【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はマルチチャネルアナログ集積回路におけるチャネル利得の較正に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、複数個のチャネルにわたって共有(多重化)され得るアナログ回路の開発にかなりの興味が持たれている。 共有チャネルの数、例えば単一のデジタルシグナルプロセッサ(DSP)によって共有されるチャネルの数、が増大すると、抵抗素子によって必要とされる回路面積が問題になってくる。 【0003】調節リンク回路は、半導体回路の反復された部分にわたって通常見い出される抵抗値(それゆえ利得)のばらつきを保証するために用いられる抵抗素子を実現したものである。 利得のばらつきを保証するために、調節可能な値を有する抵抗素子が調節(トリミング)される。 このトリミングには、抵抗が形成されている表面積を変化させ、それによってデバイスの利得をアップグレードして等化するために、抵抗経路内のフューズを溶かすことが含まれる。 【0004】抵抗トリミング回路の一例は、プレシジョンマイクロデバイセズ社(PrecisionMicro Devices, In c.)(米国カリフォルニア州サンノゼ)によって所有されている米国特許第4,777,471号に記載されている。 そこに記載されているトリミング回路は、種々の精密な集積回路における利得を調節するのに適している。 図1は、調節(トリム)リンクを溶断するためにアバランシェ降伏を利用するトリミング回路の一部を示した図である。 この図において、端子Aは、抵抗R 1の第1端、ツェナーダイオードZ 1のカソード端およびパッドP1に電気的に接続されている。 R 1の第2端は、抵抗R 4を介してダイオードZ 1のアノード端、および抵抗R 3およびR 5の第1端に電気的に接続されている。 ダイオードZ 1のアノード端は、ツェナーダイオードZ 2のアノード端に電気的に接続されている。 ダイオードZ 2のカソード端は、抵抗R 5の第2端およびパッドP2に電気的に接続されており、抵抗R 3の第2端は端子Bに電気的に接続されている。 【0005】トリミングの間に、デバイスの固有のアバランシェ降伏特性を用いて、高電流パルスがパッドP1 からパッドP2に対して印加され、ダイオードZ 1が短絡される。 Z 1が短絡されると、R AC =R 1 R 4 /(R 1 + R 4 )となる。 さらに抵抗を調節するためには、電流パルスがパッドP2からパッドP1へ印加され、ダイオードZ 2が短絡されてR AC =1/(1/R 1 +1/R 4 +1 /R 5 )となる。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】この種のトリミング機構を用いることによって正確かつ効率的に利得を調節することが可能であるが、必要とされる抵抗、ダイオードおよびパッドを形成するためにかなりの基板面積が消費される。 チャネル数が増大すると、必要とされるトリミングは増加する。 トリミングが増加することにより、素子作製は、素子製造および較正テストの双方の面でより複雑になる。 さらに、複数個のチャネルに対するトリミング要求は、トリムリンクに接続するために必要になるプローブコンタクトの数、トリムリンクが連続していることを確認する必要、プローブコンタクトがクリーニングされるべき頻度、自動化されたテストに関して必要とされるリレーの数、およびテストに必要とされる時間を増大させる。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は、マルチチャネルアナログ集積回路を較正するために必要とされるトリムリンクの数を低減する方法を提供する。 この低減により、従来技術に従って設計された共有チャネル回路において、トリムリンクをサポートする目的で通常用いられてきた回路基板面積を別途利用することが可能になる。 本発明の一実施例においては、マルチチャネル回路を構成する複数個のチャネルのうちのわずか1つのチャネルの利得を恒久的に較正するためにのみトリムリンクを調節することを含む方法が提供されている。 調節されたチャネルは、その後、回路のうちの残りのチャネルの利得を比較するリファレンスとして用いられる。 それゆえ、 利得調節回路は、回路のうちの残りのチャネルに対して供給される必要がない。 それぞれのチャネルの利得を参照チャネルの利得に一致させるために必要とあれる利得を決定する較正係数は、この比較に従って生成される。 係数は、それぞれのチャネルから導出されたデータに関して実行される計算に用いられるようにストアされることが望ましい。 【0008】本発明の望ましい実施例には、全体としてマルチチャネル(N−チャネル)コーデックを構成している複数個のアナログ/デジタル(A/D)およびデジタル/アナログ(D/A)コンバータおよびデジタルシグナルプロセッサが含まれる。 