コネクタ

申请号 JP2011232820 申请日 2011-10-24 公开(公告)号 JP5711096B2 公开(公告)日 2015-04-30
申请人 モレックス インコーポレイテド; MOLEX INCORPORATED; 发明人 鈴木 裕一; 新津 俊博; 松坂 治; 上野 弘;
摘要
权利要求

(a)第1端子と、第1嵌合ガイド部とを備える第1コネクタと、 (b)前記第1端子と係合する第2端子と、前記第1嵌合ガイド部と嵌合する第2嵌合ガイド部とを備える第2コネクタとを含むコネクタであって、 (c)前記第1嵌合ガイド部は、前記第1コネクタと第2コネクタとの嵌合を検出するための固定端子を含み、 (d)前記第2嵌合ガイド部は、前記第1コネクタと第2コネクタとの嵌合を検出するための弾性端子を含み、 (e)前記固定端子又は弾性端子には、圧電素子が配設されていることを特徴とするコネクタ。前記固定端子及び弾性端子のいずれか一方は係止凸部を含み、他方は係止凹部及び該係止凹部より突出する乗越部を含み、 前記第1コネクタと第2コネクタとが嵌合するときは、前記第1嵌合ガイド部と第2嵌合ガイド部とが相対的に移動し、前記係止凸部は、前記乗越部を乗越えて前記係止凹部と係合する請求項1に記載のコネクタ。前記圧電素子は、前記弾性端子の変形する面に配設され、該面とともに変形して電圧を発生する請求項1又は2に記載のコネクタ。前記圧電素子は、前記固定端子における前記弾性端子が当接する面に配設され、前記弾性端子に押圧されて電圧を発生する請求項1又は2に記載のコネクタ。前記圧電素子には一対の電極が接続され、該一対の電極間の電圧の変化を検出電極によって非接触で検出し、前記第1コネクタと第2コネクタとの嵌合完了を検出する請求項1〜4のいずれか1項に記載のコネクタ。前記圧電素子には一対の電極が接続され、該一対の電極と導通されたエレクトロクロミック材料から成る変色部材の色の変化によって、前記第1コネクタと第2コネクタとの嵌合完了を検出する請求項1〜4のいずれか1項に記載のコネクタ。前記電圧の変化に含まれる第1ピーク及び該第1ピークと逆の極性の第2ピークを検出することによって、前記第1コネクタと第2コネクタとの嵌合完了を検出する請求項5に記載のコネクタ。前記第1コネクタは、平板状の第1導体を備え、前記第1端子は前記第1導体の表面から突出する部材であり、 前記第2コネクタは、平板状の第2導体を備え、前記第2端子は、前記第2導体をパターニングすることによって形成された平板状の部材であり、その内側に形成された内側開口を含むとともに互いに対向する一対の接触腕部を含み、 前記第1端子が第2端子と係合すると、前記一対の接触腕部が前記第1端子を両側から弾性的に挟持する請求項1〜7のいずれか1項に記載のコネクタ。

说明书全文

本発明は、コネクタに関するものである。

従来、一対の平行な基板同士を電気的に接続するために、基板対基板コネクタ等のコネクタが使用されている。このようなコネクタは、回路基板等から成る一対の基板における相互に対向する面の各々に取付けられ、互いに嵌(かん)合して導通するようになっている。また、両端部に取付けた補強金具をロック部材として機能させ、相手方コネクタとの嵌合状態を保持する技術が提案されている。

しかし、各々のコネクタの下面には、コネクタ本体よりも遙かに大きな面積の基板が取付けられているので、一方のコネクタと相手方コネクタとの嵌合状態を目視によって確認することは困難である。特に、近年では、コネクタの小型化及び低背化が進んでいるので、対向する基板同士の間隔が極めて狭く、一方のコネクタと相手方コネクタとが完全に嵌合したか否かを正確に判断することは、極めて困難である。

もっとも、コネクタの嵌合状態を、目視のような嵌合作業を行うオペレータの感覚による認識に頼ることなく、センサを使用して検出する技術が既に提案されている(例えば、特許文献1参照。)。

図13は従来の嵌合検出可能なコネクタを説明する図である。

図において、861は一方のコネクタであるプラグの端子としてのプラグ端子であり、961は相手方コネクタであるレセプタクルの端子としてのレセプタクル端子である。両方のコネクタを嵌合させる場合には、図に示されるように、レセプタクル端子961にプラグ端子861を螺(ら)合する。

また、レセプタクル端子961に隣接して圧電素子893が配設されており、レセプタクル端子961にプラグ端子861をねじ込んでいくことによって、該プラグ端子861の先端が圧電素子893を圧迫するようになっている。該圧電素子893は、プラグ端子861によって圧迫されることにより、押圧に応じた電圧Vを発生する。そして、検出装置897は、前記電圧Vの値を検出し、該電圧Vの値が、両方のコネクタの嵌合が完了したことを示す所定値になると、発光素子898を発光させる。

実開平5−8880号公報

しかしながら、前記従来のコネクタにおいては、レセプタクル端子961にプラグ端子861を螺合させる必要があり、コネクタが大型化してしまう。そのため、例えば、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant:個人用携帯情報端末)、デジタルカメラ等の小型化された電子機器の筐(きょう)体内部で使用することは、困難である。また、プラグ端子861をねじ込んでいくことによって圧電素子893が受ける押圧力に基づいてコネクタの嵌合が完了したことを検出するので、検出精度を高くすることが困難である。

本発明は、前記従来のコネクタの問題点を解決して、第1コネクタと第2コネクタとが嵌合する際に固定端子と弾性端子との状態を検出する圧電素子を配設することによって、小型化及び低背化されたコネクタの嵌合工程においても、第1コネクタと第2コネクタとの嵌合を正確に検出することができ、嵌合工程における不完全な嵌合の発生を確実に防止することができる信頼性の高いコネクタを提供することを目的とする。

そのために、本発明のコネクタにおいては、第1端子と、第1嵌合ガイド部とを備える第1コネクタと、前記第1端子と係合する第2端子と、前記第1嵌合ガイド部と嵌合する第2嵌合ガイド部とを備える第2コネクタとを含むコネクタであって、前記第1嵌合ガイド部は、前記第1コネクタと第2コネクタとの嵌合を検出するための固定端子を含み、前記第2嵌合ガイド部は、前記第1コネクタと第2コネクタとの嵌合を検出するための弾性端子を含み、前記固定端子又は弾性端子には、圧電素子が配設されている。

本発明の他のコネクタにおいては、さらに、前記固定端子及び弾性端子のいずれか一方は係止凸部を含み、他方は係止凹部及び該係止凹部より突出する乗越部を含み、前記第1コネクタと第2コネクタとが嵌合するときは、前記第1嵌合ガイド部と第2嵌合ガイド部とが相対的に移動し、前記係止凸部は、前記乗越部を乗越えて前記係止凹部と係合する。

