【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は電動装置に関する。 【0002】電動機においては、コイルの巻き方が様々に試行され、今日に至っている。 特に、コイルは電圧一定ならば巻数が大きくなる程に電流値が小さくなる性質があり、この性質を活用するため直流モータおよび交流モータにおいては多種多様な試行が成されてきた。 特に、電動機のコイルの巻数を増やすことで大きな出力パワーを取り出す試みがされた。 例えばコイルの巻数を2 倍にした場合、2倍巻きした直流モータは、 電流が半分になる トルクは同じ 回転が半分になる という結果が出た。 一方、2倍巻きした交流モータは、 電流が半分になる トルクが半分になる 回転は同じ という結果が出た。 以上で、交流モータも直流モータも巻数を増やしても総合的には出力パワーは同じという結果となった。 そこで、交流モータのほうが形態的にコンパクトにできるので、モータの主流は交流モータの採用に流れている。 よって、結論として、直流使用のモータは開発と製造を中止しているメーカがほとんどである。 【0003】以上に述べたように、コイルの巻数1に対して巻数2を巻いたモータは総合的なところでは、直流も交流も同じであると見なされている概念ができ上がっている。 すなわち、 直流の使用は、倍巻する、トルクは同じだが、ただし回転が落ちる 交流の使用は、倍巻すると、回転は同じだが、ただしトルクが落ちる。 これは、トルクについては直流と交流は数式にもなっていて、常識となっているが、回転はなぜそうなるのか追求が成されていない。 ここで、交流と直流の大きな思い違いに気付くべきである。 それは、交流は周波数を持つが、直流は持たないという思い違いである。 すなわち、 交流は周波数を持たされている人為的な電流であり、直流は周波数も持たされていない人為的な電流であるということである。 そして交流モータは電圧と電流と周波数が活用されているが、直流モータは電圧と電流だけが活用されているのである。 【0004】以上がなぜ人為的かというと、自然界には電気があるのであって交流も直流も人が作り出したものだからである。 人為的である以上、発展すべきものであり、停滞し決めつけられることではない。 【0005】交流はその発生メカニズム上、あくまでも発電機の回転子の磁極数と、発電取出しコイルの巻きの方法と回転数で作り出されてくる人為的なものであり、 例えば4極の回転子が1800rpmで回転する発電機から発生する周波数は60Hz である。 日本の東と西で商用周波数に60Hz 、50Hz の違いがあるのは明治時代に設置された発電機の違いだけなのである。 【0006】さて、以上のべたように、交流が人為的な電気振動を持つ電流ならば、同じく人為的な電気振動を持つ直流の性質を失わないサイクル直流とでも呼ぶべき電流を作り出すことがこの発明の主眼なのである。 つまり、直流とコイルの本来の性質を失わないサイクル直流の活用である。 この発明は、直流とコイルの関係を、交流ではなし得ない、電流値を下げてもトルクすなわち電磁力が落ちない状態を役立てたいための発明である。 【0007】これは、直流の周波数装置と対象となる回転体および機器は必然的に別々となるが、組み入れることはできる。 なお、このサイクル直流は交流に似た性質も持つので、直流と交流を使用対象とした機器は全てこの発明の使用対象となるが、この発明では特にモータを対象としている。 【0008】この直流のサイクル装置としては、従来からある自動車のディストリビュータとイグニッションコイル、および直流モータのコミュテータが似ているが、 これらの従来の装置はあくまでも周波数を作り出すものとしては捉えられておらず、単に回転同調のためのものであり、回転の制御を目的としたものではない。 なぜなら直流モータの回転制御は電圧と電流でなされ、エンジンの回転制御は燃料の送り込みの大小でなされているからである。 【0009】その点、交流モータは回転制御に周波数も必要条件として取り入れている。 交流モータ制御の装置として、インバータがある。 これは一般電源とされている商用交流を直流に変え、この直流を電子素子で再度一般交流に限りなく近くして、周波数、電圧を制御し、交流モータを制御する目的のものである。 これに対して、 本発明はあくまでも、直流とコイルの性質を失わない直流のための周波数制御にある。 【0010】この考えが有効ならば交流モータも回転可能と推察される。 さすれば、この周波数を持たせた直流の活用は、あえて直流モータ、交流モータと分けて考える必要はない。 それは、回転子のみならず、固定子も電磁活用の直流モータは交流でも活用できることが周知だからである。 【0011】 【課題を解決するための手段】以上の観点にたって、本発明においては、電動機の回転軸と切り離してスイッチ手段を設け、該スイッチ手段は直流を入力としてそれを転流または断続させて該電動機の励磁コイルに印加する印加出力とし、該印加出力の転流または断続の周波数を該電動機の回転軸の回転位置情報を用いずに電動機の回転状態とは独立して可変制御するように構成した電動装置が提供される。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、本発明に係る電動装置の実施例を説明する。 図1は実施例装置の全体構成を示す図である。 