プログラマブル低雑音増幅装置 |
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申请号 | JP2009500202 | 申请日 | 2008-02-20 | 公开(公告)号 | JPWO2008102788A1 | 公开(公告)日 | 2010-05-27 |
申请人 | 財団法人名古屋産業科学研究所; | 发明人 | 米谷 昭彦; 昭彦 米谷; | ||||
摘要 | 小型化が進むチューナに用いる低雑音増幅器は省電 力 化と低雑音化という性能を求められている。低雑音化を図るために、入信した 信号 のレベルに基づいて利得を変化させるようにすることが望ましい。また、省電力化や低電圧化を図るためにはトランジスタの縦積み段数を減らすことが必要である。そこで、ゲート接地されたトランジスタとカスコード接続された1対のトランジスタで構成される固定増幅器と、利得の絶対値が同じで固定増幅器の利得を加算する増幅器と減算する増幅器を複数個備え、スイッチでこれらの増幅器を選択することで全体の利得を可変にするとともに、トランジスタの縦積み段数を2段にしたプログラマブル利得可変低雑音増幅装置を提供する。 | ||||||
权利要求 | 入力信号が入力される入力端子と、 前記入力端子に接続され、それぞれが同相側出力端子と逆相側出力端子を有する複数の増幅器と、 第1の負荷を介して電源電圧に接続された第1の出力端子と、 第2の負荷を介して前記電源電圧に接続された第2の出力端子と、 前記複数の増幅器のうちの少なくとも1つ以上の増幅器であって 前記同相側出力端子が前記第1の出力端子に接続され、 前記逆相側出力端子が前記第2の出力端子に接続された固定増幅器と、 前記増幅器のうちの前記固定増幅器以外の各増幅器の前記同相側出力端子と逆相側出力端子のそれぞれを、 前記第1の出力端子と前記第2の出力端子に接続するか、 前記第2の出力端子と前記第1の出力端子に接続するか、 または、いずれにも接続しないか、 のうちの少なくとも1つを前記各増幅器毎に選択するスイッチ部とを含み、 前記複数の増幅器に属する個々の増幅器は、 同相側増幅回路と逆相側増幅回路からなり、 前記同相側増幅回路は1の同相増幅トランジスタからなり、 前記同相増幅トランジスタのソースは前記入力端子に接続され、 前記同相増幅トランジスタのゲートはバイアス電源に接続され、 前記同相増幅トランジスタのドレインは前記同相側出力端子に接続されており、 前記逆相側増幅回路はカスコード接続された入力側と出力側の2つのトランジスタからなり、 前記入力側のトランジスタのソースは接地され、 前記入力側のトランジスタのゲートは前記入力端子に接続され、 前記入力側のトランジスタのドレインは前記出力側のトランジスタのソースに接続され、 前記出力側のトランジスタのゲートは前記バイアス電源に接続され、 前記出力側のトランジスタのドレインは前記逆相側出力端子に接続されたプログラマブル低雑音増幅装置。 前記個々の増幅器の逆相側増幅回路の前記入力側トランジスタは、少なくとも2以上の前記増幅器で共通である請求項1記載のプログラマブル低雑音増幅装置。 前記固定増幅器の利得は、他の前記増幅器の利得のより大きい請求項1または2のいずれかに記載されたプログラマブル低雑音増幅装置。 前記個々の増幅器の逆相側増幅回路の前記入力側トランジスタのドレインに電流源が接続された請求項1または2のいずれかに記載されたプログラマブル低雑音増幅装置。 前記電流源を動作させるかオフにするかを選択するスイッチを有する請求項4記載のプログラマブル低雑音増幅器。 前記入力端子に接続される前段増幅器を有する請求項1または2のいずれかに記載されたプログラマブル低雑音増幅装置。 前記前段増幅器は、 信号が入力される前段入力端子と、 前記入力端子に接続されたインダクタンスと、 ゲートは前記前段入力端子に接続され、 ソースはインダクタンスを介して接地され、 ドレインは前記入力端子に接続されたトランジスタを含む請求項6記載のプログラマブル低雑音増幅装置。 前記前段増幅器は、 信号が入力される前段入力端子と、 入力端子が前記前段入力端子に接続され、出力端子が前記プログラマブル低雑音増幅装置の前記入力端子に接続された固定前段増幅回路と、 入力端子が前記前段入力端子に接続され、出力端子が前記固定前段増幅回路の出力端子に接続された利得可変用前段増幅回路と、 前記固定前段増幅回路の出力端子に接続した前段増幅器内定電流回路と、 前記利得可変用前段増幅回路か前記前段増幅器内定電流回路のいずれかを動作状態に選択する前段増幅器内スイッチを含む請求項6記載のプログラマブル低雑音増幅装置。 入力信号が入力される入力端子と、 第1の負荷を介して電源電圧に接続された第1の出力端子と、 第2の負荷を介して前記電源電圧に接続された第2の出力端子と、 前記入力端子に接続され、 前記第1の出力端子に接続された同相側出力端子と、前記第2の出力端子に接続された逆相側出力端子を有する少なくとも1つ以上の増幅器からなる第1の増幅器群と、 前記入力端子に接続され、 前記第2の出力端子に接続された同相側出力端子と、前記第1の出力端子に接続された逆相側出力端子を有する少なくとも1つ以上の増幅器からなる第2の増幅器群と、 前記第1の増幅器群と前記第2の増幅器群に属する増幅器のうち常に動作状態にある少なくとも1つ以上の固定増幅器と、 前記第1の増幅器群と前記第2の増幅器群に属する増幅器のうち前記固定増幅器以外の増幅器を動作状態か非動作状態に選択するスイッチ部とを含み、 前記第1の増幅器群または前記第2の増幅器群に属する個々の前記増幅器は、 同相側増幅回路と逆相側増幅回路からなり、 前記同相側増幅回路は1の同相増幅トランジスタからなり、 前記同相増幅トランジスタのソースは前記入力端子に接続され、 前記同相増幅トランジスタのゲートはバイアス電源に接続され、 前記同相増幅トランジスタのドレインは前記同相側出力端子に接続されており、 前記逆相側増幅回路はカスコード接続された入力側と出力側の2つのトランジスタからなり、 前記入力側のトランジスタのソースは接地され、 前記入力側のトランジスタのゲートは前記入力端子に接続され、 前記入力側のトランジスタのドレインは前記出力側のトランジスタのソースに接続され、 前記出力側のトランジスタのゲートは前記バイアス電源に接続され、 前記出力側のトランジスタのドレインは前記逆相側出力端子に接続されたプログラマブル低雑音増幅装置。 前記増幅器の逆相側増幅回路の前記入力側トランジスタは、少なくとも2以上の前記増幅器で共通である請求項9記載のプログラマブル低雑音増幅装置。 前記個々の固定増幅器の利得は、他の前記増幅器の利得のより大きい請求項9または10のいずれかに記載されたプログラマブル低雑音増幅装置。 前記個々の増幅器の逆相側増幅回路の前記入力側トランジスタのドレインに電流源が接続された請求項9または10のいずれかに記載されたプログラマブル低雑音増幅装置。 前記電流源を動作させるかオフにするかを選択するスイッチを有する請求項12記載のプログラマブル低雑音増幅器。 前記入力端子に接続される前段増幅器を有する請求項9または10のいずれかに記載されたプログラマブル低雑音増幅装置。 前記前段増幅器は、 信号が入力される前段入力端子と、 前記入力端子に接続されたインダクタンスと、 ゲートは前記前段入力端子に接続され、 ソースはインダクタンスを介して接地され、 ドレインは前記入力端子に接続されたトランジスタを含む請求項14記載のプログラマブル低雑音増幅装置。 前記前段増幅器は、 信号が入力される前段入力端子と、 前記前段入力端子に接続され、出力端子を前記プログラマブル低雑音増幅装置の前記入力端子に接続した固定前段増幅回路と、 前記前段入力端子に接続され、出力端子を前記固定前段増幅回路の出力端子に接続した利得可変用前段増幅回路と、 前記固定前段増幅回路の出力端子に接続した前段増幅器内定電流回路と、 前記利得可変用前段増幅回路か前記前段増幅器内定電流回路のいずれかを動作状態に選択する前段増幅器内スイッチを含む請求項14記載のプログラマブル低雑音増幅装置。 入力端子と、 前記入力端子にコンデンサを介して接続され接地方向に電流を流す定電流源と、 第1の抵抗を介して電源電圧に接続された第1の出力端子と、 第2の抵抗を介して前記電源電圧に接続された第2の出力端子と、 制御電圧を入力する第1及び第2の利得調整端子と、 第1から第5までの5つのトランジスタを有し、 前記第1のトランジスタは、 ベースが前記コンデンサを介して前記入力端子に接続され、 エミッタが接地され、 コレクタが前記第2のトランジスタのエミッタに接続され、 前記第2のトランジスタは、 ベースが前記第1の利得調整端子に接続され、 エミッタが前記第1のトランジスタのコレクタに接続され、 コレクタが前記第2の出力端子に接続され、 前記第3のトランジスタは、 ベースが前記第2の利得調整端子に接続され、 エミッタが前記第1のトランジスタのコレクタに接続され、 コレクタが前記第1の出力端子に接続され、 前記第4のトランジスタは、 ベースが前記第2の利得調整端子に接続され、 エミッタが前記第1のトランジスタのベースに接続され、 コレクタが前記第2の出力端子に接続され、 前記第5のトランジスタは、 ベースが前記第1の利得調整端子に接続され、 エミッタが前記第1のトランジスタのベースに接続され、 コレクタが前記第1の出力端子に接続されている利得可変増幅装置。 |
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说明书全文 | 本発明は、主として受信機のチューナに用いられる低雑音増幅に関するものであり、より詳しくは利得可変機能を有する低雑音増幅器に関するものである。 近年普及が進むデジタル放送は、高品質かつ多チャンネルのサービスを受信できるというメリットがあるほか、デジタル信号処理の特性を活かして移動体での受信性能の向上が期待される。 それに伴い、受信装置のチューナは、良好な受信信号から、入力レベルの低い信号まで、さまざまな状態の信号を受信する性能が要求されている。 また、受信機の小型化が進み、従来は別々の半導体集積回路として受信機に使われていたデジタル回路とアナログ回路を1つの半導体基板上に形成し、さらなる回路の集積化も実現化されている。 デジタル回路と同一チップ内で共存するアナログ回路であるチューナには、電源電圧の低電圧化が要求される。 さらにチューナには、受信信号から所望の周波数の信号を分離する周波数変調機能や変調された信号から元信号を取り出す復調機能を有するが、さまざまな状態の入力信号を復調するためには、最初の入力段の低雑音増幅装置に、低雑音、低い相互変調歪といった性能を有することも必要とされる。 電源電圧の低電圧化の1つの方法として、トランジスタの縦積み段数を減らすことが考えられる。 図10は、シリコンバイポーラを用いて実現された利得可変増幅器である。 この回路では電流源I1000とI1001のトランジスタを考慮すると3段積みで構成されている。 この回路では、Q1000とQ1001のトランジスタで差動増幅し、その出力をQ1002からQ1005の4つのトランジスタで振り分け、出力端Vout+とVout−から電圧として出力している。 しかし、図10の回路では利得の変更をアナログ電圧Vcon+とVcon−で行なっている。 従って正確な制御が容易でない。 そこで、この回路の改良型として提案されたのが図11であり、それぞれの増幅器は図12のような差動増幅回路である。 この増幅器は出力が差動出力で変調歪にも強く、利得の切換を増幅器の選択という形で行なっているために、デジタル回路と同一チップ内に設けられるチューナとしては望ましい形であるといえる(特許文献1参照)。 また、複数増幅器を適宜選択して連結したうえで、全体の利得を調整する発明も提案されている(特許文献2参照)。 信号増幅における歪の低減という観点では、不平衡信号を平衡信号に変換するという手法が考えられる。 図13には、従来提案されているアクティブ・バランの回路を示す(特許文献3参照)。 不平衡信号は入力端Vinから入力されエミッタとコレクタからの平衡出力はQ1101とQ1102の差動増幅回路で精度の高い平衡信号となりVout1とVout2から出力される。 デジタル機器が小型化されるに従い、チップ面積は減少するので、高集積化の一方で回路面積を小さくする構成が望まれる。 従って、不平衡信号を平衡信号に変換し、利得調整も可能な低雑音増幅器もできるだけ少ない回路面積で実現することが望まれている。 ここで、上記の図11と図13のアクティブ・バラン回路を結合することで、平衡信号を出力できる利得可変増幅器は実現可能である。 しかし、図13のアクティブ・バラン回路は入力段のトランジスタをエミッタフォロアとしているために、入力インピーダンスを低くすることができず、また入力インピーダンスの整合をとるのも困難である。 このことは、NFの増大にもつながる。 また、図11の可変増幅器は、図12の差動増幅回路を用いる。 この差動増幅回路は入力が2つのトランジスタのベースに入力するために、高周波帯域での利得が急速に劣化してしまうという課題を有する。 さらに、図11の可変増幅器は予め用意した利得の異なる増幅器から択一的に選択することで全体の利得を変化させるので、調整したい利得の数だけ増幅器を用意しなければならない。 また、回路全体の出力としては、増幅器毎に差動出力の中心電圧が決まるので、一定の電圧を中心として上下対称の可変出力を得るのは困難である。 一方特許文献2のような構成であれば、用意した増幅器の数以上の利得の種類を得る事はできるが、これでは平衡出力をどのようにして得るのかという問題が残る。 本発明はかかる課題を解決するために想到されたもので、低ノイズと高周波特性を有しており、動作状態のトランジスタの縦積み段数を3段より減らし、デジタル信号による制御で利得制御ができ、さらに不平衡−平衡変換機能を有し、一定電圧を中心とした平衡な可変出力を得る事ができるプログラマブル増幅装置を提供するものである。 本発明は上記のような要請および課題に鑑みて想到されたものである。 すなわち、図10に示した従来のように信号増幅を行ってから信号の分配し、増幅器全体のゲインを変えるのではなく、信号加算を行う増幅器と信号減算を行う増幅器を複数ならべ、それらを適宜動作させることで、増幅器全体のゲインを可変させる。 具体的には本発明における第1の局面は、 また、本発明の第2の局面は、 また、本発明の第3の局面は、 また、本発明の第4の局面は、 また、本発明の第5の局面は、 また、本発明の第6の局面は、 また、本発明の第7の局面は、 また、本発明の第8の局面は、 また、本発明の第9の局面は、 また、本発明の第10の局面は、 また、本発明の第11の局面は、 また、本発明の第12の局面は、 また、本発明の第13の局面は、 また、本発明の第14の局面は、 また、本発明の第15の局面は、 また、本発明の第16の局面は、 また、本発明の第17の局面は、 本発明は、信号を増幅してから分配するのではなく、複数の増幅器を適宜動作させて増幅器全体のゲインを可変させる。 従って、信号分配のための回路を省略することができる。 その結果、能動動作をする、つまりスイッチングを含まないトランジスタの縦積み段数を2段にすることができる。 また、上記のように、増幅器の出力信号を加算、減算することによって利得を調整する構成にしたので、ゲインを小さくしたときのNF(Noise Figure)の増加を抑制することができる。 