N−チャネルコーデックは、コーデックを構成しているそれぞれのコンバータに含まれる単一のA/DあるいはD/A部分に関してのみ含まれている調節可能回路を有している。 この単一の調節可能なA/DおよびD/Aコンバータ部分は、残りの経路の利得を較正する較正係数を生成する基礎を提供する目的のために、調節可能な回路を利用して、ダイテストの段階で較正されることが望ましい。 【0009】トリミング回路を供給する必要性をなくしてマルチチャネルアナログ回路のそれぞれのチャネルを調節する目的でテストを実行することの必要性をなくすことにより、多くの利点が実現される。 例えば、通常必要とされるプローブコンタクトおよびトリムリンクを除去することによってデバイスの設計および較正が単純化され、微細化に寄与する。 製造コストおよびテスト時間の双方における同一基準での低減は、特にチャネル数が増大するにつれて、かなりのものとなる。 調節されたリファレンスチャネル(あるいは経路)は、回路の他の部分によって用いられる正確な信号源あるいは既知のリファレンスとしても用いられる。 【0010】 【発明の実施の形態】従来技術に係る抵抗トリミング技法を用いたアナログ集積回路の単一のチャネルの較正によれば、そのチャネルの利得を例えば±20mdB以内に実効的かつ正確に較正することが可能であることが示されている。 しかしながら、この種の較正は、複数個のチャネルが構成されなければならない場合には厄介であり高コストである。 本発明は、アナログ半導体回路の複数個のチャネルを、まず従来技術に係る方法を用いて回路内の1つの経路すなわちチャネルをトリミングし、次いでそのトリミングされたチャネルをトリミングされていないチャネルを較正する係数を計算するために利用することによって較正する方法を提供する。 【0011】従来技術に係る単一のコーデック(例えば AT&T Microelectronics(米国ペンシルバニア州アレンタウン)によって製造されているT7513、T751 7、T7570、T5570およびT7548など) は、コーデックのそれぞれのコンポーネントの許容範囲をマッチさせるために、ウエハテストレベルでトリムリンク回路を用いており、絶対精度として±180mdB を保証している。 絶対精度という術語は、パッケージング、温度および電源電圧の変動に起因するすべての偏差を含む全体としての許容範囲を示している。 【0012】本発明の望ましい実施例の1つが、図2に示されている、16チャネルプログラマブルパルス符号化変調(PCM)コーデック100である。 コーデック100は、AT&Tによって製造されているT7531 /35チップセットによって実現されている。 T753 1/35チップセットは、T7531デジタルシグナルプロセッサ(DSP)102と、2つのT7535 8 チャネルA/D−D/Aコンバータ104、106とを含んでいる。 T7531/35チップセットは、本明細書において参照文献とされる、AT&Tによって199 4年4月15日に発行された暫定データシートにより詳細に記述されている。 (それぞれのT7535を含む) コーデックのプログラマブル機能はチャネルあたりのものであり、それぞれ個別の送信/受信利得調節を含んでいる。 単一チャネルコーデックと同様、T7531/3 5チップセットにおいてチャネル毎に要求されるアナログ利得精度は、A/DあるいはD/Aコンバータ方向のそれぞれにおいて、絶対精度でおよそ±180mdB (±2%)である。 【0013】本発明に係る16チャネルプログラマブルコーデック100は、T75358チャネルA/D−D /Aコンバータ104、106のそれぞれの1つのチャネルのわずか一方向(A/DあるいはD/A経路)に対してのみ高精度なトリミングが必要とされる、という新しい特徴を有している。 トリミングされた経路は、その後、それぞれのコンバータに含まれる他の15個のチャネル経路を較正するために、DSPによってリファレンスとして利用される。 DSP102は、出力信号を生成する既知の電圧信号をそれぞれの経路に対して印加し、 トリミングされていない経路において生成された出力信号をトリミングされた経路において生成された信号と比較することによって、トリミングされていないチャネル経路を較正する。 トリミングされていないそれぞれの経路を較正するために必要とされる実効利得がこのようにして決定される。 DSP102は、処理の間に用いられる付加係数としての利得を有することが望ましい。 従来技術に係るトリミング技法を用いると、それぞれのT7 535内の8個のチャネルのそれぞれを較正するために、50のトリムリンクが必要であると推定される。 それぞれのコンバータ上に50のトリムリンクを実現するために必要とされるかなりのチップ面積とプローブパッドの数により、大量生産に関して製造上の問題が生じ得る。 このような問題は、本発明によって回避される。 