図において、4は回転スイッチ、2は回転スイッチ4を回転させるための補助モータ、3は回転スイッチに直流バッテリ、1は回転スイッチ4から作動電流を供給される3相誘導モータである。 【0013】ここで、回転スイッチ4は回転軸41にリングが都合9個固定された形をしており、この回転軸4 1にはプーリ42が取り付けられていて、補助モータ2 の回転軸21に取り付けられたプーリ22との間にベルトが掛け渡されていて、補助モータ2を回転させることで、回転スイッチ1の回転軸41も回転できるようになっている。 補助モータ2は回転数を任意に設定できる。 【0014】図3にはこの回転スイッチ4の全体構成が、また図2には回転軸41に固定されるリングの電気接続状態が示される。 図3において、回転軸41上には都合9個のリングが配列されて取り付けられており、このうち3つのリングRb1〜Rb3はバッテリー電流入力用、6つのリングRu1、Ru2、Rv1、Rv2、 Rw1、Rw2はモータ1への給電用のものである。 バッテリー電流入力用のリングRb1〜Rb3の各々には図4に示すようにそれぞれ二つブラシBb、Bb'が9 0°の間隔をおいて接触するようになっており、それらの二つのブラシBb、Bb'はそれぞれバッテリ3の正極端子(+)と負極端子(−)に接続される。 リングR b1〜Rb3の各々は図2に示すように4分割された4 分割リングであり、その分割の切込み位置はそれぞれ1 20°ずつずれている。 給電用のリングRu1、Ru 2、Rv1、Rv2、Rw1、Rw2は切込みのない環体であり、リングRu1、Ru2は後述するモータ1のu相コイルへの給電用、リングRv1、Rv2はv相コイルへの給電用、リングRw1、Rw2はw相コイルへの給電用である。 バッテリ電流入力用リングRb1〜R b3とコイル給電用リングRu1、Ru2、Rv1、R v2、Rw1、Rw2とは図2に示すように電気配線で接続されている。 なお、この配線は実際には回転軸41 に設けられた溝などを介して行われる。 コイル給電用リングRu1、Ru2、Rv1、Rv2、Rw1、Rw2 には出力取出し用ブラシBu1、Bu2、Bv1、Bv 2、Bw1、Bw2を摺動接触させている。 出力取出し用ブラシBu1、Bu2は後述するモータ1のu相コイルへ、出力取出し用ブラシBv1、Bv2はv相コイルへ、出力取出し用ブラシBw1、Bw2はw相コイルへそれぞれ接続される。 【0015】この回転スイッチ4は、 それぞれの4分割リングが90°回転する毎に、コイル給電用リングR u1、Ru2、Rv1、Rv2、Rw1、Rw2から正負が転流した電流が取り出せるようになっている。 図8 にはu相、v相、w相の各コイル給電用リングRu1、 Ru2、Rv1、Rv2、Rw1、Rw2の各対から取り出される電圧波形が示されている。 図示するようにu 相、v相、w相は互いに位相が120°ずれた電圧波形となる。 この回転スイッチ4を小容量のモータ2で回転させ、モータ2の任意の回転で、モータ1への出力に任意の周波数を持たすことができる。 ちなみに、回転スイッチ4が1800回転では60回の転流を生じるので、 交流60Hz に相当すると考えられる。 【0016】3相誘導モータ1は、具体的には、次の製品を改造して使用している。 製造者:富士電気(株) FV MOTOR INVERTAR DRIVE MOTOR 2.2kW 4P 型 MUA6107A このモータは、ステータの巻溝の数は36個であり、u 相、v相、w相の3つのコイルを有しており、これらの各相のコイルは互いにスター結線されている。 各相の巻線は2本(後述の図7、図8では実線と点線で示す)で構成されており、この巻線が図7にu相について例示するように対角線上の対向する二つの位置に巻かれている。 このu相の巻数は1巻32ターンで3巻されているので計96ターンとなる。 かかる巻線が図6に示すようにu相、v相、w相の各巻線が120°ずつずれてそれぞれ巻き込まれている。 【0017】このモータ1を本実施例では図5に示すように改造している。 まず、u相、v相、w相が互いにスター結線されていたものを、その互いを連結する中央での連結を切り、かつ各相の巻線が2本1組となっていたものをその巻線の巻初めと巻終りで切離して1本ずつとし、そのうちの1本の巻始めと巻終りを端子とに接続し、残り1本の巻始めと巻終りを端子とに接続する。 これをu相、v相、w相のそれぞれについて行う。 よって巻線の数は都合12本、端子の数も12個となる。 それぞれの1本の巻数は96ターンであり、この2 本を直列接続するとその巻数は倍の192ターンとなる。 したがって、u相、v相,w相の巻数は1本時に9 6ターン、2本直列接続時に192ターンとなる。 この実施例では1本時の96ターンの抵抗値は1Ωであるので、2本直列接続時の192ターンの抵抗値は2Ωとなる。 【0018】直流バッテリー3は「YUASA MF 38B20R PAFECRTA」を2個直列接続して用いており、自動車の24V用オルタネータをモータで回し、バッテリーチャージしながらこの電動装置の電源として利用している。 【0019】この電動装置の運転は、補助モータ2で回転スイッチ4を回転させることで、バッテリ3の直流出力を転流させてモータ1の各相のコイルに供給し、モータ1を回転させることによる。 モータ1の各相のコイルに供給する電流(電圧)の転流の周波数は補助モータ2 の回転数を任意のものに調整することで制御できる。 