すなわち、増幅器の動作点を調製してゲイン調整を行うのではなく、予め用意した増幅器のON/OFFによってゲインの調製を行うため、各増幅器をNFの観点で適した動作点において動作させることができる。 従って、NFの低減にとっても有効となる。 複数の増幅器の出力の加算と減算を組み合わせることは、また出力電圧の平均値を一定に保つ事も可能にする。 従って、次段の処理回路のバイアス電圧にする回路設計が可能になり、直流カットのコンデンサを省略することができる。 これは集積回路においては回路面積を減らす事につながり、より小型化が可能になる。 さらに、予め用意する増幅器の数以上の利得設定が可能になる。 また、増幅器は、ゲート接地若しくはカスコード接続したトランジスタ回路を用いるため高周波まで一定の利得が得られる。 また、前段増幅器には、前段入力端子と固定前段増幅回路の最初のトランジスタ回路に、インダクタンス素子を用いることで、トランジスタのゲートとソース間の寄生容量を利用したインピーダンスマッチングを行い、入力インピーダンスを小さくすることができる。 これはNFを低下させるという効果も生む。 また、アクティブ・バランにおける定電流回路をソース・ディジェネレーション増幅器に置き換えたので、この部分でも増幅器のNFを下げることができる。 さらに、ソース・ディジェネレーション増幅器は、元々定電流回路が使用していた電力であるので、新たな消費電力を要しない。 以上のように、本発明の低雑音増幅器は、利得調整機能を有し、低電圧で動作させることができる。 1 低雑音増幅器 2 低雑音増幅器 Q2 トランジスタ Q31〜Q57 トランジスタ L1〜L2 インダクタンス C1 コンデンサ S11〜S42 スイッチ S141〜S152 スイッチ C11からC22 制御信号 R1〜R2 抵抗 RB1 抵抗 (実施の形態1) 図1に本発明のプログラマブル低雑音増幅装置1の構成を示す。 図1は、前段増幅器A1がついている状態を示している。 まず、前段増幅回路を説明する。 前段入力端子IN1の後にインダクタンスL1とコンデンサC1が直列に接続されている。 コンデンサC1の出力はトランジスタQ1のゲートに入力され、また、トランジスタQ1のゲートは抵抗RB1を介して電圧VB2でバイアスされている。 トランジスタQ1のソースはインダクタンスL2を介して接地されている。 前段入力端子IN1からトランジスタQ1までが前段増幅器で、ソース・ディジェネレーション増幅回路になっている。 インダクタンスのL1とL2は、入力インピーダンスの整合を行なうためのものである。 L1とL2およびQ1のゲートとソースの間の浮遊容量を利用して入力インピーダンスの整合をとることができ、入力インピーダンスを低く抑えることができる。 これは前段増幅器A1とプログラマブル低雑音増幅装置1を合わせた全体のNFの改善に効果がある。 入力信号はこのソース・ディジェネレーション増幅回路で増幅されたのち、トランジスタQ1のドレインから電流信号として出力される。 従って前段増幅器の出力端子となる前段出力端子POUTはQ1のドレインである。 次にプログラマブル低雑音増幅装置1の構成を説明する。 プログラマブル低雑音増幅装置の入力端子IN2は、前段出力端子であるQ1のドレインに接続される。 従って、前段増幅器の出力が入力信号として入力端子IN2から入力される。 プログラマブル低雑音増幅装置は、複数の増幅器が並列に接続されており、それぞれの増幅器の出力は、スイッチによって出力先を変更できるようになっている。 例えば1つの増幅器は、Q34とQ44とQ2からなり、この増幅回路の出力の切換スイッチはS86とS96である。 今これらの素子によって構成される増幅器を増幅器4と呼ぶ。 この増幅器4はQ34とQ2、Q44が対になる構成である。 なお、トランジスタQ51とQ48は、入力信号が小さい場合に使用する回路であり、後ほど説明する。 増幅器4の説明 入力信号は、Q34とQ2によって同相と逆相の信号に分けられるので、この部分で非平衡信号は平衡信号へ変換される。 すなわち、アクティブ・バランを構成している。 出力は同相側の出力がQ34のドレインから、また逆相側の出力はQ44のドレインから得る。 より詳細な接続関係は以下の通りである。 Q34は、ゲートがバイアス電圧VB1に接続されている。 Q34のソースは入力端子IN2に接続されており、ドレインはスイッチS86を介して、出力端子OUT1か出力端子OUT2に接続される。 出力端子OUT1は抵抗R1を介して電源電圧Vddに接続されている。 また出力端子OUT2は抵抗R2を介して電源電圧Vddに接続されている。 以上のような構成の回路は以下のように動作する。 前段入力端子IN1に信号が入力されると、信号はQ1のゲートに入力され、その信号に応じて電流がQ1のドレインからソースに流れる。 この電流はIN2の入力信号であり、Q34のソースに流れる電流を増加させる。 すなわち、ドレイン−ソース間の電流が増加する。 スイッチS86が出力端子OUT1に接続されているとすると、抵抗R1を流れる電流が増加するので、出力端子OUT1は電位が下降する。 Q34のドレインがS86によって出力端子OUT2に接続されている場合は、同じように出力端子OUT2の電位が下降する。 すなわち、Q34を中心とするこの回路は、入力端子IN2に入力された信号を同相増幅する回路である。 この同相側増幅回路の出力となる同相側出力端子はQ34のドレインである。 以後同じ機能若しくは構成の回路を、同相側増幅回路と呼ぶ。 Q2はゲートが入力端子IN2に接続されており、ソースは接地されている。 またドレインはQ44のソースに接続されている。 Q44のゲートは、バイアス電圧VB1に接続されている。 Q44のドレインは、スイッチS96を介して出力端子OUT1か出力端子OUT2に接続されている。 すなわち、Q2とQ44はカスコード接続されている。 ここでQ2は入力側トランジスタ、Q44は出力側トランジスタと呼ぶ。 以上のような構成の回路は以下のように動作する。 前段入力端子IN1に信号が入力されると入力端子IN2からグランドに対して電流が流れるのは同相側増幅回路の場合とおなじである。 従って、Q2のゲートからグランドに対して電流が流れる。 これによってQ2のドレインからソースに流れる電流は減少する。 Q2のドレインはQ44のソースに接続されているので、Q44のドレイン−ソース間の電流が減少する。 スイッチS96が出力端子OUT2に接続されているとすると、抵抗R2を流れる電流が減少するので、出力端子OUT2は電位が上昇する。 Q44のドレインがS96によって出力端子OUT1に接続されている場合は、同じように出力端子OUT1の電位が上昇する。 すなわち、Q2とQ44によるこの回路は、入力端子IN2に入力された信号を逆相増幅する回路である。 この逆相側増幅回路の出力となる逆相側出力端子はQ44のドレインである。 以後同じ構成の回路を、逆相側増幅回路と呼ぶ。 このようにトランジスタを接続することで、同相側のトランジスタの積み重ねは、Q34とQ1の2つであり、逆相側の積み重ねもQ44とQ2の2つでよい。 従って、コレクタ−エミッタ間に印加するために必要な電源電圧Vddは、従来提案されていた3つの場合より低くてよい。 ここでスイッチS86とS96は、連動した動作を行う。 具体的には、S86が出力端子OUT1に接続された場合は、S96は出力端子OUT2へ接続され、S86が出力端子OUT2へ接続した場合は、S96は出力端子OUT1へ接続される。 すなわち、増幅器4の同相側増幅回路の出力点である同相側出力端子と逆相側増幅回路の出力点である逆相側出力端子は、それぞれ、出力端子OUT1かOUT2のどちらかに接続される。 そして、この切換は制御信号C11によって制御される。 増幅回路4の動作をまとめると、以下のようになる。 まず制御信号C11によってスイッチS86は出力端子OUT1へ、スイッチS96は出力端子OUT2に接続されたとする。 入力端子IN2に信号が入力されると、同相側増幅回路の出力端子になっている出力端子OPUT1には、入力信号と同相で増幅された信号が出力される。 一方逆相側増幅回路の出力端子になっている出力端子OUT2には、入力信号と逆相で増幅された出力が出力される。 ここで、Q34とQ44の形状(ゲート長やゲート幅)を同一にするなど、いくつかの条件を満たすように作成しておけば、出力端子OUT1と出力端子OUT2は同じ電圧だけ上昇、下降を行い、差動出力を得る事ができる。 スイッチS86とS96の接続が逆になった場合は、OUT1の電圧は下降し、OUT2の電圧は上昇する。 また、図1では、スイッチS86とS96は出力端子OUT1かOUT2へ必ず接続することになっているが、どちらにも接続せず、どちらも開放か、どちらもグランドに接続するといった接続先を有していても良い。 この場合は、増幅器4の同相側増幅器、逆相側増幅器のいずれも出力端子OUT1とOUT2の間の電位差への寄与はゼロとなる。 3つの増幅器の関係 それぞれの増幅器ではQ2は共通になっている。 増幅器毎にQ2を設けてもよいが、Q2を共通にしたほうが、ノイズの点で有利である。 また、増幅器1にはスイッチがなく、Q31とQ41のゲートは常にバイアス電圧VB1に接続されている。 すなわち、増幅器1は常に動作している。 そこで増幅器1は固定増幅器と呼ぶ。 そして固定増幅器以外の並列に接続された増幅器を利得可変用増幅器と呼ぶ。 固定増幅器は常に出力端子OUT1とOUT2に接続されている点を除けば、利得変換用増幅器と構成等は同じである。 また、それぞれの利得可変用増幅器の出力先を切り替えるスイッチS85乃至S95をスイッチ部と呼ぶ。 スイッチ部は増幅器1、2および4の同相側出力端子と逆相側出力端子を出力端子OUT1かOUT2へ排他的に接続する。 また、これらの接続は増幅器毎に行われる。 なお、ここで「排他的に接続する」とは、同相側出力端子を出力端子OUT1に接続した時には、逆相側出力端子を必ず出力端子OUT2へ接続し、同相側出力端子を出力端子OUT2に接続した時には、逆相側出力端子を必ず出力端子OUT1へ接続することをいう。 固定増幅器は常に動作しているので、入力信号の固定増幅器による増幅出力は常に出力端子OUT1とOUT2の間の電圧として出力される。 固定増幅器の同相側増幅回路の出力であるQ31のドレインは出力端子OUT1へ、逆相側増幅回路の出力であるQ41のドレインは出力端子OUT2へ接続されている。 そこで、増幅器2と4の出力は、それぞれの同相側増幅回路と逆相側増幅回路の出力が、固定増幅器の出力端子への接続と同じ接続である場合は、固定増幅器の利得に利得を加算する。 すなわち、プログラマブル低雑音増幅装置全体の利得を大きくする。 一方、固定増幅器の出力端子への接続と逆に接続する場合は固定増幅器の利得から利得を減算する。 すなわち、プログラマブル低雑音増幅装置全体の利得を小さくする。 すなわち、制御信号C11によってスイッチS86が出力端子OUT1へ接続し、スイッチS96が出力端子OUT2へ接続されると、増幅器4は加算機能増幅器となる。 固定増幅器の同相側増幅回路の出力が接続されている出力端子OUT1に同相側増幅回路の出力であるQ34のドレインが接続され、固定増幅器の逆相側増幅回路の出力が接続されている出力端子OUT2に逆相側増幅回路の出力であるQ44のドレインが接続されるからである。 反対にスイッチS86が出力端子OUT2へ接続され、スイッチS96が出力端子OUT1へ接続されると、増幅器4は減算機能増幅器となる。 固定増幅器の同相側増幅回路の出力が接続されている出力端子OUT1に逆相側増幅回路の出力であるQ44のドレインが接続され、固定増幅器の逆相側増幅回路の出力が接続されている出力端子OUT2に同相側増幅回路の出力であるQ34のドレインが接続されるからである。 増幅器2も同様に制御信号C21によって、スイッチS85が出力端子OUT1に接続され、スイッチS95が出力端子OUT2に接続された場合は加算機能増幅器となる。 一方、制御信号C21によって、スイッチS85が出力端子OUT2に接続され、スイッチS95が出力端子OUT1に接続された場合は減算機能増幅器となる。 このように各増幅器が接続されることで、プログラマブル低雑音増幅装置1全体としての利得をスイッチ部の切り替え、すなわち制御信号C11とC21によって調節することができる。 例えば、スイッチS85を出力端子OUT1へ、スイッチS95を出力端子OUT2へ接続し、スイッチS84を出力端子OUT1へ、スイッチS94を出力端子OUT2へ接続すると、増幅器2および増幅器4は加算機能増幅器となる。 すると、プログラマブル低雑音増幅装置1全体としては、固定増幅器と増幅器2と増幅器4のそれぞれの利得の和を有する利得の増幅装置となる。 一方、スイッチS85を出力端子OUT2へ、スイッチS95を出力端子OUT1へ接続し、スイッチS84を出力端子OUT2へ、スイッチS94を出力端子OUT1へ接続すると、増幅器2および増幅器4はともに減算機能増幅器となる。 すると、プログラマブル低雑音増幅装置1全体としては、固定増幅器の利得から増幅器2と増幅器4のそれぞれの利得を引いた利得の増幅装置となる。 すなわち、プログラマブル低雑音増幅装置は、制御信号C11とC21によって利得を可変できる増幅装置となる。 また、利得を加算する場合は、同相側増幅回路の出力同士、逆相側増幅回路の出力同士を接続し、利得を減算する場合は、同相側増幅回路の出力と逆相側増幅回路の出力同士、および逆相側増幅回路の出力と同相側増幅回路の出力同士を接続する。 従って、出力端子OUT1とOUT2の出力は常に一定の電圧を中心として電位差が増減することとなる。 この中心電圧は、プログラマブル低雑音増幅装置1の次段の処理回路においてバイアス電位として利用する事ができ、次段の処理回路の間に配置する直流カットのためのコンデンサを省略する事ができるという効果を生み出す。 なお、すでに述べたように同相側増幅回路の出力点は同相側出力端子であり、逆相側増幅回路の出力点は逆相側出力端子である。 また、このように複数の増幅器を並列にならべ、適宜出力先を切り替える構成にしたので、増幅した信号を分配するだけの回路が不要となる。 従って、トランジスタの縦積み段数を減らすことができる。 また、増幅器をスイッチ切り替えすることで利得を変えているので、利得切り替えにともない電源電圧を上げる必要がない。 また、信号を逆相加算することにより利得を切り替えているので、利得を低下させたときのNFの増加をある程度抑えることができる。 各増幅器は、トランジスタのゲート幅の設計によって利得を設定することができる。 今、固定増幅器の利得をA1、増幅器2の利得をA2、増幅器4の利得をA4とする。 そして、増幅器2および4が加算機能増幅器として動作する場合はプラス(+)の利得で表し、減算機能増幅器として動作する場合はマイナス(−)の利得で表すことにする。 以上のように各増幅器の利得を設定すると、プログラマブル低雑音増幅器1の利得は、いくつかの利得に変更することができる。 その組合せは、利得A2、A4について、プラスかマイナスかの2通りがあるので、4通りである。 利得A1は固定増幅器の利得であるので常に選択されている。 さて、チューナにおけるプログラマブル低雑音増幅装置1としては、できるだけ等間隔の利得制御ができれば、受信信号に応じた対応が可能となるため、制御も簡単に行なえ好ましい。 