロックエラー訂正符号及びシンドローム値のセットの冗長測定値を用いて符号化量子ビットもつれ状態に対応する最確シンドロームベクトル(例えば、S=(s1、s2、・・・、sr))を特定するように構成され、さらに、測定されたシンドローム値を測定回路から受信するように構成されていない可変ノード(例えば、3102、3104、図3)のセットに消去値生成器によって生成された消去値のセットを適用するように構成されたデコーダ(例えば、144、図1)を備えた装置(例えば、100、図1)が提供される。

上記装置のある実施形態では、装置は、デコーダによって特定された最確シンドロームベクトルに基づいて符号化量子ビットもつれ状態におけるエラーを訂正するように構成された状態回復回路(例えば、148、図1)をさらに備える。

上記いずれかの装置のある実施形態では、状態回復回路はさらに、最確シンドロームベクトルに基づいて、符号化量子ビットもつれ状態における可能性あるエラーに対応するエラー演算子を特定し、可能性あるエラーを訂正するように、エラー演算子に基づいて符号化量子ビットもつれ状態を処理するように構成される。

上記いずれかの装置のある実施形態では、装置は、複数の符号化量子ビットもつれ状態を記憶するように構成された量子ビットアレイ(例えば、110、図1)をさらに備え、選択された符号化量子ビットもつれ状態を量子ビットアレイからレジスタに転送し、エラー演算子に基づいて選択された量子ビットもつれ状態を修正することに応じて、選択された符号化量子ビットもつれ状態をレジスタから量子ビットアレイに転送するように構成される。

上記いずれかの装置のある実施形態では、測定回路は、レジスタに結合された第1のセットの測定モジュール(例えば、2101〜2102、図2A)であって、第1のセットにおける各測定モジュールが、第1のバイナリベクトル(例えば、gj、式(1))のそれぞれに基づいて符号化量子ビットもつれ状態に対応するそれぞれのシンドローム値を測定するように構成され、第1のバイナリベクトルの各々が量子安定化符号の生成器である、第1のセットの測定モジュール;及びレジスタに結合された第2のセットの測定モジュール(例えば、2103〜21010、図2A)であって、第2のセットにおける各測定モジュールが、第2のバイナリベクトル(例えば、fj、式(6))のそれぞれに基づいて符号化量子ビットもつれ状態に対応するそれぞれのパリティ値を測定するように構成され、各パリティ値が、ブロックエラー訂正符号によって定義された量子安定化符号のシンドローム値のそれぞれのサブセットに関係する、第2のセットの測定モジュールを備える。

上記いずれかの装置のある実施形態では、第1のセットにおける測定モジュールの総数(例えば、r−L)が、量子安定化符号の生成器の総数(例えば、r)未満である。

上記いずれかの装置のある実施形態では、第1のセット及び第2のセットにおける測定モジュールの合計総数(例えば、N−L)が、ブロックエラー訂正符号のコードワード長(例えば、N)未満である。

上記いずれかの装置のある実施形態では、第1のセットにおける測定モジュールは、それぞれのシンドローム値を対数尤度比(LLR)値として生成するように構成されたそれぞれのソフト出力検出器(例えば、212、図2B)を備え、第2のセットにおける測定モジュールは、それぞれのパリティ値をLLR値として生成するように構成されたそれぞれのソフト出力検出器(例えば、212、図2C)を備える。

上記いずれかの装置のある実施形態では、デコーダは、ブロックエラー訂正符号に対応するメッセージ通過復号アルゴリズムを実行することによって最確シンドロームベクトルを特定するように構成され、デコーダは、測定モジュールによって生成されたLLR値を用いて、さらに消去値生成器によって生成された消去値のセットを用いてメッセージ通過復号アルゴリズムを初期化するように構成される(例えば、402、図4)。

