MEMSスイッチ

申请号 JP2013537277 申请日 2011-10-06 公开(公告)号 JPWO2013051064A1 公开(公告)日 2015-03-30
申请人 富士通株式会社; 发明人 豊田 治; 治 豊田; 島内 岳明; 岳明 島内;
摘要 【課題】製造が容易で、スティッキングを有効に抑制できるMEMSスイッチを提供する。【解決手段】MEMSスイッチは、固定支持部と、固定支持部に少なくとも1端が固定支持され、延在する可動表面を有する板状可撓梁と、可撓梁の可動表面に配置された可動電気接点と、固定支持部に対する 位置 が固定され、可動電気接点に対向する固定電気接点と、固定支持部から可動電気接点に向かって、可撓梁の可動表面上方に延在し、電圧駆動することにより可動電気接点を固定電気接点に向かって変位させることのできる第1圧電駆動素子と、少なくとも可撓梁の可動表面に配置され、電圧駆動することにより可動電気接点が固定電気接点から離れる向きに、可撓梁の可動部を駆動する第2圧電駆動素子と、を有する。
权利要求
  • 固定支持部と、
    前記固定支持部に少なくとも1端が固定支持され、延在する可動表面を有する板状可撓梁と、
    前記可撓梁の可動表面に配置された可動電気接点と、
    前記固定支持部に対する位置が固定され、前記可動電気接点に対向する固定電気接点と、
    前記固定支持部から前記可動電気接点に向かって、前記可撓梁の可動表面上方に延在し、電圧駆動することにより前記可動電気接点を前記固定電気接点に向かって変位させることのできる第1圧電駆動素子と、
    少なくとも前記可撓梁の可動表面に配置され、電圧駆動することにより前記可動電気接点が前記固定電気接点から離れる向きに、前記可撓梁の可動部を駆動する第2圧電駆動素子と、
    を有するMEMSスイッチ。
  • 前記第1圧電駆動素子、前記第2圧電駆動素子の夫々が、下部電極と下部電極上に配置された圧電材料層と圧電材料層の上に配置された上部電極を有する請求項1記載のMEMSスイッチ。
  • 前記可動電気接点は前記可撓梁の幅方向中央部に配置され、前記第2圧電駆動素子は前記可動電気接点の幅方向両側に配置された1対の圧電駆動部を有する請求項2記載のMEMSスイッチ。
  • 前記固定支持部が支持Si基板上に、酸化シリコン層を介して、活性Si層が結合されたSOI基板で形成され、
    前記可撓梁が前記活性Si層で形成され、一定の幅を有し、長さ方向に延在するストライプ形状を有する請求項3記載のMEMSスイッチ。
  • 前記可撓梁が両持ち梁構造であり、前記可動電気接点および前記第2圧電駆動素子が前記両持ち梁の中間部に配置されている請求項4に記載のMEMSスイッチ。
  • 前記可撓梁が片持ち梁構造であり、前記可動電気接点および前記第2圧電駆動素子が前記片持ち梁の自由端近傍に配置されている請求項4に記載のMEMSスイッチ。
  • 前記第1圧電駆動素子を制御する第1制御回路と、
    前記第2圧電素子を制御する第2制御回路と、
    をさらに有する請求項1記載のMEMSスイッチ。
  • 前記第1制御回路と前記第2制御回路とが相互誘導で結合されている、請求項7記載のMEMSスイッチ。
  • 前記第1制御回路と前記第2制御回路を制御するマイクロプロセッサをさらに含む請求項7記載のMEMSスイッチ。
  • さらに前記第1制御回路の稼動数をカウントするカウンタを含み、前記マイクロプロセッサは前記第1制御回路の複数回の稼動に対して前記第2制御回路を1回稼動させる請求項9記載のMEMSスイッチ。

  • 说明书全文

    本発明は、MEMS( m icro e lectro m echanical s ystem)スイッチに関する。

    10mm以下の寸法の構成部分を有する電気機械的部材をMEMSと呼ぶ。

    シリコン加工技術は、集積回路の進歩と共に高度に発達し、MEMS作製に適している。 支持Si基板上に、酸化シリコン膜を接着膜(ボンディング酸化膜BOX膜)として、活性Si層を貼り付けたSOI基板は、活性Si層を薄くでき、誘電体分離の高性能Si素子を形成できるのみでなく、酸化シリコン膜は希弗酸等で選択的に除去でき、可動部を有するMEMS作製に利用できる。 SOI基板は、一般的には、1対のSi基板の少なくとも一方を熱酸化し、酸化シリコン膜を介して1対のSi基板を熱圧着することで作製される。

