A circuit for implementing the method and a method for using the X-ray image intensifier tube

申请号 JP19323995 申请日 1995-07-28 公开(公告)号 JP3714704B2 公开(公告)日 2005-11-09
申请人 トムソン・チユーブ・エレクトロニークThomson Tubes Electroniques; 发明人 アラン・ジラール; イバン・ラコストウ; エリツク・マルシユ; ジヤン−マリー・ドウオン; ダミアン・バルジヨ;
摘要
权利要求
  • 一連の電極を備え、それらの電極の中に、オフ状態と動作状態を交互にとることができる光電陰極を有するX線画像増強管を使用する方法であって、 前記 X線画像増強管が動作状態にあるときに実質的に零の動作電圧を 前記光電陰極に印加することから成り、前記実質的に零の動作電圧より高い正のターンオフ電圧を 前記光電陰極に印加することで前記X線画像増強管をオフ状態にし、 前記 X線画像増強管がオフ状態にある時に、前記光電陰極に容量結合されている付近の電極の電圧に、 前記 X線画像増強管が動作状態にある時にその電圧が有する公称値に対してずれた電圧を加えることでオフ状態から動作状態への移行中に、 前記付近の電極の電圧がその公称値を速やかに回復することを特徴とするX線画像増強管を使用する方法。
  • 前記ターンオフ電圧が実質的に+1000Vであることを特徴とする請求項1に記載の使用方法。
  • 前記電流に比例する電圧の測定によって前記光電陰極における電流を決定し、 前記光電陰極の電圧の切り替え中に現れる前記電流の急激なピークを除去するためにコンデンサが使用されることを特徴とする請求項1に記載の使用方法。
  • オフセット を、オフ状態への移行の直後に 前記付近の電極の電圧がとった値から決定することを特徴とする請求項 に記載の使用方法。
  • 「プッシュ−プル」モードで装着された2個のMOSトランジスタ 及びオプトエレクトロニック手段を含む光電陰極の電圧を切り替えるための 切り替え回路を備えており、 第1のトランジスタのソースと 第2のトランジスタのドレインが電源端子に接続され、前記光電陰極は 前記第1のトランジスタ と前記第2のトランジスタとの間の共通点 接続され、 前記オプトエレクトロニック手段は、前記 X線画像増強管がオフ状態にある時に 前記光電陰極がターンオフ電圧に等しい電圧を有するように、 前記第1のトランジスタをターンオフし、 前記第2のトランジスタを飽和させ、 前記 X線画像増強管が動作状態にある時に 前記光電陰極がほぼ零電圧を有するように、 前記第1のトランジスタを飽和させ、 前記第2のトランジスタをターンオフすることを特徴とする請求項1に記載の方法を実施する回路。
  • 前記オプトエレクトロニック手段が1個の 前記トランジスタごとに1つの光結合器を備えており、前記光結合器が 前記トランジスタのゲートとソースの間に設けられたトリガと、前記トリガを起動するための発光ダイオードと、 前記 X線画像増強管 が動作状態であるかオフ状態であるかに応じて前記ダイオー ドを制御する論理回路とを備えることを特徴とする請求項5に記載の回路。
  • 前記トランジスタがNチャネルMOSトランジスタであることを特徴とする請求項5に記載の回路。
  • 前記光電陰極が外装ケーブルによって前記共通点に接続されることを特徴とする請求項5に記載の回路。
  • 前記光電陰極における電流を決定するための 決定回路を備え、この 決定回路は、ダイオードおよび抵抗の組み合わせと並列に接続されたコンデンサにより形成される並列回路を備え、該並列回路は、前記電源に接続される前記 第1のトランジスタのソースとアースとの間に設置され、前記抵抗の両端における電圧が電流に比例することを特徴とする請求項5に記載の回路。
  • 前記光電陰極の付近の電極の電圧を安定させるための 安定化回路を備え、この 安定化回路は 差動増幅器を含み、
    その出力端子が 前記付近の電極に接続され、
    その非反転入力端子が切り替えスイッチに接続され、そのスイッチは 前記 X線画像増強管 が動作状態であるかオフ状態であるかに応じて制御され、そのスイッチは、第1の位置においては第1の指示された値の電圧を受け、第2の位置においては第2の指示された値の電圧を受け、
    その反転入力端子が、 当該差動増幅器の出力端子とアースの間に接続されている抵抗ブリッジの2個の抵抗の間の共通点に接続され、
    前記第1の指示された値の電圧が 前記付近の電極の電圧にその公称値を与え、 前記第2の指示された値の電圧がこの電圧にそのオフセット値を与えることを特徴とする請求項5に記載の回路。
  • 前記第1の指示された値の電圧が調整ポテンショメータを介して基準電圧によって与えられることを特徴とする請求項10に記載の回路。
  • 前記第2の指示された値の電圧が、 前記 X線画像増強管がオフ状態に移行した直後に 前記付近の電極の電圧に比例する電圧 を測定する 測定回路によって与えられることを特徴とする請求項10に記載の回路。
  • 前記測定回路の測定入力端子が 前記抵抗ブリッジの2個の抵抗の間の共通点に接続されることを特徴とする請求項12に記載の回路。
  • 電源セットが 前記差動増幅器の出力端子と 前記抵抗ブリッジの間に挿入されることを特徴とする請求項10に記載の回路。
  • 说明书全文