本発明の更に他のコネクタにおいては、さらに、前記圧電素子は、前記弾性端子の変形する面に配設され、該面とともに変形して電圧を発生する。

本発明の更に他のコネクタにおいては、さらに、前記圧電素子は、前記固定端子における前記弾性端子が当接する面に配設され、前記弾性端子に押圧されて電圧を発生する。

本発明の更に他のコネクタにおいては、さらに、前記圧電素子には一対の電極が接続され、該一対の電極間の電圧の変化を検出電極によって非接触で検出し、前記第1コネクタと第2コネクタとの嵌合完了を検出する。

本発明の更に他のコネクタにおいては、さらに、前記圧電素子には一対の電極が接続され、該一対の電極と導通されたエレクトロクロミック材料から成る変色部材の色の変化によって、前記第1コネクタと第2コネクタとの嵌合完了を検出する。

本発明の更に他のコネクタにおいては、さらに、前記電圧の変化に含まれる第1ピーク及び該第1ピークと逆の極性の第2ピークを検出することによって、前記第1コネクタと第2コネクタとの嵌合完了を検出する。

本発明の更に他のコネクタにおいては、さらに、前記第1コネクタは、平板状の第1導体を備え、前記第1端子は前記第1導体の表面から突出する部材であり、前記第2コネクタは、平板状の第2導体を備え、前記第2端子は、前記第2導体をパターニングすることによって形成された平板状の部材であり、その内側に形成された内側開口を含むとともに互いに対向する一対の接触腕部を含み、前記第1端子が第2端子と係合すると、前記一対の接触腕部が前記第1端子を両側から弾性的に挟持する。

本発明によれば、コネクタは、第1コネクタと第2コネクタとが嵌合する際に固定端子と弾性端子との状態を検出する圧電素子を有する。これにより、小型化及び低背化されたコネクタの嵌合工程においても、第1コネクタと第2コネクタとの嵌合を正確に検出することができ、嵌合工程における不完全な嵌合の発生を確実に防止することができ、信頼性を高めることができる。

本発明の第1の実施の形態における雄コネクタの嵌合面と雌コネクタの嵌合面とを斜めに向合せた状態を示す斜視図である。

本発明の第1の実施の形態における雄コネクタの層構造を示す分解図である。

本発明の第1の実施の形態における雌コネクタの層構造を示す分解図である。

本発明の第1の実施の形態における雄コネクタと雌コネクタとの嵌合完了の検出動作を説明する斜視図である。

本発明の第1の実施の形態における雄コネクタと雌コネクタとが嵌合完了した状態を示す斜視図であり雄コネクタのベースフィルム及び補強層並びに第1基板を省略した図である。

本発明の第1の実施の形態における雄コネクタと雌コネクタとが嵌合完了した状態を示す平面図であり雄コネクタのベースフィルム及び補強層並びに第1基板を省略した図である。

本発明の第1の実施の形態における雄コネクタの雄補助金具と雌コネクタの係止腕との係合状態を示す斜視図であり図5におけるA部拡大図である。

本発明の第1の実施の形態における雄コネクタの雄補助金具と雌コネクタの係止腕との位置関係の変化を説明する図であり、(a1)〜(c1)は雄コネクタと雌コネクタとの嵌合の各工程における状態を示し、(a2)〜(c2)は(a1)〜(c1)におけるB部拡大図である。

本発明の第1の実施の形態における圧電素子が発生する電圧の変化を示す図である。

本発明の第2の実施の形態における雄コネクタの雄補助金具と雌コネクタの係止腕との係合状態を示す要部拡大斜視図である。

本発明の第3の実施の形態における雄コネクタの雄補助金具と雌コネクタの係止腕との係合状態を示す要部拡大斜視図である。

本発明の第4の実施の形態における雄コネクタと雌コネクタとの嵌合完了の検出動作を説明する斜視図である。

従来の嵌合検出可能なコネクタを説明する図である。

以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。

図1は本発明の第1の実施の形態における雄コネクタの嵌合面と雌コネクタの嵌合面とを斜めに向合せた状態を示す斜視図、図2は本発明の第1の実施の形態における雄コネクタの層構造を示す分解図、図3は本発明の第1の実施の形態における雌コネクタの層構造を示す分解図である。

図において、1は本実施の形態におけるコネクタの一方である第1コネクタとしての雄コネクタであり、前記コネクタの他方である第2コネクタとしての雌コネクタ101と電気的に接続される。そして、前記雄コネクタ1は、実装部材としての第1基板91の表面に実装され、前記雌コネクタ101は、実装部材としての第2基板191の表面に実装される。また、前記第1基板91及び第2基板191は、例えば、電子機器等に使用されるプリント回路基板、フレキシブルフラットケーブル(FFC:Flexible Flat Cable)、フレキシブル回路基板(FPC:Flexible Printed Circuit)等であるが、いかなる種類の基板であってもよい。なお、前記雄コネクタ1及び雌コネクタ101は、前記第1基板91及び第2基板191と別個に作製して、前記第1基板91及び第2基板191の表面に実装されるものであってもよいが、前記第1基板91及び第2基板191の表面に直接作製されたものであってもよい。

本実施の形態において、雄コネクタ1、雌コネクタ101及びその他の部材に含まれる各部の構成及び動作を説明するために使用される上、下、左、右、前、後等の方向を示す表現は、絶対的なものでなく相対的なものであり、雄コネクタ1、雌コネクタ101及びその他の部材に含まれる各部が図に示される姿勢である場合に適切であるが、雄コネクタ1、雌コネクタ101及びその他の部材に含まれる各部の姿勢が変化した場合には、姿勢の変化に応じて変更して解釈されるべきものである。

そして、前記雄コネクタ1は、全体形状が概略矩(く)形の平板状の低背コネクタであり、厚さ方向の寸法が約0.3〜0.5〔mm〕程度であるが、その寸法は適宜変更することができる。図2に示されるように、前記雄コネクタ1は、実装面側(図2における下側)から平坦(たん)な薄板部材である板状の補強板部としての補強層16、絶縁性の平坦な薄板部材である板状の第1基板部である雄基板部としてのベースフィルム15、及び、導体パターン50を有する。

前記ベースフィルム15は、例えば、ポリイミド等の樹脂から成るが、絶縁性を備えるものであれば、いかなる種類の材質であってもよい。また、前記ベースフィルム15の他面(図2における下面)には、平坦な薄板部材である板状の補強板部としての補強層16が配設されている。該補強層16は、例えば、ステンレス鋼等の金属から成るが、その材質は、樹脂であってもよいし、ガラス繊維、炭素繊維等を含む複合材であってもよいし、いかなる種類のものであってもよい。また、前記ベースフィルム15の幅方向両端は、縦方向に延在するベースフィルム端部15cとして機能する。同様に、補強層16の幅方向両端は、縦方向に延在する補強層端部16cとして機能する。