    携帯電話等の高周波(RF)部品に対する小型化、高性能化の要求に応えるため、MEMS技術を用いたRF信号切り替えスイッチの研究、開発が盛んに行われている。 SOI基板の活性Si層をストライプ上にパターニングし、ボンディング酸化膜を除去して可撓梁を形成し、可撓梁上に可動接点、可撓梁上方に固定接点を形成して、MEMSスイッチを構成することができる。 可撓梁は、片持ち梁(カンチレバー)構造でも、両持ち梁構造でもよい。 MEMSスイッチは機械的なスイッチであって、寄生容量を小さくでき、半導体素子を用いたスイッチに比べ、損失が少なく、絶縁性が高く、信号に対する歪み特性がよい。

    SOI基板の活性シリコン層を片持ち梁形状にパターニングし、片持ち梁下方のBOX膜をエッチング除去して、可撓片持ち梁を形成することができる。 片持ち梁上に可動電極、その上方に延在する固定電極を形成し、片持ち梁を上方に変形可能とすればスイッチを形成することができる。 可撓片持ち梁を上方に変形する手段としては、圧電アクチュエータを用いる方法、静電アクチュエータを用いる方法等が知られている(例えば、特開2006−261515号)。

    図11Aに示すように、表面に絶縁層を有する活性シリコン層ALをパターニングし、下方のボンディング酸化膜BOXを除去することで、弾性を有する片持ち梁(カンチレバー)CLを形成することができる。 片持ち梁CLの上面先端に可動コンタクト電極MCEを形成すると共に、必要領域に下地導電層を形成する。 固定部から可動コンタクト電極MCE上方に延在する固定コンタクト電極FCEを形成してスイッチの接点対を形成する。 片持ち梁CLの根元部から中間位置までの領域に、1対の駆動電極LE,UEに挟まれたチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の圧電材料層PELを含む圧電アクチュエータPEAを形成する。 端子部にメッキ金属層PL1,PL2,PL3を形成する。 メッキ金属層PL2,PL3間にバイアス電圧源Vを接続する。

    図11Bに示すように、バイアス電圧源Vから圧電アクチュエータPEAの電極UE,LE間に電圧Vを印加すると、圧電材料層PELは電界方向の寸法(厚さ)を増加し、体積を維持するように面内寸法を縮小する。

    図11Cに示すように、圧電アクチュエータPEAの面内寸法の縮小により、片持ち梁CL上面に収縮応が印加される。 片持ち梁CLが上方に反るように変位する。 圧電アクチュエータPEAの1端を片持ち梁CLの固定端から固定部上に延在させることにより、片持ち梁CL他端の変位量を大きくすることができる。

    図11Bに示すように、片持ち梁CLが上側に反ることにより、可動コンタクト電極MCEが固定コンタクト電極FCEに接してスイッチをオンする。 圧電材料層への電圧印加をやめると収縮応力は消滅し、片持ち梁CLの弾性により反りがなくなり、可動コンタクト電極MCEは固定コンタクト電極FCEから離れ、スイッチはオフする。

    圧電駆動機構に換え、可撓梁の上面に可動電極を形成し、その上方に固定電極を形成し、静電駆動機構を構成し、静電引力により可撓梁を上方に変位させて接点間を閉じるスイッチを構成することもできる。

    このようなMEMSスイッチのオン/オフ動作を多数回繰り返すと、接点同士が付いたまま離れなくなるスティッキングと呼ばれる現象が生じ、梁の弾性復元力ではスイッチがオフにならなくなってしまう。 スティッキングは、梁の弾性復元力が小さいほど起こり易い。 スティッキングを防止するためには、梁の弾性復元力を大きくすることが望ましいことになる。 しかし、スイッチの駆動電圧(オン電圧)は低電圧化することが望ましく、低電圧化には梁の弾性復元力は小さい程有利である。