    【0001】
    【発明の属する技術分野】
    本発明は、特に医用X線画像増強管に関するものである。 それらのX線画像増強管は、X線発生器と、最も普通には患者である検査すべき物体と、Xフォトンによって与えられた物体の画像を増強された光像に変換する増強管自体と、最後に写真機、撮影機、テレビカメラ、および画像処理回路を一般的に含む画像獲得/画像分析装置とから構成される一連の装置で使用されるのが普通である。
    【0002】
    【従来の技術】
    ある用途、特に心臓学においては、この種の機器を2組使用する。 それら2組の機器を相互に直に配置し、交互に動作させる。 物体は2本のX線ビームによって同時に照射されないので、1組の装置が動作しているときは、他の組の機器は動作しない。 それら2組の機器によって2つの方向のX線画像を得ることが可能になる。 1組の機器が動作しているときは、画像を生じないように他の1組の機器のX線画像増強管はシャッターを閉じる、すなわち動作を停止していなければならない。 実際に、患者は散乱によって大量のX線を発生する。 それらのX線は動作していない1組の機器のX線画像増強管によって拾われることがあり、その際にそのX線画像増強管が生ずる画像は貧弱である。
    【0003】
    一般に、30ヘルツから90ヘルツまで変化する周波数で2組の機器は交互に動作する。 各X線発生器は、一般に50マイクロ秒から8ミリ秒まで変化する持続時間を有するX線パルスを与える。 各X線画像増強管は400マイクロ秒より短い時間、または可能ならばそれよりも短い時間で動作を切り換えなければならない。
    【0004】
    図1に示すようなX線画像増強管は、検査すべき物体4から出たX線ビーム3を受ける入射面2を有する密閉ケーシング1によって形成される。 X線フォトンは入射面2を通って主スクリーン5に入る。 そのスクリーンは、入射面2の側から、シンチレータ6と、導電層7と、光電陰極PCとを含む。 シンチレータ6はX線フォトンを光フォトンに変換する。 それらの光フォトンは光電陰極PCを励起する。
    【0005】
    光電陰極PCは光フォトンを電子に変換する。 導電層7はインジウムの酸化物で製造できる。 その後で電子を取り出し、加速し、一連の電極で集束する。 それらの電極には3個の連続する電極G1、G2、G3とその後に続く陽極Aがある。 電子は進行の終りに第2のスクリーン8すなわち出スクリーンに入射する。 その出力スクリーンは電子を光フォトンに変換する。 増強された画像が第2のスクリーン8の上に形成される。 その画像は検査すべき物体4から来た画像をより小さい形で再構成する。
    【0006】
    すべての電極には直流電流を適当なやり方で供給しなければならない。 安定化電源(図1には図示せず)を必要とする。 いくつかの出力を持つ1台の電源を使用できる。 各電極の公称電圧の大きさは次の通りである。
    【0007】
    光電陰極PC: 0V
    電極G1: 0V〜+350V
    電極G2: +200V〜+2000V
    電極G3: +2kV〜+20kV
    陽極A: +30kV
    電極G1、G2、G3の電圧は一般に調整できる。 そうすることによって第2のスクリーン上で拡大鏡効果を得ることが可能になる。 光電陰極の電圧と陽極Aの電圧は一般に固定される。
    【0008】
    図1に示すX線画像増強管などの最新のX線画像増強管においては、密閉ケーシング1は第1の金属部分11を有する。 この金属部分は入射面2を含み、電極G1を形成する。 光電陰極PCはこの金属部分11から電気的に分離され、絶縁ビーム9が設けられる。 金属部分11はガラス部分12によって延長されてケーシング1を囲む。 他の電極G2、G3、Aはこのガラス部分を通る。 最も古いX線画像増強管は全面ガラスケーシングを有していた。
    【0009】
    通常は、X線画像増強管の動作を停止させる操作は、電極G1またはG2あるいは両方の電圧を切り替えることによって行われる。 現在ではいくつかの方法を用いている。 それらの方法の1つは、X線画像増強管が動作している時は0Vと+350Vの間にある電極G1の電圧を、約−700Vに切り替えることである。
    【0010】
    この方法をあらゆるX線画像増強管にあらゆる態様で適用することはできない。 更に、電極G1がケーシングの一部を成すX線画像増強管の場合には、この電極の電圧をアース電圧と非常に離れた値にすることは危険なことがある。
    【0011】