【0020】かかる運転により、モータ1で得られたトルクを図10、図11に示すようにして計測した。 すなわち、モータ1のプーリ12に50cmのL鋼材8を溶接により固定し、そのL鋼材8の他端側に、モータ1の回転力を受けたL鋼材8により押圧力を受けるようにして静止トルク測定用の静止トルク計(ロードセル)6を配置した。 この静止トルク計は具体的には、「(株)共和電業製造 トルク計名称:ひずみゲージ式 ロードセルビーム型 型式LUB−5KB」と計装用増幅器WG 1−300Bである。 この静止トルク計6を50cmの荷重受けで計測し、GAIN調整は0.624でなした。 また、この電動装置での消費電流を測定するために、バッテリ3の負極端子(−)側の配線をクランプ計測器5を用いてクランプすることで、同配線を流れるD C電流の大きさを測定した。 このバッテリ電電流計測に使用したクランプ計測器5は「カイセ株式会社製造 A C/DCディジタルクランプメータ MODEL SK −7711」を用いた。 モータの回転は、モータ軸にシールを貼り、光センサで計測した。 【0021】測定は巻線を1本とした96ターンの場合と2本直列接続した192ターンの場合とのそれぞれについて行った。 測定結果は以下のとおりである。 【0022】計測結果 静止トルクは、回転スイッチ4の回転数60rpmで出力2Hz 相当で運転して計測した。 〔96ターン時〕 バッテリ3の直流出力電圧:DC24V バッテリ3の出力電流:36A 静止トルク計で計測したトルク:1.65〜1.85k gm 〔192ターン) バッテリ3の直流出力電圧:DC24V バッテリ3の出力電流:16.1A 静止トルク計で計測したトルク:1.55〜1.75 このように、計測結果は、192ターン時の電流は96 ターン時の半分以下で、一方、トルクは近似の値となった。 【0023】次にモータ1の回転数とバッテリ電流との関係を計測した。 この回転計測は回転スイッチ4の回転数1600rpmで出力53Hz 相当で運転して計測した。 またバッテリ3にオルタネータよりチャージをしながら実施した。 バッテリ3の出力電圧はDC28.4V であった。 〔96ターン〕 モータ1の回転数:1569〜1570rpm バッテリ3の出力電流:DC 1.5〜2.1A バッテリ3の直流出力電圧:28.4V 〔192ターン〕 モータ1の回転数:1543〜1547rpm バッテリ3の出力電流:DC 0.7〜0.9A バッテリ3の直流出力電圧:28.4V 【0024】この結果からも分かるように、モータの巻線を96ターンから192ターンへと2倍巻きしても、 96ターン時に比べてトルクと回転数がほぼ変わらず、 一方、電力値は半分以下となるという結果となった。 よってこのサイクル直流は非常に有益である。 【0025】なお、上述の実施例ではモータ1のu相、 v相、w相のコイルをそれぞればらばらに分離したが、 これらをスター結線させた3相誘導モータであっても、 この3相のサイクル直流で同3相誘導モータを回転させることができる。 この場合、3つの3分割Rb1〜Rb 3の構成はそのままで、図12に示されるように、取出しリングRu1、Ru2、Rv1、Rv2、Rw1、R w2に各相の対のうちの一方だけ(つまり都合3個)を用いてその電線をモータの各相の端子(3つの端子)に接続すればよい。 また図13に示されるように、各タイミングにおいて、u相、v相、w相の電圧を加算したものは0になるように、各相の出力電圧波形を調整する。 この調整は後述するように回転スイッチを電子回路で構成してその電子回路で行うようにするとよい。 なお、スター結線に代えてデルタ結線したものに対しても本発明は当然有効であるが、今回は実験はしていない。 【0026】さらに、3相を4相以上必要な相条件を設定すれば、より効率は良くなる可能性がある。 また今回実験したモータ1の巻数の設定は、巻数が1:2の比(すなわち96ターンと192ターン)であるが、巻数の上限は理論的には無限である。 さらにコンデンサーを回転スイッチとモータの引込み線のそれぞれに適切な線間に設定することは、能力のより良い方向に働くと思われる。 【0027】また、本発明は交流モータだけに限られず、通常の直流モータに対しても適用できることは勿論のことである。 すなわち上記回転スイッチ4から取り出された転流電流または断続電流を直流モータのコイルに供給すればよいのである。 【0028】また、回転スイッチ4の形態は上述の実施例のものに限定されるものではなく、例えば図9に示されるように、ブラシBu、Bu'、Bv、Bv'、B w、Bw'を回転軸に固定し、その外周側に各相の出力取出し用リングRu、Rv、RwをブラシBu、B u'、Bv、Bv'、Bw、Bw'に摺動するように設けてもよい。 すなわち、回転軸41に絶縁体の円柱43 u、43v、43wを設けて、それぞれに90°間隔で配置された1対のブラシBu、Bu'、Bv、Bv'、 Bw、Bw'を固定する。 また、バッテリ入力用のリングRb1、Rb2を設け、これにブラシBr1、Br2 を介してバッテリ3から直流入力を与える。 各ブラシB u、Bu'、Bv、Bv'、Bw、Bw'とリングRb 1、Rb2間の接続は図9に示す。 出力取出し用リングRu、Rv、Rwはそれぞれ4分割し、互いに120° ずつ分割位置をずらす。 これにより回転スイッチを小型化できる。 