Amplifier circuit, semiconductor device and control method

申请号 JP2006329074 申请日 2006-12-06 公开(公告)号 JP2008147735A 公开(公告)日 2008-06-26
申请人 Sony Corp; ソニー株式会社; 发明人 KOMORI KENJI; HIRABAYASHI ATSUSHI;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To make it possible to correct variation in an MOS in manufacturing.
SOLUTION: A PMOS transistor Qp
2n has a drain connected to a source of a PMOS transistor Qp
1n and a source connected to a Vdd, and a switch SW
1n is connected to a gate of the PMOS transistor Qp
2n and switches a gate voltage of the PMOS transistor Qp
2n to Vdd or VP. An NMOS transistor Qn
2n has a drain connected to the source of an NMOS transistor Qn
1n and a source connected to a GND, and a switch SW
2n is connected to the gate of the NMOS transistor Qn
2n and switches a gate voltage of the NMOS transistor Qn
2n to the GND or VN. The switches SW
1n and SW
2n each perform switching operation so that bias between an operation current of the PMOS transistor and an operation current of the NMOS transistor can be eliminated, and thus, the variation in MOS in manufacturing can be corrected. This configuration is applicable to an amplifier circuit.
COPYRIGHT: (C)2008,JPO&INPIT
权利要求
  • 第1のPMOS(P-channel Metal-Oxide Semiconductor)トランジスタと、前記第1のPMOSトランジスタのドレインにドレインが接続される第1のNMOS(N-channel Metal Oxide Semiconductor)トランジスタとから構成され、前記第1のPMOSトランジスタのゲートおよび前記第1のNMOSトランジスタのゲートとが入力端子に接続され、前記第1のPMOSトランジスタのドレインと前記第1のNMOSトランジスタのドレインとが出力端子に接続されるCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)インバータ回路を複数並列に接続する増幅回路において、
    前記CMOSインバータ回路は、
    前記第1のPMOSトランジスタのソースにドレインが接続され、電源電圧源にソースが接続される第2のPMOSトランジスタと、
    前記第2のPMOSトランジスタのゲートに接続され、前記第2のPMOSトランジスタのゲート電圧を、電源電圧または第1の動作時電圧に切り替える第1のスイッチと、
    前記第1のNMOSトランジスタのソースにドレインが接続され、グランドにソースが接続される第2のNMOSトランジスタと、
    前記第2のNMOSトランジスタのゲートに接続され、前記第2のNMOSトランジスタのゲート電圧を、前記グランドまたは第2の動作時電圧に切り替える第2のスイッチと を有し、
    前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチは、複数の前記CMOSインバータ回路におけるPMOSトランジスタの第1の動作電流と、NMOSトランジスタの第2の動作電流との偏りがなくなるように、スイッチング動作をする 増幅回路。
  • 前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチは、前記第1の動作電流の電流和の値と、前記第2の動作電流の電流和の値との差分であるオフセット電流の値が最小となるように、スイッチング動作する 請求項1に記載の増幅回路。
  • 前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチは、複数の前記CMOSインバータ回路におけるPMOSトランジスタの相互コンダクタンスの和の値と、NMOSトランジスタの相互コンダクタンスの和の値とを加算した相互コンダクタンスの値が最適値となるように、スイッチング動作する 請求項1に記載の増幅回路。
  • 前記第1の動作時電圧を印加して、バイアス電流を設定するバイアス電流設定手段と、
    前記第2の動作時電圧を印加して、DCオフセットを補正するDCオフセット補正手段と をさらに有する請求項1に記載の増幅回路。
  • 前記第1の動作時電圧を印加して、DCオフセットを補正するDCオフセット補正手段と、
    前記第2の動作時電圧を印加して、バイアス電流を設定するバイアス電流設定手段と をさらに有する請求項1に記載の増幅回路。
  • 前記バイアス電流設定手段は、前記第2のPMOSトランジスタのゲートと、前記電源電圧源との間に設けられた可変電圧源により構成され、
    前記可変電圧源は、前記第1のスイッチが自分側に切り替えられた場合、可変電圧を、前記第1の動作時電圧として、前記第2のPMOSトランジスタのゲートに印加する 請求項4に記載の増幅回路。
  • 前記DCオフセット補正手段は、高周波を除去するフィルタと演算増幅器により構成され、
    前記演算増幅器は、前記第2のスイッチが自分側に切り替えられた場合、前記フィルタにより取り出された電圧のレベルと、基準電圧源により印加される電圧のレベルとを比較し、比較の結果を表わすレベルの電圧を、前記第2の動作時電圧として、前記第2のNMOSトランジスタのゲートに印加する 請求項4に記載の増幅回路。
  • 前記DCオフセット補正手段は、高周波を除去するフィルタと演算増幅器により構成され、
    前記演算増幅器は、前記第1のスイッチが自分側に切り替えられた場合、前記フィルタにより取り出された電圧のレベルと、基準電圧源により印加される電圧のレベルとを比較し、比較の結果を表わすレベルの電圧を、前記第1の動作時電圧として、前記第2のPMOSトランジスタのゲートに印加する 請求項5に記載の増幅回路。
  • 前記バイアス電流設定手段は、前記第2のNMOSトランジスタのゲートと、前記電源電圧源との間に設けられた可変電圧源により構成され、
    前記可変電圧源は、前記第2のスイッチが自分側に切り替えられた場合、可変電圧を、前記第2の動作時電圧として、前記第2のNMOSトランジスタのゲートに印加する 請求項5に記載の増幅回路。
  • 前記入力端子と前記出力端子との間に、オフセットを低減させる帰還抵抗をさらに有する 請求項1に記載の増幅回路。
  • 請求項1に記載の増幅回路と、
    前記増幅回路からの出力を計測する計測手段と、
    計測された出力に基づいて、複数の前記CMOSインバータ回路におけるPMOSトランジスタの前記第1の動作電流と、NMOSトランジスタの前記第2の動作電流との偏りがなくなるように、前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチのスイッチング動作を制御する制御手段と を備える半導体装置。
  • 前記制御手段は、前記第1の動作電流の電流和の値と、前記第2の動作電流の電流和の値との差分であるオフセット電流の値が最小となるように、前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチのスイッチング動作を制御する 請求項11に記載の半導体装置。
  • 前記制御手段は、複数の前記CMOSインバータ回路におけるPMOSトランジスタの相互コンダクタンスの和の値と、NMOSトランジスタの相互コンダクタンスの和の値とを加算した相互コンダクタンスの値が最適値となるように、前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチのスイッチング動作を制御する 請求項11に記載の半導体装置。
  • 請求項1に記載の増幅回路を有する半導体装置の制御方法において、
    前記増幅回路からの出力を計測し、
    計測された出力に基づいて、複数の前記CMOSインバータ回路におけるPMOSトランジスタの前記第1の動作電流と、NMOSトランジスタの前記第2の動作電流との偏りがなくなるように、前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチのスイッチング動作を制御する ステップを含む制御方法。
  • 说明书全文

    本発明は、増幅回路、並びに半導体装置および制御方法に関し、特に、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)を構成するPMOS(P-channel Metal-Oxide Semiconductor)トランジスタおよびNMOS(N-channel Metal Oxide Semiconductor)トランジスタについて、製造プロセスごとに生じる素子特性に係るバラツキに起因して発生するDC(Direct Current)オフセットを除去するとともに、ゲイン制御が可能である増幅回路、並びに半導体装置および制御方法に関する。

    近年、デジタル信号処理技術の進歩に伴ったデジタル機器製造の増大に応じて、デジタル機器内部に設けられた半導体装置においては、CMOS集積回路が広く使用されるようになっている。

    ところが、高周波信号、映像信号、音声信号等については、アナログ信号として処理するほうが容易な場合があり、またA/D(Analog/Digital)変換回路、D/A(Digital/Analog)変換回路、クロック発信回路等を実現するためには、アナログ信号処理が必要となってくる。