ここで、等間隔とは、デシベル換算で等間隔であればより好ましい。 そこで、本発明のプログラマブル低雑音増幅器1は、上記のような構成にした上にさらに、利得A1は、A2とA4の和より大きい設定とする。 また、A2の利得はA4より大きくする。 このように設定することで最も大きな利得から最も小さい利得までを細かく利得調整することができる。 例えばA1の利得を5、A2を3、A4を1とする。 プログラマブル低雑音増幅器1の利得可変増幅器全体として最も大きな利得は、A1+A2+A4=5+3+1=9となる。 以下、A1+A2−A4=5+3−1=7、A1−A2+A4=5−3+1=3、そして最も小さな利得は、A1−A2−A4=5−3−1=1である。 また、上記の説明では、増幅器2および増幅器4は、加算機能増幅器か減算機能増幅器の二者択一としたが、すでに説明したように出力に寄与しないようにしてもよい。 具体的には増幅器2および増幅器4の同相側増幅回路の出力と逆相側増幅回路の出力を、出力端子OUT1とOUT2のどちらにも接続しないような接続先をスイッチS85、S95S86、S96に設ける。 このようにすれば、増幅器2及び増幅器4の利得をプログラマブル低雑音増幅器全体の利得に加算的、減算的、寄与させない、の3通りの選択が可能となり、全部で9通りの利得制御が可能になる。 具体的には、増幅器4の利得を使わないこととすると、A1+A2=5+3=8という上記説明では設定できなかった利得の設定も可能となる。 また、A1、A2、A4の選び方は、他の数値であっても構わない。 例えば、A1、A2、A4をそれぞれ、4、2、1とすれば、全体の利得は7から1までの範囲で得る事ができる。 また、ここでは利得変換用増幅器が2つの場合を説明したが、いくつ用意しても構わない。 例えば、利得変換用増幅器を3つ、4つそれ以上と用意してもよい。 なお、ここでは固定増幅器にはスイッチがなく常にゲートにバイアス電圧が印加され動作状態にあるように説明を行なった。 しかし、固定増幅器は常に動作状態にある増幅器であればよく、スイッチを有していて、そのスイッチが常にONになっていても構わない。 さらに、複数の増幅器を組み合わせて必ず一定の出力があるようにスイッチで調整する構成であっても構わない。 例えば上記の例で言うとA1の固定増幅器をA20、A21、A22、A23という利得を有する4つのスイッチのある増幅器に置き換え、各利得をA1=A20+A21=A22+A23のように設定する。 そして、利得がA20とA21の増幅器若しくは利得がA22とA23の増幅器のいずれかのペアが必ず選択されるように制御するなどである。 もちろんスイッチを有しない固定増幅器は複数あってもよい。 トランジスタQ48、Q51の説明 Q48のゲートは、バイアス電圧VB1へ接続されており、ドレインはスイッチS72を介して電源電圧Vddに接続されている。 またQ48のソースは、Q2のドレインに接続されている。 このQ48の動作は以下のようになる。 なお、スイッチS72は電源電圧に接続されており、スイッチS71は開放(切断)されているものとする。 従ってQ51は動作しない。 まず、同相側増幅回路のトランジスタのソースに流れる総電流と、逆相側増幅回路のトランジスタのソースに流れる総電流は大きさが同じである。 なぜなら、同じバイアス電圧VB1が印加されており、それぞれ対になるトランジスタは形状(ゲート長、ゲート幅)が同じに設計されるからである。 従って、同相側増幅回路のトランジスタのソースにI1の総電流が流れたとすると、逆相側増幅回路のトランジスタのソースにもI1の総電流が流れる。 しかし、Q48が逆相側増幅回路のトランジスタのソースに接続されており、Q48が(I2−I1)の電流を流すように設計されていると、逆相側増幅回路のトランジスタのソースにはI2の総電流を流す事が出来る。 これはQ2のドレイン電流であるので、I1が小さい時でもQ2にはI1より十分大きな電流I2を流す事が出来る。 これによって、Q2のNFを小さくする事ができる。 また、スイッチ部で増幅器の出力先を切替えても、出力電圧は一定の平均値を中心とした平衡出力を得ることができる。 ここで、Q48は入力側トランジスタのドレインに接続された電流源である。 このようにQ48によってQ2の低雑音化が可能であるが、消費電力は多くなる。 ところで、チューナとしては復調段階でのSNRが十分確保できていればよい。 SNRは入力信号が小さい場合はノイズの低減が重要となるが、入力信号が十分に大きい場合は、ノイズの低減化はさほど気にする必要はなくなる。 そこで、入力信号の大小に応じてQ48による電流を入力側トランジスタに流すか否かを選択できるようにしたのがスイッチS72である。 このスイッチS72は、プログラマブル低雑音増幅器1の後段にある復調部分(図示せず)によるSNRを計測若しくは算出する部分からの制御信号、若しくはプログラマブル低雑音増幅器1の前段にあるアンテナの受信レベルを判断する部分(図示せず)、からの制御信号によってON/OFFされるようにするのが好ましい。 さらにQ48がONになった場合に入力側トランジスタの数を増やすようにしてもよい。 これがQ51である。 Q51のゲートはQ2のゲートと同様に入力端子IN2に接続されており、ソースは接地されている。 そしてドレインはスイッチS71を介してQ2のドレインに接続されている。 すなわち、Q51はQ2と同様の逆相側増幅回路の入力側トランジスタである。 このような接続にしているために、スイッチS71が導通状態の時はQ51とQ2が逆相側増幅回路の入力側トランジスタとして働き、スイッチS71が切断状態になると、Q2だけが入力段のトランジスタとなる。 次にQ51が加わった場合のプログラマブル低雑音増幅装置1の動作を説明する。 プログラマブル低雑音増幅装置1の前段には図示しない入力レベル検出器があり、その検出器からの信号によって現在の受信レベルが十分に大きいか否かの制御信号を受ける。 なお、プログラマブル低雑音増幅装置1の後段で行なう復調器などでSNRを判断し、その信号を制御信号として用いてもよい。 その制御信号は、スイッチS71とスイッチS72に働く。 スイッチS71とS72は、入力信号レベルが高いときは共に切断状態とされ、入力信号レベルが低いときは共に導通状態とされる。 すなわち、S71はQ51のドレインをQ2のドレインに接続し、S72はQ48のドレインを電源電圧Vddに接続する。 受信レベルが高い場合は、Q48が働かないため、Q2へ印加される低雑音化のための電流は流れない。 また、Q51も入力側トランジスタとならない。 従って、プログラマブル低雑音増幅装置1は、雑音は大きくなるが、消費電力は小さくなる。 受信レベルが低い場合は、S71とS72は導通状態となるので、Q48とQ51が動作状態となる。 Q48が動作状態となるので、逆相側増幅回路の入力側トランジスタとなるQ2とQ51には、低雑音化のための電流が流される。 しかも、逆相側増幅回路の入力段のトランジスタはQ2とQ51の2つが働くので、より多くの電流を増幅回路に流すことができる。 ここで、形状(ゲート長、ゲート幅)の設定によって、Q51の利得をQ2の利得より大きくしておけば、受信レベルが低い時の動作としてより効果が上がる。 従って、消費電力は多くなるが、小入力信号を低雑音で大きく増幅することができる。 なお、ここではスイッチS71とS72を連動して切り替えることとしたが、それぞれ独立して制御できるようにしてもよい。 (実施の形態2) 増幅器を具体的に列挙すると、Q35とQ2、Q45とスイッチS84、S94からなる増幅器5、Q34とQ2、Q44とスイッチS83、S93からなる増幅器4、Q33とQ2、Q43とスイッチS82、S92からなる増幅器3、Q32とQ2、Q42とスイッチS81、S91からなる増幅器2、Q31とQ2、Q41からなる増幅器1である。 増幅器1は固定増幅器である。 本実施の形態では、増幅器2および増幅器4は加算機能増幅器であり、増幅器3および増幅器5は減算機能増幅器である。 すなわち、増幅器2及び増幅器4の同相側増幅回路の出力は、固定増幅器の同相側増幅回路の出力が接続されている出力端子OUT1に接続され、逆相側増幅回路の出力は、固定増幅器の逆相側増幅回路の出力が接続されている出力端子OUT2に接続されている。 一方、増幅器3及び増幅器5の同相側増幅回路の出力は、固定増幅器の逆相側増幅回路の出力が接続されている出力端子OUT2に接続され、逆相側増幅回路の出力は、固定増幅器の同相側増幅回路の出力が接続されている出力端子OUT1に接続されている。 そして、増幅器2と増幅器3および増幅器4と増幅器5はそれぞれ、同じ利得に設定される。 それぞれの増幅器の同相側増幅回路と逆相側増幅回路の出力を出力端子に接続するスイッチS81乃至S94は、1つの増幅器に関しては連動して動作する。 具体的な例を増幅器2で説明する。 増幅器2の同相側増幅回路の出力を出力端子OUT1に接続するスイッチS81と、逆相側増幅回路の出力を出力端子OUT2に接続するスイッチS91は、共に出力端子に接続するか、共に切断するかを選択する。 なお、それぞれの増幅器のスイッチをまとめてスイッチ部と呼ぶ。 スイッチ部は、利得を変化させる制御信号によって制御される。 制御信号の由来は特に限定しないが、チューナ全体を制御する制御部図示せずからの制御信号で制御されるようにしてもよい。 このように構成することで、本実施の形態のプログラマブル低雑音増幅装置2は、以下のように動作する。 固定増幅器の利得をA1とし、増幅器2の利得をA2、増幅器3の利得を−A2、増幅器4の利得をA4、増幅器5の利得を−A4、とする。 増幅器2乃至増幅器5はそれぞれ出力を出力端子に接続するかしないかをスイッチ部で選択できる。 例えば増幅器5を出力端子に接続するようにスイッチ部を制御すると、−A4の利得を固定増幅器の利得A1に加算することになる。 すなわち、増幅器2乃至5を独立して選択することで、A2とA4を加算する、減算する、ゼロにするという3つの場合があり、プログラマブル低雑音増幅装置2は、全部で9通りの利得に変更することができる。 なお、この場合、極性が反対で利得の絶対値が同じ増幅器2と増幅器3および増幅器4と増幅器5を同時に接続するようなスイッチ操作は行わないようにするのが望ましいのはいうまでもない。 (実施の形態3) プログラマブル低雑音増幅装置3の入力端子IN2は、前段出力端子であるQ1のドレインに接続される。 従って、前段増幅器の出力が入力信号として入力端子IN2から入力される。 プログラマブル低雑音増幅装置3は、複数の増幅器が並列に接続されており、それぞれの増幅器は、スイッチによってON/OFFできるようになっている。 例えば1つの増幅器は、Q37とQ47とQ2からなり、この増幅回路のON/OFFのスイッチがスイッチS31である。 今これらの素子によって構成される増幅器を増幅器7と呼ぶ。 この増幅器7はQ37とQ2、Q47が対になる構成である。 スイッチ以外の増幅器の構成は実施の形態1と同じである。 増幅器7の説明 入力信号は、Q37とQ2によって同相と逆相の信号に分けられるので、この部分で非平衡信号は平衡信号へ変換される。 すなわち、アクティブ・バランを構成している。 出力は同相側の出力がQ37のコレクタから、また逆相側の出力はQ47のコレクタから得る。 より詳細な接続関係は以下の通りである。 Q37は、ゲートがスイッチS31を介して、接地かバイアス電圧VB1に接続されている。 Q37のソースは入力端子IN2に接続されており、ドレインは抵抗R2を介して電源電圧Vddに接続されている。 Q37のコレクタと抵抗R2の間から出力端子OUT2が取り出される。 トランジスタQ37は同相側増幅回路を構成する。 Q2はゲートが入力端子IN2に接続されており、ソースは接地されている。 またドレインはQ47のソースに接続されている。 Q47のゲートは、スイッチS31を介して、接地かバイアス電圧VB1に接続されている。 Q47のドレインは、抵抗R1を介して電源電圧Vddに接続されている。 Q47のドレインと抵抗R1の間から出力端子OUT1が取り出される。 カスコード接続されたQ2とQ47を中心とするこの回路は逆相側増幅回路である。 スイッチS31は、Q37とQ47のゲートを接地するか、バイアス電圧VB1に接続するかを選択するスイッチである。 スイッチS31は、プログラマブル低雑音増幅装置3の外からの制御信号C31によって制御される。 以上のような接続関係によって増幅器7は以下のように動作する。 スイッチS31によってQ37とQ47のゲートが接地された場合は、これらのトランジスタは動作せず、Q37およびQ47のドレインからは出力はない。 すなわち、出力端子OUT1とOUT2の間の電位差への寄与はゼロである。 スイッチS31によってバイアス電圧VB2がQ37とQ47のゲートに印加された時は、増幅器7は増幅動作を行う。 入力端子IN2からの入力信号は、Q37のソースに入力され、電源電圧Vddからの電圧降下として出力端子OUT2から取り出される。 また入力端子IN2からの入力信号はQ2のゲートにも入力される。 入力信号電流の逆相の電流がQ2のドレインすなわち、Q47のソースに流れる。 Q47のソースに入力された逆相の入力信号は電源電圧Vddからの電圧降下として出力端子OUT1から取り出される。 ここで、Q37とQ47の特性を整合させるなど、いくつかの条件を満たすようにしておけば、それぞれのトランジスタのドレインからの出力は、大きさが同じで向きが逆の出力となる。 すなわち、出力端OUT1が上昇すれば、同じ電圧だけ出力端子OUT2が下降し、出力端子OUT1が下降すれば同じ電圧だけ出力端OUT2は上昇する。 7つの増幅器の関係 それぞれの増幅器ではQ2は共通になっている。 また、増幅器1は固定増幅器である。 また、それぞれの増幅器をON/OFFするスイッチS11乃至S32がスイッチ部である。 固定増幅器は常に動作しているので、入力信号の固定増幅器による増幅出力は常に出力端子OUT1とOUT2の間の電圧として出力される。 固定増幅器の同相側増幅回路の出力であるQ31のコレクタは出力端子OUT1へ、逆相側増幅回路の出力であるQ41のコレクタは出力端子OUT2へ接続されている。 従って、増幅器2乃至7のうち、それぞれの同相側増幅回路と逆相側増幅回路の出力が、固定増幅器の出力端子への接続と同じ接続であるものは、加算機能増幅器であり、増幅装置3全体の利得を大きくする。 一方、固定増幅器の出力端子への接続と逆に接続する増幅器は減算機能増幅器であり、増幅装置3全体の利得を小さくする。 具体的には、増幅器2、4、6が加算機能増幅器であり、増幅器3、5、7は減算機能増幅器である。 ここで、増幅器2、4、6は第1の増幅器群とも呼び、増幅器3、5、7を第2の増幅器群とも呼ぶ。 第1の増幅器群に属する個々の増幅器は、同相側増幅回路の出力端子が出力端子OUT1へ接続され逆相側増幅回路の出力端子が出力端子OUT2へ接続されている。 一方、第2の増幅器群に属する個々の増幅器は、同相側増幅回路の出力端子が出力端子OUT2へ接続され逆相側増幅回路の出力端子が出力端子OUT1へ接続されている。 このように各増幅器が接続されることで、プログラマブル低雑音増幅装置全体としての利得を各増幅器のON/OFFで調節することができる。 