そして、前記導体パターン50は、例えば、あらかじめベースフィルム15の一面に貼(てん)付された厚さが数〔μm〕〜数10〔μm〕の銅箔(はく)にエッチング加工等を施してパターニングすることによって形成されたものであって、雄コネクタ1の縦方向(図2における右上と左下を結ぶ方向)に延在し、かつ、互いに平行に並んで配設された複数本の導電線として機能する第1導体である雄導体51と、該雄導体51の両側に配設された一対の第1補助金具であって第1嵌合ガイド部として機能する雄補助金具56とを有する。なお、前記雄導体51は、雄補助金具56から分離して形成された平面形状が細長い矩形のパッド(枕木)状の部材であり、隣接する雄導体51同士も、パターン分離空間52によって分離されている。

各雄導体51は、雄コネクタ1の嵌合面に露出するとともに、第1端子である雄端子としての突出端子53を1本ずつ備える。なお、図に示される例において、雄導体51及び突出端子53は、雄コネクタ1の幅方向に延在する列を2本形成するように、所定のピッチ、例えば、0.4〔mm〕程度で、複数本(図に示される例では3本)が互いに平行に並んで配設されているが、雄導体51及び突出端子53の数、ピッチ、その他配列の態様は、図に示される例に限定されるものではなく、任意に変更することができる。

前記突出端子53の各々は、雄導体51の表面から突出する部材であり、例えば、フォトリソグラフィ技術を利用したエッチング等の方法によって、雄導体51と一体的に形成されている。なお、前記突出端子53の高さ方向の寸法は、例えば、0.1〜0.3〔mm〕程度であるが、適宜変更することができる。

図に示されるように、前記突出端子53は、円柱状の形状を備えるが、例えば、横断面が四形、五角形、六角形等の角柱状の形状であってもよいし、横断面が円形や楕(だ)円形の柱状の形状であってもよいし、任意に変更することができる。さらに、突出端子53は、その先端部の径が他の部分より大きくなるように形成されていてもよい。

また、各雄導体51は、ベースフィルム15の前端及び後端よりも前方及び後方に向けて突出するテール部58を有する。そして、該テール部58の実装面側の面は、雄コネクタ1の実装面に露出し、第1基板91の表面に形成された図示されない接続パッドにはんだ付等によって接続される。これにより、雄コネクタ1が第1基板91に固定されるとともに、雄導体51が第1基板91の対応する導電トレースと導通する。

さらに、前記雄導体51の側方には、第1嵌合ガイド部である係合凸部として機能する雄補助金具56が配設されている。該雄補助金具56は、前記雄導体51とともに、あらかじめベースフィルム15の一面に貼付された厚さが数〔μm〕〜数10〔μm〕の銅箔にエッチング加工等を施してパターニングすることによって形成されたものであって、雄コネクタ1の前後方向に延在し、雄導体51から分離して雄コネクタ1の幅方向両端に配設されている。

本実施の形態において、前記雄補助金具56の一方の側縁56cは、雄コネクタ1と雌コネクタ101との嵌合完了を検出する嵌合検出端子の一方、すなわち、固定端子として機能する。なお、雌コネクタ101の係止腕157が前記嵌合検出端子の他方、すなわち、弾性端子として機能する。

前記雄補助金具56の側縁56cは、雄コネクタ1の側縁と一致するように形成され、その前端(図2における左下端)寄りの部分には、幅方向内側に凹入するように形成された係止凹部56aを備える。該係止凹部56aは、雌コネクタ101の係止腕157の係止凸部157aに係止され、雄コネクタ1と雌コネクタ101との係合が解除されることを防止する。また、前記雄補助金具56の側縁56cにおける係止凹部56aよりも前方に位置する部分は、前記係止凹部56aよりも相対的に突出した乗越部56bとなっている。

なお、前記雄補助金具56の実装面側の面全体に亘(わた)ってベースフィルム15のベースフィルム端部15cが配設されている。したがって、雄コネクタ1の実装面に雄補助金具56の実装面側の面は露出していない。そして、前記雄補助金具56は、雌コネクタ101の第2嵌合ガイド部として機能する係合凹部156内に進入して嵌合し、雄コネクタ1と雌コネクタ101との位置決めを行う。

本実施の形態において、雌コネクタ101は、全体形状が概略矩形の平板状の低背コネクタであり、厚さ方向の寸法が約0.3〜0.5〔mm〕程度であるが、その寸法は適宜変更することができる。図3に示されるように、前記雌コネクタ101は、実装面側(図3における下側)から補強層119、ベースフィルム115、導体パターン150、カバーフィルム117、接着層118及び補強枠層116の順に積層された層構造を備える平板状の部材である。

前記ベースフィルム115は、例えば、ポリイミド等の樹脂から成るが、絶縁性を備えるものであれば、いかなる種類の材質であってもよい。また、前記補強層119は、例えば、ステンレス鋼等の金属から成るが、その材質は、樹脂であってもよいし、ガラス繊維、炭素繊維等を含む複合材であってもよいし、いかなる種類のものであってもよい。

そして、前記導体パターン150は、例えば、あらかじめベースフィルム115の一面に貼付された厚さが数〔μm〕〜数10〔μm〕のばね性を備える銅箔にエッチング加工等を施してパターニングすることによって形成されたものであって、雌コネクタ101の縦方向(図3における右上と左下を結ぶ方向)に延在し、かつ、互いに平行に並んで配設された複数本の導電線として機能する第2導体である雌導体151と、該雌導体151の両側に配設された一対の第2補助金具である雌補助金具155とを有する。なお、前記雌導体151は、雌補助金具155から分離して形成された平面形状が細長い矩形のパッド(枕木)状の部材であり、隣接する雌導体151同士も、パターン分離空間152によって分離されている。

各雌導体151は、雌コネクタ101の嵌合面に露出する部分に形成された第2端子である雌端子としての受容端子153を1つずつ備える。なお、図に示される例において、雌導体151及び受容端子153は、雌コネクタ101の幅方向に延在する列を2本形成するように、所定のピッチ、例えば、0.4〔mm〕程度で、複数本(図に示される例では3本)が互いに平行に並んで配設されているが、雌導体151及び受容端子153の数、ピッチ、その他配列の態様は、図に示される例に限定されるものではなく、任意に変更することができる。

前記受容端子153の各々は、雌導体151を厚さ方向に貫通する端子収容開口154内に収容された部材であり、例えば、フォトリソグラフィ技術を利用したエッチング等の方法によって、雌導体151をパターニングすることにより形成されている。典型的には、雌導体151をパターニングすることによって形成されて残存したパターンが受容端子153であり、該受容端子153の周囲の材料が除去された部分が端子収容開口154である。したがって、受容端子153の厚さ寸法は、雌導体151の厚さ寸法と同等である。