    CMOSインバータ回路を使用した増幅回路は、簡素な構成で高利得性能が得られる為、上記のアナログ信号処理の回路に適している。 然るに、出DCバイアスを最適状態で使用するには、CMOSインバータ回路を構成するPMOSトランジスタと、NMOSトランジスタの閾値電圧、飽和電流等の動作パラメータが完全に一致する必要があるが、製造上PMOSトランジスタとNMOSトランジスタの動作パラメータを完全に一致させることは不可能であり、回路上の工夫が必要になってくる。

    そこで、本出願人は、CMOSインバータ回路において、出力バイアス電位を最適値に設定し、バイアス電流を可変することで、ゲイン制御を可能にしている増幅回路を先に提案している(例えば、特許文献1参照)。

    上記特許文献1においては、図1に示すように、増幅回路1は、PMOSトランジスタQp 1 ,PMOSトランジスタQp 2 ,NMOSトランジスタQn 1 ,およびNMOSトランジスタQn 2から構成されるCMOSインバータ回路(以下、第1のCMOSインバータ回路と称する)と、第1のCMOSインバータ回路と同一に形成される参照用の回路で、PMOSトランジスタQp 3 ,PMOSトランジスタQp 4 ,NMOSトランジスタQn 3 ,NMOSトランジスタQn 4から構成されるCMOSインバータ回路(以下、第2のCMOSインバータ回路と称する)との2つのCMOSインバータ回路からなる。

    また、図1の増幅回路1においては、入力端子11に入力される信号源13からの信号電圧Vinが、出力端子12から出力電圧Voutとして出力される。 つまり、図1において、入力端子11は、信号源13およびPMOSトランジスタQp 1のゲートとNMOSトランジスタQn 1のゲートとの接続部位に接続され、出力端子12は、PMOSトランジスタQp 1のドレインとNMOSトランジスタQn 1のドレインとの接続部位に接続される。

    バイアス用電圧源Eaは、バイアス電圧Vgを印加する電圧源であり、その一端が信号源13に接続され、その他端がGND(グランド)に接続されている(すなわち、接地されている)。 また、電圧源Ebは、交流信号解析を実施するうえで出力側において発生するバイアス電圧を印加するように仮想的に設定される電圧源であり、その一端が負荷抵抗R0に接続され、その他端がGNDに接続されている。

    演算増幅器14においては、その非反転入力端子(+)がPMOSトランジスタQp 3のドレインとNMOSトランジスタQn 3のドレインとの接続部位に接続され、その反転入力端子(−)がPMOSトランジスタQp 3のゲートとNMOSトランジスタQn 3のゲートとの接続部位に接続され、その出力端子がNMOSトランジスタQn 2のゲートおよびNMOSトランジスタQn 4のゲートに接続されている。 なお、NMOSトランジスタQn 5は、電源起動時に生じるラッチアップ現象を防止するために設けられている。

    また、図1の増幅回路1においては、電源電圧をVdd、バイアス用電圧源Ecにより印加されるバイアス電圧をVg、可変電圧源Edにより印加される電圧をVc、PMOSトランジスタQp 1とPMOSトランジスタQp 2とのソース電位およびPMOSトランジスタQp 3とPMOSトランジスタQp 4とのソース電位をVsp、並びに演算増幅器14の出力電圧をVnと表現している。

    つまり、図1の増幅回路1においては、PMOSトランジスタQp 2およびPMOSトランジスタQp 4のゲートには、同じ制御電圧Vc(可変電圧源Edからの電圧)が印加され、NMOSトランジスタQn 2およびNMOSトランジスタQn 4のゲートには、同じ調整用電圧Vn(演算増幅器14からの出力電圧)が印加されている。

    このようにすることで、図1の増幅回路1では、PMOSトランジスタQp 2のゲートに与える制御電圧Vcにより、CMOSインバータを構成するPMOSトランジスタQp 1とNMOSトランジスタQn 1に流れる動作電流を制御することが可能となる。

    また、PMOSトランジスタQp 1とNMOSトランジスタQn 1との閾値電圧や飽和電流等の動作パラメータが製造上のバラツキ等の理由により一致しない為、第1のCMOSインバータ回路と同一形状の第2のCMOSインバータ回路の出力DCバイアスの最適なバイアス状態(例えば、GND電圧とVdd電圧との中間電圧)からの誤差であるDCオフセットを検出し、これを最小とするようにNMOSトランジスタQn 4のゲート電圧(調整用電圧Vn)を設定する。

    そして、この第2のインバータ回路を構成するNMOSトランジスタQn 4に設定したゲート電圧を、第1のCMOSインバータ回路を構成するNMOSトランジスタQn 2のゲート電圧として与えることで、第1のCMOSインバータ回路の出力DCバイアスを最適なバイアス状態としている。

    以上のように、図1の増幅回路1では、出力バイアス電位を最適値に設定し、動作電流を可変にすることで、ゲイン制御が可能となる。

    特開2003−163550号公報

    しかしながら、図1の増幅回路1では、出力バイアス電位を最適化に設定し、バイアス電流を可変にすることで、ゲイン制御を行うことが可能であるが、製造時のMOSバラツキにより、必要な利得を得る為には、動作電流が大きく変動してしまうという問題があった。

    このため、MOSバラツキの方向が電流を低くするときに、出力信号の歪みが増大し、例えば、RF(Radio Frequency)システムの増幅器に使用した場合には、混変調特性が劣化する等の特性悪化が生じる懸念がある。 また、ノイズおよび歪みを低減するために動作電流を多く流す場合、構成するMOSトランジスタのサイズを大きくする必要もでてくる。

    そして、例えば、この最悪条件に合わせて回路定数を設定すると、MOSバラツキの方向が逆に電流を多くするときに、このサイズのままでは、必要以上に電流が流れてしまい消費電力の増大を招く懸念があった。

    本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、オフセット電流と、ゲインを制御することで、製造時のMOSバラツキを補正することができるようにするものである。

    本発明の第1の側面の増幅回路は、第1のPMOSトランジスタと、前記第1のPMOSトランジスタのドレインにドレインが接続される第1のNMOSトランジスタとから構成され、前記第1のPMOSトランジスタのゲートおよび前記第1のNMOSトランジスタのゲートとが入力端子に接続され、前記第1のPMOSトランジスタのドレインと前記第1のNMOSトランジスタのドレインとが出力端子に接続されるCMOSインバータ回路を複数並列に接続する増幅回路において、前記CMOSインバータ回路は、前記第1のPMOSトランジスタのソースにドレインが接続され、電源電圧源にソースが接続される第2のPMOSトランジスタと、前記第2のPMOSトランジスタのゲートに接続され、前記第2のPMOSトランジスタのゲート電圧を、電源電圧または第1の動作時電圧に切り替える第1のスイッチと、前記第1のNMOSトランジスタのソースにドレインが接続され、グランドにソースが接続される第2のNMOSトランジスタと、前記第2のNMOSトランジスタのゲートに接続され、前記第2のNMOSトランジスタのゲート電圧を、前記グランドまたは第2の動作時電圧に切り替える第2のスイッチとを有し、前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチは、複数の前記CMOSインバータ回路におけるPMOSトランジスタの第1の動作電流と、NMOSトランジスタの第2の動作電流との偏りがなくなるように、スイッチング動作をする。

    前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチは、前記第1の動作電流の電流和の値と、前記第2の動作電流の電流和の値との差分であるオフセット電流の値が最小となるように、スイッチング動作することができる。

    前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチは、複数の前記CMOSインバータ回路におけるPMOSトランジスタの相互コンダクタンスの和の値と、NMOSトランジスタの相互コンダクタンスの和の値とを加算した相互コンダクタンスの値が最適値となるように、スイッチング動作することができる。

    前記第1の動作時電圧を印加して、バイアス電流を設定するバイアス電流設定手段と、前記第2の動作時電圧を印加して、DCオフセットを補正するDCオフセット補正手段とをさらに設けることができる。

    前記第1の動作時電圧を印加して、DCオフセットを補正するDCオフセット補正手段と、前記第2の動作時電圧を印加して、バイアス電流を設定するバイアス電流設定手段とをさらに設けることができる。