例えば、スイッチS12をON、すなわちバイアス電圧VB1へ接続し、その他のスイッチをすべてOFF、すなわち接地させると、固定増幅器以外では増幅器2だけが動作状態となる。 すると、利得可変増幅器全体としては、固定増幅器による信号の利得と、増幅器2による信号の利得が加算された利得をもつ増幅器として動作するようになる。 一方、スイッチS11だけをON状態とし、その他のスイッチを全てOFF状態にすると、固定増幅器と増幅器3だけが動作状態となる。 この場合は、増幅装置3全体としては、固定増幅器による信号の利得から増幅器3による信号の利得を減算した利得を持つ増幅器として動作することになる。 また、出力端子OUT1とOUT2の間の出力は常に一定の電圧を中心として電位差が増減することとなるのは実施の形態1と同じである。 従って、直流カットのためのコンデンサを省略する事ができるという効果を生み出す。 また、このように複数の増幅器を並列にならべ、適宜ON/OFFする構成にしたので、増幅した信号を分配するだけの回路が不要となる。 従って、トランジスタの縦積み段数を減らすことができる。 また、増幅器をスイッチ切り替えすることで利得を変えているので、利得切り替えにともない電源電圧を上げる必要がない。 また、信号を逆相加算することにより利得を切り替えているので、利得を低下させたときのNFの増加をある程度抑えることができる。 各増幅器は、トランジスタのゲート幅の設計によって利得を設定することができる。 本発明のプログラマブル低雑音増幅器3の利得可変用増幅器では、増幅器7と6、増幅器5と4、増幅器3と2をそれぞれ同じ利得に設定する。 従って、これらは利得の絶対値が同じである加算機能増幅器と減算機能増幅器の対である。 今、固定増幅器の利得をA0、増幅器2および3の利得をA1、増幅器4および5の利得をA2、増幅器6および7の利得をA3とする。 そして、固定増幅器の利得を加算する増幅器の利得をプラス(+)の利得で表し、固定増幅器の利得を減算する増幅器の利得をマイナス(−)の利得で表すことにする。 すると、増幅器2の利得は「+A1」で、増幅器3の利得は「−A1」である。 同様に増幅器4、6の利得はそれぞれ「+A2」、「+A3」であり、増幅器5、7の利得はそれぞれ「−A2」、「−A3」である。 以上のように各増幅器を接続し、また各増幅器の利得を設定すると、各増幅器をスイッチによって適宜選択すると、プログラマブル低雑音増幅装置3の利得可変増幅器の利得を変更することができる。 その組合せは、利得A1、A2、A3について、プラスかマイナスか選択しないかの3通りがあるので、27通りである。 利得A0は常に選択されている。 さて、チューナにおけるプログラマブル低雑音増幅装置3としては、できるだけ等間隔の利得制御ができれば、受信信号に応じた対応が可能となるため、制御も簡単に行なえ好ましい。 ここで、等間隔とは、デシベル換算で等間隔であればより好ましい。 そこで、本発明のプログラマブル低雑音増幅装置3の利得可変用増幅器は、上記のような構成にした上にさらに、利得A0は、A1とA2とA3の和より大きい設定とする。 また、A1の利得はA2とA3の和より大きくし、A2の利得はA3の利得より大きくする。 このように設定することで最も大きな利得から最も小さい利得までを細かく利得調整することができる。 例えばA0の利得を10、A1を5、A2を3、A3を1とする。 プログラマブル低雑音増幅装置3の利得可変増幅器全体として最も大きな利得は、A0+A1+A2+A3=10+5+3+1=18となる。 最も小さな利得は、A0−A1−A2−A3=10−5−3−1=1である。 それぞれの増幅器を選択した場合に低雑音増幅装置3全体の利得がどのようになるかを表1に示す。 表1において、上段には各増幅器が選択するスイッチ番号が利得と共に記載してある。 また右端の列には全体利得を記載した。 またブランクの部分は選択されていない、すなわちスイッチがOFFであることを示す。 また、表1で示した増幅器の選択以外の選択方法によっても、同じ全体利得を得ることができる場合がある。 例えば、全体利得を8にする場合、表1では、A0−A1+A2によって全体利得を8にした。 しかし、A0−A2+A1でも同じく全体利得を8にすることはできる。 もちろん上記の選択の中のいくつかを選択して利得を制御してもよい。 A0、A1、A2、A3の選び方は、他の数値であっても構わない。 例えば、A0、A1、A2、A3をそれぞれ、8、4、2、1とすれば、全体の利得は15から1まで1刻みで得る事ができる。 また、上記の利得をデジベル換算で等分割に近くなるように設定できるように選んでも良い。 また、増幅器の利得を予めデシベル換算で等分割に等比数列的になるように設定しておいてもよい。 また、ここでは加算、減算用の利得としてA1、A2、A3の3つの利得を用いたが、いくつ用意しても構わない。 例えば、常時動作する増幅器の利得をA0として、加算、減算用の利得をA1からA5まで用意してもよい。 その場合は、増幅器はA0用が1個、A1からA5までの加算、減算用として10個、全部で11個の増幅器を並列に接続すればよい。 図4には、スイッチ部を具体的な回路にしたものを示す。 それぞれのスイッチは2つのトランジスタで構成される。 図3のスイッチS31について説明を行なう。 図4で、スイッチS31はQ57とQ67で構成される。 Q57はPチャネルのFETで、ソースはバイアス電圧VB1へ接続され、ドレインはQ37とQ47のゲートに接続される。 ゲートには制御信号C31が入力される。 Q67のドレインは57のドレインに接続されており、従ってQ37とQ47のゲートに接続されている。 Q67のソースは接地されており、ゲートには、制御信号C31が入力される。 このように接続されたスイッチは次のように動作する。 制御信号C31がONになると、Q57はOFFになり、Q67はONになる。 その結果、Q37とQ47のゲートは接地される。 一方、制御信号C31がOFFになると、Q57はONとなりQ67はOFFとなる。 その結果、Q37とQ47のゲートはバイアス電圧VB1が印加される。 その他のスイッチも同様に動作する。 スイッチを制御する制御信号C11乃至C32の由来は、特に限定されるものではないが、プログラマブル低雑音増幅装置3の後段にある復調器や、チューナ全体を制御する制御器、若しくはプログラマブル低雑音増幅装置3の前段にある受信信号のレベル検出器などから送られる。 (実施の形態4) インピーダンスのマッチングを行なうには、L1とC1とQ111のゲート−ソース間にできる寄生容量や浮遊容量と、L2とL2へ流れる電流に着目したとき相互コンダクタンスの関係を利得が変化しても一定に保つ必要がある。 そのためには、L2に流れる電流が、利得を変化させても変わらないようにすればよい。 そこで、Q121やQ131が選択されなかった場合に補償用の電流を流す回路を用意する。 具体的に本実施の形態のゲインを可変できるソース・ディジェネレーション増幅器の構成を説明する。 前段入力端子IN1にはインダクタンスL1、コンデンサC1が直列に接続される。 C1の出力はトランジスタQ111のゲートに接続される。 Q111のドレインは前段出力端子POUTとなり、ソースはL2を介して接地される。 またQ111のゲートは抵抗を介してバイアス電源VB2に接続される。 Q121とQ131は、Q111に並置されるトランジスタであり、それぞれのゲートはQ111のゲートに接続される。 同様にQ121とQ131のソースは、L2を介して接地され、ドレインはQ122とQ132を介してQ111のドレインと接続される。 すなわち、Q121とQ131のドレインは、Q122とQ132のソースにそれぞれ接続され、Q122とQ132のドレインがQ111のドレインに接続され、前段出力端子POUTとなる。 Q122とQ132のゲートは、スイッチS141、スイッチS151を介して接地若しくは電源電圧Vddに接続される。 Q121のドレインには、Q123のソースも接続されている。 Q123のドレインは電源電圧Vddに接続され、ゲートはスイッチS142を介して接地若しくは電源電圧Vddに接続される。 また、Q123のゲートは、Q125のゲートにも接続されている。 Q125のドレインは出力端子POUTとなるQ111のドレインに接続され、ソースは、Q124のドレインに接続される。 Q124のゲートはバイアス電圧VB2に接続されており、ソースは接地されている。 同じようにQ131のドレインには、Q133のソースも接続されている。 Q133のドレインは電源電圧Vddに接続され、ゲートはスイッチS152を介して接地若しくは電源電圧Vddに接続される。 また、Q133のゲートは、Q135のゲートにも接続されている。 Q135のドレインは前段出力端子POUTとなるQ111のドレインに接続され、ソースは、Q134のドレインに接続される。 Q134のゲートはバイアス電圧VB2に接続されており、ソースは接地されている。 以上のように接続された本発明の前段増幅器は以下のように動作する。 前段入力端子IN1から入力された信号は、L1C1を介してQ111のゲートに入力されQ111のドレインから出力電流として出力される。 スイッチS141とS142およびスイッチS151とS152は排他的にON/OFFし、一方がONの場合には他方はOFFとなる。 例えば、スイッチS141がONであればS142はOFFである。 スイッチS141がONの場合は、Q122がONになる。 入力された信号は、Q121のゲートに入力され、ドレインから出力される。 Q122はONになっているので、Q122のソースからドレインを通してQ111のと同じ前段出力端子POUTに出力電流として出力される。 すなわち、利得が増加する。 このとき、スイッチS142はOFFになっているので、Q123、Q124、Q125からなる回路は動作しない。 スイッチS151がONの場合も同様に、Q132がONになる。 入力された信号は、Q131のゲートに入力され、ドレインから出力される。 Q132はONになっているので、Q132のソースからドレインを通してQ111のと同じ前段出力端子POUTに出力電流として出力される。 すなわち、利得が増加する。 このとき、スイッチS152はOFFになっているので、Q133、Q134、Q135からなる回路は動作しない。 スイッチS141がOFFの場合は、Q122がOFFとなるため、Q121のゲートに入力される信号は前段出力端子POUTに出力されない。 一方S142はONとなるため、Q123、Q124、Q125からなる回路が動作する。 Q121のドレインはQ123を介して電源電圧Vddに接続されるので、前段出力端子POUTに出力電流は現れないが、L2には、スイッチS141がONの場合と同じように電流が流れる。 これは、Q121の出力が電源に捨てられるともいえる。 また、Q125とQ124からなる定電流回路は、前段出力端子POUTに一定の電流を出力し、Q121からの出力がない場合でも、前段出力端子POUTの電流の平均値が変わらないように調整する。 すなわち、S141がOFFでS142がONの場合でもL2に流れる電流は変化せず、また前段出力端子POUTの電流の平均値も変化しない。 同じように、スイッチS151がOFFの場合は、Q132がOFFとなるため、Q131のゲートに入力される信号は前段出力端子POUTに出力されない。 一方S152はONとなるため、Q133、Q134、Q135からなる回路が動作する。 Q131のドレインはQ133を介して電源電圧Vddに接続されるので、前段出力端子POUTに出力電流は現れないが、L2には、スイッチS151がONの場合と同じように電流が流れる。 これは、Q131の出力が電源に捨てられるともいえる。 また、Q135とQ134からなる定電流回路は、前段出力端子POUTに一定の電流を出力し、Q131からの出力がない場合でも、前段出力端子POUTの電流の平均値が変わらないように調整する。 すなわち、S151がOFFでS152がONの場合でもL2に流れる電流は変化せず、また前段出力端子POUTの電流の平均値も変化しない。 ここで、Q125とQ124からなる定電流回路およびQ135とQ134からなる定電流回路は、前段増幅器内定電流回路と呼ぶ。 また、S141、142、151、152は利得可変用前段増幅回路(Q121とQ131)や前段増幅器内定電流回路(Q125とQ124またはQ135とQ134)の動作状態を選択するスイッチであるので、前段増幅器内スイッチと呼ぶ。 Q111とQ121Q131の利得は、集積回路上では形状ゲート長、ゲート幅で調整することが可能であり、PA0、PA1、PA2とする。 ここで、PA1はPA0より大きくし、PA2はPA1とPA2の和より大きく設定することで、利得を細かく調整することが可能になる。 例えば、PA0を1、PA1を2、PA2を4とすると、利得は、1、3、5、7と変化させることができる。 もちろん、利得の設定は他の組合せでもよいし、増幅するための並置するトランジスタの数を増やしても良い。 (実施の形態5) (実施の形態6) (実施の形態7) プログラマブル低雑音増幅装置5の構成は、Q31、Q41、Q2からなる固定増幅器、Q32、Q42、Q2およびスイッチS12からなる増幅器2、Q33、Q43、Q2およびスイッチS11からなる増幅器3、Q34、Q44、Q2およびスイッチS22からなる増幅器4、Q35、Q45、Q2およびスイッチS21からなる増幅器5の5つの増幅器を有する。 また、固定増幅器に対する加算機能増幅器と減算機能増幅器の組み合わせは実施の形態4の場合と同じである。 前段増幅回路は実施の形態4と同じである。 すなわち、インピーダンスの虚部の整合を気にする必要がない。 逆相側増幅回路には、入力トランジスタQ2だけでなく、トランジスタQ51とQ52を設ける。 Q51のゲートはQ2のゲートと同様に前段入力端子IN1に接続されており、ソースは接地されている。 そしてドレインはQ52のソースに接続されている。 すなわち、Q51はQ2と同様の逆相側増幅回路の入力側トランジスタである。 Q52のゲートは、スイッチS42を介して電源電圧Vddか、グランドに接続され、ドレインはQ2のドレイン同様にQ48のソースに接続されている。 なお、本実施の形態では、Q48のゲートはスイッチS41を介してバイアス電圧VB1かグランドに接続される。 このような接続にしているために、Q52がONの時はQ51とQ2が逆相側増幅回路の入力側トランジスタとして働き、Q52がOFFになると、Q2だけが入力側トランジスタとなる。 次に本実施の形態のプログラマブル低雑音増幅装置5の動作を説明する。 プログラマブル低雑音増幅装置5の前段には図示しない入力レベル検出器があり、その検出器からの信号によって現在の受信レベルが十分に大きいか否かの制御信号を受ける。 なお、プログラマブル低雑音増幅装置5の後段で行なう復調器などでSNRを判断し、その信号を制御信号として用いてもよい。 その制御信号は、スイッチS41とスイッチS42に働く。 スイッチS41とS42は、入力信号レベルが高いときは共に接地され、入力信号レベルが低いときは共にホット側に接続される。 すなわち、S41はバイアス電圧VB1に接続され、S42は電源電圧Vddに接続される。 受信レベルが高い場合は、Q48が働かないため、Q2へ印加される低雑音化のための電流は流れない。 従って、プログラマブル低雑音増幅装置3は実施の形態3と同じである。 