上記いずれかの装置のある実施形態では、測定回路における測定モジュールは、レジスタに接続され、符号化量子ビットもつれ状態を基準マルチ量子ビット状態に結合することによって基準マルチ量子ビット状態を処理するように構成された量子ゲート(例えば、M、H、図2B〜2C)のシーケンス;及び量子ゲートのシーケンスによって実行された処理済み基準マルチ量子ビット状態における測定値から符号化量子ビットもつれ状態に対応するシンドローム値又はパリティ値を推定するように構成された論理回路(例えば、212、図2B〜2C)を備える。

上記いずれかの装置のある実施形態では、論理回路は、処理された基準マルチ量子ビット状態の個々の量子ビットにおける測定値から、それぞれのバイナリシンドロームサブ値又はそれぞれのバイナリパリティサブ値を推定するように構成され、その回路は、当該バイナリサブ値を処理してシンドローム値又はパリティ値を推定するように構成されたマルチ入力XORゲートを備える。

上記いずれかの装置のある実施形態では、論理回路は、シンドローム値の、又はパリティ値のソフト推定値を生成するように構成されたソフト出力検出器を備える。

上記いずれかの装置のある実施形態では、デコーダは、ブロックエラー訂正符号に対応する復号アルゴリズムを実行することによって最確シンドロームベクトルを特定するように構成される。

上記いずれかの装置のある実施形態では、デコーダは、冗長測定中に測定回路によって生成されたLLR値を用いて、さらに、消去値生成器によって生成された消去値のセットを用いて上記復号アルゴリズムを初期化するように構成される(例えば、402、図4)。

上記いずれかの装置のある実施形態では、デコーダは、最確シンドロームベクトルのパンクチャリングされたシンドロームビットに対する初期近似値として消去値生成器によって生成された消去値のセットを用いるように構成される。

上記いずれかの装置のある実施形態では、デコーダは、消去値生成器によって生成された消去値のセットを用いて、符号化量子ビットもつれ状態に対応するコードワードの初期近似値を構成するように構成され、コードワードが前記ブロックエラー訂正符号のコードワードである。

上記いずれかの装置のある実施形態では、デコーダはさらに、符号化量子ビットもつれ状態に対応するコードワードの初期近似値において、冗長測定中に測定回路によって生成されたLLR値を用いるように構成される。

図1〜4を参照して上記で開示した他の例示の実施形態によると、メモリシステム(例えば、100、図1)に記憶された符号化量子ビットもつれ状態の忠実度の喪失を軽減する方法が提供され、その方法は、量子安定化符号(例えば、量子安定化符号Q)を用いて符号化量子ビットもつれ状態を生成するステップ;符号化量子ビットもつれ状態に対応するシンドローム値のセットの冗長測定を実行するステップであって、冗長測定がブロックエラー訂正符号(例えば、ブロックエラー訂正符号C)に基づいて実行される、ステップ;消去値のセットを生成するステップ;及びブロックエラー訂正符号を用いて、消去値のセット及びシンドローム値のセットの冗長測定に基づいて符号化量子ビットもつれ状態に対応する最確シンドロームベクトル(例えば、S=(s1、s2、・・・、sr))を特定するステップを備える。

上記方法のある実施形態では、消去値のセットが、符号化量子ビットもつれ状態に対応するコードワードの初期近似値を構成するのに使用され、コードワードはブロックエラー訂正符号のコードワードである。

上記いずれかの方法のある実施形態では、特定するステップは、測定されたシンドローム値を測定回路から受信するように構成されていない可変ノードのセットに消去値のセットを適用するステップを備える。

上記いずれかの方法のある実施形態では、コードワードの初期近似値は、符号化量子ビットもつれ状態に対応するシンドローム値のセットの冗長測定中に生成されたLLR値を含む。

本発明を例示的な実施形態を参照して説明したが、本説明は限定的な意味で解釈されるものではない。記載された実施形態の種々の変形例、発明の他の実施形態などは、発明が関係する技術分野の当業者には明らかなものであり、以降の特許請求の範囲において表現された発明の原理及び範囲内にあるものとみなされる。