【0029】また、かかる回転スイッチにおいては、4 分割リングを8、16、32と分割して増やしていけば、60Hz を4分割で1800rpmなら:8分割で900rpm、16分割で450rpm、32分割で2 25rpmと、分割を許容できる範囲まで小さな回転となっていく。 必要なサイクルをより小さい回転で取り出すことができ、これには図9のディストリビュータ方式が良好である。 【0030】この回転スイッチ4は機械式のものに限られるものではなく、電子回路で構成することもできる。 すなわち、バッテリからの直流入力を電子素子のオン/ オフで転流または断続させてその出力をモータのコイルに印加するようにし、その転流または断続出力の周波数を任意に設定できるように回路を構成すればよい。 これにはブラシレスDCモータの制御回路を転用してその出力周波数を可変制御できるように改造すればよい。 【0031】なお、ブラシレスDCモータもモータの回転軸と別体の電子回路により回転を制御しているので、 一見、本願発明に類似しているが、以下に述べるように、ブラシレスDCモータはそのロータの回転位置に応じてコイルにPWM(パルス幅変調)された出力を印加しているのに対して、本願発明はロータの回転位置と無関係にコイルに印加する直流を転流または断続させてその周波数を変えている点で大きく異なっている。 【0032】すなわち、ブラシレスDCモータは回転子の位置をホール素子等のセンサで検出し、トランジスタで各ステータコイルに通電していく。 そして印加電圧による速度制御である。 F−V方式の進んだ方式のPLL 方式は、速度制御部にマイクロコンピュータを使用し、 PWMのパワーアンプと組み合わせて機能させている。 これは始動電流をプログラムすることができ、モータのロック状態における電流を任意に設定できる。 【0033】また、センサレスブラシレスDCモータの駆動もトランジスタのONによりステータコイルに通電を行う。 そしてその駆動方法と制御は各コイルの誘起電圧を比較することにより通電タイミングを作成し、トランジスタのONにより駆動制御をする。 【0034】現在のブラシレスDCモータの駆動制御は全て回転子の回転を検出するか、またはステータコイルの誘起電圧の比較により通電タイミングをとっている。 このことは装置の作動が回転子の回転に準じていることであり、交流モータのようにステータコイルの回転磁界に回転子が準じていることとは異なる。 【0035】以上、現在の電圧と電流による直流での駆動制御方法では、回転子の動きに準じる限り、ステータコイルの巻数を増やせば増やす程に、トルクは落ちないが回転数は落ちているのである。 これは巻数を増やす程の電圧、電流の遅れのためである。 そこで、ステータコイルの巻数を増やしても、回転子の回転数を落とさない状態を維持するためには、常時、回転子の回転を維持するための固定子側の磁界の回転振動が必要となり、ステータコイルに回転子を準じさせなければならない。 【0036】そのためには、本願発明で行っているように、ステータコイルに対しての通電は、直流であっても周波数を与えて直流における電圧、電流、そして周波数の活用を組み入れ、直流によるステータコイルの回転磁界振動を維持する方法を取らねばならない。 このことで初めて直流の特質をモータに最高に活かせるのである。 【0037】さらに本発明は以下のような特殊な形態の電動機にも適用できるものである。 まず、シリンダ内でピストンが電磁力により往復運動することで動力を得る電磁ピストン式の電動機に適用する場合について説明する。 まず初めに、この電動機の基本的な構成について説明する。 【0038】図14は電磁ピストン式の電動機の実施例の横断面図である。 また、図15はこの電動機のシリンダとピストン部分の外観図である。 図14において、1 はピストン、2はシリンダ、3は外側シリンダ、4、9 は連結部であり、ともに珪素鋼板で作られている。 シリンダ2と外側シリンダ3は頂部が閉じられた形状になっている。 シリンダ2の頂部外壁には連結部4が一体成形されており、シリンダ2は連結部4が外側シリンダ3の頂部内壁に当接するようにして外側シリンダ3の内部に収容され、この連結部4が外側シリンダ3の頂部に取付けネジ16で固定されている。 この連結部4には励磁コイル5が巻回される。 外側シリンダ3の頂部外側には二つの電極6が取り付けられ、この二つの電極6は外側シリンダ3の内壁側に貫通して励磁コイル5の両端の導線にそれぞれ接続され、この電極6を通して励磁コイル5 を励磁できるようになっている。 【0039】ピストン1は、内部が空洞であって先端側が開口しており、基端側には永久磁石7がS極側がピストン基端面に向かうようにして固定してある。 この永久磁石7のN極側の面には連結部9が固定してあり、さらにこの連結部9の軸孔9aにはコンロッド10が軸支されている。 このコンロッド10の他端の軸孔10aは図示しないクランク機構のクランク軸に軸支される。 連結部9にはブースタ用励磁コイル8(以下、ブースタコイルと称する)が巻回されており、このブースタコイル8 の両端の導線は、ピストンの外壁側面に軸方向に延びるように埋め込んだ銅板電極12にそれぞれ接続される。 【0040】ピストン1はシリンダ2の内部にベアリング15により支持されており、シリンダ軸方向に滑らかに往復運動(上下運動)できるようになっている。 ピストン1は図中に“L”で示す距離を往復運動する。 ベアリング15はシリンダ2の内壁(すなわちピストン1の外壁)の円周方向に沿って、上下の2つの位置に配置されており、ピストン1とシリンダ2が磁気的に結合しないようにセラミックで製造されている。 