この時、S42も接地されるので、Q52もOFF状態であり、それに伴いQ51もOFFとなる。 すなわち、雑音は大きくなるが、消費電力は小さくなる。 受信レベルが低い場合は、S41とS42は電源電圧に接続されるので、Q48とQ52がONとなる。 Q48がONとなるので、逆相側増幅回路の入力側トランジスタとなるQ2とQ51には、低雑音化のための電流が流される。 しかも、逆相側増幅回路の入力側トランジスタはQ2とQ51の2つが働くので、より多くの電流を増幅回路に流すことができる。 ここで、ゲート幅の設定によって、Q51の利得をQ2の利得より大きくしておけば、受信レベルが低い時の動作としてより効果が上がる。 従って、消費電力は多くなるが、小入力信号を低雑音で増幅することができる。 (実施の形態8) 入力端子Rf_inはコンデンサC91を介してトランジスタQ92のベースに接続される。 Q92のベースは、また定電流源CC1を介して接地される。 Q92のエミッタは接地され、コレクタは、Q97およびQ98のエミッタに接続される。 トランジスタQ931とQ932は、エミッタ同士が接続され、Q92のベースに接続されている。 Q932のベースは、Q97のベースと、Q931のベースはQ98のベースとそれぞれ接続されている。 また、Q932のコレクタはQ98のコレクタと接続され、抵抗R1を介して電源電圧Vddに接続されている。 また、Q931のコレクタはQ97のコレクタと接続され、抵抗R2を介して電源電圧Vddに接続されている。 出力端子は、抵抗R1とQ931のコレクタの間からOUT1が、抵抗R2とQ98のコレクタとの間からOUT2が取り出される。 なお、Q932とQ97のベースから制御電圧端子GC2が取り出され、Q931とQ98のベースから制御端子GC1がとりだされる。 ここでは、Q92を第1のトランジスタ、Q98を第2のトランジスタ、Q97を第3のトランジスタ、Q932を第4のトランジスタ、Q931を第5のトランジスタとする。 プログラマブル低雑音増幅装置6のゲインはGC1とGC2との電圧差により変化できる。 電圧差がゼロの場合は、プログラマブル低雑音増幅装置6のゲインはゼロとなる。 GC1がGC2よりも十分に大きい場合は、プログラマブル低雑音増幅装置6のゲインは最大となる。 ここで十分に大きいとは、例えば100mV以上をいう。 このプログラマブル低雑音増幅装置6の動作は以下の通りである。 GC1の電位がGC2よりも十分に高い場合は、Q932およびQ97はほとんどOFFの状態となるので、プログラマブル低雑音増幅装置6は、Q931によるゲート接地増幅回路とQ92およびQ98によるカスコード増幅回路によるアクティブ・バランとして動作する。 ここでQ931のコレクタが接続されているOUT1は同相側増幅回路の出力端子であり、Q98のコレクタが接続されているOUT2は逆相側増幅回路の出力端子である。 GC1とGC2の電位が近づいてくるとQ932とQ97にも電流が流れ始める。 Q931とQ932のエミッタ電流の比およびQ98とQ97のエミッタ電流の比はGC1とGC2の電位差により決まるので、高周波信号の分配比もGC1とGC2の電位差により決定されることになる。 Q932およびQ97のコレクタはそれぞれ位相が異なる側の負荷抵抗に接続されているので、これらのコレクタから出た高周波信号は、Q931およびQ98のコレクタから出る高周波電流信号を相殺するように作用する。 その結果、プログラマブル低雑音増幅装置6のゲインが低下することになる。 そして、GC1とGC2の電位が等しくなると、同じ大きさ同士の信号の相殺によってゲインはゼロとなる。 一般にバイポーラトランジスタの場合、相互コンダクタンスgmの値は、エミッタ電流に比例する。 図9の場合、RF_inから見た入力コンダクタンスと入力インピーダンスの逆数は、Q931およびQ932の相互コンダクタンスの和とほぼ等しくなる。 従って、Q931とQ932のエミッタ電流の和を一定に保てば、Q931とQ932のエミッタ電流の比を変化させても入力インピーダンスは変化しない事になる。 これは、低雑音増幅装置の入力インピーダンスのマッチングを取る上で、大変重要な事項である。 図9に示す回路においては、ゲインの調整を行なうための信号分配をゲート接地増幅を行なうトランジスタやカスコード増幅を行なう際の後段トランジスタにおいて行っているので、トランジスタの縦積み段数を減らす事が出来、プログラマブル低雑音増幅装置6の低電圧化に寄与する。 すなわち、低消費電力を実現することができる。 また、図9に示す回路においては、ゲイン調整を行なっても負荷抵抗R1およびR2に流れる電流は不変であるため、出力端OUT1およびOUT2の平均電圧は変わらない。 これは実施の形態1において説明したように、後段回路との結合においてコンデンサを省略する事が可能となるため回路面積を少なくするのに役立つ。 本発明は、主として受信機のチューナに用いられる低雑音増幅に関するものであり、より詳しくは利得可変機能を有する低雑音増幅器に関するものである。 近年普及が進むデジタル放送は、高品質かつ多チャンネルのサービスを受信できるというメリットがあるほか、デジタル信号処理の特性を活かして移動体での受信性能の向上が期待される。 それに伴い、受信装置のチューナは、良好な受信信号から、入力レベルの低い信号まで、さまざまな状態の信号を受信する性能が要求されている。 また、受信機の小型化が進み、従来は別々の半導体集積回路として受信機に使われていたデジタル回路とアナログ回路を1つの半導体基板上に形成し、さらなる回路の集積化も実現化されている。 デジタル回路と同一チップ内で共存するアナログ回路であるチューナには、電源電圧の低電圧化が要求される。 さらにチューナには、受信信号から所望の周波数の信号を分離する周波数変調機能や変調された信号から元信号を取り出す復調機能を有するが、さまざまな状態の入力信号を復調するためには、最初の入力段の低雑音増幅装置に、低雑音、低い相互変調歪といった性能を有することも必要とされる。 電源電圧の低電圧化の1つの方法として、トランジスタの縦積み段数を減らすことが考えられる。 図10は、シリコンバイポーラを用いて実現された利得可変増幅器である。 この回路では電流源I1000とI1001のトランジスタを考慮すると3段積みで構成されている。 この回路では、Q1000とQ1001のトランジスタで差動増幅し、その出力をQ1002からQ1005の4つのトランジスタで振り分け、出力端Vout+とVout−から電圧として出力している。 しかし、図10の回路では利得の変更をアナログ電圧Vcon+とVcon−で行なっている。 従って正確な制御が容易でない。 そこで、この回路の改良型として提案されたのが図11であり、それぞれの増幅器は図12のような差動増幅回路である。 この増幅器は出力が差動出力で変調歪にも強く、利得の切換を増幅器の選択という形で行なっているために、デジタル回路と同一チップ内に設けられるチューナとしては望ましい形であるといえる(特許文献1参照)。 また、複数増幅器を適宜選択して連結したうえで、全体の利得を調整する発明も提案されている(特許文献2参照)。 信号増幅における歪の低減という観点では、不平衡信号を平衡信号に変換するという手法が考えられる。 図13には、従来提案されているアクティブ・バランの回路を示す(特許文献3参照)。 不平衡信号は入力端Vinから入力されエミッタとコレクタからの平衡出力はQ1101とQ1102の差動増幅回路で精度の高い平衡信号となりVout1とVout2から出力される。 デジタル機器が小型化されるに従い、チップ面積は減少するので、高集積化の一方で回路面積を小さくする構成が望まれる。 従って、不平衡信号を平衡信号に変換し、利得調整も可能な低雑音増幅器もできるだけ少ない回路面積で実現することが望まれている。 ここで、上記の図11と図13のアクティブ・バラン回路を結合することで、平衡信号を出力できる利得可変増幅器は実現可能である。 しかし、図13のアクティブ・バラン回路は入力段のトランジスタをエミッタフォロアとしているために、入力インピーダンスを低くすることができず、また入力インピーダンスの整合をとるのも困難である。 このことは、NFの増大にもつながる。 また、図11の可変増幅器は、図12の差動増幅回路を用いる。 この差動増幅回路は入力が2つのトランジスタのベースに入力するために、高周波帯域での利得が急速に劣化してしまうという課題を有する。 さらに、図11の可変増幅器は予め用意した利得の異なる増幅器から択一的に選択することで全体の利得を変化させるので、調整したい利得の数だけ増幅器を用意しなければならない。 また、回路全体の出力としては、増幅器毎に差動出力の中心電圧が決まるので、一定の電圧を中心として上下対称の可変出力を得るのは困難である。 一方特許文献2のような構成であれば、用意した増幅器の数以上の利得の種類を得る事はできるが、これでは平衡出力をどのようにして得るのかという問題が残る。 本発明はかかる課題を解決するために想到されたもので、低ノイズと高周波特性を有しており、動作状態のトランジスタの縦積み段数を3段より減らし、デジタル信号による制御で利得制御ができ、さらに不平衡−平衡変換機能を有し、一定電圧を中心とした平衡な可変出力を得る事ができるプログラマブル増幅装置を提供するものである。 本発明は上記のような要請および課題に鑑みて想到されたものである。 すなわち、図10に示した従来のように信号増幅を行ってから信号の分配し、増幅器全体のゲインを変えるのではなく、信号加算を行う増幅器と信号減算を行う増幅器を複数ならべ、それらを適宜動作させることで、増幅器全体のゲインを可変させる。 具体的には本発明における第1の局面は、 また、本発明の第2の局面は、 また、本発明の第3の局面は、 また、本発明の第4の局面は、 また、本発明の第5の局面は、 また、本発明の第6の局面は、 また、本発明の第7の局面は、 また、本発明の第8の局面は、 また、本発明の第9の局面は、 また、本発明の第10の局面は、 また、本発明の第11の局面は、 また、本発明の第12の局面は、 また、本発明の第13の局面は、 また、本発明の第14の局面は、 また、本発明の第15の局面は、 また、本発明の第16の局面は、 また、本発明の第17の局面は、 本発明は、信号を増幅してから分配するのではなく、複数の増幅器を適宜動作させて増幅器全体のゲインを可変させる。 従って、信号分配のための回路を省略することができる。 その結果、能動動作をする、つまりスイッチングを含まないトランジスタの縦積み段数を2段にすることができる。 また、上記のように、増幅器の出力信号を加算、減算することによって利得を調整する構成にしたので、ゲインを小さくしたときのNF(Noise Figure)の増加を抑制することができる。 すなわち、増幅器の動作点を調製してゲイン調整を行うのではなく、予め用意した増幅器のON/OFFによってゲインの調製を行うため、各増幅器をNFの観点で適した動作点において動作させることができる。 従って、NFの低減にとっても有効となる。 複数の増幅器の出力の加算と減算を組み合わせることは、また出力電圧の平均値を一定に保つ事も可能にする。 従って、次段の処理回路のバイアス電圧にする回路設計が可能になり、直流カットのコンデンサを省略することができる。 これは集積回路においては回路面積を減らす事につながり、より小型化が可能になる。 さらに、予め用意する増幅器の数以上の利得設定が可能になる。 また、増幅器は、ゲート接地若しくはカスコード接続したトランジスタ回路を用いるため高周波まで一定の利得が得られる。 また、前段増幅器には、前段入力端子と固定前段増幅回路の最初のトランジスタ回路に、インダクタンス素子を用いることで、トランジスタのゲートとソース間の寄生容量を利用したインピーダンスマッチングを行い、入力インピーダンスを小さくすることができる。 これはNFを低下させるという効果も生む。 また、アクティブ・バランにおける定電流回路をソース・ディジェネレーション増幅器に置き換えたので、この部分でも増幅器のNFを下げることができる。 さらに、ソース・ディジェネレーション増幅器は、元々定電流回路が使用していた電力であるので、新たな消費電力を要しない。 以上のように、本発明の低雑音増幅器は、利得調整機能を有し、低電圧で動作させることができる。 (実施の形態1) 図1に本発明のプログラマブル低雑音増幅装置1の構成を示す。 図1は、前段増幅器A1がついている状態を示している。 まず、前段増幅回路を説明する。 前段入力端子IN1の後にインダクタンスL1とコンデンサC1が直列に接続されている。 コンデンサC1の出力はトランジスタQ1のゲートに入力され、また、トランジスタQ1のゲートは抵抗RB1を介して電圧VB2でバイアスされている。 トランジスタQ1のソースはインダクタンスL2を介して接地されている。 前段入力端子IN1からトランジスタQ1までが前段増幅器で、ソース・ディジェネレーション増幅回路になっている。 インダクタンスのL1とL2は、入力インピーダンスの整合を行なうためのものである。 L1とL2およびQ1のゲートとソースの間の浮遊容量を利用して入力インピーダンスの整合をとることができ、入力インピーダンスを低く抑えることができる。 これは前段増幅器A1とプログラマブル低雑音増幅装置1を合わせた全体のNFの改善に効果がある。 入力信号はこのソース・ディジェネレーション増幅回路で増幅されたのち、トランジスタQ1のドレインから電流信号として出力される。 従って前段増幅器の出力端子となる前段出力端子POUTはQ1のドレインである。 次にプログラマブル低雑音増幅装置1の構成を説明する。 プログラマブル低雑音増幅装置の入力端子IN2は、前段出力端子であるQ1のドレインに接続される。 従って、前段増幅器の出力が入力信号として入力端子IN2から入力される。 プログラマブル低雑音増幅装置は、複数の増幅器が並列に接続されており、それぞれの増幅器の出力は、スイッチによって出力先を変更できるようになっている。 例えば1つの増幅器は、Q34とQ44とQ2からなり、この増幅回路の出力の切換スイッチはS86とS96である。 今これらの素子によって構成される増幅器を増幅器4と呼ぶ。 この増幅器4はQ34とQ2、Q44が対になる構成である。 なお、トランジスタQ51とQ48は、入力信号が小さい場合に使用する回路であり、後ほど説明する。 増幅器4の説明 入力信号は、Q34とQ2によって同相と逆相の信号に分けられるので、この部分で非平衡信号は平衡信号へ変換される。 すなわち、アクティブ・バランを構成している。 出力は同相側の出力がQ34のドレインから、また逆相側の出力はQ44のドレインから得る。 より詳細な接続関係は以下の通りである。 Q34は、ゲートがバイアス電圧VB1に接続されている。 Q34のソースは入力端子IN2に接続されており、ドレインはスイッチS86を介して、出力端子OUT1か出力端子OUT2に接続される。 出力端子OUT1は抵抗R1を介して電源電圧Vddに接続されている。 また出力端子OUT2は抵抗R2を介して電源電圧Vddに接続されている。 以上のような構成の回路は以下のように動作する。 前段入力端子IN1に信号が入力されると、信号はQ1のゲートに入力され、その信号に応じて電流がQ1のドレインからソースに流れる。 この電流はIN2の入力信号であり、Q34のソースに流れる電流を増加させる。 