駆動回路及び可変利得増幅器

申请号 JP2015207836 申请日 2015-10-22 公开(公告)号 JP2017079447A 公开(公告)日 2017-04-27
申请人 住友電気工業株式会社; Sumitomo Electric Ind Ltd; 发明人 TANAKA KEIJI;
摘要 【課題】広い入 力 範囲で動作する線形増幅器を実現すること。【解決手段】本発明の一態様に係る駆動回路12は、第1の定電流を供給するトランジスタQ5と、入力 信号 に応じて第1の定電流を一対の第1の電流に分流し、該一対の第1の電流の一方を第1の出力電流として出力する第1の差動対122と、入力信号に応じて第2の定電流を一対の第2の電流に分流し、該一対の第2の電流のうち第1の出力電流と逆相の電流を第2の出力電流として出力する第2の差動対123と、第1の出力電流から第2の出力電流を差し引いた電流を利得制御信号に応じて一対の第3の電流に分流する利得設定回路128と、一対の第3の電流の一方に基づき出力信号を生成する抵抗RCと、一対の第3の電流の他方に応じて第2の定電流を生成するカレントミラー回路126,127と、を有する可変利得増幅器121を備える。【選択図】図2
权利要求
  • 利得制御信号によって設定された利得に応じて入力信号を増幅して出力信号を出力する可変利得増幅器であって、
    第1の定電流を供給する第1の電流源と、
    前記入力信号に応じて前記第1の定電流を一対の第1の電流に分流し、該一対の第1の電流の一方を第1の出力電流として出力する第1の差動対と、
    前記入力信号に応じて第2の定電流を一対の第2の電流に分流し、該一対の第2の電流のうち前記第1の出力電流と逆相の電流を第2の出力電流として出力する第2の差動対と、
    前記第1の出力電流から前記第2の出力電流を差し引いた電流を前記利得制御信号に応じて一対の第3の電流に分流する利得設定回路と、
    前記一対の第3の電流の一方が流れて生じる電圧降下によって前記出力信号を生成する第1の出力抵抗と、
    前記一対の第3の電流の他方に応じて前記第2の定電流を生成する電流回路と、
    を備える可変利得増幅器と、
    前記出力信号の振幅を検出して、前記振幅に応じた検出信号を生成する検出回路と、
    前記検出信号に基づいて前記利得制御信号を生成する利得制御回路と、を有する駆動回路。
  • 前記第1の差動対は、前記一対の第1の電流の他方を第4の出力電流としてさらに出力し、
    前記第2の差動対は、前記一対の第2の電流のうち前記第2の出力電流として出力した電流の他方を第5の出力電流としてさらに出力し、
    前記利得設定回路は、さらに前記第4の出力電流から前記第5の出力電流を差し引いた電流を前記利得制御信号に応じて一対の第6の電流に分流し、
    前記可変利得増幅器は、前記一対の第6の電流の一方が流れて生じる電圧降下によって別の出力信号を生成する第2の出力抵抗をさらに備え、
    前記電流回路は、前記一対の第3の電流の他方と前記一対の第6の電流の他方との和に応じて前記第2の定電流を生成し、
    前記検出回路は、前記出力信号から前記別の出力信号を差し引いた差動出力信号の振幅を検出し、前記差動出力信号の振幅に応じて前記検出信号を生成する、請求項1記載の駆動回路。
  • 前記電流回路は、第1のカレントミラー回路と第2のカレントミラー回路とを有し、
    前記第1のカレントミラー回路は、前記一対の第3の電流の他方と前記一対の第6の電流の他方との和に比例した第1のミラー電流を出力し、
    前記第2のカレントミラー回路は、前記第1のミラー電流に比例した第2の定電流を生成する、請求項2記載の駆動回路。
  • 前記電流回路は、前記一対の第3の電流の他方と前記一対の第6の電流の他方とを足し合わせた電流が所定の値よりも小さいときに、前記第2の定電流を遮断する、請求項2又は3記載の駆動回路。
  • 前記利得設定回路は、第3の差動対と第4の差動対とを有し、
    前記第3の差動対は、前記利得制御信号が所定の参照電圧よりも大きいときは、前記第1の出力電流から前記第2の出力電流を差し引いた電流について、前記一対の第3の電流の一方が前記一対の第3の電流の他方よりも大きくなるように分流し、前記利得制御信号が前記所定の参照電圧よりも小さいときは、前記第1の出力電流から前記第2の出力電流を差し引いた電流について、前記一対の第3の電流の一方が前記一対の第3の電流の他方よりも小さくなるように分流し、
    前記第4の差動対は、前記利得制御信号が所定の参照電圧よりも大きいときは、前記第4の出力電流から前記第5の出力電流を差し引いた電流について、前記一対の第6の電流の一方が前記一対の第6の電流の他方よりも大きくなるように分流し、前記利得制御信号が所定の参照電圧よりも小さいときは、前記第4の出力電流から前記第5の出力電流を差し引いた電流について、前記一対の第6の電流の一方が前記一対の第6の電流の他方よりも小さくなるように分流する、請求項2〜4のいずれか1項記載の駆動回路。
  • 前記第2の定電流の大きさは、前記第1の定電流の大きさよりも小さい、請求項1〜5のいずれか1項記載の駆動回路。
  • 利得制御信号によって設定された利得に応じて入力信号を増幅して出力信号を出力する可変利得増幅器であって、
    第1の定電流を供給する第1の電流源と、
    前記入力信号に応じて前記第1の定電流を一対の第1の電流に分流し、該一対の第1の電流の一方を第1の出力電流として出力する第1の差動対と、
    前記入力信号に応じて第2の定電流を一対の第2の電流に分流し、該一対の第2の電流のうち前記第1の出力電流と逆相の電流を第2の出力電流として出力する第2の差動対と、
    前記第1の出力電流から前記第2の出力電流を差し引いた電流を前記利得制御信号に応じて一対の第3の電流に分流する利得設定回路と、
    前記一対の第3の電流の一方が流れて生じる電圧降下によって前記出力信号を生成する第1の出力抵抗と、
    前記一対の第3の電流の他方に応じて前記第2の定電流を生成する電流回路と、を備える可変利得増幅器。


  • 说明书全文

    本発明は、光送信器の駆動回路及び可変利得増幅器に関するものである。

    近年、光通信分野では、伝送レートの高速化に伴い、レーザ又は外部変調器において、多値で強度変調を行うこと、或いは位相変調及び強度変調を組み合わせたQAM(quadrature amplitude modulation)を行うことが新しい技術動向となってきている。 多値変調を行う場合には、DAC(digital to analog converter)等により生成された多値信号を、外部光変調器等を駆動するのに十分な振幅に線形増幅する必要がある。 そのために、光送信器等では専用の駆動回路が使用される。 また、伝送レートが高くなると電気信号は信号経路(伝送線路)の伝送損失の影響を受けやすくなるため、駆動回路においては、広い入振幅範囲に対して、所定の出力振幅まで線形性を保ちながら利得を調整することができる増幅器(可変利得増幅器)が必要となる。 可変利得増幅器に関しては、例えば下記非特許文献1に記載のものがあり、線形性を改善する増幅器については、例えば特許文献1及び2に記載のものがある。

    米国特許第7076226号

    特許第2915440号

    RG Mayer et al, " A DC to 1-GHz DifferentialMonolithic Variable-Gain Amplifier ", IEEE, JSSC, vol.26, no.11, Nov., 1991.