このベアリング15に代えていわゆるコロを用いてもよい。 【0041】シリンダ2にはブラシ電極14(以下、単にブラシと称する)が外壁側から内壁側に貫通しており、このブラシ14の先端は前記の銅板電極12に摺動接触するようになっている。 ブラシ14の他端はさらに外側シリンダ3を貫通して外部から電流を流すことができるようになっている。 このブラシ14はカーボンで製造してもよいし、先端部をいわゆるコロにして摺動による擦り減りを低減させるようにしてもよい。 図16にはブラシ14の先端をコロにした場合の構成が示される。 図示のように、先端に円筒形の電極14aを回転自在に取り付け、この円筒電極14aが銅板電極12の面と回転しながら接触するようにする。 【0042】なお、ブースタコイル8給電用の接点機構は、上述の銅板電極12とブラシ14による接点機構に限られるものではなく、例えばコンロッド10の内側を空洞にしてそこにブースタコイル8の導線を通し、クランク軸側にクランク軸円周方向に一回転するリング電極を取り付け、これと摺動するブラシを設けた摺動接点機構を設けるなど、種々の接点機構が採用可能である。 【0043】この電磁式ピストン機関の動作を以下に述べる。 このピストン機関の作動中、ブースタコイル8には永久磁石7の磁極の強さを強化する方向に電流を流し続ける。 後述するようにピストン1はシリンダ2内を往復運動するが、ブースタコイル8への給電は、銅板電極12に摺動するブラシ14を通して電流を供給することで行える。 これによりピストン1は永久磁石7とブースタコイル8の磁力により全体がS極に磁化される。 【0044】励磁コイル5の励磁は次のようにして行う。 すなわち、ピストン1が上死点から下死点(図中を上から下に向かう方向)に向かう期間中は、シリンダ2 がS極、外側シリンダ3がN極に磁化される方向に電流を流す。 一方、下死点から上死点(図中を下から上に向かう方向)に向かう期間中は、シリンダ2がN極、外側シリンダ3がS極に磁化される方向に電流を流す。 この励磁電流の通電を周期的に繰り返す。 【0045】上記のようにして励磁コイル5を励磁すると、ピストン1が下死点から上死点に向かう間は、ピストン1のS極とシリンダ2のN極とが吸引し合い、ピストン1はこの吸引力により上死点に向かって上昇する。 ピストン1が上死点に達したら、励磁コイル5の励磁電流を反転させる。 これによりシリンダ2はS極に磁化されるので、ピストン1のS極とシリンダ2のS極は今度は互いに反発し合い、その反発力によりピストン1は下方向に押し出され、下死点に向かって下降する。 下死点に達したら、再び励磁コイル5の励磁電流を反転させる。 これを繰り返すことによりピストン1はシリンダ2 内を往復運動することになり、この往復運動はコンロッド10を介してクランク軸11の回転運動に変換される。 【0046】図17には上述の電動機を複数台用いて電磁式ピストン機関を構成した場合の実施例が示される。 ここでは便宜上、上述の一つのシリンダと一つのピストンの組合せを一つのアセンブリ(assembly) と称することにする。 この実施例は6連アセンブリの電磁式ピストン機関である。 図示されるように、6つのアセンブリを直列に配置し、各アセンブリの外側シリンダ3を磁気的に結合させる。 便宜上、図面左側から順番に番号を付けて第1アセンブリ、第2アセンブリ・・・第6アセンブリと称することにする。 【0047】第1〜第6アセンブリの各ピストン1は全て先端側がS極となるように永久磁石7の配置およびブースタコイル8の励磁を行う。 第1〜第6アセンブリの各ピストンは、第1アセンブリを基準(0°)とした時、それらの上死点がそれぞれ60°クランク角ごとの等間隔でクランク軸40に取り付けられている。 ここで、第1と第2アセンブリ間、第3と第4アセンブリ間および第5と第6アセンブリ間はクランク角の位相差がそれぞれ180°あるようにする。 また、第1と第3アセンブリ間、および第3と第5アセンブリ間はクランク角の位相差がそれぞれ120°あるようにする。 クランク軸40はエンジン本体にベアリング41で回転自在に支持されている。 【0048】第1〜第6アセンブリの各励磁コイル5にはインバータ42から励磁電流を供給する。 インバータ42はバッテリ43の直流出力を3相交流出力に変換して各励磁コイル5に供給する。 この3相交流出力の周波数は自由に変えることができる。 また第1〜第6アセンブリの各ブースタコイル8にはブラシ14を介してバッテリ43から直流電流を供給する。 この直流電流はピストン1先端がS極となる方向に流す。 【0049】図18(A)にはインバータ42から各励磁コイル5への給電の仕方が示される。 図示されるように、第1と第2アセンブリの励磁コイル5には3相交流のR・S相が互いに逆相で接続され、第3と第4アセンブリの励磁コイル5には3相交流のS・T相が互いに逆相で接続され、第5と第6アセンブリの励磁コイル5には3相交流のT・R相が互いに逆相で接続される。 図1 8(B)には、第1アセンブリを基準(0°)とした時のクランク角に対する第1〜第6アセンブリの各ピストンの位置が示される。 また、図18(C)には3相交流とクランク角との関係が示される。 【0050】上述のように接続すると、各アセンブリでは、励磁コイル5に、ピストンの往復動の中央位置で最大となり、ピストンの上死点または下死点で励磁電流の方向が反転するように電流が流れる。 