    前記バイアス電流設定手段は、前記第2のPMOSトランジスタのゲートと、前記電源電圧源との間に設けられた可変電圧源により構成させて、前記可変電圧源には、前記第1のスイッチが自分側に切り替えられた場合、可変電圧を、前記第1の動作時電圧として、前記第2のPMOSトランジスタのゲートに印加させることができる。

    前記DCオフセット補正手段は、高周波を除去するフィルタと演算増幅器により構成させて、前記演算増幅器には、前記第2のスイッチが自分側に切り替えられた場合、前記フィルタにより取り出された電圧のレベルと、基準電圧源により印加される電圧のレベルとを比較し、比較の結果を表わすレベルの電圧を、前記第2の動作時電圧として、前記第2のNMOSトランジスタのゲートに印加させることができる。

    前記DCオフセット補正手段は、高周波を除去するフィルタと演算増幅器により構成させて、前記演算増幅器には、前記第1のスイッチが自分側に切り替えられた場合、前記フィルタにより取り出された電圧のレベルと、基準電圧源により印加される電圧のレベルとを比較し、比較の結果を表わすレベルの電圧を、前記第1の動作時電圧として、前記第2のPMOSトランジスタのゲートに印加させることができる。

    前記バイアス電流設定手段は、前記第2のNMOSトランジスタのゲートと、前記電源電圧源との間に設けられた可変電圧源により構成させて、前記可変電圧源には、前記第2のスイッチが自分側に切り替えられた場合、可変電圧を、前記第2の動作時電圧として、前記第2のNMOSトランジスタのゲートに印加させることができる。

    前記入力端子と前記出力端子との間に、オフセットを低減させる帰還抵抗をさらに設けることができる。

    本発明の第1の側面においては、第1のスイッチおよび第2のスイッチは、複数のCMOSインバータ回路におけるPMOSトランジスタの第1の動作電流と、NMOSトランジスタの第2の動作電流との偏りがなくなるように、スイッチング動作される。

    本発明の第2の側面の半導体装置は、請求項1に記載の増幅回路と、前記増幅回路からの出力を計測する計測手段と、計測された出力に基づいて、複数の前記CMOSインバータ回路におけるPMOSトランジスタの前記第1の動作電流と、NMOSトランジスタの前記第2の動作電流との偏りがなくなるように、前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチのスイッチング動作を制御する制御手段とを備える。

    前記制御手段には、前記第1の動作電流の電流和の値と、前記第2の動作電流の電流和の値との差分であるオフセット電流の値が最小となるように、前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチのスイッチング動作を制御させることができる。

    前記制御手段には、複数の前記CMOSインバータ回路におけるPMOSトランジスタの相互コンダクタンスの和の値と、NMOSトランジスタの相互コンダクタンスの和の値とを加算した相互コンダクタンスの値が最適値となるように、前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチのスイッチング動作を制御させることができる。

    本発明の第2の側面の制御方法は、請求項1に記載の増幅回路を有する半導体装置の制御方法において、前記増幅回路からの出力を計測し、計測された出力に基づいて、複数の前記CMOSインバータ回路におけるPMOSトランジスタの前記第1の動作電流と、NMOSトランジスタの前記第2の動作電流との偏りがなくなるように、前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチのスイッチング動作を制御するステップを含む。

    本発明の第2の側面においては、増幅回路からの出力が計測され、計測された出力に基づいて、増幅回路を構成する複数のCMOSインバータ回路におけるPMOSトランジスタの第1の動作電流と、NMOSトランジスタの第2の動作電流との偏りがなくなるように、第1のスイッチおよび第2のスイッチのスイッチング動作が制御される。

    以上のように、本発明の第1の側面によれば、オフセット電流と、ゲインを制御することで、製造時のMOSバラツキを補正することができる。

    本発明の第2の側面によれば、増幅回路に設けられたスイッチのスイッチング動作を制御して、オフセット電流と、ゲインを制御することで、製造時のMOSバラツキを補正することができる。

    以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、明細書または図面に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。 この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、明細書または図面に記載されていることを確認するためのものである。 従って、明細書または図面中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。 逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。

    本発明の第1の側面の増幅回路(例えば、図2の増幅回路112)は、第1のPMOSトランジスタ(例えば、図3のPMOSトランジスタQp 11乃至PMOSトランジスタQp 1n )と、前記第1のPMOSトランジスタのドレインにドレインが接続される第1のNMOSトランジスタ(例えば、図3のNMOSトランジスタQn 11乃至NMOSトランジスタQn 1n )とから構成され、前記第1のPMOSトランジスタのゲートおよび前記第1のNMOSトランジスタのゲートとが入力端子(例えば、図3の入力端子121)に接続され、前記第1のPMOSトランジスタのドレインと前記第1のNMOSトランジスタのドレインとが出力端子(例えば、図3の出力端子122)に接続されるCMOSインバータ回路(例えば、図3の第1のCMOS対乃至第nのCMOS対)を複数並列に接続する増幅回路において、前記CMOSインバータ回路は、前記第1のPMOSトランジスタのソースにドレインが接続され、電源電圧源にソースが接続される第2のPMOSトランジスタ(例えば、図3のPMOSトランジスタQp 21乃至PMOSトランジスタQp 2n )と、前記第2のPMOSトランジスタのゲートに接続され、前記第2のPMOSトランジスタのゲート電圧を、電源電圧または第1の動作時電圧に切り替える第1のスイッチ(例えば、図3のスイッチSW 11乃至スイッチSW 1n )と、前記第1のNMOSトランジスタのソースにドレインが接続され、グランドにソースが接続される第2のNMOSトランジスタ(例えば、図3のNMOSトランジスタQn 21乃至NMOSトランジスタQn 2n )と、前記第2のNMOSトランジスタのゲートに接続され、前記第2のNMOSトランジスタのゲート電圧を、前記グランドまたは第2の動作時電圧に切り替える第2のスイッチ(例えば、図3のスイッチSW 21乃至スイッチSW 2n )とを有し、前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチは、複数の前記CMOSインバータ回路におけるPMOSトランジスタの第1の動作電流と、NMOSトランジスタの第2の動作電流との偏りがなくなるように、スイッチング動作をする。

    前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチは、前記第1の動作電流の電流和の値と、前記第2の動作電流の電流和の値との差分であるオフセット電流の値が最小となるように、スイッチング動作することができる。

    前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチは、複数の前記CMOSインバータ回路におけるPMOSトランジスタの相互コンダクタンスの和の値と、NMOSトランジスタの相互コンダクタンスの和の値とを加算した相互コンダクタンスの値が最適値となるように、スイッチング動作することができる。

    前記第1の動作時電圧を印加して、バイアス電流を設定するバイアス電流設定手段(例えば、図4のバイアス電流設定部131)と、前記第2の動作時電圧を印加して、DCオフセットを補正するDCオフセット補正手段(例えば、図4のDCオフセット補正部132)とをさらに設けることができる。

    前記第1の動作時電圧を印加して、DCオフセットを補正するDCオフセット補正手段(例えば、図5のDCオフセット補正部141)と、前記第2の動作時電圧を印加して、バイアス電流を設定するバイアス電流設定手段(例えば、図5のバイアス電流設定部142)とをさらに設けることができる。

    前記バイアス電流設定手段は、前記第2のPMOSトランジスタのゲートと、前記電源電圧源との間に設けられた可変電圧源により構成され、前記可変電圧源は、前記第1のスイッチが自分側に切り替えられた場合、可変電圧を、前記第1の動作時電圧として、前記第2のPMOSトランジスタのゲートに印加することができる。

    前記DCオフセット補正手段は、高周波を除去するフィルタと演算増幅器により構成され、前記演算増幅器は、前記第2のスイッチが自分側に切り替えられた場合、前記フィルタにより取り出された電圧のレベルと、基準電圧源により印加される電圧のレベルとを比較し、比較の結果を表わすレベルの電圧を、前記第2の動作時電圧として、前記第2のNMOSトランジスタのゲートに印加することができる。

    前記DCオフセット補正手段は、高周波を除去するフィルタと演算増幅器により構成され、前記演算増幅器は、前記第1のスイッチが自分側に切り替えられた場合、前記フィルタにより取り出された電圧のレベルと、基準電圧源により印加される電圧のレベルとを比較し、比較の結果を表わすレベルの電圧を、前記第1の動作時電圧として、前記第2のPMOSトランジスタのゲートに印加することができる。