    オン電圧を低減化し、スティッキングを防止するために、接触している接点を引き離すための駆動機構を形成することが考えられる。 例えば、可撓梁に対して圧電駆動機構と静電駆動機構とを設け、一方で接点を閉じる動作を行い、他方で接点を離す動作を行なうことができる(例えば特開2007−35640号)。

    図12に示すように、支持基板SS上に配置された支持部SPから可撓梁CLを張り出させ、可撓梁CLの下面に可動コンタクト電極MCEと可動駆動電極MDEを配置し、これらと対向するように、基板上面に固定コンタクト電極FCEと固定駆動電極FDEを配置して、静電駆動スイッチを構成する。 駆動電極MDE,FDE間に電圧を印加して静電引力によりコンタクト電極MCE,FCE間を閉じることにより、スイッチをオンさせることができる。

    可撓梁CLの上面に圧電材料層PELを配置し、その上面に対向する櫛歯状電極CEA,CEBを配置して、スイッチをオフさせる圧電駆動機構を構成する。 スイッチをオフさせる時は駆動電極MDE,FDE間の電圧をオフにするのみでなく、櫛歯状電極CEA,CEB間に電圧を印加し、圧電材料層PELを収縮させて可撓梁CLを上方に反らせる力を生じさせ、コンタクト電極MCE,FCE間を積極的に離す。

    このように、2つの駆動機構を設けることにより、スイッチのオフ動作のときはコンタクト電極間を積極的に離す力を生じさせ、スティッキングを防止することができる。 しかし、図12に示す構造は、可撓梁と基板とが対向する狭いギャップに対向電極を形成する必要があり、製造工程に対する制約が厳しい。 SOI基板の活性Si層を用いて可撓梁を形成する場合には、実現困難な構造となろう。

    特開2006−261515号公報

    特開2007−035640号公報

    本発明の実施例による1目的は、製造が容易で、スティッキングを有効に抑制できるMEMSスイッチを提供することである。

    1実施例によれば、 MEMSスイッチは、
    固定支持部と、
    固定支持部に少なくとも1端が固定支持され、延在する可動表面を有する板状可撓梁と、
    可撓梁の可動表面に配置された可動電気接点と、
    固定支持部に対する位置が固定され、可動電気接点に対向する固定電気接点と、
    固定支持部から可動電気接点に向かって、可撓梁の可動表面上方に延在し、電圧駆動することにより可動電気接点を固定電気接点に向かって変位させることのできる第1圧電駆動素子と、
    少なくとも可撓梁の可動表面に配置され、電圧駆動することにより可動電気接点が固定電気接点から離れる向きに、可撓梁の可動部を駆動する第2圧電駆動素子と、
    を有する。

    図1A−1Eは、本発明者らの検討内容を示す可撓梁の断面図である。

    図2A−2Dは、第1の実施例によるMEMSスイッチを示す、平面図、IIB−IIB線に沿う断面図、斜視図、IID−IID線に沿う断面図である

    図3A−3Dは、シミュレーションによる可撓梁の変形を示す斜視図、断面図である。

    図4A−4Eは、第1の実施例によるMEMSスイッチの製造プロセスを示すSOI基板の断面図である。

    図5A,5Bは、第1の実施例によるMEMSスイッチの製造プロセスを示すSOI基板の平面図である。

    図6A,6Bは、第1の例による駆動回路の等価回路図とスイッチ駆動のフローチャートである。

    図7A,7B,7Cは、相互誘導素子を用いたスイッチ駆動を示す断面図である。

    図8A,8Bは、第2の例による駆動回路の等価回路図とスイッチ駆動のフローチャートである。

    図9A,9Bは変形例によるMEMSスイッチを示す平面図、断面図である。

    図10A,10Bは第2の実施例によるMEMSスイッチを示す平面図、断面図である。

    従来技術によるユニモルフ型圧電駆動素子を有するMEMSスイッチの例を示す断面図である。

    従来技術による複合駆動機構を有するMEMSスイッチの例を示す断面図である。

    上下電極層が圧電材料層を挟持する単純構造のユニモルフ圧電駆動機構により可撓梁を変形させる場合を考察する。 電圧印加により誘起できる圧電駆動機構の範囲は1方向であり、可撓梁と圧電駆動機構との積層構造の変形も1方向である。