    非特許文献1の増幅器では、増幅器の利得を容易に可変とすることができるが、広い入力振幅範囲に対して線形性を確保するために増幅器の動作電流を増やす必要があり、消費電力が増加してしまう。 また、特許文献1の増幅器では、トランスコンダクタンスの一部分をキャンセルすることによって線形性を確保しているが、線形性と引き換えに利得が低下してしまうため、増幅器の電源電流を増やしたり、増幅器を多段にする必要があり、その結果消費電力が増加してしまう。 また、特許文献2の増幅器では、レーザ又は外部変調器の特性に合わせて線形性を確保しているが、線形化の条件として駆動回路の入力振幅を一定にする可変利得増幅器が必要となるため、それによって消費電力が増加してしまう。

    そこで、本発明はかかる課題に鑑みてなされたものであり、広い入力振幅範囲に対して所定の出力振幅まで線形増幅を行える、低消費電力の駆動回路及び可変利得増幅器を提供することを目的とする。

    上記課題を解決するため、本発明の一側面に係る駆動回路は、利得制御信号によって設定された利得に応じて入力信号を増幅して出力信号を出力する可変利得増幅器であって、第1の定電流を供給する第1の電流源と、入力信号に応じて第1の定電流を一対の第1の電流に分流し、該一対の第1の電流の一方を第1の出力電流として出力する第1の差動対と、入力信号に応じて第2の定電流を一対の第2の電流に分流し、該一対の第2の電流のうち第1の出力電流と逆相の電流を第2の出力電流として出力する第2の差動対と、第1の出力電流から第2の出力電流を差し引いた電流を利得制御信号に応じて一対の第3の電流に分流する利得設定回路と、一対の第3の電流の一方が流れて生じる電圧降下によって出力信号を生成する第1の出力� ��抗と、一対の第3の電流の他方に応じて第2の定電流を生成する電流回路と、を備える可変利得増幅器と、出力信号の振幅を検出して、振幅に応じた検出信号を生成する検出回路と、検出信号に基づいて利得制御信号を生成する利得制御回路と、を有する。

    本発明によれば、広い入力振幅範囲に対して所定の出力振幅まで線形増幅を行うことができる、低消費電力の増幅回路及び可変利得増幅器を提供することができる。

    本実施形態に係る駆動回路を含む光送信器の概略構成図である。

    図1に示された駆動回路に含まれる可変利得増幅器の回路図である。

    可変利得増幅器における減算効果を説明するための図である。

    差動入力電圧とコレクタ電流との関係を示す図である。

    比較例に係る利得制御特性及び入出力特性を示す図である。

    本実施形態に係る利得制御特性及び入出力特性を示す図である。

    線形性の改善効果を説明するための図である。

    変形例に係る駆動回路の可変利得増幅器の回路図である。

    本発明の一側面に係る駆動回路は、利得制御信号によって設定された利得に応じて入力信号を増幅して出力信号を出力する可変利得増幅器であって、第1の定電流を供給する第1の電流源と、入力信号に応じて第1の定電流を一対の第1の電流に分流し、該一対の第1の電流の一方を第1の出力電流として出力する第1の差動対と、入力信号に応じて第2の定電流を一対の第2の電流に分流し、該一対の第2の電流のうち第1の出力電流と逆相の電流を第2の出力電流として出力する第2の差動対と、第1の出力電流から第2の出力電流を差し引いた電流を利得制御信号に応じて一対の第3の電流に分流する利得設定回路と、一対の第3の電流の一方が流れて生じる電圧降下によって出力信号を生成する第1の出力抵抗と、一対の第3の電流� ��他方に応じて第2の定電流を生成する電流回路と、を備える可変利得増幅器と、出力信号の振幅を検出して、振幅に応じた検出信号を生成する検出回路と、検出信号に基づいて利得制御信号を生成する利得制御回路と、を有する。

    本駆動回路の可変利得増幅器では、第1の差動対から、第1の定電流を分流した第1の出力電流が出力され、第2の差動対から、第2の定電流を分流した、第1の出力電流と逆相の第2の出力電流が出力される。 そして、第1の出力電流から第2の出力電流を差し引いた電流が、利得設定回路によって、出力信号に係る電流と、出力信号に寄与しない(増幅作用に寄与しない)電流とに分流される。 ここで、第1の出力電流から、第1の出力電流と逆相の第2の出力電流が減算されることにより、第1の出力電流及び第2の出力電流のそれぞれの非線形性が互いに相殺されることとなる。 このことにより、合成電流の線形性を向上させることができ、広い入力振幅範囲に対して、線形増幅を行うことができる。 更に、例えば入力振幅が比較的小さく利得を大きくしたい場合には、利得設定回路によって、出力信号に寄与しない電流(第3の電流の他方)が小さくされることにより、第2の差動対に流れる電流が小さくなる。 これにより、高利得を実現するとともに、消費電力を低減することができる。

    また、第1の差動対は、一対の第1の電流の他方を第4の出力電流としてさらに出力し、第2の差動対は、一対の第2の電流のうち第2の出力電流として出力した電流の他方を第5の出力電流としてさらに出力し、利得設定回路は、さらに第4の出力電流から第5の出力電流を差し引いた電流を利得制御信号に応じて一対の第6の電流に分流し、可変利得増幅器は、一対の第6の電流の一方が流れて生じる電圧降下によって別の出力信号を生成する第2の出力抵抗をさらに備え、電流回路は、一対の第3の電流の他方と一対の第6の電流の他方との和に応じて第2の定電流を生成し、検出回路は、出力信号から別の出力信号を差し引いた差動出力信号の振幅を検出し、差動出力信号の振幅に応じて検出信号を生成してもよい。 これにより、差動出力信号に応じて、適切に利得制御を行うことができる。

    また、電流回路は、第1のカレントミラー回路と第2のカレントミラー回路とを有し、第1のカレントミラー回路は、一対の第3の電流の他方と一対の第6の電流の他方との和に比例した第1のミラー電流を出力し、第2のカレントミラー回路は、第1のミラー電流に比例した第2の定電流を生成してもよい。 これにより、利得設定回路によって配分された、増幅作用に寄与しない電流の大きさに応じて、容易且つ確実に第2の定電流を生成することができる。

    また、電流回路は、一対の第3の電流の他方と一対の第6の電流の他方とを足し合わせた電流が所定の値よりも小さいときに、第2の定電流を遮断してもよい。 これにより、電流回路に流れる電流が微小である場合に、第2の定電流を容易且つ確実にオフにすることができる。

    また、利得設定回路は、第3の差動対と第4の差動対とを有し、第3の差動対は、利得制御信号が所定の参照電圧よりも大きいときは、第1の出力電流から第2の出力電流を差し引いた電流について、一対の第3の電流の一方が一対の第3の電流の他方よりも大きくなるように分流し、利得制御信号が所定の参照電圧よりも小さいときは、第1の出力電流から第2の出力電流を差し引いた電流について、一対の第3の電流の一方が一対の第3の電流の他方よりも小さくなるように分流し、第4の差動対は、利得制御信号が所定の参照電圧よりも大きいときは、第4の出力電流から第5の出力電流を差し引いた電流について、一対の第6の電流の一方が一対の第6の電流の他方よりも大きくなるように分流し、利得制御信号が所定の参照電圧よ� ��も小さいときは、前記第4の出力電流から前記第5の出力電流を差し引いた電流について、前記一対の第6の電流の一方が一対の第6の電流の他方よりも小さくなるように分流してもよい。 これにより、第3の差動対及び第4の差動対を用いて、利得制御信号に基づき適切に利得制御を行うことができる。

    また、第2の定電流の大きさは、第1の定電流の大きさよりも小さくしてもよい。 これにより、増幅に寄与する電流と比べて、増幅に寄与しない、線形性補償のための電流が小さくなり、消費電力を低減することができる。

    本発明の一側面に係る可変利得増幅器は、利得制御信号によって設定された利得に応じて入力信号を増幅して出力信号を出力する可変利得増幅器であって、第1の定電流を供給する第1の電流源と、入力信号に応じて第1の定電流を一対の第1の電流に分流し、該一対の第1の電流の一方を第1の出力電流として出力する第1の差動対と、入力信号に応じて第2の定電流を一対の第2の電流に分流し、該一対の第2の電流のうち第1の出力電流と逆相の電流を第2の出力電流として出力する第2の差動対と、第1の出力電流から第2の出力電流を差し引いた電流を利得制御信号に応じて一対の第3の電流に分流する利得設定回路と、一対の第3の電流の一方が流れて生じる電圧降下によって出力信号を生成する第1の出力抵抗と、一対の第3� ��電流の他方に応じて第2の定電流を生成する電流回路と、を備える。