    前記バイアス電流設定手段は、前記第2のNMOSトランジスタのゲートと、前記電源電圧源との間に設けられた可変電圧源により構成され、前記可変電圧源は、前記第2のスイッチが自分側に切り替えられた場合、可変電圧を、前記第2の動作時電圧として、前記第2のNMOSトランジスタのゲートに印加することができる。

    前記入力端子と前記出力端子との間に、オフセットを低減させる帰還抵抗(例えば、図3の抵抗R0)をさらに有することができる。

    本発明の第2の側面の半導体装置(例えば、図2の半導体装置101)は、請求項1に記載の増幅回路(例えば、図2の増幅回路112)と、前記増幅回路からの出力を計測する計測手段(例えば、図2の計測部113)と、計測された出力に基づいて、複数の前記CMOSインバータ回路におけるPMOSトランジスタの前記第1の動作電流と、NMOSトランジスタの前記第2の動作電流との偏りがなくなるように、前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチのスイッチング動作を制御する制御手段(例えば、図2の調整制御部114)とを備える。

    前記制御手段は、前記第1の動作電流の電流和の値と、前記第2の動作電流の電流和の値との差分であるオフセット電流の値が最小となるように、前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチのスイッチング動作を制御することができる。

    前記制御手段は、複数の前記CMOSインバータ回路におけるPMOSトランジスタの相互コンダクタンスの和の値と、NMOSトランジスタの相互コンダクタンスの和の値とを加算した相互コンダクタンスの値が最適値となるように、前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチのスイッチング動作を制御することができる。

    本発明の第2の側面の制御方法は、請求項1に記載の増幅回路を有する半導体装置の制御方法において、前記増幅回路からの出力を計測し(例えば、図8のステップS11の処理)、計測された出力に基づいて、複数の前記CMOSインバータ回路におけるPMOSトランジスタの前記第1の動作電流と、NMOSトランジスタの前記第2の動作電流との偏りがなくなるように、前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチのスイッチング動作を制御する(例えば、図8のステップS12およびステップS13の処理)ステップを含む。

    以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。

    図2は、本発明を適用した半導体装置101の一実施の形態の構成を示すブロック図である。 この半導体装置101は、信号源111、増幅回路112、計測部113、および調整制御部114を含むようにして構成される。

    増幅回路112は、複数のCMOSインバータ回路から構成され、信号源111から入力される入力信号を増幅し、計測部113に出力する。 なお、増幅回路112の詳細は、図3乃至図7を参照して後述する。

    計測部113は、例えば、電流計として構成され、増幅回路112による出力(出力信号)から、増幅回路112の複数のCMOSインバータ回路を構成するPMOSトランジスタとNMOSトランジスタに流れる電流を計測し、計測した計測値を調整制御部114に供給する。

    調整制御部114は、計測部113から供給される計測値に基づいて、例えば、増幅回路112の複数のCMOSインバータ回路を構成するPMOSトランジスタに流れる電流と、NMOSトランジスタに流れる電流との偏りがなくなるように制御する信号(以下、制御ビットと称する)を増幅回路112に供給する。 具体的には、例えば、調整制御部114は、CMOSインバータ回路のオフセット電流を最小にする制御ビットを増幅回路112に供給する。

    そして、増幅回路112は、調整制御部114から供給される制御ビットに基づいて、複数のCMOSインバータ回路を構成するPMOSトランジスタに流れる電流と、NMOSトランジスタに流れる電流との偏りがなくなるように動作する。

    なお、上述した、複数のCMOSインバータ回路を構成するPMOSトランジスタに流れる電流と、NMOSトランジスタに流れる電流との偏りがなくなるように制御するための制御ビットは、例えば、PMOSトランジスタの動作電流の電流和の値と、NMOSトランジスタの動作電流の電流和の値との差分であるオフセット電流の値が最小となるように制御する信号や、PMOSトランジスタとNMOSトランジスタの相互コンダクタンスの値を最適値となるように制御する信号等である。 また、制御ビットは、オフセット電流が最小となり、かつ、相互コンダクタンスが最適値となる信号であってももちろんよい。

    次に、図3乃至図7の回路図を参照して、調整制御部114からの制御ビットに基づいて動作する増幅回路112の詳細について説明する。

    図3は、図2の増幅回路112の詳細な構成の例を示す回路図である。

    増幅回路112は、PMOSトランジスタQp 11乃至PMOSトランジスタQp 1n 、NMOSトランジスタQn 11乃至NMOSトランジスタQn 1n 、PMOSトランジスタQp 21乃至PMOSトランジスタQp 2n 、NMOSトランジスタQn 21乃至NMOSトランジスタQn 2n 、スイッチSW 11乃至スイッチSW 1n 、スイッチSW 21乃至スイッチSW 2n 、可変電圧源E1、可変電圧源E2、抵抗R0、入力端子(INPUT)121、出力端子(OUTPUT)122、端子123、および端子124を有する回路である。

    なお、増幅回路112では、図3に示すように、電源電圧源(図示せず)からの電源電圧をVdd、可変電圧源E1により印加される電圧をVcp、可変電圧源E2により印加される電圧をVcnとする。 つまり、端子123には、可変電圧源E1からのVcpが、PMOSバイアス設定電圧VPとして入力され、端子124には、可変電圧源E2からのVcnが、NMOSバイアス設定電圧VNとして入力される。 言い換えれば、端子123に対しては、可変電圧源E1が、端子123と電源電圧源(Vdd)との間でVcpを印加し、端子124に対しては、可変電圧源E2が、端子124とグランド(GND)との間でVcnを印加することで、必要となるバイアス電流を設定しているとも言える。

    PMOSトランジスタQp 11とNMOSトランジスタQn 11とは、図3の例では、一対のCMOSインバータ回路として構成される。 PMOSトランジスタQp 11において、そのゲートは、NMOSトランジスタQn 11のゲートに接続され、そのドレインは、NMOSトランジスタQn 11のドレインに接続されている。 つまり、PMOSトランジスタQp 11とNMOSトランジスタQn 11においては、ゲートとドレインが互いに接続されている。

    また、PMOSトランジスタQp 11のソースと電源電圧源(Vdd)との間には、PMOSトランジスタQp 21が接続されている。 PMOSトランジスタQp 21において、そのゲートは、VddまたはVP(PMOSバイアス設定電圧)を選択して、ゲート電圧を切り替えるスイッチSW 11に接続され、そのドレインは、PMOSトランジスタQp 11のソースに接続され、そのソースは、電源電圧源(Vdd)に接続されている。

    スイッチSW 11は、調整制御部114からの制御ビットに応じて、スイッチング動作をして、VddまたはVPを、ゲート電圧として、PMOSトランジスタQp 21のゲートに供給する。 すなわち、PMOSトランジスタQp 21のゲートには、スイッチSW 11のスイッチング動作に応じて、VddまたはVPがゲート電圧として入力される。

    さらにまた、NMOSトランジスタQn 11のソースとGND(グランド)との間には、NMOSトランジスタQn 21が接続されている。 NMOSトランジスタQn 21において、そのゲートは、GNDまたはVN(NMOSバイアス設定電圧)を選択し、ゲート電圧を切り替えるスイッチSW 21に接続され、そのドレインは、NMOSトランジスタQn 11のソースに接続され、そのソースは、GNDに接続されている(すなわち、接地されている)。

    スイッチSW 21は、調整制御部114からの制御ビットに応じて、スイッチング動作をして、GNDまたはVNを、NMOSトランジスタQn 21のゲートに供給する。 すなわち、NMOSトランジスタQn 21のゲートには、スイッチSW 21のスイッチング動作に応じて、GNDまたはVNがゲート電圧として入力される。

    なお、以下、PMOSトランジスタQp 11 、NMOSトランジスタQn 11 、PMOSトランジスタQp 21 、NMOSトランジスタQn 21 、スイッチSW 11 、およびスイッチSW 21から構成される回路を、図3における1組目のCMOS対となるので、第1のCMOS対と称する。