    図1Aに示すように、板状の可撓梁FBの表面上に、Pt等の下部電極LE、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)等の圧電材料層PEL,Ptなどの上部電極UEを積層配置した圧電駆動機構PEAを形成する構造を考察する。 この圧電駆動機構PEAは、上部電極UE、下部電極LE間に電圧を印加することにより、厚電材料層PELの厚さが増加し、面内寸法が減少する(面内方向では縮む)、1方向の変位を示す。 可撓梁FB、圧電駆動機構PEAの積層構造は、厚電駆動機構PEAの収縮により、下に凸に変形する。 可撓梁FB、圧電駆動機構PEAが図中横方向に長いストライプ形状であれば、横(長さ)方向の変形が大きくなる。

    図1Bに示すように、圧電駆動機構PEAが縮むと、厚電駆動機構PEAと可撓梁FBとの積層部分PEA/FBは、上側の圧電駆動機構PEAの収縮により、下に凸に変形する。 圧電駆動機構PEAの外側の可撓梁FBは、自由状態であれば、何ら変形せず、真直ぐに延在する。

    図1Cに示すように、可撓梁FBの一端、例えば左端、が支持部SP上に平に支持されていると、この部分は変位せず、自由状態の他の部分が変位する。 圧電駆動機構PEAの左端部が水平に維持され、下に凸の屈曲が、可撓梁FBの右側部分を上方により大きく変位させる。

    図1Dに示すように、可撓梁の両端が支持部SP1,SP2に支持されている場合を考察する。 可撓梁FBの両端は水平状態に固定される。 圧電駆動機構PEAは左側支持部SP1上方から可撓梁FB中央部に向かって形成されているとする。 電圧印加により圧電駆動機構PEAが収縮すると、可撓梁FB、圧電駆動機構PEAの積層部PEA/FBは下に凸に変形しようとする。 左側支持部SP1より右側の積層構造を上方に変位させようとすると、右側支持部SP2に固定された可撓梁FB右端部が抗力を発揮する。 抗力とバランスする位置まで、圧電駆動機構/可撓梁積層部分PEA/FBは下方に変形するであろう。 左側支持部SP1から右側の部分で、厚電駆動機構PEA/可撓梁FB積層PEA/FBが一端下方に沈み込み、右側支持部SP2側の上方変位を抑制するであろう。 その右側の可撓梁FBはそのまま右上方に直進しようとするであろうが、右側支持部SP2からの抗力を受け、上に凸に変形し、さらに下に凸に変形して右側支持部SP2上の水平方向部分に連続するであろう。 ここで、可撓梁FBの高さ分布にピークPKが生じるであろう。 このピーク部PKに可動接点を配置すれば、一定の変位を発生させる為の電圧(オン電圧)の低減化に有効であろう。 圧電駆動機構PEAへの印加電圧を解放すれば、圧電駆動機構PEAの変形駆動力は消滅し、可撓梁FBは真直ぐな状態に復帰し、MEMSスイッチをオフする。

    スティッキングは、オンしたMEMS接点が離れなくなる現象である。 可撓梁FBの復元力のみでは、可動電気接点が固定電気接点から離れなくなったとしても、別の駆動力を印加すれば、可動電気接点を固定電気接点から離隔させることが可能な場合が多い。 図1Dに示すオン状態から、オフ状態に切り換えた時、ピーク部PKに下向きの力を作用できればスティッキング抑制に有効であろう。

    図1Bに示したように、自由状態の可撓梁FB状に配置した圧電駆動機構PEAは、電圧印加により下に凸の変形を起こす。 圧電駆動機構PEAの中央に着目すると、下向きの変位を生じることになる。

    図1Eは、可動電気接点近傍領域に圧電駆動機構PEA2を形成する場合を示す。 圧電駆動機構PEA2は、MEMSスイッチの接点対を含む領域で、可撓梁FB上に形成される。 電圧印加により、厚電駆動機構PEA2が収縮し、圧電駆動機構PEA2/可撓梁FBの積層を下に凸に変形し、積層の中央部は下方に変位させる。 積層REA2/FBの中央部に接点を配置すれば、接点に下向きの力が作用し、スティッキングを抑制する。

    図2A−2Dは、第1の実施例によるMEMSスイッチを示す。 図2Aは上から見た平面図、図2Bは図2AのIIB−IIB線に沿う断面図、図2Cは斜視図、図2Dは図2AのIID−IID線に沿う断面図である。

