【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、可動物、例えばローラ式シャッター又はドア、を駆動する電気モータの制御装置であって、この電気モータの制御装置が、モータへの電力供給を制御するスイッチと、前記スイッチがモータへの電力供給を開閉するように、特に障害物によって拘束されている可動物に応答するこのスイッチを作動する手段とを備えていて、これらの作動手段が、スイッチが閉じている第1の状態とスイッチが開いている第2 の状態とを採ることができる機械式作動装置と、その第1の状態に機械式作動装置を置く手段とを備えており、 この作動装置が、可動物の拘束によって第2の状態にもたらされる電気モータの制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】そのような装置は、独国特許第2734 512号により公知である。 この装置では、モータへの電力供給を制御するスイッチが、静止状態で開であり、 モータで駆動される遠心機構によって閉じられ、このモータの始動は、手動の押しボタンスイッチによって制御される遅延ドロップアウトの起動リレーによって行われる。 モータの起動手段及び過剰トルクの際の自動停止手段とが、こうして組み合わされるが、かなりの複雑性に加えて、そのような装置は、起動リレーを供給するための特定の目的の配線を必要とする。 【0003】モータ駆動のローラ式シャッターの制御装置は、欧州特許第703344号からも公知であり、これは、モータ上のローラ式シャッターによって起された抵抗トルクの突然の増加を検知することによって作動する。 最後に、モータのシャーシーは、それが回転可能であり、かつその回転が、反対方向に作用し、かつシャーシーの回転が各々の回転方向で、モータへの電力供給を停止するスイッチを作動するに至る過剰トルクを定める2つのスプリングによって制限されるように設けられている。 可動物の拘束は、移動の終点への到達によるか、 又は障害物によって起される。 モータの起動は、従来の方法でスイッチによって行われる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、モータ起動の手動式制御とモータの自動停止手段とを組み合わせることにもあるが、補助の配線を必要とせず、ケーブル又はコードをもつロッド式制御のような機械的な手動式制御を用いる簡単な機械式手段によることである。 【0005】本発明の制御装置は、機械式作動装置が双安定装置であり、この作動装置を第1の状態にするための手段が、専ら手動であることを特徴としている。 本発明は、1方向の回転をもつモータにも、また2方向の回転をもつモータにも同様に適用可能である。 この装置は、モータに電力を供給するのに必要な配線以外の外部からの配線を必要としない。 それ故設備が単純化される。 【0006】 【課題を解決するための手段】最も単純な実施の形態では、作動装置は、単安定スイッチを作動する回転カムであって、それは、その周囲にカムの回転に一致する角度巾をもつノッチを有しており、このカムの回転は、スイッチの作動に必要であり、モータのケーシングがスプリング作用に抗して抵抗トルクによって回転駆動される場合に、モータのケーシングの突出部(スピゴット)がそれを駆動するために係合される。 【0007】別の実施の形態では、機械式双安定装置は、少なくとも1つの傾斜面によって案内される少なくとも1つの止め金具(スタッド)の相互作用によって連結される固定の筒状管部分内を、並進及び回転することができる筒状部分よりなり、この可動部分は、スイッチの方向にスプリングによって押される一方で、手動で作動可能な引っ張り要素に連結されて、スプリングの付勢に反対の引っ張り力を生じさせることができ、かつこの装置は、スプリングの作用に抗したモータのケーシングの回転によっても、又は引っ張り要素による更なる引っ張り力によっても、第2の安定状態にもたらされ、このケーシングの回転は、拘束される前記可動物によって生じた抵抗トルクによって起される。 【0008】 【発明の実施の形態】添付図面は、本発明の3つの実施の形態と、第1の実施の形態の2つの変形例を示している。 図1において、Cは、手動制御、例えば引っ張られる可撓コード又は押されたり/引っ張られる剛性ロッド、を示しており、Bは双安定作動装置を、Mはモータで、そのケーシングは、拘束スプリングの作用に抗してモータ軸の回りを回動でき、かつDは、モータMのケーシングと固定点との間のずれ(オフセット)角度の検出器をそれぞれ示している。 モータMは、負荷L、例えばローラ式シャッター、を駆動する。 