    そして、第1のCMOS対においては、スイッチSW 11がVP側に切り替えられた場合、PMOSトランジスタには電流が流れ、スイッチSW 11がVdd側に切り替えられた場合、PMOSトランジスタには電流が流れないことになる。 また、スイッチSW 21がVN側に切り替えられた場合、NMOSトランジスタには電流が流れ、スイッチSW 21が、GND側に切り替えられた場合、NMOSトランジスタには電流が流れないことになる。

    図3の例において、2組目のCMOS対である第2のCMOS対は、第1のCMOS対と同様に、PMOSトランジスタQp 12 、NMOSトランジスタQn 12 、PMOSトランジスタQp 22 、NMOSトランジスタQn 22 、スイッチSW 12 、およびスイッチSW 22から構成される。

    また、第2のCMOS対においては、第1のCMOS対と同様に、PMOSトランジスタQp 12とNMOSトランジスタQn 12とは、一対のCMOSインバータ回路として構成され、PMOSトランジスタQp 12のソースと電源電圧源(Vdd)との間には、PMOSトランジスタQp 22が接続され、NMOSトランジスタQn 12のソースとGNDとの間には、NMOSトランジスタQn 22が接続されている。

    PMOSトランジスタQp 22において、そのゲートは、スイッチSW 12に接続され、そのドレインは、PMOSトランジスタQp 12のソースに接続され、そのソースは、電源電圧源(Vdd)に接続されている。 スイッチSW 12は、調整制御部114からの制御ビットに応じて、スイッチング動作をして、VddまたはVPを、ゲート電圧として、PMOSトランジスタQp 22のゲートに供給する。

    NMOSトランジスタQn 22において、そのゲートは、スイッチSW 22に接続され、そのドレインは、NMOSトランジスタQn 12のソースに接続され、そのソースは、GNDに接続されている。 スイッチSW 22は、調整制御部114からの制御ビットに応じて、スイッチング動作をして、GNDまたはVNを、NMOSトランジスタQn 22のゲートに供給する。

    つまり、第2のCMOS対においては、スイッチSW 12がVP側に切り替えられた場合、PMOSトランジスタには電流が流れ、スイッチSW 12がVdd側に切り替えられた場合、PMOSトランジスタには電流が流れないことになる。 また、スイッチSW 22がVN側に切り替えられた場合、NMOSトランジスタには電流が流れ、スイッチSW 22が、GND側に切り替えられた場合、NMOSトランジスタには電流が流れないことになる。

    さらにまた、第3のCMOS対乃至第nのCMOS対(nは自然数)においては、第1のCMOS対と同様に、PMOSトランジスタQp 13乃至PMOSトランジスタQp 1nのそれぞれと、NMOSトランジスタQn 13乃至NMOSトランジスタQn 1nのそれぞれとは、一対のCMOSインバータ回路としてそれぞれ構成され、PMOSトランジスタQp 13乃至PMOSトランジスタQp 1nのそれぞれのソースと電源電圧源(Vdd)との間には、PMOSトランジスタQp 23乃至PMOSトランジスタQp 2nのそれぞれが接続され、NMOSトランジスタQn 13乃至NMOSトランジスタQn 1nのそれぞれのソースとGNDとの間には、NMOSトランジスタQn 23乃至NMOSトランジスタQn 2nのそれぞれが接続されている。

    PMOSトランジスタQp 23乃至PMOSトランジスタQp 2nにおいて、そのゲートは、スイッチSW 13乃至スイッチSW 1nにそれぞれ接続され、そのドレインは、PMOSトランジスタQp 13乃至PMOSトランジスタQp 1nのソースにそれぞれ接続され、そのソースは、電源電圧源(Vdd)にそれぞれ接続されている。 スイッチSW 13乃至スイッチSW 1nのそれぞれは、調整制御部114からの制御ビットに応じて、スイッチング動作をして、VddまたはVPを、ゲート電圧として、PMOSトランジスタQp 23乃至PMOSトランジスタQp 2nのゲートにそれぞれ供給する。

    NMOSトランジスタQn 23乃至NMOSトランジスタQn 2nにおいて、そのゲートは、スイッチSW 23乃至スイッチSW 2nにそれぞれ接続され、そのドレインは、NMOSトランジスタQn 13乃至NMOSトランジスタQn 1nのソースにそれぞれ接続され、そのソースは、GNDにそれぞれ接続されている。 スイッチSW 23乃至スイッチSW 2nのそれぞれは、調整制御部114からの制御ビットに応じて、スイッチング動作をして、GNDまたはVNを、NMOSトランジスタQn 23乃至NMOSトランジスタQn 2nのゲートにそれぞれ供給する。

    つまり、第3のCMOS対乃至第nのCMOS対においては、スイッチSW 13乃至スイッチSW 1nのそれぞれがVP側に切り替えられた場合、PMOSトランジスタには電流が流れ、スイッチSW 13乃至スイッチSW 1nのそれぞれがVdd側に切り替えられた場合、PMOSトランジスタには電流が流れないことになる。 また、スイッチSW 23乃至スイッチSW 2nのそれぞれがVN側に切り替えられた場合、NMOSトランジスタには電流が流れ、スイッチSW 23乃至スイッチSW 2nのそれぞれが、GND側に切り替えられた場合、NMOSトランジスタには電流が流れないことになる。

    また、上記各CMOS対において、ゲート接続点には、入力端子121が接続され、ドレイン接続点には、出力端子122が接続されている。 そして、入力端子121と出力端子122との間には、いわゆる帰還抵抗として用いられ、DCオフセットを低減させる抵抗R0が接続され、出力端子122には、負荷125が接続される。

    なお、図3の増幅回路112の例では、n組(nは自然数)のCMOS対について説明したが、本実施の形態では、説明の便宜上、CMOS対が4組(第1のCMOS対乃至第4のCMOS対)で構成されているとして説明する。 すなわち、CMOS対の組数は、本発明を限定するものではない。

    次に、増幅回路112の動作について説明する。

    なお、上記CMOS対を構成する、2つのPMOSトランジスタ(例えば、第1のCMOS対のPMOSトランジスタQp 11とPMOSトランジスタQp 21等)の形状は同一であり、同じく、2つのNMOSトランジスタ(例えば、第1のCMOS対のNMOSトランジスタQn 11とNMOSトランジスタQn 21等)の形状は同一であるとする。

    ここで、第1のCMOS対において、PMOSトランジスタの変換係数をMP1、閾値電圧をVTP1とし、NMOSトランジスタの変換係数をMN1、閾値電圧をVTN1とする。 また、PMOSトランジスタの動作電流をIP1、NMOSトランジスタの動作電流をIN1とすると、スイッチSW 11およびスイッチSW 21の選択により、IP1は式(1)、IN1は式(2)で表わされる。

    また、同様にして、第2のCMOS対の電流IP2およびIN2は、スイッチSW 12およびスイッチSW 22の選択により、それぞれ、式(3)と式(4)で表わされる。

    なお、式(3)において、MP2,VTP2は、それぞれ、第2のCMOS対のPMOSトランジスタの変換係数、閾値電圧を示している。 また、式(4)において、MN2,VTN2は、それぞれ、第2のCMOS対のNMOSトランジスタの変換係数、閾値電圧を示している。

    さらにまた、同様にして、第3のCMOS対の電流IP3およびIN3は、スイッチSW 13およびスイッチSW 23の選択により、それぞれ、式(5)と式(6)で表わされる。

    なお、式(5)において、MP3,VTP3は、それぞれ、第3のCMOS対のPMOSトランジスタの変換係数、閾値電圧を示している。 また、式(6)において、MN3,VTN3は、それぞれ、第3のCMOS対のNMOSトランジスタの変換係数、閾値電圧を示している。

    また、同様にして、第4のCMOS対の電流IP4およびIN4は、スイッチSW 14およびスイッチSW 24の選択により、それぞれ、式(7)と式(8)で表わされる。

    なお、式(7)において、MP4,VTP4は、それぞれ、第4のCMOS対のPMOSトランジスタの変換係数、閾値電圧を示している。 また、式(8)において、MN4,VTN4は、それぞれ、第4のCMOS対のNMOSトランジスタの変換係数、閾値電圧を示している。

