Rf power amplifier

申请号 JP11658292 申请日 1992-05-11 公开(公告)号 JPH05299944A 公开(公告)日 1993-11-12
申请人 Nec Corp; 日本電気株式会社; 发明人 FUJITA NOBUYUKI;
摘要 PURPOSE: To amplify an on/off RF signal such as a TDMA signal at a high power efficiency with less signal distortion by using a GaAs field effect transistor(FET).
CONSTITUTION: An idling current for class A amplification is set not only to a pre-stage FET1 but also to a post-stage FET2 in the RF amplifier. In the high RF signal operation, an impedance of an output LPF 5 connecting to a drain of the FET 2 is set higher than the impedance at a high gain operation so that the FET2 and the load are in power matching in the high RF signal operation, that is, the dynamic impedance of the FET 2 in the high RF signal operation and the load impedance are matched. Furthermore, a drain bias VD of the FETs 1, 2 is turned on/off by a control circuit 1 synchronously with the on/off of the RF signal input.
COPYRIGHT: (C)1993,JPO&Japio
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 ゲート電極に加えられた無線周波数信号を増幅してドレイン電極から出力するGaAs電界効果トランジスタと、 前記GaAs電界効果トランジスタのドレイン電極にドレインバイアスを供給するドレインバイアス供給手段と、 前記GaAs電界効果トランジスタのゲート電極にゲートバイアスを供給するゲートバイアス供給手段と、 負荷が接続されるRF信号出力端子と前記ドレイン電極との間に配置され前記GaAs電界効果トランジスタと前記負荷との電力整合を取る出力低域通過ろ波器とを備えるRF電力増幅器において、 前記GaAs電界効果トランジスタが、前記ドレインバイアス供給手段と前記ゲートバイアス供給手段とによりA級増幅動作のアイドリング電流を設定されており、 前記出力低域通過ろ波器のインピーダンスが、このRF
    電力増幅器の規定出力時において、このRF増幅器にほぼ最大利得を与えるインピーダンスより高く設定されており、 前記RF電力増幅器が、さらに、前記ドレインバイアス供給手段への前記ドレインバイアスの供給を前記無線周波数信号のオンオフに同期させてオンオフするバイアス供給制御手段を備えることを特徴とするRF電力増幅器。
  • 【請求項2】 前記出力低域通過ろ波器のインピーダンスが、このRF電力増幅器の規定出力時において、前記GaAs電界効果トランジスタの動インピーダンスと前記負荷のインピーダンスとをほぼインピーダンス整合させる値に設定されていることを特徴とする請求項1記載のRF電力増幅器。
  • 【請求項3】 前記RF電力増幅器が、 さらに、前記無線周波数信号の供給源を接続するRF信号入力端および前記GaAs電界効果トランジスタのゲート電極の間に配置され前記GaAs電界効果トランジスタと前記無線周波数信号供給源とのインピーダンス整合を取る入力低域通過ろ波器を備えることを特徴とする請求項1記載のRF電力増幅器。
  • 【請求項4】 前記出力低域通過ろ波器および入力低域通過ろ波器が、それぞれチップコンデンサと分布定数回路のインダクタと含むことを特徴とする請求項3記載のRF電力増幅器。
  • 【請求項5】 前記GaAs電界効果トランジスタと前記ドレインバイアス供給手段と前記ゲートバイアス供給手段と前記出力低域通過ろ波器と前記入力低域通過ろ波器とが、厚膜基板上に形成されていることを特徴とする請求項3記載のRF電力増幅器。
  • 【請求項6】 前記無線周波数信号がTDMA信号であることを特徴とする請求項1記載のRF電力増幅器。
  • 【請求項7】 前記RF電力増幅器が、複数の前記Ga
    As電界効果トランジスタ含む増幅器を縦続接続するR
    F電力増幅器であり、 前記ドレインバイアス供給手段が、複数の前記GaAs
    電界効果トランジスタそれぞれのドレイン電極にドレインバイアスを供給し、 前記ゲートバイアス供給手段が、複数の前記GaAs電界効果トランジスタのそれぞれのゲート電極にゲートバイアスを供給し、 前記入力低域通過ろ波器が、前記RF信号入力端子と初段の前記GaAs電界効果トランジスタのゲート電極との間に配置され、 前記出力低域通過ろ波器が、前記RF信号出力端子と最終段の前記GaAs電界効果トランジスタのドレイン電極との間に配置され、 さらに、前段の前記GaAs電界効果トランジスタのドレイン電極と後段の前記GaAs電界効果トランジスタのゲート電極との間に前記前段のGaAs電界効果トランジスタおよび前記後段のGaAs電界効果トランジスタ利得整合を取る少なくとも一つの段間低域通過ろ波器を含むことを特徴とする請求項3記載のRF電力増幅器。
  • 【請求項8】 前記出力低域通過ろ波器のインピーダンスが、このRF電力増幅器の規定出力時において、前記GaAs電界効果トランジスタの動インピーダンスと前記負荷のインピーダンスとをほぼインピーダンス整合させる値に設定されていることを特徴とする請求項7記載のRF電力増幅器。
  • 【請求項9】 前記入力低域通過ろ波器および前記段間低域通過ろ波器および前記出力低域通過ろ波器の各各が、チップコンデンサと分布定数回路のインダクタと含む低域通過ろ波器であることを特徴とする請求項7記載のRF電力増幅器。
  • 【請求項10】 前記GaAs電界効果トランジスタと前記ドレインバイアス供給手段と前記ゲートバイアス供給手段と前記入力低域通過ろ波器と前記段間低域通過ろ波器と前記出力低域通過ろ波器とが、厚膜基板上に形成されていることを特徴とする請求項9記載のRF電力増幅器。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業上の利用分野】本発明は無線周波数(以後RF)
    信号をGaAs電界効果トランジスタ(以後FET)を用いて高い電効率でしかも信号歪み少なく増幅する電力増幅器(以後RF電力増幅器)に関し、特に、デジタル携帯電話機から送出するTDMA信号等,オンオフR
    F信号の電力増幅に適したRF電力増幅器に関する。