すなわち、ドレイン−ソース間の電流が増加する。 スイッチS86が出力端子OUT1に接続されているとすると、抵抗R1を流れる電流が増加するので、出力端子OUT1は電位が下降する。 Q34のドレインがS86によって出力端子OUT2に接続されている場合は、同じように出力端子OUT2の電位が下降する。 すなわち、Q34を中心とするこの回路は、入力端子IN2に入力された信号を同相増幅する回路である。 この同相側増幅回路の出力となる同相側出力端子はQ34のドレインである。 以後同じ機能若しくは構成の回路を、同相側増幅回路と呼ぶ。 Q2はゲートが入力端子IN2に接続されており、ソースは接地されている。 またドレインはQ44のソースに接続されている。 Q44のゲートは、バイアス電圧VB1に接続されている。 Q44のドレインは、スイッチS96を介して出力端子OUT1か出力端子OUT2に接続されている。 すなわち、Q2とQ44はカスコード接続されている。 ここでQ2は入力側トランジスタ、Q44は出力側トランジスタと呼ぶ。 以上のような構成の回路は以下のように動作する。 前段入力端子IN1に信号が入力されると入力端子IN2からグランドに対して電流が流れるのは同相側増幅回路の場合とおなじである。 従って、Q2のゲートからグランドに対して電流が流れる。 これによってQ2のドレインからソースに流れる電流は減少する。 Q2のドレインはQ44のソースに接続されているので、Q44のドレイン−ソース間の電流が減少する。 スイッチS96が出力端子OUT2に接続されているとすると、抵抗R2を流れる電流が減少するので、出力端子OUT2は電位が上昇する。 Q44のドレインがS96によって出力端子OUT1に接続されている場合は、同じように出力端子OUT1の電位が上昇する。 すなわち、Q2とQ44によるこの回路は、入力端子IN2に入力された信号を逆相増幅する回路である。 この逆相側増幅回路の出力となる逆相側出力端子はQ44のドレインである。 以後同じ構成の回路を、逆相側増幅回路と呼ぶ。 このようにトランジスタを接続することで、同相側のトランジスタの積み重ねは、Q34とQ1の2つであり、逆相側の積み重ねもQ44とQ2の2つでよい。 従って、コレクタ−エミッタ間に印加するために必要な電源電圧Vddは、従来提案されていた3つの場合より低くてよい。 ここでスイッチS86とS96は、連動した動作を行う。 具体的には、S86が出力端子OUT1に接続された場合は、S96は出力端子OUT2へ接続され、S86が出力端子OUT2へ接続した場合は、S96は出力端子OUT1へ接続される。 すなわち、増幅器4の同相側増幅回路の出力点である同相側出力端子と逆相側増幅回路の出力点である逆相側出力端子は、それぞれ、出力端子OUT1かOUT2のどちらかに接続される。 そして、この切換は制御信号C11によって制御される。 増幅回路4の動作をまとめると、以下のようになる。 まず制御信号C11によってスイッチS86は出力端子OUT1へ、スイッチS96は出力端子OUT2に接続されたとする。 入力端子IN2に信号が入力されると、同相側増幅回路の出力端子になっている出力端子OPUT1には、入力信号と同相で増幅された信号が出力される。 一方逆相側増幅回路の出力端子になっている出力端子OUT2には、入力信号と逆相で増幅された出力が出力される。 ここで、Q34とQ44の形状(ゲート長やゲート幅)を同一にするなど、いくつかの条件を満たすように作成しておけば、出力端子OUT1と出力端子OUT2は同じ電圧だけ上昇、下降を行い、差動出力を得る事ができる。 スイッチS86とS96の接続が逆になった場合は、OUT1の電圧は下降し、OUT2の電圧は上昇する。 また、図1では、スイッチS86とS96は出力端子OUT1かOUT2へ必ず接続することになっているが、どちらにも接続せず、どちらも開放か、どちらもグランドに接続するといった接続先を有していても良い。 この場合は、増幅器4の同相側増幅器、逆相側増幅器のいずれも出力端子OUT1とOUT2の間の電位差への寄与はゼロとなる。 3つの増幅器の関係 それぞれの増幅器ではQ2は共通になっている。 増幅器毎にQ2を設けてもよいが、Q2を共通にしたほうが、ノイズの点で有利である。 また、増幅器1にはスイッチがなく、Q31とQ41のゲートは常にバイアス電圧VB1に接続されている。 すなわち、増幅器1は常に動作している。 そこで増幅器1は固定増幅器と呼ぶ。 そして固定増幅器以外の並列に接続された増幅器を利得可変用増幅器と呼ぶ。 固定増幅器は常に出力端子OUT1とOUT2に接続されている点を除けば、利得変換用増幅器と構成等は同じである。 また、それぞれの利得可変用増幅器の出力先を切り替えるスイッチS85乃至S95をスイッチ部と呼ぶ。 スイッチ部は増幅器1、2および4の同相側出力端子と逆相側出力端子を出力端子OUT1かOUT2へ排他的に接続する。 また、これらの接続は増幅器毎に行われる。 なお、ここで「排他的に接続する」とは、同相側出力端子を出力端子OUT1に接続した時には、逆相側出力端子を必ず出力端子OUT2へ接続し、同相側出力端子を出力端子OUT2に接続した時には、逆相側出力端子を必ず出力端子OUT1へ接続することをいう。 固定増幅器は常に動作しているので、入力信号の固定増幅器による増幅出力は常に出力端子OUT1とOUT2の間の電圧として出力される。 固定増幅器の同相側増幅回路の出力であるQ31のドレインは出力端子OUT1へ、逆相側増幅回路の出力であるQ41のドレインは出力端子OUT2へ接続されている。 そこで、増幅器2と4の出力は、それぞれの同相側増幅回路と逆相側増幅回路の出力が、固定増幅器の出力端子への接続と同じ接続である場合は、固定増幅器の利得に利得を加算する。 すなわち、プログラマブル低雑音増幅装置全体の利得を大きくする。 一方、固定増幅器の出力端子への接続と逆に接続する場合は固定増幅器の利得から利得を減算する。 すなわち、プログラマブル低雑音増幅装置全体の利得を小さくする。 すなわち、制御信号C11によってスイッチS86が出力端子OUT1へ接続し、スイッチS96が出力端子OUT2へ接続されると、増幅器4は加算機能増幅器となる。 固定増幅器の同相側増幅回路の出力が接続されている出力端子OUT1に同相側増幅回路の出力であるQ34のドレインが接続され、固定増幅器の逆相側増幅回路の出力が接続されている出力端子OUT2に逆相側増幅回路の出力であるQ44のドレインが接続されるからである。 反対にスイッチS86が出力端子OUT2へ接続され、スイッチS96が出力端子OUT1へ接続されると、増幅器4は減算機能増幅器となる。 固定増幅器の同相側増幅回路の出力が接続されている出力端子OUT1に逆相側増幅回路の出力であるQ44のドレインが接続され、固定増幅器の逆相側増幅回路の出力が接続されている出力端子OUT2に同相側増幅回路の出力であるQ34のドレインが接続されるからである。 増幅器2も同様に制御信号C21によって、スイッチS85が出力端子OUT1に接続され、スイッチS95が出力端子OUT2に接続された場合は加算機能増幅器となる。 一方、制御信号C21によって、スイッチS85が出力端子OUT2に接続され、スイッチS95が出力端子OUT1に接続された場合は減算機能増幅器となる。 このように各増幅器が接続されることで、プログラマブル低雑音増幅装置1全体としての利得をスイッチ部の切り替え、すなわち制御信号C11とC21によって調節することができる。 例えば、スイッチS85を出力端子OUT1へ、スイッチS95を出力端子OUT2へ接続し、スイッチS84を出力端子OUT1へ、スイッチS94を出力端子OUT2へ接続すると、増幅器2および増幅器4は加算機能増幅器となる。 すると、プログラマブル低雑音増幅装置1全体としては、固定増幅器と増幅器2と増幅器4のそれぞれの利得の和を有する利得の増幅装置となる。 一方、スイッチS85を出力端子OUT2へ、スイッチS95を出力端子OUT1へ接続し、スイッチS84を出力端子OUT2へ、スイッチS94を出力端子OUT1へ接続すると、増幅器2および増幅器4はともに減算機能増幅器となる。 すると、プログラマブル低雑音増幅装置1全体としては、固定増幅器の利得から増幅器2と増幅器4のそれぞれの利得を引いた利得の増幅装置となる。 すなわち、プログラマブル低雑音増幅装置は、制御信号C11とC21によって利得を可変できる増幅装置となる。 また、利得を加算する場合は、同相側増幅回路の出力同士、逆相側増幅回路の出力同士を接続し、利得を減算する場合は、同相側増幅回路の出力と逆相側増幅回路の出力同士、および逆相側増幅回路の出力と同相側増幅回路の出力同士を接続する。 従って、出力端子OUT1とOUT2の出力は常に一定の電圧を中心として電位差が増減することとなる。 この中心電圧は、プログラマブル低雑音増幅装置1の次段の処理回路においてバイアス電位として利用する事ができ、次段の処理回路の間に配置する直流カットのためのコンデンサを省略する事ができるという効果を生み出す。 なお、すでに述べたように同相側増幅回路の出力点は同相側出力端子であり、逆相側増幅回路の出力点は逆相側出力端子である。 また、このように複数の増幅器を並列にならべ、適宜出力先を切り替える構成にしたので、増幅した信号を分配するだけの回路が不要となる。 従って、トランジスタの縦積み段数を減らすことができる。 また、増幅器をスイッチ切り替えすることで利得を変えているので、利得切り替えにともない電源電圧を上げる必要がない。 また、信号を逆相加算することにより利得を切り替えているので、利得を低下させたときのNFの増加をある程度抑えることができる。 各増幅器は、トランジスタのゲート幅の設計によって利得を設定することができる。 今、固定増幅器の利得をA1、増幅器2の利得をA2、増幅器4の利得をA4とする。 そして、増幅器2および4が加算機能増幅器として動作する場合はプラス(+)の利得で表し、減算機能増幅器として動作する場合はマイナス(−)の利得で表すことにする。 以上のように各増幅器の利得を設定すると、プログラマブル低雑音増幅器1の利得は、いくつかの利得に変更することができる。 その組合せは、利得A2、A4について、プラスかマイナスかの2通りがあるので、4通りである。 利得A1は固定増幅器の利得であるので常に選択されている。 さて、チューナにおけるプログラマブル低雑音増幅装置1としては、できるだけ等間隔の利得制御ができれば、受信信号に応じた対応が可能となるため、制御も簡単に行なえ好ましい。 ここで、等間隔とは、デシベル換算で等間隔であればより好ましい。 そこで、本発明のプログラマブル低雑音増幅器1は、上記のような構成にした上にさらに、利得A1は、A2とA4の和より大きい設定とする。 また、A2の利得はA4より大きくする。 このように設定することで最も大きな利得から最も小さい利得までを細かく利得調整することができる。 例えばA1の利得を5、A2を3、A4を1とする。 プログラマブル低雑音増幅器1の利得可変増幅器全体として最も大きな利得は、A1+A2+A4=5+3+1=9となる。 以下、A1+A2−A4=5+3−1=7、A1−A2+A4=5−3+1=3、そして最も小さな利得は、A1−A2−A4=5−3−1=1である。 また、上記の説明では、増幅器2および増幅器4は、加算機能増幅器か減算機能増幅器の二者択一としたが、すでに説明したように出力に寄与しないようにしてもよい。 具体的には増幅器2および増幅器4の同相側増幅回路の出力と逆相側増幅回路の出力を、出力端子OUT1とOUT2のどちらにも接続しないような接続先をスイッチS85、S95S86、S96に設ける。 このようにすれば、増幅器2及び増幅器4の利得をプログラマブル低雑音増幅器全体の利得に加算的、減算的、寄与させない、の3通りの選択が可能となり、全部で9通りの利得制御が可能になる。 具体的には、増幅器4の利得を使わないこととすると、A1+A2=5+3=8という上記説明では設定できなかった利得の設定も可能となる。 また、A1、A2、A4の選び方は、他の数値であっても構わない。 例えば、A1、A2、A4をそれぞれ、4、2、1とすれば、全体の利得は7から1までの範囲で得る事ができる。 また、ここでは利得変換用増幅器が2つの場合を説明したが、いくつ用意しても構わない。 例えば、利得変換用増幅器を3つ、4つそれ以上と用意してもよい。 なお、ここでは固定増幅器にはスイッチがなく常にゲートにバイアス電圧が印加され動作状態にあるように説明を行なった。 しかし、固定増幅器は常に動作状態にある増幅器であればよく、スイッチを有していて、そのスイッチが常にONになっていても構わない。 さらに、複数の増幅器を組み合わせて必ず一定の出力があるようにスイッチで調整する構成であっても構わない。 例えば上記の例で言うとA1の固定増幅器をA20、A21、A22、A23という利得を有する4つのスイッチのある増幅器に置き換え、各利得をA1=A20+A21=A22+A23のように設定する。 そして、利得がA20とA21の増幅器若しくは利得がA22とA23の増幅器のいずれかのペアが必ず選択されるように制御するなどである。 トランジスタQ48、Q51の説明 Q48のゲートは、バイアス電圧VB1へ接続されており、ドレインはスイッチS72を介して電源電圧Vddに接続されている。 またQ48のソースは、Q2のドレインに接続されている。 このQ48の動作は以下のようになる。 なお、スイッチS72は電源電圧に接続されており、スイッチS71は開放(切断)されているものとする。 従ってQ51は動作しない。 まず、同相側増幅回路のトランジスタのソースに流れる総電流と、逆相側増幅回路のトランジスタのソースに流れる総電流は大きさが同じである。 なぜなら、同じバイアス電圧VB1が印加されており、それぞれ対になるトランジスタは形状(ゲート長、ゲート幅)が同じに設計されるからである。 従って、同相側増幅回路のトランジスタのソースにI1の総電流が流れたとすると、逆相側増幅回路のトランジスタのソースにもI1の総電流が流れる。 しかし、Q48が逆相側増幅回路のトランジスタのソースに接続されており、Q48が(I2−I1)の電流を流すように設計されていると、逆相側増幅回路のトランジスタのソースにはI2の総電流を流す事が出来る。 これはQ2のドレイン電流であるので、I1が小さい時でもQ2にはI1より十分大きな電流I2を流す事が出来る。 これによって、Q2のNFを小さくする事ができる。 また、スイッチ部で増幅器の出力先を切替えても、出力電圧は一定の平均値を中心とした平衡出力を得ることができる。 ここで、Q48は入力側トランジスタのドレインに接続された電流源である。 このようにQ48によってQ2の低雑音化が可能であるが、消費電力は多くなる。 ところで、チューナとしては復調段階でのSNRが十分確保できていればよい。 SNRは入力信号が小さい場合はノイズの低減が重要となるが、入力信号が十分に大きい場合は、ノイズの低減化はさほど気にする必要はなくなる。 そこで、入力信号の大小に応じてQ48による電流を入力側トランジスタに流すか否かを選択できるようにしたのがスイッチS72である。 このスイッチS72は、プログラマブル低雑音増幅器1の後段にある復調部分(図示せず)によるSNRを計測若しくは算出する部分からの制御信号、若しくはプログラマブル低雑音増幅器1の前段にあるアンテナの受信レベルを判断する部分(図示せず)、からの制御信号によってON/OFFされるようにするのが好ましい。 