    以下、添付図面を参照しながら本発明による駆動回路の実施の形態を詳細に説明する。 なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。 また、トランジスタとはバイポーラトランジスタ及び電界効果トランジスタ(FET)の双方を含む。 以下の説明ではトランジスタがバイポーラトランジスタである場合を例示するが、トランジスタがFETである場合、ベース、エミッタ及びコレクタはそれぞれゲート、ソース及びドレインと置き換えられる。

    図1に示されるように、光送信器1は、DAC11と、駆動回路12と、レーザ又は外部光変調器13とを備えている。 光送信器1は、例えば1300nm帯の4波長を使用して2芯双方向で光信号を送受信する100ギガビット光トランシーバ又は40ギガビット光トランシーバに備わっている。 図1では、4波長のうち1波長に係る光送信器1の構成のみを図示している。

    DAC11は、例えば外部装置(図示せず)から入力された電気信号のデジタルアナログ変換を行い、差動信号を駆動回路12に出力する。 DAC11から出力された差動信号は、伝送線路14を経て、駆動回路12の差動入力端子VIP,VINに入力される。

    駆動回路12は、DAC11から入力された差動信号に応じて、レーザ又は外部光変調器13の出力光(光出力信号)を変調するための駆動信号を出力する。 駆動回路12は、可変利得増幅器121と、出力増幅器131と、振幅検出回路132と、利得制御回路133と、を有している。

    可変利得増幅器121は、光出力信号の変調に係る駆動用回路であり、差動信号を増幅して出力する差動増幅回路である。 可変利得増幅器121は、利得制御信号に応じて利得を調整することができる。 可変利得増幅器121の詳細は後述する。 出力増幅器131は、可変利得増幅器121で増幅されて出力された信号をさらに増幅する増幅回路である。 出力増幅器131は、可変利得増幅器121と異なり、予め設定された一定の利得(増幅率)で信号を増幅する。 出力増幅器131は、レーザ又は外部光変調器13からの光出力信号を変調するのに十分な程度まで、入力された信号の振幅を増幅する。 出力増幅器131から出力された信号は、レーザ又は外部光変調器13の出力光(光出力信号)を変調するための駆動信号としてレーザ又は外部光変調器13に出力される。 振幅検出回路132は、出力増幅器131から出力され、駆動回路12の外部に出力される駆動信号の振幅を検出する検出回路である。 振幅検出回路132は、検出した振幅を示す情報を利得制御回路133に出力する。 利得制御回路133は、振幅検出回路132が検出した信号の振幅と、予め記憶した駆動回路12の駆動信号の振幅の目標値とを比較して、これらの差異(誤差)を導出し、当該誤差に応じた利得制御信号を可変利得増幅器121に出力する。 利得制御回路133は、可変利得増幅器121と出力増幅器131とによって増幅された信号が所定の振幅となるように設計されている。 そして、可変利得増幅器121は、利得制御回路133からの利得制御信号を受け、利得制御信号に応じて利得を調整する。 このように、可変利得増幅器121が利得制御回路133からの誤差を示す情報に基づいてフィードバック制御を行うことにより、駆動回路12からレーザ又は外部光変調器13に出力される信号の振幅を一定に保つ。

    レーザ又は外部光変調器13は、例えば、半導体レーザであれば、分布帰還型レーザダイオード、フェブリベロ―型レーザダイオード又は面発光型レーザダイオード等のLD(Laser Diode)であり、外部光変調器であれば電界吸収型光変調器、マッハツェンダー型光変調器である。 レーザ又は外部光変調器13は、駆動回路12から出力された駆動信号に応じて光出力信号を変調して出力する。

    次に、図2を参照して、可変利得増幅器121の詳細を説明する。 図2に示されるように、可変利得増幅器121は、第1の差動対122と、第2の差動対123と、利得設定回路128と、第1のカレントミラー回路126と、第2のカレントミラー回路127と、を有している。 利得設定回路128は、第3の差動対124と第4の差動対125とを含んだ

    第1の差動対122は、一対のトランジスタQ1(第1のトランジスタ)及びQ1B(第2のトランジスタ)と、定電流端子122aとを含んでいる。 トランジスタQ1及びQ1BはいずれもNPNトランジスタである。 トランジスタQ1及びQ1Bの各エミッタ(第1のエミッタ,第2のエミッタ)は、それぞれ抵抗RE1,RE1Bを介して互いに定電流端子(第1の定電流端子)122aに接続されている。

    このように、トランジスタQ1のエミッタとトランジスタQ1Bのエミッタとが互いに接続された回路構成を差動対(第1の差動対122)と呼ぶ。 第1の差動対122の回路構成としては、2つのエミッタが例えば抵抗RE1、RE1Bの直列回路を介して接続されていてもよいし、2つのエミッタ同士が直接接続されていてもよい。 第1の差動対122において、トランジスタQ1のベースに入力される電圧とトランジスタQ1Bのベースに入力される電圧との差(差動電圧)に応じて、定電流端子122aを流れる電流が、トランジスタQ1とトランジスタQ1Bとに配分(分流)される。 トランジスタQ1に配分された電流はトランジスタQ1のコレクタを流れ、トランジスタQ1Bに配分された電流はトランジスタQ1Bのコレクタを流れる。

    例えば、トランジスタQ1のベースに入力される電圧がトランジスタQ1Bのベースに入力される電圧よりも大きくなると、定電流端子122aを流れる電流のほとんどがトランジスタQ1に流れる。 反対に、トランジスタQ1Bのベースに入力される電圧がトランジスタQ1のベースに入力される電圧よりも大きくなると、定電流端子122aを流れる電流のほとんどがトランジスタQ1Bに流れる。 トランジスタQ1のベースに入力される電圧とトランジスタQ1Bのベースに入力される電圧とが等しいときには、定電流端子122aを流れる電流は、トランジスタQ2BとトランジスタQ2とにほぼ等分されて流れる。

    また、定電流端子122aは、電流源として作用するトランジスタQ5(第1の電流源)に接続されている。 より詳細には、定電流端子122aはトランジスタQ5のコレクタに接続され、トランジスタQ5のエミッタは接地されている。 トランジスタQ1のベース(第1のベース)には、伝送線路14から差動入力端子VIPに入力された差動信号の正相成分が入力される。 また、トランジスタQ1Bのベース(第2のベース)には、伝送線路14から差動入力端子VINに入力された差動信号の逆相成分が入力される。 差動入力端子VIP,VINにそれぞれ入力される正相成分と逆相成分とは、互いに位相が180度異なり相補的に変化する一対の相補信号である。 正相成分と逆相成分との差が差動信号となる。

    可変利得増幅器121は、差動信号の増幅を行う。 差動入力端子VIPは差動信号の正相成分の入力端子であり、差動入力端子VINは差動信号の逆相成分の入力端子である。 さらに、トランジスタQ1,Q1Bのコレクタ(第1のコレクタ,第2のコレクタ)は、それぞれ定電流端子124a(第3の定電流端子),125a(第4の定電流端子)に接続されている。

    可変利得増幅器121は、出力端子として、差動出力端子VOP,VONを有している。 差動出力端子VONは、トランジスタQ1のコレクタ側に接続された第1の出力端子である。 より詳細には、差動出力端子VONは、後述するトランジスタQ3を介して定電流端子124aに接続されている。 また、差動出力端子VOPは、トランジスタQ1Bのコレクタ側に接続された第2の出力端子である。 より詳細には、差動出力端子VOPは、後述するトランジスタQ4を介して定電流端子125aに接続されている。 これらの構成により、第1の差動対122は、トランジスタQ5に流れる電流を、差動信号に応じて定電流端子124aを流れる電流と定電流端子125aを流れる電流とに配分(分流)する。 なお、Q5のベースには、温度及び電源電圧変動に対して一定のコレクタ電流が流れるように調整されたベース電圧が端子Vcsを介して供給されている。