最初に、モータの電力供給スイッチが開、即ち作動装置Bが第1の安定状態Pにあるとすると、使用者による制御Cの作動は、双安定装置Bに状態Pから状態Pへの切換えを生じさせる効果を有する。 この状態でずれ角度の検出器Dが、ずれ角を検出しないならば、モータMは駆動される。 この作用は、M=(P&S)で表わされる。 【0009】検出器Dが、モータのケーシングのずれ角を検出すると、双方向装置Bに停止信号Sを発し、それから状態Pに切り換わる。 モータMは、もはや電力が供給されない。 図2に示されたモータは、2巻回及び移相コンデンサをもつ従来の単相モータであり、各々の巻回は、電力供給電圧がP1とNとの間又はP2とNとの間に供給されるかどうかについての補助の巻回として作用する。 【0010】第1の実施の形態は、図3〜図8に示されている。 図3において、筒状支持体1が示され、固定点、例えばモータ駆動されるローラ式シャッターを巻くための管体の支持体の1つを構成している。 この筒状支持体1は、2つの直径方向に対向した長手方向の溝2を有している。 筒状支持体1と同軸で、その延長上に、モータのケーシング(図示されていない)に不可欠の筒状スリーブ3があり、これは、このケーシングの延長部を構成することも可能である。 モータのケーシングの他端部は、軸の回りを自由に回転できるように保持されている。 このスリーブ3は、スリーブ3にしっかりと固定され、固定の筒状支持体1の各々の溝2内をそれぞれ延在している2つの長手方向の棒部材4と5によって、延ばされている。 これらの棒部材4と5は、各々の棒部材及び対応する溝2の壁との間に挿入されたV字形の一組のスプリング6と7により突出した状態で保持される。 こうしてモータのケーシングは、伸縮自在に突出した状態で保持される。 【0011】棒部材4と5とは、スリーブ3内の横材8 によって更に連結されている。 この横材8は、その中間部分で、スリーブ3の回動軸を通る平面に対し対称的に配置された一組のカム9と10を備えている。 カム9 は、第1の双安定作動装置11と相互作用するようになっており、カム10は、第2の双安定作動装置と相互作用するようになっている。 この第2の双安定作動装置は、図示されておらず、カム9と10と同様に、同じ直径方向の対称面に対して対称的に配置されている。 この双安定装置11は、回転方向の1方に対して、モータの電力供給を制御するスイッチ12を作動する。 別の双安定装置は、スイッチ12に対するのと同様に第2のスイッチを制御し、この第2のスイッチは、双安定装置と同様に、同じ対称面に対して対称的に設置される。 【0012】双安定装置11は、固定の筒状管部分13 と、この部分13内を回転及び並進可能な筒状部分14 とよりなる。 この固定の部分13の壁は、スロット15 で貫通され、このスロットは、径方向の突出部(スピゴット)16のための傾斜面とわな部(トラップ)との循環路を形成していて、突出部16は、僅かな隙間をもつスロット15を貫通する可動な筒状部分に固定され、双安定装置に関する限り、カム9によって駆動されるように、筒状管部分13の径方向外部へと延出している。 この可動な筒状部分14は、回転が妨げられないように棒部材又はケーブル17の一端部に連結されている。 可動な筒状部分14は、そのうえさらに、圧縮で働き、スイッチ12の方に筒状部分14を押しているスプリング1 8の作用を受けている。 【0013】この実施の形態の作用を図4〜8を使用して説明する。 図4に示された位置では、双安定装置の可動筒状部分14の突出部16は、スイッチ12に接近した循環路15の左方端部に、スプリング18で保持されている。 この筒状部分14は、スイッチ12の押圧体に耐えており、その接点12aは開である。 モータは電力が供給されない。 使用者が矢印F1の方向にロッド17 を引っ張るなら、筒状部分14が後方に引っ張られる。 この動きの間、突出部16は、矢印F2で示されるように傾斜面15aに沿って摺動し、筒状部分14を駆動する。 最後に突出部16は停止部15bに当接するようになる。 【0014】ロッド17の引っ張り力が開放されると、 突出部16は、図5に示されるように循環路15のわな部15Cに係合する。 そのとき、双安定装置は、第2の安定状態にある。 筒状部分14は、スイッチ12から離れて移動し、その接点が閉じられ、モータは電力が供給される。 【0015】それからモータのケーシングが、モータによって駆動される可動物の拘束によって、回転駆動されるなら、例えばローラ式シャッターが巻かれている間、 ローラ式シャッターの端部の箱型ハウジングへの当接に到達することによって、モータのケーシングが回転駆動されるなら、スリーブ3が、スプリング6又は7の1 方、例えばスプリング7、の作用に抗して回動し、カム9が、そのわな部15Cから脱出するように突出部16 を駆動し、それによりスプリング18の付勢により、図6の矢印F3で示されるように、突出部は、循環路15 に沿って第1の安定位置に戻る。 