この結果、クランク角0°では、第1、第2アセンブリでは反発力と吸引力がそれぞれ0近くから働き始め、第3、第4アセンブリではピーク値に近い増加中の吸引力と反発力がそれぞれ働き、第5、第6アセンブリではピーク値に近い減少中の反発力と吸引力がそれぞれ働く。 またクランク角6 0°では、第1、第2アセンブリではピーク値に近い増加中の吸引力と反発力がそれぞれ働き、第3、第4アセンブリではピーク値に近い減少中の吸引力と反発力がそれぞれ働き、第5、第6アセンブリでは反発力と吸引力がそれぞれ0近くから働き始める。 このように、吸引・ 反発の関係がクランク角に応じて第1〜第6アセンブリを逐次にシフトしていく。 これにより、各アセンブリのピストンの往復動の周期は、同期モータの原理と同様にして、3相交流の周波数にすべりなく同期することになる。 よって、インバータ42で発生する3相交流の周波数を可変制御してやれば、それに応じてこの電磁ピストン式機関の回転数を可変制御することができる。 【0051】図19には6連アセンブリによる電磁式ピストン機関の他の例が示される。 図20にはピストン1 の磁極の極性に対し、シリンダ2にS極またはN極発生するための励磁コイル5の励磁電流の極性が示される。 この実施例は励磁コイル5への給電に3相交流を用いない方法である。 第1、第3、第5アセンブリのピストンを同じ高さにし(すなわちクランク角を同じにし)、第2、第4、第6アセンブリのピストンを同じ高さにし、 第1、第3、第5アセンブリと第2、第4、第6アセンブリのピストン位置は逆相とする。 【0052】クランク軸に6つのリング状の電極51〜 56を取り付ける。 電極51〜54は分割されていないリングである。 また電極55、56は直径方向に2分割された2分割リングである。 2分割リング55、56はともに同じクランク角位置で分割し、分割片55a、5 5bと分割片56a、56bとにそれぞれ分ける 【0053】リング51〜54はそれぞれブラシ(電極)61〜64と摺動接触するようにし、ブラシ61、 62はそれぞれ第1、第3、第5アセンブリの励磁コイル5に接続し、ブラシ63、64はそれぞれ第2、第4、第5アセンブリの励磁コイル5に接続する。 また2 分割リング55はブラシ65、67に直径線上でそれぞれ摺動接触するようにし、2分割リング56はブラシ電極66、68に直径線上でそれぞれ摺動接触するようにする。 ブラシ65,68はバッテリのプラス(+)側端子に接続し、ブラシ66、67はマイナス(−)側端子に接続する。 分割片55a、56aをそれぞれリング5 1、52に接続し、分割片55b、56bをそれぞれリング53、54に接続する。 また、第1〜第6アセンブリのピストン側ブースタコイル8にはバッテリ43からそれぞれ並列に直流電流を同じ方向に流すようにする。 【0054】以上のように接続すると、クランク軸が1 80°回転する毎に、2分割リング55、56での電流の反転により、第1〜第6アセンブリの励磁コイル5に流れる励磁電流の方向が反転することになり、シリンダ2内では吸引力と反発力に交互に切り替わるよう磁場が反転することになる。 【0055】次に、図19の実施例の電磁式ピストン機関に前述の回転スイッチを適用して本発明の電動装置を構成する場合について説明す。 図21はかかる実施例の回転スイッチを示す。 この実施例は図19の実施例におけるリング51〜54と2分割リング55、56の部分をクランク軸から切り離し、代わりに、回転速度が制御可能なモータで回転される回転軸に取り付けたものであり、これをここでは便宜上、回転スイッチと称する。 モータはこの回転スイッチの回転軸にプーリあるいはスプロケットを介して取り付けられる。 その他の構成は図1 9の実施例と同じである。 すなわち、回転軸60をケース57にベアリング58により回転自在に支持し、この回転軸60に前述の2分割リング55、56、リング5 1〜64を取り付ける。 ケース57からブラシ61〜6 8を各リング51〜56に対してスプリング59で押圧しつつ突き出す。 リング51〜54と2分割リング5 5、56間の電気接続は、図22に示されるように、それぞれのリングの内側に絶縁体69を設け、これに適宜に貫通孔をあけて互いの配線を通せばよい。 上述のように構成すると、モータで回転軸の回転速度を自由に制御することで、それに応じて電磁式ピストン機関の回転速度も制御できる。 モータとしては高いトルクは必要ないので、小型のもので足りる。 【0056】次に、以下のような形態の電動機に本発明を適用する場合について説明する。 まず回転スイッチを適用しない場合におけるこの電動機の基本的構造について説明する。 【0057】図23は係るモータの実施例を示す図である。 図23において、図示しない筺体に回転軸5が回転可能に支持される。 回転軸5には6つの円盤形のロータ1a、1b 、1c 、1a'、1b'、1c'が軸方向に沿って間隔を置いて並べられて取り付けられる。 各ロータ1a 、1b 、1c 、1a'、1b'、1c'はそれぞれ永久磁石からなり、円盤を軸方向に中心から二分割した半分がS 極、残り半分がN極になる。 各ロータ1a 、1b 、1c 、1a'、1b'、1c'の隣り合う磁極はS極とN極が互い違いになるように配置される。 