【0014】T7535 8チャネルコンバータ10 4、106のブロック図が図3に示されている。 コンバータは、8チャネルのA/DおよびD/Aセクションとアナログハイブリッドおよびターミネーションが組み合わされた部分108、オーバーサンプリングデータインターフェース110、参照電圧112、および制御インターフェース114を含んでいる。 それぞれのコンバータの8個のチャネルは、オーバーサンプリングインターフェース110と通信する。 それぞれのチャネルのA/ D経路において生成されたデジタルデータは、多重化されてインターフェース110を介してDSP102に送られる。 DSP内で生成されたデータは多重化されてインターフェース110を介してD/Aに送られる。 制御インターフェース114は、それぞれのコンバータの種々の利得設定、ループバックおよびパワーダウンモードをアクティベートする制御データをDSPから受信する。 参照電圧112は、第1チャネル経路較正によってトリミングされたコンバータによって用いられる高精度バンドギャップ参照電圧である。 【0015】図4は、それぞれのコンバータ104、1 06を構成している8個のチャネルのうちの1つのチャネル120を模式的に示したブロック図である。 チャネル120は、可変利得増幅器U3とアンチエイリアシングフィルタU5とから構成される入力段124を有している。 アナログデータは入力段124において受信され、増幅されて濾波され、シグマ−デルタ(ΣΔ)A/ Dコンバータ126に供給される。 A/Dコンバータによってアナログ入力からデジタルデータが生成(符号化)され、(インターフェース110を介して)処理されるためにDSP102に送られる。 D/Aコンバータ128はDSP102から(インターフェース110を介して)デジタルデータを受信し、アナログデータに変換(復号化)する。 (バンドギャップ)参照電圧130 は、A/DおよびD/Aコンバータ126、128にそれぞれ電気的に接続されている。 参照電圧は、変化する状況下でそれぞれの経路に関した最大電圧レベルを設定するために用いられる。 フィルタ132は、受信フィルタU7および可変利得段U9を有している。 アナログハイブリッド可変利得段140は、電気的にフィルタ13 2に接続されており、加算器U11、ハイブリッド利得増幅器U13および可変利得増幅器U15を有している。 加算器U11およびU13、U15の利得は、種々のコーデック較正モードに関するループバック配置と同様、DSP102によって制御される。 【0016】図5は、図2のDSP102をより詳細に示したブロック図である。 DSPブロック155は、D SPエンジン150、DSP ROM152およびDS PRAM154を有している。 デシメータ156およびインタポレータ158は、コンバータ104、106のそれぞれのオーバーサンプリングデータインターフェース110から出力されるシグマ−デルタデジタルビットストリームを処理するためにDSPブロック155と直接通信する。 デシメータおよびインタポレータは、それぞれのチャネルとDSPとの間のシリアルデータの時間配置を同期させる時間スロット割り当て器TSA172 と電気的に接続されている。 システムPCMインターフェース160は、データ転送ブロック162およびμ− Law/A−Lawコンバータ164を有している。 クロックシンセサイザ166は、DSPおよびA/DおよびD/Aに対して必要とされる内部クロックのすべてをシステムインターフェースに供給されるクロック入力から合成する。 ジョイントアクセステストグループ(JT AG)170インターフェースがテスト目的で含まれている。 JTAG170は、DSPブロック155と直接通信する。 マイクロコントロールインターフェース16 8は、システムPCMインターフェース160、DSP ブロック155、TSA172およびT7535制御インターフェース114と通信する。 T7535 8チャネルコンバータ104、106のそれぞれに対する利得およびバランスネットワーク設定、終端インピーダンス設定、パワーアップ/パワーダウンコマンド、時間スロット割り当て、デジタルループバック設定およびコマンドは、マイクロコントロールインターフェース168を通じて供給される。 【0017】製造直後のテストにおいて、それぞれのT 7535コンバータ104、106の第1チャネルの1 つの経路(例えばD/A1)と参照電圧とが、従来技術に係るトリミング技法によって較正される。 但し、正確なトリミングを行なう経路の選択はD/A経路に限定されている訳ではない。 A/D経路、例えばA/D1、 が、それぞれのコンバータ内でのリファレンスとして用いられ得るが、このような修正は本発明の範疇に含まれている。 第1チャネル経路のトリミング手段は当業者には公知である。 【0018】コーデックに電源が供給されると、DSP 102は初期化を行なって較正ルーチン、すなわちそれぞれのコンバータ104、106の残りのチャネルのそれぞれを較正する手続き、を制御する。 