    したがって、式(1)乃至式(8)により、図3の増幅回路112における4組のCMOS対の合計のオフセット電流I0は、次式で表わされる。

    つまり、式(9)に示すように、オフセット電流I0は、PMOSトランジスタの電流和の値と、NMOSトランジスタの電流和の値との差分をとることで求められる。

    この為、製造時のMOSバラツキにて、上記、MPn,VTPn,MNn,VTNn(nは自然数)のそれぞれが分散することで、PMOSトランジスタの電流とNMOSトランジスタの電流に偏差が生じるので、オフセット電流I0が変動する。 然るに、本実施の形態においては、増幅回路112は、調整制御部114からの制御ビットに基づいて、ゲート電圧を切り替えるスイッチ(図3の例では、スイッチSW 11乃至スイッチSW 1n 、スイッチSW 21乃至スイッチSW 2n )を選択することで、オフセット電流I0を最小とすることが可能となる。

    具体的には、増幅回路112においては、スイッチSW 11乃至スイッチSW 1nの全てのスイッチがオンしたとき(VP側に切り替えられたとき)、PMOSトランジスタには最も多く電流が流れ、スイッチSW 21乃至スイッチSW 2nの全てのスイッチがオンしたとき(VN側に切り替えられたとき)、NMOSトランジスタには最も多く電流が流れるので、例えば、PMOSトランジスタの動作電流IPと、NMOSトランジスタの動作電流INとの比が、「動作電流IP:動作電流IN=2:1」となる場合、PMOSトランジスタ側のスイッチSW 11乃至スイッチSW 1nのうち、スイッチSW 11を1つだけオンにし、NMOSトランジスタ側のスイッチSW 21乃至スイッチSW 2nのうち、スイッチSW 21とスイッチSW 22を2つオンすることで、PMOSトランジスタとNMOSトランジスタに流れる電流が一致して、オフセット電流I0を最小にすることが可能となる。

    言い換えれば、スイッチSW 11乃至スイッチSW 1nおよびスイッチSW 21乃至スイッチSW 2nは、複数のCMOS対におけるPMOSトランジスタの動作電流IPと、NMOSトランジスタの動作電流INとの偏りがなくなるように、スイッチング動作をしているとも言える。

    なお、上述したように、本実施の形態では、4組のCMOS対を一例にして説明しているが、増幅回路112においては、CMOS対の組数を多くすればするほど、スイッチの数も増加して、より細かな電流の調整を行うことが可能となる。

    次に、小信号時の相互コンダクタンスgm0について考えると、第1のCMOS対のPMOSトランジスタの相互コンダクタンスgmp1は、スイッチSW 11の選択により、式(10)で表わされる。

    また、同様にして、第2のCMOS対、第3のCMOS対、第4のCMOS対のそれぞれのPMOSトランジスタの相互コンダクタンス、gmp2,gmp3,gmp4のそれぞれは、スイッチSW 12 ,スイッチSW 13 ,スイッチSW 14のそれぞれの選択により、式(11)乃至式(13)で表わされる。

    同様に、第1のCMOS対のNMOSトランジスタの相互コンダクタンスgmn1は、スイッチSW 21の選択により、式(14)で表わされる。

    また、同様にして、第2のCMOS対、第3のCMOS対、第4のCMOS対のそれぞれのNMOSトランジスタの相互コンダクタンス、gmn2,gmn3,gmn4のそれぞれは、スイッチSW 22 ,スイッチSW 23 ,スイッチSW 24のそれぞれの選択により、式(15)乃至式(17)で表わされる。

    なお、式(10)乃至式(17)において、MP1乃至MP4,VTP1乃至VTP4,MN1乃至MN4,VTN1乃至VTN4のそれぞれは、式(1)乃至式(8)のMP1乃至MP4,VTP1乃至VTP4,MN1乃至MN4,VTN1乃至VTN4と同様の係数である。

    したがって、式(10)乃至式(17)により、4組のCMOS対の相互コンダクタンスgm0は、次式で表わされる。

    つまり、式(18)に示すように、相互コンダクタンスgm0は、PMOSトランジスタのgm和の値と、NMOSトランジスタのgm和の値とを加算することで求められる。

    この為、製造時のMOSバラツキにて、上記、MPn,VTPn,MNn,VTNn(nは自然数)のそれぞれが分散することで、PMOSトランジスタの相互コンダクタンス(上記の例ではgmp1乃至gmp4)と、NMOSトランジスタの相互コンダクタンス(上記の例ではgmn1乃至gmn4)に偏差が生じるので、相互コンダクタンスgm0が変動する。 然るに、本実施の形態においては、調整制御部114からの制御ビットに基づいて、ゲート電圧を切り替えるスイッチ(図3の例では、スイッチSW 11乃至スイッチSW 1n 、スイッチSW 21乃至スイッチSW 2n )を選択することで、相互コンダクタンスgm0を最適値とすることが可能となる。

    言い換えれば、増幅回路112においては、スイッチを切り替えて相互コンダクタンスgm0を最適値とすることで、ゲインを制御しているとも言える。

    以上のように、本実施の形態において、MOS回路の動作性能を規定するオフセット電流I0と相互コンダクタンスgm0は、製造時のMOSバラツキにより、MPn,VTPn,MNn,VTNn(nは自然数)が分散することで変動が生じるが、調整制御部114からの制御ビットに基づいて、ゲート電圧を選択するスイッチを選択することにより、最適値とすることが可能となる。

    次に、図4の回路図を参照して、図3の増幅回路112の他の構成の例について説明する。

    なお、図4の増幅回路112では、図3の増幅回路112と同様の箇所には、同一の符号が付してあり、動作が同じ部分に関しては、その説明は繰り返しになるので省略する。

    つまり、図4の増幅回路112は、図3の増幅回路112と比べて、可変電圧源E1および可変電圧源E2の代わりに、端子123に接続されたバイアス電流設定部131と、端子124に接続されたDCオフセット補正部132を有する点が異なっているが、その他の構成は、図3の増幅回路112と同様である。 なお、図4の増幅回路112においては、図3の増幅回路112と比べて、抵抗R0が設けられていないが、これは、図4の増幅回路112では、DCオフセット補正部132を設けている為に、電圧を帰還する必要がないからである。

    バイアス電流設定部131は、VP(PMOSバイアス設定電圧)を与えて、バイアス電流を設定する。

    これにより、図4の増幅回路112は、調整制御部114からの制御ビットに基づいて、ゲート電圧を切り替えるスイッチ(図4の例では、スイッチSW 11乃至スイッチSW 1n 、スイッチSW 21乃至スイッチSW 2n )を選択することによる相互コンダクタンスgm0の最適化に加えて、さらに、バイアス電流設定部131によりバイアス電流を設定することで厳密なgmの設定を実現することが可能となる。

    DCオフセット補正部132は、VN(NMOSバイアス設定電圧)を設定して、DCオフセットを補正する。

    これにより、図4の増幅回路112は、調整制御部114からの制御ビットに基づいて、ゲート電圧を切り替えるスイッチ(図4の例では、スイッチSW 11乃至スイッチSW 1n 、スイッチSW 21乃至スイッチSW 2n )を選択することによるオフセット電流I0の最小化に加えて、さらに、DCオフセット補正部132によりDCオフセット補正をすることで厳密なオフセット低減を実現することが可能となる。

    以上のように、図4の増幅回路112は、ゲート電圧を切り替えるスイッチを選択することによる、相互コンダクタンスgm0の最適化とオフセット電流I0の最小化に加えて、さらに、バイアス電流設定部131によりバイアス電流設定をすることで厳密なgm設定を実現することを可能とし、併せて、DCオフセット補正部132によりDCオフセット補正をすることで厳密なオフセット低減を実現することが可能となる。