    別の既知の方法は、約−1300Vの電圧を電極G2に加えることにある。 電極G2を用いて電子ビームを集束する。 X線画像増強管を動作させるために使用される切り替え操作中は、X線画像増強管のぴんぼけを防止するために、電極G2は約千分の3の精度で適切な動作電圧(+200Vと+2000Vの間)を回復しなければならない。
    【0012】
    X線画像増強管の動作を停止させることを目的とする切り替え操作は、迅速に行わなければならず、電極G2に加えられる電位の大きな差(−1300Vと+2000Vの間)が、容量結合によって、特に電極G3の付近の電極の電圧の乱れを促進する。 そうすると画質が大きく低下する。
    【0013】
    X線画像増強管の動作を行わせることを目的とする電極G2の切り替え操作中に、電極G3の電圧は上昇してピークを成す。 それからその電圧は徐々に降下してその公称値へ戻る。 電極G3の電圧の安定化は、何ミリ秒か後になって始めて効果を表すが、400マイクロ秒の終りに千分の1より十分下のレベルまで電極G3の電圧を回復させることが求められる。
    【0014】
    更に、切り替え操作中に電極G2に加えられる電位の大きな差と、X線画像増強管を動作させることを目的とする切り替え操作中の電極G2における電圧の回復精度とのために、切り替え回路が複雑になる。
    【0015】
    別の既知の方法は、電極G1とG2の電圧を同時に切り替えることにある。 そのために、(X線画像増強管が動作中に電極G2の電圧が約2000Vであるならば)電極G2の電圧を約700〜1000Vだけ降下させ、電極G1は約−700Vをとる。 この方法は、切り替え操作中に電極G2の付近の電極における乱れを最小にするために使用する。 しかし、2種類の高電圧を高い回復精度で切り替えることは、複雑で高価な切り替え回路を必要とすることになる。
    【0016】
    切り替え回路は直列接続されたいくつかのバイポーラ・トランジスタ、または発振器トランスとその後に続く整流器を一般に使用する。
    【0017】
    バイポーラ・トランジスタを用いる回路は設計が面倒であり、そのために費用がかさむ。
    【0018】
    トランスを使用する回路は切り替える電圧と切り替える速さの点で制約があり、大きな電力を消費する。 したがって、そのような回路は効率が低い。
    【0019】
    切り替えるべき電極は、他の電極への容量結合が最小になり、したがって、切り替えによってひき起こされる他の電極の電圧の乱れが最小になるように、外装ケーブルによって切り替え回路に結合される。 2個の電極を同時に切り替える例では、2本の外装ケーブルが必要である。
    【0020】
    切り替えられる電極に近く、容量結合のために電圧が乱される電極は電圧安定化回路を必要とする。 それらの電極には非常に高い電圧が加えられるので、安定化回路はその電圧に応じた寸法にすべきである。 大きい減結合コンデンサまたは高速安定化回路を使用することが可能である。 コンデンサは大量のエネルギーを充電するので大型で、危険である。 コンデンサは電圧安定化時間を長くすることが良く知られている。
    【0021】
    安定化回路は複雑で、コストが高くつき、過渡現象に対して保護することが困難である。 さらに、大型である。
    【0022】
    【発明が解決しようとする課題】
    本発明は、上記諸欠点を持たないX線画像増強管を使用する方法に関するものである。
    【0023】
    【課題を解決するための手段】
    本発明の方法は、X線画像増強管が動作状態にあるときに、ほぼ零の動作電圧を光電陰極に加えることから成る。 この方法によれば、正のターンオフ電圧をこの光電陰極に加えるが、このターンオフ電圧は動作電圧より高いので、X線画像増強管はオフになる。 約+1000Vの電圧がターンオフ動作を達成する。
    【0024】
    本発明の方法は、光電陰極の電圧の切り替え時に現れる電流の急激なピークを除去し、前記電流に比例する電圧の測定によって光電陰極中の電流を決定することにある。
    【0025】
    それらの急激なピークはコンデンサによって吸収できる。 この電流決定は、特に、X線画像増強管が受けるX線の密度を知りたい人にとっては貴重である。
    【0026】
    本発明の方法は、光電陰極と付近の電極の間の強い容量結合による、X線画像増強管のぴんぼけを阻止できる。 このために、この方法は、X線画像増強管が動作状態にある時に電極の電圧が持つ公称値より大きいオフセット値を、X線画像増強管が動作を停止している時に、電極の電圧に加えることにある。 動作停止状態から動作状態へ移行している間は、電極の電圧はその公称値を自動的にとる。
    【0027】