    【0002】

    【従来の技術】従来のこの種のRF電力増幅器は、供給直流電力に対するRF信号出力の比,即ち電力効率をよくするために、非線形増幅動作すなわちAB級またはB
    級増幅によっている。 つまり、このRF電力増幅器では、RF信号が入力されない時もしくは小RF信号入力時の上記FETのドレイン電流,即ちアイドリング電流を飽和ドレイン電流の1/10程度(AB級増幅動作)
    以下にしぼっている。 このRF電力増幅器では、規定レベルのRF信号入力時(一般には大振幅動作時)には、
    FETのドレイン電流がアイドリング電流の4,5倍にも達するほど急激に増大するが、利得およびRF信号出力もこの増大をさらに上回り、高い電力効率が達成される。

    【0003】しかし、上述の従来のRF電力増幅器は、
    上述のとおり非線形増幅動作を行うので、RF信号出力に大きな歪み,特に大きな混変調歪み(特にIM3,I
    M5およびIM7などの奇数混変調)を生じる。 例えば、上記RF電力増幅器にQPSK(4相位相シフトキーイング)変調されたデジタル信号を入力し、RF信号出力の歪みを隣接チャンネル漏洩電力で評価すると、このRF電力増幅器で発生する隣接チャンネル漏洩電力は、上記QPSK変調波を用いるシステムの仕様に耐えないほど大きくなる。

    【0004】ちなみに、FETによりAB級増幅動作を行うRF電力増幅器の一例は、FMC090902−0
    6型モジュール(富士通(株)製)を用いており、FE
    Tのドレイン・ソース間に5.8Vの電圧を加え、15
    0mAのアイドリング電流を流している。 この電力増幅器に周波数950MHz,+3dBmのRF信号を入力すると、+32dBm(利得29dB)のRF信号出力が得られ、FETのドレイン電流は600mAとなり、
    満足すべき電力効率が得られる。 一方、このモジュールにおける50KHz隣接チャンネル漏洩電力はRF信号出力比−35dBという不満足な値である。

    【0005】

    【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の第1
    の目的は、AB級またはB級増幅動作に伴なう混変調歪みを軽減したRF電力増幅器を提供することにあり、より具体的には、FETにより高い電力効率でしかも信号歪み少なくRF信号を増幅するRF電力増幅器を提供することにある。