    図2A、2Bに示すように、左右の支持部SP1,SP2間に可撓梁FBが支持され、その中間部を跨いでスイッチの固定接点FCEを備えた固定配線FWが配置されている。 図2Dに示すように、固定接点FCEに対向する位置で、可撓梁FB上に可動接点MCEが配置されている。 固定配線FWは、可撓梁FB両側の支持部SP3,SP4に支持されている。 可動接点MCEは、図2A,2Bに示す可動側配線MWに接続されている。

    図2Bに示すように、接地配線GRが固定部SP1上方から可撓梁の中央部を超え、支持部SP2からは離された領域上に形成されている。 図2Aに示すように接地配線GRは可撓梁の根元側では幅広の1本の配線であるが、先端側では幅狭の2本の配線に分かれ、中間に可動接点収容スペースを形成している。

    図2Bに示すように、支持部SP1上方から可撓梁FBの中間位置に掛けて幅広の接地配線GR上に圧電材料層PEL1,上部電極UE1が形成され、引上げ(オン)用アクチュエータRAを構成している。 上部電極UE、接地配線GR間に電圧を印加すると、図1Dに示したように、引上げ用アクチュエータRAの先方を引上げ、可動接点MCEをピークとする変形を起こす。

    図2Bに示すように、引上げ用アクチュエータRAから離れた、幅狭接地配線GR上に圧電材料層PEL2、上部電極UE2が形成され、図2Aに示すように2つの引き下げ(オフ)用アクチュエータDA1,DA2を構成している。 引上げ用アクチュエータRA、引き下げ用アクチュエータDA1,DA2の相対的配置は、図2Cの斜視図で明らかであろう。

    本実施例においては、両持ち型可撓梁FBの左側支持部上方から可撓梁中間に延在する圧電駆動素子RAが可動接点MCEを上方に駆動する駆動力を発揮でき、可動接点MCE両側の圧電駆動素子DA1,DA2が可動接点MCEを下方に引き下げる駆動力を発揮できる。

    図3A−3Dは、シミュレーションによる可撓梁の変形を示す。 図3A,3Bが引上げ用アクチュエータRA駆動時の斜視図、断面図であり、図3C,3Dが引き下げ用アクチュエータDA1,DA2駆動時の斜視図、断面図である。 引上げ用アクチュエータを駆動するとアクチュエータ部分が卵形に凹み、その先方にピークを形成する様子、引き下げ用アクチュエータを駆動するとピークであった部分が凹み、下方に凸の変形を形成することが判る。 なお、引き下げ用アクチュエータが可動接点の両側に配置された2つの要素で構成される場合を示したが、2つの引き下げ用アクチュエータは必須ではない。 一方を省略してもよい。 但し可動接点の両側に引き下げ用アクチュエータを配置するほうが、可撓梁に均等な力を作用できて好ましい。

    第1の実施例によるMEMSスイッチの製造プロセスを図4A−4Eの断面図、図5A,5Bの平面図を参照して説明する。

    図4Aに示すように、例えば厚さ300μm〜500μmの単結晶Si基板51上に、例えば厚さ10μm〜50μmのボンディング酸化シリコン膜52を介して、例えば厚さ10μm〜20μm、500Ωcm以上の高抵抗率を有する、活性単結晶Si層53が結合されたSOI基板を用意する。 活性Si層53表面は酸化シリコン層等の絶縁膜で覆われているとする。 活性Si層53表面にスパッタリングによりPt層を厚さ300nm〜1000nm堆積する。 Pt層の上にレジストパターンを形成し、Arを用いたミリングによりレジストパターン外のPt層を除去することによりPt層をパターニングして接地配線GRを形成する。 なお、Pt層のパターニングは、活性Si層53上にまずレジストパターンを形成し、Pt層をスパッタリングし、レジストパターン上のPt層はリフトオフで除去することにより行なってもよい。 パターニングした接地導体GRを覆って、活性Si層上方に、厚さ1μm〜3μmの、PZT等の圧電材料層PELを例えばスパッタリングにより形成する。 PZT層をゾルゲル法で形成することもできる。 Pt下部電極上に形成したPZT膜は結晶方位が揃い、高い強誘電性、圧電性を示す。