    第2の差動対123は、一対のトランジスタQ2(第3のトランジスタ)及びQ2B(第4のトランジスタ)と、定電流端子123a(第2の定電流端子)とを含んでいる。 トランジスタQ2及びQ2BはいずれもNPNトランジスタである。 トランジスタQ2及びQ2Bの各エミッタ(第3のエミッタ,第4のエミッタ)は、それぞれ抵抗RE2,RE2Bを介して互いに定電流端子123aに接続されている。

    このように、トランジスタQ2のエミッタとトランジスタQ2Bのエミッタとが互いに接続された構成を差動対(第2の差動対123)と呼ぶ。 第2の差動対123の回路構成としては、2つのエミッタが抵抗RE2、RE2Bの直列回路を介して接続されていてもよいし、2つのエミッタ同士が直接接続されていてもよい。 第2の差動対123において、トランジスタQ2のベースに入力される電圧とトランジスタQ2Bのベースに入力される電圧との差(差動電圧)に応じて、定電流端子123aを流れる電流が、トランジスタQ2とトランジスタQ2Bとに配分(分流)される。 トランジスタQ2に配分された電流はトランジスタQ2のコレクタを流れ、トランジスタQ2Bに配分された電流はトランジスタQ2Bのコレクタを流れる。

    例えば、トランジスタQ2のベースに入力される電圧がトランジスタQ2Bのベースに入力される電圧より大きくなると、定電流端子123aを流れる電流のほとんどがトランジスタQ2に流れる。 反対に、トランジスタQ2Bのベースに入力される電圧がトランジスタQ2のベースに入力される電圧より大きくなると、定電流端子123aを流れる電流のほとんどがトランジスタQ2Bに流れる。 トランジスタQ2のベースに入力される電圧とトランジスタQ2Bのベースに入力される電圧とが等しいときには、定電流端子123aを流れる電流は、トランジスタQ2BとトランジスタQ2とにほぼ等分されて流れる。

    また、定電流端子123aは電流源として作用するトランジスタQ6(第2の電流源)に接続されている。 より詳細には、定電流端子123aはトランジスタQ6のコレクタに接続され、トランジスタQ6のエミッタは接地されている。 トランジスタQ2のベース(第3のベース)には、差動入力端子VIPから差動信号の正相成分が入力される。 また、トランジスタQ2Bのベース(第4のベース)には、差動入力端子VINから差動信号の逆相成分が入力される。

    さらに、トランジスタQ2及びQ2Bのコレクタ(第3のコレクタ,第4のコレクタ)は、それぞれ定電流端子125a,124aに接続されている。 定電流端子125aは上述したトランジスタQ1Bに接続されている。 従って、トランジスタQ2のコレクタは、トランジスタQ1Bのコレクタに接続されている。 また、定電流端子124aは上述したトランジスタQ1に接続されている。 従って、トランジスタQ2Bのコレクタは、トランジスタQ1のコレクタに接続されている。 これらの構成により、第2の差動対123は、トランジスタQ6に流れる電流を、差動信号に応じて定電流端子125aを流れる電流と定電流端子124aを流れる電流とに配分(分流)する。

    利得設定回路128は、トランジスタQ1が抵抗RCから引き込む電流、及び、トランジスタQ1Bが抵抗RCBから引き込む電流をそれぞれ増減させる。 利得設定回路128は、第3の差動対124と、第4の差動対125とを含んで構成されている。 第3の差動対124は、一対のトランジスタQ3(第5のトランジスタ)及びQ3B(第6のトランジスタ)を含んでいる。 トランジスタQ3及びQ3BはいずれもNPNトランジスタである。 トランジスタQ3のエミッタ(第5のエミッタ)とトランジスタQ3Bのエミッタと(第6のエミッタ)は、定電流端子124aを介して互いに接続され、差動対(第3の差動対124)を構成する。

    第3の差動対124において、トランジスタQ3及びQ3Bのそれぞれのベースに入力される電圧の差に応じて、定電流端子124aを流れる電流がトランジスタQ3、Q3Bに配分(分流)される。 また、定電流端子124aは、トランジスタQ1のコレクタとトランジスタQ2Bのコレクタに接続されている。 トランジスタQ3のベース(第5のベース)は、利得制御に係る電圧(利得制御信号)が印加された利得制御端子Vagcに接続されている。 可変利得増幅器121では、利得制御端子Vagcに印加する電圧を制御することによって、駆動回路12から出力される駆動信号の振幅を一定に保っている。 すなわち、入力された差動信号の振幅の大きさに応じて利得を調整し、増幅によって生成された駆動信号の振幅を一定に保つように利得制御信号が制御される。 当該利得制御端子Vagcに印加する電圧は、上述した、利得制御回路133から供給される。

    トランジスタQ3Bのベース(第6のベース)は、参照電圧が印加された参照電圧端子Vagcrefに接続されている。 参照電圧端子Vagcrefは、抵抗RAGCを介して電源Vccに接続されるとともに、電流源として作用するトランジスタQ7を介して接地されている。 参照電圧端子Vagcrefの電位は、抵抗RAGC及びトランジスタQ7によって決まる。 トランジスタQ3のコレクタ(第5のコレクタ)は、抵抗RCを介して電源Vccに接続されている。 トランジスタQ3のコレクタは、可変利得増幅器121の出力端子である差動出力端子VONに接続されている。 当該差動出力端子VONから次段の出力増幅器131に信号が出力される。 差動出力端子VONから出力される信号の電位は、電源Vccの電圧(電源電圧)を基準電位として、トランジスタQ3のコレクタ電流が抵抗RCを流れることで生じる電圧降下に応じて変化する。

    ところで、定電流端子124aを流れる電流は、参照電圧と利得制御に係る電圧とに応じて、トランジスタQ3を流れる電流とトランジスタQ3Bを流れる電流とに配分(分流)される。 トランジスタQ3を流れる電流は、抵抗RCを流れることで出力信号に寄与するが、トランジスタQ3Bを流れる電流は出力信号には寄与しない。 出力信号は増幅作用によって生成されるので、出力信号に寄与する電流は可変利得増幅器121の増幅作用に寄与し、出力信号に寄与しない電流は可変利得増幅器121の増幅作用に寄与しないことになる。 このように、トランジスタQ3を流れる電流とトランジスタQ3Bを流れる電流の配分を変えることで出力される信号の大きさが変化し、それによって利得の調整が行われる。 また、トランジスタQ3Bのコレクタ(第6のコレクタ)は、第1のカレントミラー回路126のトランジスタQ8のコレクタ(詳細は後述)に接続されている。

    第4の差動対125は、一対のトランジスタQ4(第7のトランジスタ)及びQ4B(第8のトランジスタ)を含んでいる。 トランジスタQ4及びQ4BはいずれもNPNトランジスタである。 トランジスタQ4のエミッタ(第7のエミッタ)とトランジスタQ4Bのエミッタ(第8のエミッタ)は、定電流端子125aを介して互いに接続され、差動対(第4の差動対125)を構成する。

    第4の差動対125において、トランジスタQ4及びQ4Bのそれぞれのベースに入力される電圧の差に応じて、定電流端子125aを流れる電流がトランジスタQ4、Q4Bに配分(分流)される。 また、定電流端子125aは、トランジスタQ1BのコレクタとトランジスタQ2のコレクタに接続されている。 トランジスタQ4のベース(第7のベース)は、利得制御端子Vagcに接続されている。

    トランジスタQ4Bのベース(第8のベース)は、参照電圧端子Vagcrefに接続されている。 トランジスタQ4のコレクタ(第7コレクタ)は、抵抗RCBを介して電源Vccに接続されている。 トランジスタQ4のコレクタは、可変利得増幅器121の出力端子である差動出力端子VOPに接続されている。 当該差動出力端子VOPから次段の出力増幅器131に信号が出力される。 差動出力端子VOPから出力される信号の電位は、電源Vccの電圧(電源電圧)を基準電位として、トランジスタQ4のコレクタ電流が抵抗RCBを流れることで生じる電圧降下に応じて変化する。