ある実施形態は、回路に基づく処理として実施されてもよく、単一の集積回路上での可能な実施を含む。

明示の断りがない限り、各数値及び範囲は、「約」又は「概ね」という用語が値又は範囲の値の前にあるかのように近似的なものとして解釈されるべきである。

本発明の性質を説明するために記載及び説明された部品の詳細、材料及び配置の種々の変更は、以降の特許請求の範囲に表現される発明の範囲から逸脱することなく当業者によってなされ得る。

あるとすれば以降の方法の請求項における要素は対応の符号付けによって特定の順序で記載されるが、請求項の記載がそれらの要素の一部又は全部を実施するための特定の順序を示唆しない限り、それらの要素は必ずしもその特定の順序で実施されることに限定されるものではない。

ここでの「一実施形態」又は「実施形態」への言及は、実施形態との関係で記載される特定の構成、構造又は特徴が発明の少なくとも1つの実施形態に含まれ得ることを意味する。明細書の様々な箇所における文言「一実施例では」の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態に言及しているわけではなく、個別又は代替の実施形態は必ずしも他の実施形態を相互に排除するものでもない。同様のことが用語「実施例」にも当てはまる。

また、本説明の目的のため、用語「結合する」、「結合している」、「結合された」、「接続する」、「接続している」又は「接続された」とは、エネルギーが2以上の要素間で転送されることが可能となるような当技術分野で周知の又は後に開発される任意の態様をいい、1以上の追加要素の介在が、要件とはならないが考慮される。逆に、用語「直接結合された」、「直列接続された」などは、そのような追加要素がないことを意味する。

また、本記載の目的のため、断りがない限り、すべてのゲートが1つの固定電圧電力領域(又は複数の領域)及びグランドから給電されることがわかる。したがって、すべてのデジタル信号は、グランド電位から電力領域の1つの電位までを範囲とする電圧を有し、瞬時に遷移する(向きを変える)。一方、断りがない限り、グランドは、概ね0ボルトの電圧を有する電源とみなされ、任意の所望の電圧を有する電源はグランドに置換され得る。したがって、すべてのゲートは、それに伴うデジタル信号が、概ねの電源の電圧間を範囲とする電圧を有する状態で、少なくとも2つの電源によって給電されることになる。

説明及び図面は、単に発明の原理を示すに過ぎない。当業者であれば、ここに明記又は明示されないが発明の原理を具現し、その精神及び範囲内に含まれる種々の構成を考案することができるはずである。またさらに、ここに記載されるすべての例は、主に、技術を高める発明者によって寄与された発明の原理及びコンセプトを理解する際に読者を補助する教育的目的のみを明示的に意図するものであり、そのような具体的に記載された例及び条件に限定されないものとして解釈されるものである。さらに、発明の原理、態様及び実施形態、またその具体例を記載するここでのすべての記載は、その均等物を包含するものである。

「プロセッサ」、「コントローラ」、「デコーダ」及び「論理回路」として符号付け又は言及される任意の機能的ブロックを含む図示される種々の要素の機能は、専用ハードウェア、そして適切なソフトウェアとの関連でソフトウェアを実行することができるハードウェアを介して提供され得る。さらに、これらの用語の明示的使用は、ソフトウェアを実行することができるハードウェアに排他的に言及するものと解釈されるべきではなく、デジタル信号プロセッサ(DSP)ハードウェア、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ソフトウェアを記憶する読出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び不揮発性ストレージを、限定することなく、暗に含み得る。他の従来的な及び/又はカスタムなハードウェアも含まれ得る。

ここでのいずれのブロック図も発明の原理を具現化する例示的回路の概念図を表すことが、当業者によって理解されるべきである。同様に、いずれのフローチャート、フロー図、状態遷移図、疑似コードなどは、そのようなコンピュータ又はプロセッサが明示的に示されるか否かにかかわらず、コンピュータ可読媒体において実質的に表されてコンピュータ又はプロセッサによって実行され得る種々の処理を表すことが理解されるべきである。

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