    図4Bに示すように、圧電材料層PELをパターニングする。 圧電材料層PELの上にレジストパターンを形成し、PZT層のパターニングをHF系エッチャントを用いたエッチングで行なう。 PZT層をミリングでパターニングすることも可能である。 パターニングしたPZT層PELを覆って、活性Si層53の上に厚さ300nm〜1000nmのPt層をスパッタリングにより堆積する。 Pt層をパターニングして、上部電極UEを形成する。 上部電極UE上にレジストパターンを形成し、Arを用いたミリングでPt層をパターニングする。 リフトオフを行なうことも可能である。 接地配線GR上に、引上げ用アクチュエータRA、引き下げ用アクチュエータDAの構成が形成される。

    図5Aは、可撓梁FB上に引上げ用アクチュエータRA、引き下げ用アクチュエータDA1,DA2を形成した状態の平面図である。

    図4Cに示すように、活性Si層53全面上にTi/Au積層のシード層を形成し、その上にメッキ領域に開口を有するレジストパターンを形成する。 レジストパターンで画定された開口内にAu電解メッキを行ない、電極パッド及びブリッジ柱のAuメッキ層PLを形成する。 その後、レジストパターンをレジストリムーバ、アッシング等で除去し、露出したシード層も弗化アンモニウム系溶液等で除去する。

    図4Dに示すように、活性Si層53上に酸化シリコン等の犠牲層SACを化学気相堆積(CVD)等で成膜し、固定接点FCE表面およびブリッジ柱のAuメッキ層上面を露出するエッチングを行う。 パターニングした犠牲層上にシード層を形成し、メッキ層形成領域を画定するレジストパターンPRを形成し、Au層PLの電解メッキを行う。

    図4Eに示すように、レジストパターンPRをレジストリムーバ等により除去し、犠牲層SACをHF溶液等により除去し、MEMSスイッチ構造を露出する。 活性Si層上に可動接点、固定接点を含むスイッチ、引き上げようアクチュエータRA,引き下げようアクチュエータDAが形成されている。

    図5Bに示すように、活性Si層53を貫通し、可撓梁FBを画定するスリットSLをディープRIE(反応性イオンエッチング)(ボッシュプロセス)によるドライエッチングで形成する。

    図4Eに示すように、裏面から支持Si基板51、ボンディング酸化シリコン膜52を貫通し、可撓梁FBを露出する開口をディープRIEによるドライエッチングで形成する。

    図6Aは、第1の例による、MEMSスイッチの制御回路を示す。 制御回路CTLはタイマを含むマイクロプロセッサを有し、第1電圧源V1を引き上げ用アクチュエータRAに接続するタイミング、および第2電圧源V2を引き下げ用アクチュエータDAに接続するタイミングを制御する。

    図6Bは、制御のフローチャートを示す。 ステップS0は、引き上げ用アクチュエータRA,引き下げ用アクチュエータDA共にオフの、スイッチ状態オフである。 スイッチ状態をオンにするステップS1では、引き上げ用アクチュエータRAをオンにする。 引き下げ用アクチュエータDAはオフを保つ。 スイッチ状態をオンからオフに切り換えるスイッチオフの第1ステップS2において、引き上げ用アクチュエータRAをオフにする。 引き下げ用アクチュエータDAはオフを保っている。 スイッチ状態をオンからオフに切り換えるスイッチオフの第2ステップS3において、引き上げ用アクチュエータRAをオフにしてからΔt秒経過後、引き下げ用アクチュエータDAをオンにする。 可動接点を引き上げる力が消滅した状態で、可動接点を引き下げる力が発生する。 引き下げ用アクチュエータDA稼動からT秒経過後、通常のオフ状態に移動するステップS4において、引き下げ用アクチュエータDAをオフにする。 引き上げ用アクチュエータRAはオフを保つ。

    図7A,7B,7Cは、相互誘導素子を用い、簡単な構成で図6と同様の制御を行なう場合を示す。

    図7Aに示すように、電圧源V1がスイッチSW,相互誘導素子Mの1次側を介して引き上げ用アクチュエータRAに接続されている。 相互誘導素子Mの2次側は定常的に抵抗Rを介して引き下げ用アクチュエータDAに接続されている。