    そのために、オフ状態への移行直後に電極の電圧が取った値に基づいてオフセット値が決定される。
    【0028】
    この方法を実現するための回路は、プッシュプル・モードで配置された2個のMOSトランジスタで構成され、オプトエレクトロニック手段によって制御される切り替え回路を含む。
    【0029】
    光電陰極中の電流を決定する回路を含むと有利なことがある。
    【0030】
    光電陰極に容量結合されている電極電圧を安定化する回路を設けることができる。
    【0031】
    【発明の実施の形態】
    X線画像増強管を使用する本発明の方法は、X線画像増強管が動作状態にある時にその光電陰極にほぼ零の動作電圧を加え、かつ、X線画像増強管が動作を停止するように動作電圧より高い正のターンオフ電圧をそれに加えることから構成される。
    【0032】
    ターンオフ動作を行わせるために約+1000Vの電圧を使用できる。
    【0033】
    図2は本発明の方法を実現するための回路を示す。 この回路は、光電陰極PCの電圧を切り替えるためにプッシュプル・モードで設けられた2個の高電圧MOSトランジスタQ1、Q2を使用する切り替え回路を有する。 第1のトランジスタQ1のドレインd1は第2のトランジスタQ2のソースs2に接続される。 それらのMOSトランジスタはNチャネル型トランジスタとすると有利である。 それらのトランジスタは光結合器OC1、OC2によっておのおの制御される。 各光結合器はトリガTR1、TR2を有する。 トリガTR1、TR2は発光ダイオードDEL1、DEL2に組合わされる。 第2のトランジスタQ2のドレインd2が、ターンオフ電圧を供給する直流電源Uの正端子に接続される。 たとえば、この電圧は1000Vにできる。 第2のトランジスタQ2のゲートg2が第2の光結合器OC2のトリガTR2によって起動される。 光結合器OC2は第2のトランジスタQ2のソースs2を基準としている。 第1のトランジスタQ1のドレインd1は第2のトランジスタQ2のソースs2に接続される。 第1のトランジスタQ1のゲートg1が第1の光結合器OC1のトリガTR1によって起動される。 光結合器OC1は第1のトランジスタQ1のソースs1をその基準としている。 電源Uの負端子が第1のトランジスタQ1のソースs1に接続される。 2つのトリガTR1、TR2は浮動電源Vによって給電される。 光結合器OC1、OC2はしきい値効果を伴うオール・オア・ナシング・モードで動作する。 光結合器はシュミットトリガで構成できる。 トリガTR1、TR2が十分に照明されると、それらのトリガはただちに導通状態になる。 トランジスタQ2のソースs2と第1のトランジスタQ1のドレインd1の間の共通点Iに光電陰極PCが接続される。
    【0034】
    X線画像増強管をオフ状態にできるようにするために、論理回路CLにターンオフ・コマンドが加えられる。 論理回路CLは第1の光結合器OC1の発光ダイオードDEL1の動作を停止させ、第2の光結合器OC2の発光ダイオードDEL2を動作させる。 ただ1つのMOSトランジスタが導通状態になることが確実である。 動作した発光ダイオードDEL2はトリガTR2を起動する。 そうすると第2のトランジスタQ2のゲート−ソース間電圧Ugs2が正になる。 そうすると第2のトランジスタQ2は飽和して、光電陰極PCの電圧Upcが電源Uの正電位、すなわち、ここで説明している例では+1000Vになる。 その間は、第1の光結合器OC1の発光ダイオードDEL1はオフであるので、トリガTR1は起動されず、第1のトランジスタQ1のゲート−ソース間電圧Ugs1が零で、第1のトランジスタQ1はオフである。 X線画像増強管が動作状態になって、オフ・コマンドなしで、動作するようになると、論理回路CLは第2の光結合器OC2の発光ダイオードDEL2の動作を停止し、その後で第1の光結合器OC1の発光ダイオードDEL1を動作させる。 そうするとトリガTR2は動作を停止し、トリガTR1は動作する。 そのために第1のトランジスタQ1のゲート−ソース間電圧Ugs1が正になり、第1のトランジスタQ1は飽和する。 第2のトランジスタQ2のゲート−ソース間電圧Ugs2が零になり、第2のトランジスタQ2はオフになる。 その時、光電陰極PCの電圧Upcは零になる。
    【0035】
    X線画像増強管が動作状態にあるときは、光電陰極PCの電圧Upcはほぼ零であり、X線画像増強管がオフ状態にあるときは、その電圧Upcは約1000Vであるので、使用する切り替え回路は、はるかに高い電圧を切り替えていた従来の切り替え回路より簡単で、信頼度が一層高く、より高速である。 その切り替え回路では高い回復精度、たとえば、ターンオン動作中は1Vの精度を達成できる。 従来の回路では、不安定または不正確さが生じる可能性があった。