    【0006】本発明の第2の目的は、TDMA信号等,
    オンオフRF信号の電力増幅に適するRF電力増幅器を提供することにある。

    【0007】

    【課題を解決するための手段】この発明によるRF電力増幅器は、RF信号源からのRF信号を内蔵のFETで増幅して負荷に供給する電力増幅器ユニットと、上記R
    F信号のオンオフに同期して上記FETのドレインバイアスをオンオフするドレインバイアス制御回路とを備える。 上記電力増幅器ユニットは、上記FETのゲート電極に接続された入力低域通過ろ波器(以後、入力LP
    F)と、上記FETのドレイン電極に接続された出力低域通過ろ波器(以後、出力LPF)とを含み、これらのLPFがそれぞれ上記FETと上記RF信号源との間および上記FETと上記負荷との間のインピーダンス整合および電力整合をとる。 また、上記電力増幅器ユニットは、上記FETのドレイン電極にドレインバイアスを供給するドレインバイアス回路と、上記FETのゲート電極にゲートバイアスを供給するゲートバイアス回路とを含む。 なお、上記ドレインバイアス回路の入力端が上記ドレインバイアス制御回路の出力端に接続される。

    【0008】上記RF電力増幅器ユニットでは、上記F
    ETにA級増幅動作のアイドリング電流を流す。 また、
    この電力増幅器ユニットは、規定RF信号出力時における上記FETの動(ダイナミック)インピーダンスZf
    dと上記負荷インピーダンスZlとを上記出力LPFによりほぼインピーダンス整合させる(即ち、出力LPF
    のインピーダンスをZfとしたとき、Zf 2 ≒Zd・Z
    lとする)。 つまりこの電力増幅器ユニットでは、規定RF信号出力時において上記FETから上記負荷にほぼ最大電力を引き出せるように,即ち上記FETと負荷との間に電力整合がとれるように、出力LPFインピーダンスZfを設定する。 なお、上述の電力整合条件を満たす出力LPFインピーダンスZfを電力整合インピーダンスZmと定義する。 一般にFETの動インピーダンスはRF信号入力レベルの増大とともに高くなる。 従って、出力LPFインピーダンスZfを、低RF信号レベル動作時にほぼ最大利得を与えるインピーダンス(高利得インピーダンスZgと定義する)より高くして上記電力整合インピーダンスZmに設定する。 すると、出力L
    PFインピーダンスZmが上記高利得インピーダンスZ
    gより高いので、規定RF信号出力時の上記FETのドレイン電流は、上記出力LPFインピーダンスZfを高利得インピーダンスZgに設定した時より小さくなる。
    従って、上記RF電力増幅器は、信号歪みの少ないA級増幅動作ながら、規定RF信号出力時に高い電力効率を得ることができる。

    【0009】上述のRF電力増幅器は、TDMA信号のようなオンオフRF信号を増幅するときには、RF信号のオンオフに同期してFETのドレインバイアスをオンオフする。 従って、このRF電力増幅器は、RF信号オフ時にFETのドレイン電流を生じないので電力消費が節減され、上述のとおりRF信号出力における信号歪みも小さいので、TDMA信号のようにバースト的に一定レベルの信号を生じるデジタルRF信号の電力増幅用に特に有用である。

    【0010】なお、上記電力増幅器ユニットを厚膜基板上に構成して混成集積回路(ハイブリッドIC)にすると上記RF電力増幅器の小型化を図ることができる。 また、上記入力および出力LPFをチップコンデンサと分布定数回路のインダクタとで構成すると、上記LPFのばらつきを小さくでき、上記RF電力増幅器の製造を容易にする効果が生じる。

    【0011】

    【実施例】次に本発明について図面を参照して説明する。

    【0012】図1は本発明の一実施例であるRF電力増幅器の回路図である。

    【0013】厚膜混成集積回路の電力増幅器ユニット1
    00は、RF信号源(図示せず)からRF信号入力端子101に供給されるRF信号入力S1をFET1およびFET2により電力増幅し、RF信号出力S3をRF信号出力端子102から負荷(図示せず)に供給する。 なお、RF信号入力S1はQPSK変調されたTDMA信号であり、上記RF信号源および負荷のインピーダンスZsおよびZlは通常50Ωである。 制御回路1は、ドレイン電源端子12からのドレイン電圧V DDをスイッチ回路でオンオフし、オン時には出力端からドレインバイアスV Dを電力増幅器ユニット100内蔵のドレインバイアス回路2に供給する。 即ち、制御回路1は、RF信号入力S1のオンオフに同期した制御信号Scを制御信号入力端子11に受け、この制御信号Scにより上記スイッチ回路を制御してドレインバイアス回路2へのドレインバイアスV Dの供給をオンオフする。