    ところで、定電流端子125aを流れる電流は、参照電圧と利得制御に係る電圧とに応じて、トランジスタQ4を流れる電流とトランジスタQ4Bを流れる電流とに配分(分流)される。 トランジスタQ4を流れる電流は、抵抗RCBを流れることで出力信号に寄与するが、トランジスタQ4Bを流れる電流は出力信号には寄与しない。 出力信号は増幅作用によって生成されるので、出力信号に寄与する電流は可変利得増幅器121の増幅作用に寄与し、出力信号に寄与しない電流は可変利得増幅器121の増幅作用に寄与しないことになる。 このように、トランジスタQ4を流れる電流とトランジスタQ4Bを流れる電流の配分を変えることで出力される信号の大きさが変化し、それによって利得の調整が行われる。 また、トランジスタQ4Bのコレクタ(第8のコレクタ)は、第1のカレントミラー回路126のトランジスタQ8のコレクタ(詳細は後述)に接続されている。 より詳細には、トランジスタQ4Bのコレクタは、トランジスタQ3Bのコレクタと共通に接続されたトランジスタQ8を介して電源Vccに接続されている。

    上述した利得制御端子Vagcの電圧に応じて、トランジスタQ3B,Q4Bに電流が流れるが、それらの電流は電源Vccから第1のカレントミラー回路126を介して供給される。 また、一対のトランジスタQ2及びQ2Bを流れる電流は、第2のカレントミラー回路を介してグランドに流れる(詳細は後述)。 差動信号の正相成分に応じてトランジスタQ1に流れる電流は、差動信号の逆相成分に応じてトランジスタQ2Bを流れる電流によって相殺され、トランジスタQ1が抵抗RCから引き込む電流は減少する。 差動信号の逆相成分に応じてトランジスタQ1Bに流れる電流は、差動信号の正相成分に応じてトランジスタQ2を流れる電流によって相殺され、トランジスタQ1Bが抵抗RCBから引き込む電流は減少する。

    なお、可変利得増幅器121の利得は、抵抗の大きさにも依存する。 例えば、抵抗RE1、RE1B、RE2及びRE2Bにおける電圧降下が100mV以上になるようにトランジスタQ5、Q6の電流、抵抗RE1、RE1B,RE2、及びRE2Bの抵抗値を決めた場合、第1の差動対122の利得A(Q1,Q1B)及び第2の差動対123の利得A(Q2,Q2B)は、抵抗RE1,RE2,RCの値を用いて以下(1)式及び(2)式のように表すことができる。
    A(Q1,Q1B)=−RC/RE1…(1)
    A(Q2,Q2B)=RC/RE2…(2)
    ここで、抵抗RE1、RE2、RCのそれぞれの抵抗値をRE1、RE2、RCとし、抵抗RE1Bの抵抗値は抵抗RE1の抵抗値と等しく、抵抗RE2Bの抵抗値は抵抗RE2の抵抗値と等しく、抵抗RCBの抵抗値は抵抗RCの抵抗値と等しいとし、トランジスタQ1とQ1Bのサイズは同じで、トランジスタQ2とQ2Bのサイズも同じであるとしている。

    上記(1)式及び(2)式より、第1の差動対122と第2の差動対123の合成利得ATは、
    AT=RC(1/RE2−1/RE1)…(3)
    となる。

    第1のカレントミラー回路126は、トランジスタQ8(第1の入力トランジスタ)と、トランジスタQ9(第1の出力トランジスタ)とを有している。 トランジスタQ8,Q9はいずれもPNPトランジスタである。 トランジスタQ8は、ベース(第1の入力ベース)と、コレクタ(第1の入力コレクタ)と、エミッタ(第1の入力エミッタ)とを備えている。 トランジスタQ8のコレクタは、トランジスタQ3Bのコレクタ及びトランジスタQ4Bのコレクタに接続されるとともに、トランジスタQ8のベースに接続されている。

    すなわち、トランジスタQ8のコレクタは、トランジスタQ3Bを介してトランジスタQ2Bのコレクタに接続されるとともに、トランジスタQ4Bを介してトランジスタQ2のコレクタに接続されている。 第1のカレントミラー回路126は、トランジスタQ8を流れる電流(第1の入力電流)に比例した電流をトランジスタQ9に流す。 トランジスタQ9を流れる電流(第1の出力電流)の第1の入力電流に対する倍率は、例えば、トランジスタQ8、Q9のサイズの比によって決めることができる。 第1のカレントミラー回路126は、利得設定回路128によって配分された出力信号に寄与しない電流が第1の入力電流となって動作する。 すなわち、トランジスタQ8のコレクタがトランジスタQ3Bのコレクタ及びトランジスタQ4Bのコレクタに接続されているため、第1のカレントミラー回路126は、トランジスタQ3B,Q4Bに流れる電流を第1の入力電流として動作する。

    トランジスタQ8のエミッタは、電源Vccに接続されている。 トランジスタQ9は、ベース(第1の出力ベース)と、コレクタ(第1の出力コレクタ)と、エミッタ(第1の出力エミッタ)とを備えている。 トランジスタQ9のベースは、トランジスタQ8のベースに接続されている。 トランジスタQ9のエミッタは、電源Vccに接続されている。 トランジスタQ9のコレクタから第2のカレントミラー回路127に出力される第1の出力電流は、トランジスタQ8のコレクタを流れる第1の入力電流に比例する。

    第2のカレントミラー回路127は、第1のカレントミラー回路126に接続されている。 第2のカレントミラー回路127は、トランジスタQ10(第2の入力トランジスタ)と、トランジスタQ6(第2の出力トランジスタ、第2の電流源)とを有している。 トランジスタQ10,Q6はいずれもNPNトランジスタである。 トランジスタQ10は、ベース(第2の入力ベース)と、コレクタ(第2の入力コレクタ)と、エミッタ(第2の入力エミッタ)とを備えている。 トランジスタQ10のコレクタは、トランジスタQ9のコレクタに接続されるとともに、トランジスタQ10のベースに接続されている。

    トランジスタQ6は、ベース(第2の出力ベース)と、コレクタ(第2の出力コレクタ)と、エミッタ(第2の出力エミッタ)とを備えている。 トランジスタQ6のベースは、トランジスタQ10のベースに接続されている。 トランジスタQ6のコレクタは、定電流端子123aに接続されている。 第2のカレントミラー回路127において、トランジスタQ10のコレクタからエミッタに流れる電流が入力電流(第2の入力電流)となり、それに比例した電流(第2の出力電流)がトランジスタQ6のコレクタからエミッタに流れる。 第2のカレントミラー回路127には、第1のカレントミラー回路126の出力電流(第1の出力電流)が入力電流として入力される。 従って、第1のカレントミラー回路126と第2のカレントミラー回路127とをこのように構成し、そのことにより、第2の出力電流は、第1の入力電流に比例した電流となる。

    以上の構成を備える駆動回路12の作用及び効果について、従来の課題を踏まえて説明する。

    多値変調を行う場合等において、レーザ又は外部光変調器を駆動する駆動回路には、それらを駆動するのに十分な振幅まで入力信号(変調信号)を線形増幅することが求められている。 一般的に、DACからの信号はプリント基板上の伝送線路を通過して駆動回路に入力されるが、プリント基板上の伝送線路の長さは多連ポートの装置において一定にならないため、長さの違いによって各ポート間で伝送損失が異なってしまう。 この場合、DAC側で、直流及び低周波での利得を低減し高周波での利得を低周波での利得に対して高く保つ処理(プリエンファシス)を実施することにより、伝送信号のアイパターン開口が駆動回路の入力端子で整うように調整される。 しかしながら、各ポートの伝送損失が異なるため、プリエンファシスを実施された後に駆動回路に入力された信号の振幅はポート毎に異なってしまう。 加えて、DACから出力されるときの信号の振幅自体にもばらつきがある。 このため、駆動回路は、入力信号の振幅が通常200〜800mVppd程度の範囲でばらついたとしても、入力信号を線形増幅することが求められる。