【0058】各ロータ1a 、1b 、1c 、1a'、1b'、 1c'の実現方法としては種々の公知の方法が可能であり、例えば非磁性体からなる円盤の外側に半円の円弧形の板磁石を張りつけてもよく、この板磁石は外側面を例えばS極、内側面をN極などのように形成する。 【0059】ロータ1a 、1b 、1c 、1a'、1b'、1 c'の外側にはステータコア2a 、2b 、2c 、2a'、2 b'、2c'が配置される。 各ステータコア2a 、2b 、2 c 、2a'、2b'、2c'は珪素鋼板などの磁性材料からなり、対応する各ロータ1a 、1b 、1c 、1a'、1b'、 1c'を外側から取り囲むことができるようにロータに面する側が半円形に切り欠かれて両脇に二つの脚部をなし、この切欠き部分に各ロータ1a 、1b 、1c 、1 a'、1b'、1c'が間隙を持ってそれぞれ嵌合するようになっている。 また各ステータコア2a 、2b 、2c 、2 a'、2b'、2c'の切欠き部のロータ側に突出した2つの脚部は長さが若干異なるようにしてある。 例えば図2中の各ステータコア2a 、2b 、2c 、2a'、2b'、2c' の手前の脚部を奥の脚部よりも若干長くしてあり、これにより磁気的バランスが不平衡になるようにしてある。 なお、図23では図を見やすくするために、ロータ1a 、1b、1c 、1a'、1b'、1c'とステータコア2a 、 2b 、2c 、2a'、2b'、2c'は離して描いてある。 【0060】各ステータコア2a 、2b 、2c 、2a'、 2b'、2c'は、ステータコア2a と2a'が連結棒3a で、スタータ2b と2b'が連結棒3b で、ステータコア2c と2c'が連結棒3c でそれぞれ連結される。 この連結棒は珪素鋼板などの磁性材料からなり、連結棒の中間部分はステータコア2a 、2b 、2c 、2a'、2b'、2 c'から離してある。 連結棒3a にはコイル4a が、連結棒3b にはコイル4b が、また連結棒3c にはコイル4 c がそれぞれの中間部分に巻かれる。 【0061】回転軸5には2分割リング61、62とリング63〜66が整流子として取り付けられる。 リング63〜66は連続したリング状の導体からなり、2分割リング61、62は連続したリング状の導体を半分に2 分割した導体片a、bからなる。 2分割リング61の導体片aはリング63に、導体片bはリング65に接続され、2分割リング62の導体片aはリング64に、導体片bはリング66に接続される。 【0062】2分割リング61、62、リング64〜6 6にはブラシ71〜76がそれぞれ摺接するように配置されており、ブラシ71はバッテリ9のプラス端子に、 ブラシ72はマイナス端子にそれぞれ接続される。 また、ブラシ73と76は互いに接続されてコイル4a 、 4c の一端(+)とコイル4b の他端(−)に接続され、ブラシ74と75は互いに接続されてコイル4a 、 4c の他端(−)とコイル4b の一端(+)に接続される。 【0063】このような接続により、回転軸5の回転に伴って、2分割リング61、62の導体片aにブラシ7 1、72が接触するときと導体片b に接触するときでは、コイル4a 〜4c に流れる電流方向が反転し、またコイル4a と4c の励磁電流とコイル4b の励磁電流では方向が逆であるから、各ステータコア2a 、2b 、2 c 、2a'、2b'、2c'に現れる磁極は空間的に異極が交互に現れ、かつそれらの磁極が周期的にS極とN極に反転する。 【0064】具体的には、コイル4a 、4c の通電により例えばステータコア2a 、2c がS極、ステータコア2a'、2c'がN極に磁化されるときには、コイル4b の通電によりステータコア2b がN極、ステータコア2b' がS極に磁化され、回転軸5に回転に伴って通電方向が反転すると各ステータコア2a 、2b 、2c 、2a'、2 b'、2c'の各磁極の極性が反転する。 このように、各ステータコア2a 、2b、2c 、2a'、2b'、2c'には回転軸方向に交互に逆の磁極(例えば図示のようにS、 N、S、N、S、N)が発生する。 【0065】この装置の動作を説明する。 いま、回転軸5の回転位置により、2分割リング61、62の導体片aがブラシ71、72に摺接しているとする。 このときにコイル4a 、4b 、4c に流れる励磁電流により、ステータコア2a 、2c 、2b'がS極に磁化され、ステータコア2b 、2a'、2c'がN極に磁化される。 これにより、ステータコア2a 、2c 、2b'のS極とロータ1a 、1c 、1b'のN極との間に磁気吸引力が働き、またステータコア2b 、2a'、2c'のN極とロータ1b 、1 a'、1c'のS極との間に磁気吸引力が働き、回転軸5は図中を手前方向(矢印方向)に回転する。 【0066】この回転により、やがて回転軸5の回転位置は、2分割リング61、62の導体片b がブラシ7 1、72に摺接するようになる。 このときに励磁コイル4a 、4b 、4c に流れる励磁電流が反転して、ステータコア2a 、2c 、2b'がN極に磁化され、ステータコア2b 、2a'、2c'がS極に磁化される。 これにより、 ステータコア2a 、2c 、2b'のN極とロータ1a 、1 c 、1b'のS極との間に磁気吸引力が働き、同じくステータコア2b 、2a'、2c'のS極とロータ1b 、1a'、 1c'のN極との間に磁気吸引力が働き、回転軸5はさらに図中を手前方向(矢印方向)に回転する。 以下、同様にして回転軸5は回転し続ける。 