    【0036】
    本発明の方法は、一部が金属ケーシングである図1に示すX線画像増強管などのX線画像増強管に特に良く適する。 光電陰極PCはケーシング1の内部で良く絶縁されている。 そうするとその電圧を切り替えることが可能である。 もちろん、全ガラスケーシングの旧いX線画像増強管にも本発明は適合される。
    【0037】
    X線画像増強管においては、光電陰極PCは電極G2とG3および陽極Aから比較的離れている。 X線画像増強管の内部での光電陰極PCとそれらの電極の間の容量結合は無視できる。
    【0038】
    光電陰極PCの電圧の切り替えによって生じる乱れを、切り替え回路を光電陰極に接続する外装ケーブルの使用によって制限できる。 このケーブルを図2に参照記号CBで示す。
    【0039】
    X線画像増強管の使用者が光電陰極PCの電流Ipcの値を決定するのが有用なことがある。 こうすることによって、たとえば、X線画像増強管が動作しているときにシンチレータで受けたX線の密度の大きさを定めることが可能になる。 しかし、光電陰極PCの電圧の切り替え中に光電陰極PCに大きくて鋭い電流ピークIpcが現れる。 本発明の使用方法は、電流の大きなピークなしにこの電流を間接的に決定することにある。 そうすると、この方法を実施する回路は、一方では第1のトランジスタQ1のソースs1に接続され、もう一方では接地されるコンデンサCを含む決定回路CDを備える。 このコンデンサCは切り替え動作中に現れる電流ピークを吸収する。 この決定回路CDは、このコンデンサCと並列に、ダイオードDと抵抗Rによって構成された直列ユニットも含む。 ダイオードDのアノードはコンデンサCに接続され、そのカソードは抵抗Rに接続される。
    【0040】
    この使用法は抵抗Rの端子における電圧Urを測定することから成る。 この電圧Urは、光電陰極の電圧の切り替えに対応する時間と、X線画像増強管の動作停止に対応する時間の外で光電陰極PCの電流Ipcを反映する。
    【0041】
    図3a、図3b、図3c、図3dはそれぞれ次のようなパラメータを経時的に示す。 すなわち、光電陰極PCの電圧Upc、光電陰極PCの電流Ipc、コンデンサCの端子における電圧Uc、および抵抗Rの端子における電圧Urがそれである。
    【0042】
    側面が比較的鋭い方形波からなる、光電陰極の電圧Upcは、X線画像増強管が動作状態にあるときは零であり、X線画像増強管がオフ状態にあるときはターンオフ電圧に等しい。
    【0043】
    電流Ipcは、電圧Upcがターンオフ電圧に等しい時は零であり、X線画像増強管が動作状態にあり電圧Upcが零である時は値Ipc1に等しい。 動作状態に移行する時は、この電流Ipcは正の値をとる。 オフ状態に移行する時は、この電流Ipcは負の値をとる。
    【0044】
    電圧Upcがターンオフ電圧に等しく、X線画像増強管がオフである時は、電圧Ucは負であり、ダイオードDはオフで、電圧Urは零である。 X線画像増強管が動作状態にある時は、電圧Ucは正であり、ダイオードDは導通し、電圧Urは、
    Ur=R・Ipc
    となるような値である。
    【0045】
    光電陰極PCと近くの電極G1が近接しており、かつ光電陰極PCと電極G1との表面積のために、光電陰極PCと電極G1の間に大きな容量結合が存在する。 この寄生容量はおよそ数百ピコファラドである。 X線画像増強管を効果的に集束するためには、X線画像増強管が動作している間は、電極G1の電圧Ug1は約1Vに安定でなければならない。 X線画像増強管がオフである間は、電極G1の電圧Ug1はほとんど重要ではない。 電源電圧を電極G1に供給する電源の出力容量は数十ナノファラドである。 この出力コンデンサは、光電陰極PCと電極G1の間の寄生容量とともに容量分圧器を構成する。 したがって、光電陰極PCの電圧Upcを切り替えることによって電極G1の電圧Ug1のオフセットが促進される。 電極G1の電圧の変化と、光電陰極の電圧の変化とは同じ向きである。 オフセットの振幅は光電陰極PCの電圧Upcの変化の振幅の数百分の1である。
    【0046】
    これを図4aに関連して図4bのグラフに示す。
    【0047】
    オフ状態になる直前の時刻toで、電極G1の電圧Ug1はその公称値である値U1を有する。 光電陰極の電圧を0Vから+1000Vへ切り替えることによって、電極G1の電圧Ug1が値【0048】
    【数1】