スイッチ12はそのとき作動し、接点12aが開き、モータへの電力供給が停止される。 【0016】停止もまた、手動でロッド17を引っ張ることにより制御される。 双安定装置11は、この場合は図7と8に示されるように作動する。ロッド17を引っ張ると、突出部16は、わな部15Cから離れて動き、 傾斜面15dに当接するようになる。開放されると、突出部16は、15eに沿って軸方向に動き、かつ傾斜面15fを動いて、図4に示される位置へと戻る。 【0017】制御装置を備えている2つの双安定作動装置が独立しているなら、使用者がこれら2つの双安定装置を同時に作動するのを、即ち2つの正反対の指令を与えるのを、妨げるものは何もない。 このことが、機械的又は電気的に避けられる。 【0018】図9は、機械的な解決策を示している。 2 つの双安定装置の可動部分14と14′は、それぞれ環状の溝19,19′を有している。 2つの可動部分14 と14′との間に摺動体20が設置され、2つの双方向装置間を横方向に摺動し、溝19と19′に交互に係合できる。 この摺動体20の長さは、溝19又は19′の1方に常に係合するような長さとされている。 図9に示された位置では、摺動体20は可動部分14の溝19内に、その両端部の1方が係合される一方で、その他方端部は、可動部分14′の筒状面に当接している。 こうして可動部分14は、固定され、それによりロッド17の引っ張り力は、何ら影響を及ぼさない。 反対に、可動部分14′がスイッチ12′に当接すると、可動部分14 は開放される。 【0019】図10は、電気的な解決策を示している。 スイッチの1方、例えばスイッチ12が、端子aを端子b又は端子cのどちらかに接続できるようなインバータ接点が備え付けられていて、この端子cが、スイッチ1 2が作動される場合にのみ、スイッチ12′の閉が有効であるような方法で、スイッチ12′に接続されており、かつ逆にスイッチ12の作動が、示された位置に接点12bをもたらす効果を有し、その開放が端子bに接点12bをもたらす効果を有している。 【0020】図11と12に関連して、第2の様式を説明する。 これらの図は窓装置に取り付けられたローラ式シャッター装置の端部の1方を示している。 筒状モータのケーシング3を見ることができ、これは、部分的に示された取り巻き管21内に収容され、モータによって駆動される。 図示されているケーシング3の端部は、フランジ22を備えており、そのフランジ22によって主円形切込部24を備えた長方形の枠組み23に取り付けられている。 フランジ22は、その中を自由に回転できるように円形切込部24内に係合されたリング25を備えている。 最低点で、リング25は、リングの中心の方に向けられた第1の突出部(スピゴット)26と、外方に向けられた第2の径方向の突出部(スピゴット)27とが備え付けられ、2つのスプリング29と29′とが収容されている枠組み23の長方形の切込み部28で、2 つのスプリングは互いに圧縮で作用し、突出部27の両面の各々を付勢している。 【0021】リング25の中心には、スイッチ30が、 双安定のラッチ31を備えて固定されており、即ちスイッチは、中央の接点と接点の1方又は他方との間で、即ちNとM1又はNとM2(図2)間で交互に電気的に接続させるための、中央の端子と2つの接点を有しており、これによりモータを一方向から他方向に切換えできる。 ラッチ31の見える部分は、鈍角Vの輪郭を有している。 スイッチ30は、枠組み23に固定された支持体32によって支えられている。 モータ及び巻取り管の軸と同軸に、カム33が設けられ、これは、その下方部分で、うまく限定された角度で延在しているノッチ34 と、スイッチのラッチ31のV形状の輪郭の角度に等しい角度をもち、この輪郭に係合される二面体の形の突起部分35とを有している。 【0022】突出部26はノッチ34に係合する。 ノッチ34と突出部26との各々の端部間の空間は、ラッチ31を作動する、即ち一方又は他方の位置のスイッチ3 0を閉じるのに必要なカム33の角度変位に等しい。 カム33は、軸36により手動で回転駆動される。 スイッチを損傷する危険にさらさないために、軸36とカム3 3との連結は、弾性的リンク又は摩擦リンクである。 【0023】この装置が静止し、モータが停止している状態を説明する。 モータを始動するために、使用者は、 モータの望ましい回転方向である1方向又は他方向に、 軸36を回す。 