    【0014】電力増幅器ユニット100には、RF信号入力端子101とFET1のゲート電極との間に入力L
    PF3が接続され、この入力LPF3は上記RF信号源とFET1とのインピーダンス整合をとる。 また、FE
    T1のドレイン電極とFET2のゲート電極との間には段間LPF4が接続され、このLPF4はFET1とF
    ET2との間のインピーダンス整合回路およびFET1
    および2の利得を大きくする利得整合回路を兼ねる。 さらに、FET2のドレイン電極とRF信号出力端子10
    2との間に出力LPF5が接続され、このLPF5は規定レベルのRF信号出力S3におけるFET2の動インピーダンスZdと負荷インピーダンスZlとのインピーダンス整合,即ちFET2と上記負荷との間の電力整合をとる。 さらに、電力増幅器ユニット100内蔵のドレインバイアス回路2が、制御回路2の出力端からのドレインバイアスV DをFET1および2のドレイン電極に供給し、ゲートバイアス回路6が、ゲート電源端子61
    に供給されたゲート電圧V GOからFET1およびFET
    2用のゲートバイアスV G1およびV G2を生じ、これらのゲートバイアスV G1およびV G2をFET1およびFET
    2のゲート電極それぞれに供給する。

    【0015】さらに図1を参照して、RF電力増幅器の上記各構成要素を詳細に説明する。

    【0016】入力LPF3は、遮断周波数をRF信号入力S1の周波数より相当高くした低域通過ろ波器であり、RF信号入力S1の波長に比べて短い50Ω線路で構成された分布定数回路のインダクタL31およびL3
    2と、チップコンデンサC31およびC32とからなる。 このLPF3のインピーダンスZf1は、RF信号入力S1の規定入力レベルにおいて、上記RF信号源インピーダンスZsとFET1の入力インピーダンスZi
    1とがインピーダンス整合するように設定するのが望ましい。

    【0017】出力LPF5も、遮断周波数をRF信号入力S1の周波数より相当高くした低域通過ろ波回路であり、RF信号入力S1の波長に比べて短い50Ω線路で構成された分布定数回路のインダクタL51およびL5
    2と、チップコンデンサC51およびC52とからなる。 このLPF5のインピーダンスZf3は、RF信号出力S3の規定出力レベルにおいて、RF信号出力S3
    の信号歪みを損わない範囲でFET2の電力効率を高くするように、つまりFET2と上記負荷とが電力整合するように、Zf3≒(Zd・Zl) 1/2に設定する。

    【0018】段間LPF4も、遮断周波数をRF信号入力S1の周波数より相当高くした低域通過ろ波回路であり、RF信号入力S1の波長に比べて短い50Ω線路で構成された分布定数回路のインダクタL41,L42およびL43と、チップコンデンサC41およびC42とからなる。 このLPF4のインピーダンス設定条件は、
    入力LPF3および出力LPF5のインピーダンス設定条件の中間である。 しかし、FET1のRF信号出力(FET2のRF信号入力)S2のレベルはRF信号出力S3のレベルに比べてかなり小さいので、段間LPF
    4のインピーダンスZf3はRF信号S1およびS2の利得を大きくするとともに信号歪みを少なくするように設定するのが望ましい。

    【0019】ドレインバイアス回路2は、制御回路1の出力端からのドレイン電圧V Dを、インダクタL21を介してFET1のドレイン電極に、インダクタL22を介してFET2のドレイン電極にそれぞれ供給する。 チップコンデンサC21およびC22と上記インダクタL
    21およびL22は、それぞれRF信号S2およびS3
    の電力増幅器ユニット100から制御回路1等の外部回路への漏洩を防ぐ。

    【0020】ゲートバイアス回路6は、ゲート電源端子61からのゲート電圧V G0を抵抗器R62およびR61
    により分圧し、インダクタL61を介してFET1のゲート電極に適切なゲートバイアスV G1を与える。 また、
    回路6は、ゲート電圧V G0を抵抗器R63およびR64
    により分圧し、インダクタL62を介してFET2のゲート電極に適切なゲートバイアスV G2を与える。 なお、
    チップコンデンサC61およびC62と上記インダクタL61およびL62は、それぞれRF信号S1およびS
    2の電力増幅器ユニット100から外部回路への漏洩を防ぐ。