これを実現する1つの方法は、DSPによって生成された既知の電圧信号を供給し、トリミングされたD/A経路(すなわちD /A1)に供給することである。 その結果得られるアナログ信号は、回路を経由してA/D入力経路のそれぞれに対して(ルーティングによって)供給される。 適切なインバンド波形が、リファレンス入力として用いられるように生成される。 トリミングされていないチャネル経路のデジタル出力のそれぞれが、理想的なA/Dによって生成される出力の期待値と比較される。 トリミングされていないチャネル経路を理想的な経路に対して較正するために必要とされる利得が生成され、望ましくはDS P102中にストアされる。 【0019】次いで、トリミングされていないD/A経路を較正する目的で、デジタル的に生成された信号がそれぞれのD/A入力に印加される。 デジタルリファレンス信号に応答して生成されて出力された信号が、ループバックモードを介して、それぞれのチャネルの対応する、較正済みのA/D入力経路に対して供給される。 その後、DSP102は、(DSPに対して供給された) それぞれのA/D出力で応答して生成されたレスポンスを比較して等値し、それに従ってそれぞれのチャネルに対するD/A利得を調節する。 期待される出力(較正のターゲット)は既知である。 なぜなら、DSPはD/A に対して供給された信号を生成し、受信されたD/A信号をD/A入力において生成されたデジタル信号と比較するからである。 それによって、あらゆるD/A経路利得誤差が調節されて補償される。 既知の較正係数はストアされてその後利用される。 【0020】前述されているように、D/A1の代わりにA/D1から較正を開始することが、例えば較正時間を改善する必要という観点からは賢明である場合がある。 他のトリミングされていないA/D経路の比較をするために用いられるA/D1信号は、明示的に生成される必要はない。 これは、コンバータ104、106によって、単純に2つのDC電圧間を交互に切り替えることによって生成され得る。 すべてのトリミングされていないA/D経路の出力信号はトリミングされた経路の出力信号とDSP102によって比較され、対応する較正係数が計算されてストアされる。 その後、それぞれのD/ A出力経路がループバックを介して自身のA/D入力経路に接続される。 DSPはある電圧信号のデジタル表現をそれぞれのD/A入力に供給し、そのチャネルのA/ D出力信号を期待される信号レベルと比較する。 その後、D/A較正係数が比較に基づいて計算され、望ましくはストアされる。 【0021】較正の改善が、トリミングされたA/D1 経路を介してD/A出力信号を個別にルーティングすることによっても実現され得るということは企図されている。 しかしながら、この種の方式を用いる場合には、それがもたらすルーティングおよびテスト時間の増大に充分注意する必要がある。 DSP102によって生成される信号の周波数を制限する意図はないが、1.02kH zの正弦波がスルーレート歪みに起因する効果を最小にする、ということが見い出されており、前述された本発明の実施例においても用いられる。 【0022】図6は、本発明に係るコーデック100のチャネルを較正する1つの方法を示した流れ図である。 この方法は、1つのチャネル、すなわち4番目のチャネルの経路D/A4、が、ウエハプローブの段階で利得を調節するようにトリミングされていることを仮定している。 それゆえ、チャネル4のトリミングされた経路D/ A4に関する係数は1に規格化されている。 他のチャネルに対する係数は、予め構成されたチャネルD/A4の規格化された利得に相対的なものとして生成される。 【0023】図6のブロック180は、コンバータ10 4、106のリセット、およびそれぞれのコンバータのオーバーサンプリングデータインターフェース110の同期、を含むステップを表している。 DSP102は、 ブロック180によって表現されているタスクを実行する。 ブロック182によって表現されている次のステップは、それぞれのチャネルのパワーオンを要求する。 このことを実現するために、それぞれのコンバータ10 4、106の制御レジスタ(図示せず)におけるすべてのデータビットが、それぞれのチャネルに関してDSP 102によってゼロにセットされる。 ブロック184 は、制御レジスタの較正ビットのそれぞれが1にセットされ、それぞれのD/A4の出力がそれぞれのA/D経路の入力に対して接続されるステップを表わしている。 それぞれの較正ビットは、それぞれのコンバータ内のチャネルに対応する。 【0024】次のステップにおいては、4番目のチャネル(経路D/A4)に対して0dbm0のデジタル正弦波が供給される(ブロック186)。 本発明の望ましい実施例においては、この0dbm0デジタル正弦波は1 020Hzのアナログ正弦波信号を生成し、VRP出力においておよそ0.983Vrmsの信号を供給する。 