カム33の回転が、突起部分(二面体) 35によるスイッチを閉じる一方で、突出部26をノッチ34の一方の側に移動するという効果を有している。 例えば、カム30は、時計方向に駆動されたと仮定しよう。 従って図11のノッチ34の右側端部が突出部26 に接触するようになる。 抵抗トルクが、スプリング2 9′を圧縮することによって、反時計方向にケーシング3を回転させようとすると、突出部26は、同じ方向にカム33を回転駆動し、突起部分(二面体)35を示された位置に移動させる、即ちスイッチのラッチ31を示された位置に移動させる効果を有している。 モータへの電力供給は停止される。 過剰な抵抗トルクがなくなると、スプリング29′は、ケーシング3を示された位置に戻す。 この実施の形態は、それ故双安定装置は、スイッチ自体よりなる。 【0024】図13と14に示された第3の実施の形態は、実際は第2の実施の形態の変形例であり、多部分の要素、特に示されていない要素は、同じものである。 図13では、ケーシング3のフランジのリング25は、径方向の突出部26と27とをもっている。 回転カム3 3′は、第1の実施の形態のスイッチ12と12′とは反対に、静止で接点が開く2つの単安定スイッチ38と38′間に係合される突起する中央部分37を示していることで、カム33とは異なっている。 【0025】カムの突起部分37は、静止ではスイッチ38と38′は作動せず、軸36によるカム33′の回転駆動によって、突起部分37によりスイッチの1方又は他方を作動するような形状を有している。 それ故突起部分37は、様々の形態をとることができ、かつ2つの部分に、例えば2つの点部分(ピップ)に分離することもできる。 そのうえ更に、カム33のようにカム33′ の外形は、ノッチ34以外はどんな形をしていてもよい。 【0026】この第3の実施の形態の作用は、第2の実施の形態のそれと同じであるが、唯一の違いは、双安定性がここではカム33′によって与えられることである。 スイッチの一方の作動位置において、カムの安定性は、スイッチの押圧体とカムとの間の摩擦によって保証される。 この安定性は、突起部分37に僅かな凹部を形成することによって、増加できる。 中立位置における安定性は、摩擦又は弾性的に設けられた球のような補助手段によって保証される。 そのような球によって、3つの位置でカム33′の安定性を与えることが可能となる。 そのような手段は、軸36を駆動するつまみにもまた用いられる。 【0027】双安定性は、それらの押圧体がカム37の回動軸の下にあるような方法で、スイッチ38と38′ とをずらすことによってもまた与えることができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】図1は本発明の制御装置の原理を示している理論上の概念図である。 【図2】図2は、2つの実施の形態に用いられた電気モータの図である。 【図3】図3は、第1の実施の形態の部分斜視図である。 【図4】図4は、図3に示された実施の形態に用いられた双安定装置の5つの連続した状態の1つを示している。 【図5】図5は、図3に示された実施の形態に用いられた双安定装置の5つの連続した状態の1つを示している。 【図6】図6は、図3に示された実施の形態に用いられた双安定装置の5つの連続した状態の1つを示している。 【図7】図7は、図3に示された実施の形態に用いられた双安定装置の5つの連続した状態の1つを示している。 【図8】図8は、図3に示された実施の形態に用いられた双安定装置の5つの連続した状態の1つを示している。 【図9】図9は、第1の実施の形態を改良した第1の変形例である。 【図10】図10は、第1の実施の形態の第2の変形例である。 【図11】図11は、ローラ式シャッターに適用した第2の実施の形態の径方向の断面概略図である。 【図12】図12は、図11の線VIII−VIII線に沿って切断した断面図である。 【図13】図13は、第3の実施の形態の径方向の断面の部分概略図である。 【図14】図14は、図13の線X−Xに沿って切断した断面図である。 【符号の説明】 B…双安定作動装置(双安定装置) C…手動制御(ロッド) D…検出器 M…モータ L…負荷 1…筒状支持体 2…溝 3…スリーブ(ケーシング) 4,5…棒部材 6,7,18,29…スプリング 8…横材 9,10,33…カム 11…双安定装置 12,30,38…スイッチ 13…固定の筒状管部分(固定部分) 14…可動の筒状部分(可動部分) 15…スロット(循環路) 16,26,27…突出部 17…ロッド又はケーブル 19…摺動体 21…巻取り管 22…フランジ 31…ラッチ 34…ノッチ 35,37…突起部分 |