    次に、図5の回路図を参照して、図3の増幅回路112のさらに他の構成の例について説明する。

    なお、図5の増幅回路112では、図3の増幅回路112と同様の箇所には、同一の符号が付してあり、動作が同じ部分に関しては、その説明は繰り返しになるので省略する。

    つまり、図5の増幅回路112は、図3の増幅回路112と比べて、可変電圧源E1および可変電圧源E2の代わりに、端子123に接続されたDCオフセット補正部141と、端子124に接続されたバイアス電流設定部142を有する点が異なっているが、その他の構成は、図3の増幅回路112と同様である。

    言い換えれば、図5の増幅回路112は、図3の増幅回路112の他の構成として説明した図4の増幅回路112と比べて、端子123に対して、バイアス電流設定部131の代わりに、DCオフセット補正部141が接続され、端子124に対して、DCオフセット補正部132の代わりに、バイアス電流設定部142が接続されているとも言える。

    DCオフセット補正部141は、VP(PMOSバイアス設定電圧)を設定して、DCオフセットを補正する。

    これにより、図5の増幅回路112は、調整制御部114からの制御ビットに基づいて、ゲート電圧を切り替えるスイッチ(図5の例では、スイッチSW1 11乃至スイッチSW1 1n 、スイッチSW2 21乃至スイッチSW2 2n )を選択することによるオフセット電流I0の最小化に加えて、さらに、DCオフセット補正部141によりDCオフセット補正をすることで厳密なオフセット低減を実現することが可能となる。

    バイアス電流設定部142は、VN(NMOSバイアス設定電圧)を設定して、バイアス電流を設定する。

    これにより、図5の増幅回路112は、調整制御部114からの制御ビットに基づいて、ゲート電圧を切り替えるスイッチ(図5の例では、スイッチSW 11乃至スイッチSW 1n 、スイッチSW 21乃至スイッチSW 2n )を選択することによる相互コンダクタンスgm0の最適化に加えて、さらに、バイアス電流設定部142によりバイアス電流を設定することで厳密なgm設定を実現することが可能となる。

    以上のように、図5の増幅回路112は、ゲート電圧を切り替えるスイッチを選択することによる、相互コンダクタンスgm0の最適化とオフセット電流I0の最小化に加えて、さらに、DCオフセット補正部141によりDCオフセット補正をすることで厳密なオフセット低減を実現することを可能とし、併せて、バイアス電流設定部142によりバイアス電流設定をすることで厳密なgm設定をすることが可能となる。

    次に、図6の回路図を参照して、図4の増幅回路112における、バイアス電流設定部131とDCオフセット補正部132の詳細な構成の例について説明する。

    なお、図6の増幅回路112では、図4の増幅回路112と同様の箇所には、同一の符号が付してあり、動作が同じ部分に関しては、その説明は繰り返しになるので省略する。

    バイアス電流設定部131においては、可変電圧源E3が、電源電圧源(Vdd)と端子123との間に設けられている。 すなわち、可変電圧源E3からの可変電圧Vcpが、VP(PMOSバイアス設定電圧)として端子123に印加される。

    これにより、バイアス電流設定部131は、可変電圧源E3からの可変電圧VcpによりVPを印加することで、バイアス電流を設定する。

    DCオフセット補正部132は、図6の例では、抵抗R1とコンデンサC1とからなる信号成分除去用のローパスフィルタ、並びに比較器151、平滑用のコンデンサC2、および基準電圧源E4からなる比較回路を有する回路である。

    比較器151においては、その正相入力(+)が、抵抗R1とコンデンサC1とから構成されるローパスフィルタを介してドレイン接続点と出力端子122に接続され、その逆相入力(−)が、基準電圧源E4に接続されている。 また、その出力端は、端子124に接続されている。

    比較器151は、その正相入力(+)に入力される電圧(抵抗R1とコンデンサC1とから構成されるローパスフィルタにより取り出されたDC成分の電圧)のレベルと、その逆相入力(−)に入力される電圧(基準電圧源E4により印加される電圧)のレベルとを比較し、比較の結果を表わすレベルの電圧を出力する。 コンデンサC2は、比較器151からの出力電圧(脈流電圧)を平滑して、端子124に出力する。

    これにより、DCオフセット補正部132は、コンデンサC2により平滑された比較器151からの出力電圧を、VN(NMOSバイアス設定電圧)として印加することで、DCオフセットを補正する。

    なお、図6を参照して説明した、バイアス電流設定部131およびDCオフセット補正部132の回路構成は一例であり、バイアス電流設定部131においては、可変電圧源E3の代わりに、例えば、カレントミラー回路等を用いてもよいし、DCオフセット補正部132においては、DCオフセットを補正できる他の回路を用いてもよい。

    次に、図7の回路図を参照して、図5の増幅回路112における、DCオフセット補正部141とバイアス電流設定部142の詳細な構成の例について説明する。

    なお、図7の増幅回路112では、図5の増幅回路112と同様の箇所には、同一の符号が付してあり、動作が同じ部分に関しては、その説明は繰り返しになるので省略する。

    言い換えれば、図7の増幅回路112は、図4のバイアス電流設定部131とDCオフセット補正部132の詳細な構成として説明した図6の増幅回路112と比べて、端子123に対して、バイアス電流設定部131の代わりに、DCオフセット補正部141が接続され、端子124に対して、DCオフセット補正部132の代わりに、バイアス電流設定部142が接続されているとも言える。

    DCオフセット補正部141は、図7の例では、図6のDCオフセット補正部132と同様に、抵抗R2とコンデンサC3とからなる信号成分除去用のローパスフィルタ、並びに比較器161、平滑用のコンデンサC4、および基準電圧源E5からなる比較回路を有する回路である。

    比較器161においては、その正相入力(+)が、抵抗R2とコンデンサC3とから構成されるローパスフィルタを介してドレイン接続点と出力端子122に接続され、その逆相入力(−)が、基準電圧源E5に接続されている。 また、その出力端は、端子123に接続されている。

    比較器161は、その正相入力(+)に入力される電圧(抵抗R2とコンデンサC3とから構成されるローパスフィルタにより取り出されたDC成分の電圧)のレベルと、その逆相入力(−)に入力される電圧(基準電圧源E5により印加される電圧)のレベルとを比較し、比較の結果を表わすレベルの電圧を出力する。 コンデンサC4は、比較器161からの出力電圧(脈流電圧)を平滑して、端子123に出力する。

    これにより、DCオフセット補正部141は、コンデンサC4により平滑された比較器161からの出力電圧を、VP(PMOSバイアス設定電圧)として印加することで、DCオフセットを補正する。

    バイアス電流設定部142においては、可変電圧源E6が、GNDと端子124との間に設けられている。 すなわち、可変電圧源E6からの可変電圧Vcnが、VN(NMOSバイアス設定電圧)として端子124に印加される。

    これにより、バイアス電流設定部142は、可変電圧源E6からの可変電圧VcnによりVNを印加することで、バイアス電流を設定する。

    なお、図7を参照して説明した、DCオフセット補正部141およびバイアス電流設定部142の回路構成は一例であり、DCオフセット補正部141においては、DCオフセットを補正できる他の回路を用いてもよいし、バイアス電流設定部142においては、可変電圧源E6の代わりに、例えば、カレントミラー回路等を用いてもよい。

    次に、図8のフローチャートを参照して、計測部113および調整制御部114による、増幅回路112におけるスイッチのスイッチング動作制御の処理について説明する。

    ステップS11において、計測部113は、増幅回路112から出力される出力信号から、増幅回路112を構成する複数のCMOSインバータ回路のPMOSトランジスタの動作電流IPと、NMOSトランジスタの動作電流INを計測し、計測値を調整制御部114に供給する。

    ステップS12において、調整制御部114は、計測部113からの計測値に基づいて、PMOSトランジスタの動作電流IPとNMOSトランジスタの動作電流INとの偏りがなくなるように、スイッチSW 11乃至スイッチSW 1nおよびスイッチSW 21乃至スイッチSW 2nの動作を制御する制御ビットを生成する。