さらにQ48がONになった場合に入力側トランジスタの数を増やすようにしてもよい。 これがQ51である。 Q51のゲートはQ2のゲートと同様に入力端子IN2に接続されており、ソースは接地されている。 そしてドレインはスイッチS71を介してQ2のドレインに接続されている。 すなわち、Q51はQ2と同様の逆相側増幅回路の入力側トランジスタである。 このような接続にしているために、スイッチS71が導通状態の時はQ51とQ2が逆相側増幅回路の入力側トランジスタとして働き、スイッチS71が切断状態になると、Q2だけが入力段のトランジスタとなる。 次にQ51が加わった場合のプログラマブル低雑音増幅装置1の動作を説明する。 プログラマブル低雑音増幅装置1の前段には図示しない入力レベル検出器があり、その検出器からの信号によって現在の受信レベルが十分に大きいか否かの制御信号を受ける。 なお、プログラマブル低雑音増幅装置1の後段で行なう復調器などでSNRを判断し、その信号を制御信号として用いてもよい。 その制御信号は、スイッチS71とスイッチS72に働く。 スイッチS71とS72は、入力信号レベルが高いときは共に切断状態とされ、入力信号レベルが低いときは共に導通状態とされる。 すなわち、S71はQ51のドレインをQ2のドレインに接続し、S72はQ48のドレインを電源電圧Vddに接続する。 受信レベルが高い場合は、Q48が働かないため、Q2へ印加される低雑音化のための電流は流れない。 また、Q51も入力側トランジスタとならない。 従って、プログラマブル低雑音増幅装置1は、雑音は大きくなるが、消費電力は小さくなる。 受信レベルが低い場合は、S71とS72は導通状態となるので、Q48とQ51が動作状態となる。 Q48が動作状態となるので、逆相側増幅回路の入力側トランジスタとなるQ2とQ51には、低雑音化のための電流が流される。 しかも、逆相側増幅回路の入力段のトランジスタはQ2とQ51の2つが働くので、より多くの電流を増幅回路に流すことができる。 ここで、形状(ゲート長、ゲート幅)の設定によって、Q51の利得をQ2の利得より大きくしておけば、受信レベルが低い時の動作としてより効果が上がる。 従って、消費電力は多くなるが、小入力信号を低雑音で大きく増幅することができる。 なお、ここではスイッチS71とS72を連動して切り替えることとしたが、それぞれ独立して制御できるようにしてもよい。 (実施の形態2) 増幅器を具体的に列挙すると、Q35とQ2、Q45とスイッチS84、S94からなる増幅器5、Q34とQ2、Q44とスイッチS83、S93からなる増幅器4、Q33とQ2、Q43とスイッチS82、S92からなる増幅器3、Q32とQ2、Q42とスイッチS81、S91からなる増幅器2、Q31とQ2、Q41からなる増幅器1である。 増幅器1は固定増幅器である。 本実施の形態では、増幅器2および増幅器4は加算機能増幅器であり、増幅器3および増幅器5は減算機能増幅器である。 すなわち、増幅器2及び増幅器4の同相側増幅回路の出力は、固定増幅器の同相側増幅回路の出力が接続されている出力端子OUT1に接続され、逆相側増幅回路の出力は、固定増幅器の逆相側増幅回路の出力が接続されている出力端子OUT2に接続されている。 一方、増幅器3及び増幅器5の同相側増幅回路の出力は、固定増幅器の逆相側増幅回路の出力が接続されている出力端子OUT2に接続され、逆相側増幅回路の出力は、固定増幅器の同相側増幅回路の出力が接続されている出力端子OUT1に接続されている。 そして、増幅器2と増幅器3および増幅器4と増幅器5はそれぞれ、同じ利得に設定される。 それぞれの増幅器の同相側増幅回路と逆相側増幅回路の出力を出力端子に接続するスイッチS81乃至S94は、1つの増幅器に関しては連動して動作する。 具体的な例を増幅器2で説明する。 増幅器2の同相側増幅回路の出力を出力端子OUT1に接続するスイッチS81と、逆相側増幅回路の出力を出力端子OUT2に接続するスイッチS91は、共に出力端子に接続するか、共に切断するかを選択する。 なお、それぞれの増幅器のスイッチをまとめてスイッチ部と呼ぶ。 スイッチ部は、利得を変化させる制御信号によって制御される。 制御信号の由来は特に限定しないが、チューナ全体を制御する制御部図示せずからの制御信号で制御されるようにしてもよい。 このように構成することで、本実施の形態のプログラマブル低雑音増幅装置2は、以下のように動作する。 固定増幅器の利得をA1とし、増幅器2の利得をA2、増幅器3の利得を−A2、増幅器4の利得をA4、増幅器5の利得を−A4、とする。 増幅器2乃至増幅器5はそれぞれ出力を出力端子に接続するかしないかをスイッチ部で選択できる。 例えば増幅器5を出力端子に接続するようにスイッチ部を制御すると、−A4の利得を固定増幅器の利得A1に加算することになる。 すなわち、増幅器2乃至5を独立して選択することで、A2とA4を加算する、減算する、ゼロにするという3つの場合があり、プログラマブル低雑音増幅装置2は、全部で9通りの利得に変更することができる。 なお、この場合、極性が反対で利得の絶対値が同じ増幅器2と増幅器3および増幅器4と増幅器5を同時に接続するようなスイッチ操作は行わないようにするのが望ましいのはいうまでもない。 (実施の形態3) プログラマブル低雑音増幅装置3の入力端子IN2は、前段出力端子であるQ1のドレインに接続される。 従って、前段増幅器の出力が入力信号として入力端子IN2から入力される。 プログラマブル低雑音増幅装置3は、複数の増幅器が並列に接続されており、それぞれの増幅器は、スイッチによってON/OFFできるようになっている。 例えば1つの増幅器は、Q37とQ47とQ2からなり、この増幅回路のON/OFFのスイッチがスイッチS31である。 今これらの素子によって構成される増幅器を増幅器7と呼ぶ。 この増幅器7はQ37とQ2、Q47が対になる構成である。 スイッチ以外の増幅器の構成は実施の形態1と同じである。 増幅器7の説明 入力信号は、Q37とQ2によって同相と逆相の信号に分けられるので、この部分で非平衡信号は平衡信号へ変換される。 すなわち、アクティブ・バランを構成している。 出力は同相側の出力がQ37のコレクタから、また逆相側の出力はQ47のコレクタから得る。 より詳細な接続関係は以下の通りである。 Q37は、ゲートがスイッチS31を介して、接地かバイアス電圧VB1に接続されている。 Q37のソースは入力端子IN2に接続されており、ドレインは抵抗R2を介して電源電圧Vddに接続されている。 Q37のコレクタと抵抗R2の間から出力端子OUT2が取り出される。 トランジスタQ37は同相側増幅回路を構成する。 Q2はゲートが入力端子IN2に接続されており、ソースは接地されている。 またドレインはQ47のソースに接続されている。 Q47のゲートは、スイッチS31を介して、接地かバイアス電圧VB1に接続されている。 Q47のドレインは、抵抗R1を介して電源電圧Vddに接続されている。 Q47のドレインと抵抗R1の間から出力端子OUT1が取り出される。 カスコード接続されたQ2とQ47を中心とするこの回路は逆相側増幅回路である。 スイッチS31は、Q37とQ47のゲートを接地するか、バイアス電圧VB1に接続するかを選択するスイッチである。 スイッチS31は、プログラマブル低雑音増幅装置3の外からの制御信号C31によって制御される。 以上のような接続関係によって増幅器7は以下のように動作する。 スイッチS31によってQ37とQ47のゲートが接地された場合は、これらのトランジスタは動作せず、Q37およびQ47のドレインからは出力はない。 すなわち、出力端子OUT1とOUT2の間の電位差への寄与はゼロである。 スイッチS31によってバイアス電圧VB2がQ37とQ47のゲートに印加された時は、増幅器7は増幅動作を行う。 入力端子IN2からの入力信号は、Q37のソースに入力され、電源電圧Vddからの電圧降下として出力端子OUT2から取り出される。 また入力端子IN2からの入力信号はQ2のゲートにも入力される。 入力信号電流の逆相の電流がQ2のドレインすなわち、Q47のソースに流れる。 Q47のソースに入力された逆相の入力信号は電源電圧Vddからの電圧降下として出力端子OUT1から取り出される。 ここで、Q37とQ47の特性を整合させるなど、いくつかの条件を満たすようにしておけば、それぞれのトランジスタのドレインからの出力は、大きさが同じで向きが逆の出力となる。 すなわち、出力端OUT1が上昇すれば、同じ電圧だけ出力端子OUT2が下降し、出力端子OUT1が下降すれば同じ電圧だけ出力端OUT2は上昇する。 7つの増幅器の関係 それぞれの増幅器ではQ2は共通になっている。 また、増幅器1は固定増幅器である。 また、それぞれの増幅器をON/OFFするスイッチS11乃至S32がスイッチ部である。 固定増幅器は常に動作しているので、入力信号の固定増幅器による増幅出力は常に出力端子OUT1とOUT2の間の電圧として出力される。 固定増幅器の同相側増幅回路の出力であるQ31のコレクタは出力端子OUT1へ、逆相側増幅回路の出力であるQ41のコレクタは出力端子OUT2へ接続されている。 従って、増幅器2乃至7のうち、それぞれの同相側増幅回路と逆相側増幅回路の出力が、固定増幅器の出力端子への接続と同じ接続であるものは、加算機能増幅器であり、増幅装置3全体の利得を大きくする。 一方、固定増幅器の出力端子への接続と逆に接続する増幅器は減算機能増幅器であり、増幅装置3全体の利得を小さくする。 具体的には、増幅器2、4、6が加算機能増幅器であり、増幅器3、5、7は減算機能増幅器である。 ここで、増幅器2、4、6は第1の増幅器群とも呼び、増幅器3、5、7を第2の増幅器群とも呼ぶ。 第1の増幅器群に属する個々の増幅器は、同相側増幅回路の出力端子が出力端子OUT1へ接続され逆相側増幅回路の出力端子が出力端子OUT2へ接続されている。 一方、第2の増幅器群に属する個々の増幅器は、同相側増幅回路の出力端子が出力端子OUT2へ接続され逆相側増幅回路の出力端子が出力端子OUT1へ接続されている。 このように各増幅器が接続されることで、プログラマブル低雑音増幅装置全体としての利得を各増幅器のON/OFFで調節することができる。 例えば、スイッチS12をON、すなわちバイアス電圧VB1へ接続し、その他のスイッチをすべてOFF、すなわち接地させると、固定増幅器以外では増幅器2だけが動作状態となる。 すると、利得可変増幅器全体としては、固定増幅器による信号の利得と、増幅器2による信号の利得が加算された利得をもつ増幅器として動作するようになる。 一方、スイッチS11だけをON状態とし、その他のスイッチを全てOFF状態にすると、固定増幅器と増幅器3だけが動作状態となる。 この場合は、増幅装置3全体としては、固定増幅器による信号の利得から増幅器3による信号の利得を減算した利得を持つ増幅器として動作することになる。 また、出力端子OUT1とOUT2の間の出力は常に一定の電圧を中心として電位差が増減することとなるのは実施の形態1と同じである。 従って、直流カットのためのコンデンサを省略する事ができるという効果を生み出す。 また、このように複数の増幅器を並列にならべ、適宜ON/OFFする構成にしたので、増幅した信号を分配するだけの回路が不要となる。 従って、トランジスタの縦積み段数を減らすことができる。 また、増幅器をスイッチ切り替えすることで利得を変えているので、利得切り替えにともない電源電圧を上げる必要がない。 また、信号を逆相加算することにより利得を切り替えているので、利得を低下させたときのNFの増加をある程度抑えることができる。 各増幅器は、トランジスタのゲート幅の設計によって利得を設定することができる。 本発明のプログラマブル低雑音増幅器3の利得可変用増幅器では、増幅器7と6、増幅器5と4、増幅器3と2をそれぞれ同じ利得に設定する。 従って、これらは利得の絶対値が同じである加算機能増幅器と減算機能増幅器の対である。 今、固定増幅器の利得をA0、増幅器2および3の利得をA1、増幅器4および5の利得をA2、増幅器6および7の利得をA3とする。 そして、固定増幅器の利得を加算する増幅器の利得をプラス(+)の利得で表し、固定増幅器の利得を減算する増幅器の利得をマイナス(−)の利得で表すことにする。 すると、増幅器2の利得は「+A1」で、増幅器3の利得は「−A1」である。 同様に増幅器4、6の利得はそれぞれ「+A2」、「+A3」であり、増幅器5、7の利得はそれぞれ「−A2」、「−A3」である。 以上のように各増幅器を接続し、また各増幅器の利得を設定すると、各増幅器をスイッチによって適宜選択すると、プログラマブル低雑音増幅装置3の利得可変増幅器の利得を変更することができる。 その組合せは、利得A1、A2、A3について、プラスかマイナスか選択しないかの3通りがあるので、27通りである。 利得A0は常に選択されている。 さて、チューナにおけるプログラマブル低雑音増幅装置3としては、できるだけ等間隔の利得制御ができれば、受信信号に応じた対応が可能となるため、制御も簡単に行なえ好ましい。 ここで、等間隔とは、デシベル換算で等間隔であればより好ましい。 そこで、本発明のプログラマブル低雑音増幅装置3の利得可変用増幅器は、上記のような構成にした上にさらに、利得A0は、A1とA2とA3の和より大きい設定とする。 また、A1の利得はA2とA3の和より大きくし、A2の利得はA3の利得より大きくする。 このように設定することで最も大きな利得から最も小さい利得までを細かく利得調整することができる。 例えばA0の利得を10、A1を5、A2を3、A3を1とする。 プログラマブル低雑音増幅装置3の利得可変増幅器全体として最も大きな利得は、A0+A1+A2+A3=10+5+3+1=18となる。 最も小さな利得は、A0−A1−A2−A3=10−5−3−1=1である。 それぞれの増幅器を選択した場合に低雑音増幅装置3全体の利得がどのようになるかを表1に示す。 表1において、上段には各増幅器が選択するスイッチ番号が利得と共に記載してある。 また右端の列には全体利得を記載した。 またブランクの部分は選択されていない、すなわちスイッチがOFFであることを示す。 また、表1で示した増幅器の選択以外の選択方法によっても、同じ全体利得を得ることができる場合がある。 例えば、全体利得を8にする場合、表1では、A0−A1+A2によって全体利得を8にした。 しかし、A0−A2+A1でも同じく全体利得を8にすることはできる。 もちろん上記の選択の中のいくつかを選択して利得を制御してもよい。 A0、A1、A2、A3の選び方は、他の数値であっても構わない。 例えば、A0、A1、A2、A3をそれぞれ、8、4、2、1とすれば、全体の利得は15から1まで1刻みで得る事ができる。 また、上記の利得をデジベル換算で等分割に近くなるように設定できるように選んでも良い。 また、増幅器の利得を予めデシベル換算で等分割に等比数列的になるように設定しておいてもよい。 また、ここでは加算、減算用の利得としてA1、A2、A3の3つの利得を用いたが、いくつ用意しても構わない。 例えば、常時動作する増幅器の利得をA0として、加算、減算用の利得をA1からA5まで用意してもよい。 その場合は、増幅器はA0用が1個、A1からA5までの加算、減算用として10個、全部で11個の増幅器を並列に接続すればよい。 