そして、前記受容端子153の各々は、雌導体151における受容端子153の周囲の部分、すなわち、端子収容開口154の周縁に基部が接続された一対の接触腕部153aを備える。該接触腕部153aは、ばね性を備え、雌コネクタ101の幅方向に弾性的に変形する。

また、前記端子収容開口154は、受容端子153の内側の内側開口154a及び受容端子153の外側の外側開口154bを含んでいる。前記内側開口154aは、受容端子153が雄コネクタ1の突出端子53と嵌合する際に、該突出端子53が進入して収容される部分であり、前記外側開口154bは、前記接触腕部153aの変形を許容する部分である。

なお、前記内側開口154aは、大きな面積を備え、典型的には、その幅寸法が突出端子53の先端部の幅寸法より大きく、また、その上下方向の寸法も突出端子53の先端部の上下方向の寸法より大きい。そのため、突出端子53は、内側開口154a内にスムーズに進入することができる。一方、一対の接触腕部153aの対向部分同士の間は、幅の狭い空間であり、典型的には、その幅寸法が突出端子53の幅寸法より小さい。そのため、内側開口154a内に収容された突出端子53が接触腕部153aの対向部分同士の間に相対的に移動すると、接触腕部153aの対向部分同士の間隔が突出端子53の側面に当接して押広げられるので、接触腕部153aのばね性によって、接触腕部153aの対向部分は突出端子53の側面に押圧された状態になる。つまり、一対の接触腕部153aが突出端子53を両側から弾性的に挟持する。

また、前記内側開口154aの形状は、接触腕部153aの対向部分同士の間に近付くと、幅寸法が漸減するような形状である。すなわち、対向する接触腕部153aは、傾斜したテーパ形状を備える。そのため、突出端子53は、対向する接触腕部153aの対向部分同士の間の部分にスムーズに進入することができる。

さらに、各雌導体151はベースフィルム115の前端及び後端よりも前方及び後方に向けて突出するテール部158を有する。そして、該テール部158の実装面側の面は、雌コネクタ101の実装面に露出し、第2基板191の表面に形成された図示されない接続パッドにはんだ付等によって接続される。これにより、雌コネクタ101が第2基板191に固定されるとともに、雌導体151が第2基板191の対応する導電トレースと導通する。

前記雌導体151の左右の側方に配設された雌補助金具155は、雌導体151に対向する内側縁に形成された係合凹部156を備える。該係合凹部156は、雌コネクタ101の縦方向に延在する細長い長方形の開口であり、第2嵌合ガイド部として機能し、その中に進入した雄コネクタ1の雄補助金具56と嵌合し、雄コネクタ1と雌コネクタ101との位置決めを行う。また、雌補助金具155の係合凹部156を画定する側縁には、弾性端子としての前記係止腕157が形成されている。なお、係合凹部156の前後方向の長さは、雄補助金具56の前後方向の長さよりも長く設定されている。

また、前記雌補助金具155は、前後に分離され、前方金具部155fと後方金具部155rとに分かれている。前記前方金具部155fと後方金具部155rとは、電気的にも分離され、互いに絶縁されている。そして、前記前方金具部155fは、雌補助金具155の縦方向中間部分に位置する中間金具部155cと、係合凹部156における雌導体151と反対側の側縁に縦方向に延在する係止腕157とを備える。

該係止腕157は、その基端が中間金具部155cに接続され、自由端が前方(図3における左下方)に向けて延在するカンチレバー状の部材であり、自由端寄り、すなわち、前端寄りの部分には雌コネクタ101の幅方向内側に向けて、すなわち、対向する雌導体151の方向に向けて突出する係止凸部157aが一体的に形成されている。該係止凸部157aの基端寄りの部分は、係止腕157の長手方向に対して傾斜した傾斜部157bとなっていることが望ましい。そして、前記係止腕157は、ばね性を備え、雌コネクタ101の幅方向に弾性的に変形するので、その自由端寄りに位置する係止凸部157aは、雌コネクタ101の幅方向に弾性的に変位可能となっている。なお、係止腕157と中間金具部155cとの間には、スリット状の空間である空隙(げき)部157cが形成され、係止腕157の変形を許容する。

本実施の形態においては、前記係止腕157の上面にピエゾ素子等の圧電素子193が配設されている。該圧電素子193は、例えば、流動性を備える原料を係止腕157の上面に塗布して形成された薄層状の素子であって、係止腕157の上面に付着し、該係止腕157の上面とともに変形可能となっている。なお、前記圧電素子193は、係止腕157の上面とともに変形可能なように係止腕157の上面に付着させることができるものであれば、例えば、別途薄膜状に形成されたものを接着剤等で係止腕157の上面に接着したものであってもよく、いかなる製法で作製されたものであってもよい。

そして、中間金具部155cにおける係止腕157以外の部分の上面、すなわち、中間金具部155cの上面において圧電素子193が付着していない部分には、金具絶縁層194が配設されている。該金具絶縁層194は、例えば、ポリイミド等の樹脂から成るが、絶縁性を備えるものであれば、いかなる種類の材質であってもよく、前記圧電素子193の厚さと同等の厚さを有する。これにより、圧電素子193及び金具絶縁層194の上面は、実質的に面一となる。

さらに、上側導電層195が圧電素子193及び金具絶縁層194の上面に配設される。前記上側導電層195は、平面形状が略L字状の薄い平板状の導電部材であって、雌コネクタ101の縦方向に延在する部分の前端寄りの部分は、圧電素子193の上面に付着し、係止腕157の上面とともに変形可能となっていて、その他の部分は金具絶縁層194の上面に付着する。なお、前記上側導電層195は、例えば、導電ペースト等の原料を圧電素子193及び金具絶縁層194の上面に塗布して形成された薄層状の部材であるが、圧電素子193の上面とともに変形可能なように圧電素子193の上面に付着させることができるものであれば、例えば、別途薄膜状に形成された金属を接着剤等で圧電素子193及び金具絶縁層194の上面に接着したものであってもよく、いかなる製法で作製されたものであってもよい。

これにより、圧電素子193の下面に付着した係止腕157を含む中間金具部155cと圧電素子193の下面に付着した上側導電層195とが、圧電素子193の一対の電極として機能するので、係止腕157の変形によって圧電素子193が発生する電圧を検出することができる。

前記ベースフィルム115において、各受容端子153に対応する部位、係合凹部156に対応する部位、及び、中間金具部155cに対応する部位には、ベースフィルム115を厚さ方向に貫通する端子対応開口115a、係合凹部対応開口115b及び中間金具部対応開口115cが形成されている。典型的には、前記端子対応開口115a及び係合凹部対応開口115b、端子収容開口154及び係合凹部156に対応する大きさの前後方向に長い矩形の形状を備える。