    【0021】制御回路1は、ドレイン電源端子12からのドレイン電圧V DDをスイッチ用バイポーラトランジスタTR12に通したあと、出力端(トランジスタTR1
    2のコレクタ電極)からドレインバイアスV Dをドレインバアス回路2に供給する。 また、制御信号入力端子1
    1からオンオフ信号(制御信号)Scが制御用バイポーラトランジスタTR11のベース電極に加えられ、トランジスタTR11のコレクタからは制御信号Scに応答する信号がトランジスタTR12のベース電極に加えられて、トランジスタTR12をオンオフスイッチする。
    従って、制御信号Scに制御されてドレインバイアス回路2へのドレインバイアスV Dの供給がオンオフされる。 なお、抵抗器R11およびR12はトランジスタT
    R11のベース電極およびエミッタ電極のバイアス設定用抵抗器であり、抵抗器R13はトランジスタTR12
    のベース電極のバイアス設定用抵抗器である。

    【0022】図2はこの実施例に用いるFETの静特性を示す図である。

    【0023】図2を図1に併せ参照して上記電力増幅器ユニット100,特にFET2および出力LPF5の動作および回路定数設定について説明する。

    【0024】まず、FET2にA級増幅動作させるアイドリング電流Idiを設定するために、ドレインバイアス回路2およびゲートバイアス回路6により、FET2
    にドレインバイアスV DおよびゲートバイアスV G2を設定する。 FET2の飽和ドレイン電流をIdssとすると、A級増幅動作時のアイドリング電流Idi(即ちドレイン電流Id2)は0.2Idssないし0.6Id
    ssの範囲である。 電力増幅器ユニット100の電力効率を高くしたい場合にはドレイン電流Id2を下限の0.2Idss程度に設定しておく。 なお、AB級増幅動作のゲートバイアスV Gは、A級増幅動作のゲートバイアスV G2より深いバイアスV G1であり、アイドリング電流Idi(ドレイン電流Id1)を0.1Idss程度にしぼっている。 信号歪みを最小にするアイドリング電流Idiは、0.5Idss程度である。 また、段間LPF4および出力LPF5のインピーダンスZf2およびZf3は、回路定数設定の初期には、小RF信号入力時にFET1およびFET2にほぼ最大利得を生じさせるように、あらかじめ高利得インピーダンスZg2およびZg3に設定しておく。

    【0025】次に、RF信号入力S1をRF信号入力端子101に,即ちRF信号S2をFET2のゲート電極に入力し、規定レベルのRF信号出力S3をRF信号出力端子102に得る。 なお、この状態でのFET2のドレイン電流Idは、AB級増幅動作のFETのそれとほぼ同じ電流になる。 この状態から、規定出力レベルを保ちつつFET2のドレイン電流Idが小さくなるように、出力LPF5のインピーダンスZf3を調整する。
    つまり、FET2の動インピーダンスはゲート電極に入力されるRF信号S2のレベルが増大するにつれて大きくなるので、出力LPF5の回路定数をFET2のドレイン電流が減少する方向に調整すると、出力LPF5のインピーダンスZf3を上記高利得インピーダンスZg
    3より高くすることになる。 このインピーダンスZf3
    を電力整合インピーダンスZm≒(Zd・Zl) 1/2まで増加すると、上記電力増幅器ユニット100は、出力LPF5のインピーダンスZf3を上記高利得インピーダンスZgに設定したときより少ないFET2のドレイン電流Idでほぼ最大出力レベルを得ることができる。
    逆に、出力LPF5のインピーダンスZf3を電力整合インピーダンスZmに設定すると、ドレイン電流Idを高利得インピーダンスZg3設定時から90%以下に減少させても高利得インピーダンスZg3設定時と同レベルのRF信号出力S3を確保することができる。 なお、
    FET2のドレイン電極およびゲート電極にはA級増幅動作バイアスが設定されているので、RF信号出力S3
    における信号歪みは、高利得インピーダンスZg3時と変わることがない。

    【0026】上述のとおり、この電力増幅器ユニット1
    0では、出力LPF5のインピーダンスZf3を高利得インピーダンスZg3より高く設定することによって、
    高い電力効率を保つとともに低ドレイン電流IdであってもA級増幅動作を損なうことがなく、RF信号出力S
    3に大きな歪みを発生することがない。