【0067】このような構成においては、励磁コイル4 はロータ1またはステータコア2に直接巻かれるのではなく連結棒3に巻かれるようになっているので、連結棒3に巻くコイルの巻数を、モータを大型化させることなく、非常に多くすることが可能となり、大きな磁力を発生することができる。 【0068】次にこの電動機に前述の回転スイッチを適用して本発明の電動装置を構成する場合について説明する。 図24はかかる実施例を示す。 この実施例は図23 の実施例における2分割リング61、62とリングリング63〜66の部分を回転軸5から切り離し、代わりに、回転速度が制御可能なモータで回転される回転軸6 0に取り付けたものである。 これをここでは便宜上、回転スイッチと称する。 モータはこの回転スイッチの回転軸にプーリあるいはスプロケットを介して取り付けられる。 この他の構成は図23の実施例と同じである。 【0069】すなわち、回転軸60をケースに57にベアリング58により回転自在に指示し、この回転軸60 に前述の2分割リング61、62とリング63〜66を取り付ける。 ケース57からブラシ71〜76を各リング61〜66に対してスプリング59で押圧しつつ突き出す。 2分割リング61、62とリング63〜66の間の電気接続は、図25に示されるように、それぞれのリングの内側に絶縁体69を設け、これに適宜に貫通孔をあけて互いの配線を通せばよい。 上述のように構成すると、モータで回転軸の回転速度を自由に制御することで、それに応じてモータの回転速度も制御できる。 モータとしては高いトルクは必要ないので、小型のもので足りる。 【0070】この回転スイッチを使用する場合には、2 分割リング61、26をさらに4分割、8分割と分けていけば、ロータの回転速度に対して回転スイッチの回転軸60の回転速度を1/2、1/4と下げて使用することができる。 図26はかかる構成を示す図であり、2分割リング61、62に代えて4分割リング61'、6 2'を用いている。 (イ)はリング63〜66側で配線をまとめる場合、(ロ)は4分割リング61'、62' 側で配線をまとめる場合の例である。 【0071】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、 モータの巻数を多くして電流を下げる一方、回転数とトルクは下がらないようにすることができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の電動装置の全体構成の例を示す図である。 【図2】実施例の回転スイッチのリングの接続関係を示す図である。 【図3】実施例の回転スイッチの横断面図である。 【図4】実施例の回転スイッチのバッテリ入力リング部分の断面図である。 【図5】実施例のモータのコイル結線を示す図である。 【図6】実施例のモータの一般的なコイル配線を説明する図である。 【図7】実施例のモータの一般的なコイル配線を説明する図である。 【図8】実施例の回転スイッチからの出力波形を示す図である。 【図9】回転スイッチの他の実施例を示す図である。 【図10】実施例の電動装置におけるトルク計測方法を示す図である。 【図11】実施例の電動装置におけるトルク計測方法を示す図である。 【図12】本発明の他の実施例(3相誘導モータのスター結線に適用時)を示す図である。 【図13】図14の実施例の時の回転スイッチの出力波形を示す図である。 【図14】電磁ピストン式の電動機の横断面図である。 【図15】この電磁ピストン式の電動機のシリンダとピストン部分の外観図である。 【図16】ブラシの変形例を示す図である。 【図17】6連アセンブリによる電磁式ピストン機関の例を示す図である。 【図18】6連アセンブリによる電磁式ピストン機関を3相交流電力で駆動する仕方を説明する図である。 【図19】6連アセンブリによる電磁式ピストン機関を機械的整流子を用いてバッテリで駆動する仕方を説明する図である。 【図20】図16実施例における励磁コイルの励磁電流の方向を説明する図である。 【図21】6連アセンブリによる電磁式ピストン機関の回転スイッチを示す図である。 【図22】回転スイッチにおける各電極の配線態様を示す図である。 【図23】本発明を適用する他の形態のモータをを示す図である。 【図24】図23のモータに適用する回転スイッチを示す図である。 【図25】回転スイッチの各リング間の接続例を示す図である。 【図26】回転スイッチの2分割リングの変形例を示す図である。 【符号の説明】 図1〜図13において、 1 モータ 2 補助モータ 3 バッテリ 4 回転スイッチ 5 クランプ計測器 6 ロードセル 7 トルク計 8 L鋼材 図14〜図22において、 1 ピストン 2 シリンダ 3 外側シリンダ 4 連結柱 5 励磁コイル 6 電極 7 永久磁石 8 ブースタコイル 9 連結棹 10 コンロッド 12 銅板電極 14 ブラシ電極 15 ベアリングボール 図23〜図25において、 1a 、1b 、1c 、1a'、1b'、1c' ロータ 2a 、2b 、2c 、2a'、2b'、2c' ステータコア 3a、3b、3c 連結棒 4a、4b、4c 励磁コイル 5 回転軸 8 バッテリ 10a 、10b 、10c 、10a'、10b'、10c' ロータ 20a 、20b 、20c 、20a'、20b'、20c' ステータコア 61、62 2分割リング 63〜66 リング 71〜76 ブラシ |