また、導体パターン150の上に積層されたカバーフィルム117、接着層118及び補強枠層116が雌コネクタ101の枠体を形成する。該枠体は略口字状の平面形状を備える部材であり、前記枠体によって周囲を画定された凹部は、雄コネクタ1を収容する接続凹部として機能する。なお、図1に示される例では、説明の都合上、前記枠体の図示が省略されている。

前記カバーフィルム117は、絶縁性の薄板部材である第2被覆板部としての雌被覆部であり、例えば、ポリイミド等の樹脂から成るが、絶縁性を備えるものであれば、いかなる種類の材質であってもよい。そして、前記カバーフィルム117は、前記凹部を形成する中央開口117a、及び、中間金具部155cに対応する部位に形成された中間金具部対応開口117cを備える。なお、前記中央開口117aの幅方向両側部分は、係合凹部156に対応する係合凹部対応開口117bとなっている。

また、前記接着層118は、接着性の樹脂から成るが、適宜省略することもできる。そして、前記補強枠層116は、前記凹部を形成する中央開口118a、及び、中間金具部155cに対応する部位に形成された中間金具部対応開口118cを備える。なお、前記中央開口118aの幅方向両側部分は、係合凹部156に対応する係合凹部対応開口118bとなっている。

さらに、前記補強枠層116は、例えば、ステンレス鋼等の金属、ポリイミド等の樹脂から成るが、いかなる種類の材質であってもよく、導電性の材質であっても、絶縁性の材質であってもよい。そして、前記補強枠層116は、前記凹部を形成する中央開口116a、及び、中間金具部155cに対応する部位に形成された中間金具部対応開口116cを備える。なお、前記中央開口116aの幅方向両側部分は、係合凹部156に対応する係合凹部対応開口116bとなっている。

次に、前記構成の雄コネクタ1と雌コネクタ101とを嵌合する動作について説明する。

図4は本発明の第1の実施の形態における雄コネクタと雌コネクタとの嵌合完了の検出動作を説明する斜視図、図5は本発明の第1の実施の形態における雄コネクタと雌コネクタとが嵌合完了した状態を示す斜視図であり雄コネクタのベースフィルム及び補強層並びに第1基板を省略した図、図6は本発明の第1の実施の形態における雄コネクタと雌コネクタとが嵌合完了した状態を示す平面図であり雄コネクタのベースフィルム及び補強層並びに第1基板を省略した図、図7は本発明の第1の実施の形態における雄コネクタの雄補助金具と雌コネクタの係止腕との係合状態を示す斜視図であり図5におけるA部拡大図、図8は本発明の第1の実施の形態における雄コネクタの雄補助金具と雌コネクタの係止腕との位置関係の変化を説明する図、図9は本発明の第1の実施の形態における圧電素子が発生する電圧の変化を示す図である。なお、図8において、(a1)〜(c1)は雄コネクタと雌コネクタとの嵌合の各工程における状態を示し、(a2)〜(c2)は(a1)〜(c1)におけるB部拡大図である。

ここで、雄コネクタ1及び雌コネクタ101は、図1に示されるように、第1基板91及び第2基板191の表面に実装されているものとする。なお、前述のように、図1に示される例では、説明の都合上、雌コネクタ101の枠体の図示が省略されている。また、前記第1基板91及び第2基板191は、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、PDA、デジタルカメラ、ビデオカメラ、音楽プレーヤ、ゲーム機、車両用ナビゲーション装置等の電子機器、家庭電化製品等の電気機器等に使用されるプリント回路基板や、フレキシブル回路基板、フレキシブルフラットケーブル等の平板状のケーブル等であるが、いかなる種類の基板であってもよい。

まず、オペレータは、雄コネクタ1の姿勢を、突出端子53が形成された面が雌コネクタ101の表面に対向し、すなわち、雄コネクタ1の表面が雌コネクタ101の表面とほぼ平行になり、かつ、雄コネクタ1が雌コネクタ101の枠体における略口字状の凹部と一致するような姿勢として、雄コネクタ1を雌コネクタ101の上方に位置付ける。

続いて、オペレータは、雄コネクタ1を雌コネクタ101に対して相対的に下降させ、すなわち、嵌合方向に移動させ、雌コネクタ101の枠体の凹部内に進入させるようにして、雄コネクタ1の嵌合面である表面と雌コネクタ101の嵌合面である表面とを当接させる。この場合、雄コネクタ1の左右の雄補助金具56を雌コネクタ101の左右の係合凹部156内に進入させ、雄コネクタ1と雌コネクタ101との位置決めを行う。なお、前記雄補助金具56は、係合凹部156の後端寄りの位置に進入させる。つまり、雄補助金具56の後端と係合凹部156の後端とを近接させる。そして、突出端子53の各々を、対応する受容端子153の内側の内側開口154a内に進入させる。

この状態で、雄コネクタ1の雄補助金具56と雌コネクタ101の係止腕157との位置関係は、図8(a1)及び(a2)に示されるようになっている。雄補助金具56が係合凹部156の後端寄りの位置にあるので、雄補助金具56の前端は、係止腕157の係止凸部157aよりも後方(図8における上方)に位置している。したがって、係止腕157は、初期状態にあり、変形していない。

続いて、オペレータは、雄コネクタ1を雌コネクタ101に対して相対的にロック方向にスライドさせる。すなわち、雄コネクタ1の表面と雌コネクタ101の表面とを当接させた状態で雄コネクタ1を雌コネクタ101の前方に(図1における左下方)に向けて相対的に移動させる。この場合、各突出端子53が対応する受容端子153の内側の内側開口154a内に進入しているとともに、左右の雄補助金具56が左右の係合凹部156内に進入した状態でスライドしてガイドするので、雌コネクタ101に対する雄コネクタ1の姿勢が乱れることがない。

雄コネクタ1を雌コネクタ101に対して相対的にロック方向にスライドさせると、雄補助金具56の前端が係合凹部156の前端に向って進行する。そのため、図8(b1)及び(b2)に示されるように、係止腕157の係止凸部157aが雄補助金具56の側縁56cにおける前端寄り部分である乗越部56bに乗上げる。この際、該乗越部56bの前端には係止凸部157aの傾斜部157bが当接するので、係止凸部157aは、スムーズに乗越部56bに乗上げることができる。そして、係止腕157は雌コネクタ101の幅方向に弾性的に変形し、その自由端寄りに位置する係止凸部157aは雌コネクタ101の幅方向外側に向けて弾性的に変位する。なお、係止腕157と中間金具部155cとの間には空隙部157cが形成されているので、図8(b1)及び(b2)に示されるように、係止凸部157aが雌コネクタ101の幅方向外側に向けて最大限変位した場合であっても、係止腕157は中間金具部155cに当接することがない。すなわち、係止腕157は、拘束されることなく、自由に変形することができる。