    一方で、駆動回路の出力となるレーザ又は外部光変調器を駆動する駆動信号の振幅は、略一定とされる必要があり、駆動回路は200〜800mVppdの振幅の入力信号に対して、例えば5Vppd等の一定の振幅の駆動信号を出力するように線形増幅を行う必要がある。 すなわち、駆動回路には、線形性を保ちながら利得を広範囲に制御することが求められている。 例えば、増幅回路の線形性を保ちながら利得制御を行う従来技術として、線形性を確保するために増幅器の動作電流を増やす方法があるが、この場合消費電力が増加してしまう。 また、他にも、トランスコンダクタンスの非線形性(歪み)を補償することによって線形性を確保する方法があるが、線形性の改善と引き換えに利得が低下してしまうため増幅器の電流を増やしたり、増幅器を多段にする必要があり、その結果消費電力が増加してしまう。 また、レーザ又は外部光変調器の特性に合わせて線形性を確保する方法があるが、そのために駆動回路の入力信号の振幅を一定に保つことが必要条件となる。 そのため、駆動回路の前に振幅調整用の可変利得増幅器が必要となり、結果として消費電力が増加してしまう。 このように、従来、線形性を改善しながら消費電力の低減を実現することは困難とされてきた。

    この点、本実施形態の駆動回路12では、第1の差動対122において差動信号の正相成分が入力されるトランジスタQ1のコレクタに、第2の差動対123において差動信号の逆相成分が入力されるトランジスタQ2Bのコレクタが接続されている。 また、第1の差動対122において差動信号の逆相信号が入力されるトランジスタQ1Bのコレクタに、第2の差動対123において差動信号の逆相信号が入力されるトランジスタQ2のコレクタが接続されている。 そして、利得設定回路128によって配分された出力信号に寄与しない(増幅作用に寄与しない)電流が第1の入力電流として第1のカレントミラー回路126に入力され、第1の入力電流に比例した第1の出力電流が出力される。 さらに、第1の出力電流は、第2のカレントミラー回路127の第2の入力電流となり、第2のカレントミラー回路は第2の入力電流に比例した第2の出力電流を出力する。 第2の出力電流は、第2の差動対123に供給される。 このため、利得設定回路128によって配分された増幅作用に寄与しない電流に応じた電流が、トランジスタQ6(第2の電流源)に流れる。 当該トランジスタQ6には、第2の差動対123の定電流端子123aが接続されているので、第2の差動対123には、利得設定回路128によって配分された増幅作用に寄与しない電流に応じた電流が流れる。

    差動信号の逆相成分が入力されたトランジスタQ2Bに流れる電流は、差動信号の正相成分が入力されたトランジスタQ1に流れる電流を減算する。 また、差動信号の正相成分が入力されたトランジスタQ2に流れる電流は、差動信号の逆相成分が入力されたトランジスタQ1Bに流れる電流を減算する。 このような減算を行うことにより、減算される電流と減算する電流のそれぞれの非線形性が互いに相殺される。 それにより、それぞれの合成電流の線形性を向上させることができる。 このような相殺による非線形性の補償作用は、入力振幅が比較的大きくて利得を小さくしたい場合に行われる。 更に、例えば入力振幅が比較的小さくて利得を大きくしたい場合には、上述した減算を行わずとも、合成電流の線形性が確保され易い。 そのため、入力振幅が比較的小さい場合には、利得設定回路128による電流の減少量を小さく(例えば無視できる程度に小さく)することにより、第2の差動対に流れる電流の量が小さくなる。 これにより、高利得にすることができる。 よって、本駆動回路12によれば、利得設定回路128を調整することで、高い利得と線形性の改善を同じ回路構成で実現することができる。

    上述した非線形の補償作用について、図3及び図4を参照して説明する。 図3では、差動入力端子VIP,VINに入力される差動信号の電圧(差動入力電圧)に対する、トランジスタQ1,Q2Bの出力電流の変化及びトランジスタQ1,Q2Bに係るトランスコンダクタンスの変化が示されている。 トランスコンダクタンスは、差動入力電圧に対するそれぞれの電流の微係数に相当する。 差動入力電圧は、差動信号の正相成分の電圧と逆相成分の電圧との差に等しい。 ここでは、差動信号の正相成分の電圧が逆相成分の電圧よりも大きいときに、差動入力電圧は正の値になり、差動信号の正相成分が逆相成分の電圧よりも小さいときに、差動入力電圧は負の値になる。 差動信号の正相成分の電圧と逆相成分の電圧とが等しいときには、差動入力電圧はゼロとなる。

    図3における一点鎖線はトランジスタQ1の出力電流及びトランスコンダクタンスを、実線はトランジスタQ2Bの出力電流及びトランスコンダクタンスを、破線はトランジスタQ1の出力電流とトランジスタQ2Bの出力電流との合成電流をそれぞれ示している。 差動入力電圧が大きくなると、トランジスタQ1のコレクタ電流が増加し、第1の差動対122が完全にスイッチする(トランジスタQ1がオンし、トランジスタQ2がオフする)ことによって、当該コレクタ電流が、エミッタ側に接続された第1の電流源であるトランジスタQ5の電流と一致する。 すなわち、定電流端子122aを流れるトランジスタQ5のコレクタ電流は、全てトランジスタQ1に流れるように配分され、トランジスタQ1Bには電流が流れなくなる。 一方、トランジスタQ2Bのコレクタ電流は、第2の差動対123に差動入力電圧が反転されて入力されるため、差動入力電圧が大きくなると減少する。 トランジスタQ1のコレクタとトランジスタQ2Bのコレクタは接続されているため、それぞれの電流の合成電流は差動入力電圧が0となる付近でその傾きである利得(すなわちトランスコンダクタンスゲイン)が負の値に低下することとなる。

    差動入力電圧に対するトランジスタQ2Bの増幅動作範囲をトランジスタQ1の増幅動作範囲より狭く設定しておくことによって、差動入力電圧が0となる付近のみ利得(トランスコンダクタンスゲイン)を低下させ、0付近を除いた領域では第1の差動対122の持つ利得と一致するようにできる。 このように、第1の差動対122と第2の差動対123のそれぞれに流れる電流値と増幅動作範囲を適切に設定することによって、合成電流の線形性を向上させることができる。 トランスコンダクタンスをできるだけ広い範囲で平に保つことで線形性が向上する。

    図4には、第1の差動対122における、差動入力電圧とトランジスタQ1及びQ1Bのそれぞれのコレクタ電流との関係が示されている。 図4では、トランジスタQ1及びQ1Bのそれぞれのコレクタ電流を示したグラフにおいて、最も内側の曲線が、抵抗RE1,RE1Bの電圧降下が0mVである場合を示しており、外側に向かうつれて、それぞれ、抵抗RE1,RE1Bの電圧降下が50mV、100mV、150mV、200mV、250mVである場合を示している。

    図4に示されるように、抵抗RE1,RE1Bでの電圧降下が大きいほど線形性が向上する(広い範囲に渡ってグラフが直線性を示している)が、利得は低下してしまう。 利得はグラフの斜めの直線部分の傾きに相当する。 本実施形態の駆動回路12では、抵抗RE1、RE1Bにおける電圧降下よりも抵抗RE2、RE2Bにおける電圧降下が小さくなるように、抵抗RE1,RE1B,RE2、RE2B及びそれらに流れる電流(トランジスタQ5及びQ6のそれぞれのコレクタ電流)の設定値を決めている。 なお、トランジスタQ1及びQ1Bが同じ特性の場合、通常、抵抗RE1、RE1Bの抵抗値は同じにするとよい。 また、トランジスタQ2及びQ2Bが同じ特性の場合にも、通常、抵抗RE2、RE2Bの抵抗値は同じにするとよい。

    線形性の向上について、具体例を用いて、図5〜7を参照し説明する。 例えば、可変利得増幅器121が、振幅が650mVppdの差動出力電圧を出力する場合を考える。 この場合、差動信号(差動入力電圧)の振幅範囲が200〜800mVppdとすると、差動入力電圧に対する差動出力電流の比から利得は少なくとも0.8〜3.25倍(−2〜10dB)の可変範囲とする必要がある。 最大利得として10dBが必要となるため、抵抗RCを125Ω、抵抗RE1の抵抗値を25Ωとし、余裕を見て最大利得を5倍(RC/RE1)とする。 なお、抵抗RE1Bの抵抗値は抵抗RE1の抵抗値と同じにする。