この出力信号は、それぞれのA/D入力に供給される。 それぞれのA/Dチャネル出力(それぞれの送信シグマ−デルタビットストリーム)における信号振幅が測定され、期待される値に対して比較される(ブロック18 8)。 期待される値は、内部利得が誤差フリーであるという仮定に基づいて計算される。 その後、それぞれのA /Dチャネル経路に関して利得係数が計算される(ブロック190)。 【0025】次のステップは、DSP102が、コンバータ104、106内において、それぞれのD/A出力をループバックにセットすることを要求する(4番目のチャネルの駆動はオプションである)(ブロック19 2)。 ブロック194においては、それぞれのチャネルがPCM0dBmデジタル正弦波によって駆動される。 ブロック196においては、それぞれのA/Dチャネル128(図4)出力における信号振幅が測定され、測定された値が参照値、すなわち4番目のチャネルの規格化された参照すなわち期待値と比較される。 【0026】その後、DSP102において、それぞれのD/A経路に関する利得修正係数がA/D較正係数を用いて計算される(ブロック198)。 定義から、チャネル4の係数は1である。 ステップ200においては、 DSPが較正係数を、それらが許容される範囲内にあるか否かを決定するためにテストする。 許容範囲外にある場合には、較正が失敗したことを表わす、そのチャネルに対応するフラグがDSP内において生成される。 すべてのチャネルの利得が許容範囲内(例えば0.975から1.025)に入るように較正され得た、ということが決定された場合には、それぞれのチャネルから導出されたデータを処理する間に利用される目的で、対応する較正係数がDSP102によってストアされる。 【0027】以上の説明は、本発明の一実施例に関するもので,この技術分野の当業者であれば、本発明の種々の変形例が考え得るが、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。 本明細書においては、本発明は、 望ましい実施例である、T7531/35チップセットによって構成された16チャネルコーデック100を特に参照して記述されている。 しかしながら、本発明は複数個のチャネル(すなわち複製回路)を有するように構成されたあらゆるデバイスに対して適用可能であり、デバイス内に含まれている回路のトリミングが最小で済むという利点を有している。 デバイスには、例えば、複製回路の較正、および較正係数の生成、ストアおよび利用が可能な、マイクロコントローラ、ASIC、PGAあるいは同様の回路が含まれていることのみが必要である。 ある場合には、正弦波の代わりに矩形波あるいは他の波形(デジタルあるいはアナログ)が用いられることによってロジックが単純化され得る。 【0028】 【発明の効果】以上述べたごとく、本発明によれば、マルチチャネルアナログ集積回路を較正するために必要とされるトリムリンクの数を低減する方法およびその方法に従って作製されたアナログ集積回路が提供される。 【図面の簡単な説明】 【図1】従来技術に係るトリミングプロセスにおいて用いられるアナログ集積回路の一部を示した図である。 【図2】本発明に係るマルチチャネルアナログ集積回路の望ましい実施例を示すブロック図である。 【図3】図2に示された回路に含まれる8チャネルコンバータのブロック図である。 【図4】図3に示された8チャネルコンバータの単一信号処理チャネルを示す図である。 【図5】図2に示された回路に含まれるデジタルシグナルプロセッサのブロック図である。 【図6】本発明に係るプロセスを実行するために必要とされるステップを識別する流れ図である。 【符号の説明】 100 コーデック 102 デジタルシグナルプロセッサ 104、106 8チャネルA/D−D/Aコンバータ 108 8チャネルA/D−D/Aアナログハイブリッドおよびターミネーション 110 オーバーサンプリングデータインターフェース 112 参照電圧 114 制御インターフェース 120 チャネル 124 入力段 126 シグマ−デルタA/Dコンバータ 128 D/Aコンバータ 130 参照電圧 132 フィルタ 140 アナログハイブリッド可変利得段 150 デジタルシグナルプロセシングエンジン 152 DSP ROM 154 DSP RAM 155 DSPブロック 156 デシメータ 158 インタポレータ 160 システムPCMインターフェース 162 データ転送 164 μ/A−Lawコンバータ 166 PLLクロックシンセサイザ 168 マイクロコントロールインターフェース 170 J TAG 172 時間スロット割り当て器 ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロバート ヘンリー ヴァイデン アメリカ合衆国,18103 ペンシルヴァニ ア,アレンタウン,グリック アヴェニュ ー 1116 |