そして、図5及び6に示されるように、雄コネクタ1と雌コネクタ101との嵌合が完了すると、雄コネクタ1における左右の雄補助金具56の係止凹部56aと雌コネクタ101における左右の係止腕157の係止凸部157aとが係合する。具体的には、図8(c1)及び(c2)に示されるように、係止腕157の係止凸部157aが雄補助金具56の乗越部56bを乗越えるので、係止腕157が自身のばね性によって元の形状に復帰し、係止凸部157aが雌コネクタ101の幅方向内側に向けて変位して係止凹部56a内に進入する。これにより、雄補助金具56の係止凹部56aと係止腕157の係止凸部157aとが噛(かみ)合った状態となり、雄コネクタ1と雌コネクタ101とは、ロックされ、嵌合状態が維持される。

また、係止腕157の係止凸部157aが雄補助金具56の係止凹部56aを係止するので、雄コネクタ1が雌コネクタ101に対して相対的に反ロック方向にスライドすることが防止される。したがって、外力を受けたり、振動を受けたりしても、雄コネクタ1が雌コネクタ101に対して相対的に反ロック方向にスライドしてロックが解除されてしまうことがないので、雄コネクタ1と雌コネクタ101との嵌合状態が維持される。なお、オペレータの手指の力は、係止凸部157aに付与されたばね力よりも十分に大きいので、オペレータが雄コネクタ1を雌コネクタ101に対して相対的に反ロック方向にスライドさせた場合には、係止凸部157aと係止凹部56aとの係止を解除して、ロックを解除することができる。

さらに、雄コネクタ1を雌コネクタ101に対して相対的にロック方向、すなわち、前方にスライドさせると、受容端子153の内側の内側開口154a内に進入している突出端子53が、内側開口154a内を相対的に移動し、一対の接触腕部153aの対向部分同士の間に進入する。これにより、接触腕部153aの対向部分同士の間隔が突出端子53の側面に当接して押広げられるので、接触腕部153aのばね性によって、接触腕部153aの対向部分は突出端子53の側面に押圧された状態になる。つまり、一対の接触腕部153aが突出端子53を両側から弾性的に挟持する。このように、接触腕部153aが突出端子53を挟持することも、嵌合状態を維持するために寄与する。

また、受容端子153が薄肉の部材であり、接触腕部153aの厚さ寸法が突出端子53の高さ寸法よりも小さいので、各部の寸法誤差(公差)、形状の歪(ゆが)み等に起因して、突出端子53と受容端子153との間に雄コネクタ1と雌コネクタ101との嵌合方向に関する位置ずれが生じても、すべての突出端子53が対応する受容端子153の内側の内側開口154a内に確実に進入し、突出端子53の側面と接触腕部153aとが確実に接触する。

なお、内側開口154aの形状は、接触腕部153aの対向部分に近付くと、幅寸法が漸減するような形状である。そのため、突出端子53が移動して接触腕部153aの対向部分同士の間に進入する際に、スムーズに進入して接触腕部153aの対向部分同士の間隔を押広げることができる。

本実施の形態においては、係止腕157の変形によって圧電素子193が発生する電圧を検出することにより、雄コネクタ1と雌コネクタ101との嵌合完了を正確に検出することができる。具体的には、図4に示されるように、板状の金属板から成る検出電極211が表面に配設された検出基板291を使用する。該検出基板291は、雌コネクタ101の幅方向の寸法と同程度の幅方向の寸法を備え、係止腕157を備える一対の中間金具部155cに対応する部位に一対の検出電極211が配設されている。

そして、前記検出基板291は、前記雄コネクタ1及び雌コネクタ101とは非接触の状態で、望ましくは、検出基板291の表面が雌コネクタ101が実装されている第2基板191の表面とほぼ平行になるように、配設される。また、前記検出基板291は、雄コネクタ1と雌コネクタ101との嵌合工程において移動させない側の基板(雄コネクタ1を移動させる場合には第2基板191、また、雌コネクタ101を移動させる場合には第1基板91)の近傍に配設することが望ましい。さらに、各検出電極211の表面が各中間金具部155cの表面と対向するように、検出基板291の姿勢を定めることが望ましい。

図において、215は、例えば、オシロスコープ、データロガー等の電圧測定装置であり、導電線216によって各検出電極211と接続されている。これにより、係止腕157の変形によって圧電素子193が発生する電圧を、前記電圧測定装置215によって検出することができる。具体的には、圧電素子193の下面に付着した係止腕157を含む中間金具部155cと圧電素子193の下面に付着した上側導電層195とが、前述のように、圧電素子193の一対の電極として機能するので、該一対の電極の電圧の変化を検出電極211によって非接触で検出し、これにより、圧電素子193が発生する電圧を検出することができる。

本発明の発明者が実験を行って、圧電素子193が発生する電圧を計測したところ、図9に示されるような結果を得ることができた。なお、実験では、電圧測定装置215として、米国Tektronix、Inc.社製のオシロスコープ「TDS1012」、及び、グラフテック株式会社製のデータロガー「GL800」を使用した。また、検出基板291は、図4に示されるように、第2基板191の下方に離間して配設し、かつ、検出基板291の表面が雌コネクタ101が実装されている第2基板191の表面とほぼ平行になるように配設した。なお、実験では、第2基板191と検出基板291との距離を2〜3〔cm〕程度に設定したが、該距離を10〔cm〕程度にまで長くしても、電圧を計測することが可能であった。

図9において、横軸は時間を示し、縦軸は圧電素子193が発生した電圧を示している。なお、電圧は、圧電素子193の初期状態、すなわち、圧電素子193及び該圧電素子193とともに変形する係止腕157が変形していない状態での値を0としている。

図9に示されるように、雄コネクタ1と雌コネクタ101との嵌合工程においては、まず、第1ピークP1が検出され、続いて、第2ピークP2が検出された。第1ピークP1と第2ピークP2とは、逆極性であった。なお、図9に示される例においては、第1ピークP1の極性が負で、第2ピークP2の極性が正であるが、正負の極性は適宜変更することができ、第1ピークP1の極性が正で、第2ピークP2の極性が負であってもよい。また、第1ピークP1及び第2ピークP2の値は、電圧測定装置215の感度を変更することによって適宜調整することができる。

第1ピークP1は、図8(b1)及び(b2)に示されるように、係止凸部157aが、乗越部56bに乗上げ、雌コネクタ101の幅方向外側に向けて最大限変位した際に、係止腕157とともに圧電素子193が大きく変形したことによって発生した電圧を示していると考えられる。また、第2ピークP2は、図8(c1)及び(c2)に示されるように、係止凸部157aが、乗越部56bを乗越え、雌コネクタ101の幅方向内側に向けて変位して係止凹部56a内に進入した際に、係止腕157とともに圧電素子193が元の姿勢に復帰するために逆方向に変形したことによって発生した電圧を示していると考えられる。したがって、第2ピークP2が検出された時点で、雄コネクタ1と雌コネクタ101との嵌合が完了したと、判断することができる。