    【0049】


    まで増加する。


    【0050】


    【数2】


    【0051】


    は10Vの範囲にある。 電極G1の電圧の調節により光電陰極の電圧が+1000Vを維持している限り、電極G1の電圧は徐々に低下してこの公称値U1に戻る。 これには約数ミリ秒の時間を要する。


    【0052】


    X線画像増強管を動作状態に置くように設計された光電陰極PCの電圧の切り替え中に、電極G1の電圧は他の向きに再びずれ、値【0053】


    【数3】


    【0054】


    をとる。 その後、電極G1の電圧Ug1は徐々に上昇してその公称値U1に戻る。 この時間中(数ミリ秒)は、X線画像増強管はぴんぼけになって、求めている用途に適合しない。 X線画像増強管をターンオフする目的で新たな切り替え操作を行う前に、電極G1の電圧Ug1はその公称値U1を回復していると仮定する。


    【0055】


    次に図4cを参照する。


    【0056】


    大きい減結合コンデンサ、または電圧Ug1を迅速に安定させる複雑な安定化回路を使用する代わりに、本発明の方法は、オフ状態への移行の直後に電圧Ug1の値U'1を測定することを提案するものである。 この値U'1は公称電圧U1より高い。 そうすると、この方法はX線画像増強管がオフである限り電極G1の電圧をこの値U1に保つことを求めることにある。 動作状態へ移行中にずれつつある電圧Ug1はその公称値U1にそれ自体で戻る。 ぴんぼけを解消するためには、電極G1に再びこの公称値U1を保持するだけで十分である。