    つまり、例えば、調整制御部114は、複数のCMOSインバータ回路におけるPMOSトランジスタの電流和である動作電流IPの値(例えば、IP1+IP2+IP3+IP4)と、NMOSトランジスタの電流和である動作電流INの値(例えば、IN1+IN2+IN3+IN4)との差分であるオフセット電流I0の値(例えば、(IP1+IP2+IP3+IP4)-(IN1+IN2+IN3+IN4))が最小となるように、スイッチSW 11乃至スイッチSW 1nおよびスイッチSW 21乃至スイッチSW 2nの動作を制御する制御ビットを生成する。

    また、例えば、調整制御部114は、複数のCMOSインバータ回路におけるPMOSトランジスタの相互コンダクタンスの和の値(例えば、gmp1+gmp2+gmp3+gmp4)と、NMOSトランジスタの相互コンダクタンスの和の値(例えば、gmn1+gmn2+gmn3+gmn4)とを加算した相互コンダクタンスgm0の値(例えば、gmp1+gmp2+gmp3+gmp4+gmn1+gmn2+gmn3+gmn4)が最適値となるように、スイッチSW 11乃至スイッチSW 1nおよびスイッチSW 21乃至スイッチSW 2nの動作を制御する制御ビットを生成する。

    ステップS13において、調整制御部114は、生成した制御ビットを増幅回路112に供給して、図8のスイッチング動作制御の処理は、終了する。

    これにより、増幅回路112においては、調整制御部114からの制御ビットに応じて、スイッチSW 11乃至スイッチSW 1nおよびスイッチSW 21乃至スイッチSW 2nがスイッチング動作して、PMOSトランジスタの動作電流IPとNMOSトランジスタの動作電流INとの偏りがなくなる。 その結果、例えば、PMOSトランジスタの電流和である動作電流IPとNMOSトランジスタの電流和である動作電流INとが同じになり、オフセット電流I0を最小化することが可能となる。

    以上のように、増幅回路112においては、調整制御部114からの制御ビットに応じて、スイッチSW 11乃至スイッチSW 1nおよびスイッチSW 21乃至スイッチSW 2nがスイッチング動作をすることで、オフセット電流IOが最小化され、相互コンダクタンスgm0が最適化される。

    ところで、増幅回路112における、スイッチSW 11乃至スイッチSW 1nおよびスイッチSW 21乃至スイッチSW 2nのスイッチング動作の制御方法であるが、スイッチング動作を制御する制御ビットとして、工場検査時に最適なビットを抽出しておき、その最適なビットを用いてスイッチング動作を制御することも可能である。 そこで、次に、図9を参照して、工場検査時に最適なビットを抽出して、その最適なビットによりスイッチング動作を制御する方法について説明する。

    図9は、本発明を適用した半導体装置の他の構成を示すブロック図である。

    なお、図9の半導体装置201では、図2の半導体装置101と同様の箇所には、同一の符号が付してあり、動作が同じ部分に関しては、その説明は繰り返しになるので省略する。

    つまり、図9の半導体装置201は、図2の半導体装置101と比べて、増幅回路112と調整制御部114との間に、記憶部211およびスイッチ212が設けられている点が異なっているが、その他の構成は、図2の半導体装置101と同様である。

    調整制御部114は、計測部113から供給される計測値に基づいて、複数のCMOSインバータ回路における、PMOSトランジスタの動作電流IPとNMOSトランジスタの動作電流INとの偏りがなくなるように、スイッチSW 11乃至スイッチSW 1nおよびスイッチSW 21乃至スイッチSW 2nの動作を制御する制御ビットを生成する。 調整制御部114は、工場検査時である場合、生成した制御ビットをスイッチ212に供給する。

    スイッチ212は、外部から与えられるフラグに基づいて、工場検査時には調整制御部114から供給される制御ビットを増幅回路112に供給する。 これにより、増幅回路112においては、スイッチ212からの制御ビットに応じて、スイッチSW 11乃至スイッチSW 1nおよびスイッチSW 21乃至スイッチSW 2nがスイッチング動作をする。

    そして、調整制御部114は、増幅回路112からの出力信号を計測する計測部113からの計測値に基づいて生成した制御ビットが最適なビットとなった場合、その最適な制御ビットを記憶部211に記憶させる。 これにより、例えば不揮発性メモリ等から構成される記憶部211には、最適な制御ビットが記憶される。

    その後、工場検査が終了し、出荷時となったとき、半導体装置201においては、スイッチ212のフラグが切り替えられて、制御ビットの入力が調整制御部114側から記憶部211側に切り替えられる。 つまり、半導体装置201の出荷時には、計測部113および調整制御部114は取り外され、スイッチ212のフラグは、記憶部211側に選択固定される。

    これにより、半導体装置201においては、ユーザ使用時となったとき、スイッチ212は、記憶部211に記憶されている制御ビットを、増幅回路112に供給する。 そして、増幅回路112においては、スイッチ212からの制御ビットに応じて、スイッチSW 11乃至スイッチSW 1nおよびスイッチSW 21乃至スイッチSW 2nがスイッチング動作をする。

    このように、半導体装置201においては、工場検査時にあらかじめ最適な制御ビットを記憶部211に記憶させておくことができるので、計測部113および調整制御部114を設けない構成とすることができる。

    以上のように、本実施の形態では、図3に示したように、ゲート電圧を切り替えるスイッチを選択することにより、オフセット電流I0を制御することが可能となる。 また、ゲート電圧を切り替えるスイッチを選択することにより、相互コンダクタンスgm0を制御することが可能となる。 その結果、電流の歪みを抑制しながら、利得を得ることが可能となる。

    また、図3に示したように、MOS回路の動作性能を規定するオフセット電流I0と相互コンダクタンスgm0は、製造時のMOSバラツキによって、MPn,VTPn,MNn,VTNn(nは自然数)が分散することで変動するが、ゲート電圧を切り替えるスイッチを選択することにより制御して、最適値とすることが可能となる。

    図4および図5に示したように、ゲート電圧を切り替えるスイッチを選択することによる相互コンダクタンスgm0の最適化に加えて、さらに、バイアス電流を設定することにより厳密なgm設定を実現することが可能となり、併せて、ゲート電圧を切り替えるスイッチを選択することによるオフセット電流I0の最小化に加えて、さらに、オフセットを補正することにより厳密なオフセット低減を実現することを可能とする。

    図6および図7に示したように、ゲート電圧を切り替えるスイッチを選択することによる相互コンダクタンスgm0の最適化に加えて、さらに、バイアス電流を設定することより厳密なgm設定を電圧制御することが可能となる。 併せて、ゲート電圧を切り替えるスイッチを選択することによるオフセット電流I0の最小化に加えて、さらに、比較回路にてオフセットを補正することにより、バイアス電流設定をすることでgm設定を電圧制御した場合に追従してオフセット低減を実現することが可能となる。

    なお、本明細書において、記録媒体に格納されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。

    また、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。

    従来の増幅回路の構成を示す回路図である。

    本発明を適用した半導体装置の一実施の形態の構成を示すブロック図である。

    図2の増幅回路の詳細な構成の例を示す回路図である。

    図2の増幅回路の他の構成の例を示す回路図である。

    図2の増幅回路の他の構成の例を示す回路図である。

    バイアス電流設定部とDCオフセット補正部の詳細な構成の例を示す回路図である。

    バイアス電流設定部とDCオフセット補正部の詳細な構成の例を示す回路図である。

    スイッチング動作制御の処理を説明するフローチャートである。

    本発明を適用した半導体装置の他の構成を示すブロック図である。

    符号の説明

    101 半導体装置, 111 信号源, 112 増幅回路, 113 計測部, 114 調整制御部, 121 入力端子, 122 出力端子, 125 負荷, 131 バイアス電流設定部, 132 DCオフセット補正部, 141 DCオフセット補正部, 142 バイアス電流設定部, 201 半導体装置, 211 記憶部, 212 スイッチ, Qp 11乃至Qp 1n PMOSトランジスタ, Qp 21乃至Qp 2n PMOSトランジスタ, Qn 11乃至Qn 1n NMOSトランジスタ, Qn 21乃至Qn 2n NMOSトランジスタ, SW 11乃至SW 1nスイッチ, SW 21乃至SW 2nスイッチ, R0 抵抗

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