    図4に示すとおり、増幅器の線形性は差動対の各エミッタに接続された抵抗RE1、RE1Bでの電圧降下で決定される。 最大入力時(800mVppd)においても線形性を確保するために、ここでは、抵抗RE1での電圧降下を187.5mV確保することとし、電流源であるトランジスタQ5のコレクタ電流を15mAとする。 さらに上述の非線形性の補償(線形性の改善)を行うため、第2の差動対123による補償用の利得を、抵抗RE2、RE2Bを70Ωとし1.78倍とする。 抵抗RE2、RE2Bによる電圧降下が100mVとなるように、第2の電流源であるトランジスタQ6のコレクタ電流を3mAとする。 当該電流は、上述したとおり第1のカレントミラー回路126の第1の入力電流(トランジスタQ8のコレクタ電流)に依存するため、トランジスタQ8のコレクタ電流からトランジスタQ6のコレクタへの電流利得(比例定数)が3/15になるように、トランジスタQ8,Q9,Q10,Q6のそれぞれのサイズを調整する。 このような回路を構成することにより、利得制御端子Vagcの電圧が参照電圧端子Vagcrefの電圧よりも小さい場合(例えば利得制御端子Vagcに入力される電圧がVagcref−50mV以下)においては、第1の差動対122の電流がトランジスタQ8に流れ、差動出力端子VOP,VONに出力される出力差動電圧の振幅が小さくなり利得が減少する。

    トランジスタQ8のコレクタ電流に応じて、第1のカレントミラー回路126と第2のカレントミラー回路127を介して3/15倍された電流がトランジスタQ6のコレクタ電流となるので、トランジスタQ1のコレクタ電流からトランジスタQ2Bのコレクタ電流が減算され、トランジスタQ1Bのコレクタ電流からトランジスタQ2のコレクタ電流が減算され、それにより、合成電流の線形性が改善される。 なお、ここで減算と説明するときに、それぞれのコレクタ電流は絶対値で考えている。 コレクタ電流の向きを考慮すると、電流の正負の向きを定電流端子124aから流れ出す方向を正と定義し、反対に、定電流端子124aに流れ込む方向を負と定義すると、トランジスタQ1のコレクタ電流が正の値のときに、トランジスタQ2Bのコレクタ電流は負の値となり、正の電流と負の電流とが加算されて非線形性が補償されるという表現をとることもできる。 同様に、電流が定電流端子125aから流れ出す方向を正と定義し、反対に、定電流端子125aに流れ込む方向を負と定義すると、トランジスタQ1Bのコレクタ電流が正の値のときに、トランジスタQ2のコレクタ電流は負の値となり、正の電流と負の電流とが加算されて非線形性が補償されるという表現をとることもできる。 一方で、利得制御端子Vagcの電圧が参照電圧端子Vagcrefの電圧よりも大きい場合(例えば利得制御端子Vagcの電圧がVagcref+100mV以上)においては、トランジスタQ1及びQ1Bのそれぞれのコレクタ電流がそれぞれ抵抗RC,RCBに流れ、差動出力端子VOP,VONに出力される差動出力電圧の振幅が大きくなり、利得が増加する。

    図5は、上述した第2の差動対123、第2の電流源であるトランジスタQ6、第1のカレントミラー回路126、及び第2のカレントミラー回路127が設けられていない可変利得増幅器を備えた、比較例に係る駆動回路の回路シミュレーションを実施した結果である。 図5(a)〜(c)においては、最も下側の曲線が利得制御端子Vagcの電圧がVagcref−50mVである場合を示しており、上側に向かうにつれて、+10mV刻みに、利得制御端子Vagcの電圧がVagcref+100mVまでの曲線を示している。

    図5(a)は可変利得増幅器の利得制御特性を示している。 利得制御端子Vagcの電圧を大きくすることによって電圧利得が増加するが、電圧利得の、差動入力振幅(VIP−VIN)に対する依存性は大きくない。 ここで、電圧VIPは差動入力端子VIPに入力される差動信号の正相成分の電圧を表し、電圧VINは差動入力端子VINに入力される差動信号の逆相成分の電圧を表す。 図5(b)は駆動回路全体での利得特性を示している。 線形性が悪く、差動入力振幅が大きくなるにつれて利得が右下がりで低下して行く。 図5(c)は駆動回路全体での入出力特性を示している。 線形性が悪いため、低利得設定にした場合に、差動入力電圧が大きくなると0.2Vを超える辺りから傾き(利得)が徐々に小さくなって行き、最終的に飽和する(水平になる)。

    一方、図6は、本実施形態の駆動回路12の抵抗等の各定数を、上述したように設定した場合の回路シミュレーション結果である。 図6(a)〜(c)においては、最も下側の曲線が利得制御端子Vagcの電圧がVagcref−50mVである場合を示しており、上側に向かうにつれて、+10mV刻みに、利得制御端子Vagcの電圧がVagcref+100mVまでの曲線を示している。 図6(a)は可変利得増幅器121の利得制御特性を示している。 利得制御端子Vagcの電圧を大きくすることによって電圧利得が増加しており、また、本発明の効果により差動入力振幅が0付近から差動入力電圧が大きくなる方向に電圧利得が水平な領域が広がっていることがわかる。 なお、図6(a)〜(c)は、便宜上、差動入力電圧が正となる領域での結果を示しているが、差動入力電圧が負となる領域については、回路の構成及び動作に対称性があるため、図6(a)〜(c)のグラフを縦軸を対称軸として折り返した特性となる。 従って、実際には、差動入力電圧=0Vを中心として電圧利得が水平な領域が、差動入力電圧が正、負それぞれの方向に広がっている。 電圧利得の水平な領域が広いほど増幅動作の線形性は良好となる。

    図6(b)は駆動回路12全体での利得特性を示している。 本発明の効果により、差動入力電圧が0付近から大きくなって行っても利得は水平に保たれており、右下がりに低下しにくくなっていることがわかる。 最終的に差動入力電圧がある範囲を超えると急激に電圧利得は劣化するが、実用に十分な範囲で線形性を確保することができる。 図6(c)は駆動回路12全体での入出力特性を示している。 線形性が良好なため電圧利得を小さく設定した場合にも、差動入力電圧が大きく0.4Vに至るくらいまで線形性(直線性)が保たれている。 なお、第2の差動対123及び第2の電流源であるトランジスタQ6が設けられている駆動回路12と条件を一致させるべく、これらの構成が設けられていない図5の駆動回路において、トランジスタQ6のコレクタ電流3mA分電流を増やして、上述した図5の回路シミュレーションを行っている。 電流源の電流を増やすことによって増幅動作可能な差動入力電圧の範囲は広くなるため、図5(a)と図6(a)の比較では図5(a)のほうが差動入力電圧が大きいところまで動作範囲が広がっているが、駆動回路全体としては、図5(b)と図6(b)との比較から明らかなように、本実施形態の駆動回路12のほうが、電圧利得が水平な範囲が拡大している。

    より端的に線形動作範囲の拡大効果を示す図を図7に示す。 図7は、差動入力電圧が0V時の電圧利得を基準として電圧利得が1dB低下する差動入力電圧の範囲を駆動回路の電圧利得に対してプロットしたグラフである。 破線で示した曲線は、駆動回路から目標駆動信号(ここでは振幅5Vppd)をすることができる差動入力電圧に範囲を電圧利得に対してプロットたものである。 つまり、当該破線で示される曲線よりも上側に、「電圧利得が1dB低下する差動入力電圧の範囲」があれば、駆動回路に入力される差動信号に対して十分にダイナミックレンジの広いで線形増幅が可能な駆動回路であると言うことができる。 一点鎖線の曲線は、図5で示す比較例の駆動回路に係るグラフであり、線形増幅可能な範囲が狭くて不十分であることがわかる。 一方で、本実施形態に係る駆動回路12に係る実線の曲線は、電圧利得17〜28dBの広い範囲で破線の曲線よりも上側にプロットされている。 以上より、本実施形態に係る駆動回路12により広い差動入力電圧範囲にて線形性が改善される。