図4には、スイッチ部を具体的な回路にしたものを示す。 それぞれのスイッチは2つのトランジスタで構成される。 図3のスイッチS31について説明を行なう。 図4で、スイッチS31はQ57とQ67で構成される。 Q57はPチャネルのFETで、ソースはバイアス電圧VB1へ接続され、ドレインはQ37とQ47のゲートに接続される。 ゲートには制御信号C31が入力される。 Q67のドレインは57のドレインに接続されており、従ってQ37とQ47のゲートに接続されている。 Q67のソースは接地されており、ゲートには、制御信号C31が入力される。 このように接続されたスイッチは次のように動作する。 制御信号C31がONになると、Q57はOFFになり、Q67はONになる。 その結果、Q37とQ47のゲートは接地される。 一方、制御信号C31がOFFになると、Q57はONとなりQ67はOFFとなる。 その結果、Q37とQ47のゲートはバイアス電圧VB1が印加される。 その他のスイッチも同様に動作する。 スイッチを制御する制御信号C11乃至C32の由来は、特に限定されるものではないが、プログラマブル低雑音増幅装置3の後段にある復調器や、チューナ全体を制御する制御器、若しくはプログラマブル低雑音増幅装置3の前段にある受信信号のレベル検出器などから送られる。 (実施の形態4) インピーダンスのマッチングを行なうには、L1とC1とQ111のゲート−ソース間にできる寄生容量や浮遊容量と、L2とL2へ流れる電流に着目したとき相互コンダクタンスの関係を利得が変化しても一定に保つ必要がある。 そのためには、L2に流れる電流が、利得を変化させても変わらないようにすればよい。 そこで、Q121やQ131が選択されなかった場合に補償用の電流を流す回路を用意する。 具体的に本実施の形態のゲインを可変できるソース・ディジェネレーション増幅器の構成を説明する。 前段入力端子IN1にはインダクタンスL1、コンデンサC1が直列に接続される。 C1の出力はトランジスタQ111のゲートに接続される。 Q111のドレインは前段出力端子POUTとなり、ソースはL2を介して接地される。 またQ111のゲートは抵抗を介してバイアス電源VB2に接続される。 Q121とQ131は、Q111に並置されるトランジスタであり、それぞれのゲートはQ111のゲートに接続される。 同様にQ121とQ131のソースは、L2を介して接地され、ドレインはQ122とQ132を介してQ111のドレインと接続される。 すなわち、Q121とQ131のドレインは、Q122とQ132のソースにそれぞれ接続され、Q122とQ132のドレインがQ111のドレインに接続され、前段出力端子POUTとなる。 Q122とQ132のゲートは、スイッチS141、スイッチS151を介して接地若しくは電源電圧Vddに接続される。 Q121のドレインには、Q123のソースも接続されている。 Q123のドレインは電源電圧Vddに接続され、ゲートはスイッチS142を介して接地若しくは電源電圧Vddに接続される。 また、Q123のゲートは、Q125のゲートにも接続されている。 Q125のドレインは出力端子POUTとなるQ111のドレインに接続され、ソースは、Q124のドレインに接続される。 Q124のゲートはバイアス電圧VB2に接続されており、ソースは接地されている。 同じようにQ131のドレインには、Q133のソースも接続されている。 Q133のドレインは電源電圧Vddに接続され、ゲートはスイッチS152を介して接地若しくは電源電圧Vddに接続される。 また、Q133のゲートは、Q135のゲートにも接続されている。 Q135のドレインは前段出力端子POUTとなるQ111のドレインに接続され、ソースは、Q134のドレインに接続される。 Q134のゲートはバイアス電圧VB2に接続されており、ソースは接地されている。 以上のように接続された本発明の前段増幅器は以下のように動作する。 前段入力端子IN1から入力された信号は、L1C1を介してQ111のゲートに入力されQ111のドレインから出力電流として出力される。 スイッチS141とS142およびスイッチS151とS152は排他的にON/OFFし、一方がONの場合には他方はOFFとなる。 例えば、スイッチS141がONであればS142はOFFである。 スイッチS141がONの場合は、Q122がONになる。 入力された信号は、Q121のゲートに入力され、ドレインから出力される。 Q122はONになっているので、Q122のソースからドレインを通してQ111のと同じ前段出力端子POUTに出力電流として出力される。 すなわち、利得が増加する。 このとき、スイッチS142はOFFになっているので、Q123、Q124、Q125からなる回路は動作しない。 スイッチS151がONの場合も同様に、Q132がONになる。 入力された信号は、Q131のゲートに入力され、ドレインから出力される。 Q132はONになっているので、Q132のソースからドレインを通してQ111のと同じ前段出力端子POUTに出力電流として出力される。 すなわち、利得が増加する。 このとき、スイッチS152はOFFになっているので、Q133、Q134、Q135からなる回路は動作しない。 スイッチS141がOFFの場合は、Q122がOFFとなるため、Q121のゲートに入力される信号は前段出力端子POUTに出力されない。 一方S142はONとなるため、Q123、Q124、Q125からなる回路が動作する。 Q121のドレインはQ123を介して電源電圧Vddに接続されるので、前段出力端子POUTに出力電流は現れないが、L2には、スイッチS141がONの場合と同じように電流が流れる。 これは、Q121の出力が電源に捨てられるともいえる。 また、Q125とQ124からなる定電流回路は、前段出力端子POUTに一定の電流を出力し、Q121からの出力がない場合でも、前段出力端子POUTの電流の平均値が変わらないように調整する。 すなわち、S141がOFFでS142がONの場合でもL2に流れる電流は変化せず、また前段出力端子POUTの電流の平均値も変化しない。 同じように、スイッチS151がOFFの場合は、Q132がOFFとなるため、Q131のゲートに入力される信号は前段出力端子POUTに出力されない。 一方S152はONとなるため、Q133、Q134、Q135からなる回路が動作する。 Q131のドレインはQ133を介して電源電圧Vddに接続されるので、前段出力端子POUTに出力電流は現れないが、L2には、スイッチS151がONの場合と同じように電流が流れる。 これは、Q131の出力が電源に捨てられるともいえる。 また、Q135とQ134からなる定電流回路は、前段出力端子POUTに一定の電流を出力し、Q131からの出力がない場合でも、前段出力端子POUTの電流の平均値が変わらないように調整する。 すなわち、S151がOFFでS152がONの場合でもL2に流れる電流は変化せず、また前段出力端子POUTの電流の平均値も変化しない。 ここで、Q125とQ124からなる定電流回路およびQ135とQ134からなる定電流回路は、前段増幅器内定電流回路と呼ぶ。 また、S141、142、151、152は利得可変用前段増幅回路(Q121とQ131)や前段増幅器内定電流回路(Q125とQ124またはQ135とQ134)の動作状態を選択するスイッチであるので、前段増幅器内スイッチと呼ぶ。 Q111とQ121Q131の利得は、集積回路上では形状ゲート長、ゲート幅で調整することが可能であり、PA0、PA1、PA2とする。 ここで、PA1はPA0より大きくし、PA2はPA1とPA2の和より大きく設定することで、利得を細かく調整することが可能になる。 例えば、PA0を1、PA1を2、PA2を4とすると、利得は、1、3、5、7と変化させることができる。 もちろん、利得の設定は他の組合せでもよいし、増幅するための並置するトランジスタの数を増やしても良い。 (実施の形態5) (実施の形態6) (実施の形態7) プログラマブル低雑音増幅装置5の構成は、Q31、Q41、Q2からなる固定増幅器、Q32、Q42、Q2およびスイッチS12からなる増幅器2、Q33、Q43、Q2およびスイッチS11からなる増幅器3、Q34、Q44、Q2およびスイッチS22からなる増幅器4、Q35、Q45、Q2およびスイッチS21からなる増幅器5の5つの増幅器を有する。 また、固定増幅器に対する加算機能増幅器と減算機能増幅器の組み合わせは実施の形態4の場合と同じである。 前段増幅回路は実施の形態4と同じである。 すなわち、インピーダンスの虚部の整合を気にする必要がない。 逆相側増幅回路には、入力トランジスタQ2だけでなく、トランジスタQ51とQ52を設ける。 Q51のゲートはQ2のゲートと同様に前段入力端子IN1に接続されており、ソースは接地されている。 そしてドレインはQ52のソースに接続されている。 すなわち、Q51はQ2と同様の逆相側増幅回路の入力側トランジスタである。 Q52のゲートは、スイッチS42を介して電源電圧Vddか、グランドに接続され、ドレインはQ2のドレイン同様にQ48のソースに接続されている。 なお、本実施の形態では、Q48のゲートはスイッチS41を介してバイアス電圧VB1かグランドに接続される。 このような接続にしているために、Q52がONの時はQ51とQ2が逆相側増幅回路の入力側トランジスタとして働き、Q52がOFFになると、Q2だけが入力側トランジスタとなる。 次に本実施の形態のプログラマブル低雑音増幅装置5の動作を説明する。 プログラマブル低雑音増幅装置5の前段には図示しない入力レベル検出器があり、その検出器からの信号によって現在の受信レベルが十分に大きいか否かの制御信号を受ける。 なお、プログラマブル低雑音増幅装置5の後段で行なう復調器などでSNRを判断し、その信号を制御信号として用いてもよい。 その制御信号は、スイッチS41とスイッチS42に働く。 スイッチS41とS42は、入力信号レベルが高いときは共に接地され、入力信号レベルが低いときは共にホット側に接続される。 すなわち、S41はバイアス電圧VB1に接続され、S42は電源電圧Vddに接続される。 受信レベルが高い場合は、Q48が働かないため、Q2へ印加される低雑音化のための電流は流れない。 従って、プログラマブル低雑音増幅装置3は実施の形態3と同じである。 この時、S42も接地されるので、Q52もOFF状態であり、それに伴いQ51もOFFとなる。 すなわち、雑音は大きくなるが、消費電力は小さくなる。 受信レベルが低い場合は、S41とS42は電源電圧に接続されるので、Q48とQ52がONとなる。 Q48がONとなるので、逆相側増幅回路の入力側トランジスタとなるQ2とQ51には、低雑音化のための電流が流される。 しかも、逆相側増幅回路の入力側トランジスタはQ2とQ51の2つが働くので、より多くの電流を増幅回路に流すことができる。 ここで、ゲート幅の設定によって、Q51の利得をQ2の利得より大きくしておけば、受信レベルが低い時の動作としてより効果が上がる。 従って、消費電力は多くなるが、小入力信号を低雑音で増幅することができる。 (実施の形態8) 入力端子Rf_inはコンデンサC91を介してトランジスタQ92のベースに接続される。 Q92のベースは、また定電流源CC1を介して接地される。 Q92のエミッタは接地され、コレクタは、Q97およびQ98のエミッタに接続される。 トランジスタQ9 Q932のベースは、Q97のベースと、Q931のベースはQ98のベースとそれぞれ接続されている。 また、Q932のコレクタはQ98のコレクタと接続され、抵抗R1を介して電源電圧Vddに接続されている。 また、Q931のコレクタはQ97のコレクタと接続され、抵抗R2を介して電源電圧Vddに接続されている。 出力端子は、抵抗R1とQ931のコレクタの間からOUT1が、抵抗R2とQ98のコレクタとの間からOUT2が取り出される。 なお、Q932とQ97のベースから制御電圧端子GC2が取り出され、Q931とQ98のベースから制御端子GC1がとりだされる。 ここでは、Q92を第1のトランジスタ、Q98を第2のトランジスタ、Q97を第3のトランジスタ、Q932を第4のトランジスタ、Q931を第5のトランジスタとする。 プログラマブル低雑音増幅装置6のゲインはGC1とGC2との電圧差により変化できる。 電圧差がゼロの場合は、プログラマブル低雑音増幅装置6のゲインはゼロとなる。 GC1がGC2よりも十分に大きい場合は、プログラマブル低雑音増幅装置6のゲインは最大となる。 ここで十分に大きいとは、例えば100mV以上をいう。 このプログラマブル低雑音増幅装置6の動作は以下の通りである。 GC1の電位がGC2よりも十分に高い場合は、Q932およびQ97はほとんどOFFの状態となるので、プログラマブル低雑音増幅装置6は、Q931によるゲート接地増幅回路とQ92およびQ98によるカスコード増幅回路によるアクティブ・バランとして動作する。 ここでQ931のコレクタが接続されているOUT1は同相側増幅回路の出力端子であり、Q98のコレクタが接続されているOUT2は逆相側増幅回路の出力端子である。 GC1とGC2の電位が近づいてくるとQ932とQ97にも電流が流れ始める。 Q931とQ932のエミッタ電流の比およびQ98とQ97のエミッタ電流の比はGC1とGC2の電位差により決まるので、高周波信号の分配比もGC1とGC2の電位差により決定されることになる。 Q932およびQ97のコレクタはそれぞれ位相が異なる側の負荷抵抗に接続されているので、これらのコレクタから出た高周波信号は、Q931およびQ98のコレクタから出る高周波電流信号を相殺するように作用する。 その結果、プログラマブル低雑音増幅装置6のゲインが低下することになる。 そして、GC1とGC2の電位が等しくなると、同じ大きさ同士の信号の相殺によってゲインはゼロとなる。 一般にバイポーラトランジスタの場合、相互コンダクタンスgmの値は、エミッタ電流に比例する。 図9の場合、RF_inから見た入力コンダクタンスと入力インピーダンスの逆数は、Q931およびQ932の相互コンダクタンスの和とほぼ等しくなる。 従って、Q931とQ932のエミッタ電流の和を一定に保てば、Q931とQ932のエミッタ電流の比を変化させても入力インピーダンスは変化しない事になる。 これは、低雑音増幅装置の入力インピーダンスのマッチングを取る上で、大変重要な事項である。 図9に示す回路においては、ゲインの調整を行なうための信号分配をゲート接地増幅を行なうトランジスタやカスコード増幅を行なう際の後段トランジスタにおいて行っているので、トランジスタの縦積み段数を減らす事が出来、プログラマブル低雑音増幅装置6の低電圧化に寄与する。 すなわち、低消費電力を実現することができる。 また、図9に示す回路においては、ゲイン調整を行なっても負荷抵抗R1およびR2に流れる電流は不変であるため、出力端OUT1およびOUT2の平均電圧は変わらない。 これは実施の形態1において説明したように、後段回路との結合においてコンデンサを省略する事が可能となるため回路面積を少なくするのに役立つ。 1 低雑音増幅器 2 低雑音増幅器 Q2 トランジスタ Q31〜Q57 トランジスタ L1〜L2 インダクタンス C1 コンデンサ S11〜S42 スイッチ S141〜S152 スイッチ C11からC22 制御信号 R1〜R2 抵抗 RB1 抵抗 |