なお、雄コネクタ1と雌コネクタ101との嵌合を解除する動作については、雄コネクタ1と雌コネクタ101とを嵌合させるための動作と逆の動作にすぎないので、説明を省略する。

また、本実施の形態においては、雄補助金具56の側縁56cに係止凹部56a及び乗越部56bを形成し、係止腕157に係止凸部157aを形成した例についてのみ説明したが、雄補助金具56の側縁56cに係止凸部157aと同様の形状の係止凸部を形成し、係止腕157に係止凹部56a及び乗越部56bと同様の形状の係止凹部及び乗越部を形成してもよい。すなわち、雄補助金具56の側縁56c及び係止腕157のいずれか一方が係止凸部を含み、他方が係止凹部及び乗越部を含んでいればよい。

このように、本実施の形態においては、雄補助金具56は、雄コネクタ1と雌コネクタ101との嵌合を検出するための固定端子としての側縁56cを含み、係合凹部156は、雄コネクタ1と雌コネクタ101との嵌合を検出するための弾性端子としての係止腕157を含み、側縁56c又は係止腕157には、圧電素子193が配設されている。これにより、圧電素子193の発生する電圧の変化に基づいて雄コネクタ1と雌コネクタ101との嵌合完了を検出することができるので、雄コネクタ1と雌コネクタ101との嵌合完了を正確に検出することができ、嵌合工程における不完全な嵌合の発生を確実に防止することができる。

また、雄補助金具56の側縁56c及び係止腕157のいずれか一方が係止凸部157aを含み、他方が係止凹部56a及び乗越部56bを含み、雄コネクタ1と雌コネクタ101とが嵌合するときは、雄補助金具56と係合凹部156とが相対的に移動し、係止凸部157aは、乗越部56bを乗越えて係止凹部56aと係合する。これにより、圧電素子193の変形量が大きく、それに伴う電圧の変化も大きいので、雄コネクタ1と雌コネクタ101との嵌合完了を正確に検出することができ、嵌合工程における不完全な嵌合の発生を確実に防止することができる。

さらに、圧電素子193は、係止腕157の変形する面に配設され、該面とともに変形して電圧を発生する。より具体的には、雄コネクタ1と雌コネクタ101との嵌合完了を検出する弾性端子としての係止腕157の上面、すなわち、係止腕157の変形方向に平行な平面に圧電素子193が配設され、該圧電素子193の発生する電圧の変化に基づいて、雄コネクタ1と雌コネクタ101との嵌合完了を検出する。したがって、圧電素子193の変形量が大きく、それに伴う電圧の変化も大きいので、雄コネクタ1と雌コネクタ101との嵌合完了を正確に検出することができ、嵌合工程における不完全な嵌合の発生を確実に防止することができる。

さらに、圧電素子193には一対の電極が接続され、一対の電極間の電圧の変化を検出電極211によって非接触で検出し、雄コネクタ1と雌コネクタ101との嵌合完了を検出する。これにより、非接触で圧電素子193の発生する電圧の変化を検出することができ、電圧測定装置215及び検出基板291を任意の場所に配設することができる。

さらに、圧電素子193の発生する電圧の変化に含まれる第1ピークP1及び該第1ピークP1と逆の極性の第2ピークP2を検出することによって、雄コネクタ1と雌コネクタ101との嵌合完了を検出する。より具体的には、雄コネクタ1と雌コネクタ101との嵌合工程において、圧電素子193の発生する電圧は2つのピークを有し、2番目に発生されるピークである第2ピークP2が検出された時点で、雄コネクタ1と雌コネクタ101との嵌合が完了したと、判断することができる。したがって、電圧測定装置215等が外部からのノイズ等を拾っても、嵌合が完了したことを示す第2ピークP2を確実に識別することができ、確実に嵌合完了を検出することができる。

また、前記第2ピークP2の極性は、1番目に発生されるピークである第1ピークP1の極性と逆である。したがって、電圧測定装置215等が外部からのノイズ等を拾っても、第1ピークP1と第2ピークP2とを確実に識別することができ、確実に嵌合完了を検出することができる。

さらに、雄コネクタ1は、平板状の雄導体51を備え、突出端子53は雄導体51の表面から突出する部材であり、雌コネクタ101は、平板状の雌導体151を備え、受容端子153は、雌導体151をパターニングすることによって形成された平板状の部材であり、その内側に形成された内側開口154aを含むとともに互いに対向する一対の接触腕部153aを含み、突出端子53が受容端子153と係合すると、一対の接触腕部153aが突出端子53を両側から弾性的に挟持する。

これにより、受容端子153と突出端子53との接触を安定的に維持することができ、瞬断の発生を確実に防止することができる。

次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。

図10は本発明の第2の実施の形態における雄コネクタの雄補助金具と雌コネクタの係止腕との係合状態を示す要部拡大斜視図である。

本実施の形態において、圧電素子193は、図に示されるように、係止腕157における雌コネクタ101の幅方向外側の側面、すなわち、係止腕157の変形方向に垂直な平面に配設されている。前記圧電素子193は、例えば、流動性を備える原料を係止腕157の側面に塗布して形成された薄層状の素子であって、係止腕157の側面に付着し、係止腕157の側面とともに変形可能となっている。なお、前記圧電素子193は、係止腕157の側面とともに変形可能なように係止腕157の側面に付着させることができるものであれば、例えば、別途薄膜状に形成されたものを接着剤等で係止腕157の側面に接着したものであってもよく、いかなる製法で作製されたものであってもよい。

さらに、上側導電層195が圧電素子193における係止腕157の側面と反対側の面に配設されている。これにより、圧電素子193の一方の面に付着した係止腕157と圧電素子193の他方の面に付着した上側導電層195とが、圧電素子193の一対の電極として機能するので、係止腕157の変形によって圧電素子193が発生する電圧を検出することができる。

なお、その他の点の構成及び動作については、前記第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。

このように、本実施の形態においては、雄コネクタ1と雌コネクタ101との嵌合完了を検出する弾性端子としての係止腕157における雌コネクタ101の幅方向外側の側面、すなわち、係止腕157の変形方向に垂直な平面に圧電素子193が配設され、該圧電素子193の発生する電圧の変化に基づいて、雄コネクタ1と雌コネクタ101との嵌合完了を検出する。したがって、圧電素子193の面積を狭くすることができ、圧電素子193の使用量を節約することができる。

なお、圧電素子193の変形量が小さく、それに伴う電圧の変化も小さいが、前記第1の実施の形態と同様に、圧電素子193の発生する電圧は第1ピークP1と第2ピークP2とを含むので、確実に嵌合完了を検出することができる。

次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1及び第2の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1及び第2の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。