    また、本実施形態に係る駆動回路12では、利得設定回路128が、利得制御に係る電圧を印加される利得制御端子Vagcに接続された第5のベースと、差動出力端子VONに接続された第5のコレクタと、定電流端子124aに接続された第5のエミッタと、を含むトランジスタQ3と、参照電圧を印加される参照電圧端子Vagcrefに接続された第6のベースと、第1のカレントミラー回路126に接続された第6のコレクタと、定電流端子124aに接続された第6のエミッタと、を含むトランジスタQ3Bと、を有する第3の差動対124と、利得制御端子Vagcに接続された第7のベースと、差動出力端子VOPに接続された第7のコレクタと、定電流端子125aに接続された第7のエミッタと、を含むトランジスタQ� ��と、参照電圧端子Vagcrefに接続された第8のベースと、第1のカレントミラー回路126に接続された第8のコレクタと、定電流端子125aに接続された第8のエミッタと、を含むトランジスタQ4Bと、を有する第4の差動対125と、を有している。

    例えば差動信号電圧が比較的大きい場合には、利得制御端子Vagcに印加される電圧を参照電圧端子Vagcrefに印加される電圧よりも小さくすることによって、トランジスタQ3B,Q4Bに流れる電流を大きくすることができる。 この場合、トランジスタQ3B,Q4Bに接続された第1のカレントミラー回路126に第1の入力電流が流れ、結果的にそれに応じて第2の電流源であるトランジスタQ6に第2の出力電流が流れる。 これにより、トランジスタQ6に接続された第2の差動対123に電流が供給され、トランジスタQ1及びQ1Bにそれぞれ流れる電流を減算することができ、非線形を相殺することで線形性を改善することができる。 また、例えば差動入力電圧が比較的小さい場合には、利得制御端子Vagcに印加される電圧を参照電圧端子Vagcrefに印加される電圧よりも十分に大きくすることによって、第2の差動対123の電流を小さく(無視できる程度に)することができる。 この場合、トランジスタQ3B,Q4Bに接続された第1のカレントミラー回路126には第1の入力電流が流れないため、結果的に第2の電流源であるトランジスタQ6に電流が流れない。 これにより、第2の電流源であるトランジスタQ6に接続された第2の差動対123に電流が流れなくなり、消費電力を低減することができる。 以上より、利得制御端子Vagc及び参照電圧端子Vagcrefに印加される電圧を調整することによって、線形性の改善と消費電力の低減をより確実且つ簡易に実現することができる。

    また、本実施形態に係る駆動回路12では、可変利得増幅器121において、第1のカレントミラー回路126の第1の入力トランジスタ(トランジスタQ8)に第1の入力電流としてトランジスタQ3B、Q4Bのコレクタ電流が入力され、第1の出力トランジスタ(トランジスタQ9)から第1の入力電流に比例した第1の出力電流が出力される。 第1の出力電流は第2のカレントミラー回路の第2の入力電流として第2の入力トランジスタ(トランジスタQ10)に入力され、第2の出力トランジスタ(トランジスタQ6)から第2の入力電流に比例した第2の出力電流が第2の差動対123に供給される。

    当該構成により、トランジスタQ8に流れる電流に応じた電流がトランジスタQ9に流れ、当該トランジスタQ9に流れる電流に応じた電流がトランジスタQ10に流れ、さらに、当該トランジスタQ10に流れる電流に応じた電流がトランジスタQ6すなわち第2の電流源に流れる。 これにより、第2の差動対123に流れる電流量を利得設定回路128によって設定された電圧利得に応じて調整することができる。 従って、例えば、差動入力電圧が比較的小さくて電圧利得を大きく設定するときには、第2の電流源の電流を小さくして第2の差動対123による非線形の補償作用を弱めると共に消費電力を抑え、入力振幅が比較的大きくて電圧利得を小さく設定するときには、第2の電流源の電流を大きくして第2の差動対による非線形性の補償作用を十分に働かせることができる。 これにより、本実施形態に係る駆動回路12によれば、差動入力電圧の広い範囲に対して線形性を確保すると共に余分な消費電力の増加を抑えることができる。

    また、本実施形態に係る駆動回路12は、入力された差動信号を増幅して出力する可変利得増幅器121と、可変利得増幅器121から出力された増幅された差動信号をさらに増幅して駆動信号として出力する出力増幅器131と、出力増幅器131から出力される駆動信号の振幅を検出する振幅検出回路132と、振幅検出回路132が検出した振幅と、駆動回路12の目標振幅値との誤差情報を導出し、当該誤差情報に基づいて可変利得増幅器121に振幅制御信号を出力する利得制御回路133と、を備え、可変利得増幅器121は、利得制御から入力される振幅制御信号に応じて電圧利得を調整する。 振幅検出回路132によって、出力増幅器131から駆動回路12の外部に出力される駆動信号の振幅が検出され、利得制御回路133によって当該振幅の目標振幅値との誤差が導出される。 そして、当該誤差に基づき、利得制御端子Vagcに印加する電圧が決定される。 利得制御端子Vagcに印加される電圧により、トランジスタQ3及びトランジスタQ4に流れる電流が決まる。 このため、目標振幅値との誤差に基づき利得制御端子Vagcに印加される電圧を適当に決定することにより、駆動回路12の外部に出力される駆動信号の振幅を目標振幅値に近づけるように、フィードバック制御を行うことができる。

    以上、本発明の実施形態について説明したが本発明は上記実施形態に限定されない。 例えば、一つの差動対に対して1つの電流源が備わっている構成を説明したが、図8に示されるように、1つの差動対に対して2つの電流源が備わっていてもよい。 すなわち、第1の差動対を構成する一対のトランジスタQ1及びQ1Bのエミッタに2つの電流源としてトランジスタQ5及びQ5Bが接続されていてもよい。 また、第2の差動対を構成する一対のトランジスタQ2,Q2Bのエミッタに2つの電流源としてトランジスタQ6及びQ6Bが接続されていてもよい。 なお、この場合、一対のトランジスタQ1,Q1Bのエミッタ間に抵抗RE1が接続されるとともに、一対のトランジスタQ2,Q2Bのエミッタ間に抵抗RE2が接続される。 このときの抵抗RE1,RE2の抵抗値は、上述した本実施形態における抵抗の抵抗値の2倍にする。

    また、第1のカレントミラー回路126を構成するトランジスタQ8,Q9は、PNPトランジスタではなくpMOSトランジスタであってもよい。 さらに、各トランジスタ及び各電流源として使用されるトランジスタは、バイポーラトランジスタではなく、MOS−FETやMES−FET、HEMT等の素子であってもよい。 また、カレントミラー回路は、その構成を限定するものでなく、トランジスタQ3B,Q4Bに流れる電流を入力電流として、電流源となるトランジスタQ6及びQ6Bへ所定の電圧利得(比例定数)で増幅するものであってもよい。

    1…光送信器、12…駆動回路、121…可変利得増幅器、122…第1の差動対、123…第2の差動対、124…第3の差動対、125…第4の差動対、126…第1のカレントミラー回路、127…第2のカレントミラー回路、128…利得設定回路、131…出力増幅器、132…振幅検出回路(検出回路)、133…利得制御回路、Q1,Q1B,Q2,Q2B,Q3,Q3B,Q4,Q4B…トランジスタ(第1〜第8のトランジスタ)、Q5…トランジスタ(第1の電流源)、Q6…トランジスタ(第2の電流源)、Q8…トランジスタ(第1の入力トランジスタ)、Q9…トランジスタ(第1の出力トランジスタ)、Q10…トランジスタ(第2の入力トランジスタ)、Vagc…利得制御端子、Vagcref…参照電圧� ��子、Vcc…電源、VIP,VIN…差動入力端子、VOP…差動出力端子(第2の出力端子)、VON…差動出力端子(第1の出力端子)。

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