    図7Bに示すように、スイッチSWをオンにすると、引き上げ用アクチュエータRAに電圧V1が印加され、引き上げ用アクチュエータRAがオン状態となり、可動接点を引き上げマイクロスイッチをオンにする。 相互誘導素子の2次側に誘起電流が流れるが、抵抗Rで制限され、引き上げ力に比較して引き下げ力は小さい。

    図7Cに示すように、スイッチSWをオフにして引き上げ用アクチュエータRAへの電圧印加をオフにする。 相互誘導素子Mにおいて、1次側電流が急減し、2次側に誘導起電力が生じる。 引き上げ用アクチュエータRAの引き上げ力が消滅した状態で、引き下げ用アクチュエータDAに電圧が印加され、可動接点に引き下げ力が作用する。 可撓梁の復元力と引き下げ用アクチュエータの引き下げ力が相乗的に可撓梁に作用して、スティッキングを有効に抑制する。 演算回路を用いることなく、引き下げアクチュエータを作動させることができる。 電源は1つで足りる。

    図8Aは、第2の例による、MEMSスイッチの制御回路を示す。 図6Aの制御回路と比較すると、引き上げ用アクチュエータRAの駆動回路にカウンタCTが加入されている。

    図8Bは、制御のフローチャートを示す。 各ステップS0−S4は、図6Bの対応するステップと同じである。 カウンタにN回を設定すると、ステップS1で引き上げアクチュエータRAを駆動した後、(N−1)回まではステップS0に戻る。 N回目にステップS1からステップS2に進み、引き下げアクチュエータDAを駆動する。 引き下げアクチュエータの駆動が(1/N)に減少する。 引き下げアクチュエータを使用することによる接点の磨耗などを減少できるメリットがある。

    図9A,9Bは2つの変形例によるMEMSスイッチを示す平面図、断面図である。

    第1の実施例の幅広の1つの引き上げアクチュエータRAをもちいた。

    図9Aの変形例では、2つの引き上げアクチュエータRA1,RA2を可撓梁の両辺に沿って配置している。 引き上げ用アクチュエータRAと引き下げ用アクチュエータDAを同じ幅の構造で形成できる。 幅広の1つの圧電アクチュエータは可撓梁に卵形の変形を生じさせるが平行な2つの圧電アクチュエータは、主として長さ方向の変形を生じさせ、幅方向の変形は減少する。

    図9Bの変形例では、可撓梁の長さ方向に関して、引き下げ用アクチュエータDAが可動接点を含む領域から支持部SP2上まで延在している。 圧電アクチュエータが存在する領域は下に凸に変形するので、支持部に掛かっていても下向きの力を生じさせることが可能である。

    図10A,10Bは、第2の実施例によるMEMSスイッチを示す平面図、断面図である。 本実施例の可撓梁は片持ち梁である。 支持部SP1上方から可撓梁FBの中間位置まで2つの引き上げ用アクチュエータRA1,RA2が可撓梁FBの両辺に沿って配置され、その間に、引き下げ用アクチュエータ及び可動接点用の配線を配置する。 可撓梁FBの長さ方向に関して、可撓接点を含む領域に2つの引き下げ用アクチュエータDA1,DA2が可撓梁FBの両辺に沿って配置されている。 片持ち梁なので、引き上げ用アクチュエータRA1,RA2を駆動すると、図1Cに示すように可撓梁は先端を引き上げる動作をする。 引き下げ用アクチュエータDAの動作は図1Eに示すように下に凸に変形する。

    上述の実施例で例示した材料数値は例示的なものであり、制限的意義を有さない。 Pt下部電極と下地との間にTi等の密着膜を形成してもよい。 圧電材料はPZTの他、PLZT、PNN−PT−PZ等他の圧電材料を用いることもできる。 圧電駆動素子の電極はPtに限らない。 酸化しない、又は酸化しても導電性を保つ貴金属を用いることもできる。 圧電素子に関しては、特開2007−257807号の実施例の欄を参照することができる。 可撓梁の材料は、単結晶Siに限らない。 金属ガラス等を用いることも可能であろう。 例示したプロセスも限定的なものではない。 加工プロセスに関しては、例えば特開2006−261515の実施例の記載を参照することができる。 その他、種々の変形、置換、改良、組み合わせ等が可能なことは、当業者に自明であろう。

    QQ群二维码
    意见反馈