図11は本発明の第3の実施の形態における雄コネクタの雄補助金具と雌コネクタの係止腕との係合状態を示す要部拡大斜視図である。

本実施の形態において、圧電素子193は、図に示されるように、雄コネクタ1の雄補助金具56の側面に配設されている。具体的には、係止凹部56aの底面、すなわち、係止腕157の変形方向に垂直な平面に圧電素子193が配設され、係止凹部56aに進入した係止凸部157aが圧電素子193に当接するようになっている。前記圧電素子193は、例えば、流動性を備える原料を係止凹部56aの底面に塗布して形成された薄層状の素子である。なお、前記圧電素子193は、係止凹部56aの底面に付着させることができるものであれば、例えば、別途薄膜状に形成されたものを接着剤等で係止凹部56aの底面に接着したものであってもよく、いかなる製法で製作されたものであってもよい。

また、圧電素子193の電極については、図に示されていないが、例えば、係止凹部56aの前端(図における左下端)及び後端(図における右上下端)の壁面に、それぞれ、電極を配設することによって、圧電素子193が発生する電圧を検出することができる。

本実施の形態においては、圧電素子193が雄補助金具56の係止凹部56aの底面に配設されているので、図8(c1)及び(c2)に示されるように、係止腕157の係止凸部157aが雄補助金具56の乗越部56bを乗越え、係止腕157のばね性によって係止凸部157aが係止凹部56a内に進入して圧電素子193に当接すると、該圧電素子193が押圧されて変形し、電圧を発生する。

本実施の形態においても、圧電素子193が発生する電圧を計測したところ、図9に示される例と同様に、前記電圧は、2つのピーク、すなわち、第1ピークP1と第2ピークP2とを有するものであった。

この場合、第1ピークP1は、乗越部56bを乗越えた係止凸部157aが係止凹部56aの底面の圧電素子193に衝撃的に当接したことによって、該圧電素子193が衝撃的に押圧されて変形し、発生したものである、と考えられる。また、第1ピークP1と逆の極性の第2ピークP2は、衝撃的な当接に対する反動として、係止凸部157aが反対方向に変位するとともに圧電素子193が反対方向に変形し、発生したものである、と考えられる。

なお、本実施の形態においては、前記第1の実施の形態において説明した金具絶縁層194及び上側導電層195は、不要なので、省略することができる。また、その他の点の構成及び動作については、前記第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。

このように、本実施の形態においては、圧電素子193は、雄補助金具56の側縁56cにおける係止腕157が当接する面に配設され、係止腕157に押圧されて電圧を発生する。より具体的には、雄コネクタ1と雌コネクタ101との嵌合完了を検出する固定端子としての雄補助金具56の側面、すなわち、係止腕157の変形方向に垂直な平面である係止凹部56aの底面に圧電素子193が配設され、該圧電素子193が係止凹部56aに押圧されることによって発生する電圧の変化に基づいて、雄コネクタ1と雌コネクタ101との嵌合完了を検出する。したがって、圧電素子193の面積を狭くすることができ、圧電素子193の使用量を節約することができる。また、簡素で一般的な形状の圧電素子193を固定された部材の面に取付けるだけなので、市販されている圧電素子を圧電素子193として利用することができ、コストを低減することができる。

なお、圧電素子193の変形量が小さく、それに伴う電圧の変化も小さいが、前記第1及び第2の実施の形態と同様に、圧電素子193の発生する電圧は第1ピークP1と第2ピークP2とを含むので、確実に嵌合完了を検出することができる。

次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、第1〜第3の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1〜第3の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。

図12は本発明の第4の実施の形態における雄コネクタと雌コネクタとの嵌合完了の検出動作を説明する斜視図である。

本実施の形態において、圧電素子193が発生する電圧の検出は、図に示されるような変色部材217によって行う。該変色部材217は、具体的には、電気的に引起こされる可逆的な酸化還元反応によって着色したり消えたりする高分子材料であるエレクトロクロミック材料(Electro Chromic Material)から成る部材であって、略長方形状の平板状の部材であり、長手方向両端に一対の接続電極217aを備える。そして、該接続電極217aの各々は、圧電素子193の一対の電極の各々に、図示されない導電トレースを介して、導通されている。

圧電素子193が電圧を発生すると、該電圧によって変色部材217の色が変化するので、圧電素子193が発生する電圧を検出することができる。なお、エレクトロクロミック材料の色の変化には、通常、ある程度の持続性があるので、圧電素子193が発生する電圧が短時間に変化するものであっても、オペレータは、変色部材217の色の変化を視認することができる。また、電圧に応じて異なる色に変化するエレクトロクロミック材料を選択することにより、圧電素子193が発生する電圧の第1ピークP1と、該第1ピークP1と逆の極性の第2ピークP2とを色の違いによって識別することができる。

なお、図に示される例において、変色部材217は、第1基板91の裏面に配設されているが、第2基板191の裏面に配設されていてもよいし、第1基板91及び第2基板191から離れた場所に配設されていてもよい。オペレータが視認可能な場所であって、接続電極217aを圧電素子193の電極に導通させることが可能な場所であれば、変色部材217は、いかなる場所に配設されていてもよい。

また、その他の点の構成及び動作については、前記第1〜第3の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。

このように、本実施の形態においては、エレクトロクロミック材料から成る変色部材217の色の変化によって圧電素子193の発生する電圧の変化を検出し、これにより、雄コネクタ1と雌コネクタ101との嵌合完了を検出する。したがって、オペレータは、変色部材217の色の変化を視認することによって、容易に雄コネクタ1と雌コネクタ101との嵌合完了を判断することができる。

また、電圧測定装置215及び検出基板291が不要であり、構成を簡素化して、コストを低減することができる。

なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。

本発明は、コネクタに適用することができる。

1 雄コネクタ 15、115 ベースフィルム 15c ベースフィルム端部 16、119 補強層 16c 補強層端部 50、150 導体パターン 51 雄導体 52、152 パターン分離空間 53 突出端子 56 雄補強金具 56a 係止凹部 56b 乗越部 56c 側縁 58 テール部 91 第1基板 101 雌コネクタ 115a 端子対応開口 115b、116b、117b、118b 係合凹部対応開口 115c、116c、117c、118c 中間金具部対応開口 116 補強枠層 116a、117a、118a 中央開口 117 カバーフィルム 118 接着層 151 雌導体 153 受容端子 153a 接触腕部 154 端子収容開口 154a 内側開口 154b 外側開口 155 雌補助金具 155c 中間金具部 155f 前方金具部 155r 後方金具部 156 係合凹部 157 係止腕 157a 係止凸部 157b 傾斜部 157c 空隙部 191 第2基板 193、893 圧電素子 194 金具絶縁層 195 上側導電層 211 検出電極 215 電圧測定装置 216 導電線 217 変色部材 217a 接続電極 291 検出基板 861 プラグ端子 897 検出装置 898 発光素子 961 レセプタクル端子

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