    【0027】電力増幅器ユニット100において、FE
    T1として日本電気(株)社製のNE800196型F
    ET(Idss:300mA)を、FET2として同社製NE1069L−4B型FET(Idss:3A)を用い、これらFET1および2のドレイン電極にそれぞれ5.8Vのドレイン電圧V Dを加えている。 この電力増幅器ユニット100において、出力LPF5のインピーダンスZf3を高利得インピーダンスZg3に設定し、周波数950MHzのRF信号入力S1を入力すると、32dBmのRF信号出力S3が得られ、FET1
    とFET2の合計ドレイン電流が618mA(約0.1
    9Idss)、利得が28dB、50kHz隣接チャンネル漏洩電力が−48.5dBであった。 一方、出力L
    PF5のインピーダンスZf3を電力整合インピーダンスZmに設定すると、RF信号出力S3のレベルを上述と同じ32dBmとするとき、合計ドレイン電流が56
    6mA、利得が27dB,50kHz隣接チャンネル漏洩電力が−49.3dBであった。 このように、出力L
    PF5のインピーダンスZf3を電力整合インピーダンスZmに設定した電力増幅器ユニット100は、ほぼ同一非線形歪みで合計ドレイン電流を高利得インピーダンスZg3設定時のドレイン電流のほぼ90%に減少させることができている。 この電力増幅器ユニット100
    は、上述した従来技術使用のAB級電力増幅器と比較すると、アイドリング電流IdiはAB級増幅電力増幅器よりかなり多いが、このユニット100がオンされる規定RF信号S1の入力時には、電力消費がほぼ同じ(約6%減少)であり、50kHz隣接チャンネル漏洩電力が10dB以上も改善されている。

    【0028】図3はこの実施例における入力RF信号S
    1およびドレインバイアスV D波形図である。

    【0029】図3を図1に併せ参照すると、RF信号入力端101へのRF信号入力S1は、信号のオン期間T
    onが全信号期間の1/3,オフ期間Toffが全信号期間の2/3のTDMA信号であり、オン期間Tonの始めの部分にはプリアンブル信号期間Tp,終りの部分にはガード期間Tgをもっている。 一方、制御信号入力端11にはこのRF信号入力S1に同期した制御信号S
    cが入力され、制御回路1は、この制御信号Scの制御によってドレインバイアス回路2へのドレインバイアスV Dをオンオフする。 ドレインバイアスV Dのオンオフは、RF信号入力S1のプリアンブル信号期間Tpおよびガート期間Tgの期間内に行われ、電力増幅器ユニット100は、RF信号S1ないしS3の上記TpおよびTg期間を除いたデータ信号期間には正常なRF信号出力S3を保つ。 従って、この電力増幅器ユニット100
    は、RF信号S1のオンオフに同期してオンオフされるので、連続動作のAB級電力増幅器よりさらに電力効率がよく、また信号歪みの少ないA級増幅状態でのみ動作するので、このようなTDMA信号の電力増幅に好適である。

    【0030】

    【発明の効果】上述の通り、この発明のRF電力増幅器は、増幅素子であるFETをA級増幅動作させるとともに上記FETのドレインバイアスをRF信号入力に同期させてオンオフさせるので、規定レベルのRF信号入力時には、高電力効率であるとともに非線形歪み,特に混変調歪みの少ない動作特性を実現できる。 従って例えばQPSK変調したTDMA信号の電力増幅用にこのRF
    電力増幅器を使用すると、従来技術によるRF電力増幅器に比べて電力効率を向上できるだけでなく隣接チャンネル漏洩電力を10dB以上も改善できる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明の一実施例であるRF電力増幅器の回路図である。

    【図2】この実施例に用いるFETの静特性を示す図である。

    【図3】この実施例における入力RF信号S1およびドレインバイアスV Dの波形図である。

    【符号の説明】

    1 制御回路 2 ドレインバイアス回路 3 入力低域通過ろ波器(入力LPF) 4 段間低域通過ろ波器(段間LPF) 5 入力低域通過ろ波器(出力LPF) 6 ゲートバイアス回路 11 制御信号入力端子 12 ドレイン電源端子 61 ゲート電源端子 100 電力増幅器ユニット 101 RF信号入力端子 102 RF信号出力端子 C21,C22,C31,C32,C41,C42,C
    51,C52,C61,C62 チップコンデンサ FET1,FET2 GaAs電界効果トランジスタ(FET) L21,L22,L31,L32,L41〜L43,L
    51,L52,L61,L62 インダクタ R11〜R13,R61〜R64 抵抗器 TR11,TR12 バイポーラトランジスタ

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