    【0057】


    図5は、本発明の方法を実施するために設けられた、電極G1の電圧を安定させるための回路を示す。


    【0058】


    この回路は差動増幅器A1を有する。 この差動増幅器の出力は電極G1に供給される。 差動増幅器A1の出力端子と電極G1の間に電源CPを挿入すると有利なことがある。 この電源は電極G1の電源電圧に適切な電力を供給する。 電源はたとえば、変圧器または高電圧トランジスタで構成できる。


    【0059】


    直列接続された2個の抵抗R1、R2が、電源CPの出力端子とアースの間に接続される。 抵抗R1は電源CPに接続され、抵抗R2は接地される。 たとえば、R1=99R2であるようにそれらの抵抗を選択することが可能である。 そうすると1/100の分圧ブリッジを構成できる。 電極G1に加えられる電圧Ug1はその分圧ブリッジの端子に存在する電圧である。


    【0060】


    増幅器A1の非反転入力端子は、2つの入力端子e1とe2を有する切り替えスイッチKの出力端子に接続される。


    【0061】


    増幅器A1の反転入力端子は、分圧ブリッジの2個の抵抗R1とR2の間の共通点に接続される。 差動増幅器A1は誤差増幅器と同様にして標準的なやり方で装着される。 切り替えスイッチKの第1の入力端子e1が調整ポテンショメータPを介して電圧基準U'に接続される。 この電圧基準U'は、電極G1の電圧をその公称値U1にするために構成された第1の指令された値を差動増幅器A1に与える。 この電圧基準は他の手段によって得られる。


    【0062】


    すなわち、Kの第2の入力端子e2が回路C1に接続される。 その回路は分圧ブリッジの2個の抵抗R1とR2の間の共通点に接続される。


    【0063】


    回路C1は第2の指令された値の電圧を入力端子e2に供給する。 この第2の指令された値の電圧は、X線画像増強管がオフ状態にある限り、オフセット値U'1を電極G1の電圧Ug1に加える。


    【0064】


    この回路C1は、オフ状態に移行した直後に抵抗R2の端子における電圧Ur2を測定する際に、第2の指令された値の電圧の値を決定する。


    【0065】


    R1=99R2であれば、


    Ur2=Ug1/100


    Ur2=U'1/100


    である。


    【0066】


    オフ状態に移行する時にスイッチKはその位置2に切り替わる。 差動増幅器A1は第2の指令された値を受け、電極G1が電圧U'1に保持される。


    【0067】


    X線画像増強管が動作状態になると、電圧Ug1自体が公称値U1に戻り、スイッチKはその位置1に切り替わり、状態の変化が起きない限り、第1の指令された値の電圧が電圧Ug1に加えられる。


    【0068】


    好ましくは、漏れ電流が既知であり、本発明の方法を実施するために使用する回路に適合するように、切り替え回路のMOSトランジスタは漏れ電流によって分類される。 また好ましくは、それらはドレイン−ソースなだれエネルギーによって特定される。


    【0069】


    図2に示す例では、トランジスタはNチャネル型トランジスタである。 正の電圧の代わりに負のゲート−ソース電圧を加えてそれらのトランジスタを飽和させる場合、それらのトランジスタをPチャネル型トランジスタにすることもできる。


    【図面の簡単な説明】


    【図1】本発明の方法を応用できるX線画像増強管の例を示す図である。


    【図2】本発明の方法を実施するために、光電陰極の電圧を切り替える回路と光電陰極の電流を決定する回路を含む回路の例を示す。


    【図3a】光電陰極の電圧のタイミング波形図である。


    【図3b】光電陰極の電流のタイミング波形図である。


    【図3c】決定回路のコンデンサの端子における電圧のタイミング波形図である。


    【図3d】決定回路の抵抗の端子における電圧のタイミング波形図である。


    【図4a】光電陰極の電圧の時間に関するグラフである。


    【図4b】既知の使用方法による電極G1の電圧の時間に関するグラフである。


    【図4c】本発明の方法による電極G1の電圧の時間に関するグラフである。


    【図5】電極G1の電圧を安定させるための回路の例を示す。


    【符号の説明】


    Q1,Q2 トランジスタTR1,TR2 トリガDEL1,DEL2 発光ダイオードOC1,OC2 光結合器CL 論理回路CD 決定回路

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